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特許7543616プラズマ選択的堆積によるライン粗さ改善の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】プラズマ選択的堆積によるライン粗さ改善の方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240827BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240827BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01L21/30 570
G03F7/20 521
H01L21/302 105A
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020029116
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2020140209
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】62/810592
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/680989
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】和田 敏治
(72)【発明者】
【氏名】チア-ユン シェイ
(72)【発明者】
【氏名】高 明輝
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-145874(JP,A)
【文献】特開2012-033833(JP,A)
【文献】特開2015-198111(JP,A)
【文献】特開2014-075567(JP,A)
【文献】特開2013-219099(JP,A)
【文献】特開2011-044493(JP,A)
【文献】特表2006-514783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
21/205
21/30
G03F 7/20
G30B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための方法であって、
前記基板に少なくとも1つの下層を提供することと、
前記基板に、前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線フォトレジスト層(パターン化EUVフォトレジスト層)を提供することと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬くさせる硬化プロセスを実行することであって、前記硬化プロセスは、前記パターン化EUVフォトレジスト層上に1の追加材料層を堆積することを含む、実行することと、
前記基板上に第2の追加材料層を堆積させることであって、前記第2の追加材料層は、前記硬化プロセス中に堆積される前記第1の追加材料層に基づいて、前記第1の追加材料層上及び前記パターン化EUVフォトレジスト層の頂部表面の上方に堆積され、その結果、前記パターン化EUVフォトレジスト層の前記頂部表面の上方の前記第2の追加材料層の第1の厚さは、前記パターン化EUVフォトレジスト層で覆われていない前記少なくとも1つの下層の領域上の前記第2の追加材料層の第2の厚さよりも大きく、前記第2の厚さはゼロより大きい、堆積させることと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層、前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層をエッチングマスクとして利用することと、及び、前記少なくとも1つの下層に前記エッチングマスクで前記フォトレジスト層のパターンを転写すること、と
を含み、
前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層はそれぞれシリコンを含み、前記第1の追加材料層は前記第2の追加材料層と異なるシリコン含有材料であり、前記エッチングマスクとして利用すること及び前記パターンを転写することの前に、前記1の追加材料層の厚さは前記第2の追加材料層の厚さと異なり、
前記第1の追加材料層は、第1のプラズマ堆積プロセスによって堆積され、前記第2の追加材料層は、第2のプラズマ堆積プロセスによって堆積され、
前記第1のプラズマ堆積プロセス及び前記第2のプラズマ堆積プロセスは、異なるガス化学を有し、
前記第1のプラズマ堆積プロセスではジクロロシランガスを利用する、方法。
【請求項2】
前記第1の追加材料は、前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬化する間に、プラズマ蒸着プロセスを通して堆積される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
基板を処理するための方法であって、
前記基板に少なくとも1つの下層を提供することと、
前記基板に、前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線フォトレジスト層(パターン化EUVフォトレジスト層)を提供することと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬くさせる硬化プロセスを実行することであって、前記硬化プロセスは、前記パターン化EUVフォトレジスト層上に第1の追加材料層を堆積することを含む、実行することと、
