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特許7540043マルチステーション型堆積システムにおける膜厚整合のための、サイクル及び時間が可変のRF活性化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】マルチステーション型堆積システムにおける膜厚整合のための、サイクル及び時間が可変のRF活性化方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240819BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20240819BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/52
C23C16/455
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080505
(22)【出願日】2023-05-16
(62)【分割の表示】P 2021109808の分割
【原出願日】2017-04-20
(65)【公開番号】P2023103367
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】15/143,338
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イシュタク・カリム
(72)【発明者】
【氏名】キョン・チョウ
(72)【発明者】
【氏名】アドリエン・ラボワ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスウィンダー・グリアーニ
(72)【発明者】
【氏名】プルショッタム・クマル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・チエン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526017(JP,A)
【文献】特開2015-220458(JP,A)
【文献】特開2016-046524(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0017812(US,A1)
【文献】特開2015-209355(JP,A)
【文献】特開2017-045927(JP,A)
【文献】特開2003-049278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/52
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステーション型堆積装置の別々のステーションにおいて同時に処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための半導体堆積方法であって、
(a)前記堆積装置において、第1のステーションに第1の基板を提供し、第2のステーションに第2の基板を提供することと、
(b)N1堆積サイクルを実施することであって、各N1堆積サイクルは、
(i)前記第1のステーション内の前記第1の基板および前記第2のステーション内の前記第2の基板を同時に前駆体に暴露することと、
(ii)前記第1の基板をプラズマに暴露することによる前記第1のステーション内の前記第1の基板上における前記前駆体の反応と、前記第2の基板をプラズマに暴露することによる前記第2のステーション内の前記第2の基板上における前記前駆体の反応とを同時に活性化させることと、を含み、
前記N1堆積サイクルを実施することは、前記第1の基板上に全堆積厚さT1の前記材料を形成し、
前記N1堆積サイクルを実施することは、前記第2の基板上に全堆積厚さT2Aの前記材料を形成し、
T1はT2Aよりも大きい、ことと、
(c)N2堆積サイクルを実施することであって、各N2堆積サイクルは、
(i)前記第2のステーション内の前記第2の基板を前駆体に暴露することと、
(ii)前記第1の基板が、前記第1のステーション内の前記第1の基板上への前記材料の堆積がプラズマに暴露されない調節された条件下で同時に前記第1のステーション内に存在する間に、前記第2の基板をプラズマに暴露することによって前記第2のステーション内の前記第2の基板上における前記前駆体の反応を活性化させることと、を含み、
前記N2堆積サイクルを実施することは、前記第2の基板上に全堆積厚さT2Bの前記材料を形成し、
前記N1堆積サイクルおよび前記N2堆積サイクルを実施することは、前記第2の基板上に実質的にT1に等しい全堆積厚さT2の前記材料を形成する、ことと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
各N2堆積サイクルの最中に、前記第1の基板および前記第2の基板は、前記前駆体に同時に暴露される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
各N2堆積サイクルの最中に、前記第1の基板は、前記前駆体に暴露されない、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
各N1堆積サイクルにおいて前記活性化することは、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションにプラズマを独立して提供することを含み、
各N2堆積サイクルにおいて前記活性化することは、前記第1のステーションにプラズマを提供しない一方で、前記第2のステーションにプラズマを独立して提供することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のステーションに提供された前記第1の基板に暴露された前記プラズマと、前記第2のステーションに提供された前記プラズマとは、同じプラズマ電力および/または同じプラズマ周波数を有するように生成される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のステーション内で前記第1の基板に暴露された前記プラズマと、前記第2のステーション内で前記第2の基板に暴露された前記プラズマとは、高周波数プラズマと低周波数プラズマとを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記N1堆積サイクルの各サイクルは、前記第1の基板上に実質的に等しい厚さt1の前記材料の薄膜を堆積させることと、前記第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の前記材料の薄膜を堆積させることと、を含み、
前記N2堆積サイクルの各サイクルは、前記第1の基板上に薄膜を堆積させない一方で、前記第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の前記材料の薄膜を堆積させることを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の基板は、(b)および(c)の最中に前記第1のステーションから移動しない、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
第1のRF電力は、前記N1堆積サイクルの最中に前記第1のステーションに供給され、第2のRF電力は、前記N1堆積サイクルの最中に前記第2のステーションに供給され、前記第1のRF電力および前記第2のRF電力は、互いの±5%以内である、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記N1堆積サイクルの最中に、前記第1のステーション内の第1の台座は第1の温度であり、前記第2のステーション内の第2の台座は第2の温度であり、前記第1の温度および前記第2の温度は、互いの±5%以内である、方法。
【請求項11】
マルチステーション型堆積装置であって、
真空システムと、
ガス配送システムと、
少なくとも2つのステーションを含む処理チャンバであって、各ステーションは、前記真空システムおよび前記ガス配送システムの少なくともいくつかの特徴を共有する、処理チャンバと、
各ステーション内で独立してプラズマを誘発および維持するように構成されたプラズマシステムと、
別々のステーション内で同時に処理される少なくとも2つの基板上に原子層堆積プロセスによっておおよそ等しい厚さの材料を堆積させるために、前記マルチステーション型堆積装置を制御するためのコントローラであって、
(a)前記堆積装置において、第1のステーションに第1の基板を提供し、第2のステーションに第2の基板を提供し、
(b)前記第1のステーションおよび前記第2のステーションが同じプロセスレシピに基づく同等の堆積条件下にあるにもかかわらず、前記第1のステーションは、前記第2のステーションよりも速く前記材料を堆積させるだろうことを決定し、
(c)前記第1のステーションおよび前記第2のステーションにおいて、各ステーション内でプラズマを誘発することを含む原子層堆積を独立して実施し、前記原子層堆積を実施している間は、前記第1の基板は前記第1のステーションに残り、前記第2の基板は前記第2のステーションに残り、
(d)(c)の後であって、前記第1の基板が前記第1のステーションに残り、前記第2の基板が前記第2のステーションに残っている間に、前記第2のステーション内でプラズマ電力の印加を継続する一方で、前記第1のステーション内でプラズマ電力の印加を停止することにより、前記第2のステーション内で前記原子層堆積を継続しながら前記第1のステーション内の前記原子層堆積を停止し、
(e)(d)の後であって、前記第1の基板が前記第1のステーションに残り、前記第2の基板が前記第2のステーションに残っている間に、前記第1のステーション内で前記第1の基板上に堆積した前記材料の層の全厚さが、前記第2のステーション内で前記第2の基板上に堆積した前記材料の層の全厚さに実質的に等しくなるように、前記第2のステーション内の前記継続したプラズマ電力の印加を停止すること、
を行わせるための制御ロジックを含むコントローラと、
を備える、マルチステーション型堆積装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記ガス配送システムは、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションに共通の前駆体を提供するように構成される、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、
前記ガス配送システムは、前記第1のステーション内に第1のシャワーヘッド、および前記第2のステーション内に第2のシャワーヘッドを備え、前記第1のシャワーヘッドから上流および前記第2のシャワーヘッドから上流にフロー制御構造を備える、装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であって、
前記ガス配送システムは、プロセスガスが前記第1のステーションおよび前記第2のステーションの両方に同時に、前記第1のステーションのみに、または前記第2のステーションのみに流れることができるように、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションへの前記プロセスガスの流れを独立して制御するように構成される、装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置であって、
各ステーションは、そのステーション内のそれぞれの基板上に前記材料の前駆体を分配するためのシャワーヘッドを備え、
前記ガス配送システムは、各ステーションへの前記材料の前記前駆体の配送を制御するように構成され、
(c)はさらに、前記コントローラに、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションに前記前駆体を同時に流させることを含み、
(d)はさらに、前記コントローラに、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションに前記前駆体を同時に流させることを含む、装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置であって、
各ステーションは、そのステーション内のそれぞれの基板上に前記材料の前駆体を分配するためのシャワーヘッドを備え、
前記ガス配送システムは、各ステーションへの前記材料の前記前駆体の配送を制御するように構成され、
(c)はさらに、前記コントローラに、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションに前記前駆体を同時に流させることを含み、
(d)はさらに、前記コントローラに、前記前駆体を前記第2のステーションに流させ、前記第1のステーションには流させないことを含む、装置。
【請求項17】
請求項11に記載の装置であって、
(c)における、前記第1のステーション内で前記第1の基板に暴露される前記プラズマと、前記第2のステーション内で前記第2の基板に暴露される前記プラズマとは、高周波数プラズマと低周波数プラズマとを含む、装置。
【請求項18】
請求項11に記載の装置であって、
前記第1の基板は、(b)、(c)、(d)、および(e)の最中は前記第1のステーションから移動しない、装置。
【請求項19】
請求項11に記載の装置であって、
前記プラズマシステムは、各ステーションに電力を配送するように構成されたRF電源を有し、
(c)における前記堆積は、さらに、前記コントローラに、第1のRF電力を前記第1のステーションに供給させ、第2のRF電力を前記第2のステーションに供給させることを含み、前記第1のRF電力および前記第2のRF電力は、互いの±5%以内である、装置。
