(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】アデノ随伴ウイルスの精製方法
(51)【国際特許分類】
C12N 7/02 20060101AFI20240816BHJP
C12N 7/01 20060101ALN20240816BHJP
C07K 14/015 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
C12N7/02
C12N7/01 ZNA
C07K14/015
(21)【出願番号】P 2021577391
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(86)【国際出願番号】 US2020039971
(87)【国際公開番号】W WO2020264411
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100116540
【氏名又は名称】河野 香
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シャインデル,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ハスラヒャー,マインハルト
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,ヤドランカ
【審査官】藤澤 雅樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507707(JP,A)
【文献】特表2002-503484(JP,A)
【文献】Molecular Therapy,2018年,Vol.26, No.5, Suppl.1,p.291, Abstract No.631
【文献】Mol. Ther. Methods Clin. Dev.,2018年,Vol.9,pp.33-46
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 7/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法であって、
(a)AAV含有溶液を、AAVを標的とするアフィニティ樹脂に、室温で、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードするステップ;
(b)室温で、少なくとも1つの、
洗浄バッファーでの洗浄ステップを行うステップ;および
(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出するステップ;
を含み、
前記AAVはAAV9であり、前記アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXである、方法。
【請求項2】
ステップ(c)における温度が1℃~12℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(c)における温度が2℃~8℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
室温で少なくとも2つの洗浄ステップが行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、7.5~9.2のpHで、10mM~200mMのTrisHClおよび50mM~500mMの塩を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、50mMのTrisHClおよび125 mMの塩を含み、8.5のpHを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、5.0~7.4のpHで、10mM~2000mMの酢酸ナトリウムおよび0.001%~1%(w/w)のポリソルベート80を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、6.0のpHを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、7.5~9.2のpHで、10mM~200mMのTrisHClおよび10%~75%(w/w)のエチレングリコールを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、6.0~8.0のpHで、10mM~200mMのグリシン、1mM~100mMのヒスチジン、20mM~500mMの塩、1%~10%(w/w)のトレハロース、および0.0005%~1%(w/w)のポリソルベート80を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの洗浄バッファーが、6.0~8.8のpHで、1mM~200mMのTrisHCl、50mM~500mMの塩、および0.001%~1%(w/w)のポリソルベート80を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(c)が、少なくとも1つの溶出バッファーでAAVを溶出することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの溶出バッファーが、洗浄バッファーの少なくとも1つと同じである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの溶出バッファーが、ステップ(c)においてAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の溶出バッファーが、ステップ(c)においてAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記バッファーが、50mMのTrisHClおよび125mMのNaClを含み、8.5のpHを有する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項17】
溶出ステップ(c)から溶出されるAAVカプシドの少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%が、完全AAVカプシドである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,282号の優先権を主張し、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する材料および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、線状一本鎖DNAゲノムをパッケージングする小型の非エンベロープウイルスである。AAVの増殖性感染はアデノウイルスやヘルペスウイルスなどのヘルパーウイルスの存在下でのみ生じることから、AAVはパルボウイルス科ディペンドウイルス属に属する。
【0004】
AAVを臨床で安全に使用するために、AAVはそのゲノム内のいくつかの位置で遺伝子改変されている。例えば、多くのウイルスベクターにおいて、ウイルスの複製に必要なRep遺伝子、および部位特異的組み込みに必要な要素が、AAVゲノムから除去されている。このような組換えAAV(rAAV)は、染色体外状態で存在し、ゲノムDNAへの組み込み効率は非常に低い。そのため、rAAVが宿主細胞においてランダム突然変異を誘発する可能性は、完全にはなくならないまでも低減される。これらの特性ならびに病原性のなさから、rAAVは遺伝子治療用ベクターとして、前臨床および臨床適用のさまざまな場面で大きな期待が寄せられている。
【0005】
ヒトへの投与に適したAAV生成物を精製するための効率的で大規模な方法を設計するための努力はは多大なものであったが、より優れたAAV精製法が依然として必要とされている。AAVの精製中に、より効率的に除去することができる宿主細胞培養マトリックスからの他の様々なタンパク質や物質がある。したがって、最終AAV生成物から宿主細胞物質を除去するステップを含むAAV精製法が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
細胞培養でのAAVベクター製造の特徴は、破壊された細胞からの物質を含む複雑なマトリックスの形成である。特に、宿主細胞タンパク質、プロテアソーム、細胞残屑(cell debris)、および潜在的なウイルス特異的受容体が、破壊された細胞からの物質中に存在することが多い。本開示の方法は、生理学的に適用可能なpHでより高い純度をもたらす条件で、最終AAV生成物から宿主細胞物質を除去するステップを含む。
【0007】
一態様において、本明細書で提供されるのは、アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法であって、その方法は、
(a)AAV含有溶液を、AAV上のエピトープを標的とするアフィニティ樹脂に、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードすること、
(b)室温で、少なくとも1つの洗浄ステップを行うこと、および
(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出すること
を含む。
【0008】
室温は18~26℃の間である。室温は、18℃、18.5℃、19℃、19.5℃、20℃、20.5℃、21℃、21.5℃、22℃、22.5℃、23℃、23.5℃、24℃、24.5℃、25℃、25.5℃、または26℃であり得る。室温は、18℃、約18.5℃、約19℃、約19.5℃、約20℃、約20.5℃、約21℃、約21.5℃、約22℃、約22.5℃、約23℃、約23.5℃、約24℃、約24.5℃、約25℃、約25.5℃、または26℃であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、1℃~12℃の間である。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、2℃~8℃の間である。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、1℃、1.5℃、2℃、2.5℃、3℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5℃、5.5℃、6℃、6.5℃、7℃、7.5℃、8℃、8.5℃、9℃、9.5℃、10℃、10.5℃、11℃、11.5℃、または12℃である。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、約1℃、約1.5℃、約2℃、約2.5℃、約3℃、約3.5℃、約4℃、約4.5℃、約5℃、約5.5℃、約6℃、約6.5℃、約7℃、約7.5℃、約8℃、約8.5℃、約9℃、約9.5℃、約10℃、約10.5℃、約11℃、約11.5℃、または約12℃である。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV含有溶液をアフィニティ樹脂にロードする前に、AAV含有溶液を陰イオン交換体と接触させること、および陰イオン交換体からAAV含有溶液を溶出させることをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、≦99.9%のHC不純物レベルを有する。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、≦99.0%のHC不純物レベルを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、AAVはAAV9である。いくつかの実施形態では、AAV9は、野生型VP1を含む。いくつかの実施形態では、AAV9は、配列番号1のVP1を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV含有溶液を、酸性の荷電汚染物質をAAV含有溶液から枯渇させるのに有効な正荷電基を含むフィルターと接触させることをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、35nmより大きいウイルスを除去するためにAAV画分をナノろ過することをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、陽イオン交換クロマトグラフィーを行うことを含むポリッシングステップをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV特異的ELISAを介してAAV画分を検査することをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、AAV特異的ELISAは、AAVに特異的なサンドイッチELISAである。
【0018】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、上記の方法のいずれかによって製造されたAAV生成物である。
【0019】
一態様では、本明細書で提供されるのは、アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法であって、その方法は、(a)AAV含有溶液を、AAVを標的とするアフィニティ樹脂に、室温で、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードすること;(b)室温で、少なくとも1つの洗浄ステップを行うこと;および(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出すること;を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、1℃~12℃の間である。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、2℃~8℃の間である。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV含有溶液をアフィニティ樹脂にロードする前に、AAV含有溶液を陰イオン交換体と接触させること、および陰イオン交換体からAAV含有溶液を溶出させることをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、室温で少なくとも2つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、室温で少なくとも3つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、室温で少なくとも4つの洗浄ステップが行われる。
【0023】
いくつかの実施形態では、2つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、3つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、4つの洗浄ステップが行われる。
【0024】
いくつかの実施形態では、洗浄ステップが連続して行われる。
【0025】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6.5、または約6.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約10%~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約25mM~約100mMのTrisHClおよび約25%~約70%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約40mM~約60mMのTrisHClおよび約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、約8.5のpHを有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMの塩、約1~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約30mM~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMの塩、約3~約8%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMの塩、約4~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4、または約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.0のpHを有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約1~約200mMのTrisHCl、約50~約500mMの塩、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約5~約50mMのTrisHCl、約75~約250mMの塩、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約30mMのTrisHCl、約140~約160mMの塩、および約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0、または約7.4のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.4のpHを有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、少なくとも1つの溶出バッファーでAAVを溶出することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、少なくとも1つの洗浄バッファーと同じである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、ステップ(c)でAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである。いくつかの実施形態では、第1の溶出バッファーは、ステップ(c)でAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである。
【0031】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウム、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウム、および約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウム、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6.5、または約6.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウム、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10mM~約200mMのTrisHCl、および約10%~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約25mM~約100mMのTrisHCl、および約25%~約70%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40mM~約60mMのTrisHCl、および約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHCl、および約50%(w/w)のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHCl、および約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、約8.5のpHを有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMの塩、約1~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約30~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMの塩、約3~約8%のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMの塩、約4~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、および約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4、または約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、および約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.0のpHを有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約1~約200mMのTrisHCl、約50~約500mMの塩、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約5~約50mMのTrisHCl、約75~約250mMの塩、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約30mMのTrisHCl、約140~約160mMの塩、および約0.05%~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0、または約7.4のpHを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.4のpHを有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および/または第4の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、溶出洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する。第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第3のバッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6、または約6のpHを有する。いくつかの実施形態では、第3の洗浄ステップは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約6.0のpHを有する第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有する第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、第4の洗浄ステップは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有する第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、溶出洗浄ステップは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8、または約8.5のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含みかつ約8.5のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む。
【0056】
いくつかの実施形態(例えば、上記の実施形態)において、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム、ならびにNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、および酢酸ナトリウムのうちの1つまたは複数の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態(例えば、上記の実施形態)において、塩はNaClである。
【0057】
いくつかの実施形態では、バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、約8.5のpHを有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、99.9%以上の純度レベルを有する。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、99.0%以上の純度レベルを有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、溶出ステップ(c)から溶出されたAAVカプシドの少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%が完全AAVカプシドである。
【0060】
いくつかの実施形態では、アフィニティ樹脂はAAVx樹脂である。
【0061】
いくつかの実施形態では、AAVはAAV9である。いくつかの実施形態では、AAV9は、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3の配列を含むペプチドを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV含有溶液を、AAV含有溶液から酸性の荷電汚染物質を枯渇させるのに有効な正荷電基を含むフィルターと接触させることをさらに含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本方法は、35nmより大きいウイルスを除去するためにAAV画分をナノろ過することをさらに含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本方法は、陽イオン交換クロマトグラフィーを行うことを含むポリッシングステップをさらに含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV特異的ELISAを介してAAV画分を検査することをさらに含む。いくつかの実施形態では、AAV特異的ELISAは、AAVに特異的なサンドイッチELISAである。
【0066】
別の態様では、本明細書に開示された実施形態のいずれか1つに従う方法によって製造されたAAV生成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1-1】実施例3による分離手順のクロマトグラムを示す。
【
図2A】実施例4による分離手順のクロマトグラムを示す。ロードゾーンと洗浄-溶出ゾーンを「スプリットスクリーン」機能で分離する。青:UV280nm、紫:UV254nm、赤:導電率。
【
図2B】実施例4による分離手順のクロマトグラムを示す。ロードゾーンと洗浄-溶出ゾーンを「スプリットスクリーン」機能で分離する。青:UV280nm、紫:UV254nm、赤:導電率。
【
図3-1】実施例6による分離手順のクロマトグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本明細書では、アデノ随伴ウイルス(AAV)生成物を製造する方法、AAVを精製する方法、および空のAAVカプシドと完全AAVカプシドを含む濃縮AAV画分から完全AAVカプシドを精製する方法を提供する。
【0069】
細胞培養でのAAVベクター製造の特徴は、破壊された細胞からの物質を含む複雑なマトリックスの形成である。特に、宿主細胞タンパク質、プロテアソーム、細胞残屑、潜在的なウイルス特異的受容体が、破壊された細胞からの物質中に存在することが多い。開示の方法は、生理学的に適用可能なpHでより高い純度をもたらす条件で、最終AAV生成物から宿主細胞物質を除去するステップを含む。
【0070】
一態様において、本明細書で提供されるのは、アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法であって、その方法は、
(a)AAV含有溶液を、AAV上のエピトープを標的とするアフィニティ樹脂に、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードすること、
(b)室温で、少なくとも1つの洗浄ステップを行うこと、および
(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出すること
を含む。
【0071】
特定の態様において、本方法は、バッファーの温度を室温から下げることによって、アフィニティ樹脂からAAVカプシドを溶出することを含む。特定の実施形態では、1~12℃の低くした温度で同じバッファーを用いて同じ樹脂からAAVを溶出させることができる。特定の実施形態では、2~8℃の低くした温度で同じバッファーを用いて同じ樹脂からAAVを溶出させることができる。室温から温度を下げることによるAAVの溶出の増加は、驚くべきことであり、また予想外である。特定の理論に拘束されることなく、より低い温度が抗体と抗原の間の結合が平衡に達するまでの時間を延長することは知られているが、温度を室温より低く下げたときに、既に結合している抗原が容易に放出されることを当業者は予想しなかったため、この結果は驚くべきことであり、また予想外であった。
【0072】
温度シフト溶出プロトコルは、低温でのマイルドな溶出により、AAV粒子の構造および/または感染性の保持に役立つという利点を有する。本明細書に記載された様々な実施形態による溶出は、低pHへの暴露を防ぎ(例えば、中性に近いpHでの溶出)、AAVの高い効力を保持することができる。さらに、マイルドな溶出バッファーの使用は、製造環境で容易に実施することができ、溶出ステップのためにバッファーを変更する必要がないため、より効率的である。さらに、温度シフト溶出プロトコルは、完全AAVカプシドのより高い含有率をもたらす。
【0073】
特定の実施形態では、AAV9は、約20~25℃の温度範囲で本明細書に記載の樹脂に結合することができ、同じバッファーシステムで約1~12℃のより低い温度で溶出することができる。特定の実施形態では、AAV9は、約20~25℃の温度範囲で本明細書に記載の樹脂に結合することができ、同じバッファーシステムで約2~8℃のより低い温度で溶出することができる。例えば、AAV9は、pH8.5で125mMのNaClおよび50mMのTrisHClを含むバッファー中にあるとき、室温でCaptureSelect AAVx樹脂に結合することができ、同じバッファーを用いて、約1~12℃または約2~8℃のより低い温度で樹脂から溶出することができる。別の例として、AAV9は、pH6.0で100mMの酢酸ナトリウム(NaAcetate)および0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むバッファー中にあるとき、室温でCaptureSelect AAVx樹脂に結合することができ、同じバッファーを用いて約1~12℃または約2~8℃のより低い温度で樹脂から溶出することができる。
【0074】
本明細書に記載されている様々な実施形態および実施例に従って洗浄ステップと溶出ステップを連続して行う場合に、AAV生成物の純度のさらなる向上が見られる。
【0075】
定義
本開示を説明する文脈(特に以下の請求項の文脈)における用語「a」、「an」、「the」、および同様の参照語の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両方をカバーするように解釈されるべきである。また、「含む」、「有する」、「包含する」、および「含有する」という用語は、特に断りのない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「~を含むが、~に限定されない」という意味)として解釈される。
【0076】
本明細書では、「カプシド」、「カプシド粒子」、および「粒子」という用語は互換的に使用され、少なくとも1つのインタクトなAAVカプシドシェルを含むAAV粒子を指す。
【0077】
本明細書で使用される場合、AAVまたはAAVカプシドに関する「空(empty)」という用語は、完全な(すなわち、完全)関心遺伝子(GOI)を欠いているものを指す。空のAAVまたは空のAAVカプシドまたは空のAAV粒子は、治療上の利益を提供することができない。本明細書で使用される場合、AAVまたはAAVカプシドまたはAAV粒子に関する「完全(full)」という用語は、完全な(complete)GOIの大部分を含むものを指す。完全AAVカプシドは、レシピエント患者に治療上の利益を提供することができる。特定の実施形態では、「完全」には、「不完全なベクターDNA」または「切断されたベクターDNA(truncated vector DNA)」も含まれ得る。特定の実施形態では、AAVまたはAAVカプシドまたはAAV粒子に関する「過搭載(overfilled)」は、潜在的に二重パッケージングされたまたはより長いゲノムまたはGOI DNA(例えば、最大で二倍サイズ)を含むものを指す。特定の実施形態では、完全な対不完全なおよび/または切断されたおよび/または過搭載されたベクターDNAは、追加の分析方法で差別化することができる。そのような方法には、キャピラリー電気泳動によるDNAサイジング、AUC(超遠心分析)、%アガロースDNA(ネイティブまたはアルカリ性)、ゲル、サザンブロット、ドットブロットハイブリダイゼーション、UV分光測光法、弱陰イオン交換クロマトグラフィー、および質量分析が含まれるが、これらに限定されない(Resolving Adeno-Associated Viral Particle Diversity with Charge Detection Mass Spectrometry Elizabeth E. Piersonet.al Anal. Chem., 2016, 88 (13), pp 6718-6725を参照;あらゆる目的のためによりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0078】
本明細書での値の範囲の記載は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲内に入る各個別の値および各終点を個別に参照する略記法として機能することを意図しており、各個別の値および終点は、本明細書で個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0079】
本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書に別の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「~など」)の使用は、単に本開示をよりよく例示することを意図しており、別段の請求がない限り、本開示の範囲に限定するものではない。本明細書のいかなる言語も、請求されていない要素を本開示の実施に必須であると示すものとして解釈されるべきではない。
