IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシーの特許一覧

特許7539506折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ
<>
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図1
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図2A
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図2B
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図3A
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図3B
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図4A
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図4B
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図4C
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図4D
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図5
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図6
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図7
  • 特許-折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】折りたたみ式コントロールスティックを備えたビデオゲームコントローラ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20240816BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20240816BHJP
【FI】
G06F3/0338 411
A63F13/24
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022581582
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 US2021038487
(87)【国際公開番号】W WO2022010648
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】16/922,521
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェンスー
(72)【発明者】
【氏名】オスマン、スティーヴン
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0057502(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0302829(US,A1)
【文献】特開2002-163072(JP,A)
【文献】特開平04-277816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0338
A63F 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ本体と、
前記コントローラ本体に結合されたサムスティック本体と、
前記サムスティック本体に結合されたサムスティックシャフトと、
を含む、コントローラであって、
前記サムスティックシャフトは前記サムスティック本体内に引き込まれるように構成され、
前記サムスティック本体及び前記サムスティックシャフトは合わせて前記コントローラ本体内のピボットセンターを中心に自由回転可能であり、
前記サムスティック本体内に流体をさらに含み、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれると、前記サムスティックシャフトは前記流体を変位させる、コントローラ。
【請求項2】
前記サムスティックシャフトは少なくとも1つのタブを含み、前記サムスティックシャフトが回動すると、前記少なくとも1つのタブは、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれるのを停止させる、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記サムスティック本体は、少なくとも1つの保定スロットを含み、前記少なくとも1つの保定スロットは、前記少なくとも1つのタブを嵌合し、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれるのを停止させ、
前記少なくとも1つのスロットは、少なくとも1つの棚部を含み、前記少なくとも1つの棚部は、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に圧入されると、前記サムスティックシャフトが前記コントローラ本体から延出するのを防止する、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記サムスティックシャフトの下にばねをさらに含み、前記ばねは、前記コントローラ本体から前記サムスティックシャフトが延出することを支援する圧力を前記サムスティックシャフト上に加え、前記サムスティックシャフトを適所にロックする力を、前記少なくとも1つのタブが前記少なくとも1つの棚部に接触しているときに前記サムスティックシャフトに加えるように構成される、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記サムスティックシャフトと前記サムスティック本体との間に弾性連結部をさらに含み、前記弾性連結部は、前記少なくとも1つのタブが前記少なくとも1つのスロット内に存在しないときに、前記サムスティックシャフトを前記サムスティック本体内に引き込む引き込み力を前記シャフトに与えるように構成される、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記サムスティック本体に結合されたリザーバをさらに含み、前記リザーバは、前記サムスティックシャフトによって変位した前記流体を収容するように構成される、請求項に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記流体は非ニュートン流体である、請求項に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記リザーバに結合されたアクチュエータ及びプランジャをさらに含み、
前記アクチュエータが力を前記プランジャに加えて、前記サムスティック本体内の前記流体を加圧し、前記サムスティックシャフトを前記サムスティック本体から摺動させて出す、請求項に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記リザーバ及び前記アクチュエータに結合された圧力センサをさらに含み、
前記圧力センサによって検知された前記リザーバ内の圧力により、前記アクチュエータが前記プランジャに加える力を減少させることで、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれることが可能になる、請求項に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記サムスティックシャフトは、シャフトガイドロッドを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記サムスティック本体は、本体ガイド壁部と、強化基部と、外側本体キャビティと、内側本体キャビティと、を含み、
