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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240814BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G03G15/20 535
G03G21/16 147
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020159765
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2021184078
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2020089077
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良州
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-194641(JP,A)
【文献】特開2015-161783(JP,A)
【文献】特開2003-295676(JP,A)
【文献】特開2008-065001(JP,A)
【文献】特開2005-043655(JP,A)
【文献】特開2009-230015(JP,A)
【文献】特開2019-191497(JP,A)
【文献】特開2012-252194(JP,A)
【文献】特開2012-234067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を加熱し、前記記録媒体上の未定着画像を前記記録媒体に定着させる、回転可能な加熱定着手段と、
前記加熱定着手段と対向し、前記記録媒体を加圧する、回転可能な加圧手段と、
送風を行う送風手段と、
送風口を有し、前記送風手段から送られる風を前記加熱定着手段及び前記加圧手段の少なくとも一方に案内する案内手段と、
移動可能であり、移動することにより前記案内手段の送風口を開閉する開閉手段と、
前記開閉手段を移動させる駆動源、及び、少なくとも一つの前記開閉手段とは別の部材を駆動させる駆動源を兼ねる駆動手段と、
前記開閉手段に力を付与する付与手段と、
前記開閉手段の位置を保持する保持機構と、を有し、
前記駆動手段は、前記開閉手段と、前記別の部材とをそれぞれ別々に駆動させることが可能であり、
前記開閉手段は、前記案内手段の送風口を閉じた状態とする初期位置と、前記案内手段の送風口を開口させた状態とする開口位置とに移動可能であり、
前記付与手段は、前記開閉手段を前記初期位置に戻す方向に力を付与し、
前記保持機構は、前記開閉手段を前記開口位置で固定することを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記別の部材は前記加圧手段であり、前記開閉手段を移動させる駆動源と前記加圧手段を駆動させる駆動源とが同一であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記開閉手段は前記案内手段の送風口を開口させるために前記開口位置に移動する際には、まず前記初期位置に戻った後、前記開口位置に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記開閉手段は、前記加圧手段の回転軸方向に移動することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項5】
前記開閉手段に駆動力を伝える駆動部材を有し、該駆動部材を複数の方向に回転させることが可能であり、
前記開閉手段に駆動力を伝える駆動部材は、所定の方向に回転したときのみ前記開閉手段に駆動力を伝えることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
前記開閉手段に駆動力を伝える駆動部材は、ワンウェイクラッチ機構を有することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
【請求項7】
前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材を有し、該駆動部材を複数の方向に回転させることが可能であり、
前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材は、所定の方向に回転したときのみ前記別の部材に駆動力を伝えることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の定着装置。
【請求項8】
前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材は、ワンウェイクラッチ機構を有することを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、未定着画像を記録媒体に定着させるための加熱回転部材(加熱定着手段とも称する)と、加熱回転部材と対向し、記録媒体を加圧する加圧回転部材(加圧手段とも称する)と、その他の部材を備えた構成が知られている。
【0003】
