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特許7543654リソース予約システム、利用管理方法、端末装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】リソース予約システム、利用管理方法、端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q10/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020022678
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2021128539
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遼
(72)【発明者】
【氏名】藤村 奈都美
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184241(JP,A)
【文献】特開2018-181183(JP,A)
【文献】特開2008-152540(JP,A)
【文献】特開2018-025972(JP,A)
【文献】特開2019-164759(JP,A)
【文献】特開2018-107595(JP,A)
【文献】特開2009-164759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソースの利用を管理する情報処理装置と、
個人が利用する端末装置であって情報取得手段を備える端末装置を、
前記情報取得手段を制御して、リソース毎に取得可能に設置されたリソースの識別情報を取得させる取得部と、
前記取得部が取得した前記リソースの識別情報を指定して、前記リソースの利用を、前記端末装置に、前記情報処理装置に対して要求させる利用要求部と、
ユーザの認証を外部に要求する認証要求部と、
前記認証要求部が取得したユーザの識別情報と前記取得部が取得した前記リソースの識別情報を用いて前記情報処理装置に前記リソースの予約情報を要求する予約情報要求部と、
前記情報処理装置から受信した前記予約情報を表示する表示制御部、として機能させるプログラムと、を有し、
前記情報処理装置は、
前記リソースの識別情報が含まれる予約情報に前記ユーザの識別情報が含まれる場合、前記リソースの識別情報が含まれる予約情報で予約されたリソースの利用を許可する利用管理部と、
前記リソースの識別情報で特定される前記リソースの予約情報を前記端末装置に送信する予約情報送信部と、を有し、
前記情報処理装置又は前記端末装置は、
前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含むか否かを判断し、
前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含む場合、前記表示制御部は、前記予約情報と共に、前記利用開始を受け付けるボタンを表示し、
前記利用開始を受け付けるボタンの押下を受け付けた場合、前記利用要求部は前記リソースの利用を前記情報処理装置に要求することを特徴とするリソース予約システム。
【請求項2】
前記利用管理部が前記リソースの利用を許可した場合、
前記表示制御部は、前記予約情報と共に、前記リソースの利用を終了するボタンを表示することを特徴とする請求項1に記載のリソース予約システム。
【請求項3】
前記利用要求部が前記リソースの利用を前記情報処理装置に要求した時に前記リソースが予約されていない場合、
前記表示制御部は、前記リソースの予約を受け付けるボタンを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のリソース予約システム。
【請求項4】
前記予約情報送信部は、前記予約情報の予約者又は参加者に、前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが含まれない場合、前記予約情報の少なくとも一部をマスクすることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のリソース予約システム。
【請求項5】
前記予約情報送信部は、前記予約情報の予約者又は参加者に、前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが含まれない場合、前記予約情報の会議名、予約者、又は、参加者をマスクすることを特徴とする請求項4に記載のリソース予約システム。
【請求項6】
前記予約情報送信部は、前記ユーザの識別情報を予約者又は参加者に含む過去の予約情報で予約されている前記リソースを特定し、該リソースの第一の予約情報及び前記リソースの識別情報で特定される前記リソースの第二の予約情報を前記端末装置に送信し、
前記表示制御部は、ユーザの操作に応じて、前記第一の予約情報と前記第二の予約情報を切り替えて表示することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のリソース予約システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記予約情報と共に新規予約を受け付けるボタンを表示し、前記ボタンの押下を受け付けた場合、
