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特許7539444極端紫外線リソグラフィーマスク用の薄膜及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】極端紫外線リソグラフィーマスク用の薄膜及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/62 20120101AFI20240816BHJP
   G03F 1/24 20120101ALI20240816BHJP
   G03F 7/20 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
G03F1/62
G03F1/24
G03F7/20 521
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022150481
(22)【出願日】2022-09-21
(65)【公開番号】P2023098815
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】63/294,719
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/710,545
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 子昂
(72)【発明者】
【氏名】李 明洋
(72)【発明者】
【氏名】鄭 兆欽
(72)【発明者】
【氏名】汪 涵
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0272047(US,A1)
【文献】特開2023-024406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/62
G03F 1/24
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナノチューブを含むナノチューブ層を形成する工程と、
前記ナノチューブ層に二次元材料層を形成する工程と、
前記二次元材料層を用いて薄膜フレームを前記ナノチューブ層に取り付ける工程と、
を備え、
前記ナノチューブ層は前記複数のナノチューブのグリッドを含み、
前記二次元材料層は前記グリッドの複数の交差点から複数の種結晶として成長する、極端紫外線反射マスク用の薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記二次元材料層は、窒化ホウ素及び遷移金属ジカルコゲナイドからなる群より選ばれる1つであり、前記遷移金属ジカルコゲナイドはMXで示され、Mはモリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)又はハフニウム(Hf)のうちの1つ又は複数であり、Xは硫黄(S)、セレン(Se)又はテルリウム(Te)のうちの1つ又は複数である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二次元材料層の厚さは0.3nm~3nmの範囲内である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記二次元材料層の層数は1~10である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のナノチューブは複数の単層壁ナノチューブである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の単層壁ナノチューブは非炭素ベース材料からなる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のナノチューブは複数の多層壁ナノチューブである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数のナノチューブを含む第1のナノチューブ層を形成する工程と、
前記第1のナノチューブ層に二次元材料層を形成する工程と、
複数のナノチューブを含む第2のナノチューブ層を形成する工程と、
前記第1のナノチューブ層及び前記第2のナノチューブ層を薄膜フレーム上に積層する工程と、
を備え、
前記第1のナノチューブ層は前記複数のナノチューブのグリッドを含み、
前記二次元材料層は前記グリッドの複数の交差点から複数の種結晶として成長し、
前記第1のナノチューブ層の前記複数のナノチューブは第1の軸に沿って配列され、且つ前記第2のナノチューブ層の前記複数のナノチューブは第2の軸に沿って配列され、
前記第1の軸と前記第2の軸とが交差するように前記第1のナノチューブ層と前記第2のナノチューブ層とを積層する、極端紫外線反射マスク用の薄膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外線リソグラフィーマスク用の薄膜(ペリクル)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜は、フォトマスクの一側に接着されて損傷、粉塵及び/又は湿気からフォトマスクを保護するためのフレームに張設される透明な薄膜である。極端紫外線(extreme ultra violet;EUV)リソグラフィーでは、通常、EUV波長領域内で高い透明度、高い機械的強度及び低い熱膨張を有する薄膜を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】Jonathan Kim et al.,“Synthesis and Characterization of Transition Metal Dichalcogenide and Carbon Nanotube Coaxial Herostructures,” https://e3s-center_berkeley.edu/wp-content/uploads/2017/09/Jonathan-Kim.pdf (September 2017). Jonathan Kimら「遷移金属ジカルコゲナイド及びカーボンナノチューブの同軸構造の合成及び特性化」 https://e3s-center_berkeley.edu/wp-content/uploads/2017/09/Jonathan-Kim.pdf (September 2017).
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの実施例によると、極端紫外線反射マスク用の薄膜の製造方法は、複数のナノチューブを含むナノチューブ層を形成する工程と、前記ナノチューブ層に二次元材料層を形成する工程と、前記二次元材料層を用いて薄膜フレームを前記ナノチューブ層に取り付ける工程と、を備える。
【0005】
本開示のいくつかの実施例によると、極端紫外線反射マスク用の薄膜の製造方法は、複数のナノチューブを含む第1のナノチューブ層を形成する工程と、複数のナノチューブを含む第2のナノチューブ層を形成する工程と、前記第1のナノチューブ層及び前記第2のナノチューブ層を薄膜フレーム上に積層し、前記第1のナノチューブ層の前記複数のナノチューブは第1の軸に沿って配列され、且つ前記第2のナノチューブ層の前記複数のナノチューブは第2の軸に沿って配列され、且つ前記第1の軸と前記第2の軸とが交差するように前記第1のナノチューブ層と前記第2のナノチューブ層とを積層する工程と、を備える。
【0006】
本開示のいくつかの実施例によると、極端紫外線反射マスク用の薄膜は、薄膜フレームと、前記薄膜フレームに取り付けられ、複数のナノチューブを含む主膜と、を備え、各前記ナノチューブは、単一ナノチューブ又は同軸ナノチューブを含み、且つ前記単一ナノチューブ又は前記同軸ナノチューブの最外側ナノチューブは、非炭素ベースナノチューブである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示内容の各態様については、図面を参照しながら、以下の詳細な説明に基づいて最もよく理解することができる。各特徴は、業界の標準的な実務に応じて比例して描かれていないことに注意すべきである。実際には、明確に議論するために、様々な特徴のサイズを任意に増加又は減少することができる。
図1A-1B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を示す。
