(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】透明基板を処理する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240823BHJP
G03F 1/00 20120101ALI20240823BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240823BHJP
C03C 17/36 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F1/00 Z
H01L21/302 105A
C03C17/36
(21)【出願番号】P 2022550134
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(86)【国際出願番号】 US2021014589
(87)【国際公開番号】W WO2021173271
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-01
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ヨンアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チエン-アン
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/090485(WO,A1)
【文献】特開2019-219651(JP,A)
【文献】特開2006-220793(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159785(WO,A1)
【文献】特開2017-211803(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0168993(US,A1)
【文献】米国特許第04882616(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/20-1/86、7/20-7/24、9/00-9/02
C03C 15/00-23/00
H01L 21/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学デバイスのための膜スタックであって、
第1の表面及び第2の表面を備える
透明基板であって、前記第2の表面が前記第1の表面の反対側にあり、前記第1の表面が前記第2の表面の上方に配置された
、透明基板と、
前記第1の表面上に形成された
第4の層
であって、一酸化ニオブを含む第4の層と、
前記
第4の層上に形成されたハードマスク層であって、クロム、ルテニウム、又は窒化チタンのうちの一又は複数を含む、ハードマスク層と、
前記ハードマスク層上に形成された
第3の層と、
前記第2の表面上に形成された裏側層であって、導電層又は酸化物層のうちの一又は複数を含む、裏側層と
を備える、膜スタック。
【請求項2】
前記
第3の層が、ケイ素を含む、請求項1に記載の膜スタック。
【請求項3】
前記ハードマスク層が、10nmから400nmの範囲内の厚さを有する、請求項
1に記載の膜スタック。
【請求項4】
前記
第4の層が、20nmから500nmの範囲内の厚さを有し、
前記
第3の層が、10nmから200nmの範囲内の厚さを有する、請求項
3に記載の膜スタック。
【請求項5】
前記第2の表面上に形成された前記裏側層が、ケイ素又は酸化ケイ素のうちの一又は複数を含む、請求項
1に記載の膜スタック。
【請求項6】
前記裏側層が、10nmから600nmの範囲内の厚さを有する、請求項
5に記載の膜スタック。
【請求項7】
光学デバイスのための膜スタックを処理する方法であって、
前記膜スタックを提供することであって、前記膜スタックが、
第1の表面及び前記第1の表面の反対側にある第2の表面を備える
透明基板
と、
複数の層であって、
前記第1の表面上に形成された第4の層であって、一酸化ニオブを含む第4の層と、
前記第4の層の上に形成されたハードマスク層であって、クロム、ルテニウム、又は窒化チタンのうちの一又は複数を含む、ハードマスク層と、
前記ハードマスク層上に形成された第3の層と、
を含む、複数の層と、
前記第2の表面上に形成された裏側層であって、導電層または酸化物層のうちの一又は複数を含む、裏側層と、
を備える、膜スタックを提供することと、
前記複数の層の前記
第3の層を認識することと、
前記複数の層上に3重層リソグラフィ構造を形成するために、前記膜スタックをパターニングすることと、
前記
透明基板の前記第1の表面上に第1の複数の構造、及び前記第1の複数の構造の上に積み重ねられた第2の複数の構造を形成するために、前記3重層リソグラフィ構造及び前記複数の層をエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項8】
前記複数の層をエッチングすることが、前記
透明基板の前記第1の表面上に形成された
前記第4の層を前記第2の複数の構造に対して選択的エッチングすることを含み、前記エッチングは、バイナリエッチングを含み、前記バイナリエッチングは反応性イオンエッチングを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記パターニングすることの前に、前記ハードマスク層上に形成された一又は複数の位置合わせマークを使用して、リソグラフィシステムに対して前記膜スタックを整列させることを更に含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の層をエッチングすることが、前記
透明基板の前記第1の表面上に形成された
前記第4の層を
前記第2の複数の構造に対して選択的エッチングすることを含み、前記エッチングは傾斜エッチングを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記傾斜エッチングが、物理的イオン衝突を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の表面上に形成された前記裏側層が、ケイ素又は酸化ケイ素のうちの一又は複数を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の複数の構造が、10nmから400nmの範囲内の厚さを有する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記3重層リソグラフィ構造が、
前記第3の層上に形成された第1の層と、
前記第1の層上に形成された第2の層と、
前記第2の層上に形成された複数のフォトレジスト構造と
