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特許7542418コンピュータプログラム、MR支援装置、及びMR支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、MR支援装置、及びMR支援方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240823BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240823BHJP
【FI】
G16H10/00
G06Q10/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020194496
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083197
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】松下 裕亮
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064336(JP,A)
【文献】特開2020-113033(JP,A)
【文献】国際公開第2013/124993(WO,A1)
【文献】特開2003-157355(JP,A)
【文献】特開2002-015120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MR(医薬情報担当者)を識別する識別情報を取得し、
前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、
特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力し、
ロールモデルMRを特定する際に、複数のロールモデルMRを特定し、
前記複数のロールモデルMRの中から、一のロールモデルMRの指定を受け付け、
前記活動情報を出力する際に、指定を受け付けたロールモデルMRの前記活動情報を出力し、
前記複数のロールモデルMRの前記活動情報から、前記複数のロールモデルMRに共通する内容を特定し、特定した内容を出力する
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
MR(医薬情報担当者)を識別する識別情報を取得し、
前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、
特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力し、
医師の指定を受け付け、
前記活動情報を出力する際に、指定を受け付けた医師に類似する医師に関連するコンテンツをロールモデルMRが視聴した履歴を出力する
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項3】
MR(医薬情報担当者)を識別する識別情報を取得し、
前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、
特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力し、
医師の指定を受け付け、
前記活動情報の中で、指定を受け付けた医師に類似する医師に関する活動を表した情報に基づいて、指定を受け付けた医師に有用な情報を特定し、特定した情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記特定した情報に関するMRへの質問を出力する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
医師の指定を受け付け、
前記活動情報を出力する際に、指定を受け付けた医師に類似する医師に関連するコンテンツをロールモデルMRが視聴した履歴を出力する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項3又は4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
複数のロールモデルMRを特定し、
前記複数のロールモデルMRの中から、一のロールモデルMRの指定を受け付け、
指定を受け付けたロールモデルMRの前記活動情報を出力する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項2乃至5の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記複数のロールモデルMRの前記活動情報から、前記複数のロールモデルMRに共通する内容を特定し、特定した内容を出力する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
医師の指定を受け付け、
複数の医師の夫々について記憶された、各医師の特性を表した医師特性情報に基づいて、前記複数の医師の中から、指定を受け付けた医師に類似する類似医師を特定し、
前記類似医師を営業対象としたMRの中から、ロールモデルMRを特定する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項1乃至7の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記活動情報は、活動が行われた日付を含んでおり、
前記活動情報を出力する際に、日付別に活動の内容を表した情報を出力する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項1乃至の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記活動情報は、特定の製品に関する情報を提供したことを示す情報を含み、
製品の指定を受け付け、
指定を受け付けた製品に関する情報を提供したことを示す情報が前記活動情報に含まれるMRの中から、ロールモデルMRを特定する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項1乃至の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記MR特性情報は、MRの属性、MRのパーソナリティ診断の結果を示す性格分類、又はMRの活動履歴を含んでおり、
前記属性、前記性格分類、又は前記活動履歴に基づいて、取得した前記識別情報により識別されるMRに類似するMRを、ロールモデルMRとして特定する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項1乃至10の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記MR特性情報は、MRの成績、又はMRの活動に対する医師からの反応を含んでおり、
取得した前記識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMR、又は取得した前記識別情報により識別されるMRよりも医師からの反応が高いMRを、ロールモデルMRとして特定する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項1乃至11の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
出力した前記活動情報の夫々の項目について、当該項目が参考になったことを示す参考情報を受け付ける
処理を更にコンピュータに実行させる請求項1乃至12の何れか一つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記参考情報を受け付けた場合に、参考になった項目を含む前記活動情報に係るMRへ、前記参考情報を受け付けたことを通知する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記参考情報を受け付けた場合に、参考になった項目に前記参考情報を関連付けて記憶し、
前記活動情報を出力する際に、前記参考情報が関連付けられた項目を優先して出力する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項13又は14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
