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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】エステル化合物及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07C 69/65 20060101AFI20240814BHJP
   A01N 37/06 20060101ALI20240814BHJP
   A01N 53/06 20060101ALI20240814BHJP
   A01P 7/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
C07C69/65 CSP
A01N37/06
A01N53/06 110
A01P7/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024522118
(86)(22)【出願日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2024002409
【審査請求日】2024-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2023216471
(32)【優先日】2023-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】片桐 康
【審査官】薄井 慎矢
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-26425(JP,A)
【文献】特開2007-39412(JP,A)
【文献】Pestic. Sci.,1983年,Vol.14,pp.1-8
【文献】Agric. Biol. Chem.,1980年,Vol.44, No.11,pp.2595-2599
【文献】Biosci. Biotech. Biochem.,1992年,Vol.56, No.10,pp.1581-1583
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
で示される化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物と、不活性担体とを含有する組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物の有効量を有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することによる、有害節足動物の防除方法。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物と、メトフルトリン及びジメフルトリンからなる群より選ばれる1以上の化合物とを含有する組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物と、水、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、エステル類、ニトリル類、エーテル類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、鉱物油類、及び植物油類からなる群より選ばれる1以上の液体担体とを含有する組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物と、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、及び糖アルコール誘導体からなる群より選ばれる1以上の界面活性剤とを含有する組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物と、カゼイン、ゼラチン、多糖類、リグニン誘導体、ベントナイト、及び合成水溶性高分子からなる群より選ばれる1以上の増粘剤とを含有する組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物と、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)及びBHA(2-t-ブチル-4-メトキシフェノールと3-t-ブチル-4-メトキシフェノールとの混合物)からなる群より選ばれる1以上の酸化防止剤とを含有する組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物を、植物性粉末に担持させた組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物と、結合剤とを含有する組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物を、コットンリンター及びパルプからなる群より選ばれる1以上の基材に担持させた組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物を、熱可塑性樹脂又は紙に担持させた組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物又は請求項4に記載の組成物を含有する、油剤、乳剤、フロアブル剤、エアゾール剤、加熱蒸散剤、非加熱蒸散剤、煙霧剤、及びULV剤からなる群より選ばれる製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、日本国特許出願2023-216471号(2023年12月22日出願)に基づくパリ条約上の優先権及びその利益を主張するものであり、その全内容は参照することにより本出願に組み込まれる。
本発明はエステル化合物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、優れた殺虫活性を有する化合物として式(A)
【化1】
で示されるエステル化合物(以下、化合物Aと記す)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3728967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害節足動物に対して優れた防除効力を有する化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、有害節足動物に対して優れた防除効力を有する化合物を見出すべく検討した結果、下記式(I)で示される化合物が、有害節足動物に対して優れた防除効力を有することを見出した。
本発明は、以下のとおりである。
[1] 式(I):
【化2】
で示される化合物(以下、本発明化合物と記す)。
[2] [1]に記載の化合物と、不活性担体とを含有する組成物。
[3] [1]に記載の化合物の有効量を有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することによる、有害節足動物の防除方法。
[4] [1]に記載の化合物と、メトフルトリン及びジメフルトリンからなる群より選ばれる1以上の化合物とを含有する組成物。
[5] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物と、水、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、エステル類、ニトリル類、エーテル類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、鉱物油類及び植物油類からなる群より選ばれる1以上の液体担体とを含有する組成物。
[6] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物と、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類及び糖アルコール誘導体からなる群より選ばれる1以上の界面活性剤とを含有する組成物。
[7] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物と、カゼイン、ゼラチン、多糖類、リグニン誘導体、ベントナイト、及び合成水溶性高分子からなる群より選ばれる1以上の増粘剤とを含有する組成物。
[8] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物と、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)及びBHA(2-t-ブチル-4-メトキシフェノールと3-t-ブチル-4-メトキシフェノールとの混合物)からなる群より選ばれる1以上の酸化防止剤とを含有する組成物。
[9] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物を、植物性粉末に担持させた組成物。
[10] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物と、結合剤とを含有する組成物。
[11] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物を、コットンリンター及びパルプからなる群より選ばれる1以上の基材に担持させた組成物。
