(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】原料気化システム、及び、これに用いられる濃度制御モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240826BHJP
G05D 21/00 20060101ALI20240826BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240826BHJP
C23C 16/448 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
H01L21/31 B
G05D21/00 A
H01L21/304 648K
H01L21/304 651H
C23C16/448
H01L21/304 648G
(21)【出願番号】P 2020142830
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(72)【発明者】
【氏名】志水 徹
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-111068(JP,A)
【文献】実開昭58-183517(JP,U)
【文献】特開2012-009744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
G05D 21/00
H01L 21/304
C23C 16/448
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内に収容された液体又は固体の原料にキャリアガスを導入して気化し、それによって生じた原料ガスを供給する原料気化システムに用いられる濃度制御モジュールであって、
前記原料ガスの濃度を測定する濃度測定部と、
前記原料ガスを前記タンクから導出する導出管に設けられたバルブと、
前記原料ガスの濃度目標値及び前記濃度測定部の濃度測定値を用いて前記タンク内の圧力目標値を算出する圧力目標値算出部と、
前記圧力目標値算出部により得られた圧力目標値に対して所定の時間遅れを与えて圧力制御値を生成する遅れフィルタと、
前記遅れフィルタにより得られた圧力制御値と前記タンク内の圧力との偏差を用いて前記バルブをフィードバック制御するバルブ制御部とを備える、濃度制御モジュール。
【請求項2】
前記遅れフィルタは、前記圧力目標値に対して一次遅れ演算を行って前記圧力制御値を生成する、請求項1記載の濃度制御モジュール。
【請求項3】
前記遅れフィルタは、前記圧力目標値を一定の割合で連続的に変化させて前記圧力制御値を生成する、請求項1に記載の濃度制御モジュール。
【請求項4】
前記圧力目標値算出部は、前記濃度目標値及び前記濃度測定値を所定の演算式に入力することにより、前記圧力目標値を算出する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の濃度制御モジュール。
【請求項5】
前記圧力目標値算出部は、前記タンク内の圧力に対して、前記濃度目標値と前記濃度測定値との比を掛け合わせることにより、前記圧力目標値を算出する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の濃度制御モジュール。
【請求項6】
外部から入力される前記タンク内の圧力目標値と前記タンク内の圧力との偏差を用いて前記バルブをフィードバック制御する第2のバルブ制御部を更に備え、
前記圧力目標値算出部、前記遅れフィルタ及び前記バルブ制御部により行われる濃度制御モードと、前記第2のバルブ制御部により行われる圧力制御モードとが切替可能に構成されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の濃度制御モジュール。
【請求項7】
前記バルブ制御部の制御パラメータは、前記第2のバルブ制御部の制御パラメータと同じである、請求項6に記載の濃度制御モジュール。
【請求項8】
前記制御パラメータは、PID係数である、請求項7に記載の濃度制御モジュール。
【請求項9】
タンク内に収容された液体又は固体の原料をキャリアガスを導入して気化し、それによって生じた原料ガスを供給する原料気化システムであって、
請求項1乃至8の何れか一項に記載の濃度制御モジュールを用いて前記原料ガスの濃度が制御される、原料気化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体又は固体の原料にキャリアガスを導入して気化し、それによって生じた原料ガスを供給する原料気化システム、及び、これに用いられる濃度制御モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の原料気化システムとしては、特許文献1に示すように、固体又は液体の原料が収容されるタンクと、当該タンクにキャリアガスを導入して原料を気化させる導入管と、タンクからキャリアガスと原料が気化した原料ガスとの混合ガスを導出する導出管とを備えている。また、導出管には、原料ガスの濃度を測定する濃度測定部及びコントロールバルブが設けられている。
