(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】二重周波数、直接駆動誘導結合プラズマ源
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240823BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
(21)【出願番号】P 2021564414
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 US2020029877
(87)【国際公開番号】W WO2020223127
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-24
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロング・マオリン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ユホウ
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520457(JP,A)
【文献】特開2018-032853(JP,A)
【文献】特開平10-125496(JP,A)
【文献】特開平05-275383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムにRF電力を供給するための方法であって、
第1の直接駆動回路に接続するように構成された第1のコネクタと、
コイル筐体に接続するように構成された複数の第2のコネクタと、
前記第1のコネクタと前記複数の第2のコネクタとの間に接続された第1の容量性回路と、
を含むジャンクションボックスを提供することと;
コイル筐体を提供することであって、前記コイル筐体は、
前記ジャンクションボックスの前記複数の第2のコネクタに接続された複数の第3のコネクタと、
前記コイル筐体の前記複数の第3のコネクタに接続された第1及び第2のコイルと、
を含む、ことと;
前記ジャンクションボックス及び前記コイル筐体を処理チャンバの窓に隣接して配置することと;
前記第1の容量性回路の静電容量値を較正することと;
前記第1の直接駆動回路を含む直接駆動筐体を、前記ジャンクションボックスに隣接させて配置することと:
を備え、
前記第1の直接駆動回路は、
第1の周波数にてクロック信号を生成するクロック発生器と、
前記クロック発生器の出力に接続されたゲートドライバと、
DC電源と、
前記ゲートドライバ及び前記DC電源に接続されたハーフブリッジと、を含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記較正は、前記処理チャンバ内でプラズマを発生させることなく実施される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記較正は大気圧で実施される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記較正は、前記第1の直接駆動回路の第1の周波数において直列共振をもたらすように実施される、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記直接駆動筐体を配置することは、前記第1の容量性回路の前記静電容量値を較正した後
に実行される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記ジャンクションボックスは、
第2の直接駆動回路に接続するように構成された第4のコネクタと、
前記コイル筐体に接続するように構成された複数の第5のコネクタと、
前記第4のコネクタと前記複数の第5のコネクタとの間に接続された第2の容量性回路と、を更に含む方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記コイル筐体は、
前記ジャンクションボックスの前記複数の第5のコネクタに接続された複数の第6のコネクタと、
前記コイル筐体の前記複数の第6のコネクタに接続された第3及び第4のコイルと、を含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第2の容量性回路の静電容量値を較正することを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記コイル筐体の前記複数の第3のコネクタが、前記ジャンクションボックスの前記複数の第2のコネクタに対する相対的移動を可能にする、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれ、
前記第3及び第4のコイルは互いに反対方向に巻かれ、
前記第1及び第2のコイルは、前記第3及び第4のコイルの内側又は外側の一方に配置されている、方法。
【請求項11】
請求項
1に記載の方法であって、
さらに、
前記第1の直接駆動回路
を動作させて、前記ジャンクションボックスの前記第1のコネクタに、第1のRF信号を出力すること、を備える、方法。
【請求項12】
基板処理システムにRF電力を供給するための直接駆動システムであって、
直接駆動筐体であって、
第1の周波数にてクロック信号を生成するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力に接続されたゲートドライバと、DC電源と、前記ゲートドライバ及び前記DC電源に接続されたハーフブリッジと、を含む第1の直接駆動回路と、
前記第1の直接駆動回路
の出力に接続された第1の
直接駆動出力コネクタと、
を含む、直接駆動筐体と;
前記直接駆動筐体に隣接して配置されたジャンクションボックスであって、
前記ジャンクションボックスの一方の側に位置し
、前記第1の
直接駆動出力コネクタと嵌合する、第1の
ジャンクションボックス入力コネクタと、
前記第1のジャンクションボックス入力コネクタに接続された第1の端子を有する第1の容量性回路と、
前記第1の容量性回路の
第2の端子に接続された
第1のジャンクションボックス出力コネクタと、
前記第1の容量性回路の前記第2の端子と接続された第2のジャンクションボックス出力コネクタと、
を含む、ジャンクションボックスと;
前記ジャンクションボックスに隣接して配置されたコイル筐体であって、
前記第1のジャンクションボックス出力コネクタと嵌合する第1のコイル筐体入力コネクタと、
前記第1のコイル筐体入力コネクタに接続された第1の端子を有する第1
のコイルと、
前記第2のジャンクションボックス出力コネクタと嵌合する第2のコイル筐体入力コネクタと、
前記第2のコイル筐体入力コネクタに接続された第1の端子を有する第2
のコイルと、
を含む、コイル筐体と、
を備える、直接駆動システム。
【請求項13】
請求項12に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2の
コイル筐体入力コネクタと
、前記
第1および第2の
ジャンクションボックス出力コネクタとが、前記第1及び第2のコイルの移動を可能にする、直接駆動システム。
【請求項14】
請求項12に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれている、直接駆動システム。
