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特許7540310撮像装置、撮像装置の制御方法及び撮像装置の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法及び撮像装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20240820BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240820BHJP
   G03B 7/00 20210101ALI20240820BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240820BHJP
   H04N 23/70 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B17/18
G03B7/00
H04N23/50
H04N23/70
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020192146
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2022080922
(43)【公開日】2022-05-31
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(72)【発明者】
【氏名】榎 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 喜貴
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-70510(JP,A)
【文献】特開2018-37858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 17/18
G03B 7/00
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1操作部と第2操作部を有する撮像装置において、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されていない場合には、前記第2操作部を操作したときに、前記第1操作部で前記機能の設定値を変更できる状態にし、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されている場合には、前記第2操作部を操作したときに、前記機能の設定値を特定の設定値に直接変更することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記機能の設定値は、ISO感度の値であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記機能の設定値は、露出補正値であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記機能の設定値は、測光方式であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1操作部はダイヤル式の操作部材であり、前記第2操作部は押しボタン式の操作部材であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
第3操作部を備え、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されていない場合には、前記第2操作部及び前記第1操作部の操作により前記機能の設定値が変更された状態で前記第3操作部を操作したときに、前記機能の設定値を特定の設定値に直接変更し、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されている場合には、前記第1操作部の操作により前記機能の設定値が変更された状態で前記第3操作部を操作したときに、前記機能とは異なる別機能の設定値を特定の設定値に直接変更することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
第1操作部と第2操作部を有する撮像装置の制御方法において、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されているか否かを判定し、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されていない場合には、前記第2操作部の操作によって、前記第1操作部で前記機能の設定値を変更できる状態にさせ、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されている場合には、前記第2操作部の操作によって、前記機能の設定値を特定の設定値に直接変更させることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
第1操作部と第2操作部と制御部とを有する撮像装置を制御する制御プログラムにおいて、
前記制御部に、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されているか否かを判定させ、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されていない場合には、前記第2操作部の操作によって、前記第1操作部で前記機能の設定値を変更できる状態にさせ、
機能の設定値を直接に変更する役割が前記第1操作部に設定されている場合には、前記第2操作部の操作によって、前記機能の設定値を特定の設定値に直接変更させることを特徴とする撮像装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法及び撮像装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラ等の撮像装置では、様々な機能を迅速且つ確実に使用できるように、複数の操作部材を備えている。例えば、特許文献1のように、電子ダイヤル式の操作部材を複数備え、それぞれの操作部材に対して状況に応じた機能の操作を割り当てる撮像装置が知られている。また、操作部材に割り当てる役割をユーザーが変更可能なカスタマイズ性を有する撮像装置も多く登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-70510公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の撮像装置は高機能化が進んでいる。その一方で、撮像装置に設けることができる操作部材の数や種類は、筐体サイズ等の条件による制約を受ける。そのため、限られた数の操作部材で多種多様な機能の操作に対応しようとすると、操作手順が煩雑になったり、操作メニューの階層や選択が複雑化したりするという課題があった。また、操作部材に割り当てる役割をユーザーが変更できる場合には、その変更によって、複数の操作部材に同一又は類似の機能が重複したり、割り当てから外れた別の機能を操作しにくくなったりして、利便性に悪影響が及ぶおそれがある。そのため、高機能化と優れた操作性を両立した撮像装置が求められていた。
