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特許7542078基板処理装置、基板処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H01L21/306 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022560722
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2021039264
(87)【国際公開番号】W WO2022097520
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2020185063
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】小杉 仁
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/022187(WO,A1)
【文献】特開2020-053607(JP,A)
【文献】特開2015-103656(JP,A)
【文献】特開平11-354489(JP,A)
【文献】特開平10-154701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に膜が形成された基板を保持して回転させるように構成された回転保持部と、
前記回転保持部による前記基板の回転中に、前記基板の表面にエッチング液を供給するように構成された薬液供給部と、
前記回転保持部による前記基板の回転中に、前記基板の表面にリンス液を供給するように構成されたリンス液供給部と、
測定ヘッドが前記基板の表面近傍に位置した状態で前記膜の厚さを測定するように構成された測定部と、
前記測定部による測定中に、前記測定ヘッドを前記基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように構成された駆動部と、
前記測定部による測定中に、前記測定ヘッドと前記基板の表面との間の隙間にリンス液を供給して前記隙間をリンス液で満たすように構成された補助供給部とを備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記リンス液供給部は、前記測定部による測定中に、前記基板の表面の全体にリンス液の液膜を形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転保持部は、前記基板の裏面を全体的に吸着するように構成された保持部を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記測定部は、前記基板の表面を基準として、前記膜の厚さを測定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記基板を部分的に加熱するように構成された加熱部をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記回転保持部による前記基板の回転中に、前記基板の表面の中心部以外の領域にエッチング液を供給するように構成された別の薬液供給部をさらに備え、
前記薬液供給部は、前記回転保持部による前記基板の回転中に、前記基板の表面の中心部にエッチング液を供給するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記基板の表面にエッチング液を供給させるように前記薬液供給部を制御して、所定の処理条件に基づいて前記膜をエッチングする第1の処理と、
前記第1の処理の後に、前記基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記基板の表面及び前記隙間にそれぞれリンス液を供給させるように、前記リンス液供給部及び前記補助供給部を制御する第2の処理と、
前記第2の処理におけるリンス液の供給中で且つ前記基板の回転中に、前記測定ヘッドを前記基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように前記駆動部を制御しつつ、前記膜の厚さを測定するように前記測定部を制御する第3の処理と、
前記膜の厚さの測定値に基づいて前記処理条件を更新する第4の処理とを実行するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御部は、表面に別の膜が形成された後続の基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記後続の基板の表面にエッチング液を供給させるように前記薬液供給部を制御して、前記第4の処理で更新された後の前記処理条件に基づいて前記別の膜をエッチングする第5の処理をさらに実行するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記膜の厚さの測定値が所定の目標値以下であるか否かを判定する第6の処理と、
前記膜の厚さの測定値が前記目標値を超えると判定された場合、再度、前記基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記基板の表面にエッチング液を供給させるように前記薬液供給部を制御して、前記膜をエッチングする第7の処理とをさらに実行するように構成されている、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記第7の処理は、前記膜のうち一部の厚さの測定値が前記目標値を超えると判定された場合、前記基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記基板の表面にエッチング液を供給させるように前記薬液供給部を制御して、前記膜の前記一部をエッチングすることを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
制御部と、
前記膜のエッチングのための複数の処理条件を記憶するように構成された記憶部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記基板の表面及び前記隙間にそれぞれリンス液を供給させるように、前記リンス液供給部及び前記補助供給部を制御する第8の処理と、
前記第8の処理におけるリンス液の供給中で且つ前記基板の回転中に、前記測定ヘッドを前記基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように前記駆動部を制御しつつ、前記膜の厚さを測定するように前記測定部を制御する第9の処理と、
前記膜の厚さの測定値に基づいて前記複数の処理条件から一つの処理条件を決定する第10の処理と、
前記基板を保持して回転させるように前記回転保持部を制御しつつ、前記基板の表面にエッチング液を供給させるように前記薬液供給部を制御して、前記第10の処理で決定された前記一つの処理条件に基づいて前記膜をエッチングする第11の処理とをさらに実行するように構成されている、請求項7~10のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、基板処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
