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特許7542106管理システム、管理方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240822BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023062173
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2020182638の分割
【原出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2023076682
(43)【公開日】2023-06-01
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【弁理士】
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 玲奈
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018407(JP,A)
【文献】特開2007-175263(JP,A)
【文献】特開2009-245255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治験のユーザーを示すユーザー識別情報と、前記ユーザーに対して渡された治験の対象の薬剤を示す薬剤識別情報と、前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、を対応付けて記録する管理補助部と、
前記ユーザーによって薬剤が服薬されたことを示す開封情報が取得された場合に、服薬された前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、前記開封情報が得られたタイミングを示す情報と、を対応付けて記録する記録部と、
前記治験のユーザーによる薬剤の服薬に関する情報に基づいて前記ユーザーの治験において生じる異常を判定する異常判定部と、
前記異常判定部において異常が生じていると判定された場合に、前記治験の管理者又は前記ユーザーに対して異常を示す情報が出力されるように異常を通知する通知部と、
を備え
前記通知部は、異常の内容と対応付けて予め記憶部に登録されている情報であって、前記異常を解消することを指示する情報を通知する管理システム。
【請求項2】
コンピューターが、治験のユーザーを示すユーザー識別情報と、前記ユーザーに対して渡された治験の対象の薬剤を示す薬剤識別情報と、前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、を対応付けて記録する管理補助ステップと、
コンピューターが、前記ユーザーによって薬剤が服薬されたことを示す開封情報が取得された場合に、服薬された前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、前記開封情報が得られたタイミングを示す情報と、を対応付けて記録する記録ステップと、
コンピューターが、治験のユーザーによる薬剤の服薬に関する情報に基づいて前記ユーザーの治験において生じる異常を判定する異常判定ステップと、
コンピューターが、前記異常判定ステップにおいて異常が生じていると判定された場合に、前記治験の管理者又は前記ユーザーに対して異常を示す情報が出力されるように異常を通知する通知ステップと、
を有し、
前記通知ステップにおいて、異常の内容と対応付けて予め記憶部に登録されている情報であって、前記異常を解消することを指示する情報を通知する管理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の管理システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬に関する情報を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
薬を処方された患者には、その薬の効用が発揮されるように、その薬に定められた用法通りに薬を服用することが望まれる。しかし、患者自身が自身のスケジュール等を適切に管理して薬を用法通りに服用することは必ずしも容易ではない。このような問題の解決策の一つとして、薬の服薬の状況を管理するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-071804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬に関する臨床試験である治験においても、治験の対象者(以下「ユーザー」という。)の服薬の状況を管理する必要がある。しかしながら、治験において求められる情報が異なるため、従来の服薬の状況を管理するシステムでは治験の状況を管理することはできなかった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、治験においてより容易に適切な管理を実現することが可能となる管理システム、管理方法及びコンピュータープログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、治験のユーザーを示すユーザー識別情報と、前記ユーザーに対して渡された治験の対象の薬剤を示す薬剤識別情報と、前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、を対応付けて記録する管理補助部と、前記ユーザーによって薬剤が服薬されたことを示す開封情報が取得された場合に、服薬された前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、前記開封情報が得られたタイミングを示す情報と、を対応付けて記録する記録部と、を備える管理システムを提供する。