MR(医薬情報担当者)を識別する識別情報を取得し、
医師の指定を受け付け、
前記識別情報、及び指定を受け付けた医師を示す情報を送信し、
前記識別情報及び前記指定を受け付けた医師に応じて特定された、前記MRのロールモデルとなるロールモデルMRを示す情報と、ロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報とを受信し、
ロールモデルMRを示す情報及び前記活動情報を表示し、
ロールモデルMRを示す情報を受信する際に、複数のロールモデルMRを示す情報を受信し、
前記複数のロールモデルMRを示す情報を表示し、
前記複数のロールモデルMRの中から、一のロールモデルMRの指定を受け付け、
前記活動情報を出力する際に、指定を受け付けたロールモデルMRの前記活動情報を表示し、
前記複数のロールモデルMRの前記活動情報の中から、前記複数のロールモデルMRに共通する内容を表示する
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記活動情報は、活動が行われた日付を含んでおり、
前記活動情報を表示する際に、日付別に活動の内容を表した情報を表示する
処理を更にコンピュータに実行させる請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
MR(医薬情報担当者)の活動を支援する装置であって、
MRを識別する識別情報を取得し、
前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、
特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力し、
医師の指定を受け付け、
前記活動情報の中で、指定を受け付けた医師に類似する医師に関する活動を表した情報に基づいて、指定を受け付けた医師に有用な情報を特定し、特定した情報を出力する
MR支援装置。
【請求項19】
前記特定した情報に関するMRへの質問を出力する
請求項18に記載のMR支援装置。
【請求項20】
MR(医薬情報担当者)の活動をコンピュータによって支援する方法であって、
コンピュータにより、MRを識別する識別情報を取得し、
コンピュータにより、前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、
コンピュータにより、特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力し、
コンピュータにより、医師の指定を受け付け、
コンピュータにより、前記活動情報の中で、指定を受け付けた医師に類似する医師に関する活動を表した情報に基づいて、指定を受け付けた医師に有用な情報を特定し、特定した情報を出力する
MR支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MRを支援するためのコンピュータプログラム、MR支援装置、及びMR支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MR(医薬情報担当者,medical representative)とは、医薬品に関する情報を医療従事者に伝達することにより、医薬品の販売を促進させる業務を行う者である。通常、MRは、製薬会社に所属し、営業活動を行う。特許文献1には、MRの業務を支援するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-172277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MRの業務には、必要に応じて医薬品に関する高品質な情報を医療従事者に適切なタイミングで提供することが求められ、高度な知識が必要であり、尚且つ知識を常に最新の状態に保つ必要がある。このため、MRの育成のためには継続的な教育が必要である。しかしながら、教育に費やすことのできる時間には限界がある。また、MRの個々の資質は多様であり、一律の教育ではなく個々のMRに適切な教育が必要となっている。そこで、個々のMRに適切な方法で、教育を兼ねて業務の支援を行う技術が求められる。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、個々のMRに応じた活動の指針を提示することにより、教育を兼ねてMRの業務を支援するコンピュータプログラム、MR支援装置、及びMR支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンピュータプログラムは、MRを識別する識別情報を取得し、前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
本発明に係るコンピュータプログラムは、医師の指定を受け付け、複数の医師の夫々について記憶された、各医師の特性を表した医師特性情報に基づいて、前記複数の医師の中から、指定を受け付けた医師に類似する類似医師を特定し、前記類似医師を営業対象としたMRの中から、ロールモデルMRを特定する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0008】
本発明に係るコンピュータプログラムは、複数のロールモデルMRを特定し、前記複数のロールモデルMRの中から、一のロールモデルMRの指定を受け付け、指定を受け付けたロールモデルMRの前記活動情報を出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0009】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記複数のロールモデルMRの前記活動情報から、前記複数のロールモデルMRに共通する内容を特定し、特定した内容を出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0010】
本発明に係るコンピュータプログラムでは、前記活動情報が、活動が行われた日付を含んでおり、前記活動情報を出力する際に、日付別に活動の内容を表した情報を出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記活動情報が、特定の製品に関する情報を提供したことを示す情報を含み、製品の指定を受け付け、指定を受け付けた製品に関する情報を提供したことを示す情報が前記活動情報に含まれるMRの中から、ロールモデルMRを特定する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0012】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記MR特性情報が、MRの属性、MRのパーソナリティ診断の結果を示す性格分類、又はMRの活動履歴を含んでおり、前記属性、前記性格分類、又は前記活動履歴に基づいて、取得した前記識別情報により識別されるMRに類似するMRを、ロールモデルMRとして特定する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0013】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記MR特性情報が、MRの成績、又はMRの活動に対する医師からの反応を含んでおり、取得した前記識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMR、又は取得した前記識別情報により識別されるMRよりも医師からの反応が高いMRを、ロールモデルMRとして特定する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0014】
本発明に係るコンピュータプログラムは、医師の指定を受け付け、前記活動情報を出力する際に、指定を受け付けた医師に類似する医師に関連するコンテンツをロールモデルMRが視聴した履歴を出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、出力した前記活動情報の夫々の項目について、当該項目が参考になったことを示す参考情報を受け付ける処理を更にコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記参考情報を受け付けた場合に、参考になった項目を含む前記活動情報に係るMRへ、前記参考情報を受け付けたことを通知する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0017】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記参考情報を受け付けた場合に、参考になった項目に前記参考情報を関連付けて記憶し、前記活動情報を出力する際に、前記参考情報が関連付けられた項目を優先して出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0018】
