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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】清掃装置、帯電装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G03G15/02 103
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020169656
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061615
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】石塚 脩之
(72)【発明者】
【氏名】藤森 彰
(72)【発明者】
【氏名】木村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】菊地 裕
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-079869(JP,A)
【文献】特開平10-326037(JP,A)
【文献】特開2013-076875(JP,A)
【文献】特開2016-001295(JP,A)
【文献】特開2018-060017(JP,A)
【文献】特開2004-085814(JP,A)
【文献】特開平11-065240(JP,A)
【文献】特開2018-049057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 15/14
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電ワイヤーに接触する一対の接触部を有し、
前記一対の接触部で前記放電ワイヤーを挟み込んだ状態で前記放電ワイヤーの長手方向に移動して前記放電ワイヤーを清掃する清掃装置であって、
前記一対の接触部と、前記接触部に連結する一対の傾斜部とを有し、回転可能に保持された清掃部材を備え、
前記放電ワイヤーの清掃時、前記清掃部材を回転させ、前記放電ワイヤーの径方向のうち放電対象物への放電方向に直交する直交方向から各傾斜部を前記放電ワイヤーに近づけていき、前記放電方向から前記放電ワイヤーを各傾斜部に接触させ、各傾斜部により前記放電ワイヤーを各接触部に乗り上げさせて、前記放電方向から前記放電ワイヤーを前記一対の接触部に挟み込ませることを特徴とする清掃装置
【請求項2】
求項1に記載の清掃装置において、
前記放電ワイヤーの清掃時に、前記放電方向と直交する方向から前記放電ワイヤーに接触する第二接触部を有することを特徴とする清掃装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の清掃装置において、
前記一対の接触部は、ガラス入り樹脂からなることを特徴とする清掃装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一項に記載の清掃装置において、
拭き取り部材を有し、
放電ワイヤー清掃後、前記拭き取り部材を前記放電ワイヤーに接触させ、前記放電ワイヤーの長手方向に移動させることを特徴とする清掃装置。
【請求項5】
請求項4に記載の清掃装置において、
前記清掃部材は、前記拭き取り部材を有し、
前記一対の接触部を放電ワイヤーに接触させて、前記放電ワイヤーの長手方向一端から他端へ前記清掃部材を移動させた後、前記放電ワイヤーの清掃時とは逆方向に前記清掃部材を回転させて、前記拭き取り部材を前記放電ワイヤーに接触させ、前記放電ワイヤーの長手方向他端から一端へ前記清掃部材を移動させることを特徴とする清掃装置。
【請求項6】
放電ワイヤーと、
前記放電ワイヤーを清掃する清掃手段とを備えた帯電装置において、
前記清掃手段として、請求項1乃至5いずれか一項に記載の清掃装置を用いたことを特徴とする帯電装置。
【請求項7】
請求項6に記載の帯電装置において、
前記放電ワイヤーの表面には、パラジウムメッキが施されていることを特徴とする帯電装置。
【請求項8】
潜像担持体と、
前記潜像担持体の表面を一様帯電する帯電手段と、
一様帯電された前記潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
前記潜像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
