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  • 特許-ペット用吸収性シート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】ペット用吸収性シート
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/015 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
A01K1/015 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021025648
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127476
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 真実
(72)【発明者】
【氏名】大西 秀幸
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3218665(JP,U)
【文献】特開2017-93320(JP,A)
【文献】特開2019-110791(JP,A)
【文献】米国特許第6645597(US,B1)
【文献】特開2005-80509(JP,A)
【文献】特開2013-247923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/015
A61F 13/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向、前記厚さ方向に直交する第1方向及び前記厚さ方向及び前記第1方向に直交する第2方向と、
表面シートと、
裏面シートと、
前記表面シート及び前記裏面シートの間に配置され、吸収コアを有する吸収体と、
前記吸収コアよりも表面側に配置された着色部と、を有するペット用吸収性シートであって、
前記ペット用吸収性シートは、前記吸収体、前記表面シート及び前記裏面シートが配置された吸収領域と、前記吸収領域の周囲において前記表面シートと前記裏面シートの少なくとも一方が配置された外周領域と、前記吸収領域を前記第1方向に三等分した領域と、を有し、
前記吸収領域及び前記外周領域は、白色系、茶色系、及び黒色系のうちのいずれかの同系色であり、
前記三等分した領域は、中央領域と、前記中央領域の側方に位置する第1側領域及び第2側領域と、を有し、
前記着色部は、前記中央領域に設けられず、前記第1側領域において前記第2方向に沿って延びている、ペット用吸収性シート。
【請求項2】
前記着色部は、青色及び緑色の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のペット用吸収性シート。
【請求項3】
前記着色部は、複数の色を有しており、
前記着色部の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、色相番号が同じ又は色相番号のずれが5以内である、請求項1又は請求項2に記載のペット用吸収性シート。
【請求項4】
前記着色部の形状は、反復した図形的要素を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項5】
前記反復した図形的要素は、幾何学的形状を有し、
前記幾何学的形状は、長方形、三角形、菱形、蜂の巣形、円形、多角形の少なくとも1つを有する、請求項4に記載のペット用吸収性シート。
【請求項6】
前記反復した図形的要素は、非幾何学的な形状を有し、
前記非幾何学的な形状は、自然を連想させるデザイン、もしくは、それらをイメージしたモチーフを有する、請求項4に記載のペット用吸収性シート。
【請求項7】
前記着色部は、前記第2側領域においても前記第2方向に沿って設けられている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項8】
前記着色部は、前記吸収体の前記第2方向における外端縁に設けられている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項9】
前記着色部は、前記吸収体の前記第2方向の両方の外端縁の間において連続して設けられている、請求項8に記載のペット用吸収性シート。
【請求項10】
前記着色部の前記第1方向の内端縁は、前記吸収体の前記第1方向の外端縁から、前記吸収体の前記第1方向の全域長さに対する25%以下までの範囲に配置されている、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項11】
前記着色部の前記第1方向の外端縁は、前記吸収体の前記第1方向の外端縁から離間しており、
前記着色部の前記第1方向の外端縁と前記吸収体の前記第1方向の外端縁の距離は、10mm以上20mm以下である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項12】
前記第1方向は、ペット用吸収性シートの短手方向であり、
前記ペット用吸収性シートは、前記第1方向に沿った一対の第1折り目を基点に折り畳まれており、
前記着色部は、前記一対の第1折り目間において連続して設けられている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項13】
前記着色部の一部と重なるカバーシートを有し、
前記カバーシートは、前記着色部の前記第1方向の一部を覆っている、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のペット用吸収性シート。