基板(例えば、半導体ウエハ)を微細加工して半導体デバイスを製造するにあたり、基板の表面に形成されている薄膜(例えば、シリコン酸化膜)を薬液(例えば、フッ酸等のエッチング液)で所定の厚さとなるまで除去するエッチング処理が行われている。特許文献1は、薄膜の膜厚(エッチング量)をコントロールするために、薄膜のエッチングが進行しているのと同じタイミングで薄膜の膜厚を測定する装置を開示している。当該装置は、薄膜表面からの反射光と基板表面からの反射光との干渉状態を検出するように構成された光学プローブと、当該干渉状態に基づいて膜厚を算出するように構成された制御部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-332299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板の表面に形成されている膜の厚さを精度よく測定することが可能な基板処理装置、基板処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板処理装置の一例は、表面に膜が形成された基板を保持して回転させるように構成された回転保持部と、回転保持部による基板の回転中に、基板の表面にエッチング液を供給するように構成された薬液供給部と、回転保持部による基板の回転中に、基板の表面にリンス液を供給するように構成されたリンス液供給部と、測定ヘッドが基板の表面近傍に位置した状態で膜の厚さを測定するように構成された測定部と、測定部による測定中に、測定ヘッドを基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように構成された駆動部と、測定部による測定中に、測定ヘッドと基板の表面との間の隙間にリンス液を供給して隙間をリンス液で満たすように構成された補助供給部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る基板処理装置、基板処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、基板の表面に形成されている膜の厚さを精度よく測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、基板処理装置の一例を模式的に示す平面図である。
図2図2は、処理ユニットの一例を模式的に示す側面図である。
図3図3は、図2の処理ユニットの一部を模式的に示す斜視図である。
図4図4は、図2の処理ユニットの一部を模式的に示す断面図である。
図5図5は、基板処理装置の主要部の一例を示すブロック図である。
図6図6は、コントローラのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図7図7(a)は、基板の中央部において膜厚が相対的に小さい膜厚プロファイルの一例を示す断面図であり、図7(b)は、基板の中央部において膜厚が相対的に大きい膜厚プロファイルの一例を示す断面図であり、図7(c)は、基板の全体にわたって膜厚が略均一な膜厚プロファイルの一例を示す断面図である。
図8図8は、基板の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、基板の処理手順の一例を説明するための図である。
図10図10は、図9の後続の工程を説明するための図である。
図11図11は、基板の処理手順の他の例を説明するための図である。
図12図12は、図11の後続の工程を説明するための図である。
図13図13は、処理ユニットの他の例を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0009】
まず、図1を参照して、基板Wを処理するように構成された基板処理装置1について説明する。基板処理装置1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3と、コントローラCtr(制御部)とを備える。搬入出ステーション2及び処理ステーション3は、例えば水平方向に一列に並んでいてもよい。
【0010】
基板Wは、円板状を呈してもよいし、多角形など円形以外の板状を呈していてもよい。基板Wは、一部が切り欠かれた切欠部を有していてもよい。切欠部は、例えば、ノッチ(U字形、V字形等の溝)であってもよいし、直線状に延びる直線部(いわゆる、オリエンテーション・フラット)であってもよい。基板Wは、例えば、半導体基板(シリコンウエハ)、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。基板Wの直径は、例えば200mm~450mm程度であってもよい。
【0011】
搬入出ステーション2は、載置部4と、搬入搬出部5と、棚ユニット6とを含む。載置部4は、幅方向(図1の上下方向)において並ぶ複数の載置台(図示せず)を含んでいる。各載置台は、キャリア7(収容容器)を載置可能に構成されている。キャリア7は、少なくとも一つの基板Wを密封状態で収容するように構成されている。キャリア7は、基板Wを出し入れするための開閉扉(図示せず)を含む。
【0012】
搬入搬出部5は、搬入出ステーション2及び処理ステーション3が並ぶ方向(図1の左右方向)において、載置部4に隣接して配置されている。搬入搬出部5は、載置部4に対応して設けられた開閉扉(図示せず)を含む。載置部4上にキャリア7が載置された状態で、キャリア7の開閉扉と搬入搬出部5の開閉扉とが共に開放されることで、搬入搬出部5内とキャリア7内とが連通する。
【0013】
搬入搬出部5は、搬送アームA1及び棚ユニット6を内蔵している。搬送アームA1は、搬入搬出部5の幅方向(図1の上下方向)における水平移動と、鉛直方向における上下動と、鉛直軸周りにおける旋回動作とが可能に構成されている。搬送アームA1は、キャリア7から基板Wを取り出して棚ユニット6に渡し、また、棚ユニット6から基板Wを受け取ってキャリア7内に戻すように構成されている。棚ユニット6は、処理ステーション3の近傍に位置しており、搬入搬出部5と処理ステーション3との間での基板Wの受け渡しを仲介するように構成されている。
【0014】
処理ステーション3は、搬送部8と、複数の処理ユニット10とを含む。搬送部8は、例えば、搬入出ステーション2及び処理ステーション3が並ぶ方向(図1の左右方向)において水平に延びている。搬送部8は、搬送アームA2を内蔵している。搬送アームA2は、搬送アームA1は、搬送部8の長手方向(図1の左右方向)における水平移動と、鉛直方向における上下動と、鉛直軸周りにおける旋回動作とが可能に構成されている。搬送アームA2は、棚ユニット6から基板Wを取り出して各処理ユニット10に渡し、また、各処理ユニット10から基板Wを受け取って棚ユニット6内に戻すように構成されている。
【0015】
複数の処理ユニット10は、搬送部8の両側のそれぞれにおいて、搬送部8の長手方向(図1の左右方向)に沿って一列に並ぶように配置されている。処理ユニット10は、基板Wに所定の処理(例えば、洗浄処理)を行うように構成されている。処理ユニット10の詳細については、後述する。
【0016】
コントローラCtrは、基板処理装置1を部分的又は全体的に制御するように構成されている。コントローラCtrの詳細については後述する。
【0017】
[処理ユニット]
続いて、図2図4を参照して、処理ユニット10について詳しく説明する。処理ユニット10は、回転保持部20と、薬液供給部30と、リンス液供給部40と、駆動ユニット50と、補助供給部60と、測定部70と、駆動ユニット80とを備える。
【0018】
回転保持部20は、回転部21と、シャフト22と、保持部23とを含む。回転部21は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、シャフト22を回転させるように構成されている。回転部21は、例えば電動モータ等の動力源であってもよい。
【0019】