【0007】
前記記録部は、前記ユーザーの生体情報をさらに対応付けて記録する構成を採用することも可能である。
前記記録部は、前記治験の管理者を示す識別情報である管理者識別情報をさらに対応付けて記録する構成を採用することも可能である。
【0008】
また、本発明の一態様は、治験のユーザーによる薬剤の服薬に関する情報に基づいて前記ユーザーの治験において生じる異常を判定する異常判定部と、前記異常判定部において異常が生じていると判定された場合に、前記治験の管理者又は前記ユーザーに対して異常を示す情報が出力されるように異常を通知する通知部と、を備える管理システムを提供する。
【0009】
また、本発明の一態様は、治験のユーザーを示すユーザー識別情報と、前記ユーザーに対して渡された治験の対象の薬剤を示す薬剤識別情報と、前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、を対応付けて記録する管理補助ステップと、前記ユーザーによって薬剤が服薬されたことを示す開封情報が取得された場合に、服薬された前記薬剤を含む薬剤包装に備えられた無線タグのタグ識別情報と、前記開封情報が得られたタイミングを示す情報と、を対応付けて記録する記録ステップと、を有する管理方法を提供する。
【0010】
また、本発明の一態様は、治験のユーザーによる薬剤の服薬に関する情報に基づいて前記ユーザーの治験において生じる異常を判定する異常判定ステップと、前記異常判定ステップにおいて異常が生じていると判定された場合に、前記治験の管理者又は前記ユーザーに対して異常を示す情報が出力されるように異常を通知する通知ステップと、を有する管理方法を提供する。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の管理システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、治験においてより容易に適切な管理を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の管理システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】情報取得装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】管理者端末30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】監視端末40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図5】治験情報管理装置80の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図6】管理システム100の動作の流れのうち、薬剤包装60が出荷される際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図7】管理システム100の動作の流れのうち、薬剤包装60が管理者から治験のユーザーに渡される際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図8】管理システム100の動作の流れのうち、薬剤包装60から薬剤が取り出された際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図9】管理システム100の動作の流れのうち、治験情報管理装置80において異常の発生が判定された際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
【0015】
[システム概要]
図1は、本発明の管理システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。管理システム100は、治験対象の薬剤(以下「治験薬剤」という。)を治験のために服薬する者(ユーザー)の服薬の状況を適切に管理するためのシステムである。管理システム100は、情報取得装置20、管理者端末30、服薬システム2及び治験情報管理装置80を備える。管理システム1における複数の装置は、ネットワーク90を介して通信可能に接続される。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0016】
情報取得装置20は、充填施設1に設けられる。充填施設1は、治験薬剤を薬剤包装に充填するための施設である。充填施設1には、充填設備10が設けられる。充填設備10は、治験薬剤を薬剤包装に充填する設備である。薬剤包装には、充填される治験薬剤に関する情報を記憶する無線タグが含まれる。情報取得装置20は、充填設備10において薬剤包装に充填された治験薬剤に関する情報(以下「薬剤包装情報」という。)を記録する。薬剤包装情報は、例えば無線タグの識別情報と、その無線タグを有する薬剤包装に充填されている薬剤の種別を示す情報と、を含む。情報取得装置20は、ネットワーク90を介して治験情報管理装置80に薬剤包装情報を送信する。
【0017】
管理者端末30は、ユーザーによる治験の管理を行う者(以下「管理者」という。)によって操作される端末装置である。管理者端末30は、ネットワーク90を介して他の装置(例えば監視端末40や治験情報管理装置80)と通信する。
【0018】