本発明に係るコンピュータプログラムは、医師の指定を受け付け、前記活動情報の中で、指定を受け付けた医師に類似する医師に関する活動を表した情報に基づいて、指定を受け付けた医師に有用な情報を特定し、特定した情報を出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0019】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記特定した情報に関するMRへの質問を出力する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0020】
本発明に係るコンピュータプログラムは、MRを識別する識別情報を取得し、医師の指定を受け付け、前記識別情報、及び指定を受け付けた医師を示す情報を送信し、前記指定情報及び前記指定を受け付けた医師に応じて特定された、前記MRのロールモデルとなるロールモデルMRを示す情報と、ロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報とを受信し、ロールモデルMRを示す情報及び前記活動情報を表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
本発明に係るコンピュータプログラムは、複数のロールモデルMRを示す情報を受信し、前記複数のロールモデルMRを示す情報を表示し、前記複数のロールモデルMRの中から、一のロールモデルMRの指定を受け付け、指定を受け付けたロールモデルMRの前記活動情報を表示する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0022】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記複数のロールモデルMRの前記活動情報の中から、前記複数のロールモデルMRに共通する内容を表示する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0023】
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記活動情報は、活動が行われた日付を含んでおり、前記活動情報を表示する際に、日付別に活動の内容を表した情報を表示する処理を更にコンピュータに実行させる。
【0024】
本発明に係るMR支援装置は、MRの活動を支援する装置であって、MRを識別する識別情報を取得し、前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力する。
【0025】
本発明に係るMR支援方法は、MRの活動をコンピュータによって支援する方法であって、MRを識別する識別情報を取得し、前記識別情報に関連付けられた、MRの特性を表したMR特性情報に基づいて、複数のMRの中から、取得した前記識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定し、特定したロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力する。
【0026】
本発明の一形態においては、MR特性情報に基づいて、ロールモデルMRが特定され、ロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報が出力される。MRである使用者は、ロールモデルMRが過去に行った活動を知ることができる。使用者は、ロールモデルMRが過去に行った活動を参考にして、ロールモデルMRと同様の活動を行う等、自己の活動を改善するための判断材料を得ることができる。
【0027】
本発明の一形態においては、医師が指定され、指定された医師に類似する類似医師が特定され、類似医師を営業対象としたMRの中から、ロールモデルMRが特定される。MRが担当する医師に類似する医師を担当する他のMRがロールモデルMRとなるので、MRである使用者と同様の環境でMRである使用者に必要な経験を経た可能性が高いMRがロールモデルMRとなり得る。このため、ロールモデルMRの活動の内容が、MRである使用者の今後の活動の指針となり得る。
【0028】
本発明の一形態においては、複数のロールモデルMRが特定され、一のロールモデルMRが指定された場合に、指定されたロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報が出力される。複数のロールモデルMRが特定されるので、MRである使用者は、複数のロールモデルMRによる活動の内容を参考にすることができる。また、MRである使用者は、複数のロールモデルMRの中から、活動情報を出力すべきロールモデルMRを選ぶことで、自己に合ったロールモデルMRを選ぶこともできる。
【0029】
本発明の一形態においては、活動情報の中から、複数のロールモデルMRに共通する内容が出力される。複数のロールモデルMRが共通して行った活動は、重要な活動である可能性が高い。MRである使用者は、重要な活動を確認することができ、重要な要素として今後の活動の参考とすることができる。
【0030】
本発明の一形態においては、活動情報には日付が含まれており、活動情報が表す活動の内容は、日付別に出力される。日付別に活動の内容が表示されることにより、MRである使用者は、夫々の活動がいつ行われたのかを確認することができ、夫々の活動が行われた順番を確認することができる。
【0031】
本発明の一形態においては、製品が指定され、指定された製品に関する情報を提供したMRの中から、ロールモデルMRが特定される。特定の製品に関する情報を提供したMRがロールモデルMRとなるので、MRである使用者は、特定の製品を扱う際に、特定の製品を扱った経験のあるロールモデルMRの活動を参考にすることができる。
【0032】
本発明の一形態においては、MR特性情報に含まれる属性、性格分類又は活動履歴に基づいて、識別情報により識別されるMRに類似するMRを、ロールモデルMRとして特定する。MRである使用者に類似したロールモデルMRが特定されることにより、MRの個々の特性に応じた適切なロールモデルMRが特定される。
【0033】
本発明の一形態においては、識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMR、又は医師からの反応が高いMRが、ロールモデルMRとして特定される。MRである使用者は、自己よりも成績の良いロールモデルMRの活動情報、又は自己よりも医師からの反応が高いMRの活動情報を確認することになる。MRである使用者は、確認した活動情報を、自己の成績の向上させるための指針として利用することができる。
【0034】
本発明の一形態においては、医師が指定され、活動情報として、指定された医師に類似する医師に関連するコンテンツをロールモデルMRが視聴した履歴が出力される。指定された医師に類似する医師による講演の動画等、類似する医師に関連するコンテンツを視聴した履歴を確認することで、MRである使用者は、同様のコンテンツを視聴する等の学習の指針を得ることができる。
【0035】
本発明の一形態においては、出力された活動情報の夫々の項目について、MRである使用者から、当該項目が参考になったことを示す参考情報を受け付ける。活動情報のどのような内容が他のMRにとって参考になったかが記録される。
【0036】
本発明の一形態においては、参考情報を受け付けた場合に、参考になった項目を含む活動情報に係るMRへ、参考情報を受け付けたことが通知される。参考情報を受け付けたことを通知されたMRは、自己の活動が他のMRに参考にされたことを知ることができる。
【0037】
本発明の一形態においては、活動情報が出力される際には、参考情報が関連付けられた項目が優先して出力される。参考情報が関連付けられた項目は、他のMRによって参考になったと評価された項目であるので、MRである使用者にとっても、有用性が高い。このような項目が優先的に出力されることにより、使用者にとって有益な情報が効率的に提供される。
【0038】
