(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/01 20060101AFI20240819BHJP
G01N 21/15 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G01N21/01 B
G01N21/15
(21)【出願番号】P 2022522536
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2021011185
(87)【国際公開番号】W WO2021229915
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2020085897
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮戸 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】清水 仁
(72)【発明者】
【氏名】入澤 覚
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】実公平01-038521(JP,Y2)
【文献】特表2005-536713(JP,A)
【文献】国際公開第2007/105312(WO,A1)
【文献】実公平05-015082(JP,Y2)
【文献】特開2004-093536(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103674858(CN,A)
【文献】特開2018-128604(JP,A)
【文献】米国特許第03977794(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/83
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象を収容した断面円形の試験体と、
断面円形の開口部を有し、前記試験体を保持する試験体保持部と、
前記試験体に対して、複数方向から光を照射する複数の発光素子と、
前記試験体を介して前記発光素子と対向する受光素子と、
前記開口部の内壁から前記開口部内へ突出して前記試験体を押圧し、前記試験体を反対側の内壁へと押し付ける押圧部材と、
を備え
、
前記試験体保持部は、前記開口部を複数備え、複数の前記試験体を保持し、
複数の前記発光素子のうち、少なくとも1つは、複数の前記試験体へ向けて前記光を照射する、
検査装置。
【請求項2】
前記発光素子として、第1発光素子と、第2発光素子と、を備え、
前記押圧部材は、前記第1発光素子と前記第2発光素子との中間地点へ向けて前記試験体を押圧する請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記発光素子として、前記第1発光素子と前記第2発光素子との中間地点に配置された第3発光素子、を備え、
前記押圧部材は、前記第3発光素子へ向けて前記試験体を押圧する請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記発光素子の各々は、互いに発光色が異なる請求項1~3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記試験体は、前記断面とは垂直な方向に長く形成され、
前記試験体保持部は、複数の前記試験体を、長手方向を垂直にした姿勢で、水平方向に並べて保持する請求項
1~4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記試験体は、一端が閉端した円筒形状に形成されている請求項
5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記発光素子は、水平方向に並べて配置される、請求項
5または
6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記発光素子は、前記
試験体に水平に光を入射させる、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記押圧部材は、前記
