(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】カセットの格納および取り扱いのためのカセット供給システム、ならびにそれを装備した加工装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019165113
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2022-08-26
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】クリス・デ・リッダー
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-151565(JP,A)
【文献】特開平06-260545(JP,A)
【文献】特開2002-002909(JP,A)
【文献】特表2004-527097(JP,A)
【文献】特開平10-303272(JP,A)
【文献】特開2003-051526(JP,A)
【文献】特開2003-297899(JP,A)
【文献】特開2002-093877(JP,A)
【文献】特開2008-277764(JP,A)
【文献】特開平09-107019(JP,A)
【文献】特開2002-265011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のためのカセットを格納するおよび取り扱うためのカセット供給システムであって、
カセットを支持するように構築および配置されたベースプレートを備えたカセット格納部と、
カセットを前記ベースプレートに移動、および前記ベースプレートから移動させ、かつエンドエフェクターが提供されていて、前記エンドエフェクターには前記エンドエフェクター上で前記カセットを支持する、および位置付けるための少なくとも一つのハンドラーピンが提供されていて、前記ベースプレートには前記カセットを支持しかつ位置付けるための実質的に平坦な表面が提供されている、カセットハンドラーと、を備え、
前記平坦な表面が、前記ベースプレートが動く時に前記カセットを前記平坦な表面上でその定位置に保持するための摩擦が大きい材料を含
み、
前記ベースプレートに、前記カセットを支持するための前記平坦な表面が各々提供された複数のパッドが提供されている、システム。
【請求項2】
前記平坦な表面が、前記カセットが前記表面に移動された時に衝撃を吸収するために可撓性の材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記材料がゴムを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ベースプレートに前記カセットを支持するための3つのパッドが提供されている、請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
前記カセットを位置付けるおよび支持するための前記パッドが、1~10mmの厚
さを有する、請求項
3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ベースプレートに切り欠きが提供されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記平坦な表面がその上に支持されたカセットとの唯一の接触面積となるように、前記ベースプレートが構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ベースプレートに、前記ベースプレート上での前記カセットの位置付けのための視覚的なマーキングが提供されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムが、前記ベースプレートの中心で前記ベースプレートを回転させるために構築および配置された移動装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、カセットを受容するための入力/出力ステーションを備え、かつ前記カセットハンドラーが、カセットを前記入力/出力ステーションから前記ベースプレートに移動させる、およびその逆に移動させるように構築および配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記入力/出力ステーションが、前記カセットを前記入力/出力ステーション上に高精度で位置付けるための少なくとも1つのピンを備える、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
カセットを受容するための基板装填/脱離ステーションを備え、かつカセットハンドラーが、カセットを前記装填/脱離ステーションから前記ベースプレートに移動させる、およびその逆に移動させるように構築および配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記基板装填/脱離ステーションが、前記カセットを前記基板装填/脱離ステーション上に高精度で位置付けるための少なくとも1つのピンを備える、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベースプレートが、前記カセットを受容するための水平面を有し、かつ前記システムが、垂直軸の周りを回転可能な前記ベースプレートを有して構築および配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムに、前記ベースプレート上の前記カセットの存在および正しい向きのうちの少なくとも一つを検出するためのセンサーが提供されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムに、前記センサーと動作可能に接続されたコンピュータが提供されていて、かつプロセッサおよびメモリが提供されていて、前記メモリに、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい向きのうちの少なくとも一つを検出するためのマシンビジョンソフトウエアが提供されている、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