前記帯電手段として、請求項6または7の帯電装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置、帯電装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、放電ワイヤーに接触する一対の接触部を有し、一対の接触部で放電ワイヤーを挟み込んだ状態で放電ワイヤーの長手方向に移動して放電ワイヤーを清掃する清掃装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記清掃装置として、放電ワイヤーの径方向のうち放電対象物への放電方向に垂直な方向から一対の接触部で放電ワイヤーを挟み込んで、放電ワイヤーを清掃するものが記載されている。放電ワイヤーを清掃することで、放電ムラを抑制できると記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃による放電ムラの抑制のさらなる向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、放電ワイヤーに接触する一対の接触部を有し、前記一対の接触部で前記放電ワイヤーを挟み込んだ状態で前記放電ワイヤーの長手方向に移動して前記放電ワイヤーを清掃する清掃装置であって、前記一対の接触部と、前記接触部に連結する一対の傾斜部とを有し、回転可能に保持された清掃部材を備え、前記放電ワイヤーの清掃時、前記清掃部材を回転させ、前記放電ワイヤーの径方向のうち放電対象物への放電方向に直交する直交方向から各傾斜部を前記放電ワイヤーに近づけていき、前記放電方向から前記放電ワイヤーを各傾斜部に接触させ、各傾斜部により前記放電ワイヤーを各接触部に乗り上げさせて、前記放電方向から前記放電ワイヤーを前記一対の接触部に挟み込ませることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、清掃による放電ムラの抑制のさらなる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
図2】4つの作像ユニットのうちの1つを示す拡大図。
図3】帯電装置を示す概略構成図。
図4】帯電清掃装置を示す概略斜視図。
図5】帯電装置の主走査方向一端側を示す斜視図。
図6】ワイヤー清掃部材を示す概略斜視図。
図7】帯電装置の主走査方向一端側に設けられたワイヤー清掃部材を回動させる機構を示す概略斜視図。
図8】帯電装置の主走査方向他端側に設けられたワイヤー清掃部材を回動させる機構を示す概略斜視図。
図9】放電ワイヤーの掻き取り面への乗り上げについて説明する図。
図10】帯電清掃装置を主走査方向一端側から他端側へ向けて移動させている(往路)ときのワイヤー清掃部材による放電ワイヤーの清掃の様子を感光体側見た図。
図11】帯電清掃装置を主走査方向一端側から他端側へ向けて移動させている(往路)ときのワイヤー清掃部材による放電ワイヤーの清掃の様子を副走査方向から見た図。
図12】帯電清掃装置を主走査方向他端側から一端端側へ向けて移動させている(復路)ときのワイヤー清掃部材による放電ワイヤーの清掃の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、その内部の略中央に、転写手段としての中間転写装置5を備えている。中間転写装置5に設けられる中間転写体としての中間転写ベルト56は、無端状ベルトで、4つのローラ52,53,54,55に掛け渡して支持され、図中矢印A方向に回転駆動される。中間転写ベルト56の上方にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つの作像ユニットが中間転写ベルト56のベルト面に沿って並んでいる。
【0009】
図2は、4つの作像ユニットのうちの1つを示す拡大図である。
いずれの作像ユニットも同様の構成であるので、ここでは、色の区別を示すY、M、C、Kの添え字を省略する。作像ユニットは、潜像担持体としての感光体1を有しており、感光体1の周りには、帯電手段としての帯電装置2、現像手段としての現像装置4、クリーニング手段としてのクリーニング装置8、潤滑剤塗布装置3等が配置されている。
【0010】
また、図1を参照すると、4つの作像ユニットの上方には、帯電した各感光体表面に各色の画像データ(画像情報)に基づいてレーザー光Lを照射して静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置9が備えられている。また、中間転写ベルト56を挟んで、各感光体1と対向する位置には、感光体1上に形成されたトナー像(画像)を中間転写ベルト56上に一次転写する一次転写ローラ51がそれぞれ配置されている。
【0011】