【請求項14】
前記カバーシートは、前記着色部よりも前記表面側に配置されている、請求項13に記載のペット用吸収性シート。
【請求項15】
前記カバーシートの前記第1方向の端縁は、前記第2方向に沿って延びている、請求項13又は請求項14に記載のペット用吸収性シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットの排泄物、例えば尿を吸収するペット用吸収性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
表面シートと、裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に設けられた吸収体と、を有するペット用吸収性シートが提供されている。当該ペット用吸収性シートは、吸収体と重なる領域に設けられた着色部と、吸収体の周囲に配置された周囲領域に設けられた外周着色部と、を有する。着色部及び外周着色部によって、シート全体のデザイン性を高めるとともに、配置した状態で周囲に対して目立たせペット用吸収性シートの存在を使用者等に気づかせ易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3218665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペット用吸収性シートは、様々な態様で使用されており、システムトイレに収容されて使用されたり、室内の床に置いて使用されたりする。室内の床に置いて使用する態様においては、例えば、吸収体とその周囲領域の色差が大きい場合には、床に置いた際にトイレという印象が強くなり、使用者によっては、部屋の景観を損なうと感じてしまうことがあった。しかし、ペット用吸収性シートの全体が床に馴染みすぎる場合、すなわち、ペット用吸収性シートの全体が床に対して目立ちにくい場合には、吸収体の排泄物の吸収態様を把握し難く、交換時期を把握し難いことがあった。
【0005】
よって、部屋の景観を損ない難く、かつ吸収体の吸収態様を把握し易いペット用吸収性シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るペット用吸収性シートは、厚さ方向、前記厚さ方向に直交する第1方向及び前記厚さ方向及び前記第1方向に直交する第2方向と、表面シートと、裏面シートと、前記表面シート及び前記裏面シートの間に配置され、吸収コアを有する吸収体と、前記吸収コアよりも表面側に配置された着色部と、を有する。前記ペット用吸収性シートは、前記吸収体、前記表面シート及び前記裏面シートが配置された吸収領域と、前記吸収領域の周囲において前記表面シートと前記裏面シートの少なくとも一方が配置された外周領域と、前記吸収領域を前記第1方向に三等分した領域と、を有する。前記吸収領域及び前記外周領域は、白色系、茶色系、及び黒色系のうちのいずれかの同系色である。前記三等分した領域は、中央領域と、前記中央領域の側方に位置する第1側領域及び第2側領域と、を有する。前記着色部は、前記中央領域に設けられず、前記第1側領域において前記第2方向に沿って延びている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るペット用吸収性シートの排泄面側から見た平面図である。
図2図1に示すA-A線に沿ったペット用吸収性シートの模式的断面図である。
図3】第2実施形態に係るペット用吸収性シートの模式的断面図である。
図4】第3実施形態及び第4実施形態に係るペット用吸収性シートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係るペット用吸収性シートは、厚さ方向、前記厚さ方向に直交する第1方向及び前記厚さ方向及び前記第1方向に直交する第2方向と、表面シートと、裏面シートと、前記表面シート及び前記裏面シートの間に配置され、吸収コアを有する吸収体と、前記吸収コアよりも表面側に配置された着色部と、を有する。前記ペット用吸収性シートは、前記吸収体、前記表面シート及び前記裏面シートが配置された吸収領域と、前記吸収領域の周囲において前記表面シートと前記裏面シートの少なくとも一方が配置された外周領域と、前記吸収領域を前記第1方向に三等分した領域と、を有する。前記吸収領域及び前記外周領域は、白色系、茶色系、及び黒色系のうちのいずれかの同系色である。前記三等分した領域は、中央領域と、前記中央領域の側方に位置する第1側領域及び第2側領域と、を有する。前記着色部は、前記中央領域に設けられず、前記第1側領域において前記第2方向に沿って延びている。吸収領域、及び外周領域が白色系、茶色系、黒色系のいずれかの同系色であるため、ペット用吸収性シート全体が統一感のある色味となり、また当該色が白色系、茶色系、黒色系であるため、部屋の床に馴染みやすい。よって、ペット用吸収性シートがインテリアと一体化し易く、部屋の景観を損ない難い。また、着色部は、中央領域に設けられてなく、吸収領域の全体に配置されていない。よって、吸収領域全体に着色部が配置された形態と比較して、トイレという印象を抑えることができ、部屋にペット用吸収性シートが馴染みやすくなる。第1側領域において着色部が第2方向に連続して設けられているため、第1側領域の吸収体の第2方向に延びる外端縁を目立たせることができる。体液を吸収し続けると、吸収体の外端縁から漏れが生じ易い。当該吸収体の外端縁を目立たせることにより、表面シート及び吸収体の全体の色が床に馴染む色であっても、吸収体の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0009】