を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項15】
前記3重層リソグラフィ構造及び前記複数の層をエッチングすることが、
前記複数のフォトレジスト構造、前記フォトレジスト構造と垂直に整列した前記第1の層の部分、前記フォトレジスト構造と垂直に整列した前記第2の層の部分、及び前記フォトレジスト構造と垂直に整列した前記
第3の層の部分を、第1のエッチング速度でエッチングすることと、
前記フォトレジスト構造の間に垂直に整列した前記第1の層の部分、前記フォトレジスト構造の間に垂直に整列した前記第2の層の部分、及び前記フォトレジスト構造の間に垂直に整列した前記
第3の層の部分を、前記第1のエッチング速度とは異なる第2のエッチング速度でエッチングすることと
を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のエッチング速度が、前記第1のエッチング速度に対して2:1の比率である、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
光学デバイスのための膜スタックであって、
第1の表面及び第2の表面を備える
透明基板であって、前記第2の表面が前記第1の表面の反対側にあり、前記第1の表面が前記第2の表面の上方に配置された、
透明基板と、
前記第1の表面上に形成された複数のスタックであって、前記複数のスタックの各スタックが、
前記
透明基板の前記第1の表面上に形成された第1の複数の構造、及び
前記第1の複数の構造の上に積み重ねられた第2の複数の構
造
を含
む、複数のスタックと、
前記
透明基板の前記第2の表面上に形成された裏側層と
を備え
、
前記第1の複数の構造又は前記第2の複数の構造のうちの一又は複数が、
一酸化ニオブを含むデバイス機能層と、
前記デバイス機能層上に形成されたハードマスク層であって、クロム、ルテニウム、又は窒化チタンのうちの一又は複数を含むハードマスク層と、
前記ハードマスク層上に形成された基板認識層と
を含む、膜スタック。
【請求項18】
前記第2の複数の構造の各構造が、第1の傾斜側面及び第2の傾斜側面を備える、請求項
17に記載の膜スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の態様は、広くは、ガラス基板などの透明基板を処理する方法及び装置に関する。一例では、ガラス基板は、リソグラフィ処理を受けるより前に処理される。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
[0002]リソグラフィ法を使用して透明基板を処理しようとすると、動作上の問題が生じ得る。例えば、基板の透明性は、リソグラフィ機械が、基板が処理のための位置にあることを認識することを困難にし得る。別の例として、基板の透明性は、リソグラフィ機械の下で基板を整列させることを困難にし得る。基板を認識することが困難であり、基板を整列させることが困難であることは、非効率性、パターニング中にダイが整列していないことによる基板当たりのダイが低下すること、基板欠陥が増加すること、機械に対してのスループットが低下すること、機械の休止時間が増加すること、及び運転コストが増加することをもたらす。
【0003】
[0003]したがって、効率性の向上、基板当たりのダイの増加、基板欠陥の減少、機械のスループットの増加、機械の休止時間の減少、及び運転コストの低減を容易にするために、リソグラフィプロセスにおける透明基板の使用を容易にする装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示の態様は、広くは、ガラス基板などの透明基板を処理する方法及び装置に関する。一例では、ガラス基板は、リソグラフィ処理を受けるより前に処理される。
【0005】
[0005]一実行形態では、光学デバイスのための膜スタックは、第1の表面及び第2の表面を含むガラス基板を含む。第2の表面は第1の表面の反対側にあり、第1の表面は第2の表面の上方に配置される。膜スタックは、第1の表面上に形成されたデバイス機能層、デバイス機能層上に形成されたハードマスク層、及びハードマスク層上に形成された基板認識層を含む。ハードマスク層は、クロム、ルテニウム、又は窒化チタンのうちの一又は複数を含む。膜スタックは、第2の表面上に形成された裏側層を含む。第2の表面上に形成された裏側層は、導電層又は酸化物層のうちの一又は複数を含む。
【0006】
[0006]一実行形態では、光学デバイスのための膜スタックを処理する方法は、膜スタックを提供することを含む。膜スタックは、第1の表面及び第1の表面の反対側にある第2の表面を含むガラス基板と、ガラス基板の第1の表面上に形成された複数の層とを含む。複数の層のハードマスク層は、クロム、ルテニウム、又は窒化チタンのうちの一又は複数を含む。本方法は、複数の層の基板認識層を認識することを含む。本方法は、複数の層上に3重層リソグラフィ構造を形成するために、膜スタックをパターニングすることを含む。本方法は、ガラス基板の第1の表面上に第1の複数の構造、及び第1の複数の構造の上に積み重ねられた第2の複数の構造を形成するために、3重層リソグラフィ構造及び複数の層をエッチングすることを含む。
【0007】
[0007]一実行形態では、光学デバイスのための膜スタックは、第1の表面及び第2の表面を含むガラス基板を含む。第2の表面は第1の表面の反対側にあり、第1の表面は第2の表面の上方に配置される。膜スタックは、第1の表面上に形成された複数のスタックを含む。複数のスタックの各スタックは、ガラス基板の第1の表面上に形成された第1の複数の構造、及び第1の複数の構造の上に積み重ねられた第2の複数の構造を含む。第1の複数の構造又は第2の複数の構造のうちの一又は複数は、クロム、ルテニウム、又は窒化チタンのうちの一又は複数を含む。膜スタックは、ガラス基板の第2の表面上に形成された裏側層を含む。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡潔に要約した本開示のより詳細な記載が、実行形態を参照することにより得られる。実行形態の一部は添付の図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実行形態も許容し得るので、添付の図面は、この開示の共通の実行形態のみを示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0009]一実行形態に係る、リソグラフィシステムの部分概略図である。
【
図1B】[0010]一実行形態に係る、リソグラフィ処理に露光された基板の部分概略平面図である。
【
図1C】[0011]一実行形態に係る、