【請求項15】
請求項12に記載の直接駆動システムであって、
前記直接駆動筐体は、
第2の周波数にてクロック信号を生成する第2のクロック発生器と、前記第2のクロック発生器の出力に接続された第2のゲートドライバと、前記第2のゲートドライバおよび前記DC電源に接続された第2のハーフブリッジと、を有する第2の直接駆動回路と、
前記第2の直接駆動回路
の出力に接続された第2の
直接駆動出力コネクタと、を更に含む、直接駆動システム。
【請求項16】
請求項
15に記載の直接駆動システムであって、
前記ジャンクションボックスは、
前記第2の直接駆動出力コネクタと嵌合する第2のジャンクションボックス入力コネクタと、
前記第2の
ジャンクションボックス入力コネクタに接続された
第1の端子を有する第2の容量性回路と
、
前記第2の容量性回路の
第2の端子に接続された
第3のジャンクションボックス出力コネクタと、
前記第2の容量性回路の前記第2の端子に接続された第4のジャンクションボックス出力コネクタと、を更に含む、直接駆動システム。
【請求項17】
請求項
16に記載の直接駆動システムであって、
前記コイル筐体は、
前記第3のジャンクションボックス出力コネクタと嵌合する第3のコイル筐体入力コネクタと、
前記第3のコイル筐体入力コネクタに接続された第1の端子を有する第3
のコイルと、
前記第4のジャンクションボックス出力コネクタと嵌合する第4のコイル筐体入力コネクタと、
前記第4のコイル筐体入力コネクタに接続された第1の端子を有する第4のコイルと、を更に含む、直接駆動システム。
【請求項18】
請求項
17に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれ、
前記第3及び第4のコイルは互いに反対方向に巻かれている、直接駆動システム。
【請求項19】
請求項
17に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルは、前記第3及び第4のコイルの内側又は外側のうちの一方に配置されている、直接駆動システム。
【請求項20】
請求項
17に記載の直接駆動システムであって、
前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子が、基準電位に接続されている、直接駆動システム。
【請求項21】
請求項
17に記載の直接駆動システムであって、
前記コイル筐体は、前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子にそれぞれ接続されている第5
のコイル筐体入力コネクタ、第6
のコイル筐体入力コネクタ、第7
のコイル筐体入力コネクタ、及び第8のコネクタ
のコイル筐体入力コネクタを更に含み、
前記ジャンクションボックスは、基準電位に接続され前記コイル筐体の前記第5、第6、第7、及び第8の
コイル筐体入力コネクタとそれぞれ嵌合する
第3、第4、第5および第6のジャンクションボックス入力コネクタを更に含む、直接駆動システム。
【請求項22】
請求項
17に記載の直接駆動システムであって、
前記ジャンクションボックスは、第3の容量性回路を更に含み、
前記第1及び第2のコイルの第2の端子が、基準電位に接続され、
前記第3及び第4のコイルの第2の端子が、前記第3の容量性回路に接続されている、直接駆動システム。
【請求項23】
請求項
17に記載の直接駆動システムであって、
前記ジャンクションボックスは、第3の容量性回路を更に含み、
前記コイル筐体は、前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子にそれぞれ接続されている第5
のコイル筐体入力コネクタ、第6
のコイル筐体入力コネクタ、第7
のコイル筐体入力コネクタ、及び第8
のコイル筐体入力コネクタを更に含み、
前記ジャンクションボックスは、基準電位に接続された
第3のジャンクションボックス入力コネクタおよび第4のジャンクションボックス入力コネクタを更に含み
、
前記ジャンクションボックスは、前記第3の容量性回路に接続された
第5のジャンクションボックス入力コネクタおよび第6のジャンクションボックス入力コネクタを更に含み、
前記
第3、第4、第5および第6のジャンクションボックス
入力コネクタはそれぞれ、前記コイル筐体の前記第5、第6、第7、及び第8の
コイル筐体入力コネクタと嵌合している、直接駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/840,554号の利益を主張する。上記で参照された出願の開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システム用の二重周波数の直接駆動誘導結合プラズマ(ICP)源に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される「背景技術」の記載は、本開示の文脈を概略的に提示することを目的としている。本明細書の「背景技術」に記載されている範囲における、本明細書にて名前を挙げた発明者の業績、並びに、出願時点で先行技術と見なされないかも知れない本明細書の態様は、明示的にも暗黙的にも本開示に対する先行技術として認められていない。
【0004】
基板処理システムは、典型的には、半導体ウェハーなどの基板上の薄膜をエッチングするために使用される。エッチングは通常、ウェット化学エッチング又はドライエッチングのいずれかを含む。ドライエッチングは、誘導結合プラズマ(ICP)又は容量結合プラズマ(CCP)によって生成されたプラズマを使用して実施されてよい。ICPは、RF駆動システムと、処理チャンバの外側に配置され誘電体窓に隣接するコイルによって生成されてよい。処理チャンバ内を流れる処理ガスが点火されてプラズマが生成される。元来、RF駆動システムは、コイルのインピーダンスと処理チャンバのインピーダンスに整合する出力インピーダンスを有するべきである。インピーダンスの不整合が生じると電力が反射され、これは非効率であり、他の問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
プラズマ処理システムにRF電力を供給する方法は、第1の直接駆動回路に接続するように構成された第1のコネクタと、コイル筐体に接続するように構成された複数の第2のコネクタと、第1のコネクタと複数の第2のコネクタとの間に接続された第1の容量性回路と、を含むジャンクションボックスを提供することを含む。本方法は、コイル筐体を提供することを含み、コイル筐体は、ジャンクションボックスの複数の第2のコネクタに接続された複数の第3のコネクタと、コイル筐体の複数の第3のコネクタに接続された第1及び第2のコイルと、を含む。本方法は、ジャンクションボックス及びコイル筐体を処理チャンバの窓に隣接して配置することを含む。本方法は、第1の容量性回路の静電容量値を較正することを含む。
【0006】
他の特徴では、較正は、処理チャンバ内でプラズマを発生させることなく実施される。較正は大気圧で実施される。較正は、第1の直接駆動回路の第1の周波数において直列共振をもたらすように実施される。
【0007】
他の特徴では、本方法は、第1の容量性回路の静電容量値を較正した後、第1の直接駆動回路を含む直接駆動筐体を、ジャンクションボックスに隣接させて配置することを更に含む。
