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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/08 20060101AFI20240823BHJP
   B24B 55/00 20060101ALI20240823BHJP
   B23Q 11/10 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B23Q11/08 Z
B24B55/00
B23Q11/10 E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020124337
(22)【出願日】2020-07-21
(65)【公開番号】P2022021006
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱砂 正博
(72)【発明者】
【氏名】中西 佑太
(72)【発明者】
【氏名】寺師 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】上村 拓人
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04105899(US,A)
【文献】特開2020-062533(JP,A)
【文献】特開2019-197818(JP,A)
【文献】特開2014-086643(JP,A)
【文献】特開2012-146870(JP,A)
【文献】特開2010-119514(JP,A)
【文献】特開2009-090463(JP,A)
【文献】特開2008-109911(JP,A)
【文献】特開2007-250563(JP,A)
【文献】特開2003-136360(JP,A)
【文献】特開平11-300421(JP,A)
【文献】特開平10-029136(JP,A)
【文献】特開平08-336794(JP,A)
【文献】米国特許第06396072(US,B1)
【文献】米国特許第04280610(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0047838(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第102466123(CN,A)
【文献】中国実用新案第210712060(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00-13/00
B24B 53/00-57/04
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持する保持テーブルと、保持テーブルに保持された被加工物を加工する加工ユニットと、を備える加工装置本体と、
該加工装置本体に接続したフットスイッチと、を有する加工装置であって、
該フットスイッチは、
電源と、該加工装置本体を制御する制御基板とに接続され、
該フットスイッチを操作することで加工装置への電力の供給を開始または停止するとともに、
該制御基板は、
エア供給源と接続された第1の弁と、水供給源と接続された第2の弁とに接続され、
該フットスイッチが操作され、
該制御基板への電力の供給を開始または停止するとともに、
該制御基板が該第1の弁と、該第2の弁と、の少なくともいずれかを開閉し、
該加工装置への水とエアとの少なくともいずれかの供給を開始または停止することを特徴とする加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削装置や研削装置、レーザー加工装置などの被加工物を加工する加工装置は、被加工物を複数収容したカセットが設置され、オペレータがカセット交換を行う際、カセットが載置されるカセット載置台を覆うカバーの扉を開閉する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-113669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オペレータがカセットを両手で保持している場合、扉を手で開けることができないという問題がある。また、装置を操作するオペレータが複数人いる場合、複数人が一つの扉の取っ手に触ることは衛生上ふさわしくないという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オペレータの手を用いた操作を低減することができる加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の加工装置は、被加工物を保持する保持テーブルと、保持テーブルに保持された被加工物を加工する加工ユニットと、を備える加工装置本体と、該加工装置本体に接続したフットスイッチと、を有する加工装置であって、該フットスイッチは、電源と、該加工装置本体を制御する制御基板とに接続され、該フットスイッチを操作することで加工装置への電力の供給を開始または停止するとともに、該制御基板は、エア供給源と接続された第1の弁と、水供給源と接続された第2の弁とに接続され、該フットスイッチが操作され、該制御基板への電力の供給を開始または停止するとともに、該制御基板が該第1の弁と、該第2の弁と、の少なくともいずれかを開閉し、該加工装置への水とエアとの少なくともいずれかの供給を開始または停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、オペレータの手を用いた操作を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示された加工装置の扉の閉じた状態を模式的に示す平面図である。
図3図3は、図2に示された扉が開いた状態を模式的に示す平面図である。