【0080】
本開示の好ましい実施形態は、本開示を実施するために本発明者らに知られている最良の態様を含めて、本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が適宜そのような変形を採用することを予測しており、本発明者らは、本開示が、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本開示は、適用法で認められているように、添付の特許請求の範囲に記載されている主題のすべての変更および同等物を含む。さらに、本明細書に別段の記載がない限り、あるいは文脈上明らかに矛盾しない限り、上述の要素のあらゆる可能なバリエーションの組み合わせが本開示に包含される。
【0081】
洗浄および溶出ステップならびにバッファー
一態様において、本明細書は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法を提供する。この方法は、(a)AAV含有溶液を、AAVを標的とするアフィニティ樹脂に、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードするステップ、(b)室温で、少なくとも1つの洗浄ステップを行うステップ、および(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出するステップを含む。
【0082】
アフィニティ精製ステップは、1つまたは複数の洗浄ステップを含む。1つまたは複数の洗浄ステップの後に、1つまたは複数の溶出ステップを行うことができる。特定の実施形態では、本開示の方法は、アフィニティ精製ステップの前に行われるろ過ステップを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの洗浄ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも4つの洗浄ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、2、13、14、15、16、17、18、19、または20の洗浄ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。いくつかの実施形態では、2つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、3つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、4つの洗浄ステップが行われる。一部の実施形態では、洗浄バッファーは異なる。いくつかの実施形態では、洗浄ステップは連続して行われる。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温(例えば、18~26℃の間、あるいは18℃、18.5℃、19℃、19.5℃、20℃、20.5℃、21℃、21.5℃、22℃、22.5℃、23℃、23.5℃、24℃、24.5℃、25℃、25.5℃または26℃)で実施される。特定の実施形態では、すべての洗浄ステップが室温で行われる。
【0084】
特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも2つの異なる洗浄バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、少なくとも3つの異なる洗浄バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、少なくとも4つの異なる洗浄バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、1つの洗浄バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、2つの異なる洗浄バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、3つの異なる洗浄バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、4つの異なる洗浄バッファーが使用され得る。
【0085】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出ステップが行われる。特定の実施形態では、少なくとも2つの溶出ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。特定の実施形態では、少なくとも3つの溶出ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。一部の実施形態では、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、2、13、14、15、16、17、18、19、または20の溶出ステップが行われ、それぞれが同じまたは異なるバッファーを含む。特定の実施形態では、1つの溶出ステップが行われる。特定の実施形態では、少なくとも2つの溶出ステップが行われる。特定の実施形態では、少なくとも3つの溶出ステップが実施される。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、洗浄バッファー(複数可)のうちの少なくとも1つと同じである。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、洗浄バッファー(複数可)とは異なる。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、AAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、AAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである。溶出は、1℃~12℃の間の温度(例えば、2℃~8℃の間、または1℃、1.5℃、2℃、2.5℃、3℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5℃、5.5℃、6℃、6.5℃、7℃、7.5℃、8℃、8.5℃、9℃、9.5℃、10℃、10.5℃、11℃、11.5℃、または12℃)で行われる。本明細書に記載された様々な実施形態による溶出は、低pHへの暴露を防ぎ(例えば、中性に近いpHでの溶出)、AAVの高い効力を保持することができる。
【0086】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも2つの異なる溶出バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、少なくとも3つの異なる溶出バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、少なくとも4つの異なる溶出バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、1つの溶出バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、2つの異なる溶出バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、3つの異なる溶出バッファーが使用され得る。特定の実施形態では、4つの異なる溶出バッファーが使用され得る。
【0087】
特定の実施形態では、室温より低い温度へのシフトは、冷却キャビネット(例えば、Unichromat 1500)、温度ジャケット(例えば、水冷ジャケット)、および/または溶出のための冷たいバッファーの使用によって生じることができる。特定の実施形態では、バッファーは冷やす前に室温で作られる。特定の実施形態では、バッファーのpHは冷やす前に室温で測定される。
【0088】
例えば、約2カラム容量~約15カラム容量、約3カラム容量~約7カラム容量、約4カラム容量~約8カラム容量、約5カラム容量~約10カラム容量、または約7カラム容量~約12カラム容量など、さまざまな容量が使用され得る。例えば、カラム容量が約2ml~約3mlの場合、10カラム容量が使用され得る。約5カラム容量、または5カラム容量の任意の洗浄および/または溶出バッファーが使用され得る。あるいは、約10カラム容量、または10カラム容量の任意の洗浄および/または溶出バッファーが使用され得る。AAVの純度を向上させるために、洗浄ステップの時間を長くすることがさらに行われ得る。
【0089】
洗浄ステップは、AAVおよび/またはアフィニティーマトリックスのベース樹脂から、強く結合した汚染物質を除去するのに有効である。同時に、洗浄ステップで使用されるバッファーは、AAVを実質的に溶出しない。
【0090】
特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、キレート剤(例えば、EDTA)を含む。特定の実施形態では、洗浄バッファーは、pH範囲および宿主細胞(例えば、HEK)-HCPの枯渇率(depletion rate)を確実にする単一アミノ酸または2つ以上のアミノ酸の任意の組み合わせ、例えば、グリシン、アルギニン、トリプトファン、アミノ酸の誘導体(例えば、タウリン(酸化システイン)、N-アセチル-トリプトファン、グリシルグリシン)を含む。
【0091】
溶出ステップは、AAVカプシドを溶出するのに有効であり得る。特定の実施形態では、溶出ステップは、空または過搭載のAAVカプシドよりも完全AAVカプシドを優先的に溶出する。特定の実施形態では、溶出バッファーは、pHおよびAAVの溶出を確実にするために、単一アミノ酸または2つ以上のアミノ酸の任意の組み合わせ、例えば、グリシン、アルギニン、トリプトファン、アミノ酸の誘導体(例えば、タウリン(酸化システイン)、N-アセチルトリプトファン、グリシルグリシン)を含む。
【0092】
理論に縛られることなく、AAVの溶出の程度は、第3のバッファー中のエチレングリコールの量と塩の導電性の両方により影響される。バッファー中の少なくとも55%(w/w)のエチレングリコールの量は、50%(w/w)のエチレングリコールと比較して、溶出量を有意に増加させることができる。したがって、所定のエチレングリコール濃度において、NaCl濃度を増加させると、溶出の程度および速度を増加させることができる。また、所定のエチレングリコール濃度において、NaClを多価の塩に置き換えることでも、溶出の程度および速度を高めることができる。
【0093】
理論に縛られることなく、塩が一定(例えば、150mMのNaCl)であれば、エチレングリコールの量を増やせば、バッファーの溶出強度を高めることができる。エチレングリコールの含有量が一定(例えば、55%)であれば、塩の量を増やせば、バッファーの溶出強度を高めることができる。このように、150mMのNaCl中のエチレングリコールが40%(w/w)から、45%(w/w)へと、50%(w/w)へと、55%(w/w)へと、60%(w/w)へとなるにつれ溶出強度が増加する。塩含有量が一定の溶液のエチレングリコール量を増加させると、導電率を低下させることができる。エチレングリコールの量を増やすと、バッファー中の塩の溶解量(amount of solubility)を下げることができる。
【0094】
特定の実施形態では、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スクロース、トレハロース、グリセロール(1,2,3-プロパントリオール)、またはエリスリトール(メソ-1,2,3,4-ブタンテトロール)のうちの1つまたは複数を、エチレングリコールと組み合わせて、またはエチレングリコールの代わりに使用することができる。特定の実施形態では、溶出バッファーは、約30~約35%、約35~約40%、約40~約45%、約45~約50%、約48~約52%、約50~約55%、約55~約60%、約60~約65%、約65~約70%、または約70~約75%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、溶出バッファーは、約50%または50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、エチレングリコールの濃度は、少なくとも55%(w/w)である。特定の実施形態では、エチレングリコールの濃度は、少なくとも56%(w/w)である。特定の実施形態では、エチレングリコールの濃度は、少なくとも57%(w/w)である。特定の実施形態では、エチレングリコールの濃度は、少なくとも58%(w/w)である。
【0095】
例えば、洗浄および/または溶出バッファーは、TrisHCl、酢酸塩、リン酸塩、ヒスチジン、イミダゾール、リジン、アルギニン、グリシン、タウリン、クエン酸塩、HEPES、MES、MES-Na、ホウ酸塩、Bis-Tris、MOPS、ビシン、トリシン、TAPS、TAPSO、MES、PIPES、TES(2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸)、バルビタールナトリウム(ベロナル)、ADA(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸)、ACES(N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸)、ビス-トリスプロパン(Bis-Tris Propane)、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、DIPSO(3-(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]アミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、トリズマ(Trizma)、HEPPSO(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸))、POPSO(ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)脱水物)、TEA、EPPS(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸)、HEPBS(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(4-ブタンスルホン酸))、AMPD(2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール)、AMPSO(N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、単一アミノ酸または2つ以上のアミノ酸の任意の組み合わせ、例えば、グリシン、アルギニン、トリプトファン、アミノ酸の誘導体、例えば、タウリン(酸化システイン)、N-アセチルトリプトファン、およびグリシルグリシンなどのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、酢酸ナトリウム、TrisHCl、アルギニン-HCl、リジン-HCl、およびヒスチジン-HCl、ヒスチジン、グリシン、タウリン、MES-Na、Bis-Tris、クエン酸塩、酢酸塩、MES、HEPES、リン酸塩、TrisHCl、Bis-Tris、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン-HCl、リジン-HCl、グリシン、グリシルグリシン、ホウ酸塩、MOPS、ビシン、トリシン、TAPS、TAPSO、PIPES、L-グルタミン酸、アスパラギン酸、BAPTA(1,2-ビス(o-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N’,N’-四酢酸)、および/またはN-アセチル-D,L-トリプトファンのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0097】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、塩をさらに含む。一部の実施形態では、バッファーはTrisHClおよび塩を含む。一部の実施形態では、バッファーは、アルギニン-HClおよび塩を含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、ヒスチジンおよび塩を含む。
【0098】
本明細書に記載の洗浄および/または溶出バッファーの場合、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム;ならびにNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、C2H3NaO2、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸カリウムのうちの1つまたは複数の組み合わせ;から選択することができる。いくつかの実施形態では、塩濃度は、約50~約2000mM、約100~約1500mM、約100~約200mM、約200mM~約1000mM、約500~約900mM、約600mM~約800mM、約750mM、または750mMである。いくつかの実施形態では、塩濃度は、約50~約2000mM、約100~約1500mM、約100~約200mM、約200mM~約1000mM、約500~約900mM、約600mM~約800mMのNaCl、約750mMのNaCl、または750mMのNaClである。いくつかの実施形態では、NaClの濃度勾配を使用する場合、目標濃度は2000mMである。いくつかの実施形態では、塩の濃度は500mMを超えない。いくつかの実施形態では、塩の濃度は、200mMを超えない。いくつかの実施形態では、塩はNaClである。いくつかの実施形態では、塩は125mMのNaClである。いくつかの実施形態では、塩は150mMのNaClである。
【0099】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、1つまたは複数の有機溶媒またはデタージェント(detergent)をさらに含むことができる。例えば、有機溶媒またはデタージェントは、Tween 80、ポリソルベート80、Triton X100、トリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、エチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、DMSO、スクロース、またはトレハロースであり得るが、これらに限定されない。例えば、デタージェントは、非イオン性のポリオキシエチレン界面活性剤(例えば、Brij 35)、4-ノニルフェニル-ポリエチレングリコール(Arkopal N100)、オクチルグリコシド、n-ドデシルβ-D-マルトシド、ジギトニン(Digitonin)、6-シクロヘキシルヘキシルβ-D-マルトシド、またはオクチルグリコピラノシドであり得るが、これらに限定されない。例えば、エチレングリコールは、PEGであってよく、例えば、PEG2000、PEG4000、PEG6000(マクロゴール)などが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、有機溶媒は、グリセロール(1,2,3-プロパントリオール)、エリスリトール(メソ-1,2,3,4-ブタンテトロール)であり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、デタージェントは、Triton X100、ポリソルベート80、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、ポリソルベート80、エチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スクロース、またはトレハロースであり得る。いくつかの実施形態では、バッファーは、TrisHClおよびDMSOを含む。
【0100】
特定の実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、洗浄および/または溶出バッファー中に、約0.0005~約20%、約0.0005~約15%、約0.0005~約10%、約0.0005~約5%、約0.0005~約1%、約0.001~約4%、約0.001~約0.1%、約0.001~約0.05%、約0.005~約3%、約0.01~約2.5%、約0.05~約5%、約0.05~約2%、0.05~約0.2%、または約0.1~約1.5%(w/w)で存在する。いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、約0.005%(w/w)で存在する。いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、約0.1%(w/w)で存在する。
【0101】
いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントはポリソルベート80(例えば、Tween 80またはCrillet)である。いくつかの実施形態では、バッファーはポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、アルギニン-HClおよびポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、タウリンおよびポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、TrisHClおよびポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80を含む。
【0102】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約0.0005~約20%、約0.0005~約15%、約0.0005~約10%、約0.0005~約5%、約0.0005~約1%、約0.001~約4%、約0.001~約0.1%、約0.001~約0.05%、約0.005~約3%、約0.01~約2.5%、約0.05~約5%、約0.05~約2%、0.05~約0.2%、または約0.1~約1.5%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約5%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20%(w/w)のポリソルベート80を含む。
【0103】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約35%、約35~約40%、約40~約45%、約45~約50%、約48~約52%、約50~約55%、約55~約60%、約60~約65%、約65~約70%、または約70~約75%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50%、または50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。
【0104】
有機溶媒またはデタージェントは、使用されるすべての洗浄および/または溶出バッファーに存在する必要はない。特定の実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、使用されるいかなる洗浄および/または溶出バッファーにも存在しない。特定の実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、使用される洗浄バッファーの少なくとも1つに存在する。特定の実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、使用される溶出バッファーの少なくとも1つに存在する。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー、例えば、第1の洗浄バッファーは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80の両方を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー、例えば、第2の洗浄バッファーは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80の両方を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、Tween 80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファーは、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー、例えば、第3の洗浄バッファーは、トリス(Tris)およびエチレングリコールを含む。理論に拘束されることを望むものではないが、洗浄バッファー中の有機溶媒およびデタージェントは、強く結合した宿主タンパク質およびウイルス受容体を除去するのに有効であり、同時に脂質エンベロープウイルスを不活性化および/または崩壊させる。
【0105】
いくつかの実施形態では、バッファーは、エチレングリコール、スクロース、タウリン、および/またはグリセロールをさらに含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、アルギニン-HClと、スクロースおよびグリセロールのうちの1つとを含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、タウリンおよびエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、TrisHClおよびエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、バッファーは、酢酸ナトリウムおよびエチレングリコールを含む。
【0106】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、塩(例えば、NaCl)を含むTrisベースのバッファーであり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、酢酸ナトリウム(NaAcetate)ベースのバッファーであり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、EDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%のPEG(例えば、PEG6000)を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、Bis-Trisと、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを含む溶媒/デタージェント混合物とを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、グリシンベースのバッファー;クエン酸ナトリウムベースのバッファー;または塩(例えば、NaCl)を含むアルギニン-HClベースのバッファーを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、エチレングリコールおよび/またはNaClを含むTrisベースのバッファー;タウリンベースのバッファー;またはNaClを含むアルギニン-HClベースのバッファーであり得る。あるいは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スクロース、またはトレハロースのうちの1つまたは複数を、エチレングリコールと組み合わせて、またはエチレングリコールの代わりに使用することができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80を含むことができる。
【0107】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約500mMのTrisHClを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約400mM、約10~約300mM、約10~約200mM、約15~約175mM、約20~約150mM、約25~約125mM、約25~約100mM、約30~約90mM、約35~約75mM、または約40~約60mMのTrisHClを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約15mM;約10~約30mM;約15~約20mM;約20~約25mM;約25~約30mM;約30~約35mM;約35~約40mM;約40~約45mM;約40~約50mM;約45~約50mM;約50~約55mM;約55~約60mM;約60~約65mM;約65~約70mM;約70~約75mM;約75~約80mM;約80~約90mM;約90~約100mM;約100~約110mM;約110~約120mM;約120~約130mM;約130~約140mM;約140~約150mM;約150~約160mM;約160~約170mM;約170~約180mM;約180~約190mM;または約190~約200mMのTrisHClを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMまたは50mMのTrisHClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20mMまたは20mMのTrisHClを含むことができる。
【0108】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約25mM、約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM、約525mM、約550mM、約575mM、約600mM、約625mM、約650mM、約675mM、約700mM、約725mM、約750mM、約775mM、約800mM、約825mM、約850mM、約875mM、約900mM、約925mM、約950mM、約975mM、約1000mM、約1025mM、約1050mM、約1075mM、約1100mM、約1125mM、約1150mM、約1175mM、約1200mM、約1225mM、約1250mM、約1275mM、約1300mM、約1325mM、約1350mM、約1375mM、約1400mM、約1425mM、約1450mM、約1475mM、約1500mM、約1525mM、約1550mM、約1575mM、約1600mM、約1625mM、約1650mM、約1675mM、約1700mM、約1725mM、約1750mM、約1775mM、約1800mM、約1825mM、約1850mM、約1875mM、約1900mM、約1925mM、約1950mM、約1975mM、または約2000mMのTrisHClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMまたは50mMのTrisHClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20mMまたは20mMのTrisHClを含むことができる。
【0109】
特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約500mMの塩をさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約55~約400mM、約60~約350mM、約70~約300mM、約75~約250mM、約80~約200mM、約90~約175mM、または約100~約150mMの塩をさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約75~約100mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約225mM;または約225~約250mMの塩をさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約150mMまたは150mMの塩を含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約125mMまたは125mMの塩を含むことができる。
【0110】
特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約500mMのNaClをさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約55~約400mM、約60~約350mM、約70~約300mM、約75~約250mM、約80~約200mM、約90~約175mM、または約100~約150mMのNaClをさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約75~約100mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約225mM;または約225~約250mMのNaClをさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約150mMまたは150mMのNaClを含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約125mMまたは125mMのNaClを含むことができる。
【0111】
特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約75%(w/w)のエチレングリコールをさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約20~約72%、約25~約70%、約30~約65%、または約40~約60%(w/w)のエチレングリコールをさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約35%、約35~約40%、約40~約45%、約45~約50%、約48~約52%、約50~約55%、約55~約60%、約60~約65%、約65~約70%、または約70~約75%(w/w)のエチレングリコールをさらに含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約50%または50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。