[12] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物を、熱可塑性樹脂又は紙に担持させた組成物。
[13] [1]に記載の化合物又は[4]に記載の組成物を含有する、油剤、乳剤、フロアブル剤、エアゾール剤、加熱蒸散剤、非加熱蒸散剤、煙霧剤、及びULV剤からなる群より選ばれる製剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、有害節足動物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明化合物には、一つ以上の立体異性体が存在する。立体異性体としては、光学異性体及び幾何異性体が挙げられる。本発明には各光学異性体、各幾何異性体、及び任意の比率の異性体混合物が含まれる。
【0008】
本発明化合物の光学異性体としては、例えば、式(II):
【化3】
で示される化合物及び式(III):
【化4】
で示される化合物が挙げられる。
【0009】
本発明化合物として、式(II)で示される光学異性体又は該光学異性体を多く含む異性体混合物を使用するのが好ましい。
【0010】
本発明化合物の幾何異性体としては、例えば、式(IV)で示される化合物が挙げられる。
【化5】
【0011】
また、式(IV)で示される化合物の光学異性体としては、例えば、式(V):
【化6】
で示される化合物及び式(VI):
【化7】
で示される化合物が挙げられる。
【0012】
本発明化合物として、式(I)で示される幾何異性体又は該幾何異性体を多く含む異性体混合物を使用するのが好ましく、式(V)で示される幾何異性体又は該幾何異性体を多く含む異性体混合物を使用するのがさらに好ましい。
【0013】
本発明化合物の態様として、以下の化合物が挙げられる。
式(II)で示される化合物。
式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物とを含む混合物。
式(II)で示される光学異性体を多く含む、光学異性体混合物。
式(I)で示される化合物と式(IV)で示される化合物とを含む混合物。
式(I)で示される幾何異性体を多く含む、幾何異性体混合物。
式(II)で示される化合物と式(V)で示される化合物とを含む混合物。
式(II)で示される幾何異性体を多く含む、幾何異性体混合物。
【0014】
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物と不活性担体とを含有する組成物である。前記組成物は、通常、本発明化合物と固体担体、液体担体等の不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、乳剤、油剤、粉剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、マイクロカプセル剤等に製剤化される。
前記組成物は、本発明化合物を通常、組成物の総重量に対して、0.0001~95重量%含有する。
【0015】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、酸性白土等)、乾式シリカ、湿式シリカ、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末及び粒状物等、並びに合成樹脂(ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン-6、ナイロン-11、ナイロン-66等のナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-プロピレン共重合体等)が挙げられる。
【0016】
液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、及び植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
【0017】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル若しくはその塩(ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル若しくはその塩、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
【0018】
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤、着色剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、酸性リン酸イソプロピル、BHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、BHA(2-tert-ブチル-4-メトキシフェノールと3-tert-ブチル-4-メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
【0019】
本発明化合物は、有害昆虫、有害ダニ類等の有害節足動物を防除することが出来る。具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。
【0020】
半翅目(Hemiptera):ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、トウモロコシウンカ(Peregrinus maidis)、キタウンカ(Javesella pellucida)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、Tagosodes orizicolus、Stenocranus pacificus等のウンカ科(Delphacidae);ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、クロスジツマグロヨコバイ(Nephotettix nigropictus)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、コーンリーフホッパー(Dalbulus maidis)、シロオオヨコバイ(Cofana spectra)、Amrasca biguttula biguttula等のヨコバイ科(Cicadellidae);ヨーロピアンスピトルバグ(Philaenus spumarius)等のアワフキムシ科(Aphrophoridae); Mahanarva posticata、Mahanarva fimbriolata等のコガシラアワフキムシ科(Cercopidae);マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、ダイズアブラムシ(Aphis glycines)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、rosy apple aphid(Dysaphis plantaginea)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、レタスヒゲナガアブラムシ(Nasonovia ribisnigri)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricida)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、ヒエノアブラムシ(Melanaphis sacchari)、オカボノクロアブラムシ(Tetraneura nigriabdominalis)、カンシャワタアブラムシ(Ceratovacuna lanigera)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、イングリッシュグレインエイフィッド(Sitobion avenae)等のアブラムシ科(Aphididae);ブドウネアブラムシ(Daktulosphaira vitifoliae)、ピーカンフィロキセラ(Phylloxera devastatrix)、ピーカンリーフフィロキセラ (Phylloxera notabilis)、サウザンピーカンリーフフィロキセラ(Phylloxera russelae)等のネアブラムシ科(Phylloxeridae);ツガカサアブラムシ(Adelges tsugae)、バルサムウーリーアフィッド(Adelges piceae)、ヒメカサアブラムシ(Aphrastasia pectinatae)等のカサアブラムシ科(Adelgidae);イネクロカメムシ(Scotinophara lurida)、ブラックパディーバグ(Scotinophara coarctata)、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis)、ムラサキシラホシカメムシ(Eysarcoris annamita)、クサギカメムシ(Halyomorpha halys)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ブラウンスティンクバグ(Euschistus heros)、レッドバンデッドスティンクバグ(Piezodorus guildinii)、Oebalus pugnax、Dichelops melacanthus、イチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri)等のカメムシ科(Pentatomidae);Scaptocoris