前記サムスティックシャフトは、前記シャフトガイドロッドがテレスコープ式で前記内側本体キャビティ内に嵌合する状態で、前記本体ガイド壁部の周りに嵌合するように構成されることを特徴とする請求項10に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記サムスティックシャフトは、シャフトキャビティを含み、
前記本体ガイド壁部は、前記シャフトガイドロッドが前記内側本体キャビティ内に押し下げられた状態で、前記シャフトキャビティ内に押し上げられることを特徴とする請求項11に記載のコントローラ。
【請求項13】
サムスティック本体と、
前記サムスティック本体に結合されたサムスティックシャフトと、
を含む、サムスティックであって、
前記サムスティックシャフトは前記サムスティック本体内に引き込まれるように構成され、
前記サムスティック本体及び前記サムスティックシャフトは合わせてコントローラ本体内のピボットセンターを中心に自由回転するように構成され、
前記サムスティック本体内に流体をさらに含み、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれると、前記サムスティックシャフトは前記流体を変位させる、サムスティック。
【請求項14】
前記サムスティックシャフトは少なくとも1つのタブを含み、前記サムスティックシャフトが回動すると、前記少なくとも1つのタブは、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれるのを停止させる、請求項13に記載のサムスティック。
【請求項15】
前記サムスティック本体は、少なくとも1つの保定スロットを含み、前記少なくとも1つの保定スロットは、前記少なくとも1つのタブを嵌合し、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれるのを停止させ、
前記少なくとも1つの保定スロットは、少なくとも1つの棚部を含み、前記少なくとも1つの棚部は、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に圧入されると、前記サムスティックシャフトが前記コントローラ本体から延出するのを防止する、請求項13に記載のサムスティック。
【請求項16】
前記サムスティックシャフトと前記サムスティック本体との間の弾性連結部は、前記少なくとも1つのタブが前記少なくとも1つのスロット内に存在しないときに、前記サムスティックシャフトを前記サムスティック本体内に引き込む引き込み力を前記シャフトに与える、請求項15に記載のサムスティック。
【請求項17】
前記サムスティック本体に結合されたリザーバをさらに含み、前記リザーバは、前記サムスティックシャフトによって変位した前記流体を収容するように構成される、請求項15に記載のサムスティック。
【請求項18】
プロセッサ及び前記プロセッサに結合されたメモリを有するコンピュータ要素と、
前記コンピュータ要素と相互運用するように構成されたコントローラと、
を含む、コンピュータシステムであって、
前記コントローラは、コントローラ本体と、前記コントローラ本体に結合されたサムスティック本体と、前記サムスティック本体に結合されたサムスティックシャフトとを含み、
前記サムスティックシャフトは、前記サムスティック本体内に引き込まれるように構成され、
前記サムスティック本体及び前記サムスティックシャフトは合わせて前記コントローラ本体内のピボットセンターを中心に自由回転可能であり、
前記サムスティック本体内に流体をさらに含み、前記サムスティックシャフトが前記サムスティック本体内に引き込まれると、前記サムスティックシャフトは前記流体を変位させる、コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コントローラの分野に関する。具体的には、本開示の態様は、ポータブルゲームコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームコントローラは、コンピュータからゲームコンソールまでのさまざまなコンピューティングデバイスを制御するために使用されてきた。通常、ポータブルコンピューティングデバイスは、ジョイスティックタイプのゲームコントローラ入力の選択肢が限られている。ジョイスティックは、一般に、基部上で枢動するスティックを含む。基部内の機構は、制御しているデバイスに角度または方向を報告する。一部の実装では、機構は大きさも報告する。
【0003】
また、使用するのに快適なジョイスティックは、一般にジョイスティックのスティックが快適に保持されるには、ユーザの手とほぼ同じサイズでなければならないため、持ち運びにくい。これは、ポータブルコンピューティングデバイス上にジョイスティックを有することが実用的ではないことを意味する。
【0004】
アナログナブは持ち運び可能であるが、ユーザにとってはあまり快適ではない。アナログナブは、基部上で枢動し、制御しているデバイスに角度または方向を報告するという点で、ジョイスティックに似ている。スティックの代わりに、アナログナブは球面上に平らな表面または粗い領域を有する。ユーザは、自分の親指からの圧力で平らな表面または粗い領域を動かす。これは、ユーザの親指と表面との間に摩擦が必要であるため、しばらくするとあまり快適ではなくなる可能性がある。
【0005】
サムスティックは、コントローラ入力の第三選択肢の一例である。ジョイスティックに似て、それらは基部上で枢動し、制御しているデバイスに角度または方向(及び場合によっては大きさ)を報告する。ジョイスティックとは異なり、サムスティックは、ユーザが握るスティックの代わりに、ユーザが自分の親指で動かす小さい突出部を含む。サムスティックは、アナログナブよりもユーザにとって快適で、ジョイスティックよりも小さいが、それでも持ち運びにくい。サムスティックの突出部がコントローラの表面から突き出ており、衣類またはその他の薄い生地に引っ掛かりやすい可能性があるので、サムスティックが破損しやすくなる。
【0006】
本発明の実施形態が現れるのはこの文脈内である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の教示は、添付図面とあわせて以下の詳細な説明を検討することによって容易に理解できる。
【0008】
図1】従来技術のサムスティックの側断面図を示す。
図2A】本開示の態様による折りたたみ式サムスティックの側断面図を示す。
図2B】本開示の態様による、図2Aの折りたたみ式サムスティックの側断面図を示し、そのシャフトがサムスティック本体内に引き込まれている。
図3A】本開示の態様による、延出状態中の深くなった本体キャビティを有する折りたたみ式サムスティックの側断面図である。
図3B】本開示の態様による、引き込み状態中の深くなった本体キャビティを有する折りたたみ式サムスティックの側断面図である。
図4A】本開示の態様による、タブを有するサムスティックシャフトのワイヤフレーム等角図である。
図4B】本開示の態様による、スロット及びチャネルを有するサムスティック本体のワイヤフレーム等角図を示す図解である。
図4C】本開示の態様による、サムスティック本体内に引き込まれたサムスティックシャフトのワイヤフレーム等角図を描写する図解である。
図4D】本開示の態様による、サムスティック本体から延出したサムスティックシャフトのワイヤフレーム等角図を示す図解である。
