(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】高度な反りサンプルの表面プロファイル計測
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
G01B11/24 D
(21)【出願番号】P 2023522548
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(86)【国際出願番号】 US2020056945
(87)【国際公開番号】W WO2022081178
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-08-22
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリーン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヘイグアン
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0054192(US,A1)
【文献】特開2016-031368(JP,A)
【文献】特表2007-509321(JP,A)
【文献】特開2010-133860(JP,A)
【文献】特開平05-029422(JP,A)
【文献】特表2015-535930(JP,A)
【文献】特開2012-154650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
9/00-9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ビームを生成するように構成された照明源と、
前記照明ビームをサンプルに向けるように構成された1つ以上の調整可能な光学素子を含むビーム整形器と、
前記ビーム整形器を介して前記サンプルからの反射光を受け取り、1つ以上のシアリングインタフェログラムを1つ以上の検出器で前記反射光に基づいて生成するように構成された1つ以上の計測チャネルであって、ここで前記反射光はコリメートされた状態にあり、その場合、前記1つ以上の調整可能な光学素子はデフォルト構成にあり、前記サンプルの上面は前記ビーム整形器の光軸に直交する、1つ以上の計測チャネルと、
前記ビーム整形器及び前記1つ以上の計測チャネルに通信可能に結合されるコントローラであって、ここで1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整させて、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を少なくとも部分的に補償させ
、
前記サンプルの前記上面の出力表面プロファイル計測を、前記1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて生成させ
、
サンプルマウント上の前記サンプルの配置に関連する歪みによる前記サンプルのマウントオフセット分布を決定させ、ここで前記出力表面プロファイル計測は補償されて前記マウントオフセット分布を除去する、
プ
ログラム命令を実行するように構成された前記1つ以上のプロセッサを含む、コントローラと、
を備える、計測ツール。
【請求項2】
前記出力表面プロファイル計測は、前記サンプル上の前記照明ビームの前記選択された角度プロファイルに関連する誘発されたオフセット分布を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項3】
前記出力表面プロファイル計測は補償されて、前記サンプル上の前記照明ビームの前記選択された角度プロファイルに関連する誘発されたオフセット分布を除去する、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項4】
サンプルマウント上の前記サンプルの配置に関連する歪みによる前記サンプルのマウントオフセット分布の決定は、
前記マウントオフセット分布を、前記サンプルの既知の特性と、前記サンプルマウントと前記サンプルとの既知の接触点に基づいて計算すること、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項5】
サンプルマウント上の前記サンプルの配置に関連する歪みによる前記サンプルのマウントオフセット分布の決定は、
前記マウントオフセット分布の少なくとも一部分を、前記サンプルの形状又は厚さ、及び前記サンプルマウントと前記サンプルとの既知の接触点のうちの少なくとも1つに基づくルックアップテーブルを使用して決定すること、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項6】
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を少なくとも部分的に補償することは、
前記サンプルの前記上面又は前記サンプルの底面のうちの少なくとも1つの粗表面プロファイル計測であって、前記1つ以上の計測チャネルよりも大きい計測範囲を有する、粗表面プロファイル計測を受け取り、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償すること、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項7】
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償することは、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の較正された構成のセットに関連付けられた、前記照明ビームの較正された角度プロファイルのセットを受け取り、
前記較正された角度プロファイルのセットの1つの角度プロファイルを選択して、前記コリメート状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づいて少なくとも部分的に補償し、
前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を、前記較正された構成のセットの較正された構成に調整して、前記選択された角度プロファイルを提供すること、
を含む、請求項6に記載の計測ツール。
【請求項8】
前記粗表面プロファイル計測は、前記サンプルの前記上面の表面プロファイル又は前記サンプルの厚さのうちの少なくとも1つの計測に基づく、請求項6に記載の計測ツール。
【請求項9】
前記粗表面プロファイル計測は、前記サンプルの前記底面の表面プロファイル又は前記サンプルの厚さのうちの少なくとも1つの計測に基づく、請求項6に記載の計測ツール。
【請求項10】
前記サンプルの前記厚さは
、測定されたも
のである、請求項9に記載の計測ツール。
【請求項11】
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を少なくとも部分的に補償することは、
前記1つ以上の調整可能な要素の前記構成を候補構成のセットに順次調整し、
前記1つ以上のシアリングインタフェログラム又は前記出力表面プロファイル計測のうちの少なくとも1つをモニタし、
前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を少なくとも部分的に補償するのに適した前記候補構成のセットの構成を識別し、
前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を前記識別された構成に調整すること、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項12】
前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成は、
前記ビーム整形器の前記光軸に沿った前記1つ以上の調整可能な光学素子の位置、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項13】
前記1つ以上の調整可能な光学素子のうちの少なくとも1つは、
レンズ、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項14】
前記1つ以上の調整可能な光学素子のうちの少なくとも1つは、
視野絞り又は瞳絞りのうちの少なくとも1つ、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項15】
前記照明源はレーザである、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項16】
前記レーザはヘリウムネオンレーザである、請求項15に記載の計測ツール。
【請求項17】
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を少なくとも部分的に補償することは、
1つ以上の制御信号を前記ビーム整形器に提供すること、
を含む、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項18】
シアリング干渉計であって、
照明ビームを生成するように構成された照明源と、
前記照明ビームをサンプルに向けるように構成された1つ以上の調整可能な光学素子を含むビーム整形器と、
前記ビーム整形器を介して前記サンプルからの反射光を受け取り、1つ以上のシアリングインタフェログラムを1つ以上の検出器で前記反射光に基づいて生成するように構成された1つ以上の計測チャネルであって、ここで前記反射光はコリメートされた状態にあり、その場合、前記1つ以上の調整可能な光学素子はデフォルト構成にあり、前記サンプルの上面は前記ビーム整形器の光軸に直交する、1つ以上の計測チャネルと、
を含む、シアリング干渉計と、
前記サンプルの前記上面の粗表面プロファイル計測を生成するように構成された1つ以上のプロファイリングセンサを含む粗表面プロファイラであって、前記粗表面プロファイル計測は、前記1つ以上の計測チャネルよりも大きな計測範囲を有する、粗表面プロファイラと、
前記ビーム整形器及び前記1つ以上の計測チャネルに通信可能に結合されるコントローラであって、ここで1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整させて、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づいて少なくとも部分的に補償させ
、
前記サンプルの前記上面の出力表面プロファイル計測を、前記1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて生成させ
、
サンプルマウント上の前記サンプルの配置に関連する歪みによる前記サンプルのマウントオフセット分布を決定させ、ここで前記出力表面プロファイル計測は補償されて前記マウントオフセット分布を除去する、
プ
ログラム命令を実行するように構成された前記1つ以上のプロセッサを含む、コントローラと、
を備える、計測ツール。
【請求項19】
前記1つ以上のプロファイリングセンサは、
干渉計厚さセンサ、共焦点厚さセンサ、又はシャックハルトマンセンサのうちの少なくとも1つ、
を含む、請求項18に記載の計測ツール。
【請求項20】
前記サンプルは回転並進ステージに取り付けられ、前記1つ以上のプロファイリングセンサは、線形並進ステージに取り付けられた1つ以上のプロファイリングセンサを含み、1つ以上のプロファイリングセンサは、前記サンプルが前記回転並進ステージ上で回転されるときに複数の計測を提供し、前記1つ以上のプロファイリングセンサは、前記線形並進ステージによって並進される、請求項18に記載の計測ツール。
【請求項21】
前記粗表面プロファイラは、サンプル位置合わせシステムに統合される、請求項18に記載の計測ツール。
【請求項22】
前記サンプルは第1のテストサンプルであり、前記サンプル位置合わせシステムは、追加のテストサンプルが前記シアリング干渉計上に配置されたときに、前記第1のテストサンプルの前記粗
表面プロファイル計測を生成することによってバッファとして動作するように構成される、請求項21に記載の計測ツール。
【請求項23】
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を少なくとも部分的に補償することは、
前記サンプルの前記上面又は前記サンプルの底面のうちの少なくとも1つの粗表面プロファイル計測であって、1つ以上の計測チャネルよりも大きい計測範囲を有する、粗表面プロファイル計測を受け取り、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償すること、
を含む、請求項18に記載の計測ツール。
【請求項24】
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償することは、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の較正された構成のセットに関連付けられた、前記照明ビームの較正された角度プロファイルのセットを受け取り、
