(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】フレキシブルコンテナバッグ用スタンド
(51)【国際特許分類】
B65D 88/22 20060101AFI20240820BHJP
B65D 90/20 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B65D88/22 A
B65D90/20
(21)【出願番号】P 2020212208
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-08-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度 農林水産省「自給飼料を導入した大規模水田輪作による耕畜連携システムの実証研究委託事業」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住田 憲俊
(72)【発明者】
【氏名】大谷 武雄
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正充
(72)【発明者】
【氏名】永瀧 圭一
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-299048(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02488544(GB,A)
【文献】特開平04-306355(JP,A)
【文献】特開平09-150888(JP,A)
【文献】特開2012-121629(JP,A)
【文献】実開平03-011610(JP,U)
【文献】特開2012-091088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/22
B65D 90/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルコンテナバッグの開口部を矩形に開口させた状態で複数の前記フレキシブルコンテナバッグを配列方向に隣接させて支持するフレキシブルコンテナバッグ用スタンドであって、
前記配列方向の両端で前記配列方向に交差する奥行方向の前後に複数の前記フレキシブルコンテナバッグを囲むように配置される
4本の支柱と、
前記奥行方向において複数の前記フレキシブルコンテナバッグの両側に配置されて前記配列方向へ延びる
2本のサイドバーと、
各々の前記サイドバーに設けられた複数の突起部と、
各々の前記支柱に取り付けられて2本の前記サイドバーを支持する
4つのクランプと、を備え、
各々の前記サイドバーを支持する
2つの前記クランプは、各々の前記サイドバーの軸周りの回転が規制された締結状態と、各々の前記サイドバーの軸周りの回転が許容された解放状態と、を切り換え可能な締結機構を有し、
各々の前記サイドバーは、前記締結状態において各々の前記突起部が水平方向または水平方向よりも上方を向いて各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の四隅を吊り下げて支持可能な状態で固定され、前記解放状態において各々の前記突起部が水平方向よりも下方を向いて各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する、ことを特徴とするフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項2】
前記締結状態において各々の前記突起部に係合する連結具をさらに備え
、
各々の前記連結具は、各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の各々の隅に連結され
ることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項3】
前記連結具は、各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の各々の隅に取り付けられた環状のベルトに通されて各々の前記突起部に引っ掛けられる開閉可能な環状に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項4】
各々の前記サイドバーは、隣り合う2つの前記フレキシブルコンテナバッグの前記配列方向における寸法に対応する長さを有することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項5】
前記突起部は、前記配列方向における各々の前記サイドバーの両端部と中間部に1つずつ設けられていることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項6】
各々の前記サイドバーは、断面形状が円形の金属製のパイプであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項7】
少なくとも一方の前記サイドバーは、前記クランプによって取り外し可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項8】
複数の前記フレキシブルコンテナバッグに一括して内容物を投入する際に使用される投入補助具をさらに備え、
前記投入補助具は、
その両端部を各々の前記サイドバーにより支持されることによって、隣り合う2つの前記フレキシブルコンテナバッグの2つの前記開口部の間の隙間の上に配置され、前記奥行方向に沿って延びるセンターバーと、
前記センターバーに取り付けられ、隣り合う2つの前記開口部の内側にそれぞれ垂下するフラップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【請求項9】
複数の前記フレキシブルコンテナバッグに一括して内容物を投入する際に使用される投入補助具をさらに備え、
前記投入補助具は、
その両端部を前記奥行方向の前後に配置される2本の前記支柱により支持されることによって、互いに前記配列方向に並んだ2つの前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドのそれぞれに支持されて互いに隣り合う2つの前記フレキシブルコンテナバッグの2つの前記開口部の間の隙間の上に配置され、前記奥行方向に沿って延びるセンターバーと、
前記センターバーに取り付けられ、隣り合う2つの前記開口部の内側にそれぞれ垂下するフラップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフレキシブルコンテナバッグの開口部に一括して内容物を投入するときに用いられるフレキシブルコンテナバッグ用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からフレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコンバッグ」と略称する場合がある。)投入補助機能付き運搬車両に関する発明が知られている(下記特許文献1)。この運搬車両は、フレコンバッグ支持具を荷台に備えている。このフレコンバッグ支持具は、荷台に複数のフレコンバッグを着脱自在に並べて配置し、かつ投入口を開いた状態に支持し、その投入口から投入物の投入を可能にする(特許文献1、請求項1、第0006段落)。
