(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】シャドーマスク及びそれを用いたブランクマスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/50 20120101AFI20240816BHJP
G03F 1/38 20120101ALI20240816BHJP
C23C 14/04 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G03F1/50
G03F1/38
C23C14/04 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023063106
(22)【出願日】2023-04-07
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060886
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンユン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ゴンゴン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ミンギョ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】シン、インキュン
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-060624(JP,A)
【文献】特開2000-338649(JP,A)
【文献】特開2008-088509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0183320(US,A1)
【文献】特開2016-170320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00~1/86
G03F 7/20
C23C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面及び他面を含み、前記一面及び他面を貫通する開口を含むマスクと、
前記マスクの一面に備えられ、前記開口の大きさを調節するシャッターとを含み、
前記シャッターは、前記開口の縁から中心方向に移動して開口の大きさを調節し、
半導体露光工程用ブランクマスクの製造に適用され
、
前記マスクの内部空間の一部にガイドレールを含み、
前記マスクと前記シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の一部が開放される開口レールを含み、
前記開口レールの経路の一部に位置する溝部を含み、
前記シャッターは、前記ガイドレールと噛み合って移動可能な摺動部、及び前記摺動部とシャッターを連結する支持部を含み、
前記摺動部は、前記溝部で噛み合って固定可能な、シャドーマスク。
【請求項2】
前記開口は、前記ブランクマスクと同じ形状である四角形状であり、
前記シャッターは、
前記開口の上部及び下部から中心方向に移動または復帰する垂直シャッターと、
前記開口の側部及び他の側部から中心方向に移動または復帰する水平シャッターとを含み、
前記垂直シャッター及び水平シャッターは、前記開口の中心方向に移動または復帰する際に互いに干渉を受けない高さに位置する、請求項1に記載のシャドーマスク。
【請求項3】
前記マスクの一面に備えられる感知部と、
前記感知部及びシャッターと連結され、前記感知部に所定の力が加えられるときに前記シャッターを移動させるように力を伝達する伝達部とを含む、請求項2に記載のシャドーマスク。
【請求項4】
前記伝達部は、前記感知部から伝達された力を油圧または空圧を通じて前記シャッターの移動に転換するアクチュエータである、請求項3に記載のシャドーマスク。
【請求項5】
前記感知部は、所定の力が加えられるときに直線運動する第1歯部を含み、
前記シャッターは第2歯部を含み、
前記伝達部は、前記第1歯部及び第2歯部と噛み合うギヤ部を含み、
前記伝達部は、前記感知部の直線運動をギヤ部を介して前記シャッターの移動に転換する、請求項3に記載のシャドーマスク。
【請求項6】
前記感知部は、第1感知部及び第2感知部を含み、
前記第1感知部は、所定の力が加えられるときに前記垂直シャッターを移動させるように力を伝達する第1伝達部を含み、
前記第2感知部は、所定の力が加えられるときに前記水平シャッターを移動させるように力を伝達する第2伝達部を含む、請求項3に記載のシャドーマスク。
【請求項7】
一面及び他面を含み、前記一面及び他面を貫通する開口を含むマスクと、
前記マスクの一面に備えられ、前記開口の大きさを調節するシャッターとを含み、