【0112】
特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、有機溶媒またはデタージェントをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、ポリソルベート80(例えば、Tween 80またはCrillet)である。特定の実施形態では、ポリソルベート80は、約0.0005~約5%、約0.0005~約1%、約0.001~約4%、約0.001~約0.1%、約0.001~約0.05%、約0.005~約3%、約0.01~約2.5%、約0.05~約5%、約0.05~約2%、0.05~約0.2%、または約0.1~約1.5%(w/w)のポリソルベート80であり得る。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約0.05~約0.08%;約0.08~約0.11%;約0.11~約0.14%;約0.14~約0.17%;または約0.17~約0.20%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約0.1%または0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約0.005%または0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。
【0113】
特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8であり得る。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約7.5~約7.7;約7.7~約7.9;約7.9~約8.1;約8.1~約8.3;約8.3~約8.5;約8.5~約8.7;約8.7~約8.9;または約8.9~約9.2であり得る。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーは、約7.4または7.4のpHを有することができる。特定の実施形態では、TrisHCl洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約8.5または8.5であり得る。
【0114】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの食塩を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、50mMのTrisHClおよび125mMの塩を含むことができる。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8のpHを有する。特定の実施形態では、バッファーは、約8.5または8.5のpHを有する。
【0115】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約10~約75%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約25mM~約100mMのTrisHClおよび約25%~約70%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約40mM~約60mMのTrisHClおよび約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができる。約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8のpHである。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約8.5または8.5のpHを有する。
【0116】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約1~約200mMのTrisHCl、約50~約500mMの塩、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約5~約50mMのTrisHCl、約75~約250mMの塩、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、10mM~約30mMのTrisHCl、約140mM~約160mMの塩、および約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベートを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、20mMのTrisHCl、150mMの塩、および0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0のpHを有することができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約7.4または7.4のpHを有する。
【0117】
特定の実施形態では、TrisHClバッファーは、第1の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、TrisHClバッファーは、第1と第3の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、TrisHClバッファーは、第2の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、TrisHClバッファーは、第2と第4の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、TrisHClバッファーは、第2の洗浄バッファーであるが、溶出バッファーではない。特定の実施形態では、TrisHClバッファーは第2と第4の洗浄バッファーであるが、溶出バッファーではない。約5カラム容量または5カラム容量の各洗浄バッファーが使用され得る。約10カラム容量または10カラム容量の各洗浄バッファーが使用され得る。約5カラム容量または5カラム容量の溶出バッファーが使用され得る。約10カラム容量または10カラム容量の溶出バッファーが使用され得る。
【0118】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20~約1000mM、約30~約750mM、約40~約500mM、約50~約200mM、約75~約175mM、約80~約150mM、約85~約125mM、または約90~約110mMの酢酸ナトリウムを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約75mM;約75~約100mM;約90~約110mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約250mM;約250~約300mM;約300~約350mM;約350~約400mM;約400~約450mM;約450~約500mM;約500~約550mM;約550~約600mM;約600~約650mM;約650~約700mM;約700~約750mM;約750~約800mM;約800~約850mM;約850~約900mM;約900~約950mM;約950~約1000mM;約1000~約1050mM;約1050~約1100mM;約1100~約1150mM;約1150~約1200mM;約1200~約1250mM;約1250~約1300mM;約1300~約1350mM;約1350~約1400mM;約1400~約1450mM;約1450~約1500mM;約1500~約1550mM;約1550~約1600mM;約1600~約1650mM;約1650~約1700mM;約1700~約1750mM;約1750~約1800mM;約1800~約1850mM;約1850~約1900mM;約1900~約1950mM;または約1950~約2000mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約100mMまたは100mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。
【0119】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約25mM、約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM、約525mM、約550mM、約575mM、約600mM、約625mM、約650mM、約675mM、約700mM、約725mM、約750mM、約775mM、約800mM、約825mM、約850mM、約875mM、約900mM、約925mM、約950mM、約975mM、約1000mM、約1025mM、約1050mM、約1075mM、約1100mM、約1125mM、約1150mM、約1175mM、約1200mM、約1225mM、約1250mM、約1275mM、約1300mM、約1325mM、約1350mM、約1375mM、約1400mM、約1425mM、約1450mM、約1475mM、約1500mM、約1525mM、約1550mM、約1575mM、約1600mM、約1625mM、約1650mM、約1675mM、約1700mM、約1725mM、約1750mM、約1775mM、約1800mM、約1825mM、約1850mM、約1875mM、約1900mM、約1925mM、約1950mM、約1975mM、または約2000mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約100mMまたは100mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。
【0120】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約80mM;約70~約100mM;約80~約110mM;約90~約120mM;約100~約130mM;約120~約150mM;約140~約170mM;約170~約200mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約60;約70mM;約80mM;約90mM;約100mM;約110mM;約120mM;約130mM;約140mM;約150mM;または約160mMの酢酸ナトリウムを含むことができる。
【0121】
特定の実施形態では、酢酸ナトリウム洗浄および/または溶出バッファーは、有機溶媒またはデタージェントをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、ポリソルベート80(例えば、Tween 80またはCrillet)である。特定の実施形態では、ポリソルベート80は、約0.0005~約5%、約0.0005~約1%、約0.001~約4%、約0.001~約0.1%、約0.001~約0.05%、約0.005~約3%、約0.01~約2.5%、約0.05~約5%、約0.05~約2%、0.05~約0.2%、または約0.1~約1.5%(w/w)のポリソルベート80であり得る。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、約0.05~約0.08%、約0.08~約0.11%、約0.11~約0.14%、約0.14~約0.17%、または約0.17~約0.20%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、約0.1%または0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、約0.005%または0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。
【0122】
特定の実施形態では、酢酸ナトリウム洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、酢酸ナトリウム洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約5.2~約5.5;約5.5~約5.8;約5.8~約6.1;約6.1~約6.4;または約6.4~約6.8であり得る。特定の実施形態では、酢酸ナトリウム洗浄および/または溶出バッファーは、約6.0または6.0のpHを有する。
【0123】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6.5のpHを有することができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約6.0または6.0のpHを有する。
【0124】
特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、第1の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、第1と第3の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、第2の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、第2と第4の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、第2の洗浄バッファーであるが、溶出バッファーではない。特定の実施形態では、酢酸ナトリウムバッファーは、第2と第4の洗浄バッファーであるが、溶出バッファーではない。
【0125】
約5カラム容量または5カラム容量の各酢酸ナトリウム洗浄バッファーが使用され得る。約10カラム容量または10カラム容量の各酢酸ナトリウム洗浄バッファーが使用され得る。約5カラム容量または5カラム容量の酢酸ナトリウム溶出バッファーが使用され得る。約10カラム容量または10カラム容量の酢酸ナトリウム溶出バッファーが使用され得る。
【0126】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約500mMのグリシンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約400mM、約10~約300mM、約10~約200mM、約15~約175mM、約20~約150mM、約25~約125mM、約25~約100mM、約30~約90mM、約35~約75mM、または約40~約60mMのグリシンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約35mM、約35~約40mM、約40~約45mM、約45~約50mM、約50~約55mM、約55~約60mM、約60~約65mM、約65~約70mM、約70~約75mM、約75~約80mM、約80~約90mM;約90~約100mM;約100~約110mM;約110~約120mM;約120~約130mM;約130~約140mM;約140~約150mM;約150~約160mM;約160~約170mM;約170~約180mM;約180~約190mM;または約190~約200mMのグリシンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMまたは50mMのグリシンを含むことができる。
【0127】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約25mM、約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM、約525mM、約550mM、約575mM、約600mM、約625mM、約650mM、約675mM、約700mM、約725mM、約750mM、約775mM、約800mM、約825mM、約850mM、約875mM、約900mM、約925mM、約950mM、約975mM、約1000mM、約1025mM、約1050mM、約1075mM、約1100mM、約1125mM、約1150mM、約1175mM、約1200mM、約1225mM、約1250mM、約1275mM、約1300mM、約1325mM、約1350mM、約1375mM、約1400mM、約1425mM、約1450mM、約1475mM、約1500mM、約1525mM、約1550mM、約1575mM、約1600mM、約1625mM、約1650mM、約1675mM、約1700mM、約1725mM、約1750mM、約1775mM、約1800mM、約1825mM、約1850mM、約1875mM、約1900mM、約1925mM、約1950mM、約1975mM、または約2000mMのグリシンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMまたは50mMのグリシンを含むことができる。
【0128】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約1~約300mMのヒスチジンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約1~約250mM、約1~約200mM、約1~約100mM、約1.5~約175mM、約2.0~約150mM、約2.5~約125mM、約2.5~約100mM、約3.0~約90mM、約3.5~約75mM、または約4.0~約60mM、約5.0~約50mM、約6.0~約40mM、約7.0~約30mM、約8.0~約20mM、約9.0~約15mMのヒスチジンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約3.0~約3.5mM;約3.5~約4.0mM;約4.0~約4.5mM;約4.5~約5.0mM;約5.0~約5.5mM;約5.5~約6.0mM;約6.0~約6.5mM;約6.5~約7.0mM;約7.0~約7.5mM;約7.5~約8.0mM;約8.0~約9.0mM;約9.0~約10.0mM;約10.0~約11.0mM;約11.0~約12.0mM;約12.0~約13.0mM;約13.0~約14.0mM;約14.0~約15.0mM;約15.0~約16.0mM;約16.0~約17.0mM;約17.0~約18.0mM;約18.0~約19.0mM;または約19.0~約20.0mMのヒスチジンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10mMまたは10mMのヒスチジンを含むことができる。
【0129】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約2.5mM、約5.0mM、約7.5mM、約10.0mM、約12.5mM、約15.0mM、約17.5mM、約20.0mM、約22.5mM、約25.0mM、約27.5mM、約30.0mM、約32.5mM、約35.0mM、約37.5mM、約40.0mM、約42.5mM、約45.0mM、約47.5mM、約50.0mM、約52.5mM、約55.0mM、約57.5mM、約60.0mM、約62.5mM、約65.0mM、約67.5mM、約70.0mM、約72.5mM、約75.0mM、約77.5mM、約80.0mM、約82.5mM、約85.0mM、約87.5mM、約90.0mM、約92.5mM、約95.0mM、約97.5mM、約100.0mM、約102.5mM、約105.0mM、約107.5mM、約110.0mM、約112.5mM、約115.0mM、約117.5mM、約120.0mM、約122.5mM、約125.0mM、約127.5mM、約130.0mM、約132.5mM、約135.0mM、約137.5mM、約140.0mM、約142.5mM、約145.0mM、約147.5mM、約150.0mM、約152.5mM、約155.0mM、約157.5mM、約160.0mM、約162.5mM、約165.0mM、約167.5mM、約170.0mM、約172.5mM、約175.0mM、約177.5mM、約180.0mM、約182.5mM、約185.0mM、約187.5mM、約190.0mM、約192.5mM、約195.0mM、約197.5mM、または約200.0mMのヒスチジンを含む。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10mMまたは10mMのヒスチジンを含むことができる。
【0130】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約1~約75%(w/w)のトレハロースをさらに含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約2~約50%、約2.5~約25%、約3.0~約20%、または約4.0~約10%(w/w)のトレハロースをさらに含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約3.0~約3.5%;3.5~約4.0%;約4.0~約4.5%;約4.5~約5.0%;約4.8~約5.2%;約5.0~約5.5%;約5.5~約6.0%;約6.0~約6.5%;約6.5~約7.0%;or約7.0~約7.5%;約7.5~約8.0%;約8.0~約8.5%;約8.5~約9.0%;約9.0~約9.5%;約9.5~約10%;約10~約15%;約15~約20%;約20~約25%;約25~約30%;約30~約35%;約35~約40%;約40~約45%;約45~約50%;約50~約55%;約55~約60%;約60~約65%;約65~約70%;約70~約75%(w/w)のトレハロースを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約5.0%または5.0%(w/w)のトレハロースを含むことができる。
【0131】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、有機溶媒またはデタージェントをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、有機溶媒またはデタージェントは、ポリソルベート80(例えば、Tween 80またはCrillet)である。特定の実施形態では、ポリソルベート80は、約0.0005~約5%、約0.0005~約1%、約0.0006~約4%、約0.0007~約0.1%、約0.0008~約0.05%、約0.0009~約3%、約0.001~約2.5%、約0.002~約5%、約0.003~約2%、または0.004~約0.2%(w/w)のポリソルベート80であり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約0.05~約0.08%;約0.08~約0.11%;約0.11~約0.14%;約0.14~約0.17%;または約0.17~約0.20%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約0.1%または0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。いくつかの実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約0.005%または0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリソルベート80は0.005%である。
【0132】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約5.0~約9.0、約5.5~約8.0、または約6.0~約7.5であり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約5.2~約5.5;約5.5~約5.8;約5.8~約6.1;約6.1~約6.4;約6.4~約6.8;約6.8~約7.0;約7.0~約7.2;約7.2~約7.4;約7.4~約7.8;約7.8~約8.0;約8.0~約8.2;約8.2~約8.4;約8.4~約8.6;約8.6~約8.8;または約8.8~約9.0であり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約7.0または7.0のpHを有する。
【0133】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMの塩、約1~約10%のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMの塩、約3~約8%のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMの塩、約4~約6%のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%のトレハロース、および約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、50mMのグリシン、10mMのヒスチジン、100 mMの塩、5%のトレハロース、および0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、バッファーは、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4のpHを有する。特定の実施形態では、バッファーは、約7.0~約7.4のpHを有する。
【0134】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMのNaCl、約1~約10%のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMのNaCl、約3~約8%のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMのNaCl、約4~約6%のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMのNaCl、約5%のトレハロース、および約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、50mMのグリシン、10mMのヒスチジン、100mMのNaCl、5%のトレハロース、および0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができる。7.5、または約7.0~約7.4のpHである。特定の実施形態では、バッファーは、約7.0~約7.4のpHを有する。
【0135】
特定の実施形態では、グリシンバッファーは、第1の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、グリシンバッファーは、第1と第3の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、グリシンバッファーは、第2の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、グリシンバッファーは、第2と第4の洗浄バッファーおよび溶出バッファーである。特定の実施形態では、グリシンバッファーは、第2の洗浄バッファーであるが、溶出バッファーではない。特定の実施形態では、グリシンバッファーは、第2および第4の洗浄であるが、溶出バッファーではない。
【0136】
約5カラム容量または5カラム容量の各グリシン洗浄バッファーが使用され得る。約10カラム容量または10カラム容量の各グリシン洗浄バッファーが使用され得る。約5カラム容量または5カラム容量のグリシン溶出バッファーが使用され得る。約10カラム容量または10カラム容量のグリシン溶出バッファーが使用され得る。
【0137】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約500mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、約3~約30mMのEDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約75mM;約75~約100mM;約90~約110mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約250mM;約250~約300mM;約300~約350mM;約350~約400mM;約400~約450mM;または約450~約500mMのMES-Naを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mM;約75mM;約90mM;約100mM;約125mM;約150mM;約175mM;約200mM;約250mM;約300mM;約350mM;約400mM;約450mM;または約500mMのMES-Naを含むことができる。
【0138】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約200mMのタウリンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約75mM;約75~約100mM;約90~約110mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mMのタウリンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mM;約75mM;約90mM;約100mM;約125mM;約150mM;約175mM;約200mMのタウリンを含むことができる。
【0139】
特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約80~約400mMのBis-Trisを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約80~約100mM;約90~約110mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約250mM;約250~約300mM;約300~約350mM;約350~約400mMのBis-Trisを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mM;約75mM;約90mM;約100mM;約125mM;約150mM;約175mM;約200mM;約250mM;約300mM;約350mM;約400mMのBis-Trisを含むことができる。
【0140】
洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約35mM、約35~約40mM、約40~約45mM、約45~約50mM、約50~約55mM、約55~約60mM、約60~約65mM、約65~約70mM、約70~約75mM、または約75~約80mMのアルギニン-HClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMまたは50mMのアルギニン-HClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約75~約100mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約225mM;または約225~約250mMのNaClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約150mMまたは150mMのNaClを含むことができる。特定の実施形態では、第2のバッファーのpHは、約7.5~約7.7;約7.7~約7.9;約7.9~約8.1;約8.1~約8.3;約8.3~約8.5;約8.5~約8.7;約8.7~約8.9;または約8.9~約9.2であり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約8.5または8.5であり得る。
【0141】
洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約200mMのグリシンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約100mM;約70~約120mM;約100~約150mM;約120~約170mM;約150~約200mMのグリシンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約7.5~約7.7;約7.7~約7.9;約7.9~約8.1;約8.1~約8.3;約8.3~約8.5;約8.5~約8.7;約8.7~約8.9;または約8.9~約9.2であり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約8.5または8.5であり得る。
【0142】
洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約20mMのクエン酸ナトリウムを含むことができる。特定の実施形態では、第2のバッファーは、約5~約10mM;約7~約12mM;約10~約15mM;約12~約17mM;約15~約20mMのクエン酸ナトリウムを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約7.5~約7.7;約7.7~約7.9;約7.9~約8.1;約8.1~約8.3;約8.3~約8.5;約8.5~約8.7;約8.7~約8.9;または約8.9~約9.2であり得る。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーのpHは、約8.5または8.5であり得る。
【0143】
洗浄および/または溶出バッファーは、約20~約100mMのヒスチジンおよび約75~約250mMのNaClを含み、pHは約7.5~約8.8である。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20~約40mM、約40~約60mM、約60~約75mM、または約75~約100mMのヒスチジンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約20mMまたは20mMのヒスチジンを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約75~約100mM;約100~約125mM;約125~約150mM;約150~約175mM;約175~約200mM;約200~約225mMのNaCl;または約225~約250mMのNaClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約150mMまたは150mMのNaClを含むことができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約7.5~約7.9;約7.8~約8.2;約8.1~約8.5;約8.4~約8.9;または約8.6~約9.0のpHを有することができる。特定の実施形態では、洗浄および/または溶出バッファーは、約8.0または8.0のpHを有することができる。