前記基板上に第2の追加材料層を堆積させることであって、前記第2の追加材料層は、前記硬化プロセス中に堆積される前記第1の追加材料層に基づいて、前記第1の追加材料層上及び前記パターン化EUVフォトレジスト層の頂部表面の上方に堆積され、その結果、前記パターン化EUVフォトレジスト層の前記頂部表面の上方の前記第2の追加材料層の第1の厚さは、前記パターン化EUVフォトレジスト層で覆われていない前記少なくとも1つの下層の領域上の前記第2の追加材料層の第2の厚さよりも大きく、前記第2の厚さはゼロより大きい、堆積させることと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層、前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層をエッチングマスクとして利用することと、及び、前記少なくとも1つの下層に前記エッチングマスクで前記フォトレジスト層のパターンを転写すること、と
を含み、
前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層はそれぞれシリコンを含み、前記第1の追加材料層は前記第2の追加材料層と異なるシリコン含有材料であり、前記エッチングマスクとして利用すること及び前記パターンを転写することの前に、前記第1の追加材料層の厚さは前記第2の追加材料層の厚さと異なり、
前記第1の追加材料層は、前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬化する間に、プラズマ蒸着プロセスを通して堆積され、
前記第2の追加材料層は、第2のプラズマ堆積プロセスによって堆積され、
前記プラズマ蒸着プロセスではジクロロシランガスを利用する、法。
【請求項4】
前記プラズマ蒸着プロセス及び前記第2のプラズマ堆積プロセスは、異なるガス化学を有する、請求項に記載の方法。
【請求項5】
基板を処理するための方法であって、
前記基板に少なくとも1つの下層を提供することと、
前記基板に、前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線フォトレジスト層(パターン化EUVフォトレジスト層)を提供することと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬くさせる硬化プロセスを実行することであって、前記硬化プロセスは、前記パターン化EUVフォトレジスト層上に第1の追加材料層を堆積することを含む、実行することと、
前記基板上に第2の追加材料層を堆積させることであって、前記第2の追加材料層は、前記硬化プロセス中に堆積される前記第1の追加材料層に基づいて、前記第1の追加材料層上及び前記パターン化EUVフォトレジスト層の頂部表面の上方に堆積され、その結果、前記パターン化EUVフォトレジスト層の前記頂部表面の上方の前記第2の追加材料層の第1の厚さは、前記パターン化EUVフォトレジスト層で覆われていない前記少なくとも1つの下層の領域上の前記第2の追加材料層の第2の厚さよりも大きく、前記第2の厚さはゼロより大きい、堆積させることと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層、前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層をエッチングマスクとして利用することと、及び、前記少なくとも1つの下層に前記エッチングマスクで前記フォトレジスト層のパターンを転写すること、と
を含み、
前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層はそれぞれシリコンを含み、前記第1の追加材料層は前記第2の追加材料層と異なるシリコン含有材料であり、前記エッチングマスクとして利用すること及び前記パターンを転写することの前に、前記第1の追加材料層の厚さは前記第2の追加材料層の厚さと異なり、
前記第1の追加材料層は、第1のプラズマ堆積プロセスによって堆積され、前記第2の追加材料層は、第2のプラズマ堆積プロセスによって堆積され、
前記第1のプラズマ堆積プロセス及び前記第2のプラズマ堆積プロセスは、異なるガス化学を有し、
前記第1のプラズマ堆積プロセスは、ジクロロシランガスを利用し、及び前記第2のプラズマ堆積プロセスは、四塩化ケイ素ガスを利用し、
前記第1プラズマ堆積プロセス及び前記第2のプラズマ堆積プロセスを、前記第1プラズマ堆積プロセスと前記第2のプラズマ堆積プロセスとの間にエッチングステップなしで実行する、法。
【請求項6】
前記第1の追加材料層の堆積は、前記硬化プロセスと同時に実行される、請求項1、3又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の追加材料層の堆積は、前記硬化プロセスの後に実行される、請求項1、3又は5に記載の方法。
【請求項8】
基板を処理するための方法であって、
前記基板に少なくとも1つの下層を提供することと、
前記基板に、前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線フォトレジスト層(パターン化EUVフォトレジスト層)を提供することと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬くさせる硬化プロセスを実行することであって、前記硬化プロセスは、前記パターン化EUVフォトレジスト層上に第1の追加材料層を堆積することを含む、実行することと、