【0003】
上記従来のフレコンバッグ支持具は、投入物を投入したフレコンバッグを1個ずつ前記荷台から吊り上げ可能にフレコンバッグを支持するものとすることができる。これによれば、移送先でフレコンバッグを荷台から1個ずつ吊り上げて荷下ろしすることができる(特許文献1、第0007段落)。より具体的には、フレコンバッグの吊りベルトにクレーン等のフックから吊り下げられたロープを掛けて、フレコンバッグを吊り上げる。フレコンバッグの吊り上げを開始すると、フレコンバッグの引っ掛けリングがフレコンバッグ支持具のフックから外れる(同第0036段落)。
【0004】
また、フレコンバッグを自立状態にできるスタンドに関する発明が知られている(下記特許文献2)。この従来のスタンドは、一対のリフトガイドと、一対のU字形状のメインフレームと、複数の連結パイプと、支持部材と、一対のサブフレームと、ロック・アッセンブリと、係止部と、吊金具と、を備えている(特許文献2、請求項1、第0005段落)。吊金具はU字形状であり、フレコンバッグのベルトに差し込んで係止可能な構造である(同第0019段落)。フレコンバッグは、上記のスタンドに装着され、内容物が投入される(同第0024段落)。
【0005】
フレコンバッグは、ループを有する吊ベルトを備え、満杯になったフレコンバッグは、吊り上げ機のフックをループに引っ掛けて、フレコンバッグだけを吊り上げて回収される(特許文献2、第0020段落、第0026段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-145164号公報
【文献】特開2004-155457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のフレコンバッグ支持具は、内容物が投入されたフレコンバッグの引っ掛けリングをフレコンバッグ支持具のフックから外すために、フレコンバッグをクレーン等によって吊り上げる必要がある。同様に、上記従来のスタンドは、内容物が投入されたフレコンバッグのベルトから吊金具を外すために、フレコンバッグをクレーン等によって吊り上げる必要がある。
【0008】
本発明は、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に一括して内容物を投入した後に、複数のフレコンバッグの取り外しを容易にすることが可能なフレキシブルコンテナバッグ用スタンドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、フレキシブルコンテナバッグの開口部を矩形に開口させた状態で複数の前記フレキシブルコンテナバッグを配列方向に隣接させて支持するフレキシブルコンテナバッグ用スタンドであって、前記配列方向の両端で前記配列方向に交差する奥行方向の前後に複数の前記フレキシブルコンテナバッグを囲むように配置される少なくとも4本の支柱と、前記奥行方向において複数の前記フレキシブルコンテナバッグの両側に配置されて前記配列方向へ延びる少なくとも2本のサイドバーと、各々の前記サイドバーに設けられた複数の突起部と、各々の前記支柱に取り付けられて2本の前記サイドバーを支持する少なくとも4つのクランプと、を備え、各々の前記サイドバーを支持する少なくとも2つの前記クランプは、各々の前記サイドバーの軸周りの回転が規制された締結状態と、各々の前記サイドバーの軸周りの回転が許容された解放状態と、を切り換え可能な締結機構を有し、各々の前記サイドバーは、前記締結状態において各々の前記突起部が水平方向または水平方向よりも上方を向いて各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の四隅を吊り下げて支持可能な状態で固定され、前記解放状態において各々の前記突起部が水平方向よりも下方を向いて各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する、こと特徴とするフレキシブルコンテナバッグ用スタンドである。
【0010】
本発明の上記一態様によれば、配列方向に沿って一列に並んだ複数のフレコンバッグを囲むように配置された各々の支柱に、クランプが1つずつ取り付けられる。そして、複数のフレコンバッグの配列方向に交差する奥行方向において、複数のフレコンバッグの前方側に配置される2本の支柱に取り付けられた2つのクランプによって、配列方向に延びる一本のサイドバーが、複数のフレコンバッグの前方側に支持される。また、奥行方向において、複数のフレコンバッグの後方側に配置される2本の支柱に取り付けられた2つのクランプによって、配列方向に延びるもう一本のサイドバーが、複数のフレコンバッグの後方側に支持される。なお、4本の支柱のうち、複数のフレコンバッグの配列方向の一端で奥行方向に並んだ2本の支柱と、その配列方向の他端で奥行方向に並んだ2本の支柱は、それぞれ、奥行方向に延びる連結バーによって連結されてもよい。
【0011】
さらに、各々のサイドバーの各々の突起部を水平方向または水平方向よりも上方に向けた状態で、各々のサイドバーを支持する少なくとも2つのクランプの締結機構を締結状態に切り替える。これにより、2本のサイドバーが固定されて各々の突起部が各々のフレコンバッグの開口部の四隅を吊り下げて支持可能な状態になる。この状態で、各々のフレコンバッグの開口部の四隅のうち、奥行方向の前方側の2つの隅を、奥行方向の前方側のサイドバーの2つの突起部に吊り下げて支持する。また、各々のフレコンバッグの開口部の四隅のうち、奥行方向の後方側の2つの隅を、奥行方向の後方側のサイドバーの2つの突起部に吊り下げて支持する。これにより、フレコンバッグ用スタンドによって、各々のフレコンバッグの開口部を矩形に開口させた状態で複数のフレコンバッグを配列方向に隣接させて支持することができる。
【0012】
このように、フレコンバッグ用スタンドによって、複数のフレコンバッグを配列方向に隣接させて支持した状態で、複数のフレコンバッグの開口部に内容物が一括して投入される。すると、各々のフレコンバッグに投入される内容物の重量の増加にともなって、各々のフレコンバッグの開口部の四隅を介して複数の突起部に作用する下向きの力が増加していく。しかし、各々のサイドバーを支持するクランプの締結機構が締結状態にされているため、サイドバーの軸周りの回転が規制され、フレコンバッグの開口部の四隅が複数の突起部によって吊り下げられて支持された状態が維持される。複数のフレコンバッグに対する内容物の投入が完了したら、各々のサイドバーを支持するクランプの締結機構を締結状態から解放状態へ切り換える。
【0013】