図4図4は、図1に示された加工装置の要部の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態2に係る加工装置の要部の構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態1及び実施形態2の変形例に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図7図7は、実施形態1及び実施形態2の変形例に係る加工装置の要部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された加工装置の扉の閉じた状態を模式的に示す平面図である。図3は、図2に示された扉が開いた状態を模式的に示す平面図である。図4は、図1に示された加工装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0014】
(加工装置)
実施形態1に係る図1に示す加工装置1は、被加工物200を切削(加工)する切削装置である。実施形態1では、被加工物200は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハである。被加工物200は、表面201に格子状に形成された複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。
【0015】
また、本発明の被加工物200は、中央部が薄化され、外周部に厚肉部が形成された所謂TAIKO(登録商標)ウェーハでもよく、ウェーハの他に、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のパッケージ基板、セラミックスで構成されたセラミックス基板、フェライト基板、又はニッケル及び鉄の少なくとも一方を含む基板、ガラス基板等でも良い。実施形態1において、被加工物200は、裏面204が外周縁に環状フレーム205が装着された粘着テープ206に貼着されて、環状フレーム205に支持されている。
【0016】
図1に示された加工装置1は、被加工物200を保持テーブル10で保持し分割予定ライン202に沿って切削ブレード21で切削加工する切削装置である。加工装置1は、図1に示すように、加工装置本体2と、フットスイッチ3と、を有する。
【0017】
加工装置本体2は、図1に示すように、被加工物200を保持面11で保持する保持テーブル10と、保持テーブル10に保持された被加工物200を切削ブレード21で切削加工する加工ユニットである切削ユニット20と、保持テーブル10に保持された被加工物200を撮影する図示しない撮像ユニットと、制御ユニット100とを備える。
【0018】
また、加工装置本体2は、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的に移動させる図示しない移動ユニットを備える。移動ユニットは、保持テーブル10を水平方向及び移動ユニット等を設置した装置本体4の短手方向と平行なX軸方向に加工送りするX軸移動ユニットと、切削ユニット20を水平方向及び装置本体4の長手方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りするY軸移動ユニットと、切削ユニット20をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りするZ軸移動ユニットと、保持テーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転するとともにX軸移動ユニットにより保持テーブル10とともにX軸方向に加工送りされる回転移動ユニットとを備える。加工装置1は、加工装置本体2が切削ユニット20を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置である。
【0019】
保持テーブル10は、円盤形状であり、被加工物200を保持する保持面11がポーラスセラミック等から形成されている。また、保持テーブル10は、X軸移動ユニットにより被加工物200が搬入出される搬入出領域と、被加工物200が切削ユニット20により切削加工される加工領域とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニットによりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。保持テーブル10は、図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面11に載置された被加工物200を吸引、保持する。実施形態1では、保持テーブル10は、粘着テープ206を介して被加工物200の裏面204側を吸引、保持する。
【0020】
また、保持テーブル10の周囲には、図1に示すように、環状フレーム205をクランプするクランプ部12が複数設けられている。クランプ部12は、図2に示す圧縮エア供給源から供給される圧縮エアにより駆動するロータリエアアクチュエータにより環状フレーム205をクランプする状態と、環状フレーム205のクランプを解除する状態とに亘って回転される。
【0021】
切削ユニット20は、保持テーブル10に保持された被加工物200を切削する切削ブレード21を着脱自在に装着した加工ユニットである。切削ユニット20は、それぞれ、保持テーブル10に保持された被加工物200に対して、Y軸移動ユニットによりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニットによりZ軸方向に移動自在に設けられている。切削ユニット20は、Y軸移動ユニット及びZ軸移動ユニットにより、保持テーブル10の保持面11の任意の位置に切削ブレード21を位置付け可能となっている。
【0022】
切削ユニット20は、図1に示すように、切削ブレード21と、Y軸移動ユニット及びZ軸移動ユニットによりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング22と、スピンドルハウジング22に軸心回りに回転可能に設けられかつ図示しないモータにより回転されるとともに先端に切削ブレード21が装着されるスピンドル23と、切削ブレード21に切削水を供給する図示しないノズルとを備える。
【0023】
切削ブレード21は、略リング形状を有する極薄の切削砥石である。実施形態1において、切削ブレード21は、円環状の円形基台と、円形基台の外周縁に配設されて被加工物200を切削する円環状の切り刃とを備える所謂ハブブレードである。切り刃は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。なお、本発明では、切削ブレード21は、切り刃のみで構成された所謂ワッシャーブレードでもよい。なお、切削ユニット20の切削ブレード21及びスピンドル23の軸心は、Y軸方向と平行である。