【0005】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、操作性に優れる撮像装置と、その制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1操作部と第2操作部を有する撮像装置において、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されていない場合には、第2操作部を操作したときに、第1操作部で機能の設定値を変更できる状態にし、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されている場合には、第2操作部を操作したときに、機能の設定値を特定の設定値に直接変更する。
【0007】
また、本発明は、第1操作部と第2操作部を有する撮像装置の制御方法において、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されているか否かを判定し、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されていない場合には、第2操作部の操作によって、第1操作部で機能の設定値を変更できる状態にさせ、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されている場合には、第2操作部の操作によって、機能の設定値を特定の設定値に直接変更させる。
【0008】
また、本発明は、第1操作部と第2操作部と制御部とを有する撮像装置を制御する制御プログラムにおいて、制御部に、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されているか否かを判定させ、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されていない場合には、第2操作部の操作によって、第1操作部で機能の設定値を変更できる状態にさせ、機能の設定値を直接に変更する役割が第1操作部に設定されている場合には、第2操作部の操作によって、機能の設定値を特定の設定値に直接変更させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の撮像装置、撮像装置の制御方法及び撮像装置の制御プログラムによれば、第1操作部と第2操作部を効率的に使い分けて、操作性に優れる撮像装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】撮像装置の概略構成を示す背面図である。
図2】撮像装置の概略構成を示す正面図である。
図3】撮像装置の概略構成を示す平面図である。
図4】撮像装置の制御系を示すブロック図である。
図5】第1の形態における操作部材の役割設定を示す図である。
図6】第1の形態の基本設定における操作例を示す図である。
図7】第1の形態の基本設定における操作例を示す図である。
図8】第1の形態の基本設定における操作例を示す図である。
図9】第1の形態のカスタム設定における操作例を示す図である。
図10】第1の形態のカスタム設定における操作例を示す図である。
図11】第1の形態のカスタム設定における操作例を示す図である。
図12】第2の形態における操作部材の役割設定を示す図である。
図13】第2の形態の基本設定における操作例を示す図である。
図14】第2の形態の基本設定における操作例を示す図である。
図15】第2の形態のカスタム設定における操作例を示す図である。
図16】第2の形態のカスタム設定における操作例を示す図である。
図17】第3の形態でカスタムファンクションボタンを操作してから測光方式を変更する操作例を示す図である。
図18】第3の形態でカスタムファンクションダイヤルにより測光方式を直接に変更する操作例を示す図である。
図19】第3の形態でカスタムファンクションボタンとカスタムファンクションダイヤルを併用して測光方式を変更する操作例を示す図である。
図20】第1の形態と第2の形態における制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1から図3に示す撮像装置10は、レンズ交換式のデジタルカメラであり、撮影レンズ(レンズ鏡筒)を取り外した状態のカメラ本体11を図示している。なお、デジタルカメラとしてはレンズ交換式に限られるものでなく、レンズ一体型デジタルカメラ(コンパクトデジタルカメラを含む)に適用してもよい。また、本発明は撮像機能を有する装置であれば適用可能であり、デジタルカメラ以外の撮像装置として、例えばスマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、携帯情報端末などに適用可能である。以下の説明における前後、上下、左右等の各方向は、カメラ本体11の背面側に位置するユーザー(撮影者)から見た方向である。
【0012】
撮像装置10は、カメラ本体11の正面側に、撮影レンズを取り付けるレンズマウント12を有する。カメラ本体11の内部には、撮影レンズをレンズマウント12に取り付けた状態で被写体像が結像する位置に撮像素子(図示略)を備えている。
【0013】
カメラ本体11の背面側には、表示部13が設けられている。表示部13は、液晶モニタや有機EL(エレクトロルミネッセンス)モニタ等の表示デバイスである。撮像素子で受光して光電変換により生成された電子画像や、撮像装置10に関する各種の情報が、表示部13に表示される。後述する露出制御用の各種設定値等も表示部13に表示される。
【0014】
カメラ本体11の背面側で表示部13の上方には、ファインダ窓14が設けられている。撮像装置10において被写体を観察するためのファインダ15(図4)は、光学ファインダと電子ビューファインダのいずれでもよい。光学ファインダの場合、カメラ本体11の内部に、クイックリターンミラーやペンタプリズム(又はペンタミラー)等からなるファインダ光学系が設けられ、被写体光束をファインダ窓14まで導いて被写体像を観察可能にする。光学ファインダ内には、各種情報をスーパーインポーズ等で表示するためのファインダ内表示手段(図示略)が設けられる。電子ビューファインダの場合、ファインダ窓14から観察可能な位置に、被写体の電子画像や各種情報が表示される。
【0015】
カメラ本体11の右側前部には、グリップ部16が形成されている。グリップ部16は、ユーザーの手(右手)で把持しやすい形状になっている。
【0016】
撮像装置10は、撮影や設定に関するユーザーの操作を行うための複数の操作部材を備えている。なお、本実施形態で言及する操作部材は代表的なものであり、これ以外の操作部材や操作手段を備えていてもよい。例えば、表示部13の表示デバイスには、操作入力可能なタッチパネルが具備されていてもよい。そして、表示デバイスに複数の操作部を模したユーザインタフェース(アイコン)を表示させた状態で、タッチパネルによる操作を行うよう構成してもよい。この場合、スマートフォン、タブレット端末、PCなどに好適である。このように、本発明の操作部は、機械的に動作可能な操作部材や、表示デバイスに概念的に表示される操作部、あるいはその他の操作手段等を包括する概念である。
【0017】
グリップ部16の上部には、電源レバー20、シャッタボタン21、前電子ダイヤル22が設けられている。カメラ本体11の上面のうちグリップ部16に近い前寄りの位置には、ISO感度ボタン23、露出補正ボタン24が設けられている。カメラ本体11の上面左側には、モード選択ダイヤル25が設けられている。カメラ本体11の背面には、後電子ダイヤル26、リセットボタン27、メニューボタン28、カーソルボタン群29が設けられている。また、カメラ本体11の上面には、カスタムファンクションボタン30、カスタムファンクションダイヤル31が設けられている。
【0018】