【0003】
そして、この原料気化システムでは、濃度測定部により得られた測定濃度が設定濃度となるように、導出管に設けられたコントロールバルブを制御することにより濃度制御が行われている。コントロールバルブは、バルブ制御部によってフィードバック制御される。
【0004】
例えば、測定濃度が設定濃度よりも高い場合には、コントロールバルブの弁開度を小さくし、タンク内の全圧を大きくすることで、原料ガスの濃度を下げる。一方、測定濃度が設定濃度よりも低い場合には、コントロールバルブの弁開度を大きくし、タンク内の全圧を小さくすることで濃度を上げる。
【0005】
しかしながら、上記の濃度制御では、測定濃度と設定濃度との偏差を用いてフィードバック制御しており、タンク内のガス置換により測定濃度の変化に遅れが生じるため、応答性が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、原料気化システムの濃度制御の応答性を向上することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る濃度制御モジュールは、タンク内に収容された液体又は固体の原料にキャリアガスを導入して気化し、それによって生じた原料ガスを供給する原料気化システムに用いられる濃度制御モジュールであって、前記原料ガスの濃度を測定する濃度測定部と、前記原料ガスを前記タンクから導出する導出管に設けられたバルブと、前記原料ガスの濃度目標値及び前記濃度測定部の濃度測定値を用いて前記タンク内の圧力目標値を算出する圧力目標値算出部と、前記圧力目標値算出部により得られた圧力目標値に対して所定の時間遅れを与えて圧力制御値を生成する遅れフィルタと、前記遅れフィルタにより得られた圧力制御値と前記タンク内の圧力との偏差を用いて前記バルブをフィードバック制御するバルブ制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
このような濃度制御モジュールであれば、原料ガスの濃度目標値及び濃度測定部の濃度測定値を用いてタンク内の圧力目標値を算出し、当該圧力目標値に基づいてバルブを制御することにより濃度制御しているので、その応答性を向上することができる。
特に本発明では、遅れフィルタを用いて圧力目標値に対して所定の時間遅れを与えて圧力制御値を生成し、当該圧力制御値とタンク内の圧力との偏差を用いてバルブをフィードバック制御しているので、圧力目標値を変更した際のオーバーシュートなどの不要な圧力変動を低減することができる。これによっても、原料気化システムの濃度制御の応答性を向上することができる。
また、キャリアガスの流量の変化やタンクの容積の変化により、タンク内のガス置換時間が変わった場合においても、バルブ制御部における制御パラメータ(例えばPID係数)を変更することなく、遅れフィルタの変更のみで適切な制御を行うことができる。
【0010】
前記遅れフィルタの具体的な実施の態様としては、前記遅れフィルタは、前記圧力目標値に対して一次遅れ演算を行って前記圧力制御値を生成することが考えられる(一次遅れフィルタ)。その他、前記遅れフィルタは、前記圧力目標値を一定の割合で連続的に変化させて前記圧力制御値を生成することが考えられる(ランプフィルタ)。
【0011】
圧力目標値を算出する具体的な実施の態様としては、前記圧力目標値算出部は、前記濃度目標値及び前記濃度測定値を所定の演算式に入力することにより、前記圧力目標値を算出することも考えられる。
【0012】
例えば、原料ガスの濃度が「原料ガスの分圧/タンク内の圧力」から求まることを利用することが考えられる。具体的には、前記圧力目標値算出部は、前記タンク内の圧力に対して、前記濃度目標値と前記濃度測定値との比を掛け合わせることにより、前記圧力目標値を算出することが望ましい。
【0013】
本発明の濃度制御モジュールは、外部から入力される前記タンク内の圧力目標値と前記タンク内の圧力との偏差を用いて前記バルブをフィードバック制御する第2のバルブ制御部を更に備え、前記圧力目標値算出部、前記遅れフィルタ及び前記バルブ制御部により行われる濃度制御モードと、前記第2のバルブ制御部により行われる圧力制御モードとが切替可能に構成されているものであってもよい。
【0014】
この場合、濃度制御モードにおいて、圧力目標値に時間遅れを与えているので、前記バルブ制御部の制御パラメータは、前記第2のバルブ制御部の制御パラメータと同じにすることができる。具体的には前記制御パラメータは、PID係数であることが考えられる。
【0015】
また、上述した濃度制御モジュールを用いた原料気化装置も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0016】
以上に述べた本発明によれば、原料気化システムの濃度制御の応答性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る原料気化システムの全体模式図である。
【
