(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】SUMO活性化酵素阻害剤及びチェックポイント阻害剤の投与
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20240819BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240819BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240819BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240819BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K39/395 T
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2021540127
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 US2020020171
(87)【国際公開番号】W WO2020176772
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-24
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】プルクリ, サイ ムラリ クリシュナ
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-524734(JP,A)
【文献】特表2016-540042(JP,A)
【文献】IGNACIO MELERO,EVOLVING SYNERGISTIC COMBINATIONS OF TARGETED IMMUNOTHERAPIES TO COMBAT CANCER,NATURE REVIEWS CANCER,英国,2015年07月24日,VOL:15,PAGE(S):457-472,http://dx.doi.org/10.1038/nrc3973
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん患者の治療のための組み合わせ物であって、
[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、
チェックポイント阻害剤と、を含
み、
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体から選択され、前記がんが、結腸直腸癌、リンパ腫、白血病、および肺癌から選択される、前記組み合わせ物。
【請求項2】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項3】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、及びAMP-224からなる群から選択される、請求項2に記載の組み合わせ物。
【請求項4】
前記
抗PD-
1抗体
が、ペムブロリズマブである、請求項
3に記載の組み合わせ物。
【請求項5】
前記チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項6】
前記抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ及びトレメリムマブからなる群から選択される、請求項
5に記載の組み合わせ物。
【請求項7】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項8】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、静脈内投与される、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項9】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、静脈内注入によって投与される、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項10】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートと、前記チェックポイント阻害剤とが、同時に投与される、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項11】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートと、前記チェックポイント阻害剤とが、別個の医薬組成物で逐次的に投与される、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項12】
前記がんが、PD-1陽性がん、PD-L1陽性がん、またはCTLA-4陽性がんである、請求項1~
11のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項13】
前記肺癌が、非小細胞肺癌または小細胞肺癌である、請求項
1に記載の組み合わせ物。
【請求項14】
前記非小細胞肺癌が、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である、請求項
13に記載の組み合わせ物。
【請求項15】
前記リンパ腫が、古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である、請求項
1に記載の組み合わせ物。
【請求項16】
前記結腸直腸癌が、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌である、請求項
1に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項18】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、1週間に2回投与される、請求項
17に記載の組み合わせ物。
【請求項19】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、1週間に1回投与される、請求項
17に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項21】
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項22】
前記チェックポイント阻害剤が、2週間に1回投与される、請求項
21に記載の組み合わせ物。
【請求項23】
前記チェックポイント阻害剤が、3週間に1回投与される、請求項
21に記載の組み合わせ物。
【請求項24】
前記チェックポイント阻害剤が、4週間に1回投与される、請求項
21に記載の組み合わせ物。
【請求項25】
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回投与される、請求項
21に記載の組み
合わせ物。
【請求項26】
前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目に投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項27】
前記治療周期が14日、21日、28日、または84日である、請求項
26に記載の組み合わせ物。
【請求項28】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、前記チェックポイント阻害剤とが、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、または、21日の周期の1、4、8、及び11日目に同時に投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項29】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、または21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与され、
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、別個に投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項30】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与され、
前記チェックポイント阻害剤が、21日の周期の1日目に別個に投与される、請求項1~
16のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項31】
がん患者の治療のための組成物であって、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩を含み、
前記組成物が、チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与され
、前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体から選択され、前記がんが、結腸直腸癌、リンパ腫、白血病、および肺癌から選択されることを特徴とする、前記組成物。
【請求項32】
がん患者の治療のための組成物であって、チェックポイント阻害剤を含み、
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体から選択され、
前記組成物が、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与され
、前記がんが、結腸直腸癌、リンパ腫、白血病、および肺癌から選択されることを特徴とする、前記組成物。
【請求項33】
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、投与の各日に90mgの量で投与される、請求項1~
16のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項34】
前記チェックポイント阻害剤がペ
ムブロリズマブであり、
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、投与の各日に90mgの量で投与され、
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、1つ以上の治療周期の間、1週間に2回投与され、続いて、1つ以上の治療周期の間、1週間に1回投与され、
前記ペ
ムブロリズマブが、3週間に1回、200mgの量で別個に投与される、請求項1に記載の使用のための組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、がんの治療方法に関する。具体的には、本開示は、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)活性化酵素(SAE)阻害剤を1つ以上のチェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することによる種々のがんの治療方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
2012年において、がんと診断された症例は世界中で推定1,400万件あり、約820万人の死亡があった。世界的ながん負担は、驚くべきペースで増加している。2030年だけで、人口の増加と高齢化に起因するだけで、約2,130万件の新たながん症例と1,310万人のがんによる死亡が予想される。がんは、米国における2番目に一般的な死因であり、心臓病のみが上回り、死亡件数のほぼ1/4を占める。国立がん研究所は、2014年に約1,450万人のがん歴のあるアメリカ人が生存していたと推定している。これらの個体のうちのいくつかは、がんを含まなかったが、他の個体は、がんの証拠をまだ有しており、治療を受けていた可能性がある。医学の進歩によりがん生存率は改善されてきたが、新規かつより有効な治療が継続的に必要とされている。
【0003】
がん治療は、主に、手術、放射線療法、細胞傷害性化学療法、及びそれらの組み合わせに依存してきた。しかしながら、過去10年以内に、標的がん療法は、腫瘍学の分野で新たな時代を切り開いた。標的がん療法は、腫瘍増殖及び進行に必要な特定の分子に干渉するように設計された薬物であり、小分子及びモノクローナル抗体(mAb)などのより大きな化学物質を含むことができる。
【0004】
肺癌は、世界中のがん関連死亡の主要な原因であり、米国(US)において2019年に推定される死亡数は142,670人である。Siegel,R.L.,et al.,CA Cancer J Clin.69(1):7-34(2019)(「Siegel」)。肺癌の80%超は、非小細胞肺癌(NSCLC)に分類される。標的療法は、分子的に定義された局所進行性または転移性NSCLC(例えば、上皮増殖因子受容体[EGFR]-変異型、未分化リンパ腫キナーゼ[ALK]再配列NSCLC)を有する患者に対する治療選択肢を再定義しているが、これらの療法は、NSCLC患者の大部分を占める、腫瘍がこのような遺伝子改変を欠くものにおいては有効ではない。しかしながら、免疫療法は、このような患者の一次治療に組み込まれ、生存率の改善をもたらしている。しかしながら、NSCLCにおけるチェックポイント阻害剤(CPI)の全生存期間(OS)の利点にもかかわらず、進行性疾患は不治の病であり、最終的には進行する。進行性NSCLC患者におけるペムブロリズマブの第1b相KEYNOTE-001試験では、PD-L1発現≧50%の治療未治療患者における5年間OS率は29.6%であり、PD-L1が50%未満である場合には15.7%であった。PD-L1発現レベルが≧50%、1~49%、及び<1%であった以前に治療された患者では、5年OS率はそれぞれ25%、12.6%、及び3.5%であった。
【0005】
最前線免疫療法の導入は、NSCLCにおける以前の治療パラダイムを変えた。CPIに基づく治療後に腫瘍が進行した患者では、プラチナダブルセットまたはドセタキセルによる治療の選択は、最前線治療におけるCPIに関連する化学療法レジメンに依存する。二次治療におけるドセタキセル+ラムシルマブによる治療は、全奏効率(ORR)23%、無増悪生存期間中央値(PFS)4.5ヶ月(ハザード比[HR]:0.76、95%CI0.68~0.86)、及びOS中央値10.5ヶ月(HR:0.86、95%CI0.75~0.98)を示す。Garon,E.B.,et al.,Lancet 384(9944):665-73(2014)。CPIとI型インターフェロン(IFN)経路の活性化との組み合わせは、既存の免疫応答を再活性化し、新しい抗腫瘍免疫応答を開始することができ、陰性PD-L1発現腫瘍を有する患者を含むNSCLCにおける転帰を改善する可能性がある。
【0006】
子宮頸癌は、世界中の女性のがん関連死亡の第4の主要原因であり、米国では2019年に13,170件の新規症例と4,250人の死亡があった。Siegel,7-34。早期子宮頸癌患者とは対照的に、再発性または転移性疾患患者の予後は不良である。過去30年間にわたって、シスプラチンベースの併用化学療法は、それぞれ5ヶ月及び10~13ヶ月の最高のPFS及びOS中央値をもたらすことが示されている。Moore D.H.,et al.,J.Clin.Oncol.22(15):3113-9(2004)、Long H.J.,3rd,et al.,J.Clin.Oncol.23(21):4626-33(2005)、Monk B.J.,et al.,J.Clin.Oncol.27(28):4649-55(2009)。また、標準的な一次化学療法へのベバシズマブの添加は、化学療法単独と比較して、PFS中央値(8.2ヶ月対5.9ヶ月;HR:0.67、95%CI、0.54~0.82)及びOS中央値(17.0対13.3ヶ月;HR:0.71、95%CI、0.54~0.95)を大幅に改善した。
【0007】
白金不全後の治療は実質的な課題であり、トポテカン、ビノレルビン、ゲムシタビン、ドセタキセル、及びnab-パクリタキセル等の現在利用可能な単剤は、不十分な活性を示している。より最近では、多施設非無作為化、非盲検、マルチコホート試験であるKEYNOTE-158(NCT02628067)の結果に基づいて、抗PD-1モノクローナル抗体(mAb)、ペムブロリズマブは、二次での疾患進行を伴う進行性子宮頸癌について、2018年6月に加速承認を受けた。この試験では、患者は、許容できない毒性または疾患進行が記録されるまで、3週毎に200mgの用量でペムブロリズマブで静脈内治療された。98名の患者のうち、合計陽性スコア(CPS)≧1でPD-L1を発現する腫瘍を有し、転移性疾患のために少なくとも1ラインの化学療法を受けた77名(79%)の患者に基づいて承認された。
【0008】
フォローアップ期間の中央値は11.7ヶ月で、77名の患者の全奏効率(ORR)は14.3%(95%CI:7.4、24.1)であり、完全奏効率(CR)は2.6%、部分奏効率(PR)は11.7%であった。独立レビューによる奏効を有する11名の患者に基づく奏効期間(DOR)の推定中央値に達しなかった(4.1~18.6ヶ月以上の範囲)が、91%は6ヶ月以上のDORを有した。
【0009】
結腸直腸癌(CRC)は、2019年に米国において51,020人の死亡が推定される、世界中でがん死亡の第2の主要原因である。Siegel,7-34。進行性IV期転移性疾患は、CRC患者の約25%において初期提示され、さらに25~50%が早期疾患を伴って存在するが、転移性疾患を発症し続ける。いくつかの化学療法レジメンの開発及びEGFR/血管内皮増殖因子A(VEGFA)指向性mAbの添加にもかかわらず、転移性CRC患者の予後は依然として不良であり、米国において5年間の生存率の中央値はわずか12.5%である。Siegel R.,et al.,CA Cancer J Clin.64(1):9-29(2014)。
【0010】
免疫療法から利益を受けるCRC患者は、ミスマッチ修復欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定(MSI-H)を有する重変異腫瘍を有する患者である。この患者サブセットでは、CPIである、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、及びニボルマブとイピリムマブの組み合わせは、それぞれ2017年、2017年、及び2018年に米国で規制当局の承認を受けた。承認は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、及びイリノテカン含有レジメンに進行した225名のMSI-H CRC患者からのデータに基づいた。ペムブロリズマブ、ニボルマブ、またはイピリムマブとニボルマブの組み合わせによって示されたORRは、それぞれ36%、28%、及び46%であり、DORは、それぞれのCPIで治療された応答者の78%、67%、及び89%にわたって6ヶ月超続いた。Le,D.T.,et al.,New Eng.J.Med.372(26):2509-20(2015)、O’Neil,B.H.,et al.,PLoS One 12(12):e0189848(2017)、Overman,M.J.,et al.,Lancet Oncol.18(9):1182-91(2017)、Overman,M.J.,et al.,J.Clin.Oncol.36(8):773-9(2018)、Le D.T.,et al.,J.Clin.Oncol.36(15 suppl.)3514(2018)。
【0011】
残念ながら、dMMR/MSI-H腫瘍は、転移性CRC症例の5%に過ぎず(Oliveira A.F.,et al.,Front Oncol.9:396(2019))、現在のCPIは、ミスマッチ欠損のない(pMMR)及びマイクロサテライト安定性(MSS)であるか、または低レベルのマイクロサテライト不安定性(MSI-L)を有する腫瘍において有効ではない。これらの腫瘍において、低腫瘍変異負荷及び免疫細胞浸潤の欠如は、免疫耐性のメカニズムとして位置付けられている。そして、腫瘍がmAbベースの化学療法レジメンに進行すると、2つの利用可能な治療選択肢、レゴラフェニブ及びトリフルリジンチピラシルは、PFS中央値及びOS中央値がそれぞれ2ヶ月及び7ヶ月で、1.6~3%の不良なORRを示している。Mayer,R.J.,et al.,New Eng.J.Med.372(20):1909-19(2015)。Van Cutsem,E.,et al.,J.Clin.Oncol.30(28):3499-506(2012)。
【0012】
低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)活性化酵素(SAE)阻害剤は、標的療法に使用され得る小分子の例である。SUMOは、ユビキチン(Ub)コンジュゲーションと同様の方法で細胞タンパク質に共有結合するユビキチン様タンパク質(Ubl)ファミリーのメンバーである(Kerscher,O.et al.,Annu Rev Cell Dev Biol.22:159-80(2006))。哺乳動物細胞は、3つの主要なSUMOアイソフォームを発現する:SUMO1、SUMO2、及びSUMO3。SUMO2及びSUMO3は、約95%のアミノ酸配列相同性を共有するが、SUMO1と約45%の配列相同性を有する(Kamitani,T.,et al.,J Biol Chem.273(18):11349-53(1998))。SUMOタンパク質は、タンパク質の単一のリジン残基(モノSUMO化)またはSUMO鎖を形成するタンパク質に既にコンジュゲートされている第2のSUMOタンパク質(ポリSUMO化)にコンジュゲートすることができる。内部コンセンサスSUMO修飾部位を有するため、SUMO2/3のみがそのような鎖を形成することができる(Tatham,M.H.,et al.,J Biol Chem.276(38):35368-74(2001))。追加のアイソフォームSUMO4は、腎臓、リンパ節、及び脾臓細胞に見出されるが、SUMO4が細胞タンパク質にコンジュゲートできるかどうかは知られていない。
【0013】
SUMO1、SUMO2、及びSUMO3は、SAEによってATP依存的な様式で活性化される(例えば、米国特許出願公開第2010/0160177A1号(
図1B)、米国特許第9,434,765B2号(
図2)、及びGareau,J.R.,et al.,Nat Rev Mol Cell Biol.11:861-871(2010)(
図1)を参照されたい)。SAEは、SAE1(SUMO活性化酵素サブユニット1)及びSAE2(UBA2)からなるヘテロ二量体である。SAEは、他のE1活性化酵素と同様に、ATPを使用して、SUMOのC末端グリシン残基をアデニル化する。第2のステップでは、次いで、SUMOのC末端グリシンとSAE2中のシステイン残基との間にチオエステル中間体が形成される。次に、SUMOをE1からSUMO結合酵素(E2)、UBC9のシステイン残基に移す。多くのE2酵素を含有するUb経路とは異なり、Ubc9は、現在、SUMOのための唯一の既知の結合酵素であり、SUMO1、SUMO2、及びSUMO3タンパク質と機能する。次いで、SUMOタンパク質は、標的タンパク質上のリジン側鎖のイプシロンアミノ基とのイソペプチド結合形成を介して、直接またはE3リガーゼと組み合わせて、標的タンパク質にコンジュゲートする。PIAS(活性化シグナル伝達性転写因子タンパク質のタンパク質阻害剤)タンパク質及びRan結合タンパク質2(RanBP2)、及びポリコーム2(Pc2)を含むいくつかのSUMO E3リガーゼが同定されている(Johnson,E.S.,and Gupta,A.A,Cell.106(6):735-44(2001)、Pichler,A.,et al.,Cell.108(1):109-20(2002)、Kagey,M.H.,et al.,Cell.113(1):127-37(2003))。細胞標的に結合すると、SUMOは、基質タンパク質の機能、細胞下局在化、複合体形成及び/または安定性を調節する(Muller,S.,et al.,Nat Rev Mol Cell Biol.2(3):202-10(2001))。SUMOコンジュゲーションは、SENP(Hay,R.T.,Trends Cell Biol.17(8):370-6(2007))と呼ばれる脱SUMO化酵素の作用を通じて可逆的であり、次いで、SUMOタンパク質は追加のコンジュゲーションサイクルに参加することができる。
【0014】
SAE開始SUMOコンジュゲーションは、細胞周期調節、転写調節、細胞タンパク質標的化、ゲノム完全性の維持、染色体分離、及びタンパク質安定性を含む多様な細胞プロセスの調節において主要な役割を果たす(Hay,R.T.,Mol Cell.18(1):1-12(2005)、Gill,G.,Genes Dev.18(17):2046-59(2004))。例えば、SUMOコンジュゲーションは、それを核細孔複合体に標的化することによって、RanGAP1の細胞内局在の変化を引き起こす(Mahajan,R.,et al.,Cell.88(1):97-1070(1997))。SUMO化は、ユビキチン化に対抗し、その後、IκBの分解をブロックし、それによってNF-κB活性化を負に調節する(Desterro,J.M.,et al.,Mol Cell.2(2):233-9(1998))。SUMO化は、抑制効果と刺激効果の両方を示す転写における重要な役割を果たすことが報告されている。調節される転写ノードの多くはがんにおいて重要な役割を果たす。例えば、SUMO化は、p53及びHSF2等の転写因子の転写活性を刺激する(Rodriguez,M.S.,et al.,EMBO J.18(22):6455-61(1999)、Goodson,M.L.,et al.,J Biol Chem.276(21):18513-8(2001))。対照的に、SUMOコンジュゲーションは、LEF(Sachdev,S.,et al.,Genes Dev.15(23):3088-103(2001))及びc-Myb(Bies,J.,et al.,J Biol Chem.277(11):8999-9009(2002))等の転写因子の転写活性を抑制する。したがって、SUMOコンジュゲーションは、がん細胞生存にとって重要な遺伝子発現及び増殖制御経路を制御する。
【0015】
黒色腫(Driscoll,J.J.,et al.,Blood.115(14):2827-34(2010))及び乳癌(Chen,S.F.,et al.,Chin J Cancer.30(9):638-44(2011))を含む様々ながんタイプにおいて、SAE経路成分の発現の変化が注目されている(Moschos,S.J.,et al.,Hum Pathol.41(9):1286-980(2010))。加えて、前臨床試験は、Myc駆動がんがSAE阻害に対して特に感受性であり得ることを示す(Kessler,J.D.,et al.,Science.335(6066):348-53(2012)、Hoellein,A.,et al.,Blood.124(13):2081-90(2014))。SUMOコンジュゲーションは、腫瘍細胞の増殖及び生存に寄与する必須細胞機能を調節するため、SAEを標的とすることは、がん等の増殖性障害を治療するためのアプローチを表し得る。(He,X.,et al.,Nature Chemical Biology.13:1164-1171(2017))。したがって、いくつかのがんは、SAE媒介性障害であり得る。
【0016】