図4は、撮像装置10の制御系のうち、主に操作や表示に関係する構成要素を示したものである。撮像装置10は、制御部32によって統括的に制御される。制御部32は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んでおり、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し実行することで、撮像装置10の各部の動作を制御する。このプログラムには、後述する操作部の制御に関する内容が含まれる。プログラムの提供の形態としては、撮像装置10にプログラムを記憶させた状態での販売や流通の他に、ファームウエアの更新のようにプログラムのみの状態での配布等が可能である。制御部32には、撮像素子で光電変換した信号から電子画像を生成する画像処理回路、表示部13等の表示を制御する表示制御回路、撮像装置10における機械的な駆動部品(モータ等)を制御する駆動制御回路、等も含まれている。各種の操作部材(操作部)に対してユーザーが操作を行うと操作信号が制御部32に入力され、入力された信号に基づいて制御部32は撮像装置10の各部を制御する。例えば、制御部32の制御によって、表示部13やファインダ15への情報表示や被写体の電子画像の表示を行う。後述する操作例の説明では、制御の主体を特に明記していない場合でも、撮像装置10側の処理では、制御プログラムに基づいて、制御部32の制御によって動作や設定を行わせる。
【0019】
電源レバー20はシャッタボタン21の周囲を囲む環状の操作部材であり、回転操作によって撮像装置10の電源のオンオフを行わせる。また、撮影レンズにおける絞り値の効果を確認するプレビュー動作等を、電源レバー20の操作で行わせてもよい。
【0020】
シャッタボタン21の押し込み操作によって、撮像装置10における撮影動作が行われる。撮影動作では、光学ファインダを構成するクイックリターンミラーのアップダウン、シャッタ(図示略)の開閉、撮影レンズにおける絞りの絞り込み等が行われて、被写体光束を撮像素子に入射させる。そして、撮像素子や画像処理回路を用いた電子画像の生成、記録媒体への電子画像データの記録までが、一連の撮影動作として行われる。また、撮影動作用の押し込み量よりも浅くシャッタボタン21を押す半押し操作では、測光や被写体へのピント合わせ等、撮影の準備に関する動作が実行される。
【0021】
前電子ダイヤル22、後電子ダイヤル26、カスタムファンクションダイヤル31はそれぞれ、回転操作が可能なダイヤル式の操作部材であり、回転方向で複数の位置に停止して、停止位置を表す信号を制御部32に送るように構成されている。撮像装置10の動作状況やユーザーの設定によって、前電子ダイヤル22、後電子ダイヤル26、カスタムファンクションダイヤル31に割り当てられる役割は異なる。主に、撮影に関する諸機能の設定値(数値や条件)を変更させる際に、前電子ダイヤル22、後電子ダイヤル26、カスタムファンクションダイヤル31が用いられる。撮影に関する諸機能としては、例えばシャッタ速度、絞り値、ISO感度、露出補正値、AF(Auto Focus)点、測光方式、ホワイトバランス、フラッシュ光量補正、連写駆動設定、画像サイズ変更、画像記録方式、などの設定や選択がある。
【0022】
ISO感度ボタン23と露出補正ボタン24はいずれも押しボタン式の操作部材であり、押圧操作に応じて信号を制御部32に送るように構成されている。ISO感度ボタン23は、主にISO感度の設定の際に用いられる操作部材である。露出補正ボタン24は、主に露出補正値の設定の際に用いられる操作部材である。ISO感度ボタン23と露出補正ボタン24の具体的な役割については後述する。
【0023】
モード選択ダイヤル25は、回転操作が可能な部材な操作部材であり、撮像装置10における露出制御モードの選択に用いられる。写真の露出を決めるために特に重要な要素となるのが、シャッタ速度、絞り値、ISO感度である。そして、どの要素を撮影者がコントロールするか、言い換えればどの要素をカメラに任せる(自動化する)かが、露出制御モード選択の概念である。モード選択ダイヤル25を回転方向の複数の位置に停止させることで、以下のような露出制御モードに切り替えることができる。
【0024】
プログラムモードでは、適正露出となるように、シャッタ速度と絞り値の条件を、撮像装置10が所定のプログラムラインに基づいて自動的に設定する。絞り優先モードでは、ユーザーが絞り値を設定し、他の条件を撮像装置10が自動的に設定する。シャッタ優先モードでは、ユーザーがシャッタ速度を設定し、他の条件を撮像装置10が自動的に設定する。シャッタ・絞り優先モードでは、絞り値とシャッタ速度をユーザーが設定し、他の条件(特にISO感度)を撮像装置10が自動的に設定する。感度優先モードでは、ユーザーがISO感度を設定し、他の条件を撮像装置10が自動的に設定する。マニュアルモードでは、シャッタ速度、絞り値、ISO感度等の条件を、ユーザーが設定する。バルブモードでは、シャッタボタン21が押されている間、シャッタの開放を継続する。さらに露出制御モードとして上記以外に、撮像装置10がすべての条件を設定するオートモード、ユーザーが撮影に関する諸機能を任意に設定し保存しておけるユーザーモード、等を有してもよい。
【0025】
リセットボタン27は主に、ユーザーが設定した値を、初期値に復帰させたり、特定の設定値にスキップさせたりするリセット(スキップ)用の操作手段として用いられる。また、リセットボタン27は露出制御モードの復帰にも用いられる。例えば、モード選択ダイヤル25を用いて露出制御モードを切り替えなくとも、プログラムモードにおいて操作部材(前電子ダイヤル22、後電子ダイヤル26等)の操作により絞り値やシャッタ速度をユーザーが任意に変更することができる。具体的には、絞り値を変更した場合は絞り優先モードに、シャッタ速度を変更した場合はシャッタ優先モードに、瞬時に切り替えることが可能である。このようにして露出制御モードを切り替えた状態でリセットボタン27を操作すると、プログラムモードに復帰し、ユーザーが設定した絞り値やシャッタ速度ではなく、プログラムラインに基づく絞り値やシャッタ速度の組み合わせが用いられるようになるため、ユーザーとしては直感的でスムーズな操作感を得ることができる。
【0026】
また、マニュアルモードにおいてリセットボタン27を操作すると、ユーザーが設定したシャッタ速度や絞り値が、撮像装置10が設定する標準露出の値に変化する。
【0027】
メニューボタン28とカーソルボタン群29は、主に表示部13への設定メニュー等の表示や項目の選択に用いられる。カーソルボタン群29は、上下左右の四方向に対応する4つのボタンと、それらの中央に配したボタン(コマンドの決定等に使用する)で構成されている。メニューボタン28の操作によって表示部13に設定画面が表示され、設定メニュー内のカーソル移動や設定項目の決定をカーソルボタン群29によって行う。メニューボタン28は、表示画面を戻す場合にも用いられる。
【0028】
カスタムファンクションボタン30とカスタムファンクションダイヤル31には、ユーザーの選択により任意の機能を割り当てることが可能である。カスタムファンクションダイヤル31は上述のようにダイヤル式の操作部材である。カスタムファンクションボタン30は、押しボタン式の操作部材である。カスタムファンクションボタン30とカスタムファンクションダイヤル31の操作例については後述する。
【0029】
撮像装置10では、カスタムファンクションボタン30及びカスタムファンクションダイヤル31を含む一部の操作部材(操作部)において、役割の割り当て(操作対象とする機能)を変更することが可能である。本実施形態は、このようなカスタマイズ性を操作部に持たせた場合に、複数の操作部の役割分担を最適化して、優れた操作性を得られるようにするものであり、以下にその詳細を説明する。
【0030】