【請求項20】
請求項11に記載の装置であって、
前記原子層堆積を前記実施することは、前記第1の基板および前記第2の基板に対していくつかの周期的堆積を実施することを含み、前記第1のステーション内で前記プラズマ電力の印加を前記停止することは、前記いくつかの周期的堆積を前記実施した後に起こり、
(d)における前記第1のステーション内で前記プラズマ電力の印加を前記停止することの後であって、(e)における前記第2のステーション内で前記プラズマ電力印加を前記停止することの前に、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションが同等の堆積条件下にある間は、前記第1のステーション内で前記第1の基板上に堆積した前記材料の前記層の前記全厚さは、前記第2のステーション内で前記第2の基板上に堆積した前記材料の前記層の前記全厚さよりも大きい、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であって、
(d)における、前記第1のステーション内で前記プラズマ電力の印加を前記停止したことの後の前記第2のステーション内の前記継続したプラズマ電力の印加は、(b)の前記堆積条件下で、および前記堆積条件を調節することなく実施される、装置。
【請求項22】
請求項11に記載の装置であって、
前記コントローラは、さらに、
(c)の後に、前記第1のステーションが前記第2のステーションよりも速く前記材料を堆積させるだろうことを前記決定することに基づいて、前記第1のステーション内の前記堆積条件の少なくとも1つを調節することを行わせるための制御ロジックを備え、前記堆積条件の前記少なくとも1つは、前記第1のステーション内で前記プラズマ電力の印加を前記停止すること、前記第1の基板上に堆積した層の厚さを低減すること、またはそれらの組み合わせを含む、装置。
【請求項23】
マルチステーション型堆積装置の別々のステーションにおいて同時に処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための原子層堆積方法であって、
(a)前記堆積装置において、第1のステーションに第1の基板を提供し、第2のステーションに第2の基板を提供することと、
(b)前記第1のステーションおよび前記第2のステーションが同じプロセスレシピを条件とするときは、前記第1のステーションは、前記第2のステーションよりも速く前記材料を堆積させるだろうことを決定することと、
(c)前記第1のステーションおよび前記第2のステーションにおいて、各ステーション内でプラズマを誘発することを含む原子層堆積を独立して実施することであって、前記原子層堆積を実施している間は、前記第1の基板は前記第1のステーションに残り、前記第2の基板は前記第2のステーションに残る、ことと、
(d)(c)の後であって、前記第1の基板が前記第1のステーションに残り、前記第2の基板が前記第2のステーションに残っている間に、前記第2のステーション内でプラズマ電力の印加を継続する一方で、前記第1のステーション内でプラズマ電力の印加を停止することにより、前記第2のステーション内で前記原子層堆積を継続しながら前記第1のステーション内の前記原子層堆積を停止することと、
(e)(d)の後であって、前記第1の基板が前記第1のステーションに残り、前記第2の基板が前記第2のステーションに残っている間に、前記第1のステーション内で前記第1の基板上に堆積した前記材料の層の全厚さが、前記第2のステーション内で前記第2の基板上に堆積した前記材料の層の全厚さに実質的に等しくなるように、前記第2のステーション内の前記継続したプラズマ電力の印加を停止することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の半導体製造プロセスは、半導体基板又はウエハの上に1つ以上の材料層を堆積させる。集積回路の製作者ら及び機器の設計者らは、品質が均一で且つ高いスループットで集積回路を作成するために、様々なプロセス及び装置を用いている。化学気相成長チャンバなどの材料堆積システムは、スループットの高さを重視するものや均一性を重視するものなどの、様々なモードで動作する。スループット及び均一性の両方を最適化する動作モードを定めることが、いまだ課題である。
【発明の概要】
【0002】
一実施形態では、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を堆積させる方法が提供される。方法は、(a)マルチステーション型堆積装置の、第1のステーションの中に第1の基板提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、(b)第1のステーションの中の第1の基板上と第2のステーションの中の第2の基板上とに材料を並行して堆積させ、第1のステーションの中の堆積条件と第2のステーションの中の堆積条件とは、実質的に同じであり、けれども、第2のステーションの中の第2の基板上よりも厚い層を第1のステーションの中の第1の基板上に形成し、(c)(b)における条件下で第2のステーションの中の第2の基板上に材料を堆積させ続ける一方で、第1の基板上における材料の堆積を減速又は停止させるために第1のステーションの中の堆積条件を調節し、(d)第1の基板上に体積される材料と第2の基板上に堆積される材料との全厚さが実質的に等しくなるように、第1のステーションの中の第1の基板上における堆積及び第2のステーションの中の第2の基板上における堆積を完了させる、ことを含んでいてよい。
【0003】
このような1つの実施形態では、堆積条件は、第1の基板及び第2の基板を材料の前駆体に暴露することを含んでいてよい。
【0004】
このような更なる実施形態では、堆積条件の調節は、第1のステーションへの前駆体の流れを低減又は停止させることを含んでいてよい。
【0005】
別の実施形態では、堆積条件は、第1の基板及び第2の基板をプラズマに暴露することを含んでいてよい。
【0006】
このような更なる実施形態では、堆積条件の調節は、プラズマへの第1の基板の暴露を低減又は停止させることを含んでいてよい。
【0007】
一部の実施形態では、第1のウエハは、(b)及び(c)の最中に第1のステーションから移動しなくてよい。
【0008】
このような1つの実施形態では、(b)は、(i)第1の基板上と第2の基板上とに前駆体を吸収させるために、前駆体を投与することと、(ii)前駆体の反応を引き起こして材料を形成させるために、第1の基板及び第2の基板をプラズマに暴露することとの、周期的繰り返しを含んでいてよい。
【0009】
このような更なる実施形態では、(c)は、(b)における条件下で第2のステーションの中の第2の基板に対する周期的繰り返しを続ける一方で、第1のステーションの中の前駆体の投与及び/又はプラズマへの暴露を停止させ、それによって、周期的繰り返しの最中に堆積される材料の厚さを低減させることを含んでいてよい。
【0010】
その他のこのような更なる実施形態では、(c)は、(b)における条件下で第2のステーションの中の第2の基板に対する周期的繰り返しを続ける一方で、第1のステーションの中のプラズマの持続時間又は電力を調節し、それによって、周期的繰り返しの最中に堆積される材料の厚さを低減させることを含んでいてよい。
【0011】
その他の1つの実施形態では、方法は、更に、(b)の前又は最中に、第1の及び第2のステーションの中の相対的堆積速度に関する測定情報を解析し、該測定情報を、(c)においてどのように堆積条件を調節するかを決定するために使用することを含んでいてよい。
【0012】
このような更なる実施形態では、測定情報は、(b)の最中に得られてよい。
【0013】
一部の実施形態では、方法は、更に、(b)の前又は最中に、第1の基板及び第2の基板の物理的特性に関する測定情報を解析し、該測定情報を、(c)においてどのように堆積条件を調節するかを決定するために使用することを含んでいてよい。
【0014】
1つの実施形態では、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための半導体堆積の方法が提供されてよい。方法は、(a)マルチステーション型堆積装置の、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、(b)第1のステーションの中の第1の基板と第2のステーションの中の第2の基板とを同時に材料の前駆体に暴露し、(c)第1のステーションの中の第1の基板上における前駆体の反応と、第2のステーションの中の第2の基板上における前駆体の反応とを同時に活性化させ、(d)(b)及び(c)をN1サイクルにわたって実施し、N1サイクルの各サイクルは、第1の基板上に実質的に等しい厚さt1の材料の薄膜を堆積させ、また、第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の材料の薄膜を堆積させることを含み、N1サイクルの実施が、第1の基板上に全堆積厚さT1の材料を形成し、また、第2の基板上に全堆積厚さT2Aの材料を形成し、T1は、T2Aよりも大きく、(e)第2のステーションの中の第2の基板を前駆体に暴露し、第2のステーションの中の第2の基板上における前駆体の反応をN2サイクルにわたって活性化させ、N2サイクルの各サイクルは、第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の材料の薄膜を堆積させることを含み、N2サイクルの各サイクルは、第1のステーションの中に第1の基板が残っている状態で、第1の基板上における材料の層の堆積を減速又は停止させることを含み、N1サイクル及びN2サイクルの実施が、T1に実質的に等しい全堆積厚さT2の材料を第2の基板上に形成する、ことを含んでいてよい。
【0015】
このような1つの実施形態では、(c)において活性化させることは、各ステーションの中に第1のプラズマ時間にわたって第1のプラズマ電力でプラズマを独立に提供することを含んでいてよく、(e)において活性化させることは、第2のステーションの中にプラズマを独立に提供することを含んでいてよい。
【0016】
このような更なる1つの実施形態では、(e)において活性化させることは、第2のステーションの中に第1のプラズマ時間とは異なる第2のプラズマ時間にわたってプラズマを独立に提供することを含んでいてよく、各N1サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の薄膜とは異なっていてよい。
【0017】
その他のこのような更なる1つの実施形態では、(e)において活性化させることは、第2のステーションの中に第1のプラズマ電力とは異なる第2のプラズマ電力でプラズマを独立に提供することを含んでいてよく、各N1サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の薄膜とは異なっていてよい。
【0018】
一部の実施形態では、(c)において暴露することは、第1のステーション及び第2のステーションに第1の暴露時間にわたって前駆体を流すことを含んでいてよく、(e)において暴露することは、第2のステーションに第2の暴露時間にわたって前駆体を流すことを含んでいてよく、各N1サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の薄膜とは異なっていてよい。
【0019】
1つの実施形態では、マルチステーション型堆積装置が提供されてよい。装置は、真空システムと、ガス配送システムと、少なくとも2つのステーションを含む処理チャンバであって、各ステーションは、真空システム及びガス配送システムを共有する、処理チャンバと、別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上に実質的に等しい厚さの材料を堆積させるためにマルチステーション型堆積装置を制御するためのコントローラとを含んでいてよい。コントローラは、(a)マルチステーション型堆積装置の、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、(b)第1のステーションの中の第1の基板上と第2のステーションの中の第2の基板上とに並行して材料を堆積させ、第1のステーションの中の堆積条件と第2のステーションの中の堆積条件とは、実質的に同じであり、けれども、第2のステーションの中の第2の基板上よりも厚い材料の層を第1のステーションの中の第1の基板上に形成し、(c)(b)における条件下で第2のステーションの中の第2の基板上に材料を堆積させ続ける一方で、第2の基板上における材料の堆積を減速又は停止させるために第1のステーションの中の堆積条件を調節し、(d)第1の基板上に及び第2の基板上に堆積される材料の全厚さが実質的に等しくなるように、第1のステーションの中の第1の基板上における堆積及び第2のステーションの中の第2の基板上における堆積を完了させる、ための制御ロジックを含んでいてよい。
【0020】
このような1つの実施形態では、各ステーションは、そのステーションの中の基板上へ材料の前駆体を分布させるためのシャワーヘッドを含んでいてよく、ガス配送システムは、各ステーションへの材料の前駆体の配送を制御するように構成されてよい。
【0021】
更なる1つの実施形態では、コントローラは、更に、各ステーションへの前駆体配送を独立に制御するための制御ロジックを含んでいてよく、(c)において堆積条件を調節することは、第1のステーションへの前駆体の流れを低減又は停止させることを含んでいてよい。
【0022】
その他の1つの実施形態では、装置は、更に、各ステーションの中でプラズマを独立に形成及び維持するように構成されたプラズマ源を含んでいてよく、コントローラは、更に、各ステーションの中でプラズマを独立に形成及び維持するための制御ロジックを含んでいてよく、(b)における堆積条件は、第1の基板及び第2の基板をプラズマに暴露することを含んでいてよい。