【0008】
他の特徴では、ジャンクションボックスは、第2の直接駆動回路に接続するように構成された第4のコネクタと、コイル筐体に接続するように構成された複数の第5のコネクタと、第4のコネクタと複数の第5のコネクタとの間に接続された第2の容量性回路と、を更に含む。
【0009】
他の特徴では、コイル筐体は、ジャンクションボックスの複数の第5のコネクタに接続された複数の第6のコネクタと、コイル筐体の複数の第6のコネクタに接続された第3及び第4のコイルと、を含む。
【0010】
他の特徴では、本方法は、第2の容量性回路の静電容量値を較正することを含む。コイル筐体の複数の第3のコネクタが、ジャンクションボックスの複数の第2のコネクタに対する相対的移動を可能にする。
【0011】
他の特徴では、第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれ、第3及び第4のコイルは互いに反対方向に巻かれ、第1及び第2のコイルは、第3及び第4のコイルの内側又は外側の一方に配置されている。
【0012】
他の特徴では、第1の直接駆動回路は、第1の周波数にてクロック信号を生成するクロック発生器と、クロック発生器の出力に接続されたゲートドライバと、DC電源と、ゲートドライバ及びDC電源に接続されたハーフブリッジと、を含む。
【0013】
基板処理システムにRF電力を供給するための直接駆動システムが直接駆動筐体を含み、直接駆動筐体は、直接駆動筐体内に位置し第1の周波数で動作する第1の直接駆動回路と、第1の直接駆動回路に接続された第1のコネクタとを含む。ジャンクションボックスは、直接駆動筐体に隣接して配置され第1の直接駆動回路に接続された第1の容量性回路と、ジャンクションボックスの一方の側に位置し、第1の容量性回路の1つの端子に接続され、直接駆動筐体の第1のコネクタと嵌合する、第2のコネクタと、第1の容量性回路の別の端子に接続された第3及び第4のコネクタと、ジャンクションボックスに隣接して配置されたコイル筐体であって、第1及び第2のコイルと、ジャンクションボックスの第3及び第4のコネクタと嵌合する第5及び第6のコネクタとを含む、コイル筐体と、を含む。
【0014】
他の特徴では、コイル筐体の第5及び第6のコネクタと、ジャンクションボックスの第3及び第4のコネクタとが、第1及び第2のコイルの移動を可能にする。第1の直接駆動回路は、第1の周波数にてクロック信号を生成するクロック発生器と、クロック発生器の出力に接続されたゲートドライバと、DC電源と、ゲートドライバ及びDC電源に接続されたハーフブリッジと、を含む。
【0015】
他の特徴では、第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれている。
【0016】
他の特徴では、直接駆動筐体は、直接駆動筐体内に位置し第2の周波数で動作する第2の直接駆動回路と、第2の直接駆動回路に接続された第7のコネクタと、を更に含む。
【0017】
他の特徴では、ジャンクションボックスは、第2の直接駆動回路に接続された第2の容量性回路と、ジャンクションボックスの一方の側に位置し、第2の容量性回路の1つの端子に接続され、直接駆動筐体の第7のコネクタと嵌合する、第8のコネクタと、第2の容量性回路の別の端子に接続された第9及び第10のコネクタと、を更に含む。
【0018】
他の特徴では、コイル筐体は第3及び第4のコイルと、ジャンクションボックスの第9及び第10のコネクタと嵌合する第11及び第12のコネクタと、を更に含む。
【0019】
他の特徴では、第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれている。第3及び第4のコイルは互いに反対方向に巻かれている。第1及び第2のコイルは、第3及び第4のコイルの内側又は外側の一方に配置されている。
【0020】
他の特徴では、第1及び第2のコイルの第1の端子は、第1の容量性回路に接続されている。第3及び第4のコイルの第1の端子が、第2の容量性回路に接続されている。第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子が、基準電位に接続されている。
【0021】
他の特徴では、第1、第2、第3、及び第4のコイルの第1の端子がそれぞれ、コイル筐体の第5、第6、第11、及び第12のコネクタに接続されている。コイル筐体は、第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子にそれぞれ接続されている第13、第14、第15、及び第16のコネクタを更に含む。ジャンクションボックスは更に、基準電位に接続されコイル筐体の第13、第14、第15、及び第16のコネクタとそれぞれ嵌合する第17、第18、第19、及び第20のコネクタを更に含む。
【0022】
他の特徴では、ジャンクションボックスは第3の容量性回路を更に含む。第1及び第2のコイルの第1の端子が、第1の容量性回路に接続されている。第3及び第4のコイルの第1の端子が、第2の容量性回路に接続されている。第1及び第2のコイルの第2の端子が、基準電位に接続されている。第3及び第4のコイルの第2の端子が、第3の容量性回路に接続されている。
【0023】
他の特徴では、ジャンクションボックスは第3の容量性回路を更に含む。第1、第2、第3、及び第4のコイルの第1の端子がそれぞれ、コイル筐体の第5、第6、第11、及び第12のコネクタに接続されている。コイル筐体は、第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子にそれぞれ接続されている第13、第14、第15、及び第16のコネクタを更に含む。ジャンクションボックスは、基準電位に接続された第17及び第18のコネクタを更に含み、第3の容量性回路に接続された第19及び第20のコネクタを更に含む。ジャンクションボックスの第17、第18、第19、及び第20のコネクタはそれぞれ、コイル筐体の第13、第14、第15、及び第16のコネクタと嵌合している。
【0024】
本開示の適用可能な更なる領域が、「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」、及び図面から明らかとなるであろう。「発明を実施するための形態」及び具体例は、例示のみを目的としており、開示の範囲を限定することを意図していない。
【0025】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本開示による基板処理システムの一実施例の機能ブロック図である。
【0027】
【
図2】
図2は、本開示による、ICPを生成するための直接駆動システムの一実施例の機能ブロック図及び概略回路図である。
【0028】
【
図3】
図3は、本開示による、直接駆動システムにおける直接駆動回路の一実施例の機能ブロック図及び概略回路図である。
【0029】
【
図4】
図4は、本開示による、作業中の直接駆動システムの一実施例の機能ブロック図である。
【0030】
【
図5】
図5は、本開示による、較正中の直接駆動システムの一実施例の機能ブロック図である。
【0031】
【
図6】
図6は、本開示による、コイルアセンブリ、雌型コネクタ、及びフレームの一実施例の斜視図である。
【0032】
【