プログラムモードでの操作部材の役割設定用の画面を図5及び図11に示した。ユーザーがメニューボタン28やカーソルボタン群29を適宜操作することで、図5図11のような設定用画面が表示部13に表示され、表示された選択肢からユーザーが好みの設定を選択して確定させることで、操作部材に役割が割り当てられる。図5及び図11の設定用画面では、前電子ダイヤル22を抽象化したアイコン22a、後電子ダイヤル26を抽象化したアイコン26a、リセットボタン27を抽象化したアイコン27aが示されており、各アイコンの右側に操作対象となる機能(役割の割り当て)が文字で記載されている。
【0031】
図5及び図11に示すように、プログラムモードでは、前電子ダイヤル22にプログラムシフト、リセットボタン27にプログラムシフト解除、という操作が割り当てられている。プログラムシフトは、プログラムラインに従って、露出値を一定にしながらシャッタ速度と絞り値の組み合わせを変更するものである。プログラムシフトの解除は、プログラムシフトによって変更されたシャッタ速度と絞り値を、初期値に戻すものである。
【0032】
プログラムモードにおいて、後電子ダイヤル26には複数の異なる役割を割り当てることが可能である。現状で選択されている設定内容(操作部材の役割の組み合わせ)は、表示部13上にハイライトやカーソル等の強調表示で示される。図5及び図11の例では、太枠の囲み表示を強調表示として用いている。
【0033】
撮像装置10における基本設定では、後電子ダイヤル26に役割が設定されていない。図5及び図11の設定用画面での1段目と3段目の選択内容(アイコン26aの右側に役割が表示されていない)が基本設定に相当する。なお、「役割が設定されていない」とは、プログラムモードで後電子ダイヤル26の操作を全く使用しない(機能しない)という意味ではなく、プログラムモードにおける撮影待機状態で、後電子ダイヤル26だけを操作しても設定等の変更が生じないことを意味している。後述するように、基本設定が選択された状態では、ISO感度ボタン23や露出補正ボタン24の操作をトリガーとして、後電子ダイヤル26の操作を介した設定値(ISO感度や露出補正値)の変更を受け付ける。従って、基本設定は、「撮影待機状態において、機能の設定値(ISO感度や露出補正値)を直接に変更する役割が後電子ダイヤル26に設定されていない状態」と言い換えることができる。
【0034】
基本設定とは異なる第1のカスタム設定として、後電子ダイヤル26にISO感度の設定値を直接変更(以下、ダイレクト操作と呼ぶ)する機能を割り当てることができる。図5及び図11の設定用画面での2段目の選択内容が、第1のカスタム設定である。
【0035】
基本設定とは異なる第2のカスタム設定として、後電子ダイヤル26に露出補正の設定値を直接変更(以下、ダイレクト操作と呼ぶ)する機能を割り当てることができる。図5及び図11の設定用画面での4段目の選択内容が、第2のカスタム設定である。
【0036】
図5から図10を参照して、設定対象の機能がISO感度である第1の形態を説明する。第1の形態では、第1操作部が後電子ダイヤル26、第2操作部がISO感度ボタン23となる。なお、図5から図10に示す各段階では、露出決定に関する外的条件(被写体の位置や明るさ)は変わらずに一定であるものとする。
【0037】
図5の左側は、後電子ダイヤル26への役割の設定が無い場合(基本設定)の選択画面であり、図5の右側は、後電子ダイヤル26にISO感度のダイレクト操作を割り当てた場合(第1のカスタム設定)の選択画面である。図6から図10に複数示した矩形のエリア(A1~A10)は、表示部13に表示される露出制御の設定画面を模したものであり、各エリアを4分割したうちの画面左上の数値はシャッタ速度、画面右上の数値は絞り値、画面左下の数値はISO感度、画面右下のゲージは露出補正の値(補正段数)を表す露出補正ゲージ、をそれぞれ示している。各数値や露出補正ゲージの周囲を囲む太枠は、ユーザーの操作によって設定値を変更可能な状態にあることを意味しており、太枠内には設定値の変更に対応する操作部材がアイコンで示されている。なお、図示のような太枠以外に、数値やアイコンの点滅、色の変化等によって、設定値を変更可能な状態にあることを強調表示してもよい。
【0038】
後電子ダイヤル26にISO感度のダイレクト操作の役割設定が無い基本設定(図5の左側の設定)での操作と制御内容を、図6から図8に示した。図6の設定画面A1は、撮像装置10による撮影が可能な状態での表示部13の表示(撮影待機画面)を示している。より詳しくは、設定画面A1に表示されているのは、プログラムモードで撮像装置10が設定した露出制御の一例であり、シャッタ速度が1/30秒、絞り値がF4.0、ISO感度が400である。露出補正はかけられておらず、露出補正値は初期値の±0である。この状態において、前電子ダイヤル22の操作によるプログラムシフトでシャッタ速度と絞り値の組み合わせを変更可能であることが、シャッタ速度と絞り値を囲む太枠と、太枠内のアイコン22a(前電子ダイヤル22を抽象化したもの)とによって示されている。
【0039】
設定画面A1の状態からユーザーが前電子ダイヤル22を回転操作すると、プログラムシフトが行われる。一例として、プログラムシフトを行った後の設定画面A2では、シャッタ速度が1/40秒、絞り値がF3.5に変更されている。なお、前電子ダイヤル22の回転位置の変更によって、設定画面A2以外のシャッタ速度と絞り値の組み合わせを選択することも可能である。
【0040】
設定画面A2の状態でユーザーがリセットボタン27を操作すると、プログラムシフトが解除されて、絞り値とシャッタ速度の組み合わせが設定画面A1に示す初期値に戻る。また、設定画面A2以外の設定値であるプログラムシフト状態からも、リセットボタン27の操作によって、プログラムシフトが解除されて初期値(設定画面A1)に戻る。リセットボタン27の操作によって初期値に直ちに復帰することで、ユーザーの利便性が向上する。
【0041】
図7は、後電子ダイヤル26にISO感度のダイレクト操作の役割設定が無い基本設定において、プログラムモードからISO感度の変更に進む流れを示している。なお、図7における設定画面A1及びA2は、図6に関して先に説明した設定画面A1及びA2と共通の内容である。以降、複数の図面において同じ設定画面番号で示している箇所は、共通する設定内容や状況を表しているものとする。
【0042】
設定画面A2の状態でユーザーがISO感度ボタン23を操作すると、設定画面A3に移行して、後電子ダイヤル26によるISO感度の変更を受け付ける状態になる。設定画面A3では、後電子ダイヤル26の操作によってISO感度の値を変更可能であることが、ISO感度を囲む太枠と、太枠内のアイコン26a(後電子ダイヤル26を抽象化したもの)とによって示されている。
【0043】
図8に示すように、設定画面A3の状態でユーザーが後電子ダイヤル26を操作することにより、ISO感度の値が変更される。一例として、設定画面A4では、ユーザーの操作によりISO感度が400から800に変更されており、ISO感度の変更に伴ってシャッタ速度が1/40秒から1/80秒に切り替わっている。
【0044】
ISO感度ボタン23の操作によってISO感度の変更を受け付ける状態になると、リセットボタン27の役割が変更される。具体的には、プログラムシフトを解除する役割から、ISO感度の設定値をリセットする役割に変更される。
【0045】
従って、設定画面A4のようにユーザーの操作でISO感度を変更した状態でリセットボタン27を操作すると、設定画面A5に示すように、ユーザーが変更したISO感度の値がリセットされて、ISO感度がオート(プログラムモードでの初期値)になる。設定画面A5では、ISO感度のリセットに伴い、シャッタ速度が、設定画面A4で変更されていた1/80秒から1/40秒に戻っている。この段階でプログラムシフトは解除されていないので、設定画面A5では、プログラムシフトを行った設定画面A2に対応するシャッタ速度と絞り値になっている。