すると、各々のサイドバーは、各々のサイドバーを支持する複数のクランプによって、軸まわりに回転可能に支持された状態になる。その結果、各々のサイドバーは、複数の突起部に作用する下向きの力によって、複数の突起部が水平方向よりも下方を向いて各々のフレコンバッグの開口部の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する。これにより、各々のフレコンバッグの開口部の四隅が複数の突起部による支持から解放され、各々のフレコンバッグを、たとえばフォークリフトによって、奥行方向および配列方向を含む水平方向または水平方向に沿う方向へ移動させることが可能になる。したがって、本発明の上記一態様によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に一括して内容物を投入した後に、複数のフレコンバッグの取り外しを容易にすることが可能なフレキシブルコンテナバッグ用スタンドを提供することができる。
【0014】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドは、各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の各々の隅に連結され、前記締結状態において各々の前記突起部に係合する連結具をさらに備えてもよい。この構成により、各々の連結具を、各々のフレコンバッグの開口部の四隅の各々の隅に連結することができる。さらに、各々の連結具を、締結機構が締結状態のクランプに支持された各々のサイドバーの各々の突起部に係合させることができる。これにより、複数の連結具を介して、複数のフレコンバッグの開口部の四隅を、2本のサイドバーの複数の突起部に吊り下げて支持することができる。また、各々のサイドバーを支持するクランプの締結機構を解放状態に切り換えることで、各々のサイドバーは、複数の連結具を介して複数の突起部に作用する下向きの力によって回転して各々の突起部が下方を向き、各々の連結具と各々の突起部との係合が外れる。これにより、各々の連結具に連結された各々のフレコンバッグの開口部の各々の隅が、各々の突起部による吊り下げ支持から解放され、各々のフレコンバッグを水平方向または水平方向に沿う方向へ移動させることが可能になる。
【0015】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドにおいて、前記連結具は、各々の前記フレキシブルコンテナバッグの前記開口部の各々の隅に取り付けられた環状のベルトに通されて各々の前記突起部に引っ掛けられる開閉可能な環状に設けられていてもよい。このような構成により、環状の連結具を開いて、フレコンバッグの環状のベルトに通し、環状の連結具を閉じることで、各々のフレコンバッグの開口部の四隅の各々の隅に連結具を連結することができる。さらに、各々のフレコンバッグの開口部の四隅の各々の隅に連結された環状の連結具を、締結機構が締結状態のクランプに支持された各々のサイドバーの各々の突起部に引っ掛けることで、各々のフレコンバッグの開口部の四隅の各々の隅を、各々の突起部に吊り下げて支持することできる。したがって、複数の連結具を介して複数のフレコンバッグの開口部の四隅を複数の突起部に吊り下げて支持するのを容易にすることができる。
【0016】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドにおいて、各々の前記サイドバーは、隣り合う2つの前記フレキシブルコンテナバッグの前記配列方向における寸法に対応する長さを有してもよい。このような構成により、1つのフレコンバッグ用スタンドにより、各々のフレコンバッグの開口部を矩形に開口させた状態で、2つのフレコンバッグを配列方向に隣接させて支持することができる。また、各々のサイドバーの長さが長くなり過ぎるのを防止して、フレコンバッグ用スタンドの輸送を容易にすることができる。
【0017】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドにおいて、前記突起部は、前記配列方向における各々の前記サイドバーの両端部と中間部に1つずつ設けられていてもよい。このような構成により、配列方向に並んだ2つのフレコンバッグのうち、一方のフレコンバッグは、矩形に開口させた開口部の四隅のうち、配列方向における一方の端部の2つの隅が、2本のサイドバーの配列方向の一端の2つの突起部によって吊り下げられて支持される。また、その一方のフレコンバッグは、矩形に開口させた開口部の四隅のうち、配列方向における他方の端部の2つの隅が、2本のサイドバーの配列方向の中間部の2つの突起部によって吊り下げられて支持される。さらに、配列方向に並んだ2つのフレコンバッグのうち、他方のフレコンバッグは、矩形に開口させた開口部の四隅のうち、配列方向における一方の端部の2つの隅が、2本のサイドバーの配列方向の中間部の2つの突起部によって吊り下げられて支持される。また、その他方のフレコンバッグは、矩形に開口させた開口部の四隅のうち、配列方向における他方の端部の2つの隅が、2本のサイドバーの配列方向の他端の2つの突起部によって吊り下げられて支持される。すなわち、配列方向に並んだ2つのフレコンバッグは、矩形に開口させた開口部の隣り合う2つの隅が、各々のサイドバーの中間部の1つの突起部に吊り下げられて支持される。これにより、2つのフレコンバッグの開口部の間の隙間を小さくすることができる。
【0018】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドにおいて、各々の前記サイドバーは、断面形状が円形の金属製のパイプであってもよい。このような構成により、サイドバーに必要な強度と耐久性を持たせるとともに、サイドバーの軽量化が可能になる。さらに、サイドバーの断面形状が円形であることから、クランプの締結機構を締結状態から解放状態に切り替えたときに、クランプによって軸周りに回転可能に支持されたサイドバーを円滑に回転させることができる。
【0019】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドにおいて、少なくとも一方の前記サイドバーは、前記クランプによって取り外し可能に支持されていてもよい。このような構成により、クランプの締結機構を解放状態にして、2本のサイドバーの複数の突起部による複数のフレコンバッグの開口部の四隅の支持を解除した後に、少なくとも一方のサイドバーをクランプから取り外すことができる。これにより、複数のフレコンバッグの奥行方向の少なくとも一方が開放され、たとえばフォークリフトによって、各々のフレコンバッグを奥行方向に移動させることが可能になる。
【0020】