前記シャッターは、前記開口の縁から中心方向に移動して開口の大きさを調節し、
半導体露光工程用ブランクマスクの製造に適用され、
前記開口は、前記ブランクマスクと同じ形状である四角形状であり、
前記シャッターは、
前記開口の上部及び下部から中心方向に移動または復帰する垂直シャッターと、
前記開口の側部及び他の側部から中心方向に移動または復帰する水平シャッターとを含み、
前記垂直シャッター及び水平シャッターは、前記開口の中心方向に移動または復帰する際に互いに干渉を受けない高さに位置し、
前記マスクの一面に備えられる感知部と、
前記感知部及びシャッターと連結され、前記感知部に所定の力が加えられるときに前記シャッターを移動させるように力を伝達する伝達部とを含み、
前記マスクの内部空間の一部に垂直ガイドレール、前記マスクの内部空間の他の一部に水平ガイドレールを含み、
前記マスクと前記垂直シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の一部が開放される垂直開口レール、及び前記マスクと前記水平シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の他の一部が開放される水平開口レールを含み、
前記垂直ガイドレールの経路の一部に位置する第1溝部、及び前記水平ガイドレールの経路の一部に位置する第2溝部を含み、
前記垂直シャッターは、前記垂直ガイドレールと噛み合って移動可能な第1摺動部、及び前記第1摺動部と垂直シャッターを連結する第1支持部を含み、
前記水平シャッターは、前記水平ガイドレールと噛み合って移動可能な第2摺動部、及び前記第2摺動部と水平シャッターを連結する第2支持部を含み、
前記第1摺動部は、前記第1溝部で噛み合って固定可能であり、
前記第2摺動部は、前記第2溝部で噛み合って固定可能な、
シャドーマスク。
【請求項8】
請求項1に記載のシャドーマスクを適用した成膜装置を準備するステップと、
前記成膜装置内で目的とする層を成膜するステップとを含む、ブランクマスクの製造方法。
【請求項9】
前記成膜するステップは、
前記シャドーマスクのシャッターを移動させて前記開口の大きさを調節するステップと、
原料が前記シャドーマスクの開口を通過して任意の基板上に成膜されるステップとを含む、
請求項8に記載のブランクマスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
具現例は、シャドーマスク及びそれを用いたブランクマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体の量産に適用されているフォトマスクの基本形態であるブランクマスクは、解像力を極大化するために2つ以上の多層薄膜を適用している。このように多層薄膜を製造するためには薄膜蒸着工程を複数回行わなければならず、各薄膜の外郭境界処理のために、蒸着時にスパッタリング設備内のシャドーマスクをそれぞれ異なる大きさのマスクとして使用しなければならない。
【0003】
これは、各薄膜の外郭境界部で発生する浮き上がりによる欠陥現象を最小化し、ブランクマスクをベースとして使用するフォトマスクの役割を正しく遂行させるためである。
【0004】
そのため、多層薄膜のブランクマスクの製造時に、必須に様々な大きさのシャドーマスクを使用してブランクマスク蒸着工程を行わなければならず、工程を効率化するための様々な方案が試みられている。
【0005】
前述した背景技術は、発明者が具現例の導出のために保有していた、または導出過程で習得した技術情報であって、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術であるとは限らない。
【0006】
関連する先行技術として、
韓国登録特許第10-1670351号に開示され"マスクブランクの製造方法及びマスクブランク"、及び
韓国登録特許第10-1218115号に開示された"シャドーマスク及びそれを用いた薄膜蒸着方法"などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
具現例の目的は、多層薄膜のブランクマスクの製造時に、開口の大きさを調節できるシャドーマスクを提供することにある。
【0008】
具現例の他の目的は、別途のシャドーマスクの変更なしに多層薄膜のブランクマスクを容易に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、具現例に係るシャドーマスクは、
一面及び他面を含み、前記一面及び他面を貫通する開口を含むマスクと;
前記マスクの一面に備えられ、前記開口の大きさを調節するシャッターと;を含み、
前記シャッターは、前記開口の縁から中心方向に移動して開口の大きさを調節し、
半導体露光工程用ブランクマスクの製造に適用され得る。
