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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】放熱器、冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240814BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020154577
(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公開番号】P2022048641
(43)【公開日】2022-03-28
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100173598
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 桜子
(72)【発明者】
【氏名】田村 忍
(72)【発明者】
【氏名】岡村 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】布山 寛
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-003272(JP,A)
【文献】特開2012-216708(JP,A)
【文献】特開昭56-045059(JP,A)
【文献】特開2016-004828(JP,A)
【文献】特開平05-102357(JP,A)
【文献】特開2020-088198(JP,A)
【文献】実開平05-021451(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状のベース部と、当該ベース部から突出するとともに当該ベース部の長手方向に間隔をおいて配置される複数の凸部とを有する複数の放熱部材を備え、
前記複数の放熱部材は、前記ベース部の短手方向に並んでおり、
前記複数の放熱部材の内、隣り合う放熱部材の前記ベース部同士が接触しており、
前記隣り合う放熱部材の前記凸部同士の前記長手方向の位置は異なり、当該凸部における前記短手方向の大きさは、前記ベース部における当該短手方向の大きさよりも大きい
放熱器。
【請求項2】
前記隣り合う放熱部材は、同一形状の部材であり、当該隣り合う放熱部材の内の一方の放熱部材は、他方の放熱部材に対して、前記長手方向の中央部の点にて180度回転された状態である
請求項1に記載の放熱器。
【請求項3】
前記凸部の突出方向に見た当該凸部の形状は四角形であり、当該四角形の一辺の長さは、前記ベース部における短手方向の大きさと同じである
請求項1又は2に記載の放熱器。
【請求項4】
前記四角形の一辺は前記長手方向に対して傾斜している
請求項に記載の放熱器。
【請求項5】
前記凸部における前記ベース部との接続部は、突出方向に直交する面にて切断した断面積が先端部よりも小さい
請求項1からのいずれか1項に記載の放熱器。
【請求項6】
前記接続部は、突出方向に直交する面にて切断した断面形状が長方形である
請求項に記載の放熱器。
【請求項7】
前記複数の放熱部材における前記ベース部が接合されることで、当該複数の放熱部材は接合されている
請求項1からのいずれか1項に記載の放熱器。
【請求項8】
直線状のベース部と、当該ベース部から突出するとともに当該ベース部の長手方向に間隔をおいて配置される複数の凸部とを有し、流体が流通する流路上に配置される複数の放熱部材を備え、
前記複数の放熱部材は、前記ベース部の短手方向が流体の流入部側から流出部側の方向となるように並んでいるとともに、当該ベース部の長手方向中央部が当該流入部と当該流出部とを結ぶ線上にあり、
前記放熱部材は、前記凸部の突出方向の大きさが異なる態様、又は、当該凸部を設けない態様、の少なくともいずれかの態様にすることにより、前記ベース部の当該突出方向の大きさが長手方向の位置に応じて異なり、当該ベース部の当該突出方向の大きさは、長手方向中央部の方が長手方向両端部よりも大きい
放熱器。
【請求項9】
前記凸部の突出方向に見た当該凸部の形状は四角形で、当該四角形の一辺の長さは、前記ベース部における短手方向の大きさと同じであ
求項に記載の放熱器。
【請求項10】
前記四角形の一辺は前記長手方向に対して傾斜している
請求項9に記載の放熱器。
【請求項11】
前記凸部における前記ベース部との接続部は、突出方向に直交する面にて切断した断面形状が長方形であり、
前記複数の放熱部材は、前記ベース部の短手方向に並んでおり、当該複数の放熱部材の内の、前記長手方向の一方側に配置された前記接続部の長辺は、前記流入側から流出側にかけて当該流入側から当該長手方向の一方側の端部の方へ傾斜している
請求項8から10のいずれか1項に記載の放熱器。
【請求項12】
前記複数の放熱部材の内の、前記長手方向の他方側に配置された前記接続部の長辺は、前記流入側から前記流出側にかけて当該流入側から当該長手方向の他方側の端部の方へ傾斜している
請求項11に記載の放熱器。
【請求項13】
前記複数の放熱部材は、隣り合う放熱部材の前記ベース部同士が接触するように配置され、