【0046】
後電子ダイヤル26の操作によりISO感度を変更する前の設定画面A3の段階でユーザーがリセットボタン27を操作した場合も、ISO感度がオート(初期値)になって、設定画面A5に遷移する。
【0047】
以上のように、後電子ダイヤル26にISO感度のダイレクト操作の役割が割り当てられていない基本設定では、ISO感度ボタン23を操作することで初めて、後電子ダイヤル26の操作でISO感度を変更可能な状態になる。そして、ユーザーにより設定されたISO感度の値は、リセットボタン27の操作によってリセットされる。
【0048】
後電子ダイヤル26にISO感度のダイレクト操作の役割が設定されている第1のカスタム設定(図5の右側の設定)での操作と制御内容を、図9及び図10に示した。
【0049】
第1のカスタム設定では、後電子ダイヤル26の操作によってISO感度を直接変更することができる。そのため、図9及び図10に示す設定画面A6及び設定画面A7では、上述した基本設定における設定画面A1及び設定画面A2の表示内容に加えて、後電子ダイヤル26の操作によってISO感度の値を変更可能であることが、ISO感度を囲む太枠と、太枠内のアイコン26a(後電子ダイヤル26を抽象化したもの)とによって示されている。
【0050】
図9に示すように、プログラムシフトを行った設定画面A7の状態でユーザーが後電子ダイヤル26を操作すると、ISO感度の値が変更される。一例として、設定画面A8では、ユーザーの操作によりISO感度が400から800に変更されている。これに応じてシャッタ速度が1/40秒から1/80秒に切り替わっている。このように、第1のカスタム設定では、ISO感度ボタン23の操作を行わずに、後電子ダイヤル26を操作してISO感度を直接に変更(設定画面A7から設定画面A8への遷移)できる点で、上述した基本設定(設定画面A2から設定画面A4への遷移)とは異なる。なお、図9ではプログラムシフト後のISO感度の変更を示しているが、プログラムシフトしない状態(設定画面A6)で、ユーザーが後電子ダイヤル26を操作してISO感度を直接に変更させることも可能である。
【0051】
第1のカスタム設定では、ユーザー操作によりISO感度を変更した状態におけるリセットボタン27の操作は、プログラムシフトの解除に割り当てられている。従って、設定画面A8の状態でユーザーがリセットボタン27を操作すると、プログラムシフトが解除される。プログラムシフト解除後の設定画面A9の例では、設定画面A8で変更されたISO感度(800)を維持しつつ、絞り値が初期値と同じF4.0になり、シャッタ速度は1/80秒から1/60秒になっている。
【0052】
第1のカスタム設定では、ユーザー操作によりISO感度を変更した状態におけるISO感度ボタン23の操作は、変更されたISO感度のリセット(特定の設定値への直接変更)に割り当てられている。従って、図10に示すように、設定画面A8の状態でユーザーがISO感度ボタン23を操作すると、先の後電子ダイヤル26の操作でユーザーが変更したISO感度(800)がリセットされて、ISO感度がオートになる(設定画面A10)。これに応じて、シャッタ速度が1/80秒から1/40秒に切り替わっている。
【0053】
以上のように、後電子ダイヤル26にISO感度のダイレクト操作の役割が設定されている第1のカスタム設定では、ユーザーが変更したISO感度は、ISO感度ボタン23の操作によってリセットされる。
【0054】
第1のカスタム設定では、ISO感度ボタン23の操作を経ずに、後電子ダイヤル26の操作で直接にISO感度を変更できる。そのため、基本設定のようにISO感度ボタン23をISO感度の変更モードに入るための操作部材にしてしまうと、ISO感度ボタン23と後電子ダイヤル26が担う役割が重複してしまう。
【0055】
また、第1のカスタム設定は、ISO感度を変更する際に、一旦ISO感度ボタン23を操作するという手間を省略できるように、後電子ダイヤル26による制御対象をISO感度にするカスタマイズを行っている。つまり、ISO感度の変更に関して、操作の手数を減らして迅速化を図ることを狙ったカスタマイズである。ここで、基本設定のように、ISO感度ボタン23をISO感度変更モードに入るための操作部材とし、リセットボタン27をISO感度リセット用の操作部材として運用すると、設定画面A8の状態からのISO感度リセット(ISO感度オートへの移行)の際に、一旦ISO感度ボタン23を操作してからリセットボタン27を操作するという手順を要することになる。つまり、ISO感度の変更を1操作で行えるのに対して、ISO感度のリセットには2操作を要して操作が煩雑になる。
【0056】
また、基本設定では、リセットボタン27が、プログラムシフトの解除(設定画面A2から設定画面A1への移行)と、ISO感度のリセット(設定画面A3,A4から設定画面A5への移行)という2つの役割を有している。そのため、ユーザーの操作によってISO感度を変更した後は、プログラムシフトの解除を行うために、リセットボタン27を複数回操作する(1回目の操作でISO感度をリセット、2回目の操作でプログラムシフトを解除)等の必要がある。
【0057】
このように、ISO感度のダイレクト操作を後電子ダイヤル26に割り当てた場合に、ISO感度ボタン23にもISO感度の変更用の機能を重複して割り当てると、複数の操作部材の役割分担が非効率になったり、操作の迅速化(操作回数の少なさ)の効果が十分に得られなかったりする。
【0058】
これに対し、本実施形態の撮像装置10では、ISO感度をダイレクト操作する役割を後電子ダイヤル26に割り当てない基本設定では、ISO感度ボタン23は、ISO感度の設定値を後電子ダイヤル26で変更できる状態にさせる役割を持つ。一方、ISO感度をダイレクト操作する役割を後電子ダイヤル26に持たせた第1のカスタム設定では、ISO感度ボタン23は、ISO感度を特定の設定値に直接変更する(リセットしてISO感度オートにする)役割になる。そのため、第1のカスタム設定では、第1操作部である後電子ダイヤル26と第2操作部であるISO感度ボタン23の役割が重複せず、ISO感度の変更だけでなく、ISO感度のリセットについても、少ない操作回数で迅速に行うことが可能である。
【0059】
また、ISO感度ボタン23に対応して、リセットボタン27についても、基本設定と第1のカスタム設定で役割を異ならせている。第1のカスタム設定では、ユーザーによるISO感度の変更(設定画面A8)後に、ISO感度ボタン23の操作でISO感度のリセットを行い(設定画面A10)、リセットボタン27の操作でプログラムシフトの解除を行う(設定画面A9)。これにより、第2操作部であるISO感度ボタン23と第3操作部であるリセットボタン27の役割が重複せず、ISO感度のリセットとプログラムシフトの解除がいずれも1つの操作部の1つ(1回)の操作で実行され、迅速で効率の良い操作が可能になる。
【0060】
なお、第1のカスタム設定において、後電子ダイヤル26に加えてISO感度ボタン23とリセットボタン27についても以上の役割変更を行うか否かを、ユーザーが選択できるようにカスタマイズメニューを構成してもよい。換言すれば、後電子ダイヤル26について第1のカスタム設定を適用しながらも、ISO感度ボタン23とリセットボタン27は基本設定での役割分担のままにするという選択を設けてもよい。これにより、既存の撮像装置に準じたISO感度ボタン23とリセットボタン27の使い分けを行いたいというユーザーのニーズにも応えることができる。
【0061】
図11から図16を参照して、設定対象の機能が露出補正である第2の形態を説明する。第2の形態では、第1操作部が後電子ダイヤル26、第2操作部が露出補正ボタン24となる。なお、図11から図16に示す各段階では、露出決定に関する外的条件(被写体の位置や明るさ)は変わらずに一定であるものとする。