本発明の一形態においては、医師が指定され、指定された医師に類似する医師に関する活動を表した情報に基づいて、指定を受け付けた医師に有用な情報が特定され、出力される。MRである使用者は、担当する医師に対する活動に関して、有用な情報を確認することにより、自己が行うべき活動の指針を得ることができる。
【0039】
本発明の一形態においては、指定を受け付けた医師に有用な情報に関して、MRである使用者に対する質問が出力される。使用者は、質問を確認し、質問に対する答えを調べることにより、自己が行うべき活動に有用な情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0040】
MRが活動の指針を取得し、日々の活動に有用な情報を取得することができるように、MRの活動の支援が行われ、同時に、日々の活動を改善させるためのMRの教育が行われる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】MRの業務を支援するMR支援システムの構成例を示す模式図である。
図2】MR支援装置の内部の構成例を示すブロック図である。
図3】MRデータベースの内容例を示す概念図である。
図4】活動データベースの内容例を示す概念図である。
図5】医師データベースの内容例を示す概念図である。
図6】端末装置の内部の構成例を示すブロック図である。
図7】MR支援システムが行うMR支援の処理の手順を示すフローチャートである。
図8】MR支援システムが行うMR支援の処理の手順を示すフローチャートである。
図9】有用情報データベースの内容例を示す概念図である。
図10】支援画像の第1の例を示す模式図である。
図11】支援画像の第2の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、MRの業務を支援するMR支援システム100の構成例を示す模式図である。MR支援システム100は、MRの業務を支援するためのMR支援方法を実行する。MR支援システム100は、MR支援装置1と、複数の端末装置2とを備えている。例えば、MR支援装置1は、製薬会社によって管理されている。夫々の端末装置2は、MRである使用者4によって使用される。MR支援装置1は、インターネット等の通信ネットワーク3に接続されている。端末装置2は、有線又は無線通信を利用し、通信ネットワーク3を介してMR支援装置1との間で互いにデータの送受信を行う。
【0043】
図2は、MR支援装置1の内部の構成例を示すブロック図である。MR支援装置1は、サーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。MR支援装置1は、演算部11と、メモリ12と、記憶部13と、ドライブ部14と、通信部15とを備えている。演算部11は、例えばCPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部11は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ12は、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶する。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)である。記憶部13は、不揮発性であり、例えばハードディスクである。ドライブ部14は、光ディスク等の記録媒体10から情報を読み取る。通信部15は、通信ネットワーク3に接続され、通信ネットワーク3を通じてMR支援装置1の外部と通信を行う。
【0044】
演算部11は、記録媒体10に記録されたコンピュータプログラム131をドライブ部14に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム131を記憶部13に記憶させる。演算部11は、コンピュータプログラム131に従って、MR支援装置1に必要な処理を実行する。なお、コンピュータプログラム131は、通信部15によりMR支援装置1の外部からダウンロードされてもよい。この場合は、MR支援装置1はドライブ部14を備えていなくてもよい。MR支援装置1は、複数のコンピュータで構成されていてもよく、クラウドを利用して構成されていてもよい。例えば、記憶部13の一部又は全部はクラウドで構成されていてもよい。
【0045】
記憶部13は、複数のMRの特性を表したMR特性情報を記録したMRデータベース132を記憶している。図3は、MRデータベース132の内容例を示す概念図である。複数のMRの夫々のMR名及び識別情報に関連付けて、MR特性情報が記録されている。識別情報は、MRの識別番号、又はID等、各MRを識別するための各MRに固有の情報である。MR特性情報には、MRの属性が記録されている。属性には、MRの経歴、MRが担当している業務の分野、担当地域、及び担当医師等が含まれている。担当医師は、MRが営業対象としている医師である。MR特性情報には、MRの性格分類が記録されている。性格分類は、MRが作成した文書、又はMRに対する質疑応答等を利用して、MRのパーソナリティ診断を行った結果である。例えば、パーソナリティ診断では、心理学に基づいて、MRの性格が分析される。MRの性格は、社交的である、積極的である、又は内向きである等、複数の性格タイプに分類される。MR特性情報には、MRの性格を複数の性格タイプの中の一つの性格タイプへ分類した結果が含まれる。
【0046】
MRデータベース132に記録されたMR特性情報には、MRの活動履歴の概要が記録されている。図3には、活動履歴の概要としてMRの活動回数が記録された例を示す。MRが行う複数種類の活動の夫々について、一週間等の所定期間内の活動回数の平均が記録される。図3に示す例では、活動回数には、医師に対する訪問回数と、電話又は電子メール等を用いた、訪問以外の方法での医師へのコンタクト回数とが含まれる。活動履歴の概要として、多く行われた活動の内容等、活動回数以外の内容が記録されてもよい。MR特性情報には、MRの活動に対する医師からの反応が記録されている。医師からの反応には、医師からの評判及びリクエストを数値で表した情報が含まれる。例えば、評判は、医師による電子メールの開封率又は電子メールの返信率等、医師からの応答率が高いほど高い数値となり、リクエストは、医師からの資料の提供リクエストが多いほど高い数値となる。評判には、医師に対するアンケートの結果が含まれていてもよい。MR特性情報には、MRの成績が記録されている。成績には、売上高、売上目標の達成率、及び担当医師が使用する薬剤に占めるシェア等が含まれる。MRデータベース132には、MR特性情報としてMRに関するその他の情報が記録されていてもよい。
【0047】
記憶部13は、複数のMRによる過去の活動を表した活動情報を記録した活動データベース133を記憶している。図4は、活動データベース133の内容例を示す概念図である。MR名及び識別情報に関連付けて、活動情報が記録されている。活動情報は、MRによる過去の活動の履歴を表しており、活動情報には、日付と、MRが業務として行った活動の内容とが含まれている。例えば、担当の医師へ訪問し、特定の薬剤についての情報を提供したことが活動内容として記録されている。例えば、活動情報には、リモート会議等、医師を直接に訪問する方法以外の方法で、情報提供等の医師への接触を行った活動の内容が含まれていてもよい。例えば、担当の医師による論文、担当の医師による講演の動画、又は担当している薬剤について解説する動画等、特定のコンテンツを視聴したことが記録されている。活動データベース133には、視聴されたコンテンツを示す情報が記録される。図4に示す例では、コンテンツを示す情報として、コンテンツのURL(uniform resource locator)が記録されている。このような、医師への訪問の履歴、及びコンテンツの視聴履歴等の活動の履歴が、活動情報として記録されている。
【0048】
活動情報は、MRによる活動報告に基づいて作成される。例えば、活動報告が図示しないサーバ装置に記憶されており、MR支援装置1は、通信ネットワーク3を介して当該サーバ装置から活動報告を取得し、活動報告に応じた活動情報を活動データベース133に記録する。例えば、MRがMR支援装置1へアクセスし、活動内容を活動データベース133に記録してもよい。このように、MRによる日々の活動内容が活動データベース133に記録されている。活動内容に含まれる夫々の項目には、当該項目を識別するための活動IDが関連付けて記録されている。活動IDは、各MR及び各項目に固有の情報である。また、活動内容に含まれる夫々の項目に関連付けて、他のMRにとって参考になったことを示す参考情報を受け付けた数が記録されている。活動情報のどのような内容が他のMRにとって参考になったかが記録される。MR支援装置1には、複数のMRの夫々について、活動内容が記録されている。