前記較正された角度プロファイルのセットの1つの角度プロファイルを選択して、前記コリメート状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づいて少なくとも部分的に補償し、
前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を、前記較正された構成のセットの較正された構成に調整して、前記選択された角度プロファイルを提供すること、
を含む、請求項23に記載の計測ツール。
【請求項25】
前記粗表面プロファイル計測は、前記サンプルの前記上面の表面プロファイル又は前記サンプルの厚さのうちの少なくとも1つの計測に基づく、請求項23に記載の計測ツール。
【請求項26】
前記粗表面プロファイル計測は、前記サンプルの前記底面の表面プロファイル又は前記サンプルの厚さのうちの少なくとも1つの計測に基づく、請求項23に記載の計測ツール。
【請求項27】
計測方法であって、
粗表面プロファイラを用いてサンプルの上面の粗表面プロファイル計測を測定することと、
前記サンプルをシアリング干渉計に配置することと、この場合、シアリング干渉計が、
照明ビームを生成するように構成された照明源と、
前記照明ビームをサンプルに向けるように構成された1つ以上の調整可能な光学素子を含むビーム整形器と、
前記ビーム整形器を介して前記サンプルからの反射光を受け取り、1つ以上のシアリングインタフェログラムを1つ以上の検出器で前記反射光に基づいて生成するように構成された1つ以上の計測チャネルであって、ここで前記反射光はコリメートされた状態にあり、その場合、前記1つ以上の調整可能な光学素子はデフォルト構成にあり、前記サンプルの上面は前記ビーム整形器の光軸に直交する、1つ以上の計測チャネルと、
を含むことと、
前記ビーム整形器の前記1つ以上の調整可能な光学素子の前記構成を調整して、前記サンプル上の前記照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、前記コリメートされた状態からの前記反射光の偏差を前記粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償することと、
前記サンプルの前記上面の表面プロファイル計測を、前記1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて生成することと、
サンプルマウント上の前記サンプルの配置に関連する歪みによる前記サンプルのマウントオフセット分布を決定することと、
前記表面プロファイル計測を補償して前記マウントオフセット分布を除去することと、
を含む、計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に表面プロファイル計測に関し、特に、高度な反り(warped)サンプルの表面プロファイル計測に関する。
【背景技術】
【0002】
光干渉法は、サンプルの表面プロファイルを測定するための柔軟で感度の高いツールである。透明な光が対象のサンプルに対して使用されるいくつかの用途では、光干渉法は、サンプル内の複数の表面の表面プロファイル及び/又はサンプルの厚さの計測を更に提供し得る。しかし、光干渉法に基づく典型的な計測ツールの計測範囲は、高度な反りサンプルの表面プロファイルを測定するには不十分な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2013/0054192号
【文献】米国特許出願公開第2016/0027194号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、典型的な表面プロファイリング技術の欠点を解消するためのシステム及び方法を提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
計測ツールは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態により開示される。1つの例示的な実施形態では、計測ツールは照明源を含み、照明ビームを生成する。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、1つ以上の調整可能な光学素子を含むビーム整形器を含み、照明ビームをサンプルに向ける。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、1つ以上の計測チャネルを含み、ビーム整形器を介してサンプルからの反射光を受け取り、1つ以上のシアリングインタフェログラムを1つ以上の検出器で反射光に基づいて生成し、ここで、反射光はコリメートされた状態にあり、その場合、1つ以上の調整可能な光学素子はデフォルト構成にあり、サンプルの上面はビーム整形器の光軸に直交する。別の例示的な実施形態では、計測ツールはコントローラを含み、コントローラはビーム整形器及び1つ以上の計測チャネルに通信可能に結合される。別の例示的な実施形態では、コントローラは、ビーム整形器の1つ以上の調整可能な光学素子の構成を調整して、サンプル上の照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、コリメートされた状態からの反射光の偏差を少なくとも部分的に補償する。別の例示的な実施形態では、コントローラは、サンプルの上面の出力表面プロファイル計測を、1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて生成する。
【0006】
計測ツールは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態により開示される。1つの例示的な実施形態では、計測ツールはシアリング干渉計を含む。別の例示的な実施形態では、シアリング干渉計は照明源を含み、照明ビームを生成する。別の例示的な実施形態では、シアリング干渉計は、1つ以上の調整可能な光学素子を含むビーム整形器を含み、照明ビームをサンプルに向ける。別の例示的な実施形態では、シアリング干渉計は、1つ以上の計測チャネルを含み、ビーム整形器を介してサンプルからの反射光を受け取り、1つ以上のシアリングインタフェログラムを1つ以上の検出器で反射光に基づいて生成し、ここで、反射光はコリメートされた状態にあり、その場合、1つ以上の調整可能な光学素子はデフォルト構成にあり、サンプルの上面はビーム整形器の光軸に直交する。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、粗表面プロファイラを含み、それはサンプルの上面の粗表面プロファイル計測を生成するように構成された1つ以上のプロファイリングセンサを含み、ここで粗表面プロファイル計測は、1つ以上の計測チャネルよりも大きな計測範囲を有する。別の例示的な実施形態では、計測ツールはコントローラを含み、コントローラはビーム整形器及び1つ以上の計測チャネルに通信可能に結合される。別の例示的な実施形態では、コントローラは、ビーム整形器の1つ以上の調整可能な光学素子の構成を調整して、サンプル上の照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、コリメートされた状態からの反射光の偏差を粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償する。別の例示的な実施形態では、コントローラは、サンプルの上面の出力表面プロファイル計測を、1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて生成する。
【0007】
計測方法は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態により開示される。1つの例示的な実施形態では、計測方法は、サンプルの上面の粗表面プロファイル計測を、粗表面プロファイラを用いて測定することを含む。別の例示的な実施形態では、計測方法は、サンプルをシアリング干渉計に配置することを含む。別の例示的な実施形態では、シアリング干渉計は照明源を含み、照明ビームを生成する。別の例示的な実施形態では、シアリング干渉計は、1つ以上の調整可能な光学素子を含むビーム整形器を含み、照明ビームをサンプルに向ける。別の例示的な実施形態では、シアリング干渉計は、1つ以上の計測チャネルを含み、ビーム整形器を介してサンプルからの反射光を受け取り、1つ以上のシアリングインタフェログラムを1つ以上の検出器で反射光に基づいて生成し、ここで、反射光はコリメートされた状態にあり、その場合、1つ以上の調整可能な光学素子はデフォルト構成にあり、サンプルの上面はビーム整形器の光軸に直交する。別の例示的な実施形態では、計測方法は、ビーム整形器の1つ以上の調整可能な光学素子の構成を調整して、サンプル上の照明ビームの選択された角度プロファイルを提供し、コリメートされた状態からの反射光の偏差を粗表面プロファイル計測に基づき少なくとも部分的に補償することを含む。別の例示的な実施形態では、計測方法は、サンプルの上面の出力表面プロファイル計測を、1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて生成することを含む。
【0008】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、一般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の多くの利点は、当業者により、添付の図面を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、計測システムのブロック図である。
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、計測システムの概略図である。
【
図2A】本開示の1つ以上の実施形態による、反りサンプルを用いて公称位置に構成されたときの計測システムを通る光の光線図を含む計測システムの概略図である。
【
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、
図2Aの反りサンプルを用いて修正位置に構成されたときの計測システムを通る光の光線図を含む計測システムの概略図である。
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、粗表面プロファイラの概略図である。
【
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、計測方法で実行されるステップを示す流れ図である。
【
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、サンプル上の照明ビームの角度プロファイルを調整することに関連するサブステップを示す流れ図である。
【
図6A】本開示の1つ以上の実施形態による、シアリング干渉計の2つの計測チャネルからのX方向に沿った位相マップ及びY方向に沿った位相マップである。
【
図6B】本開示の1つ以上の実施形態による、オフセット分布及びマウント誘発された歪みの寄与に関連する、X方向に沿う予測された位相マップ及びY方向に沿う予測された位相マップである。
【
図6C】本開示の1つ以上の実施形態による、
図6Aの測定された位相マップを
図6Bの予測されたマップで補償することによって生成されたものに関連する、X方向に沿う補償された位相マップ及びY方向に沿う補償された位相マップである。
【
図6D】本開示の1つ以上の実施形態による、X方向に沿うアンラップされた位相マップ及びY方向に沿うアンラップされた位相マップである。
【
図7】本開示の1つ以上の実施形態による、サンプル上の照明ビームの角度プロファイルを調整することに関連するサブステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、開示された主題を詳細に参照し、それは添付の図面に示される。本開示は、特定の実施形態及びその特定の特徴に関して特に示されて説明されている。本明細書に記載の実施形態は、例示的であり、限定するものではないと解釈される。形態及び詳細における様々な変更と修正が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく成され得ることは、当業者には容易に明らかである。
【0011】
本開示の実施形態は、反り表面を有する表面の表面プロファイルを測定するためのシステム及び方法に関する。言い換えると、本開示の実施形態は、プロファイル変動を有する表面の表面プロファイルを測定するためのシステム及び方法に関し、プロファイル変動は、標準的な干渉計ツールの計測範囲に近いか、又はそれよりも大きい可能性があるが、比較的、低空間周波数に関連する。
【0012】