【0062】
図11の左側は、後電子ダイヤル26への役割の設定が無い場合(基本設定)の設定画面であり、図11の右側は、後電子ダイヤル26に露出補正値のダイレクト操作を割り当てた場合(第2のカスタム設定)の設定画面である。設定画面B1~B10における露出制御用の数値や露出補正ゲージ、太枠、太枠内のアイコン等の意味は、上述した第1の形態と同じである。
【0063】
後電子ダイヤル26に露出補正値のダイレクト操作の役割設定が無い基本設定(図11の左側の設定)での操作と制御内容を、図12から図14に示した。図12の設定画面B1は、プログラムモードで撮像装置10が設定した露出制御の一例であり、シャッタ速度が1/30秒、絞り値がF4.0、ISO感度が400である。露出補正はかけられておらず、露出補正値は初期値の±0である。
【0064】
設定画面B1の状態からユーザーが前電子ダイヤル22を回転操作すると、プログラムシフトが行われる。一例として、プログラムシフトを行った後の設定画面B2では、シャッタ速度が1/40秒、絞り値がF3.5に変更されている。なお、前電子ダイヤル22の回転位置の変更によって、設定画面B2以外のシャッタ速度と絞り値の組み合わせを選択することも可能である。
【0065】
設定画面B2の状態でユーザーがリセットボタン27を操作すると、プログラムシフトが解除されて、絞り値とシャッタ速度の組み合わせが設定画面B1に示す初期値に戻る。また、設定画面B2以外の設定値であるプログラムシフト状態からも、リセットボタン27の操作によって、プログラムシフトが解除されて初期値(設定画面B1)に戻る。リセットボタン27の操作によって初期値に直ちに復帰することで、ユーザーの利便性が向上する。
【0066】
図13は、後電子ダイヤル26に露出補正値のダイレクト操作の役割設定が無い基本設定において、プログラムモードから露出補正値の変更に進む流れを示している。設定画面B2の状態でユーザーが露出補正ボタン24を操作すると、設定画面B3に移行して、後電子ダイヤル26による露出補正値の変更を受け付ける状態になる。設定画面B3では、後電子ダイヤル26の操作によって露出補正値を変更可能であることが、露出補正値を囲む太枠と、太枠内のアイコン(後電子ダイヤル26を抽象化したもの)とによって示されている。
【0067】
図14に示すように、設定画面B3の状態でユーザーが後電子ダイヤル26を操作することにより、露出補正値が初期値の±0から変更される。一例として、設定画面B4では、ユーザーの操作により+3(3段分明るくする)の露出補正が行われており、露出補正をかけた結果、シャッタ速度が1/40秒から1/5秒に切り替わっている。
【0068】
露出補正ボタン24の操作によって露出補正値の変更を受け付ける状態になると、リセットボタン27の役割が変更される。具体的には、プログラムシフトを解除する役割から、露出補正値の設定値をリセットする役割に変更される。
【0069】
従って、設定画面B4のようにユーザーの操作で露出補正値を変更した状態でリセットボタン27を操作すると、設定画面B5に示すように、ユーザーが変更した露出補正値(+3)がリセットされて、露出補正値が初期値の±0になる。設定画面B5では、露出補正値のリセットに伴い、シャッタ速度が、設定画面B4で変更されていた1/5秒から1/40秒に戻っている。この段階でプログラムシフトは解除されていないので、設定画面B5では、プログラムシフトを行った設定画面B2に対応するシャッタ速度と絞り値になっている。
【0070】
以上のように、後電子ダイヤル26に露出補正値のダイレクト操作の役割が割り当てられていない基本設定では、露出補正ボタン24を操作することで初めて、後電子ダイヤル26の操作で露出補正値を変更可能な状態になる。そして、ユーザーにより設定された露出補正値は、リセットボタン27の操作によってリセットされる。
【0071】
後電子ダイヤル26に露出補正値のダイレクト操作の役割が設定されている第2のカスタム設定(図11の右側の設定)での操作と制御内容を、図15及び図16に示した。
【0072】
第2のカスタム設定では、後電子ダイヤル26の操作によって露出補正値を直接変更することができる。そのため、図15及び図16に示す設定画面B6及び設定画面B7では、上述した基本設定における設定画面B1及び設定画面B2の表示内容に加えて、後電子ダイヤル26の操作によって露出補正値を変更可能であることが、露出補正ゲージを囲む太枠と、太枠内のアイコン26a(後電子ダイヤル26を抽象化したもの)とによって示されている。
【0073】
図15に示すように、プログラムシフトを行った設定画面B7の状態でユーザーが後電子ダイヤル26を操作すると、露出補正値が変更される。一例として、設定画面B8では、ユーザーの操作により露出補正値が初期値の±0から+3に変更されており、露出補正をかけた結果、シャッタ速度が1/40秒から1/5秒に切り替わっている。このように、第2のカスタム設定では、露出補正ボタン24の操作を行わずに、後電子ダイヤル26を操作して直接に露出補正値を変更(設定画面B7から設定画面B8への遷移)できる点で、上述した基本設定(設定画面B2から設定画面B4への遷移)とは異なる。なお、図15ではプログラムシフト後の露出補正値の変更を示しているが、プログラムシフトしない状態(設定画面B6)で、ユーザーが後電子ダイヤル26を操作して露出補正値を直接に変更させることも可能である。
【0074】
第2のカスタム設定では、ユーザー操作により露出補正値を変更した状態におけるリセットボタン27の操作は、プログラムシフトの解除に割り当てられている。従って、設定画面B8の状態でユーザーがリセットボタン27を操作すると、プログラムシフトが解除される。プログラムシフト解除後の設定画面B9の例では、シャッタ速度が1/4秒、絞り値がF4.0となっている。プログラムシフト前の初期値(設定画面B6)ではシャッタ速度が1/30秒、絞り値がF4.0であるのに対して、ユーザーによる設定の露出補正値+3(設定画面B8)を反映させた結果、設定画面B9に示すシャッタ速度と絞り値になっている。
【0075】
第2のカスタム設定では、ユーザー操作により露出補正値を変更した状態における露出補正ボタン24の操作は、変更された露出補正値のリセット(特定の設定値への直接変更)に割り当てられている。従って、図16に示すように、設定画面B8の状態でユーザーが露出補正ボタン24を操作すると、先の後電子ダイヤル26の操作でユーザーが変更した露出補正値(+3)がリセットされて、露出補正値が初期値の±0になる(設定画面B10)。露出補正値のリセットに応じて、シャッタ速度が露出補正前と同じ1/40秒に切り替わっている。
【0076】
以上のように、後電子ダイヤル26に露出補正値のダイレクト操作の役割が設定されている第2のカスタム設定では、ユーザーが変更した露出補正値は、露出補正ボタン24の操作によってリセットされる。そして、第2のカスタム設定での利点は、上述した第1の形態における第1のカスタム設定での利点と同様のものとなる。
【0077】
まず、露出補正値をダイレクト操作する役割を後電子ダイヤル26に割り当てない基本設定では、露出補正ボタン24は、露出補正の設定値を後電子ダイヤル26で変更できる状態にさせる役割を持つ。一方、露出補正値をダイレクト操作する役割を後電子ダイヤル26に持たせた第2のカスタム設定では、露出補正ボタン24は、露出補正値を特定の設定値に直接変更する(露出補正無しにリセットする)役割になる。そのため、第2のカスタム設定では、第1操作部である後電子ダイヤル26と第2操作部である露出補正ボタン24の役割が重複せず、露出補正値の変更だけでなく、露出補正値のリセットについても、少ない操作回数で迅速に行うことが可能である。