【0023】
更なる1つの実施形態では、コントローラは、更に、各ステーションの中のプラズマ電力レベルを独立に制御するための制御ロジックを含んでいてよく、(c)において堆積条件を調節することは、プラズマへの第1の基板の暴露を低減又は停止させることを含んでいてよい。
【0024】
その他の更なる1つの実施形態では、コントローラは、更に、各ステーションの中のプラズマ時間を独立に制御するための制御ロジックを含んでいてよく、(c)において堆積条件を調節することは、プラズマへの第1の基板の暴露を低減又は停止させることを含んでいてよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】任意の数のプロセスを使用して半導体基板上に膜を堆積させるための基板処理装置を示した図である。
【0026】
図2】マルチステーション型処理ツールの一実装形態を示した図である。
【0027】
図3】マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を堆積させるための第1の技術例を示したフローチャートである。
【0028】
図4】プラズマ暴露時間と、プラズマによって形成される材料の厚さとの間の一般的な関係を示したグラフである。
【0029】
図5】マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための第2の技術例を示したフローチャートである。
【0030】
図6】フィードフォワード情報を使用した実装形態の一例を示した表である。
【0031】
図7】2つの異なる堆積プロセスについて、4ステーション型堆積装置において測定された厚さを示したグラフである。
【0032】
図8】原子層堆積プロセスを通じて基板上に材料膜を形成するための一連の動作の例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明では、提示された概念の完全な理解を可能にするために、数々の具体的詳細が特定される。提示された概念は、これらの具体的詳細の一部又は全部を伴うことなく実施されてよい。また、説明された概念を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作の詳細な説明はされない。具体的な実装形態に関連付けて一部の概念が説明されるが、これらの実装形態は、限定的であることを意図していない。
【0034】
本書では、多くの概念及び実装形態が説明及び例示される。本書で論じられる実装形態の、特定の特徴、属性、及び利点が説明及び例示されるが、これらの説明及び例示からは、本発明の、その他の、並びに異なる及び/類似の多くの実装形態、特徴、属性、及び利点が明らであることが、理解できるべきである。このように、以下の実装形態は、本開示の、可能性として考えられる一部の例に過ぎない。これらは、排外的であることを意図していない、即ち、開示された厳密な形式、技術、材料、及び/又は構成に開示内容を限定することを意図していない。この開示内容に照らして、多くの変更及び変形が可能である。その他の実装形態の利用及び動作上の変更が、本開示の範囲から逸脱することなくなされてよいことが、理解できる。このように、上記の実装形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されるので、本開示の範囲が、以下の説明のみに限定されることはない。
【0035】
重要なのは、本開示が、いかなる1つの態様若しくは実装形態にも、又はそのような態様及び/若しくは実装形態のいかなる1つの組み合わせ及び/若しくは置き換えにも限定されないことである。更に、本開示の各態様及び/又はその各実装形態は、単独で用いられてよい、又はその他の態様及び/若しくはその実装形態の1つ以上と組み合わせて用いられてよい。簡潔を期するために、これらの置き換え及び組み合わせの多くは、本書で個別に論じられる及び/又は例示されることはない。
【0036】
一部の半導体プロセスは、ウエハなどの基板上に1つ以上の材料層を堆積させるために使用される。本書で使用される「ウエハ」という用語は、通常、大判のディスプレイ基板などの他の形態の「基板」を含むと解釈できる。このような堆積プロセスの例として、化学気相成長(「CVD」)、プラズマ支援式CVD(「PECVD」)、原子層堆積(「ALD」)、低圧CVD、超高CVD、物理蒸着(「PVD」)、及び共形膜堆積(「CFD」)が挙げられる。
【0037】
例えば、一部のCVDプロセスは、膜前駆体及び副生成物を形成する1つ以上のガス反応物質をリアクタに流し入れることによってウエハ表面上に膜を堆積させてよい。前駆体は、ウエハ表面に運ばれ、そこでウエハによって吸着され、ウエハ内へ拡散し、化学反応によってウエハ上に堆積される。化学反応は、副生成物も生成し、これらの副生成物は、ウエハ表面及びリアクタから除去される。
【0038】
別の例として、一部の堆積プロセスは、それぞれが「個別の」膜厚を形成する複数の膜堆積サイクルを伴う。ALDは、このような膜堆積方法の1つであるが、繰り返される順次方式で使用されて薄い膜層を定着させるあらゆる技術が、複数の堆積サイクルを伴うものと見なせるだろう。
【0039】
半導体業界におけるデバイス及び特徴の継続的なサイズ縮小化に伴って、また、集積回路(IC)設計における3Dデバイス構造の更なる普及に伴って、薄い共系膜(下の構造がたとえ非平面状であってもその構造の形状に対して均一な厚さを有する材料膜)を堆積させる能力が、ますます重要性を増している。ALDは、その1サイクルが1つの薄い材料層のみを堆積させ、その堆積の厚さが膜を形成する化学反応自体に先立って基板表面上に吸着し得る(即ち、吸着制限層を形成する)1種以上の膜前駆体反応物質の量によって制限されるという事実ゆえに、共形膜の堆積によく適している。次いで、所望の厚さの膜を構築するために、複数の「ALDサイクル」が使用されてよく、各層が薄くて共形であるゆえに、結果として得られる膜は、その下のデバイス構造の形状に実質的に一致する。特定の実施形態では、各ALDサイクルは、以下の工程を含む。
1 第1の前駆体への基板表面の暴露
2 基板が中に配置されている反応チャンバのパージ
3 通常はプラズマ及び/又は第2の前駆体による、基板表面の反応の活性化
4 基板が中に配置されている反応チャンバのパージ
【0040】
各ALDサイクルの持続時間は、通常は、25秒未満、又は10秒未満、又は5秒未満であってよい。ALDサイクルの、1つの(又は複数の)プラズマ暴露工程は、1秒以下などの短い持続時間であってよい。図8は、ALDプロセスを通じて基板上に材料膜を形成するための一連の動作の例を示したフローチャートである。図8からわかるように、上記の項目1は、ブロック858に相当し、上記の項目2は、ブロック860に相当し、上記の項目3は、ブロック862に相当し、上記の項目4は、ブロック864に相当し、これらの4つのブロックは、Nサイクルにわたって実施され、プロセスは、その後に停止される。
【0041】
図1は、任意の数のプロセスを使用して半導体基板上に膜を堆積させるための基板処理装置を示している。図1の装置100は、真空ポンプ118によって真空下に維持され得る内部空間の中に1つの基板ホルダ108(例えば台座)を伴う1つの処理チャンバ102を有する。(例えば)膜前駆体や、キャリアガス及び/又はパージガス及び/又はプロセスガス、二次反応物質等の配送のために、ガス配送システム101及びシャワーヘッド106も、チャンバに流体結合される。処理チャンバの中にプラズマを発生させるための機器も、図1に示されている。図1に図式化されている装置は、通常はALDの実施用であるが、プラズマ支援式CVDを具体例とする従来のCVDなどの、その他の膜堆積動作の実施用に適応されてもよい。
【0042】
簡単のために、処理装置100は、低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体102を有する独立型プロセスステーションとして示されている。しかしながら、本書で説明されるように、例えば共通の反応チャンバ内などの共通のプロセスツール環境の中に複数のプロセスステーションが含められてもよいことがわかる。例えば、図2は、マルチステーション型処理ツールの一実装形態を示しており、以下で更に詳しく論じられる。更に、一部の実装形態では、処理装置100の、本書で詳しく論じられるものを含む1つ以上のハードウェアパラメータが、1つ以上のシステムコントローラによってプログラムで調節されてよいことがわかる。
【0043】
プロセスステーション100は、プロセスガスを分配シャワーヘッド106に配送するためのガス配送システム101と流体連通しており、プロセスガスとしては、液体及び/又は気体が挙げられる。ガス配送システム101は、シャワーヘッド106への配送のためにプロセスガスを混合及び/又は調整するための混合容器104を含む。1つ以上の混合容器入口バルブ120が、混合容器104へのプロセスガスの導入を制御してよい。
【0044】
一部の反応物質は、気化、及びそれに続くプロセスチャンバ102への配送に先立って、液体の形態で貯蔵されてよい。図1の実装形態は、混合容器104に供給される液状反応物質を気化するための気化地点103を含む。一部の実装形態では、気化地点103は、加熱された液体注入モジュールであってよい。一部のその他の実装形態では、気化地点103は、加熱された気化器であってよい。尚も更にその他の実装形態では、気化地点103は、プロセスステーションから排除されてよい。
【0045】
一部の実装形態では、気化及び処理チャンバ102への配送のために液体のマスフローを制御するための液体フローコントローラ(LFC)が、気化地点103の上流に提供されてよい。
【0046】
シャワーヘッド106は、プロセスステーションにおいて基板112に向けてプロセスガス及び/又は反応物質(例えば膜前駆体)を分配し、その流れは、シャワーヘッドの上流の1つ以上のバルブ(例えば、バルブ120、120A、105)によって制御される。図1に示された実装形態では、基板112は、シャワーヘッド106の下に位置し、台座108上に載った状態で示されている。シャワーヘッド106は、任意の形状を有してよく、プロセスガスを基板112に分配するための任意の適切な数及び配置のポートを有してよい。2つ以上のステーションを伴う一部の実装形態では、ガス配送システム101は、シャワーヘッドの上流にバルブ又はその他のフロー制御構造を含み、これらは、各ステーションへのプロセスガス及び/又は反応物質の流れを、1つのステーションへはガスが流れてよいが別のステーションへは流れ得ないように、独立に制御できる。更に、ガス配送システム101は、マルチステーション型装置の中の各ステーションに配送されるプロセスガス及び/又は反応物質を、例えば、同じ時点でもステーション間でガス成分の分圧が異なるなど提供されるガス組成が異なるように、独立に制御するように構成されてよい。
【0047】
空間107は、シャワーヘッド106の下に位置する。一部の実装形態では、基板112を空間107に対して露出させるために、及び/又は空間107の体積を変動させるために、台座108が上昇又は下降されてよい。随意として、台座108は、空間107内におけるプロセス圧力や反応物質濃度等を変化させるために、堆積プロセスの中途で下降及び/又は上昇されてよい。
【0048】
図1では、シャワーヘッド106及び台座108が、プラズマに電力供給するためのRF電力供給源114及び整合回路網116に電気的に接続される。一部の実装形態では、プラズマエネルギは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、及びプラズマ電力パルスタイミングのうちの1つ以上を制御することによって、(例えば、適切な機械読み取り可能命令及び/又は制御ロジックを有するシステムコントローラを通じて)制御されてよい。例えば、RF電力供給源114及び整合回路網116は、所望の組成のラジカル種を有するプラズマを形成するために、任意の適切な電力で操作されてよい。同様に、RF電力供給源114は、任意の適切な周波数及び電力のRF電力を提供してよい。
【0049】
2つ以上のステーションを伴う一部の実装形態では、装置は、RF電力供給源114及び関連のコンポーネントが各ステーションの中に独立にプラズマを誘発及び維持するように構成される。例えば、装置は、1つのステーションの中にはプラズマを維持する一方でそれと同時に別のステーションではプラズマを形成しないように構成されてよい。更に、装置は、2つのステーションの中にプラズマを、プラズマの電力、密度、組成、持続時間等などのプラズマ特性が異なる状態で維持するように構成されてよい。
【0050】
一部の実装形態では、プラズマの誘発条件及び維持条件は、システムコントローラの中の適切なハードウェア及び/又は適切な機械読み取り可能命令によって制御され、システムコントローラは、一連の入出力制御(IOC)命令を通じて制御命令を提供してよい。一例では、プラズマの誘発又は維持のためのプラズマ条件を設定するための命令が、プロセスレシピのプラズマ活性化レシピの形で提供される。場合によっては、プロセスレシピは、プロセスのための全ての命令がそのプロセス段階に並行して実行されるように、順次配置されてよい。一部の実装形態では、1つ以上のプラズマパラメータを設定するための命令が、プラズマプロセスに先行するレシピに含められてよい。例えば、第1のレシピは、不活性(例えばヘリウム)ガス及び/又は反応物質ガスの流量を設定するための命令と、プラズマ発生器を電力設定値に設定するための命令と、第1のレシピのための時間遅延命令とを含んでいてよい。続く第2のレシピは、プラズマ発生器を有効にするための命令と、第2のレシピのための時間遅延命令とを含んでいてよい。第3のレシピは、プラズマ発生器を無効にするための命令と、第3のレシピのための時間遅延命令とを含んでいてよい。これらのレシピは、本開示の範囲内で、任意の適切なやり方で更に細分及び/又は反復されてよいことがわかる。