前記基板上に第2の追加材料層を堆積させることであって、前記第2の追加材料層は、前記硬化プロセス中に堆積される前記第1の追加材料層に基づいて、前記第1の追加材料層上及び前記パターン化EUVフォトレジスト層の頂部表面の上方に堆積され、その結果、前記パターン化EUVフォトレジスト層の前記頂部表面の上方の前記第2の追加材料層の第1の厚さは、前記パターン化EUVフォトレジスト層で覆われていない前記少なくとも1つの下層の領域上の前記第2の追加材料層の第2の厚さよりも大きく、前記第2の厚さはゼロより大きい、堆積させることと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層、前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層をエッチングマスクとして利用することと、及び、前記少なくとも1つの下層に前記エッチングマスクで前記フォトレジスト層のパターンを転写すること、と
を含み、
前記第1の追加材料層及び前記第2の追加材料層はそれぞれシリコンを含み、前記第1の追加材料層は前記第2の追加材料層と異なるシリコン含有材料であり、前記エッチングマスクとして利用すること及び前記パターンを転写することの前に、前記第1の追加材料層の厚さは前記第2の追加材料層の厚さと異なり、
前記第1の追加材料層はシリコンであり、前記第2の追加材料層は塩化シリコンである、法。
【請求項9】
基板を処理するための方法であって、
少なくとも1つの下層を有する前記基板を提供することと、
前記基板に前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化フォトレジスト層を提供することとであって、前記パターン化フォトレジスト層は前記基板のパターン化領域と前記基板の非パターン化領域を提供し、前記基板の前記非パターン化領域は前記基板の前記パターン化領域の側部表面間に位置する、提供することと、
ジクロロシランガスを使用して前記パターン化フォトレジスト層に硬化プロセスを実行することと、を含み、
前記方法はさらに、
前記基板上に追加材料を堆積することであって、前記追加材料は、前記基板の前記非パターン化領域よりも前記パターン化フォトレジスト層の各前記パターン化領域の頂部表面に選択的に厚く堆積され、各前記パターン化領域の頂部表面上の前記追加材料は第1の厚さを有し、前記非パターン化領域上の前記追加材料は前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有し、前記第2の厚さはゼロより大きい、堆積することと、
前記パターン化フォトレジスト層及び前記追加材料をエッチングマスクとして利用すること、及び、前記少なくとも1つの下層に前記エッチングマスクで前記パターン化フォトレジスト層のパターンを転写すること、とを含み、
前記追加材料を堆積することは、
(a)ジクロロシランガスによる前記硬化プロセス中に第1の追加材料層を堆積し、その結果、前記硬化プロセスの終わりに前記追加材料が存在する、ことと、
(b)四塩化ケイ素ガスを用いた硬化プロセス後に第2の追加材料層を堆積することと、を含み、
前記追加材料の1の層と前記追加材料の第2の層はそれぞれ、前記パターン化フォトレジスト層をエッチングマスクとして利用すること及び前記パターンを転写することの前に形成され、前記追加材料の前記第1の層は前記追加材料の前記第2の層と異なる厚さを有し、前記追加材料の前記第1の層と前記追加材料の前記第2の層は互いに異なるシリコン含有材料から形成されている、方法。
【請求項10】
ジクロロシランガスによる前記追加材料の前記第1の層の堆積は、PVDプロセスで実行され、
前記追加材料の前記第2層の堆積は、前記追加材料の前記第1の層の堆積に続いて、間にエッチングステップを介さずに行われ、
前記追加材料の前記第2層は、前記追加材料の前記第1の層の厚さよりも厚い厚さで堆積される、請求項記載の方法。
【請求項11】
ジクロロシランガスによる前記追加材料の前記第1の層の堆積は、PVDプロセスで実行され、
前記追加材料の前記第2層は、前記追加材料の前記第1の層の厚さよりも厚い厚さで堆積される、請求項記載の方法。
【請求項12】
基板を処理するための方法であって、
前記基板に少なくとも1つの下層を提供することと、
前記基板に、前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化フォトレジスト層を提供することであって、前記パターン化フォトレジスト層は、前記基板のパターン化領域及び前記基板の非パターン化領域を提供する、提供することと、
前記基板上に追加材料を堆積させることであって、前記追加材料は、前記基板の前記非パターン化領域上よりも前記パターン化フォトレジスト層上に選択的により厚く堆積される、堆積させることと、
前記パターン化フォトレジスト層のパターンを前記少なくとも1つの下層に転写するとき、前記パターン化フォトレジスト層及び前記追加材料をエッチングマスクとして利用することと
を含み、前記追加材料の使用は、改善されたライン幅粗さ又はラインエッジ粗さ特性を提供し、
前記追加材料は、追加材料の第1の層及び追加材料の第2の層を含み、前記追加材料の第1の層及び前記追加材料の第2の層は、両方ともプラズマ堆積プロセスによって堆積され、
前記追加材料の第1の層は、第1のプラズマプロセスで堆積され、及び前記追加材料の第2の層は、第2のプラズマプロセスによって堆積され、前記第1及び第2のプラズマプロセスは、異なり、
前記第1のプラズマプロセスは、ジクロロシランガスを利用し、及び前記第2のプラズマプロセスは、四塩化ケイ素ガスを利用する、方法。
【請求項13】
基板を処理するための方法であって、
前記基板に少なくとも1つの下層を提供することと、