【0078】
また、露出補正ボタン24に対応して、リセットボタン27についても、基本設定と第2のカスタム設定で役割を異ならせている。第2のカスタム設定では、ユーザーによる露出補正値の変更(設定画面B8)後に、露出補正ボタン24の操作で露出補正値のリセットを行い(設定画面B10)、リセットボタン27の操作でプログラムシフトの解除を行う(設定画面B9)。これにより、第2操作部である露出補正ボタン24と第3操作部であるリセットボタン27の役割が重複せず、露出補正値のリセットとプログラムシフトの解除がいずれも1つの操作部の1つの操作で実行され、迅速で効率の良い操作が可能になる。
【0079】
なお、第2のカスタム設定において、後電子ダイヤル26に加えて露出補正ボタン24とリセットボタン27についても以上の役割変更を行うか否かを、ユーザーが選択できるようにカスタマイズメニューを構成してもよい。換言すれば、後電子ダイヤル26について第2のカスタム設定を適用しながらも、露出補正ボタン24とリセットボタン27は基本設定での役割分担のままにするという選択を設けてもよい。これにより、既存の撮像装置に準じた露出補正ボタン24とリセットボタン27の使い分けを行いたいというユーザーのニーズにも応えることができる。
【0080】
第1の形態と第2の形態に対応した制御の一例を、図20のフローチャートを参照して説明する。フローチャートにおける第1操作部は後電子ダイヤル26、第3操作部はリセットボタン27である。第2操作部は、第1の形態ではISO感度ボタン23、第2の形態では露出補正ボタン24である。機能の設定値は、第1の形態ではISO感度、第2の形態では露出補正値である。
【0081】
プログラムモードでの撮影待機中に、制御部32は、第1操作部の操作の有無をチェックする(ステップS100)。第1操作部が操作されると(ステップS100:YES)、制御部32は、第1操作部にダイレクト操作が設定されているか否かを判定する(ステップS101)。
【0082】
第1操作部にダイレクト操作が設定されている場合(ステップS101:YES)、制御部32は、先に入力された第1操作部の操作を受け付けて、第1操作部の操作方向や操作量等に応じて機能の設定値を変更する(ステップS102)。
【0083】
続いて、制御部32は、第2操作部の操作の有無をチェックする(ステップS103)。第2操作部が操作されると(ステップS103:YES)、制御部32は、ステップS102で変更した機能の設定値をリセットする(ステップS104)。
【0084】
さらに、制御部32は、第3操作部の操作の有無をチェックする(ステップS105)。第3操作部が操作されると(ステップS105:YES)、制御部32は、プログラムシフトを解除する(ステップS106)。そして、フローチャートから抜けて、第1操作部又は第2操作部の操作を待機する状態に戻る。なお、ステップS105の時点で、プログラムモードにおけるプログラムシフトが行われていない場合は、第3操作部の操作があってもステップS106の処理はスキップされる。
【0085】
ステップS103で第2操作部の操作が無い場合(NO)は、機能の設定値のリセットは行われず、ステップS102で変更した設定値が維持される。また、ステップS105で第3操作部の操作が無い場合(NO)は、プログラムシフトの解除は行われない。
【0086】
以上のステップS100からステップS106までの処理は、第1の形態における第1のカスタム設定や、第2の形態における第2のカスタム設定が選択されている場合に対応する。
【0087】
ステップS100で第1操作部の操作が無い場合(NO)や、ステップS101で第1操作部にダイレクト操作が設定されていない場合(NO)は、第1の形態及び第2の形態における基本設定に対応する処理に進む。この基本設定の処理では、制御部32は、第2操作部の操作の有無をチェックする(ステップS107)。
【0088】
第2操作部が操作されると(ステップS107:YES)、第1操作部による機能の設定値の変更を受け付ける状態になる。ここで第1操作部が操作されると(ステップS108:YES)、制御部32は、第1操作部の操作方向や操作量等に応じて機能の設定値を変更する(ステップS109)。
【0089】
続いて、制御部32は、第3操作部の操作の有無をチェックする(ステップS110)。第3操作部が操作されると(ステップS110:YES)、制御部32は、ステップS109で変更した機能の設定値をリセットする(ステップS111)。
【0090】
ステップS107で第2操作部の操作が無い場合(NO)や、ステップS108で第1操作部の操作が無い場合(NO)は、フローチャートから抜けて、第1操作部又は第2操作部の操作を待機する状態に戻る。
【0091】
ステップS110で第3操作部の操作が無い場合(NO)、機能の設定値のリセットは行われず、ステップS109で変更した機能の設定値が維持される。
【0092】
以上のステップS100、ステップS101及びステップS107からステップS111までの処理は、第1の形態における第1のカスタム設定や、第2の形態における第2のカスタム設定が選択されていない、基本設定の場合に対応する。
【0093】
図17から図19を参照して、設定対象の機能が測光方式である第3の形態を説明する。第3の形態では、第1操作部がカスタムファンクションダイヤル31、第2操作部がカスタムファンクションボタン30となる。なお、図17から図19に示す各段階では、露出決定に関する外的条件(被写体の位置や明るさ)は変わらずに一定であるものとする。
【0094】
撮像装置10において選択可能な測光方式として、分割測光、中央重点測光、スポット測光がある。分割測光は、撮影画面を複数の領域に分割して各領域の明るさや色に基づいて露出を設定するものである。中央重点測光は、撮影画面の中央付近の領域を重点的に測光して露出を設定するものである。スポット測光は、被写体の特定部分を測光して露出を設定するものである。なお、撮像装置10は、カスタムファンクションボタン30とカスタムファンクションダイヤル31以外に、測光方式を選択する専用の操作部を備えていてもよい。
【0095】
図17に示す設定画面C1は、カスタムファンクションボタン30に機能を割り当てるための設定画面である。メニューボタン28やカーソルボタン群29を操作することによって、設定画面C1が表示部13に表示される。ユーザーは、カスタムファンクションボタン30に割り当て可能な複数の機能から、測光方式を選択するための「測光モード」の項目を選んで、カスタムファンクションボタン30の機能として割り当てる。
【0096】
図17に示す設定画面C2は、第1の形態及び第2の形態における設定画面A1及び設定画面B1と同様に、プログラムモードにおける撮影待機画面であり、前電子ダイヤル22の回転操作によりプログラムシフトが可能な状態を表示部13に示している。
【0097】
カスタムファンクションダイヤル31の役割として測光モードが割り当てられていない場合(測光方式を直接に変更する役割がカスタムファンクションダイヤル31に設定されていない場合)は、設定画面C2の状態でカスタムファンクションダイヤル31を操作しても、測光方式は変更されない。
【0098】
設定画面C2の表示状態で、ユーザーがカスタムファンクションボタン30を操作すると、測光モード用の設定画面C3に切り替わる。設定画面C3では、分割測光、中央重点測光、スポット測光の3タイプの測光方式が、それぞれに対応するアイコン40,41,42と共に表示される。ユーザーは、設定画面C3に表示された中から好みの測光方式を選択して確定させる。
【0099】
