(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】プリプレグの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/89 20060101AFI20240820BHJP
C08J 5/24 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G01N21/89 H
C08J5/24
(21)【出願番号】P 2020161270
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2019177004
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【氏名又は名称】伏見 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】前納 一裕
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-108058(JP,A)
【文献】特開2013-129827(JP,A)
【文献】特開2016-122913(JP,A)
【文献】特開2012-163533(JP,A)
【文献】特開2010-085166(JP,A)
【文献】国際公開第2018/088493(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
B29B 11/16
B29B 15/08 - B29B 15/14
C08J 5/04 - C08J 5/10
C08J 5/24
G01B 11/00 - G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観検査装置を用いて強化繊維とマトリクス樹脂とを含むプリプレグの欠陥の有無を検査する検査工程を有するプリプレグの製造方法であって、
前記プリプレグの表面のJISZ8741の60°で測定された光沢度が20~95%であり、
前記外観検査装置が、前記プリプレグに光を照射する照明と、
前記照明から前記プリプレグに照射した光の反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段の前記プリプレグが配置される側に設けられた第1偏光フィルタと、を備え、
前記受光手段により撮影した画像の各画素の濃度において0を黒、1を白として正規化したとき、プリプレグの正常部の平均濃度が0.10~0.60の範囲となる様に前記照明及び前記受光手段の条件を調整する、プリプレグの製造方法。
【請求項2】
前記外観検査装置が、前記照明を複数備えている、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項3】
前記受光手段によって撮影されるプリプレグ表面の照度が5000lx以上
150000lx以下である、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項4】
前記外観検査装置が、前記照明の前記プリプレグが配置される側に設けられた第2偏光フィルタを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項5】
前記第2偏光フィルタの偏光軸と前記第1偏光フィルタの偏光軸とが直交している、請求項4に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項6】
前記第2偏光フィルタの偏光軸と前記第1偏光フィルタの偏光軸とがなす角度が、前記第2偏光フィルタの偏光軸と前記第1偏光フィルタの偏光軸とが直交するときの前記受光手段の受光量を基準として、前記受光手段の受光量が1~5倍となる角度になっている、請求項4に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項7】
強化繊維基材にマトリクス樹脂を含浸させてプリプレグを得る製造工程を有する、請求項1~
6のいずれか一項に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項8】
前記製造工程において、離型紙上にマトリクス樹脂を塗布して離型紙付きシートを形成し、強化繊維基材の片側又は両側から前記離型紙付きシートを重ねて加熱加圧し、マトリクス樹脂を溶融させて強化繊維基材に含浸させ、
前記検査工程において前記離型紙を剥がした状態でプリプレグの欠陥の有無を検査する、請求項
7に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項9】
前記製造工程において、離型フィルム上にマトリクス樹脂を塗布して離型フィルム付きシートを形成し、強化繊維基材の片側又は両側から前記離型フィルム付きシートを重ねて加熱加圧し、マトリクス樹脂を溶融させて強化繊維基材に含浸させ、