前記複数の放熱部材における前記ベース部が接合されることで、当該複数の放熱部材は接合されている
請求項8から12のいずれか1項に記載の放熱器。
【請求項14】
前記請求項8から13のいずれか1項に記載の放熱器と、
前記放熱器を収容するケース本体と、
前記ケース本体の開口部を覆うカバーと、
を備え、
少なくとも、前記放熱器の前記複数の放熱部材の前記複数の凸部の先端が前記カバーに接合されているか、又は、当該複数の放熱部材の前記ベース部が前記ケース本体に接合されている
冷却装置。
【請求項15】
前記請求項8から13のいずれか1項に記載の放熱器と、
前記放熱器を収容するケース本体と、
前記ケース本体の開口部を覆うカバーと、
を備え、
少なくとも、前記放熱器の前記複数の放熱部材の前記複数の凸部の先端が前記ケース本体に接合されているか、又は、当該複数の放熱部材の前記ベース部が前記カバーに接合されている
冷却装置。
【請求項16】
前記請求項8から13のいずれか1項に記載の放熱器と、当該放熱器を保持する保持部材と、を有し、当該放熱器の前記複数の放熱部材の前記複数の凸部の先端が当該保持部材に接合されているか、又は、当該複数の放熱部材の前記ベース部が当該保持部材に接合されている放熱器ユニットと、
有底凹状のジャケットと、
を備え、
前記放熱器ユニットは、前記ジャケットの凹部に前記放熱器が収容された状態で、当該ジャケットの開口部を覆うように取り付けられている
冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱器及び冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力制御装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワーデバイス(半導体素子)を冷却する液冷式冷却装置として、複数のピンフィンを有する冷却装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された液冷式冷却装置は、アルミニウム製ケーシングと、ケーシング内の冷却液流路を流れる冷却液に放熱するアルミニウム製放熱器とを備えている。放熱器は、一定の長さを有する真っ直ぐな角棒状のベース部、およびベース部の長手方向に間隔をおいてベース部と一体に形成されかつベース部に対して同方向に突出した複数のピンフィンからなる複数のアルミニウム製放熱部材と、すべての放熱部材を連結一体化する少なくとも1つ、ここでは2つの丸棒状のアルミニウム製連結部材とからなる。放熱部材はプレス成形品からなり、ベース部は上下方向の一定の高さと、長手方向および上下方向と直角をなす方向の一定の厚みとを有している。ピンフィンの横断面形状は方形であり、ベース部の上下両端部のうちいずれか一方、ここでは上端部に上方に突出するように形成されている。全放熱部材のベース部の長さおよびピンフィンの数は等しくなっており、全放熱部材は、すべてのピンフィンが、冷却液流路における冷却液の流れ方向にのびる複数の第1直線上、および冷却液流路の幅方向にのびかつ第1直線と直交する複数の第2直線上に並ぶように、ベース部の長手方向を左右方向を向けた状態で前後方向に間隔をおいて配置されている。そして、放熱部材のベース部が、ケーシングの底壁にろう付され、ピンフィンの先端が、外面に発熱体取付部が設けられた頂壁にろう付されている。連結部材は、長手方向を放熱部材の並んだ方向に向けた状態で、全放熱部材のベース部における全放熱部材が並んだ方向と直交する方向の同一位置に存在する隣り合う2つのピンフィン間の隙間に圧入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6349161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1に記載された液冷式冷却装置においては、放熱器を製造する際には、プレス成形された放熱部材を複数整列させた状態で、連結部材を圧入して一体化しているため、作業性の観点で、さらなる改善の余地があった。
本発明は、製造時の作業性を向上させることができる放熱器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、直線状のベース部と、当該ベース部から突出するとともに当該ベース部の長手方向に間隔をおいて配置される複数の凸部とを有する複数の放熱部材を備え、前記複数の放熱部材の内、隣り合う放熱部材の前記ベース部同士が接触している放熱器である。
ここで、前記隣り合う放熱部材は、同一形状の部材が180度回転させられていても良い。
また、前記凸部における前記ベース部の短手方向の大きさは、当該ベース部における短手方向の大きさよりも大きくても良い。
また、前記凸部の突出方向に見た当該凸部の形状は四角形であり、当該四角形の一辺の長さは、前記ベース部における短手方向の大きさと同じであっても良い。
また、前記凸部は、前記ベース部と一体的にプレス成形された後に捩じられることで、当該ベース部に対して回転した向きとなっていても良い。
また、前記凸部における前記ベース部との接続部は、突出方向に直交する面にて切断した断面積が先端部よりも小さくても良い。