服薬システム2は、ユーザーの服薬に関する情報を取得するシステムである。服薬システム2は、監視端末40、通信装置50、薬剤包装60及び生体センサー70を備える。監視端末40は、ユーザーの服薬に関する情報(以下「服薬情報」という。)を取得し記録する。監視端末40は、ネットワーク90を介して治験情報管理装置80に服薬情報を送信する。このとき、監視端末40は、服薬システム2に含まれる通信装置50を介してネットワーク90に接続されてもよい。
【0019】
薬剤包装60は、充填施設1において治験薬剤が充填された薬剤包装である。監視端末40は、薬剤包装60に含まれる無線タグと通信することによって、薬剤包装60に充填されている治験薬剤に関する情報を取得する。
【0020】
生体センサー70は、ユーザーによって使用されるセンサーである。生体センサー70は、ユーザーの生体情報を取得する。監視端末40は、生体センサー70と通信することによって、ユーザーの生体情報を取得する。
【0021】
治験情報管理装置80は、1又は複数人のユーザーによって行われる治験に関する情報を管理する装置である。治験情報管理装置80は、充填施設1の情報取得装置20から薬剤包装情報を受信する。治験情報管理装置80は、服薬システム2の監視端末40によって取得される服薬情報を受信する。治験情報管理装置80は、このように受信される薬剤包装情報や服薬情報を記録する。また、治験情報管理装置80は、ユーザーの服薬に関して異常が生じていないか判定する。異常が生じていると判定された場合、治験情報管理装置80は、管理者端末30や監視端末40等の装置に対して異常に関する情報を送信する。
【0022】
[装置の詳細]
以下、管理システム100における主要な装置について説明する。
【0023】
図2は、情報取得装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。情報取得装置20は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、PLC(Programmable Logic Controller)、専用機器等の情報機器を用いて構成される。情報取得装置20は、無線通信部21、通信部22、記憶部23及び制御部24を備える。
【0024】
無線通信部21は、充填設備10において治験薬剤が充填される薬剤包装に備えられた無線タグと無線通信する。無線通信部21は、無線タグと無線通信することによって、無線タグに記録されている情報を受信する。
【0025】
通信部22は、通信機器である。通信部22は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部22は、制御部24の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部22は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0026】
記憶部23は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部23は、制御部24によって取得された情報を記憶する。記憶部23は、例えば薬剤包装情報を記憶してもよい。
【0027】
制御部24は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部24は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、読出部241、情報記録部242及び情報通知部243として機能する。なお、制御部24の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0028】
読出部241は、無線通信部21を制御することによって、無線タグから無線通信によって情報を読み出す。無線タグは、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いて構成されてもよい。読出部241は、読み出された情報を情報記録部242に出力する。
【0029】
情報記録部242は、読出部241によって無線タグから読み出された情報を含む薬剤包装情報を生成する。情報記録部242は、生成された薬剤包装情報を記憶部23に記録する。薬剤包装情報は、例えば無線タグに記録されているタグ識別情報、その無線タグが備えられた薬剤包装に充填される薬剤を示す薬剤識別情報、を含む情報であってもよい。薬剤識別情報は、例えば充填設備10における作業者によって情報取得装置20に入力されてもよいし、充填設備10から通信によって情報取得装置20に入力されてもよいし、他の態様で情報取得装置20に入力されてもよい。
【0030】
薬剤包装情報は、上述した2つの情報に加えてさらに、充填された日時を示す情報、充填設備10を示す情報、薬剤包装が出荷される日時を示す情報、薬剤包装の出荷先(又は配送先)を示す情報、のいずれか一つ又は複数を含んでもよい。
【0031】
情報送信部243は、薬剤包装情報を所定のタイミングで治験情報管理装置80へ送信する。送信される薬剤包装情報は、記憶部23に記録された薬剤包装情報であってもよいし、情報記録部242から情報送信部243に出力される薬剤包装情報であってもよい。
【0032】
図3は、管理者端末30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。管理者端末30は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、専用機器等の情報機器を用いて構成される。管理者端末30は、無線通信部31、通信部32、入力部33、出力部34、記憶部35及び制御部36を備える。
【0033】
無線通信部31は、充填設備10において治験薬剤が充填される薬剤包装に備えられた無線タグと無線通信する。無線通信部31は、無線タグと無線通信することによって、無線タグに記録されている情報を受信する。
【0034】