図5】本開示の態様による、非ニュートン液体を有するサムスティックシャフト及びサムスティック本体のワイヤフレーム等角図を描写する図解である。
図6】本開示の態様による、液体及びアクチュエータを有するサムスティックシャフト及びサムスティック本体のワイヤフレーム等角図を描写する図解である。
図7】本開示の態様による、タブを有するサムスティックシャフト及びサムスティック本体の組立体の断面図を、複数のスロット、チャネル及び棚部を含むサムスティック本体の特徴の展開図と共に描写する図解である。
図8】本開示の態様による、折りたたみ式アナログスティックを備えたコントローラを有するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、例示を目的として多くの具体的な詳細を含むが、当業者の誰でも、以下の詳細に対する多くの変形及び改変が本発明の範囲内にあることを認識する。したがって、以下で説明される本発明の実施形態の例は、特許請求される発明への一般性を失うことなく、及び特許請求される発明への限定を課すことなく示される。
【0010】
本発明の実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が示されると共に、当業者は、それらの特定の詳細なしに、他の実施形態が実施されてもよいことを理解するであろう。他の例では、本開示の態様を曖昧にしないように、公知の方法、手順、構成要素、及び回路が説明されていない。本明細書における説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットまたは二値デジタル信号に対する演算のアルゴリズム及び象徴的表現に関して提示される。それらのアルゴリズムの記述及び表現は、その作業の本質を他の当業者に伝達するために、データ処理の分野における当業者によって使用される技術であってもよい。
【0011】
本明細書で使用されるようなアルゴリズムは、所望の結果につながる首尾一貫した一連のアクションまたは演算である。それらは、物理量の物理操作を含む。通常、必ずしもそうではないが、それらの量は、記憶され、転送され、組み合わされ、比較され、及びそうでなければ操作されることが可能な電子信号または磁気信号の形式をとる。主に一般的な使用を理由として、これらの信号が、ビット、値、要素、シンボル、文字、用語、または数字などを指すことが便利であり得ることが証明されている。
【0012】
特に述べられない限り、または以下の議論から明らかでない限り、説明の全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「変換する」、「調停する」、「判定する」、または「識別する」などの用語を利用する議論は、コンピュータプラットフォームのアクション及び処理を指し、コンピュータプラットフォームは、プロセッサのレジスタ及びアクセス可能なプラットフォームメモリ内の物理(例えば、電子)量として表されるデータを、コンピュータプラットフォームメモリ、プロセッサレジスタ、またはディスプレイスクリーン内の物理量と同様に表される他のデータに操作及び変換するプロセッサを含む電子コンピューティングデバイスである。
【0013】
コンピュータプログラムは、それらに限定されないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光学ディスク(例えば、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク(登録商標)など)を含むいずれかのタイプのディスク、及び磁気光学ディスク、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気もしくは光学カード、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために適切ないずれかの他のタイプの非一時的媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0014】
「結合される」及び「接続される」という用語は、それらの派生形と共に、本明細書では、本明細書に記載の演算を実行する装置の構成要素の間の構造的関係を説明するためのものである。それらの用語は、相互に同義語として意図されないことは理解されるべきである。むしろ、いくつかの特定の例では、「接続される」は、2つ以上の要素が相互に直接物理接触または直接電気接触していることを示してもよい。いくつかの他の例では、「接続される」、「接続」、及びそれらの派生形は、例えば、ニューラルネットワーク内のノード層の間の論理的関係を示すために使用される。「結合される」は、2つ以上の要素が相互に直接物理接触もしくは直接電気接触し、または間接物理接触(それらの間の他の仲介する要素による)もしくは間接電気接触していることのいずれかであること、及び/または2つ以上の要素が相互に協同または通信する(因果関係にあるように)ことを示すために使用されてもよい。
【0015】
従来技術のサムスティック
図1は、従来技術のサムスティックの一実施形態を示す。示されるように、サムスティックは、サムスティックシャフト101、サムスティック本体102、及びピボットセンター103を含む。サムスティックが接続されるコントローラまたは他の装置の本体104の一部も示されている。この従来技術のサムスティックでは、シャフト101は本体102に強固に接続され、シャフト101及び本体102はピボットセンター103を中心に回転し、そのような回転はコントローラ本体104によって制限され得る。ピボットセンサは、ピボットセンター103を中心としたサムスティックの回転を検知する。また、ピボットセンサは、サムスティッククリック機能用のボタンを含んでもよい。
【0016】
従来技術のサムスティック本体102は、使用中にピボットセンター103に当たらないように構成された中空の半球構造体であってもよい。さらに、従来技術のサムスティック本体102は、コントローラ本体104の開口部を完全に覆い、ピボットセンター103を、ピボットセンターの機能を妨げる可能性のある粉塵または他の混入物から保護することができる。従来技術のサムスティックシャフト101は、固形ゴム、プラスチック、金属、または複合材料であってもよい。サムスティックシャフト101は、使用中にユーザが快適に親指を置くことができる平坦な親指用表面105をさらに含むことができる。
【0017】
折りたたみ式サムスティック
図2Aは、本開示の態様による折りたたみ式サムスティックを示す。示されるように、サムスティックシャフト201は、シャフトキャビティ209及びシャフトガイドロッド206を含み得る。任意選択に、サムスティックシャフト201は親指用表面205を含むことができ、この親指用表面は、サムスティックシャフトの断面よりも大きい面積を有することで、ユーザの親指に快適な休息を提供する。サムスティック本体202は、本体ガイド壁部207、強化基部210、外側本体キャビティ211、及び内側本体キャビティ212を含むことができる。さらに、ばね208は、内側本体キャビティ212内に(任意選択で)位置していてもよい。サムスティックシャフト201は、シャフトガイドロッド206がテレスコ(登録商標)ープ式で内側本体キャビティ212内に嵌合する状態で、本体ガイド壁部207の周りに嵌合するように構成される。ばね208は、内側本体キャビティ212内に着座し、シャフトガイドロッド206に押し付けられることができる。ばねの横方向の動きは、本体ガイド壁部207によって制限され得る。サムスティック本体202の強化基部210は、サムスティック本体の他の部分よりも厚く、折りたたみ式サムスティックの操作に必要な強化された剛性を与えることができる。
【0018】
