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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】半導体プロセス装置及び電力制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240819BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H05H1/46 R
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023530718
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 CN2021133048
(87)【国際公開番号】W WO2022111567
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202011358299.X
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ジン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジン
(72)【発明者】
【氏名】シァン グゥォダオ
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-199429(JP,A)
【文献】特開平10-154697(JP,A)
【文献】特表2003-510833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス装置であって、
ウェハを載置するためのチャックが設けられるプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバにおけるプロセスガスを励起してプラズマを形成するための上部電極アセンブリと、
前記ウェハが載置された前記チャックの上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、前記バイアス電圧値とシース電圧とは直接相関し、且つ変化傾向が同じであり、前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整し、プラズマの密度を正常範囲にさせるための電力調整アセンブリとを含み、
前記チャックの上面は、セラミック材料層の上面であり、
前記電力調整アセンブリは、電圧比較器と、電圧センサとを含み、
前記電圧センサは、前記ウェハが載置された前記チャックの上面の前記バイアス電圧値をリアルタイムに検出し、前記バイアス電圧値を前記電圧比較器に送信することに用いられ、
前記電圧比較器は前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との前記差を算出し、前記差が前記予め設定された閾値よりも大きい場合、前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値を比較し、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも低いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を小さくし、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも高いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を大きくし、前記差が前記予め設定された閾値以下である場合、前記上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持することに用いられ、
記電圧センサは、前記セラミック材料層のRF電圧値をリアルタイムに検出し、予め設定された前記RF電圧値と前記バイアス電圧値との対応関係に基づいて前記RF電圧値を前記バイアス電圧値に変換することに用いられることを特徴とする半導体プロセス装置。
【請求項2】
半導体プロセス装置であって、
ウェハを載置するためのチャックが設けられるプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバにおけるプロセスガスを励起してプラズマを形成するための上部電極アセンブリと、
前記ウェハが載置された前記チャックの上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、前記バイアス電圧値とシース電圧とは直接相関し、且つ変化傾向が同じであり、前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整し、プラズマの密度を正常範囲にさせるための電力調整アセンブリとを含み、
前記チャックの上面は、金属層の上面であり、
前記電力調整アセンブリは、電圧比較器と、電圧センサとを含み、
前記電圧センサは、前記ウェハが載置された前記チャックの上面の前記バイアス電圧値をリアルタイムに検出し、前記バイアス電圧値を前記電圧比較器に送信することに用いられ、
前記電圧比較器は前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との前記差を算出し、前記差が前記予め設定された閾値よりも大きい場合、前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値を比較し、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも低いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を小さくし、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも高いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を大きくし、前記差が前記予め設定された閾値以下である場合、前記上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持することに用いられ、
記電圧センサは、前記金属層の上面の直流電圧をリアルタイムに検出することに用いられ、前記直流電圧は前記バイアス電圧値であることを特徴とする半導体プロセス装置。
