(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ウエーハの生成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240826BHJP
B23K 26/53 20140101ALI20240826BHJP
【FI】
H01L21/304 611Z
H01L21/304 601B
H01L21/304 631
B23K26/53
(21)【出願番号】P 2020186938
(22)【出願日】2020-11-10
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】平田 和也
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-113664(JP,A)
【文献】特開2020-145418(JP,A)
【文献】特開2020-017627(JP,A)
【文献】特開2019-102676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0185957(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B23K 26/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の面と該第一の面の裏面である第二の面とを有する単結晶SiCインゴット又は単結晶SiCウエーハである被加工物から該第一の面と該第二の面との間隔未満の厚さを有するウエーハを生成するウエーハの生成方法であって、
該被加工物を透過する波長のレーザービームの集光点を該被加工物の内部に位置付けるとともに、該被加工物のc面に平行な面と該第一の面とが交差する交差線に沿って、該被加工物と該集光点とを相対的に移動させながら該レーザービームを照射して、改質部と該改質部から該c面に沿って伸展するクラックとを含む剥離層を形成する剥離層形成ステップと、
該剥離層において該被加工物を分離して該被加工物から該ウエーハを剥離するウエーハ剥離ステップと、
を含み、
該剥離層形成ステップでは、該被加工物の外周縁から所定距離内側までの外周領域を除く該被加工物の中央領域に該集光点が位置付けられた状態でのみ該レーザービームを照射
し、
該剥離ステップでは、該被加工物に超音波振動を付与して該クラックを該中央領域のみならず該外周領域にも伸展させることによって該被加工物を分離して該被加工物から該ウエーハを剥離することを特徴とする、ウエーハの生成方法。
【請求項2】
該剥離層形成ステップの前に、撮像ユニットにより該被加工物の該第一の面側を撮像することで該被加工物の外周縁を検出する外周縁検出ステップを含む、請求項1に記載のウエーハの生成方法。
【請求項3】
該ウエーハ剥離ステップの後に、該被加工物から該ウエーハが剥離されたことによって露出する該ウエーハの剥離面を研削する研削ステップを含む、請求項1または2に記載のウエーハの生成方法。
【請求項4】
該ウエーハ剥離ステップの後に、該ウエーハの外周縁を面取りする面取りステップを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のウエーハの生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエーハの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのチップは、一般的に、円盤状のウエーハを用いて製造される。このウエーハは、例えば、ワイヤーソーを用いて円柱状の半導体インゴットから切り出された後、表面が研磨されて鏡面に仕上げられることによって生成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、インゴットからワイヤーソーを用いてウエーハを切り出すと、その表面には微細な凹凸が形成され、また、ウエーハが全体的に湾曲する(ウエーハに反りが生じる)。そのため、このように切り出されたウエーハは、凹凸を除去して平坦化するために表面が研磨されることが多い。
【0004】
ただし、ウエーハを研磨すると、ウエーハの被研磨面側の一部が研磨屑となって廃棄され、ウエーハが薄くなる。この点を踏まえて、ウエーハは、一般的に、半導体デバイスの製造に用いられるウエーハより厚くなるようにインゴットから切り出される。
【0005】
半導体デバイスのチップの製造に用いられるインゴットは高価である。そのため、研磨を必要とする方法によってウエーハを生成すると、このウエーハを用いて製造される半導体デバイスのチップの製造コストも高くなりやすい。
【0006】
さらに、パワーデバイス用の材料として期待されている単結晶SiC(炭化シリコン)は硬度が高い。そのため、ワイヤーソーを用いて単結晶SiCインゴットからウエーハを切り出す場合、その所要時間が長くなりやすく、また、ワイヤーソーが摩耗しやすい。
【0007】
その結果、単結晶SiCウエーハの製造コストは高くなりやすい。この点に鑑み、ワイヤーソーを用いることなく、レーザービームを用いてインゴットからウエーハを剥離する方法が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