例えば、半導体ウェハの表面プロファイルは、半導体デバイスの製造の様々な段階で日常的に検査される。このような半導体ウェハは、最大300mmの直径と、典型的には1mmより下の厚さを有し得る。更に、そのようなウェハは、通常、平坦な表面上では支持されず、ウェハとのいくつか(例えば3つ)の接触点を有するサンプルホルダ上で支持される。したがって、これらのウェハは、完全に支持された状態のウェハ形状を示し得ないようなサンプルマウント上で支持された場合、反り(warping)、曲がり(bowing)、撓み(flexing)、又は他の形状偏差を示す場合がある。このような形状偏差は、以下で概して反りと呼ばれ、表面プロファイル計測を行う際に更に困難につながる場合がある。例えば、反りは、通常の表面プロファイラの計測範囲よりも大きいウェハ全体にわたる表面プロファイル(例えば、表面高さ)偏差をもたらす可能性がある。これにより、計測の特定の部分が無効になる場合があり、又は完全なサンプル表面を取得するために異なる高さで複数の計測のステッチングを必要とする場合がある。
【0013】
本開示の目的のために、横方向の視野に対して低空間周波数を有するプロファイル偏差は、概して反りと呼ばれる。この用語は単に例示を目的として使用されており、限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、本明細書では、低空間周波数を有するプロファイル偏差が、機械的応力以外の理由でサンプル表面に意図的又は別の方法で存在する可能性があることが企図されている。本開示における実施例及び説明の多くは半導体サンプルに関するものであるが、半導体サンプルに関する本明細書における実施例及び説明は、単に例示を目的として提供されており、限定するものとして解釈されるべきではないことを更に理解されたい。むしろ、本明細書で開示されるシステム及び方法は、任意の形状因子を有する任意のタイプの材料に適する可能性がある。
【0014】
本開示の実施形態は、シアリング干渉法に基づく表面プロファイル計測のための計測ツールに関し、ここで、検査中のサンプルに入射する光の角度プロファイルは、調整可能であり、低空間周波数プロファイルの偏差、例えば、限定するものではないが、サンプルの反りによって引き起こされる偏差を補償する。例えば、シアリング干渉計は、表面の表面プロファイルを、光(例えば、照明又は照明ビーム)を表面に向けること、表面によって反射された光をキャプチャすること、反射光を2つの剪断ビームに剪断すること、そして剪断されたビームを検出器上で干渉させてインタフェログラムを生成すること、によって生成し得る。この構成では、インタフェログラムのフリンジの変動は、剪断方向に沿ったサンプル傾斜の変動と相関する。更に、表面プロファイル計測は、測定されたサンプル傾斜プロファイルを統合することによって生成され得る。
【0015】
シアリング干渉計は、一般に、1つ以上の光学素子を含み、光をサンプルに向け、サンプルからの反射光(例えば、再帰反射光)を集め、反射光を1つ以上の計測チャネルに向け得る。この点に関して、サンプルにわたる反射光の位相分布は、サンプルのトポグラフィに関連する情報を含み得る。更に、サンプルからのこの反射光は、シアリング光学系を含む1つ以上の計測チャネルに向けられ、サンプルからの反射光を剪断し、剪断された光で1つ以上の計測方向に沿ってシアリングインタフェログラムを生成する。表面プロフィロメトリ用のシアリング干渉計は、2017年10月10日に発行された米国特許第9,784,570号に一般的に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0016】
いくつかの実施形態では、シアリング干渉計は、ビーム整形器及び1つ以上の計測チャネルを含み、ここで、ビーム整形器は1つ以上の光学素子を含み、サンプルに向けられた照明源からの照明の空間プロファイル及び角度プロファイルを形作る。例えば、ビーム整形器は、ビーム拡大器として動作し、照明ビームの直径を拡大させて、サンプルのサイズに一致させ得る。更に、ビーム整形器は、サンプルからの反射光を集め、この反射光を1つ以上の計測チャネルに向け得る。ビーム整形器及び1つ以上の計測チャネルは、米国特許第9,784,570号に記載されているように一般的に構成されてもよいが、必ずしも構成される必要はなく、本明細書に開示される変形及び追加の特徴を含んでもよい。
【0017】
本明細書では、シアリング干渉計を調整して、サンプルに向けられる照明の角度プロファイルを修正して、少なくとも部分的に反りを補償することによって、サンプルの反りを補償し得ると企図される。いくつかの実施形態では、シアリング干渉計は、1つ以上の調整可能な光学素子を含み、ここで調整可能な光学素子を調整することは、サンプルに向けられる照明の角度プロファイルを修正する効果がある。例えば、1つ以上の調整可能な光学素子は、ビーム整形器に統合されてもよいが、必ずしも統合される必要はない。
【0018】
いくつかの実施形態では、調整可能な光学構成要素は、コリメートされた光をデフォルト又は公称構成でサンプルに提供するように構成され得る。例えば、ビーム整形器の光軸に垂直に向けられたサンプル表面からの光は、デフォルト構成において、コリメートされた光としてビーム整形器に再帰反射され得る。次に、1つ以上の計測チャネルは、ビーム整形器からコリメートされた光を受け取ってもよい。しかし、本明細書では、反りサンプル表面(例えば、低空間周波数プロファイル偏差のある表面)は、コリメートされた状態からの再帰反射光の偏差を誘発する場合があると企図される。例えば、表面のボーイングは、再帰反射光を、ボウの方向に応じて収束又は発散させる場合がある。より複雑な歪みは、サンプルからの反射ビームの角度プロファイルの、同様により複雑な偏差を生成し得る。これらの偏差は、1つ以上の計測チャネルにおいて、シアリングインタフェログラムの変動として現れるであろう。反りの程度によっては、コリメートされた状態からの反射ビームの角度プロファイルの偏差は、視野全体にわたってサンプルの表面プロファイルの計測を妨げる(又は少なくとも悪影響を与える)ほど、十分に深刻であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、ビーム整形器の1つ以上の光学素子は調整可能であり、サンプルに向けられる照明の角度プロファイルの修正を提供する。更に、いくつかの実施形態では、ビーム整形器内の少なくとも1つの調整可能な光学素子の位置を調整して、サンプルに向けられる照明の角度プロファイルを修正し、コリメートされた状態からの反射光の偏差を少なくとも部分的に補償する。例えば、ビーム整形器内の少なくとも1つの光学素子の位置を調整して、サンプルからの反射光をコリメートし得る(又はコリメートを少なくとも部分的に改善し得る)。この点に関して、計測チャネルは、ビーム整形器からコリメートされた光(又は少なくとも、ビーム整形器の調整がない場合よりも、更にコリメートされた光)を受け取り得る。
【0020】
一般的には、1つ以上の調整可能な光学素子の調整が規定されるデフォルト又は公称構成は、任意の選択された構成を含み得る。例えば、上述のように、デフォルト構成は、コリメートされた照明をサンプルに提供する構成に対応し得る。しかし、別の例では、デフォルト構成は、サンプル上での照明の非コリメート角度プロファイルを提供する構成に対応し得る。場合によっては、このデフォルト構成は、サンプルの既知の又は推定された反りに基づいてもよい。更に、そのような構成は、特定のサンプル又は用途に最適化された構成として説明され得るが、そうである必要はない。
【0021】
本明細書では、サンプルに向けられた照明の角度プロファイルを修正することにより、誘発されたオフセット分布を測定された表面プロファイルに導入する効果があり得ると企図される。例えば、照明ビームの角度プロファイルが完全に一致してサンプルの反りを打ち消し、コリメートされた反射光を提供する場合、計測チャネルは、サンプルに反りがないことを示す表面プロファイル計測を提供する場合がある。したがって、計測チャネルによって提供される表面プロファイルは、バイアスされた計測プロファイルと見なされてもよく、それはサンプルに向けられた照明の修正された角度分布を表す誘発されたオフセット分布でバイアスされる。
【0022】
いくつかの実施形態では、シアリング干渉計は、バイアスされた表面プロファイル計測を提供し得る。例えば、いくつかの用途では、反りのないサンプルの表面プロファイルを提供することが有用であり得る。この場合、表面プロファイルは、反り以外の変動、例えば、限定するものではないが、欠陥、表面の不規則性、又はサンプル上の製造された特徴を反映し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、シアリング干渉計は、バイアスのない表面プロファイル計測を提供し得て、それは、誘発されたオフセット分布がバイアスされた表面プロファイルから除去される。この点に関して、バイアスのない表面プロファイル計測は、反りを含むサンプルの実際のレイアウトを反映する場合がある。とりわけ、しかしながら、本明細書で開示されるシステム及び方法は、バイアスのない表面プロファイル計測が、典型的なシアリング干渉計では不可能な状況において、サンプルの完全なレイアウトを正確に取得し得ることを提供し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、シアリング干渉計は、調整された表面プロファイルを提供し得て、サンプルマウント(例えば、3つの接触点を有する3ピンのサンプルマウント)又は他の支持機構による表面プロファイルの変形が除去される。例えば、水平位置のサンプルは、3つの接触点を用いて支持されている3ピンのサンプルマウントによって支持されており、重力によるサグを示す場合がある。別の例として、1つ以上のエッジグリッパを使用して垂直位置に取り付けられたサンプルは、エッジグリッパによって誘発される応力を示す場合がある。更なる例として、サンプルを平坦な表面上で支持することは、そうでなければサンプルに存在する変形を平坦化する可能性がある。一般的に、本明細書では、任意のサンプルマウントを使用して任意の構成でサンプルを取り付けることは、パラメータ、例えば、限定するものではないが、サンプルのサイズ、サンプルの組成、及びサンプルホルダの接触点のレイアウトに基づいてサンプルの変形を誘発する可能性がある。更に、サンプルマウントに関連する形状変形は、これらのパラメータに基づいてモデル化されてもよく、その結果、このマウント誘発された変形の寄与が、必要に応じて出力表面プロファイルから除去され、サンプルの自然な形状をより正確に反映し得る。更に、このマウント誘発された歪みは、サンプルの反りに寄与し得るが、必ずしも寄与する必要はなく、歪みはサンプルに向けられた照明の角度プロファイルの修正によって少なくとも部分的に補償され得る。
【0025】
本明細書において、反りを少なくとも部分的に補償する(例えば、コリメートされた状態からの反射光の偏差を少なくとも部分的に補償する)ために必要なサンプルに向けられた照明ビームの角度プロファイルは、様々な技術を使用して決定され得ることが、更に企図される。
【0026】
いくつかの実施形態では、サンプルに向けられた照明ビームの角度プロファイルは、粗表面プロファイル計測ツール(例えば、粗表面プロファイラ)を使用して生成されたサンプルの粗表面プロファイルに基づいて修正される。例えば、粗表面プロファイラは、シアリング干渉計よりも低い解像度(例えば、横方向又は高さの寸法に沿って)を有する表面プロファイル計測を提供し得るが、より広い計測範囲を提供する場合もある。場合によっては、粗表面プロファイラは、反りを含むサンプルの完全なプロファイル変動を測定するのに十分な大きさの計測範囲を有し得る。この点に関して、反りの計測を使用して、反りを少なくとも部分的に補償する角度プロファイルを提供するのに適したビーム整形器の構成を決定し得る。本開示の追加の実施形態は、粗表面プロファイラに関する。いくつかの実施形態では、粗表面プロファイラは、サンプルより小さい視野を有する1つ以上のセンサを含む。この点に関して、粗表面プロファイルは、サンプル又はその一部分を、センサを用いて走査することにより生成され得る。いくつかの実施形態では、粗表面プロファイラは、前処理ツール、例えば、限定するものではないが、アライメントツール又はバッファに統合される。この点に関して、粗表面プロファイルが生成された後に、サンプルはシアリング干渉計に配置され、複数のサンプルを効率的に処理し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、サンプルに向けられた照明ビームの角度プロファイルは、シアリング干渉計によって生成された1つ以上の表面プロファイル計測に基づいて修正される。例えば、表面プロファイル(又は計測チャネルからの1つ以上のシアリングインタフェログラム)は、ビーム整形器内の1つ以上の調整可能な要素が順次調整されるときにモニタされ得る。この点に関して、反りを少なくとも部分的に補償するビーム整形器の構成は、選択され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、サンプルに向けられた照明ビームの角度プロファイルは、サグの予測量に基づいて修正される。例えば、本明細書で前述したように、サグなどの形状変形は、サンプル及びサンプルホルダの既知の特性に基づいて予測され得る。これに関して、サグの予測される量又は分布を使用して、サグを補償するのに適した照明の角度プロファイルを提供するビーム整形器の構成を選択し得る。