前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドは、複数の前記フレキシブルコンテナバッグに一括して内容物を投入する際に使用される投入補助具をさらに備え、前記投入補助具は、隣り合う2つの前記フレキシブルコンテナバッグの2つの前記開口部の間の隙間の上に配置され、前記奥行方向に沿って延びるセンターバーと、前記センターバーに取り付けられ、隣り合う2つの前記開口部の内側にそれぞれ垂下するフラップと、を備えてもよい。このような構成により、隣り合う2つのフレコンバッグの2つの矩形の開口部の間の隙間の上に、センターバーが配置される。そして、センターバーに取り付けられたフラップが、センターバーの長手方向に交差する幅方向の両側から、隣り合う2つの矩形の開口部の内側にそれぞれ垂下した状態になる。この状態で、隣り合う2つのフレコンバッグの隣り合う2つの開口部に対して、上方から一括してフレコンバッグの内容物が投入される。すると、隣り合う2つの開口部の隙間へ向けて落下する内容物の流れは、その隙間の上に配置されたセンターバーにより、センターバーの幅方向に二手に分離される。二手に分離された内容物の流れのうち一方の流れは、センターバーの幅方向の一側から隣り合う2つの開口部のうち一方の開口部の内側へ垂下するフラップに沿って滑り落ち、その一方の開口部を備える一方のフレコンバッグに投入される。また、二手に分離された内容物の流れのうち他方の流れは、センターバーの幅方向の他側から隣り合う2つの開口部のうち他方の開口部の内側へ垂下するフラップに沿って滑り落ち、その他方の開口部を備える他方のフレコンバッグに投入される。したがって、隣り合うフレコンバッグの開口部の間に内容物がこぼれ落ちるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の上記各態様によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に一括して内容物を投入した後に、複数のフレコンバッグの取り外しを容易にすることが可能なフレキシブルコンテナバッグ用スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明のフレコンバッグ用スタンドの一実施形態を示す斜視図。
【
図4】
図1のスタンドのサイドバー、突起部、および連結具の側面図。
【
図6】
図1のスタンドに支持されるフレコンバッグの斜視図。
【
図7】
図1のスタンドによってフレコンバッグを支持した状態の斜視図。
【
図8】
図1のスタンドに追加することが可能な投入補助具の斜視図。
【
図9】
図1のスタンドに
図8の投入補助具を追加した状態の斜視図。
【
図10】
図1と
図9のスタンドによってフレコンバッグを支持した状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係るフレキシブルコンテナバッグ用スタンドの実施形態を説明する。以下の説明では、フレキシブルコンテナバッグ用スタンドを、単に「スタンド」と称する場合がある。また、フレキシブルコンテナバッグを「フレコンバッグ」と略称する場合がある。
【0024】
図1は、本発明のフレキシブルコンテナバッグ用スタンドの一実施形態を示す斜視図である。詳細については後述するが、本実施形態のスタンド10は、複数のフレコンバッグ30に内容物を投入する際に、各々のフレコンバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、複数のフレコンバッグ30を配列方向D1に隣接させて支持する(
図7参照)。
【0025】
スタンド10は、たとえば、少なくとも4本の支柱11と、少なくとも2本のサイドバー12と、複数の突起部13と、少なくとも4つのクランプ14と、を備えている。また、
図1に示す例において、スタンド10は、複数の連結具15と、少なくとも2本の連結バー16を備えている。さらに、スタンド10は、投入補助具20を備えてもよい。以下、本実施形態のスタンド10の各部を、詳細に説明する。
【0026】
4本の支柱11は、フレコンバッグ30の配列方向D1の両端で、配列方向D1に交差する奥行方向D2の前後に、複数のフレコンバッグ30を囲むように配置される。なお、配列方向D1および奥行方向D2は、たとえば、互いに直交する方向であり、水平方向または水平方向に沿う方向である。また、スタンド10は、たとえば、5本以上の支柱11を備えていてもよい。
【0027】
支柱11の上部は、たとえば、断面形状が円形の金属製のパイプによって構成されている。支柱11の下部は、たとえば、断面形状が矩形の金属製のパイプによって構成されている。支柱11の素材としては、たとえば、ステンレス鋼や亜鉛メッキされた一般構造用炭素鋼などの金属を使用することができる。支柱11の上部と下部は、たとえば、溶接によって連結されている。
【0028】
支柱11の下端部には、たとえば、台座が設けられている。支柱11の台座は、たとえば、支柱11の下端部の側面から、配列方向D1と奥行方向D2の少なくとも一方に張り出すよう設けられている。なお、支柱11は、上部から下部まで、同一の断面形状の同一のパイプで構成されていてもよい。
【0029】
サイドバー12は、奥行方向D2において複数のフレコンバッグ30の両側に配置されて配列方向D1へ延びている。スタンド10は、3本以上のサイドバー12を備えてもよい。たとえば、
図1に示すサイドバー12を、配列方向D1におけるフレコンバッグ30の寸法に合わせて分割してもよい。各々のサイドバー12は、たとえば、断面形状が円形の金属製のパイプである。サイドバー12の素材としては、たとえば、ステンレス鋼や亜鉛メッキされた一般構造用炭素鋼などの金属を使用することができる。
【0030】
図1に示す例において、各々のサイドバー12は、複数のフレコンバッグ30のうち、隣り合う2つのフレコンバッグ30の配列方向D1における寸法に対応する長さを有する。なお、各々のサイドバー12は、複数のフレコンバッグ30のうち、隣り合う3つ以上のフレコンバッグ30の配列方向D1における寸法に対応する長さを有してもよい。
【0031】
複数の突起部13は、2本のサイドバー12の各々のサイドバー12に設けられている。突起部13は、たとえば、配列方向D1における各々のサイドバー12の両端部と中間部に1つずつ設けられている。すなわち、突起部13は、たとえば、各々のサイドバー12に3つずつ、2本のサイドバー12に合計6つが設けられている。
【0032】
突起部13は、たとえば、断面形状が円形のサイドバー12の外周面から、サイドバー12の径方向に突出している。各々の突起部13は、たとえば、円柱状の形状を有している。各々のサイドバー12の軸方向に離隔して設けられた複数の突起部13は、各々のサイドバー12に対して同一の角度で突出している。
【0033】
図2は、
図1のスタンド10の1つのクランプ14の斜視図である。4つのクランプ14は、4本の支柱11のそれぞれの支柱11に取り付けられて2本のサイドバー12を支持する。クランプ14は、たとえば、第1支持部141と、第2支持部142と、締結機構143と、を有している。
【0034】
第1支持部141は、たとえば、ヒンジピン141aにより開閉可能に設けられ、支柱11の上部に取り付けられる。第2支持部142は、第1支持部141と同様にヒンジピン142aにより開閉可能に設けられ、サイドバー12を支持する。第1支持部141と第2支持部142とは、たとえば、互いに90°の角度で回転した状態で連結されて一体化されている。
【0035】
締結機構143は、たとえば、第1支持部141と第2支持部142にそれぞれ設けられている。締結機構143は、たとえば、第1支持部141および第2支持部142を開閉させるためのヒンジピン141a,142aとは反対側の第1支持部141および第2支持部142の開閉可能な端部に設けられている。締結機構143は、たとえば、第1支持部141および第2支持部142の開閉可能な端部に設けられたヒンジピン143aと、そのヒンジピン143aを介して揺動可能に設けられたボルト143bと、そのボルト143bに螺合されたナット143cと、を有している。