【0144】
洗浄および/または溶出バッファーは、約30~約200mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。洗浄および/または溶出バッファーは、約20~約80mMのアルギニン-HClおよび約50~約200mMの塩を含むことができ、pHは約7.3~約8.8であり得る。洗浄および/または溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができ、pHは約8.5であり得る。洗浄および/または溶出バッファーは、約20~約150mMのタウリン、約30~約75%(w/w)のエチレングリコール、および0.05~0.2%(w/w)のオクチルグリコピラノシドを含むことができ、pHは約7.3~約8.8であり得る。洗浄および/または溶出バッファーは、約50~約200mMのアルギニン-HCl、約50~約200mMのリジン-HCl、約50~約200mMのヒスチジン-HCl、および約1mM~約4mMのN-アセチル-D,L-トリプトファン、ならびに約10%~約40%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約7.3~約8.8であり得る。特定の実施形態では、塩(例えばNaCl)が洗浄および/または溶出バッファー中に存在する場合、特定の実施形態では、塩の濃度は500mMを超えず、特定の実施形態では、塩の濃度は200mMを超えない。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム;あるいはNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウムのうちの1つまたは複数の組み合わせである。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スクロース、またはトレハロースのうちの1つまたは複数を、エチレングリコールと組み合わせて、またはエチレングリコールの代わりに使用することができる。
【0145】
特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、TrisHClベースのバッファーであり得る第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、酢酸ナトリウム(NaAcetate)ベースのバッファーであり得る第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、EDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%のPEG(例えば、PEG6000)を含む第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、Bis-Trisと、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80を含む第1のバッファーを使用する。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、第1の洗浄ステップは、NaClを含むTrisHClベースのバッファーであり得る第1のバッファーを使用する。
【0146】
特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、TrisHClベースのバッファーであり得る第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、酢酸ナトリウム(NaAcetate)ベースのバッファーであり得る第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、EDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%のPEG(例えば、PEG6000)を含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、Bis-Trisと、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80を含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の洗浄ステップは、TrisHClおよびNaClバッファーを含む第2のバッファーを使用する。
【0147】
特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0148】
特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0149】
特定の実施形態では、少なくとも2つの洗浄バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0150】
特定の実施形態では、少なくとも2つの洗浄バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0151】
特定の実施形態では、少なくとも2つの洗浄バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約90~約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0152】
特定の実施形態では、少なくとも2つの洗浄バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0153】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;少なくとも1つの洗浄バッファーは、約50~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含み、pHは約5.2~約6.8である;少なくとも1つの洗浄バッファーは、約30~約200mMのTrisHClおよび約75~約500mMの塩を含み、pHは約7.5~約9.2である;および少なくとも1つの洗浄バッファーは、約30~約200mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含み、pHは約7.3~約8.8である。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0154】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバッファーは、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、pHは約6.0である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、pHは約8.5である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、pHは約8.5である。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0155】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;第1の洗浄ステップは、約50~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;第2の洗浄ステップは、約30~約200mMのTrisHClおよび約75~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;第3の洗浄ステップは、約30~約200mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0156】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の洗浄ステップの前に行われる第4の洗浄ステップをさらに含み、第4の洗浄ステップは、約10~約30mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第4のバッファーは約6.5~約8.0のpHを有する。
【0157】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;第1のバッファーは、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、第1のバッファーは約6.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、第2のバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、第2のバッファーは約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、第3のバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、第3のバッファーは約8.5のpHを有する。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0158】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;第1の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.5~約6.5のpHを有する;第2の洗浄ステップは、約10~約70mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは、約8.0~約9.0のpHを有する;第3の洗浄ステップは、約10~約70mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約8.0~約9.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の洗浄ステップの前に行われる第4の洗浄ステップをさらに含み、第4の洗浄ステップは、約10~約30mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第4のバッファーは約6.5~約8.0のpHを有する。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0159】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;第1の洗浄ステップは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.5~約6.5のpHを有する;第2の洗浄ステップは、約10~約70mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約8.0~約9.0のpHを有する;および第3の洗浄ステップは、約10~約70mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約8.0~約9.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の洗浄ステップの前に行われる第4の洗浄ステップをさらに含み、第4の洗浄ステップは、約10~約30mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第4のバッファーは約6.5~約8.0のpHを有する。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0160】
いくつかの実施形態では、第1のバッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、第1のバッファーのpHは約6.0である。いくつかの実施形態では、第2のバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、第2のバッファーは約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、第3のバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、第3のバッファーは約8.0のpHを有する。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0161】
さらなる実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;第1の洗浄ステップは、約50~約500mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、約3~約30mMのEDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは、約5.2~約6.8のpHを有する;第2の洗浄ステップは、約30~約200mMのTrisHClまたはアルギニン-HCl、および約75~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;第3の洗浄ステップは、約20~約80mMのアルギニン-HClおよび約50~約60%(w/w)のスクロースを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する。いくつかの実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム;ならびにNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、および酢酸ナトリウムのうちの1つまたは複数の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、塩はNaClである。いくつかの実施形態では、塩の濃度は500mMを超えない。いくつかの実施形態では、塩の濃度は200mMを超えない。いくつかの実施形態では、第3のバッファー中の塩の濃度は500mMを超えない。いくつかの実施形態では、第3のバッファー中の塩の濃度は200mMを超えない。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の洗浄ステップの前に行われる第4の洗浄ステップをさらに含み、第4の洗浄ステップは、約20~約100mMのアルギニン-HClおよび約75~約250mMのNaClを含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第4のバッファーは約7.5~約8.8のpHを有する。これらの洗浄ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの洗浄ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。
【0162】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の溶出ステップの後でかつ第2の溶出ステップの前に行われる洗浄ステップをさらに含み、その洗浄ステップは、約20~約100mMのアルギニン-HClおよび約75~約250mMのNaClを含む第5のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第5のバッファーは約7.5~約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、第2の溶出ステップは、約20~約100mMのアルギニン-HCl、約40~約60%(w/w)のグリセロール、および約500~1000mMの塩(例えば、NaCl)を含む第2の溶出バッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2の溶出バッファーは約7.5~約8.5のpHを有する。
【0163】
追加の洗浄ステップは、第1の溶出ステップと第2の溶出ステップの間のフロンティング効果(fronting effect)を最小化するのに有効である可能性があり、例えば、第1の溶出バッファーと第2の溶出バッファーの混合物により生じ得るフロンティングではなく、第1の溶出バッファーと第2の溶出バッファーそれら自体によってのみ誘発される溶出を提供することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、第5の洗浄ステップおよび第2の溶出ステップの後に行われる第6の洗浄ステップをさらに含み、この洗浄ステップは、約20~約100mMのアルギニン-HClおよび約75~約250mMのNaClを含む第6のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第6のバッファーは約7.5~約8.5のpHを有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの洗浄ステップが行われる;第1の洗浄ステップは、約80~約400mMのBis-Trisと、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを約11:3:3(重量比)の割合で含む約10~約20グラム(g)の溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;第2の洗浄ステップは、約5~約20mmolのクエン酸ナトリウムを含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;第3の洗浄ステップは、約50~約200mMのアルギニン-HCl、約50~約200mMのリジン-HCl、約50~約200mMのヒスチジン-HCl、約1mM~約4mMのN-アセチル-D,L-トリプトファン、および約10%~約40%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する。
【0165】
特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、TrisHClベースのバッファーであり得る第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、酢酸ナトリウム(NaAcetate)ベースのバッファーであり得る第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、EDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%のPEG(例えば、PEG6000)を含む第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、Bis-Trisと、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80を含む第1のバッファーを使用する。これらの溶出ステップの1つまたは複数、あるいはこれらの溶出ステップのすべてが、室温で実施される。特定の実施形態では、第1の溶出ステップは、NaClを含むTrisHClベースのバッファーであり得る第1のバッファーを使用する。
【0166】
特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、TrisHClベースのバッファーであり得る第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、酢酸ナトリウム(NaAcetate)ベースのバッファーであり得る第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、EDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%のPEG(例えば、PEG6000)を含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、Bis-Trisと、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、酢酸ナトリウムおよびポリソルベート80を含む第2のバッファーを使用する。特定の実施形態では、第2の溶出ステップは、TrisHClおよびNaClバッファーを含む第2のバッファーを使用する。
【0167】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0168】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0169】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMの塩、約1~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0~約8.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約30mM~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMの塩、約3~約8%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.5~約7.5で得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMの塩、約4~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約7.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約7.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0170】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約1~約200mMのTrisHCl、約50~約500mMの塩、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0~約8.8であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約5~約50mMのTrisHCl、約75~約250mMの塩、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.5~約8.5であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約30mMのTrisHCl、約140~約160mMの塩、および約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約7.0~約8.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約7.4であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0171】
特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約10%~約75%(w/w)のエチレングリコールを含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約25mM~約100mMのTrisHClおよび約25%~約70%(w/w)のエチレングリコールを含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40mM~約60mMのTrisHClおよび約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含むことができ、pHは約8.0~約8.8であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含むことができ、pHは約8.5であり得る。
【0172】
特定の実施形態では、少なくとも2つの溶出バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0173】
特定の実施形態では、少なくとも2つの溶出バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0174】
特定の実施形態では、少なくとも2つの溶出バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0175】
特定の実施形態では、少なくとも2つの溶出バッファーが使用される。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0176】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの溶出ステップが行われる;少なくとも1つの溶出バッファーは、約50~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含み、pHは約5.2~約6.8である;少なくとも1つの溶出バッファーは、約30~約200mMのTrisHClおよび約75~約500mMの塩を含み、pHは約7.5~約9.2である;および少なくとも1つの溶出バッファーは、約30~約200mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含み、pHは約7.3~約8.8である。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0177】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの溶出ステップが行われる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバッファーは、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、pHは約6.0のである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、pHは約8.5である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバッファーは、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、pHは約8.5である。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0178】
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの溶出ステップが行われる;第1の溶出ステップは、約50~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;第2の溶出ステップは、約30~約200mMのTrisHClおよび約75~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;第3の溶出ステップは、約30~約200mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0179】
いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約5.8~約6.2のpHで、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.09~約0.11%(w/w)のポリソルベート80/Tween 80を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約6.5~約7.5のpHで、約35~70mMのグリシン、5~15mMのヒスチジン、50~200mMのNaCl、3~8%のトレハロース、および0.001~0.005%のCrillet(商標)4を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約8.2~約8.8のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約90~約150mMのNaClを含む。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0180】
いくつかの実施形態では、第1の溶出バッファーは、約5.8~約6.2のpHで、約90~約110mMの酢酸ナトリウム、および約0.09~約0.11%(w/w)のポリソルベート80/Tween 80を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶出バッファーは、約6.5~約7.5のpHで、約35~70mMのグリシン、5~15mMのヒスチジン、50~200mMのNaCl、3~8%のトレハロース、および0.001~0.005%のCrillet(商標)4を含む。いくつかの実施形態では、第3の溶出バッファーは、約8.2~約8.8のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約90~約150mMのNaClを含む。特定の実施形態では、溶出ステップは、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0181】
いくつかの実施形態では、第1の溶出バッファーは、約5.8~約6.2のpHで、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.09~約0.11%(w/w)のポリソルベート80/Tween 80を含み、第2のバッファーは、約8.2~約8.8のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約110~約135mMのNaClを含み、第3のバッファーは、約8.2~約8.8のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約45~約55%のエチレングリコールを含む。特定の実施形態では、約7.2~約7.6のpHで約15~約25mMのTrisHClおよび約135~約165mMのNaClを含む任意選択の第4のバッファーが存在する。特定の実施形態では、溶出バッファーは、約7.8~約8.2のpHで、約45~約55mMのTrisHCl、約45~約55%のエチレングリコール、および約650~約850mMのNaClを含む。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述したように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0182】
いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約7.2~約7.6のpHで、約15~約25mMのTrisHClおよび約135~約165mMのNaClを含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約5.8~約6.2のpHで、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.09~約0.11%(w/w)のポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約8.2~約8.8のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約110~約135mMのNaClを含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約7.5~約8.5のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約45~約55%のエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーの少なくとも1つは、約7.8~約8.2のpHで、約45~約55mMのTrisHCl、約45~約55%のエチレングリコール、および約650~約850mMのNaClを含む。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0183】
いくつかの実施形態では、第1のバッファーは、約7.2~約7.6のpHで、約15~約25mMのTrisHClおよび約135~約165mMのNaClを含み、第2のバッファーは、約5.8~約6.2のpHで、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.09~約0.11%(w/w)のポリソルベート80を含み、第3のバッファーは、約8.2~約8.8のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約110~約135mMのNaClを含み、第4のバッファーは約7.5~約8.5のpHで、約45~約55mMのTrisHClおよび約45~約55%のエチレングリコールを含み、第5の溶出バッファーは、約7.8~約8.2のpHで、約45~約55mMのTrisHCl、約45~約55%のエチレングリコールおよび約650~約850mMのNaClを含む。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0184】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0185】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0186】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約8.8であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0187】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは、室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0188】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0189】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0190】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約8.8であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0191】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはこれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0192】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0193】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0194】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約8.8であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0195】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0196】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0197】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0198】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0199】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0200】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述したように、1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0201】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0202】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0203】