【0049】
記憶部13は、MRの業務相手となる複数の医師の特性を表した医師特性情報を記録した医師データベース134を記憶している。図5は、医師データベース134の内容例を示す概念図である。複数の医師の夫々について、医師名に関連付けて医師特性情報が記録されている。図5に示す例では、医師特性情報として、診療科、所属学会、処方嗜好、勤務地域、勤務施設、及び市場規模が記録されている。診療科は医師が担当している診療科であり、所属学会は医師が所属している学会である。処方嗜好は、医師がどのような薬剤を好んで使うか、又は薬剤に関するどのような情報を重視するか等、医師が薬剤を処方する際の嗜好を示す。勤務地域は、医師が勤務している地域を示し、MRの担当地域に応じた地域となる。勤務施設は、医師が勤務している病院等の施設を示す。市場規模は、医師が担当している分野の症例数に応じた、薬剤の市場規模を示す。医師データベース134には、医師特性情報として医師に関するその他の情報が記録されていてもよい。記憶部13は、医師にとって有用な有用情報を記録した有用情報データベース135を記憶している。有用情報データベース135については後述する。
【0050】
図6は、端末装置2の内部の構成例を示すブロック図である。端末装置2は、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、タブレット型コンピュータ又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。端末装置2は、演算部21と、メモリ22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26とを備えている。演算部21は、例えばCPU、GPU、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部21は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ22は、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶する。メモリ22は、例えばRAMである。記憶部23は、不揮発性であり、例えばハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。操作部24は、使用者4からの操作を受け付けることにより、情報の入力を受け付ける。操作部24は、例えばタッチパネル、テンキー、又はキーボードである。表示部25は、画像を表示する。表示部25は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイ(Electroluminescent Display)である。操作部24と表示部25とは一体に構成されていてもよい。通信部26は、無線通信により、通信ネットワーク3を介してMR支援装置1と通信を行う。
【0051】
記憶部23は、コンピュータプログラム231を記憶する。コンピュータプログラム231は、端末装置2の外部のコンピュータが有するハードディスク又は光ディスク等の記録媒体20に記録されている。コンピュータプログラム231は、通信ネットワーク3を通じて、通信部26を用いてダウンロードされ、記憶部23に記憶される。例えば、コンピュータプログラム231は、MR支援装置1からダウンロードされる。コンピュータプログラム231は、予め記憶部23に記憶されていてもよい。又は、記録媒体20は、メモリカード等、端末装置2に接続可能な媒体であり、端末装置2は、接続された記録媒体20から図示しないインタフェースを介してコンピュータプログラム231を読出して記憶部23に記憶してもよい。或は、コンピュータプログラム231は、記憶部23ではなく、メモリ22に記憶されてもよい。例えば、コンピュータプログラム231は、MR支援システム100に関する処理を実行する際にダウンロードされ、メモリ22に記憶され、MR支援システム100に関する処理が終了する際にメモリ22から消去されてもよい。演算部21は、コンピュータプログラム231に従って必要な処理を実行する。
【0052】
以下、MR支援システム100が行うMR支援方法を説明する。図7及び図8は、MR支援システム100が行うMR支援の処理の手順を示すフローチャートである。MR支援装置1は、コンピュータプログラム131に従って、以下の処理を実行し、端末装置2は、コンピュータプログラム231に従って、以下の処理を実行する。使用者4は、端末装置2の操作部24を操作して、MR支援の処理の開始の指示、及び識別情報を入力する。端末装置2は、使用者4による操作を操作部24で受け付けることにより、使用者4であるMRの識別情報を受け付ける(S1)。端末装置2は、受け付けた識別情報をMR支援装置1へ送信する(S2)。S2では、演算部21は、識別情報を、通信部26にMR支援装置1へ送信させる。
【0053】
MR支援装置1は、識別情報を通信部15で受信する(S3)。演算部11は、受信した識別情報に関連付けられてMRデータベース132に記録されている担当医師の情報を、MRデータベース132から読み出す。担当医師は、識別情報で識別されるMRが担当する医師である。MR支援装置1は、MRを支援するための支援画像を端末装置2に表示するために必要な表示用データを端末装置2へ送信する(S4)。表示用データには、担当医師の情報が含まれている。S4では、演算部11は、表示用データを、通信部15に端末装置2へ送信させる。
【0054】
端末装置2は、通信部26で表示用データを受信する(S5)。演算部21は、受信した表示用データに基づいて、MRを支援するための支援画像を表示部25に表示する(S6)。図10は、支援画像5の第1の例を示す模式図である。支援画像5には、複数の担当医師が表示される担当医師欄51が含まれている。担当医師欄51に表示された複数の担当医師の中から、使用者4が操作部24を操作して、一の担当医師を指定することにより、端末装置2は、医師の指定を受け付けることができる。また、支援画像5には、製品である複数の薬剤が表示される薬剤欄52が含まれている。薬剤欄52に表示された複数の薬剤の中から、使用者4が操作部24を操作して、一の薬剤を指定することにより、端末装置2は、薬剤の指定を受け付けることができる。
【0055】
端末装置2は、使用者4による操作を操作部24で受け付けることにより、医師及び薬剤の指定を受け付ける(S7)。端末装置2は、指定を受け付けた医師及び薬剤を示す指定情報をMR支援装置1へ送信する(S8)。S8では、演算部21は、通信部26に指定情報をMR支援装置1へ送信させる。
【0056】
MR支援装置1は、通信部15で指定情報を受信する(S9)。演算部11は、次に、指定情報で示される医師に類似する類似医師を特定する(S10)。S10では、演算部11は、医師データベース134に医師特性情報が記録されている複数の医師の中から、類似医師を特定する。例えば、演算部11は、指定情報で示される医師と特定の医師特性情報が一致する医師を、類似医師として特定する。例えば、演算部11は、診療科、所属学会及び処方嗜好が一致する医師を類似医師として特定する。例えば、演算部11は、更に、市場規模の違いが所定の範囲内に含まれる位置を類似医師として特定する。例えば、演算部11は、医師特性情報に基づいて複数の医師のクラスター分析を行い、指定情報で示される医師と同一又は近いクラスターに分類される医師を類似医師として特定する。予めクラスター分析を行った結果が記録されたデータベースが記憶部13に記憶されており、S10では、演算部11は、データベースに基づいて類似医師を特定してもよい。例えば、演算部11は、医師特性情報を所定のルールに基づいて多次元のベクトルへ変換し、指定情報で示される医師と各医師との間でベクトルの成分の差分の二乗和を計算し、二乗和が小さい医師を類似医師として特定する。S10では、演算部11は、複数の類似医師を特定する。
【0057】