前記基板に、前記少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線フォトレジスト層(パターン化EUVフォトレジスト層)を提供することと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層を硬くさせる硬化プロセスを実行することと、
前記基板上に追加材料を堆積させることであって、前記追加材料は、前記基板の他の領域上よりも前記パターン化EUVフォトレジスト層上に選択的により厚く堆積される、堆積させることと、
前記パターン化EUVフォトレジスト層のパターンを前記少なくとも1つの下層に転写するとき、前記パターン化EUVフォトレジスト層及び前記追加材料をエッチングマスクとして利用することと、を含み、前記追加材料の使用は、改善されたライン幅粗さ又はラインエッジ粗さ特性を提供し、
前記追加材料は、追加材料の第1の層及び追加材料の第2の層を含み、前記追加材料の第1の層及び前記追加材料の第2の層は、両方ともプラズマ堆積プロセスによって堆積され、
前記追加材料の第1の層は、第1のプラズマプロセスで堆積され、及び前記追加材料の第2の層は、第2のプラズマプロセスによって堆積され、前記第1及び第2のプラズマプロセスは、異なり、
前記第1のプラズマプロセスは、ジクロロシランガスを利用し、及び前記第2のプラズマプロセスは、四塩化ケイ素ガスを利用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月26日に出願された「Method Of Line Roughness Improvement By Plasma Selective Deposition」という名称の米国仮特許出願第62/810,592号明細書及び2019年11月12日に出願された「Method Of Line Roughness Improvement By Plasma Selective Deposition」という名称の米国非仮特許出願米国特許出願公開第16/680,989号明細書に対する優先権を主張し、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、例えば、半導体基板などの基板の処理に関する。特に、本開示は、非常に狭いピッチ設計を有する基板をパターン化するための新たな方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
基板処理における形状が縮小し続けるにつれて、フォトリソグラフィ技術を介して基板上に構造を形成するための技術的課題が増大する。より低ピッチ構造の要件が生じるにつれ、極紫外線(EUV)リソグラフィ(EUV範囲の光の波長、最も一般的には13.5nmの波長を利用するリソグラフィ)、複数のパターニングスキーム(自己整合ダブルパターニング(SADP)、自己整合トリプルパターニング(SATP)など)、フッ化アルゴン(ArF)リソグラフィ又は他の狭ピッチのパターニング方法を含め、そのような狭ピッチに適したフォトリソグラフィを達成するために様々なフォトリソグラフィ技術が利用されてきた。
【0004】
ピッチ及び寸法が低減すると、パターン転写プロセス中にライン幅粗さ(LWR)及びラインエッジ粗さ(LER)のパフォーマンスが劣化することがわかっている。従って、外観サイズが低減されるにつれ、LWR及びLERが重大な懸念事項として認識されるようになった。LWR及びLERの影響は、フォトレジストの高さが短くなり得、パターン化フォトレジストが高度の粗さを示すEUVリソグラフィに対して特に問題になっている。
【0005】
従来のEUVリソグラフィ技術では、フォトレジストパターンを下層に転写する前に、プラズマ処理の使用により、外来のフォトレジストの粗さに対処しようと試みる。図1A図1Cは、例示的な従来技術を示している。図1Aに示すように、基板100は、下層110上に設けられた外来のパターン化フォトレジスト層105を設けられている。特定の下層110は、単なる例示である。図A1に示すように、パターン化フォトレジスト層105の下には、それぞれ反射多層115、光学平坦化層120及びハードマスク層125がある。そのような層は、当該技術分野で周知であり、単に例示に過ぎず、そのような層は、全て当該技術分野で知られているように基板100の他の構造上に形成できることが認識されるであろう。利用される特定の下層は、利用される特定の基板プロセスフローによって変化し、異なるプロセスステップにおいて所与のプロセスフロー内で変化し得る。図1Aに示すように、外来のパターン化フォトレジスト層105は、粗さを示し得る。次いで、プラズマ処理を提供して、パターン化フォトレジスト層105の粗さがより小さい図1Bに示すように粗さを低減することができる。しかしながら、そのようなプラズマ処理は、粗さを低減し得るが、一般に、フォトレジストの高さが低減することになる。次に、図1Cに示すように、反射多層105へのパターン転写中、フォトレジストの高さの低減及びプロセスの選択性に起因して、転写プロセスがフォトレジストをブレークスルーする場合がある。図1Cに示すように、パターン化フォトレジスト層105が完全に除去される場合さえあり得、パターン化反射多層構造115Aなどのフォトレジストの下にある層のパターン形成に影響を及ぼす。このようにして、図1A図1Cに示すように、粗さが改善され得るが、フォトレジストのリソグラフィ高さが低減し得る。高さの低減は、マスク選択性からのマスクブレークダウン及び/又は限界寸法(CD)ローディングによって引き起こされるレジスト及びパターンの破壊を引き起こす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来プロセスは、反射多層の選択性に対するフォトレジストが低いため、パターン破壊及び限界寸法(CD)ローディングにつながり得る。従って、粗さの改善と所望のフォトレジストの高さとの間にトレードオフが存在する。