通信部32は、通信機器である。通信部32は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部32は、制御部36の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部32は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0035】
入力部33は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部33は、管理者の指示を管理者端末30に入力する際に管理者によって操作される。入力部33は、入力装置を管理者端末30に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部33は、入力装置において管理者の入力に応じ生成された入力信号を管理者端末30に入力する。入力部33は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部33は管理者によって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を管理者端末30に入力する。入力部33は、管理者の指示を管理者端末30に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0036】
出力部34は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成されてもよい。出力部34は、画像表示装置を管理者端末30に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、出力部34は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部34は、スピーカー等の音声出力装置を用いて構成されてもよい。出力部34は、管理者に対して情報を出力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0037】
記憶部35は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部35は、制御部36によって取得された情報を記憶する。記憶部35は、例えば管理補助情報を記憶してもよい。
【0038】
制御部36は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部36は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、読出部361及び管理補助部362として機能する。なお、制御部36の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0039】
読出部361は、無線通信部31を制御することによって、無線タグから無線通信によって情報を読み出す。無線タグは、例えばRFIDタグを用いて構成されてもよい。読出部361は、読み出された情報を管理補助部362に出力する。
【0040】
管理補助部362は、読出部361によって無線タグから読み出された情報を含む管理補助情報を生成する。管理補助部362は、生成された管理補助情報を記憶部35に記録する。管理補助情報は、例えば無線タグに記録されているタグ識別情報、その無線タグが備えられた薬剤包装の渡し先となるユーザーを示すユーザー識別情報、を含む情報であってもよい。ユーザー識別情報は、例えば管理者が入力部33を操作することによって管理者端末30に入力されてもよいし、ユーザーが所持する機器(例えば監視端末40や生体センサー70)から通信によって管理者端末30に入力されてもよいし、他の態様で管理者端末30に入力されてもよい。
【0041】
管理補助情報は、上述した2つの情報に加えてさらに、ユーザーに渡された薬剤包装の中身の薬剤を示す薬剤識別情報、ユーザーに薬剤包装が渡された日時を示す情報、ユーザーに渡された薬剤包装を用いた治験を示す治験識別情報、ユーザーに渡された薬剤包装に関する治験を管理する管理者を示す識別情報(以下「管理者識別情報」という。)、のいずれか一つ又は複数を含んでもよい。例えば、ユーザーに対して管理者が治験の実施のために薬剤を渡す際に、ユーザー識別情報と、渡した日時と、服薬方法を示す情報(服薬するタイミングや個数)と、を管理者が入力部33を操作することで管理者端末30に入力してもよい。このとき、管理補助部362は、入力された情報に対してさらに、無線通信部31を介して読出部361が取得した無線タグのタグ識別情報を対応付けて記憶部35に記録してもよい。
【0042】
管理補助部362は、治験情報管理装置80から受信される情報に基づいて、治験の管理を補助するための情報を出力部34に出力してもよい。例えば、治験情報管理装置80から異常を示す通知が受信された場合、管理補助部362は、その異常の内容を示す情報を、出力部34を介して管理者に対し出力してもよい。
【0043】
図4は、監視端末40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。監視端末40は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、ゲーム機器、専用機器等の情報機器を用いて構成される。監視端末40は、無線通信部41、通信部42、入力部43、出力部44、記憶部45及び制御部46を備える。
【0044】
無線通信部41は、充填設備10において治験薬剤が充填される薬剤包装に備えられた無線タグと無線通信する。無線通信部41は、無線タグと無線通信することによって、無線タグに記録されている情報を受信する。
【0045】