保持部23は、シャフト22の先端部に設けられており、例えば円板状を呈している。保持部23は、例えば吸着等により、基板Wの裏面全体を吸着保持するように構成されていてもよい。この場合、基板Wに反りなどがあっても、保持部23の表面に沿って基板Wが略水平となるように矯正される。すなわち、回転保持部20は、基板Wの姿勢が略水平の状態で、基板Wの表面に対して垂直な中心軸(回転軸)周りで基板Wを回転させるように構成されていてもよい。図2に例示されるように、回転保持部20は、上方から見て反時計回りに基板Wを回転させてもよい。
【0020】
保持部23は、複数の加熱部24,25を内蔵している。加熱部24,25は、例えば、抵抗加熱ヒータなどの熱源であってもよい。加熱部24は、保持部23の中央部に位置している。そのため、回転保持部20に基板Wが保持された状態において、加熱部24は、基板Wの中央部を加熱するように構成されている。加熱部25は、加熱部24を取り囲むように環状を呈しており、保持部23の外周部に位置している。そのため、回転保持部20に基板Wが保持された状態において、加熱部25は、基板Wの外周部を加熱するように構成されている。換言すれば、加熱部24,25はそれぞれ、基板Wを部分的に加熱するように構成されている。
【0021】
薬液供給部30は、基板Wにエッチング液L1を供給するように構成されている。エッチング液L1は、例えば、基板Wの表面Waに配置された膜F(例えば、シリコン酸化膜などの薄膜)をエッチング処理するための薬液である。エッチング液L1は、例えば、アルカリ性の薬液、酸性の薬液などを含む。アルカリ性の薬液は、例えば、SC-1液(アンモニア、過酸化水素及び純水の混合液)、過酸化水素水などを含む。酸性の薬液は、例えば、SC-2液(塩酸、過酸化水素及び純水の混合液)、HF液(フッ酸)、DHF液(希フッ酸)、HNO+HF液(硝酸及びフッ酸の混合液)などを含む。
【0022】
薬液供給部30は、液源31と、ポンプ32と、バルブ33と、ノズル34と、配管35とを含む。液源31は、エッチング液L1の供給源である。ポンプ32は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、液源31から吸引したエッチング液L1を、配管35及びバルブ33を介してノズル34に送り出すように構成されている。
【0023】
バルブ33は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、配管35における流体の流通を許容する開状態と、配管35における流体の流通を妨げる閉状態との間で遷移するように構成されている。ノズル34は、吐出口が基板Wの表面Waに向かうように基板Wの上方に配置されている。ノズル34は、ポンプ32から送り出されたエッチング液L1を吐出口から吐出するように構成されている。配管35は、上流側から順に、液源31、ポンプ32、バルブ33及びノズル34を接続している。
【0024】
リンス液供給部40は、基板Wにリンス液L2を供給するように構成されている。リンス液L2は、例えば、基板Wの表面Waに供給されたエッチング液L1及びエッチング液L1による膜Fの溶解成分を当該表面Waから洗い流すための洗浄液である。リンス液L2は、例えば、純水(DIW:deionized water)などを含む。
【0025】
リンス液供給部40は、液源41と、ポンプ42と、バルブ43と、ノズル44と、配管45とを含む。液源41は、リンス液L2の供給源である。ポンプ42は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、液源41から吸引したリンス液L2を、配管45及びバルブ43を介してノズル44に送り出すように構成されている。
【0026】
バルブ43は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、配管45における流体の流通を許容する開状態と、配管45における流体の流通を妨げる閉状態との間で遷移するように構成されている。ノズル44は、吐出口が基板Wの表面Waに向かうように基板Wの上方に配置されている。ノズル44は、ポンプ42から送り出されたリンス液L2を吐出口から吐出するように構成されている。配管45は、上流側から順に、液源41、ポンプ42、バルブ43及びノズル44を接続している。
【0027】
駆動ユニット50は、保持部51と、駆動機構52とを含む。保持部51は、ノズル34,44を保持するように構成されている。駆動機構52は、コントローラCtrからの信号に基づいて動作し、保持部51を水平方向及び上下方向に移動させるように構成されている。そのため、ノズル34,44は、保持部51の移動に伴って、水平方向及び上下方向に移動する。
【0028】
補助供給部60は、基板Wにリンス液L2を供給するように構成されている。液源61と、ポンプ62と、バルブ63と、ノズル64と、配管65とを含む。液源61は、リンス液L2の供給源である。ポンプ62は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、液源61から吸引したリンス液L2を、配管65及びバルブ63を介してノズル64に送り出すように構成されている。
【0029】
バルブ63は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、配管65における流体の流通を許容する開状態と、配管65における流体の流通を妨げる閉状態との間で遷移するように構成されている。ノズル64は、吐出口が基板Wの表面Waに向かうように基板Wの上方に配置されている。ノズル64は、ポンプ62から送り出されたリンス液L2を吐出口から吐出するように構成されている。配管65は、上流側から順に、液源61、ポンプ62、バルブ63及びノズル64を接続している。
【0030】
測定部70は、基板Wの表面Waに配置された膜Fの厚さ(以下、単に「膜厚」という。)を測定し、その測定値をコントローラCtrに送信するように構成されている。測定部70は、基板Wの表面Waを基準として膜厚を測定するように構成されていてもよい。測定部70は、例えば、分光干渉法を用いた膜厚測定器であってもよい。この場合、測定部70は、例えば、基板Wの表面Waに向けて光を照射する照射部と、照射部からの光が基板Wの表面Waで反射した光及び照射部からの光が膜Fの表面で反射した光の重ね合わせである多重反射光を受光する受光部とを含んでいてもよい。
【0031】
測定部70は、膜厚の測定に際して基板Wの表面Waの近傍に配置される測定ヘッド71を含む。そのため、膜厚の測定中、測定ヘッド71の先端と基板Wの表面Waとの間には隙間Gが存在している。
【0032】
駆動ユニット80は、保持部81と、駆動機構82(駆動部)とを含む。保持部81は、ノズル64及び測定ヘッド71を保持するように構成されている。ノズル64及び測定ヘッド71が保持部81に保持された状態において、ノズル64及び測定ヘッド71は隣接していてもよい。図2図4に例示されるように、ノズル64及び測定ヘッド71が保持部81に保持された状態において、測定ヘッド71の先端(下端)は、ノズル64の下端よりも基板Wの表面Waの近くに位置していてもよい。
【0033】
ノズル64及び測定ヘッド71が保持部81に保持された状態において、測定ヘッド71は、ノズル64よりも径方向外方に位置していてもよい。ノズル64及び測定ヘッド71が保持部81に保持された状態において、測定ヘッド71は、ノズル64よりも基板Wの回転方向下流側に位置していてもよい。ノズル64及び測定ヘッド71が保持部81に保持された状態において、測定ヘッド71は、ノズル64よりも、回転中の基板Wにノズル64から吐出されたリンス液L2が表面Waを流れる下流側に位置していてもよい(図3参照)。
【0034】