EUVリソグラフィの信頼性及び性能を改善するために、LWR及びLERの問題を低減するための改善されたプロセスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、フォトリソグラフィパターン転写を実行する革新的な方法について説明する。基板は、例えば、LWR及びLERを示し得るフォトレジスト層などのパターン化層を設けられる。例示的な一実施形態では、パターン化層は、EUVフォトレジスト層であり得る。開示された方法では、パターニング後のEUVフォトレジスト層上において追加材料の堆積が提供されて、改善された粗さ及びリソグラフィ構造高さを提供して、フォトレジストの下にある層にパターンを転写するときのプロセスマージンがより多くなることを可能にする。追加材料は、フォトレジストパターン間の露出領域など、フォトレジストが存在しない領域よりもフォトレジストの上方の領域で選択的により厚く堆積される。次いで、フォトレジストの下にある層へのパターン転写が(例えば、エッチングを介して)生じ得る一方、パターン化フォトレジスト及びフォトレジストの上方の追加材料が集合的にエッチングマスクとして機能し得る。
【0008】
一実施形態では、記載されたプロセスは、パターン化EUVフォトレジストが硬化され、続いてフォトレジストの上方の領域で選択的により厚く追加材料が堆積されるプロセスを含む。一実施形態では、硬化プロセスは、パターン化フォトレジスト上に選択的に第1の追加材料を堆積させることを含む。次いで、非パターン化領域とは対照的に、パターン化フォトレジストを有する領域の上方に選択的により厚い第2の追加材料を提供する第2の選択的堆積が実行される。次に、フォトレジストの下にある層へのパターン転写が(例えばエッチングを介して)生じ得る一方、パターン化フォトレジスト、フォトレジストの上方の第1の追加材料及びフォトレジストの上方の第2の追加材料が集合的にエッチングマスクとして機能する。
【0009】
一実施形態では、基板を処理するための方法が提供される。方法は、基板に少なくとも1つの下層を提供することと、基板に、少なくとも1つの下層を覆うパターン化フォトレジスト層を提供することとを含み得、パターン化フォトレジスト層は、基板のパターン化領域及び基板の非パターン化領域を提供する。方法は、基板上に追加材料を堆積させることを更に含み、追加材料は、基板の非パターン化領域上よりもフォトレジスト上に選択的により厚く堆積される。方法は、フォトレジスト層のパターンを少なくとも1つの下層に転写するとき、パターン化フォトレジスト層及び追加材料をエッチングマスクとして利用することを更に含み、追加材料の使用は、改善されたライン幅粗さ又はラインエッジ粗さ特性を提供する。
【0010】
別の実施形態では、基板を処理するための方法が提供される。方法は、基板に少なくとも1つの下層を提供することと、基板に、少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線(EUV)フォトレジスト層を提供することとを含み得る。方法は、硬化プロセスを実行して、パターン化EUVフォトレジストを硬くさせることを更に含む。方法は、基板上に追加材料を堆積させることも含み、追加材料は、基板の他の領域上よりもパターン化EUVフォトレジスト上に選択的により厚く堆積される。方法は、フォトレジスト層のパターンを少なくとも1つの下層に転写するとき、パターン化極紫外線(EUV)フォトレジスト層及び追加材料をエッチングマスクとして利用することを更に含み、追加材料の使用は、改善されたライン幅粗さ又はラインエッジ粗さ特性を提供する。
【0011】
本発明及びその利点のより詳細な理解は、同様の参照番号が同様の特徴を示す添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって得ることができる。しかしながら、添付の図面は、開示された概念の例示的な実施形態のみを示し、従って範囲を限定するものと見なされるべきではなく、開示された概念に対して他の同等に効果的な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】ライン粗さに対処するための従来技術のアプローチを示す。
図1B】ライン粗さに対処するための従来技術のアプローチを示す。
図1C】ライン粗さに対処するための従来技術のアプローチを示す。
図2A】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の例示的な一実施形態を示す。
図2B】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の例示的な一実施形態を示す。
図2C】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の例示的な一実施形態を示す。
図3A】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図3B】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図4A】硬化プロセス及びプラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図4B】硬化プロセス及びプラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図4C】硬化プロセス及びプラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図5A】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図5B】プラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図6A】硬化プロセス及びプラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図6B】硬化プロセス及びプラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図6C】硬化プロセス及びプラズマ選択的堆積の使用によるライン粗さ改善方法の別の例示的な実施形態を示す。