好ましい一態様によれば、前記着色部は、青色及び緑色の少なくとも一方を含む。本態様によれば、着色部が白色系、茶色系及び黒色系の床に馴染みやすい。また、青色及び緑色は、一般的にインテリアの装飾に用いられる色味であり、部屋の印象を損ねることを抑制できる。
【0010】
好ましい一態様によれば、前記着色部は、複数の色を有している。前記着色部の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、色相番号が同じ又は色相番号のずれが5以内である。本態様によれば、着色部の色同士が近似する色であるため、使用者は、着色部を一体的に把握でき、着色部全体がインテリアに馴染みやすくなる。
【0011】
好ましい一態様によれば、前記着色部の形状は、反復した図形的要素を含む。図形的要素は、一般的にインテリアデザインにも用いられており、本態様によれば、ペット用吸収性シートのデザインをインテリアの装飾のデザインに模すことができ、ペット用吸収性シートがより部屋に馴染みやすくなる。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記反復した図形的要素は、幾何学的形状を有する。前記幾何学的形状は、長方形、三角形、菱形、蜂の巣形、円形、多角形の少なくとも1つを有する。幾何学的形状は、一般的にインテリアデザインにも用いられており、本態様によれば、ペット用吸収性シートのデザインをインテリアの装飾のデザインに模すことができ、ペット用吸収性シートがより部屋に馴染みやすくなる。
【0013】
好ましい一態様によれば、前記反復した図形的要素は、非幾何学的な形状を有する。前記非幾何学的な形状は、自然を連想させるデザイン、もしくは、それらをイメージしたモチーフを有する。使用者は、ペット用吸収性シートの着色部を視認することにより、木・草・花・水など自然を連想することができる。よって、ペット用吸収性シートが自然に馴染むイメージを持ち、ペット用吸収性シートに対する違和感が抑制され、ペット用吸収性シートがより部屋に馴染みやすくなる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記着色部は、前記第2側領域においても前記第2方向に沿って設けられている。本態様によれば、第1側領域及び第2側領域の両方において、着色部によって吸収体の第1方向の両方の外端縁を目立たせることができる。当該吸収体の外端縁を目立たせることにより、表面シート及び吸収体の全体の色が床に馴染む色であっても、吸収体の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0015】
好ましい一態様によれば、前記着色部は、前記吸収体の前記第2方向における外端縁に設けられている。本態様によれば、吸収体の第2方向の外端縁を目立たせることができる。当該吸収体の外端縁を目立たせることにより、表面シート及び吸収体の全体の色が床に馴染む色であっても、吸収体の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記着色部は、前記吸収体の前記第2方向の両方の外端縁の間において連続して設けられている。本態様によれば、当該吸収体の第1方向に延びる外端縁が着色部の切れ目によって目立つとともに、連続した着色部によって吸収体の第2方向に延びる外端縁も目立ちやすくなる。より吸収体の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0017】
好ましい一態様によれば、前記着色部の前記第1方向の内端縁は、前記吸収体の第1方向の外端縁から、前記吸収体の前記第1方向の全域長さに対する25%以下までの範囲に配置されている。本態様によれば、着色部が占める割合が少なく、着色部がペット用吸収性シートの全体に配置されている心象を与え難い。よって、トイレという印象を抑えることができ、部屋にペット用吸収性シートが馴染みやすくなる。
【0018】
好ましい一態様によれば、前記着色部の前記第1方向の外端縁は、前記吸収体の第1方向の外端縁から離間している。前記着色部の前記第1方向の外端縁と前記吸収体の第1方向の外端縁の距離は、10mm以上20mm以下である。本態様によれば、着色部の第1方向の外端縁は、前記吸収体の第1方向の外端縁から離間してため、着色部が吸収体の外端縁に重なっている形態と比較して、使用者は、着色部の第1方向の外端縁と吸収体の第1方向の外端縁とを区別して把握し易い。また、前記着色部の前記第1方向の外端縁と前記吸収体の第1方向の外端縁の距離が10mm以上であるため、着色部を超えて体液が拡散した際に、吸収体の外端縁から体液が直ちに漏れず、吸収体から体液が漏れることを抑制できる。また、前記着色部の前記第1方向の外端縁と前記吸収体の第1方向の外端縁の距離が20mm以下であるため、着色部によって吸収体の第1方向の外端縁を把握し易い。
【0019】
好ましい一態様によれば、前記第1方向は、ペット用吸収性シートの短手方向である。前記ペット用吸収性シートは、前記第1方向に沿った一対の第1折り目を基点に折り畳まれている。前記着色部は、前記一対の第1折り目間において連続して設けられている。使用態様によっては、ペット用吸収性シートは、長手方向である第2方向において折り畳まれた(第1折り目を基点に折り畳まれた)状態で、使用されることがある。一対の第1折り目間において着色部が連続していることにより、ペット用吸収性シートを折り畳んで使用した際においても、第2方向に延びる吸収体の外端縁を目立たせることができる。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記着色部の一部と重なるカバーシートを有する。前記カバーシートは、前記着色部の第1方向の一部を覆っている。本態様によれば、着色部の一部にカバーシートが重なるため、着色部が配置された領域の厚みが変化する。よって、着色部が立体的になり、平坦な着色部と比較して、着色部が目立ち、着色部による吸収態様の把握が容易になる。