前記検査工程において前記離型フィルムを重ねた状態でプリプレグの欠陥の有無を検査する、請求項
7に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項10】
前記強化繊維が連続した炭素繊維である、請求項1~
9のいずれか一項に記載のプリプレグの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリプレグの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化複合材料は、軽量で高強度なため、自動車や航空機等の産業用途、スポーツ用途、レジャー用途等の幅広い分野で用いられている。繊維強化複合材料の製造に用いる中間材料としては、例えば、強化繊維基材にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグがある。
【0003】
プリプレグの製造においては、様々な欠陥が生じることがある。例えば、ロールやバー等との擦れによって強化繊維に毛羽立ちが生じることがある。また、マトリクス樹脂の含浸時に強化繊維束の拡がりが不充分となったり、強化繊維の一部が切れたりすることでプリプレグ内に隙間(ワレ)が生じることがある。また、離型紙の破片等の異物がプリプレグに混入することもある。プリプレグにこのような欠陥が生じると、そのプリプレグを用いて得られる繊維強化複合材料(成形体)の物性に悪影響が出る。
【0004】
特許文献1、2には、プリプレグに光を照射し、プリプレグからの反射光を受光手段で受光して欠陥を検出する方法が開示されている。しかし、特許文献1、2のような検査方法では、特にプリプレグ表面の光沢度が高い場合に欠陥の有無や種類の判別が困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-225939号公報
【文献】特開2013-108058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、プリプレグ表面の光沢度が高い場合でも欠陥の有無や種類の判別が可能であるプリプレグの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]外観検査装置を用いて強化繊維とマトリクス樹脂とを含むプリプレグの欠陥の有無を検査する検査工程を有するプリプレグの製造方法であって、前記外観検査装置が、前記プリプレグに光を照射する照明と、前記照明から前記プリプレグに照射した光の反射光を受光する受光手段と、前記受光手段の前記プリプレグが配置される側に設けられた第1偏光フィルタと、を備え、前記受光手段により撮影した画像の各画素の濃度において0を黒、1を白として正規化したとき、プリプレグの正常部の平均濃度が0.10~0.60の範囲となる様に前記照明及び前記受光手段の条件を調整する、プリプレグの製造方法。
[2]前記外観検査装置が、前記照明を複数備えている、[1]に記載のプリプレグの製造方法。
[3]前記受光手段によって撮影されるプリプレグ表面の照度が5000lx以上である、[1]又は[2]に記載のプリプレグの製造方法。
[4]前記外観検査装置が、前記照明の前記プリプレグが配置される側に設けられた第2偏光フィルタを備える、[1]~[3]のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
[5]前記第2偏光フィルタの偏光軸と前記第1偏光フィルタの偏光軸とが直交している、[4]に記載のプリプレグの製造方法。
[6]前記第2偏光フィルタの偏光軸と前記第1偏光フィルタの偏光軸とがなす角度が、前記第2偏光フィルタの偏光軸と前記第1偏光フィルタの偏光軸とが直交するときの前記受光手段の受光量を基準として、前記受光手段の受光量が1~5倍となる角度になっている、[4]に記載のプリプレグの製造方法。
[7]前記プリプレグの表面のJISZ8741の60°で測定された光沢度が20~95%である、[1]~[6]のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
[8]強化繊維基材にマトリクス樹脂を含浸させてプリプレグを得る製造工程を有する、[1]~[7]のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
[9]前記製造工程において、離型紙上にマトリクス樹脂を塗布して離型紙付きシートを形成し、強化繊維基材の片側又は両側から前記離型紙付きシートを重ねて加熱加圧し、マトリクス樹脂を溶融させて強化繊維基材に含浸させ、前記検査工程において前記離型紙を剥がした状態でプリプレグの欠陥の有無を検査する、[8]に記載のプリプレグの製造方法。