【0051】
一部の堆積プロセスでは、プラズマの出力が、おおよそ数秒又はそれを超える長さで持続する。本書で説明される特定の実装形態では、更に大幅に短い期間のプラズマ出力が、処理サイクル中に適用されてよい。これらは、おおよそ50ミリ秒未満であってよく、一具体例は、25ミリ秒である。
【0052】
上述のように、マルチステーション型基板処理ツールには、1つ以上のプロセスステーションが含められてよい。図2は、マルチステーション型基板処理装置の一例を示している。図2に示されるようなマルチステーション型処理装置の使用を通じて、機器コストや運転費用はもちろんスループットの向上に関しても、様々な効率化が実現されるだろう。例えば、4つ全てのプロセスステーションのために、消費されたプロセスガス等を排出させて1つの高真空環境を形成するための1つの真空ポンプが使用されてよい。実装形態によっては、各プロセスステーションは、ガス配送のために自身専用のシャワーヘッドを有してよく、ただし、同じガス配送システムを共有してよい。同様に、プラズマ発生機器のうちの特定の構成要素(例えば電力供給源)が、プロセスステーション間で共有されてよく、ただし、実装形態によっては(例えば、プラズマ発生電位を印加するためにシャワーヘッドが使用される場合は)、特定の構成要素が、プロセスステーョンごとに特有であってよい。繰り返し述べるが、このような効率性は、反応チャンバごとに2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16、又は更に多くなどの、更に多い又は少ない数のプロセスステーションを処理チャンバごとに使用することによって、実現の程度が高くても又は低くてもよいことが、理解される。
【0053】
図2の基板処理装置200は、複数の基板処理ステーションを内包した1つの基板処理チャンバ214を用いており、各ステーションは、そのプロセスステーションにおいて例えば台座などのウエハホルダに保持されている基板に対して処理動作を実施するために使用されてよい。この特定の実装形態では、マルチステーション型基板処理装置200は、4つのプロセスステーション201、201、203、及び204を有するものとして示されている。その他の類似のマルチステーション型処理装置は、実装形態と、例えば所望される並列ウエハ処理レベル、サイズ/スペースの制約、コストの制約等とに応じて、更に多い又は少ない処理ステーションを有していてよい。図2には、取扱ロボット226及びコントローラ250も示されている。
【0054】
図2に示されるように、マルチステーション型処理ツール200は、基板搭載ポート220と、ポッド228を通じて搭載されたカセットから大気圧ポート220を通して基板を処理チャンバ214内へ移動させて4つのステーション201、202、203、又は204のいずれか1つに移動させるように構成されたロボット226とを有する。
【0055】
図2に示された処理チャンバ214は、4つのプロセスステーション201、202、203、及び204を提供する。RF電力は、RF電力システム213において生成され、各ステーション201、202、203、及び204に分配される。RF電力システムは、例えば高周波数(HFRF)源及び低周波数(LFRF)源などの1つ以上のRF電力源、インピーダンス整合モジュール、並びにフィルタを含んでいてよい。特定の実装形態では、電力源は、高周波数源又は低周波数源のみに制限されてよい。RF電力システムの分配システムは、リアクタを中心にして対称的であってよく、高いインピーダンスを有していてよい。この対称性及びインピーダンスの結果、概ね等しい量の電力が各ステーションに配送される。上記のように、一部の実装形態では、RF電力システムは、各ステーションに独立に電力を配送するように構成されてよい。例えば、プラズマが、ステーション201及び202のみで同時に形成及び維持されるように、RF電力は、ステーション201及び202に同時に配送されてよく、その一方で、ステーション203及び204には配送されなくてよい。
【0056】
図2は、また、プロセスツール200のプロセス条件及びハードウェア状態を制御するために利用されるシステムコントローラ250の一実装形態も示している。システムコントローラ250は、1つ以上のメモリデバイス256と、1つ以上の大容量ストレージデバイス254と、1つ以上のプロセッサ252とを含んでいてよい。プロセッサ252は、CPU、ASIC、(1つ若しくは複数の)汎用コンピュータ及び/又は(1つ若しくは複数の)専用コンピュータ、1つ以上のアナログ及び/又はデジタル入力/出力接続、1つ以上のステッピングモータ制御基板等などを含んでいてよい。
【0057】
一部の実装形態では、システムコントローラ250は、プロセスツール200の、その個々のプロセスステーションの動作を含む動作の一部又は全部を制御する。システムコントローラ250は、プロセッサ252上で機械読み取り可能システム制御命令258を実行してよく、これらのシステム制御命令258は、大容量ストレージデバイス254からメモリデバイス256に取り込まれる。システム制御命令258は、プロセスツール200によって実施される特定のプロセスの、タイミング、ガス状反応物質及び液状混合物の混合、チャンバ及び/又はステーションの圧力、チャンバ及び/又はステーションの温度、ウエハの温度、目標電力レベル、RF電力レベル、RF暴露時間、基板台座、チャック、及び/又はサセプタの位置、各ステーションにおけるプラズマ形成(これは、上述のように、1つ以上のステーションにおける独立したプラズマ形成を含んでいてよい)、ガス状反応物質及び液状反応物質の流れ(これは、上記のように、1つ以上のステーションへの独立した流れを含んでいてよい)、並びにその他のパラメータを制御するための命令を含んでいてよい。これらのプロセスは、基板上における膜の堆積に関係したプロセスを含むがこれに限定はされない様々なタイプのプロセスを含んでいてよい。システム制御命令258は、任意の適切な形に構成されてよい。例えば、プロセスツールコンポーネントの動作を制御するために、様々なプロセスツールコンポーネントサブルーチン又は制御オブジェクトが記述されてよい。システム制御命令258は、任意の適切なコンピュータ読み取り可能プログラミング言語でコード化されてよい。一部の実装形態では、システム制御命令258は、ソフトウェアとして実装されてよく、その他の実装形態では、命令は、例えば、ASIC(特殊用途向け集積回路)の中のロジックとしてハードコード化されるなどハードウェアとして実装されてよい、又はその他の実装形態では、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装されてよい。
【0058】
一部の実装形態では、システム制御ソフトウェア258は、上述された様々なパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)命令を含んでいてよい。例えば、1つ又は複数の堆積プロセスの各工程が、システムコントローラ250による実行用の1つ以上の命令を含んでいてよい。対応する堆積レシピには、例えば、一次の膜堆積プロセスのためのプロセス条件を設定するための命令が含まれてよく、同様に、膜キャップ堆積のための命令も含まれてよい。一部の実装形態では、レシピは、プロセスのための全ての命令がそのプロセスと並行して実行されるように、順次配置されてよい。
【0059】
一部の実装形態では、システムコントローラ250に関係付けられた大容量ストレージデバイス254及び/又はメモリデバイス256に格納されたその他のコンピュータ読み取り可能命令及び/又はプログラムが用いられてよい。プログラム又はプログラムセクションの例として、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、及びプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0060】
一部の実装形態では、システムコントローラ250に、ユーザインターフェースが関連付けられてよい。ユーザインターフェースとしては、ディスプレイ画面や、装置及び/若しくはプロセス条件のグラフィックソフトウェアディスプレイや、ポインティングデバイス、キーボード、タッチ画面、マイクロフォン等のユーザ入力デバイスが挙げられる。
【0061】
一部の実装形態では、システムコントローラ250によって調節されるパラメータが、プロセス条件に関係している。非限定的な例として、プロセスガスの組成及び流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベル、周波数、暴露時間)等がある。また、コントローラは、プロセスステーションの中の条件を独立に制御するように構成されてよく、例えば、コントローラは、全てのステーションの中ではなく一部のステーションの中でプラズマを誘発するための命令を提供する。これらのパラメータは、レシピの形でユーザに提供されてよく、レシピは、ユーザインターフェースを用いて入力されてよい。
【0062】
プロセスを監視するための信号が、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ250のアナログ入力接続及び/又はデジタル入力接続によって提供されてよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール200のアナログ出力接続及び/又はデジタル出力接続に載せて出力されてよい。プロセスツールセンサの非限定的な例には、マスフローコントローラ(MFC)、圧力センサ(圧力計など)、熱電対、負荷センサ、OESセンサ、ウェーバの物理的特性をin-situ測定するための計測機器等がある。これらのセンサからのデータと併せて、適切にプログラムされたフィードバック・制御アルゴリズムがプロセス条件を維持するために使用されてよい。
【0063】
システムコントローラ250は、堆積プロセスを実行に移すための機械読み取り可能命令を提供してよい。これらの命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、RF電力パラメータのばらつきなどステーション間でのばらつき、周波数微調整パラメータ、圧力、温度等などの、多岐にわたるプロセスパラメータを制御してよい。命令は、本書で説明される様々な実装形態にしたがって膜積層体のin-situ堆積を動作させるために、パラメータを制御してよい。
【0064】
本書に開示されるプロセスにしたがって装置が動作を実施するように、システムコントローラは、1つ以上のメモリデバイスと、機械読み取り可能命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサとを含むのが一般的である。システムコントローラには、本書で開示される基板ドーププロセスにしたがって動作を制御するための命令を内包した非一時的な機械読み取り可能媒体が結合されてよい。
【0065】
上記のように、共通の基板処理チャンバ内の複数のプロセスステーションにおける複数の基板の処理は、各ステーション間で共通の処理機器を用いる一方でそれと同時に複数の基板に対して並列に膜堆積が進行することを可能にすることによってスループットを向上させてよい。例えば、4ステーション型プロセスチャンバでは、4つの別々のステーションの中に置かれた4枚の基板が同時に処理されてよい。なお、注意すべきは、一部のマルチステーション型基板処理ツールが、(例えば、何らかのALDプロセスのために)等しいサイクル数にわたってウエハを同時的に処理するために用いられてよいことである。この構成のプロセスステーションと、基板搭載機器及び基板移送機器とが与えられれば、複数の基板にわたって並列に(例えば同時的に)膜堆積が起きることを可能にする多様なプロセス順序が可能であり、このような膜堆積には、例えば、ALDプロセスの場合のNサイクルの膜堆積、又はCVDプロセスの場合の等しい暴露持続時間などがある。
【0066】
異なる基板間で一貫した膜堆積を実現する手法は、堆積プロセスの過程において処理チャンバ内の複数のプロセスステーション間で基板を順次送りすることを含む。即ち、各基板について、その膜の一部が1つのステーションで堆積され、その膜の別の一部が1つ以上の他の処理ステーションで堆積される。これは、結果として、異なるステーション間で生じるあらゆる系統的堆積差異を平均化するだろう。繰り返し述べるが、この処理モードは、例えばCVD及びALDを含む任意のタイプの堆積プロセスに使用されてよい。例えば、4ステーション型処理チャンバの中で4つのウエハに対して合計Nサイクルが実施されるALDプロセスでは、各ウエハに対して各ステーションの中でN/4サイクルが実施されてよく、各ウエハは、各N/4サイクルの完了後に異なるステーションに移送される。他方、この手法の、一部のその他の実装形態は、各ウエハに対して等しい数のサイクルを実施しなくてよい。別の例として、4ステーション型処理チャンバの中で4つのウエハに対して合計Nサイクルが実施されるALDプロセスにおいて、各ウエハが最初に置かれるステーションの中では、各ウエハに対してN×2/5サイクルが実施されてよく、続いて、残りの他の3つのステーションの中では、各ウエハに対してN/5サイクルが実施されてよい。実例として、ステーション201、201、203、及び204の中にそれぞれ最初に置かれたウエハ1、2、3、4に対して、合計500の堆積サイクルが実施されてよい。ステーション201の中のウエハ1に対しては、200サイクルが実施され、その後、ウエハ1は、ステーション202、203、及び204に移送され、これらの各ステーションの中でそれぞれ100サイクルが実施され、合計500サイクルになる。同じ手法が、ウエハ2、3、及び4にも適用される。