基板を加工するための加工装置であって、
基板を加工するための加工デバイスと、
基板を基板装填/脱離ステーションにあるカセットから前記加工デバイスに動かし、かつ加工後に前記基板を前記加工デバイスから前記基板装填/脱離ステーションにある前記カセットに動かすために構築および配置された基板ハンドラーと、
請求項1に記載のカセットを格納しかつ取り扱うためのカセット供給システムであって、前記カセットハンドラーが、カセットを前記ベースプレートから基板装填/脱離ステーションに移動させる、およびその逆に移動させるように構築および配置されている、カセット供給システムと、を備える、加工装置。
【請求項18】
請求項
17に記載の基板を加工するための加工装置であって、複数の基板を加工するための反応チャンバーを有する反応器を備える、加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板用のカセットの格納および取り扱いのためのカセット供給システム、ならびにそれを装備した加工装置に関する。カセット供給システムは、
カセットを支持するように構築および配置されたベースプレートが提供されたカセット格納部と、
カセットをベースプレートに移動、およびベースプレートから移動するためのカセットハンドラーと、を備える。
【背景技術】
【0002】
加工装置の半導体ウエハーなどの基板を加工装置内で加工する時、加工装置は加工される基板のサイズに合わせて適合および最適化される。基板のサイズは限られた数の個別サイズで標準化されているが、生産効率を高めるためにサイズを増加させる傾向が過去10年間に見られる。最近導入された基板サイズは、直径200mmおよび300mmである。ウエハー製作施設は通常、一つの基板サイズに適合される。
【0003】
基板を輸送するために、カセットが使用されてもよく、これは特定のカセット供給システムを必要とする場合がある。カセット供給システムは、半導体材料基板上の個別半導体製品および集積半導体製品の製造に使用される加工装置に採用される場合がある。カセット供給システムは、複数のカセットを格納するためのカセットを支持するように構築および配置されたベースプレートを有するカセット格納部を有してもよい。カセットハンドラーは、カセットをベースプレートに移動、およびベースプレートから移動するために使用されてもよい。
【0004】
図1は、カセットの内部で水平スロット(図示せず)内に基板を受容するための開口部2を有するカセット3の正面/底面斜視図である。カセットには、カセット3の取り扱い/位置付けのために、底部4に例えば3つの細長い溝7などの陥凹部が提供されてもよい。溝7の端部は、図示したように閉じていてもよく、または端部が開口していてもよい。溝7は、カセット3の底部から延びるリムによって構成されてもよい。
【0005】
図2は、カセット3を支持するベースプレート1上の断面図である。プレートピン5は、ベースプレート1上に提供されてもよく、カセット3の底部に提供された細長い溝7と一致してカセット3を位置付けてもよい。
【0006】
図3は、ベースプレート1上の上面図と、カセットハンドラーのエンドエフェクター9と、カセットのエンドエフェクター9からベースプレート1に移動中、またはその逆に移動中のカセットの溝7とを図示する。
図3に描写した通り、エンドエフェクター9には、カセットの底部に提供された3つの溝7と一致する3つのハンドラーピン11が提供されてもよい。これによってカセットは、3つのハンドラーピン11によって所定の位置にあるエンドエフェクター9上に位置付けられてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カセット3が移動可能なベースプレート1に移動中、および移動可能なベースプレート1から移動中に、カセット3の底部の3つの溝7は、3つのプレートピン5および3つのハンドラーピン11と同時に接触してもよい。これによってカセット3の位置は、過剰決定になる場合がある。この過剰決定された位置は、粒子発生につながる場合があるカセット3の移動におけるぞんざいな動きにつながる場合がある。ぞんざいな動きを軽減するために、エンドエフェクター9は、ベースプレート1へのカセット3の移動、およびベースプレート1からのカセット3の移動において、高精度で非常に遅く動かす必要がある場合があり、これはシステムのスループットを悪化させ、および/またはより高価なシステムにつながる場合がある。
【0008】
従って、ベースプレートへのカセットの改良された移動、およびベースプレートからのカセットの改良された移動に適合する改善されたカセット供給システムを提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、基板のカセットの格納および取り扱いのためのカセット供給システムが提供されてもよい。システムは、カセットおよびカセットハンドラーを支持し、カセットをベースプレートに移動、およびベースプレートから移動させるように構築および配置されたベースプレートが提供されたカセット格納部を備えてもよい。カセットハンドラーは、エンドエフェクター上でカセットを支持するおよび位置付けるための少なくとも一つの突出部が提供されたエンドエフェクターを備えてもよい。ベースプレートには、カセットを支持するおよび位置付けるための実質的に平坦な表面が提供されてもよい。