[10]前記製造工程において、離型フィルム上にマトリクス樹脂を塗布して離型フィルム付きシートを形成し、強化繊維基材の片側又は両側から前記離型フィルム付きシートを重ねて加熱加圧し、マトリクス樹脂を溶融させて強化繊維基材に含浸させ、前記検査工程において前記離型フィルムを重ねた状態でプリプレグの欠陥の有無を検査する、[8]に記載のプリプレグの製造方法。
[11]前記強化繊維が連続した炭素繊維である、[1]~[10]のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリプレグ表面の光沢度が高い場合でも欠陥の有無や種類の判別が可能であるプリプレグの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のプリプレグの製造方法に用いる外観検査装置の一例を示した模式図である。
【
図3】本発明のプリプレグの製造方法に用いる外観検査装置の他の例を示した模式図である。
【
図4】プリプレグの製造工程の一態様を示した図である。
【
図5】実施例1の検査用プリプレグの欠陥検査結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[外観検査装置]
以下、本発明のプリプレグの製造方法に用いる外観検査装置について説明する。
外観検査装置は、強化繊維とマトリクス樹脂とを含むプリプレグの欠陥の有無を検査する装置である。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の外観検査装置1は、照明10と、受光手段12と、第2偏光フィルタ14と、第1偏光フィルタ16と、を備えている。
【0012】
この例では、照明10は検査対象のプリプレグPの斜め上方に設けられている。照明10からプリプレグPの上面に光を照射できるようになっている。受光手段12は検査対象のプリプレグPの上方に設けられている。照明10からプリプレグPに照射した光の反射光を、プリプレグPの上面に対して垂直な方向から受光手段12で受光するようになっている。第2偏光フィルタ14は照明10のプリプレグPが配置される側に設けられている。照明10から照射された光のうち、第2偏光フィルタ14を通過した光のみがプリプレグPに到達するようになっている。第1偏光フィルタ16は受光手段12のプリプレグPが配置される側に設けられている。プリプレグPからの反射光のうち、第1偏光フィルタ16を通過した光のみが受光手段12に到達するようになっている。
【0013】
受光手段12によって撮影されるプリプレグ表面の照度は5000lx以上であることが好ましい。これにより、第2偏光フィルタ14及び第1偏光フィルタ16を設けても受光手段12で得られる受光量が充分に大きくなるため、プリプレグPの欠陥の有無や欠陥の種類の判別が容易になる。
【0014】
受光手段12によって撮影されるプリプレグ表面の照度は、5000lx以上が好ましく、5000~150000lxがより好ましく、15000~100000lxがさらに好ましい。プリプレグ表面の照度が前記範囲の下限値以上であれば、受光手段12で得られる受光量が充分に大きくなり、プリプレグPの欠陥の有無や欠陥の種類の判別が容易になる。プリプレグ表面の照度が前記範囲の上限値以下であれば、正常部が欠陥部に対して強調されすぎずに、欠陥部が見えやすくなる。
【0015】
照明10としては、例えば、線状の発光ダイオード(LED)ライト、ハロゲンランプを例示できる。
【0016】
照明10からの光の照射方向と、プリプレグPの上面に対して垂直な方向とがなす角度θは、10~80°が好ましく、15~75°がより好ましい。角度θが前記範囲の下限値以上であれば、樹脂の照り返しが少なくなり、欠陥のみを検知しやすい。角度θが前記範囲の上限値以下であれば、プリプレグPに対して水平方向よりも上方からの光の照射になるので、正常部に凹凸の斑があっても強調されにくい。
【0017】
照明10からの光の照射方向と、プリプレグPの繊維軸方向とがなす角度は、特に限定されない。例えば、プリプレグPが複数本の強化繊維Fが一方向に揃えられた強化繊維基材にマトリクス樹脂が含浸されたUDプリプレグの場合、平面視において、照明10からの光の照射方向と、プリプレグPの強化繊維Fの繊維軸方向とがなす角度を0°とすることができる。
【0018】
受光手段12は、照明10から照射された光がプリプレグPの上面で反射した反射光を受光し、欠陥部と正常部との輝度差や輝度比から欠陥の有無や種類を判別できるものであればよい。受光手段12の具体例としては、例えば、CCDカメラを例示できる。
【0019】