サムスティックシャフト201は、図2Bに示されるように、サムスティック本体202内に引き込まれることができる。図2Bは、本開示の態様による、サムスティック本体内に引き込まれたサムスティックシャフトの側断面図を描写する図解である。具体的には、サムスティックシャフト201は、示されるように外側本体キャビティ211内に引き込まれることができる。本体ガイド壁部207は、シャフトガイドロッド206が内側本体キャビティ212内に押し下げられた状態で、シャフトキャビティ209内に押し上げられる。サムスティックシャフト201がサムスティック本体202内に引き込まれると、シャフトガイドロッド206が内側本体キャビティ212内に押し込まれることで、ばね206が圧縮される。サムスティックシャフト201が引き込み状態から延出する場合、ばね206が除圧されるにつれて、ばね206は延出を支援する追加の力を与えることができる。いくつかの実装では、シャフトガイドロッド206またはサムスティックシャフト201は、本体ガイド壁部207内に形成されたガイドチャネル内に嵌着するタブを含み得る。また、ガイド壁部206はデッドエンド保定スロットを含んでもよく、タブは、このデッドエンド保定スロット内に位置し得、サムスティックシャフト201がサムスティック本体202内に引き込まれるのを停止させ得る。さらに、ガイド壁部は棚部を含んでもよく、この棚部にタブは押し当てられ得、棚部はサムスティックが延出するのを停止させる。例えば、限定するものではないが、サムスティックシャフト201は、引き込まれてから回動することができると、延出が停止されてもよく、または延出して回動することができると、引き込みが停止されてもよい。強化本体210の領域は、装置を支持し、強化された剛性を与えるために、本体領域の一部を厚くする。この厚さは半球状のサムスティック本体202の奥行きを減少させるので、サムスティック本体は、使用中にピボットセンター203に当たらないように、従来技術のサムスティック100よりもピボットセンター203の上の高い位置にある必要がある。さらに、外側本体キャビティ211及び内側本体キャビティ212の奥行きは、サムスティックシャフト201の引き込みの奥行きを制限する。
【0019】
図3A及び図3Bは、本開示の態様による、本体キャビティが深くなった折りたたみ式サムスティックを示す。図3A及び図3Bに示される実装は、深くなった外側本体キャビティ304及び内側本体キャビティ305を設けることによって、図2A及び2Bに示されたサムスティックに改良を加えようとするものである。図3Aは、本開示の態様による、延出位置中の代替の折りたたみ式サムスティックを示す。ここで、サムスティックシャフト301は、延出状態にあるとき、サムスティック本体とサムスティックシャフトとの間の連結を強化するために長くされる。サムスティック本体の突出した強化領域303は、より長い外側本体キャビティ304及び内側本体キャビティ305を収容する。強化領域303により、サムスティックシャフト301は、引き込み状態にあるとき、サムスティック本体302のより近くに位置することが可能になるため、図3Bに示されるように、親指用表面205はコントローラ306のより近くに位置する。また、強化領域303を長くすることにより、サムスティック本体がピボットセンター307のより近くに位置することが可能になってもよい。サムスティック本体の強化領域303は、ピボットセンター307の縁部によって外接される円308のすぐ外側に配置されて、サムスティック本体が継手の周りのサムスティックの可動域に干渉するのを防止することができる。
【0020】
図4Aは、本開示の態様による、タブを有するサムスティックシャフトを描写する。示されるように、サムスティックシャフト401は、タブ403を含む。この例では、タブは、サムスティック本体内に挿入されるサムスティックシャフトの一部分の長さにわたって延びているが、本開示の態様は、そのように限定されず、より小さいタブ、複数のタブ及び/または三角形、六角形、八角形などの規則的な形状または不規則な形状などのさまざまなタブ形状を含んでもよい。示されたサムスティックシャフト401は、ばねまたは弾性バンドなどの弾性要素を取り付けるために、シャフト取り付けキャビティ406の内側に位置しているシャフト取り付け要素404(例えば、フック)を含む。また、サムスティックシャフトは、使用中に支援するためにサムスティック表面405を含む。また、表面405は、サムスティックシャフト401に連結された狭いネックを含むことで、コントローラ本体からの干渉を低減させることにより、サムスティックシャフトの可動域を大きくすることが可能になってもよい。
【0021】
図4Bは、本開示の態様による、スロット及びチャネルを有するサムスティック本体を示す。サムスティック本体402は、保定スロット408を含み、この保定スロットは、図示の実装ではタブ403が保定スロット内に嵌合するのに少なくとも十分に幅広い。他の代替の実装では、タブがスロット内に配置されると、サムスティックシャフトのサムスティック本体内への引き込みが防止されるように、スロットはタブまたはタブの一部の任意の寸法に適合するように構成されてもよい。また、サムスティック本体402は、タブ403の少なくとも幅でもあるチャネル407を含む。チャネル407の奥行きは、サムスティックシャフトがサムスティック本体内に引き込まれることができる引き込み奥行きを決定し得る。さらに、チャネルは棚部を含んでもよく、この棚部は、タブが棚部上に移動すると、シャフトの延出が防止されるように、タブの寸法に適合するように構成される。サムスティック本体402は、弾性連結部411を取り付けるための本体取り付け要素409(例えば、フック)をさらに含む。
【0022】
サムスティックシャフト401及びサムスティック本体402は、プラスチック、アルミニウム、鋼、マグネシウム、ゴム、またはゴムコーティング鋼などの材料の組み合わせなどの任意の適切な材料から作製され得る。タブ403及び平らな表面405などのサムスティックシャフト401の特徴、ならびに保定スロット408及びチャネル407などのサムスティック本体402の特徴は、鋳造、熱成形、付加製造または除去製造などによる成形中に構成されることができる。
【0023】
図4Cは、本開示の態様による、サムスティック本体内に引き込まれたサムスティックシャフトを描写する。ここで、サムスティックシャフト401は、サムスティック本体402のキャビティ内に着座する。サムスティックシャフト401の外径は、サムスティック本体402の内径よりも小さいため、サムスティックシャフト401は、過度の抵抗なしに自由に引き込まれ、延出することが可能になる。サムスティックシャフト402のタブ403は、サムスティック本体402のチャネル407に嵌着する。引き込み状態では、示されるように、保定スロット408は空であり、チャネルはタブ403によって少なくとも部分的に充填される。タブの幅はチャネル407の幅より小さい。代替の実装では、サムスティック本体は棚部を含んでもよく、この棚部は、引き込み状態にあるときにサムスティックシャフトが延出するのを防止する。弾性連結部411は、本体取り付け面409からシャフト取り付け面404まで延在し、サムスティックシャフトが引き込み状態であることを確保する。弾性連結部は、限定ではなく例として、ゴムバンド、ばね、ピストン、弾性繊維などであってもよい。取り付け要素409、404は、任意の適切な取り付け手段、限定ではなく例として、本体及びシャフト内に形成されたフック、ねじ、接着部、リベット、またはアイレットであってよい。
【0024】