【0024】
撮像ユニットは、保持テーブル10に保持された切削前の被加工物200の分割すべき領域を撮影する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニットは、保持テーブル10に保持された被加工物200を撮影して、被加工物200と切削ブレード21との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット100に出力する。
【0025】
また、加工装置本体2は、保持テーブル10のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットとを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。
【0026】
Z軸方向位置検出ユニットは、モータのパルスで切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出する。X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、保持テーブル10のX軸方向、切削ユニット20のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット100に出力する。なお、実施形態1では、加工装置本体2の各構成要素のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置を基準とした位置で定められる。
【0027】
また、加工装置本体2は、切削前後の複数の被加工物200を収容するカセット31を設置しかつカセット31をZ軸方向に移動させるカセット載置台30と、切削後の被加工物200を洗浄する洗浄ユニットと、カセット31に被加工物200を出し入れするとともに被加工物200を搬送する搬送ユニットを備える。
【0028】
また、加工装置本体2は、図1に示すように、装置本体4を覆う外装カバー5を備える。外装カバー5は、装置本体4の上面の外縁から立設した複数の側壁51と、複数の側壁51の上端に連なって複数の側壁51の上端間を塞ぐ天井壁52とを有する。また、外装カバー5は、カセット載置台30に設置されるカセット31を出し入れ可能とする出し入れ口53が設けられている。
【0029】
出し入れ口53は、カセット31を外装カバー5内に出し入れ可能とする開口である。外装カバー5内に搬入されるカセット31は、出し入れ口53を通って、カセット載置台30に設置される。カセット載置台30に設置されたカセット31は、出し入れ口53を通って、外装カバー5即ち加工装置1外に搬出される。
【0030】
また、外装カバー5は、図2及び図3に示すように、出し入れ口53を開閉可能な扉6と、扉6を開閉させる駆動部であるエアシリンダ7とを備える。扉6は、平面形状が出し入れ口53の平面形状と同等の大きさの板状に形成されている。扉6は、水平方向の一端がZ軸方向と平行な軸心61回りに回転自在に外装カバー5に支持されている。扉6は、図1中の実線で示す出し入れ口53を閉塞した状態と、図1中の二点鎖線で示す出し入れ口53を開放する状態とに亘って軸心回りに回転される。即ち、扉6は、出し入れ口53を閉塞する。なお、実施形態1では、外装カバー5は、出し入れ口53を閉塞した状態で加工装置本体2の外側に突出してオペレータが把持することが可能な取っ手62(図1に示し、図2及び図3では省略している)が取り付けられている。
【0031】
エアシリンダ7は、図2及び図3に示すように、筒状のシリンダ本体71と、シリンダ本体71の一端から伸縮自在なロッド72とを備える。シリンダ本体71の他端は、出し入れ口53を囲みかつ外装カバー5又は装置本体4に取り付けられた梁54の軸心61寄りの端部に、Z軸方向と平行な軸心回りに回転自在に取り付けられている。ロッド72は、シリンダ本体71から離れた先端部が扉6の軸心61から離れた側の端部にZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に取り付けられている。
【0032】
エアシリンダ7は、ロッド72がシリンダ本体71から伸縮自在である。エアシリンダ7は、ロッド72が縮小すると、図2に示すように、扉6を出し入れ口53を閉塞した状態とし、ロッド72が伸長すると、図3に示すように、扉6を出し入れ口53を開放する状態とする。
【0033】
なお、前述した保持テーブル10、切削ユニット20、カセット載置台30、搬送ユニット及びエアシリンダ7は、加工装置1を構成するユニットである。
【0034】
制御ユニット100は、加工装置1の上述した各ユニットをそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を加工装置1に実施させるものである。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理装置が演算処理を実施して、加工装置本体2を制御するための制御信号を入出力インターフェース装置を介して加工装置1の上述した構成要素に出力する。
【0035】
また、制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニット101と、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニット101に設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
【0036】
また、加工装置1は、各ユニットを動作させるための電力を供給する電源41、各ユニットを動作させるためのエアを供給するエア供給源42、及び各ユニットを動作させるための水を供給するための水供給源43に接続している。加工装置1は、各ユニットに電源41からの電力が供給され、各ユニットにエア供給源42からエアが供給され、各ユニットに水供給源から純水が供給される。なお、エア供給源42は、例えばエアシリンダ7にロッド72を伸縮するためのエアを供給する。