試験体を水平方向に押圧する、請求項8に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象を照明する発光素子と、検査対象からの光を受光する受光素子とを備え、光を用いて検査対象の検査を行う検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光を用いて検査対象の検査を行う検査装置として、下記特許文献1が知られている。下記特許文献1では、受光素子が実装されたセンサユニットを、検査対象がセットされた測定ステージへと押し付けることにより、測定誤差を減少させる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のように、センサユニットを測定ステージへと押し付けると、センサユニットの位置や向きが変化してしまい、検査精度が低下してしまうといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、検査精度を向上できる検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の検査装置は、検査対象を収容した断面円形の試験体と、断面円形の開口部を有し、試験体を保持する試験体保持部と、試験体に対して、複数方向から光を照射する複数の発光素子と、試験体を介して発光素子と対向する受光素子と、開口部の内壁から開口部内へ突出して試験体を押圧し、試験体を反対側の内壁へと押し付ける押圧部材と、を備える。
【0007】
発光素子として、第1発光素子と、第2発光素子と、を備え、押圧部材は、第1発光素子と第2発光素子との中間地点へ向けて試験体を押圧するものでもよい。
【0008】
発光素子として、第1発光素子と第2発光素子との中間地点に配置された第3発光素子、を備え、押圧部材は、第3発光素子へ向けて試験体を押圧するものでもよい。
【0009】
発光素子の各々は、互いに発光色が異なるものでもよい。
【0010】
試験体保持部は、開口部を複数備え、複数の試験体を保持するものでもよい。
【0011】
試験体は、断面とは垂直な方向に長く形成され、試験体保持部は、複数の試験体を、長手方向を垂直にした姿勢で、水平方向に並べて保持するものでもよい。
【0012】
試験体は、一端が閉端した円筒形状に形成されているものでもよい。
【0013】
発光素子は、水平方向に並べて配置されるものでもよい。
【0014】
発光素子は、試験体に水平に光を入射させるものでもよい。
【0015】
押圧部材は、試験体を水平方向に押圧するものでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の検査装置によれば、検査対象を収容した試験体を試験体保持部に押し付ける構成としたので、検査精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、検査装置10は、装置本体11と、コンピュータ12と、を備え、検査対象13(
図2参照)について光測定を行う。なお、本実施形態では、光測定を行うことによってエンドトキシンによる汚染の有無を検査し、必要な場合にはエンドトキシンの含有量または濃度等を計測する例で説明を行う。
【0019】
本実施形態において、検査対象13は、ライセート試薬と被検査物等とを混合した溶液である。被検査物等とは、例えば、ワクチンもしくは血液製剤等の注射剤、または、注射筒もしくは注射針等の被検査物からエンドトキシンを回収した水、ポリエチレングリコール、エチレンジアミン四酢酸等(いわゆる回収液)、もしくは、グラム陰性菌や真菌に感染した可能性のある患者から採取した血液または体液、等である。ライセート試薬は、LAL(Limulus Amebocyte Lysate)またはTAL(Tachypleus Amebocyte Lysate)である。
【0020】
なお、カブトガニ血球抽出物から作製したライセート試薬は、試薬成分の調整によっては、真菌の細胞壁に存在する(1→3)-β-D-グルカン測定にも用いることができる。ライセート試薬は、患者血液あるいは体液中の(1→3)-β-D-グルカン濃度を測定することで、真菌感染の有無を判定する検査に用いられている。本明細書において、エンドトキシンと記載している場合は、(1→3)-β-D-グルカンと読み替えても良く、エンドトキシン検査をする検査装置10は(1→3)-β-D-グルカン検査装置としても機能する。また、一つの検査装置10で、エンドトキシンと(1→3)-β-D-グルカンの両方の検査を実施できる。
【0021】
装置本体11は、検査装置10のうち、検査対象13の光測定を行うための測定ユニット15を含む部分である。具体的には、装置本体11は、試験体21、試験体保持部22、発光部23、導光部24、光検出部26、表示部27、及び、操作部28等を備える。これらのうち、試験体保持部22、発光部23、導光部24、及び、光検出部26が、測定ユニット15を構成する。
【0022】
