(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/792 20140101AFI20240819BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240819BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20240819BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240819BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/35
A63F13/75
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2023156227
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2019068330の分割
【原出願日】2019-03-29
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 正
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-002770(JP,A)
【文献】特開2018-171432(JP,A)
【文献】特開2018-166680(JP,A)
【文献】特開2020-160763(JP,A)
【文献】Pokemon Go News: Niantic Deducts Coins From Refund Exploiters,iTECHPOST [online],2016年10月14日,https://www.itechpost.com/articles/40746/20161014/pokemon-go-news-niantic-deducts-coins-from-refund-exploiters.htm,[2023年6月5日検索]
【文献】パズドラの魔法石がストアに問題があり買えない時の対処方法,パズドラ裏ワザ&攻略LABO [online],2015年01月08日,[2024年7月22日検索],<http://eldred.cc/archives/269>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するゲームシステムであって、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、
前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、
前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部とを含み、
前記減少部は、
前記ゲーム内通貨の購入に関する決済処理又は前記ゲーム内通貨を増加させるための処理を正常に行えない状態にあるときに、前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合のみ、当該残高を0未満の値に変更することを特徴するゲームシステム。
【請求項2】
ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するゲームシステムであって、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、
前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、
前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部とを含み、
前記減少部は、
前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、当該残高を0未満の値に変更し、
ユーザの前記残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザに対して所与の制限を与える制限部を更に含み、
前記制限部は、
前記ゲーム内通貨の払い戻しに伴う返金により前記残高が0未満の値になった場合のみ、ユーザに対して前記制限を与え、又は、前記ゲーム内通貨の払い戻しに伴う返金により前記残高が0未満の値になった場合と前記ゲームの実行或いは前記ゲーム内アイテムの購入により前記残高が0未満の値になった場合とで、ユーザに与える前記制限の種類を変えることを特徴するゲームシステム。
【請求項3】
請求項2において、
前記制限部は、
ユーザの過去のゲーム利用歴に基づく信頼度が高いほど、当該ユーザに与える前記制限を緩和することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記制限部は、
ユーザによる前記ゲーム内通貨の消費に関する制限を与えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記制限部は、
ゲーム進行上不利になる制限を与えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項において、
前記制限部は、
ユーザの前記残高が0以上の値になるまで当該ユーザに対して前記制限を与えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1項において、
前記制限部は、
ユーザの前記残高が0未満の値になった後、所定期間が経過した後に当該残高が0以上の値になっていない場合に、当該ユーザに対して前記制限を与えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、
前記管理部は、
0未満の値になった前記残高を、他のゲームで管理される前記残高として引き継ぐことを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項2乃至7のいずれか1項に従属する請求項8において、
前記管理部は、
ユーザに与える前記制限を、前記他のゲームにおいて当該ユーザに与える前記制限として引き継ぐことを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項8又は9において、
前記管理部は、
所与の条件が満たされた場合に、前記残高の引き継ぎを行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項において、
前記増加部は、
ユーザが指定した増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、当該増加量に対応する金額の決済要求を課金サーバに送信し、当該決済要求に応じて課金サーバにおいて当該金額が決済された場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項において、
前記管理部は、
前記残高を、0以上の値の第1パラメータと0以下の値の第2パラメータとの合算値で管理し、
前記増加部は、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記第1パラメータを当該増加量だけ増加させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項12において、
前記第1パラメータと前記第2パラメータとを区別してユーザの端末の表示部に表示させる表示制御部を更に含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項において、
前記管理部は、
ユーザの過去のゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、前記信頼条件を満たすユーザの前記残高を0未満の値に変更可能にし、前記信頼条件を満たさないユーザの前記残高を0未満の値に変更不能にすることを特徴とするゲームシステム。
【請求項15】
ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するためのプログラムであって、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、
前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、
前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部としてコンピュータを機能させ、
前記減少部は、
前記ゲーム内通貨の購入に関する決済処理又は前記ゲーム内通貨を増加させるための処理を正常に行えない状態にあるときに、前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合のみ、当該残高を0未満の値に変更することを特徴するプログラム。
【請求項16】
ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するためのプログラムであって、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、
前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、
前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部としてコンピュータを機能させ、
前記減少部は、
前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、当該残高を0未満の値に変更し、
ユーザの前記残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザに対して所与の制限を与える制限部として更にコンピュータを機能させ、
前記制限部は、
前記ゲーム内通貨の払い戻しに伴う返金により前記残高が0未満の値になった場合のみ、ユーザに対して前記制限を与え、又は、前記ゲーム内通貨の払い戻しに伴う返金により前記残高が0未満の値になった場合と前記ゲームの実行或いは前記ゲーム内アイテムの購入により前記残高が0未満の値になった場合とで、ユーザに与える前記制限の種類を変えることを特徴するプログラム。
【請求項17】
ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するサーバが、端末からの要求に応じてゲームサービスを提供するゲームサービス提供方法であって、
前記サーバが、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、
前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、
前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部とを含み、且つ、
前記減少部が、
前記ゲーム内通貨の購入に関する決済処理又は前記ゲーム内通貨を増加させるための処理を正常に行えない状態にあるときに、前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合のみ、当該残高を0未満の値に変更する場合において、
前記端末が前記増加要求と前記減少要求をサーバに送信することを特徴するゲームサービス提供方法。
【請求項18】
ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するサーバが、端末からの要求に応じてゲームサービスを提供するゲームサービス提供方法であって、
前記サーバが、
前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、
前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、
前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部とを含み、
前記減少部が、
前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、当該残高を0未満の値に変更し、
前記サーバが、ユーザの前記残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザに対して所与の制限を与える制限部を更に含み、且つ、
前記制限部が、
前記ゲーム内通貨の払い戻しに伴う返金により前記残高が0未満の値になった場合のみ、ユーザに対して前記制限を与え、又は、前記ゲーム内通貨の払い戻しに伴う返金により前記残高が0未満の値になった場合と前記ゲームの実行或いは前記ゲーム内アイテムの購入により前記残高が0未満の値になった場合とで、ユーザに与える前記制限の種類を変える場合において、
前記端末が前記増加要求と前記減少要求をサーバに送信することを特徴するゲームサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが保有しているゲーム内通貨の残高を管理し、ユーザがゲーム内通貨を消費することで、ゲーム自体をプレイしたり、ゲーム内アイテムを入手したりできるゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のゲームシステムでは、ユーザが保有するゲーム内通貨の残高を0以上の値で管理していた。すなわち、ユーザが保有するゲーム内通貨の残高が十分に残っているか否かで、ユーザがゲームをプレイ可能か否か、ゲーム内アイテムを入手可能か否かが決まっていた。このため、ユーザは柔軟にゲーム内通貨を利用したサービスを受けることができなかったし、サービス提供者にとっても柔軟にゲーム内通貨を利用したサービスをユーザに提供することができなかった。例えば、ユーザがゲームをプレイしたい気持ちになった時にゲーム内通貨の残高が不足していると、ユーザはゲームをプレイする前に、ゲーム内通貨を補充して残高を増やす必要がある。このゲーム内通貨を補充するという行為に対してユーザが煩わしさを感じてしまうと、ユーザのゲームのプレイに対する意欲が低下してしまう可能性があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、柔軟にゲーム内通貨を利用したサービスを実現することが可能なゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費されるゲーム内通貨の残高をユーザの識別情報に関連付けて管理するゲームシステムであって、前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させる増加部と、前記ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、前記残高を当該減少量だけ減少させる減少部と、前記増加部及び前記減少部によって変更された前記残高を0以上の値から0未満の値までの範囲で前記ユーザの識別情報に関連付けて管理する管理部とを含み、前記減少部は、前記残高よりも多い前記減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、当該残高を0未満の値に変更することを特徴するゲームシステムに関する。
【0007】
本発明によれば、ゲーム内通貨の残高が0以上の値から0未満の値までの範囲で管理され、残高よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、残高が0未満の値に変更されるため、ゲーム内通貨の残高が不足していてもゲームのプレイやゲーム内アイテムの入手が可能となり、柔軟にゲーム内通貨を利用したサービスを実現することができる。
【0008】
(2)また本発明に係るゲームシステムでは、前記増加部は、ユーザが指定した増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、当該増加量に対応する金額の決済要求を課金サー
バに送信し、当該決済要求に応じて課金サーバにおいて当該金額が決済された場合に、前記残高を当該増加量だけ増加させてもよい。
【0009】
本発明によれば、ユーザが購入したゲーム内通貨を柔軟に利用したサービスを実現することができる。
【0010】
(3)また本発明に係るゲームシステムでは、前記管理部は、前記残高を、0以上の値の第1パラメータと0以下の値の第2パラメータとの合算値で管理し、前記増加部は、前記ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、前記第1パラメータを当該増加量だけ増加させてもよい。
【0011】
本発明によれば、ユーザが増加量を指定して増加要求を行ったときに、ゲーム内通貨の残高が0未満の値であったとしても、第1パラメータが当該増加量だけ増加するため、ユーザは、ゲーム内通貨の残高が指定した増加量だけ増加したことを容易に認識することができる。
【0012】
(4)また本発明に係るゲームシステムでは、前記第1パラメータと前記第2パラメータとを区別してユーザの端末の表示部に表示させる表示制御部を更に含んでもよい。
【0013】
本発明によれば、第1パラメータと第2パラメータとを区別して表示させることで、ユーザは、ゲーム内通貨の残高が指定した増加量だけ増加したことを容易に認識することができる。
【0014】
(5)また本発明に係るゲームシステムでは、前記管理部は、ユーザの過去のゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、前記信頼条件を満たすユーザの前記残高を0未満の値に変更可能にし、前記信頼条件を満たさないユーザの前記残高を0未満の値に変更不能にしてもよい。
【0015】
本発明によれば、信頼条件を満たすユーザに対して、柔軟にゲーム内通貨を利用したサービスを提供することができる。