【請求項3】
前記電圧比較器の前記上部電極アセンブリの前記出力電力値を調整する調整幅は前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との前記差と正相関することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体プロセス装置。
【請求項4】
前記電圧比較器は、前記差に対応する差区間、及び予め設定された前記差区間と前記調整幅との対応関係に基づき、前記差に対応する前記調整幅を決定し、該調整幅に応じて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整することに用いられることを特徴とする請求項3に記載の半導体プロセス装置。
【請求項5】
前記差区間と前記調整幅との対応関係は、以下のとおりであり、
第1差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の50%以上であり、
第2差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の20%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の50%未満であり、
第3差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の5%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の20%未満であり、
第4差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の1%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の5%未満であり、
ここでは、前記第1差区間に対応する第1調整幅は前記第2差区間に対応する第2調整幅よりも大きく、前記第2調整幅は前記第3差区間に対応する第3調整幅よりも大きく、前記第3調整幅は前記第4差区間に対応する第4調整幅よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の半導体プロセス装置。
【請求項6】
前記第1調整幅は50W以上であり、前記第2調整幅は20W以上であり、前記第3調整幅は5W以上であり、前記第4調整幅は1W以上であることを特徴とする請求項5に記載の半導体プロセス装置。
【請求項7】
前記予め設定された閾値は前記目標バイアス電圧値の1%であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置。
【請求項8】
前記電力調整アセンブリはアナログデジタル変換器をさらに含み、前記アナログデジタル変換器は前記電圧センサによってアナログ信号で送信された前記バイアス電圧値をデジタル信号に変換し、前記電圧比較器に送信することに用いられることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置。
【請求項9】
電力制御方法であって、請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置に適用され、
前記上部電極アセンブリが前記プロセスチャンバにおけるプロセスガスを励起してプラズマを形成した後、前記ウェハが載置された前記チャックの上面の前記バイアス電圧値をリアルタイムに検出するステップと、
前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との前記差を算出し、前記差が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整するステップとを含むことを特徴とする電力制御方法。
【請求項10】
前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との前記差を算出し、前記差が前記予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整するステップは、
前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との前記差を算出し、前記差が前記予め設定された閾値よりも大きい場合、前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値を比較し、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも低いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を小さくし、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも高いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を大きくし、前記差が前記予め設定された閾値以下である場合、前記上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持することを含むことを特徴とする請求項9に記載の電力制御方法。
【請求項11】
前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整する調整幅は前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との差と正相関することを特徴とする請求項10に記載の電力制御方法。
【請求項12】
前記差に対応する差区間、及び予め設定された前記差区間と前記調整幅との対応関係に基づき、前記差に対応する前記調整幅を決定し、該調整幅に応じて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整することを特徴とする請求項11に記載の電力制御方法。
【請求項13】
前記差区間と前記調整幅との対応関係は、以下のとおりであり、
第1差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の50%以上であり、