【0021】
好ましい一態様によれば、前記カバーシートは、前記着色部よりも前記表面側に配置されている。本態様によれば、カバーシートに覆われた着色部の領域と、カバーシートに覆われていない着色部の領域と、があるため、表面側から見た際に、着色部の見た目が変化する。よって、着色部が立体的に示され、着色部が目立ち、着色部による吸収態様の把握が容易になる。また、着色部の一部にカバーシートが重なるため、カバーシートの有無により、排泄物を吸収した際の広がりが変化する。例えば、カバーシートの外端縁で排泄物の拡散が一旦停止する。よって、使用者は、吸収態様をより細かく把握し易くなる。
【0022】
好ましい一態様によれば、前記カバーシートの第1方向の端縁は、前記第2方向に沿って延びている。本態様によれば、第2方向に延びる着色部のみならず、カバーシートの外端縁によっても、吸収体の第2方向に延びる外端縁も目立たせることができる。より吸収体の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0023】
(2)ペット用吸収性シートの構成
以下、図面を参照して、実施形態に係るペット用吸収性シートについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書において、「ペット」は、脊椎動物や無脊椎動物を広く包含し、典型的には、猫、犬、ウサギ、ハムスターなどの愛玩動物を含む。本実施の形態のペット用吸収性シートは、犬用又は猫用の吸収性シートである。
【0024】
図1は、第1実施形態に係るペット用吸収性シートの排泄面側から見た状態の平面図である。図2は、図1に示すA-A線に沿ったペット用吸収性シートの模式的断面図である。ペット用吸収性シート10は、概して平坦なシートである。ペット用吸収性シート10の一方の面は、ペットの排泄物を受ける排泄面である。本実施の形態においては、排泄面を構成する面を表面とし、非排泄面を構成する面を裏面として説明する。図2において、厚さ方向Tにおける表面側T1と裏面側T2を示す。また、図2に示す断面では、説明の便宜上、各構成部材を離間して示しているが、実際の製品において各構成部材が接していてよい。
【0025】
ペット用吸収性シート10は、厚さ方向Tと、厚さ方向Tと直交する第1方向D1及び第2方向D2と、を有する。第1方向D1と第2方向D2は、平面方向に延びる方向であり、互いに直交する。本実施の形態の第1方向D1は、平面視における短手方向であり、第2方向D2は、長手方向である。なお、変形例において、第1方向D1は、平面視における長手方向であって、第2方向D2は、短手方向であってよい。
【0026】
ペット用吸収性シート10は、表面側T1に配置される表面シート12と、裏面側T2に配置される裏面シート14と、吸収体30と、を有する。吸収体30は、表面シート12と裏面シート14との間に設けられている。表面シート12は、ペットの排泄物のような液体を透過する透液性シートであってよい。透液性シートは、例えば透液性を有する不織布、又は開口フィルムによって構成されていてよい。裏面シート14は、ペットの排泄物のような液体を透過しない不透液性シートであってよい。裏面シート14は、特に制限されないが、例えば樹脂フィルムシートによって構成されていてよい。
【0027】
吸収体30は、吸収コア31と、吸収コア31を包むコアラップ33と、を含んでいてよい。コアラップ33は、吸収コア31の表面側T1を覆う第1コアラップ33aと、吸収コア31の裏面側T2を主に覆う第2コアラップ33bと、を含んでいてよい。第2コアラップ33bの第1方向D1の外側部は、吸収コア31の第1方向D1の外端縁31E(図2参照)を基点に表面側T1に折り返され、吸収コア31の表面の一部を覆ってよい。なお、後述する第2実施形態に係るペット用吸収性シート(図3参照)のように、第1コアラップ33aが、吸収コア31の第1方向D1の外端縁31Eを基点に裏面側T2に折り返され、吸収コア31の裏面の一部を覆ってもよい。吸収コア31は、特に限定されないが、パルプのような親水性繊維層、及び高吸収性ポリマー(SAP)、又はこれらの組合せを含んでいてよい。コアラップ33は、特に限定されないが、例えば透液性のティッシュから構成することができる。
【0028】
表面シート12及び裏面シート14の少なくとも一方は、平面視にて、吸収体30よりも外側へ延びている。ペット用吸収性シート10は、吸収体30、表面シート12及び裏面シート14が配置された吸収領域R10と、吸収領域R10の周囲において、吸収体30が配置されず、表面シート12と裏面シート14の少なくとも一方が配置された外周領域R20と、を有する。外周領域R20は、吸収体30の周りの領域であればよく、表面シート12のみが配置されていてもよいし、裏面シート14のみが配置されていてもよいし、表面シート12及び裏面シート14の両方が配置されていてよい。
【0029】
ペット用吸収性シート10は、吸収領域R10を第1方向D1に三等分した領域を有している。三等分した領域は、中央領域R13と、中央領域R13の側方に位置する第1側領域R11及び第2側領域R12と、を有する。中央領域R13は、三等分した領域のうち第1方向D1の中央に位置する。第1側領域R11は、中央領域R13に対して第1方向D1の一方の外側に位置し、第2側領域R12は、中央領域R13に対して第1方向D1の他方の外側に位置する。中央領域R13の第1方向D1の長さ、第1側領域R11の第1方向D1の長さ及び第2側領域R12の第1方向D1の長さは、同じであり、中央領域R13の第2方向D2の長さ、第1側領域R11の第2方向D2の長さ及び第2側領域R12の第2方向D2の長さは、吸収体30の第2方向D2の長さである。