図2A-2D】本開示内容による実施例の多層壁ナノチューブの様々な図面を示す。
図3A-3B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜の様々な網目膜100を示す。
図4A-4D】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜の網目膜の様々な図面を示す。
図5A-5C】本開示内容による実施例の薄膜用のナノチューブ網目膜の製造を示す。
図6A-6D】本開示内容による実施例の薄膜用のナノチューブ網目膜の製造を示す。
図7A】本開示内容による実施例の網目膜の製造プロセスを示す。
図7B】本開示内容による実施例の製造プロセスのフローチャートを示す。
図8A-8C】本開示内容による実施例の多層壁ナノチューブの製造プロセスを示す。
図8D-8E】本開示内容による実施例の多層壁ナノチューブの構造を示す。
図9A-9C】本開示内容によるいくつかの実施例の二次元材料層を有する多層壁ナノチューブからなる網目膜を示す。
図10A-10B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するための各段階の1つの断面図及び平面図(上面視)を示す。
図11A-11B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するための各段階の1つの断面図及び平面図(上面視)を示す。
図12A-12B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するための各段階の1つの断面図及び平面図(上面視)を示す。
図13A-13B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するための各段階の1つの断面図及び平面図(上面視)を示す。
図14A】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するための各段階の1つの断面図を示す。
図14B】本開示内容による実施例のEUVフォトマスクの薄膜を製造するための各段階の断面図を示す。
図15A-15C】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するフローチャートを示す。
図16A-16E】本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜の斜視図を示す。
図17A】半導体装置の製造方法のフローチャートを示す。
図17B-17E】本開示内容による実施例の半導体装置の製造方法の順番製造操作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の開示内容は、本開示の異なる特徴を実現するためのいくつかの異なる実施例又は実例を提供することを理解すべきである。構成要素及び構成を説明する以下の特定の実施例又は実例は、本開示内容を簡略化するためのものである。もちろん、これらは単に実例に過ぎず、制限を意図するものではない。例えば、構成要素のサイズは、開示される範囲又は値に限定されず、プロセス条件及び/又は装置の所望の特性に依存してもよい。更に、以下の説明において、第2の特徴の上又は上方に第1の特徴を形成することは、第1の及び第2の特徴が直接接触して形成される実施例を含んでもよく、第1の特徴と第2の特徴が直接接触しないように、第1の特徴と第2の特徴との間に追加的な特徴が形成される実施例を含んでもよい。簡単且つ明確にするために、様々な特徴を異なる比率で任意に描くことができる。添付図面では、簡略化のために、いくつかのレイヤー/特徴を省略することができる。
【0009】
更に、容易に説明するために、図に示すような1つの構成要素又は特徴と別の構成要素又は特徴との関係について、本明細書において「…の下方」、「…の下」、「下方」、「…の上方」、「上方」のような空間的相対用語を用いて説明することができる。図に示す方向に加えて、空間的相対用語は、装置の使用中又は動作中の異なる方向をカバーすることを意図している。装置は、別の方法で方向づけられてもよく(90度回転するか、又は他の向きに)、且つ本明細書で使用される空間的相対記述も、それに従って解釈されてもよい。また、用語「からなる」は、「含む」又は「から構成される」ことを意味する可能性がある。更に、以下の製造プロセスでは、説明される操作の間に1つ又は複数の追加的な操作が存在してもよく、操作の順序が変更されてもよい。本開示内容では、連語「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、A+B、A+C、B+C、又はA+B+Cのうちのいずれか1つを指し、別段の記載がない限り、1つはAからであり、1つはBからであり、1つはCからであることを意味しない。1つの実施例で説明される材料、構成、構造、操作及び/又は寸法は、他の実施例に適用することができ、その詳細な説明は省略することができる。
【0010】
EUVリソグラフィーは、ムーアの法則を拡張する重要な技術の1つである。しかしながら、波長が193nm(ArF)から13.5nmまでスケーリングするため、EUV光源は、環境によって吸収され強いパワー減衰を受けている。EUVは気体によって強く吸収されないように、ステッパー/スキャナーチャンバが真空中で動作しても、EUV光源からウェハへの高いEUV透過率を保持することは、依然としてEUVリソグラフィーの重要な要素である。
【0011】
薄膜は一般に、高い透明度及び低い反射率を必要とする。UV又はDUVリソグラフィーでは、薄膜は透明な樹脂膜からなる。しかしながら、EUVリソグラフィーでは、樹脂ベース膜は許容されず、且つポリシリコン、シリサイド又は金属膜のような非有機材料が使用される。
【0012】
カーボンナノチューブ(carbon nanotube;CNT)は、96.5%を超える高いEUV透過率を有するため、EUV反射フォトマスクの薄膜に適用する材料の1つである。一般に、EUV反射マスクの薄膜は、(1)EUVステッパー/スキャナー内の水素ラジカルに富む操作環境での長寿命、(2)真空抽気及び排気操作中の垂れ下り効果を最小化する強い機械的強度、(3)約20nmより大きい粒子(キラー粒子)に対する高い又は完璧なバリア性能、及び(4)EUV放射による薄膜の焼損を防止する高い放熱性という特性を必要とする。非炭素ベース材料からなる他のナノチューブは、EUVフォトマスク用の薄膜に用いられることもできる。本開示内容のいくつかの実施例では、ナノチューブは、直径が約0.5nm~約100nmの範囲内である一次元の細長い管である。
【0013】
本開示内容において、EUVフォトマスク用の薄膜は、複数の多層壁ナノチューブを有する網目膜を含み、前記複数の多層壁ナノチューブは、細孔を有するグリッド構造及び細孔を少なくとも部分的に充填する二次元材料層を形成する。このような薄膜は、高いEUV透過率、改善された機械的強度、キラー粒子のEUVマスクへの落下を阻止する機能及び/又は改良された耐久性を有する。
【0014】
図1A及び図1Bは本開示内容による実施例のEUV薄膜10を示す。いくつかの実施例では、EUV反射マスク用の薄膜10は、薄膜フレーム15の上方に設けられ、且つ薄膜フレーム15に取り付けられる主網目膜100を含む。いくつかの実施例において、図1Aに示すように、主網目膜100は、複数の単層壁ナノチューブ100Sを含み、且つ他の実施例において、図1Bに示すように、主網目膜100は、複数の多層壁ナノチューブ100Mを含む。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブは、カーボンナノチューブであり、且つ他の実施例において、単層壁ナノチューブは、非炭素ベース材料からなるナノチューブである。いくつかの実施例において、非炭素ベース材料は、窒化ホウ素(BN)又は遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)のうちの少なくとも1つを含み、TMDはMX2で示され、M=Mo、W、Pd、Pt及び/又はHf、且つX=S、Se及び/又はTeである。いくつかの実施例において、TMDはMoS2、MoSe2、WS2又はWSe2のうちの1つである。