図1Aに示された膜スタックの部分概略図である。
【
図2A】[0012]一実行形態に係る、リソグラフィプロセスを使用して膜スタックがパターニングされた後の
図1Cに示された膜スタックの部分概略図である。
【
図2B】[0013]一実行形態に係る、第1のエッチング動作を使用して3重層リソグラフィ構造及び基板認識層がエッチングされた後の
図2Aに示された膜スタックである。
【
図2C】[0014]一実行形態に係る、第2のエッチング動作を使用してハードマスク層が選択的エッチングされた後の
図2Bに示された膜スタックである。
【
図2D】[0015]一実行形態に係る、第3のエッチング動作を使用して基板認識層が選択的エッチングされた後の
図2Cに示された膜スタックである。
【
図2E】[0016]一実行形態に係る、バイナリエッチング動作を有する第4のエッチング動作を使用してデバイス機能層が選択的エッチングされた後の
図2Dに示された膜スタックである。
【
図2F】[0017]一実行形態に係る、傾斜エッチング動作を有する第4のエッチング動作を使用してデバイス機能層が選択的エッチングされた後の
図2Dに示された膜スタックである。
【
図3】[0018]一実行形態に係る、処理システムの概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実行形態で開示されている要素は、具体的な記述がなくとも、他の実行形態で有益に利用され得ると想定される。
【0011】
[0020]本開示の態様は、広くは、ガラス基板などの透明基板を処理する方法及び装置に関する。一例では、ガラス基板は、リソグラフィ処理を受けるより前に処理される。
【0012】
[0021]
図1Aは、一実行形態による、リソグラフィシステム100の部分概略図である。
図1Bは、一実行形態による、リソグラフィ処理に露光された基板106の部分概略平面図である。リソグラフィシステム100は、例示的なシステムであり、本開示の態様を実現するために、他のシステムが共に使用され得るか、又は改変され得ることを、理解されたい。リソグラフィシステム100は、基板106の第1の表面103上に形成された一又は複数の層121~123(3つが示されている)を有する基板106をパターニングするために、書き込みビーム111を投影することができる、発光ダイオード(LED)又はレーザなどの一又は複数の光源を含む投影ユニット102を含む。書き込みビーム111は、基板106上に形成された一又は複数の層121~123の方向に投影される。一又は複数の層121~123は、マスクパターンを含んでもよい。基板106及び層121~123は、膜スタック(積層膜)120の少なくとも一部である。一又は複数の層121~123は、物理的気相堆積、化学気相堆積、原子層堆積、スピンオンナノ粒子プロセス、電気めっきプロセス、及び/又は蒸発プロセスを使用することなどによって、基板106の第1の表面103上に堆積され得る。一例では、ハードマスク層122は、物理的気相堆積、電気メッキプロセス、又は蒸発プロセスを使用して形成される。一例では、基板認識層123は、物理的気相堆積、化学気相堆積、又はスピンオンナノ粒子プロセスを使用して形成される。一例では、デバイス機能層121は、物理的気相堆積、化学気相堆積、又はスピンオンナノ粒子プロセスを使用して形成される。
【0013】
[0022]基板106は、透明基板である。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板106はガラス基板である。基板は、平坦なパネルディスプレイの一部として使用される任意の適切な材料を含み得る。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板106は、100mm~450mmの範囲内の直径などのサイズを有する。一例では、基板106のサイズは100mmである。一例では、基板106のサイズは150mmである。一例では、基板のサイズは200mmである。一例では、基板のサイズは300mmである。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板106は、4インチ~18インチの範囲内の直径などのサイズを有する。一例では、基板106のサイズは約4インチである。一例では、基板106のサイズは約6インチである。一例では、基板106のサイズは約8インチである。一例では、基板106のサイズは約12インチである。
【0014】
[0023]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板106は、150ミクロン(μm)~850ミクロン(μm)の範囲内の厚さを有する。一例では、基板106は、200±50ミクロン(μm)の厚さを有する。一例では、基板106は、300±50ミクロン(μm)の厚さを有する。一例では、基板106は、400±50ミクロン(μm)の厚さを有する。一例では、基板106は、500±50ミクロン(μm)の厚さを有する。一例では、基板106は、600±50ミクロン(μm)の厚さを有する。一例では、基板106は、750±50ミクロン(μm)の厚さを有する。一例では、基板106は、800±50ミクロン(μm)の厚さを有する。
【0015】
[0024]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板106は、5mm~70mm、例えば5mm~100mm、例えば5mm~20mm、又は50mm~60mmの表面幅を有する。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板106は、5mm~100mm、例えば5mm~60mm、例えば5mm~20mm、又は50mm~60mmの表面長さを有する。一例では、基板106は、30mm~60mm×25mm~60mmの寸法を有する。層121~123のうちの一又は複数は、そのパターンエッチングなどによって形成される、パターニングされるべき膜層である。
【0016】
[0025]膜スタック120は、層121~123上に形成されたフォトレジスト層110を含む。フォトレジスト層110は、電磁放射線、例えば、UV、EUV又は深UV「光」に対して感受性を有する。ポジ型フォトレジストは、フォトレジスト層110の部分を含み、放射線に露光されると、電磁放射線を使用してフォトレジスト層110にパターンが書き込まれた後、フォトレジスト層110に塗布されたフォトレジスト現像液にそれぞれ可溶性である。ネガ型フォトレジストは、フォトレジスト層110の部分を含み、放射線に露光されると、電磁放射線を使用してフォトレジスト層110にパターンが書き込まれた後、フォトレジスト層110に塗布されたフォトレジスト現像液にそれぞれ不溶性となる。ネガ型現像は、ポジ型、かつ、明視野マスクによって露光されるフォトレジスト層110を含み、ここで、露光された領域は、有機溶媒(例えばn-ブタノール)にそれぞれ不溶性であり、現像後に基板106上に残る。フォトレジスト層110がポジ型フォトレジストになるか、又はネガ型フォトレジストになるかは、フォトレジスト層110の化学組成により決定される。