SAE阻害剤は、腫瘍学以外の他の疾患及び状態の治療にも適用可能であり得る。例えば、SUMOは、神経変性疾患において重要な役割を果たすタンパク質を改変する(Steffan,J.S.,et al.,Science.304(5667):100-4(2004)、Dorval,V.,and Fraser,P.E.,J Biol Chem.281(15):9919-24(2006)、Ballatore,C.,et al.,Nat Rev Neurosci.8(9):663-72(2007))。SUMO化はまた、病原性ウイルス感染、炎症、及び心臓機能において重要な役割を果たすことも報告されている(Lee,H.R.,et al.,J Virol.78(12):6527-42(2004)、Liu,B.,and Shuai,K.,Mol Cell.35(6):731-2(2009)、Wang,J.,and Schwartz,R.J.,Circ Res.107(1):19-29(2010))。
【0017】
小分子に加えて、標的療法としては、モノクローナル抗体が挙げられる。例えば、多くの既知のモノクローナル抗体標的療法の中には、PD-1に対するモノクローナル抗体(例えば、ニボルマブ/オプジーボ(登録商標)、及びペンブロリズマブ/キイトルーダ(登録商標)、PD-L1に対するモノクローナル抗体(例えば、アテゾリズマブ/テセントリク(登録商標)、デュルバルマブ/イミフィンジ(登録商標)、及びアベルマブ/バベンチオ(登録商標))、ならびにCTLA-4に対するモノクローナル抗体(例えば、イピリムマブ/ヤーボイ(登録商標))がある。したがって、いくつかのがんは、PD-1媒介性障害、PD-L1媒介性障害、及びCTLA-4媒介性障害であり得る。さらなるモノクローナル抗体標的療法には、CD20(例えば、リツキシマブ/リツキサン(登録商標))CD52(例えば、アレムツズマブ/キャンパス(登録商標))、VEGF(例えば、ベバシズマブ/アバスチン(登録商標))、HER2(例えば、Her2+乳癌及び胃癌を治療するためのトラスツズマブ/ハーセプチン(登録商標))、及びEGFR(例えば、結腸直腸癌を治療するためのセツキシマブ/アービタックス(登録商標))に対するモノクローナル抗体が含まれるが、これらに限定されない。
質の高い生活を維持しながら患者の寿命を延ばすために、がんの治療において薬効をもたらす療法剤の新しい組み合わせが望ましい。新しい組み合わせは、薬剤単独の各々と比較して増加した利益を提供し得る。特に、併用治療レジメンは、増殖性障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、線維性疾患、及び腎臓疾患を含む疾患状態に罹患している患者に有用であり得、さらには、再発率を低下させるか、またはこれらの患者に時々見られる特定の抗がん剤への耐性を克服する可能性があり得る。これは、がんが現在利用可能な治療レジメンに対して耐性または抵抗性であり得る場合に特に当てはまる。
このため、併用療法を含む新たな治療レジメンが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】Siegel,R.L.,et al.,CA Cancer J Clin.69(1):7-34(2019)
【文献】Garon,E.B.,et al.,Lancet 384(9944):665-73(2014)
【非特許文献】
【0019】
【文献】米国特許出願公開第2010/0160177号明細書
【文献】米国特許第9,434,765号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
一態様において、本開示は、がんを治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象にSAE阻害物質とチェックポイント阻害剤を組み合わせて投与することを含む方法に関する。
【0021】
一態様において、本開示は、がん患者の治療方法であって、上記治療を必要とする患者に、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート(化合物I-263a)またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤との組み合わせを投与することを含む、方法に関する。化合物I-263aは本明細書ではTAK-981としても称される。
【0022】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。
【0023】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、及びAMP-224からなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。
【0025】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、YW243.55.S70、MEDI-4736、MSB-0010718C、LY3300054、BMS-936559、MPDL3280A、及びMDX-1105からなる群から選択される。
【0026】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。
【0027】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ及びトレメリムマブからなる群から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、静脈内投与される。
【0030】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、静脈内注入によって投与される。
【0031】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内投与される。
【0032】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内注入によって投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は皮下注射によって投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は皮下投与される。
【0035】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートとチェックポイント阻害剤とは、同時に投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートと、チェックポイント阻害剤とは、別個の医薬組成物で逐次的に投与される。
【0037】
いくつかの実施形態では、がんはPD-1陽性がん、PD-L1陽性がん、またはCTLA-4陽性がんである。
【0038】
いくつかの実施形態では、がんは固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は進行性固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は転移性固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は切除不能な固形腫瘍である。
【0039】
いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、肺癌、腎臓癌、リンパ腫、頭頸部癌、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、白血病、子宮頸癌、高頻度マイクロサテライト不安定性がん、肝細胞癌、またはメルケル細胞癌である。
【0040】
いくつかの実施形態では、がんは子宮頸癌である。いくつかの実施形態では、がんは、CPI未治療の子宮頸癌腫である。いくつかの実施形態では、がんは扁平上皮細胞癌、腺扁平上皮癌、または子宮頸腺癌である。
【0041】
いくつかの実施形態では、がんは結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、がんはマイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS-CRC)である。いくつかの実施形態では、がんはCPI未治療のMSS-CRCである。
【0042】
いくつかの実施形態では、黒色腫は転移性黒色腫、切除不能な黒色腫、または皮膚黒色腫である。
【0043】
いくつかの実施形態では、肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)または小細胞肺癌である。
【0044】
いくつかの実施形態では、非小細胞肺癌は、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、非小細胞肺癌は、非小細胞肺腺癌である。
【0045】
いくつかの実施形態では、腎癌は腎細胞癌である。
【0046】
いくつかの実施形態では、リンパ腫は古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である。
【0047】
いくつかの実施形態では、頭頸部癌は頭頸部扁平上皮細胞癌である。
【0048】
いくつかの実施形態では、尿路上皮癌は尿路上皮癌腫である。
【0049】
いくつかの実施形態では、前立腺癌はホルモン抵抗性前立腺癌である。
【0050】
いくつかの実施形態では、胃癌は食道胃接合部腺癌である。
【0051】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される。
【0052】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、1週間に2回投与される。
【0053】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、1週間に1回投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与される。
【0055】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、別個に投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、2週間に1回投与される。
【0057】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、3週間に1回投与される。
【0058】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、4週間に1回投与される。
【0059】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与される。
【0061】
いくつかの実施形態では、治療周期は14日、21日、28日、または84日である。
【0062】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤とが、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、または、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与される。
【0063】
いくつかの実施形態では、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、または21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、別個に投与される。
【0064】
一態様では、本開示は、がんの治療を必要とする対象のがんの治療に使用するための医薬を含むキットに関する。キットは、SAE阻害剤を含む医薬、ならびにSAE阻害剤及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書を含むか、またはキットは、1つ以上のチェックポイント阻害剤を含む医薬、ならびに1つ以上のチェックポイント阻害剤及びSAE阻害剤を投与するための使用説明書を含む。キットは、SAE阻害剤を含む医薬と1つ以上のチェックポイント阻害剤の両方を含む医薬、ならびにSAE阻害剤及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書を含み得る。このキットはまた、1つ以上の追加の治療薬を含むことができる。
【0065】
一態様では、本開示は、がんの治療を必要とする対象のがんの治療に使用するための医薬に関する。医薬は、SAE阻害剤及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を含む。医薬はまた、1つ以上の追加の治療薬を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のCT26同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図1B】ビヒクル及び抗マウスPD-1(「抗mPD-1」)抗体をマウスに投与した後のCT26同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図1C】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のCT26同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図2A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のCT26同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図2B】ビヒクル及び抗mPD-1抗体をマウスに投与した後のCT26同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図2C】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のCT26同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図3A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のA20同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図3B】ビヒクル及び抗mPD-1抗体をマウスに投与した後のA20同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図3C】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のA20同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図4A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図4B】抗mPD-1抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図4C】抗マウスCTLA-4(「抗mCTLA-4」)抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図4D】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図4E】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mCTLA-4抗体の組み合わせをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図5A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図5B】抗mPD-1抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図5C】抗mCTLA-4抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図5D】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図5E】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mCTLA-4抗体の組み合わせをマウスに投与した後のWEHI-3同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図6A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のJC同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図6B】抗mPD-1抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のJC同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図6C】抗mCTLA-4抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のJC同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図6D】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のJC同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図6E】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mCTLA-4抗体の組み合わせをマウスに投与した後のJC同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図7A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のB16-F10同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図7B】抗mPD-1抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のB16-F10同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図7C】抗mCTLA-4抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のB16-F10同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図7D】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のB16-F10同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図7E】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mCTLA-4抗体の組み合わせをマウスに投与した後のB16-F10同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図8A】化合物I-263a及びビヒクルをマウスに投与した後のMC38同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図8B】抗mPD-1抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のMC38同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図8C】抗mCTLA-4抗体及びビヒクルをマウスに投与した後のMC38同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図8D】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mPD-1抗体の組み合わせをマウスに投与した後のMC38同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【
図8E】ビヒクル、及び化合物I-263aと抗mCTLA-4抗体の組み合わせをマウスに投与した後のMC38同系腫瘍モデルにおける時間の関数としての個々の腫瘍体積のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
定義及び略語
本開示の理解を促すために、いくつかの略語、用語、及び語句を以下に定義する。
【表1】
【0068】
別段の定義のない限り、本明細書で用いられている全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及されている全ての特許、及び刊行物は、参照により、その全体が組み込まれる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、無制御もしくは調節不全の細胞増殖、減少した細胞分化、周囲の組織を侵す不適切な能力、及び/または異所での新規成長を確立する能力を特徴とする細胞障害を指す。「がん」という用語には、固形腫瘍、及び、例えば血液腫瘍などの非固形腫瘍が含まれる。「がん」という用語は、皮膚、組織、臓器、骨、軟骨、血液、及び脈管の疾病を包含する。「がん」という用語は、原発性及び転移性のがんをさらに包含する。
【0070】
本明細書で使用されるとき、「自己免疫疾患」という用語は、正常な身体部分に対する異常な免疫応答に起因する障害を指す。「自己免疫疾患」という用語は、リウマチ性関節炎(RA)、ポリ糸球体炎を伴う顆粒腫症(GPA)(ウェゲナー肉芽腫症)、及び顕微鏡的多発血管炎(MPA)を含むがこれらに限定されない障害を包含する。
【0071】
「PD-1」(プログラム細胞死タンパク質1、PDCD1、CD279、SLEB2、またはSLE1としても知られる)という用語は、別途示されない限り、任意の天然PD-1を指す。「PD-1」という用語は、「全長」の未処理のPD-1、ならびに細胞内の処理から生じるPD-1の任意の形態を包含する。この用語はまた、PD-1の自然発生変異形、例えば、スプライス変異形、対立遺伝子変異形、及びアイソフォームを包含する。
【0072】
「PD-L1」(別途示されない限り、プログラム細胞死1リガンドとしても知られる)という用語は、任意の天然PD-L1を指す。「PD-L1」という用語は、「全長」の未処理のPD-L1、ならびに細胞内の処理から生じるPD-L1の任意の形態を包含する。この用語はまた、PD-L1の自然発生変異形、例えば、スプライス変異形、対立遺伝子変異形、及びアイソフォームを包含する。
【0073】
用語「CTLA-4」(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4としても知られる)は、別途示されない限り、任意の天然CTLA-4を指す。「CTLA-4」という用語は、「全長」の未処理のCTLA-4、ならびに細胞内の処理から生じるCTLA-4の任意の形態を包含する。この用語はまた、CTLA-4の自然発生変異形、例えば、スプライス変異形、対立遺伝子変異形、及びアイソフォームを包含する。
【0074】
「抗体」という用語は、標的、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、またはこれらの組み合わせを、当該免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して認識しこれに結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用されるとき、「抗体」という用語は、無傷ポリクローナル抗体、無傷モノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片など)、単鎖Fv(scFv)変異体、多重特異性抗体、例えば、少なくとも2つの無傷抗体から生成された二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、ならびに抗体が所望される生物活性を呈する限り、抗原認識部位を含む任意の他の改変免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと呼ばれる重鎖定常ドメインの識別性に基づいて、5つの主な免疫グロブリンクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、またはそれらのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)のいずれかであり得る。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なるよく知られたサブユニット構造及び3次元構成を有する。抗体は、ネイキッドであるか、または毒素、放射性同位体等の他の分子にコンジュゲートすることができる。
【0075】
「ブロッキング」抗体または「アンタゴニスト」抗体は、例えばPD-1、PD-L1、またはCTLA-4などの、それが結合する抗原の生物活性を阻害または低減する抗体である。特定の実施形態では、ブロッキング抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的にまたは完全に阻害する。望ましくは、生物活性は、10%、20%、30%、50%、70%、80%、90%、95%、または100%までも低減される。
【0076】
「抗PD-1抗体」または「PD-1に結合する抗体」という用語は、抗体がPD-1を標的とする上で診断剤及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でPD-1に結合することができる抗体を指す。抗PD-1抗体の、無関係の非PD-1タンパク質への結合の程度は、例えば放射免疫アッセイ(RIA)により測定されたときに、抗体の、PD-1への結合の約10%未満である。特定の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。
【0077】
「抗PD-L1抗体」または「PD-L1に結合する抗体」という用語は、抗体がPD-L1を標的とする上で診断剤及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でPD-L1に結合することができる抗体を指す。抗PD-L1抗体の、無関係の非PD-L1タンパク質への結合の程度は、例えば放射免疫アッセイ(RIA)により測定されたときに、抗体の、PD-L1への結合の約10%未満である。特定の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。
【0078】
「抗CTLA-4抗体」または「CTLA-4に結合する抗体」という用語は、抗体がCTLA-4を標的とする上で診断剤及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でCTLA-4に結合することができる抗体を指す。抗CTLA-4抗体の、無関係の非CTLA-4タンパク質への結合の程度は、例えば放射免疫アッセイ(RIA)により測定されたときに、抗体の、CTLA-4への結合の約10%未満である。特定の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。
【0079】