【0015】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブは、内側管を同軸に囲む2つ以上の管を有する同軸ナノチューブである。いくつかの実施例において、主網目膜100は、1つのタイプのナノチューブ(単層壁/多層壁又は材料)のみを含み、他の実施例において、異なるタイプのナノチューブで主網目膜100を形成する。
【0016】
いくつかの実施例において、薄膜(支持)フレーム15は、EUVマスクに装着される時に薄膜の主網目膜とEUVマスク(パターン領域)との間の空間を保持するように主網目膜100に取り付けられる。薄膜の薄膜フレーム15は、適切な接合材でEUVフォトマスクの表面に取り付けられる。いくつかの実施例において、接合材は、アクリル酸又はシリコン系接着剤又はA-B架橋型接着剤のような接着剤である。フレーム構造は、寸法がEUVフォトマスクの黒枠領域より大きく、それによって薄膜はフォトマスクの回路パターン領域だけでなく、黒枠も被覆する。
【0017】
図2A図2B図2C及び図2Dは本開示内容による実施例の多層壁ナノチューブの様々な図面を示す。
【0018】
いくつかの実施例において、主網目膜100におけるナノチューブは、同軸ナノチューブとも呼ばれる多層壁ナノチューブを含む。図2Aは3つの管210、220及び230を有する多層壁同軸ナノチューブの斜視図を示し、且つ図2Bは多層壁同軸ナノチューブの断面図を示す。いくつかの実施例において、内側管210は、カーボンナノチューブであり、且つ2つの外側管220及び230は、窒化ホウ素ナノチューブのような非炭素ベースナノチューブである。いくつかの実施例において、全ての管は、非炭素ベースナノチューブである。
【0019】
多層壁ナノチューブの管の数は3つに限らない。いくつかの実施例において、図2Cに示すように、多層壁ナノチューブは、2つの同軸ナノチューブを有し、且つ他の実施例において、図2Dに示すように、多層壁ナノチューブは、最内側管210と、最外側管200Nを含む第1のナノチューブ~第Nのナノチューブと、を備え、Nは、1~約20の自然数である。いくつかの実施例において、Nは最大10又は最大5である。いくつかの実施例において、第1の外層~第Nの外層のうちの少なくとも1つは、最内側ナノチューブ210を同軸に囲むナノチューブである。いくつかの実施例において、2つの最内側ナノチューブ210及び第1の外層~第Nの外層220、230…200Nは、互いに異なる材料からなる。いくつかの実施例において、Nは、少なくとも2つ(即ち、3つ以上の管)であり、且つ2つの最内側ナノチューブ210及び第1の外層管~第Nの外側管220、230…200Nは、同じ材料からなる。他の実施例において、3つの最内側ナノチューブ210及び第1の外側管~第Nの外側管220、230…200Nは、互いに異なる材料からなる。
【0020】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの各ナノチューブは、カーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ、遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)ナノチューブからなる群より選択される1つであり、TMDはMX2で示され、Mは、Mo、W、Pd、Pt又はHfのうちの1つ又は複数であり、Xは、S、Se又はTeのうちの1つ又は複数である。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの少なくとも2つの管は、互いに異なる材料からなる。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの隣接する2つの層(管)は、互いに異なる材料からなる。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの最外側ナノチューブは、非炭素ベースナノチューブである。
【0021】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの最外側管又は最外層は、HfO2、Al23、ZrO2、Y23又はLa23のような少なくとも1つの酸化物層、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN又はZrNのような少なくとも1つの非酸化物層、又はRu、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt又はBiのような少なくとも1つの金属層からなる。
【0022】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブは、互いに異なる材料からなる3つの同軸層状管を含む。他の実施例において、多層壁ナノチューブは、3つの同軸層状管を含み、最内側管(第1の管)及び最内側管を囲む第2の管は、互いに異なる材料からなり、且つ第2の管を囲む第3の管は、最内側管又は第2の管と同一又は異なる材料からなる。
【0023】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブは、4つの同軸層状管を含み、各管は、異なる材料A、B又はCからなる。いくつかの実施例において、4層の材料は、最も内側の(第1の)管から第4の管まで、A/B/A/A、A/B/A/B、A/B/A/C、A/B/B/A、A/B/B/B、A/B/B/C、A/B/C/A、A/B/C/B又はA/B/C/Cである。
【0024】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの全ては、結晶ナノチューブである。他の実施例において、1つ又は複数の管は、1つ又は複数の内側管を囲む非結晶(例えば、アモルファス)層である。いくつかの実施例において、最外側管は、例えば、HfO2、Al23、ZrO2、Y23、La23、B4C、YN、Si34、BN、NbN、RuNb、YF3、TiN、ZrN、Ru、Nb、Y、Sc、Ni、Mo、W、Pt又はBi層からなる。
【0025】
いくつかの実施例において、最内側ナノチューブの直径は、約0.5nm~約20nmの範囲内で、他の実施例において、約1nm~約10nmの範囲内である。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの直径(即ち、最外側管の直径)は、約3nm~約40nmの範囲内で、他の実施例において、約5nm~約20nmの範囲内である。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブの長さは、約0.5μmから約50μmの範囲内で、他の実施例において、約1.0μmから約20μmの範囲内である。
【0026】
図3A及び図3Bは本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜の様々な網目膜100を示す。
【0027】
いくつかの実施例において、図3Aに示すように、網目膜100は、複数の多層壁ナノチューブ101を含む。いくつかの実施例において、前記複数の多層壁ナノチューブは、ランダムに配列されて、グリッド構造等の網目構造を形成する。いくつかの実施例において、前記複数の多層壁ナノチューブは、材料及び構造(層数)の点で1つのタイプの多層壁ナノチューブのみを含む。他の実施例において、前記複数の多層壁ナノチューブは、材料及び構造(層数)の点で2つ以上のタイプの多層壁ナノチューブを含む。例えば、前記複数の多層壁ナノチューブは、2壁ナノチューブのような第1のタイプの多層壁ナノチューブと、3壁ナノチューブのような第2のタイプの多層壁ナノチューブとを含み、また、層A及び層Bの2壁ナノチューブのような第1のタイプの多層壁ナノチューブと、層A及び層Cの2壁ナノチューブのような第2のタイプの多層壁ナノチューブとを含む。いくつかの実施例において、主網目膜100を形成するように異なるナノチューブ層が積層される。
【0028】