【0017】
[0026]リソグラフィ動作中、投影ユニット102は、一又は複数の層121~123のうちの一又は複数の方向に書き込みビーム111を投影する。マスクパターニングされた層121~123は、書き込みビーム111が層121~123のうちの一又は複数の方向に投影されるとき、フォトレジスト層110に書き込まれるデバイスパターン112に対応し得る。デバイスパターン112は、フォトレジスト層110に書き込まれたデバイスパターン112のデバイス部分114を含み得る。デバイスパターン112は、基板106内にパターニングされるデバイス、又は基板106上に配置される膜層に対応し得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる他の実施形態では、デバイスパターン112は、基板106にパターニングされる一又は複数のデバイス、又は基板106上に配置される膜層に対応し得る。
【0018】
[0027]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、リソグラフィシステム100は、基板106上のフォトレジスト層110全体を書き込みビーム111に露光できるようにサイズ決定される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる他の実施形態では、基板106は、投影ユニット102の下の所定の経路に基板106を位置付けるように動作可能なステージ116によって支持される。ステージ116上の基板106の移動は、コントローラ108によって制御され得る。コントローラ108は、一般に、マスクパターンファイルに基づくリソグラフィプロセスの制御及び自動化を容易にするように設計される。コントローラ108は、少なくとも、投影ユニット102、ステージ116、及び/又はエンコーダ118と連結し得るか、又は通信し得る。投影ユニット102及びエンコーダ118は、基板処理及び基板の位置合わせに関する情報をコントローラ108に提供し得る。例えば、投影ユニット102は、基板処理が完了したことをコントローラ108に警告するために、コントローラ108に情報を提供し得る。
【0019】
[0028]ステージ116は、X軸及びY軸に沿って基板106を移動させ、位置付けるように構成される。上述のように、基板106はガラス基板である。上述および下述の本開示の態様は、投影ユニット102を含むリソグラフィシステム100が、透明ガラス基板106が走査及びパターニングされる位置にあることを認識できることを容易にする。リソグラフィシステム100が、基板106が所定の位置にあることを認識しない場合、基板106のパターニングを開始することができず、オペレータにエラーメッセージを表示し得る。上述及び下述の本開示の態様は、また、X軸及びY軸に沿ったリソグラフィシステム100の投影ユニット102の下での基板106の適切な位置合わせを容易にする。リソグラフィシステム100による基板106の認識を容易にし、リソグラフィシステム100に対する基板106の位置合わせを容易にすることは、リソグラフィプロセスにおける透明基板の使用を容易にし、効率性を向上させ、基板当たりのダイを増加し、基板欠陥を減少させ、機械のスループットを増加し、機械の休止時間を減少させ、及び運転コストを低減する。
【0020】
[0029]
図1Cは、一実行形態による、
図1Aに示された膜スタック120の部分概略図である。膜スタック120は、集積膜スタックである。膜スタック120は、レンズデバイスなどの光学デバイスにおいて使用するために、パターニングされ、エッチングされてもよい。膜スタック120は、膜スタック120の基板106のリソグラフィ処理のためのリソグラフィシステムのリソグラフィツールと併せて使用されてもよい。膜スタック120は、透明ガラス基板である基板106を含む。基板106は、第1の表面103及び第1の表面103の反対側にある第2の表面104を含む。第1の表面103は、第2の表面104の上方に配置される。一例では、第1の表面103は、基板106の前面であり、第2の表面104は、基板106の裏面である。
【0021】
[0030]第1の表面103上に形成された一又は複数の層121~123は、第1の表面103上に形成されたデバイス機能層121と、デバイス機能層121の上面に形成されたハードマスク層122と、ハードマスク層122の上面に形成された基板認識層123とを含む。膜スタック120はまた、基板106の第2の表面104上に形成された一又は複数の裏側層124(1つが示されている)を含む。第2の表面104上に形成された一又は複数の裏側層124は、第2の表面104上に形成された裏側層124を含む。
【0022】
[0031]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、裏側層124は、膜スタック120から省かれる。
【0023】
[0032]デバイス機能層121は、膜層である。デバイス機能層121は、20nm~500nmの範囲内の厚さT1を含む。デバイス機能層121は、二酸化チタン(TiO2)、一酸化ニオブ(NbO)、及び/又は五酸化ニオブNb2O5のうちの一又は複数を含む。一例では、デバイス機能層121は、二酸化チタン(TiO2)及び一酸化ニオブ(NbO)を含む。デバイス機能層121の相は、非結晶質又は結晶質である。一又は複数の層121~123のうちの少なくとも1つは、クロム、ルテニウム、及び/又は窒化チタンのうちの一又は複数を含む。
【0024】
[0033]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、デバイス機能層121は、ハードマスク層122が基板106の第1の表面103上に形成されるように、膜スタック120から省かれる。
【0025】