図7図7は、アスペクト比の影響により堆積特性が変化する領域を示す。
図8】ライン粗さ改善のための、本明細書に記載された技術の例示的な使用方法を示す。
図9】ライン粗さ改善のための、本明細書に記載された技術の例示的な使用方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、フォトリソグラフィパターン転写を実行する革新的な方法について説明する。基板は、例えば、LWR及びLERを示し得るフォトレジスト層などのパターン化層を設けられる。例示的な一実施形態では、パターン化層は、EUVフォトレジスト層であり得る。開示された方法では、パターニング後のEUVフォトレジスト層上において追加材料の堆積が提供されて、改善された粗さ及びリソグラフィ構造高さを提供して、フォトレジストの下にある層にパターンを転写するときのプロセスマージンがより多くなることを可能にする。追加材料は、フォトレジストパターン間の露出領域など、フォトレジストが存在しない領域よりもフォトレジストの上方の領域で選択的により厚く堆積される。次いで、フォトレジストの下にある層へのパターン転写が(例えば、エッチングを介して)生じ得る一方、パターン化フォトレジスト及びフォトレジストの上方の追加材料が集合的にエッチングマスクとして機能し得る。
【0014】
一実施形態では、記載されたプロセスは、パターン化EUVフォトレジストが硬化され、続いてフォトレジストの上方の領域で選択的により厚く追加材料が堆積されるプロセスを含む。一実施形態では、硬化プロセスは、パターン化フォトレジスト上に選択的に第1の追加材料を堆積させることを含む。次いで、非パターン化領域とは対照的に、パターン化フォトレジストを有する領域の上方に選択的により厚い第2の追加材料を提供する第2の選択的堆積が実行される。次に、フォトレジストの下にある層へのパターン転写が(例えばエッチングを介して)生じ得る一方、パターン化フォトレジスト、フォトレジストの上方の第1の追加材料及びフォトレジストの上方の第2の追加材料が集合的にエッチングマスクとして機能する。
【0015】
本明細書で説明される技術を利用する方法の例示的な実施形態は、本明細書で提供される図面及び説明に関して参照することができる。一実施形態では、LWR及びLERの影響は、パターン化EUVフォトレジストライン上への選択的堆積の使用により低減される。選択的堆積は、パターン化EUVフォトレジストライン粗さ特性を改善し、リソグラフィ構造の高さを増大させて、後続のエッチング及びパターン転写中により多くのプロセスマージンを提供することができる。図2A図2Cは、ライン粗さを改善する技術の例示的な実施形態である。図2Aに示すように、図1Aの構造と同様の外来のパターン化リソグラフィ構造が提供される。図2Aに示すように、外来のEUVパターン化フォトレジスト層105は、下層110上に提供される。特定の下地フィルムは、単なる例示である。図2Aに示すように、下層110は、それぞれ反射多層115、光学平坦化層120及びハードマスク層125を含む。上述のように、下層110は、基板100の他の層及び構造上に形成され得る。
【0016】
図2Aの構造は、示された層の下にある追加の層(図示せず)を含む、示された構造を達成するために幅広い種類の基板処理技術のいずれかを利用して、基板100上に提供され得る。本明細書に開示される技術で利用される基板は、材料のパターニング及びエッチングが望ましい任意の基板であり得る。例えば、一実施形態では、基板は、その上に形成された1つ以上の半導体処理層(その全てが一緒に基板を構成し得る)を有する半導体基板であり得る。一実施形態では、基板は、幅広い種類の構造及び層をもたらす複数の半導体処理ステップを施された基板であり得、それらの全てが基板処理技術で知られている。一実施形態では、基板は、形成された様々な構造及び層を含む半導体ウェーハであり得る。
【0017】
図2Bに示すように、選択的堆積材料205がパターン化フォトレジスト層105の上部に提供される。図2Bに示すようなプロセスにより、粗さが改善され、ラインの高さが増大し得る。次いで、図2Cに示すように、パターン転写が生じると、フォトレジストのブレークスルー及び関連するパターンの破壊並びにCDローディングの可能性が小さくなる。従って、図2Cに示すように、パターン化フォトレジスト層105の一部は、パターン転写プロセスで残り、それにより、反射多層115に形成された結果的なパターン構造215は、パターンの破壊又はCDの影響なしに所望のパターンに適合する。
【0018】
図2Bのステップは、様々な異なる方法で達成され得る。一実施形態では、プラズマ堆積を使用して、フォトレジスト上に追加材料を提供する。一実施形態では、第2のステップは、単一の堆積ステップのみとして構成され得る。代わりに、第2のステップは、追加材料の堆積前に硬化プロセスを含み得る。更に別の実施形態では、第2のステップは、硬化プロセス及び第1の堆積プロセスと、それに続く第2の堆積プロセスとを含み得る。
【0019】