この方法においては、インゴットを透過する波長のレーザービームの集光点がインゴットの内部に位置付けられた状態でインゴットにレーザービームを照射する。これにより、インゴットの内部に改質層及び改質層から伸展するクラックを含む剥離層が形成される。そして、剥離層においてインゴットを分離することでインゴットからウエーハが剥離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2000-94221号公報
【文献】特開2016-111143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の方法においては、レーザービーム照射ユニットが集光器(レーザーヘッド)の直下に向かってレーザービームを照射しながら、インゴットの一端から他端までが集光器の直下を通り過ぎるようにインゴットを保持するチャックテーブルが直線的に移動する。
【0011】
ここで、インゴットの一端近傍及び他端近傍(外周領域)にレーザービームが照射される際には、レーザービームの集光点におけるパワーが安定しないことがある。以下では、この点について、
図10(A)~
図10(E)を参照して説明する。なお、
図10(A)~
図10(E)は、インゴット1を保持するチャックテーブルを移動させながらインゴット1の一端近傍にレーザービーム3を照射する様子を示す図である。
【0012】
インゴット1の一端近傍にレーザービーム3を照射する際には、
図10(A)に示されるように、レーザービーム3の光軸5をインゴット1の外周面から十分に外側に向かって離隔させた状態でレーザービーム3の集光点をインゴット1の内部に相当する高さに位置付ける。
【0013】
光軸5がインゴット1の外周面の僅かに外側に位置するまでチャックテーブルが移動すると、
図10(B)に示されるように、レーザービーム3の一部がインゴット1の上面を通過する。なお、インゴット1と雰囲気との屈折率の違いに起因して、インゴット1の内部を通過したレーザービームLBの集光点の高さと、それを通過しないレーザービームLBの集光点の高さとはずれている。
【0014】
光軸5がインゴット1の外周面に位置するまでチャックテーブルが移動すると、
図10(C)に示されるように、レーザービーム3のうちインゴット1に近接する側の約半分がインゴット1の上面を通過する。なお、インゴット1の内部を通過するレーザービームの集光点の高さは、上記のとおり、それを通過しないレーザービーム3の集光点の高さからずれている。
【0015】
光軸5がインゴット1の外周面の僅かに内側に位置するまでチャックテーブルが移動すると、
図10(D)に示されるように、レーザービーム3の一部がインゴット1の外周面を介してインゴット1の内部の集光点に向かう。この時、インゴット1の外周面に多光子吸収によるアブレーション痕が形成される。なお、インゴット1の外周面を通過するレーザービーム3の集光点の高さは、上記同様、インゴット1の上面を通過するレーザービーム3の集光点の高さからずれている。
【0016】
光軸5がインゴット1の外周面から十分に内側に向かって離隔するまでチャックテーブルが移動すると、
図10(E)に示されるように、レーザービーム3の全てがインゴット1の上面を通過する。この時、レーザービーム3の全てがインゴット1の内部の単一の集光点に向かう。そのため、この時のインゴット1の内部の集光点におけるレーザービーム3のパワー密度は、レーザービーム3の集光点がインゴット1の外周面に位置してから(
図10(C)参照)この時(
図10(E)参照)に至るまでで最も高くなる。
【0017】
また、レーザービーム3がインゴット1の他端に照射されるようにチャックテーブルが移動する際にも同様にインゴット1の外周面に多光子吸収によるアブレーション痕が形成され、また、インゴット1の内部の集光点におけるレーザービーム3のパワー密度が変化する。
【0018】
このようにインゴット1の一端近傍及び他端近傍(外周領域)にレーザービーム3が照射されてインゴット1の外周面にアブレーション痕が形成される場合には、インゴット1から剥離されたウエーハに対して行われる後工程(研削、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)、エッジトリム又は面取り等)においてウエーハの外周領域に欠けが生じるおそれがある。
【0019】
この点に鑑み、本発明の目的は、後工程においてウエーハの外周領域に欠けが生じる蓋然性を低減できるウエーハの生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、第一の面と該第一の面の裏面である第二の面とを有する単結晶SiCインゴット又は単結晶SiCウエーハである被加工物から該第一の面と該第二の面との間隔未満の厚さを有するウエーハを生成するウエーハの生成方法であって、該被加工物を透過する波長のレーザービームの集光点を該被加工物の内部に位置付けるとともに、該被加工物のc 面に平行な面と該第一の面とが交差する交差線に沿って、該被加工物と該集光点とを相対的に移動させながら該レーザービームを照射して、改質部と該改質部から該c面に沿って伸展するクラックとを含む剥離層を形成する剥離層形成ステップと、該剥離層において該被加工物を分離して該被加工物から該ウエーハを剥離するウエーハ剥離ステップと、を含み、該剥離層形成ステップでは、該被加工物の外周縁から所定距離内側までの外周領域を除く該被加工物の中央領域に該集光点が位置付けられた状態でのみ該レーザービームを照射し、該剥離ステップでは、該被加工物に超音波振動を付与して該クラックを該中央領域のみならず該外周領域にも伸展させることによって該被加工物を分離して該被加工物から該ウエーハを剥離する、ウエーハの生成方法が提供される。