【0016】
(6)また本発明に係るゲームシステムでは、ユーザに対して所与の制限を与える制限部を更に含み、前記制限部は、ユーザの過去のゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、前記信頼条件を満たすユーザに与える前記制限を緩和してもよい。
【0017】
(7)また本発明に係るゲームシステムでは、ユーザの前記残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザに対して所与の制限を与える制限部を更に含んでもよい。
【0018】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0019】
(8)また本発明に係るゲームシステムでは、前記制限部は、ユーザの過去のゲーム利用歴に基づく信頼度が高いほど、当該ユーザに与える前記制限を緩和してもよい。
【0020】
本発明によれば、信頼度の低いユーザに対して、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることを促すことができる。
【0021】
(9)また本発明に係るゲームシステムでは、前記制限部は、ユーザによる前記ゲーム内通貨の消費に関する制限を与えてもよい。
【0022】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0023】
(10)また本発明に係るゲームシステムでは、前記制限部は、ゲーム進行上不利になる制限を与えてもよい。
【0024】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0025】
(11)また本発明に係るゲームシステムでは、前記ゲーム内通貨には、有償のゲーム内通貨と、無償のゲーム内通貨があり、前記制限部は、ユーザに与える前記制限として、当該ユーザに対する前記無償のゲーム内通貨の付与を停止してもよい。
【0026】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0027】
(12)また本発明に係るゲームシステムでは、前記制限部は、ユーザの前記残高が0以上の値になるまで当該ユーザに対して前記制限を与えてもよい。
【0028】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0029】
(13)また本発明に係るゲームシステムでは、前記制限部は、ユーザの前記残高が0未満の値になった後、所定期間が経過した後に当該残高が0以上の値になっていない場合に、当該ユーザに対して前記制限を与えてもよい。
【0030】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0031】
(14)また本発明に係るゲームシステムでは、前記管理部は、0未満の値になった前記残高を、他のゲームで管理される前記残高として引き継いでもよい。
【0032】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0033】
(15)また本発明に係るゲームシステムでは、前記管理部は、ユーザに与える前記制限を、前記他のゲームにおいて当該ユーザに与える前記制限として引き継いでもよい。
【0034】
本発明によれば、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【0035】
(16)また本発明に係るゲームシステムでは、前記管理部は、所与の条件が満たされた場合に、前記残高の引き継ぎを行ってもよい。
【0036】
本発明によれば、所与の条件下で、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】本実施形態のゲームサーバの機能ブロック図の一例を示す図。
【
図3】本実施形態の端末の機能ブロック図の一例を示す図。
【
図4】ゲーム内通貨の残高を管理するためのテーブル情報の一例を示す図。
【
図5】本実施形態のゲームシステムの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0039】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とゲームサーバ20(サーバシステム)と課金サーバ30によって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、ゲームサービスを提供するゲームサーバ20と、課金額の決済を行う課金サーバ30と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0040】
ゲームサーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。ゲームサーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。課金サーバ30は、ゲームサーバ20からの要求に応じて決済サービスを提供する情報処理装置である。なお、課金サーバ30は、クレジットカード会社や他の決済系サーバと通信するものであってもよい。
【0041】
本実施形態では、端末10においてゲームプログラムが実行され、ゲームサーバ20では、ユーザのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム内アイテム(キャラクタ(仮想的なカード)、アイテムなどのゲーム媒体)やゲーム内通貨(ゲームの実行又はゲーム内アイテムの購入のために消費される仮想的な通貨)などの情報が管理される。ここで、「ゲーム」とは、一般的にゲームと呼ばれる、アクションゲームやRPG、パズルゲーム、リズムゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、育成ゲーム、シミュレーションゲームなどを含むほか、仮想空間内で仮想的なキャラクタ(仮想キャラクタ)とコミュニケーションをとったり(会話やコメントを送る)、仮想キャラクタに対してプレゼントや評価(「いいね」等)をあげたりするものや、動画配信サービスにおいて、視聴者が動画配信者とコミュニケーションをとったり、動画配信者に対してプレゼントや評価をあげたりするものや、現実世界で行われているコンサートやイベントなどにおいて、ゲストが端末(スマートフォンやPCなど)を使用して、コンサートやイベントに対するリアクションを行うものも含む。また、「ゲームの実行」は、コミュニケーションをとるために、ゲーム内通貨を消費して、仮想キャラクタや動画配信者、イベントやコンサートの演者等に、コメントや評価を送ることも含む。また、「ゲーム内アイテム」は、ユーザが仮想空間内で使用するアバター、仮想キャラクタへのプレゼント(投げ銭や花束、仮想キャラクタの衣装など)、仮想空間の背景物や照明を変更するために使用されるアイテム、コンサートやイベントの内容(コンサートの照明など)を変更するために使用されるアイテムなどを含む。
【0042】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ(ゲームサーバ20、課金サーバ30)に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバとの通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0043】
図2に、本実施形態のゲームサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形
態のゲームサーバは
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0044】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0045】
格納部272は、本実施形態のゲームシステムで実行されるオンラインゲームに参加する複数のユーザそれぞれのユーザ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のユーザそれぞれのユーザ識別情報(ユーザIDや、ユーザが使用する端末IDなど)に対応づけて、ユーザ名(ユーザアカウント)、パスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、ユーザ情報として格納する。また、格納部272は、ユーザとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のユーザを特定するための情報を、ユーザ情報として格納する。また、格納部272は、ユーザ識別情報に対応づけて、ユーザが保有するゲーム内アイテム(ゲーム媒体)やゲーム内通貨等や、ユーザのゲームのプレイ結果を、ユーザ情報として格納する。
【0046】