第1偏光フィルタ16を用いることで、照明10から照射される光のプリプレグPの上面での正反射光や、外乱光がカットされる。これにより、プリプレグPの欠陥部と正常部との輝度のコントラストが大きくなるため、受光手段12で得られたプリプレグPの上面の輝度情報から欠陥の有無や種類を判別することが容易になる。また、第2偏光フィルタ14及び第1偏光フィルタ16は、どちらか一方を回転させることによって、照明10から照射される光のプリプレグPの上面での正反射光成分を通したりカットしたりできる。そのため、第2偏光フィルタ14と第1偏光フィルタ16を組み合わせて正反射光成分をさらに効率良くカットすることで、欠陥の有無や種類の判別がさらに容易になる。
第2偏光フィルタ14及び第1偏光フィルタ16としては、市販の偏光フィルタを用いることができる。
【0020】
プリプレグPの欠陥部と正常部との輝度のコントラストがより大きくなり、プリプレグPの欠陥の有無や種類が判別しやすくなる点から、第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とは直交していることが好ましい。本発明において、「第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とが直交する」とは、第2偏光フィルタを通過した直線偏光が正反射した反射光の振動方向に対して第1偏光フィルタの偏光軸が直交することを意味する。
なお、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲であれば、第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とは直交していなくてもよい。
【0021】
第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とがなす角度は、第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とが直交するときの受光手段12の受光量を基準として、受光手段12の受光量が1~5倍となる角度になっていることが好ましく、1~3倍となる角度になっていることがより好ましい。例えば、第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とがなす角度は、-10~+10°が好ましい。前記角度が前記範囲内であれば、プリプレグPの欠陥部と正常部との輝度のコントラストが大きくなり、プリプレグPの欠陥の有無や種類が判別しやすくなる。
第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸とがなす角度は、第2偏光フィルタを通過した直線偏光が正反射した反射光の振動方向と第1偏光フィルタの偏光軸とがなす角度である。
【0022】
なお、本発明において使用する外観検査装置は、前記した外観検査装置1には限定されない。例えば、
図3に例示した外観検査装置2であってもよい。
図3における
図1と同じ部分は、同符号を付して説明を省略する。
外観検査装置2は、2つの照明10,10Aを備えている以外は、外観検査装置1と同様の態様である。外観検査装置1のように照明は1つでもよいが、照明を2つ備えることで、プリプレグの表面の凹凸がさらに強調される。そのため、後述の正常部の最大値と欠陥部の最大値の比率であるγ=X
max/B
maxが高くなり、プリプレグの欠陥の検知が容易になる。
【0023】
照明10Aは、照明10と同様に、検査対象のプリプレグPの斜め上方に設けられており、照明10AからプリプレグPの上面に光を照射できるようになっている。外観検査装置2では、2つの照明10,10AからプリプレグPに照射した光の反射光を、プリプレグPの上面に対して垂直な方向から受光手段12で受光するようになっている。また、照明10AのプリプレグPが配置される側にも第2偏光フィルタ14Aが設けられており、照明10Aから照射された光のうち、第2偏光フィルタ14Aを通過した光のみがプリプレグPに到達するようになっている。
【0024】
2つの照明10,10AでプリプレグPを照らす場合も、受光手段12によって撮影されるプリプレグ表面の照度は5000lx以上が好ましく、5000~150000lxがより好ましく、15000~100000lxがさらに好ましい。
照明10Aとしては、照明10として例示したものと同じものを例示できる。
【0025】
照明10Aからの光の照射方向と、プリプレグPの上面に対して垂直な方向とがなす角度φは、30~80°が好ましく、45~80°がより好ましい。角度φが前記範囲の下限値以上であれば、樹脂の照り返しが少なくなり、欠陥のみを検知しやすい。角度φが前記範囲の上限値以下であれば、プリプレグPに対して水平方向よりも上方からの光の照射になるので、正常部に凹凸の斑があっても強調されにくい。
【0026】
複数の照明を用いる場合、照明の数は2つには限定されず、3つ以上であってもよい。
また、本発明において使用する外観検査装置は、第2偏光フィルタを備えていなくてもよい。
【0027】
[プリプレグの製造方法]