【0067】
この種の「順次モード」処理、即ち「順次処理」は、各ウエハが異なるステーションに入り、異なるステーション間で生じる系統的堆積差異の一部がそれによって平均化されるだろうという意味で、有益である。しかしながら、この動作モードは、その他の特性によって魅力を損なわれる。例えば、順次モードの実装形態には、基板の搭載/取り出し、処理チャンバポート220の開/閉を多く伴うものがある。一部の動作モードでは、或る基板が自身に割り当てられたN回の堆積を4つのステーションにわたって施されるためには、処理チャンバが搭載/取り出し動作のために4回開閉されなくてはならず、そのたびに、チャンバ内部の環境を堆積に適した環境条件(例えば、温度、圧力、流量等)に回復させる必要がある。搭載動作のために1つのステーションのみを使用する「静的モード」は、4つのウエハを堆積のための位置に持ってくるために、プロセスチャンバ内でウエハが位置するカセットの90度移送回転を使用した同じ回数の順次送りを伴ってよく、ただし、静的モードでは、移送回転の間に堆積が介在して実施されることがないゆえに、チャンバの開閉が一度のみですむ。したがって、堆積に先立って、4枚全てのウエハを(1枚ずつ)マルチステーション型チャンバの中に搭載することも可能である。たとえチャンバが閉じられたままで尚且つ内圧が比較的一定にとどまっても、1つのステーションから次のステーションへのウエハの順次送りは、処理を遅延させる。
【0068】
本書で「固定モード」と呼ばれる別のプロセス手順は、順次送りを伴わない。図2の例を使用すると、固定モードでは、ポート220を通じてチャンバが開かれ、4つ全てのステーションにウエハが搭載され、チャンバは閉じられ、4枚全てのウエハに対してN堆積サイクルが並列に且つ同時に実施され、堆積サイクルが終了し、チャンバは開かれ、4枚のウエハは取り出される。別の言い方をすると、各基板は、4つの処理ステーションのうちの1つの中で、その膜堆積の全て(全Nサイクル)を施される。この固定モード処理は、例えばCVD及びALDなどの、あらゆるタイプの堆積プロセスに使用されてよい。固定モード処理では、その他のモードにおける順次送り関連の遅延がなく、したがって、堆積のスループットが高めである。しかしながら、このモードは、異なるステーション間におけるプロセス不一致ゆえに、異なる基板間で一貫した膜堆積を常に実現しえるとは限らない。例えば、ステーション間でRF周波数が異なるなどのように、1つのステーションの中のプロセス条件が、別のステーションの中のプロセス条件に厳密に一致しないかもしれず、その結果、1つのステーションの中で処理されたウエハが、別のステーションの中で処理されたウエハとは異なる性質を有することがある。ウエハ間の不一致としては、例えば、平均膜厚の相違、ウエハの面上における均一性、物理的性質、化学的性質、及び光学的性質が挙げられる。
【0069】
マルチステーション型プロセスチャンバにおいてステーション間のウエハ不一致を向上させるための技術、即ち、異なる基板間で更に一貫性の高い膜堆積を実現するための技術は、ステーション間のプロセス条件の相違を最小限に抑えるように半導体処理機器を設計することを含む。例えば、上記のように、ステーション間の厚さの一致は、マルチステーション型プロセスチャンバにおける課題であり、このステーション間の厚さは、ステーション間の、ガス及び/又は化学物質の配送、各ステーションに供給されるRF電力、各ステーションの温度、チャンバ内及び/又は各ステーション内のポンプ排気、ハードウェア設定(例えば、ステーションハードウェアの設置及び機能)、並びにチャンバ内の物理的環境などの、数々のプロセス条件の相違に起因して変動するだろう。マルチステーション型プロセスチャンバの態様は、各ステーション間のこれらのプロセス条件の相違を最小限に抑える(例えば、各ステーションにおける温度プロフィールを同じにする)ように設計及び/又は構築されてよく、ただし、このような設計は、複雑であり、相違を完全に抑えることはほぼ不可能である。
【0070】
マルチステーション型プロセスチャンバにおいて、ステーション間のウエハ不一致を改善する別の技術は、1つ以上のステーションにおける1つ以上のプロセス条件を調節することを含む。しかしながら、堆積プロセス中のプロセス条件の大半は、相互に依存しているのが一般的であり、もし、プロセス条件Aが、プロセス条件Bにおける相違を補うために調節された場合、このような調節は、意図せずしてプロセス条件Cの効果に影響を及ぼすことがある。例えば、1つ以上のステーションの中の温度が、ステーション間の厚さ一致を向上させるために調節されてよく、ただし、この温度変化は、膜の応力にも影響を及ぼすことがある。したがって、1つ以上のステーションにおける1つ以上のプロセス条件の調節は、相互相関性の高い変数を伴う非常に複雑な最適化課題である。
【0071】
上記のように、ステーション間の厚さ一致は、固定モードで動作されるマルチステーション型プロセスチャンバにおいて課題になるおそれがある。発明者らは、1つのステーションの中のウエハ上に材料層を堆積させるように1つ以上のステーションを正常に動作させる一方で、それと同時に、マルチステーション型プロセスチャンバの1つ以上のその他のステーションの中の別のウエハ上における層の堆積を減速又は停止させるようにその1つ以上のその他のステーションの中の正常動作を減速又は停止させることによって、ステーション間の厚さ一致(及びその他の均一性の態様)が向上するだろうと判断した。後述のように、1つ以上のステーションの中の正常動作を減速又は停止させる代わりとして、プロセスは、これらのステーションの中の堆積条件を、その他のステーションの中の正常条件を維持しつつ単純に調節してもよい。異なるステーションの中に異なる条件を提供するために調節され得る堆積条件の例には、なかでも特に、プラズマ誘発タイミング、プラズマ電力、プラズマの持続時間、プロセスガス(例えば反応物質及び/若しくは前駆体)の流れ、並びにプロセスガスの分圧がある。本開示における装置及び技術は、CVD、PECVD、ALD、及びECDなどの上述のものを含む、任意の堆積プロセスに適用されてよい。
【0072】
図3は、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を堆積させるための第1の技術例を示したフローチャートである。このような堆積は、例えば、CVD又はALDによって実施されてよい。この第1の例は、2つのステーションを伴う技術を示しているが、このような技術は、図1及び図2に関連して上述された装置などの、3つ以上のステーションを伴うマルチステーション型堆積装置に適用されてもよい。図3のブロック340では、マルチステーション型堆積装置のステーションの中に、基板が提供される。第1の基板が第1のステーションの中に提供されてよく、第2の基板が第2のステーションの中に提供されてよい。図2を参照にして上述されたように、基板は、基板取扱ロボットによってステーションの中に置かれてよい。
【0073】
図3のブロック342では、第1のステーションの中の第1の基板上及び第2のステーションの中の第2の基板上に、並行して材料が堆積される。上記のように、この堆積は、第2のステーションの中の第2の基板上における堆積と同じ時点で第1のステーションの中の第1の基板上に堆積が起きるように、これらのステーションの中で並行して、即ち、同時に又は並列に起きる。ブロック342における並行した堆積は、単独のCVD堆積プロセス、ALDなどの周期的堆積プロセスの中の一堆積サイクル、又は周期的プロセスの全堆積プロセスであってよい。このような並行した堆積において、第1の及び第2のステーションの中の堆積条件は、実質的に同じであってよく、例えば、制御システムは、それらのステーションの中に同一の(又は同一に近い)条件を生じることを意図したパラメータを設定する。ある種のプロセスパラメータ(例えば、プラズマ電力やプロセスガス流量)の場合は、異なるステーションの中のパラメータが、例えば互いの±5%以内のように数パーセント以内であってよい。上記のように、各ステーションの中に同一のプロセス条件を形成する試みがなされてよいが、多くの場合、1つ以上のプロセス条件がステーション間で厳密には一致しない。これらの堆積条件として、例えば、上記のように、各ステーションの中の台座の温度、各ステーションに流し込まれるガスの分圧、局所的なガスフロー条件、チャンバの中の圧力、各ステーションの中のプラズマ電力、プラズマ周波数、及び(プラズマを伴う堆積の場合は)各ステーションの中のプラズマ形成持続時間が挙げられる。その結果、並行した堆積は、各基板上に等しい材料層を生じる努力にもかかわらず、第1のステーションの中の第1の基板上に、第2のステーションの中の第2の基板上よりも厚い層を生じることがある。例えば、ALDプロセスでは、より厚い材料層は、Nサイクルの実施後に基板上に堆積される材料の総厚かもしれないし、又は1回のサイクル後における材料の厚さかもしれない。
【0074】
チャンバの中の2つ以上のステーションが、材料を異なる厚さで堆積させることは、様々な技術によって決定されてよい。それは、デバイス性能から推察されてよい、又は直接測定されてよい。当業者ならば理解できるように、2枚の基板間の材料層の厚さの相違の測定は、反射率測定や各種の顕微鏡検査等などの任意の既知の計測技術を含む任意の数の技術によって実施できる。各ステーションの中で形成される堆積される厚さは、特定の期間が経過するまで又は特定の数の堆積サイクルが終わるまでは堆積プロセス間で変わらないのが一般的であるので、これらの測定された厚さは、各プロセスにおいて各ステーションによって一貫性をもって形成される厚さであると見なしてよく、後述のように、メモリに格納されてよい及び/又は同じ技術の後続の段階のために使用されてよい。別の例では、各基板上の材料層の厚さは、in-situ測定されてよい、即ち、堆積プロセスの前、最中、及び/又は後にウエハがステーション及び/又はチャンバの中にある間に測定されてよい。
【0075】
ブロック344では、装置がブロック342における条件下で第2のステーションの中の第2の基板上に材料を引き続き堆積させる一方で、第1の基板上における材料の堆積を減速又は停止させるために第1のステーションの中の堆積条件に対して1つ以上の調節がなされる。調節される各堆積条件の各調節は、用いられている堆積プロセスはもちろん、各ステーションの中で材料が堆積される場合のその厚さなどの、数々の要因に依存するだろう。調節は、例えば、第1のステーションの中への例えば前駆体などの反応物質の流れを低減又は停止させることを含んでいてよい。例えば、実質的に同一の初期堆積条件からなる特定の条件一式を使用して2つの基板上における堆積を開始させたCVDプロセスでは、調節は、第2のステーションの中の堆積条件が引き続き初期堆積条件である間に、第1のステーションの中における堆積を停止及び/又は減速させるために第1のステーションへの反応物質の流れを停止させることであってよい。別の例では、実質的に同一の初期堆積条件にしたがった、ALDなどの周期的堆積プロセスにおける調節は、プロセスの中の一サイクル中に第1の基板上に材料が堆積されないように、その一サイクルの吸着段階用に第1のステーションへの前駆体の流れを停止させることであってよく、ただし、その同じ一サイクル中、第2のステーションの中では堆積が起きるように、初期堆積条件にしたがって第2のステーションへは前駆体が流される。
【0076】
上記のように、一部の実施形態では、調節は、その堆積プロセスによって形成される層の特性を変更するために、第1のステーションの中の堆積条件を変化させることであってよい。この特性の変更は、堆積プロセスを停止又は減速させることと見なしてよい。
【0077】
第1の及び第2のステーションの中でプラズマ暴露を使用する堆積プロセスの場合は、第1のステーションの中のプラズマ条件に対して調節がなされてよい。例えば、前駆体の流れと同様に、ブロック344における調節は、プラズマへの第1の基板の暴露を低減又は停止させることであってよく、これは、ひいては、第1の基板に対する堆積プロセスを減速又は停止させる。この調節は、なかでも特に、第1のステーションの中でのプラズマの形成を停止させること、プラズマ周波数を変更すること、第1のステーションの中でのプラズマの電力レベルを変更すること、及び/又は第1のステーションの中でプラズマが形成される時間を変更することによって達成されてよい。ALDプロセスでは、調節は、1つのサイクルから次のサイクルにかけてなされてよい。例えば、100サイクルの各サイクルではプラズマが誘発されてよく、次いで、13サイクルのいずれのサイクルでもプラズマが誘発されなくてよい。本質的に周期的ではないその他のプロセスでは、調節は、定められたプロセス間移行を考慮することなく堆積プロセス中の特定の時点でなされる。例えば、PECVDプロセスでは、第2のステーションの中のプラズマ暴露が初期堆積条件下で継続される間に、第1のステーションの中のプラズマ暴露が、定められた持続期間後に停止されてよい。電力を単純にオフにする代わりとして、その他のプラズマ条件が、堆積速度を微調整するために調節されてよい。例えば、第1のステーションの中のプラズマ電力レベルは、第1のステーションの中の堆積プロセスを減速させるために低減されてよく、第2のステーションの中のプラズマ電力レベルは、初期堆積条件下で継続されてよい。
【0078】
第1のステーションの中でプラズマが形成される時間の調節に関しては、このような調節は、その時間の増加又は減少であってよく、これは、ひいては、材料層の厚さを増加又は減少させる。図4は、プラズマ暴露時間と、プラズマによって形成される材料の厚さとの間の一般的な関係を示したグラフである。このグラフからわかるように、層の厚さは、最初、プラズマ暴露時間の増加にともなって増加し、その後、最大厚さに到達するが、その最大厚さに到達した後にプラズマ暴露が継続すると、層は、高密度化を引き起こされ、したがって、厚さを減少させる。したがって、プラズマ暴露時間と層の厚さとの間のこの関係は、例えば、第1のステーションの中での層の堆積速度がプラズマへの暴露時間の増加によって「低減」され得るように、即ち、その層の厚さが減少するように、第1のステーションの中でのウエハの堆積を変化させるための、堆積条件の調節に使用されてよい。