「モノクローナル」抗体とは、単一の抗原決定基、すなわち、エピトープの抗原特異性の高い認識及び結合に関与する均質な抗体を指す。これは、通常は異なる抗原決定基に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体とは対照的である。「モノクローナル」抗体という用語は、無傷かつ全長のモノクローナル抗体同様、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の免疫グロブリン分子を包含する。さらに、「モノクローナル」抗体は、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック動物が挙げられるがこれらに限定されないあらゆる方法で作製される抗体を指す。
【0080】
「キメラ抗体」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の種に由来する抗体を指す。通常、軽鎖と重鎖の両方の可変領域は、所望の特異性、親和性、及び機能を有する哺乳動物の一種(例えば、マウス、ラット、ウサギ等)由来の抗体の可変領域に対応し、その定常領域は、別の種(通常はヒト)由来の抗体の配列に対して相同であり、その種での免疫応答の誘発を回避する。
【0081】
本明細書で使用されるとき、「有効量」または「治療有効量」という用語は、化合物または1つ以上の化合物を組み合わせたものの量のうち、(例えば逐次的にまたは同時に)投与したときに、所望の生物学的応答または医薬的応答を誘発する量、例えば、患者において、標的がん細胞を破壊するか、またはがんの進行を遅延させるかもしくは抑止する量を指す。治療有効量は、目的の用途(インビトロもしくはインビボ)、または治療されている患者及び疾患状態、例えば、患者の体重及び年齢、疾患状態の重症度、投与手法などに応じて変動し得、当業者はその量を容易に決定することができる。この用語は、標的細胞における特定の応答、例えば血小板接着の低減及び/または細胞の遊走を誘導する用量にも適用される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「治療有効量」は、有益な効果を有する、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩の量、及び別々にまたは組み合わせて投与される場合のチェックポイント阻害剤の量を指す。一部の実施形態では、組み合わせた効果は相加的である。一部の実施形態では、組み合わせた効果は相乗的である。さらに、当業者であれば、併用療法の場合、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩の量及び/またはチェックポイント阻害剤の量は、「副治療量」、すなわち、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、もしくはその薬学的に許容される塩、またはチェックポイント阻害剤単独の治療有効量よりも少ない量で使用され得ることを認識するであろう。
【0082】
任意の形態または組成で、投与用量(複数可)または治療有効(総)量は、(i)BSA、例えばmg/m2として、または(ii)量、例えばmgとしてのいずれかに基づいて、患者ごとの治療用物質の量(複数可)として表現され得る。
【0083】
「約(about)」という用語は、約(approximately)、その領域内、大まかに(roughly)、またはおよそ(around)を指す。「約」という用語が数値または数値範囲と共に使用されるとき、これは、参照される数値または数値範囲が、実験変動性内(または統計的実験誤差内)の近似であることを意味し、したがって、数値または数値範囲は、例えば、記載される数値または数値範囲の1%~15%の間で変動し得る。一般的に、「約」という用語は、本明細書において、±10%の変量で、明記される値を超える、及び下回る数値を修飾するために使用される。
【0084】
本明細書で使用されるとき、「患者」は、一般に、疾患、障害、または病態(がんなど)と診断された、疾患、障害、またはそれらの病態を示す、またはそれ以外の場合、それに罹患していると考えられる哺乳動物(例えば、ヒト)を意味する。
【0085】
本明細書で使用される場合、「体表面積」(BSA)は、標準ノモグラム、例えば、
【数1】
を使用して計算される。
【0086】
「併用投与」、「組み合わせての投与」、及び「組み合わせを投与する」という用語は、2つ以上の薬学的に活性な成分([(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩、及び本明細書に開示されるチェックポイント阻害剤を含むが、これらに限定されない)を患者に投与することを指す。併用投与は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、本明細書に開示されるチェックポイント阻害剤との同時投与、または逐次的投与を指してもよい。
【0087】
「同時」及び「同時に」という用語は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、本明細書に開示されるチェックポイント阻害剤とを、同時に、または2時間以内で分離される2つの異なる時点で患者に投与することを指す。[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤との同時投与は、単一の剤形であっても、別個の剤形であってもよい。
【0088】
「逐次的」及び「逐次的に」という用語は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、本明細書に開示されるチェックポイント阻害剤とを、2時間を超えて、例えば、約3時間、約4時間、約5時間、約8時間、約12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日を超えて、またはさらに長く分離される2つの異なる時点で患者に投与することを指す。
【0089】
「中断」という用語は、断続的レジメンにおける患者への1つ以上の特定の薬学的活性成分の投与に続く期間を指す。中断は、特定の薬学的活性成分が少なくとも1日間投与されない休薬期間を指す。
【0090】
「相乗作用」という用語は、2つ以上の薬剤を組み合わせると、個々の各薬剤の作用の合計よりも作用が大きくなる状況を指す。この用語には、治療する障害の症状の軽減のみならず、副作用プロファイルの改善、忍容性の改善、患者服薬順守の改善、有効性の向上またはいずれかの他の臨床転帰の改善も含まれる。
【0091】
本明細書で使用されるとき、例示的な「含む(include)」、「など(such as)」、「例えば(for example)」等(及びその変形例、例えば「含む(includes)」及び「含むこと(including)」、「例(examples)」)の用語は、別途指定されない限り、非限定的であることが意図される。すなわち、明示的に別段の記載がない限り、そのような用語は、「であるが、それらに限定されない(but not limited to)」を暗示することが意図され、例えば、「含むこと(including)」は、「含むがそれらに限定されない(including but not limited to)」を意味する。
【0092】
別段の記載がない限り、本明細書に描写される構造は、1つ以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化学物質を含むことが意味される。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素原子の置換、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素原子の置換を除いて本発明の構造を有する化学物質は、本発明の範囲内にある。
【0093】
立体化学的配置が示されない限り、本明細書に描写される構造は、構造の全ての立体化学形態、すなわち、各不斉中心に対してR配置及びS配置を含むことを意味する。したがって、別段の指示がない限り、本発明の化学物質の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ラセミ、及びジアステレオマーの混合物は、本発明の範囲内にある。化合物について立体学的配置が示されるとき、その化合物のジアステレオ異性体または鏡像体過剰率は、少なくとも99.0%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%である。
【0094】
SAE阻害剤
本開示は、がんまたは自己免疫疾患を有する患者の併用治療を提供する。併用治療は、とりわけ、それを必要とする対象に、治療有効量の少なくとも1つのSAE阻害剤を投与することを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩であり、以下の構造を有する:
【化1】
[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートは、本明細書において、化合物I-263aとも称される。
【0096】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩である。
【0097】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、または化合物I-263aである。
【0098】
本明細書に開示されるSAE阻害剤は、例えば、US2016/0009744及びUS9,695,154に記載されている。これらは、当業者に既知の方法によって、及び/または全体が参照により本明細書に組み込まれるUS2016/0009744及びUS9,695,154に記載されている方法に従って調製され得る。本開示の組み合わせ及び方法における、化合物I-263aなどの有用なSAE阻害剤の作用機序の中心は、1型IFNの産生、ならびに樹状細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージの活性化による先天性免疫応答の誘導である。生化学的アッセイは、化合物I-263aが、SUMOと共有結合付加物を形成することによって酵素活性を強力に阻害するSUMO活性化酵素の機構に基づく阻害剤であることを実証している。SUMO活性化酵素に対する強力な選択性は、他の密接に関連するユビキチン活性化酵素、Nedd8活性化酵素、及びオートファジー関連7酵素よりも強力に観察された。化合物I-263aによるSUMO活性化酵素の選択的かつ強力な阻害及びSUMO化は、培養マウス及びヒト腫瘍細胞株において実証されており、化合物I-263aの抗増殖活性は、7つのマウス血液腫瘍及び固形腫瘍の細胞株のパネルにおいて決定されている。
【0099】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその結晶形態である。
【0100】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤またはその薬学的塩は、米国公開出願番号US2016/0009744に記載の[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートの結晶形態1である。
【0101】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤またはその薬学的塩は、米国公開出願番号US2016/0009744に記載の[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートの結晶形態2である。
【0102】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤またはその薬学的塩は、米国公開出願番号US2016/0009744に記載の[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートの結晶形態3である。
【0103】
チェックポイント阻害剤
本開示は、とりわけ、それを必要とする対象に、治療有効量の少なくとも1つのチェックポイント阻害剤(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、及びイピリムマブ)を投与することを含む併用治療を提供する。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。
【0104】
PD-1は、主要な免疫チェックポイント分子のうちの1つであるI型膜貫通タンパク質である(Blanket al.,2005,Cancer Immunotherapy,54:307-314)。PD-1は、主に活性化T細胞上で発現され、それは、リガンドPD-L1(B7-HlまたはCD274)及びPD-L2(B7-DCまたはCD273)と相互作用して、T細胞増殖、サイトカイン産生、及び細胞傷害活性の低下をもたらす阻害シグナルを誘導する(Freemanetal.,2000,J.Exp.Med.,192:1027-34)。
【0105】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、完全ヒトモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ヒト化IgGモノクローナル抗体である。
【0106】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、全長(無傷)抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、単鎖Fv断片、ならびに単鎖ドメイン断片を含むがこれらに限定されない抗PD-1結合断片からなる。
【0107】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、誘導体化抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、グリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、及びアミド化によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、既知の保護/ブロッキング基、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への結合によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、誘導体化抗PD-1抗体は、例えばambrx技術を使用して、1つ以上の非天然アミノ酸を含むこともできる(例えば、Wolfson,2006,Chem.Biol.13(10):1011-2を参照されたい)。
【0108】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。
【0109】
ニボルマブは、PD-1とそのリガンド、PD-L1及びPD-L2との間の相互作用をブロックする、ヒトモノクローナル抗体である。ニボルマブは、146kDaの計算された分子量を有するIgG4カッパ免疫グロブリンである。それは、組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株で発現する。ニボルマブは、切除不能または転移性の黒色腫、黒色腫、転移性非小細胞肺癌、進行腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)転移性の結腸直腸癌、及び肝細胞癌を治療するためにFDAによって承認されている。ニボルマブは、オプジーボ(登録商標)として市販されている。
【0110】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブである。
【0111】
ペンブロリズマブは、PD-1とそのリガンド、PD-L1及びPD-L2との間の相互作用をブロックする、ヒト化モノクローナル抗体である。ペンブロリズマブは、およそ149kDaの分子量を有するIgG4カッパ免疫グロブリンである。ペムブロリズマブは、組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において産生される。ペムブロリズマブは、黒色腫、非小細胞肺癌、頭頸部癌、古典的ホジキンリンパ腫、縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫、尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性がん、胃癌、及び子宮頸癌を治療するためにFDAによって承認されている。ペムブロリズマブはキイトルーダ(登録商標)として市販されている。
【0112】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブである。
【0113】
セミプリマブは、PD-1に結合し、PD-L1及びPD-L2とのその相互作用をブロックする、ヒトモノクローナル抗体である。セミプリマブは、およそ146kDaの分子量を有するIgG4免疫グロブリンである。セミプリマブは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞懸濁液中で組換えDNA技術によって産生される。セミプリマブは、治癒手術または治癒放射線の候補ではない転移性皮膚扁平上皮細胞癌(CSCC)または局所進行性CSCCを治療するためにFDAによって承認されている。セミプリマブはリブタヨ(登録商標)として市販されている。
【0114】
さらなる抗PD-1抗体としては、例えば、ピディリズマブ(メディベーション)、BMS-936559(Bristol-Myers Squibb)、及びAMP-224が挙げられる。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-1抗体は、ニボルマブまたはニボルマブと同じエピトープに結合する抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体はニボルマブである。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブまたはペンブロリズマブと同じエピトープに結合する抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブである。
【0117】
PD-L1は、細胞外Ig-V様ドメイン、Ig-C様ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内C末端ドメインを含むI型膜貫通タンパク質である。PD-L1は、腫瘍細胞及び/または腫瘍浸潤免疫細胞を含む、広範ながんにおいて高頻度で発現され、腫瘍微小環境における抗腫瘍免疫応答の阻害に寄与し得る。いくつかのがんにおいて、PD-L1の発現は、生存率の低下及び好ましくない予後と関連付けられている。PD-L1は、T細胞、B細胞、内皮、上皮、及び抗原提示細胞、肺、肝臓及び心臓組織の細胞、ならびにいくつかのタイプの腫瘍細胞を含む多くの細胞型で発現する。細胞表面上のPD-L1の発現はまた、IFN-y刺激を通じて上方制御されることも示されてきた。(i)エクソン2、(ii)エクソン3、(iii)エクソン2及び3、または(iv)エクソン2~4を欠く転写産物を含む、活性化ヒトT細胞からクローニングされたPD-1の少なくとも4つのバリアントが存在する。Nielsen et al.,Cell.Immunol.235:109-16(2005)。ヒトPD-L1のアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP054862.1に表される。
【0118】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、全長(無傷)抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、Fab、F(ab’)2、Fd、Fv、及びdAb断片、単鎖Fv断片、ならびにPD-L1結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質を含むがこれらに限定されない抗PD-L1結合断片からなる。
【0119】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブである。
【0120】
アテゾリズマブは、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ブロッキング抗体である。アテゾリズマブは、145kDaの計算された分子量を有するFc操作されたヒト化非グリコシル化IgG1カッパ免疫グロブリンである。アテゾリズマブは、局所進行性または転移性の尿路上皮癌及び転移性非小細胞肺癌を治療するためにFDAによって承認されている。アテゾリズマブは、テセントリク(登録商標)として市販されている。
【0121】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブである。
【0122】
デュラバリマブは、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ブロッキング抗体である。デュラバリマブは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞懸濁培養における組換えDNA技術によって産生されるヒト免疫グロブリンG1カッパ(IgG1κ)モノクローナル抗体である。デュラバリマブは、尿路上皮癌及び非小細胞肺癌を治療するためにFDAによって承認されている。デュラバリマブは、イミフィンジ(登録商標)として市販されている。
【0123】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアベルマブである。
【0124】
アベルマブは、プログラム死リガンド-1(PD-L1)ブロッキング抗体である。アベルマブは、約147kDaの分子量を有するヒトIgG1ラムダモノクローナル抗体である。アベルマブは、転移性メルケル細胞癌及び局所進行性または転移性の尿路上皮癌を治療するためにFDAによって承認されている。アベルマブは、バベンチオ(登録商標)として市販されている。
【0125】
追加の抗PD-L1抗体としては、例えば、YW243.55.S70(米国特許第8,217,149号)、MEDI-4736、MSB-0010718C、LY3300054(Eli Lilly and Co.)、BMS-936559(Bristol-Meyers Squibb)、MPDL3280A、及びMDX-1105が挙げられる。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブまたはアテゾリズマブと同じエピトープに結合する抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブである。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-L1抗体は、デュルバルマブまたはデュルバルマブと同じエピトープに結合する抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブである。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-L1抗体は、アベルマブまたはアベルマブと同じエピトープに結合する抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアベルマブである。
【0129】
CTLA-4は、CTLA-4遺伝子によってヒトでコードされるI型膜貫通タンパク質である。CTLA-4は、免疫応答におけるその負の役割により、がんの増殖及び発達と相関することが発見された。CTLA-4は、活性化CD4+及びCD8+T細胞の細胞表面で発現され、T細胞機能の重要な負の調節因子である。CTLA-4は、内因性と外因性の機構の両方を介して免疫活性化を負に調節することが示されている(Grosso and Kunkel,Cancer Immunity(2013)13:5)。CTLA-4による負の調節の阻害は、適応免疫応答及びT細胞活性化の刺激を促進することが示されている。ヒトCTLA-4の代表的アミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号:AAL07473.1に見ることができ、ヒトCTLA-4をコードする代表的なmRNA核酸配列は、GenBankアクセッション番号:AF414120.1に見ることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、全長(無傷)抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、及び単鎖断片、ダイアボディ、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、及び二価ドメイン抗体を含むが、これらに限定されない抗CTLA-4結合断片からなる。
【0131】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブである。
【0132】
イピリムマブは、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)に結合する組換えヒトモノクローナル抗体である。イピリムマブは、およそ148kDaの分子量を有するIgG1カッパ免疫グロブリンである。イピリムマブは、哺乳動物(チャイニーズハムスター卵巣)細胞培養で産生される。イピリムマブは、切除不能または転移性の黒色腫、黒色腫のアジュバント治療、及び進行腎細胞癌を治療するためにFDAによって承認されている。イピリムマブは、ヤーボイ(登録商標)として市販されている。
【0133】
さらなる抗CTLA-4抗体としては、例えば、トレメリムマブが挙げられる。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗CTLA-4抗体は、イピリムマブまたはイピリムマブと同じエピトープに結合する抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブである。
【0135】
がんまたは自己免疫疾患の治療方法
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんを治療する方法であって、SAE阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、1つ以上のチェックポイント阻害剤との組み合わせを、上記治療を必要とする患者に投与することによる方法に関する。
【0136】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療方法であって、上記治療を必要とする患者に、SAE阻害剤とチェックポイント阻害剤の組み合わせを投与することによる方法に関する。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんの治療のためのSAE阻害剤とチェックポイント阻害剤の組み合わせの使用に関する。