castanea等のツチカメムシ科(Cydnidae);ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、ホソクモヘリカメムシ(Leptocorisa acuta)等のホソヘリカメムシ科(Alydidae);ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、アシビロヘリカメムシ(Leptoglossus australis)等のヘリカメムシ科(Coreidae);カンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus)、アメリカコバネナガカメムシ(Blissus leucopterus)等のナガカメムシ科(Lygaeidae);アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)、アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus)、フタトゲムギカスミカメ(Stenodema calcarata)、サビイロカスミカメ(Lygus lineolaris)等のカスミカメムシ科(Miridae);オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、チャトゲコナジラミ(Aleurocanthus camelliae)、ヒサカキワタフキコナジラミ(Pealius euryae)等のコナジラミ科(Aleyrodidae);シュロマルカイガラムシ(Abgrallaspis cyanophylli)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Diaspidiotus perniciosus)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、ニセヤノネカイガラムシ(Unaspis citri)等のマルカイガラムシ科(Diaspididae);ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)等のカタカイガラムシ科(Coccidae);イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi)、キイロワタフキカイガラムシ(Icerya seychellarum)等のワタフキカイガラムシ科(Margarodidae);ナスコナガイガラムシ(Phenacoccus solani)、クロテンコナカイガラムシ(Phenacoccus solenopsis)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、ガハニコナカイガラムシ(Pseudococcus calceolariae)、ナガオコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinus)、タトルミーリーバグ(Brevennia rehi)等のコナカイガラムシ科(Pseudococcidae);ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ミカントガリキジラミ(Trioza erytreae)、ナシキジラミ(Cacopsylla pyrisuga)、チュウゴクナシキジラミ(Cacopsylla chinensis)、ジャガイモトガリキジラミ(Bactericera cockerelli)、ピアプシラ(Cacopsylla pyricola)等のキジラミ科(Psyllidae);プラタナスグンバイ(Corythucha ciliata)、アワダチソウグンバイ(Corythucha marmorata)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、ツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides)等のグンバイムシ科(Tingidae);トコジラミ(Cimex lectularius)、ネッタイトコジラミ(Cimex hemipterus)等のトコジラミ科(Cimicidae);Quesada gigas等のセミ科(Cicadidae);ブラジルサシガメ(Triatoma infestans)、オオサシガメ(Triatoma rubrofasciata)、Triatoma dimidiata、ベネズエラサシガメ(Rhodonius prolixus)等のサシガメ科(Reduviidae)。
【0021】
鱗翅目(Lepidoptera):ニカメイガ(Chilo suppressalis)、ダークヘディドステムボーラー(Chilo polychrysus)、ホワイトステムボーラー(Scirpophaga innotata)、イッテンオオメイガ(Scirpophaga incertulas)、Rupela albina、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、Marasmia patnalis、イネハカジノメイガ(Marasmia exigua)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、モンキクロノメイガ(Herpetogramma luctuosale)、シバツトガ(Parapediasia teterrellus)、ライスケースワーム(Nymphula depunctalis)、シュガーケーンボーラー(Diatraea saccharalis)、エッグプラントフルーツボーラー(Leucinodes orbonalis)等のツトガ科(Crambidae);モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、フタモンマダラノメイガ(Euzophera batangensis)、スジマダラメイガ(Cadra cautella)等のメイガ科(Pyralidae);ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Mythimna separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、シロナヨトウ(Spodoptera mauritia)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)、アフリカシロナヨトウ(Spodoptera exempta)、Spodoptera cosmioides、セミトロピカルアーミーワーム(Spodoptera eridania)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、イネキンウワバ(Plusia festucae)、Soybean looper(Chrysodeixis includens)、トリコプルシア属(Trichoplusia spp.)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)等のヘリオティス属(Heliothis spp.)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、コーンイヤワーム(Helicoverpa zea)等のヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、ベルベットビーンキャタピラー(Anticarsia gemmatalis)、コットンリーフワーム(Alabama argillacea)、ホップワインボーラー(Hydraecia immanis)等のヤガ科(Noctuidae);モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ科(Pieridae);ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、スモモヒメシンクイ(Grapholita dimorpha)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリングモス(Cydia pomonella)、カンシャシンクイハマキ(Tetramoera schistaceana)、ビーンシュートボーラ(Epinotia aporema)、シトラスフルーツボーラー(Citripestis sagittiferella)、ヨーロピアングレープワインモス(Lobesia botrana)等のハマキガ科(Tortricidae);チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等のホソガ科(Gracillariidae);モモシンクイガ(Carposina sasakii)等のシンクイガ科(Carposinidae);コーヒーリーフマイナー(Leucoptera coffeella)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella)等のハモグリガ科(Lyonetiidae);マイマイガ(Lymantria dispar)等のリマントリア属(Lymantria spp.)