通信部296は端末10や課金サーバ30との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0047】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、ユーザ情報の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、増加部210、減少部212、管理部214、表示制御部216を含む。
【0048】
増加部210は、ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、ゲーム内通貨の残高を当該増加量だけ増加させる。ゲーム内通貨は、複数種類あってもよく、有償のゲーム内通貨(ユーザが決済サービスを利用して購入するゲーム内通貨)と、無償のゲーム内通貨があってもよいし、有償のゲーム内通貨が複数種類あってもよい。無償のゲーム内通貨とは、例えば、ログイン時にログインボーナスとしてユーザに付与されるゲーム内通貨や、ゲーム結果(クエストのクリアやバトルでの勝利など)に応じた特典としてユーザに付与されるゲーム内通貨である。有償のゲーム内通貨の残高を増加させる場合、増加部210は、ユーザが指定した増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、当該増加量に対応する金額の決済要求を課金サーバ30に送信し、当該決済要求に応じて課金サーバ30において当該金額が決済された場合に、当該ユーザのゲーム内通貨の残高を当該増加量だけ増加させる。なお、ユーザが増加量を指定するとは、ユーザが増加量を数値で入力して指定することであってもよいし、ゲーム運営側等が予め増加量の選択肢として「1,000」、「2,000」等を定めておき、ユーザがそれらの選択肢から増加量を選択して指定することであってもよい。また、ユーザがゲーム内通貨そのものの増加量を直接指定するのではなく、ユーザが金額のみを指定することで、その金額に対応する増加量を間接的に指定するようにしてもよい。なお、無償のゲーム内通貨の場合は、増加量はゲーム運営側等によって指定される。また、有償のゲーム内通貨を月額制で増加させてもよい。月額制の場合、例えばユーザが各月「5,000」という増加量を一度指定すると、その後は、毎月の決まったタイミングで増加量「5,000」を定めた増加要求が受け付けられ、課金サーバ30での課金処理(決済処理)が行われて、当該ユーザのゲーム内通貨の残高が増加する。この場合、月額サービスの加入時点でユーザが増加量を指定するが、その後は、自動的に増加量が指定されて増加要求が受け付けられることになる。この場
合、毎月、ユーザの端末10から増加要求が送信されるようにしてもよいし、月額サービスの加入中は、サーバ(ゲームサーバ20、後述するPFサーバ、課金サーバ30)が、毎月決まったタイミングで自動的に増加要求を生成したり送信したりするようにしてもよい。また、最初に料金を一括で支払った後に分割してゲーム内通貨の残高を増加させてもよい。例えば、ユーザの端末10から「10,000」という増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、すぐに増加量「10,000」だけゲーム内通貨の残高を増加させるのではなく、毎月決まったタイミングで「200」ずつゲーム内通貨の残高を増加させる。この場合、増加量「10,000」に対応する金額の決済要求を課金サーバ30に送信して決済を行い、その後、課金サーバ30を介さずに、「200」という増加量を定めた増加要求を毎月決まったタイミングで生成・送信して、ユーザのゲーム内通貨の残高が「200」ずつ増加するようにしてもよい。なお、有償のゲーム内通貨と無償のゲーム内通貨の両方が存在する場合、増加部210は、ユーザが有償のゲーム内通貨を購入した場合のみ、当該ユーザの有償のゲーム内通貨の残高を増加させ、ユーザに無償のゲーム内通貨が付与された場合のみ、当該ユーザの無償のゲーム内通貨の残高を増加させるようにし、ユーザが有償のゲーム内通貨を購入した場合に当該ユーザの無償のゲーム内通貨の残高を増加させたり、ユーザに無償のゲーム内通貨が付与された場合に当該ユーザの有償のゲーム内通貨の残高を増加させたりしないようにしてもよい。
【0049】
減少部212は、ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、ゲーム内通貨の残高を当該減少量だけ減少させる。ゲーム内通貨が複数種類ある場合、減少部212が、ある種類のゲーム内通貨の残高を減少させて、増加部210が、その減少量だけ別の種類のゲーム内通貨(例えば、残高が0未満の値になっているゲーム内通貨)の残高を増加させてもよい。また、減少部212が、無償のゲーム内通貨の残高を減少させて、増加部210が、その減少量だけ有償のゲーム内通貨の残高を増加させてもよいし、減少部212が、有償のゲーム内通貨の残高を減少させて、増加部210が、その減少量だけ無償のゲーム内通貨の残高を増加させてもよい。なお、減少量は、ゲーム運営者側が定めてもよい(例えば、ガシャ1回につきゲーム内通貨を「200」消費など)。また、ユーザが減少量を指定するようにしてもよい。
【0050】
管理部214は、増加部210及び減少部212によって変更された前記残高を、0以上の値から0未満の値までの範囲で、ユーザの識別情報に関連付けて管理する。減少部212は、前記残高よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、当該残高を0未満の値に変更する。また、管理部214は、前記残高を、0以上の値の第1パラメータと0以下の値の第2パラメータとの合算値で管理してもよい。この場合、増加部210は、増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、第1パラメータを当該増加量だけ増加させてもよい。また、管理部214は、ユーザの過去のゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、信頼条件を満たすユーザの前記残高を0未満の値に変更可能にし、信頼条件を満たさないユーザの前記残高を0未満の値に変更不能にしてもよい。
【0051】
表示制御部216は、ユーザのゲーム内通貨の残高を当該ユーザの端末10の表示部に表示させる制御を行う。管理部214が、第1パラメータと第2パラメータとの合算値で前記残高を管理する場合、表示制御部216は、第1パラメータと第2パラメータとを区別してユーザの端末10の表示部に表示させてもよい。
【0052】
処理部200は、制限部218を更に含んでいてもよい。制限部218は、ユーザに対して所与の制限(例えば、ゲーム内通貨の消費に関する制限、ゲーム進行上不利になる制限、無償のゲーム内通貨の付与に関する制限)を与える。制限部218は、ユーザの前記残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザの前記残高が0以上の値になるまで当該ユーザに対して制限を与えてもよい。また、制限部218は、ユーザの前記残高が0未満の値になった後、所定期間(所定の時間、日数、月数、年数など)が経過した後に当該残高
が0以上の値になっていない場合に、当該ユーザに対して制限を与えもよい。例えば、ユーザの前記残高が0未満の値になってから、24時間後に当該残高が0以上の値になっていない場合や、1か月後に当該残高が0以上の値になっていない場合に、当該ユーザに対して制限を与えてもよい。また、前記残高が0未満の値になった時点から所定の制限判定時点までを所定期間としてもよい。例えば、前記残高が0未満の値になった時点から同日の24時(所定の制限判定時点)までに当該残高が0以上の値になっていない場合に制限を与えるようにしてもよい。すなわち、どの時点で前記残高が0未満の値になったかに応じて所定期間の長さが変わるようにしてもよい。また、制限部218は、ユーザの過去のゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、信頼条件を満たすユーザに与える制限を緩和してもよい。また、制限部218は、ユーザの過去のゲーム利用歴に基づく信頼度が高いほど、当該ユーザに与える前記制限を緩和してもよい。
【0053】
また、管理部214は、ユーザのゲーム内通貨の残高を、当該ユーザがプレイするゲーム(例えば、ユーザの端末10にインストールされているゲームアプリ)毎に管理し、所与の条件が満たされた場合に、所与のゲームにおいて0未満の値になった前記残高を、他のゲームで管理される前記残高として引き継いてもよい。この場合、管理部214は、所与のゲームにおいてユーザに与える制限を、他のゲームにおいて当該ユーザに与える制限として引き継いでもよい。
【0054】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の端末は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0055】