また、前記接続部は、突出方向に直交する面にて切断した断面形状が長方形であっても良い。
また、前記複数の放熱部材における前記ベース部がレーザ溶接されることで、当該複数の放熱部材は接合されていても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、直線状のベース部と、当該ベース部から突出するとともに当該ベース部の長手方向に間隔をおいて配置される複数の凸部とを有し、流体が流通する流路上に配置される複数の放熱部材を備え、前記放熱部材は、前記凸部の突出方向の大きさが異なる態様、又は、当該凸部を設けない態様、の少なくともいずれかの態様にすることにより、前記ベース部の当該突出方向の大きさが長手方向の位置に応じて異なり、当該長手方向の位置に応じて流路面積が異なる放熱器である。
ここで、前記凸部の突出方向に見た当該凸部の形状は四角形で、当該四角形の一辺の長さは、前記ベース部における短手方向の大きさと同じであり、当該一辺は前記短手方向に対して交差していても良い。
また、前記凸部は、前記ベース部と一体的にプレス成形された後に捩じられることで、当該ベース部に対して回転した向きとなっていても良い。
また、前記凸部における前記ベース部との接続部は、突出方向に直交する面にて切断した断面形状が長方形であり、前記複数の放熱部材は、前記ベース部の短手方向に並んでおり、当該複数の放熱部材の内の、前記長手方向の一方側に配置された前記接続部の長辺は、流体の流入口側から流出口側にかけて当該流入口側から当該長手方向の一方側の端部の方へ傾斜していても良い。
また、前記複数の放熱部材の内の、前記長手方向の他方側に配置された前記接続部の長辺は、流体の流入口側から流出口側にかけて当該流入口側から当該長手方向の他方側の端部の方へ傾斜していても良い。
また、前記複数の放熱部材は、隣り合う放熱部材の前記ベース部同士が接触するように配置され、前記複数の放熱部材における前記ベース部がレーザ溶接されることで、当該複数の放熱部材は接合されていても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、上記態様の放熱器と、前記放熱器を収容するケース本体と、前記ケース本体の開口部を覆うカバーと、を備え、少なくとも、前記放熱器の前記複数の放熱部材の前記複数の凸部の先端が前記カバーに接合されているか、又は、当該複数の放熱部材の前記ベース部が前記ケース本体に接合されている冷却装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、上記態様の放熱器と、前記放熱器を収容するケース本体と、前記ケース本体の開口部を覆うカバーと、を備え、少なくとも、前記放熱器の前記複数の放熱部材の前記複数の凸部の先端が前記ケース本体に接合されているか、又は、当該複数の放熱部材の前記ベース部が前記カバーに接合されている冷却装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、上記態様の放熱器と、当該放熱器を保持する保持部材と、を有し、当該放熱器の前記複数の放熱部材の前記複数の凸部の先端が当該保持部材に接合されているか、又は、当該複数の放熱部材の前記ベース部が当該保持部材に接合されている放熱器ユニットと、有底凹状のジャケットと、を備え、前記放熱器ユニットは、前記ジャケットの凹部に前記放熱器が収容された状態で、当該ジャケットの開口部を覆うように取り付けられている冷却装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、製造時の作業性を向上させることができる放熱器等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る冷却装置の一例を示す斜視図である。
図2図1のII-II部の断面図である。
図3図2のIII-III部の断面図である。
図4】放熱部材の一部の斜視図の一例である。
図5】複数の放熱部材を接合して放熱器を成形する方法を説明するための図である。
図6】(a)は、第1の変形例に係る冷却装置の一例を示す断面図である。(b)は、第1放熱器ユニットの一例を示す斜視図である。
図7】(a)は、第2の変形例に係る冷却装置の一例を示す断面図である。(b)は、第2放熱器ユニットの一例を示す斜視図である。
図8】第2の実施形態に係る放熱部材の一部の斜視図の一例である。
図9】第2の実施形態に係る冷却装置における冷却液の流れ一例を示す図である。
図10】第3の実施形態に係る放熱部材の斜視図の一例である。
図11】複数の放熱部材が連結部材にて連結された放熱器の一例を示す図である。
図12】第4の実施形態に係る冷却装置の斜視図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る冷却装置1の一例を示す斜視図である。
図2は、図1のII-II部の断面図である。
図3は、図2のIII-III部の断面図である。
実施の形態に係る冷却装置1は、放熱器10と、放熱器10を収納するケース20とを備えている。
以下に詳述するが、放熱器10は、直線状のベース部12と、ベース部12から突出するとともにベース部12の長手方向に間隔をおいて配置される複数の凸部13とを有する放熱部材11が、短手方向に複数並べられた状態で一体化されている。以下では、放熱部材11の長手方向を左右方向、放熱部材11の短手方向を前後方向、凸部13の突出方向を上下方向と称する場合がある。