【0010】
ベースプレート上でカセットを支持するおよび位置付けるために実質的に平坦な表面を有することによって、カセットの位置は、エンドエフェクターとベースプレートとの間のカセットの移動中に過剰決定されない。
【0011】
半導体製品の製造のための加工装置には、本発明によるカセット供給システムが提供されてもよい。加工装置は、基板を加工するための加工装置と、基板を基板装填/脱離ステーションにあるカセットから加工デバイスに動かし、かつ加工後に基板を加工デバイスから、基板装填/脱離ステーションにあるカセットに動かすように構築および配置された基板ハンドラーと、をさらに備えてもよい。カセット供給システムは、カセットをベースプレートから基板装填/脱離ステーションに移動させるように、およびその逆に移動させるように構築および配置されたカセットハンドラーを備えてもよい。こうしたシステムは、製品が大量に製造されることを可能にする場合があり、また維持および/または設置が簡単である場合がある。
【0012】
これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して、ある一定の実施形態の発明を実施するための形態から容易に当業者に明らかとなり、本発明は、開示されたいかなる特定の実施形態(複数可)にも限定されない。
【0013】
当然のことながら、図内の要素は、単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの幾つかの寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、先行技術によるカセットの正面/底面斜視図である。
【
図2】
図2は、先行技術によるカセットを支持するベースプレート上の断面図である。
【
図3】
図3は、先行技術による、ベースプレート上の上面図と、カセットハンドラーのエンドエフェクターと、移動中のカセットの溝とを図示する。
【
図4】
図4は、一実施形態によるカセット供給システムを有する基板加工装置の図式的かつ部分的に露出した斜視図を示す。
【
図6】
図6は、
図4のカセット供給システム内のベースプレートの一部分と、カセットハンドラーのエンドエフェクターと、カセットの移動中のカセットの溝との上面図を図示する。
【
図7】
図7は、
図4のカセット供給システム内でカセットを支持するベースプレートの一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図は実寸に比例して描かれておらず、特に明瞭化のために寸法および厚さ方向が誇張されている。対応する区域は、可能な限り同一の参照符号を持つ。
【0016】
図4は、図式的でかつ部分的に露出された斜視図を示し、
図5は、カセット内に供給された基板のための基板加工装置の平面図を示し、実施形態によるカセット供給システムを提供している。加工区域21は垂直反応器を備え、基板取り扱いチャンバー22は、基板を反応器に提供するために加工区域21とカセット取り扱い区域23との間に提供されている。一実施形態によるカセット供給システムは、カセット取り扱い区域23内に提供されていて、カセット3を移動および格納する。カセット3を装置の中へと供給する、または装置の外へと取り出す入力/出力ステーションは、33によって表示される。
【0017】
基板13は、入力/出力ステーション33上に定置される場合があるカセット3内に供給される。カセットハンドラー32は、カセットを入力/出力ステーション33から、カセット取り扱い区域23内に位置するカセット格納部8の中に移動しうる。これは随意に、閉鎖可能な開口部34を通して達成されてもよい。カセット格納部8には、多数のベースプレート1が互いの上に提供されてもよく、その上にはカセット3が格納されうる。カセットハンドラー32には、垂直方向に移動可能なエレベーター35が提供されてもよく、これによって多くのベースプレート1が異なるレベルに達しうる。カセットハンドラー32には、カセットエンドエフェクター9が提供されてもよく、これはベースプレート1内の切り欠き部26の寸法より小さい寸法を有してもよい。カセットハンドラー32がカセット3を格納部8の中に移動させた時、エンドエフェクター9は、ベースプレート1のうちの一つの切り欠き部26のうちの一つを通して下がり、カセット3を前記プレート上に定置しうる。続いて、カセットハンドラー32は、そのエンドエフェクター9をカセット格納部8から引っ込めてもよい。
【0018】
図6は、カセットハンドラー32からベースプレート1へのカセット3の移動中、またはその逆の移動中の、ベースプレート1と、カセットハンドラー32のエンドエフェクター9と、カセット3の陥凹部(例えば、溝7)との切り欠き部分上の上面図を図示する。
図6に描写した通り、エンドエフェクター9には、少なくとも第一の突出部が提供されてもよく、これは少なくとも第一の陥凹部と一致しうる。例えば、3つのハンドラーピン11は、カセット3の底部に提供された3つの溝7と一致しうる。これによってカセット3は、精密にエンドエフェクター9上で支持され、かつ位置付けられてもよい。
【0019】