近年の画像形成装置においては、例えば、A3サイズ等の比較的大サイズの記録紙(記録媒体)から、A4、B5サイズのような通常よく使用される小サイズの記録紙まで、様々なサイズの記録紙の通紙を可能にする多様化が進んでいる。この場合、加熱回転部材と加圧回転部材の軸方向の長さを、例えばA3サイズ等の比較的大サイズに対応するように構成する必要性がある。このとき、A4、B5等の小サイズの記録紙が定着装置を通過する場合に、加熱回転部材の有効定着領域において、記録紙が通過しない非通紙領域が多くなる。
【0004】
このような場合、小サイズの記録紙を連続通紙した際には、非通紙領域に対応する加熱回転部材の表面から記録紙によって熱が奪われないため、非通紙領域の表面温度が通紙領域に対して高くなる、いわゆる非通紙領域昇温現象が生じてしまう。非通紙領域昇温現象によって部材の温度に偏りが生じると、画像不良やヒータの故障につながるおそれがあり、例えば温度差による定着オフセットやヒータ割れ等が生じる可能性がある。
【0005】
非通紙領域昇温現象に対して、例えば特許文献1では、加熱回転手段の非通紙領域を冷却するための送風手段と、送風手段から送られる風を送風口から非通紙領域に案内する案内手段と、案内手段の送風口を開閉する開閉手段とを有する定着装置が開示されており、記録紙のサイズに応じて、送風口の開口面積を決定し、開口面積に応じて送風手段の送風量を変更することが開示されている。特許文献1によれば、加熱回転手段の非通紙領域の昇温を防止するとともに、加熱回転手段の温度分布を均一に近づけることができ、定着オフセットの発生を防止することができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、開閉手段を移動させるために専用の駆動機構が必要であり、コスト高になるという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、加熱定着手段及び加圧手段の少なくとも一方に送風を行う際、送風口を専用の駆動機構を設けずに開閉させることができ、コストの増加を抑えた定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の定着装置は、記録媒体を加熱し、前記記録媒体上の未定着画像を前記記録媒体に定着させる、回転可能な加熱定着手段と、前記加熱定着手段と対向し、前記記録媒体を加圧する、回転可能な加圧手段と、送風を行う送風手段と、送風口を有し、前記送風手段から送られる風を前記加熱定着手段及び前記加圧手段の少なくとも一方に案内する案内手段と、移動可能であり、移動することにより前記案内手段の送風口を開閉する開閉手段と、前記開閉手段を移動させる駆動源、及び、少なくとも一つの前記開閉手段とは別の部材を駆動させる駆動源を兼ねる駆動手段と、前記開閉手段に力を付与する付与手段と、前記開閉手段の位置を保持する保持機構と、を有し、前記駆動手段は、前記開閉手段と、前記別の部材とをそれぞれ別々に駆動させることが可能であり、前記開閉手段は、前記案内手段の送風口を閉じた状態とする初期位置と、前記案内手段の送風口を開口させた状態とする開口位置とに移動可能であり、前記付与手段は、前記開閉手段を前記初期位置に戻す方向に力を付与し、前記保持機構は、前記開閉手段を前記開口位置で固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱定着手段及び加圧手段の少なくとも一方に送風を行う際、送風口を専用の駆動機構を設けずに開閉させることができ、コストの増加を抑えた定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の一例における概略図である。
図2】画像形成装置の一例における原理図である。
図3】定着装置の一例における送風口が閉じた状態の概略図である。
図4】定着装置の一例における送風口が開いた状態の概略図である。
図5】開閉手段の一例における移動例を示す概略図(A)及び(B)である。
図6】定着装置の一例における加圧ローラ駆動時の要部概略図である。
図7】定着装置の一例におけるシャッター駆動時の要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0012】
本発明の定着装置は、記録媒体を加熱し、前記記録媒体上の未定着画像を前記記録媒体に定着させる、回転可能な加熱定着手段と、前記加熱定着手段と対向し、前記記録媒体を加圧する、回転可能な加圧手段と、送風を行う送風手段と、送風口を有し、前記送風手段から送られる風を前記加熱定着手段及び前記加圧手段の少なくとも一方に案内する案内手段と、移動可能であり、移動することにより前記案内手段の送風口を開閉する開閉手段と、前記開閉手段を移動させる駆動源、及び、少なくとも一つの前記開閉手段とは別の部材を駆動させる駆動源を兼ねる駆動手段と、を有し、前記駆動手段は、前記開閉手段と、前記別の部材とをそれぞれ別々に駆動させることが可能であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、本発明の定着装置を備えることを特徴とする。
【0014】
以下、レーザプリンタを例に挙げて説明する箇所があるが、レーザプリンタは画像形成装置の一例であり、本発明の画像形成装置はレーザプリンタに限定されないことは勿論である。すなわち、画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機、及びインクジェット記録装置のいずれか一つ、またはこれらの少なくとも2つ以上を組み合わせた複合機として構成することも可能である。