【0138】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんの治療における使用のためのSAE阻害剤を含む組成物に関し、患者は、チェックポイント阻害剤でも治療される。いくつかの態様では、本開示は、患者のがんの治療における使用のためのSAE阻害剤を含む組成物に関し、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤と組み合わされている。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤はチェックポイント阻害剤と同時にまたは逐次的に投与され得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、本開示は、共製剤または別個の製剤として、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関し、製剤の投与は、同時、逐次的、または交互である。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の追加の治療薬またはその薬学的に許容される塩とを、共製剤または別個の製剤として投与することを提供し、製剤の投与は、同時、逐次的、または交互である。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんを治療する方法に関し、方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量のSAE阻害剤とチェックポイント阻害剤との組み合わせを投与することを含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者に、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤との組み合わせを投与することによってがんを治療する方法に関する。
【0142】
別の態様では、本開示は、がんの治療のためのチェックポイント阻害剤と組み合わせた、化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のがんを治療する方法は、SAE阻害剤と、チェックポイント阻害剤と、1つ以上の追加の治療薬との組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は化学療法剤であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、メトトレキサートアントラサイクリン系化学療法剤、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、グルココルチコイド、イブリツモマブチウキセタン、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン剤、及びこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼと共投与される。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示は障害の治療方法に関し、障害はがんである。
【0145】
一部の実施形態では、がんは固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は進行性固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は転移性固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は切除不能な固形腫瘍である。
【0146】
固形腫瘍の非限定例としては、膵癌;浸潤性膀胱癌を含む膀胱癌;高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)を含む結腸直腸癌;マイクロサテライト安定性(MSS)結腸直腸癌;甲状腺癌;胃癌;転移性乳癌を含む乳癌;アンドロゲン依存性及びアンドロゲン非依存性の前立腺癌を含む前立腺癌;例えば、転移性腎細胞癌及び進行性腎細胞癌を含む腎癌;局所進行性または転移性の尿路上皮癌を含む尿路上皮癌;高頻度マイクロサテライト不安定性がん;例えば、肝細胞癌及び肝内胆管癌を含む肝癌;非小細胞肺癌(NSCLC)、NSCLC腺癌、扁平肺癌、細気管支肺胞癌(BAC)、肺の腺癌、及び小細胞肺癌(SCLC)を含む肺癌及び気管支癌;例えば、進行性の上皮性及び原発性の腹膜癌を含む卵巣癌;CPI未治療子宮頸癌を含む子宮頸癌、扁平上皮癌;腺扁平上皮癌;子宮頸部腺癌;子宮体及び子宮頸部を含む子宮癌;子宮内膜癌;食道癌;例えば、頭頸部の扁平上皮癌、鼻咽頭癌、口腔及び咽頭を含む頭頸部癌;切除不能または転移性の黒色腫を含む黒色腫、及び黒色腫の補助療法;転移性メルケル細胞癌;転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌;例えば、神経膠腫/神経膠芽腫、退形成性乏突起膠腫、成人多形性膠芽腫、及び成人退形成性星状細胞腫を含む脳腫瘍;転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌;骨肉腫;胃食道接合部癌、及び軟部肉腫が挙げられる。
【0147】
いくつかの実施形態において、がんは血液癌である。本開示の方法で治療され得る血液悪性腫瘍の非限定例としては、急性骨髄性白血病(AML);加速期のCML及びCMLの急性転化期(CML-BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML);急性リンパ芽球性白血病(ALL);慢性リンパ芽球性白血病(CLL);古典的なホジキンリンパ腫を含むホジキンリンパ腫(HL);B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫、及びバーキットリンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL);多発性骨髄腫(MM);アミロイドーシス;ワルデンストレームマクログロブリン血症;;不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、(過剰な芽球を伴う不応性貧血(RAEB)、及び移行期RAEB(RAEB-T)を含む骨髄異形成症候群(MDS);ならびに骨髄増殖性症候群が挙げられる。いくつかの実施形態では、がんは慢性リンパ球性白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、または濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及びバーキットリンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫である。
【0148】
いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、肺癌、腎臓癌、リンパ腫、頭頸部癌、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、白血病、子宮頸癌、高頻度マイクロサテライト不安定性がん、肝細胞癌、またはメルケル細胞癌である。
【0149】
いくつかの実施形態では、黒色腫は転移性黒色腫、切除不能な黒色腫、または皮膚黒色腫である。
【0150】
いくつかの実施形態では、肺癌は、非小細胞肺癌または小細胞肺癌である。
【0151】
いくつかの実施形態では、非小細胞肺癌は、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、非小細胞肺癌は、非小細胞肺腺癌である。
【0152】
いくつかの実施形態では、がんは子宮頸癌である。いくつかの実施形態では、がんは、CPI未治療の子宮頸癌腫である。いくつかの実施形態では、がんは扁平上皮細胞癌、腺扁平上皮癌、または子宮頸腺癌である。
【0153】
いくつかの実施形態では、がんは結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、がんはマイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS-CRC)である。いくつかの実施形態では、がんはCPI未治療のMSS-CRCである。
【0154】
いくつかの実施形態では、腎癌は腎細胞癌である。
【0155】
いくつかの実施形態では、リンパ腫は古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である。
【0156】
いくつかの実施形態では、頭頸部癌は頭頸部扁平上皮細胞癌である。
【0157】
いくつかの実施形態では、尿路上皮癌は尿路上皮癌腫である。
【0158】
いくつかの実施形態では、前立腺癌はホルモン抵抗性前立腺癌である。
【0159】
いくつかの実施形態では、胃癌は食道胃接合部腺癌である。
【0160】
いくつかの実施形態では、がんは再発性である。いくつかの実施形態では、再発がんは、がんが検出されなかった期間の後で再来したがんである。
【0161】
一部の実施形態では、がんは難治性である。一態様では、難治性がんはがん治療に応答せず、これは抵抗性がんとしても知られる。いくつかの実施形態では、がんはリタキシマブに対して抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんはリツキシマブの治療に応答しない。いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫または結腸癌である。いくつかの実施形態では、患者はリツキシマブ含有レジメンに難治性になっている。いくつかの実施形態では、腫瘍は切除不能である。いくつかの実施形態では切除不能な腫瘍は、手術によって除去することができない。いくつかの実施形態では、がんは以前に治療されたことがない。いくつかの実施形態では、がんは局所進行性である。いくつかの実施形態では「局所進行性」とは、多少広範囲に及ぶが未だ1つのエリアに限定されているがんを指す。一部の場合には、「局所進行性」は、広がってはいないが付近の臓器または組織を浸潤しており、手術のみで除去することを困難にしている小型腫瘍を指し得る。いくつかの実施形態では、がんは転移性である。いくつかの実施形態では転移性がんは、それが始まった身体部分(原発部位)から他の身体部分に広がったがんである。
【0162】
いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも1つの以前の治療レジメンが失敗した進行性転移性または切除不能な固形腫瘍を有する。
【0163】
いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性またはPD-L1陽性非小細胞肺癌腺癌を有する。いくつかの実施形態では、患者はPD-1陽性非小細胞肺癌腺癌と再発性または難治性非小細胞肺癌腺癌の両方を有する。いくつかの実施形態では、患者はPD-L1陽性非小細胞肺癌腺癌と再発性または難治性非小細胞肺癌腺癌との両方を有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性またはPD-L1陽性非小細胞肺癌腺癌を有し、少なくとも1つの以前の治療レジメンで進行している。
【0165】
いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性またはPD-L1陽性非小細胞肺癌腺癌を有し、任意のCPIに難治性である。いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性PD-1陽性またはPD-L1陽性非小細胞肺癌腺癌を有し、少なくとも1つの以前の治療レジメンで進行しており、任意のCPIに難治性である。
【0166】
いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療子宮頸癌を有する。いくつかの実施形態では、患者はPD-1陽性CPI未治療子宮頸癌と再発性または難治性のCPI未治療子宮頸癌の両方を有する。
【0167】
いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療子宮頸癌を有し、少なくとも1つの以前の治療レジメンで進行している。
【0168】
いくつかの実施形態では、患者は、再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療子宮頸癌を有し、任意のCPIに対して難治性である。いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療子宮頸癌を有し、少なくとも1つの以前の治療レジメンで進行しており、任意のCPIに対して難治性である。
【0169】
いくつかの実施形態では、患者は、再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療マイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS-CRC)を有する。いくつかの実施形態では、患者はPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCと再発性または難治性のCPI未治療のMSS-CRCの両方を有する。
【0170】
いくつかの実施形態では、患者は、再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCを有し、少なくとも1つの以前の治療レジメンで進行している。いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCを有し、少なくとも2つの以前の治療レジメンで進行している。いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCを有し、3つ以下の以前の治療レジメンで進行している。
【0171】
いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPIナイーブMSS-CRCを有し、任意のCPIに難治性である。いくつかの実施形態では、患者は、再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCを有し、少なくとも1つの以前の治療レジメンで進行しており、任意のCPIに対して難治性である。いくつかの実施形態では、患者は再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCを有し、少なくとも2つの以前の治療レジメンで進行しており、任意のCPIに難治性である。いくつかの実施形態では、患者は、再発性または難治性のPD-1陽性CPI未治療のMSS-CRCを有し、3つ以下の以前の治療レジメンで進行しており、任意のCPIに対して難治性である。
【0172】
いくつかの実施形態では、本開示は、障害の治療方法に関し、障害は自己免疫疾患である。
【0173】
いくつかの実施形態では、障害はSAE媒介性障害である。いくつかの実施形態では、障害はがん以外のSAE媒介性障害である。
【0174】
いくつかの実施形態では、がんはPD-1陽性がんである。PD-1陽性がんには、PD-1ががん細胞で発現しているがんが含まれる。
【0175】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性肺癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんは非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性転移性非小細胞肺癌である。
【0176】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性子宮頸癌である。
【0177】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性マイクロサテライト安定性結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性ミスマッチ修復欠損(dMMR)転移性結腸直腸癌である。
【0178】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性黒色腫である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性の切除不能または転移性の黒色腫である。
【0179】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性腎癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性進行性腎細胞癌である。
【0180】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性古典的ホジキンリンパ腫である。
【0181】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんは頭頸部のPD-1陽性再発性または転移性の扁平上皮癌である。
【0182】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性進行性または転移性の尿路上皮癌である。
【0183】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性肝細胞癌である。
【0184】
いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、PD-1陽性がんはPD-1陽性転移性皮膚扁平上皮癌である。
【0185】
いくつかの実施形態では、がんはPD-L1陽性がんである。PD-L1陽性がんには、PD-L1ががん細胞に発現しているがんが含まれる。
【0186】
いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性肺癌である。いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性転移性非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性で切除不能な第III期非小細胞肺癌である。
【0187】
いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性進行性または転移性の尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性進行性または転移性の尿路上皮癌である。
【0188】
いくつかの実施形態では、PD-L1陽性がんはPD-L1陽性転移性メルケル細胞癌である。
【0189】
いくつかの実施形態では、障害はCTLA-4陽性がんである。CTLA-4陽性がんには、CTLA-4ががん細胞に発現しているがんが含まれる。
【0190】
いくつかの実施形態では、CTLA-4陽性がんはCTLA-4陽性黒色腫である。いくつかの実施形態では、CTLA-4陽性がんはCTLA-4陽性の切除不能または転移性の黒色腫である。いくつかの実施形態では、CTLA-4陽性がんはCTLA-4陽性皮膚黒色腫である。
【0191】
いくつかの実施形態では、CTLA-4陽性がんはCTLA-4陽性腎癌である。いくつかの実施形態では、CTLA-4陽性がんはCTLA-4陽性進行腎細胞癌である。
【0192】
医薬
いくつかの実施形態では、本開示は、そのような治療を必要とする患者のがんの治療における使用のための医薬に関する。医薬は、SAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤を含み、単一の剤形または別個の剤形である。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬は、SAE阻害剤と、チェックポイント阻害剤と、任意選択で1つ以上の追加の治療薬の組み合わせと、を含むことができる。
【0194】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんを治療するための医薬の製造におけるSAE阻害剤の使用に関し、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤と共に投与され、医薬は、単回剤形または別個の剤形である。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤及び1つ以上の追加の治療薬と共に投与される。
【0195】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんの治療における医薬の製造のためのSAE阻害剤の使用に関し、患者は、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬でも治療される。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤はチェックポイント阻害剤と同時にまたは逐次的に投与され得る。いくつかの態様では、本開示は、患者のがんの治療における薬剤の製造のためのSAE阻害剤の使用に関し、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせられる。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤と同じ組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤はチェックポイント阻害剤として別個の組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、1つ以上の追加の治療薬と同じ組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と同じ組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、1つ以上の追加の治療薬として別個の組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と別個の組成物中に存在する。
【0196】
別の態様では、本開示は、がんの治療における使用のための医薬の製造における、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療における使用のための医薬の製造における、化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬との組み合わせの使用に関する。
【0197】
別の態様では、本開示は、がんを治療するための薬剤の製造における化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の使用に関し、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤、及び任意選択的に1つ以上の追加の治療薬と共に投与される。
【0198】
別の態様では、本開示は、チェックポイント阻害剤と組み合わせた医薬としての使用のための化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩に関し、化合物I-263aとチェックポイント阻害剤とは同時にまたは逐次的に投与され得る。
【0199】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんの治療のための医薬の製造における、化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩、及びチェックポイント阻害剤の使用に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、対象におけるがんの治療のための医薬の製造における化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩、及びチェックポイント阻害剤の使用に関するものであり、化合物I-263aは、追加の治療薬と共に対象に同時にまたは逐次的に投与可能であるように製剤化される。いくつかの実施形態では、本開示は、対象におけるがんの治療のための医薬の製造における化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩、及びチェックポイント阻害剤の使用に関するものであり、化合物I-263aとチェックポイント阻害剤は、追加の治療薬と共に対象に同時にまたは逐次的に投与可能であるように製剤化される。
【0200】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は化学療法剤であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、メトトレキサートアントラサイクリン系化学療法剤、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、グルココルチコイド、イブリツモマブチウキセタン、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン剤、及びこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼと共投与される。
【0201】
組み合わせの投与
化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて、単一の剤形で、または別個の剤形として投与され得る。いくつかの実施形態では、別個の剤形として投与する場合、チェックポイント阻害剤は、I-263aまたはその薬学的に許容される塩の投与前、それと同時、またはその投与後に投与され得る。いくつかの実施形態では、別個の剤形として投与される場合、I-263aまたはその薬学的に許容される塩の1つ以上の用量は、チェックポイント阻害剤の前に投与され得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の投与前に投与される。本明細書で使用されるとき、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤と、任意選択的に1つ以上の追加の治療薬との「組み合わせ」での投与は、薬剤の同時または逐次的投与だけでなく、当業者によって理解されるように、単一の治療周期中の薬剤の投与をも指す。化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩が、チェックポイント阻害剤、及び任意選択的での1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される場合、治療有効量の組み合わせが投与される。
【0202】
SAE阻害剤は、当業者に既知の任意の方法によって投与することができる。例えば、いくつかの実施形態では、SAE阻害剤は、本明細書に記載のものなどのSAE阻害剤と薬学的に許容される担体との医薬組成物の形態で投与することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与に好適である錠剤またはカプセルである。一部の他の実施形態では、医薬組成物は、経口投与に好適である液体剤形である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口投与に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内注入に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、注射に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内注射に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮下注射に好適である。いくつかの実施形態では、これらの組成物は、任意選択で、1つ以上の追加の治療薬をさらに含む。
【0203】