【0009】
冷却装置1は、平板状の絶縁部材Iを介してケース20の外面(本実施の形態においては上面)に装着された発熱体Pを、ケース20の内部に流通させる流体の一例としての冷却液及び放熱器10を用いて冷却する装置である。発熱体Pは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))等のパワー半導体デバイスであることを例示することができる。また、発熱体Pは、IGBTと、このIGBTを制御する制御回路とがパッケージ化されたIGBTモジュールや、このIGBTモジュールと自己保護機能とがパッケージ化されたインテリジェントパワーモジュールであることを例示することができる。
【0010】
(ケース20)
ケース20は、放熱器10を収納するケース本体21と、ケース本体21の開口部を覆うカバー22とを備えている。
ケース本体21は、平板状の底部21aと、底部21aにおける各端部から底部21aに直交する方向に上方に突出した側部21bとを有している。前側の側部21bにおける左右方向の中央部には、ケース20の内部と外部とを連通して、冷却液を内部に流入させる流入部21cが設けられている。また、後側の側部21bにおける左右方向の中央部には、ケース20の内部と外部とを連通して、冷却液を外部に流出させる流出部21dが設けられている。
カバー22は、平板状の部材であり、ケース本体21における上端部と同じ形状である。カバー22の上面には、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着されている。本実施形態に係る冷却装置1には、前後方向の中央部に、3つの発熱体Pが左右方向に並べて配置されている。
【0011】
(放熱器10)
図4は、放熱部材11の一部の斜視図の一例である。
ベース部12は、直方体状であり、上下方向の大きさが前後方向の大きさよりも小さい。
凸部13は、四角柱状であり、柱方向が上下方向となるようにベース部12から突出している。つまり、上下方向、言い換えれば、凸部13の突出方向に見た凸部13の形状は、図3に示すように、正方形であり、当該正方形の一辺の長さは、ベース部12における短手方向の大きさと同じである。例えば、凸部13は、ベース部12と一体的にプレス成形された後にベース部12に対して捩じられることで、ベース部12に対して回転した向きとなっている。本実施の形態においては、図3に示すように、凸部13は、ベース部12に対して45度回転している。これにより、図3に示すように、凸部13におけるベース部12の短手方向の大きさは、ベース部12における短手方向の大きさよりも大きい。その結果、凸部13におけるベース部12の短手方向の大きさがベース部12における短手方向の大きさと等しい構成よりも、凸部13の表面積を大きくすることが可能となる。
【0012】
複数の凸部13は、ベース部12上に等間隔に配置されており、長手方向における隣り合う凸部13の中心間の大きさは距離L0に設定されている。また、複数の凸部13は、ベース部12における長手方向の一方側の端面12aから当該一方側の端面12aに最も近い位置に配置されている凸部13の中心までの距離L1よりも、ベース部12における長手方向における他方側の端面12bから当該他方側の端面12bに最も近い位置に配置されている凸部13の中心までの距離L2の方が大きくなるように配置されている。
【0013】
複数の放熱部材11は、上下方向に見た場合に、ベース部12の一方側の端面12aが左側、他方側の端面12bが右側となるように配置された第1の状態と、第1の状態に対して、左右方向の中央部であって前後方向の中央部の点にて180度回転された状態であり、一方側の端面12aが右側、他方側の端面12bが左側となるように配置された第2の状態とが交互になるように並べられている。
【0014】
また、複数の放熱部材11の内、隣り合う放熱部材11のベース部12同士が接触するように配置されている。つまり、一の放熱部材11のベース部12における後側の端面12cと、当該一の放熱部材11と隣り合う他の放熱部材11のベース部12における前側の端面12dとが接触するように配置されている。また、当該一の放熱部材11の一方側の端面12aの左右方向の位置と、当該他の放熱部材11の他方側の端面12bの左右方向の位置とが同一となり、当該一の放熱部材11の他方側の端面12bの左右方向の位置と、当該他の放熱部材11の一方側の端面12aの左右方向の位置とが同一となるように配置されている。
【0015】
図5は、複数の放熱部材11を接合して放熱器10を成形する方法を説明するための図である。
複数の放熱部材11は、上述したように、第1の状態の放熱部材11と第2の状態の放熱部材11とが交互になり、ベース部12同士が接触するように配置された状態で、ベース部12がレーザ溶接にて接合されている。