入力部150は、ユーザからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、ユーザの入力情報(操作入力)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0056】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0057】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0058】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0059】
通信部196はゲームサーバ20や課金サーバ30、他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0060】
なお、ゲームサーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0061】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP
等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、ゲーム処理部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0062】
ゲーム処理部110は、入力部150からの入力情報や、ゲームサーバ20から受信した情報に基づいて、ゲーム内アイテムを使用したゲーム(例えば、ゲーム内アイテムであるキャラクタをプレーヤキャラクタとしてゲームに登場させるゲーム)を進行させる処理を行う。
【0063】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0064】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0065】
また処理部100は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をゲームサーバ20に送信し、ゲームが終了した場合には、ゲーム結果や各種ゲームパラメータに関するゲーム結果情報(ユーザが保有するゲーム内アイテムに関する情報、ユーザが保有するゲーム内通貨に関する情報、ゲームのプレイ結果)をゲームサーバ20に送信する。ゲームサーバ20は、ゲーム装置(端末10)から送信された、ゲーム結果情報に基づいて、各ユーザに対応付けられた各種データの更新処理を行う。なお、端末10側で生成したゲーム結果情報をゲームサーバ20に送信する例に限らず、ゲーム実行中に端末10からゲームサーバ20に順次送信される各種の情報に基づいて、ゲームサーバ20側でゲーム結果情報を生成するようにしてもよい。また、ゲームが終了したか否かも、端末10側で判断してもよいし、ゲームサーバ20側で判断してもよい。
【0066】
また、ゲームシステムを、端末10と、ゲームサーバ20により構成してもよい。この場合、ゲームサーバ20が、課金サーバ30の機能を有する。また、ゲームシステムを、端末10と、課金サーバ30により構成してもよい。この場合、課金サーバ30が、ゲームサーバ20の機能を有する。また、ゲームシステムを、端末10と、ゲームサーバ20と、ユーザ情報(ユーザの個人情報、ユーザがプレイする各ゲームの情報、各ゲーム内のフレンド情報など)を管理するプラットフォームサーバ(PFサーバ)と、課金サーバ30により構成してもよい。この場合、ゲームサーバ20から課金サーバ30に決済要求を送信するようにしてもよいし、PFサーバから課金サーバ30に決済要求を送信するようにしてもよい。また、ゲームシステムを、端末10と、ゲームサーバ20と、PFサーバにより構成してもよい。この場合、PFサーバが、課金サーバ30の機能を有する。また、ゲームシステムを、端末10と、PFサーバと、課金サーバ30により構成してもよい。この場合、PFサーバが、ゲームサーバ20の機能を有する。また、ゲームシステムを、端末10と、PFサーバにより構成してもよい。この場合、PFサーバが、ゲームサーバ20の機能と、課金サーバ30の機能を有する。端末10側だけでゲームを実行できる場合、ゲームサーバ20は無くてもよい。また、基本的には端末10側だけでゲームを実行し、ゲームサーバ20が一部のゲーム(オンライン要素が必要なゲーム)のみを実行するようにしてもよい。端末10は、ゲームサーバ20やPFサーバに直接アクセスできるようにしてもよい。端末10、ゲームサーバ20、PFサーバなどは、課金サーバ30から、有償のゲーム内通貨の購入に関する決済の成否を受け取る。また、端末10、ゲームサーバ20、PFサーバなどは、課金サーバ30から、ユーザの返金要請に関する情報(返金処理の進捗、返金の可否、返金額、返金の対象となった有償のゲーム内通貨の量)を受け取るようにしてもよい。また、これら決済や返金に関する情報は、そのまま或いは必要に応じて加工して、ネットワーク経由ではなく、直接ゲームサーバ20やPFサーバに
手入力して使用するようにしてもよい。また、ゲーム内通貨の残高は、端末10、ゲームサーバ20、PFサーバ、課金サーバ30のいずれかで管理していればよい。すなわち、増加部210、減少部212、管理部214、表示制御部216、制限部218の機能は、端末10、ゲームサーバ20、PFサーバ、課金サーバ30のいずれかが有していればよい。また、異なるサーバ(例えば、ゲームサーバ20とPFサーバ)でゲーム内通貨の残高を管理するようにしてもよい。この場合、各サーバで共通のゲーム内通貨の残高を管理するようにしてもよいし、各サーバで異なる種類のゲーム内通貨の残高を管理するようにしてもよい。また、この場合、それぞれのゲーム内通貨が別々に消費されるようにしてもよいし、それぞれのゲーム内通貨の残高を合算したものが消費するようにしてもよいし、特定の種類のゲーム内通貨を優先的に消費するようにしてもよい。
【0067】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0068】
本実施形態のゲームシステムでは、ユーザが保有するゲーム内通貨(有償の或いは無償のゲーム内通貨)を消費して、ゲームをプレイしたりゲーム内アイテム(ゲーム内で使用可能なキャラクタやアイテム等)を入手(購入)したりすることができる仕組みが提供される。
【0069】
図4は、ユーザが保有するゲーム内通貨の残高を管理するためのテーブル情報の一例を示す図である。このテーブル情報は、格納部272に格納される。テーブル情報300は、ユーザのユーザID310(ユーザの識別情報)に関連付けて、当該ユーザのゲーム内通貨の残高320と、当該ユーザのゲーム利用歴350とを格納する。
図4に示す例は、ユーザID「001」のユーザのゲーム内通貨の残高320が「1,000」であり、ユーザID「002」のユーザのゲーム内通貨の残高320が「-500」であることを示している。
【0070】
ユーザが、端末10において有償のゲーム内通貨の購入を要求する操作を行うと、当該ユーザによって指定された増加量(購入量)を定めた増加要求がゲームサーバ20の増加部210で受け付けられる。当該増加要求を受け付けた増加部210は、当該増加要求で定められた増加量に対応する金額の決済要求を課金サーバ30に送信し、課金サーバ30から、当該金額の決済が成立した旨の通知を受信した場合に、当該ユーザの残高320を当該増加量だけ増加させる。
【0071】
また、ゲームサーバ20(サービス提供者)からユーザに対してログインボーナスやゲーム結果に応じた特典として無償のゲーム内通貨が配布された場合、当該ユーザが端末10において当該ゲーム内通貨の受け取りを指示する操作を行ったり、当該ユーザが端末10からゲームサーバ20にアクセス(ログイン)したりすると、増加量(配布量)を定めた増加要求が増加部210で受け付けられ、増加部210は、当該ユーザの残高320を当該増加要求で定められた増加量だけ増加させる。なお、ユーザがログインボーナスの受け取り操作やゲームへのアクセスを行うことで、増加要求が端末10からゲームサーバ20に送信されるようにしてもよいし、ゲームサーバ20において、端末10でログインボーナスの受け取り操作があったことやゲームへのアクセスがあったことが検出された場合に、ゲームサーバ20内で増加要求を生成して、増加部210に出力するようにしてもよい。
【0072】
また、ユーザが、端末10において所与のゲームのプレイ(ガシャの実行を含む)を要求する操作を行うと、当該ゲームのプレイに必要なゲーム内通貨の量を減少量として定めた減少要求(端末10からゲームサーバ20に送信された減少要求、端末10から受信した情報に応じてゲームサーバ20内で生成した減少要求)が減少部212で受け付けられ