【0015】
また、「記録媒体」を「用紙」として説明する箇所があるが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は紙(用紙)だけでなくOHPシートや布帛、金属シート、プラスチックフィルム、或いは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。
【0016】
現像剤やインクを付着させることができる媒体、記録紙、記録シートと称されるものも、すべて「記録媒体」に含まれる。また「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等も含まれる。
【0017】
また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字や図形等の画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の模様を媒体に付与することも意味する。
【0018】
図1は、本実施形態の画像形成装置100の一例としてのカラーレーザプリンタの構成を概略的に示す構成図である。また、図2は当該カラーレーザプリンタの原理を単純化して図示したものである。
【0019】
画像形成装置100は、画像形成手段としての4つのプロセスユニット1K、1Y、1M、1Cを備える。これらプロセスユニットは、カラー画像の色分解成分に対応するブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤によって画像を形成する。
【0020】
各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cは、互いに異なる色の未使用トナーを収容したトナーボトル6K、6Y、6M、6Cを有する以外は、同様の構成となっている。このため、1つのプロセスユニット1Kの構成を以下に説明し、他のプロセスユニット1Y、1M、1Cの説明を省略する。
【0021】
プロセスユニット1Kは、像担持体2K(例えば感光体ドラム)と、ドラムクリーニング装置3Kと、除電装置を有している。プロセスユニット1Kはさらに、像担持体の表面を一様帯電する帯電手段としての帯電装置4Kと、像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段としての現像装置5K等を有している。そして、プロセスユニット1Kは、画像形成装置100の本体に対して着脱自在に装着され、消耗部品を同時に交換可能となっている。
【0022】
露光器7は、この画像形成装置100に設置された各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cの上方に配設されている。そして、この露光器7は、画像情報に応じた書き込み走査、すなわち、画像データに基づいてレーザダイオードからレーザ光Lをミラー7aで反射して像担持体2Kに照射するように構成されている。
【0023】
転写装置15は、この実施形態では各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cの下方に配設されている。この転写装置15は図2の転写手段TMに対応する。一次転写ローラ19K、19Y、19M、19Cは、各像担持体2K、2Y、2M、2Cに対向して中間転写ベルト16に当接して配置されている。
【0024】
中間転写ベルト16は、各一次転写ローラ19K、19Y、19M、19C、駆動ローラ18、従動ローラ17に掛け渡された状態で循環走行するようになっている。二次転写ローラ20は、駆動ローラ18に対向し中間転写ベルト16に当接して配置されている。なお、像担持体2K、2Y、2M、2Cが各色の第1の像担持体とすれば、中間転写ベルト16はそれらの像を合成した第2の像担持体である。
【0025】
ベルトクリーニング装置21は、中間転写ベルト16の走行方向において、二次転写ローラ20より下流側に設置されている。また、クリーニングバックアップローラが中間転写ベルト16に対してベルトクリーニング装置21と反対側に設置されている。
【0026】
用紙Pを積載するトレイを有する用紙給送装置200は、画像形成装置100の下方に設置されている。この用紙給送装置200は記録媒体供給部を構成するもので、記録媒体としての多数枚の用紙Pを束状で収容可能であり、用紙Pの搬送手段としての給紙ローラ60やローラ対210と共にユニット化されている。
【0027】
用紙給送装置200は用紙の補給等のために、画像形成装置100の本体に対して挿脱可能とされている。給紙ローラ60とローラ対210は用紙給送装置200の上方に配置され、用紙給送装置200の最上位の用紙Pを給紙路32に向けて搬送するようになっている。
【0028】
分離搬送手段としてのレジストローラ対250は、二次転写ローラ20の搬送方向直近上流側に配置され、用紙給送装置200から給紙された用紙Pを一旦停止させることができる。この一旦停止により用紙Pの先端側に弛みが形成されて用紙Pの斜行(スキュー)が修正される。
【0029】
レジストローラ対250の搬送方向直近上流側にはレジストセンサ31が配設され、このレジストセンサ31によって用紙先端部分の通過が検知されるようになっている。レジストセンサ31が用紙先端部分の通過を検知した後、所定時間が経過すると、当該用紙はレジストローラ対250に突き当てられて一旦停止する。
【0030】