駆動機構82は、コントローラCtrからの信号に基づいて動作し、保持部81を水平方向及び上下方向に移動させるように構成されている。そのため、ノズル64及び測定ヘッド71は、保持部81の移動に伴って、水平方向及び上下方向に移動する。
【0035】
[コントローラの詳細]
コントローラCtrは、図5に示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラCtrの機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラCtrを構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0036】
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取るように構成されている。記録媒体RMは、処理ユニット10を含む基板処理装置1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMは、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。
【0037】
記憶部M2は、種々のデータを記憶するように構成されている。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み出したプログラム、外部入力装置(図示せず)を介してオペレータから入力された設定データなどを記憶してもよい。記憶部M2は、例えば、測定部70から受信した膜厚の測定値、膜厚の目標値、膜Fのエッチング処理のための処理条件などを記憶していてもよい。
【0038】
処理条件は、エッチング処理に際して処理ユニット10の各部を動作させるための複数の設定値の組み合わせによって構成されていてもよい。設定値は、例えば、基板Wの表面Waに対するノズル34の位置、エッチング液L1の吐出流量、エッチング液L1の吐出時間、エッチング液L1の温度、基板Wの回転数、加熱部24,25の温度などを含んでいてもよい。
【0039】
記憶部M2は、基板Wの面内における膜厚プロファイル、すなわち、基板Wの面内における膜厚の高低の変動状況に対応する処理条件を予め記憶していてもよい。例えば、基板Wの中央部における膜厚が外周部よりも小さい第1の膜厚プロファイル(図7(a)参照)に対応して、基板Wの外周部のエッチングレートが中央部よりも大きくなるような設定値の組み合わせによって構成された第1の処理条件が、記憶部M2に予め記憶されていてもよい。例えば、基板Wの中央部における膜厚が外周部よりも大きい第2の膜厚プロファイル(図7(b)参照)に対応して、基板Wの外周部のエッチングレートが中央部よりも小さくなるような設定値の組み合わせによって構成された第2の処理条件が、記憶部M2に予め記憶されていてもよい。例えば、基板Wの全体にわたって膜厚が略均一な第3の膜厚プロファイル(図7(c)参照)に対応して、基板Wの全体にわたってエッチングレートが略均一となるような設定値の組み合わせによって構成された第3の処理条件が、記憶部M2に予め記憶されていてもよい。
【0040】
処理部M3は、各種データを処理するように構成されている。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、基板処理装置1の各部(例えば、回転部21、加熱部24,25、ポンプ32,42,62、バルブ33,43,63、駆動機構52,82)を動作させるための信号を生成してもよい。
【0041】
指示部M4は、処理部M3において生成された動作信号を、基板処理装置1の各部(例えば、回転部21、加熱部24,25、ポンプ32,42,62、バルブ33,43,63、駆動機構52,82)に送信するように構成されている。
【0042】
コントローラCtrのハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成されていてもよい。コントローラCtrは、図6に示されるように、ハードウェア上の構成として回路C1を含んでいてもよい。回路C1は、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路C1は、例えば、プロセッサC2と、メモリC3と、ストレージC4と、ドライバC5と、入出力ポートC6とを含んでいてもよい。
【0043】
プロセッサC2は、メモリC3及びストレージC4の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポートC6を介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを実現するように構成されていてもよい。メモリC3及びストレージC4は、記憶部M2として機能してもよい。ドライバC5は、基板処理装置1の各部をそれぞれ駆動するように構成された回路であってもよい。入出力ポートC6は、ドライバC5と基板処理装置1の各部との間で、信号の入出力を仲介するように構成されていてもよい。
【0044】
基板処理装置1は、一つのコントローラCtrを備えていてもよいし、複数のコントローラCtrで構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理装置1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラCtrによって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラCtrの組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrが複数のコンピュータ(回路C1)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路C1)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路C1)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrは、複数のプロセッサC2を有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサC2によって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサC2の組み合わせによって実現されていてもよい。
【0045】
[基板処理方法]
続いて、図8図10を参照して、膜Fのエッチング処理及び膜厚測定処理を含む基板処理方法について説明する。なお、当該方法の開始前に、載置部4の載置台にキャリア7が予め載置される。当該キャリア7内には、表面Waに膜Fが形成された少なくとも一枚の基板Wが収容されている。
【0046】
まず、コントローラCtrが搬送アームA1,A2を制御して、キャリア7から基板Wを1枚取り出し、いずれかの処理ユニット10内に搬送する。処理ユニット10内に搬送された基板Wは、保持部23に載置される。
【0047】
次に、コントローラCtrが回転部21及び保持部23(回転保持部20)を制御して、基板Wの裏面を保持部23で吸着保持し、且つ、基板Wを回転させる。この状態で、図3図4及び図9(a)に例示されるように、コントローラCtrがポンプ42,62及びバルブ43,63(リンス液供給部40及び補助供給部60)を制御して、基板Wの表面Wa及び隙間Gのそれぞれにリンス液L2を供給させる。
【0048】