、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)等のユープロクティス属(Euproctis spp.)等のドクガ科(Lymantriidae);コナガ(Plutella xylostella)等のコナガ科(Plutellidae);モモキバガ(Anarsia lineatella)、イモキバガ(Helcystogramma triannulella)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、トマトキバガ(Tuta absoluta)等のキバガ科(Gelechiidae);アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ科(Arctiidae);ジャイアントシュガーケーンボーラー(Telchin licus)等のカストニアガ科(Castniidae);ヒメボクトウ(Cossus insularis)等のボクトウガ科(Cossidae);ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)等のシャクガ科(Geometridae);ヒロヘリアオイラガ(Parasa lepida)等のイラガ科(Limacodidae);カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa)等のニセマイコガ科(Stathmopodidae);クロメンガタスズメ(Acherontia lachesis)等のスズメガ科(Sphingidae);キクビスカシバ(Nokona feralis)、コスカシバ(Synanthedon hector)、ヒメコスカシバ(Synanthedon tenuis)等のスカシバガ科(Sesiidae);イネツトムシ(Parnara guttata)等のセセリチョウ科(Hesperiidae);イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ科(Tineidae)。
【0022】
総翅目(Thysanoptera):ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、モトジロアザミウマ(Echinothrips americanus)、アボカドスリプス(Scirtothrips perseae)等のアザミウマ科(Thripidae);イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等のクダアザミウマ科(Phlaeothripidae)。
【0023】
双翅目(Diptera):タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)、テンサイモグリハナバエ(Pegomya cunicularia)等のハナバエ科(Anthomyiidae);シュガービートルートマゴット(Tetanops myopaeformis)等のハネフリバエ科(Ulidiidae);イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等のハモグリバエ科(Agromyzidae);イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)等のキモグリバエ科(Chloropidae);ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)、ミカンコミバエ(Bactrocera dorsalis)、ナスミバエ(Bactrocera latifrons)、オリーブミバエ(Bactrocera oleae)、クインスランドミバエ(Bactrocera tryoni)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、アップルマゴット(Rhagoletis pomonella)、オウトウハマダラミバエ(Rhacochlaena japonica)等のミバエ科(Tephritidae);イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、トウヨウイネクキミギワバエ(Hydrellia philippina)、イネクキミギワバエ(Hydrellia sasakii)等のミギワバエ科(Ephydridae);オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)等のショウジョウバエ科(Drosophilidae);オオキモンノミバエ(Megaselia spiracularis)等のノミバエ科(Phoridae);オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)等のチョウバエ科(Psychodidae);チビクロバネキノコバエ(Bradysia difformis)、ネギネクロバネキノコバエ(Bradysia odoriphaga)等のクロバネキノコバエ科(Sciaridae);ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、イネノシントメタマバエ(Orseolia oryzae)等のタマバエ科(Cecidomyiidae);Diopsis macrophthalma等のシュモクバエ科(Diopsidae);Glossina palpalis、Glossina morsitans等のツェツェバエ科 (Glossinidae);アシマダラブユ(Simulium japonicum)、Simulium damnosum等のブユ科(Simuliidae);サシチョウバエ亜科(Phlebotominae);キリウジガガンボ(Tipula aino)、コモンクレーンフライ(Tipula oleracea)、ヨーロピアンクレーンフライ(Tipula paludosa)等のガガンボ科(Tipulidae);アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、チカイエカ(Culex pipiens f. molestus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、トビイロイエカ(Culex pipiens pipiens)、ニセシロハシイエカ(Culex vishnui)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、ガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)、ステフェンスハマダラカ(Anopheles stephensi)、Anopheles coluzzii、Anopheles albimanus、Anopheles sundaicus、Anopheles arabiensis、Anopheles funestus、Anopheles darlingi、Anopheles farauti、Anopheles minimus等のカ科(Culicidae);キアシオオブユ(Prosimulium yezoensis)、ツメ卜ゲブユ(Simulium ornatum)等のブユ科(Simulidae);ウシアブ(Tabanus trigonus)等のアブ科(Tabanidae);イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)、ノサシバエ(Haematobia irritans)等のイエバエ科(Muscidae);クロバエ科(Calliphoridae);ニクバエ科(Sarcophagidae);オオユスリカ(Chironomus plumosus)、セスジユスリカ(Chironomus yoshimatsui)、ハイイロユスリカ(Glyptotendipes tokunagai)等のユスリカ科(Chironomidae);ヒメイエバエ科(Fannidae)。
【0024】