いくつかの実施例において、図3Bに示すように、主網目膜100は、複数の1つ又は様々なタイプの多層壁ナノチューブ101及び複数の1つ又は様々なタイプの単層壁ナノチューブ111を含む。いくつかの実施例において、主網目膜100を形成するように異なるナノチューブ層が積層される。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブ111の数量(重量)は、多層壁ナノチューブ101の数量より小さい。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブ111の数量(重量)は、多層壁ナノチューブ101の数量より大きい。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブ101の数量(重量)は、網目膜100の総重量に対して少なくとも約20wt%であり、又は、他の実施例において、少なくとも40wt%である。多層壁ナノチューブの数量がこれらの範囲より小さい場合、十分な網目膜の強度を取得できない可能性がある。
【0029】
図4A図4B図4C及び図4Dは本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜の網目膜の様々な図面を示す。いくつかの実施例において、網目膜100は、単層構造又は多層構造を有する。
【0030】
いくつかの実施例において、図4Aに示すように、網目膜100は、複数の多層壁ナノチューブの単層110を有する。いくつかの実施例において、図4Bに示すように、網目膜100は、2層の異なるタイプの多層壁ナノチューブ110及び112を有する。層110及び層112は、厚さが互いに同一又は異なる。いくつかの実施例において、図4Cに示すように、網目膜100は、3層のナノチューブ110、112及び114を有する。いくつかの実施例において、少なくとも隣接する層は、異なるタイプ(例えば、材料及び/又は壁番号)である。層110、112及び114は、厚さが互いに同一又は異なる。いくつかの実施例において、単一ナノチューブ層は、2つの多層壁ナノチューブ層の間に設けられる。いくつかの実施例において、図4Dに示すように、網目膜100は、異なるタイプのナノチューブの混合物の単層115を有する。
【0031】
図5A図5B及び図5Cは本開示内容による実施例の薄膜用のナノチューブ網目膜の製造を示す。
【0032】
いくつかの実施例において、ナノチューブは、化学気相成長(chemical vapor deposition;CVD)プロセスによって形成される。いくつかの実施例において、図5Aに示す縦型炉を用いてCVDプロセスを実行し、且つ図5Bに示すように、ナノチューブを合成して支持膜80に堆積させる。いくつかの実施例において、カーボンナノチューブは、適切な触媒を用いて炭素源ガス(前駆体)により形成される。他の実施例において、非炭素ベースナノチューブは、B、S、Se、Mo及び/又はWを含有する適切なソースガスから形成される。その後、図5Cに示すように、支持膜80に形成された網目膜100は、支持膜80から分離されて薄膜フレーム15に転移される。
【0033】
いくつかの実施例において、その上に支持膜80が設けられるプラットフォーム又はベースは、合成されたナノチューブが異なる又はランダムな方向で支持膜80に堆積するように、連続的又は間欠的(段階的)に回転する。
【0034】
図6A図6B図6C及び図6Dは本開示内容による実施例の薄膜用のナノチューブ網目膜の製造を示す。いくつかの実施例において、図6Aに示すように、複数の細長いナノチューブは、直立炉において支持フレーム又は支持ロッドに取り付けられる触媒から形成される。いくつかの実施例において、垂直に形成されるナノチューブは、独立したナノチューブシートを形成する。いくつかの実施例において、ナノチューブは、シート内で互いに絡み合っている。いくつかの実施例において、ナノチューブシートの長さは、約5cm~約50cmの範囲内である。
【0035】
いくつかの実施例において、支持フレーム又はロッド上の触媒が細長い単層壁ナノチューブを成長させた後、単層壁ナノチューブを同軸に囲む1つ又は複数の外側ナノチューブが形成される。いくつかの実施例において、BNナノチューブ及び/又はTMDナノチューブは、CVDによって単層壁カーボンナノチューブの周囲に形成される。いくつかの実施例において、金属源(Mo、W等)及びカルコゲン元素源がガス源として縦型炉に供給される。いくつかの実施例において、MoS2層が形成される場合、Mo(CO)6ガス、MoCl5ガス及び/又はMoOCl4ガスをMo源とし、H2Sガス及び/又はジメチルスルフィドガスをS源とする。
【0036】
いくつかの実施例において、図6Bに示すように、ナノチューブシートは、支持膜80上に配置される。いくつかの実施例において、支持フレーム又はロッドが取り除かれ((例えば、切り取られる)、且つナノチューブシートが標線フレームに適合するように所望の寸法に切断される。いくつかの実施例において、図6Bに示すように、ナノチューブシートのナノチューブは、基本的に特定の方向、例えばX方向に整列する。いくつかの実施例において、第1の層の各ナノチューブが図6Cに示すように線形近似になる時、ナノチューブシートの約90%を超えるナノチューブは、X方向に対して±15度の角度θを有する。いくつかの実施例において、X方向は、線形近似ナノチューブの平均方向と一致する。
【0037】
いくつかの実施例において、図6Dに示すように、薄膜フレームに適合する所望の形状を有する2つ以上のナノチューブシートは、網目膜が形成される薄膜フレーム15に積層されて取り付けられ、これにより2つの隣接する層のナノチューブシートに異なる位置決め軸(例えば、異なる方向)を持たせる。いくつかの実施例において、1層の位置決め軸と隣接層の位置決め軸とが約30度~約90度の角度を形成する。いくつかの実施例において、ナノチューブシートの層数Nと隣接するシートとの間の角度差Aは、N×A=n×180度を満たし、Nは、2以上の自然数であり、nは、1以上の自然数である。いくつかの実施例において、Nは、10と高い。いくつかの実施例において、ナノチューブシートの積層が形成された後、網目膜を形成するように積層されたシートを所望の形状に切断し、その後、網目膜を薄膜フレームに取り付ける。
【0038】
図7Aは本開示内容による実施例の網目膜の製造プロセスを示し、図7Bは本開示内容による実施例の製造プロセスのフローチャートを示す。
【0039】
いくつかの実施例において、図7Aに示すように、ナノチューブは、溶液に分散する。溶液は、水又は有機溶剤のような溶剤と、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のような表面活性剤とを含む。ナノチューブは、1つ又は2つ又はより多くのタイプのナノチューブ(材料及び/又は壁数)である。いくつかの実施例において、ナノチューブは、単層壁ナノチューブである。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブは、アーク放電、レーザーアブレーション又は化学気相成長(chemical vapor deposition;CVD)法のような様々な方法によって形成されるカーボンナノチューブである。類似的に、単層壁BNナノチューブ及び単層壁TMDナノチューブも、CVDプロセスによって形成される。
【0040】
図7Aに示すように、支持膜は、ナノチューブ分散溶液が収容されるチャンバ、又は円筒と真空チャンバとの間に配置される。いくつかの実施例において、支持膜は、有機又は無機の多孔質又はグリッド材料である。いくつかの実施例において、支持膜は、織物又は不織布である。いくつかの実施例において、支持膜は、円形の形状を有し、その中に150mm×150mm角の薄膜寸法(EUVマスクの寸法)を配置することができる。
【0041】
図7Aに示すように、真空チャンバ内を減圧してチャンバ内又は円筒内の溶剤に圧力を加える。支持膜のメッシュ径又は孔径は、ナノチューブの寸法よりかなり小さいため、溶剤が支持膜を通過する際にナノチューブが支持膜によりキャッチされる。ナノチューブが堆積した支持膜を図7Aの濾過設備から取り外し、その後乾燥させる。いくつかの実施例において、図7Bに示すように、所望の厚さのナノチューブの網目層を得るために、濾過による堆積を繰り返す。いくつかの実施例において、ナノチューブを溶液に堆積させた後、他のナノチューブを同じ又は新しい溶液に分散させ、濾過による堆積を繰り返す。他の実施例において、ナノチューブを乾燥させた後、別の濾過による堆積を行う。繰り返し中、いくつかの実施例において同じタイプのナノチューブを使用し、他の実施例において異なるタイプのナノチューブを使用する。いくつかの実施例において、溶液に分散するナノチューブは、多層壁ナノチューブを含む。