第2差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の20%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の50%未満であり、
第3差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の5%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の20%未満であり、
第4差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の1%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の5%未満であり、
ここでは、前記第1差区間に対応する第1調整幅は前記第2差区間に対応する第2調整幅よりも大きく、前記第2調整幅は前記第3差区間に対応する第3調整幅よりも大きく、前記第3調整幅は前記第4差区間に対応する第4調整幅よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセス装置の分野に関し、具体的には、半導体プロセス装置及び電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体部品の製造プロセスの急速な発展に伴い、部品性能と集積度に対する要求がますます高くなっており、プラズマ技術が非常に広く活用されるようにする。プラズマエッチング又は成長システムでは、真空反応チャンバ内に様々な反応ガス、例えば塩素(Cl)、六フッ化硫黄(SF)、オクタフルオロシクロブタン(C)、酸素(O)等を導入することによって、印加電磁界(直流又は交流)を利用してガス原子内の束縛電子をポテンシャル井戸から脱出させて自由電子になり、運動エネルギーを得た自由電子はさらに分子、原子又はイオンと衝突してガスを完全に解離させ、プラズマを形成する。プラズマには大量の電子、イオン(正イオン及び負イオンを含む)、励起状態原子、分子及びラジカル等の活性粒子が含まれ、これらの活性粒子はチャンバに置かれプラズマに露出したウェハ表面と相互作用し、ウェハ材料表面に様々な物理化学反応を発生させ、それにより材料表面性能を変化させ、エッチング又は他のプロセスを完了する。半導体製造プロセスに用いられるプラズマ装置の開発においては、生産性を向上させるために、ウェハの加工能力の向上、高集積化されたデバイスを製造するプロセスに対する実行能力が最も重要な要素となっている。
【0003】
集積回路の特徴寸法の減少に伴い、加工プロセスに対する要求もますます厳しくなり、ここでの一つの重要な要求はエッチング製品の整合性であり、プロセス過程において、同じの型番機台の全てのチャンバのプロセス結果の整合性に対していずれも厳しく要求する必要があり、各チャンバの整合性問題によるプロセスリスクを回避し、そのため、異なるチャンバ間は厳しいプロ管理制御により、プロセス結果の整合性を実現する必要がある。
【0004】
しかしながら、従来の半導体プロセス装置において、異なるプロセスチャンバ間の整合性が悪く、異なるプロセスチャンバに生成されたプラズマ密度間に解消しにくい差が存在し、それにより製品の品質が不安定になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プロセスチャンバにおけるプラズマ密度をより正確に制御することができ、それにより異なるプロセスチャンバ間のプロセス整合性を向上させることができる半導体プロセス装置及び電力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、
ウェハを載置するためのチャックが設けられるプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバにおけるプロセスガスを励起してプラズマを形成するための上部電極アセンブリと、
前記チャックの上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整するための電力調整アセンブリとを含む半導体プロセス装置を提供する。
【0007】
任意選択的に、前記電力調整アセンブリは、電圧比較器と、電圧センサとを含み、
前記電圧センサは、前記チャックの上面の前記バイアス電圧値をリアルタイムに検出し、前記バイアス電圧値を前記電圧比較器に送信することに用いられ、
前記電圧比較器は前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が前記予め設定された閾値よりも大きい場合、前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値を比較し、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも低いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を小さくし、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも高いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を大きくし、前記差が前記予め設定された閾値以下である場合、前記上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持することに用いられる。
【0008】
任意選択的に、前記電圧比較器の前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整する調整幅は前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との差と正相関する。
【0009】
任意選択的に、前記電圧比較器は、前記差に対応する差区間、及び予め設定された前記差区間と前記調整幅との対応関係に基づき、前記差に対応する前記調整幅を決定し、該調整幅に応じて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整することに用いられる。
【0010】
任意選択的に、前記差区間と前記調整幅との対応関係は、以下のとおりであり、
第1差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の50%以上であり、