【0021】
好ましくは、このウエーハの生成方法は、該剥離層形成ステップの前に、撮像ユニットにより該被加工物の該第一の面側を撮像することで該被加工物の外周縁を検出する外周縁検出ステップを含む。
【0022】
好ましくは、このウエーハの生成方法は、該ウエーハ剥離ステップの後に、該被加工物から該ウエーハが剥離されたことによって露出する該ウエーハの剥離面を研削する研削ステップを含む。
【0023】
好ましくは、このウエーハの生成方法は、該ウエーハ剥離ステップの後に、該ウエーハの外周縁を面取りする面取りステップを含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明においては、被加工物の外周縁から所定距離内側までの外周領域を除く被加工物の中央領域に対してのみレーザービームを照射して剥離層を形成する。この場合、レーザービームの照射によって被加工物の外周領域に剥離層が形成されることなく、その外周面にアブレーション痕が形成されることが防止される。その結果、この被加工物から剥離されたウエーハに対して後工程を行う際に、このウエーハの外周領域に欠けが生じる蓋然性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1(A)は、被加工物の一例を模式的に示す斜視図であり、
図1(B)は、被加工物の一例を模式的に示す側面図である。
【
図2】
図2は、一端近傍にレーザービームが照射された状態の被加工物を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、ウエーハの生成方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、剥離層形成ステップを行うためのレーザー照射装置及び被加工物を模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、剥離層形成ステップ後の被加工物の中央領域を模式的に示す断面図であり、
図5(B)は、剥離層形成ステップ後の被加工物を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、ウエーハ剥離ステップを行うための分離装置及び被加工物を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、ウエーハの生成方法の他の例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、研削ステップを行うための研削装置及び被加工物から剥離されたウエーハを模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、面取りステップを行うための面取り装置及び被加工物から剥離されたウエーハを模式的に示す側面図である。
【
図10】
図10(A)~
図10(E)は、インゴットの一端近傍にレーザービームを照射する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1(A)は、本実施形態のウエーハの生成方法において用いられる被加工物の一例を模式的に示す斜視図であり、
図1(B)は、この被加工物の一例を模式的に示す側面図である。
図1(A)及び
図1(B)に示される被加工物11は、概ね平行な表面(第一の面)11a及び裏面(第二の面)11bを有する円柱状の単結晶SiCインゴットである。
【0027】
被加工物11は、エピタキシャル成長を利用して生成されたものである。そして、被加工物11は、内部に形成される格子欠陥を少なくするために、単結晶SiCのc軸11cが表面11a及び裏面11bの垂線11dに対して僅かに傾くように生成される。例えば、c軸11cと垂線11dとがなす角(オフ角)αは、1°~6°(代表的には、4°)である。
【0028】
被加工物11の外周領域には、単結晶SiCの結晶方位を示す2つの平部、すなわち、一次オリエンテーションフラット13及び二次オリエンテーションフラット15が形成されている。そして、一次オリエンテーションフラット13は、二次オリエンテーションフラット15より長い。また、二次オリエンテーションフラット15は、単結晶SiCのc面11eに平行な面と表面11a又は裏面11bとが交差する交差線に平行になるように形成されている。
【0029】