チェックポイント阻害剤は、当業者に既知の任意の方法によって投与することができる。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内(i.v.)投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は皮下(s.c.)投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は経口投与される。例えば、チェックポイント阻害剤は、第2の組成物、いくつかの実施形態では本明細書に記載のものなどのチェックポイント阻害剤と薬学的に許容される担体との医薬組成物の形態で投与することができる。一態様では、医薬組成物は、経口投与に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与に好適である錠剤またはカプセルである。一部の他の実施形態では、医薬組成物は、経口投与に好適である液体剤形である。一部の実施形態では、これらの組成物は、任意選択で、1つ以上の追加の治療薬をさらに含む。
【0204】
本開示のそのような医薬組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧によって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔に、腟に、または移植されたリザーバーを介して投与され得る。本明細書で使用されるとき、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、及び頭蓋内の注射または注入技術を含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は経口、静脈内、または皮下で投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は経口投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内投与される。いくつかの実施形態では、静脈内投与は静脈内注入または静脈内注射であり得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注入によって投与され、次いでその後、皮下注射によって投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼと共に皮下で共投与される。これらの投与方法は、短時間作用性、速放性、または長時間作用性であるように設計されてもよい。さらに、チェックポイント阻害剤は、全身的な方法よりもむしろ、腫瘍部位での投与(例えば、注射による)などの局所的な方法で投与することができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組み合わせ中の各治療薬(例えば、化合物I-263a及びチェックポイント阻害剤)は、同じ経路によってまたは異なる経路によって投与され得る。例えば、組み合わせの第1の治療薬を静脈内注射によって投与してもよい一方で、その組み合わせの他の治療薬を経口投与してもよい。あるいは、例えば全ての治療薬を経口投与してもよく、または全ての治療薬を静脈内注射によって投与してもよい。治療薬はまた、交互に投与され得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は鼻エアロゾルまたは吸入によって投与されてもよい。チェックポイント阻害剤は、当該技術分野で周知の技術に従って調製され得、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0207】
本開示の方法の量または好適な用量は、治療される状態の重症度の性質、特定の阻害剤、投与経路、ならびに個々の対象の年齢、体重、全体的な健康、及び応答を含む、いくつかの因子による。一部の実施形態では、好適な用量レベルは、腫瘍退縮、または疾患進行、無進行生存、もしくは全生存の他の標準的な測定によって測定した場合に治療応答を達成するレベルである。一部の実施形態では、好適な用量レベルは、治療応答を達成し、なおかつ治療薬の投与と関連付けられるいずれの副作用も最低限に抑えるレベルである。好適な用量レベルは、治療応答を延長する、及び/または寿命を延長するレベルであり得る。
【0208】
SAE阻害剤、チェックポイント阻害剤、及び任意選択での1つ以上の追加の治療薬の好適な用量は昼夜を問わず何時にでも摂取され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、朝に投与される。一部の他の実施形態では、好適な用量の各薬剤は、夜に投与される。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、朝と夜の両方に投与される。好適な用量の各薬剤は食物と一緒にまたは別に投与してもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、食事と一緒に投与される。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、空腹時に投与される。
【0209】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1日のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1日おきで投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、3日に1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1週間に2回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1週間に3回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、2週間に1回のスケジュールで投与される。
【0210】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、7日の周期内で隔日で少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、7日の周期内で1日目及び4日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、7日の周期内で連続して投与され、続いて中断される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する2日間投与され、続いて連続する5日間中断される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する3日間投与され、続いて連続する4日間中断される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する4日間投与され、続いて連続する3日間中断される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する5日間投与され、続いて2日間中断される。いくつかの実施形態では、1つ以上の7日の治療周期の間に休薬期間が存在するであろう。いくつかの実施形態では、1つ以上の7日の治療周期の間に7日の休薬期間が存在するであろう。
【0211】
本説明は、1つ以上の治療周期、例えば、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の治療周期のためのSAE阻害剤の投与を企図する。いくつかの実施形態では、治療周期は、約7日~約56日、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、治療周期は、7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日、または56日である。いくつかの実施形態では、治療周期は、21日または28日である。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療周期内またはその間に休薬期間が存在するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、治療周期の終了時に休薬期間が存在する。いくつかの実施形態では、第2の治療周期と第3の治療周期との間に休薬期間が存在するが、第1の治療周期と第2の治療周期の間には存在しない。別の実施形態では、休薬期間が第1の治療周期と第2の治療周期の間に休薬期間が存在してよいが、第2の治療周期と第3の治療周期の間には存在しなくてよい。投与スケジュールは、例えば、治療スケジュール中に1回、例えば、21日の周期の1日目に、治療スケジュール中に2回、例えば、21日の周期の1及び15日目に、または28日の周期の1及び15日目に、治療スケジュール中に3回、例えば、21日の周期の1、8、及び15日目に、または28日の周期の1、8、及び15日目に、ならびに治療スケジュール中に4回、例えば、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または28日の周期の1、4、8、及び11日目に、SAE阻害剤を投与することを含む。他の投与スケジュールも本発明に含まれる。
【0212】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に少なくとも2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に少なくとも4回投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の4日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の8日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の11日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1、4、8、及び11日目に投与される。
【0213】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1年以下の期間投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、1年以上の期間投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、24ヶ月以下の期間投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、24ヶ月以上の期間投与される。
【0214】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、週に1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、2週間、1週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の2週間で、1週間に1回投与される。
【0215】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約1mg~約3mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約2mg~約5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約5mg~約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約5mg~約15mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約10mg~約20mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約15mg~約25mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約20mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約25mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約30mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約35mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約40mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約55mg~約65mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約50mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約90mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約140mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約1mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約3mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約4mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約6mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約8mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約12mgである。全ての投与量は、投与される化合物I-263aの量を指し、薬学的に許容される塩の重量量を含まない。
【0216】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約1mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約3mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約6mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約15mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約25mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約40mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約60mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約90mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約120mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の量は、約160mgである。
【0217】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、静脈内(IV)注入として投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、60±10分のIV注入として投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、300分以下のIV注入として投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、60分~300分のIV注入として投与される。
【0218】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、毎日のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1日おきで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、3日に1回投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1週間に2回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1週間に3回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、2週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、3週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、4週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、8週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回のスケジュールで投与される。
【0219】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、7日の周期内で隔日で少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与される。ある特定の実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、7日の周期の1及び4日目に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、7日の周期内で連続して投与され、続いて中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する2日間投与され、続いて連続する5日間中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する3日間投与され、続いて4日間中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する4日間投与され、続いて3日間中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する5日間投与され、続いて連続する2日間中断される。
【0220】
本説明は、1つ以上の治療周期、例えば、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の治療周期のためのチェックポイント阻害剤の投与を企図する。いくつかの実施形態では、治療周期は、約7日~約84日、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、治療周期は、7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日、56日、または84日である。いくつかの実施形態では、治療周期は、21日または28日である。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療周期内またはその間に休薬期間が存在するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、治療周期の終了時に休薬期間が存在する。いくつかの実施形態では、第2の治療周期と第3の治療周期との間に休薬期間が存在するが、第1の治療周期と第2の治療周期の間には存在しない。別の実施形態では、休薬期間が第1の治療周期と第2の治療周期の間に休薬期間が存在してよいが、第2の治療周期と第3の治療周期の間には存在しなくてよい。投与スケジュールは、例えば、治療スケジュール中に1回、例えば、21日の周期の1日目に、治療スケジュール中に2回、例えば、21日の周期の1及び15日目に、または28日の周期の1及び15日目に、治療スケジュール中に3回、例えば、21日の周期の1、8、及び15日目に、または28日の周期の1、8、及び15日目に、ならびに治療スケジュール中に4回、例えば、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または28日の周期の1、4、8、及び11日目に、チェックポイント阻害剤を投与することを含む。他の投与スケジュールも本発明に含まれる。
【0221】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は静脈内(IV)注入として投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、30±10分のIV注入として投与される。
【0222】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、21日の周期内に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、21日の周期の1日目に投与される。
【0223】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤と同じ日に投与される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩は、両方が同じ日に投与されるとき、チェックポイント阻害剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、両方が同じ日に投与されるとき、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の前に投与される。
【0224】
いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩の用量は、21日の周期内で1~3日遅延される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤の用量は、21日の周期内で1~3日遅延される。いくつかの実施形態では、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩とチェックポイント阻害剤の両方の用量は、21日の周期内で1~3日遅延される。
【0225】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注入、続いて1つ以上の後続の皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、静脈内注入及び1つ以上の後続の皮下注射は、本明細書に開示される投与スケジュール及び方法に従って投与される。
【0226】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約10mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約50mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約100mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約150mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約220mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約240mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約260mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約280mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約300mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約320mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約340mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約360mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約380mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約400mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約480mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約460mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約440mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約420mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約380mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約360mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約340mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約320mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約300mgである。
【0227】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約120mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約140mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約160mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約180mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約220mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約240mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約260mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約280mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約320mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約340mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約360mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約380mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約420mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約440mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約460mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約480mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1000mgである。