第2差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の20%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の50%未満であり、
第3差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の5%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の20%未満であり、
第4差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の1%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の5%未満であり、
ここでは、前記第1差区間に対応する第1調整幅は前記第2差区間に対応する第2調整幅よりも大きく、前記第2調整幅は前記第3差区間に対応する第3調整幅よりも大きく、前記第3調整幅は前記第4差区間に対応する第4調整幅よりも大きい。
【0011】
任意選択的に、前記第1調整幅は50W以上であり、前記第2調整幅は20W以上であり、前記第3調整幅は5W以上であり、前記第4調整幅は1W以上である。
【0012】
任意選択的に、前記予め設定された閾値は前記目標バイアス電圧値の1%である。
【0013】
任意選択的に、前記チャックの上面がセラミック材料層である場合、前記電圧センサは、前記セラミック材料層のRF電圧を検出し、予め設定された対応関係に基づいて前記RF電圧を前記バイアス電圧値に変換することに用いられる。
【0014】
任意選択的に、前記チャックの上面がセラミック材料層の上面である場合、前記電圧センサは、前記セラミック材料層のRF電圧値をリアルタイムに検出し、予め設定された前記RF電圧値と前記バイアス電圧値との対応関係に基づいて前記RF電圧値を前記バイアス電圧値に変換することに用いられる。
【0015】
任意選択的に、前記チャックの上面が金属層の上面である場合、前記電圧センサは、前記金属層の上面の直流電圧をリアルタイムに検出することに用いられ、前記直流電圧は前記バイアス電圧値である。
【0016】
別の技術的解決手段として、本発明は電力制御方法をさらに提供し、本発明に係る上記半導体プロセス装置に適用され、前記電力制御方法は、
前記上部電極アセンブリが前記プロセスチャンバにおけるプロセスガスを励起してプラズマを形成した後、前記チャックの上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出するステップと、
前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整するステップとを含む。
【0017】
任意選択的に、記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記差が前記予め設定された閾値以下になるまで、前記差に基づいて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整するステップは、
前記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、前記差が前記予め設定された閾値よりも大きい場合、前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値を比較し、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも低いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を小さくし、前記バイアス電圧値が前記目標バイアス電圧値よりも高いと、前記上部電極アセンブリの出力電力値を大きくし、前記差が前記予め設定された閾値以下である場合、前記上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持することを含む。
【0018】
任意選択的に、前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整する調整幅は前記バイアス電圧値と前記目標バイアス電圧値との差と正相関する。
【0019】
任意選択的に、前記差に対応する差区間、及び予め設定された前記差区間と前記調整幅との対応関係に基づき、前記差に対応する前記調整幅を決定し、該調整幅に応じて前記上部電極アセンブリの出力電力値を調整する。
【0020】
任意選択的に、前記差区間と前記調整幅との対応関係は、以下のとおりであり、
第1差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の50%以上であり、
第2差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の20%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の50%未満であり、
第3差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の5%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の20%未満であり、
第4差区間:前記差が前記目標バイアス電圧値の1%以上、且つ、前記目標バイアス電圧値の5%未満であり、
ここでは、前記第1差区間に対応する第1調整幅は前記第2差区間に対応する第2調整幅よりも大きく、前記第2調整幅は前記第3差区間に対応する第3調整幅よりも大きく、前記第3調整幅は前記第4差区間に対応する第4調整幅よりも大きい。
【0021】
本発明の実施例に係る半導体プロセス装置及び電力制御方法の技術的解決手段において、電力調整アセンブリはチャックの上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、該バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出することができ、該差が予め設定された閾値を超えるか否かを判断することによって現在のプロセスチャンバにおけるプラズマの密度が正常であるか否かを決定し、上記差が予め設定された閾値よりも大きい場合に該差に基づいて上部電極アセンブリの出力電力値を自動的に調整する。これにより、本発明の実施例はバイアス電圧値を検出することによってプラズマの密度状態を明らかにし、リアルタイムフィードバック調整を行い、これにより半導体プロセスにおけるプラズマ密度を正確に制御し、コイル、誘電体窓等のハードウェアの不整合による差異を補償し、それにより異なるプロセスチャンバ間のプロセス整合性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は本発明をさらに理解することに用いられ、明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態とともに本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。図面において、