【0030】
ペット用吸収性シート10は、使用前及び使用中の少なくとも一方において、折り目を基点に折り畳まれてよい。折り目は、第1方向D1に沿った一対の第1折り目FL1を有してよい。また、折り目は、第2方向D2に沿った一対の第2折り目FL2を有してよい。第1折り目FL1及び第2折り目FL2は、複数設けられていればよく、2つであってもよいし、3つ以上であってもよい。本実施の形態のペット用吸収性シートは、少なくとも使用前において、一対の第1折り目FL1を基点に折り畳まれているとともに、一対の第2折り目FL2を基点に折り畳まれていている。
【0031】
本実施の形態に係るペット用吸収性シート10は、部屋の景観を損ない難く、かつ吸収体30の吸収態様を把握し易く構成されている。次いで、部屋の景観を損ない難く、かつ吸収体30の吸収態様を把握し易くするための構成について、詳細に説明する。吸収領域R10及び外周領域R20は、白色系、茶色系、及び黒色系のうちのいずれかの同系色である。すなわち、吸収領域R10が白色系の場合、外周領域R20は白色系であり、吸収領域R10が黒色系の場合、外周領域R20は黒色系であり、吸収領域R10が茶色系の場合、外周領域R20は茶色系である。また、この同系色は、ペット用吸収性シート10を表面側T1から見た際の色であってよい。一般的に、部屋の床の色は、白色系、茶色系、及び黒色系のいずれによって構成されている。吸収領域R10の色及び外周領域R20の色が白色系、茶色系、黒色系であるため、部屋の床に馴染みやすい。また、吸収領域R10、及び外周領域R20が白色系、茶色系、黒色系のいずれかの同系色であるため、吸収領域R10と外周領域R20の色差が小さくなり、床に置いた際にトイレという印象が強くなり難く、部屋の印象を損なうことを抑制できる。よって、ペット用吸収性シート10がインテリアと一体化し易く、部屋の景観を損ない難い。
【0032】
なお、白色系、黒色系、及び茶色系は、JIS慣用色(和名)及びJIS慣用色(英名)によって規定できる下記の色を含んでよく、互いに重複色を含んでよい。以下、各色系に含まれる色の名称(sRGB)を例示する。白色系は、生成り色(#F7F6EB)、卯花色(#FFFDE6)、白(#FFFFFD)、胡粉色(#FFFFFA)、乳白色(#FFFFFB)、鉛白(#F6FBF6)、灰白色(#EFE8D7)を例示でき、黒色系は、空五倍子色(#615346)、鉄黒(#191817)、柴色(#998C78)、薄墨色(#7B8075)、深川鼠(#72897A)、黒橡(#2F3437)、暗黒色(#000113)、漆黒(#000001)、涅色(#34312E)、黒(#02010C)、濡羽色(#080016)、鈍色(#5D6562)、銀鼠(#969998)、灰色(#646766)、灰汁色(#7C745F)、消炭色(#373434)、利休鼠(#646F63)、茶鼠(#90877C)、砂色(#CCC3A1)、憲房色(#302F2B)、鉛色(#666B6C)、鼠色(#7E8080)、墨(#212222)、黒茶(#362519)、茶色系は、錆色(#624035)、小豆色(#864944、#905D54)、黄茶(#B1632A)、白茶(#D1B592)、赤錆色(#6F2D21、#8D3927)、ブルーノ・ヴァンダイク(#644045) 、茶色(#73422)、ココアブラウン(#704B38)、濃厚な橙(#663300)、淡朽葉(#ce944d)、唐茶(#B47157)、コニャック(#AB4A20)、濃厚な赤紫(#660033)、小鶏黄(#E6CE84)、タン(#9E6C3F )、マルーン(#800000、#662B2C)、黄金色(#D3B95E、#D68E31)、栗色(#704B38、#5D2917 )、テール・ドゥ・シエーナ・ブリュレ(#734333 )、濃蘇芳(#491022)、ときがら茶(#DB8E71)、ヴェール・サファリ(#888724 )、黒茶(#362519)、ルイユ(#CE481F)、江戸茶(#AB7F5C)のいずれかであってよい。また、同系色は、マンセル表色系(JIS Z 8721(三属性による色の表示方法))において、有彩色・無彩色それぞれに関して、以下の定義とする。有彩色にあっては、色相Hが40色相環において両方向4つ以内に位置し、明度V両方向2.9以内に位置し(黒である1、白である9.5は除く)、彩度Cが両方向2.9以内に位置する全ての色は、同系色である。無彩色にあっては、明度Vが、両方向2.9以内に位置し、わずかに色味を感じる無彩色に限り、色相が全てを対象とし、彩度Cが両方向2.9以内に位置する色は、同系色である。
【0033】
ペット用吸収性シート10は、着色部80を有する。着色部80は、吸収コア31よりも表面側T1に配置されており、ペット用吸収性シート10の表面側T1から視認可能であってよい。着色部80は、表面シート12、第1コアラップ33a、及び第2コアラップ33bの一部(表面側T1に折り返された部分)のうち少なくともいずれかに設けられてよい。本実施の形態の着色部80は、第1コアラップ33aの表面側T1の面に印刷によって設けられている。使用者は、表面シート12を介して又は、表面シート12及び第2コアラップ33bを介して着色部80を視認してよい。着色部80は、吸収領域R10に設けられている。着色部80は、中央領域R13に設けられず、少なくとも第1側領域R11に設けられている。出願人が鋭意調査及び研究した結果、吸収領域R10全体に着色部80が配置されていると、使用者は、床に置いた際にトイレという印象を感じやすかった。しかし、着色部80は、中央領域R13に設けられてなく、吸収領域R10の全体に配置されていない。よって、吸収領域R10全体に着色部80が配置された形態と比較して、トイレという印象を抑えることができ、ペット用吸収性シート10が部屋に馴染みやすくなる。