レーザ溶接する際には、ベース部12の長手方向の端部、あるいは、一方側の端面12aと当該一方側の端面12aから最も近い位置に配置されている凸部13との間に対して、レーザ装置150のレーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。そして、レーザ光Lを照射したままレーザヘッド151を複数の放熱部材11の並び方向(前後方向)に移動させることで、複数の放熱部材11に対してレーザ光Lを連続的に照射する。これを、ベース部12の長手方向の両端部それぞれに対して行う。
なお、レーザ光Lを照射するのは、ベース部12の長手方向の端部、あるいは、一方側の端面12aと当該一方側の端面12aから最も近い位置に配置されている凸部13との間に限定されない。ベース部12における他の部位、例えば凸部13と凸部13の間にレーザ光Lを照射することで、複数の放熱部材11を接合しても良い。
【0016】
以上のように構成された放熱器10は、複数の放熱部材11のベース部12の下面がケース本体21の底部21aに接触するように配置された状態で、ベース部12の下面とケース本体21の底部21aとが接合されている。また、複数の放熱部材11の複数の凸部13の上端面とカバー22の下面とが接合されている。また、ケース本体21の上端部とカバー22の下面とが接合されている。放熱部材11は、アルミニウム製であることを例示することができる。また、接合は、圧着、接着、ろう付等の溶着であることを例示することができる。ケース本体21とカバー22とをろう付する場合には、ケース本体21及びカバー22は、アルミニウムブレージングシートを使用して成形されることを例示することができる。その際、少なくとも、互いに対向する、ケース本体21の上端部やカバー22の下面にろう材層が位置する。
なお、放熱器10は、複数の放熱部材11の複数の凸部13の上端面がカバー22に接合されているか、又は、複数の放熱部材11のベース部12がケース本体21に接合されていれば良い。
【0017】
以上、説明したように、放熱器10は、直線状のベース部12と、ベース部12から突出するとともにベース部12の長手方向に間隔をおいて配置される複数の凸部13とを有する複数の放熱部材11を備え、複数の放熱部材11の内、隣り合う放熱部材11のベース部12同士が接触している。それゆえ、放熱器10を製造する際に、複数の放熱部材11を容易に整列させることができる。言い換えれば、隣り合う放熱部材11間の間隔を全て同じにし易い。また、隣り合う放熱部材11間の間隔を、ベース部12同士が接触していない構成と比較して小さくすることができるので、単位面積当たりの凸部13の数を多くすることができる。その結果、冷却性能を向上させることができる。
【0018】
また、放熱器10は、複数の放熱部材11におけるベース部12、例えば長手方向の端部がレーザ溶接されることで、複数の放熱部材11が接合されている。これにより、他の接合方法で接合する場合と比べて、簡易に接合することができる。また、隣り合う放熱部材11間の間隔を精度高く合わせることができる。ただし、複数の放熱部材11を接合する方法はレーザ溶接に限定されない。例えば、特許文献1に記載された放熱器のように、連結部材にて連結しても良い。
【0019】
また、放熱器10は、隣り合う放熱部材11が、同一形状の部材が180度回転させられて構成されているので、異なる部材を交互に並べて構成するよりも、部品の種類を低減することができ低廉に製造することができる。
また、放熱部材11の凸部13における突出方向に見た場合の形状は、正方形であり、前後方向に対して45度傾いている。言い換えれば、凸部13の形状は、流入部21cと流出部21dとを結ぶ方向に見た場合には、当該方向の線上に角部があるひし形となる。これにより、左右方向の中央部に設けられた流入部21cから流入した冷却液を、左右方向の両端部の方へ向かわせることができる。その結果、左右方向の両端部側に配置された発熱体Pも、中央部に配置された発熱体Pと同様に、冷却することができる。なお、凸部13は、円柱状であっても良い。
【0020】
なお、上述した実施形態においては、放熱器10は、ベース部12の下面とケース本体21の底部21aとが接合され、複数の凸部13の上端面とカバー22の下面とが接合されることで、複数の凸部13がベース部12の上方に位置するように設置されているが、特にかかる態様に限定されない。放熱器10は、ベース部12が複数の凸部13の上方に位置するように設置されていても良い。例えば、ベース部12における凸部13が設けられた側とは反対側の面とカバー22の下面とが接合されているとともに、複数の凸部13の先端面とケース本体21の底部21aとが接合されていても良い。
また、放熱器10は、ベース部12と凸部13との両方が、ケース20に接合されていなくても良い。ベース部12又は凸部13のいずれか一方がケース20に接合されている態様でも良い。
【0021】
(放熱器10の取付態様の変形例)
図6(a)は、第1の変形例に係る冷却装置101の一例を示す断面図である。図6(b)は、第1放熱器ユニット31の一例を示す斜視図である。
図6(a)に示すように、第1の変形例に係る冷却装置101は、第1放熱器ユニット31と、有底凹状のジャケット120とを有している。
【0022】