通信部42は、通信機器である。通信部42は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部42は、制御部46の制御に応じて、他の装置と通信する。通信部42は、例えばネットワーク90を介して他の装置とデータ通信してもよい。通信部42は、ネットワーク90に接続する際に、服薬システム2における通信装置50を経由してもよい。この場合、例えば通信部42はWiFi(登録商標)等の無線通信で通信装置50と通信してもよいし、有線LAN(Local Area Network)等の有線通信で通信装置50と通信してもよい。
【0046】
入力部43は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部43は、ユーザーの指示を監視端末40に入力する際にユーザーによって操作される。入力部43は、入力装置を監視端末40に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部43は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を監視端末40に入力する。入力部43は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部43はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を監視端末40に入力する。入力部43は、ユーザーの指示を監視端末40に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。なお、入力部43は必ずしもユーザー自身によって操作される必要は無く、他の者によって操作されてもよい。
【0047】
出力部44は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成されてもよい。出力部44は、画像表示装置を監視端末40に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、出力部44は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部44は、スピーカー等の音声出力装置を用いて構成されてもよい。出力部44は、ユーザーに対して情報を出力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0048】
記憶部45は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部45は、制御部46によって取得された情報を記憶する。記憶部45は、例えば服薬情報を記憶してもよい。
【0049】
制御部46は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部46は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、読出部461、記録部462及び通知部463として機能する。なお、制御部46の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0050】
読出部461は、無線通信部41を制御することによって、無線タグから無線通信によってタグ識別情報を読み出す。無線タグは、例えばRFIDタグを用いて構成されてもよい。読出部461は、読み出された情報を記録部462に出力する。また、読出部461は、薬剤包装60の無線タグとの無線通信に応じて、薬剤包装60から薬剤が取り出されたことを示す情報(以下「開封情報」という。)を取得してもよい。読出部461は、例えばユーザーによって薬剤が取り出されたことを検知することができるプロセッサーを備えた薬剤包装60の無線タグから、薬剤が取り出されたことを示す検知結果(開封情報)を受信してもよい。読出部461は、例えばユーザーによって薬剤が取り出されたことに応じて生じる通信の変化に応じて、薬剤包装60から薬剤が取り出されたことを検出しても良い。より具体的には、薬剤包装60のアンテナが、薬剤が取り出される際に形状の一部が変化するように構成されていてもよい。この場合、薬剤が取り出された前後の通信で無線信号の周波数等の属性に変化が生じる。読出部461は、この無線信号の属性の変化に基づいて、薬剤が取り出されたか否かを判定し、開封情報を取得してもよい。
【0051】
記録部462は、読出部461によって無線タグから読み出された情報を含む服薬情報を生成する。記録部462は、生成された服薬情報を記憶部45に記録する。服薬情報は、例えば無線タグに記録されているタグ識別情報、その無線タグが備えられた薬剤包装60に充填されていた薬剤をユーザーが取り出した日時を示す情報、を含む情報であってもよい。服用情報は、例えば読出部461によって取得された開封情報に基づいて生成されてもよい。すなわち、読出部461において開封情報が得られた際の日時を用いて服用情報が生成されてもよい。服用情報は、例えばユーザーが入力部33を操作することによって監視端末40に入力されてもよい。服用情報は、他の態様によって監視端末40に入力されてもよい。
【0052】
服薬情報は、さらにユーザーの生体情報を含んでもよい。生体情報は、例えば生体センサー70によって取得された情報であってもよい。この場合、記録部462は、生体センサー70から送信された生体情報を、通信部42を介して受信してもよい。記録部462は、薬剤包装60に充填されていた薬剤をユーザーが取り出したタイミングにおける生体情報を取得し、無線タグに記録されているタグ識別情報を含む服用情報と対応付けて生体情報を記録してもよい。
【0053】