【0034】
着色部80は、第1側領域R11において第2方向D2に沿って延びている。着色部80が第2方向D2に沿って延びる構成は、着色部80が第2方向D2に平行に線状に延びる構成のみならず、着色部80が第2方向D2に対して45度以内の角度で傾斜している形態や、複数の離間した着色部の集合体が第2方向D2に並んで配置されている構成も含む。第1側領域R11において着色部80が第2方向D2に沿って延びているため、第1側領域R11の吸収体30の第1方向D1の(第2方向D2に延びる)外端縁30E1を目立たせることができる。体液を吸収し続けると、吸収体30の外端縁から漏れが生じ易い。当該吸収体の外端縁を目立たせることにより、表面シート12及び吸収体30の全体の色が床に馴染む色であっても、使用者が吸収体30の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。また、ペット用吸収性シートをシステムトイレに用いる場合には、一般的に、吸収体の外端縁に沿ってシートを折り畳み、システムトイレのトレイ内に収容される。このとき、吸収体の外端縁を着色部によって把握し易く、トレイ内に適切にシートを配置できる。
【0035】
好適には、着色部80は、第2側領域R12においても第2方向D2に沿って設けられている。すなわち、好適には、着色部80は、第1側領域R11及び第2側領域R12に設けられ、かつ第1側領域R11及び第2側領域R12において第2方向D2に沿って設けられてよい。第1側領域R11及び第2側領域R12の両方において、着色部80によって吸収体30の第1方向D1の両方の外端縁30E1を目立たせることができる。当該吸収体30の外端縁を目立たせることにより、表面シート12及び吸収体30の全体の色が床に馴染む色であっても、使用者が吸収体30の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0036】
着色部80は、吸収体30の第2方向D2における外端縁30E2に設けられてよい。吸収体30の第2方向D2における外端縁は、一対であって第1方向D1に沿っている。当該一対の外端縁30E2のうちいずれか一方に着色部80が設けられてよい。本態様によれば、吸収体30の第2方向D2の外端縁30E2を目立たせることができる。当該吸収体30の四方の外端縁30E1、30E2を目立たせることにより、表面シート12及び吸収体30の全体の色が床に馴染む色であっても、使用者が吸収体30の吸収態様を把握でき、交換時期を把握し易くなる。
【0037】
本実施の形態の着色部80は、吸収体30の第2方向D2における両方の外端縁30E2に設けられている。当該吸収体30の第2方向D2の(第1方向D1に延びる)外端縁30E2が着色部80の切れ目によって目立つとともに、着色部80によって吸収体30の第1方向D1の(第2方向D2に延びる)外端縁30E1も目立ちやすくなる。使用者は、吸収体30の吸収態様をより把握し易く、ペット用吸収性シートの交換時期を把握し易くなる。なお、本実施の形態の着色部80は、複数の着色部の集合体であり、互いに離間した部分と、互いに隣接した部分と、を有する。変形例において、着色部80は、吸収体30の第2方向D2の両方の外端縁30E2の間において連続して設けられてよい。
【0038】
着色部80の第1方向D1の内端縁80Iは、吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1から、吸収体30の第1方向D1の全域長さに対する25%以下までの範囲に配置されてよい。より好適には、着色部80の第1方向D1の内端縁80Iは、吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1から、吸収体30の第1方向D1の全域長さに対する15%以下までの範囲に配置されてよい。本態様によれば、着色部80が占める割合が少なく、着色部80がペット用吸収性シート10の全体に配置されている心象を与え難い。よって、トイレという印象を抑えることができ、ペット用吸収性シート10が部屋により馴染みやすくなる。
【0039】
着色部80の第1方向D1の外端縁80Eは、吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1から離間してよい。着色部80の第1方向D1の外端縁80Eと吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1の距離は、10mm以上20mm以下であってよい。本態様によれば、着色部80の第1方向D1の外端縁80Eは、吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1から離間してため、着色部が吸収体の外端縁に重なっている形態と比較して、使用者は、着色部80の第1方向D1の外端縁80Eと吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1とを区別して把握し易い。また、着色部80の第1方向D1の外端縁80Eと吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1の距離が10mm以上であるため、着色部80を超えて体液が拡散した際に、吸収体30の外端縁から体液が直ちに漏れず、吸収体30から体液が漏れることを抑制できる。また、着色部80の第1方向D1の外端縁80Eと吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1の距離が20mm以下であるため、着色部80によって吸収体30の第1方向D1の外端縁を把握し易い。