【0036】
第1支持部141および第2支持部142の開閉可能な端部のうち、締結機構143のヒンジピン143aが設けられた端部に対向する端部には、ボルト143bを係合させる切欠き141b,142bが設けられている。クランプ14を支柱11の上部に取り付けるには、まず、第1支持部141を開き、第1支持部141の間に支柱11の上部を挟み込んで、第1支持部141を閉じる。次に、第1支持部141の締結機構143のボルト143bを、第1支持部141の切欠き141bに係合させて、ナット143cを締結する。これにより、クランプ14が支柱11の上部に取り付けられる。
【0037】
また、クランプ14によってサイドバー12を支持するには、まず、第2支持部142を開き、第2支持部142の間にサイドバー12を挟み込んで第2支持部142を閉じる。次に、第2支持部142の締結機構143のボルト143bを第2支持部142の切欠き142bに係合させて、ナット143cを締結する。これにより、サイドバー12がクランプ14によって支持される。
【0038】
ここで、クランプ14の第2支持部142に設けられた締結機構143は、各々のサイドバー12の軸周りの回転が規制された締結状態と、各々のサイドバー12の軸周りの回転が許容された解放状態と、を切り換え可能な構成を有している。より具体的には、締結機構143は、たとえば、ナット143cをボルト143bに強固に締結することで、第2支持部142によってサイドバー12の軸周りの回転が規制された締結状態に切り換え可能である。
【0039】
また、締結機構143は、たとえば、ボルト143bに強固に締結されたナット143cを緩めることで、サイドバー12の軸周りの回転が許容された解放状態に切り換え可能である。なお、
図2に示すクランプ14および締結機構143の構成は一例であり、クランプ14および締結機構143の構成は、
図2に示す構成に限定されない。たとえば、クランプ14は、バックル式やレバー式の締結機構143を有してもよい。
【0040】
また、2本のサイドバー12のうち少なくとも一方のサイドバー12は、たとえば、クランプ14によって取り外し可能に支持されている。たとえば、
図2に示すような構成のクランプ14を用いる場合、クランプ14の第2支持部142に設けられた締結機構143のナット143cを緩めて、ボルト143bを第2支持部142の切欠き142bから外し、第2支持部142を開く。これにより、サイドバー12を取り外すことができる。なお、2本のサイドバー12の双方をクランプ14によって取り外し可能に支持してもよい。
【0041】
図3は、
図1のスタンド10の連結具15の正面図である。詳細については後述するが、連結具15は、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の各々の隅に連結される(
図7参照)。連結具15は、締結機構143の締結状態において、各々のサイドバー12に設けられた複数の突起部13の各々の突起部13に係合する。連結具15は、たとえば、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅に取り付けられた環状のベルト32に通されて突起部13に引っ掛けられる開閉可能な環状に設けられている。たとえば、市販のカラビナを連結具15として用いることができる。
【0042】
図4は、
図1のスタンド10のサイドバー12、突起部13、および連結具15の側面図である。前述のように、サイドバー12を支持するクランプ14の締結機構143は、サイドバー12の軸周りの回転が規制された締結状態と、サイドバー12の軸周りの回転が許容された解放状態と、を切り換え可能な構成を有している。スタンド10によってフレコンバッグ30を支持する際には、各々のサイドバー12は、クランプ14の締結機構143の締結状態において、複数の突起部13が水平方向または水平方向よりも上方を向いた状態で固定される。この状態は、フレコンバッグ30の開口部31の四隅を吊り下げて支持可能な状態である。
【0043】
より具体的には、本実施形態のスタンド10は、連結具15を介して突起部13にフレコンバッグ30の開口部31の四隅を吊り下げて支持する。しかし、スタンド10が連結具15を有しない場合は、フレコンバッグ30の開口部31の四隅に取り付けられたベルト32や吊紐を介して、突起部13にフレコンバッグ30の開口部31の四隅を吊り下げて支持することも可能である。
【0044】
また、スタンド10によって支持されたフレコンバッグ30に対する内容物の投入が終了すると、サイドバー12を支持するクランプ14の締結機構143は、サイドバー12の軸周りの回転が許容された解放状態に切り換えられる。サイドバー12は、この解放状態において、
図4に示すように、複数の突起部13が水平方向よりも下方を向いて、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する。
【0045】
図1に示すように、2本の連結バー16は、たとえば、フレコンバッグ30の配列方向D1の一端と他端に配置され、それぞれ、奥行方向D2に並んだ2本の支柱11を連結している。連結バー16は、たとえば、支柱11と同様に、断面形状が円形や矩形の金属製のパイプによって構成することができる。連結バー16は、たとえば、溶接またはボルトによって支柱11に連結されている。
【0046】
図5は、
図1に示す投入補助具20の斜視図である。投入補助具20は、センターバー21と、フラップ22とを備えている。センターバー21は、複数のフレコンバッグ30の隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31の間の隙間の上に配置され、奥行方向D2に沿って延びる。センターバー21は、たとえば、隣り合う2つの開口部31の両端を超えて延びる長さを有している。センターバー21は、たとえば、長手方向であるスタンド10の奥行方向D2の両端部がフラップ22から突出している。
【0047】
センターバー21は、たとえば、センターバー21の両端部がスタンド10によって支持される。より具体的には、センターバー21の両端部は、スタンド10の突起部13に係合した連結具15に通されて、連結具15によって支持されている。なお、センターバー21の両端部は、たとえば、支柱11など、スタンド10の他の部分によって支持されていてもよい。また、センターバー21の両端部は、たとえば、スタンド10とは別の投入補助具20用のスタンドによって支持されていてもよい。
【0048】
センターバー21の素材は、たとえば、金属である。より具体的には、センターバー21の素材としては、たとえば、ステンレス鋼や亜鉛メッキされた一般構造用炭素鋼などを使用することができる。センターバー21は、たとえば、断面形状が円形や矩形の金属の棒またはパイプによって構成することができる。
【0049】