【0029】
ここで、
図1A~
図6を参照して、表面反りの存在下での表面プロファイル計測のためのシステム及び方法は、本開示の1つ以上の実施形態により、更に詳細に説明される。
【0030】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測システム100のブロック図である。1つの実施形態では、計測システム100は、シアリング干渉計102を含み、ここで、シアリング干渉計102は、照明ビーム106を生成するための照明源104、ビーム整形器108、及び1つ以上の計測チャネル110を含む。ビーム整形器108は、サンプル112に向けられた照明ビーム106の空間プロファイル及び角度プロファイルを制御し得て、サンプル112からの反射光(例えば、再帰反射光)を更に集め、この反射光を1つ以上の計測チャネル110に向けることができる。計測チャネル110は、1つ以上のシアリング光学系を含み、サンプル112からの反射光を計測方向に沿って剪断ビームに剪断し得て、また1つ以上の光学素子を含んで、剪断ビームを検出器上で結合し得る。この点に関して、インタフェログラム(例えば、シアリングインタフェログラム)は、検出器上で生成され、検出器によって取得され得て、ここで、サンプル112に関連するトポグラフィ情報は、インタフェログラムの変動として表されてもよい。特に、インタフェログラムの変動は、測定方向に沿ったサンプル112の表面傾斜のプロファイルに対応し得る。次いで、表面プロファイル情報(例えば、表面高さマップ)は、表面傾斜のプロファイルを統合することによって生成され得る。更に、計測システム100は、異なる計測方向を有する複数の計測チャネル110を含み、完全な3Dトポグラフィ情報を取得し得る。例えば、計測システム100は、直交する計測方向を有する2つの計測チャネル110を含み得る。
【0031】
別の実施形態では、ビーム整形器108は、1つ以上の調整可能な光学素子114を含む。例えば、1つ以上の調整可能な光学素子114の位置を調整することで、サンプル112上の照明ビーム106の空間プロファイル及び/又は角度プロファイルを制御し得る。例えば、調整可能な光学素子114は、限定するものではないが、1つ以上のレンズ、1つ以上の視野絞り、又は1つ以上の瞳絞りを含み得る。
【0032】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測システム100の概略図である。
【0033】
照明源104は、コヒーレント照明ビーム106を生成するのに適した当技術分野で周知の任意のタイプの照明源を含み得る。1つの実施形態では、照明源104は、レーザ照明ビーム106を生成するように構成されたレーザ源を含む。更に、照明源104は、任意の波長又はスペクトルを有する照明ビーム106を生成し得る。しかしながら、本明細書では、サンプル112の組成に基づいて照明ビーム106の波長を選択し、サンプル112による照明ビーム106の反射を促進し、透過を最小限に抑えることが望ましい場合があることが認識される。この点に関して、計測システム100によってキャプチャされた反射光は、主として、排他的でないにしても、サンプル112の上面116(例えば、計測面)から反射された光を含み得る。例えば、照明源104は、約633nmの波長を有するヘリウムネオンレーザを含み得るが、必ずしも含む必要はなく、これは、半導体ウェハ、例えば、限定するものではないが、シリコンウェハでの使用に適し得る。
【0034】
1つの実施形態では、計測システム100は、サンプルマウント117を含んでサンプル112を固定する。サンプルマウント117は、サンプル112を任意の位置又は方向に固定するのに適した、当技術分野で周知の任意のタイプのマウントを含み得る。例えば、サンプルマウント117は、3つ以上の接触ピンを用いてサンプル112を水平位置に固定するか、そうでなければ支持し得る。例えば、3ピンのサンプルマウント117は、3つのピンを含み得て、その上にサンプル112が置かれる。別の例として、サンプルマウント117は、サンプル112を垂直位置に固定するか、そうでなければ支持し得る。例えば、サンプルマウント117は、1つ以上のエッジグリッパを含み、サンプル112上の1つ以上のエッジポイントに接触し得る。更に、図示されていないが、サンプルマウント117は、1つ以上の並進ステージ、例えば、限定するものではないが、線形並進ステージ、回転並進ステージ、又はチップ/チルト並進ステージを含み、計測システム100内にサンプル112を計測のために配置する。
【0035】
1つの実施形態では、計測システム100は、ビームスプリッタ118を含み、ビームスプリッタ118は、照明源104から照明ビーム106を受け取り、照明ビーム106の少なくとも一部分をサンプル経路120に沿ってビーム整形器108及びサンプル112に伝送するように構成される。更に、ビームスプリッタ118は、サンプル112からの反射光122を、ビーム整形器108を介して受け取り、この反射光122を計測経路124に沿って1つ以上の計測チャネル110に向けることができる。例えば、
図1Bは、X及びY(例えば、直交)計測チャネル110を有する計測システム100を示す。
図1Bに示されるように、計測システム100はまた、反射光122を2つの計測チャネル110の間で分割するチャネルビームスプリッタ126と、光の光路を所望の形状因子に折り畳む回転ミラー128とを含み得る。
【0036】
図示されていないが、計測システム100は、1つ以上の偏光制御素子を含み、光の偏光を計測システム100全体の任意の点で調整し得る。例えば、照明源104からの照明ビーム106は、直線偏光されるか、又は線形偏光子で偏光され得る。ビームスプリッタ118は、照明ビーム106を最小の損失でサンプル112に通過させるように配向された偏光ビームスプリッタとして構成され得る。更に、計測システム100は、1/4波長板をサンプル経路120に含み、円偏光をサンプル112の前に照明ビーム106に誘発し得る。このようにして、反射光122は、入射照明ビーム106として直交偏光を有する直線偏光ビームに変換され得て、その結果、偏光ビームスプリッタ118は反射光122を損失なく計測経路124に向けることができる。
【0037】
計測チャネル110は、反射光122を計測方向に沿って剪断し、シアリングインタフェログラムを検出器130上で取得するのに適した、光学素子の任意の組み合わせを含み得る。1つの実施形態では、計測チャネル110は、1つ以上のシアリング光学系132を含み、反射光122の受け取った部分を剪断する。シアリング光学系132は、当技術分野で周知の任意のタイプのシアリング素子を含み得て、限定するものではないが、1つ以上のロンキ格子、ウォラストンプリズム、又はノマルスキプリズムが挙げられる。この点に関して、計測システム100は、任意のタイプのシアリング干渉計として動作し得る。例えば、
図1Bの2つの測定チャンネル110は、2つのロンキ格子134を含む。
【0038】
1つの実施形態では、ビーム整形器108は、ビーム拡大器を含むか、そうでなければビーム拡大器から形成される。例えば、照明ビーム106の直径を拡大して、サンプル112(又はサンプル112上の少なくとも所望の計測領域)の直径に一致させることが望ましい場合がある。しかし、反射光122が計測チャネル110においてこの直径を有することは望ましくない場合がある。したがって、ビーム整形器108は、計測チャネル110での使用に適した第1の直径136で照明ビーム106を受け取り、照明ビーム106を、サンプル112を調査するのに適した第2の直径138に拡大し得る。例えば、照明ビーム106は、ほぼウェハの直径になるように拡大されてもよい。この半導体ウェハの場合、この直径は約300mm以上であり得るが、必須ではない。同様に、ビーム整形器108は、逆の動作で、第2の直径138でのサンプル112からの反射光122を第1の直径136に縮小し得る。
【0039】
別の実施形態では、計測システム100は、入力ビーム拡大器140を含み、照明ビーム106の直径を、照明源104によって提供される元の直径142から第1の直径136まで調整する。この点に関して、第1の直径136及び第2の直径138は、元の直径142とは無関係に選択され得る。
【0040】
1つの実施形態では、調整可能な光学素子114は、ビーム整形器108の1つ以上のレンズを含む。例えば、ビーム整形器108は、ビーム拡大器/縮小器として動作するように構成された1つ以上のレンズを含み得て、これらのレンズの1つ以上の位置を修正することで、サンプル112に向けられる照明ビーム106の角度プロファイルを調整し得る。特に、ビーム整形器108のレンズは、デフォルト又は公称位置を有することができ、照明ビーム106がコリメートされたビームとして(例えば、コリメートされた状態で)ビーム整形器108に出入りする。このように、ビーム整形器108の光軸144に沿ったビーム整形器108のレンズのいずれかの位置に対する調整は、サンプル112に向けられる照明ビーム106の角度プロファイルに、半径方向に対称な収束又は発散を導入し得る。更に、光軸144に垂直な横方向に沿ったビーム整形器108のレンズのいずれかの位置に対する調整は、照明ビーム106の角度プロファイルに非対称変動を導入し得る。この点に関して、より複雑なトポグラフィ(例えば、サドル(saddle)形状、タコ(taco)形状など)をより測定するのに適した、より複雑な角度プロファイルが生成され得る。
【0041】
別の実施形態では、ビーム整形器108の調整可能な光学素子114は、1つ以上の非合焦光学系、例えば、限定するものではないが、それぞれの平面にわたって選択された透過プロファイルを有する視野絞り又は瞳絞りを含み、サンプル112上の照明ビーム106の空間及び/又は角度分布を更に修正し得る。
【0042】
別の実施形態では、ビーム整形器108は、専用の調整可能な光学素子114を含み得る。例えば、ビーム整形器108は、本明細書で前述したようにビーム直径を拡大/縮小するための第1のセットの光学素子と、サンプル112に向けられる照明ビーム106の角度プロファイルを調整するための第2のセットの光学素子とを含み得る。
【0043】
ここで、
図2A及び
図2Bを参照すると、照明ビーム106の角度プロファイルの修正は、本開示の1つ以上の実施形態により、より詳細に説明される。
【0044】
1つの実施形態では、ビーム整形器108は、3レンズアセンブリ202を含む。例えば、
図2A及び
図B2に示されるビーム整形器108は、ダブレットレンズ204、正メニスカスレンズ206、及び平凸レンズ208を含む。しかし、ビーム整形器108の特定の構成要素の図示は、本明細書に単に例示を目的として提供されており、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、ビーム整形器108は、サンプル112上の照明ビーム106の空間及び/又は角度プロファイルを制御するのに適したレンズの任意の数、タイプ、又は構成を有し得る。
【0045】
サンプル112からの反射光122は、サンプル112の表面が光軸144に直交する平面内にある場合、コリメートされ得る(例えば、コリメートされた状態で)ことが、本明細書において企図される。この場合、計測チャネル110に向けられたビーム整形器108を出る反射光122もまた、コリメートされ得る。
【0046】
1つの実施形態では、計測チャネル110は、インタフェログラムを検出器130上に生成するように設計され、その時、反射光122は、コリメートされた状態にあるか、又はコリメートされた状態からの偏差の許容範囲内にある。例えば、
図2Aに示すように、計測チャネル110は、1対のロンキ格子(例えば、シアリング光学系132)を含み得て、各ロンキ格子は、反射光122を2つ以上の回折次数に回折させる。更に、計測チャネル110は、1つ以上のチャネルレンズ210を含み、ロンキ格子からの選択された回折次数を検出器130のセンサ212上のインタフェログラムとして組み合わせてもよい。別の実施形態では、計測チャネル110は、アパチャ214を含み、選択された回折次数を検出器130に渡し、残りの回折次数を排除する。例えば、アパチャ214は、シアリング光学系132に対してフーリエ平面に配置されてもよく、そこで各回折次数がフーリエ平面の別個の部分に合焦される。
【0047】
別の実施形態では、
図2A及び
図2Bに示すように、計測システム100は、補償板216を含み、別の計測チャネル110に対する現在の計測チャネル110の光路長差を補償し得る。例えば、補償板216は、別の計測チャネル110(図示せず)に向けられるチャネルビームスプリッタ126を通る光線(図示せず)の伝播に関連する光路差を補償し得る。
【0048】
本明細書では、サンプル112からの反射光122は、サンプル112の表面が反る場合、コリメートされた状態から外れる可能性があることが更に企図される。この場合、計測チャネル110に向けられたビーム整形器108を出る反射光122もまた、コリメートされた状態から外れる場合がある。コリメートされた状態からの反射光122のこの偏差の程度が、過度に大きい場合、計測チャネル110は、インタフェログラムを関連する検出器上で適切に生成できないか、又はインタフェログラムが過度に歪み、信頼できる計測データを提供し得ない場合がある。