【0040】
着色部80は、青色及び緑色の少なくとも一方を含んでよい。出願人が鋭意調査研究した結果、緑色の着色部及び青色の着色部は、白色系、茶色系及び黒色系の床に馴染みやすいことがわかった。また、青色及び緑色は、一般的にインテリアの装飾に用いられる色味であり、部屋の印象を損ねることを抑制できる。なお、青色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、13番から18番の色相番号であってよく、緑色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、19番から24番の色相番号であってよい。
【0041】
着色部80は、複数の色を有してよい。複数の色の着色部80を有することにより、ペット用吸収性シート10のデザイン性を向上させ、より部屋のインテリアに馴染みやすくなる。本実施の形態のペット用吸収性シートは、青色の第1着色部81と、緑色の第2着色部82と、を有する。着色部80の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、色相番号が同じ又は色相番号のずれが5以内であってよい。本態様によれば、着色部80の色同士が近似する色であるため、使用者は、着色部80を一体的に把握でき、着色部80全体がインテリアに馴染みやすくなる。また、複数の色の着色部80を有する形態にあっては、複数の色の着色部80が一つのデザインを構成してよい。すなわち、第1着色部81がデザインの一部を構成し、デザインの他の部分を第2着色部82が構成してよい。これにより、複数の色の着色部80がより一体的に示され、着色部80全体がインテリアに馴染みやすくなる。
【0042】
着色部80が複数の色を有する形態は、以下の他の形態にあってもよい。複数の色の着色部を有する形態では、(A)色彩理論上互いに相性が良く、使用者が違和感を得難い、(B)着色部が目立ち、使用者が着色部を把握し易い、(C)着色部がインテリア性を邪魔し難い。の少なくともいずれかの効果を得られる色の組み合わせであってよい。より詳細には、着色部80の複数の色が、白色、黒色、及び茶色のいずれかを用いた2色以上の組み合わせであってよい。当該組み合わせによれば、(A)及び(C)の効果を得やすい。また、黒色、灰色の無彩色及び茶色のうちいずれか一色以上と、有彩色との組み合わせであってよい。当該組み合わせによれば、(A)、(B)及び(C)の効果を得やすい。また、オストワルト色相環において向かい合う2色の組み合わせ(補色色相配色)であってよい。当該組み合わせによれば、(A)及び(B)の効果を得やすい。また、オストワルト色相環において任意の1色と、その補色に隣り合う色と、の組み合わせ(分裂補色配色)であってよい。当該組み合わせによれば、(A)及び(B)の効果を得やすい。また、オストワルト色相環において等間隔の位置にある3色の組み合わせ(3色配色)であってよい。当該組み合わせによれば、(A)及び(B)の効果を得やすい。また、補色色相配色にあたる2色の組み合わせを2対使用した4色の組み合わせ(4色配色)であってよい。当該組み合わせによれば、(A)及び(B)の効果を得やすい。また、オストワルト色相環における赤・黄・オレンジの暖色2色以上組み合わせたもの、または、青・紫の寒色2色以上組み合わせたもの、または暖色・寒色いずれか1色以上と暖色・寒色の中間に位置する緑・赤紫などの中性色の2色以上の用いた組み合わせであってよい。当該組み合わせによれば、(A)及び(B)の効果を得やすい。
【0043】
着色部80の形状は、反復した図形的要素を含んでよい。図形的要素は、長方形、三角形、菱形、蜂の巣形、円形、多角形等の幾何学的図形と、ペイズリー模様、草木のモチーフ、花のモチーフ、太陽や月等の自然のモチーフ。動物のモチーフ等の非幾何学的図形と、を含む概念である。図形的要素は、一般的にインテリアデザインにも用いられており、本態様によれば、ペット用吸収性シートのデザインをインテリアの装飾のデザインに模すことができ、ペット用吸収性シートがより部屋に馴染みやすくなる。また、図形的要素が反復されているため、ペット用吸収性シートの全体が統一感のありデザインとなる。好適には、図形的要素は、第2方向D2において互いに隣接し、図形的要素の反復する方向は、第2方向D2にであってよい。吸収体30の第1方向D1の外端縁30E1が図形的要素によってより目立ちやすくなる。
【0044】
反復した図形的要素は、幾何学的形状を有してよい。幾何学的形状は、長方形、三角形、菱形、蜂の巣形、円形、多角形の少なくとも1つを有してよい。幾何学的形状は、一般的にインテリアデザインにも用いられており、本態様によれば、ペット用吸収性シートのデザインをインテリアの装飾のデザインに模すことができ、ペット用吸収性シートがより部屋に馴染みやすくなる。
【0045】
反復した図形的要素は、非幾何学的な形状を有してよい。非対称の非幾何学的な形状は、自然を連想させるデザイン、もしくは、それらをイメージしたモチーフを有する。自然を連想させるデザイン、もしくは、それらをイメージしたモチーフは、花柄(小花柄・大花柄)、ボタニカル柄、ダマスク柄、アラベスク柄、ノルディック柄、ハワイアン柄、コスミック柄、バティック柄、スプラッシュ柄、カモフラージュ柄、アニマル柄、唐草模様のいずれかを含んでよい。使用者は、ペット用吸収性シートの着色部を視認することにより、木・草・花・水など自然を連想することができる。よって、ペット用吸収性シートが自然に馴染むイメージを持ち、ペット用吸収性シートに対する違和感が抑制され、ペット用吸収性シートがより部屋に馴染みやすくなる。なお、上述の着色部の形状は、少なくとも当該形状の着色部を有していればよく、他の形状の着色部を有していてもよい。