中間転写ベルト56のローラ52で支持された部分の外側には、二次転写ローラ61が圧接されている。二次転写ローラ61と中間転写ベルト56との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト56上のトナー像が記録媒体としての転写紙に転写される。二次転写ローラ61よりも下流側には、ベルトクリーニング装置57が設けられている。二次転写部の図中左側には、転写紙上のトナー像を転写紙に定着させる定着装置70が備えられている。プリンタの下部には、転写紙を載置し、二次転写部に向けて転写紙を送り出す給紙装置が備えられている。
【0012】
このような構成のプリンタでは、4つの作像ユニットにおいて、各感光体1の表面は帯電装置2により一様に目標帯電電位(ここではマイナス極性)に帯電される。このように帯電された感光体1の表面は、露光装置9により画像データに基づくレーザー光Lが照射され、これによりレーザー光照射箇所の電位が落とされ、静電潜像が形成される。そして、このようにして静電潜像が形成された後、電位が落とされた潜像部に対して現像装置4から各色トナーが供給されて現像される。
【0013】
各感光体1上の各色トナー像は、一次転写ローラ51へのバイアス電圧印加により中間転写ベルト56上に順次転写され、重ね合せトナー像が形成される。このタイミングと合わせて、給紙装置から二次転写部に向けて転写紙が送り出され、中間転写ベルト56上の重ね合せトナー像は、二次転写ローラ61へのバイアス電圧印加により転写紙に転写される。重ね合せトナー像は、定着装置70により転写紙に定着されることで、カラー画像が形成される。一方、トナー像を転写した後の感光体1は、各クリーニング装置8により転写残トナー等の付着物を除去され、次のトナー像形成に備える。また、重ね合せトナー像を転写した後の中間転写ベルト56は、ベルトクリーニング装置57により転写残トナー等の付着物を除去され、次のトナー像形成に備える。
【0014】
本実施形態の感光体1は、有機感光体であり、ポリカーボネート系の樹脂で、表面保護層が形成されている。
【0015】
本実施形態における現像装置4の内部には、磁性キャリアと帯電トナーとを含む現像剤が収容されており、2つの攪拌搬送スクリュー4bによって現像剤は現像装置内を循環される。この現像装置4には、現像剤担持体としての現像ローラ4aが感光体1の表面移動方向に沿って並べて配置されている。現像ローラ4aは、いずれも、円筒状の現像スリーブ内部にマグネットを備えたもので、現像剤を磁力によって現像スリーブ表面上に担持する。そして、現像スリーブを回転駆動することで現像剤が感光体1と対向する各現像領域へと搬送される。
【0016】
攪拌搬送スクリュー4bによって搬送中の現像剤が現像ローラ4aに担持されると、現像ローラ4aの回転に伴って現像領域へと搬送される。現像ローラ4aは、所定の現像電圧(マイナス極性)が印加されている。この現像電圧により現像ローラ4aの表面電位と感光体表面上の非潜像部電位(地肌部電位)との間に地肌ポテンシャルが形成され、現像ローラ4aの表面電位と感光体表面上の潜像部電位との間に現像ポテンシャルが形成される。地肌ポテンシャルは、正規帯電極性(マイナス極性)に帯電した帯電トナーを現像ローラ4a側へ静電的に移動させ、帯電トナーが非潜像部(地肌部)へ付着するのを規制する。現像ポテンシャルは、正規帯電極性に帯電した帯電トナーを潜像部へ静電的に移動させて付着させる。地肌ポテンシャルと現像ポテンシャルが形成されることで、露光装置9によって形成された静電潜像の潜像部にだけトナーが選択的に付着され、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0017】
クリーニング装置8は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード8a、支持部材8b、トナー回収コイル8cを備える。クリーニングブレード8aは、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴムを板状に形成してなり、そのエッジが感光体1表面に当接するようにして設けられ、転写後に残留する感光体1上のトナーおよび潤滑剤の一部を除去する。クリーニングブレード8aは、金属、プラスチック、セラミック等からなる支持部材8bに貼着されて支持され、感光体1表面に対し所定の角度で設置される。なお、クリーニング部材としては、クリーニングブレードのほか、クリーニングブラシなどの公知のものを広く利用することができる。
【0018】
図3は、帯電装置2を示す概略構成図である。