用紙給送装置200の下流端には、ローラ対210から右側に搬送された用紙を上方に向けて搬送するための搬送ローラ240が配設されている。図1に示すように、搬送ローラ240は用紙を上方のレジストローラ対250へ向けて搬送する。
【0031】
ローラ対210は上下一対のローラで構成されている。当該ローラ対210はFRR分離方式またはFR分離方式とすることができる。
【0032】
FRR分離方式は、駆動軸によりトルクリミッタを介して反給紙方向に一定量のトルクを印加された分離ローラ(戻しローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。FR分離方式は、トルクリミッタを介して固定軸に支持された分離ローラ(摩擦ローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。
【0033】
この実施形態ではローラ対210をFRR分離方式で構成している。すなわち、ローラ対210は、用紙をマシン内部に搬送する上側の給送ローラ220と、この給送ローラ220と逆方向にトルクリミッタを介して駆動軸により駆動力を与えられる下側の分離ローラ230で構成されている。
【0034】
分離ローラ230は給送ローラ220に向けてバネ等の付勢手段で付勢されている。なお、前記給紙ローラ60は、給送ローラ220の駆動力をクラッチ手段を介して伝達することで、図1で左回転するようになっている。
【0035】
レジストローラ対250に突き当てられて先端部に弛みが形成された用紙Pは、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせ、二次転写ローラ20と駆動ローラ18との二次転写ニップ(図2では転写ニップN)に送り出される。そして、送り出された用紙Pは、二次転写ニップにおいて印加されたバイアスによって、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が所望の転写位置に高精度に静電的に転写されるようになっている。
【0036】
転写後搬送路33は、二次転写ローラ20と駆動ローラ18の二次転写ニップの上方に配設されている。定着装置300は、転写後搬送路33の上端近傍に設置されている。
【0037】
定着装置300は、加熱定着手段としての加熱スリーブ310と、加熱定着手段に対向して所定の圧力で当接しながら回転する加圧手段としての加圧ローラ320を備えている。詳細な説明は後述の図3等を用いて行う。
【0038】
定着後搬送路35は、定着装置300の上方に配設され、定着後搬送路35の上端で、排紙路36と反転搬送路41に分岐している。この分岐部に切り替え部材42が配置され、切り替え部材42はその揺動軸42aを軸として揺動するようになっている。また排紙路36の開口端近傍には排紙ローラ対37が配設されている。
【0039】
反転搬送路41は、分岐部と反対側の他端で給紙路32に合流している。そして、反転搬送路41の途中には、反転搬送ローラ対43が配設されている。排紙トレイ44は、画像形成装置100の上部に、画像形成装置100の内側方向に凹形状を形成して、設置されている。
【0040】
粉体収容器10(例えばトナー収容器)は、転写装置15と用紙給送装置200の間に配置されている。そして、粉体収容器10は、画像形成装置100の本体に対して着脱自在に装着されている。
【0041】
本実施形態の画像形成装置100は、転写紙搬送の関係により、給紙ローラ60から二次転写ローラ20までの所定の距離が必要である。そして、この距離に生じたデッドスペースに粉体収容器10を設置し、レーザプリンタ全体の小型化を図っている。
【0042】
転写カバー8は、用紙給送装置200の上部で、用紙給送装置200の引出方向正面に設置されている。そして、この転写カバー8を開くことで、画像形成装置100の内部を点検可能にしている。転写カバー8には、手差し給紙用の手差し給紙ローラ45、及び手差し給紙用の手差しトレイ46が設置されている。
【0043】
図3及び図4に、本実施形態の定着装置の概略図を示す。図3は、開閉手段が初期位置にあり、送風口が閉じられている状態を示す図である。図4は、開閉手段が開口位置にあり、送風口が開かれている状態を示す図である。
【0044】
図示されるように、本実施形態の定着装置は、加熱スリーブ310、加圧ローラ320、送風ファン410、送風ダクト408、シャッター414、モータ440等を有している。
【0045】
加熱スリーブ310は、回転可能であり、記録媒体を加熱し、記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる加熱定着手段の一例である。加熱定着手段としては、加熱スリーブに限られるものではなく、定着ベルト等を用いてもよい。
【0046】
加熱スリーブ310の内側には、ハロゲンヒータ等の加熱手段を有しており、該加熱手段からの熱が加熱スリーブ310により記録媒体に伝えられる。加熱手段は、加熱スリーブ310の内側に配置されていなくてもよく、例えば外側に配置されていてもよい。
【0047】
加圧ローラ320は、加熱スリーブ310と対向し、記録媒体を加圧する、回転可能な加圧手段の一例である。本実施形態では、加熱スリーブ310と加圧ローラ320は、互いに当接し、定着ニップを形成する。未定着画像を担持した記録媒体が定着ニップに搬送されて未定着画像の定着が行われる。
【0048】