演算部11は、次に、識別情報により識別されるMRのロールモデルとなるロールモデルMRを特定する(S11)。ロールモデルとは、模範となる人物のことである。本実施形態では、MRにとってのロールモデルをロールモデルMRと言う。ロールモデルMRは、その業務の内容がMRである使用者4にとっての手本となるような、使用者4とは別のMRである。S11では、演算部11は、MRデータベース132にMR特性情報が記録された複数のMRの中から、複数のロールモデルMRを特定する。演算部11は、類似医師を担当医師としているMRを、ロールモデルMRの候補とする。また、演算部11は、指定情報で示される薬剤に関する情報を提供したことを示す情報が、活動データベース133に記録されている活動情報に含まれているMRを、ロールモデルMRの候補とする。また、演算部11は、活動情報に含まれている参考情報受付数が所定数以上である等、活動情報に含まれている参考情報受付数が多いMRを、ロールモデルMRの候補とする。
【0058】
演算部11は、特定のMR特性情報に基づいて、識別情報により識別されるMRと候補になったMRとの類似度を計算する。例えば、演算部11は、MR特性情報の内、属性、性格分類又は活動履歴に基づいて、類似度を計算する。類似度は、属性、性格分類又は活動履歴の何れか一つに基づいて計算されてもよく、属性、性格分類及び活動履歴の中の二つ以上の組み合わせに基づいて計算されてもよい。例えば、演算部11は、MR特性情報に基づいて、候補となった複数のMRのクラスター分析を行い、クラスター分析の結果に応じた類似度を計算する。例えば、演算部11は、MR特性情報を所定のルールに基づいて多次元のベクトルへ変換し、MR間でベクトルの成分の差分の二乗和を計算し、計算した二乗和を類似度として利用する。例えば、演算部11は、二つのMRに関するMR特性情報を入力された場合に類似度を出力するように予め学習された学習モデルを利用して、類似度を計算してもよい。演算部11は、類似度が他のMRよりも高い所定範囲にあるMRの中から、識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMRを、ロールモデルMRとして特定する。又は、演算部11は、類似度が他のMRよりも高い所定範囲にあるMRの中から、識別情報により識別されるMRよりも医師からの反応が高いMRを、ロールモデルMRとして特定してもよい。或は、演算部11は、成績が上位であるMR又は医師からの反応が高いMRを先に選別し、選別したMRの中から類似度が高いMRをロールモデルMRとして特定してもよい。
【0059】
演算部11は、類似度を計算せずにロールモデルMRを特定してもよい。例えば、演算部11は、特定のMR特性情報に基づいて候補になったMRを分類し、識別情報により識別されるMRと同じ分類先に分類されたMRの中から、識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMR又は医師からの反応が高いMRを、ロールモデルMRとして特定してもよい。例えば、演算部11は、識別情報により識別されるMRと性格分類が一致するMRの中から、識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMR又は医師からの反応が高いMRを、ロールモデルMRとして特定してもよい。
【0060】
演算部11は、複数のロールモデルMRの順位付けをしてもよい。例えば、演算部11は、MRデータベース132に記録されたMRの成績から、所定のルールに従って成績のスコアを計算し、スコアの順に複数のロールモデルMRの順位付けを行う。例えば、演算部11は、成績に含まれる、売上高、売上目標の達成率、又は指定情報で示される薬剤のシェアの大きさが大きいほど、順位が高くなるように、スコアを計算する。演算部11は、医師からの評判又はリクエストにも応じてスコアを計算してもよい。
【0061】
演算部11は、次に、活動データベース133から、特定したロールモデルMRの活動情報を取得する(S12)。S12では、演算部11は、ロールモデルMRについて活動データベース133に記録された活動情報の中から、類似医師に関する情報を取得する。例えば、演算部11は、類似医師へ訪問した内容を表す情報を取得する。例えば、演算部11は、類似医師による講演の動画等、類似医師に関連するコンテンツを視聴した履歴を表す情報を取得する。また、演算部11は、活動情報に含まれている複数の項目の中で、関連付けられた参考情報受付数が所定数以上である項目を取得する等、参考情報が関連付けられた項目を優先して取得する。
【0062】
演算部11は、次に、取得した活動情報に基づいて、取得した指定情報で示される医師にとって有用な有用情報を特定する(S13)。例えば、有用情報は、複数のロールモデルMRによって類似医師に対して提供した情報の中で共通する情報である。演算部11は、複数のロールモデルMRに係る活動情報の中から、類似医師に対して提供した情報の中で共通する情報を、有用情報として特定する。又は、例えば、有用情報は、担当医師が関心を持っている可能性が高い情報である。演算部11は、類似医師に関して共通する活動情報の内容に基づいて、有用情報を特定する。
【0063】
例えば、記憶部13は、有用情報を記録した有用情報データベース135を記憶している。図9は、有用情報データベース135の内容例を示す概念図である。活動データベース133に記録された複数のMRに係る活動情報の複数の項目を、薬剤名又は提供された情報の内容等の各項目に含まれるキーワードに基づいて、複数のグループに分類しておく。有用情報データベース135には、有用情報の内容として、グループに含まれる活動情報の項目に共通する情報の内容が記録され、グループに含まれる活動情報の項目の活動IDが、有用情報の内容に関連付けて記録されている。又は、有用情報データベース135には、有用情報の内容として、MRによる活動情報から推測される、医師が関心を持っている可能性が高い情報が記録され、関連する活動情報の項目の活動IDが記録されている。例えば、類似医師に関する論文等のコンテンツに多く含まれるキーワードに基づき、医師が関心を持っている可能性が高い情報が有用情報として作成され、コンテンツに関する活動情報の項目の活動IDが関連付けて記録されている。
【0064】
更に、有用情報データベース135には、有用情報の内容に関連付けて、有用情報に関するMRへの質問が記録されている。MRへの質問は、MRが医師から問われる可能性が高い質問である。質問の内容は、ロールモデルMRが医師に提供している可能性が高い情報の内容、又は担当医師が関心を持っている可能性が高い情報の内容に応じた内容である。例えば、質問の内容は、管理者によって作成され、有用情報データベース135に記録される。質問は、有用情報の内容に応じて、演算部11によって自動で作成されてもよい。有用情報データベース135には、複数のグループについて有用情報の内容、活動ID及び質問が記録されている。S13では、演算部11は、複数のロールモデルMRの活動IDが共通して関連付けられている有用情報の内容を有用情報データベース135から取得することにより、有用情報を特定する。
【0065】
S13では、演算部11は、特定した有用情報に関するMRへの質問を作成し、有用情報に含ませる処理を行ってもよい。例えば、演算部11は、特定した有用情報の内容に関連付けられている質問を有用情報データベース135から取得することにより、質問を作成する。
【0066】
或は、演算部11は、有用情報データベース135を用いない方法により、有用情報を特定してもよい。例えば、演算部11は、複数のロールモデルMRの間で、活動データベース133に記録された活動情報の各項目に含まれるキーワードに基づいて、各項目の類似度を計算し、類似度の高い項目を、有用情報として特定する。例えば、演算部11は、複数のロールモデルMRに係る活動情報に多く含まれているコンテンツを、有用情報として特定する。例えば、演算部11は、複数のロールモデルMRに係る活動情報の中から、類似医師に対して提供した情報の中で共通する情報を、有用情報として特定する。演算部11は、特定した有用情報の詳細な内容を問う質問を作成し、有用情報に含ませる処理を行ってもよい。
【0067】
MR支援装置1は、次に、一のロールモデルMRに係る活動情報及び有用情報を含む表示用データを端末装置2へ送信する(S14)。S14では、演算部11は、表示用データを、通信部15に端末装置2へ送信させる。S14により、MR支援装置1は、活動情報と、MRへの質問を含む有用情報とを出力する。
【0068】
端末装置2は、通信部26で表示用データを受信する(S15)。演算部21は、受信した表示用データに含まれる活動情報及び有用情報を表示部25に表示する(S16)。S16では、活動情報及び有用情報を含んだ支援画像を表示部25に表示することにより、一のロールモデルMRに係る活動情報及び有用情報を表示部25に表示する。
【0069】