鞘翅目(Coleoptera):ダイアブロティカ属(Diabrotica spp.、例えば、ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)、ノーザンコーンルートワーム(Diabrotica barberi)、メキシカンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera zeae)、バンデッドキューカンバービートル(Diabrotica balteata)、キューカビットビートル(Diabrotica speciosa)等)、ビーンリーフビートル(Cerotoma trifurcata)、クビアカクビホソハムシ(Oulema melanopus)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、キャベッジフリービートル(Phyllotreta cruciferae)、ウエスタンブラックフリービートル(Phyllotreta pusilla)、キャベッジステムフリービートル(Psylliodes chrysocephala)、ホップフリービートル(Psylliodes punctulata)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、グレープコラスピス(Colaspis brunnea)、コーンフリービートル(Chaetocnema pulicaria)、サツマイモヒサゴトビハムシ(Chaetocnema confinis)、ポテトフリービートル(Epitrix cucumeris)、イネトゲハムシ(Dicladispa armigera)、サザンコーンリーフビートル(Myochrous denticollis)、ヨツモンカメノコハムシ(Laccoptera quadrimaculata)、タバコノミハムシ(Epitrix hirtipennis)、ダイコンサルハムシ(Phaedon brassicae)、フタスジヒメハムシ(Medythia nigrobilineata)等のハムシ科(Chrysomelidae);シードコーンビートル(Stenolophus lecontei)、スレンダーシードコーンビートル(Clivina impressifrons)等のオサムシ科(Carabidae);ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、アオドウガネ(Anomala albopilosa)、マメコガネ(Popillia japonica)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)、ヨーロピアンチェーファー(Rhizotrogus majalis)、クロマルコガネ(Tomarus gibbosus)、クロコガネ属(Holotrichia spp.)、ジューン・ビートル(Phyllophaga crinita)等のフィロファガ属(Phyllophaga spp.)、Diloboderus abderus等のディロボデルス属(Diloboderus spp.)等のコガネムシ科(Scarabaeidae);ワタミヒゲナガゾウムシ(Araecerus coffeae)等のヒゲナガゾウムシ科(Anthriibidae);アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius)等のホソクチゾウムシ科(Aponidae);ブラジルマメゾウムシ(Zabrotes subfasciatus)等のマメゾウムシ科(Bruchidae);マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)、コーヒーベリーボーラー(Hypothenemus hampei)等のキクイムシ科(Scolytidae);イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae)、グラナリアコクゾウムシ(Sitophilus granarius)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、シロスジオサゾウムシ(Rhabdoscelus lineaticollis)、ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、サザンコーンビルバグ(Sphenophorus callosus)、ソイビーンストークウィービル(Sternechus subsignatus)、シュガーケーンウィービル(Sphenophorus levis)、サビヒョウタンゾウムシ(Scepticus griseus)、トビイロヒョウタンゾウムシ(Scepticus uniformis)、Aracanthus mourei等のAracanthus属(Aracanthus spp.)、コットンルートボーラー (Eutinobothrus brasiliensis)等のゾウムシ科(Curculionidae);コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、ヒラタコクヌストモドキ(Tribolium confusum)、ガイマイゴミムシダマシ(Alphitobius diaperinus)等のゴミムシダマシ科(Tenebrionidae);ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のテントウムシ科(Coccinellidae);ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、コナナガシンクイ(Rhizopertha dominica)等のナガシンクイムシ科(Bostrychidae);ヒョウホンムシ科(Ptinidae);ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、Migdolus fryanus、クビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)等のカミキリムシ科(Cerambycidae);オキナワカンシャクシコメツキ(Melanotus okinawensis)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)、クシコメツキ(Melanotus legatus)、アシブトコメツキ属(Anchastus spp.)、コノデルス属(Conoderus spp.)、クテニセラ属(Ctenicera spp.)、リモニウス属(Limonius spp.)、アエオルス属(Aeolus spp.)等のコメツキムシ科(Elateridae);アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等のハネカクシ科(Staphylinidae);ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、ハラジロカツオブシムシ(Dermestes maculates)、ヒメアカカツオブシムシ(Trogoderma granarium)等のカツオブシムシ科(Dermestidae);タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ジンサンシバンムシ(Stegobium paniceum)等のシバンムシ科(Anobiidae);アカチビヒラタムシ(Cryptolestes ferrugineus)等のチビヒラタムシ科(Laemophloeidae);ノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus surinamensis)等のホソヒラタムシ科(Silvanidae)、ブロッサムビートル(Brassicogethes aeneus)等のケシキスイムシ科(Nitidulidae)。
【0025】
直翅目(Orthoptera):トノサマバッタ(Locusta migratoria)、モロッコトビバッタ(Dociostaurus maroccanus)、オーストラリアトビバッタ(Chortoicetes terminifera)、アカトビバッタ(Nomadacris septemfasciata)、ブラウンローカスト(Locustana pardalina)、ツリーローカスト(Anacridium melanorhodon)、イタリアンローカスト(Calliptamus italicus)、ディファレンシャルグラスホッパー(Melanoplus differentialis)、ツーストライプドグラスホッパー(Melanoplus bivittatus)、マイグレトリーグラスホッパー(Melanoplus sanguinipes)、レッドレッグドグラスホッパー(Melanoplus femurrubrum)、クリアウィングドグラスホッパー(Camnula pellucida)、サバクワタリバッタ(Schistocerca gregaria)、イエローウィングドローカスト(Gastrimargus musicus)、スパースローテッドローカスト(Austracris guttulosa)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)、タイワンツチイナゴ(Patanga succincta)等のバッタ科(Acrididae);ケラ(Gryllotalpa orientalis)等のケラ科(Gryllotalpidae);ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma)等のコオロギ科(Gryllidae);モルモンクリケット(Anabrus simplex)等のキリギリス科(Tettigoniidae)。
【0026】