図1】本発明の実施例に係る半導体プロセス装置の構造概略図である。
図2】本発明の実施例に係る電力制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下は図面を参照して本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。本明細書に説明された具体的な実施形態は単に本発明を説明及び解釈することに用いられ、本発明を限定するものではないと理解すべきである。
【0024】
本発明の発明者は研究によって従来の半導体プロセス装置におけるプロセスチャンバの整合性が悪い主な原因は、従来の半導体プロセス装置における異なるプロセスチャンバのコイル、誘電体窓等のハードウェアの間に差異が存在することであり、例えば、誘導結合プラズマ装置にとって、通常、プラズマ放電のRFパラメータを制御することによってコイルを流れるRF電流の大きさを間接的に制御し、しかし、プラズマインピーダンスの非線形特徴、及びコイルの加工、取り付け等の不確定要素による影響のため、コイルを流れるRF電流の大きさと電源がロードしたRF電力は1対1の対応関係ではなく、異なるプロセスチャンバの間に、電源がロードしたRF電力が同じであっても、コイルの電流は完全に整合することができず、その結果、電源がロードしたRF電力を制御することによってコイル電流を変更する調整方法はプラズマパラメータの整合性とプロセスの再現性を保証できない。
【0025】
上記技術的課題を解決するために、本発明は半導体プロセス装置を提供し、図1に示すように、それは上部電極アセンブリと、プロセスチャンバ6と、電力調整アセンブリとを含み、該プロセスチャンバ6にウェハを載置するためのチャック9(静電チャック、Echuckであってもよい)が設けられる。
【0026】
ここでは、上部電極アセンブリはプロセスチャンバ6におけるプロセスガスを励起してプラズマを形成することに用いられる。電力調整アセンブリはチャック9の上面のバイアス電圧値(例えば直流バイアス、DCBias)をリアルタイムに検出し、該バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、該差が予め設定された閾値よりも大きい場合、該差が予め設定された閾値以下になるまで、該差に基づいて上部電極アセンブリの出力電力値を調整する。
【0027】
本発明の発明者は研究により、チャック9の上面のバイアス電圧値は該チャック9の上方のプラズマ10の密度(具体的には、プラズマ10におけるイオン密度)をリアルタイムで正確に反映することができ、具体的には、ポアソン方程式に基づいてプラズマシース電圧V(t)の時間変化に伴う式
【0028】
【数1】
【0029】
を得ることができる。
【0030】
ここでは、I0はチャック9の下部電極によって受信されたRF電流振幅であり、ε0は誘電率であり、eは電子電気量であり、ωは下部電極によって受信されたRF信号の角周波数であり、nはプラズマ10の密度(具体的には、イオン密度)であり、Aは下部電極の極板面積である。上記式から分かるように、下部RF電流振幅値I0、角周波数ω、極板面積Aがいずれも変わらない場合、プラズマシース電圧V(t)はプラズマの密度n(及び上部電極5の結合電力)に反比例する。
【0031】
シース電圧V(t)はチャック9の上面のバイアス電圧値に直接相関し、且つ変化傾向が同じである。したがって、チャック9の上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出するだけで、そのバイアス電圧値に基づいてプラズマの密度nが正常範囲にあるか否かを判断することができる。
【0032】
本発明の実施例は上部電極アセンブリの構造を特に限定せず、例えば、該上部電極アセンブリはRF電源1及び上部電極5を含んでもよく、上部電極5は例えばコイルである。電力調整アセンブリはRF電源1の電力(すなわち、上部電極アセンブリの出力電力値)を調整することによって、上部電極5の電流の大きさを変更し、さらにプラズマの密度に対する制御を実現する。
【0033】
本発明の実施例に係る半導体プロセス装置において、電力調整アセンブリはチャック9の上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、該バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出することができ、該差が予め設定された閾値を超えるか否かを判断することによって現在のプロセスチャンバにおけるプラズマの密度が正常であるか否かを決定し、上記差が予め設定された閾値よりも大きい場合に該差に基づいて上部電極アセンブリの出力電力値を自動的に調整する。これにより、本発明の実施例はバイアス電圧値を検出することによってプラズマの密度状態を明らかにし、リアルタイムフィードバック調整を行い、これにより半導体プロセスにおけるプラズマ密度を正確に制御し、コイル、誘電体窓等のハードウェアの不整合による差異を補償し、それにより異なるプロセスチャンバ間のプロセス整合性を向上させることができる。
【0034】
また、本発明の実施例に係る半導体プロセス装置において、電力調整アセンブリは、プロセスチャンバにおける他の構造のプラズマ密度への影響を考慮する必要がなく、プラズマ10の密度nに基づいて上部電極アセンブリの出力電力値をリアルタイムに直接調整し、例えば、下部電極電力が変わらない場合には、上部電極アセンブリの出力電力値を調整することによってプラズマの密度nを変更することができる。また、本発明の実施例はプロセスチャンバ6に取り付けられた絶縁及び非絶縁のチャック構造に適用することができ、13.56MHz及び他の周波数のICPRFプラズマ源に適用することができる。