通知部463は、服薬情報を所定のタイミングで治験情報管理装置80へ送信する。送信される服薬情報は、記憶部45に記録された服薬情報であってもよいし、記録部462から通知部463に出力される服薬情報であってもよい。
【0054】
次に、薬剤包装60の一具体例について説明する。薬剤包装60には、どのような態様で無線タグが収容されていてもよい。例えば、薬剤包装60のシートと蓋剤との間に無線タグの構成が挟まれている構成が採用されてもよい。例えば、薬剤包装60のシートそのものに無線タグの回路が形成されてもよい。例えば、薬剤包装60の蓋剤そのものに無線タグの回路が形成されてもよい。薬剤包装60に対する無線タグの収容の態様は上述した具体例に限定されない。
【0055】
生体センサー70は、ユーザーの生体情報を取得するセンサーである。生体センサー70は、例えばユーザーの心拍、体温、血圧、運動量等の情報を取得する。生体センサー70は、取得された生体情報を監視端末40に送信する。
【0056】
図5は、治験情報管理装置80の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。治験情報管理装置80は、例えばパーソナルコンピューター、サーバー装置、専用機器等の情報機器を用いて構成される。治験情報管理装置80は、通信部81、記憶部82及び制御部83を備える。
【0057】
通信部81は、通信機器である。通信部81は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部81は、制御部83の制御に応じて、他の装置と通信する。通信部81は、例えばネットワーク90を介して他の装置とデータ通信してもよい。通信部81は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0058】
記憶部82は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部82は、制御部83によって取得された情報を記憶する。記憶部82は、例えば治験管理情報を記憶してもよい。
【0059】
制御部83は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部83は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部831、異常判定部832及び通知部833として機能する。なお、制御部83の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0060】
情報取得部831は、他の装置から情報を受信することによって、治験管理情報を生成する。治験管理情報は、薬剤包装60に充填された薬剤の治験に必要となる情報を含む。治験管理情報は、例えば、治験対象となっている薬剤の種別を示す薬剤識別情報、治験の対象となっているユーザーを示すユーザー識別情報、ユーザーによって服用された薬剤の個体を示す識別情報(例えば薬剤包装60に含まれる無線タグのタグ識別情報)、服薬情報を含む。情報取得部831は、例えば、情報取得装置20から薬剤包装情報を受信してもよい。この場合、情報取得部831は、薬剤包装情報に含まれる情報を治験管理情報の一部として記憶してもよい。情報取得部831は、例えば、管理者端末30から管理補助情報を受信してもよい。この場合、情報取得部831は、管理補助情報に含まれる情報(例えば管理者識別情報)を治験管理情報の一部として受信してもよい。情報取得部831は、例えば、監視端末40から服薬情報を受信してもよい。この場合、情報取得部831は、服薬情報に含まれる情報を治験管理情報の一部として記憶してもよい。
【0061】
異常判定部832は、情報取得部831によって取得された情報に基づいて異常判定処理を行う。異常判定処理において、異常判定部832は、治験におけるユーザーの行動において異常が生じているか否か判定する。異常判定部832は、異常判定処理の結果を記憶部82に記録する。
【0062】
異常判定部832は、例えば所定のタイミングでユーザーが服薬したことを示す情報が受信されない場合に異常が生じていると判定してもよい。所定のタイミングは、例えば絶対的な基準として予め設定された日時や時刻であってもよいし、相対的な基準としてそのユーザーの前回の服薬からの時間や期間であってもよい。このような判定は、例えば服薬情報に基づいて行われても良い。
【0063】
異常判定部832は、ユーザーが服薬する際に予め定められた正しい種類の薬を服薬していなかった場合に異常が生じていると判定してもよい。どのユーザーがどの薬を服薬すべきかを示す情報は、例えば管理者端末30によって設定されてもよい。このような情報は、例えば管理者端末30から送信された情報を情報取得部831が受信することによって得られてもよい。また、ユーザーが服薬した薬の種類を示す情報は、服薬情報に含まれる無線タグのタグ識別情報に基づいて行われてもよい。また、薬剤包装情報に基づいて、無線タグのタグ識別情報と、その無線タグを有する薬剤包装60に充填されている薬剤の種別(薬剤識別情報)とが判定されてもよい。
【0064】
異常判定部832は、ユーザーが服薬する際に予め定められた正しい数の薬を服薬していなかった場合に異常が生じていると判定してもよい。どのユーザーがどの薬をいくつ服薬すべきかを示す情報は、例えば管理者端末30によって設定されてもよい。このような情報は、例えば管理者端末30から送信された情報を情報取得部831が受信することによって得られてもよい。また、ユーザーが服薬した薬の数を示す情報は、服薬情報に含まれる無線タグのタグ識別情報や、服薬情報が受信された回数などに基づいて行われてもよい。
【0065】