本発明のプリプレグの製造方法は、外観検査装置を用いてプリプレグの欠陥の有無を検査する検査工程を有する方法である。以下、本発明のプリプレグの製造方法の一例として、前記した外観検査装置1を用いてプリプレグPの欠陥を検査する検査工程を有する方法について説明する。
【0028】
本実施形態のプリプレグの製造方法は、例えば、下記の製造工程及び検査工程を有する方法が挙げられる。
製造工程:強化繊維基材にマトリクス樹脂を含浸させてプリプレグPを得る。
検査工程:外観検査装置1を用いてプリプレグPの欠陥の有無を検査する。
【0029】
(製造工程)
製造工程は、公知の方法を特に制限なく採用できる。
強化繊維基材へのマトリクス樹脂の含浸方法としては、マトリクス樹脂を溶媒に溶解して強化繊維基材に含浸させた後に溶媒を除去する方法、マトリクス樹脂を溶融させて強化繊維基材に含浸させる方法を例示できる。
【0030】
具体的には、例えば、離型紙の上にマトリクス樹脂を塗布して離型紙付きシートを形成し、強化繊維基材の片側又は両側から離型紙付きシートを重ねて加熱加圧し、マトリクス樹脂を溶融させて強化繊維基材に含浸させる方法を例示できる。なお、強化繊維基材の片側のみに離型紙付きシートを重ねて加熱加圧してもよい。また、離型紙に代えて離型フィルムを用い、離型フィルム上にマトリクス樹脂を塗布して離型フィルム付きシートを形成し、前記離型フィルム付きシートを強化繊維基材の片側又は両側に重ねて加熱加圧してもよい。離型フィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルムを例示できる。
【0031】
強化繊維基材を構成する強化繊維としては、特に限定されず、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、高強度ポリエステル繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維を例示できる。これらのなかでも、機械物性や軽量化の点から炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維を例示できる。
強化繊維基材を構成する強化繊維は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0032】
強化繊維基材の形態は、特に限定されず、織布、不織布、連続繊維を一方向に引き揃えたシート状の形態、連続繊維を一定の長さに切り揃えた短繊維からなる基材を例示できる。
【0033】
マトリクス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を例示できる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂を例示できる。
【0034】
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、変性ポリオレフィン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネイト、ポリアミドイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブチレン-スチレン共重合体、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル、アクリロニトリル-スチレン共重合体を例示できる。
【0035】
プリプレグに含まれるマトリクス樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
マトリクス樹脂には、必要に応じて、難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等の添加剤を配合してもよい。
【0036】
以下、製造工程の一例を
図4に基づいて説明する。
図4に例示した製造装置20は、巻出装置21と、開繊装置23と、供給貼合装置25Aと、供給貼合装置25Bと、加熱加圧装置27と、冷却引取装置28と、巻き取り部29と、供給装置31と、巻取装置32とをこの順に備えている。
【0037】
製造装置20では、巻出装置21から一方向連続繊維からなる繊維束が巻き出され、開繊装置23によって、巻き出された繊維束を開繊して平たい帯状物(強化繊維基材)22とする。次いで、供給貼合装置25Aによって帯状物22の下面側に離型紙付きシート24aを貼り合わせ、さらに供給貼合装置25Bによって帯状物22の上面側に離型紙付きシート24bを貼り合わせる。離型紙付きシート24a,24bは、離型紙上に予めマトリクス樹脂が塗布され、マトリクス樹脂層が形成されたものである。
【0038】
供給貼合装置25A,25Bはそれぞれ、マトリクス樹脂層側に保護フィルム30aが貼り付けられた状態の離型紙付きシート24a,24bを供給部25から巻き出し、巻き取り部30で保護フィルム30aを巻き取った後、マトリクス樹脂層が帯状物22の下面と上面にそれぞれ接するように帯状物22に貼り合わせる。