図7】
図7は、本開示による、直接駆動回路をコイルアセンブリに接続するジャンクションボックスの一実施例の斜視図である。
【0033】
【
図8】
図8は、本開示による、雄型コネクタと雌型コネクタとの間の相対的移動を可能にする雌型コネクタの一実施例の斜視図である。
【0034】
【
図9】
図9は、本開示による、ICPを生成するための直接駆動システムの一実施例の機能ブロック図及び概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面において、参照番号は、類似の及び/又は同一の要素を識別するために再利用される場合がある。
【0036】
元来、RF駆動システムは、コイルのインピーダンスと処理チャンバのインピーダンスに整合する出力インピーダンスを有するべきである。インピーダンスの不整合が生じると電力が反射され、これは非効率であり、他の問題を引き起こす可能性がある。Lam Research Corporationから入手可能なDirect-Drive(商標)技術を使用すると、駆動回路の出力インピーダンスとコイル/チャンバの出力インピーダンスとの間でインピーダンス整合をする必要はない。直接駆動回路に関連する追加情報は、同一出願人により2018年6月13日に出願された、「Direct Drive RF Circuit for Substrate Processing Systems」と題する米国特許出願第16/007,481号に見出すことができ、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0037】
ここで
図1を参照すると、本開示による基板処理システム110の一実施例が示される。基板処理システム110は、直接駆動回路112と、共振キャパシタ回路114と、内側コイル及び外側コイル、並びにコイルを支持する任意選択のフレーム(
図4及び
図6に示す)を含むコイルアセンブリ116と、を含む。いくつかの例では、直接駆動回路112、共振キャパシタ回路114、及びコイルアセンブリ116は、
図2に示す対応する筐体内に配置されている。いくつかの例では、共振キャパシタ回路114は1つ以上の可変キャパシタを含み、インダクタを含まない。いくつかの例では、RF電力をパルスオン及びパルスオフすることができ、及び/又はRF電力の振幅又はレベルを変化させることができる。
【0038】
誘電体で作製された窓124が、処理チャンバ128の一方の側に沿って配置されている。処理チャンバ128は、基板支持体(又はペデスタル)132を更に含む。基板支持体132は、静電チャック(ESC)、又は基板134を支持するための機械式チャック若しくは他のタイプのチャックを含んでよい。プロセスガスが処理チャンバ128に供給され、処理チャンバ128の内部でプラズマ140が生成される。プラズマ140は、基板134の露出面をエッチングする。RFバイアス回路152を使用して、作業中に基板支持体132内の電極にRFバイアスを供給してよい。
【0039】
ガス供給システム156を使用して、処理チャンバ128にプロセスガス混合物を供給してよい。ガス供給システム156は、プロセス及び不活性ガス源157、ガス計量システム158(バルブ及びマスフローコントローラなど)、及びマニホールド159を含んでよい。ヒーター/クーラ164を使用して、基板支持体132を所定の温度に加熱/冷却してよい。排気システム165は、パージ又は排気によって処理チャンバ128から反応物を除去するためのバルブ166及びポンプ167を含む。
【0040】
コントローラ154を使用して、エッチングプロセスを制御してよい。コントローラ154は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の供給、プラズマの発生、維持及び消滅、反応物の除去、冷却ガスの供給などを制御する。
【0041】
ここで
図2を参照すると、直接駆動システム200が示される。直接駆動回路112は、直接駆動筐体210内に配置され得る。キャパシタ回路114は、ジャンクションボックス222内に配置されてもよい。コイルアセンブリ116は、コイル筐体230内に配置されてもよい。
【0042】
直接駆動筐体210は、1つ以上の直接駆動回路112を収容する。例えば、直接駆動筐体210は、第1の周波数で動作する第1の直接駆動回路214-1及び第2の周波数で動作する第2の直接駆動回路214-2(直接駆動回路214と総称される)を収容する。いくつかの例では、第1及び第2の直接駆動回路214-1及び214-2の第1及び第2の周波数は異なる。いくつかの例では、第1の周波数及び第2の周波数は、0.2MHz~20MHzの範囲にある。いくつかの例では、第1の周波数は1~6MHzの範囲にあり、第2の周波数は7MHz~20MHzの範囲にある。いくつかの例では、第1の周波数は2~4MHzの範囲にあり、第2の周波数は11~15MHzの範囲にある。いくつかの例では、第1の周波数は2MHzであり、第2の周波数は13.56MHzである。
【0043】
第1の直接駆動回路214-1は、第1のRF信号を、ジャンクションボックス222内に位置し並列に接続された、キャパシタ回路114の第1及び第2のキャパシタC1及びC2の第1の端子に出力する。第1及び第2のキャパシタC1及びC2の第2の端子はそれぞれ、コイルアセンブリ116の外側コイル234-A及び234-B(一括して外側コイル234)の第1の端子に接続されている。キャパシタ回路114の第1及び第2のキャパシタC1及びC2は、第1の容量性回路と呼ばれてよい。いくつかの例では、コイルアセンブリ116は、コイル234及び238を支持するためのフレーム(以下の
図4及び
図6に示される)を更に含む。コイルアセンブリ116の外側コイル234-A及び234-Bの第2の端子は接地に接続されている。いくつかの例では、第1の端子は、外側コイル234の半径方向の内側端部に位置し、第2の端子は、外側コイル234の半径方向の外側端部に位置し、コイルは、互いに反対方向に巻かれている。
【0044】
第2の直接駆動回路214-2は、第2のRF信号を、ジャンクションボックス222内のキャパシタ回路114の第3のキャパシタC3の第1の端子に出力する。第3のキャパシタC3の第2の端子は、コイルアセンブリ116の内側コイル238-A及び238-Bの第1の端子に接続されている。内側コイル238-A及び238-Bの第2の端子は、接地に接続されている。キャパシタ回路114の第3のキャパシタC3は、第2の容量性回路と呼ばれてよい。外側コイル234及び内側コイル238は、コイル筐体230内に配置されてよい。いくつかの例では、第1の端子は、内側コイル238の半径方向の内側端部に位置し、第2の端子は、内側コイル238の半径方向の外側端部に位置し、コイルは互いに反対方向に巻かれている。
【0045】
ここで
図3を参照すると、直接駆動回路214の一実施例が示される。直接駆動回路の特定の実施例が示されているが、他のタイプの直接駆動回路が使用されてよい。直接駆動回路214は、RF周波数f
RF(例えば、第1の周波数又は第2の周波数)でクロック信号を出力するクロック発生器310を含む。クロック発生器310の出力が、ゲートドライバ322に入力される。ゲートドライバ332の出力が、ハーフブリッジ324のスイッチに入力される。いくつかの例では、ゲートドライバ322は、増幅器344及び反転増幅器346を含む。ゲートドライバ322の出力が、ハーフブリッジ324の第1のスイッチ340の制御端子に入力される。反転増幅器346の出力が、ハーフブリッジ324の第2のスイッチ342の制御端子に入力される。