特定の実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0204】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0205】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0206】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5のpHであり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0207】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップは、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0208】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0209】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0210】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0211】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0212】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.0~約7.4であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含むことができ、pHは約7.5~約9.2であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0213】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約7.0であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0214】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約5.5~約6.5であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含むことができ、pHは約8.0~約9.0であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0215】
特定の実施形態では、第1および第3の洗浄バッファーは、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含むことができ、pHは約6.0であり得る。特定の実施形態では、第2および第4の洗浄バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、第1の溶出バッファーは、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含むことができ、pHは約8.5であり得る。特定の実施形態では、塩は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム(C2H3NaO2)、(NH4)2SO4、NH4Cl、Na2SO4、K2SO4、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、塩はNaClである。特定の実施形態では、洗浄ステップは室温で行われる。特定の実施形態では、溶出ステップ(複数可)は、18℃未満(例えば、上述のように1℃~12℃の間、または2℃~8℃の間)で行われる。
【0216】
洗浄および/または溶出バッファーの追加例は国際公開第2019133677号に記載されており、すべての意図された目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0217】
樹脂
いくつかの実施形態では、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVxである。
【0218】
いくつかの実施形態では、AAVはAAV8であり、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8である。いくつかの実施形態では、AAVはAAV9であり、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9である。いくつかの実施形態では、AAVはAAV9であり、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVxである。
【0219】
いくつかの実施形態では、AAVはAAV8であり、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8であり、溶出バッファーは酸性でありかつエチレングリコールを含まない。いくつかの実施形態では、AAVはAAV9であり、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9であり、溶出バッファーは酸性でありかつエチレングリコールを含まない。いくつかの実施形態では、AAVはAAV9であり、アフィニティ樹脂はPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVxであり、溶出バッファーは酸性でありかつエチレングリコールを含まない。
【0220】
いくつかの実施形態では、AAVはAAV8であり、アフィニティ樹脂は、クロマトグラフィーマトリックスに固定化されたADK8またはADK8/9のタイプからの固定化されたAAV8に対するモノクローナル抗体からなるイムノアフィニティ樹脂である。いくつかの実施形態では、AAVはAAV9であり、アフィニティ樹脂は、クロマトグラフィーマトリックスに固定化されたADK9またはADK8/9のタイプからの固定化されたAAV9に対するモノクローナル抗体からなるイムノアフィニティ樹脂である。
【0221】
rAAV粒子の供給源
本開示の方法に関して、AAVは任意のAAV血清型のものであり得る。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法によって精製されるAAVは、AAV1血清型、AAV2血清型、AAV3血清型、AAV4血清型、AAV5血清型、AAV6血清型、AAV7血清型、AAV8血清型、AAV9血清型、AAV10血清型、AAV11血清型、AAV12血清型、AAV13血清型、AAAV血清型、BAAV血清型、AAV(VR-195)血清型、およびAAV(VR-355)血清型、またはキメラAAVベクターのものである。特定の実施形態では、AAVは野生型である。
【0222】
特定の実施形態では、AAVは、AAV5血清型である。特定の実施形態では、AAVは、AAV9血清型である。特定の実施形態では、AAVは、遺伝子工学によって改変されており、および/または化学修飾されている。特定の実施形態では、AAVは、改変されたカプシド、例えば、遺伝子工学的に改変されたAAVカプシドまたは化学修飾されたAAVカプシドを含む。特定の実施形態では、AAVベクターは、配列番号1の配列を含むVP1を含む。特定の実施形態では、AAVベクターは、配列番号2の配列を含むVP2を含む。特定の実施形態では、AAVベクターは、配列番号3の配列を含むVP3を含む。
【0223】
一部の実施形態では、AAVは、遺伝子工学的に改変されており、および/または化学修飾されている。特定の実施形態では、AAVは、遺伝子改変および/または化学修飾されている。特定の実施形態では、AAVは遺伝子改変されている。特定の実施形態では、AAVは化学修飾されている。
【0224】
特定の実施形態では、AAVは、遺伝子治療適用のために、受容体利用、抗原性、導入効率および/または組織向性(tropism)が変更されたAAVベクターを作製するように遺伝子改変されている。特定の実施形態では、AAVは、ペプチドリガンド、抗体、抗体フラグメント、MHC、および/または受容体をウイルスカプシドに挿入するように遺伝子改変されてもよい。特定の実施形態では、AAVは、ウイルスカプシドを標識するためのペプチドを挿入するように遺伝子改変されてもよい。可能な改変の非限定的な例は、Buning H., Bolyard C.M., Hallek M., Bartlett J.S. (2012) Modification and Labeling of AAV Vector Particles. In: Snyder R., Moullier P. (eds) Adeno-Associated Virus. Methods in Molecular Biology (Methods and Protocols), vol 807. Humana Pressに記載されており、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0225】
ある実施形態では、AAVはAAVベクターの組織向性を変化させるように化学修飾されている。例えば、特定のアミノ酸側鎖を標的とすることができる化学選択的反応を利用して、AAVカプシド上の受容体結合ドメイン内の電荷、極性、疎水性および水素結合ポテンシャルを変化させることができる。AAVカプシド表面上の特定の受容体メイクアップを変更するこのような能力は、組織向性が変更された合成ベクターの作製を可能にする。特定の実施形態では、化学修飾されたAAVベクターは、化学修飾されたAAVベクターの変更された受容体利用(receptor usage)、抗原性、導入効率および/または組織向性のを示すことができる。可能な修飾の非限定的な例は、Buning H., Bolyard C.M., Hallek M., Bartlett J.S. (2012) Modification and Labeling of AAV Vector Particles. In: Snyder R., Moullier P. (eds) Adeno-Associated Virus. Methods in Molecular Biology (Methods and Protocols), vol 807. Humana Pressに記載されており、すべての目的のために、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0226】
特定の実施形態では、AAV画分は、トランスフェクトされた宿主細胞によって産生されたAAV画分を表す。特定の実施形態では、AAV画分は、トリプルプラスミドシステムでトランスフェクトされた宿主細胞を含む細胞培養物から収穫(ハーベスト)された上清を表し、このシステムの1つのプラスミドは目的の遺伝子またはcDNAを含み、1つのプラスミドはカプシドタンパク質VP1、カプシドタンパク質VP2および/またはカプシドタンパク質VP3をコードする。特定の実施形態では、VP1、VP2、および/またはVP3は、AAV8 VP1、AAV8 VP2、および/またはAAV8 VP3である。特定の実施形態では、VP1、VP2、および/またはVP3は、AAV9 VP1、AAV9 VP2、および/またはAAV9 VP3である。rAAV製造の目的のためのトリプルプラスミドトランスフェクションは、当技術分野で知られている。例えば、Qu et al., 2015, supra, and Mizukami et al., "A Protocol for AAV vector production and purification." PhD dissertation, Division of Genetic Therapeutics, Center for Molecular Medicine, 1998; and Kotin et al., Hum Mol Genet 20(R1): R2-R6 (2011)に記載されている。特定の実施形態では、トランスフェクションは、無機化合物(例えばリン酸カルシウム)、または有機化合物、ポリエチレンイミン(PEI)を用いて、あるいは非化学的手段、例えばエレクトロポレーションを用いて実施することができる。特定の実施形態では、宿主細胞は付着性細胞である。特定の実施形態では、宿主細胞は浮遊細胞である。特定の実施形態では、宿主細胞は、HEK293細胞またはSf9細胞である。特定の実施形態では、細胞培養は、血清およびタンパク質を含まない培養液を含む。特定の実施形態では、培地は、化学的に定義されており、動物由来の成分(例えば、加水分解物)を含まない。特定の実施形態では、rAAV粒子を含む画分は、トリプルプラスミドシステムでトランスフェクトされたHEK293細胞を含む画分を表す。特定の実施形態では、rAAV粒子を含む画分は、米国仮出願第62/417,775号および国際公開第2018128688号に記載されており、それらは、すべての意図された目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0227】
宿主細胞(例えば、HEK293細胞)を培養してAAV粒子(例えば、AAV8、AAV9など)を生成し、清澄な無細胞培養上清を濃縮および/またはろ過した後、ウイルス粒子をアフィニティーマトリックスにロードする。特定の実施形態では、ウイルス粒子は、約7.4~約7.8の範囲のpHを有する溶液中でロードされる。特定の実施形態では、ウイルス粒子は、約8.3~約8.7の範囲のpHを有する溶液中でロードされる。特定の実施形態では、ウイルス粒子は、約8.5のpHを有する溶液中でロードされる。特定の実施形態では、pHは8.3~8.7であり、溶液はNaClおよびTrisHClを含む。特定の実施形態では、ウイルス粒子は、約20mMのTrisHClおよび約150mMのNaClを含み、約8.5のpHを有する溶液中でロードされる。
【0228】
追加のステップおよび考慮事項
本開示の方法は、本明細書に記載されたステップの任意の組み合わせを含み、任意選択で1つまたは複数の追加のステップと組み合わせてもよい。したがって、例示的な態様では、本開示の方法は、本明細書に記載のトリプルプラスミドシステムで宿主細胞をトランスフェクションするステップをさらに含む。例示的な態様では、本開示の方法は、トリプルプラスミドシステムでトランスフェクトされた宿主細胞、例えばHEK293細胞を含む細胞培養物から上清を収穫することを含む。例示的な態様では、トランスフェクションおよび収穫(ハーベスト)ステップは、本明細書に記載の超遠心分離ステップの前に行われる。
【0229】
本開示の方法は、さらに他の追加のステップを含んでいてもよく、これらのステップは、AAVの純度をさらに高め、他の不要な成分を除去し、および/または画分を濃縮し、および/または後続のステップのために画分を調整することができる。
【0230】
特定の実施形態では、上記の洗浄ステップの前に、任意選択の再平衡化ステップが行われる
【0231】
特定の実施形態では、宿主細胞産生からのAAV含有溶液をアフィニティ精製する前に、複雑な酸性タンパク質構造および宿主細胞DNAの1つまたは複数を除去するために、予備精製(pre-purification)を行うことができる。予備精製は、フロースルーモードの陰イオン交換によって行われ得る。予備精製ステップは、本明細書に記載されるアフィニティ精製方法のいずれかの前に行われ得る。このようなAAV含有溶液の予備精製によって、以下の1つまたは複数が除去され得る:ヒストン(例えば、ヒストンH2Aタイプ1、ヒストンH2Bタイプ1-B、ヒストンH4、ヒストンH1.4)、60Sリボソームタンパク質(例えば、60Sリボソームタンパク質L27、60Sリボソームタンパク質L6、および60Sリボソームタンパク質L30)、細胞質アクチン(例えば、細胞質アクチン1)、チューブリン(例えば、チューブリンβ-2A鎖)、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質C、Rep68タンパク質、HEK293ラミニン受容体37kDa形態(LamR 37kDa)、ATP依存性分子シャペロンHSC82。
【0232】
特定の実施形態では、追加のステップは超遠心分離ステップであり得る。
【0233】
例示的な態様において、本方法は、デプスろ過(depth filtration)ステップを含む。例示的な態様において、本方法は、トランスフェクトされたHEK293細胞の培養上清の画分を、セルロースおよびパーライトを含みかつ約500L/m2の最小透過率を有するフィルターを用いてデプスろ過にかけることを含む。例示的な態様では、本方法は、約0.2μmの最小孔径を有するフィルターを使用することをさらに含む。例示的な態様では、デプスろ過に続いて、約0.2μmの最小孔径を有するフィルターを通したろ過が行われる。例示的な態様では、デプスフィルターと最小孔径が約0.2μmのフィルターの一方または両方を洗浄し、その洗浄液を回収する。例示的な態様では、洗浄液を一緒にプールし、デプスフィルターおよび最小孔径が約0.2μmのフィルターでのろ過で得られたろ液と合わせる。
【0234】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV含有溶液をアフィニティ樹脂にロードする前に、AAV含有溶液を陰イオン交換体と接触させ、そして陰イオン交換体からAAV含有溶液を溶出させることをさらに含む。陰イオン交換体は、フロースルーモードで操作され得る。
【0235】
例示的な態様において、本開示の方法は、1つまたは複数のクロマトグラフィーステップを含む。例示的な態様において、本方法は、不要な成分がクロマトグラフィー樹脂に結合し、所望のAAVがクロマトグラフィー樹脂に結合しない、ネガティブクロマトグラフィーステップを含む。例示的な態様では、方法は、ネガティブ陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィーステップ、または「非結合モード」でのAEXクロマトグラフィーステップを含む。「非結合モード」の利点として、手順を実行するのが比較的容易であること、およびその後のアッセイを行うのが容易であることが挙げられる。
【0236】
したがって、例示的な実施形態では、AAV粒子を精製する方法は、AAVがAEXクロマトグラフィーカラムまたはメンブレン(膜)をフロースルー(通過)できる条件下で、AEXクロマトグラフィーカラムまたはメンブレンに画分をアプライし、AAV粒子を回収することにより、AAV粒子を含む画分に対してネガティブ陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィーを行うことを含む。例示的な態様では、画分は、約100mM~約150mMの塩(例えばNaCl)を含むローディングバッファーを用いて、AEXクロマトグラフィーカラムまたはメンブレンにアプライされされ、任意選択で、ローディングバッファーのpHは約8~約9である。例示的な態様では、ローディングバッファーは、約115mM~約130mMの塩、例えばNaClを含み、任意選択で、ローディングバッファーは、約120mM~約125mMの塩、例えばNaClを含む。例示的な態様では、ネガティブAEXステップは、本明細書に記載されている超遠心分離ステップの前に行われる。
【0237】
例示的な態様において、本開示の方法は、限外ろ過/透析ろ過システムを用いてAAV画分を濃縮することを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、1つまたは複数のタンジェンシャルフローろ過(TFF)ステップを含む。例示的な態様において、AAV画分は、限外ろ過/透析ろ過を受ける。例示的な態様において、AAV画分は、ネガティブAEXクロマトグラフィーを行うことを含むステップの前、ネガティブAEXクロマトグラフィーを行うことを含むステップの後、またはネガティブAEXクロマトグラフィーを行うことを含むステップの前後に、限外ろ過/透析ろ過を用いて濃縮される。例示的な態様では、TFFステップは、本明細書に記載の超遠心分離ステップの前に行われる。
【0238】
エンベロープウイルスの不活性化は、例えば、Baculoトランスフェクションシステムが使用される場合に、特に重要となり得る。例示的な態様において、本開示の方法は、rAAV粒子を含む画分をろ過して、画分中のrAAV粒子よりも大きいサイズのウイルスを除去することを含む。
【0239】
理論に拘束されることを望まないが、エチレングリコール単独で、または別の添加剤と組み合わせて、このような脂質エンベロープウイルスを不活性化することができる。例示的な添加剤には、非イオン性デタージェント、脂肪族薬剤(例えば、TnBP)、およびデタージェント(例えば、ポリソルベート(例えば、Tween)、Triton X100、TnBP)が含まれる。例えば、溶媒-デタージェント混合物は、1%のTriton X100、0.3%のトリ-n-ブチルホスフェート(またはリン酸トリブチル)、および0.3%のTWEEN(登録商標)80を含むことができる。
【0240】
以下の表1にまとめたように、脂質エンベロープウイルスの「カラム上」での不活性化を、様々なアフィニティークロマトグラフィの実施で試験することができる。
【表1】
【0241】
DMSO含有バッファーWash Xバッファーは、中性に近いpH(例えばpH8.0)で、CaptureSelect AAV8樹脂において、AAV9の溶出を誘発するのに有効であり得るが、AAV8の溶出についてはそうではなく、これは意外な結果であった。DMSO含有バッファーWash Xバッファーは、中性に近いpH(例えばpH8.0)で、CaptureSelect AAVx樹脂において、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAAV、BAAV、AAV(VR-195)、およびAAV(VR-355)を含むがこれらに限定されない様々なAAVの溶出を誘発するのに有効であり得、これは驚くべき結果であった。特定の実施形態では、AAVはAAV5血清型のものである。特定の実施形態では、AAVは、AAV6血清型のものである。特定の実施形態では、AAVはAAV8血清型のものである。特定の実施形態では、AAVはAAV9血清型のものである。
【0242】
理論に縛られるつもりはないが、Wash Xバッファーは、カラムを洗浄するおよび/または脂質エンベロープウイルスを不活性化または崩壊させる活性を有することが期待される。Wash XバッファーがAAV9とAAV8を差別的に溶出させることは全く予測されなかった。
【0243】
例示的な態様では、本開示の方法は、1つまたは複数の品質管理ステップ、例えば、プロセスの1つまたは複数のステップの後(例えば、各ステップの後)に、得られたAAV画分の効力または比活性を測定するステップを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、AAVに特異的なELISAを含む。例示的な態様において、ELISAは、サンドイッチELISAである。例示的な態様において、サンドイッチELISAは、AAVエピトープに特異的な抗体を含む。例示的な態様では、AAVエピトープは、会合した(assembled)AAVカプシド上に存在するコンフォメーションエピトープである。本明細書で述べたように、ELISAは、AAV画分の効力を決定する方法として、qPCRに置き換わることができる。例示的な態様において、本開示の方法は、AAV特異的ELISAを介してAAV画分を検査することを含み、本方法は、定量的PCRを介して効力を測定する方法を含まない。例示的な態様では、AAV画分中のカプシドの大部分が完全カプシドであることから、AAV特異的ELISAは、AAV画分の効力に関する代表的な読み出しを提供するのに十分である。
【0244】
例示的な態様では、本開示の方法は、本開示のステップの1つまたは複数の後に、AAVに特異的なELISAを行うことを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、デプスろ過後に得られたAAV画分を、AAV特異的ELISAを介して検査して、その画分中のAAVの比活性(specific activity)を決定することを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、限外ろ過/透析ろ過システムを用いてAAV画分を濃縮した後に得られたAAV画分を、AAV特異的ELISAを介して検査し、その画分中のAAVの比活性を決定することを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、タンジェンシャルフローろ過(TFF)ステップの後に得られたAAV画分を、AAV特異的ELISAを介して検査して、その画分中のAAVの比活性を決定することを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、ネガティブ陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィーの後に得られたAAV画分を、AAV特異的ELISAを介して検査して、その画分中のAAVの比活性を決定することを含む。例示的な態様において、本開示の方法は、ポリッシングステップの後に得られたAAV画分を、AAV特異的ELISAを介して検査して、その画分中のAAVの比活性を決定することを含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、本方法は、AAV含有溶液を、AAV含有溶液から酸性の荷電汚染物質を除去するのに有効な正荷電基を含むフィルターと接触させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、35nmより大きいウイルスを除去するためにAAV画分をナノろ過することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、陽イオン交換クロマトグラフィーを行うことを含むポリッシングステップをさらに含む。カチオン交換クロマトグラフィーで使用するための例示的な媒体には、Capto(商標)S、Eshmuno(登録商標)S、およびFractogel(登録商標)SO3が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本方法は、AAV特異的ELISA、例えばAAV8に特異的なもの、またはAAV9に特異的なものを介して、AAV画分を検査することをさらに含む。AAV特異的ELISAは、AAV、例えば、AAV8またはAAV9に特異的なサンドイッチELISAであり得る。
【0246】
AAV生成物
別の態様では、本明細書に記載の任意の方法によって製造されたAAV生成物が提供される。
【0247】
本開示の方法によって製造されたAAV生成物が本明細書でさらに提供される。例示的な態様では、AAV生成物は、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造された少なくとも約1012個のウイルス粒子(vp)、または約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造された少なくとも約1013個のウイルス粒子(vp)を含む。例示的な態様では、AAV生成物は、導入遺伝子プラスミドを含まないrep-capおよびAdヘルパープラスミドをトランスフェクトすることによって製造された空のカプシドである。精製された空のプラスミドは、患者の血液からAAV抗原に特異的な抗体を枯渇または除去するために使用することができる。
【0248】
例示的な態様では、本開示のAAV生成物は、高純度で、高効力であり、ヒトでの臨床使用に適している。例示的な態様では、AAV生成物は、均質な集団でかつ高純度のAAV粒子を含む。例示的な態様において、AAV生成物は完全長のベクターDNAを含む。例示的な実施形態では、AAV生成物は、不要な汚染物質を実質的に含まず、そのような汚染物質には、切断されたまたは不完全なベクターDNAを含むAAV粒子、不完全なタンパク質組成およびオリゴマー化された構造を有するAAV粒子、または汚染ウイルス、例えば、非AAVウイルス、脂質エンベロープウイルスが含まれるが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、AAV生成物は、目的タンパク質のコードcDNAを大量に含む。例示的な態様では、本開示のAAV生成物は、ヒトへの投与に適している。例示的な態様において、AAV生成物は無菌であり、および/またはGMP(Good Manufacturing Practice)グレードである。例示的な態様において、AAV製剤は、遺伝子治療用医薬品に関する米国薬局方第1046章または欧州薬局方に定められた要件に適合するか、または米国食品医薬品局(USFDA)もしくは欧州医薬品庁(EMA)によって義務付けられた要件に適合する。例示的な態様では、AAV生成物は、処理や取り扱いをほとんどまたは全くしないでヒトに直接投与するためのすぐに使用できる(ready-to-use)生成物である。
【0249】
本発明の方法に関して、AAV画分は、例示的な態様では濃縮AAV画分である。特定の実施形態では、AAV画分は、1mLあたり少なくとも1×1010、1×1011または1×1012個のAAVカプシドを含む。特定の実施形態では、AAV画分は、1mLあたり少なくとも1×1012個のAAVカプシドを含む。AAVカプシドは、空のAAVカプシドおよび完全AAVカプシドを含み得る。特定の実施形態では、AAV画分は、空のAAVおよび/または過搭載のAAVカプシドよりも多くの完全AAVカプシドを含む。
【0250】
特定の実施形態では、溶出ステップから溶出されるAAVカプシドの少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が完全AAVカプシドである。
【0251】
特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順で得られるものよりも、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順で得られるものよりも、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、少なくとも約6%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、少なくとも約10%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、少なくとも約20%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、約6%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVを製造および精製する方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、約10%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVを製造および精製する方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、約16%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも約20%多い完全カプシドを含む製品をもたらす。
【0252】
様々な実施形態において、本明細書に記載された精製ステップの後で、重量/体積としてITR-qPCRアッセイによって測定されたAAV、例えばAAV9の収率は、洗浄ステップを行わない比較手順によって得られるものよりも、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、または65%高い。
【0253】
様々な実施形態において、本明細書に記載された精製ステップの後で、重量/重量としてITR-qPCRアッセイによって測定されたAAV、例えばAAV9の収率は、洗浄ステップを行わない比較手順によって得られるものよりも、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、または65%高い。
【0254】
有利には、本方法は、大量の出発材料(例えば、細胞培養物)に拡大可能である。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、少なくともまたは約500L、少なくともまたは約600L、少なくともまたは約700L、少なくともまたは約800L、少なくともまたは約900L、あるいは少なくともまたは約1000Lの体積からAAVを精製することができる大規模な方法である。特定の実施形態では、本方法は、少なくともまたは約1250L、少なくともまたは約1500L、少なくともまたは約2000L、少なくとも約2500L、少なくとも約3000L、少なくとも約4000L、少なくとも約5000L、少なくとも約6000L、少なくとも約7000L、少なくとも約8000L、少なくとも約9000L、少なくとも約10000L、あるいはそれ以上の出発材料(例えば、細胞培養物)の最小体積まで拡大可能である。例えば、本方法は、約1000L、または約10,000L、または25,000Lまたはそれ以上の、AAVを生成する細胞培養物の最小体積で実施される。