ノズル44から吐出されたリンス液L2は、基板Wの表面Waの略中央部に向けて供給されてもよい。この場合、ノズル44から吐出されたリンス液L2は、基板Wの回転によって、基板Wの中央部から周縁に向けて表面Waの全体を流れた後、外方に振り切られる。そのため、基板Wの表面Waの全体にリンス液L2の薄膜R1(図4及び図9(a)参照)が形成される。したがって、基板Wの表面Waにおいて、乾燥領域の出現が抑制される。ノズル44から吐出されたリンス液L2によって基板Wの表面Waに形成される薄膜R1の厚さは、例えば、0.1mm~0.4mm程度であってもよい。
【0049】
一方、ノズル64から隙間Gに供給されたリンス液L2は、基板Wの回転によって、基板Wの表面Waへの着液位置から基板Wの周縁に向けて流れた後、外方に振り切られる。そのため、隙間Gの近傍にリンス液L2の厚膜R2(図4及び図9(a)参照)が形成される。厚膜R2の厚さは、例えば1mm~3mm程度であってもよい。膜厚の測定中において、測定ヘッド71の先端部が常に厚膜R2内に位置した状態(常にリンス液L2に浸漬された状態)が維持される(図3図4及び図9(a)参照)。
【0050】
次に、基板Wの回転中で且つノズル44,64から基板Wへのリンス液L2の供給中に、コントローラCtrが駆動機構82を制御して、測定ヘッド71(保持部81)を基板Wの表面Waに沿って略水平方向に移動させる。これにより、基板Wの面内における膜Fの膜厚が測定部70によって測定され、その測定値が記憶部M2に記憶される(図8のステップS1及び図9(a)参照)。このとき、指示部M4は、測定ヘッド71(保持部81)を基板Wの径方向に沿って略水平方向に移動させるように、駆動機構82を制御する処理を実行してもよい。指示部M4は、測定ヘッド71(保持部81)を基板Wの中央部から周縁に向けて移動させるように、駆動機構82を制御する処理を実行してもよい。指示部M4は、測定ヘッド71(保持部81)を基板Wの周縁から中央部に向けて移動させるように、駆動機構82を制御する処理を実行してもよい。
【0051】
次に、コントローラCtrは、ステップS1で測定された膜厚の測定値に基づいて、記憶部M2に記憶されている複数の処理条件から一つの処理条件を選択する(図8のステップS2参照)。この場合、エッチング前の膜厚の測定値に基づいて、当該膜Fをエッチング処理するのに適した処理条件が選択される。そのため、例えば、エッチング前の膜厚が基板Wの面内において変動している場合であっても、エッチング後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0052】
コントローラCtrは、ステップS1における測定値に基づいて、エッチング処理後の膜Fの厚さが所定の目標値以下で且つ全体的に平坦に近づくような処理条件を選択してもよい。例えば、ステップS1において測定された測定値が第1の膜厚プロファイル(図7(a)参照)を示す場合、コントローラCtrは、記憶部M2から第1の処理条件を選択してもよい。ステップS1において測定された測定値が第2の膜厚プロファイル(図7(b)参照)を示す場合、コントローラCtrは、記憶部M2から第2の処理条件を選択してもよい。ステップS1において測定された測定値が第3の膜厚プロファイル(図7(c)参照)が示す場合、コントローラCtrは、記憶部M2から第3の処理条件を選択してもよい。
【0053】
次に、ステップS2において選択された処理条件に基づいて、コントローラCtrが回転保持部20を制御して、保持部23によって吸着保持されている基板Wを、所定の回転数で回転させる。この状態で、ステップS2において選択された処理条件に基づいて、コントローラCtrがポンプ32及びバルブ33(薬液供給部30)を制御して、所定の吐出流量、吐出時間及び温度でエッチング液L1を基板Wの表面Waに供給させる(図8のステップS3及び図9(b)参照)。なお、基板Wの表面Waにおいて乾燥領域の出現を抑制するために、ステップS1で供給されたリンス液L2が基板Wの表面Waを覆っている状態で、エッチング液L1の供給を開始してもよい。そのため、エッチング液L1の供給開始後に、ノズル44,64からのリンス液L2の供給が停止されてもよい。
【0054】
コントローラCtrは、ステップS2において選択された処理条件に含まれる複数の設定値を用いて、処理ユニット10の他の各部を設定してもよい。例えば、第1の処理条件が選択された場合には、コントローラCtrは、加熱部25の温度が加熱部24よりも高くなるように、加熱部24,25を制御してもよい。この場合、基板Wの外周部におけるエッチングレートが中央部よりも高くなるので、基板Wの外周部における膜Fがよりエッチングされやすくなる。第2の処理条件が選択された場合には、コントローラCtrは、加熱部24の温度が加熱部25よりも高くなるように、加熱部24,25を制御してもよい。この場合、基板Wの中央部におけるエッチングレートが外周部よりも高くなるので、基板Wの中央部における膜Fがよりエッチングされやすくなる。
【0055】
ノズル34から吐出されたエッチング液L1は、基板Wの表面Waの略中央部に向けて供給されてもよい。この場合、ノズル34から吐出されたエッチング液L1は、基板Wの回転によって、基板Wの中央部から周縁に向けて表面Waの全体を流れた後、外方に振り切られる。そのため、基板Wの表面Waの全体にエッチング液L1の薄膜R3(図9(b)参照)が形成される。したがって、基板Wの表面Waにおいて、乾燥領域の出現が抑制される。
【0056】
次に、コントローラCtrが、ステップS1と同様に処理ユニット10の各部を制御して、基板Wの面内における膜Fの膜厚を測定部70によって測定する(図8のステップS4、図3図4及び図10(a)参照)。なお、基板Wの表面Waにおいて乾燥領域の出現を抑制するために、ステップS3で供給されたエッチング液L1が基板Wの表面Waを覆っている状態で、ノズル44,64からのリンス液L2の供給を開始してもよい。そのため、ノズル44,64からのリンス液L2の供給開始後に、エッチング液L1の供給が停止されてもよい。
【0057】
次に、コントローラCtrは、ステップS4で測定された膜厚の測定値に基づいて、処理条件を更新し、更新後の処理条件を記憶部M2に記憶させる(図8のステップS5参照)。例えば、当該測定値が第1の膜厚プロファイル(図7(a)参照)を示す場合、基板Wの外周部におけるエッチングレートが中央部よりも高い処理条件となるように、処理条件に含まれる複数の設定値のうち少なくとも一つの設定値を更新してもよい。この場合、エッチング後の膜厚の測定値に基づいてエッチングの処理条件が更新されるので、エッチング処理をフィードバック制御することが可能となる。当該測定値が第2の膜厚プロファイル(図7(b)参照)を示す場合、基板Wの中央部におけるエッチングレートが外周部よりも高い処理条件となるように、処理条件に含まれる複数の設定値のうち少なくとも一つの設定値を更新してもよい。
【0058】
次に、コントローラCtrは、ステップS4で測定された膜厚の測定値が所定の目標値以下であるか否かを判断する(図8のステップS6参照)。ステップS4で測定された膜厚の測定値が所定の目標値以下である場合(図8のステップS6で「YES」の場合)、コントローラCtrが回転保持部20を制御して、保持部23に吸着保持されている基板Wを、所定の回転数で所定時間回転させる。これにより、基板Wの表面Waからリンス液L2が振り切られ、基板Wの乾燥が行われる(図8のステップS7及び図10(b)参照)。その後、コントローラCtrが搬送アームA1,A2を制御して、乾燥処理が行われた基板Wを搬送してキャリア7内に戻す。
【0059】
一方、ステップS4で測定された膜厚の測定値が所定の目標値を上回っていた場合(図8のステップS6で「NO」の場合)、コントローラCtrは、ステップS3で用いられた処理条件を補正する(図8のステップS9参照)。すなわち、コントローラCtrは、より大きなエッチングレートが得られる処理条件となるように、処理条件に含まれる複数の設定値のうち少なくとも一つの設定値を補正する。