膜翅目(Hymenoptera):カブラハバチ(Athalia rosae)、ニホンカブラバチ(Athalia japonica)等のハバチ科(Tenthredinidae);ヒアリ(Solenopsis invicta)、アカカミアリ(Solenopsis geminata)等のトフシアリ属(Solenopsis spp.)、ブラウンリーフカッティングアント(Atta capiguara)等のハキリアリ属(Atta spp.)、ヒメハキリアリ属(Acromyrmex spp.)、サシハリアリ(Paraponera clavata)、ルリアリ(Ochetellus glaber)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)、クロヤマアリ(Formica japonica)、アミメアリ(Pristomyrmex punctutus)、オオズアリ(Pheidole noda)、ツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)、クロオオアリ(Camponotus japonicus)、ムネアカオオアリ(Camponotus obscuripes)等のオオアリ属(Camponotus spp.)、オキシデンタリスシュウカクアリ(Pogonomyrmex occidentalis)等のシュウカクアリ属(Pogonomyrmex spp.)、コカミアリ(Wasmania auropunctata)等のコカミアリ属(Wasmania spp.)、アシナガキアリ(Anoplolepis gracilipes)等のアリ科(Formicidae);オオスズメバチ(Vespa mandarinia)、ケブカスズメバチ(Vespa simillima)、コガタスズメバチ(Vespa analis)、ツマアカスズメバチ(Vespa velutina)、セグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)等のスズメバチ科(Vespidae);モミノオオキバチ(Urocerus gigas)等のキバチ科(Siricidae);アリガタバチ科(Bethylidae)。
【0027】
ゴキブリ目(Blattodea):チャバネゴキブリ(Blattella germanica)等のチャバネゴキブリ科(Ectobiidae);クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等のゴキブリ科(Blattidae);ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)、ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)、コウシュンシロアリ(Neotermes koshunensis)、サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)、ナカジマシロアリ(Glyptotermes nakajimai)、カタンシロアリ(Glyptotermes fuscus)、オオシロアリ(Hodotermopsis sjostedti)、コウシュウイエシロアリ(Coptotermes guangzhouensis)、アマミシロアリ(Reticulitermes amamianus)、ミヤタケシロアリ(Reticulitermes miyatakei)、カンモンシロアリ(Reticulitermes kanmonensis)、タカサゴシロアリ(Nasutitermes takasagoensis)、ニトベシロアリ(Pericapritermes nitobei)、ムシャシロアリ(Sinocapritermes mushae)、Cornitermes cumulans等のシロアリ科(Termitidae)。
【0028】
ノミ目(Siphonaptera): ヒトノミ(Pulex irritans)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis) 、ニワトリノミ(Echidnophaga gallinacea)等のヒトノミ科(Pulicidae);スナノミ(Tunga penetrans)等のスナノミ科(Hectopsyllidae);ヨーロッパネズミノミ(Nosopsyllus fasciatus)等のナガノミ科(Ceratophyllidae)。
【0029】
咀顎目(Psocodae):アタマジラミ(Pediculus humanus capitis)等のヒトジラミ科(Pediculidae);ケジラミ(Pthirus pubis)等のケジラミ科(Pthiridae);ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)、ブタジラミ(Haematopinus suis)等のケモノジラミ科(Haematopinidae);ウシホソジラミ(Linognathus vituli)、ヒツジ体幹寄生ホソジラミ(Linognathus ovillus)、ケブカウシジラミ(Solenopotes capillatus)等のケモノホソジラミ科(Linognathidae);ウシハジラミ(Bovicola bovis)、ヒツジジラミ(Bovicola ovis)、Bovicola breviceps、Damalinia forficula、ウェルネッキエラ属(Werneckiella spp.)等のボビコラ科(Bovicoliidae);イヌハジラミ(Trichodectes canis)、ネコハジラミ(Felicola subrostratus)等のケモノハジラミ科(Trichodectidae);ニワトリハジラミ(Menopon gallinae)、ニワトリオオハジラミ(Menacanthus stramineus)、トリノトン属(Trinoton spp.)等のタンカクハジラミ科(Menoponidae);クミングシア属(Cummingsia spp.)等のケモノタンカクハジラミ科(Trimenoponidae);コナチャタテ(Trogium pulsatorium)等のコチャタテ科(Trogiidae);ウスグロチャタテ(Liposcelis corrodens)、ヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophila)、ソウメンチャタテ(Liposcelis pearmani)、カツブシチャタテ(Liposcelis entomophila)等のコナチャタテ科(Liposcelidae又はLiposcelididae )。
【0030】
シミ目(Thysanura):ヤマトシミ(Ctenolepisma villosa)、セイヨウシミ(Lepisma saccharina)等のシミ科(Lepismatidae)。
【0031】
ダニ目(Acari):ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミツユビナミハダニ(Tetranychus evansi)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、オリゴニカス属(Oligonychus spp.)等のハダニ科(Tetranychidae);ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、リュウキュウミカンサビダニ(Phyllocoptruta citri)、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、カキサビダニ(Aceria diospyri)、Aceria tosichella、シソサビダニ(Shevtchenkella sp.)等のフシダニ科(Eriophyidae);チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ科(Tarsonemidae);ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)等のヒメハダニ科(Tenuipalpidae);ケナガハダニ科(Tuckerellidae);フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、キチマダニ(Haemaphysalis flava)、ヤマトマダニ(Haemaphysalis japonica)、ツリガネチマダニ(Haemaphysalis campanulata)、アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)、タイワンカクマダニ(Dermacentor taiwanensis)、ロッキーマウンテンウッドチック(Dermacentor andersoni)、アミメカクマダニ(Dermacentor reticulatus)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、シュルツマダニ(Ixodes persulcatus)、ブラックレッグドチック(Ixodes scapularis)、西部クロアシマダニ(Ixodes pacificus)、Ixodes holocyclus、Ixodes ricinus、ローンスターチック(Amblyomma americanum)、ガルフコーストチック(Amblyomma maculatum)、オウシマダニ(Rhipicephalus microplus)、キャトルチック(Rhipicephalus annulatus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、Rhipicephalus appendiculatus、Rhipicephalus decoloratus等のマダニ科(Ixodidae);ナガヒメダニ(Argas persicus)、Ornithodoros hermsi、Ornithodoros turicata等のヒメダニ科(Argasidae);ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis)等のコナダニ科(Acaridae);コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)等のチリダニ科(Pyroglyphidae);ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Chelacaropsis moorei)、イヌツメダニ(Cheyletiella yasguri)等のツメダニ科(Cheyletidae);ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)、ウマキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes equi)、Knemidocoptes mutans、ミミヒゼンダニ(Otodectes cynotis)、ショクヒヒゼンダニ属(Chorioptes spp.)