カスタムファンクションボタン30を操作して設定画面C3の状態になると、カスタムファンクションダイヤル31で測光方式を変更できるようになる。この状態でユーザーがカスタムファンクションダイヤル31を回転操作すると、選択する測光方式を示すカーソルが設定画面C3上で順次切り替わり、測光方式が変更される。
【0100】
なお、設定画面C3の状態で、カスタムファンクションダイヤル31だけでなく、他の操作部を用いて測光方式を変更できるようにしてもよい。例えば、カーソルボタン群29を用いて、設定画面C3上でカーソルを移動させて測光方式の選択と決定を行ってもよい。あるいは、設定画面C3の表示状態で、カスタムファンクションボタン30の再操作によってカーソル位置が切り替わるようにしてもよい。
【0101】
図18に示す設定画面D1は、カスタムファンクションダイヤル31に機能を割り当てるための設定画面である。メニューボタン28やカーソルボタン群29を操作することによって、設定画面D1が表示部13に表示される。ユーザーは、カスタムファンクションダイヤル31に割り当て可能な複数の機能から、測光方式を選択するための「測光モード」の項目を選んで、カスタムファンクションダイヤル31の機能として割り当てる。つまり、カスタムファンクションダイヤル31に、測光モードのダイレクト操作(測光方式を直接に変更する役割)が割り当てられた状態になる。
【0102】
図18に示す設定画面D2は、図17の設定画面C2と同様に、プログラムモードにおける撮影待機画面であり、前電子ダイヤル22の回転操作によりプログラムシフトが可能な状態を表示部13に示している。撮像装置10では、デフォルトの測光方式(測光モードの初期値)が分割測光である。設定画面D2の上部には、デフォルトの分割測光が選択されていることを示すアイコン40が表示されている。
【0103】
設定画面D2が表示された撮像待機状態で、カスタムファンクションダイヤル31(測光モードのダイレクト操作が割り当てられている状態)を回転させると、測光方式が変更される。図18の設定画面D3は、中央重点測光が選択された状態であり、対応するアイコン41が画面上部に表示されている。図18の設定画面D4は、スポット測光が選択された状態であり、対応するアイコン42が画面上部に表示されている。3つの測光方式の切り替えはループで行うことが可能である。カスタムファンクションダイヤル31を順方向に回転させると、設定画面D2、設定画面D3、設定画面D4の順で繰り返し変更される。カスタムファンクションダイヤル31を逆方向に回転させると、設定画面D4、設定画面D3、設定画面D2の順で繰り返し変更される。
【0104】
図19は、カスタムファンクションダイヤル31に測光モードのダイレクト操作が割り当てられている場合に、カスタムファンクションボタン30を併用する操作例を示している。このとき、カスタムファンクションボタン30の役割として、測光モードが割り当てられている(図17参照)。
【0105】
測光モードのダイレクト操作が割り当てられているカスタムファンクションダイヤル31を回転操作することにより、測光方式が変更される。図19の設定画面E1は、分割測光が選択された状態であり、対応するアイコン40が画面上部に表示されている。図19の設定画面E2は、中央重点測光が選択された状態であり、対応するアイコン41が画面上部に表示されている。図19の設定画面E3は、スポット測光が選択された状態であり、対応するアイコン42が画面上部に表示されている。図18の場合と同様に、3つの測光方式の切り替えはループで行うことが可能である。
【0106】
カスタムファンクションダイヤル31の操作で測光方式が中央重点測光やスポット測光に変更された状態(設定画面E2、設定画面E3)で、カスタムファンクションボタン30を操作すると、測光方式の変更状態(中央重点測光やスポット測光が選ばれた状態)がリセットされ、デフォルトの分割測光に復帰する(設定画面E1)。
【0107】
なお、カスタムファンクションボタン30に測光モード以外の役割が設定されている場合には、リセットボタン27の操作によって、測光方式の変更状態をリセットさせてもよい。
【0108】
以上のように、測光方式をダイレクト操作する役割をカスタムファンクションダイヤル31に設定した場合に、カスタムファンクションボタン30は測光方式を特定の設定値(分割測光)に直接変更する(リセットする)役割を有する。そのため、カスタムファンクションボタン30とカスタムファンクションダイヤル31の役割が重複せず、測光方式の変更だけでなく、測光方式のリセットについても、少ない操作回数で迅速に行うことが可能である。
【0109】
カスタムファンクションボタン30とカスタムファンクションダイヤル31には、測光モード(測光方式の選択)以外にも多くの機能を割り当て可能である。第3の形態では機能の設定値として測光方式に適用した例を説明したが、複数の設定値を選択可能であり、そのうち特定の設定値に直接変更するという処理を含むものであれば、測光モード以外の機能についても本発明は有用性がある。
【0110】
以上の実施形態では、撮像装置10の露出制御がプログラムモードである場合の操作体系に適用したが、プログラムモード以外の露出制御モードである場合の操作体系にも、本発明を適用可能である。
【0111】
例えば、撮像装置10のシャッタ優先モードで、前電子ダイヤル22にシャッタ速度変更の役割が割り当てられている場合に、後電子ダイヤル26を第1操作部、ISO感度ボタン23や露出補正ボタン24を第2操作部として適用することができる。この場合、リセットボタン27の操作によって特定の設定値に直接変更される「別機能の設定値」は、シャッタ速度になる。
【0112】
別の例として、撮像装置10の絞り優先モードで、後電子ダイヤル26に絞り値変更の役割が割り当てられている場合に、前電子ダイヤル22を第1操作部、ISO感度ボタン23や露出補正ボタン24を第2操作部として適用することができる。この場合、リセットボタン27の操作によって特定の設定値に直接変更される「別機能の設定値」は、絞り値になる。
【0113】
以上、添付図面に基づく実施形態及び変形例によって本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態や変形例には限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や応用を行うことが可能である。上述の実施形態において、添付図面に図示されている構成等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0114】
具体的には、本発明は初期値やデフォルト設定(特定の設定値)があらかじめ撮像装置に設定可能なものであって、操作部(操作部材)を有するものであれば適用可能である。一例として、上述の実施形態では、第1の形態であればISO感度オートを、第2の形態であれば露出補正値±0を、第3の形態であれば分割測光を、初期値やデフォルト設定(特定の設定値)として実現可能にしているが、これらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0115】
10 撮像装置
11 カメラ本体
13 表示部
14 ファインダ窓
20 電源レバー
21 シャッタボタン
22 前電子ダイヤル
23 ISO感度ボタン(第2操作部)
24 露出補正ボタン(第2操作部)
25 モード選択ダイヤル
26 後電子ダイヤル(第1操作部)
27 リセットボタン(第3操作部)
28 メニューボタン
29 カーソルボタン群
30 カスタムファンクションボタン(第2操作部)
31 カスタムファンクションダイヤル(第1操作部)
32 制御部
図1
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