【0042】
図8A図8B及び図8Cは、本開示内容による実施例の多層壁ナノチューブの製造プロセスを示す。いくつかの実施例において、図8Aに示すように、多層壁ナノチューブは、CVDによって単層壁ナノチューブを種結晶として用いて形成される。いくつかの実施例において、CVDによって形成されるカーボンナノチューブ、BNナノチューブ又はTMDナノチューブのような単層壁ナノチューブは、基板上に配置される。その後、ソースガスのようなソース材料が、種結晶ナノチューブを有する基板に供給される。
【0043】
いくつかの実施例において、図8Aに示すように、固体MoO3又はMoCl5源から昇華されたMo含有ガス(例えば、MoO3ガス)及び/又は固体S源から昇華されたS含有ガスを用いる。図8Aに示すように、Mo及びSの固体源は、反応チャンバ内に配置され、Ar、N2及び/又はHeのような不活性ガスを含有するキャリアガスが反応チャンバ内を流れる。固体源は、昇華によって加熱されてガス源を生成し、生成されたガスは反応してMoS2分子を形成する。その後、MoS2分子を基板の上方の種結晶ナノチューブの周囲に堆積させる。いくつかの実施例において、基板を適切に加熱する。他の実施例において、反応チャンバ全体は、誘導加熱によって加熱される。
【0044】
他の実施例において、図8Bに示すように、固体源の1つ、例えば、金属源(Mo、W等)をガス源としてチャンバ内に供給する。MoS2層が形成される場合、Mo(CO)6ガス、MoCl5ガス及び/又はMoOCl4ガスをMo源として用いる。いくつかの実施例において、S源がガスとして供給される場合、H2Sガス及び/又はジメチルスルフィドガスをS源として用いる。いくつかの実施例において、金属源及びカルコゲン元素源はガスとして供給される。
【0045】
いくつかの実施例において、図8Cに示すように、BNナノチューブを外側ナノチューブとして有する多層壁ナノチューブは、CVDによって形成される。いくつかの実施例において、B源は、約60℃~100℃の範囲内の温度下で加熱され、且つキャリアガス(例えば、Arガス)によって持ち運ばれるNH3BH3である。いくつかの実施例において、追加のキャリアガス又は希釈ガスも使用する。
【0046】
他のTMD層は、適切なソースガスを使用してCVDによって形成することもできる。WO3、PdO2及びPtO2のような金属酸化物は、それぞれW、Pd及Ptの昇華源として用いられることができ、また、W(CO)6、WF6、WOCl4、PtCl2及びPdCl2のような金属化合物は、金属源として用いられることもできる。他の実施例において、種結晶ナノチューブを、(NH4)WS4、WO3、(NH4)MoS4又はMoO3のような1つ又は複数の金属前駆体に浸漬し、分散し、又はそれらにより処理して基板上に配置し、その後、硫黄ガスを基板上に供給して多層壁ナノチューブを形成する。
【0047】
いくつかの実施例において、上記プロセスを繰り返すことによって3つ以上の同軸ナノチューブを形成する。
【0048】
いくつかの実施例において、図8Dに示すように、多層壁ナノチューブは、内側ナノチューブと、前記内側ナノチューブを完全に同軸に囲む外側ナノチューブと、を含む。他の実施例において、図8Eに示すように、種結晶層として用いられるナノチューブが網目を形成する時、外側ナノチューブは内側管を同軸に囲み、2つ以上の内側管が互いに接触する。
【0049】
図9A図9B及び図9Cは本開示内容によるいくつかの実施例の二次元材料層を有する多層壁ナノチューブからなる網目膜を示す。
【0050】
前述したように、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブを1つ又は複数含む網目膜が形成される。いくつかの実施例において、各層には複数の細孔又は空間を有するグリッド構造が形成される。図9A及び図9Bに示すように、細孔を部分的又は完全に充填するために二次元材料層120が形成される。
【0051】
いくつかの実施例において、二次元材料層120は、窒化ホウ素(BN)及び/又は遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)のうちの少なくとも1つを含み、TMDはMX2で示され、M=Mo、W、Pd、Pt、及び/又はHfであり、X=S、Se及び/又はTeである。いくつかの実施例において、TMDは、MoS2、MoSe2、WS2又はWSe2のうちの1つである。いくつかの実施例において、二次元材料層120の厚さは、約0.3nm~約3nmの範囲内で、他の実施例において約0.5nm~約1.5nmの範囲内である。いくつかの実施例において、二次元材料層の数は、1~約20であり、他の実施例においてにおいて2~約5である。
【0052】
いくつかの実施例において、二次元層は、遷移金属ソースガス及びカルコゲン元素ソースガスを使用してCVDによって形成され、図8A図8Cを参照しながら説明されるプロセスと類似する。いくつかの実施例において、二次元層は、炭素含有ガスを使用してCVDによって形成されたグラフェンを含む。図9Aに示すように、二次元材料層の成長は、ナノチューブ網目における種結晶点としての交差点から開始し、且つこの交差点から外へ成長する。いくつかの実施例において、二次元材料層の成長と外側管の成長は順に又は単独で組み合わせられる。いくつかの実施例において、BN又はTMD外側管が単層壁(又は多層壁)ナノチューブの周囲に形成され、細孔を充填するために二次元層が連続的に形成される。
【0053】
いくつかの実施例において、網目膜は、それぞれ10nm2~1000nm2の面積を有する細孔を含み、二次元層は、平面図において各細孔を約30%から約100%の面積(表面積とする)で充填する。そのため、いくつかの細孔は、二次元層によって完全に充填又は遮蔽されるが、いくつかの細孔は、二次元層によって部分的にのみ充填又は遮蔽される。
【0054】
図9Cに示すように、二次元材料層を有する網目膜は、薄膜フレームに取り付けられる。細孔を充填する二次元層は、熱量を放出するために良好な放熱通路を提供する。
【0055】
図10A及び図10B図13A及び図13Bは本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するための各段階の断面図(図「A」)及び平面図(上面視)(図「B」)を示す。追加の操作は、図10A図13Bに示すプロセスの前、中、及び後に提供されてもよく、前記方法の追加の実施例について、以下に説明するいくつかの操作を置換又は削除してもよいことを理解すべきできる。操作/プロセスの順序は交換可能である。前述した実施例について説明された材料、構成、方法、プロセス及び/又は寸法は、以下の実施例に適用し、その詳細な説明を省略することができる。
【0056】
ナノチューブ層90を、以上に記述した1つ又は複数の方法によって支持膜80に形成する。いくつかの実施例において、ナノチューブ層90は、単層壁ナノチューブ、多層壁ナノチューブ又はその混合物を含む。いくつかの実施例において、ナノチューブ層90は、単層壁ナノチューブのみを含む。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブは、BNナノチューブ又はTMDナノチューブのような非炭素ベースナノチューブである。
【0057】
そして、図11A及び図11Bに示すように、薄膜フレーム15は、ナノチューブ層90に取り付けられる。いくつかの実施例において、薄膜フレーム15は、単一層又は複数層の結晶シリコン、ポリシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、セラミックス、金属又は有機材料からなる。いくつかの実施例において、図11Bに示すように、薄膜フレーム15は、矩形(正方形を含む)のフレーム形状を有し、EUVマスクの黒枠領域より大きく、EUVマスクの基板より小さい。
【0058】
その後、図12A及び図12Bに示すように、いくつかの実施例において、ナノチューブ層90及び支持膜80を薄膜フレーム15と同じ又はやや大きい矩形の形状に切断し、その後、支持膜80を分離させるか又は取り除く。支持膜80が有機材料からなる場合、支持膜80は、有機溶剤を用いてウェットエッチングによって取り除かれる。
【0059】