図2】同実施形態の濃度制御モジュールの制御ブロック図である。
【
図3】同実施形態の圧力に基づく濃度制御を行った場合(本実施例)と、従来の濃度に基づく濃度制御を行った場合(従来例)との立ち下がり時間及び立ち上がり時間を示す実験結果である。
【
図4】変形実施形態における(a)濃度制御モードおよび(b)圧力制御モードを示す制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態に係る原料気化システムについて、図面を参照して説明する。
【0019】
<1.システム構成>
本実施形態の原料気化システム100は、例えば半導体製造プロセスに用いられるものであって、例えばウエハ洗浄装置の乾燥処理チャンバにイソプロピルアルコール(IPA)等の原料ガスを所定の濃度で供給するものである。その他、原料気化システムは、例えばCVD成膜装置やMOCVD成膜装置などの半導体処理装置の処理チャンバに原料ガスを所定の濃度で供給するものであってもよい。
【0020】
この原料気化システム100は、液体又は固体の原料にキャリアガスを導入して気化し、それによって生じた原料ガスを供給するものである。なお、以下では、液体の原料を用いた例について説明するが、固体の原料を用いた場合でも同様である。
【0021】
具体的に原料気化システム100は、
図1に示すように、液体の原料LMが収容されるタンク2と、当該タンク2に対してキャリアガスCGを導入してバブリングする導入管3と、タンク2からキャリアガスCGと原料LMが気化した原料ガスとの混合ガスMGを導出する導出管4とを備えている。
【0022】
タンク2は、液体の原料LMを収容する例えばステンレス製の密閉容器であり、外部に設けられたヒータなどの加熱機構により一定温度に加熱されている。
【0023】
導入管3の上流側には、例えば窒素や水素等のキャリアガスの供給源(不図示)が接続されており、導入管3の下流側はタンク2内に挿通されている。導入管3の下流側開口は、タンク2に収容された液体の原料LMの液面よりも低い位置に設定してあり、導入管3からタンク2に導入されたキャリアガスCGによって原料LMがバブリングされる。また、導入管3には、タンク2内に供給されるキャリアガスの流量を一定に保つためのマスフローコントローラ5が設けられている。
【0024】
導出管4の上流側開口は、タンク2において液体の原料LMが収容された状態で形成される上部空間(気相)に接続されている。また、導出管4の下流側には、半導体処理装置の処理チャンバ200が接続されている。また、導出管4には、混合ガスMG中の原料ガスの濃度を制御するための濃度制御モジュール6が設けられている。なお、導入管3及び導出管4には、タンク2をバイパスするバイパス管BPが接続されており、導入管3、導出管4及びバイパス管BPには、キャリアガスがタンク2を通過する流路と、バイパス管BPを通過する流路とを切り替える流路切替バルブV1~V3が設けられている。
【0025】
<2.濃度制御モジュール>
次に、本実施形態の濃度制御モジュール6について説明する。
【0026】
濃度制御モジュール6は、
図1に示すように、導出管4を流れる原料ガスの濃度を測定する濃度測定部61と、原料ガスをタンク2から導出する導出管4に設けられたバルブ62と、濃度測定部61の測定濃度に基づいてバルブ62をフィードバック制御する制御機器63とを備えている。本実施形態では、導出管4においてバルブ62の上流側には、タンク2内の圧力(全圧)を測定する圧力測定部64が設けられているなお、圧力測定部64は濃度制御モジュール6とは別に設けられたものであっても良い。
【0027】
濃度測定部61は、混合ガスMG中の原料ガスの濃度を連続測定するものであり、測定非分散赤外線吸収法(NDIR)を用いたNDIRセンサや、原料ガスの濃度が変化することで音速が変化することを利用した超音波センサ等を用いることができる。
【0028】
バルブ62は、導出管4において濃度測定部61の下流側に設けられており、制御機器63によりその弁開度が制御されるものである。
【0029】
制御機器63は、CPU、メモリ、A/D変換器、入出力インターフェース等を備えたコンピュータであり、メモリに格納されたプログラムに基づいてそれら各部が協働することにより、
図2に示すように、圧力目標値算出部63a、遅れフィルタ63b、バルブ制御部63c等としての機能を発揮する。
【0030】
圧力目標値算出部63aは、原料ガスの濃度目標値(CSET)及び濃度測定部61の濃度測定値(COUT)を用いてタンク2内の圧力目標値(PSET)を算出するものである。
【0031】
具体的に圧力目標値算出部63aは、以下の式のように、タンク2内の圧力(P
OUT)に対して、濃度目標値(C
SET)と濃度測定値(C
OUT)との比(C
OUT/C
SET)を掛け合わせることにより、圧力目標値(P
SET)を算出する。これは、原料ガスの濃度が「原料ガスの分圧(P
v)/タンク内の圧力(P
t)」から求まり、原料ガスの分圧(P
v)は、原料温度又はキャリアガスの流量等が変化しない限り、タンク内の圧力(P
t)に関わらずほぼ一定であることを利用している。なお、タンク2内の圧力(P