図4Dは、本開示の態様による、サムスティック本体から延出したサムスティックシャフトを示す。ここで、サムスティックシャフト401は、サムスティック本体402から引き出されており(412)、湾曲した矢印413によって示される方向に回動することで、タブ403は保定スロット408内に着座する。スロット408は、チャネル407よりも奥行きが浅く、コントローラ本体内の引き込み奥行きまでのサムスティックシャフト401の引き込みを防止する。弾性連結部411が引き込み力を加えると、サムスティックシャフト401がサムスティック本体402内に引き寄せられ、タブ403が保定スロット408から離れないようになる。さらに上向きの力412が加えられ、サムスティックシャフト401が矢印413で示される方向に回動して、スロット403をチャネル407とアライメントする場合、タブ401はチャネル407に嵌着し、サムスティックシャフト401はサムスティック本体402内の引き込み奥行きまで摺動する。
【0025】
図示のサムスティックシャフト、保定スロット、及びチャネルがサムスティック本体の別個の特徴であるが、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの実装では、スロット及びチャネルは連結され、サムスティックシャフトの上向きの移動は、チャネルの端部によって制限される場合がある。あるいは、タブはサムスティック本体に位置していてもよく、チャネル及びスロットはサムスティックシャフトに位置している。さらに他の代替の実装では、サムスティックシャフトとサムスティック本体との両方は、少なくとも1つのタブ、チャネル、及びスロットを各含む。上記で論じられるように、1つのタブ、チャネル及びスロットが示されており、上述されているが、代替の実装では、任意の数のタブ、チャネル及びスロットがあってもよい。さらに他の代替の実装では、1つのチャネルのみを残してスロットが省略されてもよく、サムスティック本体の外面は、サムスティックシャフトがサムスティック本体内に引き込まれるのを防止してもよい。
【0026】
図5は、本開示の態様による、非ニュートン液体を有するサムスティックシャフト及びサムスティック本体を描写する図解である。当業者によって概して理解されるように、非ニュートン流体は、力が加えられたときに、より液体か、より固体かいずれかのように挙動することができる、粘性によって特徴付けられる。サムスティックシャフト501は、液体界面508を有し、固体であり得る。サムスティック本体502は、非ニュートン流体504で充填されたサムスティック本体キャビティ503を含む。サムスティックキャビティ503は、リザーバ506に流体結合されてもよい(505)。リザーバ506は、リザーバ506に圧力を加える圧力源507を含むことができる。圧力源507は、リザーバ506の容積を減少させた結果、リザーバ506及びサムスティック本体キャビティ503内の流体の圧力を増加させるピストンまたは弾性部材であってもよい。サムスティックシャフト501を引き込むために、サムスティックシャフト501は、ゆっくりと圧力を加えられ、サムスティック本体502に入れられることができる。液体界面508は、非ニュートン流体をリザーバ506内に変位させ、さらに圧力源507を変位させることができる。非ニュートン流体の性質により、サムスティックシャフト501に圧力を迅速に加えると、非ニュートン流体の粘性が増加し、流体は変位しない。このように、使用中の圧力が非ニュートン流体を変位させるために十分にゆっくりと加えられないので、使用中、サムスティックシャフトはサムスティック本体内に引き込まれない。非ニュートン流体は、限定ではなく例として、コーンスターチ(ウーブレックと呼ばれることもある)、架橋ポリビニルアルコールポリマーゲル、またはポリジメチルシロキサン1.5から2に対して水1の混合物であり得る。
【0027】
図6は、本開示の態様による、液体及びアクチュエータを有するサムスティックシャフト及びサムスティック本体を描写する。サムスティックシャフト601は、液体界面609を含むことができる。界面609は、固体の平らな表面、半球状の表面、または液体を置換するように構成された任意の表面であってもよい。サムスティック本体602は、流体604で充填されたサムスティック本体キャビティ603を含んでもよい。流体604は、水、鉱物油、エチレングリコール、プロピレングリコール、または同様の液体などの任意の流体であってもよい。高粘性の液体が応答時間を損なう可能性があるため、より低粘性を有する液体が好ましい場合があることに留意されたい。流体は、ニュートン流体または非ニュートン流体であり得る。サムスティック本体キャビティ603は、リザーバ606に流体結合されてもよい(605)。本明細書で使用される「流体結合」は、2つの要素間での自由な流体の移動または流圧の伝達が可能であるように、2つの要素が配置されていることを意味するものである。要素間の流体の移動または流圧の伝達は、要素間で直接、または要素に連結された流体パイプ、流体チャネルもしくは流体ダクトなどの中間要素を介して実施されることができる。プランジャまたはピストン608及びアクチュエータ607は、リザーバ606に結合され得る。限定ではなく例として、アクチュエータ607は、電気をプランジャまたはピストン608に対する物理的な力に変換することができる。物理的な力がプランジャに加えられると、プランジャがリザーバに押し込まれる。アクチュエータ607は、サムスティックシャフトが延出するか、引き込まれるかを決定する、コントローラ内の他の回路に結合されることができる。また、この回路は、圧力センサからの情報を使用して、リザーバ606に入れるためにアクチュエータ608がプランジャ608に加える必要がある物理的な力の量を決定することができる。サムスティックシャフト601が引き込み奥行きに引き込まれると、コントローラ内の他の回路からの信号により、アクチュエータ607がプランジャまたはピストン608に力を加える。加えられた力がプランジャまたはピストン608をリザーバ606内に押し込むことで、流体は、リザーバから流体継手605を介してサムスティック本体キャビティ603内に変位する。結果として生じる流体の変位により、サムスティックシャフト601が延出する。サムスティックシャフト601を引き込むために、コントローラ内の他の回路からの信号により、アクチュエータ607がプランジャまたはピストン608上の力を減少させてもよい。力を減少させると、プランジャまたはピストンは、リザーバ606の容積を増加させるように変位することが可能になる。したがって、ユーザからの力がサムスティックシャフト601をサムスティック本体キャビティ603内に押し込むと、流体は、変位し、プランジャまたはピストン608を押して、リザーバの容積を増加させることで、プランジャまたはピストン608が占めていた容積が流体で充填されることができる。
【0028】
あるいは、アクチュエータ607は、プランジャまたはピストン608に反対方向の力を加えて、プランジャまたはピストンをリザーバから引き出すことができる。リザーバ606、サムスティック本体キャビティ603及び流体継手605は、流体密封システムであってもよい。したがって、ピストンまたはプランジャ608を引き出すことにより、リザーバの容積が増加するため、サムスティックシャフト601の周囲の圧力が低下して、サムスティックシャフト601がサムスティック本体キャビティ603内に引き込まれる。
【0029】
図7は、本開示の態様による、複数のスロット、チャネル、及び棚部を含むサムスティック本体の特徴の展開図と共に、タブを有するサムスティックシャフト、及びサムスティック本体の組立体を描写する。図7に示される実装では、サムスティックシャフトの引き込み及び延出機構は、引き込み式ペンに使用されるものに匹敵する。示されるサムスティックシャフト701は、4つの三角形状のタブ703を含む。ばね704は、サムスティック本体702から離れる外向きの力をサムスティックシャフト701に加える。示されるように、サムスティックタブ703は、サムスティック本体702のスロット705内にある。サムスティック本体702の展開された特徴709は、サムスティックシャフト701のタブ703のための経路を示す。延出したサムスティックシャフト701を回動させ、タブ703をスロット705内に配置することによって、引き込みが防止される。タブ703がチャネル706内にあるとき、サムスティックを押下すると、引き込みが起こる。カムの表面708は、タブを棚部707上にガイドする横方向の動きをタブ703に与え、サムスティックシャフト701が延出するのを防止する。タブが棚部707上にある引き込み状態では、わずかな下向きの力によって、タブ703がカムの表面708に対して移動し、タブ703をガイドしてチャネル706内に戻し、サムスティックシャフト701をわずかに回動させる。