なお、被加工物11は、単結晶SiCインゴットに限定されず、単結晶SiCインゴットから剥離された単結晶SiCウエーハであってもよい。また、被加工物11の側面には、一次オリエンテーションフラット13及び二次オリエンテーションフラット15の一方又は双方が設けられていなくてもよい。
【0030】
さらに、被加工物11は、その外周縁から所定距離内側までの外周領域17aと、外周領域17aの内側の中央領域17bとに区画されている。なお、
図1(A)及び
図1(B)においては、外周領域17aと中央領域17bとの境界線が点線で示されているが、この境界線は、仮想線であり、実際の被加工物11には存在しない。
【0031】
具体的には、外周領域17aは、後述する剥離層形成ステップにおいて、意図的な剥離層の形成が行われない領域である。他方、中央領域17bは、後述する剥離層形成ステップにおいて、意図的に剥離層の形成が行われる領域である。
【0032】
換言すると、外周領域17aは、後述する剥離層形成ステップにおいて、剥離層を形成するために照射されるレーザービームの集光点が位置付けられない領域である。他方、中央領域17bは、後述する剥離層形成ステップにおいて、剥離層を形成するために照射されるレーザービームの集光点が位置付けられる領域である。
【0033】
また、外周領域17aの幅、すなわち、被加工物11の外周縁と中央領域17bとの間隔は、全てが被加工物11の上面を通過するレーザービームの集光点と、被加工物11の外周面との間隔の最低値以上になるように設定されることが好ましい。そのため、外周領域17aの幅は、被加工物11に照射されるレーザービームを集光する集光レンズの開口数NA等に依存して設定されてもよい。
【0034】
この点について、
図2を参照して説明する。なお、
図2は、一端近傍にレーザービームが照射された状態の被加工物11を模式的に示す図である。
図2に示される被加工物11の一端近傍には、上方からレーザービームLが照射されている。このレーザービームLは、光軸O上で被加工物11の内部に位置する集光点Fにおいて集光する。
【0035】
また、レーザービームLは、その光軸Oと被加工物11の外周面との間隔がr以上であるとき、その全てが、被加工物11の外周面を通過することなく、被加工物11の上面を通過する。換言すると、ここでは、全てが被加工物11の上面を通過するレーザービームLの集光点と、被加工物11の外周面との間隔の最低値をrとする。そのため、被加工物11の外周面をレーザービームLが通過しないためには、外周領域17aの幅をr以上に設定する必要がある。
【0036】
ここで、レーザービームLが被加工物11に入射する際に屈折することなく直進した場合の仮想線と、光軸Oとがなす角をθとし、また、被加工物11の上面と、当該仮想線及び光軸Oの交点(仮想の集光点F0)との間隔をzとすると、rは、以下の数式1で表現できる。
【0037】
【0038】
また、雰囲気の屈折率をnとすると、レーザービームLを集光する集光レンズの開口数NAは、以下の数式2で表現でき、また、当該仮想線と、光軸Oとがなす角θは、開口数NAを用いて以下の数式3で表現できる。
【0039】
【0040】
【0041】
数式3を数式1に代入すると、rは、以下の数式4で表現できる。
【0042】
【0043】
数式4の右辺に含まれるパラメータのうち開口数NA及び雰囲気の屈折率nは、被加工物11にレーザービームLを照射する前に把握可能である。また、被加工物11の上面と、仮想の集光点F0との間隔zは、被加工物11にレーザービームLを照射する際に設定可能である。
【0044】
そのため、被加工物11の外周面をレーザービームLが通過しないために必要な外周領域17aの幅rは、実際に被加工物11にレーザービームLを照射する前に算出可能である。そして、外周領域17aの幅は、このように算出されたr以上となるように設定されることが好ましい。
【0045】
ただし、被加工物11に剥離層を形成するために照射されるレーザービームのパワー密度がそれほど高くない場合(例えば、このレーザービームが被加工物11の外周面に照射されてもアブレーション痕が形成されない場合)には、外周領域17aの幅を上記のr未満としてもよい。
【0046】
他方、外周領域17aは、後述するウエーハ剥離ステップにおいて、外周領域17aと中央領域17bとの境界から被加工物11の外周面までクラックを進展させることが予定されている領域である。そのため、外周領域17aの幅は、過度に大きくないことが好ましい。
【0047】
例えば、外周領域17aの幅は、rの4倍以下とすることが好ましく、3倍以下とすることがより好ましく、2倍以下とすることが最も好ましい。
【0048】
図3は、本実施形態のウエーハの生成方法の一例を示すフローチャートである。この方法においては、まず、被加工物11にレーザービームを照射して剥離層を形成する(剥離層形成ステップ:S1)。
【0049】
図4は、剥離層形成ステップ(S1)を行うためのレーザー照射装置及び被加工物11を模式的に示す斜視図である。なお、
図4に示されるX軸方向及びY軸方向は、水平面上において互いに直交する方向であり、また、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)である。
【0050】