フラップ22は、センターバー21に取り付けられ、隣り合う2つのフレコンバッグ30のそれぞれの開口部31の内側に垂下する。フラップ22は、センターバー21から、センターバー21の長手方向に交差する幅方向、すなわちフレコンバッグ30の配列方向D1の両側に延びている。また、フラップ22は、センターバー21の幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を有している。より具体的には、フラップ22の素材は、フレコンバッグ30の素材と同一である。フラップ22は、たとえば、2枚の布状の素材を重ね合せて縫い合わせることで、センターバー21に取り付けられている。
【0050】
センターバー21の長手方向において、フラップ22の寸法は、たとえば、隣り合うフレコンバッグ30の隣り合う2つの開口縁の寸法と等しいか、または、その寸法よりも小さくされている。また、センターバー21の長手方向におけるフラップ22の寸法は、センターバー21から離れるほど減少するようにしてもよい。より具体的には、フラップ22の形状は、長方形に限定されず、たとえば、センターバー21の両側に延びるフラップ22の形状を、それぞれ、台形または三角形にしてもよい。
【0051】
図6は、
図1のスタンド10によって支持されるフレコンバッグ30の斜視図である。フレコンバッグ30は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの化学繊維の織布を縫製することによって製作される。フレコンバッグ30は、開口部31を矩形に開口させたときの四隅に対応する位置に環状のベルト32を備えている。また、フレコンバッグ30は、たとえば、開口部31を閉鎖するためのフタ33を備えている。また、フレコンバッグ30は、たとえば、吊ベルトを備えてもよい。フレコンバッグ30の内容物は、たとえば、堆肥である。なお、フレコンバッグ30の内容物は、たとえば、土砂など、堆肥以外であってもよい。
【0052】
以下、本実施形態のスタンド10の作用を説明する。
図7は、
図1のスタンド10によってフレコンバッグ30を支持した状態の斜視図である。
【0053】
本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10は、
図7に示すように、各々のフレキシブルコンテナバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、複数のフレキシブルコンテナバッグ30を配列方向D1に隣接させて支持する。スタンド10は、少なくとも4本の支柱11と、少なくとも2本のサイドバー12と、複数の突起部13と、少なくとも4つのクランプ14と、を備えている。4本の支柱11は、配列方向D1の両端で配列方向D1に交差する奥行方向D2の前後に複数のフレコンバッグ30を囲むように配置される。2本のサイドバー12は、奥行方向D2において複数のフレコンバッグ30の両側に配置されて配列方向D1へ延びる。複数の突起部13は、2本のサイドバー12の各々のサイドバー12に設けられている。4つのクランプ14は、4本の支柱11のそれぞれの支柱11に取り付けられて2本のサイドバー12を支持する。4つのクランプ14のうち各々のサイドバー12を支持する少なくとも2つのクランプ14は、締結機構143を有している。締結機構143は、各々のサイドバー12の軸周りの回転が規制された締結状態と、各々のサイドバー12の軸周りの回転が許容された解放状態と、を切り換え可能である。各々のサイドバー12は、締結状態において、複数の突起部13が水平方向または水平方向よりも上方を向いて、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅を吊り下げて支持可能な状態で固定される。また、各々のサイドバー12は、解放状態において、複数の突起部13が水平方向よりも下方を向いて、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する。
【0054】
このように、本実施形態のスタンド10は、配列方向D1に沿って一列に並んだ複数のフレコンバッグ30を囲むように配置された各々の支柱11に、クランプ14が1つずつ取り付けられる。そして、複数のフレコンバッグ30の配列方向D1に交差する奥行方向D2において、複数のフレコンバッグ30の前方側に配置される2本の支柱11に取り付けられた2つのクランプ14によって、配列方向D1に延びる一本のサイドバー12が、複数のフレコンバッグ30の前方側に支持される。また、奥行方向D2において、複数のフレコンバッグ30の後方側に配置される2本の支柱11に取り付けられた2つのクランプ14によって、配列方向D1に延びるもう一本のサイドバー12が、複数のフレコンバッグ30の後方側に支持される。
【0055】
さらに、2本のサイドバー12の複数の突起部13を水平方向または水平方向よりも上方に向けた状態で、各々のサイドバー12を支持する少なくとも2つのクランプ14の締結機構143を締結状態に切り替える。これにより、2本のサイドバー12が固定されて複数の突起部13が各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅を吊り下げて支持可能な状態になる。この状態で、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅のうち、奥行方向D2の前方側の2つの隅を、奥行方向D2の前方側のサイドバー12の2つの突起部13に吊り下げて支持する。また、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅のうち、奥行方向D2の後方側の2つの隅を、奥行方向D2の後方側のサイドバー12の2つの突起部13に吊り下げて支持する。これにより、スタンド10によって、各々のフレコンバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、複数のフレコンバッグ30を配列方向D1に隣接させて支持することができる。
【0056】
このように、スタンド10によって、複数のフレコンバッグ30を配列方向D1に隣接させて支持した状態で、複数のフレコンバッグ30の開口部31に内容物が一括して投入される。すると、各々のフレコンバッグ30に投入される内容物の重量の増加にともなって、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅を介して複数の突起部13に作用する下向きの力が増加していく。しかし、各々のサイドバー12を支持するクランプ14の締結機構143が締結状態にされているため、サイドバー12の軸周りの回転が規制され、フレコンバッグ30の開口部31の四隅が複数の突起部13によって吊り下げられて支持された状態が維持される。複数のフレコンバッグ30に対する内容物の投入が完了したら、各々のサイドバー12を支持するクランプ14の締結機構143を締結状態から解放状態へ切り換える。
【0057】