図3A図3Bは、単一のプラズマ堆積の使用例を示す。図3Aに示すように、図2Aに示すような構造の層のいくつかを示す外来の構造が提供される。他の層も存在するが、理解を容易にするために、図3Aは、パターン化フォトレジスト層105及び反射多層115のみを示していることが認識されるであろう。図3Bに示すように、ガスプラズマ堆積プロセス305は、パターン化フォトレジストライン上に追加材料を選択的に堆積するために利用される。
【0020】
代わりに、追加材料を堆積させる前に硬化プロセスを実行し得る。図4A図4Cは、硬化プロセスの追加を示す。図4Aに示すように、図2A及び図3Aの構造と同様の外来の構造が提供される。図4Aは、パターン化フォトレジスト層105上に追加材料を堆積させる前にパターン化EUVフォトレジストを硬くさせる硬化プロセスの使用を示す。図4Aの例では、硬化/硬くさせるプロセスは、ガスプラズマ硬化プロセス405を含み得、パターン化フォトレジスト層105を硬化させることでき、薄い第1の追加材料(第1の追加材料は図示せず)も堆積させ得る。次いで、図4Cに示すように、選択的堆積材料205などのより厚い追加材料の堆積がガスプラズマ堆積プロセス305によって形成され得る。
【0021】
図4A図4Cのプロセスは、図3A図3Bのプロセスと比較してより多くのプロセスマージンを有利に可能にし得る。例えば、図3A図3Bプロセスにおいて所望のエッチングマージンを提供するのに必要とされるリソグラフィのスタック高さを達成するために、追加材料の厚さは、パターン崩壊が生じ得るようなものであり得る。更に、図3A図3Bのプロセスの堆積量がより多いと、構造の底部(例えば、反射多層上)に堆積される追加材料の量が不必要に多くなり得る。
【0022】
図5A図5B及び図6A図6Cは、図3A図3B及び図4A図4Bに示されているプロセスの更なる詳細をそれぞれ提供する。図5Aに示すように、図2A図3A及び図4Aと同様の外来の構造が提供される。次いで、図5Bに示すように、選択的堆積材料205の追加材料は、パターン化フォトレジスト層105の上部上に選択的且つ相対的に厚く堆積され得、フォトレジストの下にある層(例えば、反射多層115)の露出領域でより薄く堆積され得る。従って、図5Bに示すように、材料の第1の厚さ505がフォトレジスト上に提供され、材料のより薄い第2の厚さ510がフォトレジストの下にある層上に提供され得る。異なる領域における厚さの差は、少なくとも部分的に堆積プロセスのアスペクト比の影響から生じ得る。従って、ローディング堆積の影響による表面修正の利益が達成され、粗さ及びパターン高さの利点が提供される。
【0023】
図6A図6Cは、硬化ステップを含むマルチステッププロセスを示す。図6Aに示すように、外来の構造は、上述の外来の構造に類似し得る。図6Bに示すように、プロセスは、硬化プロセスを含む。図6Bの例では、プロセスは、第1の追加材料605の堆積も含む。具体的には、図6Bのステップは、示されるように、パターン化フォトレジスト層105上の第1の追加材料605の硬化及びプラズマ蒸着プロセスも提供する。第1の追加材料605は、示されるように、露出した下層(例えば、反射多層115)よりもフォトレジストの上部上に選択的により厚く堆積する。次いで、図6Cに示すように、図5Bのステップの堆積と同様の堆積を提供するステップが提供される。従って、両方ともプラズマ堆積プロセスによって堆積される第1の追加材料及び第2の追加材料が図示するように形成され得る。このようにして、追加材料の第1の層及び追加材料の第2の層が第1及び第2の堆積プロセスを介して提供され得る。第1のプラズマプロセス及び第2のプラズマプロセスは、以下により詳細に説明するように、両方とも異なるプロセスであり得る。図6Cに示すように、以下により詳細に説明されるように、アスペクト比の影響及び第1の追加材料605の堆積によって生じる表面エネルギーの影響の結果として、フォトレジスト構造の上方に第2の追加材料610の堆積が優先的に提供される。第2の追加材料610は、他の図に関して上述した選択的堆積材料205であり得ることに留意されたい。
【0024】
本明細書に記載された技術は、上述の選択的堆積及び硬化ステップを達成するための広範なプロセスを利用し得る。一実施形態では、プラズマ堆積プロセスが利用される。一実施形態では、図3B及び図5Bのステップ並びに図4C及び図6Cのステップの堆積は、四塩化ケイ素(SiCl)ガスを利用するプラズマプロセスであり得る。SiClプラズマにより、フォトレジスト表面上にシリコン(Si)又は塩化シリコン(SiCl)が堆積する場合がある。一実施形態では、図4B及び図6Bの硬化及び堆積プロセスは、ジクロロシラン(DCS)プラズマプロセスの使用により達成され得る。フォトレジストの硬化の影響は、プラズマシステム(例えば、図4Bに示す上部電極)のDC電圧からの電子エネルギーによって達成できる一方、シリコンコーティングは、プラズマシステムの上部電極を介したガススパッタリングによるDCSプラズマのプラズマ蒸着の影響から生じる。本明細書で説明されるプラズマシステムは、当該技術分野で知られているように、アルゴン、ヘリウム、窒素及び水素などの追加のガスを利用できることに留意されたい。
【0025】
上述のように、フォトレジストの上部領域における追加材料の選択的堆積プロセスは、アスペクト比の影響(構造の上部におけるより厚い堆積)及び硬化ステップで形成されるプラズマ蒸着(PVD)材料から生じる表面エネルギーの影響にも起因して領域選択的であり得る。一例では、硬化ステップの一部としてPVDシリコンを形成できる。より具体的には、プラズマステップ(DCSガスプラズマとSiClガスプラズマとの両方)でイオンフラックスとラジカルとを変化させると、領域固有の堆積が生じ得る。図7は、様々な領域を示す。図7に示すように、パターンフォトレジスト層105及び反射多層115は、上述と同様に提供される。更に、図6Bに示すような第1の追加材料605も示されている。上述のように、一実施形態では、第1の追加材料は、シリコンコーティングであり得る。一般に、図7の第1の領域705におけるプラズマのイオンフラックス及びラジカルフラックス量は、第2の領域710におけるものよりも高い。従って、選択的堆積は、第1の領域705領域で(パターン化フォトレジスト層105の上部などの上部リソグラフィスタック構造において)生じる。従って、第2の領域710の底部における堆積とは対照的に、第1の領域705領域で強化された堆積が生じる。図7は、以前のDCSプラズマ硬化プロセスを利用した場合のSiClガスプラズマステップに存在する構造を示す。しかしながら、より大きいフラックス量を有する第1の領域705の概念もDCSプラズマプロセスで生じる。