、減少部212は、当該ユーザの残高320を当該減少要求で定められた減少量だけ減少させる。また、ユーザが、端末10においてゲーム内アイテムの購入を要求する操作を行うと、当該ゲーム内アイテムの購入に必要なゲーム内通貨の量を減少量として定めた減少要求が減少部212で受け付けられ、減少部212は、当該ユーザの残高320を当該減少要求で定められた減少量だけ減少させる。また、ユーザが未使用のゲーム内通貨の払い戻しを要請し、或いは、サービス終了によるユーザに対する未使用のゲーム内通貨の払い戻しが実施され、当該払い戻しに伴う返金が完了する(例えば、課金サーバ30からの返金が完了した旨の通知をゲームサーバ20が受け付ける)と、返金額に相当するゲーム内通貨の量を減少量として定めた減少要求(課金サーバ30やPFサーバや外部の装置からゲームサーバ20に送信された減少要求、課金サーバ30やPFサーバや外部の装置から受信した情報に応じてゲームサーバ20内で生成した減少要求)が減少部212で受け付けられ、減少部212は、当該ユーザの残高320を当該減少要求で定められた減少量だけ減少させる。
【0073】
ここで、本実施形態では、残高320よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、当該残高320を0未満の値に変更する。例えば、ゲーム内通貨の残高が「500」であるときに、当該残高を減少量「1,000」だけ減少させる場合、当該残高は「-500」となる。なお、ゲーム内通貨の払い戻しによって残高320を減少させる場合のみ、残高320を0未満の値に変更できる(残高320よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付ける)ようにし、ゲームのプレイ要求やゲーム内アイテムの購入要求によって残高320を減少させる場合には、残高320を0未満の値に変更できない(残高320よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付けない)ようにしてもよい。また、無償のゲーム内通貨と有償のゲーム内通貨の両方がある場合に、有償のゲーム内通貨の残高のみ0未満の値に変更できるようにし、無償のゲーム内通貨の残高を0未満の値に変更できないようにしてもよい。また、ゲームサーバ20と課金サーバ30との通信が正常に行えない場合や課金サーバ30から異常信号を受信した場合などに、ゲームサーバ20は、課金サーバ30が正常に決済処理を行えない状態にあると判定し、その場合に、ゲーム内通貨の残高を0未満の値に変更できるようにしてもよい。また、課金サーバ30に限らず、課金によってゲーム内通貨を増加させるために必要な処理を行う装置が使用できない状態になっている場合に、ゲーム内通貨の残高を0未満の値に変更できるようにしてもよい。この場合、正常に動作できる装置だけでゲーム内通貨を減少させる処理やゲーム内通貨の管理を行えるようにしておく必要があり、例えば、減少部212や管理部214の機能を複数の装置のそれぞれに持たせておき、異常発生時は正常な装置で各種の処理を行い、異常の復旧後に、ゲーム内通貨の消費の履歴やゲーム内通貨の量などの、異常中に発生したゲームデータに関する変化を装置間で整合させるようにする。また、期間限定のイベントゲームの実行のためにゲーム内通貨を消費する場合や、期間限定のゲーム内アイテムの購入のためにゲーム内通貨を消費する場合に、当該期間の終了時間の付近(例えば、終了時間の1時間前)だけ、ゲーム内通貨の残高を0未満の値に変更できるようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、
図4に示すように、残高320を、0以上の値の第1パラメータ330と0以下の値の第2パラメータ340との合算値で管理してもよい。また、ユーザのゲーム内通貨の残高320を当該ユーザの端末10の表示部190に表示させる際に、第1パラメータ330と第2パラメータ340とを区別して(識別可能に)表示させるようにしてもよい。この場合、ゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受け付けた場合に、第2パラメータ340が0未満の値であっても、第1パラメータ330を当該増加量だけ増加させるようにしてもよい。例えば、
図4に示す例において、ユーザID「002」のユーザがゲーム内通貨を「1,000」だけ購入し、当該ユーザの残高320を増加量「1,000」だけ増加させる場合、当該ユーザの第1パラメータ330を「0」から「1,000」に増加させ、第1パラメータ330(「1,000」)と第2パラメータ340(「-500」)の合算値である残高320を「500」にする。このようにする
と、ユーザは、ゲーム内通貨の購入時に第1パラメータ330を確認することで、ゲーム内通貨の残高が確実に購入量(指定した増加量)だけ増加したことを容易に認識することができる。なお、ユーザの第1パラメータ330の値が0より大きく第2パラメータ340の値が0未満である場合に、当該ユーザの操作により、第1パラメータ330を指定した量だけ減少させ、第2パラメータ340を当該指定した量だけ増加させることができるようにしてもよい。また、ゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受け付けた場合には、第1パラメータ330を当該減少量だけ減少させるようにしてもよいし、第2パラメータ340を当該減少量だけ減少させるようにしてもよい。また、ユーザのゲーム内通貨の残高320を当該ユーザの端末10の表示部190に表示させる際に、当該残高320が0未満の値である場合に、当該残高320を赤文字等(残高320が0より大きい値であるときとは異なる表示態様)でそのまま表示させてもよいし、残高を「0」として赤文字等で表示させてもよい。また、無償のゲーム内通貨と有償のゲーム内通貨の両方がある場合に、無償のゲーム内通貨の残高と有償のゲーム内通貨の残高とを区別して表示させるようにしてもよい。また、増加要求によって、第1パラメータを増加させるのか、第2パラメータを増加させるのかを、ユーザが指定できるようにしてもよい。また、減少要求によって第1パラメータを減少させるのか、第2パラメータを減少させるのかを、ユーザが指定できるようにしてもよい。この場合、増加要求や減少要求自体に、どちらのパラメータを変更するかを示した増加先や減少先が含まれていてもよいし、増加要求や減少要求を受け付けた後に、ユーザ等の操作によって増加先や減少先を指定できるようにしてもよい。また、例えば「5,000」という増加量の増加要求を受け付けた場合(ユーザがゲーム内通貨を「5,000」だけ購入した場合)、第1パラメータを「2,000」だけ増加させて、第2パラメータを「3,000」だけ増加させるなど、ユーザ等が増加先や増加させる数量、配分などを指定できるようにしてもよい。同様に、減少要求を受け付けた場合、ユーザ等が減少先や減少量、配分などを指定できるようにしてもよい。この場合、必要に応じてユーザの端末10に、ユーザが増加先(減少先)や配分などを指定するためのダイアログなどをゲーム画面などに表示させるようにすればよい。
【0075】
また、本実施形態では、ユーザの過去のゲーム利用歴(ゲーム内通貨の増減履歴や、ゲームプレイ歴など)を、当該ユーザのユーザIDに関連付けてゲーム利用歴350として記憶しておき、当該ゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、信頼条件を満たすユーザのゲーム内通貨の残高を0未満の値に変更できる(残高よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付ける)ようにし、信頼条件を満たさないユーザのゲーム内通貨の残高を0未満の値に変更できない(残高よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付けない)ようにしてもよい。例えば、ユーザのゲーム内通貨の増減履歴を記憶しておき、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値となった回数が多く且つ当該残高が0未満の値となってから0以上の値になるまでにかかった時間が短い場合や、ユーザのゲーム内通貨の残高の履歴上の最低値が高い場合に、当該ユーザのゲーム利用歴が信頼条件を満たすと判断してもよい。また、ユーザのゲームプレイ歴が長い(ゲームのプレイを開始してから現時点までの経過時間が長い、ゲームのプレイ回数が多い)場合に、当該ユーザのゲーム利用歴が信頼条件を満たすと判断してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザに対して所与の制限を与えるようにしてもよい。この場合、ユーザのゲーム内通貨の残高を減少させる際に、当該減少によって残高が0未満の値になる場合には、その旨ユーザに通知する(表示部190に通知を表示させる)ようにしてもよい。なお、第1パラメータと第2パラメータの合算値(残高)が0未満の値になった場合に、制限を与えるようにしてもよい。この場合に、第1パラメータと第2パラメータとを区別して表示したり、どちらのパラメータを増加させるのかをユーザが指定できるようにすると、ユーザは、制限を受けないように第1パラメータを増加させて0以上の値にした後に、ゲーム内通貨を消費してゲーム内アイテムを購入するかを、各パラメータの値を確認しながら決定す