ジャケット120は、平板状の底部121と、底部121における周囲の端部から底部121の板面に直交する方向に突出した4つの側壁122とを有している。4つの側壁122の内の第1側壁123には、第1側壁123を貫通する第1貫通孔124が形成されている。また、4つの側壁122の内の、第1側壁123に対向する第2側壁125には、第2側壁125を貫通する第2貫通孔126が形成されている。第1貫通孔124には、流入管127が嵌め込まれ、第2貫通孔126には、流出管128が嵌め込まれている。ジャケット120は、例えばダイキャストにより製造されることを例示することができる。
【0023】
図6(b)に示すように、第1放熱器ユニット31は、放熱器10と、放熱器10を保持する保持部材30とを有している。保持部材30は、アルミニウム製の平板状の部材である。第1放熱器ユニット31においては、保持部材30は、放熱器10の放熱部材11の複数の凸部13の先端面に接合されている。接合は、圧着、接着、ろう付等の溶着であることを例示することができる。また、図示は省略するが、保持部材30における、放熱器10が接合された面とは反対側の面には、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着される。
【0024】
そして、第1放熱器ユニット31は、ジャケット120の凹部129に放熱器10が収容された状態で、ジャケット120の開口部を覆うように保持部材30が被せられている。そして、保持部材30とジャケット120とが、例えばボルト等の締付部材にて締め付けられることにより、連結されている。また、ジャケット120の上端面に形成された溝131にOリング132が嵌め込まれており、当該Oリング132が、ジャケット120の凹部129内に形成された冷却液が流通する空間を密封する。
【0025】
図7(a)は、第2の変形例に係る冷却装置102の一例を示す断面図である。図7(b)は、第2放熱器ユニット32の一例を示す斜視図である。
図7(a)に示すように、第2の変形例に係る冷却装置102は、第2放熱器ユニット32と、ジャケット120とを有している。
図7(b)に示すように、第2放熱器ユニット32は、放熱器10と、放熱器10を保持する保持部材30とを有している。第2放熱器ユニット32においては、保持部材30は、放熱部材11のベース部12における複数の凸部13が設けられていない側の面に接合されている。接合は、圧着、接着、ろう付等の溶着であることを例示することができる。また、保持部材30と放熱部材11のベース部12とをレーザ溶接することにより、保持部材30と放熱器10とを接合しても良い。また、図示は省略するが、保持部材30における、放熱器10が接合された面とは反対側の面には、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着される。
【0026】
そして、第2放熱器ユニット32は、ジャケット120の凹部129に放熱器10が収容された状態で、ジャケット120の開口部を覆うように保持部材30が被せられている。そして、保持部材30とジャケット120とが、例えばボルト等の締付部材にて締め付けられることにより、連結されている。また、ジャケット120の上端面に形成された溝131にOリング132が嵌め込まれており、当該Oリング132が、ジャケット120の凹部129内に形成された冷却液が流通する空間を密封する。
【0027】
このように、放熱器10と保持部材30とで、第1放熱器ユニット31,第2放熱器ユニット32を構成し、ジャケット120に連結することで、第1の変形例に係る冷却装置101,第2の変形例に係る冷却装置102を簡易な構成とすることができる。また、例えば流入管127や流出管128の位置が異なる他のジャケットに対して、第1放熱器ユニット31,第2放熱器ユニット32を連結することで、冷却液の流通態様が異なる他の冷却装置を構成することが可能となる。つまり、第1放熱器ユニット31,第2放熱器ユニット32はそのままで、ジャケットの形状を変更することで、種々の冷却装置を構成することが可能となる。
【0028】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る冷却装置2は、第1の実施形態に係る冷却装置1に対して、放熱器10の放熱部材11が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と第2の実施形態とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図8は、第2の実施形態に係る放熱部材51の一部の斜視図の一例である。
第2の実施形態に係る放熱器50の放熱部材51は、ベース部12に相当するベース部52と、凸部13に相当する凸部53と、ベース部52と凸部53とを接続する接続部54とを備えている。
ベース部52は、ベース部12と同様に直方体状である。
凸部53は、凸部13と同様に四角柱状である。
接続部54は、直方体状であり、突出方向に直交する面にて切断した断面形状が長方形である。そして、その長方形の断面積は、凸部53の断面積よりも小さい。
【0030】
例えば、凸部53は、ベース部52及び接続部54と一体的にプレス成形された後に、ベース部52に対して捩じられることで、ベース部52に対して45度回転した向きとなっている。