[0034]ハードマスク層122は、膜スタック120のリソグラフィ処理及び/又はエッチングの間、基板106の少なくとも位置合わせを容易にする。ハードマスク層122は、膜層である。ハードマスク層122は、クロム、ルテニウム、チタン、及び/又は窒素のうちの一又は複数を含む。一例では、ハードマスク層122は、窒化チタン(TiN)を含む。ハードマスク層122は、基板認識層123とデバイス機能層121との間にある。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ハードマスク層122は、クロム及びルテニウムを含む。ハードマスク層122は、10nm~400nmの範囲内の厚さT2を含む。ハードマスク層122、例えばクロム及び/又はルテニウムの態様は、デバイス機能層121、(透明である)ガラス基板106、及び/又は裏側層124のうちの一又は複数に対するハードマスク層122のコントラストを提供することを容易にする。ハードマスク層122のコントラストは、リソグラフィ処理中に、X軸及びY軸に沿って、リソグラフィシステム100の投影ユニット102に対して基板106を位置合わせすることを容易にする。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ハードマスク層122は、その上に形成された突出部、凹部、又はコントラスト色などの一又は複数の位置合わせマークを含む。リソグラフィシステム100は、リソグラフィ処理のために、基板106がリソグラフィシステム100に対して位置合わせされているときに、位置合わせマークを検出することができる。ハードマスク層122の態様はまた、膜スタック120のエッチングを容易にする。
【0026】
[0035]基板認識層123は、少なくとも膜スタック120のパターニング、膜スタック120のエッチング及び/又はリソグラフィシステム100による基板106の認識を容易にする。基板認識層123は、膜層である。基板認識層123は、ケイ素を含む。一例では、基板認識層123は、二酸化ケイ素(SiO2)、酸窒化ケイ素(SiON)、窒化ケイ素(SiN)、アモルファスシリコン、ポリシリコン、及び/又はドープされたケイ素材料のうちの一又は複数を含む。基板認識層123は、10nm~200nmの範囲内の厚さT3を含む。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板認識層123は、その上に形成された突出部、凹部、又はコントラスト色などの一又は複数の認識マークを含む。リソグラフィシステム100は、リソグラフィ処理のために、基板106がリソグラフィシステム100に対してある位置にあるときに、認識マークを検出することができる。
【0027】
[0036]裏側層124は、膜層である。裏側層124は、裏側保護層、第2のデバイス機能層、及び/又は基板認識層のうちの一又は複数を含み得る。裏側層124は、第2の表面104を保護し得、及び/又はリソグラフィシステム100による基板106の認識を容易にし得る。裏側層124はデバイス機能層であってもよい。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、裏側層124は、その上に形成された突出部、凹部、又はコントラスト色などの一又は複数の認識マークを含む。リソグラフィシステム100は、リソグラフィ処理のために、基板106がリソグラフィシステム100に対してある位置にあるときに、認識マークを検出することができる。裏側層124は、酸化物層又は導電層である。裏側層124は、ケイ素又は酸化ケイ素のうちの一又は複数を含む。裏側層124は、10nm~600nmの範囲内の厚さT4を含む。
【0028】
[0037]
図2A~
図2Fは、様々な実行形態による、
図1Cに示される膜スタック120を処理する方法200の動作フローの部分概略図を示す。
【0029】
[0038]
図2Aは、一実行形態による、リソグラフィプロセスを使用して膜スタック120がパターニングされた後の
図1Cに示された膜スタック120の部分概略図を示す。膜スタック120が設けられ、3重層パターニングを使用して、3重層リソグラフィ構造201がパターニングされ、膜スタック120上に形成される。3重層リソグラフィ構造201は、基板認識層123の上面に形成された第1の層211と、第1の層211の上面に形成された第2の層212とを含む。第1の層211は、有機平坦化層を含み、第2の層212は、屈折防止コーティングを含む。屈折防止コーティングは、ケイ素を含む。第1の層211は、60nm~1ミクロンの範囲内の厚さT5を含む。第2の層212は、15nm~100nmの範囲内の厚さT6を含む。
【0030】
[0039]3重層リソグラフィ構造201は、パターニングされ、第2の層212の上面に形成された複数のフォトレジスト構造217を含む。フォトレジスト構造は、10nm~3ミクロンの範囲内の厚さT7を含む。
【0031】
[0040]方法200によれば、3重層リソグラフィ構造201及び基板認識層123をエッチングするために、第1のエッチング動作が行われる。3重層リソグラフィ構造201は、複数のフォトレジスト構造217、第2の層212、及び第1の層211を除去するためにエッチングされる。基板認識層123は、フォトレジスト構造217の間で垂直に整列するか、又はフォトレジスト構造217の外側で垂直に整列した基板認識層123の開口部分223Aにエッチングされる。
【0032】
[0041]第1のエッチング動作中、フォトレジスト構造217、フォトレジスト構造217と垂直に整列した第1の層211の部分、フォトレジスト構造217と垂直に整列した第2の層212の部分、及びフォトレジスト構造217と垂直に整列した基板認識層123の部分223Bは、第1のエッチング速度でエッチングされる。また、第1のエッチング動作中、フォトレジスト構造217の間で垂直に、かつ、フォトレジスト構造217の外側で垂直に整列した第1の層211の部分、フォトレジスト構造217の間で垂直に、かつ、フォトレジスト構造217の外側で垂直に整列した第2の層212の部分、及びフォトレジスト構造217の間で垂直に、かつ、フォトレジスト構造217の外側で垂直に整列した基板認識層123の部分223Aは、第1のエッチング速度とは異なる第2のエッチング速度でエッチングされる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第2のエッチング速度は、第1のエッチング速度に対して2:1の比率である。
【0033】
[0042]第1のエッチング動作中、第2の層212は、フッ素を含む組成物を使用してエッチングされる。一例では、第2の層212をエッチングするために使用される組成物は、四フッ化炭素(CF4)、フルオロホルム(CHF3)、ジフルオロメタン(CH2F2)、フルオロメタン(CH3F)、六フッ化硫黄(SF6)、及び/又は三フッ化窒素(NF3)のうちの一又は複数を含む。第1のエッチング動作中、第1の層211は、酸素及び/又は水素のうちの一又は複数を含む組成物を使用してエッチングされる。一例では、第1の層211をエッチングするために使用される組成物は、酸素(O2)、二水素(H2)、一酸化炭素(CO)、及び/又は二酸化炭素(CO2)のうちの一又は複数を含む。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の層211をエッチングするために使用される組成物は、パッシべーション組成物を含む。一例では、パッシベーション組成物は、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)、窒素(N2)、二塩素(Cl2)、及び/又は臭化水素(HBr)のうちの一又は複数を含む。パッシベーション組成物は、膜スタック120の限界寸法及びプロファイルを維持することを容易にする。一例では、第2の層212上に残されたフォトレジスト構造217の残留部分は、第1の層211のエッチング中に除去される。