ることができる。例えば、第1パラメータが「0」、第2パラメータが「-500」のときに、このままだと制限を受けてしまうので、第1パラメータを「1,000」まで増加させる。その後、ゲーム内通貨を「600」だけ消費する所望のアイテムAとゲーム内通貨を「500」だけ消費する所望のアイテムBが登場した場合に、制限を回避するためにアイテムBの方を選択するか、制限を受けることを許容してアイテムAの方を選択するかを、新たな課金を行うことなく決定することができる。なお、第1パラメータと第2パラメータの合算値(残高)は0以上であるが、第2パラメータが0未満である場合に、制限を与えるようにしてもよい。例えば、第1パラメータが「2,000」、第2パラメータが「-500」である場合、合算した残高は0以上の値(「1,500」)であるが、第2パラメータは0未満の値(「-500」)であるため、制限を与える。この場合、制限を受けないようにするためには、ユーザの意思(操作)で、第1パラメータを「500」だけ減算させて第2パラメータを「500」だけ増加させて、第2パラメータの値を0にすればよい。このような制限がある場合において、パラメータごとに増加や減少を行えるようにすると、以下のようなことができる。例えば、ユーザが、第2のパラメータが「-2,000」になり制限を受けた後、新たにゲーム内通貨を「10,000」だけ増加させる課金を行って、第1パラメータを「10,000」、第2パラメータを「-2,000」にしたとする。この場合に、制限を受けるが、新たに課金をすることなく、目的のゲーム内アイテムを入手できるまで第1パラメータを消費することができ、目的のゲーム内アイテムを入手した後に第1パラメータが残っていれば、新たに課金を行うことなく、その余った分を第2パラメータを0以上の値にするために使用するという選択が行えるため、利便性が向上する。
【0077】
所与の制限として、ユーザによるゲーム内通貨の消費に関する制限を与えるようにしてもよい。ゲーム内通貨の消費に関する制限として、ゲームのプレイ要求やゲーム内アイテムの購入要求によって残高を減少させる(ゲーム内通貨を消費する)場合に、ユーザのゲーム内通貨の残高が0以上の値であるときだけ残高を減少させることができる(プレイ要求や購入要求に基づく減少要求を受け付ける)ようにし、残高が0未満の値であるときには残高を減少させることができない(プレイ要求や購入要求に基づく減少要求を受け付けない)ようにしてもよい。また、ゲーム内通貨の消費に関する制限として、残高が0未満の値であるときに残高を減少させることができる期間を限定し、当該期間が過ぎると残高を0以上の値にしないと減少させることができないようにしてもよい。例えば、ユーザのゲーム内通貨の残高が1月に0未満の値になった場合、1月中は残高を減少させることができるが、2月になったら残高を0以上の値にしないと残高を減少させることができないようにしてもよい。また、ゲーム内通貨の消費に関する制限として、残高の0未満の値の下限値(例えば、「-10,000」)を設定し、残高を下限値未満の値まで減少させることができないようにしてもよい。
【0078】
また、所与の制限として、ゲーム進行上不利になる制限を与えるようにしてもよい。例えば、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザのゲームプレイに必要なスタミナ値(時間経過で回復するパラメータ)の回復スピードを低下させてもよいし、スタミナ値の最大値を低下させてもよいし、当該ユーザのキャラクタの能力値を低下させてもよいし、当該ユーザがゲームにおいて強いキャラクタ(例えば、レア度が高いキャラクタ)を使用できなくなるようにしてもよいし、当該ユーザが一部のゲームしかプレイできなくなる(例えば、ガシャを実行できなくなる)ようにしてもよいし、当該ユーザにゲームステージが解放されなくなるようにしてもよいし、当該ユーザがマルチプレイを行えなくなるようにしてもよいし、当該ユーザをランキングの対象外とする等してもよい。また、ユーザのゲーム内通貨の消費によるゲーム内アイテムの獲得履歴を記憶しておき、ユーザがゲーム内アイテムを獲得するためにゲーム内通貨を消費した結果、残高が0未満の値になった場合に、そのときに獲得したゲーム内アイテムの使用を制限する(使用不可にする、使用可能期間や使用可能回数を限定する等)ようにしてもよい。また、
残高が0未満の値になった時点から所定期間遡った期間内に獲得されたゲーム内アイテムの使用を制限するようにしてもよい。
【0079】
また、所与の制限として、無償のゲーム内通貨の付与に関する制限を与えるようにしてもよい。例えば、ユーザに対してログインボーナスや特典として無償のゲーム内通貨が付与(配布)される場合、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になった場合に、当該ユーザに対する無償のゲーム内通貨の付与を停止したり配布量を少なくしたりしてもよい。
【0080】
また、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になってから当該残高が0以上の値になるまでの間、当該ユーザに所与の制限を与え、当該残高が0以上の値になった場合に当該制限を解除するようにしてもよい。また、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になってから所定期間の間(当該残高が0以上の値になったか否かに依らず)当該ユーザに所与の制限を与えるようにし、当該所定期間の間に当該残高が0以上の値になった場合に、当該所定期間に続く次の期間において当該制限を解除するようにしてもよい。また、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になってから所定期間の間は当該ユーザに所与の制限を与えずに、当該所定期間が経過した後に当該残高が0以上の値になっていない場合に、当該ユーザに所与の制限を与えるようにしてもよい。
【0081】
また、ユーザの過去のゲーム利用歴(ゲーム内通貨の増減履歴、ゲームプレイ歴)を、当該ユーザのユーザIDに関連付けてゲーム利用歴350として記憶しておき、当該ゲーム利用歴が所与の信頼条件を満たすか否かを判定し、信頼条件を満たすユーザに与える所与の制限を緩和するようにしてもよい。例えば、ユーザのゲーム内通貨の増減履歴を記憶しておき、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値となった回数が多く且つ当該残高が0未満の値となってから0以上の値になるまでにかかった時間が短いほど、また、ユーザのゲーム内通貨の残高の履歴上の最低値が高いほど、信頼条件を満たすとして、ゲーム内通貨の消費に関する制限を緩和する(例えば、当該ユーザのゲーム内通貨の残高を0未満の値にできる期間を長くする、残高の0未満の値の下限値を低くする)ようにしてもよいし、ゲーム進行上不利になる制限を緩和する(例えば、スタミナ値の回復スピードや最大値を低下させる程度を低くする、ゲーム内アイテムの使用を制限する期間を短くする)ようにしてもよいし、無償のゲーム内通貨の付与に関する制限を緩和する(例えば、無償のゲーム内通貨の付与を停止する期間を短くする、配布量を低下させる程度を低くする)ようにしてもよい。また、ユーザのゲームプレイ歴が長いほど、信頼条件を満たすとして、ゲーム内通貨の消費に関する制限を緩和するようにしてもよいし、ゲーム進行上不利になる制限を緩和するようにしてもよいし、無償のゲーム内通貨の付与に関する制限を緩和するようにしてもよい。また、ユーザの過去のゲーム利用歴に基づく信頼度(例えば、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値となった回数が多く且つ当該残高が0未満の値となってから0以上の値になるまでにかかった時間が短いほど、ユーザのゲーム内通貨の残高の履歴上の最低値が高いほど、ゲームプレイ歴が長いほど、高くなる値)が高いほど、当該ユーザに与える制限を緩和するようにしてもよい。なお、信頼条件を満たさないと判断したユーザに与える所与の制限を強化する(より厳しくする)ようにしてもよい。また、信頼条件を満たすと判断したユーザに与える制限を、信頼条件を満たさないと判断したユーザに与える制限よりも緩和するようにし、信頼条件を満たすと判断したユーザに与える制限を一律に(同程度に)緩和するようにしてもよい。
【0082】