【0030】
システム
図8は、本開示の態様による、折りたたみ式アナログスティックを備えたコントローラを有するシステム800を示す。システム800は、例えば、シングルコア、デュアルコア、クアッドコア、マルチコア、プロセッサコプロセッサ、及びセルプロセッサなどの公知のアーキテクチャに従って構成することができる、1つ以上のプロセッサユニット803を含んでもよい。市販のサーバはまた、1つ以上のメモリユニット804(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及びリードオンリメモリ(ROM)など)を含んでもよい。
【0031】
プロセッサユニット803は、1つ以上のプログラム817を実行してもよく、1つ以上のプログラムの一部は、メモリ804に記憶されてもよく、プロセッサ803は、例えば、データバス805を介してメモリにアクセスすることによって、メモリに動作可能に結合されてもよい。プログラム817は、コントローラ809を操作し、サムスティック状態810を引き込みから延出に、またその逆に変更するように構成されることができる。また、コントローラ操作809は、ボタンバインド808を使用してコントローラ821からのボタン押下を解釈し、システムへの入力を決定することができる。コントローラ操作、ボタンバインド、及びサムスティック状態もまた、マスストア818にデータ818として格納されてもよい。
【0032】
システム800はまた、例えば、バス805を介してシステムの他の構成要素を通信することができる、入力/出力(I/O)807、回路、電源(P/S)811、クロック(CLK)812、及びキャッシュ813などの公知のサポート回路を含んでもよい。コンピューティングデバイスは、ネットワークインタフェース814を含んでもよい。プロセッサユニット803及びネットワークインタフェース814は、適切なネットワークプロトコル、例えば、パーソナルエリアネットワーク(PAN)に対するBluetooth(登録商標)を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはPANを実装するように構成されてもよい。コンピューティングデバイスは任意選択で、ディスクドライブ、CD-ROMドライブ、テープドライブ、またはフラッシュメモリなどマスストレージデバイス815を含んでもよく、マスストレージデバイスは、プログラム及び/またはデータを記憶してもよい。また、システムは、システムとユーザとの間のインタラクションを容易にするためにユーザインタフェース816を含んでもよい。ユーザインタフェースは、モニタなどの表示装置、テレビスクリーン、スピーカ、ヘッドフォン、またはユーザに情報を通信する他のデバイスを含んでもよい。表示装置は、視覚、聴覚、もしくは触覚ディスプレイ、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。マウス、キーボード、ゲームコントローラ、ジョイスティックなどのコントローラ821は、I/Oインタフェースと通信してもよく、システムの制御をユーザに提供してもよい。コントローラは、コントローラに結合された折りたたみ式サムスティック822を有する。
【0033】
コントローラ821は、ビデオゲームのプレイ中に一般的に使用される制御信号を提供する折りたたみ式サムスティック822及び従来のボタン823を有し得る。それらのようなビデオゲームは、メモリ804、またはマスストレージデバイス815に関連した媒体などの他のプロセッサ可読媒体に格納されてよい、コントローラ操作809のプログラムからのプロセッサ可読データ及び/または命令として実装されてよい。
【0034】
折りたたみ式サムスティック822は、一般に、サムスティックを左または右に動かすとX軸に沿った動きの信号を送り、それを前(上)または後(下)に動かすとY軸に沿った動きの信号を送るように構成され得る。三次元の動き用に構成されているサムスティックまたはジョイスティックでは、スティックを左(反時計回り)または右(時計回り)に回すと、Z軸に沿った動きの信号を送り得る。これらの三軸(X、Y及びZ)は、特に航空機に関して、それぞれロール、ピッチ及びヨーと呼ばれることがよくある。
【0035】
従来の特徴に加えて、コントローラ821に組み込まれた追跡デバイスは、慣性信号、例えば変位信号を介して位置及び/または向きの情報をプロセッサ803に提供してよい、単一質量を有する1つ以上の慣性センサユニット832を含み得る。向き情報は、コントローラ821の傾斜、ロールまたはヨーなどの角度情報を含んでよい。例として、慣性センサは、任意の数及び/または組み合わせの加速度計、ジャイロスコープ、または傾斜センサを含んでよい。好ましい実施形態では、慣性センサは、傾斜及びロール軸に対するジョイスティックコントローラの向きを感知するように適合された傾斜センサと、ヨー軸に沿った加速度を感知するように適合された第一加速度計と、ヨー軸に対して角加速度を感知するように適合された第二加速度計とを含む。加速度計は、例えば、1つ以上の方向に対する質量の変位を感知するためのセンサを備えた、1つ以上のばねによって取り付けられた質量を含むMEMSデバイスとして実装され得る。質量の変位に依存するセンサからの信号を使用して、コントローラ821の加速度を決定することができる。それらのような技術は、メモリ804に格納され得、プロセッサ803によって実行され得る、コントローラ操作809のためのプログラムからの命令によって実装されてもよい。
【0036】
例として、慣性センサとして適切な加速度計は、ばねなどによって、フレームに3点または4点で弾性結合された単純な質量であってもよい。ピッチ軸及びロール軸は、コントローラ821に取り付けられる、フレームと交差する平面内にある。コントローラ821がピッチ軸及びロール軸を中心に回転すると、質量は重力の影響下で変位し、ばねはピッチ及び/またはロールの角度に依存する方法で伸長または圧縮する。質量の変位は、感知され、ピッチ及び/またはロールの量に依存する信号に変換されることができる。感知されることができ、角加速度または線形加速度の量に依存する信号に変換されることができる、ばねの圧縮及び/または伸長、または質量の動きの特徴的なパターンを、ヨー軸を中心とした角加速度またはヨー軸に沿った線形加速度もまた生成し得る。そのような加速度計デバイスは、質量の動きまたはばねの圧縮力及び伸長力を追跡することにより、傾斜、ヨー軸を中心としたロール角加速度、及びヨー軸に沿った線形加速度を測定することができる。質量の位置及び/またはその上にかけられた力を追跡するには、抵抗ひずみゲージ材料、フォトニックセンサ、磁気センサ、ホール効果デバイス、圧電デバイス、静電容量センサなどを含む、いくつかのさまざまな方法がある。いくつかの実施形態では、慣性センサは、コントローラ821に取り外し可能に取り付けられることができる。
【0037】