【0228】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kg~約7.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kg~約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、各投薬日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg/kg~約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg/kg~約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約2.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約3.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約4.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約7.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約10mg/kgである。
【0229】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0230】
いくつかの実施形態では、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、及びセミプリマブの投与は、FDAまたはEMAによって発行されたものなどの保健当局によって承認されたその処方情報に従う。これらの情報は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0231】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約100mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約200mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約400mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約600mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約800mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1500mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mg~約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1100mg~約1300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1100mg~約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mg~約1300mgである。
【0232】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約2500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約3000mgである。
【0233】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kg~約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、各投薬日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約6mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約7mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約8mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約9mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約13mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約6mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約7mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約8mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約9mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約13mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約17mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約19mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約20mg/kgである。
【0234】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アベルマブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0235】
いくつかの実施形態では、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、及びアベルマブの投与は、FDAまたはEMAによって発行されたものなどの保健当局によって承認されたその処方情報に従う。これらの情報は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0236】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約0.5mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約10mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約50mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約100mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約2000mgである。
【0237】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約0.5mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約6mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約7mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約8mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約9mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約13mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約17mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約19mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約20mg/kgである。
【0238】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0239】
いくつかの実施形態では、イピリムマブの投与は、FDAまたはEMAによって発行されたものなどの保健当局によって承認されたその処方情報に従う。これらの情報は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0240】
医薬組成物
本明細書に記載の方法及びキットで使用されるSAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤は、投与に好適な医薬組成物に製剤化することができる。医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含み得る。本明細書で使用される、薬学的に許容される賦形剤としては、所望される特定の剤形に好適な、あらゆる溶媒、分散媒、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁の補助剤、希釈剤、造粒剤及び/または分散剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、結合剤、滑沢剤もしくは油、着色剤、甘味剤もしくは香味剤、安定剤、抗酸化剤、抗菌剤もしくは抗真菌剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、緩衝剤、キレート剤、抗凍結剤、及び/または増量剤が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物を製剤化するための様々な賦形剤、及び組成物を調製するための技術は、当該技術分野で既知である(その全体が参照により組み込まれる、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Ed.,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD),2006を参照されたい)。
【0241】
本明細書に記載される療法剤はいずれも、薬学的に許容される塩の形態を取り得る。いくつかの実施形態において、そのような塩は、無機または有機の酸または塩基に由来する。好適な塩の概説については、例えば、Berge et al.,J.Pharm.Sci.,1977,66,1-19、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,A.Gennaro(ed.),Lippincott Williams&Wilkins(2000)を参照されたい。
【0242】
好適な酸付加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニル-プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカノアートが挙げられる。
【0243】
好適な塩基付加塩の例としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミンなどの有機塩基を有する塩、ならびにアルギニン、リジン、及び同類のものなどのアミノ酸を有する塩が挙げられる。
【0244】
例えば、Bergeは、次のFDA承認の市販の塩をリストする:アニオンであるアセテート、ベシル酸塩(ベンゼンスルホン酸塩)、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム(エチレンジアミンテトラアセテート)、カンシル酸塩(樟脳スルホン酸塩)、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸(エチレンジアミンテトラアセテート)、エジシル酸塩(1,2-エタンジスルホン酸塩)、エストレート(ラウリル硫酸塩)、エシレート(エタンスルホン酸塩)、フマル酸塩、グルセプト酸塩(グルコヘプトン酸塩)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(グリコールアミドフェニルアルソネート)、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオン酸塩(2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート(メタンスルホン酸塩)、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩(2-ナフタレンスルホン酸塩)、硝酸塩、パモ酸塩(エンボ酸塩)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリネート)、及びトリエチオジド、有機カチオンであるベンザチン(N,N’-ジベンジルエチレンジアミン)、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプロカイン、ならびに金属カチオンであるアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛。
【0245】
Bergeは、以下の非FDA承認市販の(米国外で)市販の塩をさらに列挙する:アニオンであるアジピン酸塩、アルギン酸塩、アミノサリチル酸塩、アンヒドロメチレンクエン酸塩、アレコリン、アスパラギン酸塩、重硫酸塩、臭化ブチル、樟脳酸塩、ジグルコン酸塩、二臭化水素酸塩、ジコハク酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、フッ化水素、ヨウ化水素酸塩、メチレンビス(サリチル酸塩)、ナパジシル酸塩(1,5-ナフタレンジスルホン酸塩)、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルエチルバルビツール酸塩、ピクリン酸塩、プロピオン酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカノアート、有機カチオンであるベネタミン(benethamine)(N-ベンジルフェネチルアミン)、クレミゾール(1-p-クロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチルベンズイミダゾール)、ジエチルアミン、ピペラジン、及びトロメタミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、ならびに金属カチオンであるバリウム及びビスマス。
【0246】
医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、レシピエント対象(ヒト)に適合し、かつ活性薬剤をその薬剤の活性を終結することなく対象部位に送達するのに好適である物質を指す。担体に関係する毒性または有害作用は、もしあるとすれば、好ましくは、活性薬剤の意図される使用に対して妥当なリスク対効果比に見合うものである。
【0247】
これらの組成物に使用してもよい薬学的に許容される担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩もしくは炭酸塩等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、硫酸プロタミン等の飽和植物脂肪酸、水、塩、または電解質の部分グリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が挙げられる。
【0248】
本開示の方法における使用のための医薬組成物は、とりわけ、従来の造粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセスなどの当該技術分野において周知の方法によって製造され得る。組成物は、顆粒剤、沈殿物、または微粒子、凍結乾燥された、回転乾燥された、もしくは噴霧乾燥された粉末を含む粉末、非晶質粉末、錠剤、カプセル、シロップ剤、坐剤、注射、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤、または溶液を含む、様々な形態で産出され得る。製剤は、安定剤、pH調節剤、界面活性剤、可溶化剤、生物学的利用能調節剤、及びこれらの組み合わせを含有し得る。これらの医薬組成物は、ヒトに対する薬学的投与のために製剤化される。そのような組成物は、経口的、非経口、吸入スプレー、局所、直腸、経鼻、口腔、経膣で、または移植リザーバーを介して投与され得る。本明細書で使用されるとき、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、及び頭蓋内の注射または注入技術を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、経口的、静脈内、または皮下に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、経口的に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、静脈内投与は静脈内注入または静脈内注射であり得る。いくつかの実施形態では、本組成物は、静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内注入によって投与され、次いでその後皮下注射によって投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼと共に皮下で共投与される。これらの製剤は、短時間作用型、高速放出型、または長時間作用型であるように設計され得る。さらに、組成物は、全身的な方法よりもむしろ、腫瘍部位での投与(例えば注射による)など、局所的な方法で投与され得る。
【0249】
薬学的製剤は、油、水、アルコール、及びそれらの組み合わせなどの液体を使用した液体懸濁液または溶液として調製され得る。シクロデキストリン等の可溶化剤が含まれ得る。薬学的に好適な界面活性剤、懸濁化剤、または乳化剤が、経口または非経口投与のために添加され得る。懸濁液は、ピーナツ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、及びオリーブ油等の油を含み得る。懸濁液製剤はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、及びアセチル化脂肪酸グリセリド等、脂肪酸のエステルを含有し得る。懸濁液製剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、及びプロピレングリコールなどのアルコール、ポリ(エチレングリコール)などのエーテル、鉱物油及び鉱油などの石油系炭化水素、ならびに水を含み得る。
【0250】
これらの医薬組成物の滅菌注射用形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、好適な分散または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、当該技術分野で既知の技法に従って製剤化され得る。滅菌注射用製剤は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液等の非毒性の非経口として許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用され得る許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンガー液及び生理食塩液である。加えて、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として従来用いられている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油が用いられ得る。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体等の脂肪酸は、注射可能物の調製に有用であり、同様に、オリーブ油またはひまし油等の天然の薬学的に許容される油は、特にそれらのポリオキシエチル化バージョンにおいて、有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、乳剤または懸濁液を含む、薬学的に許容される剤形の製剤化で一般的に使用される、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤等、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。例えばTween(登録商標)またはSpanといったソルビタンアルキルエステルなどの他のよく使用される界面活性剤、及び薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造によく使用される他の乳化剤または生物学的利用能エンハンサーも、製剤化の目的のために使用され得る。組成物は、注射、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与用に製剤化することができる。注射用の単位剤形は、アンプルまたは多用量容器中にあってもよい。
【0251】
これらの医薬組成物は、カプセル、錠剤、水溶性懸濁液または溶液を含む任意の経口的に許容される剤形で経口投与され得る。水溶性懸濁液が経口使用のために要求されるとき、活性成分は、乳化剤及び懸濁化剤と組み合わされる。所望の場合、ある特定の甘味剤、香味剤、または着色剤もまた、添加され得る。カプセル形態での経口投与では、有用な希釈剤は、乳糖及び乾燥コーンスターチを含む。経口使用のための錠剤の場合、よく使用される担体は、乳糖及びコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、典型的には添加される。コーティングは、様々な目的のため、例えば、味を消すため、溶解もしくは吸収の部位に影響を与えるため、または薬の作用を延長するために使用され得る。コーティングは、錠剤に、またはカプセル内での使用のための造粒粒子に適用され得る。
【0252】
代替的に、これらの医薬組成物は、直腸投与用の坐薬の形態で投与され得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、薬物を放出させるように直腸内で溶ける、好適な非刺激性賦形剤と、薬剤を混合することによって調製され得る。そのような物質は、ココアバター、みつろう、及びポリエチレングリコールを含む。
【0253】
これらの薬学的組成物はまた、特に治療の標的が、目、皮膚、または下部腸管の疾病など、局所適用により容易に到達可能な区域または臓器を含むとき、局所的に投与され得る。好適な局所製剤は、これらの区域または臓器のそれぞれのために容易に調製される。
【0254】
下部腸管のための局所適用は、直腸坐薬製剤(上を参照されたい)または好適な浣腸製剤で達成され得る。局所的な経皮パッチもまた使用され得る。局所適用に対して、薬学的組成物は、1つ以上の担体中に懸濁または溶解された活性成分を含有する好適な軟膏に製剤化され得る。本開示の化合物の局所投与のための担体は、鉱物油、液体鉱油、白色鉱油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、及び水を含む。代替的に、医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解された活性成分(複数可)を含有する、好適なローションまたはクリームの中で製剤化され得る。好適な担体としては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が挙げられる。
【0255】
眼科用に、医薬組成物は、等張のpH調節した滅菌食塩水中の微粉化懸濁液として、または好ましくは、塩化ベンジルアルコニウム等の保存剤を含むまたは含まないのいずれかで、等張のpH調節した滅菌食塩水中の溶液として、製剤化され得る。代替的に、眼科用に、医薬組成物は、ワセリン等の軟膏に製剤化され得る。
【0256】
医薬組成物はまた、鼻腔エアロゾルまたは吸入によって投与されてもよい。かかる組成物は、薬学的製剤の技術分野でよく知られている技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0257】
いくつかの実施形態では、式I-263aの化合物は静脈内注入のための溶液として製剤化される。いくつかの実施形態では、式I-263aの化合物は、緩衝剤またはPH調整剤と、ベータ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリンとを含む溶液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、溶液は、水中にリン酸及びカプチゾール(ベータデックススルホブチルエーテルナトリウム)を含む。いくつかの実施形態では、静脈内注入用溶液は、10mg/mLの式I-263aの化合物を含有する。
【0258】
いくつかの実施形態では、式I-263aの化合物は、薬物製品として製剤化され、薬物製品は、水中のリン酸及びカプチゾール(ベタデックスルホブチルエーテルナトリウム)の溶液中に化合物I-263aを含む。いくつかの実施形態では、薬物製品は10mLの化合物I-263a滅菌溶液を含んで包装される。
【0259】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイント阻害剤100mg/4mLを含む注射用溶液として製剤化される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、50mgのチェックポイント阻害剤を含む注入用溶液のための粉末として製剤化される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。
【0260】
別の態様において、本開示は、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤とを含む、それを必要とする対象におけるがんの治療または予防における使用のための医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示は、化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤と1つ以上の追加の治療薬とを含む、それを必要とする対象におけるがんの治療または予防における使用のための医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、該化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩と、該1つ以上の追加の治療薬との同時または逐次的投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、該化合物I-263a、またはその薬学的に許容される塩と、該チェックポイント阻害剤と、該1つ以上の追加の治療薬との同時または逐次的投与のために製剤化される。
【0261】
キット