図4に示されるレーザー照射装置2は、水平面に概ね平行な円状の保持面を有し、この保持面で被加工物11を保持可能なチャックテーブル4を有する。チャックテーブル4は、吸引機構(不図示)に連結されている。
【0051】
吸引機構は、エジェクタ等を有し、チャックテーブル4の保持面に負圧を生じさせることができる。そして、保持面に被加工物11が載置された状態で吸引機構が動作すると、被加工物11がチャックテーブル4に吸引保持される。
【0052】
さらに、チャックテーブル4は、X軸方向移動機構(不図示)及びY軸方向移動機構(不図示)に連結されている。X軸方向移動機構及びY軸方向移動機構のそれぞれは、例えば、ボールねじ及びモータ等を有する。そして、X軸方向移動機構及び/又はY軸方向移動機構が動作すると、チャックテーブル4は、X軸方向及び/又はY軸方向に沿って移動する。
【0053】
また、チャックテーブル4は、回転機構(不図示)に連結されている。回転機構は、例えば、スピンドル及びモータ等を有する。そして、回転機構が動作すると、チャックテーブル4は、保持面の中心を通るZ軸方向に沿った直線を回転軸として回転する。
【0054】
チャックテーブル4の上方には、レーザービーム照射ユニット6のヘッド8が設けられている。ヘッド8は、Y軸方向に沿って延在する連結部10の先端(一端)部に設けられている。なお、ヘッド8は集光レンズ及びミラー等の光学系を収容し、連結部10はミラー及び/又はレンズ等の光学系を収容する。
【0055】
連結部10の他端部は、Z軸方向移動機構(不図示)に連結されている。Z軸方向移動機構は、例えば、ボールねじ及びモータ等を有する。そして、Z軸方向移動機構が動作すると、ヘッド8及び連結部10は、Z軸方向に沿って移動する。
【0056】
また、レーザービーム照射ユニット6は、被加工物11を透過する波長(例えば、1064nm)のレーザービームを生成するレーザー発振器(不図示)を有する。レーザー発振器は、例えば、Nd:YAG等のレーザー媒質を有する。そして、レーザー発振器でレーザービームが生成されると、連結部10及びヘッド8に収容された光学系を介して、レーザービームがチャックテーブル4の保持面側に照射される。
【0057】
さらに、連結部10の側部には、チャックテーブル4の保持面側を撮像可能な撮像ユニット12が設けられている。撮像ユニット12は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源と、対物レンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子とを有する。そして、撮像ユニット12の対物レンズは、ヘッド8に収容された集光レンズからみてX軸方向に沿って離隔した位置に設けられている。
【0058】
レーザー照射装置2を用いた剥離層形成ステップ(S1)は、例えば、以下の順序で行われる。まず、表面11aが上になるように被加工物11をチャックテーブル4の保持面に載置する。次いで、被加工物11がチャックテーブル4に吸引保持されるように吸引機構が動作する。
【0059】
次いで、撮像ユニット12による撮像によって形成された被加工物11の表面11aの画像等に基づいて、二次オリエンテーションフラット15がX軸方向に平行になるように回転機構がチャックテーブル4を回転させる。次いで、被加工物11の外周領域17aと中央領域17bとの境界近傍の中央領域17bの直上にヘッド8が位置付けられるようにX軸方向移動機構及び/又はY軸方向移動機構がチャックテーブル4を移動させる。
【0060】
次いで、レーザービーム照射ユニット6から照射されるレーザービームの集光点が被加工物11の内部に位置付けられるようにヘッド8及び/又は連結部10の光学系を設定する。例えば、ヘッド8に収容される集光レンズと、被加工物11の表面11aとの間隔が所定の距離になるようにZ軸方向移動機構がヘッド8及び連結部10を移動させる。
【0061】
なお、このような光学系の設定は、被加工物11に対するレーザービームの照射前であれば、どのようなタイミングで行ってもよい。例えば、上述のチャックテーブル4の回転及び移動に先立って光学系の設定が行われてもよい。また、このような光学系の設定は、レーザービームの集光点と被加工物11の表面11aとの間隔が半導体デバイスのチップの製造に用いられるウエーハの厚さより僅かに大きくなるように行われる。
【0062】
次いで、レーザービームの集光点が中央領域17bから外に出ないようにX軸方向移動機構がチャックテーブル4を移動させながら、被加工物11を透過する波長のレーザービームをレーザービーム照射ユニット6が照射する。すなわち、被加工物11(単結晶SiC)のc面11eに平行な面と表面11aとが交差する交差線に沿って、被加工物11とレーザービームの集光点とを相対的に移動させながら中央領域17bにレーザービーム照射ユニット6がレーザービームを照射する。
【0063】
次いで、同様のレーザービームの照射を繰り返す。具体的には、レーザービームが照射された中央領域17bのX軸方向に沿う直線的な部分からY軸方向に所定の距離離隔したX軸方向に沿う直線的な部分に対して、同様にレーザービームを照射する。これにより、中央領域17bの内部全体に渡って、X軸方向に沿う複数列の改質部19が形成される。