図2に示すように、試験体21は、検査対象13を収容する容器であり、試験体保持部22に装着される。本実施形態において、試験体21は、一端が閉端した円筒形状に形成され、長手方向(円筒の軸の方向)を上下方向と平行にし、かつ、閉端側を下方へ向けた姿勢で試験体保持部22に装着される。このように、試験体21は、断面円形である。具体的には、測定ユニット15に装着された状態において、水平方向の断面が円形である。なお、断面円形とは、その断面の外形が円、楕円、もしくはこれに類する概ね滑らかな閉曲線であることをいう。
【0023】
なお、本実施形態において、試験体21は耐熱ガラス製である。試験体21を耐熱ガラス製とした理由は、例えば250度以上かつ30分以上の乾熱滅菌処理によって、検査対象を収容する前の試験体21がエンドトキシン及び(1→3)-β-D-グルカンを含まないようにするためである。
【0024】
試験体保持部22は、複数の試験体21を並べて保持する。試験体保持部22は、Y方向に1列に並んだ複数の開口31(開口部)を有している。開口31は上下方向(Z方向)に長く形成されており、各々の開口31に試験体21を挿入することにより、試験体21が1列に並んだ状態で保持される。本実施形態においては、試験体保持部22は、6個の開口31を有しており、これらの全てに試験体21を挿入することにより、6個の試験体21を同時に保持することができる。なお、試験体保持部22は、7個以上または5個以下の試験体21を保持するものでもよい。また、試験体保持部22は、下面(Z方向負側の面)にヒータ32を有している。ヒータ32のオンオフを制御することにより、試験体保持部22及び試験体保持部22が保持する試験体21の温度を所定温度または所定の温度範囲内に保つことができる。したがって、試験体保持部22はいわゆる恒温槽としても機能する。
【0025】
図3に示すように、発光部23は、試験体保持部22が保持する試験体21に対して、検査に用いる光を照射する。導光部24は、発光部23から試験体21へ向かう光の光路を囲む角筒状に形成されている。導光部24の一方の開口端は試験体保持部22に接続され、他方の開口端は発光部23に接続されている。発光部23は、導光部24を介して
試験体保持部22に取り付けられている。
【0026】
発光部23は、発光素子41V(第1発光素子)、発光素子41B(第2発光素子)、発光素子41R(第3発光素子)を備える。これら、発光素子41V、41B、41Rは、例えばLED(light emitting diode)であり、発光することにより、試験体21に光を照射する。本実施形態において、発光素子41V、41B、41Rは、試験体21へ向けて水平方向に光を照射する。試験体保持部22は、試験体21と発光素子41V、41B、41Rとの間に、少なくとも試験体21を発光素子41V、41B、41R側に露呈する範囲を有する開口42を備える。このため、発光素子41V、41B、41Rからの光は、開口42を介して試験体21に水平に入射する。
【0027】
発光素子41Rは、例えば、比濁法による検査をする場合に使用し、発光素子41Rが発する光は例えば赤色である。本実施径形態において、発光素子41Rは、1つの試験体21について1つずつ設けられている。また、本実施形態において、発光素子41Rは、各試験体21のほぼ正面に設けられている。試験体21の正面とは、光軸がX方向(Y方向(試験体21が並べられた方向)とは垂直な方向)と平行であり、かつ、光軸が試験体21の中心を通る位置である。
【0028】
発光素子41V、41Bは、例えば比色法による検査をする場合に選択して使用し、発光素子41Vが発する光は例えば紫色であり、発光素子41Bが発する光は例えば青色である。本実施形態において、発光素子41V、41Bは、Y方向(試験体21が並べられた方向)において、発光素子41Rを挟んで一定ピッチで交互に配置されている。具体的には、発光素子41V、発光素子41R、発光素子41B、発光素子41R、発光素子41V、発光素子41R、発光素子41B・・・の順番でY方向に一定ピッチで発光素子41V、41B、41R配列されている。すなわち、発光素子41Rは、発光素子41Vと発光素子41Bとの中間地点に配置されている。
【0029】
また、本実施形態では、発光素子41Vは、2つの試験体21について1つずつ設けられており、1つの発光素子41Vからの光が2つの試験体21に照射される。同様に、発光素子41Bも、2つの試験体21について1つずつ設けられており、1つの発光素子41Bからの光が2つの試験体21に照射される。このように、発光素子41V、41Bは、発光素子41Rとは異なり、試験体21の非正面の位置に配置され、発光素子41Rの光軸に対して傾いた斜め方向から試験体21へ向けて光を照射する。
【0030】