【0049】
図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、反りサンプル112を用いて公称位置に構成されたときの計測システム100を通る光の光線図を含む、計測システム100の概略図である。特に、
図2Aのサンプル112は、-1mmのボウを示し、サンプル112は計測システム100に対して凹状となる。更に、反射光122の複数の回折次数が示され、計測システム100を通る光の経路に対する反りの影響を示す。加えて、
図2Aは、光学素子200を含み、照明ビーム106を照明源104からビーム整形器108に向ける。
【0050】
図2Aに示されるように、サンプル112のボウは、コリメートされた状態からのサンプル112の偏差を生じる場合がある。例えば、
図2Aは、計測経路124に沿って焦点218に到達する反射光122を示す。更に、サンプル112のボウは、ロンキ格子からの回折次数が焦点になる位置(例えば、フーリエ平面の位置)を修正し得る。その結果、アパチャ214は、選択された回折次数を通過させるのに非効果な場合がある。例えば、フーリエ平面のシフトは、(例えば、アパチャ214の平面における反射光122のスポットサイズの増加により)アパチャ214を通る選択された回折次数の透過の減少をもたらす可能性があり、インタフェログラムのフリンジのコントラストを低下し得る。別の例として、フーリエ平面のシフトにより、追加の回折次数からの光が検出器に伝播することが可能になり、インタフェログラムにノイズ又はアーチファクトを導入する場合がある。
【0051】
図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態により、
図2Aの反りサンプル112を用いて修正された位置に構成されたときの計測システム100を通る光の光線図を含む、計測システム100の概略図である。
【0052】
図2Bに示されるように、ビーム整形器108の1つ以上のレンズは、調整可能な光学素子114として動作し、サンプル112に向けられる照明ビーム106の角度プロファイルを修正し得る。特に、
図2Bは、正メニスカスレンズ206が調整可能な光学素子114であり、ビーム整形器108の光軸144に沿って67mmまで移動されて、サンプル112の反りを補償する構成を示す。例えば、この調整は、ビーム整形器108を出る反射光122が適切にコリメートされるようにする。結果として、アパチャ214は、選択された回折次数を検出器130に効果的に通過させ得る。1つの実施形態では、計測チャネル110のアパチャ214及び/又は検出器130は、線形並進ステージに取り付けられ、その結果、アパチャ214及び/又は検出器130の位置を調整して、フーリエ平面及び/又は撮像平面の差を、調整可能な光学素子114の調整に基づき補償し得る。更に、以下でより詳細に説明するように、アパチャ214及び/又は検出器130の位置は、調整可能な光学素子114の周知の構成に基づいて較正され得る。この点に関して、アパチャ214及び/又は検出器130の位置は、調整可能な光学素子114の構成が調整されるときに調整され得る。
【0053】
本明細書では、
図2B及び
図2Cに示される計測システム100が、最大±1200μmのボウを有する半径方向に対称な球形(例えば、凹形又は凸形)を有するサンプル112を単一の取得サイクルで測定するのに適し得る、ことが企図される。しかし、ビーム整形器108の特定の設計及び調整可能な光学素子114としての正メニスカスレンズ206の特定の使用は、単に例示の目的で本明細書に提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、ビーム整形器108は、サンプル112上の照明ビーム106の空間及び/又は角度プロファイルを制御するための任意の適切な光学設計を有し得る。別の例として、任意の光学素子又は光学素子の組み合わせは、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを修正するための調整可能な光学素子114として動作し、サンプル112の反りを補償し得る。別の例として、
図2A及び
図2Bは、ビーム整形器108の光軸に沿った調整可能な光学素子114の位置の変動を示し、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルの半径方向に対称な変動を提供するものであり、この説明は、単に例示の目的として提供されており、制限として解釈されるべきではない。むしろ、ビーム整形器108の光軸に直交する方向に沿った調整可能な光学素子114の位置の変動は、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルのより複雑な変動を提供し得る。一般的な意味では、サンプル112に向けられた照明ビーム106のビーム整形の複雑さは、調整可能な光学素子114に関連する自由度の数に基づいて決定され得る。
【0054】
再び
図1Aを参照すると、計測システム100の追加の構成要素が、本開示の1つ以上の実施形態により、より詳細に説明される。
【0055】
1つの実施形態では、計測システム100はコントローラ146を含む。コントローラ146は、メモリ150(例えば、メモリ媒体、メモリデバイスなど)上に維持されるプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ148を含み得る。更に、コントローラ146は、計測システム100の任意の構成要素と通信可能に結合され得て、限定するものではないが、ビーム整形器108、特定の調整可能な光学素子114、又は検出器130が挙げられる。この点に関して、コントローラ146の1つ以上のプロセッサ148は、本開示を通じて説明される様々なプロセスステップのいずれかを実行し得る。例えば、コントローラ146の1つ以上のプロセッサ148は、計測チャネル110から計測信号(例えば、検出器130からのインタフェログラムデータ)を受信し、1つ以上の分析ステップを実行して、計測信号からトポグラフィデータを抽出し得る。別の例として、コントローラ146の1つ以上のプロセッサ148は、調整可能な光学素子のための制御信号を生成し、サンプル112に向けられる照明の角度プロファイルを調整し得る。別の例として、コントローラ146の1つ以上のプロセッサ148は、サンプル112の反りを少なくとも部分的に補償するのに適した1つ以上の調整可能な光学素子114の構成を選択し、この構成を達成するために適切な制御信号を生成し得る。
【0056】
コントローラ146の1つ以上のプロセッサ148は、当技術分野で周知の任意のプロセッサ又は処理要素を含み得る。本開示の目的のために、「プロセッサ」又は「処理要素」という用語は、1つ以上の処理又は論理要素を有する任意のデバイス(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP))を包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ148は、アルゴリズム及び/又は命令(例えば、メモリに格納されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ148は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワーク化されたコンピュータ、又は任意の他のコンピュータシステムとして具体化され得て、それらは本開示を通して説明されるように、計測システム100を用いて動作される、又は連携して動作されるように構成されたプログラムを実行するように構成される。
【0057】
メモリ150は、関連付けられた1つ以上のプロセッサ148によって実行可能なプログラム命令を格納するのに適した当技術分野で周知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ150は、非一時的なメモリ媒体を含んでもよい。別の例として、メモリ150は、限定されるものではないが、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光学メモリ装置(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。メモリ150は、1つ以上のプロセッサ148を有する共通のコントローラ筐体に収容されてもよいことが更に留意される。1つの実施形態では、メモリ150は、1つ以上のプロセッサ148及びコントローラ146の物理的位置に対して離れて配置され得る。例えば、コントローラ146の1つ以上のプロセッサ148は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を通じてアクセス可能な遠隔メモリ(例えば、サーバ)にアクセスされ得る。
【0058】
1つの実施形態では、ユーザインタフェース152はコントローラ146に通信可能に結合される。1つの実施形態では、ユーザインタフェース152は、限定するものではないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含み得る。別の実施形態では、ユーザインタフェース152は、ディスプレイを含み、それを使用して計測システム100のデータをユーザに表示する。ユーザインタフェース152のディスプレイは、当技術分野で周知の任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、限定するものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、又は、CRTディスプレイを含み得る。当業者は、ユーザインタフェース152との一体化が可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示の実装に適していることを認識すべきである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインタフェース152のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されたデータに応答した選択、及び/又は命令を入力し得る。
【0059】
別の実施形態では、計測システム100は、粗表面プロファイラ154を含み、サンプル112(例えば、サンプル112の上面116)の粗プロファイル計測を生成する。例えば、粗プロファイル計測は、1つ以上の計測チャネル110によって提供されるよりも大きな計測範囲を有し得る。更に、粗プロファイル計測は、軸方向の寸法に沿った(例えば、ビーム整形器108の光軸144に沿った)及び/又は横方向の寸法(例えば、光軸144に直交する)に沿って、より小さい解像度を有し得る。この点に関して、粗プロファイル計測は、1つ以上の計測チャネル110の計測範囲を超える可能性があるサンプル112の任意の反りのマッピングを提供し得る。
【0060】
以下により詳細に説明するように、粗プロファイル計測は、計測システム100によって様々な方法で使用され得る。例えば、粗プロファイル計測をフィードフォワードデータとして使用し、サンプル112上の照明ビーム106の角度位置を修正する方法を決定し、サンプル112の反りを少なくとも部分的に補償し得る。別の例として、粗プロファイル計測を使用して、サンプルマウント(例えば、3ピン支持ホルダ)の形状に基づいてサンプルサグの推定を提供し得る。このサンプルサグは、必須ではないが、表面プロファイル計測から、計測チャネル110からのインタフェログラムに基づき除去され得る。
【0061】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、粗表面プロファイラ154の概略図である。
【0062】
1つの実施形態では、粗表面プロファイラ154は、少なくとも1つのプロファイリングセンサ302を含む。粗表面プロファイラ154は、サンプル112のトポグラフィのプロファイルを生成するのに適した、当技術分野で周知の任意のタイプのプロファイリングセンサ302を含み得て、限定するものではないが、干渉計厚さセンサ、共焦点距離センサ、又はシャックハルトマンセンサが挙げられる。1つの実施形態では、プロファイリングセンサ302は、基準板304間の距離を決定する。更に、プロファイリングセンサ302は、サンプル112の厚さを測定し得るが、必ずしも測定する必要はない。したがって、サンプル112の上面116の粗プロファイルは、プロファイリングセンサ302によって直接測定され得て、又はサンプル112の底面306の計測、及び既知の又は仮定されたサンプル112の厚さ308に基づいて決定され得る。例えば、サンプル112の厚さ308は、サンプル112にわたって一定であると仮定され得るが、必ずしもそうである必要はない。
【0063】
粗表面プロファイラ154は、任意の数のプロファイリングセンサ302を含み得る。1つの実施形態では、