帯電装置2は、3本の放電ワイヤー21、各放電ワイヤー21を仕切るシールドケース22およびグリッド電極23を備えている。各放電ワイヤー21とグリッド電極23にはそれぞれ電源が接続されている。各放電ワイヤー21とグリッド電極23とにそれぞれ高電圧を印加することで、放電対象物である感光体1と放電ワイヤー21との間でコロナ放電が発生し、感光体1の表面が一様に帯電する。グリッド電極23は電位制御性を良好にするために、感光体1の曲率に沿った形状で配置されている。
【0019】
各放電ワイヤー21の表面にはパラジウムメッキが施させれている。パラジウムメッキは金メッキよりも硬く、剥がれが発生しにくいと共にイオン化傾向も低い。そのため、後述するワイヤー清掃部材による清掃性が高い。
【0020】
経時の使用でグリッド電極23および放電ワイヤー21にトナー、放電生成物、紙紛等の付着物が付着し放電ムラにより帯電性能が低下し、帯電の均一性が確保できなくなる。その結果、一様に感光体1を帯電できなくなり主走査方向(感光体1の軸方向)に画像濃度ムラが生じ、画像に副走査方向(感光体1の表面移動方向)に延びる縦スジ、縦帯等が発生してしまうおそれがある。このため、経時においても安定した帯電性能を維持するために、グリッド電極23および各放電ワイヤー21を清掃する清掃手段たる帯電清掃装置が設けられている。
【0021】
図4は、帯電清掃装置24を感光体側見た概略斜視図であり、図5は、帯電装置2の主走査方向一端側を示す斜視図である。
図4に示すように、清掃装置たる帯電清掃装置24は、放電ワイヤー21に対応して設けられた放電ワイヤー21を清掃する3つのワイヤー清掃部材20を備えている。また、帯電清掃装置24は、グリッド電極23を清掃するグリッド清掃部材25と、ワイヤー清掃部材20およびグリッド清掃部材25を保持する清掃保持部材26とを備えている。3つのワイヤー清掃部材20は、清掃保持部材26に回動可能に取り付けられている。
【0022】
清掃保持部材26は、内周面に雌ネジが形成され、図5に示す送りネジ28に螺合する筒状部26dを有している。また、清掃保持部材26は、清掃保持部材26が回るのを防止する回り止め部26bを有している。回り止め部26bは、シールドケース22の上面に設けられた帯電清掃装置24が貫通するための逃げ穴22aに係合することで、清掃保持部材26が回るのを防止する。
【0023】
また、清掃保持部材26は、被検知部26cを有している。帯電装置2の主走査方向一端側には、帯電清掃装置24が、主走査方向一端側のホームポジションに位置することを検知するための透過型の光学センサが配置されている。帯電清掃装置24がホームポジションに位置するときは、上記清掃保持部材26の被検知部26cは、光学センサの発光部と受光部との間に位置し発光部の光を遮る。これにより、帯電清掃装置24がホームポジションに位置することが検知される。
送りネジ28には、ステッピングモータの駆動力が伝達されるように構成されており、このステッピングモータは、上記光学センサの検知結果に基づいて、動作制御される。
【0024】
図6は、ワイヤー清掃部材20を示す概略斜視図である。
なお、以下の説明において、適宜、主走査方向(放電ワイヤー21の長手方向)をX方向、副走査方向(感光体1の表面移動方向)をY方向、放電ワイヤー21の放電方向(感光体1の法線方向)をZ方向として説明する。
ワイヤー清掃部材20は、ガラス入り樹脂からなる本体部材20aを有している。この本体部材20aは、清掃保持部材26に回動自在に支持される土台部201を有している。また、本体部材20aは、土台部201から垂直に立ち上がり、放電ワイヤー21を挟んでY方向(副走査方向)から対向する一対の清掃部202,203を有している。各清掃部202,203は、放電ワイヤー21に付着した付着物を掻き取る掻き取り部202a,203aを有している。一方(-Y方向側)の清掃部202の掻き取り部202aは、清掃部202の主走査方向他端(+X方向側端部)に設けられている。他方(+Y方向側)の清掃部203の掻き取り部203aは、清掃部203の主走査方向一端(-X方向側端部)に設けられている。
【0025】
また、一方の清掃部202の掻き取り部202aは、放電ワイヤー21よりも感光体1から離間する側(-Z方向側)に配置されており、他方の清掃部203の掻き取り部203aは、放電ワイヤー21よりも感光体側(+Z方向側)に配置されている。
【0026】
一方の清掃部202の掻き取り部202aは、感光体から離間する側(-Z方向)から放電ワイヤー21に接触するR0.5の曲面状に形成された接触部としての掻き取り面202a1を有している。他方の清掃部203の掻き取り部203aは、感光体側(+Z方向)から放電ワイヤー21に接触するR0.5の曲面状に形成された接触部としての掻き取り面203a1を有している。
【0027】
また、各掻き取り部202a,203aは、放電ワイヤー21を掻き取り面に乗り上げさせるための傾斜部などの傾斜面202c,203cを有している。