【0035】
本発明の実施例は電力調整アセンブリがどのように該差に基づいて上部電極アセンブリの出力電力値を調整するかについて具体的に限定せず、例えば、任意選択的に、図1に示すように、該電力調整アセンブリは電圧比較器12と、電圧センサ131とを含んでもよく、ここでは、電圧センサ131は、チャック9の上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、該バイアス電圧値を電圧比較器12に送信することに用いられる。
【0036】
電圧比較器12は上記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値V0との差を算出し、該差が予め設定された閾値よりも大きい場合、該バイアス電圧値と目標バイアス電圧値V0を比較することに用いられ、該バイアス電圧値が目標バイアス電圧値V0よりも低いと(すなわちプラズマ10の密度nが予め設定された基準よりも高い)、上部電極アセンブリの出力電力値を小さくし、プラズマ10の密度nを低下させ、バイアス電圧値が目標バイアス電圧値V0よりも高いと(すなわちプラズマ10のイオン密度nが予め設定された基準よりも低い)、上部電極アセンブリの出力電力値を大きくし、プラズマ10の密度nを向上させる。
【0037】
電圧検出に精度誤差があることを考慮し、該バイアス電圧値が目標バイアス電圧値V0に近づく時に頻繁な調整を引き起こすことを回避するために、好ましくは、電圧比較器12は上記差が予め設定された閾値以下である場合に、上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持する。
【0038】
該予め設定された閾値は目標バイアス電圧値V0の前後に許容される精度範囲であってもよく、すなわち、予め設定された閾値はV0±ΔVthにおけるΔVthである。本発明の実施例は予め設定された閾値ΔVthの大きさを具体的に限定せず、例えば、任意選択的に、予め設定された閾値ΔVthは目標バイアス電圧値V0の1%であってもよく、すなわち、電圧比較器12は、バイアス電圧値が(1±1%)V0という区間内にある場合、上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持する。
【0039】
上部電極アセンブリの電力調整効率を向上させるために、好ましくは、該電力調整アセンブリは上部電極アセンブリの出力電力値を調整する調整幅は該バイアス電圧値と目標バイアス電圧値V0との間の差ΔVと正相関し、それにより差ΔVが大きい場合(すなわちプラズマ10の密度nが予め設定された基準と大きく異なる場合)、上部電極アセンブリの出力電力値をより大幅に調整し、調整効率を向上させる。
【0040】
計算ステップを簡略化し、調整効率をさらに向上させるために、好ましくは、電圧比較器12は、上記差に対応する差区間、及び予め設定された差区間と調整幅との対応関係に基づき、差に対応する調整幅を決定し、該調整幅に応じて上部電極アセンブリの出力電力値を調整することに用いられる。
【0041】
本発明の実施例は差区間をどのように区分するかを具体的に限定せず、例えば、当業者が理解しやすいように、本発明の選択可能な実施形態として、上記差区間と調整幅との対応関係は、以下のとおりであり、
第1差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の50%以上であり、すなわち、|ΔV|≧50%×V0であり、
第2差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の20%以上、且つ、目標バイアス電圧値V0の50%未満、すなわち20%×V0≦|ΔV|<50%×V0であり、
第3差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の5%以上、且つ、目標バイアス電圧値V0の20%未満、すなわち5%×V0≦|ΔV|<20%×V0であり、
第4差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の1%以上、且つ、目標バイアス電圧値V0の5%未満、すなわち1%×V0≦|ΔV|<5%×V0であり、
ここでは、第1差区間に対応する第1調整幅は第2差区間に対応する第2調整幅よりも大きく、第2調整幅は第3差区間に対応する第3調整幅よりも大きく、第3調整幅は第4差区間に対応する第4調整幅よりも大きい。
【0042】
本発明の実施例は各差区間に対応する予め設定された調整幅(すなわち上部電極アセンブリの出力電力値の調整ステップサイズΔP)を具体的に限定せず、例えば、本発明の選択可能な実施形態として、第1調整幅は50W以上であり、第2調整幅は20W以上であり、第3調整幅は5W以上であり、第4調整幅は1W以上である。
【0043】
任意選択的に、電圧比較器12は、差が上記第1差区間に位置する場合、50Wのステップサイズに応じて上部電極アセンブリの出力電力値を調整し、差が上記第2差区間に位置する場合、20Wのステップサイズに応じて上部電極アセンブリの出力電力値を調整し、差が上記第3差区間に位置する場合、5Wのステップサイズに応じて上部電極アセンブリの出力電力値を調整し、差が上記第4差区間に位置する場合、1Wのステップサイズに応じて上部電極アセンブリの出力電力値を調整することに用いられる。
【0044】
本発明の実施例は該半導体プロセス装置における他の構造を具体的に限定せず、例えば、図1に示すように、RF電源1は整合器2を介して電力を上部電極5(結合コイルであってもよい)にロードし、プロセスガスは石英誘電体窓7に取り付けられたノズル11を通過してプロセスチャンバ6(プロセスチャンバにおけるライナー及びフォーカスリングなどの関連部品はいずれも示されていない)に入るとともに、上部電極5におけるRFエネルギーは誘電体窓7を介してプロセスチャンバ6に結合され、プラズマ10を生成し、ウェハ8に作用し、ウェハ8はチャック9に置かれ、バイアスRF電源4によって整合器3を介してRFエネルギーをチャック9の底部に位置するRF銅ピラーにロードし、それによりRFフィールドを供給し、RFバイアス電圧を生成し、ウェハ表面にイオン加速シース層を形成してウェハ8のエッチングを行う。
【0045】