【0255】
本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、高タイターのAAV生成物をもたらすことからも有利である。特定の実施形態では、少なくとも約1010のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1011のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1012のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1013のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1014のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1015のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1016のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約1017のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約2×1016のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。特定の実施形態では、少なくとも約5×1017のウイルス粒子(vp)を含むAAV生成物が、約1000Lの出発材料(例えば、細胞培養物)から製造される。
【0256】
本明細書に記載の方法の別の利点は、その方法によって高純度のAAV生成物が得られることである。特定の実施形態では、本開示の方法によって製造されるAAV生成物は、以下の1つまたは複数の汚染物質を実質的に含まない:宿主細胞タンパク質、宿主細胞核酸(例えば、遊離の宿主細胞DNAおよび遊離のプラスミドDNA)、プラスミドDNA、空のウイルスカプシド、熱ショックタンパク質70(HSP70)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、プロテアソーム、汚染非AAVウイルス(例えば、脂質エンベロープウイルス)、宿主細胞培養成分(例えば、抗生物質)、マイコプラズマ、パイロジェン、細菌性エンドトキシン、細胞破片(例えば、膜脂質、タンパク質および他の生物学的高分子から構成される破片)、ならびに外来性汚染物質(adventitious agent)。AAVが本明細書に記載のAAVを製造および精製する方法に従って精製される際に、以下の不純物の1つまたは複数あるいは全てが検出不可能であり得る:ヒストンH2Aタイプ1、ヒストンH2Bタイプ1-B、ヒストンH4、熱ショック70kDaタンパク質1A、ピルビン酸キナーゼPKM、伸長因子2、ATP-クエン酸シンターゼ、ヒストンH1.4、免疫グロブリン重鎖定常ガンマ1(酸性溶出方法からの固定化リガンド)、60Sリボソームタンパク質L27、フルクトース-ビスホスフェートアルドラーゼA、熱ショック同族71kDaタンパク質、細胞質アクチン1、S-ホルミルグルタチオンヒドロラーゼ、アスパラギンシンテターゼ(グルタミン加水分解)、L-乳酸デヒドロゲナーゼB鎖、チューブリンベータ-2A鎖、X染色体RNA結合モチーフタンパク質、60Sリボソームタンパク質L6、細胞質スレオニンtRNAリガーゼ、免疫グロブリンカッパ定常、60Sリボソームタンパク質L30、WDリピート含有タンパク質1、アデノシルホモシステイナーゼ、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質C、タンパク質Rep68、チメット(thimet)オリゴペプチダーゼ、D-3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ、ATP依存性分子シャペロンHSC82。また、本明細書に記載の陰イオンAAVを製造および精製する方法にしたがい、洗浄ステップの前に陰イオン交換ステップを加えることで、以下のものを検出できなくすることができる:ヒストンH1.4、60Sリボソームタンパク質L27、細胞質アクチン1、チューブリンβ-2A鎖、60Sリボソームタンパク質L6、60Sリボソームタンパク質L30、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質C、タンパク質Rep68、およびATP依存性分子シャペロンHSC82。
【0257】
例示的な実施形態では、本開示の方法は、出発材料(例えば、細胞培養物)に見られる汚染物質の少なくともまたは約50%が除去された精製AAV生成物を提供する。例示的な実施形態では、本開示の方法は、出発材料(例えば、細胞培養物)中に見られる汚染物質の少なくともまたは約60%が除去された精製AAV生成物を提供する。例示的な実施形態では、本開示の方法は、出発材料(例えば、細胞培養物)中に見られる汚染物質の少なくともまたは約70%が除去された精製AAV生成物を提供する。例示的な実施形態では、本開示の方法は、出発材料(例えば、細胞培養物)中に見られる汚染物質の少なくともまたは約80%が除去された精製AAV生成物を提供する。例示的な実施形態では、本開示の方法は、出発材料(例えば、細胞培養物)中に見られる汚染物質の少なくともまたは約90%が除去された精製AAV生成物を提供する。
【0258】
特定の実施形態において、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルを使用しない比較手順で得られるものよりも、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96.0%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97.0%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98.0%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%多く、タンパク質不純物(例えば、宿主細胞(HC)不純物)を含む不純物の数を減少させる。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、≦99.9%の不純物レベルを有する。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、≦99.0%の不純物レベルを有する。
【0259】
特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96.0%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97.0%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98.0%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%の純度の製品をもたらす。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、99.9%以上の純度レベルを有する。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、99.0%以上の純度レベルを有する。
【0260】
特定の実施形態では、本明細書に記載のAAVの製造および精製方法は、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順で得られるものよりも、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96.0%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97.0%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98.0%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%純度が高い。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られるものよりも、99.9%以上高い純度レベルを有する。いくつかの実施形態では、溶出ステップから得られたAAVは、同じ洗浄プロトコルおよび低温での溶出を行わない比較手順によって得られたものよりも、99.0%以上高い純度レベルを有する。
【0261】
特定の実施形態では、本開示の方法により製造されたAAV生成物は、ヒトへの投与に適している。特定の実施形態では、AAVは、組換えAAV(rAAV)である。特定の実施形態では、本開示の方法により製造されたAAV生成物は、無菌および/またはGMP(Good Manufacturing Practice)グレードのものである。特定の実施形態では、本開示の方法により製造されたAAV生成物は、遺伝子治療用医薬品に関する米国薬局方第1046章もしくは欧州薬局方に定められた要件、または米国食品医薬品局(USFDA)もしくは欧州医薬品庁(EMA)によって義務付けられた要件に適合する。
【0262】
さらに、本明細書に記載の方法から製造されたAAV生成物は、高い効力を有する。AAV生成物、例えば、AAV8またはAAV9生成物の効力は、(1)マウス血漿1mL当たりの単位(FIXまたはFVIII)として与えられるin vivo生物効力(biopotency)(例えば、マウスにおける活性タンパク質の産生)、または(2)in vitro生物効力によって記載することができる。in vitro生物効力試験は、AAVベクターが細胞(例えばHepG2細胞)に感染する能力を測定し、細胞は目的タンパク質を発現して培地中に分泌し、その量をELISA技術および/または酵素活性によって決定する。in vivoおよびin vitro生物効力を測定する適切な方法は、当技術分野で知られており、本明細書にも記載されている。
【0263】
さらなる実施形態において、本明細書に記載の方法から製造されたAAV生成物は、優れた比活性を示す。AAVの「比活性」は、qPCR/μg AAV8の比で表される。例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法から製造されたAAV生成物は、優れたGOI/μg AAVの比を示し、AAV生成物が大量の「完全」ウイルス粒子を有することを実証する。特定の実施形態では、本開示の方法は、AAV特異的ELISAを介してAAV画分を検査することを含む。特定の実施形態では、AAV画分中のカプシドの大部分が完全カプシドであることから、AAV特異的ELISAは、AAV画分の効力に関する代表的な読み出しを提供するのに十分である。
【0264】
非限定的な実施形態:
1.アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法であって、
(a)AAV含有溶液を、AAVを標的とするアフィニティ樹脂に、室温で、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードするステップ;
(b)室温で、少なくとも1つの洗浄ステップを行うステップ;および
(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出するステップ;
を含む、方法。
【0265】
2.ステップ(c)の温度が1℃~12℃の間である、実施形態1の方法。
【0266】
3.ステップ(c)の温度が2℃~8℃の間である、実施形態1の方法。
【0267】
4.AAV含有溶液をアフィニティ樹脂にロードする前に、AAV含有溶液を陰イオン交換体と接触させること、および陰イオン交換体からAAV含有溶液を溶出させることをさらに含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
5.洗浄ステップの少なくとも1つが、有機溶媒および/またはデタージェントを含むバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
6.バッファーが酢酸ナトリウムを含む、実施形態5に記載の方法。
【0270】
7.バッファーが、TrisHClおよび塩を含む、実施形態5に記載の方法。
【0271】
8.バッファーが、ヒスチジン、ヒスチジン-HCl、アルギニン-HCl、リジン-HCl、グリシン、タウリン、MES-Na、Bis-Tris、およびN-アセチル-D,L-トリプトファンのうちの1つまたは複数を含む、実施形態5に記載の方法0。
【0272】
9.塩がNaClである、実施形態7または8に記載の方法。
【0273】
10.バッファーが塩化マグネシウムを含む、実施形態5に記載の方法0。
【0274】
11.バッファーが、TrisHClおよびエチレングリコールを含む、実施形態5に記載の方法。
【0275】
12.バッファーが、アルギニン-HClと、スクロースおよびグリセロールのうちの1つを含む、実施形態5に記載の方法
【0276】
13.バッファーが、タウリンおよびエチレングリコールを含む、実施形態5に記載の方法。
【0277】
14.バッファーが、アルギニン-HCl、リジン-HCl、およびヒスチジン-HClを含む、実施形態5に記載の方法。
【0278】
15.バッファーが、TrisHClおよびDMSOを含む、実施形態5に記載の方法。
【0279】
16.有機溶媒またはデタージェントが、ポリソルベート80、エチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、DMSO、スクロース、またはトレハロースである、実施形態5に記載の方法0。
【0280】
17.デタージェントが、Triton X100、ポリソルベート80、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)のうちの1つまたは複数を含む、実施形態5に記載の方法0。
【0281】
18.デタージェントがポリソルベート80を含む、実施形態17に記載の方法0。
【0282】
19.バッファーが、約0.05%~約30%(w/w)の有機溶媒またはデタージェントを含む、実施形態5~18のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
20.バッファーが、約0.05%~約0.2%(w/w)の有機溶媒またはデタージェントを含む、実施形態5に記載の方法。
【0284】
21.室温で少なくとも2つの洗浄ステップが行われる、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
22.室温で少なくとも3つの洗浄ステップが行われる、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
23.室温で少なくとも4つの洗浄ステップが行われる、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
24.2つの洗浄ステップが行われる、実施形態21に記載の方法。
【0288】
25.3つの洗浄ステップが行われる、実施形態22に記載の方法。
【0289】
26.4つの洗浄ステップが行われる、実施形態23に記載の方法。
【0290】
27.洗浄ステップが連続して行われる、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
28.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
29.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約25~約100mMのTrisHClおよび約75~約250mMの塩を含む、実施形態28に記載の方法。
【0293】
30.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約40~約60mMのTrisHClおよび約100~約150mMの塩を含む、実施形態29に記載の方法。
【0294】
31.洗浄バッファーが、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8のpHを有する、実施形態28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
32.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施形態31に記載の方法。
【0296】
33.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10~約2000mMの酢酸ナトリウム、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
34.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態33に記載の方法。
【0298】
35.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約90~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態34に記載の方法。
【0299】
36.洗浄バッファーが、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6.5のpHを有する、実施形態33~35のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
37.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施形態36に記載の方法。
【0301】
38.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10~約200mMのTrisHClおよび約10~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施形態1~37のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
39.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約25mM~約100mMのTrisHClおよび約25%~約70%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施形態38に記載の方法。
【0303】
40.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約40mM~約60mMのTrisHClおよび約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施形態39に記載の方法。
【0304】
41.洗浄バッファーが、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8のpHを有する、実施形態の38~40のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
42.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、約8.5のpHを有する、実施形態41に記載の方法。
【0306】
43.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMの塩、約1~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
44.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約30mM~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMの塩、約3~約8%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態43に記載の方法。
【0308】
45.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMの塩、約4~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態44に記載の方法。
【0309】
46.洗浄バッファーが、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4のpHを有する、実施形態43~45のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
47.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100 mMの塩、約5%(w/w)トレハロース、約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.0のpHを有する、実施形態46に記載の方法。
【0311】
48.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約1~約200mMのTrisHCl、約50~約500mMの塩、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
49.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約5~約50mMのTrisHCl、約75~約250mMの塩、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態48に記載の方法。
【0313】
50.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10~約30mMのTrisHCl、約140~約160mMの塩、および約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態49に記載の方法。
【0314】
51.洗浄バッファーが、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0のpHを有する、実施形態48~50のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
52.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約20mMのTrisHClおよび約150mMの塩、ならびに約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.4のpHを有する、実施形態51に記載の方法。
【0316】
53.ステップ(c)が、少なくとも1つの溶出バッファーでAAVを溶出することを含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
54.少なくとも1つの溶出バッファーが、少なくとも1つの洗浄バッファーと同じである、実施形態53に記載の方法。
【0318】
55.少なくとも1つの溶出バッファーが、ステップ(c)でAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである、実施形態54に記載の方法。
【0319】
56.第1の溶出バッファーが、ステップ(c)でAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである、実施形態54に記載の方法。
【0320】
57.少なくとも1つの溶出バッファーが、約10~約200mMのグリシン、約1~約100mMのヒスチジン、約20~約500mMの塩、約1~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態53~56のいずれか1つに記載の方法。
【0321】
58.少なくとも1つの溶出バッファーが、約30~約80mMのグリシン、約5~約20mMのヒスチジン、約50~約200mMの塩、約3~約8%のトレハロース、および約0.001~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態57に記載の方法。
【0322】
59.少なくとも1つの溶出バッファーが、約40~約60mMのグリシン、約5~約15mMのヒスチジン、約90~約110mMの塩、約4~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態58に記載の方法。
【0323】
60.洗浄バッファーが、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4のpHを有する、実施形態57~59のいずれか1つに記載の方法。
【0324】
61.少なくとも1つの溶出バッファーが、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100 mMの塩、約5%(w/w)トレハロース、および約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.0のpHを有する、実施形態60に記載の方法。
【0325】
62.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約1~約200mMのTrisHCl、約50~約500mMの塩、および約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態53~61のいずれか1つに記載の方法。
【0326】
63.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約5~約50mMのTrisHCl、約75~約250mMの塩、および約0.005~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態62に記載の方法。
【0327】
64.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10~約30mMのTrisHCl、約140~約160mMの塩、および約0.05%~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施形態63に記載の方法。
【0328】
65.洗浄バッファーが、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0のpHを有する、実施形態62~64のいずれか1つに記載の方法。
【0329】
66.少なくとも1つの洗浄バッファーが、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.4のpHを有する、実施形態65に記載の方法。
【0330】
67.第1および第3の洗浄ステップが、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2の洗浄ステップが、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0331】
68.第1および第3の洗浄ステップが、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2の洗浄ステップが、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0332】
69.第1および第3の洗浄ステップが、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2および第4の洗浄ステップが、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
70.第1および第3の洗浄ステップが、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2および第4の洗浄ステップが、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0334】
71.第1および第3のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施形態67または69に記載の方法。
【0335】
72.第1および第3のバッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施形態68または70に記載の方法。
【0336】
73.第2のバッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施形態67または69に記載の方法。
【0337】
74.第2のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施形態68または70に記載の方法。
【0338】
75.第4のバッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施形態69に記載の方法。
【0339】
76.第4のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施形態70に記載の方法。
【0340】
77.ステップ(c)が、約10~約200mMのTrisHClおよび約50~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態67または70に記載の方法。
【0341】
78.ステップ(c)が、約10~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施形態68または69に記載の方法。
【0342】
79.バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施形態77に記載の方法。
【0343】
80.バッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施形態78に記載の方法。
【0344】
81.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約50~約500mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、約3~約30mMのEDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含み、約5.2~約6.8のpHを有する、実施形態1~80のいずれか1つに記載の方法。
【0345】
82.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約30~約200mMのTrisHClまたはアルギニン-HCl、および約75~約500mMの塩を含み、約7.5~約9.2のpHを有する、実施形態1~81のいずれか1つに記載の方法。
【0346】
83.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約20~約80mMのアルギニン-HClおよび約50~約200mMの塩を含み、約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~82のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
84.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%(w/w)のPEG(例えば、PEG6000)を含み、約5.2~約6.8のpHを有する、実施形態1~83のいずれか1つに記載の方法。
【0348】
85.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約30~約300mMのグリシンを含み、約7.5~約9.2のpHを有する、実施形態1~84のいずれか1つに記載の方法。
【0349】
86.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約20~約150mMのタウリン、約30~約75%(w/w)のエチレングリコール、および0.05~0.2%のオクチルグリコピラノシドを含み、約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~85のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
87.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約80~約400mMのBis-Trisと、約10~約20グラムの、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを約11:3:3(重量比)の比率で含む溶媒/デタージェント混合物とを含み、約5.2~約6.8のpHを有する、実施形態1~86のいずれか1つに記載の方法。
【0351】
88.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約5~約20mmolのクエン酸ナトリウムを含み、約7.5~約9.2のpHを有する、実施形態1~87のいずれか1つに記載の方法。
【0352】
89.少なくとも1つの洗浄および/または溶出バッファーが、約50mM~約200mMのアルギニン-HCl、約50mM~約200mMのリジン-HCl、約50mM~約200mMのヒスチジン-HCl、および約1mM~約4mMのN-アセチル-D,L-トリプトファン、および約10%~約40%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~88のいずれか1つに記載の方法。
【0353】
90.第1の洗浄ステップが、約50~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約30~約200mMのTrisHClおよび約75~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約30~約200mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0354】
91.第1の洗浄ステップが、約50~約500mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩(MES-Na)と、約3~約30mMのEDTAと、ポリソルベート80、DMSO、およびトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)を含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約30~約200mMのTrisHClまたはアルギニン-HCl、および約75~約500mMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約20~約80mMのアルギニン-HClおよび約50~約200mMの塩を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0355】