【0039】
次いで、帯状物22に離型紙付きシート24a,24bを貼り合わせた積層体を、加熱加圧装置27の加熱手段27aによって加熱し、二対の加圧部27bによって加圧し、マトリクス樹脂を帯状物22に含浸させ、プリプレグPとする。そして冷却引取装置28の冷却手段28aによってプリプレグPを冷却しつつ、引取部28bによって引き取っていく。さらに、離型紙付きシート24bに用いたプリプレグPの上面側に位置する離型紙29aを巻き取り部29で巻き取り、代わりに供給装置31によって保護フィルム31aをプリプレグPの上面側に重ねる。その後、それらを離型紙付きシート24aに用いた下面側の離型紙とともに、離型紙が内側となるように巻取装置32で巻き取る。このような方法により、保護フィルム31aと離型紙に挟まれ、巻き回された巻回物の形態のプリプレグPが得られる。
保護フィルム30a,31aとしては、例えば、ポリプロピレンフィルムを例示できる。
【0040】
(検査工程)
検査工程では、外観検査装置1を用いて、製造工程で得たプリプレグPの欠陥の有無を検査する。本発明では、プリプレグPを連続的に製造しつつ、その製造ライン内でプリプレグPの欠陥を検査してもよく、製造ライン外でプリプレグPの欠陥を検査してもよい。
【0041】
製造工程で離型紙を用い、プリプレグP上に離型紙がある場合は離型紙を剥がした状態でプリプレグPの欠陥を検査する。例えば製造装置20によってプリプレグPを製造する場合、巻き取り部29でプリプレグPの上面側の離型紙29aを巻き取ってから保護フィルム31aを重ねるまでの間にプリプレグPの欠陥を検査する。また、保護フィルム31aが透明フィルムの場合は、プリプレグPの上面側に保護フィルム31aを重ねてから巻取装置32で巻き取るまでの間にプリプレグPの欠陥を検査してもよい。
【0042】
製造工程で離型紙の代わりに透明な離型フィルムを用いた場合は、離型フィルムをプリプレグPの上面側に重ねた状態でプリプレグPの欠陥を検査することができる。なお、離型フィルムを剥がした状態でプリプレグPの欠陥を検査してもよい。
【0043】
外観検査装置1を用いた検査工程では、検査対象であるプリプレグPに対し、斜め上方の照明10から光を照射する。そして、照明10から照射された光のうち、第2偏光フィルタ14を通過した直線偏光がプリプレグPで反射した反射光を、受光手段12によって第1偏光フィルタ16を介して受光させ、プリプレグPの上面の輝度情報を得る。受光手段12では、例えば、カメラでプリプレグPの表面の画像(静止画)を撮影し、画像処理プログラムを用いて輝度情報を得る。
【0044】
受光手段12により撮影した画像の各画素の濃度において、0を黒、1を白として正規化したとき、プリプレグPの正常部の平均濃度が0.10~0.60の範囲となる様に照明10及び受光手段12の条件を調整する。より具体的には、受光手段12によってプリプレグPを撮影した画像をnビットの信号で0~2n-1の2n段階に分け、0を黒、2n-1を白とし、プリプレグPの正常部の平均濃度(平均受光量)を(2n-1)×αとした場合に、αが0.10~0.60となるように照明10及び受光手段12の条件を調整する。αは画像の濃度を2n段階に分けたときの白である2n-1を1として正規化したときの平均濃度の値と一致する。
【0045】
αは、0.10~0.60であり、0.15~0.50が好ましい。αが前記範囲内であれば、第1偏光フィルタの効果が発現し、欠陥部と正常部とのコントラストが大きくなるため、欠陥の有無や種類を判別することが容易になる。αが前記範囲の下限値以上であれば、プリプレグPにおいて正常部に対して欠陥部のみが強調されるため、欠陥を検知しやすくなる。αが前記範囲の上限値以下であれば、正常部の斑が強調されにくく、欠陥を安定して検知しやすくなる。
【0046】
プリプレグPの表面において正常部と輝度が異なる欠陥は、受光手段12で得たプリプレグPの上面の画像における各画素の輝度(受光量)の濃淡から検出することができる。例えば、予め欠陥があるプリプレグを用いた測定を行い、欠陥によって正常部とどのような輝度の違いが現れるかを確認する。そして、それぞれの欠陥に対し、当該欠陥が存在する部分の輝度、幅、長さ、及び面積から選ばれる1種以上について基準値(閾値)を設ける。検査において、対象のプリプレグについて得た測定値を前記基準値と照合し、欠陥の有無や種類を判断する。これにより、省人化効果及び検査精度の向上効果が得られる。
【0047】
プリプレグPの上面の画像における各画素の輝度(受光量)の濃淡から欠陥を検出する際には、欠陥の有無や種類の判別を容易にする目的で、ガウシアンフィルタ、平均化フィルタ等の二次元フィルタを適用してもよい。
【0048】