それから、いくつかの実施例において、図13A及び図13Bに示すように、各ナノチューブ(例えば、単一ナノチューブ)を囲んで1つ又は複数の外側ナノチューブを形成し、且つ/又はナノチューブ層90の細孔を部分的に充填するために二次元材料層を形成して、網目膜100を形成する。いくつかの実施例において、上記のとおり、ナノチューブ層90を種結晶層として用いて外側ナノチューブ及び/又は二次元材料層を形成するためにCVDプロセスを実行する。2つ以上の外側管及び/又は2層以上の二次元材料を形成するためにCVDプロセスを必要な回数で繰り返す。
【0060】
いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブ層91が支持膜80の上方に直接形成される場合は図14Aに示すとおりである。いくつかの実施例において、図14Bに示すように、支持膜80の上方に単層壁ナノチューブを含むナノチューブ層90が形成された後、単層壁ナノチューブが支持基板80の上方で多層壁ナノチューブに変換され、且つ/又は細孔を部分的に充填するために二次元材料層が形成される。支持膜上に多層壁ナノチューブ及び/又は二次元材料層を含むナノチューブ層91が形成された後、薄膜フレーム15を取り付け、その後、ナノチューブ層を所望の形状に切断する。
【0061】
図15A図15B及び図15Cは本開示内容による実施例のEUVフォトマスク用の薄膜を製造するフローチャートを示す。追加の操作は、図15A図15Cに示すプロセスのブロックの前、中、及び後に提供されてもよく、前記方法の追加の実施例について、以下に説明するいくつかの操作を置換又は削除してもよいことを理解すべきできる。操作/プロセスの順序は交換可能である。前述した実施例について説明された材料、構成、方法、プロセス及び/又は寸法は、以下の実施例に適用し、その詳細な説明を省略することができる。
【0062】
いくつかの実施例において、図15Aに示すように、ブロックS101では、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブを含むナノチューブ層を支持膜に形成する。その後、ブロックS102では、薄膜フレームをナノチューブ層に取り付ける又はナノチューブ層の上方に形成する。ブロックS103では、ナノチューブ層及び支持膜を必要な形状に切断し、且つブロックS104では、支持膜を取り除く。ブロックS105では、単層壁ナノチューブの周囲に1つ又は複数の外側管をそれぞれ形成し、且つ/又はナノチューブ層の細孔に二次元材料層を形成する。いくつかの実施例において、ブロックS101とブロックS102との間にブロックS015を実行する。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブの外側ナノチューブのうちの1つは、非炭素ベースナノチューブである。他の実施例において、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブの最内側ナノチューブは、カーボンナノチューブである。
【0063】
いくつかの実施例において、図15Bに示すように、ブロックS201では、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブを含むナノチューブ層を支持膜に形成する。その後、ブロックS202では、ブロックS201で形成された2つ以上のナノチューブ層を積層する。いくつかの実施例において、隣接する2つのナノチューブ層の方向は互いに異なる。ブロックS203では、積層されるナノチューブ層を所望の形状に切断し、ブロックS204では、積層されるナノチューブ層の上方に薄膜フレームを形成する。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブの外側ナノチューブのうちの1つは、非炭素ベースナノチューブである。他の実施例において、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブの最内側ナノチューブは、カーボンナノチューブである。
【0064】
いくつかの実施例において、図15Cに示すように、ブロックS301では、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブを含むナノチューブ層を支持膜に形成する。その後、ブロックS302では、1つ又は複数の外側管及び/又は二次元材料層をナノチューブ上に形成する。ブロックS303では、S302で形成された2つ以上のナノチューブ層を積層する。いくつかの実施例において、隣接する2つのナノチューブ層の方向は互いに異なる。ブロックS304では、積層されたナノチューブ層を所望の形状に切断し、ブロックS305では、積層されたナノチューブ層の上方に薄膜フレームを形成する。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブの外側ナノチューブのうちの1つは、非炭素ベースナノチューブである。他の実施例において、単層壁ナノチューブ及び/又は多層壁ナノチューブの最内側ナノチューブは、カーボンナノチューブである。
【0065】
図16A図16Eは本開示内容によるいくつかの実施例の薄膜構造を示す。前述した実施例について説明された材料、構成、方法、プロセス及び/又は寸法は、以下の実施例に適用し、その詳細な説明を省略することができる。
【0066】
いくつかの実施例において、図16Aに示すように、薄膜の主膜は、単層ナノチューブ網目である。いくつかの実施例において、ナノチューブ網目は、単層壁ナノチューブから形成される。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブは、BN又はTMDのような非炭素ベース材料からなる。いくつかの実施例において、図16Bに示す主膜を形成するために2つ以上の単層壁ナノチューブ層を積層する。いくつかの実施例において、2つの隣接するナノチューブ層の方向は互いに異なる。いくつかの実施例において、図16Cに示すように、主膜は多層壁ナノチューブから形成される。いくつかの実施例において、多層壁ナノチューブは、最内側ナノチューブ及び1つ又は複数の外側ナノチューブを含み、前記複数の外側ナノチューブのうちの1つは、BN又はTMDのような非炭素ベース材料からなる。
【0067】
いくつかの実施例において、図16Dに示すように、主膜は、単層壁ナノチューブからなるグリッド構造のナノチューブ層を含み、グリッド構造の細孔は、二次元材料層で部分的又は完全に充填される。いくつかの実施例において、単層壁ナノチューブは、BN又はTMDのような非炭素ベース材料からなる。他の実施例において、図16Eに示すように、主膜は、多層壁ナノチューブからなるグリッド構造を有するナノチューブ層を含み、グリッド構造の細孔は、二次元材料層で部分的又は完全に充填される。
【0068】
図17Aは半導体装置の製造方法のフローチャートを示し、図17B図17C図17D及び図17Eは本開示内容による実施例の半導体装置を製造する順番製造方法を示す。その上に集積回路を形成するためにパターン化すべき半導体基板又は他の適切な基板を提供する。いくつかの実施例において、半導体基板はシリコンを含む。代替的又は追加的に、半導体基板は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム又はIII-V族半導体材料のような他の適切な半導体材料を含む。図17AのS801では、半導体基板の上方にパターン化すべきターゲット層を形成する。いくつかの実施例において、ターゲット層は半導体基板である。いくつかの実施例において、ターゲット層は、金属層又はポリシリコン層のような導電層と、酸化ケイ素、窒化ケイ素、SiON、SiOC、SiOCN、SiCN、酸化ハフニウム又は酸化アルミニウムのような誘電体層と、エピタキシャルからなる半導体層のような半導体層と、を含む。いくつかの実施例において、ターゲット層は、隔離構造、トランジスタ又は配線のような下位構造上に形成される。図17AのS802では、図17Bに示すように、ターゲット層上にフォトレジスト層を形成する。その後のリソグラフィー露光プロセスにおいて、フォトレジスト層は、露光源からの放射線に敏感である。本実施例において、フォトレジスト層は、リソグラフィー露光プロップスで用いられるEUV光に敏感である。フォトレジスト層は、スピンコーティング又は他の適切な技術によってターゲット層上に形成され得る。コーティングされたフォトレジスト層を更に焼き付けてフォトレジスト層中の溶剤を除去することができる。図17AのS803では、図17Cに示すように、上述した薄膜を有するEUV反射マスクを用いてフォトレジスト層をパターン化する。フォトレジスト層をパターン化する工程は、EUVマスクを使用してEUV露光システムによってリソグラフィー露光プロップスを実行する工程を含む。露光プロセスでは、EUVマスク上に画定される集積回路(integrated circuit;IC)設計パターンは、フォトレジスト層上に結像されてその上に潜在的パターンを形成する。フォトレジスト層をパターン化する工程は、1つ又は複数の開口部を有するパターン化されたフォトレジスト層を形成するために露光したフォトレジスト層を現像する工程を更に含む。フォトレジスト層がポジ型フォトレジスト層である一実施例において、現像プロセスで、フォトレジスト層の露光部分を取り除く。フォトレジスト層をパターン化する工程は、異なる段階での様々な焼き付け工程のような他のプロセス工程をさらに含んでもよい。例えば、リソグラフィー露光プロセスの後及び現像プロセスの前に露光後ベーク(post-exposure-baking;PEB)プロセスを実施してもよい。