【0046】
第1のスイッチ340の第1の端子が、DC電源326に接続されている。第1のスイッチ340の第2の端子が、第2のスイッチ342の第1の端子に接続されている。第2のスイッチ342の第2の端子が、接地に接続されている。いくつかの例では、クロックオン/オフ回路364は、乗算器365の1つの入力にオン/オフ信号を供給する。乗算器365の別の入力は、クロック発生器310の出力を受け取る。クロックオン/オフ回路364及び乗算器365を使用して、クロック発生器310からの出力を有効又は無効にすることができる。
【0047】
いくつかの例では、調整回路362が、乗算器363の1つの入力にオン/オフ信号又は可変信号を生成する。乗算器363の別の入力は、DC電源326の出力を受け取る。調整回路362及び乗算器363は、DC電源326によって出力される振幅を選択的に変化させる。いくつかの例では、クロックオン/オフ回路364及び調整回路362は、プラズマのパルス化のため又はレベル間のシフトのために使用され得る。
【0048】
ここで
図4を参照すると、直接駆動筐体210は、ジャンクションボックス222に隣接し接触して配置されている。ジャンクションボックス222は、コイル筐体230に隣接し接触して配置されている。窓124は、コイル筐体230と処理チャンバ128との間に配置されている。
【0049】
嵌合コネクタ418は、直接駆動筐体210の第1及び第2の直接駆動回路214-1、214-2を、それぞれ、ジャンクションボックス222のキャパシタC1及びC2及びC3に取り外し可能に接続するために使用される。いくつかの例では、嵌合コネクタ418は、雌型コネクタ420及び雄型コネクタ422を含む。いくつかの例では、雄型コネクタ422は、絶縁ベース部分によって取り囲まれ、そこから延びる中心導体又はシャフトを含む。いくつかの例では、雌型コネクタ420は、絶縁ベース部分によって取り囲まれた中心導電性空洞を含む。いくつかの例では、雄型コネクタ422は、雌型コネクタ420との間の電気接続を維持しながら、雌型コネクタ420に対して垂直に移動することができる。
【0050】
同様に、嵌合コネクタ428は、キャパシタC1及びC2を外側コイル234に接続し、キャパシタC3を内側コイル238に接続するために使用される。いくつかの例では、嵌合コネクタ428は、雄型コネクタ430及び雌型コネクタ434を含む。いくつかの例では、雄型コネクタ430は、絶縁外側部分によって取り囲まれ、そこから延びる中心導体又はシャフトを含む。いくつかの例では、雌型コネクタ434は、絶縁外側部分によって取り囲まれた中心導体空洞を含む。いくつかの例では、雄型コネクタ430は、雌型コネクタ434との間の電気接続を維持しながら、雌型コネクタ434に対して移動することができる。外側コイル234及び内側コイル238の相対位置を支持及び維持するためにフレーム436を使用してよい。フレーム436は、雌型コネクタ434が外側コイル234及び内側コイル238に接続するためのアクセス穴を含んでよい。
【0051】
基板処理チャンバ128が真空で動作するとき、窓124は内向きに湾曲し得る。処理チャンバ内の圧力が大気圧に戻ると、窓124は公称位置に戻る。嵌合コネクタ418及び428は、窓124に対して静止している外側コイル234及び内側コイル238の移動を補償して、窓124に対するそれらの位置を維持し、これにより、インピーダンス変動が低減される。
【0052】
ここで
図5を参照すると、較正中の直接駆動システムが示される。(直接駆動回路214を有する)直接駆動筐体210をジャンクションボックス222に接続する前に、較正が実施される。ジャンクションボックス222は、外側コイル234及び内側コイル238が、ジャンクションボックス222内に位置するそれらの対応するキャパシタと直列共振するように較正される。いくつかの例では、較正は、ジャンクションボックス222への入力の各々に対して、それぞれ、対応する公称中心動作周波数で(例えば、2MHz又は13.56MHZでのみ)実施される。いくつかの例では、較正は(プラズマがない大気圧のプロセスチャンバに対応する)無負荷状態で実施される。較正により、設計公差によって引き起こされる変動が除去されるので、二重周波数直接駆動システムにおいて、ある処理チャンバから別の処理チャンバへと同じ負荷が提示される。
【0053】
いくつかの例では、較正回路520は、ジャンクションボックス222の一方の入力に接続され、ネットワークアナライザ530は、ジャンクションボックス222の他方の入力に接続される。較正回路520は試験信号を生成し、ネットワークアナライザ520は応答を測定する。キャパシタに対する調整機構がモータを含む場合、ネットワークアナライザ520からのフィードバックを使用してプロセスを繰り返すことができる。このプロセスは、較正回路520及びネットワークアナライザ520の位置を切り替えることにより、ジャンクションボックス222の他の入力に対して繰り返すことができる。
【0054】
ここで
図6を参照すると、コイルアセンブリ600が示されている。コイルアセンブリ600は、外側コイル234及び内側コイル238、フレーム436、並びに雌型コネクタ434を含む。いくつかの例では、フレーム436は、アーム610が90°間隔で配置されアーム610の端部の近くで弓状部分620が円周方向に両方向に延びる「X」形状を有する。ねじ又はリベットなどの締結具640を使用して、フレーム436が外側コイル234及び内側コイル238に直接接続されてよい。いくつかの例では、フレーム436は絶縁材料で作製されている。
【0055】
ここで
図7を参照すると、ジャンクションボックス222は、直接駆動筐体210内の直接駆動回路214を、外側コイル234及び内側コイル238に接続している。ジャンクションボックス222は、側壁710、712、716及び718を含む。側壁710と716との間に、内壁722及び724が配置されている。内壁724と側壁712との間に、内壁726が配置されている。側壁710、716、718と内壁720との間に、キャパシタC1及びC2が配置されている。側壁710、712、716と内壁724及び726との間に、キャパシタC3が配置されている。
【0056】
ファンアセンブリ730が側壁712に隣接して配置されて、側壁712にある穴734を通してジャンクションボックス222内へと空気流が供給される。またファンアセンブリ740が、側壁718に隣接して配置されて、側壁718にある穴744を通してジャンクションボックス222内へと空気流が供給される。雄型コネクタのうちの第1のもの422-1が、ストラップ752によってキャパシタC3の1つのプレートに接続されている。キャパシタC3の第2のプレートが、ストラップ754によって(絶縁体755によって取り囲まれている)導体756に接続されている。導体756はストラップ757に接続され、ストラップ757は雄型コネクタ430のうちの2つに接続されている。ジャンクションボックス222の底面782を通る空気流を可能にするために、1つ以上の穴780を設けてよい。