OUT)は、圧力測定部64に得られたものであり、濃度測定値(C
OUT)は、濃度測定部61から得られたものである。
【0032】
遅れフィルタ63bは、圧力目標値算出部63aにより得られた圧力目標値(PSET)に対して所定の時間遅れを与えて圧力制御値(PCTL)を生成するものである。
【0033】
具体的に遅れフィルタ63bは、以下の式に示すように、圧力目標値(P
SET)に対して一次遅れ演算を行って圧力制御値(P
CTL)を生成する。ここで、P
CTL1は、前の圧力制御値を示し、Δtは、制御周期を示し、T
fは、圧力目標値の変化率を調整するパラメータ(時定数)を示している。
【0034】
バルブ制御部63cは、遅れフィルタ63bにより得られた圧力制御値(PCTL)とタンク2内の圧力(POUT)との偏差を用いてバルブ62をフィードバック制御し、バルブ62にバルブ制御信号を出力する。ここで、バルブ制御部63cにおけるPID係数は、予め設定されている。
【0035】
次に、設定濃度(濃度目標値)を「4.4vol%」→「3.3vol%」→「4.4vol%」に変更した際の、本実施形態の圧力に基づく濃度制御を行った場合(本実施例)と、従来の濃度に基づく濃度制御を行った場合(従来例)との立ち下がり時間及び立ち上がり時間を
図3に示す。
【0036】
ここで、原料はIPAであり、タンク温度は23℃であり、キャリアガスの流量は1SLMであり、バルブの下流側の圧力は100kPaである。
【0037】
設定濃度(濃度目標値)を「4.4vol%」→「3.3vol%」に変更した場合、従来例の立ち下がり時間は80秒であったのに対して、本実施例の立ち下がり時間は50秒であり、応答時間が短縮したことが分かる。また、設定濃度(濃度目標値)を「3.3vol%」→「4.4vol%」に変更した場合、従来例の立ち上がり時間は200秒であったのに対して、本実施例の立ち上がり時間は60秒であり、応答時間が短縮したことが分かる。
【0038】
<3.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の原料気化システム100によれば、原料ガスの濃度目標値(CSET)及び濃度測定部の濃度測定値(COUT)を用いてタンク2内の圧力目標値(PSET)を算出し、当該圧力目標値(PSET)に基づいてバルブ62を制御することにより濃度制御しているので、その応答性を向上することができる。
【0039】
特に本実施形態では、遅れフィルタ63bを用いて圧力目標値(PSET)に対して所定の時間遅れを与えて圧力制御値(PCTL)を生成し、当該圧力制御値(PCTL)とタンク2内の圧力(POUT)との偏差を用いてバルブ62をフィードバック制御しているので、圧力目標値(PSET)を変更した際のオーバーシュートなどの不要な圧力変動を低減することができる。これによっても、原料気化システム100の濃度制御の応答性を向上することができる。
また、キャリアガスの流量の変化やタンク2の容積の変化により、タンク2内のガス置換時間が変わった場合においても、バルブ制御部63cにおける制御パラメータ(例えばPID係数)を変更することなく、遅れフィルタ63bの変更のみで適切な制御を行うことができる。
【0040】
<4.その他の実施形態>
例えば、前記実施形態の遅れフィルタは一次遅れ演算するものであったが圧力目標値を一定の割合で連続的に変化させて圧力制御値を生成するものであってもよい。
【0041】
また、圧力目標値算出部は、濃度目標値及び濃度測定値を前記実施形態に例示した式以外の所定の演算式に入力することにより、圧力目標値を算出するものであってもよい。
【0042】
さらに、濃度制御モジュールは、
図4(b)に示すように、外部から入力されるタンク2内の圧力目標値(P
SET)とタンク2内の圧力(P
OUT)との偏差を用いてバルブ62をフィードバック制御する第2のバルブ制御部63dを更に備えていても良い。この場合には、前記実施形態のように圧力目標値算出部63a、遅れフィルタ63b及びバルブ制御部63cにより行われる濃度制御モード(
図4(a))と、第2のバルブ制御部63dにより行われる圧力制御モード(
図4(b))とが切替可能に構成されていてもよい。この場合、バルブ制御部63cの制御パラメータ(例えばPID係数)は、第2のバルブ制御部63dの制御パラメータ(例えばPID係数)と同じとすることができる。なお、圧力制御モードは、例えば、流路切替バルブV1~V3を用いてキャリアガスをバイパス管BPにバイパスさせる場合(つまり、タンク2にキャリアガスを導入しないので原料ガスが含まれず、濃度制御が機能しない場合)等に用いられる。
【0043】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0044】
100・・・原料気化システム
2 ・・・タンク
4 ・・・導出管
6 ・・・濃度制御モジュール
61 ・・・濃度測定部
62 ・・・バルブ
63a・・・圧力目標値算出部
63b・・・遅れフィルタ
63c・・・バルブ制御部
63d・・・第2のバルブ制御部