検査対象のプリプレグの欠陥としては、例えば、毛羽欠点、異物欠点、ワレ欠点、シワ欠点、スジ欠点、樹脂欠落欠点、トウ張力不良、ロール押し跡、離型紙繋ぎ、コーター繋ぎ、トウ撚りが挙げられる。
これらの欠陥は、プリプレグの正常部との輝度の違いから、欠陥の有無や種類の判別が可能である。
【0049】
毛羽欠点は、強化繊維の毛羽がプリプレグに混入あるいは付着することにより現れる欠陥である。異物欠点は、プリプレグに離型紙の破片等の異物が混入している欠陥である。ワレ欠点は、プリプレグにおける強化繊維束間に現れる強化繊維が存在しない隙間により現れる欠陥である。シワ欠点は、プリプレグの製造に用いる離型紙にシワが入り、そのシワがプリプレグに転写されることによりプリプレグの表面に現れる欠陥である。スジ欠点は、プリプレグにおいて樹脂が欠落している部分がスジ状に現れる欠陥である。樹脂欠落欠点は、プリプレグにおいて樹脂が欠落している部分が点状に現れる欠陥である。トウ張力不良は、炭素繊維束の張力が周辺の繊維束と異なるために発生する欠陥である。ロール押し跡は、プリプレグをプレスするロールに付着した異物の転写の跡である。
【0050】
受光手段12で撮影した画像におけるプリプレグPの正常部の各画素の濃度を256段階に分割し、0を黒、255を白とした場合の平均濃度は、25~165が好ましく、26~161がより好ましく、30~100がさらに好ましい。前記平均濃度が前記範囲の下限値以上であれば、受光手段12で得られる受光量が十分に大きくなり、プリプレグの欠陥の有無や欠陥の種類の判別が容易になる。前記平均濃度が前記範囲の上限値以下であれば、正常部に僅かな斑があっても強調されにくく、欠陥のみを強調することができるので、安定して欠陥のみを検知できる。
【0051】
検査工程の態様としては、例えば、画像の各画素の濃度を8ビットの信号で0~255の256段階に分け、0を黒、255を白とした場合に、プリプレグPの正常部の平均濃度が30~100の範囲となるように照明10及び受光手段12の条件を調整する態様が挙げられる。
受光手段12で撮影した画像におけるプリプレグPの正常部の平均濃度は、例えば、照明10の輝度、受光手段12としてカメラを使用する場合はそのシャッター速度、ISO感度、絞り等を調節することで調節できる。プリプレグ表面の照度が5000lx未満の場合でも、受光手段12のISO感度やシャッタースピードを調整することで十分な受光量を達成できる。
【0052】
(作用効果)
例えば、マトリクス樹脂として熱可塑性樹脂を用いるプリプレグでは、複数のプリプレグを積層した積層体を成形して繊維強化複合材料を製造する場合に、プリプレグの表層部分の樹脂の割合を高めておくと層間強度が高くなる。しかし、表層部分の樹脂の割合が高いプリプレグは表面の光沢度が高い。そのため、検査装置の照明から照射された光のプリプレグ表面での正反射光が強く、照明が写り込みやすくなるうえ、周囲の光に起因するプリプレグ表面での外乱光が多くなる。これにより、プリプレグ表面における正常部と欠陥部との輝度のコントラストが低くなり、欠陥の有無や種類の判別が困難になる。このことから、特許文献1、2のような従来の検査方法では、特に光沢度の高いプリプレグの場合、プリプレグ表面に一般に存在するマトリクス樹脂の塗布ムラや含浸ムラ等も欠陥として検出されてしまい、検査精度が低く、省人化も難しい。
【0053】
これに対し、本発明では、受光手段のプリプレグが配置される側に第1偏光フィルタを設け、検査工程において、受光手段によってプリプレグを撮影した画像の各画素の濃度において0を黒、1を白として規格化したとき、プリプレグPの正常部の平均濃度が0.10~0.60となるように受光手段の条件を調整する。これにより、第1偏光フィルタによる効果が発現し、プリプレグ表面における正常部と欠陥部との輝度のコントラストが高くなるため、光沢度の高いプリプレグであっても、欠陥の有無や種類を判別することが容易になる。そのため、必要に応じて欠陥部分を取り除くことで、高品質なプリプレグを製造することができる。
【0054】
また、本発明では、照明のプリプレグが配置される側に第2偏光フィルタをさらに設けた欠陥検査装置を用いれば、照明から照射される光のプリプレグの表面での正反射光をさらにカットできる。そのため、プリプレグ表面における正常部と欠陥部との輝度のコントラストがさらに高くなり、欠陥の有無や種類を判別することが容易になる。
【0055】
本発明は、表面の光沢度が20~95%であるプリプレグに対して特に有効である。プリプレグの表面の光沢度は、JISZ8741に準拠し、入射角60°で測定される。
【0056】
なお、本発明のプリプレグの製造方法は、前記した外観検査装置1を用いる方法には限定されない。
例えば、外観検査装置1の代わりに外観検査装置2を用いる方法であってもよい。また、本発明は、照明からプリプレグの下面に光を照射し、当該光の反射光をプリプレグの下方に設置した受光手段で受光する外観検査装置を用いる方法であってもよい。第2偏光フィルタを備えない外観検査装置を用いる方法であってもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[光沢度の測定]