【0057】
雄型コネクタ430のうちの1つをストラップ758がジャンクションボックス222に接続する。雄型コネクタ430のうちの2つにストラップ764が接続されている。ストラップ770及び772が、雄型コネクタ430のうちの2つをジャンクションボックス222に接続する。ストラップ764は、導体766によって(絶縁体768の中を通って)ストラップ770に接続されている。ストラップ770は、キャパシタC1及びC2の第1のプレートに接続されている。キャパシタC1及びC2の第2のプレートが、ストラップ772によって雄型コネクタのうちの第2のもの422-2に接続されている。
【0058】
いくつかの例では、キャパシタC1、C2、及びC3は、キャパシタC1、C2、及びC3のプレート間の関係を変更する調整機構を含む可変キャパシタである。いくつかの例では、キャパシタC1、C2、及びC3は、異なる直径を有し、同心円状に配置された第1及び第2の金属シリンダを含む。キャパシタC1、C2、及びC3の静電容量値は、第1及び第2の金属シリンダの重なりの量によって規定される。いくつかの例では、調整機構748は、第1の金属シリンダを第2の金属シリンダに対して軸方向に(又はその逆に)移動させて重なりの量を変化させるねじ、モータ、又は他の機構を含む。
【0059】
ファンアセンブリ730及び740は、空気流をジャンクションボックス222の側部コンパートメント790及び792内へと送り、次いでジャンクションボックス222の中央コンパートメント794へと送る。空気は、底面782にある穴780を通って、及び/又は排気経路796を通って出る。
【0060】
ここで
図8を参照すると、雌型コネクタ434は、雄型コネクタ430と雌型コネクタ434との間の相対的移動を可能にしている。いくつかの例では、雌型コネクタ434は本体810を含む。本体810からシャフト814が延び、ねじ付きの外側表面818を含む。雄型コネクタ430のシャフトは、雌型コネクタ434の本体810によって画定される空洞820内へと挿入される。空洞820の内側表面は、雄型コネクタ430と雌型コネクタ434との間の移動を可能にしながら、それらの間の電気接続を維持しながら、雄型コネクタ430のシャフトの外側表面と係合する、ばね状の表面830を画定する。
【0061】
ここで
図9を参照すると、ジャンクションボックス222-1を備える直接駆動システム200-1が示される。直接駆動システム200-1のジャンクションボックス222-1は、内側コイル238-A及び238-B(T3及びT4として識別)の第2の端子が接地に接続されておらず、図示するように第4のキャパシタC4に接続されているという点で、
図2を参照して示し説明した、直接駆動システム200のジャンクションボックス222とは異なる。第4のキャパシタC4は、第3の容量性回路と呼ばれてよい。
【0062】
例えば、第4のキャパシタC4は、固定真空キャパシタC4(例えば、400pF)であってよい。第4のキャパシタC4を含まない、(T1及びT2として識別される)内側コイル238-A及び238-Bの第1の端子のRF電圧は、
図2に示す構成と比較して、内側コイル238-A及び238-BにおけるRF電流が同じ場合に、約半分に減少する。同時に、第4のキャパシタC4はまた、端子T3及びT4のRF電圧を、端子T1及びT2のRF電圧とほぼ同じ電圧に増加させるが、極性は逆である。対照的に、
図2に示す構成では、端子T3及びT4は接地されているので、端子T3及びT4におけるRF電圧はゼロボルトである。第4のキャパシタC4は、T1、T2、T3、及びT4のうちのRF電圧の最大値を低減させ、その結果、内側コイルの端子は、セラミック窓124へのスパッタリングを生じさせる閾値を超える大きさのRF電圧を持つことはない。窓124へのスパッタリングは、基板134上への金属汚染及び粒子を生成し得るので、これは有利である。第4のキャパシタC4は、窓124上へのスパッタリングを防止し、これは次いで、基板134上への金属汚染及び粒子を防止する。
【0063】
前述の説明は本質的に単なる例示に過ぎず、本開示、その適用又は使用を限定することは決して意図されていない。本開示の広範な教示は、様々な形で実装することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を検討すると、他の修正形態が明らかになるであろうから、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法における1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行されてよいことを理解すべきである。更に、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載されているこれらの特徴のうちのいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかに実装することができ、及び/又は、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができ、その組み合わせは、たとえ明示的に説明されていなくてよい。換言すれば、記載した実施形態は相互排他的ではなく、1つ以上の実施形態の順序を互いに並べ換えることは、本開示の範囲内にとどまる。
【0064】
要素間の空間的及び機能的関係(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「隣の」、「上の」、「上方の」、「下方の」、「配置された」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接」であると明示的に記載されていない限り、上述した開示に、第1の要素と第2の要素との間の関係が記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、1つ以上の介在要素が(空間的又は機能的のいずれかで)第1の要素と第2の要素との間に存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用する場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つ、という語句は、非排他的論理和ORを使用した論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0065】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上述した実施例の一部であってよいシステムの一部である。このようなシステムは、処理ツール(単数又は複数)、チャンバ(単数又は複数)、処理用プラットフォーム(単数又は複数)、及び/又は特定の処理構成要素(ウェハーペデスタル、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウェハー又は基板の処理前、処理中、及び処理後の作業を制御するための電子機器に組み込まれてよい。電子機器は、システム(単数又は複数)の様々な構成要素又は副部品を制御してよい「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じて、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置及び作業設定、特定のシステムと接続しているか又はインターフェースしているツール及び他の搬送ツール並びに/又はロードロックに対するウェハーの搬出入、を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれをも制御するようにプログラムされてよい。