【0034】
[0043]第1のエッチング動作中、基板認識層123の部分223Aは、フッ素を含む組成物を使用してエッチングされる。一例では、基板認識層123の部分223Aをエッチングするために使用される組成物は、四フッ化炭素(CF
4)、フルオロホルム(CHF
3)、六フッ化硫黄(SF
6)、及び/又は三フッ化窒素(NF
3)のうちの一又は複数を含む。一例では、第1の層211上に残された第2の層212の残留部分は、基板認識層123の部分223Aのエッチング中に除去される。
図2Bは、一実行形態による、第1のエッチング動作を使用して3重層リソグラフィ構造201及び基板認識層123がエッチングされた後の
図2Aに示された膜スタック120を示す。基板認識層123の部分223Aは、部分223Bの間及び部分223Bの外側に開口部225を形成するよう開放される。部分223Bは、開口部225の間及びハードマスク層122の上面に第3の複数の構造を形成する。第1のエッチング動作の前に(
図2Aに示されるように)、部分223Bがフォトレジスト構造217と垂直に整列されることによって、
図2Bに示されるように、第3の複数の構造223Bを形成することが容易になる。デバイス機能層121の第1の複数の構造及びハードマスク層122の第2の複数の構造を以下に記載する。
【0035】
[0044]方法200によれば、第2のエッチング動作が膜スタック120上で行われる。第2のエッチング動作中、ハードマスク層122は、基板認識層123の第3の複数の構造223Bに対して選択的エッチングされて、ハードマスク層122の部分222Aを開放する。第2のエッチング動作中、ハードマスク層122の部分222Aは、塩素及び/又は酸素のうちの一又は複数を含む組成物を使用してエッチングされる。一例では、部分222Aをエッチングするために使用される組成物は、二塩素(Cl2)、三塩化ホウ素(BCl3)のうちの一又は複数、及び/又は四塩化ケイ素(SiCl4)、及び/又は酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、及び/又はオゾン(O3)のうちの一又は複数を含む。一例では、第3の複数の層構造223B上に残された第1の層211の残留部分は、ハードマスク層122の部分222Aのエッチング中に除去される。
【0036】
[0045]
図2Cは、一実行形態による、第2のエッチング動作を使用してハードマスク層122が選択的エッチングされた後の
図2Bに示された膜スタック120を示す。ハードマスク層122の部分222Aは、エッチングされて、デバイス機能層121の上面に第2の複数の構造222Bを形成する。第2の複数の構造222Bは、ハードマスク構造である。ハードマスク層122の部分222Bが、第3の複数の構造223Bと垂直に整列されることにより、パターニング及び第2の複数の構造222Bを形成することが容易になる。第2の複数の構造222Bの間にも開口部226が形成される。第2の複数の構造222Bの各ハードマスク構造222Bは、第3の複数の構造223Bのハードマスク構造223Bの下に配置される。第3の複数の構造223Bは、第2の複数の構造222B上に支持される。
【0037】
[0046]方法200によれば、第3のエッチング動作が膜スタック120上で行われる。第3のエッチング動作は、ドライエッチング又はウェットエッチングを含み得る。基板認識層123の第3の複数の構造223Bは、デバイス機能層121に対して選択的エッチングされて、第3の複数の構造223Bを除去する。
【0038】
[0047]第3のエッチング動作中、基板認識層123の第3の複数の構造223Bは、塩素又はフッ素のうちの一又は複数を含む組成物を使用してエッチングされる。一例では、第3の複数の構造223Bをエッチングするために使用される組成物は、二塩素(Cl2)、三塩化ホウ素(BCl3)のうちの一又は複数、及び/又は四塩化ケイ素(SiCl4)、四フッ化炭素(CF4)、フルオロホルム(CHF3)、ジフルオロメタン(CH2F2)、フルオロメタン(CH3F)、六フッ化硫黄(SF6)、及び/又は三フッ化窒素(NF3)のうちの一又は複数を含む。一例では、第3の複数の構造223Bをエッチングするために使用される組成物は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、及び/又はクリプトン(Kr)のうちの一又は複数を含む希釈組成物も含む。一例では、第3の複数の構造223Bをエッチングするために使用される組成物は、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)、窒素(N2)、二塩素(Cl2)、及び/又は臭化水素(HBr)のうちの一又は複数を含むパッシベーション組成物も含む。パッシベーション組成物は、膜スタック120の限界寸法及びプロファイルを維持することを容易にする。
【0039】
[0048]
図2Dは、一実行形態による、第3のエッチング動作を使用して基板認識層123が選択的エッチングされた後の
図2Cに示された膜スタック120を示す。基板認識層123の第3の複数の構造223Bは除去されている。
【0040】