また、一方の清掃部202は、ワイヤー清掃部材20を放電ワイヤー21に当接させるための当接用突起部202bを有している。他方の清掃部203は、ワイヤー清掃部材20と放電ワイヤー21との当接を解除するための解除用突起部203bを有している。
【0028】
また、一対の清掃部202,203の掻き取り部が設けられた側と反対側の端部には、放電ワイヤー21の付着物を拭き取るための拭き取り部材たる清掃パッド20bが設けられている。これら清掃パッド20bは、両面テープなどにより清掃部202の放電ワイヤー21と副走査方向(Y方向)に対向する対向面に貼り付けられている。清掃パッド20bは、放電ワイヤー21に付着した異物を良好に取り込むことができるよう、発泡弾性体などの多孔質部材、または、フェルトなどの繊維質部材が好ましい。
【0029】
図7は、帯電装置2の主走査方向一端側(-X方向側端部)に設けられたワイヤー清掃部材20を回動させる機構を示す概略斜視図である。図8は、帯電装置2の主走査方向他端側(+X方向側端部)に設けられたワイヤー清掃部材20を回動させる機構を示す概略斜視図である。
図7図8に示すように、帯電装置2のX方向両端には、解除用突起部203bと当接して、ワイヤー清掃部材20を放電ワイヤー21から離間させるための突き当て部22dが設けられている。また、シールドケース22の各放電ワイヤーを仕切る仕切り壁22bのX方向両端には、当接用突起部202bを逃がすための逃げ穴22cが設けられている。
【0030】
帯電清掃装置24が主走査方向一端側(-X方向側端部)のホームポジションに位置するときは、解除用突起部203bが、突き当て部22dの先端に当接している。このときは、ワイヤー清掃部材20は主走査方向に傾いておらず、掻き取り面202a1,203a1および清掃パッド20bいずれも放電ワイヤー21から離間している。また、このときは、当接用突起部202bの先端部分が逃げ穴22cに入り込んでいる。
【0031】
次に、放電ワイヤー21の清掃について説明する。
帯電清掃のタイミングとなったら、装置は、ステッピングモータを作動させ、送りネジ28を回動させる。すると、ホームポジションに位置する帯電清掃装置24が、主走査方向一端側から他端側へ向けて移動する。帯電清掃装置24が、主走査方向一端側から他端側へ向けて移動を開始すると、逃げ穴22cに入り込んでいる当接用突起部202bの先端部分が、逃げ穴22cの主走査方向他端側の端部に突き当たる。当接用突起部202bの先端部分が、逃げ穴22cの主走査方向他端側の端部に突き当たった状態で帯電清掃装置24が移動することで、ワイヤー清掃部材20が回動する。そして、当接用突起部202bの先端部分が仕切り壁22bに乗り上げる。このとき、放電ワイヤー21は、傾斜面202c,203cを登って行く。そして、当接用突起部202bの先端部分が、仕切り壁22bに乗り上げると、放電ワイヤー21が掻き取り面202a1,203a1に乗り上げる。
【0032】
図9は、放電ワイヤー21の掻き取り面202a1,203a1への乗り上げについて、説明する図である。図9の(a1)~(a3)は、一方の清掃部202の掻き取り面202a1への乗り上げについて説明する図であり、図9の(b1)~(b3)は、他方の清掃部203の掻き取り面203a1への乗り上げについて説明する図である。
【0033】
ワイヤー清掃部材20が回動すると、一方の清掃部202および他方の清掃部203が、副走査方向から放電ワイヤー21に近づいていく。そして、図9(a2)、図9(b2)に示すように、放電ワイヤー21が傾斜面202c,203cに接触する。この状態から、さらにワイヤー清掃部材20が回動すると、一方の清掃部202の傾斜面202cに接触している放電ワイヤー21の箇所は、傾斜面202cを感光体に接近する方向(+Z方向)に乗り上げていく。一方、他方の清掃部203の傾斜面203cに接触している放電ワイヤー21の箇所は、傾斜面203cを感光体から離間する方向(-Z方向)に乗り上げていく。
【0034】
放電ワイヤー21が傾斜面202c,203cを乗り上げていくとき、ワイヤー清掃部材20は、放電ワイヤー21から回転方向とは逆方向の反力を受ける。しかし、当接用突起部202bの先端部分が、逃げ穴22cの主走査方向他端側の端部に突き当たっているため、ワイヤー清掃部材20の上記逆方向の回動は阻止される。
【0035】