図11は、支援画像5の第2の例を示す模式図である。支援画像5には、指定された担当医師が表示される指定医師欄511が含まれている。図10に示す如き担当医師欄51を利用して指定された指定医師が、指定医師欄511に表示される。支援画像5には、担当医師を変更する指示を入力するための医師変更欄512が含まれている。図11に示す例では、薬剤欄52を用いて薬剤Aが指定された状態を示している。また、支援画像5には、有用情報を表示するための有用情報表示欄53が含まれている。
【0070】
有用情報表示欄53には、S13で特定された有用情報が表示される。図11には、複数のロールモデルMRが、副作用に関する情報等の薬剤の安全性に関する情報である安全性情報を提供していることを、有用情報として表示した例を示している。また、S16では、演算部21は、MRに対する質問を表示部25に表示する。質問は、有用情報表示欄53に表示される。表示される質問は、S13で特定した有用情報に関して作成され、有用情報に含まれた質問である。
【0071】
MRである使用者4は、複数のロールモデルMRが類似医師に対して行った活動に応じた有用情報を確認することにより、自己が行うべき活動の指針を得ることができる。例えば、使用者4は、有用情報で示された活動と同様の活動を行うか、又は同様の活動に必要な情報を取得すべく学習を行うことができる。例えば、有用情報には、複数のロールモデルMRによって類似医師に対して提供した情報の中で共通する情報が含まれる。複数のロールモデルMRが共通して行った活動は、重要な活動である可能性が高い。使用者4は、重要な活動を確認することができ、重要な要素として今後の活動の参考とすることができる。
【0072】
また、使用者は、有用情報に含まれる質問を確認し、質問に対する答えを調べることにより、自己が行うべき活動に有用な情報を取得することができる。このようにして、MRが活動の指針を取得し、活動に必要な情報を取得することができるように、MRの活動の支援が行われると共に、MRの教育が行われる。端末装置2及びMR支援装置1は、質問に対する回答を受け付け、正解を出力する処理を行ってもよい。
【0073】
また、支援画像5には、複数のロールモデルMRが表示されるロールモデル欄54が含まれている。各ロールモデルMRは、ロールモデル1等の仮名で表される。ロールモデル1等の仮名は、予め行われた複数のロールモデルMRの順位付けに応じて、作成されてもよい。ロールモデル欄54には、ロールモデルMRの名前が表示されてもよい。ロールモデル欄54に表示された複数のロールモデルMRの中から、使用者4が操作部24を操作して、一のロールモデルMRを指定することにより、端末装置2は、ロールモデルMRの指定を受け付けることができる。図11では、ロールモデル1が指定された状態を示す。S16の段階では、複数のロールモデルMRの中で一のロールモデルMRが指定された状態となっている。例えば、最上位のロールモデルMRが指定された状態となる。
【0074】
支援画像5には、ロールモデル欄54に付属して、活動表示欄541が含まれている。活動表示欄541には、指定されたロールモデルMRに係る活動情報が表示される。表示される活動情報は、指定されたロールモデルMRに関してS12で取得された活動情報である。表示される活動情報は、指定されたロールモデルMRが過去に行った活動の内容を表す。特に、指定された担当医師に類似する類似医師、及び指定された薬剤に関する活動を表す活動情報が表示される。使用者4は、活動情報を確認することにより、ロールモデルMRが過去に行った活動を知ることができる。使用者4は、ロールモデルMRが過去に行った活動を参考にして、ロールモデルMRと同様の活動を行う等、自己の活動を改善するための判断材料を得ることができる。
【0075】
活動情報として、例えば、ロールモデルMRが類似医師へ訪問して情報を提供した内容を表す情報、又は類似医師に関連するコンテンツを視聴した履歴を表す情報が表示される。使用者4は、これらの情報を確認することができる。類似医師へ情報を提供した内容を確認することで、使用者4は、担当医師へ同様の情報を提供するか、又は類似医師へ提供された情報を学習対象とする等、担当医師に対する活動に関する指針を得ることができる。また、類似医師による講演の動画等、類似医師に関連するコンテンツを視聴した履歴を確認することで、使用者4は、同様のコンテンツを視聴する等の学習の指針を得ることができる。
【0076】
MRである使用者4よりも成績が上位であるMR、又は使用者4よりも医師からの反応が高いMRがロールモデルMRになっているので、使用者4は、自己よりも成績の良いMRの活動情報、又は自己よりも医師からの反応が高いMRの活動情報を確認することになる。表示される活動情報が表す活動には、使用者4よりも成績が良くなった原因となる活動、又は使用者4よりも医師からの反応が高くなった原因となる活動が含まれている。使用者4は、確認した活動情報を、自己の成績、又は医師からの反応を向上させるための指針として利用することができる。
【0077】
S12で活動情報が取得される際に、参考情報が関連付けられた項目が優先して取得されるので、活動情報が表示される際には、参考情報が関連付けられた項目が優先して表示される。参考情報が関連付けられた項目は、他のMRによって参考になったと評価された項目であるので、MRである使用者4にとっても、有用性が高い。このような項目が優先的に表示されることにより、使用者4にとって有益な情報が効率的に提供される。
【0078】
活動表示欄541には、複数の活動内容を表す活動情報が表示可能である。活動表示欄541には、日付を表示するための日付表示欄542が含まれており、複数の活動内容の夫々を表した情報は、日付別に表示される。日付別に活動の内容が表示されることにより、使用者4は、夫々の活動がいつ行われたのかを確認することができ、夫々の活動が行われた順番を確認することができる。例えば、使用者4は、活動のペース又は活動の順番を参考にして、自己の活動を改善するための判断材料を得ることができる。
【0079】
使用者4の担当医師に類似する類似医師を担当する他のMRがロールモデルMRとなるので、使用者4と同様の環境で使用者4に必要な経験を経た可能性が高いMRがロールモデルMRとなり得る。このため、表示される活動情報が表すロールモデルMRの活動の内容が、使用者4の今後の活動の指針となり得る。また、特定の薬剤に関する情報を提供したMRがロールモデルMRとなるので、使用者4は、特定の薬剤を扱う際に、特定の薬剤を扱った経験のあるロールモデルMRの活動を参考にすることができる。なお、MR支援装置1は、薬剤以外の医薬品等、その他の製品に応じてロールモデルMRを特定する処理を行ってもよい。
【0080】
活動表示欄541には、参考になったことを示す参考情報を入力するための参考情報入力欄543が含まれている。参考情報入力欄543は、活動情報に含まれる夫々の活動を表す項目に関連付けて表示される。使用者4は、操作部24を操作して、支援画像5上の参考情報入力欄543を指定することにより、参考情報を入力することができる。端末装置2は、参考情報を受け付ける。使用者4は、活動情報の中に、参考になったと感じた項目があった場合に、参考情報を入力することができる。活動表示欄541に付随して、参考情報受付数の値が表示される。使用者4は、活動情報の各項目が他のMRによってどの程度多く参考にされているのかを確認することができる。
【0081】
端末装置2は、次に、ロールモデルMRの指定の受付を待ち受ける(S17)。S17では、使用者4が操作部24を操作して、ロールモデル欄54に表示された複数のロールモデルMRの中から一のロールモデルMRを指定することにより、端末装置2は、ロールモデルMRの指定を受け付ける。例えば、使用者4は、その時点で指定されているロールモデルMRとは異なるロールモデルMRを指定する。ロールモデルMRの指定を受け付けた場合は(S17:YES)、端末装置2は、指定を受け付けたロールモデルMRを示す指定情報をMR支援装置1へ送信する(S18)。S18では、演算部21は、通信部26に指定情報をMR支援装置1へ送信させる。
【0082】
MR支援装置1は、通信部15で指定情報を受信する(S19)。MR支援装置1は、受信した指定情報が示すロールモデルMRに係る活動情報を端末装置2へ送信する(S20)。S20では、演算部11は、活動情報を通信部15に端末装置2へ送信させる。S20により、MR支援装置1は活動情報を出力する。
【0083】