【0010】
一具現例において、
前記開口は、前記ブランクマスクと同じ形状である四角形状であり、
前記シャッターは、
前記開口の上部及び下部から中心方向に移動または復帰する垂直シャッターと;
前記開口の側部及び他の側部から中心方向に移動または復帰する水平シャッターと;を含み、
前記垂直シャッター及び水平シャッターは、前記開口の中心方向に移動または復帰する際に互いに干渉を受けない高さに位置することができる。
【0011】
一具現例において、前記マスクの一面に備えられる感知部と;
前記感知部及びシャッターと連結され、前記感知部に所定の力が加えられるときに前記シャッターを移動させるように力を伝達する伝達部と;を含むことができる。
【0012】
一具現例において、前記伝達部は、前記感知部から伝達された力を油圧または空圧を通じて前記シャッターの移動に転換するアクチュエータであり得る。
【0013】
一具現例において、前記感知部は、所定の力が加えられるときに直線運動する第1歯部を含み、
前記シャッターは第2歯部を含み、
前記伝達部は、前記第1歯部及び第2歯部と噛み合うギヤ部を含み、
前記伝達部は、前記感知部の直線運動をギヤ部を介して前記シャッターの移動に転換することができる。
【0014】
一具現例において、前記感知部は、第1感知部;及び第2感知部;を含み、
前記第1感知部は、所定の力が加えられるときに前記垂直シャッターを移動させるように力を伝達する第1伝達部を含み、
前記第2感知部は、所定の力が加えられるときに前記水平シャッターを移動させるように力を伝達する第2伝達部を含むことができる。
【0015】
一具現例において、前記マスクの内部空間の一部にガイドレールを含み、
前記マスクと前記シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の一部が開放される開口レールを含み、
前記開口レールの経路の一部に位置する溝部を含み、
前記シャッターは、前記ガイドレールと噛み合って移動可能な摺動部、及び前記摺動部とシャッターを連結する支持部を含み、
前記摺動部は、前記溝部で噛み合って固定可能なものであり得る。
【0016】
一具現例において、前記マスクの内部空間の一部に垂直ガイドレール、前記マスクの内部空間の他の一部に水平ガイドレールを含み、
前記マスクと前記垂直シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の一部が開放される垂直開口レール、及び前記マスクと前記水平シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の他の一部が開放される水平開口レールを含み、
前記垂直ガイドレールの経路の一部に位置する第1溝部、及び前記水平ガイドレールの経路の一部に位置する第2溝部を含み、
前記垂直シャッターは、前記垂直ガイドレールと噛み合って移動可能な第1摺動部、及び前記第1摺動部と垂直シャッターを連結する第1支持部を含み、
前記水平シャッターは、前記水平ガイドレールと噛み合って移動可能な第2摺動部、及び前記第2摺動部と水平シャッターを連結する第2支持部を含み、
前記第1摺動部は、前記第1溝部で噛み合って固定可能であり、
前記第2摺動部は、前記第2溝部で噛み合って固定可能であり得る。
【0017】
上記の目的を達成するために、具現例に係るブランクマスクの製造方法は、
前記によるシャドーマスクを適用した成膜装置を準備するステップと;
前記成膜装置内で目的とする層を成膜するステップと;を含むことができる。
【0018】
一具現例において、前記成膜するステップは、
前記シャドーマスクのシャッターを移動させて前記開口の大きさを調節するステップと;
原料が前記シャドーマスクの開口を通過して任意の基板上に成膜されるステップと;を含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
具現例によれば、シャドーマスクの開口の大きさを任意に調節するようにすることで、別途のシャドーマスクの変更なしにブランクマスクの製造工程を簡素化できる利点があり、効率的に良好な品質のブランクマスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】具現例に係るシャドーマスクの一例を示した概略図である。
【
図2】具現例に係るシャドーマスクの一部の構造を示した概略図である。
【
図3】具現例に係るシャドーマスクを上部から見た観点で一部の構造を示した概略図である。
【
図4】具現例に係るシャドーマスクが支持台によって支持された状態を概略的に示した斜視図である。
【
図5】具現例に係るシャドーマスクのギヤ部などの一例を示した概略図である。
【
図6】具現例に係るシャドーマスクの伝達部などの一例を示した概略図である。
【