また、ゲーム内通貨の払い戻しによって残高を減少させる場合のみ、残高が0未満の値になった場合に所与の制限をユーザに与え、ゲームのプレイ要求やゲーム内アイテムの購入要求によって残高を減少させる場合には、残高が0未満の値になった場合であっても所与の制限をユーザに与えないようにしてもよい。また、ゲーム内通貨の払い戻しによって残高を減少させる場合と、プレイ要求や購入要求によって残高を減少させる場合とで、残
高が0未満の値になった場合にユーザに与える所与の制限の種類を変えるようにしてもよい。例えば、ゲーム内通貨の払い戻しによって残高を減少させる場合の方が、プレイ要求や購入要求によって残高を減少させる場合よりも、残高が0未満の値になった場合にユーザに与える所与の制限を厳しくするようにしてもよい。また、残高が0未満の値になったか否かに依らずに、ユーザの所与の制限を与えるようにし、ユーザの過去のゲーム利用歴が信頼条件を満たすか否かを判定し、信頼条件を満たすユーザに与える所与の制限を緩和したり、ユーザの過去のゲーム利用歴に基づく信頼度(信頼の程度)が高いほど、当該ユーザに与える所与の制限を緩和したりしてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、ユーザのユーザID(ユーザやユーザの端末10を識別するためのID)に関連付けて、当該ユーザがプレイする複数のゲームのそれぞれのゲームIDを管理し、各ゲームのゲームIDに関連付けて、各ゲームにおいてゲーム内通貨の残高を管理するためのテーブル情報300を記憶するようにしてもよい。この場合、ユーザのユーザIDに関連するゲームIDに関連付けられたゲーム内通貨の残高が0未満の値である場合に、当該残高を、当該ユーザIDに関連する他のゲームIDに関連付けられたゲーム内通貨の残高として引き継ぐようにしてもよい。例えば、ユーザがプレイするゲーム「A」で管理されるゲーム内通貨の残高が「-500」であるときに、当該ユーザが他のゲーム「B」のプレイを始めた場合に、ゲーム「A」で管理されるゲーム内通貨の残高を「-500」から「0」に変更する代わりに、ゲーム「B」で管理されるゲーム内通貨の残高をゲーム開始時の初期値「0」から「-500」に変更するようにしてもよい。また、当該ユーザが既に他のゲーム「C」をプレイ中である場合には、ゲーム「C」で管理されるゲーム内通貨の残高を「500」だけ減少させる代わりに、ゲーム「A」で管理されるゲーム内通貨の残高を「-500」から「0」に変更するようにしてもよい。また、ユーザがプレイするゲーム「A」で管理される0未満の値になったゲーム内通貨の残高を、当該ユーザがプレイする他のゲーム「B」で管理されるゲーム内通貨の残高として引き継ぐ場合、ゲーム「A」において当該ユーザに与える所与の制限を、ゲーム「B」において当該ユーザに与える所与の制限として引き継ぐようにしてもよい。また、ゲーム内通貨の残高や所与の制限の引き継ぎは、所与の条件を満たした場合のみ行うようにしてもよい。例えば、ユーザがプレイするゲーム「A」で管理されるゲーム内通貨の残高が0未満の値となった状態で、ユーザがゲーム「A」のプレイを行わなくなった(例えば、ユーザがゲーム「A」に所定期間以上ログインしていない)場合や、ユーザがゲーム「A」から退会した場合や、ユーザがゲーム「A」のアプリを端末10から削除した場合に、当該残高や当該ユーザに与える所与の制限を当該ユーザがプレイする他のゲーム「B」に引き継ぐようにしてもよい。また、例えばゲーム「A」におけるユーザのユーザIDとは別に、当該ユーザの端末10を識別するための端末IDやPFサーバにおける当該ユーザのユーザIDを設定しておき、ゲーム「A」におけるユーザのユーザIDで管理されるゲーム内通貨の残高が0未満の値となった状態で、PFサーバにおける当該ユーザのユーザIDや当該ユーザの端末10の端末IDを用いてゲームへのアクセスが行われた場合に、ゲーム「A」におけるユーザIDで管理されるゲーム内通貨の残高や所与の制限を、PFサーバにおけるユーザIDや端末IDで管理されるゲーム内通貨の残高や所与の制限として引き継ぐようにしてもよい。また、ユーザやサービス提供者の要求によって、ユーザがプレイするゲーム「A」で管理されるゲーム内通貨の残高を減少させて、当該ユーザがプレイする他のゲーム「B」で管理されるゲーム内通貨の残高をその減少量だけ増加させるようにしてもよい。
【0084】
本実施形態によれば、ゲーム内通貨の残高が0以上の値から0未満の値までの範囲で管理され、残高よりも多い減少量を定めた減少要求を受け付けた場合に、残高が0未満の値になることが許容されるため、ゲーム内通貨の残高が不足していても、新たに課金(ゲーム内通貨の購入)を行うことなく、ゲームのプレイ(実行)やゲーム内アイテムの入手が可能となり、柔軟にゲーム内通貨を利用したサービスを実現することができる。例えば、
店舗でプリペイドカードを購入して課金を行う場合には、残高が不足していても、わざわざプリペイドカードを買いに行かずに、ゲーム内通貨の消費を行うことができる。また、残高が不足しているときに、ゲームの実行やゲーム内アイテムを購入したくなった場合に、そのタイミングで課金サーバ30とゲームサーバ20の通信などに異常が発生して通信が行えない場合(ゲームシステムを構成する装置間の通信に異常が発生した場合)でも、ゲーム内通貨の消費を行うことができる。ゲーム内通貨の残高が不足していても消費できるようにすることは、特に、期間限定のイベントゲームの実行や期間限定のゲーム内アイテムの購入のためにゲーム内通貨を消費する場合に有効である。また、本実施形態によれば、ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値になってから0以上の値になるまで、或いは、当該残高が0未満の値になった後所定期間経過後に当該残高が0以上の値になっていない場合に、当該ユーザに対して所与の制限(ゲーム内通貨の消費に関する制限や、ゲーム進行上不利になる制限、無償のゲーム内通貨の付与に関する制限)を与えることで、0未満の値になったゲーム内通貨の残高を0以上の値に増加させることをユーザに促して、ゲーム内通貨の残高が0未満の値になることが常態化することを抑制することができる。
【0085】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(ゲームサーバ20)の処理の一例について
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0086】
まず、減少部212は、端末10からゲーム内通貨の減少量を定めた減少要求を受信したか否かを判断する(ステップS10)。減少要求を受信していない場合(ステップS10のN)には、ステップS14に移行する。減少要求を受信した場合(ステップS10のY)には、減少部212は、当該端末10のユーザのユーザIDに関連付けられたゲーム内通貨の残高を、減少要求で定められた減少量だけ減少させる(ステップS11)。次に、制限部218は、当該ユーザのゲーム内通貨の残高が0以上の値から0未満の値になったか否かを判断し(ステップS12)、当該残高が0未満の値になった場合(ステップS12のY)には、当該ユーザに対して所与の制限を与える(ステップS13)。
【0087】
次に、増加部210は、端末10からゲーム内通貨の増加量を定めた増加要求を受信したか否かを判断する(ステップS14)。増加要求を受信していない場合(ステップS14のN)には、ステップS20に移行する。増加要求を受信した場合(ステップS14のY)には、増加部210は、増加要求で定められた増加量に対応する金額の決済要求を課金サーバ30に送信し(ステップS15)、課金サーバ30から決済が成立した旨の通知を受信したか否かを判断する(ステップS16)。決済が成立した旨の通知を受信していない(ステップS16のN)場合(決済が成立しなかった旨の通知を受信した場合)には、ステップS20に移行する。決済が成立した旨の通知を受信した場合(ステップS16のY)には、当該端末10のユーザのユーザIDに関連付けられたゲーム内通貨の残高を、増加要求で定められた増加量だけ増加させる(ステップS17)。次に、制限部218は、当該ユーザのゲーム内通貨の残高が0未満の値から0以上の値になったか否かを判断し(ステップS18)、当該残高が0以上の値になった場合(ステップS18のY)には、当該ユーザに対して与えていた所与の制限を解除する(ステップS19)。
【0088】
次に、処理部200は、処理を継続するか否かを判断し(ステップS20)、処理を継続する場合(ステップS20のY)には、ステップS10に移行する。
【0089】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0090】
10…端末、20…ゲームサーバ、30…課金サーバ、100…処理部、110…ゲーム処理部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、196…通信部、200…処理部、210…増加部、212…減少部、214…管理部、216…表示制御部、218…制限部、270…記憶部、272…格納部、296…通信部