さらに、ワイヤー清掃部材20が回動すると、放電ワイヤー21は、掻き取り面202a1および掻き取り面203a1に乗り上げる。そして、当接用突起部202bの先端部分が、仕切り壁22bに乗り上げると、図9(a3),(b3)に示すように、放電ワイヤー21は、掻き取り面202a1,203a1の傾斜面側端部と反対側の端部に位置する。このとき、放電ワイヤー21は、第二接触部としての清掃部の側壁202d,203dに副走査方向(Y方向)から当接している。具体的には、側壁202dは、-Y方向から放電ワイヤー21に当接し、側壁203dは、+Y方向から放電ワイヤー21に当接している。
【0036】
図10は、帯電清掃装置24を主走査方向一端側から他端側へ向けて移動させている(往路)ときのワイヤー清掃部材20による放電ワイヤー21の清掃の様子を感光体側見た図である。また、図11は、帯電清掃装置24を主走査方向一端側から他端側へ向けて移動させている(往路)ときのワイヤー清掃部材20による放電ワイヤー21の清掃の様子を副走査方向から見た図である。
【0037】
図10図11に示すように、一対の掻き取り面202a1,203a1が、Z方向に挟み込むようにして放電ワイヤー21に接触する。このように、一対の掻き取り面202a1,203a1が放電ワイヤー21に接触した状態で、ワイヤー清掃部材20が主走査方向(X方向)に移動することで、放電ワイヤー21に付着した付着物が掻き取り面202a1,203a1により掻き取られる。
【0038】
本実施形態では、一対の掻き取り面202a1,203a1がZ方向から放電ワイヤー21を挟み込む形で放電ワイヤー21が清掃される。これにより、放電ワイヤー21の感光体1と対向する箇所に付着した付着物を、掻き取り面203a1により除去することができる。
【0039】
感光体の帯電は、主に、放電ワイヤー21の感光体1に対向する箇所からの放電により行われる。そのため、この放電ワイヤー21の感光体1に対向する箇所に付着物が付着していると、放電ムラが発生しやすい。本実施形態のように、掻き取り面203a1が感光体側(+Z方向)から放電ワイヤー21に接触することで、放電ワイヤー21の感光体1に対向する箇所に付着した付着物を良好に掻き取って除去することができる。これにより、清掃後に、放電ワイヤー21の感光体1に対向する箇所に付着物が残留するのを良好に抑制でき、放電ムラを抑制できる。その結果、感光体表面を良好に一様帯電させることができる。
【0040】
また、本体部材20aをガラス入り樹脂で構成し、本体部材20aの一部である掻き取り面202a1,203a1は、ガラス入り樹脂で構成されている。このように、掻き取り面202a1,203a1をガラス入り樹脂とすることで、掻き取り面202a1,203a1を高硬度にでき、放電ワイヤー21に対する当接圧を高めることができる。これにより、放電ワイヤー21に強固に付着した付着物を良好に掻き取ることができる。ガラスの含有量が多くなるほど、表面が粗くなり、掻き取り面202a1,203a1による清掃能力が高まる。しかし、ガラスの含有量が多くなると、放電ワイヤー21に摺擦する掻き取り面202a1,203a1および仕切り壁22bに摺擦する当接用突起部202bの摩耗の進行が早くなるというデメリットがある。よって、本実施形態では、本体部材20aを、ガラス含有率40%のPCやPPS樹脂としている。
【0041】
また、本実施形態では、図9(a3),(b3)で示したように、副走査方向(Y方向)から清掃部の側壁202d,203dが放電ワイヤーに当接しており、放電ワイヤー21は、Y方向から一対に側壁202d、203dに挟み込まれている。これにより、これら側壁202d,203dにより、放電ワイヤーの側部に付着した付着物を掻き取って除去することができる。一対の側壁202d,203dもガラス入り樹脂であるため、放電ワイヤー21に強固に付着した異物を良好に掻き取ることができる。
【0042】
このように、本実施形態では、4方向(+Z方向、-Z方向、+Y方向および-Y方向)から放電ワイヤー21を清掃することができ、放電ワイヤー21を良好に清掃することができる。
【0043】
また、本実施形態では、放電ワイヤー21の表面は、パラジウムメッキが施されている。上述したように、パラジウムメッキは剥がれが発生し難い。よって、一対に掻き取り面202a1,203a1および一対の側壁202d,203dで放電ワイヤー21を清掃しているときに、放電ワイヤー21の表面にささくれなどのメッキ剥がれが発生するのを良好に抑制することができる。
【0044】
また、当接用突起部202bの先端部分が、仕切り壁22bに乗り上げた後は、仕切り壁22bによりワイヤー清掃部材20の回動が、仕切り壁22bにより規制される。従って、ワイヤー清掃部材20は、側壁202d,203dのY方向からの挟み込みおよび掻き取り面202a1,203a1のZ方向の挟み込みが維持された状態で、X方向へ移動する。これにより、放電ワイヤーを良好に清掃することができる。
【0045】