【0046】
ペット用吸収性シート10は、着色部80の一部と重なるカバーシートを有してよい。カバーシートは、着色部80の全体を覆うシートを含まず、着色部の一部を覆うシートである。本実施の形態においては、表面シート12はカバーシートを構成せず、第2コアラップ33bはカバーシートを構成する。カバーシートとしての第2コアラップ33bは、着色部80の第1方向D1の外端縁80Eを覆い、かつ着色部80の第1方向の外端縁80Eから第1方向D1の内側に向かう一定範囲を覆う。カバーシートは、着色部の第1方向の30%以上60%以下の範囲を覆ってよい。本態様によれば、着色部80の一部にカバーシートが重なるため、着色部80が配置された領域の厚みが変化する。よって、着色部80が立体的になり、平坦な着色部と比較して、着色部80が目立ち、着色部80による吸収態様の把握が容易になる。
【0047】
図2に示すように、カバーシートは、着色部80よりも表面シート12側に配置されてよい。本態様によれば、カバーシートに覆われた着色部80の領域と、カバーシートに覆われていない着色部80の領域と、があるため、表面側T1からペット用吸収性シートを見た際に、着色部80の見た目が変化する。よって、着色部80が立体的に示され、着色部80が目立ち、着色部80による吸収態様の把握が容易になる。また、着色部の一80部にカバーシートが重なるため、カバーシートの有無により、排泄物を吸収した際の広がり方が変化する。例えば、カバーシートの外端縁で排泄物の拡散が一旦停止する。よって、使用者は、吸収態様をより細かく把握し易くなる。
【0048】
なお、第2実施形態において、カバーシートは、着色部80よりも裏面側T2に配置されてよい。図3は、第2実施形態に係るペット用吸収性シート10Xを示しており、図1のA-A線に沿った断面を基準としている。なお、以下の他の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。第2実施形態に係るコアラップは、吸収コアの表面側に配置された第1コアラップ33aの外側部が吸収コア31の外端縁31Eを基点に裏面側T2に折り返されている。折り返された第1コアラップ33aは、吸収コア31の裏面側を覆う第2コアラップよりも裏面側に配置されている。折り返された第1コアラップ33aは、着色部80よりも裏面側において、着色部の一部を覆っている。当該変形例によっても、着色部80が配置された領域の厚みが変化する。よって、着色部が立体的になり、平坦な着色部と比較して、着色部が目立ち、着色部による吸収態様の把握が容易になる。
【0049】
カバーシートの第1方向D1の端縁は、第2方向D2に沿って延びてよい。カバーシートの第1方向D1の端縁は、カバーシートにおいて第2方向D2に延びる端縁であり、カバーシートの第1方向D1の内端縁であってもよいし、カバーシートの第1方向D1の内端縁であってもよい。本実施の形態のカバーシートの第1方向D1の端縁は、表面側に折り返された第2コアラップ33bの第1方向D1の内端縁である。本態様によれば、第2方向D2に延びる着色部80のみならず、カバーシートの外端縁によっても、吸収体の第2方向D2に延びる外端縁を目立たせることができる。使用者は、吸収体の吸収態様をより把握し易く、交換時期を把握し易くなる。
【0050】
着色部は、撥水性のインクによって構成されてよい。本態様によれば、着色部が撥水性を有するため、排泄物が着色部に到達した際に、排泄物の拡散態様が変化する。よって、着色部の位置及び存在を使用者が気づきやすく、着色部による吸収態様の把握がより容易となる。
【0051】
次いで、図4に基づいて、第3実施形態及び第4実施形態に係るペット用吸収性シートについて詳細に説明する。図4(A)は、第3実施形態に係るペット用吸収性シート10Yの平面図を示しており、図4(B)は、第4実施形態に係るペット用吸収性シート10Zの平面図を示している。第3実施形態に係るペット用吸収性シート10Yは、複数の着色部80Yを有している。着色部80Yは、木、草、葉等の植物をモチーフ付した着色部80Y1~80Y5と、動物(具体的には、動物の脚跡)をモチーフにした着色部80Y7と、を有している。第4実施形態に係るペット用吸収性シート10Zは、複数の着色部80Zを有している。80Zは、幾何学模様を構成する多角形(三角形、四角形)の着色部80Z1から80Z3を有している。これらの着色部80Y及び80Zは、同じ色の組み合わせであってもよいし、複数の色の組み合わせであってもよい。
【0052】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
部屋の景観を損ない難く、かつ吸収体の吸収態様を把握し易いペット用吸収性シートを提供することができる。
【符号の説明】
【0054】
10、10X、10Y、10Z:ペット用吸収性シート、12:表面シート、14:裏面シート、30:吸収体、31:吸収コア、33:コアラップ、33b:第2コアラップ(カバーシート)80、80Y:着色部、81:第1着色部、82:第2着色部、R10:吸収領域、R11:第1側領域、R12:第2側領域、R13:中央領域、R20:外周領域、T:厚さ方向、T1:表面側、T2:裏面側、D1:第1方向、D2:第2方向
図1
図2
図3
図4