【0037】
フットスイッチ3は、加工装置本体2が設置される床上などに設置され、オペレータが足で操作可能であり、例えば、足などで踏まれるとオンを示す信号を入力し、踏まれなくなるとオフを示す信号を入力するスイッチである。フットスイッチ3は加工装置1の各ユニットを操作するものである。フットスイッチ3は、図4に示すように、加工装置本体2の制御ユニット100に接続し、オンを示す信号、オフを示す信号を制御ユニット100に出力する。また、制御ユニット100が加工装置1の各ユニットに接続しているので、フットスイッチ3は、制御ユニット100を介してエアシリンダ7と接続されている。
【0038】
実施形態1において、制御ユニット100は、扉6が出し入れ口53を閉塞している状態で、オペレータがフットスイッチ3を一度踏むと、エアシリンダ7のロッド72を伸長させて、出し入れ口53を開放する状態に扉6を位置づける。フットスイッチ3が一度オペレータに踏まれるとは、フットスイッチ3がオペレータに踏まれた後、オペレータがフットスイッチ3から足を離す動作を示す。このときフットスイッチ3から一旦オンを示す信号が入力され、後にオフを示す信号が入力される。
【0039】
また、制御ユニット100は、扉6が出し入れ口53を開放している状態で、フットスイッチ3から一旦オンを示す信号が入力され、後にオフを示す信号が入力されると、エアシリンダ7のロッド72を縮小させて、出し入れ口53を閉塞する状態に扉6を位置付ける。このために、加工装置1は、扉6が出し入れ口53を開放している状態で、フットスイッチ3がオペレータに踏まれるなどして操作された後、踏まれなくなると、即ち、フットスイッチ3が一度オペレータに踏まれると、出し入れ口53を閉塞する。このように、実施形態1に係る加工装置1は、フットスイッチ3を操作することで、エアシリンダ7の動作を操作して、扉6を開閉する。
【0040】
以上説明したように、実施形態1に係る加工装置1は、足で操作可能なフットスイッチ3を操作することで、エアシリンダ7を動作させるので、オペレータが加工装置1に触れずに、扉6を開閉することができる。その結果、加工装置1は、オペレータの手を用いた操作を低減することができるという効果を奏する。
【0041】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る加工装置を図面に基いて説明する。図5は、実施形態2に係る加工装置の要部の構成を示すブロック図である。なお、図5は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。実施形態2に係る加工装置1は、フットスイッチである第2フットスイッチ8を備え、第2フットスイッチ8が、図5に示すように、電源41と、加工装置1の加工装置本体2を構成するユニットである制御基板102とに接続していること以外、実施形態1と同じである。
【0042】
なお、エア供給源42は、第1の弁44を介して加工装置本体2に接続して加工装置本体2にエアを供給し、水供給源43は、第2の弁45を介して加工装置本体2に接続している。このために、第1の弁44は、エア供給源42と接続されており、第2の弁45は、水供給源43と接続されている。第1の弁44及び第2の弁45は、所謂開閉弁である。
【0043】
制御基板102は、制御ユニット100に接続して、制御ユニット100と協同して、加工装置1の各ユニットを制御するユニットである。制御基板102は、実施形態1では、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御基板102の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理装置が演算処理を実施して、加工装置本体2を制御するための制御信号を入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各ユニットに出力する。また、制御基板102は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、又は並列プログラム化したプロセッサー等の専用の処理回路(ハードウェア)で構成されても良く、制御ユニット100に組み込まれて、制御ユニット100の一部分であっても良い。制御基板102は、第1の弁44と第2の弁45とに接続され、第1の弁44と第2の弁45とを開閉する。
【0044】
第2フットスイッチ8は、フットスイッチ3と同様に、加工装置本体2が設置される床上などに設置され、オペレータが足で操作可能であり、例えば、足などで踏まれるとオンとなり、踏まれなくなるとオフとなるスイッチである。第2フットスイッチ8は、フットスイッチ3と同様に、加工装置1の各ユニットを操作するものである。第2フットスイッチ8は、制御基板102に接続し、オンを示す信号、オフを示す信号を制御基板102に出力する。また、制御基板102が第1の弁44及び第2の弁に接続しているので、第2フットスイッチ8は、制御基板102を介して第1の弁44と第2の弁45とに接続されている。
【0045】
実施形態2において、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されていない状態で、第2フットスイッチ8から一旦オンを示す信号が入力し、後にオフを示す信号が入力すると、電源41からの電力を加工装置本体2に供給する。このために、加工装置1は、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されていない状態で、第2フットスイッチ8がオペレータに踏まれるなどして操作された後、踏まれなくなると、即ち、第2フットスイッチ8が一度オペレータに踏まれると、電源41からの電力が制御基板102及び加工装置本体2に供給される。
【0046】