移動可能なベースプレート1へのカセット3の移動中、および移動可能なベースプレート1からのカセット3の移動中に、カセット3の底部にある3つの溝7のへりは、カセット3を支持するために実質的に平坦な表面と接触してもよい。カセットをベースプレート1上で支持するおよび位置付けるために実質的に平坦な表面を有することによって、エンドエフェクターとベースプレート1との間のカセットの移動中にカセット3の位置は過剰決定されない場合があり、カセットの迅速かつ単純な移動を可能にする。
【0020】
平坦な表面は、カセットが表面に移動された時のエネルギーを吸収するために可撓性の材料(例えば、ゴム)を含んでもよい。材料は、ベースプレート1が動いた時に、カセットを平坦な表面上のその位置に保持するための高い摩擦を有してもよい。
【0021】
ベースプレート1には、カセットを支持するための平坦な表面が各々に提供された複数のパッド25が提供されてもよい。ベースプレート1には、一つのカセットを一つの切り欠き26の周りに支持するために3つのパッド25が提供されてもよい。一つのパッド25は、ベースプレート1の中心27により近い位置に位置付けられてもよい。他の2つのパッド25は、ベースプレート1の縁部のより近くに位置付けられてもよい。パッドは、カセット3の底部プレートに提供された溝11と一致するように、ベースプレート上に構成されてもよい。パッドは三角形の形態で構成されてもよい。三角形の形態は、同一の長さを有する少なくとも2つの縁部を有する二等辺であってもよく、またはさらに同一の長さを有する3つの縁部を有する正三角形であってもよい。
【0022】
図7は、カセット3を支持するベースプレート1の一部分の上の断面図である。ベースプレート1上に提供されたパッド25は、カセット3を支持するためにカセット3の底部に提供された細長い溝7と一致してもよい。パッド25は、カセット3を支持するために1~10mm、好ましくは2~5mmの厚さを有してもよい。ベースプレート1およびカセット3の組み合わせの高さは、ピン5(
図2を参照)の代わりにパッド25を使用することによって5~20mm下げられてもよく、これは垂直空間が半導体製造工場の天井によって制限される場合があるシステムにおいて有利である場合がある。
【0023】
そのパッド25を有するベースプレート1は、平坦な表面がカセット3との唯一の接触面積になりうるように構築および配置されてもよい。パッド25とカセット3との接触面積は、ピンを使用している状況と比較して大きい場合があるため、材料の高圧力ゾーンが回避される場合があり、これは設計をより簡単にし、かつ磨耗および/または粒子形成に対する感受性をより低くする。
【0024】
カセットハンドラー32によるカセット3の移動中、3つのハンドラーピン11は、水平平面におけるカセット3の位置を決定する場合がある。パッド25は、水平平面において何らかの遊びを有するカセット3の位置付けを可能にする。垂直方向においてのみパッド25はハードストップとして機能しうる。しかしながら、パッド25の材料の可撓性は、カセットの移動におけるより迅速な動きを可能にする一方で、依然として粒子生成を回避するように、カセットの垂直方向におけるカセット3のエネルギーを吸収する場合がある。
【0025】
ベースプレート1には、ベースプレート1上のカセット3の位置のための視覚的なマーキングが提供されてもよい。例えば、修理中にオペレーターは、カセットハンドラー32がカセットをパッド25からその3つのハンドラーピン11を用いて取り出すために切り欠き部26内でエンドエフェクター32を動かすことができてもよいように、視覚的なマーキングを用いてカセット3をベースプレート上の正しい位置に位置付けることができる場合がある。
【0026】
カセットハンドラー32は、入力/出力ステーション33と格納部8との間でカセットを移動させることができるだけでなく、格納部8と基板装填/脱離ステーションとして機能する回転可能なカセット移動プラットフォーム30との間、および/または入力/出力ステーション33と回転可能なカセット移動プラットフォーム30との間でカセットを移動させることができるように構築および配置されてもよい。回転可能なカセット移動プラットフォーム30は、回転時にカセット3がカセット取り扱い区域23と基板取り扱いチャンバー22との間の仕切りに対して定置されてもよいように構築されてもよく、この仕切りには閉鎖および閉鎖機構37が提供されてもよい。カセット3を基板取り扱いチャンバー22の閉鎖に対して定置した後、閉鎖機構は、カセット3の閉鎖を把持および係脱してもよく、またカセット3の閉鎖と同時に基板取り扱いチャンバー22の閉鎖を取り外してもよい。基板の装填/脱離ステーションとして機能する回転可能なカセット移動プラットフォーム30は、高い精度でカセットを支持するおよび位置付けるために少なくとも第一の突出部(例えば、3つのピン)を備えてもよい。次いで、基板運搬器24は滑らかな方法で基板をカセット3から移動、およびカセット3に移動させることができる。半導体製作工場内の異なる半導体機器でのさらなる加工のために無人搬送車または頭上ホイストシステムがカセットを装置から自動的に定置するもしくは取り上げることができるように、入力/出力ステーション33も同様に、高い精度でカセットを支持するおよび位置付けるために、少なくとも第一の突出部(例えば、3つのピン)を備えてもよい。
【0027】
基板ハンドラー24は、該当するカセットと基板ボート12との間で基板を移動しうる。基板ボート12の中への基板の装填の完了後、アーム16は、基板ボート12を基板取り扱いチャンバー22内の閉鎖可能な開口部を通して加工チャンバー21の中へと動かしうる。加工チャンバー21には、基板ボート12を支持する回転ボート移動プラットフォーム11が提供されてもよい。