【0079】
図3に戻り、一部の実装形態では、ブロック342は、(i)第1の基板上及び第2の基板上に前駆体を吸収させるために、前駆体を投与し、(ii)前駆体を反応させて材料を形成させるために、第1の基板及び第2の基板をプラズマに暴露する、周期的繰り返しを含んでいてよい。このような周期的繰り返しは、本書で説明されるとともに例えば図8に図示されるALDプロセスであってよい。一部のこのような実装形態では、ブロック342について上述されたように、一定の数の周期的堆積後に、第1のウエハ上の材料の層の全厚さが、第2のウエハ上の材料層の全厚さよりも厚いかもしれない。したがって、ブロック344では、第1のステーションの中の1つ以上のサイクルの堆積条件に対して調節がなされてよい。一部の実装形態では、これらの調節は、ブロック342における条件下で第2のステーションの中の第2の基板に対する周期的繰り返しを続ける一方で、周期的繰り返しの最中に堆積される材料の厚さを低減させるために第1のステーションの中での前駆体投与及び/又はプラズマ暴露を停止させることを含んでいてよい。本書で使用される「低減させる」は、層の厚さが低減される若しくは減少することであってよい、又は層が厚さを有さないことであってよい、即ち、調節がなされるサイクルの最中に層が形成されないことであってよい。一部のその他の実装形態では、これらの調節は、ブロック342における条件下で第2のステーションの中の第2の基板に対する周期的繰り返しを続ける一方で、周期的繰り返しの最中に堆積される材料の厚さを低減させるために第1のステーションの中のプラズマ暴露の持続時間又はプラズマの電力を変更することを含んでいてよい。上記と同様に、この低減は、層の厚さを低減させることを含んでいてよい、又は調節がなされるサイクルの最中に層が形成されないことを含んでいてよい。
【0080】
一部の実装形態では、第1のウエハは、ブロック342及びブロック344の最中に第1のステーションから移動しない。したがって、堆積条件下で第2のステーションの中の堆積が継続される間、第1のウエハは、第1のステーションの中にとどまる。例えば、これらの実装形態は、「固定モード」と見なされてよい。
【0081】
ブロック346では、結果として得られる集積回路又はその他の製作デバイスの性能の目的ために、第1の基板上に堆積される材料の全厚さと第2の基板上に堆積される材料の全厚さとが実質的に等しくなるように、第1のステーションの中の第1の基板上及び第2のステーションの中の第2の基板上において堆積が完了されてよい。ブロック344における(1つ以上の)調節は、全堆積プロセスの終了時に、第2の基板上の材料層の厚さを第1の基板上の材料層の厚さと実質的に等しくするために、第1のウエハ上における堆積が停止、減速、又はそれ以外の形で変更される間に第2のステーションの中の第2の基板上における材料層の堆積を増加させることを可能にする。
【0082】
留意すべきは、堆積条件の調節が、堆積プロセスの開始時、途中、終了時、又は堆積プロセスの随所などの、技術の最中における任意の時点で起きてよいことである。例えば、第1の及び第2のステーションの中での500の並行堆積サイクルを含むALDプロセスでは、ブロック344における調節は、500サイクル全ての後のN堆積サイクルにおいて、第1のウエハ上では堆積が起きないが第2のステーションの中の第2のウエハ上ではNサイクルにわたって材料層の堆積が起きるように、500サイクル後になされてよい。
【0083】
図5は、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を作成するための第2の技術例を示したフローチャートである。本書で説明される第2の技術例は、ALDなどの又は図8に示されるような周期的堆積プロセスに使用されてよい。ブロック548は、上記のような図3のブロック340と同じであってよく、堆積装置の、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供する。図3について上述されたように、第2の技術例は、2つ以上のステーションを有し図1及び図2に関連して上述されたような装置を使用するマルチステーション型堆積装置に適用されてよい。ブロック550では、第1の基板及び第2の基板は、同時に(又は実質的に同時に)材料の前駆体に暴露される。このブロックは、ALDプロセスについての図8のブロック858などの、周期的堆積プロセスの「投与」段階であると見なされてよい。この暴露、即ち投与は、例えば互いの約±5%以内で同一であるなどのように、実質的に同じ持続時間にわたって実質的に同時に各ステーションに前駆体が流れ込むように、各ステーションの中で同時に起きる。図5には示されていないが、一部の実装形態では、ALDプロセスに関連して上述されるように、また、図8のブロック860に示されるように、ブロック550の後に且つブロック552の前にパージ工程が起きてよい。
【0084】
ブロック552では、第1のステーションの中の第1の基板上における前駆体の反応と第2のステーションの中の第2の基板上における前駆体の反応とが活性化される。この活性化は、一部の実装形態では反応物質ガスなどの反応物質との接触の際に熱的に実施され、その他の実装形態ではプラズマへの暴露によって実施される。ブロック550と同様に、各ステーションの中での活性化は、同時に又は実質的に同時に(例えば、互いの約±5%以内で)起きる。例えば、もし、活性化がプラズマによるならば、ブロック552における活性化は、各ステーションの中で実質的に同じ持続時間にわたって実質的に同時にプラズマを発生させることによって実施される。また、このような活性化の堆積条件は、各ステーションの中で実質的に等しくてよい。前駆体の反応の活性化は、少なくとも一部には、各基板上における材料層の形成を引き起こす。
【0085】
ブロック554は、ブロック550及び552をN1サイクルにわたって実施させる。N1サイクルの各サイクルでは、第1の基板上に、実質的に等しい厚さt1の薄い材料膜が堆積されてよく、第2の基板上に、実質的に等しい厚さt2の薄い材料膜が堆積されてよい。また、N1サイクルの実施は、第1の基板上に全堆積厚さT1の材料を形成し、また、第2の基板上に全堆積厚さT2Aの材料を形成してよい。一部の実装形態では、T1は、T2Aよりも大きく、これは、図3における第1の技術と同様である。
【0086】
ブロック556は、第2のステーションの中の第2の基板を前駆体に暴露し、第2のステーションの中の第2の基板上における前駆体の反応をN2サイクルにわたって活性化させることを含む。N2サイクルの各サイクルは、実質的に等しい厚さt2の薄い材料膜を第2の基板上に堆積させることを含んでいてよい。N2サイクルの各サイクルでは、第1の基板は、第1のステーションの中にとどまり、第1の基板上における材料層の堆積は、停止又は減速されてよい。N2サイクルの実施は、全堆積厚さT2Bを形成してよく、第2の基板上におけるN1サイクル及びN2サイクルの実施は、T2が実質的にT1に等しくなるように、全堆積厚さT2(例えば、T2A+T2B)を形成する。一部の実装形態では、T2Bは、実質的にt2に等しくてよく、これは、N2サイクルが一サイクルであるときに起こりえる。例えば、反応を活性化させるためにプラズマを用いるALDプロセスでは、ブロック556における各N2サイクルは、第2のステーションの中の第2の基板を前駆体に暴露し、第2の基板上における前駆体の反応を活性化させるために第2のステーションの中でプラズマを発生させ、それと同時に、第1の基板上では材料層の堆積が起き得ないように第1のステーションの中ではプラズマを発生させないことを含んでいてよい。一部の実装形態では、ブロック556は、第1のステーションの中の第1の基板を前駆体に暴露することを含んでいてよく、ただし、第1の基板上における前駆体の反応は活性化させない。
【0087】
図5は、図の最後にブロック556を含むが、ブロック556は、全堆積プロセスを通して任意の時点で実施されてよい。例えば、ブロック556は、ブロック550、552、及び554の前に実施されてよい。別の例では、ブロック556のN2サイクルが分けられて、N1サイクル全体を通して様々な時点で実施されてよい。例えば、500のN1サイクルと、100のN2サイクルとを伴う堆積プロセスの場合は、サイクルの順番は、100のN1サイクル、次いで50のN2サイクル、次いで200のN1サイクル、次いで50のN2サイクル、次いで200のN1サイクルであってよい。
【0088】
一部の実装形態では、本書で後述されるように、調節は、N2サイクルの各サイクルにおいて、第1の及び/又は第2のステーションの堆積条件に対してなされてよい。例えば、図5に示された、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を作成するための第2の技術例の一部の実装形態では、前駆体の反応の活性化は、プラズマによって実施されてよい。このような実装形態では、1つのステーションの中ではプラズマが形成され得る一方でそれと同時に別のステーションの中ではプラズマが形成され得ないように、各ステーションの中で独立に、例えば誘発及び制御されるなどのようにプラズマが提供されてよい。ブロック552では、活性化は、第1のプラズマ時間にわたって第1のプラズマ電力で各ステーションにプラズマを独立に提供することを含んでいてよい。第1のプラズマ時間、即ち、そのステーションの中でプラズマが形成される持続時間は、関わっている堆積プロセスに応じて異なってよいが、1秒以下であってよい。第1のプラズマ電力は、プラズマが発生する電力であってよく、各ステーションに供給されるRF電力及び/又はRF周波数に相関していてよい。
【0089】
ブロック556では、第2のステーションの中における前駆体の反応の活性化は、第2のステーションの中でプラズマを独立に誘発及び/又は制御することを含んでいてよい。それと同時に、プラズマは、第1のステーションには提供されなくてよい、又はプラズマは、第1の基板上における材料層の堆積を減速させるやり方で第1のステーションに提供されてよい。
【0090】
一部の実装形態では、ブロック556における活性化は、第1のプラズマ時間とは異なる第2のプラズマ時間にわたって第2のステーションの中にプラズマを提供することを含んでいてよい。図4を参照にして上述したように、各N2サイクルにおいてプラズマが形成される持続時間は、第2のウエハ上に堆積される材料層の厚さを、ブロック554の各N1サイクルにおいて堆積される材料層の厚さよりも薄く又は厚くするだろう。したがって、ブロック554の各N1サイクルにおいて堆積される等しい厚さt2の薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される等しい厚さt2の薄膜と比べて、例えば薄い又は厚いなどのように異なるだろう。サイクルによって及びステーションによって異なる2つの厚さの膜を形成する機能は、ステーション間で厚さを一致させる能力を強化する。
【0091】
一部の実装形態では、ブロック556における活性化は、第1のプラズマ電力とは異なる第2のプラズマ電力で第2のステーションの中にプラズマを提供することを含んでいてよい。上記と同様に、各N2サイクルにおける異なる電力レベルは、第2のウエハ上に堆積される材料層の厚さを、ブロック554の各N1サイクルにおいて堆積される材料層の厚さよりも薄く又は厚くするだろう。したがって、ブロック554の各N1サイクルにおいて堆積される等しい厚さt2の薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される等しい厚さt2の薄膜よりも厚い又は薄いだろう。
【0092】
一部の実装形態では、ブロック550における暴露は、第1の暴露時間にわたって第1のステーション及び第2のステーションに前駆体を流すことを含んでいてよい。また、ブロック556における暴露は、第2の暴露時間にわたって第2のステーションに前駆体を流すことを含んでいてよい。プラズマ電力及びプラズマ持続時間を異ならせる場合と同様、第2の基板を第2の暴露時間にわたって前駆体に暴露すると、各N2サイクルにおいて、各N1サイクルにおいて堆積される材料層の厚さよりも厚い又は薄い厚さを有する材料層の堆積を引き起こすだろう。例えば、第1の暴露時間は、前駆体の最大限の吸着を可能にする時間であってよく、第2の暴露時間は、第1の暴露時間よりも25%短くてよく、これは、第1の暴露時間の結果として堆積される層の厚さを、第2の暴露時間の結果として堆積される層の厚さよりも厚くするだろう。
【0093】
一部の実装形態では、ブロック550における暴露は、第1の分圧で第1のステーション及び第2のステーションに前駆体を流すことを含んでいてよい。また、ブロック556における暴露は、第2の分圧で第2のステーションに前駆体を流すことを含んでいてよい。プラズマ電力及びプラズマ持続時間を異ならせる場合と同様に、第2の基板を第2の分圧で前駆体に暴露すると、各N2サイクルにおいて、各N1サイクルにおいて堆積される材料層の厚さよりも厚い又は薄い厚さを有する材料層を堆積させるだろう。
【0094】