また、制御基板102は、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されている状態で、第2フットスイッチ8からオンを示す信号とオフを示す信号とが所定時間内に2回ずつ交互に入力すると、電源41からの制御基板102への電力の供給を停止するとともに、電源41からの加工装置本体2への電力の供給を停止する。このために、加工装置1は、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されている状態で、第2フットスイッチ8がオペレータに踏まれるなどして所定時間内に2回操作されると、即ち、第2フットスイッチ8が所定時間内にオペレータに二度踏まれると、電源41からの制御基板102及び加工装置本体2への電力の供給を停止する。このように、実施形態2に係る加工装置1は、第2フットスイッチ8を操作することで、加工装置1への電力の供給を開始または停止する。
【0047】
また、実施形態2において、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されていない状態で第2フットスイッチ8から一旦オンを示す信号が入力し、後にオフを示す信号が入力すると、加工装置本体2に電力が供給される。そして、制御基板102が第1の弁44を開いて、エア供給源42から加工装置本体2へのエアの供給を開始するとともに、第2の弁45を開いて、水供給源43から加工装置本体2への純水の供給を開始する。このために、加工装置1は、第2フットスイッチ8がオペレータに踏まれるなどして操作された後、踏まれなくなると、即ち、第2フットスイッチ8が一度オペレータに踏まれると、エア及び純水を加工装置本体2に供給する。
【0048】
また、制御基板102は、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されている状態で、第2フットスイッチ8からオンを示す信号とオフを示す信号とが所定時間内に2回ずつ交互に入力すると、エア供給源42からの加工装置本体2へのエアの供給を停止するとともに、水供給源43からの加工装置本体2への水の供給を停止した後、加工装置本体2への電力の供給を停止する。このために、加工装置1は、電源41からの電力が加工装置本体2に供給されている状態で、第2フットスイッチ8がオペレータに踏まれるなどして所定時間内に2回操作されると、即ち、第2フットスイッチ8が所定時間内にオペレータに二度踏まれると、エア供給源42からの加工装置本体2へのエアの供給を停止するとともに、水供給源43からの加工装置本体2への純水の供給を停止した後、加工装置本体2への電力の供給を停止する。
【0049】
このように、実施形態2に係る加工装置1は、第2フットスイッチ8を操作することで、加工装置1への純水及びエアの供給を開始または停止する。また、実施形態2に係る加工装置1の制御基板102は、第2フットスイッチ8が操作されて、制御基板102への電力の供給を開始または停止するとともに、制御基板102が第1の弁44と第2の弁45を開閉して、加工装置1への純水とエアとの供給を開始または停止する。
【0050】
実施形態2に係る加工装置1は、足で操作可能なフットスイッチ3を操作することで、電源41からの電力の供給を開始または停止するので、オペレータが加工装置1に触れずに、電力の供給を開始または停止、即ち加工装置1の電源をオンオフすることができる。その結果、加工装置1は、オペレータの手を用いた操作を低減することができるという効果を奏する。
【0051】
また、実施形態2に係る加工装置1は、足で操作可能なフットスイッチ3を操作することで、電源41から加工装置1への電力の供給と、エア供給源42からのエア及び水供給源43から純水の供給と、を開始または停止するので、オペレータが加工装置1に触れずに、電力と、エア及び純水と、の供給を開始または停止することができる。その結果、加工装置1は、オペレータの手を用いた操作を低減することができるという効果を奏する。
【0052】
〔変形例〕
本発明の実施形態1及び実施形態2の変形例に係る加工装置を図面に基いて説明する。図6は、実施形態1及び実施形態2の変形例に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。図7は、実施形態1及び実施形態2の変形例に係る加工装置の要部の構成を示すブロック図である。なお、図6及び図7は、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
変形例に係る加工装置1は、図6及び図7に示すように、フットスイッチ3を備えることに加え、実施形態2と同様に、フットスイッチである第2フットスイッチ8を備え、第2フットスイッチ8が制御基板102に接続していること以外、実施形態1と同じである。
【0054】
変形例に係る加工装置1は、フットスイッチ3と第2フットスイッチ8とを備えるので、実施形態1及び実施形態2と同様に、オペレータの手を用いた操作を低減することができるという効果を奏する。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。前述した実施形態1及び実施形態2等では、加工装置1は、被加工物200を切削する切削装置であったが、本発明では、切削装置に限定されず、例えば、被加工物200を研削する研削装置、被加工物200を研磨する研磨装置、又は被加工物200をレーザー加工するレーザー加工装置等の被加工物200に種々の加工を施す種々の加工装置でも良い。また、実施形態2では、第2フットスイッチ8が操作され、制御基板102への電力の供給を開始または停止するとともに、制御基板102が第1の弁44と第2の弁45を開閉して、加工装置1への純水とエアとの供給を開始または停止したが、実施形態2では、第2フットスイッチ8が操作され、制御基板102への電力の供給を開始または停止するとともに、制御基板102が第1の弁44と第2の弁45との少なくともいずれかを開閉して、加工装置1への純水とエアとの少なくともいずれかの供給を開始または停止しても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 加工装置
3 フットスイッチ
5 外装カバー
6 扉
7 エアシリンダ(駆動部、ユニット)
8 第2フットスイッチ(フットスイッチ)
10 保持テーブル
20 切削ユニット(加工ユニット)
30 カセット載置台
31 カセット
42 エア供給源
43 水供給源
44 第1の弁(ユニット)
45 第2の弁(ユニット)
53 出し入れ口
102 制御基板(ユニット)
200 被加工物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7