【0028】
加熱されてもよい2つの反応器6は、加工チャンバー21内に配置されてもよい。加熱された反応器は垂直に位置付けられてもよく、また基板13で充填された基板ボート(12によって表示)は、垂直方向で下から反応器6の中へと導入されてもよい。この目的のために、各反応器は、垂直方向に移動可能であってもよい挿入アーム14を有してもよい。
【0029】
多数の基板の処理は、以下のように実施されてもよい。
図4に図式的に示すオペレーターは、入力/出力ステーションに、ある数のカセットを手動で導入することによって、または自動化したシステムを用いて、かつパネル36上の制御操作を実行することによって、格納部8を装填してもよい。カセット3の各々は、カセットハンドラー32を用いて、入力/出力ステーションから、これらのカセット3のために格納部8内に作製された格納区画31の中に移動されてもよい。移動装置を用いた、ベースプレート1の中心の周りでのベースプレート1の回転によって、およびエレベーター35の使用によって、様々な区画31にカセット3を充填することが可能である場合がある。格納部8の充填後、この自動化した設置では、人によるさらなるやりとりは必要とされない場合がある。次いで該当するカセット3は、ベースプレート1の回転によって格納部8から選択され、カセットハンドラー32によって取り出され、カセット移動プラットフォーム30上に定置されてもよい。
【0030】
カセット移動プラットフォーム30は2つのレベルを備えてもよく(
図4に概略的に示されている)、各レベルはカセットを受容する能力を有する。レベルは相互から独立して回転してもよい。カセット移動プラットフォーム30の回転に伴い、カセットは閉鎖部37に対して定置されてもよい。カセットの閉鎖を取り外した後、閉鎖部37とともに、基板を基板ハンドラー24によって取り出し、基板ボート12内に定置してもよい。基板ボート12に基板が充填された後、反応器6、7のうちの一つに対して利用可能になる場合があり、閉鎖部19が開いてもよく、また基板ボートは回転ボート移動プラットフォーム10上に定置されてもよい。次いで、ボート移動プラットフォームは、基板ボート12を装填するために反応器6の下方の位置に移動させてもよい。次いで、挿入機構14はボートを反応器の中へと動かしてもよい。処理された基板は、上記と反対の動きを実行してもよい。
【0031】
本システムは、出願人のPCT特許公開第WO99/38199号において、さらに詳細に記載されている。オペレーターが入力/出力ステーション上にカセットを導入すると説明したが、代替としてカセットが無人搬送車または頭上ホイストシステムなどの自動化したシステムによって入力/出力ステーションに導入されることができるように、システムは設計されている。このような場合、基板加工システムの制御システムは、制御機能を実行するホストコンピュータシステムに接続されてもよい。このような方法で、基板加工システムでの人によるやりとりは全く必要とされない場合がある。
【0032】
主プレート1の寸法は、ボックス型の本体であってもよいカセット3の寸法に適合されてもよく、これは閉鎖を用いて閉じられてもよい開いた前面を有する。カセットの寸法は、カセット内の基板の数およびサイズによって決定されてもよい。ベースプレート1は、0.2~4mm、好ましくは0.3~3mmの厚さを有してもよく、金属(例えば、鋼またはアルミニウム)で作製されてもよい。
【0033】
カセット供給システムは、カメラなどの光学センサーと接続して動作可能なコンピュータを有してもよい。コンピュータにはプロセッサおよびメモリが提供されていて、メモリには、基板カセットのベースプレート上の存在および正しい向きのうちの少なくとも一つを検出するためにマシンビジョンソフトウエアが提供されている。
【0034】
示され説明された特定の実施形態は、本発明およびその最良の形態の例示であり、別途態様および実施形態の範囲をいかなるやり方でも限定することを意図しない。実際、簡潔さのために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細には説明していない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加の機能的関係、もしくは物理的接続が実際のシステムに存在してもよく、および/または幾つかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0035】
本明細書に記載される構成および/または方法は本質的に例示的であり、これらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるので、限定的な意味で考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記載される特定のルーチンまたは方法は、任意の数の加工方策のうちの一つ以上を表す場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される逐次で実施されてもよく、他の逐次で実施されてもよく、または場合によっては省略されてもよい。
【0036】
本開示の主題は、本明細書で開示される様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性の、すべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにその任意のおよびすべての均等物を含む。