92.第1の洗浄ステップが、約50~約200mMのタウリン、および0.2~1.5%(w/w)のPEG(例えば、PEG6000)を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約30~約300mMのグリシンを含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約20~約150mMのタウリン、約30~約75%(w/w)のエチレングリコール、および0.05~0.2%(w/w)のオクチルグリコピラノシドを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0356】
93.第1の洗浄ステップが、約80~約400mMのBis-Trisと、約10~約20gの、Triton-X100、ポリソルベート80およびTNBPを約11:3:3(重量比)の比率で含む溶媒/デタージェント混合物とを含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約5~約20mmolのクエン酸ナトリウムを含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約9.2のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約50~約200mMのアルギニン-HCl、約50~約200mMのリジン-HCl、約50~約200mMのヒスチジン-HCl、および約1mM~約4mMのN-アセチル-D,L-トリプトファン、ならびに約10%~約40%(w/w)のポリソルベート80を含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.3~約8.8のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0357】
94.第1の洗浄ステップが、約50nM~約200mMの酢酸ナトリウム(NaAcetate)および約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約20nM~約100mMのTrisHClおよび約50nM~約200nMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約8.8のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約20mM~100mMのTrisHCl、約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.5~約8.8のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0358】
95.第1の洗浄ステップが、約50nM~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.2~約6.8のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約20nM~約100mMのTrisHClおよび約50nM~約200nMの塩を含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約7.5~約8.8のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約20mM~100mMのTrisHCl、約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約7.5~約8.8のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0359】
96.塩が、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム、ならびにNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsClおよび酢酸ナトリウムのうちの1つまたは複数の組み合わせから選択される、実施形態7、または29~95のいずれか1つに記載の方法。
【0360】
97.塩がNaClである、実施形態96に記載の方法。
【0361】
98.塩の濃度が500mMを超えない、実施形態7、または29~97のいずれか1つに記載の方法。
【0362】
99.塩の濃度が200mMを超えない、実施形態7、または29~97のいずれか1つに記載の方法。
【0363】
100.バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、約8.5のpHを有する、実施形態28~32または67~95のいずれか1つに記載の方法。
【0364】
101.第1の洗浄ステップが、約50~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む第1のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第1のバッファーは約5.5~約6.5のpHを有する;
第2の洗浄ステップが、約10~約70mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第2のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第2のバッファーは約8.0~約9.0のpHを有する;および
第3の洗浄ステップが、約10~約70mMのTrisHClおよび約30~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む第3のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第3のバッファーは約8.0~約9.0のpHを有する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0365】
102.第1の洗浄ステップの前に行われる第4の洗浄ステップをさらに含み、第4の洗浄ステップが、約10~約30mMのTrisHClおよび約75~約250mMのNaClを含む第4のバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、第4のバッファーは約6.5~約8.0のpHを有する、実施形態101に記載の方法。
【0366】
103.第1のバッファーが、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、第1のバッファーが約6.0のpHを有する、実施形態100または102に記載の方法。
【0367】
104.第2のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、第2のバッファーが約8.5のpHを有する、実施形態100~103のいずれか1つに記載の方法。
【0368】
105.第3のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、さらに第3のバッファーが約8.0のpHを有する、実施形態100~104のいずれか1つに記載の方法。
【0369】
106.酸性成分が除去される、実施形態1~105のいずれか1つに記載の方法。
【0370】
107.酸性成分が、HEK293 DNAなどの宿主細胞DNAであり、酸性成分が、qPCRによって測定して、AAV抗原1μgあたり250pg未満の値に低減される、実施形態106に記載の方法。
【0371】
108.酸性成分が、HEK293 DNAなどの宿主細胞DNAであり、酸性成分が、ELISAで測定して、AAV抗原1μgあたり250pg未満の値に低減される、実施形態106に記載の方法。
【0372】
109.溶出が、グラジエント溶出によって溶出バッファーの導電率を連続的に直線的に増加させることを含む、実施形態1~108のいずれか1つに記載の方法。
【0373】
110.溶出が、グラジエント溶出によって有機溶媒の濃度を連続的に直線的に増加させることを含む、実施形態1~109のいずれか1つに記載の方法。
【0374】
111.溶出が、アフィニティ樹脂を、酢酸ナトリウム、グリシン、ヒスチジン、NaCl、および/またはポリソルベート80を含む溶出バッファーと接触させることを含む、実施形態1~110のいずれか1つに記載の方法
【0375】
112.塩濃度が約50~200mMである、実施形態111に記載の方法。
【0376】
113.pHが5.5~9.0である、実施形態111または112に記載の方法。
【0377】
114.溶出が、アフィニティ樹脂を、50~200mMのNaClおよび30~80mMのTrisHClを含む溶出バッファーと接触させることを含む、実施形態111~113のいずれか1つに記載の方法。
【0378】
115.溶出バッファーがpH8.0~9.0である、実施形態114に記載の方法。
【0379】
116.溶出バッファーが、少なくとも約55%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施形態114に記載の方法。
【0380】
117.溶出が、アフィニティ樹脂を、約50~200mMの酢酸ナトリウムおよび0.05%~0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む溶出バッファーと接触させることを含み、溶出バッファーは約5.5~6.5のpHである、実施形態1~116のいずれか1つに記載の方法。
【0381】
118.溶出が、アフィニティ樹脂を、30~80mMのグリシン、5~20mMのヒスチジン、50~200mMのNaCl、3~8%(w/w)トレハロース、および0.001~0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む溶出バッファーと接触させることを含み、溶出バッファーは6.5~7.5のpHである、実施形態1~117のいずれか1つに記載の方法。
【0382】
119.溶出が、
(a)アフィニティ樹脂を、50~200mMの酢酸ナトリウム、0.05%~0.2%(w/w)のポリソルベート80を含み、約5.5~6.5のpHを有する第1の溶出バッファーと接触させること;
(b)アフィニティ樹脂を、30~80mMのグリシン、5~20mMのヒスチジン、50~200mMのNaCl、3~8%(w/w)のトレハロース、および0.001~0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、6.5~7.5のpHを有する第2の溶出バッファーと接触させること;および
(c)アフィニティ樹脂を、50~200mMのNaClおよび30~80mMのTrisHClを含み、8.0~9.0のpHを有する第3の溶出バッファーと接触させること;
をさらに含む、実施形態118に記載の方法。
【0383】
120.ステップが連続して行われる、実施形態1~119のいずれか1つに記載の方法。
【0384】
121.溶出が、アフィニティ樹脂を、約2mMの塩化マグネシウム、約50mMのアルギニン-HCl、約750mM~約1000mMのNaCl、および少なくとも約50%(w/w)のグリセロールを含む溶出バッファーと、少なくとも約8.0のpHで接触させることを含む、実施形態1~120のいずれか1つに記載の方法。
【0385】
122.溶出が、アフィニティ樹脂を、約2mMの塩化マグネシウム、約50mMのタウリン、約600mM~約1000mMのNaCl、約0.05~約0.2%(w/w)のオクチルグリコピラノシド、および約60%(w/w)のエチレングリコールを含む溶出バッファーと、少なくとも約7.8のpHで接触させることを含む、実施形態1~121のいずれか1つに記載の方法。
【0386】
123.溶出が、
(a)アフィニティ樹脂を、約20~約100mMのTris-HClおよび約75~約250mMのNaClを含み、約8.0~約8.8のpHを有する、第5のバッファーと接触させること;および
(b)アフィニティ樹脂を、約1Mの硫酸アンモニウム、約50mMのTris-HCl、および約50%(w/w)のエチレングリコールを含む第2の溶出バッファーと、少なくとも約6.8のpHで接触させること;
をさらに含む、実施形態122に記載の方法。
【0387】
124.ステップが連続して行われる、実施形態123に記載の方法。
【0388】
125.溶出が、アフィニティ樹脂を、約1Mの硫酸アンモニウム、約50mMのTris-HCl、および約50%(w/w)のエチレングリコールを含む溶出バッファーと、少なくとも約6.8のpHで接触させることを含む、実施形態1~124のいずれか1つに記載の方法。
【0389】
126.溶出が、アフィニティ樹脂を、約20%(w/w)のスクロースと、約10%(w/w)のソルビトールと、約5%(w/w)のマンニトールまたは約5%(w/w)のスクロースと、約15%(w/w)のグリセロールと、約50mMのヒスチジンと、約750~約1000mMのNaClとを含む溶出バッファーに、少なくとも約7.8のpHで接触させることを含む、実施形態1~125のいずれか1つに記載の方法。
【0390】
127.溶出が、
(a)アフィニティ樹脂を、約20~約100mMのヒスチジン、約80~約120mMのNaClを含み、約8.0~約8.8のpHを有する第5のバッファーと接触させること;および
(b)アフィニティ樹脂を、約20~約100mMのヒスチジン、約600~約900mMのNaCl、および約5~60%(w/w)のDMSOを含み、約6.5~約8.5のpHを有する第2の溶出バッファーと接触させること;
をさらに含む、実施形態126に記載の方法。
【0391】
128.ステップが連続して行われる、実施形態127に記載の方法。
【0392】
129.溶出が、アフィニティ樹脂を、約100mMのグリシン-HCl、約200mMのNaClを含む溶出バッファーと、約2.5のpHで接触させることを含む、実施形態1~128のいずれか1つに記載の方法。
【0393】
130.溶出バッファーがpH約8.0である、実施形態109~129のいずれか1つに記載の方法。
【0394】
131.溶出バッファーがpH8.0である、実施形態109~129のいずれか1つに記載の方法。
【0395】
132.溶出が、対イオンの濃度を段階的に増加させることを含む、実施形態109~131のいずれか1つに記載の方法。
【0396】
133.溶出が、有機溶媒の濃度を段階的に増加させることを含む、実施形態109~132のいずれか1つに記載の方法。
【0397】
134.溶出バッファー中の塩が、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、およびクエン酸塩などの一価、二価、または多価の陰イオンから選択される、実施形態1~133のいずれか1つに記載の方法。
【0398】
135.0から100%(w/w)の20~50 mMの塩酸/0.5~2.0 mMの塩酸中の800~1200mMのNaClのグラジエントを適用することにより溶出することをさらに含む、実施形態1~134のいずれか1つに記載の方法。
【0399】
136.溶出ステップから得られるAAVが、≦99.9%のHC不純物レベルを有する、実施形態1~135のいずれか1つに記載の方法。
【0400】
137.溶出ステップから得られるAAVが、≦99.0%のHC不純物レベルを有する、実施形態1~136のいずれか1つに記載の方法。
【0401】
138.溶出ステップから得られるAAVが、99.0%以上の純度レベルを有する、実施形態1~137のいずれか1項に記載の方法。
【0402】
139.溶出ステップから得られるAAVが99.9%以上の純度を有する、実施形態1~138のいずれか1つに記載の方法。
【0403】
140.溶出ステップ(c)から溶出されるAAVカプシドの少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%が完全AAVカプシドである、実施形態1~139のいずれか1つに記載の方法。
【0404】
141.アフィニティ樹脂がAAVx樹脂である、実施形態1~140のいずれか1つに記載の方法。
【0405】
142.AAVがAAV9である、実施形態1~141のいずれか1つに記載の方法。
【0406】
143.AAV9が、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3の配列を含むペプチドを含む、実施形態142に記載の方法。
【0407】
144.AAV含有溶液を、該AAV含有溶液から酸性の荷電汚染物質を枯渇させるのに有効な正荷電基を含むフィルターと接触させることをさらに含む、実施形態1~143のいずれか1つに記載の方法。
【0408】
145.AAV画分をナノろ過して35nmより大きいウイルスを除去することをさらに含む、実施形態1~144のいずれか1つに記載の方法。
【0409】
146.カチオン交換クロマトグラフィーを行うことを含むポリッシングステップをさらに含む、実施形態1~145のいずれか1つに記載の方法。
【0410】
147.AAV特異的ELISAを介してAAV画分を検査することをさらに含む、実施形態1~146のいずれか1つに記載の方法。
【0411】
148.AAV特異的ELISAが、AAVに特異的なサンドイッチELISAである、実施形態147に記載の方法。
【0412】
149.実施形態1~148のいずれか1つに記載の方法により製造されたAAV生成物。
【0413】
以下の実施例は、単に本発明を説明するために与えられたものであり、決してその範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0414】
以下の実施例は、HEK293細胞株をトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションして、目的タンパク質をコードする核酸を含むrAAV粒子を製造する例示的な方法を説明する。
【0415】
付着性のHEK293細胞を、例えば、すべての意図された目的のために参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018128688号の段落[00146]~[00150]に記載されているように、化学的に定義され、動物由来の成分、タンパク質および血清を含まない市販の培養液中において、懸濁状態で培養した。細胞を以下の3つのプラスミドでトランスフェクトした:(1)増殖性のAAV感染に不可欠なヘルパーウイルス機能を提供するヘルパープラスミド、(2)ウイルスのカプシド生成、複製、およびパッケージングに関するすべての情報を運ぶrepcapプラスミド、(3)得られるrAAV粒子にパッケージングされる目的の遺伝子(GOI)を含むプラスミド。GOIのサイズは2.6~3.0kBであった。目的の遺伝子を担持するrAAV粒子は、トランスフェクション後3~5日の期間にわたりHEK293細胞株中にある。
【0416】
トランスフェクトされたHEK293細胞培養物の上清を、例えば、すべての意図された目的のために参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018128688号の段落[00151]~[00155]、表1および表2に記載されているように収穫した。収穫した上清を、例えば、すべての意図された目的のために参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018128688号の段落[00156]~[00160]、表3および表4に記載されているように、濃縮およびコンディショニング(透析ろ過)した。全ての意図された目的のために参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018128688号の段落[00161]~[00165]および表5に記載されているように、例えば透析ろ過処理された濃縮物に対してネガティブクロマトグラフィーを行った。
【実施例2】
【0417】
AAV9の製造は、目的タンパク質のcDNAとAAV9のVP1、VP2、およびVP3とをコードすることを含むトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、HEK293細胞株で展開される。AAV9は、約2.6~3.0kBのベクターDNAを含む。清澄な無細胞培養上清を濃縮し、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで透析ろ過する。ウイルス粒子は、非結合状態、すなわち125mMのNaClおよび50mMのTrisHClを含むpH8.5の溶液中で、膜吸着器(membrane absorber)(MustangQ;Pall Part Number XT140MSTGQP05)にロードされる。AAV9を含むフロースルーを25%HClで7.4~7.8の間のpH範囲に調整することにより、pH調整済みLOADが得られる。
【0418】
以下の手順が行われる。まず、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂(カタログ番号36742;Thermo Fisher)を含む、ID 16mm、ベッド高さ50±0.5mm、面積2.01cm2、および容量約10mlのカラムを、5カラム容量の、100mMのグリシン、200mMのNaClを含むpH2.0のバッファーで活性化する。その後、少なくとも5カラム容量の、50mMのTrisHClおよび125mMのNaClを含むpH8.5のバッファーでカラムを平衡化する。pH調整済みLOADを、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂を含むカラムにアプライする。
【0419】
次に、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄する。次に、5カラム容量のWash 2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80(すなわち、ポリソルベート80)、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄する。次に、5カラム容量のWASH 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄する。次に、5カラム容量のWash 2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄する。これらすべての洗浄ステップにおいて、線流速(linear flow rate)は60cm/時である。
【0420】
溶出は、5カラム容量の上記のW2をアプライすることにより行われるが、+2~+8℃の間のより低い温度で行われる。次いで、5カラム容量の以下の二次溶出バッファー(ELT-バッファー):50mMのグリシン、10mMのヒスチジン、100mMのNaCl、5%のトレハロース、0.003%のCrillet(商標)4HP(すなわち、ポリソルベート80)、pH7.0を、+2~+8℃の温度でカラムにアプライする。次いで、5カラム容量の以下の溶出バッファー:50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5を、+2~+8℃の温度でカラムにアプライする。これらの溶出ステップの線流速は5cm/時である。その後、5カラム容量の精製水を、やはり+2~+8℃の温度でカラムにアプライする。その後、グラジエント溶出を行う。精製水中の1mMから20mMのHClへの15カラム容量のグラジエントを、15cm/時の線流速で、+2から+26℃の温度でアプライし、カラムを清浄化する。
【0421】
表2に上記の手順を詳細に記載しており、「CV」は、そのステップで添加された溶液のカラム容量数を示す。
【0422】
【0423】
カラムを室温~約+2~8℃に冷却する方法は、
-冷却キャビネットUnichromat 1500内のクロマトグラフィースキッドAKTA pure 150;
-温度ジャケット付きクロマトグラフィーカラム(水冷式);
-溶出に使用される冷バッファー;または
-上記の組み合わせ;
を含む。
【0424】
採取したサンプルを、ITR qPCR、AAV抗原に対するELISA、HEK293 HCPに対するELISAのそれぞれによってアッセイし、収率、ならびにステップでロスが発生していないかを評価する。
【0425】
ELISAは、AAV9抗原の量を測定するために使用される。ELISAは、TECAN Roboterシステムで、AAV-9滴定ELISAキット(品番:PRAAV9;Progen社(ハイデルベルグ、ドイツ))を用いて行う。簡単に説明すると、AAV9カプシドに特異的なモノクローナル抗体(AAV8/9抗体(「ADK8/9抗体」、カタログ番号:03-651161、American Research Products,Inc.,ウォルサム、マサチューセッツ州))をマイクロタイターストリップにコーティングし、AAV画分からAAV9粒子を捕捉するために使用する。捕捉されたAAV9粒子は2つのステップにより検出される。最初のステップでは、ADK8/9抗体に特異的なビオチン結合モノクローナル抗体を、(ADK8/9とADK8/9抗体の)免疫複合体に結合させる。ビオチン結合モノクローナル抗体に結合した免疫複合体に、ストレプトアビジンペルオキシダーゼコンジュゲートを添加すると、ストレプトアビジンペルオキシダーゼコンジュゲートがビオチンと反応する。ペルオキシダーゼ基質溶液を添加すると、結合したAAV粒子の量に比例した呈色反応が生じる。発色反応を450nmで測光法により測定する。
【0426】
ITR-qPCRアッセイを用いて、目的の遺伝子(例えば、ヒト第VIII因子またはヒト第IX因子)をコードするベクターに見られる逆方向タンデム反復(inverted tandem repeat)を定量化することにより、ゲノムコピータイターを測定する。HEK-HCPは、ELISAによる残留宿主細胞タンパク質の測量である。LDHは、比色活性測定法により決定される。
【0427】
In-vitro生物効力アッセイでは、ウイルスベクターAAV9は肝標的細胞株に感染し、その後、その細胞は機能的で測定可能なコードされたタンパク質を培地中に分泌する。最初のステップでは、HepG2標的細胞にAAV9を感染させて形質導入する。インキュベーション時間中に、コードされたタンパク質が細胞上清に放出される。第2のステップでは、細胞培養上清中のコードされたタンパク質の活性を活性アッセイにより直接測定する。AAV9サンプルの測定値は、参照物質に対する割合(%)として示される。この方法は、AAV9遺伝子治療ベクターの生物学的機能の定量的評価を可能にする。
【0428】
SDS-PAGE分析を行い、比較手順の代わりに洗浄ステップを含む試験手順を用いた場合に、熱ショックタンパク質70kDa(HSP70)の減少があったかどうかを判定する。ウェスタンブロットは、一次抗体として抗Hsp70抗体(アブカム(Abcam)、カタログ番号ab79852)を1:2000希釈で2時間用い、二次抗体としてヤギ抗ウサギIgG(H+L)APコンジュゲート(Sigma、カタログ番号A8025)を1:1000希釈で1時間用いて行う。
【0429】
SDS-PAGE銀染色アッセイを実施し、存在する不純物の全体レベルを決定する。超遠心分析(AUC)を実施して、存在するAAV9の量を定量し、完全カプシド、空のカプシド、および完全カプシドと比較して追加のDNAを有するもの、すなわち過搭載のものの相対的な量を決定する。
【0430】
試験手順および比較手順に従って精製した後に回収されたAAV9のレベルおよび純度を決定するために、12%抗AAV抗体を用いたウェスタンブロットを行う。ウェスタンブロットは、AAV9のVP1、VP2およびVP3に対するモノクローナル抗体を一次抗体として用い、ヤギ抗マウスALP抗体(Sigma、カタログ番号A4656)を二次抗体として用いて行う。
【0431】
これらのアッセイを以下の表3にまとめた。
【0432】
【実施例3】
【0433】
AAV9の製造は、目的タンパク質のcDNAとAAV9のVP1、VP2、およびVP3とをコードすることを含むトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、HEK293細胞株で展開された。AAV9は、約2.6~3.0kBのベクターDNAを含む。清澄な無細胞培養上清を濃縮し、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで透析ろ過した。ウイルス粒子を、非結合状態、すなわち、125mMのNaClおよび50mMのTrisHClを含むpH8.5の溶液中で、膜吸着器(MustangQ;Pall Part Number XT140MSTGQP05)にロードした。AAV9を含むフロースルーを25%HClで8.2~8.7の間のpH範囲に調整することにより、pH調整済みLOADを得た。
【0434】
次の手順を行った。なお、この実施例に記載される全てのバッファーは室温で作製し、全てのバッファーのpHを室温で測定した。まず、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂(カタログ番号36742;Thermo Fisher社)ID 16mm、ベッド高さ50±0.5mm、面積2.01cm2、容量約10mlのカラムを、5カラム容量の、100mMのグリシン、200mMのNaClを含むpH2.0のバッファーで活性化した。その後、少なくとも10カラム容量の、50mMのTrisHCl、125mMのNaClを含みpH8.5のバッファーでカラムを平衡化した。pH調整済みLOADを、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂を含むカラムにアプライした。
【0435】
その後、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量のWash 2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。これらすべての洗浄ステップにおいて、線流速は60cm/時であった。
【0436】
溶出は、10カラム容量の上記のW1をアプライすることにより行われたが、+2~+8℃のより低い温度で行われた。溶出(すなわち、下記の表4のステップ7)のために、クロマトグラフィースキッド、カラム、およびバッファーをすべて冷却キャビネット(Unichromat 1500)に入れて、それらを+8℃未満の温度に下げた。溶出のための線流速は5cm/時であった。その後、5カラム容量の100mMのグリシン、200mMのNaCl、pH2.0のバッファーでカラムをストリップした。
【0437】
表4に上記の手順を詳細に記載しており、「CV」は、そのステップで添加された溶液のカラム容量数を示す。
【0438】
【0439】
上記の手順からのクロマトグラムを
図1に示す。また、表4のプロトコルによる結果を以下の表5に示す。E1プール「低温溶出液」の値は、上記表4のステップ7の後の量を反映する。「ストリップ(strip)」の値は、上記の表4のステップ9の後の量を反映する。表5は、AAV9の有意な溶出をもたらさなかったW1およびW3が、同じバッファー(すなわち、125mMのNaClおよび50mM、pH8.5)を用いて室温(すなわち、+18~25℃)で行われたことから、溶出が、+2~+8℃の温度への温度のシフトによって引き起こされることを明確に示す。
【0440】
【0441】
さらに、表4に記載されたプロセスについて測定された不純物含有量を以下の表6に示す。不純物のサンプルは、最初のサンプルとステップ7の後に再び採取した。
【0442】
【0443】
表7は、粒子径に基づいて決定された完全カプシドの割合(%)および過搭載カプシドの割合(%)を調べたものである。本明細書では、粒子径は、粒子の沈降速度に基づくSvedbergsの範囲で示される。
【0444】
【0445】
本明細書では、「qPCR収率」という用語は、LOADにおけるqPCRの初期量と比較した、存在するqPCRの割合(%)を意味する。本明細書では、「抗原収率」という用語は、LOADにおけるAAV9の初期量と比較した、存在するAAV9の割合(%)を意味する。qPCRによって測定された75.8%の収率(表5)および87.5%の完全カプシドを有するAAV9(表7)は、本実施例に記載された低温溶出プロトコルがAAV9完全カプシドの実質的な濃縮(enrichment)を提供することを示す。
【0446】
上記の手順から得られたクロマトグラムデータを、標準的な溶出手順(表8に示すように、100mMのグリシンおよび200mMのNaCl、pH2.7)と比較し、その結果を以下の表9に示す。出発物質は両方の実施で同じものを使用した。
【0447】
【0448】
【0449】
表10および表11は、表8の標準的な溶出手順からの追加データを提供する。
【0450】
【0451】
【0452】
表5に示されているように、AAV9はCaptureSelect(商標)AAVx樹脂に室温(すなわち約20~28℃)で結合し、驚くべきことにまた予想外に、その後、結合したAAV9が、同じバッファーシステムにおいて+18℃超から+8℃未満への温度シフトで溶出され得ることが見いだされた。このように、温度シフトプロトコルは、低温でマイルドな溶出を行うことで、AAV粒子の構造および感染性を維持することができるという利点がある。同様に、マイルドな溶出バッファーの使用は、製造環境で容易に実施でき、さらに溶出ステップのためにバッファーを変更する必要がないため、より効率的である。さらに、有利なこととして、完全AAV9カプシドは温度を下げることにより溶出するが、一方、空のAAV9ベクターおよび非特異的なAAV9ベクターは、ステップストリップ-酸性溶出で溶出されるまで結合したままであることが見いだされた(表7参照)。
【実施例4】
【0453】
実施例3は、125mMのNaClおよび50mMのTrisHCl、pH8.5のバッファーを用いて、+18℃超から+8℃未満への温度シフトでのCaptureSelect(商標)AAVxからのAAV9の溶出を実証した。この実施例は、+18℃超から+8℃未満への温度シフトでのAAVxからのAAV9の溶出のための代替バッファーシステムの可能性を検討するために行った。AAV9をAAVx樹脂にロードした後、バッファーをまず洗浄バッファーとしてより高い温度範囲でアプライし、その後、溶出バッファーとしてより低い温度でアプライした。
【0454】