すると、各々サイドバー12は、各々のサイドバー12を支持する複数のクランプ14によって、軸周りに回転可能に支持された状態になる。その結果、各々のサイドバー12は、複数の突起部13に作用する下向きの力によって、複数の突起部13が水平方向よりも下方を向いて、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する。これにより、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅が、複数の開口部31による支持から解放され、各々のフレコンバッグ30を、たとえば、フォークリフトによって、配列方向D1および奥行方向D2を含む水平方向または水平方向に沿う方向へ移動させることが可能になる。したがって、本実施形態のスタンド10によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグ30の開口部31に一括して内容物を投入した後に、複数のフレコンバッグ30の取り外しを容易にすることが可能になる。
【0058】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10は、各々のフレキシブルコンテナバッグ30の開口部31の四隅の各々の隅に連結され、締結状態において複数の突起部13の各々の突起部13に係合する連結具15をさらに備えている。
【0059】
このような構成により、各々の連結具15を、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の各々の隅に連結することができる。さらに、各々の連結具15を、締結機構143が締結状態のクランプ14に支持された各々のサイドバー12の各々の突起部13に係合させることができる。これにより、複数の連結具15を介して、複数のフレコンバッグ30の開口部31の四隅を、2本のサイドバー12の複数の突起部13に吊り下げて支持することができる。また、各々のサイドバー12を支持するクランプ14の締結機構143を解放状態に切り換えることで、各々のサイドバー12は、複数の連結具15を介して複数の突起部13に作用する下向きの力によって回転して、複数の突起部13が下方を向き、各々の連結具15と各々の突起部13との係合が外れる。これにより、各々の連結具15に連結された各々のフレコンバッグ30の開口部31の各々の隅が、各々の突起部13による吊り下げ支持から解放され、各々のフレコンバッグ30を水平方向または水平方向に沿う方向へ移動させることが可能になる。
【0060】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10において、連結具15は、各々のフレキシブルコンテナバッグ30の開口部31の四隅に取り付けられた環状のベルト32に通されて突起部13に引っ掛けられる開閉可能な環状に設けられている。
【0061】
このような構成により、環状の連結具15を開いて、フレコンバッグ30の環状のベルト32に通し、環状の連結具15を閉じることで、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の各々の隅に、連結具15を連結することができる。さらに、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の各々の隅に連結された環状の連結具15を、締結機構143が締結状態のクランプ14に支持された各々のサイドバー12の各々の突起部13に引っ掛けることができる。これにより、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の各々の隅を、各々の突起部13に吊り下げて支持することできる。したがって、複数の連結具15を介して複数のフレコンバッグ30の開口部の四隅を複数の突起部13に吊り下げて支持するのを、容易にすることができる。
【0062】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10において、各々のサイドバー12は、複数のフレキシブルコンテナバッグ30のうち隣り合う2つのフレキシブルコンテナバッグ30の配列方向D1における寸法に対応する長さを有している。
【0063】
このような構成により、1つのスタンド10により、各々のフレコンバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、2つのフレコンバッグ30を配列方向D1に隣接させて支持することができる。また、各々のサイドバー12の長さが長くなり過ぎるのを防止して、スタンド10の輸送を容易にすることができる。
【0064】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10において、突起部13は、配列方向D1における各々のサイドバー12の両端部と中間部に1つずつ設けられている。
【0065】
このような構成により、配列方向D1に並んだ2つのフレコンバッグ30のうち、一方のフレコンバッグ30は、矩形に開口させた開口部31の四隅のうち、配列方向D1における一方の端部の2つの隅が、2本のサイドバー12の配列方向D1の一端の2つの突起部13によって吊り下げられて支持される。また、その一方のフレコンバッグ30は、矩形に開口させた開口部31の四隅のうち、配列方向D1における他方の端部の2つの隅が、2本のサイドバー12の配列方向D1の中間部の2つの突起部13によって吊り下げられて支持される。さらに、配列方向D1に並んだ2つのフレコンバッグ30のうち、他方のフレコンバッグ30は、矩形に開口させた開口部31の四隅のうち、配列方向D1における一方の端部の2つの隅が、2本のサイドバー12の配列方向D1の中間部の2つの突起部13によって吊り下げられて支持される。また、その他方のフレコンバッグ30は、矩形に開口させた開口部31の四隅のうち、配列方向D1における他方の端部の2つの隅が、2本のサイドバー12の配列方向D1の他端の2つの突起部13によって吊り下げられて支持される。すなわち、配列方向D1に並んだ2つのフレコンバッグ30は、矩形に開口させた開口部31の隣り合う2つの隅が、各々のサイドバー12の中間部の1つの突起部13に吊り下げられて支持される。これにより、2つのフレコンバッグ30の開口部31の間の隙間を小さくすることができる。
【0066】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10において、各々のサイドバー12は、断面形状が円形の金属製のパイプである。
【0067】
このような構成により、サイドバー12に必要な強度と耐久性を持たせるとともに、サイドバー12の軽量化が可能になる。さらに、サイドバー12の断面形状が円形であることから、クランプ14の締結機構143を締結状態から解放状態に切り替えたときに、クランプ14によって軸周りに回転可能に支持されたサイドバー12を円滑に回転させることができる。
【0068】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10において、2本のクランプ14のうち、少なくとも一方のサイドバー12は、クランプ14によって取り外し可能に支持されている。
【0069】
このような構成により、クランプ14の締結機構を解放状態にして、2本のサイドバー12の複数の突起部13による複数のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の支持を解除した後に、少なくとも一方のサイドバー12をクランプ14から取り外すことができる。これにより、複数のフレコンバッグ30の奥行方向D2の少なくとも一方が開放され、たとえば、フォークリフトによって、各々のフレコンバッグ30を奥行方向D2に移動させることが容易になる。