【0060】
次に、コントローラCtrが、ステップS4において補正された処理条件に基づいて、コントローラCtrが回転保持部20を制御して、保持部23によって吸着保持されている基板Wを、所定の回転数で回転させる。この状態で、ステップS4において補正された処理条件に基づいて、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、所定の吐出流量、吐出時間及び温度でエッチング液L1を基板Wの表面Waに供給させる(図8のステップS10参照)。これにより、基板Wの面内における膜Fのうち、少なくとも膜厚が所定の目標値を超えている部分が、再度エッチングされる。この場合、エッチング後の膜厚が所定の目標値を超えていたとしても、同じ基板Wを再度エッチング処理することにより、当該基板Wを廃棄等することなく有効利用することが可能となる。
【0061】
なお、エッチング後の膜Fの一部の膜厚が所定の目標値を上回っている場合、ステップS9において、当該一部が主としてエッチングされるように処理条件が補正されてもよい。この場合、ステップS10において、補正された当該処理条件を用いて膜Fが再度エッチングされることにより、再度のエッチング処理後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0062】
その後は、膜厚が所定の目標値以下となるまで、ステップS4以下が繰り返し実行される。なお、基板Wの表面Waにおいて乾燥領域の出現を抑制するために、ステップS4で供給されたリンス液L2が基板Wの表面Waを覆っている状態で、エッチング液L1の供給を開始してもよい。そのため、エッチング液L1の供給開始後に、ノズル44,64からのリンス液L2の供給が停止されてもよい。また、コントローラCtrは、補正後の処理条件を用いて、ステップS5で更新された処理条件をさらに更新してもよい。
【0063】
ステップS7で基板Wの乾燥が完了すると、コントローラCtrは、後続の処理対象の基板Wがあるか否かを判断する(図8のステップS8参照)。後続の処理対象の基板Wがない場合(図8のステップS8で「YES」の場合)、すなわち、キャリア7内に収容されていた基板Wが全て処理された場合、基板処理が終了する。
【0064】
一方、後続の処理対象の基板Wがある場合(図8のステップS8で「NO」の場合)、すなわち、キャリア7内に未処理の基板Wが収容されている場合、コントローラCtrが搬送アームA1,A2を制御して、キャリア7から未処理の基板Wを1枚取り出し、当該基板Wを保持部23に載置する。その後、図8に例示されるように、当該基板Wに対してステップS2以下が実行されてもよい。このとき、ステップS2においては、ステップS5において更新された後の処理条件が用いられてもよい。同一ロットの基板Wにおいては、表面Waに形成される膜Fの膜厚プロファイルが類似する傾向があるので、更新後の処理条件を用いることで、ステップS1を省略して、未処理の基板Wのエッチング処理を効率的に行うことが可能となる。
【0065】
[作用]
以上の例によれば、測定部70による膜厚の測定中に、測定ヘッド71がリンス液L2に浸漬された状態が維持される。そのため、膜厚の測定に際して、リンス液L2の表面変動の影響を受けない。したがって、基板Wの表面に形成されている膜Fの厚さを精度よく測定することが可能となる。また、測定部70による膜厚の測定に際して、測定部70にエッチング液L1が付着しない。そのため、測定部70の耐薬性を考慮する必要がないので、測定部70のコストを抑制することが可能となると共に、エッチング液L1の種類によらずに略同じ環境で膜厚を測定することが可能となる。
【0066】
以上の例によれば、測定部70による膜厚の測定中に、基板Wの表面Waの全体にリンス液L2の液膜が形成される。そのため、基板Wの表面Waの乾燥がリンス液L2によって抑制されるので、基板Wの表面Waにパーティクル等が付着し難くなる。したがって、基板Wの表面処理の品質を高めることが可能となる。
【0067】
以上の例によれば、保持部23は、基板Wの裏面を全体的に吸着するように構成されている。そのため、基板Wに反りが存在していても、基板Wが保持部23に対して全体的に吸着されることにより、基板Wの表面Waが略水平に保たれる。したがって、膜厚をより精度よく測定することが可能となる。
【0068】
以上の例によれば、測定部70は、基板Wの表面Waを基準として、膜Fの厚さを測定するように構成されている。そのため、基板Wの面内において基板Wの厚さに変動が存在していても、当該変動の影響を排除して膜厚が測定される。したがって、膜厚をより精度よく測定することが可能となる。
【0069】
以上の例によれば、加熱部24,25は、基板Wを部分的に加熱するように構成されている。そのため、エッチング処理中に加熱部24,25が動作することにより、基板Wのうち部分的に加熱された領域とそれ以外の領域とで、エッチングの進行速度が変化する。したがって、基板Wに形成されている膜Fの厚さが均一でない場合に、基板Wのうち膜厚が大きい領域を加熱部24,25によって部分的に加熱することで、エッチング後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0070】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0071】
(1)以上の例では、基板Wへのリンス液L2の供給中に、すなわち、膜Fのエッチング処理の進行がリンス液L2によって抑制されている状態で、測定部70による膜厚の測定を行っていた。しかしながら、膜Fのエッチング処理の進行中に、測定部70による膜厚の測定を行ってもよい。この場合、まず、所定の処理条件に基づいて、コントローラCtrが回転保持部20及び薬液供給部30を制御して、回転中の基板Wの表面Waにエッチング液L1を基板Wの表面Waに供給させる。(図11(a)参照)。
【0072】
エッチング処理がある程度進行すると、ノズル34からのエッチング液L1の吐出を継続したまま、コントローラCtrが補助供給部60を制御して、隙間Gにもエッチング液L1を供給させる(図11(b)参照)。すなわち、この例において、補助供給部60の液源61にはエッチング液L1が貯留されている。基板Wの表面Wa及び隙間Gへのエッチング液L1の供給中に、コントローラCtrが駆動機構82を制御して、測定ヘッド71(保持部81)を基板Wの表面Waに沿って略水平方向に移動させる(図11(b)参照)。これにより、エッチング処理中の膜Fの膜厚が測定部70によって測定され、その測定値が記憶部M2に記憶される。
【0073】
その後、測定された膜厚が所定の目標値以下となるまで、エッチング処理中の膜厚測定が必要に応じて繰り返し行われる。測定された膜厚が所定の目標値以下となった場合、コントローラCtrが回転保持部20及びリンス液供給部40を制御して、回転中の基板Wの表面Waにリンス液L2を供給する(図12(a)参照)。これにより、リンス液L2によってエッチング液L1が基板Wの表面Waから洗い流される。次に、ステップS7と同様に基板Wの乾燥が行われ、基板の処理が完了する(図12(b)参照)。
【0074】
(2)図13に例示されるように、処理ユニット10は、基板Wにエッチング液L1を供給するように構成された薬液供給部90(別の薬液供給部)をさらに含んでいてもよい。この場合、薬液供給部30からエッチング液が供給される基板Wの領域と、薬液供給部90からエッチング液L1が供給される基板Wの領域とにおいて、膜Fのエッチングの進行速度が異なる。そのため、基板Wの表面における膜の厚さが変動している場合(基板Wの面内における膜厚が不均一である場合)、薬液供給部30に加えて薬液供給部90からもエッチング液L1を基板Wの表面Waに供給することで、エッチング後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0075】