本実施形態において、加圧ローラ320は、回転駆動源であるモータ440からギヤ連結で動力を得て回転し、記録媒体をニップ搬送する。本実施形態の定着装置は、ギヤ部材401~405を有しており、モータ440からの動力がギヤ部材404、ギヤ部材403、ギヤ部材402、ギヤ部材401の順に伝わり、加圧ローラ320が回転する。ギヤ部材の数や配置等は、図示されるものに限られず、適宜変更することが可能である。
【0049】
送風ファン410a、410bは、加熱スリーブ310及び加圧ローラ320の少なくとも一方に送風を行う送風手段の一例である。送風ファン410a、410bを区別なく説明する場合には、送風ファン410と称する。送風ファン410を用いることにより、加熱スリーブ310及び加圧ローラ320の少なくとも一方における記録媒体の非通紙領域を冷却することも可能である。
【0050】
加熱スリーブ310と加圧ローラ320を用いて未定着画像の定着を行う場合、記録媒体が定着ニップを通過すると、加熱スリーブ310や加圧ローラ320における記録媒体が通過した領域(通紙領域)の熱が記録媒体に伝わり、温度が下がる。一方、加熱スリーブ310や加圧ローラ320における記録媒体が通過しなかった領域(非通紙領域)では、記録媒体に熱を伝えず、温度が上昇する。この場合、加圧ローラ320の長手方向で温度の偏りが生じ、画像不良や加熱手段の故障等が懸念される。
【0051】
これに対して、本実施形態では、加圧ローラ320の長手方向両端部に送風ファン410a、410bを配置し、送風ファン410により加圧ローラ320に対して送風を行う。図3は、送風口409が閉じられた状態であり、風460が送られていないが、図4は、送風口409が開かれた状態であり、風460が加圧ローラ320に送られる。これにより、加熱スリーブ310や加圧ローラ320における非通紙領域の温度を下げることができ、温度の偏りを低減することができる。
【0052】
ここでは、加圧ローラ320に送風される例が示されているが、これに限られるものではなく、加熱スリーブ310に送風するようにしてもよいし、加熱スリーブ310と加圧ローラ320の両方に送風するようにしてもよい。
【0053】
また、送風ファン410の数が2つである例を示しているが、これに限られるものではなく、適宜変更することができる。例えば、送風ファン410を1つとし、送風ダクト408の形状を例えば2つの経路に分かれるように適宜変更して、加熱スリーブ310や加圧ローラ320に送風するようにしてもよい。また、送風ファン410のON/OFFは、適宜変更することが可能であり、例えば送風口409が開いた状態のときにONにするようにしてもよい。
【0054】
送風ファン410の配置位置としては、本実施形態のように加圧ローラ320の長手方向両端部に配置することが好ましいが、これに限られるものではない。加圧ローラ320の長手方向両端部に配置して非通紙領域に対して送風を行うことが好ましく、この場合、非通紙領域を冷却することができ、温度の偏りをより低減することができる。
【0055】
送風ダクト408は、送風口409を有し、送風ファン410から送られる風460を加熱スリーブ310や加圧ローラ320に案内する案内手段の一例である。送風ダクト408は、加圧ローラ320と送風ファン410との間をつなぐように形成されている。また、送風ファン410aに対応して送風ダクト408aが設けられ、送風ファン410bに対応して送風ダクト408bが設けられている。送風ダクト408a、408bを区別せず説明する場合、送風ダクト408と称する。
【0056】
図示されるように、送風ダクト408aに対応して送風口409aが設けられ、送風ダクト408bに対応して送風口409bが設けられている。送風口409a、409bを区別せず説明する場合、送風口409と称する。
【0057】
送風ダクト408の送風口409には、シャッター414が設けられている。ここでは、2つのシャッター414a、414bを用いる例を示している。図示されるように、送風口409aに対応してシャッター414aが設けられ、送風口409bに対応してシャッター414bが設けられている。シャッター414a、414bを区別せず説明する場合、シャッター414と称する。
【0058】
本実施形態では、送風ダクト408の送風口409と称しているが、送風口409は送風ダクト408の途中の部分であってもよい。すなわち、図には示していないが、送風口409の先に送風ダクト408が更に形成されていてもよい。送風口409は送風ダクト408の途中の部分であってもよいし、端部側の部分であってもよい。また、送風ダクト408の形状は、適宜変更することが可能である。
【0059】
シャッター414は、移動可能であり、移動することにより送風ダクト408の送風口409を開閉する開閉手段の一例である。本実施形態では、遮蔽部材412と支持部材413をシャッター414としている。ここで示される例では、図示されるように、遮蔽部材412と支持部材413が一体として移動する。図3は送風口409がシャッター414により閉じられた状態であり、図4は送風口409が開けられた状態である。
【0060】
シャッター414aに対応して遮蔽部材412a、支持部材413aが設けられ、シャッター414aに対応して遮蔽部材412a、支持部材413aが設けられている。遮蔽部材412a、412bを区別せず説明する場合、遮蔽部材412と称し、支持部材413a、413bを区別せず説明する場合、支持部材413と称する。