【0064】
図5(A)は、剥離層形成ステップ(S1)後の被加工物11の中央領域17bを模式的に示す断面図であり、
図5(B)は、剥離層形成ステップ(S1)後の被加工物11を模式的に示す図である。
【0065】
図5(A)及び
図5(B)に示されるとおり、剥離層形成ステップ(S1)において改質部19が形成されると、改質部19からc面11eに沿ってクラック21が進展し得る。これにより、改質部19及びクラック21を有し、被加工物11に外力が加えられることによって上下に分離される剥離層23が中央領域17bに形成される。
【0066】
図3に示される方法においては、剥離層形成ステップ(S1)の後に剥離層23において被加工物11を分離して被加工物11からウエーハを剥離する(ウエーハ剥離ステップ:S2)。
図6は、ウエーハ剥離ステップ(S2)を行うための分離装置及び被加工物11を模式的に示す断面図である。
【0067】
図6に示される分離装置14は、内部に液体16が収容された液槽18を有する。液槽18の底部には、被加工物11が載置される載置テーブル20が設けられており、被加工物11は、液槽18に浸漬された状態で載置テーブル20に載置される。
【0068】
さらに、分離装置14は、超音波を照射できる超音波照射ユニット22を有する。超音波照射ユニット22は、例えば、液体16から離隔する退避位置と、底面が液体16と接触する駆動位置との間を移動できる。
【0069】
分離装置14を用いたウエーハ剥離ステップ(S2)は、例えば、以下の順序で行われる。まず、超音波照射ユニット22を退避位置に位置付けた後、表面11aが上を向くように被加工物11を載置テーブル20に載置する。
【0070】
次いで、超音波照射ユニット22を駆動位置に位置付けた後、超音波照射ユニット22の底面から超音波を照射する。この超音波は、液体16中を伝播して被加工物11に照射される。
【0071】
これにより、被加工物11に超音波振動(外力)が付与されて剥離層形成ステップ(S1)において形成されたクラック21がさらに進展する。そして、クラック21は、中央領域17bのみならず外周領域17aにも進展する。その結果、被加工物11が剥離層23において分離して被加工物11からウエーハが剥離される。
【0072】
なお、
図6においては、載置テーブル20に載置された被加工物11の全体が液体16に浸漬される実施形態について例示したが、ウエーハ剥離ステップ(S2)においては、被加工物11の全体を液体16に浸漬させなくてもよい。
【0073】
例えば、分離装置14においては、被加工物11に向けて液体を供給するノズルが超音波照射ユニット22の近傍に設けられていてもよい。そして、ウエーハ剥離ステップ(S2)において、このノズルから被加工物11に液体を供給しながら超音波照射ユニット22が超音波を照射することで被加工物11に超音波振動(外力)を付与してもよい。
【0074】
図3に示されるウエーハの生成方法においては、被加工物11の外周縁から所定距離内側までの外周領域17aを除く被加工物11の中央領域17bに対してのみレーザービームを照射して剥離層23を形成する。
【0075】
この場合、レーザービームの照射によって被加工物11の外周領域17aに剥離層23が形成されることなく、その外周面にアブレーション痕が形成されることが防止される。その結果、被加工物11から剥離されたウエーハに対して後工程(研削、化学機械研磨、エッジトリム又は面取り等)を行う際に、このウエーハの外周領域に欠けが生じる蓋然性を低減できる。
【0076】
なお、
図3に示されるウエーハの生成方法は、本発明の一態様であって、この方法と異なる特徴を有するウエーハの生成方法も本発明の技術的範囲に含まれる。
図7は、本発明の技術的範囲に含まれるウエーハの生成方法の他の例を模式的に示すフローチャートである。具体的には、
図7は、
図3に示されるウエーハの生成方法の剥離層形成ステップ(S1)及びウエーハ剥離ステップ(S2)に加えて他のステップを含むウエーハの生成方法を示すフローチャートである。
【0077】
図7に示されるウエーハの生成方法においては、剥離層形成ステップ(S1)の前に、被加工物11の外周縁を検出する(外周縁検出ステップ:S3)。外周縁検出ステップ(S3)は、例えば、
図4に示されるレーザー照射装置2のチャックテーブル4によって被加工物11が吸引保持された後、撮像ユニット12が被加工物11の表面11aを撮像することによって形成される画像に基づいて行われる。
【0078】
外周縁検出ステップ(S3)が行われる場合、被加工物11の外周縁から所定距離内側までの外周領域17aを正確に特定することができる。そのため、レーザービームの照射によって被加工物11の外周領域17aに剥離層23が形成されることが確実に防止される。その結果、被加工物11から剥離されたウエーハに対して後工程を行う際に、このウエーハの外周領域に欠けが生じる蓋然性をさらに低減できる。
【0079】
また、
図7に示されるウエーハの生成方法においては、ウエーハ剥離ステップ(S2)の後に、被加工物11から剥離されたウエーハの剥離面(被加工物11からウエーハが剥離されたことによって露出するウエーハの面)を研削する(研削ステップ:S4)。