図7】具現例に係るシャドーマスクを下部から見た観点で一部の構造を示した概略図である。
【
図8】具現例に係るシャドーマスクを下部から見た観点で他の一部の構造を示した概略図である。
【
図9】具現例に係るシャドーマスクのシャッターの一例を示した概略図である。
【
図10】具現例に係るシャドーマスクの摺動部などの一例を示した概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、一つ以上の具現例について添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体にわたって類似の部分に対しては同一の図面符号を付した。
【0022】
本明細書において、ある構成が他の構成を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、それ以外の他の構成を除くものではなく、他の構成をさらに含むこともできることを意味する。
【0023】
本明細書において、ある構成が他の構成と「連結」されているとするとき、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、「それらの間に他の構成を介在して連結」されている場合も含む。
【0024】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上に直接当接してBが位置するか、またはそれらの間に他の層が位置しながらA上にBが位置することを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
【0025】
本明細書において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0026】
本明細書において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
【0027】
本明細書において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使用される。
【0028】
本明細書において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
【0029】
シャドーマスク100
前記の目的を達成するために、具現例に係るシャドーマスク100は、
一面11及び他面12を含み、前記一面及び他面を貫通する開口20を含むマスク10と;
前記マスクの一面に備えられ、前記開口の大きさを調節するシャッター30と;を含み、
前記シャッターは、前記開口の縁から中心方向に移動して開口の大きさを調節し、
前記シャドーマスクは、半導体露光工程用ブランクマスクの製造に適用され得る。
【0030】
前記シャドーマスク100は、
図7及び
図8を参照すると、前記マスク10の一面11に、前記開口20の大きさ、周縁を調節するシャッター30が複数個備えられ得る。
【0031】
前記マスク10は、アルミニウムなどを含むことができ、A5052、A5056などのアルミニウム合金を含むことができる。
【0032】
前記開口20は、製造しようとするブランクマスクと実質的に同じ形状を有することができ、例示的に四角形状を有することができる。
【0033】
図1を参照すると、前記シャッター30は、前記開口20の縁から中心方向に1mm~10mmだけ移動して開口の大きさを調節してもよく、1mm~8mmだけ移動してもよく、または1mm~6mmだけ移動してもよい。また、前記シャッターは、前記開口の縁から中心方向に1mm~10mmのいずれか1つ以上の距離で移動した後、固定され得る。このようにシャッターを通じて開口の大きさを調節可能にして、基板の成膜過程でシャドーマスクの交換過程を省略することができ、製造工程を簡素化することができる。
【0034】
前記シャッター30は、前記開口が複数個の辺を有する多角形形状である場合、各辺に1つずつ配置され得、各シャッターの動きに干渉が発生しないようにそれぞれ異なる高さに位置することができる。
【0035】
前記開口20が前記ブランクマスクと実質的に同じ形状である四角形状であるとき、前記シャッター30は、前記開口の上部及び下部から中心方向に移動または復帰する垂直シャッター31と;
前記開口の側部及び他の側部から中心方向に移動または復帰する水平シャッター32と;を含み、
図7を参照すると、前記垂直シャッター31及び水平シャッター32は、前記開口の中心方向に移動または復帰する際に互いに干渉を受けない高さに位置することができる。例示的に、垂直シャッター及び水平シャッターのいずれか1つが相対的に高い高さに位置し、他の1つは相対的にそれよりも低い高さに位置することができる。
【0036】
前記垂直シャッター31及び水平シャッター32は、互いに同じ距離で前記開口の中心方向に移動または復帰することができる。