したがって、本書で論じられる、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で周期的堆積プロセスを使用して並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための第1の及び/又は第2の技術例の、許容できる実装形態は、第2の基板上に堆積される材料層の全厚さを、少なくとも、(i)N1サイクルの各サイクルにおいて堆積される薄膜の厚さt2と、N2サイクルの各サイクルにおいて堆積される薄膜の厚さt2とが実質的に等しくなるように、N1サイクルの堆積条件にしたがって、N2サイクルにわたって第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の追加の材料薄膜を堆積させ、並びに/又は(ii)N1サイクルの各サイクルにおいて堆積される薄膜の厚さt2が、N2サイクルの各サイクルにおいて堆積される薄膜の厚さt2と異なるように、例えば異なるプラズマ電力若しくは異なるプラズマ持続時間などの、N1サイクルの堆積条件とは異なる堆積条件にしたがって、N2サイクルにわたって第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の追加の材料薄膜を堆積させる、ことによって増加させてよい。
【0095】
本書で論じられる、マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための第1の及び/又は第2の技術例の、一部の実装形態では、堆積のためのマルチステーション型堆積装置の中のウエハ上に存在する物理的性質に関する並びに/又は第1の及び第2のステーションの中の相対的堆積速度に関する測定データなどの情報が、第2のステーションの中の光学的調節又は堆積条件に対する調節を決定するために、解析及び/又は使用されてよい。一部のこのような実装形態では、例えば、このような測定情報は、「フィードフォワード」測定情報であってよく、一部のその他のこのような実装形態では、例えば、このような情報は、「フィードバック」測定情報であってよく、一部の実装形態では、このような測定情報は、「フィードフォワード」測定情報及び「フィードバック」測定情報の両方を含む。
【0096】
「フィードフォワード」測定情報を使用する一部の実装形態では、堆積のためのマルチステーション型堆積装置の中のウエハ上に存在する物理的性質に関する並びに/又は第1の及び第2のステーションの中の相対的堆積速度に関する測定データなどの情報が、ウエハ上において堆積が起きるまでに得られてよく及び/又は知られてよく、ウエハ上において堆積が起きるまでとしては、ウエハが堆積のためにマルチステーション型堆積装置の中に置かれる前、又はウエハがマルチステーション型堆積装置の中に置かれた後であるが堆積が起きる前などが挙げられる。例えば、「フィードフォワード」測定情報は、計測機器によって例えばin-situで又はインラインで(その段階の前若しくは後に)得られる各ウエハの測定データであってよく、これは、ウエハがマルチステーション型堆積装置の中に置かれる前及び/又は後に得られてよい。この「フィードフォワード」測定情報は、N2堆積サイクルの各サイクルのための適切な調節を決定するための制御ロジックを含むマルチステーション型堆積装置コントローラに直接送信されてよい。「フィードフォワード」測定情報は、ユーザインターフェースを通してコントローラに入力するなどのように、適切な調節を次いでマルチステーション型堆積装置に入力するだろうユーザに提供されてもよい。このような調節は、プラズマ電力、プラズマ持続時間、及びN2サイクルの回数を含む、本書で論じられる調節であってよい。
【0097】
例えば、ウエハは、先行するエッチングプロセスなどのその他の何らかの方式で処理された後に、マルチステーション型堆積装置に入れられてよい。このような例では、先行するエッチングプロセスからの、マルチステーション型堆積装置に入れられてそこで処理されるウエハの物理的特性に関する既知のデータ(例えば、in-situで、インラインで、又は上述された先行する測定から得られた測定データ)が、材料を適切に堆積させるための最適な堆積条件と、そうして第2のステーションの中のウエハ上の個々の特徴に一致させるための最適な堆積条件とを決定するためにフィードフォワードされてよい。図6は、フィードフォワード情報を使用した実装形態の一例を示した表である。この実装形態の例は、ステーション1~4と、これらのステーション1~4の中にそれぞれ置かれたウエハ1~4とを伴うマルチステーション型堆積装置についての例である。4つのウエハは、事前にエッチングされており、したがって、各ウエハについて、限界寸法(「CD」)が、即ち、エッチングプロセスによって形成されて得られた各ギャップ間の距離が、堆積プロセスに先立って既知であり、各ウエハについての、入ってきたときの堆積前CDは、表からわかるように、様々である。ここでは、最終的なCDがエッチング直後のCD未満になるように、ALDプロセスが、エッチングされたギャップ内へ材料を堆積させるために所望される。しかしながら、エッチングプロセス後のCDのばらつきゆえに、均一なALD堆積は、ALD堆積後にばらつきを残すおそれがある。例えば、ウエハ1、2、3、及び4への100Åの均一な堆積は、220Å、222Å、224Å、及び226Åの出力CDを生じるだろう。
【0098】
「フィードフォワード」測定情報を用いることによって、4つのステーションのうちの1つ以上のステーションの中の堆積条件は、最終CDを所望のCDである220Åにするように各ステーションが層を堆積させるように調節されてよい。図6では、例えば、ステーション2の中の堆積条件が、ウエハ2上に堆積される最終的な厚さが101Åであるように調節されてよい。このような調節は、例えば、ウエハ2上に全厚さ101Åの層が堆積されるような追加のサイクル又は異なるプラズマ電力のサイクルであってよい。図6からわかるように、4つ全てのウエハに対し、各最終CDが所望の220Åであるように同様の調節がなされてよい。
【0099】
「フィードバック」測定情報を使用した一部の実装形態では、堆積のためのマルチステーション型堆積装置の中のウエハ上に存在する物理的性質に関する並びに/又は第1及び第2のステーションの中の相対的堆積速度に関する測定データなどの情報が、ウエハ上に少なくとも何らかの堆積が起きている最中及び/又はその後に得られてよい及び/又は知られてよい。このような実装形態では、マルチステーション型堆積装置は、このような情報を得るように構成され、これは、本書で説明されたようなin-situ計測機器の使用を含んでいてよい。例えば、この「フィードバック」情報は、図3のブロック342の第1の技術の、第1のステーションの中の第1の基板上と第2のステーションの中の第2の基板上とにおける並行した堆積の最中及び/又は後に得られてよい。また、このブロック342の最中は、本書で論じられるように、堆積条件をどのように調節するかを決定するために、第1の及び第2のステーションの中の相対的堆積速度に関する「フィードバック」測定情報が得られて解析されて使用されてよい。上記と同様に、この「フィードバック」測定情報は、それを解析して堆積条件への又はユーザへの適切な調節を決定するための制御ロジックを含むマルチステーション型堆積装置コントローラに直接送信されてよい。
【0100】
本開示の一部の実装形態は、マルチステーション型堆積装置を含む。このような装置は、図1及び図2に関してなどしてこれまでに説明された装置のパーツの一部又は全部を含んでいてよい。一部のこのような実施形態では、マルチステーション型装置は、真空システム(図1の真空ポンプ118を含んでいてよい)と、前駆体配送システム(例えば、ガス配送システム101と同様に構成されてよい)と、少なくとも2つのステーションを含み各ステーションが真空システム及び前駆体システムを共有し得る(プロセスチャンバ102と同様な)処理チャンバとを含んでいてよい。装置は、また、図2のコントローラ250に関して上述されたコントローラなどの、マルチステーション型堆積装置を制御するためのコントローラも含んでいてよい。
【0101】
一部の実施形態では、コントローラは、別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を堆積させるためにマルチステーション型堆積装置を制御してよく、コントローラは、図3及び図5に関して本書で説明された技術の少なくとも一部を実現するための制御ロジックを含んでいてよい。例えば、コントローラは、(a)堆積装置の、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、(b)第1のステーションの中の第1の基板上及び第2のステーションの中の第2の基板上に並行して材料を堆積させ、第1のステーションの中の堆積条件と第2のステーションの中の堆積条件とは、実質的に同じであり、けれども、第2のステーションの中の第2の基板上よりも厚い材料の層を第1のステーションの中の第1の基板上に形成し、(c)(b)における条件下で第2のステーションの中の第2の基板上に材料を堆積させ続ける一方で、第2の基板上における材料の堆積を減速又は停止させるために第1のステーションの中の堆積条件を調節し、(d)第1の基板上に堆積される材料の全厚さと第2の基板上に堆積される材料の全厚さとが実質的に等しくなるように、第1のステーションの中の第1の基板上における堆積及び第2のステーションの中の第2の基板上における堆積を完了させる、ための制御ロジックを含んでいてよい。
【0102】
一部の実施形態では、装置の各ステーションは、そのステーションの中の基板上へ材料の前駆体を分布させるための(シャワーヘッド106などの)シャワーヘッドを含んでいてよく、前駆体配送システムは、各ステーションへの材料の前駆体の配送を制御するように構成される。一部のこのような実施形態では、コントローラは、更に、各ステーションへの前駆体配送を独立に制御するための制御ロジックを含んでいてよく、上記の(c)において堆積条件を調節することは、第1のステーションへの前駆体の流れを低減又は停止させることを含んでいてよい。
【0103】
一部の実施形態では、装置は、(図1及び図2に関して説明されたような)各ステーションの中でプラズマを独立に形成及び維持するように構成されたプラズマ源を含んでいてよい。一部のこのような実施形態では、コントローラは、更に、各ステーションの中でプラズマを独立に形成及び維持するための制御ロジックを含んでいてよく、(b)における堆積条件は、第1の基板及び第2の基板にプラズマに暴露することを含んでいてよい。一部のこのような実施形態では、コントローラは、更に、各ステーションの中のプラズマ電力レベルを独立に制御するための制御ロジックを含んでいてよく、(c)において堆積条件を調節することは、プラズマへの第1の基板の暴露を低減又は停止させることを含んでいてよい。一部のその他のこのような実施形態では、コントローラは、各ステーションの中のプラズマ時間を独立に制御するための制御ロジックも含んでいてよく、(c)において堆積条件を調節することは、プラズマへの第1の基板の暴露を低減又は停止させることを含む。
【0104】
本発明者らは、図7に示されるように、マルチステーション型堆積装置の中のステーション間の厚さ一致を向上させるために、本書で開示される技術及び装置を用いた。図7は、2つの異なる堆積プロセスについて、4ステーション型堆積装置において測定された厚さを示したグラフである。これは、これまでに論じられた装置と同様であってよい。y軸は、オングストローム(Å)を単位とした厚さを表しており、x軸は、4つのステーションの各ステーションの中の処理済みウエハを示している。各丸は、各丸の上方又は下方に示されたサイクル数を実施した後に堆積されたウエハ全厚さを表している。第1の堆積プロセスの場合は、そのデータが一点鎖線で示されており、発明者らは、4つのステーションの各ステーションの中で並行して579サイクルにわたって周期的堆積プロセスを実施し、これは、各基板上に材料層を堆積させ、各基板上の全厚さは、その他の基板の全厚さに一致しなかった。グラフからわかるように、ステーション1の中のウエハ上の材料の全厚さは、おおよそ787Åであり、ステーション2の中のウエハ上の材料の全厚さは、788Åを僅かに上回り、ステーション3の中のウエハ上の材料の全厚さは、791Åと792Åとの間であり、ステーション4の中のウエハ上の材料の全厚さは、おおよそ787Åである。これは、おおよそ4.6Åの総偏差である。
【0105】
第2の堆積プロセスの場合は、そのデータが実線で示されており、発明者らは、より一貫性のある厚さ一致をステーション間で実現するために、本書で開示された技術及び装置を使用して周期的堆積プロセスを実施した。ここでは、発明者らは、4つ全てのステーションの中で579サイクルにわたって並行した周期的堆積を実施することから開始した。ただし、4つ全てのウエハが各ステーションの中にそれぞれとどまっている間に、発明者らは、おおよそ791Åの厚さを各ステーションの中で実現するために、その他のステーションの中のウエハに対して、追加で独立の堆積サイクルを実施した。グラフからわかるように、ステーション1は、4つの追加堆積サイクルを施され、合計583のサイクル数及びおおよそ791Åの厚さになり、ステーション2は、2つの追加サイクルを施され、合計581のサイクル数及びおおよそ791Åの厚さになり、ステーション3は、追加サイクルを施されず、おおよそ791Åの厚さであり、ステーション4は、3つの追加サイクルを施され、合計582のサイクル数及びおおよそ791Åの厚さになった。
【0106】