帯電清掃装置24が主走査方向他端側付近に移動すると、図8に示すように、当接用突起部202bの先端部分が逃げ穴22cに入り込む。これにより、仕切り壁22bによるワイヤー清掃部材20の回動の規制が解除される。
【0046】
さらに、帯電清掃装置24が主走査方向他端側へ移動すると、解除用突起部203bが、突き当て部22dに当接する。すると、ワイヤー清掃部材20が回動する。この回動により、放電ワイヤー21が、掻き取り面202a1、203a1に対して相対的に副走査方向(Y方向)へ移動し、一対の掻き取り面202a1,203a1から離間する。
【0047】
帯電清掃装置24が主走査方向他端側まで移動したら、ステッピングモータが逆回転し、帯電清掃装置24が主走査方向一端側(-X方向)へ向けて移動する。すると、当接用突起部202bの先端部分が逃げ穴22cの主走査方向一端側端部に突き当たる。そして、ワイヤー清掃部材20が+X方向の移動時とは逆方向に回動し、一対の清掃パッド20bが副走査方向(Y方向)から放電ワイヤー21に接触する。さらに、帯電清掃装置24が主走査方向一端側へ向けて移動すると、当接用突起部202bが仕切り壁22bに乗り上げ、清掃パッド20bが放電ワイヤー21に食い込む。
【0048】
図12は、帯電清掃装置24を主走査方向他端側から一端端側へ向けて移動させている(復路)ときのワイヤー清掃部材20による放電ワイヤー21の清掃の様子を示す図である。
図12に示すように、帯電清掃装置24を主走査方向他端側から一端端側へ向けて移動(-X方向の移動)させるときは、一対の清掃パッド20bが、放電ワイヤー21に摺擦しながら移動する。清掃パッド20bは、ある程度の柔軟な材質で構成されているため、清掃パッド20bは、放電ワイヤー21を包み込むように食い込む。そのため、一方の清掃部202に設けられた清掃パッド20bは、+Y方向、+Z方向および-Z方向で放電ワイヤー21と接触し、他方の清掃部203に設けられた清掃パッド20bは、-Y方向、+Z方向および-Z方向で放電ワイヤー21と接触する。これにより、掻き取り面202a1,203a1および側壁202d,203dよって掻き取られた付着物を、清掃パッド20bにより拭き取ることができる。
【0049】
そして、帯電清掃装置24が主走査方向一端側(-X方向側端部)まで移動すると、解除用突起部203bが突き当て部22dに当接し、ワイヤー清掃部材20が回動して、清掃パッド20bが放電ワイヤー21から離間する。
【0050】
また、帯電清掃装置24の上述した往復移動により、グリッド清掃部材25がグリッド電極23に摺擦し、グリッド電極23に付着した異物が除去される。これにより、グリッド電極23が清掃される。
【0051】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
放電ワイヤー21に接触する掻き取り面202a1,203a1などの一対の接触部を有し、一対の接触部で放電ワイヤー21を挟み込んだ状態で放電ワイヤー21の長手方向に移動して放電ワイヤー21を清掃する帯電清掃装置24などの清掃装置であって、放電ワイヤーの清掃時に、一対の接触部は、放電ワイヤー21の径方向のうち感光体1などの放電対象物への放電方向から放電ワイヤーを挟み込む。
特許文献1においては、放電ワイヤーの径方向のうち感光体などの放電対象物への放電方向に垂直な方向から一対の接触部で放電ワイヤーを挟み込んで放電ワイヤーを清掃するため、放電ワイヤーの放電対象物との対向部に付着物が残留するおそれがあった。主に、放電ワイヤーの上記対向部からの放電により放電対象物が一様帯電する。よって、この対向部に付着物が残留すると、清掃後も放電ムラが十分に改善されないおそれがあった。
これに対し、態様1では、放電ワイヤーの径方向のうち放電対象物への放電方向から一対の接触部で放電ワイヤーを挟み込んで清掃するので、放電ワイヤーの放電対象物との対向部に付着した付着物を接触部で良好に掻き取ることができる。これにより、放電ワイヤーの対向部に付着物が残留するのを良好に抑制でき、清掃後の放電ムラの発生を良好に抑えることができる。
【0052】
(態様2)
態様1において、放電ワイヤー21を掻き取り面202a1,203a1などの接触部に乗り上げさせる傾斜面202c,203cなどの傾斜部を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、放電ワイヤー21を接触部に乗り上げさせることができる。
【0053】
(態様3)