【0069】
図17AのS804では、図17Dに示すように、パターン化されたフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いてターゲット層をパターン化する。いくつかの実施例において、ターゲット層をパターン化する工程は、パターン化されたフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いてターゲット層にエッチングプロセスを適用する工程を含む。パターン化されたフォトレジスト層の開口部内に露出したターゲット層の部分をエッチングし、残りの部分をエッチングしない。更に、図17Eに示すように、パターン化されたフォトレジスト層は、ウェット剥離又はプラズマアッシングによって取り除かれてもよい。
【0070】
本開示内容による実施例の薄膜は、従来の薄膜よりも高い強度及び熱導電率(散逸)、並びに高いEUV透過率を提供する。上記実施例において、多層壁ナノチューブを主網目膜として用いて薄膜の機械的強度を高め、高いEUV透過率を得る。更に、ナノチューブのグリッド網目に二次元材料層を直接形成して、グリッド網目中の細孔を部分的又は完全に充填して、薄膜の機械的強度を高め、薄膜の放熱性能を向上させ、且つキラー粒子の高い又は完璧なバリア性能を提供する。
【0071】
全ての利点が本明細書において必ずしも議論されるわけではなく、全ての実施例又は実例に対して特定の利点は必要ではなく、他の実施例又は実例が異なる利点を提供してもよいことを理解すべきである。
【0072】
本開示の一態様によると、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用の薄膜は、薄膜フレームと、前記薄膜フレームに取り付けられる主膜と、を含む。主膜は、各々単一ナノチューブ又は同軸ナノチューブを含む複数のナノチューブを備え、且つ単一ナノチューブ又は同軸ナノチューブの最外側ナノチューブは、非炭素ベースナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、非炭素ベースナノチューブは、窒化ホウ素ナノチューブ及び遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)ナノチューブからなる群より選ばれる1つであり、TMDはMX2で示され、Mは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)又はハフニウム(Hf)のうちの1つ又は複数であり、Xは、硫黄(S)、セレン(Se)又はテルリウム(Te)のうちの1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、カーボンナノチューブである内側管と、1つ又は複数の外側管を有する同軸ナノチューブと、を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、内側管及び内側管と異なる材料からなる1つ又は複数の外側管を有する同軸ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、内側管及び1つ又は複数の外側管を有する同軸ナノチューブを含み、前記複数の管が互いに異なる材料からなる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、内側管及び1つ又は複数の外側管を有する同軸ナノチューブを含み、前記複数の管が非炭素ベースナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、主膜は、前記複数のナノチューブから形成されるグリッドを含む。
【0073】
本開示の別の態様によると、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用の薄膜は、薄膜フレームと、前記薄膜フレームに取り付けられる主膜と、を含む。主膜は、複数のナノチューブ層を含み、前記複数のナノチューブ層における第1の層ナノチューブは、第1の軸に沿って配列され、第1の層と隣接する複数のナノチューブ層の第2の層ナノチューブは、第1の軸と交差する第2の軸に沿って配列される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の層の各ナノチューブが線形近似となる時、第1の層の90%を超えるナノチューブは、第1の軸に対して±15度の角度を有し、第2の層の各ナノチューブが線形近似となる時、第2の層の90%を超えるナノチューブは、第2の軸に対して±15度の角度を有する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の軸と第2の軸とが30度~90度の角度を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブ層の合計層数は2~8である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブ層のうちの一層は、非炭素ベース材料層によって被覆される複数の単層壁ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、非炭素ベース材料層は、窒化ホウ素及び遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)からなる群より選ばれる1つからなり、TMDはMX2で示され、Mは、Mo、W、Pd、Pt又はHfのうちの1つ又は複数であり、Xは、S、Se又はTeのうちの1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、少なくとも1つの単層壁ナノチューブは、非炭素ベース材料層に挿入せず、別の単層壁ナノチューブと接触する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、非炭素ベース材料層は、前記複数の単層壁ナノチューブの各々を同軸に囲むナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブ層のうちの各々は、複数の多層壁ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数の多層壁ナノチューブの各々は、内側管と非炭素ベース材料からなる1つ又は複数の外側管とを含む。
【0074】
本開示の別の態様によると、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用の薄膜は、薄膜フレームと、前記薄膜フレームに取り付けられる主膜とを含む。主膜は、複数のナノチューブのグリッドと、グリッドの空間を少なくとも部分的に充填する二次元材料層とを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料層は、窒化ホウ素(BN)、MoS2、MoSe2、WS2及びWSe2からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、少なくとも1つの空間は、二次元材料層で完全に充填され、少なくとも1つの空間は、一部のみが二次元材料層で充填される。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、単層壁ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、多層壁ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、主膜は、各々10nm2~1000nm2の面積を有る細孔を含む。