[0049]方法200によれば、第4のエッチング動作が膜スタック120上で行われる。第4のエッチング動作は、バイナリエッチング動作又は傾斜エッチング動作を含む。第4のエッチング動作は、ドライエッチング又はウェットエッチングを含む。第4のエッチング動作中、第2の複数の構造222Bの間及び第2の複数の構造222Bの外側のデバイス機能層121の部分221Aは、第2の複数の構造222Bに対して選択的エッチングされて、デバイス機能層121の部分221Aを開放する。第4のエッチング動作中、デバイス機能層121の部分221Aは、塩素又はフッ素のうちの一又は複数を含む組成物を使用してエッチングされる。一例では、部分221Aをエッチングするために使用される組成物は、二塩素(Cl2)、三塩化ホウ素(BCl3)のうちの一又は複数、及び/又は四塩化ケイ素(SiCl4)、四フッ化炭素(CF4)、フルオロホルム(CHF3)、ジフルオロメタン(CH2F2)、フルオロメタン(CH3F)、六フッ化硫黄(SF6)、及び/又は三フッ化窒素(NF3)のうちの一又は複数を含む。一例では、部分221Aをエッチングするために使用される組成物は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、及び/又はクリプトン(Kr)のうちの一又は複数を含む希釈組成物も含む。一例では、部分221Aをエッチングするために使用される組成物は、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)、窒素(N2)、二塩素(Cl2)、及び/又は臭化水素(HBr)のうちの一又は複数を含むパッシベーション組成物も含む。パッシベーション組成物は、膜スタック120の限界寸法及びプロファイルを維持することを容易にする。一例では、第2の複数の構造222B上に残された基板認識層123(例えば第3の複数の構造223B)の残留部分は、部分221Aのエッチング中に除去される。
【0041】
[0050]
図2Eは、一実行形態による、バイナリエッチング動作を有する第4のエッチング動作を使用してデバイス機能層121が選択的エッチングされた後の
図2Dに示された膜スタック120を示す。バイナリエッチング動作は、反応性イオンエッチングを含む。反応性イオンエッチングでは、イオン290(
図2Dに示される)は、デバイス機能層121の方へ向けられ、基板106の第1の表面103に直角に延在する軸291に平行に向けられる。バイナリエッチング動作は、デバイス機能層121の部分221Aを開放して、開口部228と、開口部228の間の第1の複数の構造239とを形成する。第1の複数の構造239は、基板106の第1の表面103上、及び第1の表面103と第2の複数の構造222Bとの間に形成される。デバイス機能層121の第1の複数の構造239が、第2の複数の構造222Bと垂直に整列されることにより、パターニング及び第1の複数の構造239を形成することが容易になる。第1の複数の構造239の各ハードマスク構造239は、基板106の第1の表面103に対して両方とも直角に延在する第1の側面232及び第2の側面233を含む。第1の側面232は、第2の複数の構造222Bのうちの隣接する1つの第1の側面234と整列され、第2の側面233は、第2の複数の構造222Bのうちの隣接する1つの第2の側面235と整列される。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の側面232及び第2の側面233は、軸291に平行である。第2の複数の構造体222Bは、第1の複数の構造体239上に支持されて、第1の表面103上に複数のスタック260を形成する。
【0042】
[0051]
図2Fは、一実行形態による、傾斜エッチング動作を有する第4のエッチング動作を使用してデバイス機能層121が選択的エッチングされた後の
図2Dに示された膜スタック120を示す。傾斜エッチング動作は、物理的イオン衝突を含む。イオン295(
図2Dに示される)は、基板106の第1の表面103に対して第1の角度A1で、デバイス機能層121の方へ向けられる。第1の角度A1は、軸291に対して測定される。第1の角度A1は、0度から90度である。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の角度A1は、0度から60度の範囲内である。傾斜エッチング動作は、デバイス機能層121の部分221Aを開放して、斜めに開口部240を、及び複数の傾斜ハードマスク構造241を形成する。デバイス機能層121の複数の傾斜ハードマスク構造241が、第2の複数の構造222Bと垂直に整列されることにより、パターニング及び複数の傾斜ハードマスク構造241を形成することが容易になる。
【0043】
[0052]複数の傾斜ハードマスク構造241の各傾斜ハードマスク構造241は、第2の角度A2で、第1の表面103から延在する第1の傾斜側面242及び第2の傾斜側面243を含む。第2の角度A2は、0度から90度である。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第2の角度A2は、30度から70度の範囲内である。第2の角度A2は第1の角度A1よりも大きい。第1の角度A1及び第2の角度A2は最大で約90度になる。第1の傾斜側面242は、第2の複数の構造222Bの隣接するハードマスク構造222Bの第1の側面234に対して斜めに配置される。第2の傾斜側面243は、第2の複数の構造222Bの隣接するハードマスク構造222Bの第2の側面235に対して斜めに配置される。
【0044】
[0053]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ハードマスク層122の第2の複数の構造222Bを除去するために、第4のエッチング動作の後に、第5のエッチング動作が行われる。一例では、第2の複数の構造222Bは、基板106に対して選択的エッチングされる。第5のエッチング動作は、ウェットエッチング又はドライエッチングを含む。一例では、ウェットエッチングは、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を含む組成物を使用する。一例では、ドライエッチングは、二塩素(Cl2)及び/又は酸素(O2)のうちの一又は複数を含む。
【0045】
[0054]バイナリエッチングが第4のエッチング動作において使用される例では、第2の複数の構造222Bは、第5のエッチング動作後に、(
図2Eに示されるように)第1の複数の構造239から除去される。第5のエッチング動作後、(
図2Eに示されるように)第1の複数の構造239は、基板106の第1の表面103上に残る。傾斜エッチングが第4のエッチング動作において使用される例では、第2の複数の構造222Bは、第5のエッチング動作後に、(
図2Fに示されるように)複数の傾斜ハードマスク構造241から除去される。複数の傾斜ハードマスク構造241は(
図2Fに示されるように)、第5のエッチング動作後、基板106の第1の表面103上に残る。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1のエッチング動作、第2のエッチング動作、第3のエッチング動作、第4のエッチング動作、及び/又は第5のエッチング動作のうちの一又は複数が、組み合わせられ、かつ/又は同時に行われる。一例では、第3のエッチング動作と第4のエッチング動作とを組み合わせて単一のエッチング動作とし、エッチングのために同じ組成物を使用して、第3の複数の構造223B及びデバイス機能層121の部分221Aを同時に除去する。
【0046】