リソースの名称の入力欄、及び、時間帯の入力欄、を表示することを特徴とする請求項6に記載のリソース予約システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記リソースの名称の入力欄が選択された場合、前記ユーザの識別情報を予約者又は参加者に含む過去の予約情報で予約されている前記リソースを選択可能に表示することを特徴とする請求項7に記載のリソース予約システム。
【請求項9】
リソースの予約を管理する情報処理装置が端末装置と通信してリソースの利用を管理する利用管理方法であって、
個人が利用する端末装置であって情報取得手段を備える端末装置が、
前記情報取得手段を制御して、リソース毎に取得可能に設置されたリソースの識別情報を取得し、
取得した前記リソースの識別情報を指定して、前記リソースの利用を、前記端末装置に、前記情報処理装置に対して要求させ、
ユーザの認証を外部に要求し、取得したユーザの識別情報と前記リソースの識別情報を用いて前記情報処理装置に前記リソースの予約情報を要求し、
前記情報処理装置から受信した前記予約情報を表示させ、
前記情報処理装置は、
前記リソースの識別情報が含まれる予約情報に前記ユーザの識別情報が含まれる場合、前記リソースの識別情報が含まれる予約情報で予約されたリソースの利用を許可し、
前記リソースの識別情報で特定される前記リソースの予約情報を前記端末装置に送信し、
前記情報処理装置又は前記端末装置は、
前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含むか否かを判断し、
前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含む場合、前記予約情報と共に、前記利用開始を受け付けるボタンを表示し、
前記利用開始を受け付けるボタンの押下を受け付けた場合、前記リソースの利用を前記情報処理装置に要求することを特徴とする利用管理方法。
【請求項10】
リソースの利用を管理する情報処理装置と通信し、個人が利用する端末装置であって、
前記端末装置の備える情報取得手段を制御して、リソース毎に取得可能に設置されたリソースの識別情報を取得する取得部と、
前記リソースの識別情報を指定して、前記リソースの利用を前記情報処理装置に要求する利用要求部と、
ユーザの認証を外部に要求する認証要求部と、
前記認証要求部が取得したユーザの識別情報と前記取得部が取得した前記リソースの識別情報を用いて前記情報処理装置に前記リソースの予約情報を要求する予約情報要求部と、
前記情報処理装置から受信した前記予約情報を表示する表示制御部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記リソースの識別情報が含まれる予約情報に前記ユーザの識別情報が含まれる場合、前記リソースの識別情報が含まれる予約情報で予約されたリソースの利用を許可する利用管理部と、
前記リソースの識別情報で特定される前記リソースの予約情報を前記端末装置に送信する予約情報送信部と、を有し、
記端末装置は、
前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含むか否かを判断し、
前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含む場合、前記表示制御部は、前記予約情報と共に、前記利用開始を受け付けるボタンを表示し、
前記利用開始を受け付けるボタンの押下を受け付けた場合、前記利用要求部は前記リソースの利用を前記情報処理装置に要求することを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソース予約システム、利用管理方法、及び、端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室などのリソースの予約に関する情報を会議室に配置された情報処理端末が表示する技術が知られている。ユーザが会議室の利用を開始するにあたり、情報処理端末に利用開始を入力し、利用を終了するにあたり利用終了を入力するような使い方が可能になる。
【0003】
ユーザが予約した会議室の利用時の利便性を向上させる技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、管理サーバと、会議室に設けた部屋前端末が通信ネットワークにより接続された会議室予約システムにおいて、会議室の利用開始時に、部屋前端末が有するICカードリーダにユーザがICカードをかざして認証を受けるシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、会議室などのリソースごとに情報処理端末を配置しなければならないという問題があった。会議室ごとに情報処理端末が配置される場合、例えば配置コストが向上し、また、情報処理端末の盗難策を講じる必要があるなど、システム構築及び管理運用の負担が大きくなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、個人が利用する端末装置を用いて、低負担で構築及び運用できるリソース予約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、リソースの利用を管理する情報処理装置と、個人が利用する端末装置であって情報取得手段を備える端末装置を、前記情報取得手段を制御して、リソース毎に取得可能に設置されたリソースの識別情報を取得させる取得部と、前記取得部が取得した前記リソースの識別情報を指定して、前記リソースの利用を、前記端末装置に、前記情報処理装置に対して要求させる利用要求部ユーザの認証を要求する認証要求部と、前記認証要求部が取得したユーザの識別情報と前記取得部が取得した前記リソースの識別情報を用いて前記情報処理装置に前記リソースの予約情報を要求する予約情報要求部と、前記情報処理装置から受信した前記予約情報を表示する表示制御部、として機能させ、