【0066】
大まかに言って、コントローラは、様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有し、命令を受信し、命令を発行し、作業を制御し、クリーニング作業を有効にし、エンドポイント測定を有効にするような電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、及び/又は1つ以上のマイクロプロセッサ、又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラ、を含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウェハー上で若しくは半導体ウェハー用に、又はシステムに対して実施するための作業パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、作業パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウェハーダイの作製時に、1つ以上の処理ステップを実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0067】
いくつかの実装形態では、コントローラは、システムに組み込まれた、システムに結合された、若しくはシステムにネットワーク接続された、又はこれらの組み合わせである、コンピュータの一部であるか、又はそのコンピュータに結合されていてよい。例えば、コントローラは「クーラウド」内にあるか、又はファブホストコンピュータシステムの全て若しくは一部であってよく、それによりウェハー処理のリモートアクセスが可能になり得る。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造作業の現在の進行状況を監視し、過去の製造作業の履歴を調査し、複数の製造作業から傾向又は性能の指標を調査して、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、又は新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワーク又はインターネットを含んでよいネットワークを経由して、プロセスレシピをシステムに提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力若しくはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでよく、パラメータ及び/又は設定は次いで、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の作業中に実施される各処理ステップのためのパラメータを指定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、及びコントローラがインターフェースするか、又は制御するように構成されているツールのタイプに固有のものであってよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、1つ以上の個別のコントローラを備え、これらが一緒にネットワーク化され、本明細書に記載されるプロセス及び制御などの共通の目的に向けて動作することなどによって分散されてよい。そのような目的のための分散コントローラの例は、遠隔に置かれた(例えば、プラットフォームレベルで、又はリモートコンピュータの一部として)1つ以上の集積回路と通信状態にあるチャンバ上の1つ以上の集積回路であってよく、これらが組み合わされてチャンバでのプロセスを制御する。
【0068】
限定するわけではないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバ又はモジュール、堆積チャンバ又はモジュール、スピンリンスチャンバ又はモジュール、金属めっきチャンバ又はモジュール、クリーニングチャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ又はモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバ又はモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ又はモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、及び半導体ウェハーの作製及び/又は製造に関連するか若しくは使用されてよい任意の他の半導体処理システム、を含んでよい。
【0069】
上述したように、ツールによって実施されるプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路又はモジュール、他のツール構成要素、クーラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、隣り合うツール、工場全体に置かれたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場内のツール場所及び/又はロードポートとの間でウェハー容器を搬出入する材料搬送に使用されるツール、のうちの1つ以上と通信し得る。本開示は、以下の形態によって実現されてもよい。
[形態1]
プラズマ処理システムにRF電力を供給するための方法であって、
第1の直接駆動回路に接続するように構成された第1のコネクタと、
コイル筐体に接続するように構成された複数の第2のコネクタと、
前記第1のコネクタと前記複数の第2のコネクタとの間に接続された第1の容量性回路と、
を含むジャンクションボックスを提供することと;
コイル筐体を提供することであって、前記コイル筐体は、
前記ジャンクションボックスの前記複数の第2のコネクタに接続された複数の第3のコネクタと、
前記コイル筐体の前記複数の第3のコネクタに接続された第1及び第2のコイルと、
を含む、ことと;
前記ジャンクションボックス及び前記コイル筐体を処理チャンバの窓に隣接して配置することと;
前記第1の容量性回路の静電容量値を較正することと;
を含む方法。
[形態2]
形態1に記載の方法であって、
前記較正は、前記処理チャンバ内でプラズマを発生させることなく実施される、方法。
[形態3]
形態1に記載の方法であって、
前記較正は大気圧で実施される、方法。
[形態4]
形態1に記載の方法であって、
前記較正は、前記第1の直接駆動回路の第1の周波数において直列共振をもたらすように実施される、方法。
[形態5]
形態4に記載の方法であって、
前記第1の容量性回路の前記静電容量値を較正した後、前記第1の直接駆動回路を含む直接駆動筐体を、前記ジャンクションボックスに隣接させて配置することを更に含む、方法。
[形態6]
形態1に記載の方法であって、
前記ジャンクションボックスは、
第2の直接駆動回路に接続するように構成された第4のコネクタと、