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のSAE阻害剤またはチェックポイント阻害剤は、キットに含めるために製造され得る。「キット」は、少なくとも1つの試薬または化学療法剤を含む任意の製品(例えば、パッケージまたは容器)である。本明細書の方法での使用のためのキットは、SAE阻害剤、例えば、式I-263aの化合物またはその薬学的に許容される塩を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、チェックポイント阻害剤と、任意選択の1つ以上の追加の治療薬とをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは、式I-263aの化合物またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤と、任意選択で1つ以上の追加の治療薬とを含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のSAE阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含んでよい。いくつかの実施形態では、キットは1つ以上のチェックポイント阻害剤を含んでよい。
【0262】
いくつかの実施形態では、本開示は、そのような治療を必要とする患者のがんの治療での使用のための医薬を含むキットに関する。キットは、SAE阻害剤を含む医薬と、SAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書とを含むか、またはキットは、チェックポイント阻害剤を含む医薬と、チェックポイント阻害剤及びSAE阻害剤を投与するための使用説明書とを含む。キットは、SAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤を含む医薬と、SAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書とを含み得、医薬は、単一の剤形または別個の剤形である。いくつかの実施形態では、キットは、任意選択で、1つ以上の追加の治療薬を含む。
【0263】
いくつかの実施形態では、SAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤を含むキットは、別の成分または試薬をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、キット中の試薬は、投与のためにSAE阻害剤を調製するための希釈剤であり得る。いくつかの実施形態では、キット中の試薬は、投与のためにチェックポイント阻害剤を調製するための希釈剤であり得る。いくつかの実施形態では、キット内の構成要素は、SAE阻害剤及びチェックポイント阻害剤の組み合わせを混合するための容器であり得る。
【0264】
別の態様において、本開示は、がんを治療するためのキットに関し、本キットは、少なくとも1つの用量の化合物I-263aまたはその薬学的に許容される塩を含む少なくとも1つの医薬と、少なくとも1つの用量のチェックポイント阻害剤を含む少なくとも1つの医薬とを含み、がんを治療するための上記キットは、それの必要性が認定された患者の治療のために医薬を投与するための投与説明書をさらに含む。
【0265】
本開示がより完全に理解されるように、以下の実施例が説明される。これらの実施例は、例示的のみであり、本開示の範囲をいかようにも限定することは意図されない。
【実施例】
【0266】
【0267】
実施例1:インビボ腫瘍有効性
一般的な分析方法
別段の記載がない限り、1H NMRスペクトルは、Varian 300MHzを使用して取得した。別段の記載のない限り、HPLCは、Agilent 1100シリーズ上で取得し、UPLCは、Water Acuity Systemsにより取得した。
【0268】
以下の実施例で使用される場合、化合物I-263aは、PCT公開番号WO2016/004136において実施例201に列挙される手順に従って合成され得る。
【0269】
マウス腫瘍モデルにおける抗腫瘍効果のための一般的な実験条件
マウス同系腫瘍モデル
以下の同系モデルを、以下に指定されるように、研究1~8のそれぞれにおいて利用した。
【0270】
CT26研究1:CT26は、マウス結腸線維芽細胞癌細胞株である。CT26マウス同系腫瘍モデルを、12週齢のメスBALB/cマウス(Jackson Laboratory,600 Main St,Bar Harbor,ME)中に、0.2×106個のCT-26細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約60mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び3つの治療群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスに、20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体を14日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0271】
CT26研究2:CT26は、マウス結腸線維芽細胞癌細胞株である。CT26マウス同系腫瘍モデルを、10週齢のメスBALB/cマウス(Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.,Beijing,China)中に、0.2×106個のCT-26細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約40mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び3つの治療群(n=9/群)に無作為化した。次いで、マウスに、20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体を14日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0272】
A20研究3:A20はマウスB細胞リンパ腫細胞株である。A20マウス同系腫瘍モデルを、8週齢のメスBALB/cマウス(Jackson Laboratory,600 Main St,Bar Harbor,ME)中に、1.0×106個のA20細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約50mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び3つの治療群(n=7/群)に無作為化した。次いで、マウスに、20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体を11日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0273】
WEHI-3研究4:WEHI-3はマウス骨髄単球性白血病細胞株である。WEHI-3マウス同系腫瘍モデルを、13週齢のメスBALB/cマウス(Jackson Laboratory,600 Main St,Bar Harbor,ME)中に、0.1×106個のWEHI-3細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約50mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び5つの治療群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスに20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体または抗マウスCTLA-4抗体を21日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0274】
WEHI-3研究5:WEHI-3はマウス骨髄単球性白血病細胞株である。WEHI-3マウス同系腫瘍モデルを、9週齢のメスBALB/cマウス(SINO-British SIPPR/BK Lab Animal Ltd.Shanghai,China)中に、0.1×106個のWEHI-3細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約30mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び5つの治療群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスに20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体または抗マウスCTLA-4抗体を21日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0275】
JC研究6:JCはマウス乳腺癌細胞株である。JCマウス同系腫瘍モデルを、10週齢のメスBALB/cマウス(Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.,Beijing,China)中に、0.2×106個のJC細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約45mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び5つの治療群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスに、20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体を21日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0276】
B16-F10研究7:B16-F10はマウス黒色腫細胞株である。B16-F10マウス同系腫瘍モデルを、11週齢のメスC57BL/6マウス(Taconic Biosciences,Rensselaer,NY)中に、0.08×106個のB16-F10細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約50mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び5つの治療群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスに、20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体を17日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0277】
MC38研究8:MC38はマウス結腸腺癌細胞株である。MC38マウス同系腫瘍モデルを、11週齢のメスC57BL/6マウス(SINO-British SIPPR/BK Lab Animal Ltd.Shanghai,China)中に、1.0×106個のMC38細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約60mm3に達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び5つの治療群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスに、20%HPbCDまたは化合物I-263aまたは抗マウスPD-1抗体を21日間にわたって投与した。腫瘍増殖及び体重を、治療期間中及び治療後の期間中に週に2回測定し、マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。
【0278】
試験薬剤
以下の試験薬剤を、以下に指定されるように、研究1~8のそれぞれにおいて利用した。
【0279】
研究1:化合物I-263aの0.825mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.2mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを1週間BIWスケジュール(1及び4日目)で投与し、抗mPD-1を2週間のBIWスケジュール(1、4、8、及び11日目)で投与した。
【0280】
研究2:化合物I-263aの0.75mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを、14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)で投与し、抗mPD-1を14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)で投与した。
【0281】
研究3:化合物I-263aの1.65mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は15mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを1週間のBIWスケジュール(1及び4日目)で投与し、抗mPD-1を11日目まで2週間のBIWスケジュール(1、4、8、及び11日目)で投与した。
【0282】
研究4:化合物I-263aの1.01mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.7mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。抗マウスCTLA-4抗体(抗mCTLA-4)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.7mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mCTLA-4の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263a、抗mPD-1、及び抗mCTLA-4を、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。
【0283】
研究5:化合物I-263aの0.75mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。抗マウスCTLA-4抗体(抗mCTLA-4)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mCTLA-4の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを、14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)で投与した。抗mPD-1を、単剤治療群において、10日目までの2週間のBIWスケジュール(0、3、7、及び10日目)で、ならびに併用処置群において14日目までの3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)で投与した。抗mCTLA-4を、8日目まで3周期のQ4Dスケジュール(0、4、及び8日目)で投与した。
【0284】
研究6:化合物I-263aの0.75mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。抗マウスCTLA-4抗体(抗mCTLA-4)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mCTLA-4の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを、14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)で投与した。抗mPD-1を、14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)で投与した。抗mCTLA-4を、8日目まで3周期のQ4Dスケジュール(0、4、及び8日目)で投与した。
【0285】
研究7:化合物I-263aの0.75mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。抗マウスCTLA-4抗体(抗mCTLA-4)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mCTLA-4の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。抗mPD-1を、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。抗mCTLA-4を、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。
【0286】
研究8:化合物I-263aの0.75mg/mLの原液を、20%HPβCD中に毎週製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、治療の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。最終投与量は7.5mg/kgであった。化合物I-263aの投与量は、0.2mLであった。抗マウスPD1抗体(抗mPD-1)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mPD-1の投与量は、0.1mLであった。抗マウスCTLA-4抗体(抗mCTLA-4)(Bio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.0mg/mLで各注射の前に製剤化し、5mL/kgの投与量を使用して10mg/kgの用量をもたらし、治療の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)に投与した。抗mCTLA-4の投与量は、0.1mLであった。化合物I-263aを、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。抗mPD-1を、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。抗mCTLA-4を、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。
【0287】
腫瘍測定:
腫瘍は、ノギスを使用して週に2回測定した。腫瘍体積を、以下の標準方程式を使用して計算した:V=W2×L/2(式中、腫瘍に関して、V=体積、W=幅、及びL=長さ)。研究1の場合、平均腫瘍体積が約60mm3に達したとき、研究2の場合は40mm3、研究3の場合は50mm3、研究4の場合は50mm3、研究5の場合は30mm3、研究6の場合は45mm3、研究7の場合は50mm3、研究8の場合は60mm3に達したとき、マウスを、研究1では4群(n=8/群)、研究2では4群(n=8/群)、研究3では4群(n=8/群)、研究4では6群(n=8/群)、研究5では6群(n=8/群)、研究6では6群(n=8/群)、研究7では6群(n=8/群)、及び研究8では6群(n=8/群)に無作為化し、ビヒクル(20%HPβCD)、化合物I-263a、抗mPD-1、抗mCTLA-4、または化合物I-263a+抗mPD-1もしくは抗mCTLA-4の組み合わせを様々な用量及びスケジュールで投与した。腫瘍サイズ及び体重は、研究が継続している間、週に2回測定した。マウスを、その腫瘍体積が約2500mm3を超えたとき、または個々の腫瘍がサイズについて人道的エンドポイントを超えたとき(腫瘍の長さが2cmを超えたとき)に安楽死させた。
【0288】
結果
上記の一般的な方法において記載したように行ったマウス同種腫瘍モデルを使用して、化合物I-263aと抗mPD-1または抗mCTLA-4とのインビボの組み合わせ効果を評価した。
【0289】
個々の腫瘍増殖曲線を
図1A、1B、1C、2A、2B、2C、3A、3B、3C、4A、4B、4C、4D、4E、5A、5B、5C、5D、5E、6A、6B、6C、6D、6E、7A、7B、7C、7D、7E、8A、8B、8C、8D、及び8Eに示す。各チャートは、ビヒクルで処置された各腫瘍の増殖曲線を、I-263a、またはチェックポイント阻害剤、またはI-263aとチェックポイント阻害剤との組み合わせで処置されたマウス由来の個々の腫瘍増殖曲線と共に示す。
【0290】
研究1:マウスCT26同系腫瘍モデル
CT26同系マウス結腸線維芽腫由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後6日)に無作為化し、全ての群について1日目に処置を開始した。
【0291】
化合物I-263aを7.5mg/kgで1週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(1及び4日目)でIV投与した。抗mPD-1を、BIWスケジュールで2週間(1、4、8、及び11日目)の10mg/kgのIP投与で試験した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、BIWスケジュールで2週間(1、4、8、及び11日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0292】
BIWで1週間(1及び4日目)の7.5mg/kgでの化合物I-263aによる、またはBIWで2週間(1、4、8、及び11日目)の10mg/kgでの抗mPD-1による単剤処置は、ビヒクル処置腫瘍と比較して、いかなる腫瘍増殖阻害も示さなかった(
図1A、B)。BIWで1週間(1及び4日目)にわたる7.5mg/kgでの化合物I-263aと、BIWで2週間(1、4、8、及び11日目)にわたる10mg/kgでの抗mPD-1との組み合わせ治療は、顕著な抗腫瘍活性をもたらし、任意の測定可能な腫瘍(
図1C)の非存在として定義される2つの完全腫瘍退縮(2CR)をもたらし、これは治療の7日目及び32日目に達成され、35日目のモニタリングの終了まで維持された。加えて、併用処置はまた、28日目まで1つの非常に長い腫瘍停滞をもたらした。これらの結果は、いずれかの単剤治療の活性と比較して、I-263aと抗mPD-1との組み合わせにおいて、顕著に改善された腫瘍増殖阻害を実証する。
【0293】
研究2:マウスCT26同系腫瘍モデル
CT26同系マウス結腸線維芽腫由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後4日)に無作為化し、全ての群について0日目に処置を開始した。
【0294】
化合物I-263aを7.5mg/kgで14日目までの3週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(0、3、7、10、及び14日目)でIV投与した。抗mPD-1を10mg/kgで、14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)でIP投与した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、BIWスケジュールで14日目まで3週間(0、3、7、10、及び14日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0295】
7.5mg/kg単独でのBIW×3(14日目まで)スケジュールでの化合物I-263aによる単剤処置(IV)は、ビヒクル処置腫瘍と比較して、本研究ではいかなる腫瘍増殖阻害も示さなかった(
図2A)。10mg/kgでの抗mPD-1単独での処置(IP、14日目までBIW×3)は、2つのCRをもたらし、一方は処置の14日目に達成され、他方は30日目に達成され、残りの7個の腫瘍において顕著な増殖阻害はなかった(
図2B)。7.5mg/kgでのI-263a(IV、14日目までBIW×3)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、14日目までBIW×3)による併用処置は、9日目までに1回のCRを達成し、残りの8個の腫瘍において顕著な増殖阻害はなく、この研究では、抗mPD-1で達成された単剤活性と比較して、化合物I-263aと抗mPD-1との組み合わせからの利益の非存在を示す(
図2C)。
【0296】
研究3:マウスA20同系腫瘍モデル
A20同系マウスB細胞リンパ腫由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後5日)に無作為化し、全ての群について1日目に処置を開始した。
【0297】
化合物I-263aを15mg/kgで1週間のQW(1週間に1回)スケジュール(1日目)でIV投与した。抗mPD-1を10mg/kgで、11日目まで2週間のBIWスケジュール(1、4、8、及び11日目)でIP投与した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、BIWスケジュールで11日目まで2週間(1、4、8、及び11日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0298】
QW×1スケジュールで15mg/kg単独(IV)で化合物I-263aによって単剤処置したところ、メスBalb/cマウスにおけるA20マウスB細胞リンパ腫由来の皮下腫瘍の増殖が適度に阻害され、処置の8日目まで7個の移植腫瘍のうち2個が停滞し、続いて急速な増殖をもたらした(
図3A)。10mg/kgでの抗mPD-1による処置(IP、11日目までBIWx2)は、8~11日目から1個の腫瘍、及び8日目に2個の腫瘍の腫瘍増殖遅延をもたらした(
図3B)。15mg/kgでのI-263a(IV、11日目までBIW×1から)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、11日目までBIW×2)による併用処置は、4日目からモニタリング終了まで持続した1CR、及び8、11、18、及び18日目に増殖を再開した4個の腫瘍退縮をもたらし、いずれかの単剤処置の活性と比較して、併用環境における腫瘍増殖阻害の改善を実証した(
図3C)。
【0299】
研究4:マウスWEHI-3同系腫瘍モデル
WEHI-3同系マウス骨髄単球性白血病由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後9日)に無作為化し、全ての群について0日目に処置を開始した。
【0300】
化合物I-263aを7.5mg/kgで3週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)でIV投与した。抗mPD-1を、BIWスケジュールで3週間(0、3、7、10、14、及び17日目)の10mg/kgのIP投与で試験した。抗mCTLA-4を、BIWスケジュールで3週間(0、3、7、10、14、及び17日目)の10mg/kgのIP投与で試験した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1または抗mCTLA-4の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、BIWスケジュールで3週間(0、3、7、10、14、及び17日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0301】
BIW×3スケジュールでの7.5mg/kg(IV)での化合物I-263aによる処置は、メスBalb/cマウスにおけるWEHI-3マウス骨髄単球性白血病由来皮下腫瘍の増殖にほとんど影響を及ぼさず、合計8個の移植腫瘍のうち2個のわずかな腫瘍増殖遅延を14日目まで生じた(
図4A)。同様に、10mg/kgでの抗mPD-1による処置(IP、BIW×17日目まで3回)は、17日目までわずかな腫瘍増殖遅延をもたらした(
図4B)。10mg/kgでの抗mCTLA-4による処置(IP、17日目までBIW×2)は、14~17日目まで2個のわずかな腫瘍増殖遅延をもたらした(