等のキュウセン科(Psoroptidae);ネコショウセンコウヒゼンダニ(Notoedres cati)、ネズミショウセンコウヒゼンダニ(Notoedres muris)、センコウヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)等のヒゼンダニ科(Sarcoptidae);ウサギズツキダニ(Listrophorus gibbus)等のズツキダニ科(Listrophoridae);ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のサシダニ科(Dermanyssidae);トリサシダニ(Ornithonyssus sylviarum)、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)等のオオサシダニ科(Macronyssidae);ミツバチヘギイタダニ(Varroa jacobsoni)等のヘギイタダニ科(Varroidae);イヌニキビダニ(Demodex canis)、ネコニキビダニ(Demodex cati)等のニキビダニ科(Demodicidae);アカツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)、フトゲツツガムシ(Leptotrombidium pallidum)、タテツツガムシ(Leptotrombidium scutellare)等のツツガムシ科(Trombiculidae)。
【0032】
クモ目(Araneae):カバキコマチグモ(Cheiracanthium japonicum)等のコマチグモ科(Eutichuridae);セアカゴケグモ(Latrodectus hasseltii)等のヒメグモ科(Theridiidae)。
オビヤスデ目(Polydesmida):ヤケヤスデ(Oxidus gracilis)、アカヤスデ(Nedyopus tambanus)等のヤケヤスデ科(Paradoxosomatidae)。
等脚目(Isopoda):オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等のオカダンゴムシ科(Armadillidiidae)。
唇脚綱(Chilopoda):ゲジ(Thereuonema hilgendorfi)等のゲジ科(Scutigeridae);トビズムカデ(Scolopendra subspinipes)等のオオムカデ科(Scolopendridae);イッスンムカデ(Bothropolys rugosus)等のイッスンムカデ科(Ethopolyidae)。
【0033】
有害昆虫、有害ダニ類等の有害節足動物は、殺虫剤、殺ダニ剤等に薬剤感受性の低下した、又は薬剤抵抗性の発達した有害昆虫、有害ダニ類等の有害節足動物であってもよい。
【0034】
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物と、メトフルトリン(metofluthrin)及びジメフルトリン(dimefluthrin)からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物とを含有する組成物(以下、組成物Aと記す)である。メトフルトリン及びジメフルトリンは、一種のみで、又は、二種を組み合わせて、使用できる。また、メトフルトリン及びジメフルトリンには、それぞれ一つ以上の立体異性体が存在するが、本発明で使用されるメトフルトリン及びジメフルトリンには、立体異性体及びその混合物が含まれる。
組成物Aにおいて、本発明化合物と、メトフルトリン及びジメフルトリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物との比は、特に限定されるものではないが、質量比(本発明化合物:メトフルトリン及びジメフルトリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物)で、100000:1~1:100000、50000:1~1:50000、10000:1~1:10000、1000:1~1:1000、500:1~1:500、100:1~1:100、50:1、20:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:20、1:50等が挙げられる。
【0035】
メトフルトリン及びジメフルトリンは、それぞれ、有害昆虫、有害ダニ類等の有害節足動物に対し優れた防除効果を発揮することが知られている。そのため、メトフルトリン及びジメフルトリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する組成物Aは、有害節足動物に対し優れた防除効果を発揮することが期待できる。組成物Aにより防除することのできる有害節足動物としては、例えば、前記のものが挙げられる。
【0036】
本発明の有害節足動物防除方法としては、本発明化合物又は組成物Aの有効量を、有害節足動物に直接、及び/又は、有害節足動物の生息場所(植物、土壌、家屋内、動物等)に施用することにより行われる。本発明の有害節足動物の防除方法としては、例えば、茎葉処理、土壌処理、根部処理、シャワー処理、燻煙処理、水面処理及び種子処理が挙げられる。
【0037】
本発明化合物又は組成物Aを農業分野の有害節足動物防除に用いる場合、その施用量は、10000m2あたりの本発明化合物の量で通常1~10000gである。本発明化合物又は組成物Aが乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は、通常、有効成分濃度が0.01~10000ppm(例えば1000ppm)となるように水で希釈して施用し、粒剤、粉剤等は、通常、そのまま施用する。
【0038】
本発明化合物又は組成物Aを家屋内に生息する有害節足動物の防除に用いる場合、その施用量は、面上に処理する場合は処理面積1m2あたりの本発明化合物の量で、通常、0.01~1000mgであり、空間に処理する場合は処理空間1m3あたりの本発明化合物の量で、通常、0.01~500mgである。本発明化合物又は組成物Aが乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は、通常、有効成分濃度が0.1~10000ppmとなるように水で希釈して施用し、油剤、エアゾール剤、燻煙剤、毒餌剤等はそのまま施用する。
【0039】
本発明化合物又は組成物Aは、通常、さらに不活性担体を含有する組成物(以下、組成物Bと記す)として使用する。組成物Bは、通常、本発明化合物又は組成物Aと液体担体、界面活性剤等とを混合し、必要により、増粘剤、結合剤、分散剤、安定剤、ガス等の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、粉剤、粒剤、エアゾール剤(直撃噴霧型、空間噴霧型、定量噴霧型、ワンプッシュ型、全量噴霧型、間欠噴霧型等)、スプレー剤、電気式噴霧剤(超音波振動式、静電噴霧式等)、加熱蒸散剤(線香、電気マット、吸液芯型加熱蒸散剤等)、非加熱蒸散剤(樹脂蒸散剤、含浸紙蒸散剤、ネット製剤等)、煙霧剤(フォギング等)、ULV(Ultra Low Volume)剤等に用いることができる。
本発明の1つの実施形態である製剤は、本発明化合物又は組成物Aを含有する、油剤、乳剤、フロアブル剤、エアゾール剤、加熱蒸散剤、非加熱蒸散剤、煙霧剤、及びULV剤からなる群より選ばれる製剤である。
これらの製剤には本発明化合物又は組成物Aが、製剤の総重量に対して、重量比で通常0.0001~99%含有される。
【0040】
液体担体としては、例えば、水、アルコール類(エタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン、フェニルキシリルエタン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、オレイン酸メチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ラクタム類(N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン等)、脂肪酸類(オレイン酸等)、鉱物油類(ケロシン、灯油、軽油等)、及び植物油類(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aと、水、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、エステル類、ニトリル類、エーテル類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、鉱物油類、及び植物油類からなる群より選ばれる1以上の液体担体とを含有する組成物である。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、油剤、乳剤、フロアブル剤、エアゾール剤、加熱蒸散剤、及びULV剤からなる群より選ばれる製剤である。