【0075】
本開示の別の態様によると、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用の薄膜の製造方法では、複数のナノチューブを含むナノチューブ層を形成し、且つナノチューブ層の上方に二次元材料層を形成する。前記二次元材料層を用いて薄膜フレームを前記ナノチューブ層に取り付ける。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、ナノチューブ層は、前記複数のナノチューブのグリッドを含み、二次元材料層は、グリッドの交差点から複数の種結晶として成長する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料層は、窒化ホウ素及び遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)からなる群より選ばれる1つであり、TMDはMX2で示され、Mは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)又はハフニウム(Hf)のうちの1つ又は複数であり、Xは、硫黄(S)、セレン(Se)又はテルリウム(Te)のうちの1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料層の厚さは、0.3ナノメーター(nm)~3ナノメーター(nm)の範囲内である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、二次元材料層の層数は1~10である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは単層壁ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、単層壁ナノチューブは非炭素ベース材料からなる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、非炭素ベース材料は、窒化ホウ素及び遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)からなる群より選ばれる1つであり、TMDはMX2で示され、Mは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)又はハフニウム(Hf)のうちの1つ又は複数であり、Xは、硫黄(S)、セレン(Se)又はテルリウム(Te)のうちの1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは多層壁ナノチューブである。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、各多層壁ナノチューブの少なくとも1つは、窒化ホウ素及び遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)からなる群より選ばれる1つからなり、TMDはMX2で示され、Mは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)又はハフニウム(Hf)のうちの1つ又は複数であり、Xは、硫黄(S)、セレン(Se)又はテルリウム(Te)のうちの1つ又は複数である。
【0076】
本開示の別の態様によると、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用の薄膜の製造方法において、複数のナノチューブを含む第1のナノチューブ層を形成し、複数のナノチューブを含む第2のナノチューブ層を形成し、且つ第1のナノチューブ層及び第2のナノチューブ層を薄膜フレームに積層する。第1のナノチューブ層の前記複数のナノチューブは、第1の軸に沿って配列され、第2のナノチューブ層の前記複数のナノチューブは、第2の軸に沿って配列され、第1の軸と第2の軸とが交差するように、第1のナノチューブ層及び第2のナノチューブ層を積層する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のナノチューブ層の前記複数のナノチューブのうちの各々が線形近似となる時、第1のナノチューブ層の90%を超える前記複数のナノチューブは、第1の軸に対して±15度の角度を有し、第2のナノチューブ層の前記複数のナノチューブのうちの各々が線形近似となる時、第2のナノチューブ層の90%を超える前記複数のナノチューブは、第2の軸に対して±15度の角度を有する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1の軸と第2の軸とが30度~90度の角度を形成する。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のナノチューブ層又は第2のナノチューブ層のうちの少なくとも一方は、非炭素ベース材料からなる複数の単層壁ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、非炭素ベース材料は、窒化ホウ素及び遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide;TMD)からなる群より選ばれる1つからなり、TMDはMX2で示され、Mは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)又はハフニウム(Hf)のうちの1つ又は複数であり、Xは、硫黄(S)、セレン(Se)又はテルリウム(Te)のうちの1つ又は複数である。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、第1のナノチューブ層又は第2のナノチューブ層のうちの少なくとも1つは、複数の多層壁ナノチューブを含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数の多層壁ナノチューブのうちの各々は、内側管及び非炭素ベース材料からなる1つ又は複数の外側管を含む。
【0077】
本開示の別の態様によると、極端紫外線(extreme ultraviolet;EUV)反射マスク用の薄膜の製造方法において、支持基板を回転させるとともに、複数のナノチューブを含むナノチューブ層を支持基板の上方に形成し、薄膜フレームをナノチューブ層に取り付け、ナノチューブ層と支持基板とを分離させる。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、非炭素ベース材料を含む。前述及び以下の実施例のうちの1つ又は複数において、前記複数のナノチューブは、各々10nm2~1000nm2の面積を有する細孔があるグリッドを形成する。
【0078】
いくつかの実施例又は実例の特徴は、当業者が本開示内容の各態様をよりよく理解するために、以上で概説される。当業者は、本明細書に記載された実施例又は実例と同じ目的及び/又は同じ利点を実現するために、他のプロセス及び構造を設計又は修正する基礎として本開示の内容を容易に用いることができることを当業者であれば理解すべきである。これらの等価構造は、本開示の精神及び範囲から逸脱せず、且つ本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替、及び変更を行うことができることを当業者にも認識すべきである。
【符号の説明】
【0079】
10:薄膜
15:薄膜フレーム
80:支持膜
90:ナノチューブ層
91:多層壁ナノチューブ層
100:網目膜
100S:単層壁ナノチューブ
101:多層壁ナノチューブ
111:単層壁ナノチューブ
110、112、114:層
115:単層
120:二次元材料層
200N:管/層
210:管/層
220、230:管/層
S101~S105、S201~S204、S301~S305、S801~S804:ブロック
θ:角度
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E