Gloss Meter VG7000(日本電色工業社製)を用い、JIS Z 8741に準拠し、入射角を60°として、プリプレグ表面の光沢度を測定した。プリプレグサンプルは、繊維の引き揃え方向と測定器の光源と受光器を結ぶ線が平行になる様に置いて測定した。
【0058】
[撮影画像の評価]
受光手段によってプリプレグを撮影した画像における正常部の平均濃度(平均受光量)をBave、最大値をBmax、最小値をBmin、標準偏差をBσ、欠陥部の最大値をXmaxとする。評価指標としては、サンプルの地合いのバラツキを表す指標としてβ=Bσ/Bave×100、サンプルの検出のしやすさを示す指標として正常部の最大値と欠陥部の最大値の比率であるγ=Xmax/Bmaxを用いた。
【0059】
[製造例1]
炭素繊維を一方向に揃えた繊維目付150g/m2の炭素繊維基材の両面に、エポキシ樹脂製のフィルムを重ね、加熱ロールによって加圧し、エポキシ樹脂を溶融しつつ含浸させて、繊維目付150g/m2、樹脂含有量37質量%の厚さ0.16mmのプリプレグを得た。得られたプリプレグから、毛羽の欠陥を含む縦200mm×横200mmの部分を切り出して、検査用プリプレグP-1とした。検査用プリプレグP-1の表面の光沢度は81%であった。
【0060】
[製造例2]
製造例1と同様の方法で、繊維目付を150g/m2、樹脂含有量を20質量%とした検査用プリプレグP-2を得た。検査用プリプレグP-2の表面の光沢度は19%であった。
【0061】
[実施例1、2、3]
図1及び
図2に例示した外観検査装置1を用意した。照明10として線状のLEDライト(型式:MLDHB-W1、メック社製、光源から15mmにおける照度は324000lx)を用い、照明10からの光の照射方向とプリプレグPの上面に対して垂直な方向とがなす角度θを25°とした。受光手段12としてCCDカメラ(型式:MKS-2048-40 ME10、メック社製)を用いた。第2偏光フィルタ14には偏光フィルム、第1偏光フィルタ16としては、PLフィルタを用い、第2偏光フィルタ14の偏光軸と第1偏光フィルタ16の偏光軸を直交させた。受光手段12で撮影された画像の各画素の濃度を8ビットの信号で、256段階に分け、0を黒、255を白とした。
外観検査装置1を用い、画像におけるプリプレグの正常部の平均濃度B
ave及びαが表1に示すとおりになる様に照明の出力を調節して、検査用プリプレグP-1の欠陥がある表面を検査した。
実施例1において、プリプレグを撮影した画像を
図5(A)、当該画像の濃度(受光量)を解析した画像を
図5(B)、直線I-Iに沿った部分の濃度(受光量)の解析結果を
図5(C)に示す。
【0062】
[比較例1、2]
実施例1と同様にして画像におけるプリプレグの正常部の平均濃度Bave及びαが表2に示すとおりになる様に照明の出力を調節して、検査用プリプレグP-1の欠陥がある表面を検査した。
【0063】
[比較例3~7]
第2偏光フィルタ14及び第1偏光フィルタ16を用いず、画像におけるプリプレグの正常部の平均濃度Bave及びαが表2に示すとおりになる様に照明の出力を調節した以外は、実施例1と同様にして検査用プリプレグP-1の欠陥がある表面を検査した。
【0064】
[参考例1~5]
検査用プリプレグをP-2に変更し、第2偏光フィルタ14及び第1偏光フィルタ16を用いず、画像におけるプリプレグの正常部の平均濃度Bave及びαが表2に示すとおりになる様に照明の出力を調節した以外は、実施例1と同様にして検査用プリプレグP-2の欠陥がある表面を検査した。
【0065】
各例における検査用プリプレグの種類、光沢度、第2偏光フィルタ及び第1偏光フィルタの有無、α、正常部のBave、Bmax、Bmin、Bσ、Xmax、β、γを表1及び表2に示す。
【0066】
【0067】
【0068】
表1、表2及び
図5に示すように、αが0.08、0.63の比較例1、2では、αが同等で偏光フィルタを用いていない比較例3、7に比べてγが同等以下であった。一方で、αが本発明で規定する範囲内の実施例1~3では、αが同等の比較例4~6に比べてγが高く、偏光フィルタによる効果が発現した。
また、比較例3~7と参考例1~5とを比較すると、光沢度の低い検査用プリプレグP-2では偏光フィルタが無くても高いγが保たれやすく、光沢度が高いプリプレグの方が欠陥の検知が難しいことが確認された。
【符号の説明】
【0069】
1,2…プリプレグの外観検査装置、10,10A…照明、12…受光手段、14…第2偏光フィルタ、16…第1偏光フィルタ、20…製造装置、22…帯状物(強化繊維基材)、24a,24b…離型紙付きシート、29a…離型紙、P…プリプレグ、F…強化繊維。