端末装置2は、通信部26で活動情報を受信する(S21)。演算部21は、受信した活動情報を表示部25に表示する(S22)。S22では、支援画像を表示部25に表示することにより、指定されたロールモデルMRに係る活動情報を表示部25に表示する。なお、MR支援装置1は、S14で複数のロールモデルMRに係る活動情報を送信し、端末装置2は、複数のロールモデルMRに係る活動情報の中から、S17で指定されたロールモデルMRに係る活動情報を表示することにより、S18~S21の処理が省略されてもよい。
【0084】
使用者4は、複数のロールモデルMRの中から、活動情報を表示すべきロールモデルMRを選択することができる。複数のロールモデルMRに係る活動情報を順に表示させることにより、使用者4は、複数のロールモデルMRによる活動の内容を参考にすることができる。また、使用者4は、複数のロールモデルMRの中から、活動情報を出力すべきロールモデルMRを選ぶことで、自己に合ったロールモデルMRを選ぶこともできる。
【0085】
S22の後、又はロールモデルMRの指定の受付が無い場合は(S17:NO)、端末装置2は、参考情報の受付を待ち受ける(S23)。S23では、使用者4が操作部24を操作して、いずれかの参考情報入力欄543を指定することにより、参考情報を受け付ける。使用者4は、活動情報の中の参考になったと感じた項目に関連付けられた参考情報入力欄543を指定することにより、当該項目が参考になったことを示す参考情報を入力する。端末装置2は、受け付けた参考情報をMR支援装置1へ送信する(S24)。S24では、演算部21は、通信部26に参考情報をMR支援装置1へ送信させる。送信される参考情報には、参考になったとされた活動情報中の項目を示す情報、及び参考情報の対象となったロールモデルMRを示す情報が付属する。参考情報の対象となったロールモデルMRは、参考になったとされた項目を含む活動情報が表す活動を行ったロールモデルMRである。
【0086】
MR支援装置1は、通信部15で参考情報を受信する(S25)。S25により、MR支援装置1は参考情報を受け付ける。演算部11は、活動データベース133に記録されている活動情報に関連付けて参考情報を記録する(S26)。S26では、演算部11は、参考情報の対象となったロールモデルMRについて記録された活動情報の中の参考になったとされた項目に、参考情報を関連付ける。例えば、演算部11は、活動データベース133中で当該項目に関連付けられた参考情報受付数を加算する。
【0087】
演算部11は、次に、参考情報の対象となったロールモデルMRに対して、参考情報を受け付けたことを通知する(S27)。例えば、演算部11は、電子メールを利用することにより、通知を行う。参考情報を受け付けたことを通知されたロールモデルMRは、自己の活動が他のMRに参考にされたことを知ることができる。これにより、ロールモデルMRに活動をより充実させるための動機を喚起させることができる。
【0088】
S24の後、又は参考情報の受付が無い場合は(S23:NO)、端末装置2は、ロールモデルMRの変更の指示の受付を待ち受ける(S28)。S23では、使用者4が操作部24を操作して、ロールモデル欄54に表示された複数のロールモデルMRの中から、その時点で指定されているロールモデルMRとは異なるロールモデルMRを指定することにより、端末装置2は、ロールモデルMRの変更の指示を受け付ける。ロールモデルMRの変更の指示を受け付けた場合は(S28:YES)、端末装置2は、処理をS18へ戻して、新たに指定されたロールモデルMRを示す指定情報をMR支援装置1へ送信する。
【0089】
ロールモデルMRの変更の指示の受付が無い場合は(S28:NO)、端末装置2は、医師又は薬剤の変更の指示の受付を待ち受ける(S29)。S29では、使用者4が操作部24を操作して医師変更欄512を指定することに応じて、演算部21は、図10に示す如き担当医師欄51を表示部25に表示する。使用者4が操作部24を操作して、担当医師欄51に表示された複数の担当医師の中から、一の担当医師を指定することにより、端末装置2は、医師の変更の指示を受け付ける。また、薬剤欄52に表示された複数の薬剤の中から、使用者4が操作部24を操作して、その時点で指定されている薬剤とは異なる薬剤を指定することにより、端末装置2は、薬剤の変更の指示を受け付ける。
【0090】
医師又は薬剤の変更の指示を受け付けた場合は(S29:YES)、端末装置2は、処理をS8へ戻して、新たに指定された医師及び薬剤を示す指定情報をMR支援装置1へ送信する。医師又は薬剤の変更の指示の受付が無い場合は(S29:NO)、端末装置2は、処理を終了する。
【0091】
S1~S29の処理では、MR支援装置1は、医師及び薬剤の指定に応じてロールモデルMRを特定している。MR支援装置1は、医師及び薬剤の指定無しでロールモデルMRを特定する形態であってもよい。この形態では、例えば、MR支援装置1は、MRデータベース132にMR特性情報が記録されている複数のMRと、識別情報により識別されるMRとの類似度を計算し、類似度が高く、識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMRを、ロールモデルMRとして特定する。又は、例えば、MR支援装置1は、MRデータベース132にMR特性情報が記録されている複数のMRを特定のMR特性情報に基づいて分類し、識別情報により識別されるMRと同じ分類先に分類されたMRの中から、識別情報により識別されるMRよりも成績が上位であるMRを、ロールモデルMRとして特定する。この形態では、端末装置2は、MRの識別情報の受付に応じて、ロールモデル欄54及び活動表示欄541を含む支援画像5を表示部25に表示する。MR支援装置1は、医師又は薬剤の指定を受け付けた場合に、医師又は薬剤に応じてロールモデルMRを絞り込む処理を行ってもよい。
【0092】
MR支援装置1は、医師又は薬剤の一方の指定に応じて、ロールモデルMRを特定する形態であってもよい。この形態では、例えば、MR支援装置1は、指定された医師に類似する類似医師を担当医師としているMRをロールモデルMRの候補とし、候補の中からロールモデルMRを特定する。例えば、MR支援装置1は、指定された薬剤に関する情報を提供したことを示す情報が、活動データベース133に記録されている活動情報に含まれているMRを、ロールモデルMRの候補とし、候補の中からロールモデルMRを特定する。この形態では、端末装置2は、医師又は薬剤の一方の指定に応じて、ロールモデル欄54及び活動表示欄541を含む支援画像5を表示部25に表示する。MR支援装置1は、医師又は薬剤の他方の指定を受け付けた場合に、医師又は薬剤に応じてロールモデルMRを絞り込む処理を行ってもよい。
【0093】
以上詳述した如く、本実施形態においては、MR支援装置1は、MR特性情報に基づいて、ロールモデルMRを特定し、ロールモデルMRの過去の活動を表した活動情報を出力し、端末装置2は、活動情報を表示する。MRである使用者4は、活動情報を確認し、ロールモデルMRが過去に行った活動を知ることができる。使用者4は、ロールモデルMRが過去に行った活動から、日々の活動のための判断材料を得ることができる。例えば、使用者4は、ロールモデルMRの活動を参考にして、目標を立てるか、又は同様の活動を行う等、自己の活動を改善させることができる。また、使用者4は、ロールモデルMRの活動から、新たな知識を得ることができる。
【0094】
従来のMRは、限定的な情報を基に身近な他のMRをロールモデルにすることしかできなかった。本実施形態では、MR支援装置1、端末装置2、コンピュータプログラム131及び231によって、使用者4であるMRが、より自己に適した成績の良いロールモデルMRの活動情報を確認し、活動の指針を取得し、日々の活動に有用な情報を取得することができるように、MRの活動の支援が行われる。同時に、MRの日々の活動を改善させるため、多くの参考にすべきロールモデルMRの活動情報に基づいて、MRの個々の資質に応じた適切なMRの教育が行われる。他方、MRが参考になったと感じた活動情報に係るロールモデルMRへ、参考情報を受け付けたことが通知され、参考情報が記録されることにより、どのような活動情報がMRにとって参考になったのかが明らかとなる。
【0095】
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 MR支援装置
10 記録媒体
131 コンピュータプログラム
2 端末装置
20 記録媒体
231 コンピュータプログラム
3 通信ネットワーク
4 使用者
5 支援画像
図1
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