図3に示されるように、粗表面プロファイラ154は、並進ステージ310に取り付けられた単一のプロファイリングセンサ302を含む。例えば、粗プロファイル計測は、サンプル112の少なくとも一部分にわたって2次元並進ステージ310を用いてプロファイリングセンサ302を走査することにより生成され得る。別の例として、
図3に示すように、粗プロファイル計測は、プロファイリングセンサ302を、1次元並進ステージ310を用いて直線的に走査し、同時に回転ステージ312を用いてサンプル112を回転させることによって生成され得る。このようにして、粗プロファイル計測は螺旋プロファイルを有し得る。別の実施形態では、粗表面プロファイラ154は、2つ以上のプロファイリングセンサ302を含む。例えば、粗表面プロファイラ154は、粗プロファイル計測を同時に取得するように構成されたプロファイリングセンサ302の2次元アレイを含み得る。別の例として、粗表面プロファイラ154は、粗プロファイル計測を生成するためにサンプル112を横切って走査されるように構成されたプロファイリングセンサ302の線形アレイを含み得る。例えば、プロファイリングセンサ302の線形アレイは、並進ステージ(図示せず)上に配置され、サンプル112を横切って走査し得る。別の例では、サンプル112は、並進ステージ上に配置され、プロファイリングセンサ302の線形アレイの計測フィールドを通して走査され得る。
【0064】
加えて、粗表面プロファイラ154は、
図1Aに示されるように、計測システム100に統合され、したがって計測システム100の一部を形成してもよく、又は計測システム100から分離して別個であってもよいことが本明細書において企図される。これに関して、計測システム100(例えば、計測システム100内のコントローラ146)は、粗プロファイル計測を外部ソースから受け取り得る。
【0065】
ここで、
図4~
図6を参照すると、調整可能な光学素子114の位置を修正して、サンプル112の反りを少なくとも部分的に補償する方法が示される。
【0066】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、計測方法400で実行されるステップを示す流れ図である。出願人は、計測システム100において、本明細書で前述した実施形態及び実現技術は方法400にまで及ぶように解釈されるべきであることを指摘する。方法400は、計測システム100のアーキテクチャに限定されないことに更に留意されたい。しかし、以下の方法ステップは、例示の目的で計測システム100を参照して説明される。
【0067】
1つの実施形態では、方法400は、サンプル112をシアリング干渉計に配置するステップ402を含み、シアリング干渉計は、照明ビーム106をサンプル112に向けるように構成された1つ以上の調整可能な光学素子114を備えたビーム整形器108を含んでおり、ここで、サンプル112からの反射光122は、1つ以上の調整可能な光学素子114がデフォルト構成にあり、サンプル112の上面116がビーム整形器108の光軸144に直交するとき、コリメートされた状態にある。例えば、シアリング干渉計は、限定するものではないが、計測システム100又はその一部分を含み得る。
【0068】
別の実施形態では、方法400は、ビーム整形器108の1つ以上の調整可能な光学素子114の構成を調整して、サンプル112上の照明ビーム106の選択された角度プロファイルを提供し、コリメートされた状態からの反射光122の偏差を少なくとも部分的に補償するステップ404を含む。1つ以上の調整可能な光学素子114は、ビーム整形器108の任意のタイプの光学素子、例えば、限定するものではないが、1つ以上のレンズ、1つ以上の視野絞り、又は1つ以上の瞳絞りを含み得る。
【0069】
本明細書で前述したように、コリメートされた状態からの反射光122の偏差は、サンプル112の上面116のプロファイルにおける低空間周波数変動によって誘発される場合があり、これは必ずしもそうである必要はないが、サンプル112の反りによって引き起こされ得る。したがって、ステップ404は、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを調整して、コリメート状態からの反射光122の偏差を少なくとも部分的に補償することを含み得る。
【0070】
1つの実施形態では、1つ以上の調整可能な光学素子114のデフォルト構成は、ビーム整形器108の光軸144に沿った1つ以上の調整可能な光学素子114のデフォルト位置(又は相対位置)を含む。したがって、ステップ404は、ビーム整形器108の光軸144に沿った調整可能な光学素子114の位置を、デフォルト構成に対して調整又は修正することを含み得る。例えば、ビーム整形器108の1つ以上のレンズの位置を修正すると、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルに収束又は発散が導入され得る。加えて、デフォルト構成は、調整可能な光学素子114の任意の選択された初期構成を含み得る。1つの実施形態では、デフォルト構成は、サンプル112上にコリメートされた照明ビーム106を提供する構成に対応する。別の実施形態では、デフォルト構成は、サンプル112の反りを少なくとも部分的に補償することが期待される構成に対応する。例えば、デフォルト構成は、粗表面プロファイラ(例えば、粗表面プロファイラ154)からの粗プロファイル計測に基づいて、サンプル112に対して選択され得る。別の例として、デフォルト構成は、サンプルホルダ上へのサンプル112の配置に関連する測定された、又は推定されたサグに基づいて、サンプル112に対して選択され得る。この点に関して、デフォルト構成は、異なるサンプル112に対して異なり得る。
【0071】
別の実施形態では、方法400は、1つ以上のシアリングインタフェログラムに基づいて、サンプル112の上面116の出力表面プロファイル計測を生成するステップ406を含む。
【0072】
本明細書では、1つ以上の計測チャネル110からのインタフェログラムから直接生成された表面プロファイルが、様々なアーチファクト、オフセット、及びノイズを含み得ることが企図される。例えば、測定されたプロファイル(Pmeasured)は次のように特徴付けられる。
Pmeasured=Pactual+Poffset(1)
ここで、Pactualは、計測中のサンプル112の実際の(例えば、物理的な)表面プロファイルであり、Poffsetは、コリメートされた状態からの、サンプル112上の照射ビーム106の計画的オフセット、光学収差、又は角度プロファイルの修正に関連するオフセット分布である。更に、式(1)には含まれないが、測定されたプロファイル(Pmeasured)は、計測に関連するノイズ(例えば、ランダムノイズ)を含み得る。したがって、ステップ406で提供される出力表面プロファイル計測(Poutput)は、一般に、計測プロファイル(Pmeasured)とPoffset又はその一部分を補償するための任意の補正を含み得る。
【0073】
更に、コントローラ146によって提供される表面プロファイル計測は、サンプルマウント(例えば、3つの接触点を有する3ピンサンプルマウント)又はサンプル112を固定するための他の支持機構によって誘発されるサグ又は反りを含み得るか、あるいは除外し得る。例えば、平坦なサンプルマウントではなく支持点によって支持されたサンプル112は、一般に、重力によりサグ又はボウとなり得る。この点に関して、計測中の実際の表面プロファイル(Pactual)は、次のように特徴付けられ得る。
Pactual=Pnatural+Pmount(2)
ここで、Pnaturalは、サンプル112の自然な表面プロファイル(例えば、サンプルマウントによって誘発される歪みがない)であり、Pmountは、特定のサンプルホルダによる自然な表面プロファイルPnaturalの歪みに関連するマウントオフセット分布である。例えば、サンプル112を水平位置に固定する3ピンサンプルマウントの場合、Pmountは、サンプルマウントによって誘発されるサグ又はボウに関連するオフセット分布に対応し得る。
【0074】
1つの実施形態では、マウントオフセット分布(Pmount)は、測定された表面プロファイル(Pmeasured)から除去される。この場合、出力表面プロファイル(Poutput)は次のように記述され得る。
Poutput=Pmeasured-Pmount(3)
【0075】
Pmountの値は、さまざまな技法を使用して決定され得る。1つの実施形態では、マウントオフセット分布(Pmount)は、サンプル112の既知の又は測定された特性(例えば、組成、サイズ、厚さ、形状、測定された粗表面プロファイルなど)及びサンプルホルダの形状に基づいて推定又は計算される。例えば、サグは、サンプル112の厚さに基づいて(厚さ)-2倍となるように推定される。別の実施形態では、マウントオフセット分布(Pmount)は、サンプル112の粗表面プロファイル、及び粗表面プロファイラ154から受け取った厚さ計測によって決定される。例えば、粗表面プロファイラ154は、サンプル112上の様々な位置で粗表面プロファイルと厚さを同時に測定し得て、その結果、サンプル112のマウント誘発歪み(例えば、サグ、ボウなど)が、サンプル112の平面からの偏差(サンプル112の表面上に存在し得るパターン化された特徴を除く)と直接相関し得る。しかし、本明細書では、サンプル112の形状の平面からの測定された偏差は、サンプルホルダによって誘発されたサグに必ずしも直接対応するとは限らないことが企図される。特に、マウントオフセット分布(Pmount)へのウェハ形状の寄与は、面外偏向又は変位が厚さのかなりの部分に対応する場合に重要になる可能性がある。例えば、直径300mm、厚さ775μmのシリコンウェハサンプル112が3ピンサンプルマウントに水平位置に取り付けられている場合では、ウェハボウが1000μmのとき、ウェハ形状の寄与は約8μm(つまり、ウェハサグは8μm、又はウェハ形状の影響を無視した予測よりも~0.8%少ない)となる。1つの実施形態では、マウントオフセット分布(Pmount)へのウェハ形状の寄与は、計測前に生成されたルックアップテーブルを使用して決定される。例えば、ルックアップテーブルは、サンプルの厚さ、及びサンプル112の粗表面プロファイル(例えば、粗表面プロファイラ154によって測定されるようなサンプル112の形状に関連する)を表すフィット係数に基づく有限要素解析を使用して生成され得る。このようにして、マウントオフセット分布(Pmount)へのウェハ形状の寄与は、粗表面プロファイラ154からの厚さ及びフィット係数の値を用いて推定され得る。
【0076】
式(1)に戻ると、オフセット分布(Poffset)には、様々なソースからの寄与が含まれる場合がある。例えば、測定されたプロファイル(Pmeasured)は次のように特徴付けられる。
Pmeasured=Pactual+Poffset=Pactual+Pbeam+Paberrations(4)
ここで、Pbeamは、コリメートされた状態からのサンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルの修正に関連する誘発されたオフセットであり、Paberrationsは、照明ビーム106の光学収差によって誘発されるオフセットである。
【0077】
分布Paberrationsは、シアリング干渉計102の特定の構成、例えば、限定するものではないが、1つ以上の調整可能な光学素子114の特定の構成に関連する光学収差によって引き起こされる計画的オフセットを含み得る。この分布は、一般的に出力表面プロファイル(Poutput)から除去され得るように、一般的に決定可能又は推定可能であり得る。この場合、出力表面プロファイル(Poutput)は次のように記述され得る。
Poutput=Pmeasured-Paberrations(5)
例えば、分布Paberrationsは、異なる光学構成で生成された測定された表面プロファイル(Pmeasured)を比較することによって、少なくとも部分的に決定され得る。
【0078】
Pbeamに関して、サンプル112に向けられた照明ビーム106の角度プロファイルを修正すること(例えば、ステップ404において)は、誘発されたオフセット分布(Pbeam)を測定された表面プロファイル(Pmeasured)に導入し得ることが本明細書において企図される。例えば、照明ビーム106の角度プロファイルが、完全に一致して、サンプル112の上面116のプロファイルの反り又は他の変動を打ち消し、コリメートされた反射光122を提供する場合、1つ以上の計測チャネル110によって提供されるシアリングインタフェログラムは、反りのない表面プロファイルを示す。この点に関して、1つ以上の計測チャネル110からのインタフェログラムのみに基づく未加工の表面プロファイル計測(例えば、Pmeasured)は、一般に、照明ビーム106の角度プロファイルに基づく誘発されたオフセット分布(Pbeam)を含み得る。しかし、この誘発されたオフセット分布(Pbeam)は、周知であるか、又は計測中にサンプル112に向けられた照明ビーム106の選択された角度プロファイルに基づいて決定され得る。例えば、光学収差に関連するオフセット分布と同様に、誘発されたオフセット分布(Pbeam)は、異なる光学構成で生成された測定された表面プロファイル(Pmeasured)を比較することによって、少なくとも部分的に決定され得る。