そして、凸部53がベース部52に対して捩じられる前における、突出方向に直交する面にて切断した接続部54の断面形状の長方形は、長手方向がベース部52の短手方向、短手方向がベース部52の長手方向となるように成形されている。
【0031】
図9は、第2の実施形態に係る冷却装置2における冷却液の流れ一例を示す図である。図9は、冷却装置2を上方から見た図であり、カバー22や、放熱部材51のベース部52を省略して示している。
接続部54の断面形状の長方形の長辺は、左右方向の中央よりも左右方向の一方側に配置された接続部54においては、流入部21cから流出部21dにかけて、流入部21cから左右方向の一方側の端部の方へ傾斜している(前後方向に対して一方側の端部の方へ傾斜している)。一方、左右方向の中央よりも他方側に配置された接続部54においては、接続部54の断面形状の長方形の長辺は、流入部21cから流出部21dにかけて、流入部21cから左右方向の他方側の端部の方へ傾斜している(前後方向に対して他方側の端部の方へ傾斜している)。
その結果、放熱器50によれば、左右方向の中央部に設けられた流入部21cから流入した冷却液を、左右方向の両端部の方へ容易に向かわせることができる。その結果、左右方向の両端部側に配置された発熱体Pも、中央部に配置された発熱体Pと同様に、冷却することができる。
【0032】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る冷却装置3は、第2の実施形態に係る冷却装置2に対して、放熱部材51が異なる。以下、第2の実施形態と異なる点について説明する。第2の実施形態と第3の実施形態とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0033】
図10は、第3の実施形態に係る放熱器60の放熱部材61の斜視図の一例である。
第3の実施形態に係る放熱部材61は、ベース部52に相当するベース部62と、凸部53に相当する凸部63と、ベース部62と凸部63とを接続する接続部64とを備えている。
そして、放熱部材61は、複数の凸部63の先端部(上端部)の高さを同じにしたまま、複数の凸部63の突出方向の大きさが異なるように、ベース部62の突出方向の大きさが長手方向の位置に応じて異なる。図10に示した例では、流入部21cが設けられている左右方向の中央部におけるベース部62の突出方向の大きさが最も大きく、左右方向の両端部における突出方向の大きさが最も小さく、中央部から両端部それぞれに向かうに従って徐々に小さくなっている。
【0034】
凸部63は、凸部53と同様に、凸部63の突出方向に見た凸部63の形状は正方形である。そして、正方形の一辺の長さは、ベース部62における短手方向の大きさと同じであり、当該一辺は長手方向及び短手方向に対して45度回転した向きとなっている。
接続部64は、接続部54と同様に、突出方向に直交する面にて切断した接続部64の断面形状は長方形であり、その長方形の面積は、凸部63の面積よりも小さい。そして、その長方形の長辺は、左右方向の中央よりも左右方向の一方側に配置された接続部64においては、流入部21cから流出部21dにかけて、流入部21cから左右方向の一方側の端部の方へ傾斜している。また、その長方形の長辺は、左右方向の中央よりも他方側に配置された接続部64においては、流入部21cから流出部21dにかけて、流入部21cから左右方向の他方側の端部の方へ傾斜している。
【0035】
以上のように構成された冷却装置3においては、左右方向の中央部におけるベース部62の突出方向の大きさが両端部よりも大きいので、左右方向の中央部に設けられた流入部21cから流入した冷却液は、ベース部62における左右方向の中央部にぶつかり易いため、そのまま流出部21dの方に直進することが抑制される。それゆえ、放熱器60によれば、左右方向の中央部に設けられた流入部21cから流入した冷却液を、左右方向の両端部の方へ容易に向かわせることができるので、左右方向の両端部側に配置された発熱体Pも、中央部に配置された発熱体Pと同様に、冷却することができる。
【0036】
以上のように構成された放熱器60においても、複数の放熱部材61におけるベース部62、例えば長手方向の両端部それぞれがレーザ溶接されることで、複数の放熱部材61が接合されていても良いし、特許文献1に記載された放熱器のように、連結部材にて連結されていても良い。
【0037】
図11は、複数の放熱部材61が連結部材80にて連結された放熱器60の一例を示す図である。
図11に示した例においては、放熱部材61のベース部62における、凸部63及び接続部64が設けられた側とは反対側の反対面621に、2つの凹部622が形成されている。
凹部622の形状は、奥側(凸部63側)が、短手方向が柱方向となる円柱状であり、手前側(反対面621側)が直方体状に開口している。
2つの凹部622は、ベース部62の突出方向の大きさが最も大きい中央部に形成されている。また、ベース部62における長手方向の一方側の端面62aから、2つの凹部622の内の、一方側の凹部622の中心までの距離と、ベース部62における長手方向の他方側の端面62bから、2つの凹部622の内の、他方側の凹部622の中心までの距離とが同じ距離L6となるように設定されている。