異常判定部832は、ユーザーの体調に不良が生じていると推定される場合に異常が生じていると判定してもよい。ユーザーの体調の不良を推定するための基準は、例えば複数のユーザーに共通の基準として設定されてもよいし、個々のユーザーの属性(既往歴、性別、年齢など)に応じて設定されてもよい。このような推定は、例えば生体センサー70によって取得された生体情報に基づいて判定されてもよい。
【0066】
通知部833は、異常判定処理の結果を管理者端末30に送信する。通知部833は、異常が生じていると判定された場合に、異常の発生を示す情報を管理者端末30に送信する。異常の発生を示す情報には、異常が生じているユーザーのユーザー識別情報と、異常の内容を示す情報とが含まれてもよい。通知部833は、異常が生じていると判定された場合に、異常の発生を示す情報や、異常を解消することを指示する情報を監視端末40に送信してもよい。異常を解消することを指示する情報は、異常の内容と対応付けて予め記憶部82に登録されていてもよい。異常を解消することを指示する情報は、例えば所定の種別の薬剤をすぐに服用することを示す情報であってもよいし、管理者や医師へ相談することを指示する情報であってもよい。通知部833から上述した通知を受けた各端末(管理者端末30及び監視端末40)は、通知された情報の一部又は全部を出力する。
【0067】
図6は、管理システム100の動作の流れのうち、薬剤包装60が出荷される際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。充填設備10が動作することで、薬剤が充填されていない薬剤包装に対し、所定の薬剤が充填し封止される(ステップS101及びステップS102)。
【0068】
所定のタイミングで、情報取得装置20は、薬剤が充填される薬剤包装の無線タグからタグ識別情報を読み出す(ステップS103)。情報取得装置20は、読み出されたタグ識別情報を含む薬剤包装情報を記録する(ステップS104)。その後、情報取得装置20は、処理対象の薬剤包装が出荷される先の出荷先情報を取得し、薬剤包装情報に対応付けて記録する(ステップS105)。そして、情報取得装置20は、出荷先情報を含む薬剤包装情報を治験情報管理装置80に送信する(ステップS106)。
【0069】
治験情報管理装置80は、情報取得装置20から薬剤包装情報を取得すると(ステップS107)、取得された薬剤包装情報を記録する(ステップS108)。治験情報管理装置80は、薬剤包装情報を記録することによって、タグ識別情報と薬剤識別情報との対応関係を記録することができる。さらに、治験情報管理装置80は、薬剤包装情報を記録することによって、タグ識別情報と出荷先情報との対応関係を記録することができる。
【0070】
図7は、管理システム100の動作の流れのうち、薬剤包装60が管理者から治験のユーザーに渡される際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。管理者端末30は、治験識別情報を取得する(ステップS201)。治験識別情報は、例えば管理者が管理者端末30の入力部33を操作することによって入力されてもよいし、不図示のバーコードリーダー等の情報入力装置を用いて管理者端末30に入力されてもよい。この場合、例えば予め治験のために生成されたバーコード等の治験識別情報が管理者端末30によって読み出されてもよい。また、治験情報管理装置80から管理者端末30に対して治験識別情報が発行されてもよい。また、管理者端末30において管理者の操作に応じて所定のルールで治験識別情報が生成されてもよい。
【0071】
管理者端末30は、ユーザー識別情報を取得する(ステップS202)。ユーザー識別情報は、例えば管理者が管理者端末30の入力部33を操作することによって入力されてもよいし、不図示のバーコードリーダー等の情報入力装置を用いて管理者端末30に入力されてもよい。この場合、例えば予め治験のために生成されたバーコード等のユーザー識別情報が管理者端末30によって読み出されてもよい。また、治験情報管理装置80から管理者端末30に対してユーザー識別情報が発行されてもよい。また、管理者端末30において管理者の操作に応じて所定のルールでユーザー識別情報が生成されてもよい。また、予めユーザーが所持している携帯端末等に記録されている識別情報(例えばSIM番号、無線タグの識別情報、インストールされた治験用のアプリが有する識別情報)がユーザー識別情報として使用されてもよい。
【0072】
管理者端末30は、ユーザーに対して渡される薬剤包装の無線タグからタグ識別情報を読み出す(ステップS203)。管理者端末30は、読み出されたタグ識別情報と、取得された治験識別情報及びユーザー識別情報とを対応付けて管理補助情報を生成する。管理者端末30は、生成された管理補助情報を記録する(ステップS204)。そして、管理者端末30は、管理補助情報を治験情報管理装置80に送信する(ステップS205)。
【0073】
治験情報管理装置80は、管理者端末30から管理補助情報を取得すると(ステップS206)、取得された管理補助情報を記録する(ステップS207)。治験情報管理装置80は、管理補助情報を記録することによって、タグ識別情報と治験識別情報と管理者識別情報とユーザー識別情報との対応関係を記録することができる。そのため、治験に用いられる薬剤がどのような経路を辿ってユーザーの手元に届いたのか履歴を管理することが可能となる。
【0074】
図8は、管理システム100の動作の流れのうち、薬剤包装60から薬剤が取り出された際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。監視端末40は、開封情報が取得されるまでは、特に処理を行わない(ステップS301-NO)。監視端末40は、開封情報を取得すると(ステップS301-YES)、その時点における生体センサー70の出力(生体情報)を取得する(ステップS302)。監視端末40は、取得された生体情報と、開封情報が得られた日時を示す情報とタグ識別情報とを含む服薬情報を生成する。監視端末40は、生成された服薬情報を記録する(ステップS303)。そして、監視端末40は、服薬情報を治験情報管理装置80に送信する(ステップS304)。