【0026】
選択的堆積を提供するアスペクト比の影響に加えて、図4C図6C及び図7の実施形態では、シリコンを堆積させるDCSプラズマの結果として、硬化プロセス中にフォトレジストの上部に形成されるPVDシリコン層の存在に起因して選択的堆積も生じる。上記のように、シリコンは、パターン化フォトレジストの上部に優先的に堆積される。フォトレジストの上部におけるシリコン量が異なると、表面エネルギーの影響によって(図4C図6C及び図7のステップなどで)シリコン層上に追加材料の優先的な堆積が引き起こされる結果となる。特に、フォトレジストの上部のシリコン層によって提供される材料表面エネルギーは、ガスプラズマ堆積プロセス305堆積膜(SiClプラズマからのシリコン又はSiCl堆積)と同様のフォトレジストの上部に表面エネルギーを提供する。この類似性により、下層(例えば、反射多層115)とは対照的に、フォトレジストの上部にあるシリコン(又はSiCl)層上に選択的堆積が生じる。このようにして、非パターン化領域とは対照的に、パターン化フォトレジストの上方の領域で堆積が更に強化される。従って、アスペクト比の影響と表面エネルギーの影響との両方がフォトレジストの上方の選択的堆積に寄与し得る。
【0027】
図8図9は、本明細書に記載の処理技術を使用するための例示的な方法を示す。図8図9の実施形態は、単なる例示であり、追加の方法は、本明細書に説明された技術を利用できることが認識されるであろう。更に、説明されたステップは、排他的であることを意図していないため、図8図9に示す方法に追加の処理ステップを追加することができる。更に、ステップの順序は、異なる順序が生じ得、且つ/又は様々なステップが組み合わされるか若しくは同時に実行され得るため、図8図9に示す順序に限定されない。
【0028】
図8は、基板を処理するための方法を示す。図8に示すように、方法は、基板に少なくとも1つの下層を提供するステップ805を含む。方法は、基板に、少なくとも1つの下層を覆うパターン化フォトレジスト層を提供するステップ810も含み、パターン化フォトレジスト層は、基板のパターン化領域及び基板の非パターン化領域を提供する。方法は、基板上に追加材料を堆積させるステップ815を更に含み、追加材料は、基板の非パターン化領域上よりもフォトレジスト上に選択的により厚く堆積される。方法は、フォトレジスト層のパターンを少なくとも1つの下層に転写するとき、パターン化フォトレジスト層及び追加材料をエッチングマスクとして利用するステップ820も含み、追加材料の使用は、改善されたライン幅粗さ又はラインエッジ粗さ特性を提供する。
【0029】
図9は、基板を処理するための方法を示す。図9に示すように、方法は、基板に少なくとも1つの下層を提供するステップ905を含む。方法は、基板に、少なくとも1つの下層を覆うパターン化極紫外線(EUV)フォトレジスト層を提供するステップ910も含む。方法は、硬化プロセスを実行して、パターン化EUVフォトレジストを硬くさせるステップ915を更に含む。方法は、基板上に追加材料を堆積させるステップ920も含み、追加材料は、基板の他の領域上よりもパターン化EUVフォトレジスト上に選択的により厚く堆積される。方法は、フォトレジスト層のパターンを少なくとも1つの下層に転写するとき、パターン化極紫外線(EUV)フォトレジスト層及び追加材料をエッチングマスクとして利用するステップ925を更に含み、追加材料の使用は、改善されたライン幅粗さ又はラインエッジ粗さ特性を提供する。
【0030】
本発明の更なる修正形態及び代替的な実施形態は、この説明を考慮すれば当業者に明らかであろう。従って、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され、且つ記載された本発明の形態及び方法は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書に例示及び説明されたものの代わりに均等な技術を使用することができ、及び本発明の特定の特徴は、他の特徴の使用とは無関係に利用することができ、これらは、全て本発明のこの説明の利益を享受した後に当業者に明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0031】
100 基板
105 パターン化フォトレジスト層
110 下層
115 反射多層
115A 反射多層構造
120 光学平坦化層
125 ハードマスク層
205 選択的堆積材料
215 パターン構造
305 ガスプラズマ堆積プロセス
405 ガスプラズマ硬化プロセス
505 第1の厚さ
510 第2の厚さ
605 第1の追加材料
610 第2の追加材料
705 第1の領域
710 第2の領域
805 ステップ
810 ステップ
815 ステップ
820 ステップ
905 ステップ
910 ステップ
915 ステップ
920 ステップ
925 ステップ
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9