【0061】
本実施形態における開閉手段としては、図示されるシャッターに限られるものではなく、適宜変更することができる。支持部材413を設けない構成としてもよいし、この場合、遮蔽部材412を開閉手段と称してもよい。また、遮蔽部材412、支持部材413以外の他の部材が含まれている構成であってもよい。
【0062】
本実施形態において、ばね部材420はシャッター414を初期位置に戻すための機能を有する。シャッター414に動力が与えられていない場合、図3のように、シャッター414はばね部材420の力により初期位置に固定される。一方、シャッター414に動力が与えられると、図4のように、シャッター414が移動し、送風口409を開口させる開口位置に移動する。
【0063】
シャッター414aに対応してばね部材420aが設けられ、シャッター414bに対応してばね部材420bが設けられている。ばね部材420a、420bを区別せず説明する場合、ばね部材420と称する。
【0064】
図3図4には、シャッター移動ギヤ430、保持機構422、ギヤ稼働部材424が図示されており、本実施形態では、これらを用いてシャッター414を移動させることができる。シャッター移動ギヤ430は、例えばギヤ部材を用いることができ、回転することにより支持部材413を移動させることができるような構成としている。保持機構422は、例えば、電磁ブレーキなどの軸を保持する機構を有し、モータ440からの駆動力をシャッター移動ギヤ430に伝えるための伝達部(例えば軸など)の途中に設けられる。ギヤ稼働部材424は、モータ440からの駆動力をシャッター移動ギヤ430に伝えるための部材であり、例えばかさ歯車、ねじ歯車あるいはウォームギヤで構成されており、伝達部の回転方向を直角に変えて伝達することにより、シャッター移動ギヤ430を回転させる。
【0065】
シャッター414を移動させる場合の一例を説明する。まず保持機構422のブレーキを解除する。これにより、ばね部材420の力によって、シャッター414が自動で初期位置(図3の位置)に戻される。そこからモータ440を駆動させると、ギヤ部材404、ギヤ部材403、ギヤ部材405が回転し、駆動力がギヤ稼働部材424に伝わる。そして、シャッター移動ギヤ430が回転することにより、支持部材413が連動して移動し、送風口409が開口する。
【0066】
このときのシャッター移動ギヤ430、シャッター414の動きを図5に模式的に示す。図5は、図3図4を上から見た場合の要部模式図である。図5(A)はシャッター414の初期位置を示すものであり、送風口409が閉じられている。上述した一連の操作により、図5(B)に示すように、モータ440からの駆動力がシャッター移動ギヤ430に伝わり、シャッター移動ギヤが矢印のように回転することで、シャッター414が矢印のように移動する。これにより、送風口409が開口される。
【0067】
本実施形態のように、シャッター414は、加圧ローラ320の回転軸方向(長手方向と称してもよい)に移動することが好ましい。これにより、送風口409の開口面積を調整しやすくなる。また、本実施形態のように、加圧ローラ320の端部側から送風口409を開口させる構成にすることで、より記録媒体のサイズに対応しやすくなる。
【0068】
本実施形態の定着装置は、記録媒体の大きさに応じて送風ダクト408の送風口409の開口面積を決定し、決定した開口面積に応じてシャッター414の移動距離を制御する制御手段450を有していてもよい。このような制御手段450を用いることにより、記録媒体のサイズに対応した送風を行うことができ、非通紙領域に風が当たりきらないことや通紙領域に風が当たってしまうことを抑制することができる。また、本実施形態によれば、開閉手段と制御手段を用いることにより、送風口409の開口幅を任意に可変させることができ、精度良く送風や冷却を行うことができる。
【0069】
制御の一例を以下に挙げる。記録媒体のサイズが比較的小さいサイズを連続通紙した際には、制御手段450によって、送風口を開口して、非通紙領域に送風されるようにする。一方、大きいサイズを連続通紙した場合には、送風口を閉じるようにする。
【0070】
制御手段450は、適宜選択することが可能であり、例えばCPU等からなり、モータの駆動を制御することによってシャッター414の移動距離を制御する。制御手段は、定着装置にモジュール化されていてもよいし、別体であってもよい。また、電磁クラッチや一方向回転のモータを利用して、電磁クラッチのON/OFFによって駆動手段を兼ねるようにしたものであってもよい。ただし、一方向のみの回転に限るものではない。
【0071】
制御手段450としては、上記の他にも、例えば別手段から記録媒体のサイズ情報を受け取り、これに基づいて開口面積を決め、モータ440の回転ステップや時間を制御することにより、シャッター414の位置を制御するようにしてもよい。
【0072】
開口位置までシャッター414が移動すると、保持機構422のブレーキをかけてシャッター414の位置を固定する。シャッター414の位置が固定されている間、モータ440は稼働していてもよいし、稼働していなくてもよい。
【0073】
本実施形態において、シャッター414の位置や移動距離に応じて制御を行う場合、シャッター414の位置を検出するためのセンサ部材を用いないことが好ましい。このようにするには、例えば、モータ440としてステッピングモータなどの高精度に制御可能なモータを用いる。これにより、シャッター414の位置をモータの回転ステップや時間で正確に制御できるため、シャッター414の位置を検出するセンサを省略することが可能である。