図4C)。7.5mg/kgでのI-263a(IV、17日目までのBIW×3)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、17日目までのBIW×2)との併用処置は、2つのCRをもたらし、1つは6日目に達成され、1つは10日目に達成され、1つは17日目までの腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mPD-1との併用後、いずれかの単剤処置の活性と比較して、顕著に改善された腫瘍増殖阻害を実証した(
図4D)。7.5mg/kgでのI-263a(IV、17日目までのBIW×3)+10mg/kgでの抗mCTLA-4(IP、17日目までのBIW×2)との併用処置は、14日目に達成された1つのCR、及び6日目までの1つの腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mCTLA4との併用後の、いずれかの単剤治療の活性と比較して改善された腫瘍増殖阻害を実証した(
図4E)。
【0302】
研究5:マウスWEHI-3同系腫瘍モデル
WEHI-3同系マウス骨髄単球性白血病由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後4日)に無作為化し、全ての群について0日目に処置を開始した。
【0303】
化合物I-263aを7.5mg/kgで14日目までの3週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(0、3、7、10、及び14日目)でIV投与した。抗mPD-1を10mg/kgで試験し、単剤治療群において、10日目までの2週間のBIWスケジュール(0、3、7、及び10日目)で、ならびに併用処置群において14日目までの3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)でIP投与した。抗mCTLA-4を10mg/kgで試験し、8日目まで2週間のQ4Dスケジュール(0、4、及び8日目)で投与した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1または抗mCTLA-4の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、QWスケジュールで2週間(0及び7日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0304】
14日目(0、3、7、10、及び14日目)までの3週間のBIWスケジュールでの7.5mg/kg(IV)での化合物I-263aによる治療は、メスBalb/cマウスにおけるWEHI-3マウス骨髄単球性白血病由来皮下腫瘍の増殖の適度な阻害を示し、8個の移植腫瘍のうち6個において、1個の腫瘍増殖が11~14日に遅延し、複数のわずかな腫瘍増殖が7~11日に遅延した(
図5A)。10mg/kgでの抗mPD-1による処置(IP、10日目までBIWx2)は、いかなる顕著な抗腫瘍活性ももたらさなかった(
図5B)。10mg/kgでの抗mCTLA-4による処置(IP、Q4D、8日目まで2週間)は、ビヒクルによる処置と比較して腫瘍増殖阻害の顕著な増加をもたらさなかった(
図5C)。7.5mg/kgでのI-263a(IV、14日目までのBIW×3)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、BIW×14日目までの3)との併用処置は、移植された8個全ての腫瘍について9~16日目の間に適度な腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mPD-1との併用について、I-263aと抗mPD-1との単剤活性と比較して、腫瘍増殖阻害の顕著な改善をまったく示さなかった(
図5D)。7.5mg/kgでのI-263a(IV、14日目までのBIW×3)+10mg/kgでの抗mCTLA-4(IP、8日目までの2週間のQ4D)との併用処置は、8個の移植された腫瘍のうちの2個について14日目からの腫瘍退縮、9日目からの1個についての非常に顕著な腫瘍増殖阻害、及び7日目からの1個の腫瘍についてのより顕著さの少ない腫瘍増殖阻害をもたらし、いずれかの単剤処置の活性と比較して、I-263aと抗mCTLA4との併用後の改善された腫瘍増殖阻害を実証した(
図5E)。
【0305】
研究6:マウスJC同系腫瘍モデル
JC同系マウス乳腺癌由来皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後12日)に無作為化し、全ての群について0日目に処置を開始した。
【0306】
化合物I-263aを7.5mg/kgで14日目までの3週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(0、3、7、10、及び14日目)でIV投与した。抗mPD-1を10mg/kgで、14日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、及び14日目)でIP投与した。抗mCTLA-4を10mg/kgで試験し、8日目まで3周期のQ4Dスケジュール(0、4、及び8日目)で投与した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1または抗mCTLA-4の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、QWスケジュールで3週間(0、7、及び14日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0307】
7.5mg/kgの化合物I-263a(IV、14日目までBIW×3)での処置は、8個の移植腫瘍のうち1個で腫瘍増殖阻害が非常に少なく、16~18日目からわずかな増殖遅延を示した(
図6A)。10mg/kgの抗mPD-1(IP、14日目までBIW×3)による処置は、16~18日目からわずかな増殖遅延を示す1つの腫瘍と同等のわずかな抗腫瘍活性をもたらした(
図6B)。10mg/kgでの抗mCTLA-4による処置(IP、Q4Dx3)は、14~21日目の2腫瘍の腫瘍増殖遅延をもたらした(
図6C)。7.5mg/kgでの化合物I-263a(IV、14日目までBIWx3)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、14日目までBIWx3)による併用処置は、14~18日目の1個の顕著な腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mPD-1との併用後の、いずれかの単剤治療の活性と比較してわずかに改善された腫瘍増殖阻害を実証した(
図6D)。7.5mg/kgでの化合物I-263a(IV、14日目までBIW×3)+10mg/kgでの抗mCTLA-4(IP、Q4D×3)による併用処置は、14~21日目の2個の腫瘍の腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mCTLA-4との併用について、抗mCTLA-4の単剤活性と比較して、腫瘍増殖阻害の著しい改善を示さなかった(
図6E)。
【0308】
研究7:マウスB16-F10同系腫瘍モデル
B16-F10同系マウス黒色腫由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後8日)に無作為化し、全ての群について0日目に処置を開始した。
【0309】
化合物I-263aを7.5mg/kgで17日目までの3週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)でIV投与した。抗mPD-1を10mg/kgで、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)でIP投与した。抗mCTLA-4を10mg/kgで試験し、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1または抗mCTLA-4の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、BIWスケジュールで10日目まで2週間(0、3、7、及び10日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0310】
7.5mg/kgの化合物I-263a(IV、17日目までBIW×3)による処置は、8個の移植腫瘍のうちの2個について、7日目から10~12日目まで腫瘍増殖遅延をもたらした(
図7A)。10mg/kgでの抗mPD-1による処置(IP、17日目までBIW×3)は、7~17日目の2個の腫瘍、7~12日目の2個の腫瘍、及び10日目の1個の腫瘍の腫瘍増殖遅延をもたらした(
図7B)。10mg/kgでの抗mCTLA-4による処置(IP、17日目までBIW×3)は、10~14日目から2個の腫瘍増殖遅延、及び10日目に1個の腫瘍増殖遅延をもたらした(
図7C)。7.5mg/kgでの化合物I-263a(IV、BIW×3、17日目まで)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、BIW×3、17日目まで)による併用処置は、7~14日目から1個の腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mPD-1との併用について、いずれかの薬剤の単剤活性と比較して腫瘍増殖阻害の改善がなかったことを示した(
図7D)。7.5mg/kgでの化合物I-263a(IV、BIW×3、17日目まで)+10mg/kgでの抗mCTLA-4(IP、BIW×3、17日目まで)による併用処置は、10日目に2個の腫瘍増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mCTLA-4との併用について、いずれかの薬剤の単剤活性と比較して、腫瘍増殖阻害の改善がないことを示した(
図7E)。
【0311】
研究8:マウスMC38同系腫瘍モデル
MC38同系マウス結腸腺癌由来の皮下腫瘍モデルでは、マウスに接種し、0日目(接種後5日)に無作為化し、全ての群について0日目に処置を開始した。
【0312】
化合物I-263aを7.5mg/kgで17日目までの3週間のBIW(1週間に2回)スケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)でIV投与した。抗mPD-1を10mg/kgで、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)でIP投与した。抗mCTLA-4を10mg/kgで試験し、17日目まで3週間のBIWスケジュール(0、3、7、10、14、及び17日目)で投与した。併用処置群では、化合物I-263aを最初に投与し、その後すぐに抗mPD-1または抗mCTLA-4の投与を行った。1つの群は、ビヒクル処理された群(群1)として機能し、BIWスケジュールで10日目まで3週間(0、3、7、10、14、及び17日目)、化合物I-263aのビヒクル(20%HPβCD)によるIV処置を受けた。
【0313】
7.5mg/kgの化合物I-263a(IV、17日目までBIW×3)による処置は、8個の移植腫瘍のうちの2個について、7~18日目から、及び11~14日目から1個の腫瘍について腫瘍増殖遅延をもたらした(
図8A)。10mg/kgでの抗mPD-1(IP、17日目までBIWx3)による処置は、9~18日目、11~18日目、及び14~18日目の3個の腫瘍の退縮を伴う顕著な腫瘍増殖遅延、ならびに4~9日目の1個の腫瘍、及び11~14日目の間の3個の腫瘍の腫瘍増殖遅延をもたらした(
図8B)。10mg/kgでの抗mCTLA-4単独による処置(IP、17日目までBIW×3)は、14~23日目及び16~21日目からの2個の腫瘍退縮、ならびに4~20日目から1個の腫瘍増殖遅延、及び11~14/16日目から2個の腫瘍増殖遅延をもたらした(
図8C)。7.5mg/kgでの化合物I-263a(IV、BIW×17日目まで3回)+10mg/kgでの抗mPD-1(IP、BIW×17日目まで3回)による併用処置は、7~11日目、7~14日目、及び7~21日目から3個の腫瘍退縮、ならびに7~18日目から1個の腫瘍増殖遅延をもたらし、抗mPD-1の単剤活性と比較して、併用効果はあったとしても、少ししか示されない(
図8D)。7.5mg/kgでの化合物I-263a(IV、BIWx3)+10mg/kgでの抗mCTLA-4(IP、BIWx3)による併用処置は、14、25、及び35日目から49日目のモニタリングの終了まで持続可能である3個のCRをもたらし、4~28日目から1個の顕著かつ長期の増殖遅延をもたらし、I-263aと抗mCTLA-4との組み合わせについて腫瘍増殖阻害の顕著な改善を示した(
図8E)。
【0314】
実施例2:非小細胞肺癌、子宮頸癌、または結腸直腸癌を有する患者の治療におけるチェックポイント阻害剤との組み合わせにおける化合物I-263aを評価する臨床研究
第1b/2相臨床試験は、非小細胞肺癌(NSCLC)、子宮頸癌、またはマイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS-CRC)を有する成人患者におけるペンブロリズマブ静脈注入及び化合物I-263a静脈注入の投与からなる併用療法の効果を評価するために実施される。
【0315】
本試験は、スクリーニング期間(-28日目~-1日目)、治療期間、何らかの理由で治療が中止されたときに生じた最後の用量の30日後の治療終了来院及びフォローアップ来院、ならびに生存状態をモニタリングするための治験薬の最後の用量後の各患者について最大12ヶ月間持続する無増悪生存フォローアップ期間からなるであろう。治験の1日目(基準)は、患者が化合物I-263aを初めて受ける日として定義されるであろう。1周期の治療は、21日として定義されるであろう。患者は、安全性及び有効性評価のために、治験中に定期的に診療所来院に出席するように求められるであろう。
【0316】
患者は、化合物I-263a及びペムブロリズマブで最大24ヶ月、または疾患進行、許容できない毒性、または治験または治験薬からの中止の任意の基準が生じるまで治療を受けるであろう。患者が臨床的利益を経験し続ける場合、治療は疾患進行を超えて継続され得るであろう。
【0317】
この治験は、第1b相部分及び第2相部分の2つの部分で実施されるであろう。本研究の第1b相部分は、非小細胞肺癌(NSCLC)、子宮頸癌、またはマイクロサテライト安定性結腸直腸癌(MSS-CRC)を有する患者における、化合物I-263aと固定用量のペムブロリズマブとの組み合わせの用量漸増研究であり、組み合わせの安全性及び忍容性を判定するであろう。化合物I-263aの用量漸増は、併用療法の推奨第2相用量(RP2D)を決定するために、ベイジアン最適間隔(BOIN)設計によって誘導されるであろう。RP2Dは、BOINからの統計的推論と共に観察された安全性データ、予備PKデータ、予備薬物動態データ、及び任意の早期抗腫瘍活性を考慮して、臨床における集合的経験から決定されるであろう。
【0318】
本研究の第2相部分は、選択されたがんを有する患者における化合物I-263aとペムブロリズマブとの組み合わせの有効性及び安全性を判定するであろう。以下のコホートが登録されるであろう:コホートA:NSCLC腺癌;コホートB:子宮頸癌;コホートC:MSS-CRC。各コホートは、単一の割合について適応2段階設計を使用して別々に評価されるであろう。
【0319】
ステージIについて、各コホートは、所定の数の患者が登録され、少なくとも1回の治療後スキャンを有する可能性があるときに分析されるであろう(すなわち、第1の疾患評価の後、周期1の1日目から2ヶ月後(C1D1))。所与のコホートの最初の段階で事前に指定された最小応答率が達成されない場合、そのコホートは登録まで閉じられる。しかしながら、コホート内の患者について明確な臨床的利益が観察された場合(例えば、患者の大部分が8週目に安定した疾患を記録しており、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)が記録されていない)、このコホートのステージIIへの登録が許可され得る。
【0320】
前述のように、ステージI中に必要な応答率または良好な臨床的利益が特定のコホートに対して観察される場合、追加の患者は、そのコホートの所定の数の追加の患者に達するまで対応するコホートの第2のステージに登録される。各コホートの主要評価項目の最終分析は、進行中の全ての患者が6ヶ月の疾患評価を完了する機会を得たときに行われる。
【0321】
化合物I-263aの開始用量は、静脈内に投与される3mgであろう。化合物I-263aは、21日の周期の1、4、8、及び11日目に1時間の静脈内(IV)注入として投与されるであろう。ペムブロリズマブは、21日の周期の1日目に200mgの用量で投与されるであろう。化合物I-263aは、化合物I-263aとペムブロリズマブの両方が同じ来院日に投与される日に、ペムブロリズマブの前に投与されるであろう。第1の治験薬の注入の完了から第2の治験薬の注入の開始までの間に少なくとも30分経過するべきである。
【0322】
化合物I-263aは、60±10分のIV注入として投与されるであろう。注入反応が観察された場合、注入の長さは、プロトコールの修正を必要とせずに、全ての患者に対して最大4時間まで延長することができる。ペムブロリズマブは、30±10分のIV注入として投与されるであろう。ペムブロリズマブの用量漸増または用量減少は許容されないであろう。
【0323】
研究の第1b相部分において、化合物I-263aの投与のみが漸増されるであろう。開始用量レベルは、進行中のFIH単剤治験(治験TAK-981-1002)からの新たな安全性データをレビューした後、治験依頼者及び参加治験責任医師によって決定されるであろう。以下の用量レベルの化合物I-263aが考慮されるであろう:25mg、40mg、60mg、90mg、120mg、及び160mg。患者の安全のため、または化合物I-263aの毒性、曝露、または薬物動態のより良好な理解のために、そのような尺度が必要な場合、より低い用量レベルまたは中間用量レベルの評価を使用してもよい。
【0324】
用量漸増は、ベイジアン最適間隔(BOIN)設計に従う。Yuan Y,et al.,Clin.Cancer Res.22(17):4291-301(2016)。BOIN設計によれば、化合物I-263aの用量を漸増または漸減させる決定は、現在の用量レベルでの累積用量制限毒性(DLT)率及び用量漸増/漸減境界のための所定のDLT率閾値に基づいている。この治験についての標的DLT率は0.3である。化合物I-263aの用量漸増及び漸減の規則は次のとおりである:1)現在の用量レベルで観察されたDLT率が≦0.236である場合、用量レベルは漸増される;2)現在の用量レベルで観察されたDLT率が≧0.359である場合、用量レベルは漸増されない;3)現在の用量レベルで観察されたDLT率が0.236~0.359である場合、用量レベルは同じままである。
【0325】
化合物I-263a及びペムブロリズマブは、疾患の進行または許容できない毒性が確認されるまで静脈内に投与されるであろう。毒性は、米国国立がん研究所(NCI)の有害事象共通用語規準(CTCAE)第5.0版に従って評価されるであろう。
【0326】
この研究は、最大約93名の対象を登録し、第1b相用量漸増部分に約24名の対象、及び治験の第2相部分に約27~69名の対象(3つのコホートのそれぞれについて約9~23名)を含む。
【0327】
第1b相主要評価項目
第1b相試験の主要評価項目は、NCI CTCAEバージョン5.0に従った、全ての用量群の治療中に発生した有害事象(TEAE)及び検査室異常の頻度、重症度、及び持続時間、ならびに周期1の治療の最初の21日以内のDLTの発生が含まれるであろう。
【0328】
第2相主要評価項目
第2相治験の主要評価項目には、固形腫瘍における奏効評価基準(RECIST)バージョン1.1に従って治験責任医師によって定義される全奏効率(ORR)(完全奏効+部分奏効)が含まれるであろう。
【0329】
第1b相副次評価項目
第1b相試験の副次評価項目には以下が含まれるであろう:RECISTバージョン1.1及び改変RECIST1.1、ならびにRECISTコンセンサスガイドライン(iRECIST)に従って治験責任医師によって定義される、ORR、疾患対照率(DCR)、奏効期間(DOR)、進行までの時間(TTP)、無増悪生存期間(PFS)、及び全生存期間(OS)。
【0330】
第2相副次評価項目
第2相試験の副次評価項目には、NCI CTCAEバージョン5.0に従った、全ての用量群のTEAE及び検査室異常の頻度、重症度、及び持続時間、RECISTバージョン1.1及びiRECISTに従って治験責任医師によって定義されたDCR、DOR、TTP、PFS、及びOS、iRECISTに従って治験責任医師によって評価されたORR、ならびに化合物I-263aの血漿中濃度-時間データが含まれるであろう。
【0331】
治験は、優良臨床試験基準に準拠して実施されるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
がん患者の治療方法であって、前記治療を必要とする患者に、
[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、
チェックポイント阻害剤と、を投与することを含む、前記方法。
(項目2)
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、及びAMP-224からなる群から選択される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、YW243.55.S70、MEDI-4736、MSB-0010718C、LY3300054、BMS-936559、MPDL3280A、及びMDX-1105からなる群から選択される、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ及びトレメリムマブからなる群から選択される、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、静脈内投与される、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、静脈内注入によって投与される、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートと、前記チェックポイント阻害剤とが、同時に投与される、項目1~10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメートと、前記チェックポイント阻害剤とが、別個の医薬組成物で逐次的に投与される、項目1~10のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記がんが、PD-1陽性がん、PD-L1陽性がん、またはCTLA-4陽性がんである、項目1~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記がんが、黒色腫、肺癌、腎臓癌、リンパ腫、頭頸部癌、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、白血病、子宮頸癌、高頻度マイクロサテライト不安定性がん、肝細胞癌、またはメルケル細胞癌である、項目1~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記黒色腫が、転移性黒色腫、切除不能な黒色腫、または皮膚黒色腫である、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記肺癌が、非小細胞肺癌または小細胞肺癌である、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記非小細胞肺癌が、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記腎癌が、腎細胞癌である、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記リンパ腫が、古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である、項目14に記載の方法。
(項目20)
前記頭頸部癌が、頭頸部扁平上皮細胞癌である、項目14に記載の方法。
(項目21)
前記尿路上皮癌が、尿路上皮癌腫である、項目14に記載の方法。
(項目22)
前記前立腺癌が、ホルモン抵抗性前立腺癌である、項目14に記載の方法。
(項目23)
前記胃癌が、食道胃接合部腺癌である、項目14に記載の方法。
(項目24)
前記結腸直腸癌が、マイクロサテライト安定性結腸直腸癌である、項目14に記載の方法。
(項目25)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、1週間に2回投与される、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、1週間に1回投与される、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記チェックポイント阻害剤が、2週間に1回投与される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記チェックポイント阻害剤が、3週間に1回投与される、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記チェックポイント阻害剤が、4週間に1回投与される、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回投与される、項目29に記載の方法。
(項目34)
前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目に投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
前記治療周期が14日、21日、28日、または84日である、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩と、前記チェックポイント阻害剤とが、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、または、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、または21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与され、
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、別個に投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記[(1R,2S,4R)-4-{[5-({4-[(1R)-7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-メチル-2-チエニル}カルボニル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-2-ヒドロキシシクロペンチル]メチルスルファメート、またはその薬学的に許容される塩が、21日の周期の1、4、8、及び11日目に投与され、
前記チェックポイント阻害剤が、21日の周期の1日目に別個に投与される、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。