【0037】
前記垂直シャッター31及び水平シャッター32は、互いに個別に移動してもよく、または同時に移動してもよい。
【0038】
前記シャドーマスク100は、前記マスクの一面に備えられる感知部40と;
前記感知部及びシャッターと連結され、前記感知部に所定の力が加えられるときに前記シャッターを移動させるように力を伝達する伝達部50と;を含むことができる。
【0039】
前記感知部40は、
図7及び
図8に示されたように、シャッター30が備えられた一面11に複数個備えられ得、シャッター当たり1つずつ備えられ得る。
【0040】
前記感知部40は、
図4に示されたように、前記シャドーマスク100に向かう任意の支持台200による力、圧力を受けることができ、これを、後述する部材を介してシャッター30の移動に転換することができる。前記支持台は、チャンバ内の基板を載置できる部材の外側に位置することもできる。
【0041】
前記伝達部50は、前記感知部40から伝達された力を油圧または空圧を通じて前記シャッターの移動に転換するアクチュエータを含むことができる。
図6を参照すると、支持台200などで前記感知部に所定の力を加えるとき、前記アクチュエータを含む伝達部は、前記シャッター30が動くようにし、前記支持台が所定の力を加えることが中止されると、前記シャッターが動く前の元の状態に復帰するようにすることができる。
【0042】
前記伝達部50は、
図3を参照すると、前記シャッター30と直接的に連結されて力を伝達することができ、後述する
図9及び
図10などに示された摺動部33と連結されて前記シャッターに力を伝達することができる。
【0043】
また、前記感知部40は、所定の力が加えられるときに直線運動する第1歯部61を含み、前記シャッターは第2歯部62を含み、
前記伝達部は、前記第1歯部及び第2歯部と噛み合うギヤ部63を含み、
前記伝達部は、前記感知部の直線運動をギヤ部を介して前記シャッターの移動に転換することができる。
【0044】
図5を参照すると、支持台200などで前記感知部40に所定の力を加えるとき、前記感知部40が直線運動し、第1歯部61と噛み合った伝達部であるギヤ部63を動かしたり回転させ、前記ギヤ部はまた、前記第2歯部62と噛み合って前記シャッター30を動かすことができる。前記感知部は、別途のスプリングなどの弾性部材をさらに含むことができ、前記支持台が所定の力を加えることが中止されると、前記シャッターが動く前の状態に復帰するようにすることができる。
【0045】
前記感知部40は、第1感知部41;及び第2感知部42;を含み、
前記第1感知部41は、前記第1感知部に所定の力が加えられるときに前記垂直シャッター31を移動させるように力を伝達する第1伝達部を含み、
前記第2感知部42は、前記第2感知部に所定の力が加えられるときに前記水平シャッター32を移動させるように力を伝達する第2伝達部を含むことができる。
【0046】
図7及び
図8を参照すると、前記第1感知部41は、前記垂直シャッター31の近くに配置され得、前記垂直シャッターのうちの上部に位置したシャッターの上、下部に位置したシャッターの下に配置され得、前記垂直シャッターと干渉しない位置に配置され得る。前記第2感知部42は、前記水平シャッター32の近くに配置され得、前記水平シャッターのうちの右側に位置したシャッターの右側、左側に位置したシャッターの左側に配置され得、前記水平シャッターと干渉しない位置に配置され得る。
【0047】
図1、
図2、
図10などを参照すると、前記マスク10の内部空間の一部にガイドレール70を含み、
前記マスクと前記シャッターとの間に備えられ、前記マスクの内部空間の一部が開放される開口レール80を含み、
前記開口レールの経路の一部に位置する溝部73を含み、
前記シャッターは、前記ガイドレールと噛み合って移動可能な摺動部33、及び前記摺動部とシャッターを連結する支持部90を含み、
前記摺動部33は、前記溝部73で噛み合って固定可能であり得る。
【0048】
図9を参照すると、前記支持部90は、前記シャッター30の一面上に配置され得、前記開口レール80を介して往復できる幅を有することができる。
【0049】
図2及び
図10を参照すると、前記ガイドレール70の溝部73は、前記摺動部33の突出部34と同一または類似の形状を有することができ、前記溝部に前記突出部が噛み合って仮固定され得る。前記突出部は、前記摺動部の一端及び/又は他端に備えられ得、前記溝部と噛合可能な前記摺動部のある位置に備えられ得る。例示的に、前記突出部は、球形状を含むことができ、前記溝部は、球形状の一部を収容するように窪んだ形状を有することができる。前記摺動部を含むシャッター30は、仮固定された状態で所定の力が加えられると移動することができる。
【0050】