AAV9の製造は、目的タンパク質のcDNAとAAV9のVP1、VP2、およびVP3とをコードすることを含むトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、HEK293細胞株で展開された。AAV9は、約2.6~3.0kBのベクターDNAを含む。清澄な無細胞培養上清を濃縮し、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで透析ろ過した。ウイルス粒子を、非結合状態、すなわち、125mMのNaClおよび50mMのTrisHClを含むpH8.5の溶液中で、膜吸着器(MustangQ;Pall Part Number XT140MSTGQP05)にロードした。AAV9を含むフロースルーを25%HClで8.2~8.7の間のpH範囲に調整することにより、pH調整済みLOADを得た。
【0455】
次の手順を行った。なお、この実施例に記載される全てのバッファーは室温で作製し、全てのバッファーのpHを室温で測定した。
【0456】
AAV9がまだリガンドに結合していることを確かにするために、最初に、pHおよび導電率を上げた3種類のバッファーを高温(+18~+28℃)でアプライした。その後、冷却キャビネット(Unichromat 1500)にクロマトグラフィースキッド、カラム、およびバッファーをすべて入れて、それらを+2~+8℃に冷却した後、同じバッファーをアプライして溶出特性を調べた。まず、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂(カタログ番号:36742;Thermo Fisher)を含む、ID 11mm、ベッド高さ57mm、面積0.95cm2、容量約5.4mlのカラムを、5カラム容量の、100mMのグリシン、200mMのNaCl、pH2.0のバッファーで活性化した。その後、少なくとも5カラム容量の、50mMのTrisHCl、125mMのNaCl、pH8.5のバッファーでカラムを平衡化した。pH調整済みLOADを、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂を含むカラムにアプライした。
【0457】
その後、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量のWash 2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量の洗浄液2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。これらすべての洗浄ステップにおいて、線流速は60cm/時であった。
【0458】
溶出はまず、5カラム容量の上記のW2をアプライすることによって行われたが、+2~+8℃のより低い温度で、5cm/時の線流速で行われた。次いで、5カラム容量の以下の二次溶出バッファー:50mMのグリシン、10mMのヒスチジン、100mMのNaCl、5%のトレハロース、0.005%のCrillet 4 HP、pH7.0(ELT-バッファー)を、+2~+8℃の温度でカラムにアプライした。次いで、5カラム容量の以下の溶出バッファー:50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5を、+2~+8℃の温度でカラムにアプライした。これらの溶出ステップの線流速は30cm/時であった。その後、5カラム容量の精製水を、やはり+2~+8℃の温度でカラムにアプライした。その後、グラジエント溶出を行った。精製水中の1mMから20mMのHCl、200mMのNaClへの15カラム容量のグラジエントを、20cm/時の線流速、および+2~+8℃の温度で適用した。
【0459】
カラムクリーニングは、5カラム容量の以下の再生バッファー:精製水中の20mMのHCl、200mMのNaClをアプライした後、5カラム容量の50mMのTrisHCl、125mMのNaCl、pH8.5のバッファーを60cm/時でアプライし、続いて、5カラム容量の1M L-アルギニン塩酸塩+200mM NaClを30cm/時の線流速および+2~+8℃の温度でアプライすることにより行った。
【0460】
表12に上記の手順を詳細に記載しており、「CV」は、そのステップで添加した溶液のカラム容量数を示す。
【0461】
【0462】
上記の手順からの結果、特にカラムから溶出したAAV9の収率(%)を以下の表13に示す。また、上記の手順からのクロマトグラムを
図2A~2Bに示す。
【0463】
【0464】
示されているように、125mMのNaCl、50mMのTrisHCl、pH8.5以外のバッファーでも、低い温度範囲での溶出が確認される。さらに、表12に記載のプロセスについて測定された不純物含有量を以下の表14に示す。不純物のサンプルは、各溶出ステップ(ステップ8a、8b、9、10、および12)の後に採取した。
【0465】
【0466】
実施例3のバッファーと実施例4のバッファーの低温溶出の比較を以下の表15に示す。
【0467】
【0468】
【0469】
溶出は、100mMの酢酸ナトリウム(NaAceata)、0.1%(w/w)のポリソルベート、pH6.0を用いて、+2~+8℃で確認されたが、室温では確認されなかった(表16を参照)。注目すべきは、通常はpH6からpH8.5へとpHが上昇すると溶出効率が上昇することから、低温での100mMの酢酸ナトリウムは、125mMのNaCl、50mMのTrisHCl、pH8.5とpHおよび導電性が逆であることである。このように、実施例4は、温度が溶出の駆動力であり、pHおよび導電性は温度に比べて溶出への影響が小さいことを実証する。また、この温度シフトを利用したアフィニティ法は、完全AAVカプシドのより高い含有率をもたらすことも確認された。
【0470】
このように、実施例3および4は、AAVxからAAV9を溶出させるための作用モードが、バッファーシステムとは無関係に、主に温度を下げることに依存することを実証する。
【実施例5】
【0471】
AAV9のバッチ吸着を以下に記載する手順で行った。上記の2種類の樹脂を用いた2セットを、AAV9含有溶液と室温でインキュベートして、まずAAV9を結合させ、続いて低温で溶出させた。以下の表17にこの手順を概説する。この実施例に記載のすべてのバッファーを室温で作製し、すべてのバッファーのpHを室温で測定したことに留意されたい。
【0472】
実施例5のステップは以下の通りである:平衡化:0.2gの樹脂を15mlのファルコンチューブに挿入し、10mlの125mMのNaCl、50mMのTrisHCl、pH8.5±0.2のバッファーで洗浄した。懸濁液を5500RPMで10分間遠心分離(HERAEUS MEGAFUGE 16R、THERMO SCIENTIFIC)し、上澄みを捨てた。洗浄/平衡化した樹脂に、9.6gのLOADを添加し、室温で15時間(h)~16時間(h)インキュベートした。懸濁液を5500RPMで10分間遠心分離した。上澄み液の一部を採取し、AAV9抗原の検査を行った。ペレットを、1mlの125mMのNaCl、50mMのTrisHCl、pH8.5±0.2(+2℃~+8℃)のバッファーに再懸濁させ、30分間インキュベートした。この懸濁液を5500RPMで10分間遠心分離した。上澄み液の一部を採取し、AAV9抗原の検査を行った。AAV9は約2.6~3.0kBのベクターDNAを含む。溶出には、冷バッファーを使用し、実験は冷蔵室で行った。
【0473】
【0474】
上記の手順で得られた結果、特にカラムから溶出したAAV9の収率(%)を以下の表18に示す。
【0475】
【0476】
さらに、第2のセットは、2種類の樹脂を用いて低温でインキュベートし、この条件での結合特性を調べた。以下の表19にこの手順をまとめた。
【0477】
【0478】
上記の手順で得られた結果、特にカラムから溶出したAAV9の収率を以下の表20に示す。
【0479】
【0480】
AAV9はどの温度範囲でもCaptureSelect(商標)AAV9に結合するが、低い温度で溶出は引き起こされない。したがって、この実施例は、低温での溶出がAAV9とAAVxアフィニティ樹脂の相互作用の特徴であることを示す。
【0481】
また、AAV8およびAAV6は、温度を+18℃超から+8℃未満にシフトさせても、AAVx樹脂から溶出しないことが確認された。AAV8およびAAV6がAAVxアフィニティ樹脂から溶出するためには、より過酷な条件(例えば、下記の実施例6を参照)が必要であった。
【実施例6】
【0482】
AAV8の製造は、目的タンパク質のcDNAとAAV8のVP1、VP2、およびVP3とをコードすることを含むトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、HEK293細胞株で展開された。清澄な無細胞培養上清を濃縮し、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで透析ろ過した。ウイルス粒子を、非結合状態、すなわち、125mMのNaClおよび50mMのTrisHClを含むpH8.5の溶液中で、膜吸着器(MustangQ;Pall Part Number XT140MSTGQP05)にロードした。AAV8を含むフロースルーを25%HClで8.3~8.7の間のpH範囲に調整することにより、pH調整済みLOADを得た。
【0483】
以下の試験手順を実施した。なお、本実施例に記載の全てのバッファーを室温で作製し、全てのバッファーのpHを室温で測定した。まず、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂(カタログ番号:36742;Thermo Fisher社)を含む、ID 16mm、ベッド高さ52mm、面積2.01cm2、容量約10.5mlのカラムを、5カラム容量の100mMのグリシン、200mMのNaClを含みpH2.0のバッファーで活性化した。その後、少なくとも5カラム容量の50mMのTrisHCl、125mMのNaCl、pH8.5のバッファーでカラムを平衡化した。POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂を含むカラムにpH調整済みLOADをアプライした。
【0484】
その後、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量のWash 2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。次に、5カラム容量の洗浄液2(W2):100mMの酢酸ナトリウムおよび0.1%のTween 80、pH6.0で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄した。これらすべての洗浄ステップにおいて、線流速は60cm/時であった。
【0485】
溶出のために、クロマトグラフィースキッド、カラム、バッファーをすべて冷却キャビネット(Unichromat 1500)に入れて、+8℃未満に下げた。溶出はまず、5カラム容量の上記のW2であるが、+2~+8℃の低い温度で、5cm/時の線流速でアプライして行った。次いで、5カラム容量の以下の二次溶出バッファー:50mMのグリシン、10mMのヒスチジン、100mMのNaCl、5%のトレハロース、0.005%のCrillet 4 HP、pH7.0(ELT-バッファー)を、+2~+8℃の温度でカラムにアプライした。次いで、5カラム容量の以下の溶出バッファー:50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5を、+2~+8℃の温度でカラムにアプライした。これらの溶出ステップの線流速は30cm/時であった。その後、5カラム容量の精製水を、やはり+2~+8℃の温度でカラムにアプライした。その後、グラジエント溶出を行った。精製水中の1mMから20mMのHCl、200mMのNaClへの15カラム容量のグラジエントを、20cm/時の線流速で、+2から+8℃の温度でアプライした。
【0486】
表21に上記の手順を詳細に記載しており、「CV」は、そのステップで添加された溶液のカラム容量数を示す。
【0487】
【0488】
上記の手順で得られた結果、特にカラムから溶出したAAV8の収率(%)を、以下の表22および
図3に示す。
【0489】
【0490】
示されているように、+2~+8℃に温度シフトさせてもAAVxからAAV8は溶出されない。
【実施例7】
【0491】
以下の手順は、シングルウォッシュプロトコルの一例である。まず、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂(カタログ番号:36742;Thermo Fisher)を含む、ID 16mm、ベッド高さ50±0.5mm、面積2.01cm2、容量約10mlのカラムを、pH2.0で100mMのグリシン、200mMのNaClを含む5カラム容量のバッファーで活性化する。その後、pH8.5で50mMのTrisHClおよび125mMのNaClを含む10カラム容量のバッファーでカラムを平衡化する。POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティ樹脂を含むカラムに、pH調整済みLOADをアプライする。
【0492】
次に、5カラム容量のWash 1(W1):50mMのTrisHClおよび125mMのNaCl、pH8.5で、室温(18~26℃)でカラムを洗浄する。溶出は、5~10カラム容量の上記のW1であるが、+2~+8℃の低い温度でアプライして行う。その後、カラムをストリップする。
【0493】
表23に上記の手順を詳細に記載しており、「CV」は、そのステップで添加される溶液のカラム容量数を示す。
【0494】
【実施例8】
【0495】
以下の配列は、本開示のいくつかの実施形態によるAAV9 VP1配列の例を示す(配列番号1)。
【0496】
以下の配列は、本開示のいくつかの実施形態によるAAV9 VP2配列の例を示し、AAV9 VP2配列は、配列番号2の配列を含む。
【0497】
以下の配列は、本開示のいくつかの実施形態によるAAV9 VP2配列の例を示し、AAV9 VP3配列は、配列番号3の配列を含む。
【0498】
本明細書で引用されている出版物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参考文献として示され、その全体が本書に記載されている場合と同程度に、ここに参考文献として組み込まれる。
最後に、本発明の好ましい実施態様を項分け記載する。
[実施態様1]
アデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法であって、
(a)AAV含有溶液を、AAVを標的とするアフィニティ樹脂に、室温で、溶液中のAAVとアフィニティ樹脂との間の結合を可能にする条件下でロードするステップ;
(b)室温で、少なくとも1つの洗浄ステップを行うステップ;および
(c)18℃未満の温度で、アフィニティ樹脂からAAVを溶出するステップ;
を含む、方法。
[実施態様2]
ステップ(c)における温度が1℃~12℃である、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
ステップ(c)における温度が2℃~8℃である、実施態様1に記載の方法。
[実施態様4]
AAV含有溶液をアフィニティ樹脂にロードする前に、AAV含有溶液を陰イオン交換体と接触させること、および陰イオン交換体からAAV含有溶液を溶出させることをさらに含む、実施態様1~3のいずれかに記載の方法。
[実施態様5]
室温で少なくとも2つの洗浄ステップが行われる、実施態様1~4のいずれかに記載の方法。
[実施態様6]
室温で少なくとも3つの洗浄ステップが行われる、実施態様1~5のいずれかに記載の方法。
[実施態様7]
室温で少なくとも4つの洗浄ステップ行われる、実施態様1~6のいずれかに記載の方法。
[実施態様8]
2つの洗浄ステップが行われる、実施態様5に記載の方法。
[実施態様9]
3つの洗浄ステップが行われる、実施態様6に記載の方法。
[実施態様10]
4つの洗浄ステップが行われる、実施態様7に記載の方法。
[実施態様11]
前記洗浄ステップが連続して行われる、実施態様5~10のいずれかに記載の方法。
[実施態様12]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約50mM~約500mMの塩を含む、実施態様1~11のいずれかに記載の方法。
[実施態様13]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約25mM~約100mMのTrisHClおよび約75mM~約250mMの塩を含む、実施態様12に記載の方法。
[実施態様14]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約40mM~約60mMのTrisHClおよび約100mM~約150mMの塩を含む、実施態様13に記載の方法。
[実施態様15]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8のpHを有する、実施態様12~14のいずれかに記載の方法。
[実施態様16]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125 mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施態様15に記載の方法。
[実施態様17]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10mM~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様1~16のいずれかに記載の方法。
[実施態様18]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mM~約200mMの酢酸ナトリウムおよび約0.005%~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様17に記載の方法。
[実施態様19]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約90mM~約110mMの酢酸ナトリウムおよび約0.05%~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様18に記載の方法。
[実施態様20]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約5.0~約7.4、約5.5~約7.0、または約5.5~約6.5のpHを有する、実施態様17~19のいずれかに記載の方法。
[実施態様21]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約100mMの酢酸ナトリウムおよび約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施態様20に記載の方法。
[実施態様22]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約10%~約75%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施態様1~21のいずれかに記載の方法。
[実施態様23]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約25mM~約100mMのTrisHClおよび約25%~約70%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施態様22に記載の方法。
[実施態様24]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約40mM~約60mMのTrisHClおよび約40%~約60%(w/w)のエチレングリコールを含む、実施態様23に記載の方法。
[実施態様25]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約7.5~約9.2、約8.0~約9.0、または約8.0~約8.8のpHを有する、実施態様22~24のいずれかに記載の方法。
[実施態様26]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mM TrisHClおよび約50%(w/w)のエチレングリコールを含み、約8.5のpHを有する、実施態様25に記載の方法。
[実施態様27]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10mM~約200mMのグリシン、約1mM~約100mMのヒスチジン、約20mM~約500mMの塩、約1%~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様1~26のいずれかに記載の方法。
[実施態様28]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約30mM~約80mMのグリシン、約5mM~約20mMのヒスチジン、約50mM~約200mMの塩、約3%~約8%(w/w)のトレハロース、および約0.001%~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様27に記載の方法。
[実施態様29]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約40mM~約60mMのグリシン、約5mM~約15mMのヒスチジン、約90mM~約110mMの塩、約4%~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001%~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様28に記載の方法。
[実施態様30]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4のpHを有する、実施態様27~29のいずれかに記載の方法。
[実施態様31]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.0のpHを有する、実施態様30に記載の方法。
[実施態様32]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約1mM~約200mMのTrisHCl、約50mM~約500mMの塩、および約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様1~31のいずれかに記載の方法。
[実施態様33]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約5mM~約50mMのTrisHCl、約75mM~約250mMの塩、および約0.005%~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様32に記載の方法。
[実施態様34]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約10mM~約30mMのTrisHCl、約140mM~約160mMの塩、および約0.05%~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様33に記載の方法。
[実施態様35]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0のpHを有する、実施態様32~34のいずれかに記載の方法。
[実施態様36]
少なくとも1つの洗浄バッファーが、約20mMのTrisHCl、約150mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.4のpHを有する、実施態様35に記載の方法。
[実施態様37]
ステップ(c)が、少なくとも1つの溶出バッファーでAAVを溶出することを含む、実施態様1~36のいずれかに記載の方法。
[実施態様38]
少なくとも1つの溶出バッファーが、洗浄バッファーの少なくとも1つと同じである、実施態様37に記載の方法。
[実施態様39]
少なくとも1つの溶出バッファーが、ステップ(c)においてAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである、実施態様38に記載の方法。
[実施態様40]
第1の溶出バッファーが、ステップ(c)においてAAVを溶出する前の最終洗浄ステップで使用される最後の洗浄バッファーと同じである、実施態様38に記載の方法。
[実施態様41]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約10mM~約200mMのグリシン、約1mM~約100mMのヒスチジン、約20mM~約500mMの塩、約1%~約10%(w/w)のトレハロース、および約0.0005%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様37~40のいずれかに記載の方法。
[実施態様42]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約30mM~約80mMのグリシン、約5mM~約20mMのヒスチジン、約50mM~約200mMの塩、約3%~約8%のトレハロース、および約0.001%~約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様43]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約40mM~約60mMのグリシン、約5mM~約15mMのヒスチジン、約90mM~約110mMの塩、約4%~約6%(w/w)のトレハロース、および約0.001%~約0.05%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様42に記載の方法。
[実施態様44]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約6.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約7.0~約7.4のpHを有する、実施態様41~43のいずれかに記載の方法。
[実施態様45]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約50mMのグリシン、約10mMのヒスチジン、約100mMの塩、約5%(w/w)のトレハロース、および約0.005%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.0のpHを有する、実施態様44に記載の方法。
[実施態様46]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約1mM~約200mMのTrisHCl、約50mM~約500mMの塩、および約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様37~45のいずれかに記載の方法。
[実施態様47]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約5mM~約50mMのTrisHCl、約75mM~約250mMの塩、および約0.005%~約0.3%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様46に記載の方法。
[実施態様48]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約10mM~約30mMのTrisHCl、約140mM~約160mMの塩、および約0.05%~約0.2%(w/w)のポリソルベート80を含む、実施態様47に記載の方法。
[実施態様49]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約6.0~約8.8、約6.5~約8.5、または約7.0~約8.0のpHを有する、実施態様46~48のいずれかに記載の方法。
[実施態様50]
少なくとも1つの溶出バッファーが、約20mM TrisHCl、約150 mMの塩、および約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約7.4のpHを有する、実施態様49に記載の方法。
[実施態様51]
第1および第3の洗浄ステップが、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約50mM~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2の洗浄ステップが、約10mM~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施態様1~50のいずれかに記載の方法。
[実施態様52]
第1および第3の洗浄ステップが、約10mM~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.00%1~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2の洗浄ステップが、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約50mM~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施態様1~50のいずれかに記載の方法。
[実施態様53]
第1および第3の洗浄ステップが、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約50mM~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2および第4の洗浄ステップが、約10mM~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施態様1~50のいずれかに記載の方法。
[実施態様54]
第1および第3の洗浄ステップが、約10mM~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含み、
第2および第4の洗浄ステップが、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約50mM~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施態様1~50のいずれかに記載の方法。
[実施態様55]
第1および第3の洗浄ステップでそれぞれ使用される第1および第3のバッファーが、それぞれ、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施態様51または実施態様53に記載の方法。
[実施態様56]
第1および第3の洗浄ステップでそれぞれ使用される第1および第3のバッファーが、それぞれ、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施態様52または54に記載の方法。
[実施態様57]
第2の洗浄ステップで使用される第2のバッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施態様51または53に記載の方法。
[実施態様58]
第2の洗浄ステップで使用される第2のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施態様52または54に記載の方法。
[実施態様59]
第4の洗浄ステップで使用される第4のバッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施態様53に記載の方法。
[実施態様60]
第4の洗浄ステップで使用される第4のバッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施態様54に記載の方法。
[実施態様61]
ステップ(c)が、約10mM~約200mMのTrisHClおよび約50mM~約500mMの塩を含みかつ約7.5~約9.2のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施態様51または54に記載の方法。
[実施態様62]
ステップ(c)が、約10mM~約2000mMの酢酸ナトリウムおよび約0.001%~約1%(w/w)のポリソルベート80を含みかつ約5.0~約7.4のpHを有するバッファーをアフィニティ樹脂にアプライすることを含む、実施態様52または53に記載の方法。
[実施態様63]
前記バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125 mMの塩を含み、約8.5のpHを有する、実施態様61に記載の方法。
[実施態様64]
前記バッファーが、約100mMの酢酸ナトリウム、約0.1%(w/w)のポリソルベート80を含み、約6.0のpHを有する、実施態様62に記載の方法。
[実施態様65]
前記塩が、NaCl、KCl、MgCl
2
、CaCl
2
、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、酢酸ナトリウム、ならびにNaCl、KCl、MgCl
2
、CaCl
2
、クエン酸ナトリウム、LiCl、CsCl、および酢酸ナトリウムのうちの1つまたは複数の組み合わせから選択される、実施態様12~64のいずれかに記載の方法。
[実施態様66]
前記塩がNaClである、実施態様65に記載の方法。
[実施態様67]
前記バッファーが、約50mMのTrisHClおよび約125mMのNaClを含み、約8.5のpHを有する、実施態様12~16、51~55、58、60、または61のいずれかに記載の方法。
[実施態様68]
溶出ステップから得られるAAVが、99.0%以上の純度レベルを有する、実施態様1~67のいずれかに記載の方法。
[実施態様69]
溶出ステップから得られるAAVが、99.9%以上の純度レベルを有する、実施態様1~68のいずれかに記載の方法。
[実施態様70]
溶出ステップ(c)から溶出されるAAVカプシドの少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%が、完全AAVカプシドである、実施態様1~69のいずれかに記載の方法。
[実施態様71]
前記アフィニティ樹脂がAAVx樹脂である、実施態様1~70のいずれかに記載の方法。
[実施態様72]
AAVがAAV9である、実施態様1~71のいずれかに記載の方法。
[実施態様73]
AAV9が、配列番号1、配列番号2および/または配列番号3の配列を含むペプチドを含む、実施態様72に記載の方法。
[実施態様74]
実施態様1~73のいずれかに記載の方法により製造されたAAV生成物。
【配列表】