図8は、研削ステップ(S4)を行うための研削装置及び被加工物11から剥離されたウエーハを模式的に示す斜視図である。
【0080】
図8に示される研削装置24は、中心が外縁よりも僅かに突出した円錐の側面に相当する形状の保持面を有し、この保持面でウエーハ25を保持可能なチャックテーブル26を有する。チャックテーブル26は、吸引機構(不図示)に連結されている。
【0081】
吸引機構は、エジェクタ等を有し、チャックテーブル26の保持面に負圧を生じさせることができる。そして、保持面にウエーハ25が載置された状態で吸引機構が動作すると、ウエーハ25がチャックテーブル26に吸引保持される。
【0082】
さらに、チャックテーブル26は、水平方向移動機構(不図示)に連結されている。水平方向移動機構は、例えば、ボールねじ及びモータ等を有する。そして、水平方向移動機構が動作すると、チャックテーブル26は、水平方向に沿って移動する。
【0083】
また、チャックテーブル26は、回転機構(不図示)に連結されている。回転機構は、例えば、スピンドル及びモータ等を有する。そして、回転機構が動作すると、チャックテーブル26は、保持面の中心を通る鉛直方向に沿った直線を回転軸として、
図8に示される矢印aの方向に回転する。
【0084】
チャックテーブル26の上方には、研削ユニット28が設けられている。研削ユニット28は、上端部がモータに連結されているスピンドル30を有する。スピンドル30の下端部には、円盤状のホイールマウント32が固定されている。
【0085】
ホイールマウント32には、ホイールマウント32を上下方向に貫通する複数の開口(不図示)が設けられている。複数の開口は、ホイールマウント32の周方向に沿って隙間を空けて環状に配置されている。
【0086】
ホイールマウント32の下部には、研削ホイール36が装着されている。研削ホイール36は、環状の基台38を有する。基台38の上部には、複数の雌ねじ部(不図示)が設けられており、各雌ねじ部にはボルト34の下端部が螺合している。
【0087】
また、基台38の下端部には、基台38の周方向に沿って隙間を空けて環状に配置されている複数の研削砥石40が固定されている。複数の研削砥石40の下面は、概ね同じ高さに配置されており、これらの下面が研削ユニット28の研削面となる。
【0088】
さらに、スピンドル30は、鉛直方向移動機構(不図示)に連結されている。鉛直方向移動機構は、例えば、ボールねじ及びモータ等を有する。そして、鉛直方向移動機構が動作すると、スピンドル30、ホイールマウント32及び研削ホイール36は、鉛直方向に沿って移動する。
【0089】
研削装置24を用いた研削ステップ(S4)は、例えば、以下の順序で行われる。まず、水平方向及び鉛直方向の双方において、チャックテーブル26と研削ユニット28とを離隔させた状態で、ウエーハ25の剥離面(剥離層23において被加工物11が分離することによって露出する面)25aが上を向くようにチャックテーブル26上にウエーハ25を載置する。
【0090】
次いで、ウエーハ25がチャックテーブル26に吸引保持されるように吸引機構が動作する。次いで、チャックテーブル26の回転軸と複数の研削砥石40が配置されている環状の領域とが重なるように水平方向移動機構がチャックテーブル26を移動させる。
【0091】
次いで、回転機構がチャックテーブル26を回転させるとともにスピンドル30の上端部に連結されているモータがスピンドル30、ホイールマウント32及び研削ホイール36を回転させる。
【0092】
次いで、ウエーハ25の剥離面25aと複数の研削砥石40の下面とが接触するように鉛直方向移動機構がスピンドル30、ホイールマウント32及び研削ホイール36を下降させる。これにより、ウエーハ25の剥離面25aが研削される。
【0093】
ここで、ウエーハ25は、表面11a及び裏面11bから僅かに傾いたc面11eに沿って進展するクラック21を境に被加工物11から分離される。そのため、ウエーハ25の剥離面25aには微細な凹凸が形成されていることが多い。
【0094】
これに対して、上述の研削ステップ(S4)は、ウエーハ25の剥離面25aに形成された微細な凹凸を除去することを可能にする。そのため、ウエーハ形成ステップ(S2)の後に研削ステップ(S4)を行うことは、本発明において好ましい実施態様である。
【0095】
また、
図7に示されるウエーハの生成方法においては、研削ステップ(S4)の後に、ウエーハ25の外周縁を面取りする(面取りステップ:S5)。
図9は、面取りステップ(S5)を行うための面取り装置及びウエーハ25を模式的に示す側面図である。
【0096】
図9に示される面取り装置42は、概ね平行な円状の保持面を有し、この保持面でウエーハ25を保持可能なチャックテーブル44を有する。なお、この保持面のサイズ(直径)は、ウエーハ25のサイズ(直径)よりも小さい。そのため、ウエーハ25の外周縁近傍は、チャックテーブル44によって直接支持されない。
【0097】
チャックテーブル44の下端部には、スピンドル46の上端部が固定されている。また、スピンドル46の下端部にはモータ(不図示)が連結されている。そして、モータが動作すると、チャックテーブル44及びスピンドル46は、チャックテーブル44の保持面の中心を通る鉛直方向に沿った直線を回転軸として、