任意選択的に、図1に示すように、電力調整アセンブリはアナログデジタル変換器132をさらに含み、ここでは電圧センサ131はチャック9のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、検出されたバイアス電圧値をアナログ信号形態でアナログデジタル変換器132に出力することに用いられ、アナログデジタル変換器132はアナログ/デジタル変換機能を有し、電圧センサ131によってアナログ信号形態で送信されたバイアス電圧値をデジタル信号に変換し、該デジタル信号を電圧比較器12に送信することに用いられる。
【0046】
本発明の実施例はチャック9の構造方式を具体的に限定せず、例えば、本発明の選択可能な実施形態として、チャック9の上面がセラミック材料層の上面である場合、電圧センサ131はRF電圧センサであってもよく、セラミック材料層のRF電圧値をリアルタイムに検出し、予め設定されたRF電圧値とバイアス電圧値との対応関係に基づいてRF電圧値をバイアス電圧値に変換することに用いられる。
【0047】
具体的には、該RF電圧センサはチャックの上面に最も近いRF電圧信号Vppをリアルタイムに検出し、ウェハ上方のバイアス電圧値を明らかにすることに用いられ、アナログデジタル変換器132は該RF電圧センサによって収集されたRF信号を検出電圧情報に変換し、検出電圧情報を電圧比較器12に送信することに用いられる。
【0048】
本発明の選択可能な実施形態として、チャック9の上面が金属層の上面である場合、電圧センサ131は、金属層の直流電圧値をリアルタイムに検出するための直流電圧センサであってもよく、該直流電圧値はバイアス電圧値である。これに対応し、アナログデジタル変換器132は該直流電圧センサによって検出されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を電圧比較器12に送信することに用いられる。
【0049】
別の技術的解決手段として、本発明は電力制御方法をさらに提供し、それは本発明に係る上記半導体プロセス装置に適用され、該電力制御方法は以下のステップS1とステップS2を含み、
S1、上部電極アセンブリがプロセスチャンバにおけるプロセスガスを励起してプラズマを形成した後、チャックの上面のバイアス電圧値をリアルタイムに検出し、
S2、上記バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、差が予め設定された閾値よりも大きい場合、差が予め設定された閾値以下になるまで、差に基づいて上部電極アセンブリの出力電力値を調整する。
【0050】
本発明の実施例は、プロセスチャンバにおける他の構造のプラズマ密度への影響を考慮する必要がなく、上記差に基づいて上部電極アセンブリの出力電力値をリアルタイムに直接調整することができ、例えば、下部電極電力が変わらない場合には、上部電極アセンブリの出力電力値を調整することによってプラズマの密度を変更することができる。
【0051】
いくつかの選択可能な実施例では、上記ステップS2は、具体的には、バイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差を算出し、該差が予め設定された閾値よりも大きい場合、バイアス電圧値と目標バイアス電圧値を比較し、バイアス電圧値が目標バイアス電圧値よりも低いと、上部電極アセンブリの出力電力値を小さくすることと、バイアス電圧値が目標バイアス電圧値よりも高いと、上部電極アセンブリの出力電力値を大きくすることと、差が予め設定された閾値以下である場合、上部電極アセンブリの出力電力値をそのまま維持することとを含む。このようにして、電圧検出に精度誤差があるためバイアス電圧値が目標バイアス電圧値に近づくときに頻繁な調整を引き起こすことを回避できる。
【0052】
いくつかの選択可能な実施例では、上部電極アセンブリの出力電力値を調整する調整幅はバイアス電圧値と目標バイアス電圧値との差と正相関する。すなわち、差が大きい場合(すなわちプラズマの密度が予め設定された基準と大きく異なる場合)、上部電極アセンブリの出力電力値をより大幅に調整でき、これにより上部電極アセンブリの電力調整効率を向上させる。
【0053】
いくつかの選択可能な実施例では、計算ステップを簡略化し、さらに調整効率を向上させるために、差に対応する差区間、及び予め設定された差区間と調整幅との対応関係に基づき、差に対応する調整幅を決定し、該調整幅に応じて上部電極アセンブリの出力電力値を調整するようにしてもよい。
【0054】
例えば、上記差区間と前記調整幅との対応関係は、具体的には、以下のとおりであり、
第1差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の50%以上であり、すなわち、|ΔV|≧50%×V0であり、
第2差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の20%以上、且つ、目標バイアス電圧値V0の50%未満、すなわち20%×V0≦|ΔV|<50%×V0であり、
第3差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の5%以上、且つ、目標バイアス電圧値V0の20%未満、すなわち5%×V0≦|ΔV|<20%×V0であり、
第4差区間:上記差|ΔV|が目標バイアス電圧値V0の1%以上、且つ、目標バイアス電圧値V0の5%未満、すなわち1%×V0≦|ΔV|<5%×V0であり、
ここでは、第1差区間に対応する第1調整幅は第2差区間に対応する第2調整幅よりも大きく、第2調整幅は第3差区間に対応する第3調整幅よりも大きく、第3調整幅は第4差区間に対応する第4調整幅よりも大きい。
【0055】
本発明に係る電力制御方法は、バイアス電圧値を検出することによってプラズマの密度状態を明らかにし、リアルタイムフィードバック調整を行い、これにより半導体プロセスにおけるプラズマ密度を正確に制御し、コイル、誘電体窓等のハードウェアの不整合による差異を補償し、それにより異なるプロセスチャンバ間のプロセス整合性を向上させる。
【0056】
理解されるように、以上の実施形態は単に本発明の原理を説明するために用いた例示的な実施形態であるが、本願はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の主旨及び本質を逸脱せずに、種々の変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良も本願の保護範囲として見なされる。
図1
図2