さらに、コントローラ821は、発光ダイオード(LED)などの1つまたは複数の光源834を含み得る。光源は、一方のコントローラを他方から区別するために使用されてよい。例えば、1つ以上のLEDが、LEDパターンコードを点滅または保持することによってこれを達成できる。例として、5つのLEDは、コントローラ821上に線形または二次元パターンで設けられることができる。LEDの線形アレイが好ましいが、代わりに、外部画像キャプチャユニット828によって得られたLEDパターンの画像を分析するときにLEDアレイの画像平面の決定を容易にするために、LEDを矩形パターンまたは弓形パターンで配置することができる。さらに、LEDパターンコードは、ゲームプレイ中にコントローラ821の位置決めを決定するために使用されてもよい。例えば、LEDは、コントローラの傾斜、ヨー及びロールを識別することを支援することができる。この検出パターンは、航空機飛行ゲームなどのゲームにおいて、より良いユーザ/フィーリングを提供することを支援することができる。画像キャプチャユニットは、コントローラ821及び光源を含む画像をキャプチャすることができる。それらのような画像の分析は、コントローラの位置及び/または向きを決定することができる。そのような分析は、メモリ804に格納され、プロセッサ803によって実行されるゲームアプリケーション823によって実施されてよい。画像キャプチャユニットによる光源の画像のキャプチャを容易にするために、光源は、コントローラ821の2つ以上の異なる側面、例えば、正面及び背面に(仮想線で示されるように)配置され得る。そのような配置により、画像キャプチャユニットは、コントローラ821がユーザによってどのように保持されるかに応じて、コントローラ821の異なる向きについての光源の画像を取得することが可能になる。代替の実装では、画像キャプチャユニット828はコントローラ821上に位置していてもよく、外部オブジェクトの画像はコントローラの位置及び/または向きを決定するために分析されてもよい。
【0038】
さらに、光源は、例えばパルスコード、振幅変調、または周波数変調フォーマットなどで、テレメトリ信号をプロセッサ803に提供することができる。それらのようなテレメトリ信号は、どのジョイスティックボタンが押下されているか、及び/またはそれらのようなボタンがどれだけの力をこめて押下されているかを示してもよい。テレメトリ信号は、例えばパルス符号化、パルス幅変調、周波数変調、または光強度(振幅)変調などによって、光信号に符号化されることができる。プロセッサ803は、光信号からテレメトリ信号を復号し、復号されたテレメトリ信号に応答してゲームコマンドを実行することができる。テレメトリ信号は、画像キャプチャユニットによって取得されたコントローラ621の画像の分析から復号され得る。あるいは、システム800は、光源からテレメトリ信号を受信するのに専用の別個の光センサを含むことができる。コンピュータプログラムとインタフェースする際に強度の量を決定することに関連してLEDを使用することは、例えば、2006年5月4日に出願された「USE OF COMPUTER IMAGE AND AUDIO PROCESSING IN DETERMINING AN INTENSITY AMOUNT WHEN INTERFACING WITH A COMPUTER PROGRAM」と題されたRichard L.Marks et al.の米国特許出願第11/429,414号に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用されている。さらに、光源を含む画像の分析は、テレメトリと、コントローラ821の位置及び/または向きの決定との両方に使用されることができる。それらのような技術は、メモリ804に格納され得、プロセッサ803によって実行され得る、コントローラ操作809のためのプログラムの命令によって実装されてもよい。
【0039】
あるいは、画像キャプチャユニットをコントローラ821に結合することができ、コントローラの近くに配置された光源を、コントローラの位置を決定する際に画像キャプチャユニットと共に使用することができる。光源は、ライトバー内に、または既知の構成での個々の光源として配置されることができる。上述と同様に、画像キャプチャユニットは、光源の位置及び配置の画像を取得することができると、これらの画像がプロセッサ803に送信されることで、このプロセッサが画像を分析してコントローラの位置を決定することができる。さらに他の代替の実装では、画像キャプチャユニット828は、光源の有無にかかわらずコントローラの位置を決定するために、同時自己位置推定及びマッピング(SLAM)を使用してコントローラ821に結合された。光源をSLAMのランドマークとして使用してもよく、光源なしでマシンビジョン技術を使用して部屋の周りのランドマークを決定してもよく、それらのランドマークをSLAMが使用し、さまざまな計算アルゴリズムを適用してコントローラの位置を決定してもよい。SLAMに関するさらなる情報については、Durrant-Whyte、Hugh「Simultaneous Localization and Mapping:Part1」IEEE Robotics&Automation Magazine.13(2):99-110(2006)を参照し、その内容は参照により本明細書に援用されている。
【0040】
プロセッサ804は、コントローラ821及び/またはそのユーザの位置及び/または向きに関する情報を演繹するために、画像キャプチャユニットによって検出された光源からの光信号、及び/またはコントローラ上にあるまたは外部に位置しているマイクロフォンアレイ830によって検出された音響信号からの音源位置及び特性情報とあわせて、慣性センサからの慣性信号を使用してよい。例えば、マイクロフォンアレイと組み合わせて「音響レーダ」の音源の位置及び特性を使用して、ジョイスティックコントローラの動きを(慣性センサ及びまたは光源を介して)独立して追跡しながら、移動する音声を追跡することができる。音響レーダでは、事前に較正されたリスニングゾーンがランタイムに選択され、事前に較正されたリスニングゾーン外のソースから発生する音はフィルタで取り除かれる。事前に較正されたリスニングゾーンは、画像キャプチャユニットの焦点のボリュームまたは視野に対応するリスニングゾーンを含むことができる。音響レーダの例は、参照により本明細書に援用されている、2006年5月4日に出願された「METHODS AND APPARATUS FOR TARGETED SOUND DETECTION AND CHARACTERIZATION」と題されたXiaodong Maoの米国特許出願第11/381,724号に詳細に記載されている。プロセッサ803に制御信号を提供する異なるモードの任意の数の異なる組み合わせを、本発明の実施形態とあわせて使用することができる。それらのような技術は、メモリ804に格納され得、プロセッサ802によって実行され得るコントローラ操作809用のプログラムによって実装されてもよく、事前に較正されたリスニングゾーンをランタイムに選択して、事前に較正されたリスニングゾーン外のソースから発生する音をフィルタで取り除くように1つ以上のプロセッサに指示する1つ以上の命令を任意選択で含んでもよい。事前に較正されたリスニングゾーンは、画像キャプチャユニット828の焦点のボリュームまたは視野に対応するリスニングゾーンを含むことができる。
【0041】
代替の実装では、マイクロフォンアレイ830は、外部に位置していてもよく、コントローラ821を音響で追跡してもよい。それらのような実装では、コントローラは、そのような追跡を容易にするために、音、例えば超音波を発するように構成されたサウンドエミッタ836を含むことができる。
【0042】