図13の例において、ステップS2で第1の処理条件が選択された場合には、コントローラCtrは、薬液供給部90におけるエッチング液L1の吐出流量、吐出時間、温度等が薬液供給部30よりも大きくなるように、薬液供給部30,90を制御してもよい。この場合、基板Wの外周部におけるエッチングレートが中央部よりも高くなるので、基板Wの外周部における膜Fがよりエッチングされやすくなる。一方、ステップS2で第2の処理条件が選択された場合には、コントローラCtrは、薬液供給部30におけるエッチング液L1の吐出流量、吐出時間、温度等が薬液供給部90よりも大きくなるように、薬液供給部30,90を制御してもよい。この場合、基板Wの中央部におけるエッチングレートが外周部よりも高くなるので、基板Wの中央部における膜Fがよりエッチングされやすくなる。
【0076】
(3)上記の例では、ノズル34,44は、保持部51に保持されており、保持部51に随伴して移動するように構成されていた。しかしながら、ノズル34,44は、別々の駆動機構に接続されており、個別に移動するように構成されていてもよい。同様に、ノズル64及び測定部70は、別々の駆動機構に接続されており、個別に移動するように構成されていてもよい。
【0077】
(4)上記の例では、基板Wの表面Waに対してノズル34,44,64及び測定部70が水平移動するように構成されていた。しかしながら、ノズル34,44,64及び測定部70に対して基板Wが水平移動するように構成されていてもよいし、ノズル34,44,64及び測定部70と基板Wとの双方が水平移動するように構成されていてもよい。
【0078】
[他の例]
例1.基板処理装置の一例は、表面に膜が形成された基板を保持して回転させるように構成された回転保持部と、回転保持部による基板の回転中に、基板の表面にエッチング液を供給するように構成された薬液供給部と、回転保持部による基板の回転中に、基板の表面にリンス液を供給するように構成されたリンス液供給部と、測定ヘッドが基板の表面近傍に位置した状態で膜の厚さを測定するように構成された測定部と、測定部による測定中に、測定ヘッドを基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように構成された駆動部と、測定部による測定中に、測定ヘッドと基板の表面との間の隙間にリンス液を供給して隙間をリンス液で満たすように構成された補助供給部とを備える。この場合、測定部による膜厚の測定中に、測定ヘッドがリンス液に浸漬された状態が維持される。そのため、膜厚の測定に際して、リンス液の表面変動の影響を受けない。したがって、基板の表面に形成されている膜の厚さを精度よく測定することが可能となる。また、測定部による膜厚の測定に際して、測定部にエッチング液が付着しない。そのため、測定部の耐薬性を考慮する必要がないので、測定部のコストを抑制することが可能となると共に、エッチング液の種類によらずに略同じ環境で膜厚を測定することが可能となる。
【0079】
例2.例1の装置において、リンス液供給部は、測定部による測定中に、基板の表面の全体にリンス液の液膜を形成するように構成されていてもよい。この場合、基板の表面の乾燥がリンス液によって抑制されるので、基板の表面にパーティクル等が付着し難くなる。したがって、基板の表面処理の品質を高めることが可能となる。
【0080】
例3.例1又は例2の装置において、回転保持部は、基板の裏面を全体的に吸着するように構成された保持部を含んでいてもよい。この場合、基板に反りが存在していても、基板が保持部に対して全体的に吸着されることにより、基板の表面が略水平に保たれる。そのため、膜厚をより精度よく測定することが可能となる。
【0081】
例4.例1~例3のいずれかの装置において、測定部は、基板の表面を基準として、膜の厚さを測定するように構成されていてもよい。この場合、基板の面内において基板の厚さに変動が存在していても、当該変動の影響を排除して膜厚が測定される。そのため、膜厚をより精度よく測定することが可能となる。
【0082】
例5.例1~例4のいずれかの装置は、基板を部分的に加熱するように構成された加熱部をさらに備えていてもよい。この場合、エッチング処理中に加熱部が動作することにより、基板のうち部分的に加熱された領域とそれ以外の領域とで、エッチングの進行速度が変化する。そのため、基板に形成されている膜の厚さが均一でない場合に、基板のうち膜厚が大きい領域を加熱部によって部分的に加熱することで、エッチング後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0083】
例6.例1~例5のいずれかの装置は、回転保持部による基板の回転中に、基板の表面の中心部以外の領域にエッチング液を供給するように構成された別の薬液供給部をさらに備え、薬液供給部は、回転保持部による基板の回転中に、基板の表面の中心部にエッチング液を供給するように構成されていてもよい。この場合、薬液供給部からエッチング液が供給される基板の領域と、別の薬液供給部からエッチング液が供給される基板の領域とにおいて、膜のエッチングの進行速度が異なる。そのため、基板の表面における膜の厚さが変動している場合に、別の薬液供給部からもエッチング液を基板の表面に供給することで、エッチング後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0084】
例7.例1~例6のいずれかの装置は、制御部をさらに備え、制御部は、基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、基板の表面にエッチング液を供給させるように薬液供給部を制御して、所定の処理条件に基づいて膜をエッチングする第1の処理と、第1の処理の後に、基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、基板の表面及び隙間にそれぞれリンス液を供給させるように、リンス液供給部及び補助供給部を制御する第2の処理と、第2の処理におけるリンス液の供給中で且つ基板の回転中に、測定ヘッドを基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように駆動部を制御しつつ、膜の厚さを測定するように測定部を制御する第3の処理と、膜の厚さの測定値に基づいて処理条件を更新する第4の処理とを実行するように構成されていてもよい。この場合、エッチング後の膜厚の測定値に基づいてエッチングの処理条件が更新されるので、エッチング処理をフィードバック制御することが可能となる。
【0085】
例8.例7の装置において、制御部は、表面に別の膜が形成された後続の基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、後続の基板の表面にエッチング液を供給させるように薬液供給部を制御して、第4の処理で更新された後の処理条件に基づいて別の膜をエッチングする第5の処理をさらに実行するように構成されていてもよい。ところで、同一ロットの基板においては、表面に形成される膜の厚さの変動状態(膜厚プロファイル)が類似する傾向がある。そのため、例8によれば、同一ロットの基板を処理する場合に更新後の処理条件を用いることで、後続の基板におけるエッチング処理前の膜厚の測定を省略できる。したがって、後続の基板のエッチング処理を効率的に行うことが可能となる。
【0086】