【0074】
部材の位置を検出する際には、光学センサが使われることが多く、この場合、耐熱性が低く故障の要因となりやすい。これに対して、位置を検出するためのセンサ部材を不要とすることで故障要因を除外でき、さらにセンサへ這い回されるハーネスも不要となるため、信頼性向上とコストダウンが向上する。
【0075】
モータ440は、シャッター414を移動させる駆動源、及び、シャッター414とは別の部材を駆動させる駆動源を兼ねる駆動手段の一例である。
モータ440が駆動させる前記別の部材は、少なくとも一つ以上である。本実施形態では、例として加圧ローラ320がモータ440によって駆動されているが、これに限られるものではなく、例えばモータ440が加熱スリーブ310を駆動させるようにしてもよいし、複数の部材を駆動するようにしてもよい。
【0076】
本実施形態において、モータ440は、シャッター414を移動させる駆動源と、シャッター414とは別の部材、例えば加圧ローラ320を駆動させる駆動源とを兼ねている。そして、モータ440は、シャッター414と、前記別の部材とをそれぞれ別々に駆動させることが可能である。これにより、送風口を専用の駆動機構を設けずに開閉させることができ、コストの増加を抑えることができる。シャッター414と、前記別の部材とをそれぞれ別々に駆動させる方法としては、適宜選択でき、詳細は後述する。
【0077】
モータ440が駆動させる前記別の部材は、加圧ローラ320であることが好ましく、この場合、シャッター414を移動させる駆動源と加圧ローラ320を駆動させる駆動源とが同一となる。定着装置として、加圧ローラ320の駆動源は必要になる場合が多く、その駆動源を利用することで、必要最小限の動力源だけでシャッター414が移動する構成にすることができる。
【0078】
本実施形態において、モータ440の駆動力はギヤ部材401~405を介してシャッター414や加圧ローラ320等に伝えられる。モータ440を駆動手段と称してもよいし、モータ440とギヤ部材401~405をあわせて駆動手段と称してもよい。
【0079】
本実施形態の定着装置は、開閉手段(例えばシャッター414)に駆動力を伝える駆動部材(例えばギヤ部材405)を有しており、このような駆動部材を用いる場合、該駆動部材を複数の方向に回転させることが可能である。そして、開閉手段に駆動力を伝える駆動部材は、所定の方向に回転したときのみ開閉手段に駆動力を伝えるようにすることが好ましい。このような構成にすることで、他の部材の駆動源を開閉手段の移動に利用することができ、加圧ローラ320や加熱スリーブ310等に送風を行う際、送風ダクト408の送風口409を専用の駆動機構を設けずに開閉させることができる。このため、送風口409を開閉するためだけのモータなどの駆動機構を減らし、それに付随する制御回路、信号を伝えるハーネスなども削減でき、大幅なコストダウンが達成できる。
【0080】
上述のように、本実施形態において、シャッター414を移動させる際には、初期位置に戻ってから開口位置に移動することが好ましい。すなわち、シャッター414は、送風ダクト408の送風口409を閉じた状態とする初期位置と、送風ダクト408の送風口409を開口させた状態とする開口位置とに移動可能であり、送風ダクト408の送風口409を開口させるために前記開口位置に移動する際には、まず前記初期位置に戻った後、前記開口位置に移動することが好ましい。このような構成の場合、必ず初期位置に戻ってから移動させることで、駆動手段からの動力が一方向のみでもシャッター414を任意の位置に移動させることができる。
【0081】
シャッター414に駆動力を伝える駆動部材としては、本実施形態では例えばギヤ部材403~405が挙げられ、主にギヤ部材405がこれに相当する。ギヤ部材405は、例えば時計回り、反時計回りの方向に回転することができ、例えば反時計回りの方向に回転したときのみシャッター414に駆動力を伝える。このような構成にするには、適宜変更することが可能であるが、ギヤ部材405がワンウェイクラッチ機構を有することが好ましい。この場合、簡易な構成で、所定の方向に回転したときのみシャッター414に駆動力を伝えることができる。
【0082】
また、本実施形態の定着装置は、前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材を有していてもよく、該駆動部材を複数の方向に回転させることが可能な構成にすることができる。この場合、前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材は、所定の方向に回転したときのみ前記別の部材に駆動力を伝えるようにすることが好ましい。
【0083】
本実施形態では、前記別の部材として加圧ローラ320を選択する例を示しており、この場合、前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材としては、例えばギヤ部材401~404が挙げられ、主にギヤ部材401がこれに相当する。所定の方向に回転したときのみギヤ部材401が加圧ローラ320に駆動力を伝えるようにすることにより、簡易な構成で、駆動手段がシャッター414を移動させる駆動源、及び、シャッター414とは別の部材(加圧ローラ320等)を駆動させる駆動源を兼ねる構成にすることができる。