【0038】
そして、以上のように構成された複数の放熱部材61は、隣り合う放熱部材61のベース部62同士が接触するように配置された状態、つまり、一の放熱部材61のベース部62における後側の端面と、当該一の放熱部材61と隣り合う他の放熱部材61のベース部62における前側の端面とが接触するように配置される。そして、その状態で、左右方向の左側の凹部622にて形成された部位に円柱状の連結部材80を嵌め込むとともに、左右方向の右側の凹部622にて形成された部位に円柱状の連結部材80を嵌め込むことで、複数の放熱部材61を連結する。
【0039】
この構成であっても、隣り合う放熱部材61のベース部62同士が接触しているので、放熱器60を製造する際に、複数の放熱部材61を容易に整列させることができる。言い換えれば、隣り合う放熱部材61間の間隔を全て同じにし易い。また、隣り合う放熱部材61間の間隔を、ベース部62同士が接触していない構成と比較して小さくすることができるので、単位面積当たりの凸部63の数を多くすることができ、冷却性能を向上させることができる。
【0040】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る冷却装置4は、第1の実施形態に係る冷却装置1に対して、放熱部材11が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と第4の実施形態とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図12は、第4の実施形態に係る冷却装置4の斜視図の一例である。
第4の実施形態に係る放熱器70の放熱部材71は、ベース部12に相当するベース部72と、凸部13に相当する凸部73とを備えている。
ベース部72は、ベース部12と同様に直方体状である。
【0042】
凸部73は、凸部13と同様に四角柱状である。ただし、放熱部材71においては、放熱部材11と異なり、凸部73がベース部72の全域に亘って設けられておらず、凸部73の代わりに、冷却液が流れるのを抑制する抑制部74が2つ設けられている。
より具体的には、図12に示すように、上方に発熱体Pが配置されている領域には凸部73が設けられ、上方に発熱体Pが配置されていない領域には抑制部74が配置されている。つまり、左右方向の中央部に複数(図12では6つ)の凸部73から構成される中央凸部群731が設けられ、左右方向の一方側に複数(図12では6つ)の凸部73から構成される一方側凸部群732が設けられ、左右方向の他方側に複数(図12では6つ)の凸部73から構成される他方側凸部群733が設けられている。そして、中央凸部群731と一方側凸部群732との間、及び、中央凸部群731と他方側凸部群733との間に、抑制部74が設けられている。抑制部74は、直方体状であり、図12に示した例では、抑制部74の左右方向の大きさは、3個の凸部73が配置される分に相当する大きさと略等しく、抑制部74の上下方向の大きさは、凸部73の上下方向の大きさと等しい。なお、抑制部74の左右方向の大きさは、左右方向に並べて配置された発熱体P間の大きさに応じて設定することを例示することができる。また、抑制部74の上下方向の大きさは、凸部73の上下方向の大きさよりも小さくても良い。
【0043】
以上のように構成された冷却装置4においては、上方に発熱体Pが配置されていない領域には抑制部74が配置されているので、発熱体Pが配置されていない領域に冷却液が流れることが抑制される。それゆえ、発熱体Pが配置されている領域に冷却液を優先的に流すことができるので、発熱体Pを効率よく冷却することができる。
【0044】
なお、上述した冷却装置4において、中央凸部群731が設けられているベース部72における上下方向の大きさを、一方側凸部群732、他方側凸部群733が設けられているベース部72における上下方向の大きさよりも大きくしても良い。これにより、左右方向の中央部に設けられた流入部21cから流入した冷却液は、中央凸部群731が設けられているベース部72にぶつかり易いため、そのまま流出部21dの方に直進することが抑制される。それゆえ、左右方向の中央部に設けられた流入部21cから流入した冷却液を、左右方向の両端部の方へ容易に向かわせることができるので、左右方向の両端部側に配置された発熱体Pも、中央部に配置された発熱体Pと同様に、冷却することができる。
【0045】
また、放熱部材71は、ベース部72と凸部73とから構成される態様に限定されない。放熱部材71は、第2の実施形態に係る放熱器50の放熱部材51と同様に、凸部73と、凸部73とベース部72とを接続する接続部(不図示)とを有しても良い。
【符号の説明】
【0046】
1,2,3,4…冷却装置、10,50,60,70…放熱器、11,51,61,71…放熱部材、12,52,62,72…ベース部、13,53,63,73…凸部、20…ケース、21…ケース本体、22…カバー、30…保持部材、54,64…接続部、151…レーザヘッド、L…レーザ光、P…発熱体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12