例9.例7又は例8の装置において、制御部は、膜の厚さの測定値が所定の目標値以下であるか否かを判定する第6の処理と、膜の厚さの測定値が目標値を超えると判定された場合、再度、基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、基板の表面にエッチング液を供給させるように薬液供給部を制御して、膜をエッチングする第7の処理とをさらに実行するように構成されていてもよい。この場合、同じ基板が再度エッチング処理されるので、膜厚が所定の目標値以下となるように膜がエッチングされうる。そのため、エッチング後の膜厚が所定の目標値を超えていたとしても、当該膜が形成されている基板を廃棄等することなく有効利用することが可能となる。
【0087】
例10.例9の装置において、第7の処理は、膜のうち一部の厚さの測定値が目標値を超えると判定された場合、基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、基板の表面にエッチング液を供給させるように薬液供給部を制御して、膜の一部をエッチングすることを含んでいてもよい。この場合、膜のうち膜厚が目標値を超える部分が主としてエッチングされる。そのため、同じ基板の再度のエッチング処理後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0088】
例11.例7~例10のいずれかの装置は、制御部と、膜のエッチングのための複数の処理条件を記憶するように構成された記憶部とをさらに備え、制御部は、基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、基板の表面及び隙間にそれぞれリンス液を供給させるように、リンス液供給部及び補助供給部を制御する第8の処理と、第8の処理におけるリンス液の供給中で且つ基板の回転中に、測定ヘッドを基板の表面に対して水平方向に相対移動させるように駆動部を制御しつつ、膜の厚さを測定するように測定部を制御する第9の処理と、膜の厚さの測定値に基づいて複数の処理条件から一つの処理条件を決定する第10の処理と、基板を保持して回転させるように回転保持部を制御しつつ、基板の表面にエッチング液を供給させるように薬液供給部を制御して、第10の処理で決定された一つの処理条件に基づいて膜をエッチングする第11の処理とをさらに実行するように構成されていてもよい。この場合、エッチング前の膜厚の測定値に基づいて、当該膜をエッチング処理するのに適したエッチングの処理条件が選択される。そのため、例えば、エッチング前の膜厚が基板の面内において変動している場合であっても、エッチング後の膜厚を均一に近づけることが可能となる。
【0089】
例12.基板処理方法の一例は、表面に膜が形成された基板を回転させつつ、基板の表面にエッチング液を供給して、所定の処理条件に基づいて膜をエッチングする第1の工程と、測定ヘッドを基板の表面の近傍に配置する第2の工程と、基板を回転させつつ、基板の表面と、測定ヘッド及び基板の表面の間の隙間とにそれぞれリンス液を供給する第3の工程と、第3の工程におけるリンス液の供給中で且つ基板の回転中に、測定ヘッドを基板の表面に対して水平方向に相対移動させながら、膜の厚さを測定する第4の工程とを含む。この場合、例1の装置と同様の作用効果が得られる。
【0090】
例13.例12の方法において、第2の工程は、基板の表面の全体にリンス液の液膜が形成されるように基板の表面にリンス液を供給することを含んでいてもよい。この場合、例2の装置と同様の作用効果が得られる。
【0091】
例14.例12又は例13の方法において、第4の工程は、基板の裏面を全体的に吸着した状態で、測定部により膜の厚さを測定することを含んでいてもよい。この場合、例3の装置と同様の作用効果が得られる。
【0092】
例15.例12~例14のいずれかの方法において、第4の工程は、基板の表面を基準として、測定部により膜の厚さを測定することを含んでいてもよい。この場合、例4の装置と同様の作用効果が得られる。
【0093】
例16.例12~例15のいずれかの方法において、第1の工程は、基板を部分的に加熱した状態で膜をエッチングすることを含んでいてもよい。この場合、例5の装置と同様の作用効果が得られる。
【0094】
例17.例12~例16のいずれかの方法において、第1の工程は、基板の表面の中心部と、基板の表面の中心部以外の領域とにそれぞれエッチング液を供給することを含んでいてもよい。この場合、例6の装置と同様の作用効果が得られる。
【0095】
例18.例12~例17のいずれかの方法は、第1の工程でエッチングされた膜の厚さを第4の工程で測定することによって得られた測定値に基づいて処理条件を更新する第5の工程をさらに含んでいてもよい。この場合、例7の装置と同様の作用効果が得られる。
【0096】
例19.例18の方法は、表面に別の膜が形成された後続の基板を回転させつつ、後続の基板の表面にエッチング液を供給して、第5の工程で更新された後の処理条件に基づいて別の膜をエッチングする第6の工程をさらに含んでいてもよい。この場合、例8の装置と同様の作用効果が得られる。
【0097】
例20.例18又は例19の方法は、膜の厚さの測定値が所定の目標値以下であるか否かを判定する第7の工程と、膜の厚さの測定値が目標値を超えると判定された場合、再度、基板を回転させつつ、基板の表面にエッチング液を供給して、膜をエッチングする第8の工程とをさらに含んでいてもよい。この場合、例9の装置と同様の作用効果が得られる。
【0098】
例21.例20の方法において、第8の工程は、膜のうち一部の厚さの測定値が目標値を超えると判定された場合、基板を回転させつつ、基板の表面にエッチング液を供給して、膜の一部をエッチングすることを含んでいてもよい。この場合、例10の装置と同様の作用効果が得られる。
【0099】
例22.例12~例21のいずれかの方法は、第1の工程でエッチングされる前の膜の厚さを第4の工程で測定することによって得られた測定値に基づいて、膜のエッチングのための複数の処理条件から一つの処理条件を決定する第9の工程をさらに含み、第1の工程は、基板を回転させつつ、基板の表面にエッチング液を供給して、第9の工程で決定された一つの処理条件に基づいて膜をエッチングすることを含んでいてもよい。この場合、例11の装置と同様の作用効果が得られる。
【0100】
例23.コンピュータ読み取り可能な記録媒体の一例は、例12~例22のいずれかの方法を基板処理装置に実行させるためのプログラムを記録していてもよい。この場合、例1の装置と同様の作用効果が得られる。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、一時的でない有形の媒体(non-transitory computer recording medium)(例えば、各種の主記憶装置又は補助記憶装置)又は伝播信号(transitory computer recording medium)(例えば、ネットワークを介して提供可能なデータ信号)を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…基板処理装置、10…処理ユニット、20…回転保持部、21…回転部、23…保持部、24,25…加熱部、30…薬液供給部、40…リンス液供給部、50…駆動ユニット、60…補助供給部、70…測定部、71…測定ヘッド、80…駆動ユニット、82…駆動機構(駆動部)、90…薬液供給部(別の薬液供給部)、Ctr…コントローラ(制御部)、F…膜(別の膜)、G…隙間、L1…エッチング液、L2…リンス液、M2…記憶部、RM…記録媒体、W…基板(後続の基板)、Wa…表面。
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