前記コイル筐体に接続するように構成された複数の第5のコネクタと、
前記第4のコネクタと前記複数の第5のコネクタとの間に接続された第2の容量性回路と、を更に含む方法。
[形態7]
形態6に記載の方法であって、前記コイル筐体は、
前記ジャンクションボックスの前記複数の第5のコネクタに接続された複数の第6のコネクタと、
前記コイル筐体の前記複数の第6のコネクタに接続された第3及び第4のコイルと、を含む方法。
[形態8]
形態7に記載の方法であって、
前記第2の容量性回路の静電容量値を較正することを更に含む、方法。
[形態9]
形態1に記載の方法であって、
前記コイル筐体の前記複数の第3のコネクタが、前記ジャンクションボックスの前記複数の第2のコネクタに対する相対的移動を可能にする、方法。
[形態10]
形態8に記載の方法であって、
前記第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれ、
前記第3及び第4のコイルは互いに反対方向に巻かれ、
前記第1及び第2のコイルは、前記第3及び第4のコイルの内側又は外側の一方に配置されている、方法。
[形態11]
形態5に記載の方法であって、
前記第1の直接駆動回路は、
前記第1の周波数にてクロック信号を生成するクロック発生器と、
前記クロック発生器の出力に接続されたゲートドライバと、
DC電源と、
前記ゲートドライバ及び前記DC電源に接続されたハーフブリッジと、を含む、方法。
[形態12]
基板処理システムにRF電力を供給するための直接駆動システムであって、
直接駆動筐体であって、
前記直接駆動筐体内に位置し第1の周波数で動作する第1の直接駆動回路と、
前記第1の直接駆動回路に接続された第1のコネクタと、
を含む、直接駆動筐体と;
前記直接駆動筐体に隣接して配置されたジャンクションボックスであって、
前記第1の直接駆動回路に接続された第1の容量性回路と、
前記ジャンクションボックスの一方の側に位置し、前記第1の容量性回路の1つの端子に接続され、前記直接駆動筐体の前記第1のコネクタと嵌合する、第1のコネクタと、
前記第1の容量性回路の別の端子に接続された第2及び第3のコネクタと、
を含む、ジャンクションボックスと;
前記ジャンクションボックスに隣接して配置されたコイル筐体であって、
第1及び第2のコイルと、
前記ジャンクションボックスの前記第2及び第3のコネクタと嵌合する第1及び第2のコネクタと、
を含む、コイル筐体と、
を備える、直接駆動システム。
[形態13]
形態12に記載の直接駆動システムであって、
前記コイル筐体の前記第1及び第2のコネクタと、前記ジャンクションボックスの前記第2及び第3のコネクタとが、前記第1及び第2のコイルの移動を可能にする、直接駆動システム。
[形態14]
形態12に記載の直接駆動システムであって、
前記第1の直接駆動回路は、
前記第1の周波数にてクロック信号を生成するクロック発生器と、
前記クロック発生器の出力に接続されたゲートドライバと、
DC電源と、
前記ゲートドライバ及び前記DC電源に接続されたハーフブリッジと、を含む、直接駆動システム。
[形態15]
形態12に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれている、直接駆動システム。
[形態16]
形態12に記載の直接駆動システムであって、
前記直接駆動筐体は、
前記直接駆動筐体内に位置し第2の周波数で動作する第2の直接駆動回路と、
前記第2の直接駆動回路に接続された第2のコネクタと、を更に含む、直接駆動システム。
[形態17]
形態16に記載の直接駆動システムであって、
前記ジャンクションボックスは、
前記第2の直接駆動回路に接続された第2の容量性回路と、
前記ジャンクションボックスの一方の側に位置し、前記第2の容量性回路の1つの端子に接続され、前記直接駆動筐体の前記第2のコネクタと嵌合する、第2のコネクタと、
前記第2の容量性回路の別の端子に接続された第4及び第5のコネクタと、を更に含む、直接駆動システム。
[形態18]
形態17に記載の直接駆動システムであって、
前記コイル筐体は、
第3及び第4のコイルと、
前記ジャンクションボックスの前記第4及び第5のコネクタと嵌合する第3及び第4のコネクタと、を更に含む、直接駆動システム。
[形態19]
形態18に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルは互いに反対方向に巻かれ、
前記第3及び第4のコイルは互いに反対方向に巻かれている、直接駆動システム。
[形態20]
形態18に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルは、前記第3及び第4のコイルの内側又は外側のうちの一方に配置されている、直接駆動システム。
[形態21]
形態18に記載の直接駆動システムであって、
前記第1及び第2のコイルの第1の端子は、前記第1の容量性回路に接続され、
前記第3及び第4のコイルの第1の端子は、前記第2の容量性回路に接続され、
前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子が、基準電位に接続されている、直接駆動システム。
[形態22]
形態18に記載の直接駆動システムであって、
前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第1の端子はそれぞれ、前記コイル筐体の前記第1、第2、第3、及び第4のコネクタに接続され、
前記コイル筐体は、前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子にそれぞれ接続されている第5、第6、第7、及び第8のコネクタを更に含み、
前記ジャンクションボックスは、基準電位に接続され前記コイル筐体の前記第5、第6、第7、及び第8のコネクタとそれぞれ嵌合する第6、第7、第8、及び第9のコネクタを更に含む、直接駆動システム。
[形態23]
形態18に記載の直接駆動システムであって、
前記ジャンクションボックスは、第3の容量性回路を更に含み、
前記第1及び第2のコイルの第1の端子が、前記第1の容量性回路に接続され、
前記第3及び第4のコイルの第1の端子が、前記第2の容量性回路に接続され、
前記第1及び第2のコイルの第2の端子が、基準電位に接続され、
前記第3及び第4のコイルの第2の端子が、前記第3の容量性回路に接続されている、直接駆動システム。
[形態24]
形態18に記載の直接駆動システムであって、
前記ジャンクションボックスは、第3の容量性回路を更に含み、
前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第1の端子がそれぞれ、前記コイル筐体の前記第1、第2、第3、及び第4のコネクタに接続され、
前記コイル筐体は、前記第1、第2、第3、及び第4のコイルの第2の端子にそれぞれ接続されている第5、第6、第7、及び第8のコネクタを更に含み、
前記ジャンクションボックスは、基準電位に接続された第6及び第7のコネクタを更に含み、前記第3の容量性回路に接続された第8及び第9のコネクタを更に含み、
前記ジャンクションボックスの前記第6、第7、第8、及び第9のコネクタはそれぞれ、前記コイル筐体の前記第5、第6、第7、及び第8のコネクタと嵌合している、直接駆動システム。