【0075】
治験情報管理装置80は、監視端末40から服薬情報を取得すると(ステップS305)、取得された服薬情報を記録する(ステップS306)。治験情報管理装置80は、服薬情報を記録することによって、タグ識別情報と、薬剤をユーザーが取り出した日時を示す情報(服薬された日時を示す情報)と、ユーザーの生体情報との対応関係を記録することができる。
【0076】
図9は、管理システム100の動作の流れのうち、治験情報管理装置80において異常の発生が判定された際の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。治験情報管理装置80は、異常が生じていると判定されるまで、異常に関する処理については待機する(ステップS401-NO)。治験情報管理装置80は、異常が生じていると判定されると(ステップS401-YES)、異常が生じていると判定されたユーザーのユーザー識別情報に対応付けて異常が生じたことを示す情報(異常情報)を記録する(ステップS402)。治験情報管理装置80は、異常が生じていることを示す情報を管理者端末30へ送信する(ステップS403)。
【0077】
管理者端末30は、治験情報管理装置80から異常情報を取得すると(ステップS404)、取得された異常情報を出力する(ステップS405)。この出力によって、管理者はユーザーにおいて異常が生じていることを認識することができる。管理者端末30は、異常が生じていると判定されたユーザーの監視端末40に対し、異常情報を送信する(ステップS406)。
【0078】
監視端末40は、管理者端末30から異常情報を取得すると(ステップS407)、取得された異常情報を出力する(ステップS408)。この出力によって、ユーザーは自身において異常が生じていることを認識することができる。
【0079】
このように構成された管理システム100によれば、治験においてより容易に適切な管理を実現することが可能となる。具体的には以下の通りである。治験に用いられる薬剤に関して、管理者からユーザーに渡される際の情報(例えば、ユーザー識別情報と、薬剤識別情報と、無線タグ識別情報)や、ユーザーにおいて服薬がなされた日時などを示す情報(例えばタグ識別情報と、日時の情報)が、それぞれ記録される。記録は、監視端末40や管理者端末30においてそれぞれ行われてもよいし、治験情報管理装置80において行われてもよい。このような記録がなされることにより、記録されている情報に基づいて、治験に関する様々な分析を容易に行うことが可能となる。
【0080】
また、治験に用いられる薬剤に関して、出荷に係る情報や、管理者からユーザーに渡される際の情報や、ユーザーにおいて服薬がなされた日時や薬剤種別やその量などを示す情報が、治験情報管理装置80において記録される。そのため、必要に応じて治験管理装置80に記録されている情報に基づいて、治験に関する様々な分析を容易に行うことが可能となる。
【0081】
また、治験の過程において、服薬がなされた日時や薬剤種別が治験管理装置80において記録されるため、これらの情報を容易に記録することが可能となる。従来は、例えば治験のユーザーが日誌や電話などの手段を用いて治験薬の服薬に関する記録をとらなければならなかったが、このような手間を軽減することが可能となる。また、ユーザー自身の申告によらずに服薬がなされた日時や薬剤種別を記録することができる。そのため、より正確な記録をとることが可能となる。
【0082】
[変形例]
治験管理装置80は、複数の情報処理装置を用いて構成されてもよい。例えば、治験管理装置80は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置に機能を分散して実装されてもよい。
【0083】
治験管理装置80の異常判定部832は、他の装置に実装されてもよい。例えば、異常判定部832は、管理者端末30に実装されてもよいし、監視端末40に実装されてもよい。
【0084】
監視端末40によって生成された服薬情報は、管理者端末30を経由して治験管理装置80に送信されてもよい。治験管理装置80によって生成された異常情報は、管理者端末30を介してではなく監視端末40に直接送信されてもよい。
【0085】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1…充填設備, 2…服薬システム, 100…管理システム, 10…充填設備, 20…情報取得装置, 30…管理者端末, 40…監視端末, 50…通信装置, 60…薬剤包装, 70…生体センサー, 80…治験情報管理装置, 90…ネットワーク, 21…無線通信部, 22…通信部, 23…記憶部, 24…制御部, 241…読出部, 242…情報記録部, 243…情報送信部, 31…無線通信部, 32…通信部, 33…入力部, 34…出力部, 35…記憶部, 36…制御部, 361…読出部, 362…管理補助部, 41…無線通信部, 42…通信部, 43…入力部, 44…出力部, 45…記憶部, 46…制御部, 461…読出部, 462…記録部, 463…通知部, 61…シート, 62…ポケット, 63蓋材, 64…無線タグ, 65…物品, 66…切り取り線, 81…通信部, 82…記憶部, 83…制御部, 831…情報取得部, 832…異常判定部, 833…通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9