[0055]他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、デバイス機能層121は、第3のエッチング動作が行われた後、第2の複数の構造222Bが基板106の第1の表面103上に形成されるように、膜スタック120から省かれる。一例では、第4のエッチング動作は省かれ、第5のエッチング動作が、ハードマスク層122及び基板106をエッチングする。かかる例では、第5のエッチング動作によって、第2の複数の構造222B及び第2の複数の構造222Bの間に垂直に整列された基板106の部分が除去されて、基板106内に凹部が形成される。
【0047】
[0056]クロム、ルテニウム、及び/又は窒化チタンなどの第2の複数の構造222Bの態様は、第2の複数の構造222Bに対してデバイス機能層121を選択的エッチングすることを容易にする。一例として、第2の複数の構造222Bのクロム、窒化チタン、及び/又はルテニウムは、デバイス機能層121を斜めに選択的エッチングして、傾斜エッチング動作が使用されるときに、第1及び第2の傾斜側面242、243を形成することを容易にする。例えば、クロム、窒化チタン、及び/又はルテニウムは、より薄いハードマスク層122の使用を容易にして、傾斜エッチング中の膜スタック120の限界寸法サイズに対する3ーDシャドウ効果の低減又は排除を容易にする。一例として、クロム、窒化チタン、及び/又はルテニウムはまた、例えば、部分221Aのエッチング中に選択的エッチング及び有益なエッチング速度を容易にして、膜スタック120の限界寸法サイズの正確な制御を容易にする。傾斜エッチング動作はまた、膜スタック120の有益な光ベクトルを容易にする。
【0048】
[0057]
図3は、一実行形態による、処理システム300の概略部分図である。処理システム300は、複数の処理チャンバ301~305と、移送チャンバ312とを含む。移送チャンバ312は、移送チャンバ312の移送空間318内に配置された移送ロボット316を含む。処理システム300は、ファクトリインターフェース314も含む。上述の基板106を含む膜スタック120は、ファクトリインターフェース314を使用して処理システム300に提供され得る。処理システム300は、膜スタック120を受け取り、移送ロボット316は、膜スタック120を、複数の処理チャンバ301~305の中へ、外へ、及びその間で移送することを容易にする。一例では、処理システム300は、基板106の第1の表面103上に層121~123を形成し、基板106の第2の表面104上に一又は複数の裏側層124を形成した第2のシステム322から膜スタック120を受け取る。
【0049】
[0058]リソグラフィチャンバ301は、上述したリソグラフィシステム100などの、膜スタック120上に3重層リソグラフィ構造201をパターニングして形成するリソグラフィシステムを含む。本開示は、第3のシステムなどの別のシステムが、膜スタックが処理システム300によって受け取られる前に、膜スタック120上に3重層リソグラフィ構造201をパターニングし得ることを想定する。第1のエッチングチャンバ302は、
図2A及び
図2Bに関して述べられた第1のエッチング動作を行う。第1のエッチングチャンバ302は、
図2A及び
図2Bに関して述べられた第1のエッチング動作を行う。第2のエッチングチャンバ303は、
図2B及び
図2Cに関して述べられた第2のエッチング動作を行う。第3のエッチングチャンバ304は、
図2C及び
図2Dに関して述べられた第3のエッチング動作を行う。第4のエッチングチャンバ305は、
図2D、
図2E及び
図2Fに関して述べられた第4のエッチング動作を行う。本開示は、単一のエッチングチャンバが、第1から第4のエッチング動作のうちの一又は複数を行うことができることを想定する。
【0050】
[0059]処理システム300は、処理システム300、第2の処理システム322、及び/又は第3の処理システムのうちの一又は複数と通信するコントローラ320を含む。コントローラ320は、コントローラ320のプロセッサによって実行されると、本明細書に記載の動作のうちの一又は複数を引き起こす命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されると、複数の層121~123を基板106の第1の表面103上に形成させ、裏側層124を第2の表面104上に形成させる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されると、3重層リソグラフィ構造201をパターニングさせ、基板106を有する膜スタック120上に形成させる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されると、第1のエッチング動作、第2のエッチング動作、第3のエッチング動作、第4のエッチング動作、及び/又は第5のエッチング動作のうちの一又は複数を行わせる。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されると、方法200の動作のうちの一又は複数を行わせる。
【0051】
[0060]本開示の利益は、ガラス基板をパターニングするためのリソグラフィシステムを有する透明ガラス基板を使用すること、ガラス基板のリソグラフィ機械認識を容易にすること、他のハードマスク層及び/又はガラス基板に対する少なくとも1つのハードマスク層のコントラスト、リソグラフィ機械に対するガラス基板の位置合わせを容易にすること、傾斜エッチング動作を容易にすること、効率性の向上、基板当たりのダイの増加、基板欠陥の減少、機械スループットの増加、機械の休止時間の減少、及び運転コストの低減を含む。
【0052】
[0061]本開示の態様は、ガラス基板と、ガラス基板の第1の表面上に形成された一又は複数の層と、ガラス基板の第2の表面上に形成された一又は複数の裏側層と、クロム、ルテニウム及び/又は窒化チタンを含む少なくとも1つのハードマスク層と、デバイス機能層と基板認識層との間の、クロム、ルテニウム、及び/又は窒化チタンを含むハードマスク層と、傾斜エッチング動作とを含む。本明細書で開示される一又は複数の態様が組み合わされ得ることが想定される。更に、本明細書で開示される一又は複数の態様は、前述の利益の一部又は全てを含み得ることが想定される。
【0053】
[0062]上記の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。本開示では、本明細書に記載の実施形態の一又は複数の態様が、記載されているその他の態様のうちの一又は複数で置換され得るとも、想定される。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。