【0079】
したがって、コントローラ146は、この誘発されたオフセット分布の有無にかかわらず、表面プロファイル計測を提供し得る。例えば、出力表面プロファイル(Poutput)は、偏りのない表面プロファイル分布を含み得て、そこでは誘発されたオフセット分布(Pbeam)は除去されている。この場合、出力表面プロファイル(Poutput)は次のように記述され得る。
Poutput=Pmeasured-Pbeam(6)
【0080】
本明細書では更に、照明ビーム106の角度プロファイルがサンプル112の上面116のトポグラフィに完全に一致しない場合、インタフェログラム及びバイアスされた表面プロファイル計測は、不完全な一致によって導入された残留オフセットを含む場合があることが企図される。しかし、一部の用途では、これらの残留オフセットが許容される場合がある。更に、粗表面プロファイル計測が(例えば、粗表面プロファイラ154から)受け取られる場合、これらのエラーも決定可能であり、これにより、サンプル112の実際のトポグラフィの正確な描写を提供するために、除去されるか、さもなければ補償され得る。
【0081】
再び
図4を参照すると、ビーム整形器108の1つ以上の調整可能な光学素子114の構成を調整すること(例えば、ステップ404に関連する)は、様々な方法で実施され得ることが、本明細書において更に企図される。
【0082】
例えば、ユーザは、1つ以上の調整可能な光学素子114を、ユーザインタフェース152を介して、及び/又は調整可能な光学素子114の手動調整を介して、手動で調整し得る。更に、ユーザは、調整可能な光学素子114を調整する際の、フィードバック用の任意のタイプのデータ、限定するものではないが、1つ以上の計測チャネル110からの1つ以上のシアリングインタフェログラム、又はシアリングインタフェログラムに基づいて生成されたコントローラ146からのトポグラフィデータを利用し得る。
【0083】
別の例として、コントローラ146は(例えば、1つ以上のプロセッサ148を介して)、調整可能な光学素子114に自動化された調整又は自動調整を提供し得る。
【0084】
1つの実施形態では、コントローラ146は、サンプル112の上面116の低空間周波数変動(例えば、反り)を、計測チャネル110によって受け取られた1つ以上のインタフェログラムに基づいて決定又は推定する。例えば、コントローラ146は、一般に、表面プロファイル計測又は他のトポグラフィ情報(例えば、ステップ406のように)を、1つ以上の計測チャネル110から受け取られたインタフェログラムに基づいて決定し得る。したがって、コントローラ146は、生成された表面プロファイル計測がコリメートされた状態からの反射光122の偏差に関連する残留オフセットを含むときを、決定することもできる。例えば、コントローラ146は、インタフェログラムの局所化された部分、又は決定された表面プロファイル計測が他の部分から逸脱していることを識別し得る。別の例では、コントローラ146は、インタフェログラムの一部分又は決定された表面プロファイル計測における低空間周波数変動(例えば、反り)を識別し得る。技法に関係なく、コントローラ146は、この情報をフィードバックとして利用して、照明ビーム106の角度プロファイルを修正し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ146は制御ループを実装して、照明ビーム106の角度プロファイルを連続的に変化させ、コリメートされた状態からの反射光122の偏差を少なくとも部分的に補償し得る。
【0085】
別の実施形態では、コントローラ146は、調整可能な光学素子114の構成を順次調整し、インタフェログラム又は決定された表面プロファイル計測をモニタし、コリメートされた状態からの反射光122の偏差を少なくとも部分的に補償し得る構成を識別し得る。
【0086】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを調整することに関連するサブステップを示す流れ
図408である。例えば、サブステップ408は、上記の方法400のステップ404に関連付けられ得る。
【0087】
1つの実施形態では、ステップ404は、1つ以上の調整可能な要素の構成を1セットの候補構成に順次調整するサブステップ410を含む。例えば、候補構成のセットは、調整可能な光学素子114の、個々に又は組み合わせにおける走査位置を表し得る。別の実施形態では、ステップ404は、1つ以上のシアリングインタフェログラム又は出力表面プロファイル計測のうちの少なくとも1つをモニタするサブステップ412を含む。更に、シアリングインタフェログラムをモニタすることは、未加工のインタフェログラム、又はインタフェログラムの任意の処理されたバージョンをモニタすることを含み得る。例えば、シアリングインタフェログラムをモニタすることは、(例えば、
図6A~
図6Dに関して説明したように)追加の補償あり、又は補償なしで、関連する位相マップをモニタすることを含み得る。別の実施形態では、ステップ404は、コリメートされた状態からの反射光の偏差を少なくとも部分的に補償するのに適した候補構成のセットの構成を識別するサブステップ414を含む。別の実施形態では、ステップ404は、1つ以上の調整可能な光学素子の構成を識別された構成に調整するサブステップ416を含む。
【0088】
再び
図4を参照すると、別の実施形態では、コントローラ146は、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを、粗表面プロファイル計測(例えば、粗表面プロファイラ154から受け取った)に基づいて調整し得る。例えば、ステップ404は、サンプル112の上面116の粗表面プロファイル計測を受け取ることと、ビーム整形器108の1つ以上の調整可能な光学素子114の構成を調整して、サンプル112に向けられた照明ビーム106の選択された角度プロファイルを提供し、粗表面プロファイル計測に基づいてコリメートされた状態からの反射光122の偏差を少なくとも部分的に補償することを含み得る。この点に関して、粗表面プロファイル計測は、所与の用途に必要な解像度(軸方向又は横方向)を有していない場合があるが、粗表面プロファイル計測は、サンプル112の低空間周波数変動(例えば、反り)に関する十分な情報を提供し、コントローラ146がサンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを修正して、これらの変動を少なくとも部分的に補償することを可能にし得る。
【0089】
1つの実施形態では、コントローラ146は、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを調整して、1つ以上の計測チャネル110からのインタフェログラム又は関連する位相マップ上のフリンジの数を低減又は最小化し得る。例えば、通常の分析では、干渉フリンジは位相が2πのサイクルを表す。このように、ダークフリンジからブライトフリンジ、ダークフリンジへの強度変動が1位相サイクルであり、物理量に相当する。更に、強度画像(干渉パターン)から導出される位相信号は、-π~+πのサイクルを有する。画素サイズよりも大きいフリンジ間隔を有する滑らかでゆっくりと変化する反射面の場合、サンプル112のトポグラフィ情報は、通常の位相アンラッピングアルゴリズムを介して回復され得る。しかし、通常の位相アンラッピングアルゴリズムは、サンプル112がパターン化された表面を含むか、又は実質的に反れている場合、エラー又は不一致を受けやすい可能性があることが本明細書で企図される。したがって、コントローラ146は、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを調整して、インタフェログラム上のフリンジの数を低減又は最小化し、それによってトポグラフィ情報を回復するために必要な位相アンラッピングステップの数を低減又は排除し得る。
【0090】
コントローラ146は、任意の情報を利用して、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイル、例えば、限定するものではないが、粗表面プロファイル計測(例えば、粗表面プロファイラ154から)又はマウントオフセット分布(Pmount)を修正し得る。
【0091】
コントローラ146は、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを決定して、インタフェログラム又は関連する位相マップ上のフリンジの数を最小化し、1つ以上の調整可能な光学素子114の対応する構成を、様々な方法で決定し得る。
【0092】
1つの実施形態では、コントローラ146は、調整可能な光学素子114の1つ以上の構成に関連するインタフェログラム又は位相マップを推定又は予測し得る。例えば、コントローラ146は、調整可能な光学素子114の1つ以上の構成に関連するインタフェログラム又は関連する位相マップを推定又は予測し得る。言い換えると、コントローラ146は、測定された表面プロファイル(Pmeasured)、オフセット分布(例えば、Poffset、Pbeam、Paberrationsなど)、又はマウント誘発歪み(Pmount)の任意の組み合わせを推定又は予測し得る。この点に関して、コントローラ146は、任意の所望の出力表面プロファイルを提供し得る。
【0093】
一部の用途では、サンプル112に向けられた照明ビーム106の角度プロファイルをサンプル112の特定のトポグラフィに完全に一致させる必要がないか、又は望ましくない場合がある。例えば、すべての可能なサンプルトポグラフィを、ビーム整形器108に関連する特定の設計制約内で調整可能な光学素子114の構成を修正することによって完全に補償することは、望ましくなく、又は実用的ではない場合がある。別の例として、サンプル112に向けられた照明ビーム106の角度プロファイルをサンプル112の特定のトポグラフィに正確に一致させる利点と、計測スループット要件とのバランスをとることが望ましい場合がある。更に、本明細書で前に説明したように、デフォルト位置からサンプル112に向けられた照明ビーム106の角度プロファイルの任意の修正は、一般に、結果として得られる表面プロファイル計測における誘発されたオフセット分布に生じる可能性があり、これは、一般に(例えば、システム較正を通じて)既知であり、バイアスのない表面プロファイル計測を提供するために削除され得る。
【0094】
したがって、コリメートされた状態からの反射光122のすべての偏差を完全に補償する必要はない場合がある。むしろ、一部の用途では、偏差を部分的に補償して、反射光122が十分にコリメートされて、1つ以上の計測チャネル110において十分に正確又は高コントラストのインタフェログラムを生成するのに十分であり得る。この点に関して、サンプルトポグラフィとサンプル112に向けられた照明ビーム106の角度プロファイルとの間の不完全な一致に関連する不完全性は、計測後にコントローラ146によって補償され得る。
【0095】
ここで、
図6A~
図6Dを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態により、1つ以上の計測チャネル110によって生成されたインタフェログラムに基づく位相マップ上のフリンジの低減がより詳細に説明される。
【0096】
図6Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、シアリング干渉計102の2つの計測チャネル110からのX方向に沿った位相マップ602及びY方向に沿った位相マップ604である。この例では、
図6Aの位相マップ602、604は、サンプル112の形状を少なくとも部分的に補償するように選択された、サンプル112に向けられた照明ビーム106の修正された角度プロファイルを用いて生成された。
図6Aに見られるように、X方向に沿った位相マップ602は2つのフリンジを示し、Y方向に沿った位相マップ604は3つのフリンジを示す。したがって、照明ビーム106の角度プロファイルは、サンプル112に完全には一致しないが、サンプル112上のコリメートされた照明ビーム106に対してフリンジの数を減らし得る。
【0097】
1つの実施形態では、調整可能な光学素子114の構成は、測定された粗表面プロファイル計測に基づいて選択される。この選択された構成は、様々な理由で、位相マップ602、604のフリンジを完全には除去しない場合がある。例えば、粗表面プロファイル計測を提供する粗表面プロファイラ154は、シアリング干渉計102と同じ解像度を有していない可能性があり、その結果、サンプル112の上面116の正確な形状は、粗表面プロファイル計測に基づいて既知でない場合がある。別の例として、調整可能な光学素子114の正確な構成を決定して、フリンジを完全に除去することは、実用的でない場合がある。しかし、以下に示されるように、サンプル112上の照明ビーム106の修正された角度プロファイルに基づくフリンジの完全な除去は、必要でなくてもよい。