【0070】
また、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10は、複数のフレキシブルコンテナバッグ30に一括して内容物を投入する際に使用される投入補助具20をさらに備えている。投入補助具20は、センターバー21とフラップ22とを有している。センターバー21は、隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31の間の隙間の上に配置され奥行方向D2に沿って延びる。フラップ22は、センターバー21に取り付けられ、隣り合う2つの開口部31のそれぞれの開口部31の内側に垂下する。
【0071】
このような構成により、隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの矩形の開口部31の間の隙間の上に、センターバー21が配置される。そして、センターバー21に取り付けられたフラップ22が、センターバー21の長手方向に交差する幅方向の両側から、隣り合う2つの矩形の開口部31の内側にそれぞれ垂下した状態になる。この状態で、隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31に対して、上方から一括してフレコンバッグ30の内容物が投入される。すると、隣り合う2つの開口部31の間の隙間へ向けて落下する内容物の流れは、その隙間の上に配置されたセンターバー21により、センターバー21の幅方向に二手に分離される。二手に分離された内容物の流れのうち一方の流れは、センターバー21の幅方向の一側から、隣り合う2つの開口部31のうち一方の開口部31の内側へ垂下するフラップ22に沿って滑り落ち、その一方の開口部31を備える一方のフレコンバッグ30に投入される。また、二手に分離された内容物の流れのうち他方の流れは、センターバー21の幅方向の他側から、隣り合う2つの開口部31のうち他方の開口部31の内側へ垂下するフラップ22に沿って滑り落ち、その他方の開口部31を備える他方のフレコンバッグ30に投入される。したがって、隣り合う2つのフレコンバッグ30の開口部31の間に内容物がこぼれ落ちるのを防止することができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグ30の開口部31に一括して内容物を投入した後に、複数のフレコンバッグ30の取り外しを容易にすることが可能なフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10を提供することができる。なお、本発明のフレキシブルコンテナバッグ用スタンドは、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10に限定されない。以下、
図8から
図10を参照して、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10の変形例を説明する。
【0073】
図8は、
図1のスタンド10に追加することが可能な投入補助具20Aの斜視図である。
図9は、
図1のスタンド10に
図8の投入補助具20Aを追加した状態の斜視図である。
図10は、
図1のスタンド10と、
図9の投入補助具20Aを追加したスタンド10とによって、複数のフレコンバッグ30を支持した状態を示す斜視図である。
【0074】
本変形例のスタンド10は、前述の実施形態におけるスタンド10の構成に加えて、さらに
図8に示す投入補助具20Aを備えている。この投入補助具20Aは、たとえば、センターバー21と、フラップ22と、一対の連結部23と、一対の支持部24とを備えている。本変形例の投入補助具20Aのセンターバー21は、断面形状が矩形である以外は、
図5に示す前述の実施形態における投入補助具20のセンターバー21と同様の構成である。また、本変形例の投入補助具20Aのフラップ22は、
図5に示す前述の実施形態における投入補助具20のフラップ22と同様の構成である。したがって、投入補助具20Aのセンターバー21およびフラップ22の説明は省略する。
【0075】
一対の連結部23は、たとえば、
図9に示すように、フレコンバッグ30の配列方向D1の一方の端部に配置された2本の支柱11の上部にそれぞれ固定される。連結部23は、たとえば、環状部231と、フランジ部232とを備えている。環状部231は、たとえば、環状または筒状の部材であり、支柱11の上部を挿通させた状態でボルトなどの締結部材によって支柱11に固定される。フランジ部232は、たとえば、環状部231からセンターバー21の幅方向、すなわちフレコンバッグ30の配列方向D1に張り出す板状の部分である。フランジ部232は、たとえば、支持部24を挿通させる貫通孔を有している。
【0076】
一対の支持部24は、それぞれ、連結部23に連結されてセンターバー21の両端部を支持する。支持部24は、たとえば、上端部にねじ部を有する棒状の部材である。支持部24は、たとえば、支持部24の上端部のねじ部を連結部23のフランジ部232の貫通孔に挿通させ、支持部24のねじ部にナットを締結することで、連結部23のフランジ部232に固定される。支持部24の下端部は、たとえば、溶接によってセンターバー21の端部に固定されている。これにより、一対の支持部24は、一対の連結部23のフランジ部232に固定された状態で、センターバー21の両端部を支持している。
【0077】
図9に示す本変形例のスタンド10と、
図1に示す前述の実施形態のスタンド10とは、フレコンバッグ30の配列方向D1に並べて使用することができる。これにより、
図10に示すように、
図9のスタンド10によって支持されたフレコンバッグ30の開口部31と、
図1のスタンド10によって支持されたフレコンバッグ30の開口部31との間の隙間を、投入補助具20Aによって塞ぐことができる。さらに、本変形例のスタンド10に追加された投入補助具20Aのセンターバー21とフラップ22によって、前述の実施形態のスタンド10における投入補助具20と同様の効果を奏することができる。
【0078】
したがって、本変形例のスタンド10によれば、複数のスタンド10をフレコンバッグ30の配列方向D1に並べて使用する場合でも、隣り合う2つのフレコンバッグ30の開口部31の間に内容物がこぼれ落ちるのを防止することができる。
【0079】
以上、図面を用いて本発明に係るフレキシブルコンテナバッグ用スタンドの実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10 スタンド(フレキシブルコンテナバッグ用スタンド)
11 支柱
12 サイドバー
13 突起部
14 クランプ
143 締結機構
15 連結具
20 投入補助具
20A 投入補助具
30 フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)
31 開口部
32 ベルト
D1 配列方向
D2 奥行方向