前記ガイドレール70は、前記摺動部33の直線移動が保障される空間を含むことができ、前記摺動部と支持部90を介して連結されたシャッター30が円滑に移動するようにすることができる。
【0051】
前記摺動部33は、前記伝達部50と連結されたものであり得、前記感知部40に所定の力が加えられるとき、前記伝達部を介して前記摺動部、前記摺動部と連結されたシャッターの直線運動が行われ得る。
【0052】
図7及び
図8を参照すると、前記マスク10の内部空間の一部に垂直ガイドレール、前記マスクの内部空間の他の一部に水平ガイドレールを含み、
前記マスクと前記垂直シャッター31との間に備えられ、前記マスクの内部空間の一部が開放される垂直開口レール81、及び前記マスクと前記水平シャッター32との間に備えられ、前記マスクの内部空間の他の一部が開放される水平開口レール82を含み、
前記垂直ガイドレールの経路の一部に位置する第1溝部、及び前記水平ガイドレールの経路の一部に位置する第2溝部を含み、
前記垂直シャッターは、前記垂直ガイドレールと噛み合って移動可能な第1摺動部、及び前記第1摺動部と垂直シャッターを連結する第1支持部を含み、
前記水平シャッターは、前記水平ガイドレールと噛み合って移動可能な第2摺動部、及び前記第2摺動部と水平シャッターを連結する第2支持部を含み、
前記第1摺動部は、前記第1溝部で噛み合って固定可能であり、
前記第2摺動部は、前記第2溝部で噛み合って固定可能であり得る。
【0053】
前記第1摺動部は、第1感知部41と連結された伝達部50によって直線運動が行われ得、前記第2摺動部は、第2感知部42と連結された伝達部50によって直線運動が行われ得る。また、前記垂直シャッター31及び水平シャッター32は、
図4に示されたように、前記シャドーマスク100に向かう任意の支持台200による力、圧力によって移動が行われ得、前記垂直シャッター及び水平シャッターの移動により前記開口20の大きさが変化することができる。
【0054】
前記第1支持部及び第2支持部はそれぞれ異なる長さを有することができ、これによって、前記垂直シャッター31及び水平シャッター32がそれぞれ異なる高さを有し、移動時に干渉しなくなり得る。
【0055】
前記シャドーマスク100は、チャンバ内で支持台200の操作を通じて前記シャドーマスクを目的位置まで移動及び固定させた後、支持台-感知部40-伝達部50-シャッター30に力が伝達されて開口20の大きさを調節することができ、ブランクマスクの成膜を容易に進行させることができ、別途のマスクの交換過程、チャンバの開放が必要でないので、工程を簡素化することができる。
【0056】
ブランクマスクの製造方法
前記の目的を達成するために、具現例に係るブランクマスクの製造方法は、
前記によるシャドーマスクを適用した成膜装置を準備するステップと、
前記成膜装置内で目的とする層を成膜するステップとを含むことができる。
【0057】
前記成膜するステップは、
前記シャドーマスクのシャッターを移動させて前記開口の大きさを調節するステップと、
原料が前記シャドーマスクの開口を通過して任意の基板上に成膜されるステップとを含むことができる。
【0058】
前記開口の大きさを調節するステップにおいて、成膜装置であるチャンバ内の支持台などを介して前記シャドーマスクに含まれる感知部に力を加えてシャッターを動かすことができる。
【0059】
前記開口の大きさを調節するステップにおいて、チャンバ内の任意の支持台などを介して前記シャドーマスクを目的とする位置に移動させると同時に、前記シャッターを動かすことができる。例示的に、前記シャドーマスクを目的位置に固定させた後、前記支持台が加えられる力を調節して、シャッターの動きの程度及び開口の大きさを調節することができる。
【0060】
前記任意の基板上に成膜されるステップにおいて、それぞれ異なる複数個の層の成膜時に、各層の成膜過程で開口の大きさが異なるように行われ得、次第に開口の大きさが小さくなるように行われ得る。例示的に、下部層/中間層/上部層の積層体を成膜しようとする場合、下部層の成膜時には開口の大きさの調節なしに成膜が行われ得、中間層の成膜時には開口の縁から中心方向に1mm~2mmだけシャッターを移動させて開口の大きさを調節した後、成膜が行われ得、上部層の成膜時には、前記中間層の開口の大きさよりも小さい大きさを有するように調節した後、成膜が行われ得る。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0062】
10 マスク
11 一面
12 他面
20 開口
30 シャッター
31 垂直シャッター
32 水平シャッター
33 摺動部
34 突出部
40 感知部
41 第1感知部
42 第2感知部
50 伝達部
70 ガイドレール
73 溝部
80 開口レール
81 垂直開口レール
82 水平開口レール
90 支持部
100 シャドーマスク
200 支持台