なお、1つの発光素子41Vからの光を2つの試験体21に照射する例で説明をしたが、1つの試験体21について1つずつ発光素子41Vを設けてもよい。また、1つの発光素子41Bからの光を2つの試験体21に照射する例で説明をしたが、1つの試験体21について1つずつ発光素子41Bを設けてもよい。さらに、1つの試験体21について1つずつ発光素子41Rを設ける例で説明をしたが、1つの発光素子41Rからの光を複数の試験体21に照射する構成としてもよい。
【0031】
光検出部26は、発光素子41V、41B、41Rから照射され、試験体21(検査対象)を透過または試験体21(検査対象13)を透過する際に散乱した光を受光する受光素子53を備える。受光素子53は、例えばPD(Photo Diode)等の光センサであり、試験体21ごとに設けられている。本実施形態においては、試験体保持部22は6個の試験体21を保持するので、光検出部26は、これら各々の試験体21を透過等した光を受光し得る位置にそれぞれ受光素子53を備えている。また、試験体保持部22は、試験体21と受光素子53との間に、少なくとも受光素子53を試験体21側に露呈する範囲を有する開口43を備える。このため、試験体21を透過等した光は、開口43を介して受光素子53に到達する。
【0032】
図2に戻り、試験体保持部22には、試験体押圧部60が設けられている。
図4に示すように、試験体押圧部60は、付勢部材61、押圧部材62を備えており、これらがケース63に収められている。そして、ケース63が試験体保持部22に取り付けられることにより、試験体押圧部60が試験体保持部22に取り付けられる。本実施形態では、1つの開口31(試験体21が装着される開口31)について付勢部材61と押圧部材62とが1組設けられている。すなわち、本実施形態では、付勢部材61と押圧部材62とが6組設けられている。また、本実施形態では、1つのケース63に付勢部材61と押圧部材62とが3組収容されている。すなわち、本実施形態では、2つのケース63が設けられている。
【0033】
押圧部材62は、軸62Aの一端に押圧端62Bが設けられている。押圧端62Bは、例えばPOM(polyoxymethylene)などの摺動性を有する素材から形成されている。なお、
図5に示すように、本実施形態においては、押圧端62Bの先端部を球面状としているが、
図6に示すように、押圧端62Bの先端部を平面状としてもよい。また、
図7、
図8に示すように、押圧端62Bの先端を曲面状としてもよい。
図7では、押圧端62Bの先端を中央凸形状の曲面としており、
図8では、押圧端62Bの先端を中央凹形状の曲面としている。
【0034】
図4に戻り、ケース63には開口64、65が形成されており、押圧部材62は、軸62Aを開口64から突出させるとともに、押圧端62Bを開口65から突出させた状態でケース63に収納され、Y方向(水平方向であり、開口65から押圧端62Bを突出させる方向と、ケース63内に押圧端62Bを収納する方向)にスライド自在に支持されている。付勢部材61は、本実施形態ではコイルスプリングであり、開口65から押圧端62Bを突出させる方向へ向けて押圧部材62を付勢している。本実施形態において、試験体押圧部60は、試験体21が装着される開口31を挟んで発光部23とは反対側に設けられている。そして、本実施形態では、付勢部材61により押圧端62Bを発光素子41Rへ向けて付勢している。
【0035】
試験体保持部22には開口66が形成されている。押圧部材62は、付勢部材61の付勢により、開口65、66を介して試験体21が装着される開口31内に押圧端62Bを突出させる。そして、試験体21を開口31の内壁のうち押圧部材62とは反対側の内壁(本実施形態では、発光素子41R(発光素子41R側の内壁))へ向けて押圧する。これにより、試験体21が開口31の内壁の所定の位置(本実施形態では、発光素子41R側の内壁)に密着した状態で支持される。なお、開口31に試験体21を装着する場合には、試験体21により押圧端62Bがケース63内へ向けて押圧され、押圧端62Bが付勢部材61の付勢力に抗してケース63内へ向けて移動する。これにより、試験体21を開口31に装着できる。また、ケース63の開口64から突出した軸62Aを牽引することにより、付勢部材61の付勢力に抗してケース63内へ向けて押圧端62Bを移動させて試験体21を開口31に装着することもできる。
【0036】
試験体21を装着する開口31は、試験体21をスムーズに装着するために試験体21よりも外径が一回り大きく形成されているが、上述のように、試験体押圧部60により試験体21を押圧することにより、試験体21が開口31の中でがたつくことがない。また、試験体21を開口31の所定の位置(本実施形態では、開口31の内壁のうち発光素子41R側の内壁に密着する位置)に支持できる。これにより、精度良く測定(検査)を行うことができる。