【0098】
図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、オフセット分布(例えば、P
offset)及びマウント誘発歪み(例えば、P
mount)の寄与に関連する、X方向に沿った予測された位相マップ606及びY方向に沿った予測された位相マップ608である。例えば、
図6Bの位相マップ606、608は、調整可能な光学素子114の選択された構成に関連する誘発されたオフセット分布(P
beam)、調整可能な光学素子114の選択された構成に関連する光学収差(P
aberrations)、及びマウント誘発歪み(P
mount)からの寄与に対応し得る。
【0099】
図6Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、
図6Aの測定された位相マップ602、604を
図6Bの予測された位相マップ606、608を用いて補償することによって生成されたものに関連する、X方向に沿う補償された位相マップ610及びY方向に沿う補償された位相マップ612である。
図6Cでは、フリンジに関連する不連続性は、補償された位相マップ610、612において完全に除去されないとしても、大部分が除去される。
【0100】
図6Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、X方向に沿ったアンラップされた位相マップ614及びY方向に沿ったアンラップされた位相マップ616である。例えば、
図6Dのアンラップされた位相マップ614、616は、
図6Cの補償された位相マップ610、612に位相アンラッピング技法を適用することによって生成され得る。したがって、アンラップされた位相マップ614、616の位相情報は、サンプル112の上面116のトポグラフィ情報(例えば、表面勾配、表面プロファイルなど)にマップし得る。
【0101】
更に、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを修正すること、及び/又は続いて処理することは、場合によっては位相アンラッピングステップが不要になる可能性がある。より一般的には、位相サイクル(及び、一般的な位相変動)に関連する不連続の数を減らすことは、位相アンラッピングプロセスを簡素化し、更に位相アンラッピングプロセスで発生する可能性のあるエラーを最小化又は減少し得て、これにより、出力表面プロファイル計測の精度が向上又は最大化される効果を有し得る。
【0102】
再び
図4を参照すると、サンプル112に向けられる照明ビーム106の角度プロファイルは、調整可能な光学素子114の定義された構成のセットに関連付けられた較正された角度プロファイルのセットから選択することによって調整され得る。
【0103】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、サンプル112上の照明ビーム106の角度プロファイルを調整することに関連するサブステップ418を示す流れ図である。例えば、サブステップ418は、上記の方法400のステップ404に関連付けられ得る。
【0104】
1つの実施形態では、ステップ404は、ビーム整形器108の1つ以上の調整可能な光学素子114の較正された構成のセットに関連付けられた照明ビーム106の較正された角度プロファイルのセットを受け取るサブステップ420を含む。更に、1つ以上の調整可能な光学素子114の構成を調整することは、計測チャネル110内の追加の要素、例えば、限定するものではないが、検出器130又はアパチャ214の位置に対する対応する調整を必要とし得る場合があり得る。この場合、計測チャネル110内の追加の要素の位置に対する対応する調整は、サブステップ420において較正された構成のセットに関連付けられ得る。
【0105】
加えて、ビーム整形器108の1つ以上の調整可能な光学素子114の較正された構成のセットに関連する照明ビーム106の較正された角度プロファイルのセットは、様々な技法に基づいて生成され得る。例えば、較正された構成のセットは、ある範囲の位置にわたる1つ以上の調整可能な光学素子114の計画的変動に対応し得る。別の例として、較正された構成のセットの少なくともいくつかは、サンプル112のサグ又はボウを少なくとも部分的に補償する既知の構成に対応し得る。例えば、本明細書で前述したように、サンプル112の反りは、サンプルホルダによって誘発されるサグ又はボウによって少なくとも部分的に引き起こされ得る。したがって、較正された構成のセットの少なくともいくつかは、サンプル112の既知の又は予想されるサグ又はボウを少なくとも部分的に補償し得る。
【0106】
別の実施形態では、ステップ404は、較正された角度プロファイルのセットの1つの角度プロファイルを選択して、コリメートされた状態からの反射光122の偏差を少なくとも部分的に補償する、サブステップ422を含む。例えば、較正された角度プロファイルのセットの角度プロファイルは、本明細書で前述したように、粗表面プロファイル計測に基づいていてもよいが、必ずしもそうである必要はない。別の実施形態では、ステップ404は、1つ以上の調整可能な光学素子114の構成を、較正されたセットの較正された構成に調整し、選択された角度プロファイルを提供する、サブステップ424を含む。更に、サブステップ424は、計測チャネル110内の追加要素の位置を、選択された較正された構成に基づいて調整することを含み得る。
【0107】
本明細書に記載のすべての方法は、方法の実施形態の1つ以上のステップの結果をメモリに格納することを含み得る。結果は、本明細書に記載の任意の結果を含み得て、当技術分野で周知の任意の方法に格納し得る。メモリは、本明細書に記載の任意のメモリ、又は当技術分野で周知の任意の他の適切な格納媒体を含み得る。結果を格納した後、結果は、メモリ内でアクセスされ、本明細書に記載の方法又はシステムの実施形態のいずれかによって使用され、ユーザに表示するためにフォーマット化され、別のソフトウェアモジュール、方法、又はシステムなどによって使用され得る。更に、結果は、「永久的に」「半永久的に」「一時的に」、又はある期間、格納されてもよい。例えば、メモリはランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は必ずしもメモリ内で無期限に保持されるとは限らない。
【0108】
上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載される任意の別の方法(複数可)の任意の別のステップ(複数可)を含み得ることが更に企図される。追加的に、上記の方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載されるシステムのいずれかによって実行され得る。
【0109】
当業者は、本明細書に記載の構成要素、動作、デバイス、物体、及びそれらに付随する説明が、概念を明確にするための例として使用され、様々な構成の修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載された特定の実施例及び付随する議論は、それらのより一般的な分類を代表することを意図する。一般に、特定の実施例の使用は、その分類を表すことを意図しており、特定の構成要素、動作、デバイス、及び物体を含まないことを制限するものと見なすべきではない。
【0110】
本明細書で使用される場合、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「前方」、「後方」、「上に(over)」、「下に(under)」、「上方(upper)」、「上向き(upward)」、「下方(lower)」、「下へ(down)」、及び「下向き(downward)」などの方向用語は、説明の目的で相対位置を提供することを意図しており、絶対的な基準フレームを指定することを意図するものではない。説明された実施形態に対する様々な修正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、別の実施形態に適用され得る。
【0111】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へ、文脈及び/又は用途に適切なように解釈し得る。様々な単数形/複数形の順列は、明確にするために、本明細書では明示的に記載されていない。
【0112】
本明細書に記載の主題は、他の構成要素内に含有される、又は他の構成要素と接続される異なる構成要素を示す場合がある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際に、同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャが実装され得ることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を実現するための構成要素の任意の配置は、効果的に「関連付け」られて、所望の機能が実現される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、互いに「関連付けられている」と見なすことができ、その結果、所望の機能はアーキテクチャ又は中間構成要素に関係なく実現される。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、互いに「接続」又は「結合」されて所望の機能を実現すると見なし得て、かつそのように関連付けられている可能性がある任意の2つの構成要素は、所望の機能を実現するために互いに「結合可能」であると見なし得る。結合可能な特定の例には、限定するものではないが、物理的に相互作用可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は無線的に相互作用可能及び/又は無線的に相互作用する構成要素、及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含む。
【0113】
更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般的に「開放(open)」用語として意図されていることが当業者によって理解されるであろう(例えば、「含んでいる(including)」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。特定数の導入された請求項の記載(claim recitation)が意図されている場合、そのような意図は請求の範囲に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項には、請求項の記載を導入するために、導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのような句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求の範囲を、そのような記載を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」と不定冠詞「a」又は「an」(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても同様であり、同じことが請求項の記載を導入するために用いられる定冠詞の使用に対しても当てはまる。加えて、導入された請求項の記載の特定数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語がない「2つの記載」のみの記載は、通常、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B及びCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はAとBとCを一緒に有するシステムを含む、など)。「A、B又はCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はAとBとCを一緒に有するシステムを含む、など)。2つ以上の代替用語を表す実質的に任意の離接語及び/又は句は、説明、特許請求の範囲又は図面においても、用語の1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることは、当業者によって更に理解されるであろう。例えば句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0114】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されると考えられ、開示された主題から逸脱することなく、又はその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、及び配置に様々な変更を加え得ることは明らかであろう。記載される形式は単なる説明であり、以下の特許請求の範囲の意図はそのような変更を包含及び含むことである。更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。