態様1または2において、放電ワイヤーの清掃時に、放電方向と直交する方向から放電ワイヤーに接触する側壁202d,203dなどの第二接触部を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、放電ワイヤー21の放電方向と直交する方向(Y方向)の部分に付着した付着物が、第二接触部により掻き取ることができ、放電ワイヤー21の放電方向と直交する方向(Y方向)の部分も清掃することができる。
【0054】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、掻き取り面202a1,203a1などの一対の接触部は、ガラス入り樹脂からなる。
これによれば、実施形態で説明したように、放電ワイヤー21に強固に付着した付着物を良好に掻き取ることができる。
【0055】
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、清掃パッド20bなどの拭き取り部材を有し、放電ワイヤー清掃後、拭き取り部材を放電ワイヤー21に接触させ、放電ワイヤーの長手方向に移動させる。
これによれば、実施形態で説明したように、放電ワイヤー清掃後に放電ワイヤーに残留した付着物を、清掃パッド20bなどの拭き取り部材により拭き取ることができる。これにより、放電ワイヤー清掃後に放電ワイヤーに付着物が残留するのを抑制することができる。
【0056】
(態様6)
態様5において、掻き取り面202a1,203a1などの一対の接触部と、清掃パッド20bなどの拭き取り部材とを有し、回転可能に保持されたワイヤー清掃部材20などの清掃部材を備え、一対の接触部を放電ワイヤー21に接触させて、放電ワイヤー21の長手方向一端から他端へ清掃部材を移動させた後、清掃部材を回転させて、拭き取り部材を放電ワイヤー21に接触させ、放電ワイヤーの長手方向他端から一端へ前記清掃部材を移動させる。
これによれば、実施形態で説明したように、清掃部材の往復移動で、掻き取り面202a1,203a1などの一対の接触部による放電ワイヤーの清掃と、清掃パッド20bなどの拭き取り部材による清掃後も放電ワイヤーに残留している付着物を拭き取ることができる。
【0057】
(態様7)
放電ワイヤー21と、放電ワイヤー21を清掃する帯電清掃装置24などの清掃手段とを備えた帯電装置2において、清掃手段として、態様1乃至6いずれかの清掃装置を用いた。
これによれば、放電ムラを良好に抑制することができる。
【0058】
(態様8)
態様7において、放電ワイヤー21の表面には、パラジウムメッキが施されている。
これによれば、実施形態で説明したように、ささくれなどのメッキ剥がれが発生するのを抑制することができる。
【0059】
(態様9)
感光体1などの潜像担持体と、潜像担持体の表面を一様帯電する帯電装置2などの帯電手段と、一様帯電された潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光装置9などの露光手段と、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像装置4などの現像手段と、潜像担持体上のトナー像を転写紙などの記録媒体に転写する中間転写装置5などの転写手段とを備える画像形成装置において、帯電手段として、態様7または8の帯電装置を用いた。
これよれば、感光体1などの潜像担持体表面を経時にわたり均一に帯電することができ、縦スジ、縦帯等の異常画像の発生を経時にわたり抑制することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 :感光体
2 :帯電装置
3 :潤滑剤塗布装置
4 :現像装置
5 :中間転写装置
9 :露光装置
20 :ワイヤー清掃部材
20a :本体部材
20b :清掃パッド
21 :放電ワイヤー
22 :シールドケース
22a :逃げ穴
22b :仕切り壁
22c :逃げ穴
22d :突き当て部
23 :グリッド電極
24 :帯電清掃装置
25 :グリッド清掃部材
26 :清掃保持部材
26b :回り止め部
26c :被検知部
26d :筒状部
28 :送りネジ
201 :土台部
202 :清掃部
202a :掻き取り部
202a1 :掻き取り面
202b :当接用突起部
202c :傾斜面
202d :側壁
203 :清掃部
203a :掻き取り部
203a1 :掻き取り面
203b :解除用突起部
203c :傾斜面
203d :側壁
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【文献】特開2013-76869号公報
図1
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図4
図5
図6
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図10
図11
図12