【0084】
前記別の部材に駆動力を伝える駆動部材(例えばギヤ部材401)は、ワンウェイクラッチ機構を有することが好ましい。この場合、簡易な構成で、所定の方向に回転したときのみ別の部材(加圧ローラ320等)に駆動力を伝えることができる。
【0085】
なお、本実施形態で示す例では、ギヤ部材401とギヤ部材405がワンウェイクラッチ機構を有しており、図3図4では、理解のしやすさの点から、他のギヤ部材と色を変えて図示している。
【0086】
図6図7に、駆動手段の駆動の一例を示す。図6図7は、本実施形態の定着装置における要部概略図であり、図3図4をa方向から見た場合の模式図である。主にギヤ部材401~405の回転方向を模式的に示している。図6は、モータ440を時計回り(CW)に駆動させた場合の模式図であり、加圧ローラ320が回転駆動する場合の例である。図7は、モータ440を反時計回り(CCW)に駆動させた場合の模式図であり、シャッター414が移動する場合の例である。
【0087】
なお、図3図4に示されるように、加圧ローラ320、シャッター414、モータ440は、ギヤ部材401~405と同一平面上に配置されていないが、図6図7では説明のために破線で表示している。
【0088】
図示されるように、モータ440が駆動すると、ギヤ部材401~405に駆動力が伝わり、ギヤ部材401~405が回転駆動する。ギヤ部材401~405において、時計回りに回転する場合、黒矢印で図示しており、反時計回りに回転する場合、白抜き矢印で図示している。ここで示される例では、モータ440が駆動すると、ギヤ部材404、ギヤ部材403、ギヤ部材402、ギヤ部材401の順に駆動力が伝わり、加圧ローラ320が駆動する。また、モータ440が駆動すると、ギヤ部材404、ギヤ部材403、ギヤ部材405の順に駆動力が伝わり、シャッター414が駆動する。
【0089】
記録媒体を搬送し、画像の定着を行う場合、例えば図6に示すように、モータ440を時計回りに回転駆動させることで、加圧ローラ320が回転駆動する。このとき、加圧ローラ320に駆動力を伝えるギヤ部材401は、例えばワンウェイクラッチ機構を有しており、例えば反時計回りに回転した場合のみ駆動力を伝えるため、加圧ローラ320を回転駆動させる。一方、シャッター414に駆動力を伝えるギヤ部材405もワンウェイクラッチ機構を有しており、例えば反時計回りに回転した場合のみ駆動力を伝える構成としているが、時計回りに回転するため(破線矢印)、駆動力がシャッター414に伝わらない。そのため、加圧ローラ320は回転駆動するが、シャッター414は動かない。
【0090】
一方、送風を行うためにシャッター414を移動させる場合、例えば図7に示すように、モータ440を反時計回りに回転駆動させることで、シャッター414が移動する。このとき、シャッター414に駆動力を伝えるギヤ部材405は、例えば反時計回りに回転した場合のみ駆動力を伝えるため、シャッター414を移動させる。一方、加圧ローラ320に駆動力を伝えるギヤ部材401は、時計回りに回転するため(破線矢印)、駆動力が加圧ローラ320に伝わらない。
【0091】
このように、開閉手段と前記別の部材とは、動力を伝える方向が異なっていることが好ましい。動力を伝える方向が異なるとは、例えばモータ440が時計回りに回転した場合に加圧ローラ320を駆動させ、モータ440が反時計回りに回転した場合にシャッター414を移動させる例が挙げられる。これにより、例えば加圧ローラ320を駆動させている間はシャッター414が移動せず、一方、シャッター414を移動させる際には、加圧ローラ320に駆動が伝わらない構成にすることができ、専用の駆動機構を省くことができる。
【0092】
なお、ギヤ部材の数や配置等は、図示される例に限られるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、ギヤ部材の数を図示される例よりも増やしてもよいし、減らしてもよい。
【0093】
このように、本実施形態に示される例によれば、他の部材の駆動源を開閉手段の移動に利用することができ、加圧ローラ320や加熱スリーブ310等に送風を行う際、送風口409を専用の駆動機構を設けずに開閉させることができる。これにより、コストが増えることを抑えることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 プロセスユニット
2 像担持体
3 ドラムクリーニング装置
4 帯電装置
5 現像装置
6 トナーボトル
7 露光器
10 粉体収容器
15 転写装置
16 中間転写ベルト
19 一次転写ローラ
20 二次転写ローラ
100 画像形成装置
200 用紙給送装置
300 定着装置
310 加熱スリーブ
320 加圧ローラ
401~405 ギヤ部材
408 送風ダクト
409 送風口
410 送風ファン
412 遮蔽部材
413 支持部材
414 シャッター
422 保持機構
424 ギヤ稼働部材
430 シャッター移動ギヤ
440 モータ
450 制御手段
460 風
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【文献】特開2009-300856号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7