【0041】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、及び糖アルコール誘導体が挙げられる。
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aと、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、及び糖アルコール誘導体からなる群より選ばれる1以上の界面活性剤とを含有する組成物である。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、乳剤、フロアブル剤、及び加熱蒸散剤からなる群より選ばれる製剤である。
【0042】
増粘剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(デンプン、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、及び合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)が挙げられる。
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aと、カゼイン、ゼラチン、多糖類、リグニン誘導体、ベントナイト、及び合成水溶性高分子からなる群より選ばれる1以上の増粘剤とを含有する組成物である。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、フロアブル剤である。
【0043】
酸化防止剤としては、例えば、BHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)及びBHA(2-tert-ブチル-4-メトキシフェノールと3-tert-ブチル-4-メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aと、BHT及びBHAからなる群より選ばれる1以上の酸化防止剤とを含有する組成物である。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、油剤、乳剤、フロアブル剤、エアゾール剤、加熱蒸散剤、非加熱蒸散剤、煙霧剤、及びULV剤からなる群より選ばれる製剤である。
【0044】
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aを、植物性粉末(木粉、粕粉等)に担持させた組成物である。植物性粉末は、前記植物性粉末と結合剤(タブ粉、スターチ、グルテン等)とを混合して用いてもよい。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、加熱蒸散剤である。
本発明のまた別の実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aと、結合剤とを含有する組成物である。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、加熱蒸散剤である。
【0045】
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aを、コットンリンター及びパルプからなる群より選ばれる1以上の基材に担持させた組成物である。前記基材は、具体的には、例えば、コットンリンターを板状に固めたもの及びコットンリンターとパルプとの混合物の繊維を板状に固めたものが挙げられる。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、加熱蒸散剤である。
【0046】
本発明の1つの実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aを、熱可塑性樹脂又は紙に担持させた組成物である。また、本発明の1つの実施形態である製剤は、当該組成物を含有する、非加熱蒸散剤である。
前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエチレン-ビニルエステル共重合体;エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン-メタクリル酸エステル共重合体;エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等のエチレン-アクリル酸エステル共重合体;エチレン-アクリル酸共重合体等のエチレン-ビニルカルボン酸共重合体;エチレン-テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン重合体、プロピレン-エチレン共重合体のポリプロピレン樹脂;ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリブテン-1、ポリブタジエン、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン樹脂;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、スチレン-共役ジエン共重合体、スチレン-共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンが挙げられ、これらの樹脂は、単独で用いても2種以上の混合物として用いてもよい。これらの樹脂には、必要により、フタル酸エステル類(フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等)、アジピン酸エステル類、ステアリン酸等の可塑剤が添加されていてもよい。
前記紙としては、例えば、濾紙及び和紙が挙げられる。
本発明の別の実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aを、熱可塑性樹脂に担持させた組成物である。
本発明のまた別の実施形態である組成物は、本発明化合物又は組成物Aを、紙に担持させた組成物である。
【実施例
【0047】
以下、本発明を製造例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0048】
まず、本発明化合物の製造例を示す。
【0049】
製造例1
特開2004-269507号公報の製造例1に記載の方法で製造した4-メトキシメチル-2,3,5,6-テトラフルオロベンジル (1R)-トランス-3-(1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート1.10g、クロロホルム10mL、及びメタノール1.36mLの混合物に、四塩化チタン(1.0M トルエン溶液)15.3mLを加え、室温で1時間撹拌した。得られた混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、tert-ブチルメチルエーテルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に付し、下式(II)で示される化合物(本発明化合物1と記す)を1.12g得た。
【化8】
【0050】
本発明化合物1の1H-NMRデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ:5.69 (1H, dt), 5.52 (1H, dt), 5.25 (2H, s), 4.59 (2H, s), 3.40 (3H, s), 3.33 (1H, d), 2.11-2.03 (2H, m), 1.64 (3H, s), 1.59 (3H, s), 0.99 (3H, t).
【0051】
次に、本発明化合物の有害節足動物に対する効力を試験例により示す。
【0052】
試験例1
供試化合物が12.5ppmとなるように調製したアセトン溶液を内容量20mLの容器に注ぎ、供試化合物が0.63mg/m2となるように容器の内面に均一にコーティングし、その後76時間乾燥させた。
該容器にイエヒメアリ雌成虫10頭を入れ、蓋を閉めた。1時間経過後にイエヒメアリの状態を調査し、死虫率を求めた。死虫率は下式により計算した。
死虫率(%)=(死虫数/供試虫数)×100
試験は3反復行い、その死虫率の平均値を求めた。
その結果、本発明化合物1を供試化合物として用いた場合の死中率(3反復の平均値)は67%であった。
【0053】
比較例1
本発明化合物1に代えて、特許第3728967号公報(特許文献1)に記載の化合物Aを供試化合物として用い、試験例1と同様に試験を行ったところ、死中率(3反復の平均値)は7%であった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明化合物は、有害節足動物に対して優れた防除効果を示す。
【要約】
本発明は、有害節足動物に対して優れた防除効力を有する化合物を提供する。式(I)
で示される化合物は、有害節足動物に対して優れた防除効力を有する。