【0037】
すなわち、試験体21が開口31の中でがたついたり、試験体21の位置にばらつきがあると、試験体21の側壁を透過する際の光の屈折の状態などが変化する(発光素子41V、41B、41Rから受光素子53へ向かう光の光路が変化する)ことに起因して、同じ試験体21であっても測定結果が異なってしまう、及び/または、測定誤差が大きくなってしまうといった問題が生じてしまう。これに対して、本発明の検査装置10では、試験体押圧部60により試験体21を押圧して、開口31の所定の位置に支持するようにしているので、前述のような問題を防止できる。
【0038】
また、本発明の検査装置10では、試験体21及び試験体21が装着される開口31が共に断面円形である。このため、試験体21を押圧した際の移動先(試験体21の支持位置)のばらつきを防止できる。つまり、試験体21は押圧されて押圧部材62から遠ざかる方向へと移動して移動先で支持されるが、試験体21及び開口31が共に断面円形であることにより、試験体21が押圧された場合の移動先が、開口31の内壁のうち押圧部材62から最も遠い1つの地点に限定される。そして、この限定された1つの地点で試験体21を支持できる(試験体21の支持位置のばらつきを防止する)ことにより、より精度良く測定(検査)を行うことができる。
【0039】
図1に戻り、表示部27は、例えば、検査を実行できるか否か、及び/または、検査の進捗度等を示すインジケータである。また、表示部27は、液晶パネル等の表示画面、または、タッチパネル等にすることができる。
【0040】
操作部28は、装置本体11に直接に動作指示を与えるためのスイッチ等である。表示部27がタッチパネルである場合には、操作部28の少なくとも一部は、タッチパネルに表示するグラフィカルユーザーインターフェースを用いて形成することができる。
【0041】
コンピュータ12は、検査装置10のうち、装置本体11の各部の制御及び装置本体11から取得する測定データ(受光素子53から取得する信号等)を用いた解析または判定等を行う部分である。具体的には、コンピュータ12は、測定ユニット15から測定データを取得し、これを用いて解析等することにより、エンドトキシンの有無を判定し、または、エンドトキシンの有無を判定し得るデータを生成する。なお、本実施形態においては、コンピュータ12は、装置本体11と別体に設けられているが、装置本体11にコンピュータ12の機能の一部または全部を組み込むことができる。
【0042】
検査装置10においては、比色法及び比濁法によるエンドトキシン検査を行うことができる。比色法は、エンドトキシンによるライセート試薬の活性化を特定波長の吸光度によって計測することによって、エンドトキシンの有無等を特定する検査方法である。測定ユニット15は、比色法による検査のために、発光素子41Vと発光素子41Bの2種類の発光素子を備えているため、これらの両方を用いることで比色反応以外の外乱を差し引いて検査精度を向上できる。比濁法は、エンドトキシンによるライセート試薬の活性化によってゲル化する試料の濁度の変化を計測することにより、エンドトキシンの有無等を特定する検査方法である。比濁法による検査においては、試験体21ごとにある発光素子41を用いる。
【0043】
そして、上記のように、検査装置10では、押圧部材62により試験体21を押圧して、開口31の所定の位置に支持するようにしているので、精度良く測定(検査)を行うことができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、検査装置10はエンドトキシン検査をするが、本発明は、透過光または散乱光等を検出するエンドトキシン検査以外の検査をする装置に利用できる。また、上記実施形態では、検査装置10は測定ユニット15を1つ備えるが、検査装置10は、測定ユニット15を装置本体11内に複数備えていても良い。
【符号の説明】
【0045】
10 検査装置
11 装置本体
12 コンピュータ
13 検査対象
15 測定ユニット
21 試験体
22 試験体保持部
23 発光部
24 導光部
26 光検出部
27 表示部
28 操作部
31 開口(開口部)
32 ヒータ
41V 発光素子(第1発光素子)
41B 発光素子(第2発光素子)
41R 発光素子(第3発光素子)
42 開口
43 開口
53 受光素子
60 試験体押圧部
61 付勢部材
62 押圧部材
62A 軸
62B 押圧端
63 ケース
64 開口
65 開口
66 開口