図9に示される矢印cの方向に回転する。
【0098】
さらに、チャックテーブル44は、スピンドル46を介して吸引機構(不図示)に連結されている。吸引機構は、エジェクタ等を有し、チャックテーブル44の保持面に負圧を生じさせることができる。そして、保持面にウエーハ25が載置された状態で吸引機構が動作すると、ウエーハ25がチャックテーブル26に吸引保持される。
【0099】
また、チャックテーブル44は、スピンドル46を介して水平方向移動機構(不図示)に連結されている。水平方向移動機構は、例えば、ボールねじ及びモータ等を有する。そして、水平方向移動機構が動作すると、チャックテーブル44は、水平方向に沿って移動する。
【0100】
チャックテーブル44の側方には、研削砥石48が設けられている。研削砥石48は、
概ね径が等しい円盤状の上部48a及び下部48bと、上部48a及び下部48bより径が小さい円盤状の中央部48cと、上部48a及び中央部48cを接続するように上部48a及び中央部48cの間に設けられた円錐台状の上方面取り部48dと、下部48b及び中央部48cを接続するように下部48b及び中央部48cの間に設けられた円錐台状の下方面取り部48eとを有する。
【0101】
下部48bの下端部には、スピンドル50の上端部が固定されている。また、スピンドル50の下端部にはモータ(不図示)が連結されている。そして、モータが動作すると、研削砥石48及びスピンドル50は、研削砥石48の水平方向の断面における中心を通る鉛直方向に沿った直線を回転軸として、
図9に示される矢印dの方向に回転する。
【0102】
さらに、スピンドル50は、鉛直方向移動機構(不図示)に連結されている。鉛直方向移動機構は、例えば、ボールねじ及びモータ等を有する。そして、鉛直方向移動機構が動作すると、研削砥石48及びスピンドル50は、鉛直方向に沿って移動する。
【0103】
面取り装置42を用いた面取りステップ(S5)は、例えば、以下の順序で行われる。まず、水平方向において、チャックテーブル44と研削砥石48とを離隔させた状態で、チャックテーブル44上にウエーハ25を載置する。
【0104】
次いで、ウエーハ25がチャックテーブル44に吸引保持されるように吸引機構が動作する。次いで、研削砥石48の中央部48cの鉛直方向における中心の高さと、ウエーハ25の鉛直方向における中心の高さとが一致するように鉛直方向移動機構が研削砥石48及びスピンドル50を移動させる。
【0105】
次いで、スピンドル46の下端部に連結されているモータがチャックテーブル44及びスピンドル46を回転させるとともにスピンドル50の下端部に連結されているモータが研削砥石48及びスピンドル50を回転させる。
【0106】
次いで、ウエーハ25の外周縁と、研削砥石48の上方面取り部48d及び下方面取り部48eとが接触するように水平方向移動機構が、チャックテーブル44及びスピンドル46を移動させる。これにより、ウエーハ25の外周縁が面取りされる。
【0107】
ここで、ウエーハ25は、外周領域17aに改質部19及びクラック21を含む剥離層23が形成されていない被加工物11から剥離されたものである。そのため、ウエーハ25の外周縁近傍にも改質部19及びクラック21が存在する蓋然性が低い。したがって、ウエーハ25は、外周縁が面取りされるウエーハとして好ましいウエーハである。
【0108】
なお、
図7に示されるウエーハの生成方法においては、外周縁検出ステップ(S3)、研削ステップ(S4)及び面取りステップ(S5)の一つ又は二つを行わなくてもよい。換言すると、本発明の技術的範囲には、剥離層形成ステップ(S1)及びウエーハ剥離ステップ(S2)と、外周縁検出ステップ(S3)、研削ステップ(S4)及び面取りステップ(S5)の一つ又は二つとを行うウエーハの生成方法も含まれる。
【0109】
その他、上述した実施形態及び変形例にかかる構造及び方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0110】
1 :インゴット
3 :レーザービーム
5 :光軸
11 :被加工物
11a:表面
11b:裏面
11c:c軸
11d:垂線
11e:c面
13 :一次オリエンテーションフラット
15 :二次オリエンテーションフラット
17a:外周領域
17b:中央領域
19 :改質部
21 :クラック
23 :剥離層
25 :ウエーハ
25a:剥離面
2 :レーザー照射装置
4 :チャックテーブル
6 :レーザービーム照射ユニット
8 :ヘッド
10 :連結部
12 :撮像ユニット
14 :分離装置
16 :液体
18 :液槽
20 :載置テーブル
22 :超音波照射ユニット
24 :研削装置
26 :チャックテーブル
28 :研削ユニット
30 :スピンドル
32 :ホイールマウント
34 :ボルト
36 :研削ホイール
38 :基台
40 :研削砥石
42 :面取り装置
44 :チャックテーブル
46 :スピンドル
48 :研削砥石
48a:上部
48b:下部
48c:中央部
48d:上方面取り部
48e:下方面取り部
50 :スピンドル