コントローラ操作809のためのプログラムは、マイクロフォンアレイのマイクロフォンM0...MMからの離散時間領域入力信号xm(t)を生成し、リスニングセクタを決定し、そしてセミブラインド音源分離にリスニングセクタを使用して有限インパルス応答フィルタ係数を選択し、入力信号xm(t)から異なる音源を区別するように1つ以上のプロセッサに指示する1つ以上の命令を任意選択で含むことができる。また、プログラム809は、基準マイクロフォンM0からの入力信号x0(t)以外の選択された入力信号xm(t)に1つ以上の非整数遅延を適用する命令を含み得る。各非整数遅延は、マイクロフォンアレイからの離散時間領域出力信号y(t)の信号対ノイズ比を最適化するように選択され得る。非整数遅延は、基準マイクロフォンM0からの信号がアレイのその他のマイクロフォン(複数可)からの信号に対して時間内で最初になるように選択され得る。また、プログラム809は、以下のようにマイクロフォンアレイの出力信号y(t)に非整数時間遅延Δを導入するための命令を含むことができる:y(t+α)=x(t+α)*b0+x(t-1+Δ)*b1+x(t-2+Δ)*b2+...+x(t-N+Δ)bN、式中、Δはゼロから±1の間にある。それらのような技術の例は、2006年5月4日に出願された「ULTRA SMALL MICROPHONE ARRAY」と題されたXiaodong Maoの米国特許出願第11/381,729号に詳細に記載されており、その開示全体が参照により援用されている。
【0043】
プログラム809は1つ以上の命令を含むことができ、これら1つ以上の命令が実行されると、音源を含む事前に較正されたリスニングセクタをシステム800に選択させる。それらのような命令は、音源が最初のセクタ内にあるか、最初のセクタの特定の側にあるかを装置に決定させることができる。音源がデフォルトセクタ内にない場合、命令が実行されると、デフォルトセクタの特定の側にある異なるセクタを選択することがある。異なるセクタは、最適値に最も近い入力信号の減衰によって特徴付けられることができる。これらの命令は、実行されると、マイクロフォンアレイからの入力信号の減衰及び最適値への減衰を計算することができる。命令は、実行されると、装置800に、1つ以上のセクタに対する入力信号の減衰の値を決定させ、減衰が最適値に最も近いセクタを選択させることができる。そのような技術の例は、例えば、2006年5月4日に出願された「METHODS AND APPARATUS FOR TARGETED SOUND DETECTION」と題されたXiaodong Maoの米国特許出願第11/381,725号に記載されており、その開示は、参照により本明細書に援用されている。
【0044】
慣性センサからの信号は追跡情報入力の一部を提供することができ、1つまたは複数の光源を追跡することから画像キャプチャユニットから発生した信号は追跡情報入力の別の一部を提供することができる。限定ではなく例として、それらのような「混合モード」信号は、クォーターバックがヘッドフェイクヘッドを左に動かした後、ボールを右に投げるフットボールタイプのビデオゲームで使用されることができる。具体的には、コントローラ821を保持するゲームプレイヤは、左に自分の頭を回動させて、フットボールのようにコントローラを右に振って投げる動きをしながら音を出すことができる。「音響レーダ」プログラムコードと組み合わせたマイクロフォンアレイは、ユーザの音声を追跡することができる。画像キャプチャユニットは、ユーザの頭の動きを追跡すること、または音もしくはコントローラの使用を必要としない他のコマンドを追跡することができる。センサは、ジョイスティックコントローラの(フットボールを表す)動きを追跡する場合がある。また、画像キャプチャユニットは、コントローラ821上の光源を追跡することができる。ユーザは、コントローラ821の加速度の一定の量及び/または方向に達すると、またはコントローラ821上のボタンを押下することによってトリガされたキーコマンドに応じて、「ボール」を放してもよい。
【0045】
本発明の特定の実施形態では、慣性センサ832、例えば加速度計またはジャイロスコープからの慣性信号を使用して、コントローラ821の位置を決定することができる。具体的には、加速度計からの加速度信号を時間に関して一度積分して速度における変化を決定してもよく、速度を時間に関して積分して位置における変化を決定してもよい。ある時点での位置及び速度の初期値がわかっている場合、これらの値と、速度及び位置における変化とを使用して絶対位置を決定することができる。慣性センサを使用した位置決定は、画像キャプチャユニット及び光源を使用するよりも迅速に行われることができるが、慣性センサは「ドリフト」と呼ばれるエラータイプの影響を受けやすい可能性があり、エラーが経時的に蓄積されると、慣性信号から計算されたコントローラ821の位置(仮想線で示されている)とコントローラ821の実際の位置との間の不一致Dという結果になることがある。
【0046】
プログラムコード809は、1つ以上の命令を含むプロセッサ実行可能命令を任意選択で含んでもよく、これら1つ以上の命令が実行されると、画像キャプチャユニットは、画像キャプチャユニットの前の視野を監視することと、その視野内の光源のうちの1つ以上を識別することと、光源(複数可)から発した光における変化を検出することと、その変化の検出に応答して、プロセッサ803への入力コマンドをトリガすることと、を行う。ゲームコントローラでアクションをトリガするために画像キャプチャデバイスと組み合わせてLEDを使用することは、例えば、2004年1月16日に出願され、「METHOD AND APPARATUS FOR LIGHT INPUT DEVICE」と題されたRichard L.Marksの米国特許出願第10/759,782号に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用されている。
【0047】
プログラムコード809は、1つ以上の命令を含むプロセッサ実行可能命令を任意選択で含んでもよく、これら1つ以上の命令が実行されると、例えば上記のように、ゲームシステムへの入力として、慣性センサからの信号と、1つ以上の光源を追跡することから画像キャプチャユニットから発生した信号とを使用する。
【0048】
本発明の実施形態がビデオゲームコントローラ821のゲームに関連する例の観点から説明されているが、システム800を含む本発明の実施形態は、慣性感知機能及び慣性センサ信号伝送機能、ワイヤレスまたはその他の機能を有する、ユーザが操作する任意の本体、成形された物体、ノブ、構造物などに使用されてもよい。
【0049】
上記は、本発明の好適な実施形態の完全な説明であるが、種々の代案、修正、および等価物を使用することが可能である。上記説明は、例示的であり、限定するものではないことを意図していることが理解されよう。例えば、図中の流れ図は、本発明の特定の実施形態によって実行される演算の特定の順序を示すが、そのような順序が必須でないことが理解されるべきである(例えば、代替的な実施形態は、異なる順序において演算を実行してもよく、特定の演算を組み合わせてもよく、特定の演算を重複させてもよい、など)。さらに、上記説明を読み、理解すると、多くの他の実施形態が当業者にとって明らかである。
【0050】
特定の例示的な実施形態を参照して本発明が説明されてきたが、本発明が説明された実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で修正及び変形により実施されてもよいことが認識されよう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲に従って、そのような請求項を参照して決定されるべきである。好ましいか否かに関わらず、本明細書で説明されたいずれかの特徴は、好ましいか否かに関わらず、本明細書で説明されたいずれかの他の特徴と組み合わされてもよい。以下の特許請求の範囲では、不定冠詞「A」または「An」は、明確に述べられる場合を除き、冠詞に続く項目のうちの1つ以上の量を指す。添付の特許請求の範囲は、手段プラス機能の限定が、フレーズ「~する手段(means for)」を使用して所与の請求項に明確に記載されない限り、そのような限定を含むとして解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8