このような追加堆積サイクルを実施して、コスト及び材料利用を最小限に抑えつつスループットを最大にするために、発明者らは、4つ全てのステーションの中で最初の579サイクルを実施した後、ステーション3の中のウエハがそのステーションの中にとどまりその中で追加堆積サイクルを施されない間に、ステーション1、2、及び4の中で並行して2つの追加堆積サイクルを実施し、それによって、これらのステーションの各ステーションの中でのサイクル数をそれぞれ合計581にした。その後、ステーション2及び3の中のウエハがそのそれぞれのステーションの中にとどまりその中で追加堆積サイクルを施されない間に、ステーション1及び4の中で1つの追加堆積サイクルが並行して実施され、それによって、これらのステーションの各ステーションの中でのサイクル数が合計582になった。最後に、ステーション2、3、及び4の中のウエハがそのそれぞれのステーションの中にとどまりその中で追加堆積サイクルを施されない間に、ステーション1の中で1つの追加堆積サイクルが並行して実施され、そうして、そのステーションの中でのサイクル数が合計583になった。なお、留意すべきは、図7のいずれの堆積サイクルでも、各堆積サイクルのために同じ堆積条件が使用されたことである。図6におけるステーション間の厚さのばらつきは、第1のデータセットにおけるおおよそ4.6Åから、第2のセットにおけるおおよそ0.4Åに低減され、これは、おおよそ10分の1への減少である。上記のように、その他の実施形態では、各ステーションにおけるこれらの追加サイクルは、プロセスの開始時などの、堆積プロセス全体を通した任意の時点で実施されてよい。
【0107】
本開示の文脈によって別途明確に要求されない限り、「comprises(を含む)」、「comprising(を含む)」などの用語は、説明及び特許請求の範囲の全体を通して、排他的な又は排外的な意味ではなく両立的な意味、即ち、「を含むが限定はされない」という意味だと見なされる。単数形又は複数形を使用している用語も、それぞれ複数又は単数も含むのが一般的である。「or(又は)」という用語が、2つ以上の項目の列挙に言及して使用されるときは、その用語は、列挙されたうちの任意の項目、列挙された全ての項目、又は列挙されたうちの複数の項目の任意の組み合わせの、全ての解釈を範囲に含む。「実装形態」という用語は、本書で説明される技術及び方法の実装形態はもちろんのこと、本書で説明される構造を具現化した並びに/又は本書で説明される技術及び/若しくは方法を取り入れた物理的対象も指している。本開示は、以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を堆積させる方法であって、
(a)前記マルチステーション型堆積装置において、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、
(b)前記第1のステーションの中の前記第1の基板上と前記第2のステーションの中の前記第2の基板上とに並行して前記材料を堆積させ、前記第1のステーションの中の堆積条件と前記第2のステーションの中の堆積条件とは、実質的に同じであり、前記第2のステーションの中の前記第2の基板上の層よりも厚い層を前記第1のステーションの中の前記第1の基板上に形成し、
(c)前記(b)における前記条件下で前記第2のステーションの中の前記第2の基板上に前記材料を堆積させ続ける一方で、前記第1の基板上における前記材料の堆積を減速又は停止させるために前記第1のステーションの中の前記堆積条件を調節し、
(d)前記第1の基板上に堆積される前記材料の全厚さと前記第2の基板上に堆積される前記材料の全厚さとが実質的に等しくなるように、前記第1のステーションの中の前記第1の基板上における堆積と前記第2のステーションの中の前記第2の基板上における堆積とを完了させる、
ことを備える方法。
[形態2]
形態1に記載の方法であって、
前記堆積条件は、前記第1の基板と前記第2の基板とを前記材料の前駆体に暴露することを含む、方法。
[形態3]
形態2に記載の方法であって、
前記堆積条件を調節することは、前記第1のステーションへの前記前駆体の流れを低減又は停止させることを含む、方法。
[形態4]
形態1に記載の方法であって、
前記堆積条件は、前記第1の基板と前記第2の基板とをプラズマに暴露することを含む、方法。
[形態5]
形態4に記載の方法であって、
前記堆積条件を調節することは、前記プラズマへの前記第1の基板の前記暴露を低減又は停止させることを含む、方法。
[形態6]
形態1に記載の方法であって、
前記(b)は、(i)前記第1の基板上と前記第2の基板上とに前駆体を吸収させるために、前駆体を投与し、(ii)前記前駆体の反応を引き起こして前記材料を形成させるために、前記第1の基板と前記第2の基板とをプラズマに暴露する、周期的繰り返しを含む、方法。
[形態7]
形態6に記載の方法であって、
前記(c)は、前記(b)における前記条件下で前記第2のステーションの中の前記第2の基板に対する前記周期的繰り返しを続ける一方で、前記第1のステーションの中の前記前駆体の投与及び/又は前記プラズマへの暴露を停止させることによって、前記周期的繰り返しの最中に堆積される前記材料の厚さを低減させることを含む、方法。
[形態8]
形態6に記載の方法であって、
前記(c)は、前記(b)における前記条件下で前記第2のステーションの中の前記第2の基板に対する前記周期的繰り返しを続ける一方で、前記第1のステーションの中の前記プラズマの持続時間又は電力を調節することによって、前記周期的繰り返しの最中に堆積される前記材料の厚さを低減させることを含む、方法。
[形態9]
形態1から形態8までのいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の基板は、前記(b)及び前記(c)の最中に前記第1のステーションから移動しない、方法。
[形態10]
形態1から形態8までのいずれか一項に記載の方法であって、更に、
前記(b)の前又は前記(b)の最中に、前記第1のステーションと前記第2のステーションとにおける相対的堆積速度に関する測定情報を解析し、前記測定情報を、前記(c)においてどのように前記堆積条件を調節するかを決定するために使用することを備える方法。
[形態11]
形態10に記載の方法であって、
前記測定情報は、前記(b)の最中に得られる、方法。
[形態12]
形態1から形態8までのいずれか一項に記載の方法であって、更に、
前記(b)の前又は前記(b)の最中に、前記第1の基板及び前記第2の基板の物理的特性に関する測定情報を解析し、前記測定情報を、前記(c)においてどのように前記堆積条件を調節するかを決定するために使用することを備える方法。
[形態13]
マルチステーション型堆積装置の別々のステーションの中で同時並行的に処理される少なくとも2つの基板上におおよそ等しい厚さの材料を形成するための半導体堆積の方法であって、
(a)前記マルチステーション型堆積装置の、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、
(b)前記第1のステーションの中の前記第1の基板と前記第2のステーションの中の前記第2の基板とを同時に前記材料の前駆体に暴露し、
(c)前記第1のステーションの中の前記第1の基板上における前記前駆体の反応と、前記第2のステーションの中の前記第2の基板上における前記前駆体の反応とを同時に活性化させ、
(d)前記(b)と前記(c)とをN1サイクルにわたって実施し、
前記N1サイクルの各サイクルは、前記第1の基板上に実質的に等しい厚さt1の前記材料の薄膜を堆積させることと、前記第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の前記材料の薄膜を堆積させることと、を含み、
前記N1サイクルの実施が、前記第1の基板上に全堆積厚さT1の前記材料を形成し、また、前記第2の基板上に全堆積厚さT2Aの前記材料を形成し、前記全堆積厚さT1は、前記全堆積厚さT2Aよりも大きく、
(e)前記第2のステーションの中の前記第2の基板を前記前駆体に暴露し、前記第2のステーションの中の前記第2の基板上における前記前駆体の反応をN2サイクルにわたって活性化させ、
前記N2サイクルの各サイクルは、前記第2の基板上に実質的に等しい厚さt2の前記材料の薄膜を堆積させることを含み、
前記N2サイクルの各サイクルは、前記第1のステーションの中に前記第1の基板が残っている状態で、前記第1の基板上における前記材料の層の前記堆積を減速又は停止させることを含み、
前記N1サイクル及び前記N2サイクルの実施が、前記全堆積厚さT1に実質的に等しい全堆積厚さT2の前記材料を前記第2の基板上に形成する、
ことを備える方法。
[形態14]
形態13に記載の方法であって、
前記(c)において活性化させることは、各ステーションの中に第1のプラズマ時間にわたって第1のプラズマ電力でプラズマを独立に提供することを含み、
前記(e)において活性化させることは、前記第2のステーションの中にプラズマを独立に提供することを含む、方法。
[形態15]
形態14に記載の方法であって、
前記(e)において活性化させることは、前記第2のステーションの中に前記第1のプラズマ時間とは異なる第2のプラズマ時間にわたってプラズマを独立に提供することを含み、
各N1サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の前記薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の前記薄膜とは異なる、方法。
[形態16]
形態14に記載の方法であって、
前記(e)において活性化させることは、前記第2のステーションの中に前記第1のプラズマ電力とは異なる第2のプラズマ電力でプラズマを独立に提供することを含み、
各N1サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の前記薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の前記薄膜とは異なる、方法。
[形態17]
形態13から形態16までのいずれか一項に記載の方法であって、
前記(c)において暴露することは、前記第1のステーションと第2のステーションとに第1の暴露時間にわたって前記前駆体を流すことを含み、
前記(e)において暴露することは、前記第2のステーションに第2の暴露時間にわたって前記前駆体を流すことを含み、
各N1サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の前記薄膜は、各N2サイクルにおいて堆積される実質的に等しい厚さt2の前記薄膜とは異なる、方法。
[形態18]
マルチステーション型堆積装置であって、
真空システムと、
ガス配送システムと、
少なくとも2つのステーションを含む処理チャンバであって、各ステーションは、前記真空システム及び前記ガス配送システムを共有する、処理チャンバと、
別々のステーションの中で並行して処理される少なくとも2つの基板上に実質的に等しい厚さの材料を堆積させるために前記マルチステーション型堆積装置を制御するためのコントローラであって、
(a)前記マルチステーション型堆積装置において、第1のステーションの中に第1の基板を提供し、また、第2のステーションの中に第2の基板を提供し、
(b)前記第1のステーションの中の前記第1の基板上と前記第2のステーションの中の前記第2の基板上とに並行して前記材料を堆積させ、前記第1のステーションの中の堆積条件と前記第2のステーションの中の堆積条件とは、実質的に同じであり、前記第2のステーションの中の前記第2の基板上の前記材料の層よりも厚い前記材料の層を前記第1のステーションの中の前記第1の基板上に形成し、
(c)前記(b)における条件下で前記第2のステーションの中の前記第2の基板上に前記材料を堆積させ続ける一方で、前記第1の基板上における前記材料の堆積を減速又は停止させるために前記第1のステーションの中の前記堆積条件を調節し、
(d)前記第1の基板上に堆積される前記材料の全厚さと前記第2の基板上に堆積される前記材料の全厚さとが実質的に等しくなるように、前記第1のステーションの中の前記第1の基板上における堆積と、前記第2のステーションの中の前記第2の基板上における堆積と、を完了させる、
ための制御ロジックを含むコントローラと、
を備えるマルチステーション型堆積装置。
[形態19]
形態18に記載のマルチステーション型堆積装置であって、
各ステーションは、該ステーションの中の前記基板上に前記材料の前駆体を分布させるためのシャワーヘッドを含み、
前記ガス配送システムは、各ステーションへの前記材料の前記前駆体の配送を制御するように構成される、マルチステーション型堆積装置。
[形態20]
形態19に記載のマルチステーション型堆積装置であって、
前記コントローラは、更に、各ステーションへの前駆体配送を独立に制御するための制御ロジックを含み、
前記(c)において前記堆積条件を調節することは、前記第1のステーションへの前記前駆体の流れを低減又は停止させすることを含む、マルチステーション型堆積装置。
[形態21]
形態18から形態20までのいずれか一項に記載のマルチステーション型堆積装置であって、更に、
各ステーションの中でプラズマを独立に形成及び維持するように構成されたプラズマ源を備え、
前記コントローラは、更に、各ステーションの中でプラズマを独立に形成及び維持するための制御ロジックを含み、
前記(b)における前記堆積条件は、前記第1の基板と前記第2の基板とをプラズマに暴露することを含む、マルチステーション型堆積装置。
[形態22]
形態21に記載のマルチステーション型堆積装置であって、
前記コントローラは、更に、各ステーションの中のプラズマ電力レベルを独立に制御するための制御ロジックを含み、
前記(c)において前記堆積条件を調節することは、前記プラズマへの前記第1の基板の前記暴露を低減又は停止させることを含む、マルチステーション型堆積装置。
[形態23]
形態21に記載のマルチステーション型堆積装置であって、
前記コントローラは、更に、各ステーションの中のプラズマ時間を独立に制御するための制御ロジックを含み、
前記(c)において前記堆積条件を調節することは、前記プラズマへの前記第1の基板の前記暴露を低減又は停止させることを含む、マルチステーション型堆積装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8