前記情報処理装置は、前記リソースの識別情報が含まれる予約情報に前記ユーザの識別情報が含まれる場合、前記リソースの識別情報が含まれる予約情報で予約されたリソースの利用を許可する利用管理部と、前記リソースの識別情報で特定される前記リソースの予約情報を前記端末装置に送信する予約情報送信部と、を有し前記情報処理装置又は前記端末装置は、前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含むか否かを判断し、前記予約情報の予約者と前記ユーザの識別情報で特定されるユーザが同じで、かつ、予約情報のステータスが、利用開始が可能である旨を含む場合、前記表示制御部は、前記予約情報と共に、前記利用開始を受け付けるボタンを表示し、前記利用開始を受け付けるボタンの押下を受け付けた場合、前記利用要求部は前記リソースの利用を前記情報処理装置に要求することを特徴とするリソース予約システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
個人が利用する端末装置を用いて、低負担で構築及び運用できるリソース予約システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】リソース予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である。
図2】会議室に会議室端末がない場合のリソース予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である。
図3】リソース予約システムのシステム構成図の一例である。
図4】コンピュータシステムのハードウェア構成図の一例である。
図5】会議室端末、又は、端末装置のハードウェア構成図の一例である。
図6】予約管理サーバ、チャットサーバ、会議管理サーバ、及び、登録端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図7】端末装置及び会議室端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図8】リソース予約システムの動作を説明するシーケンス図の一例である。
図9】会議管理サーバが会議管理情報DBに保持している予約情報を示す図である。
図10】予約者と同じユーザが図9の予約情報を表示した予約情報画面を説明する図である。
図11】予約者又は参加者アカウントと異なるユーザが図9の予約情報を表示した予約情報画面を説明する図である。
図12】会議室が予約されていない時間帯にユーザが図9の予約情報を表示した予約情報画面を説明する図である。
図13】「今すぐ利用」ボタンが押された場合に端末装置が表示する予約情報画面の一例を示す図である。
図14】会議管理サーバの処理を説明するフローチャート図の一例である。
図15】端末装置が予約情報を表示する手順を説明するフローチャート図の一例である。
図16】リソース予約システムの動作を説明するシーケンス図の一例である(実施例2)。
図17】会議管理サーバが会議管理情報DBに保持している予約情報の一例を示す図である。
図18】Aさんが端末装置に表示させた201会議室の予約情報画面の一例を示す図である。
図19】Bさんが端末装置に表示させた201会議室の予約情報画面の一例を示す図である。
図20】Cさんが端末装置に表示させた201会議室の予約情報画面の一例を示す図である。
図21】Aさんが13:00に画像コードを撮像した場合に端末装置が表示する201会議室の予約情報画面の一例を示す図である。
図22図19の予約情報画面から遷移する別の会議室の予約情報画面の一例を示す図である。
図23図18の予約情報画面から遷移される新規予約画面の一例を示す図である。
図24】会議室配置情報の一例を示す図である。
図25】複数の会議室を選択可能に表示する新規予約画面の一例を示す図である。
図26】会議管理サーバが行う処理を説明するフローチャート図の一例である。
図27】端末装置が予約情報を表示する手順を説明するフローチャート図の一例である。
図28】リソース予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、リソース予約システム及びリソース予約システムが行う利用管理方法について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
<リソース予約システムの概略>
始めに図1を用いてリソース予約システム100の概略を説明する。図1はリソース予約システム100の全体的な動作の概略を説明する図の一例である。ここでは、参考のために会議室端末(情報処理端末の一例)が会議室に配置されている場合を説明する。
【0011】
A.予約者は自分の端末装置60を操作して予約管理サーバ20と通信し、会議室を予約する。予約管理サーバ20は汎用のクラウドサービス(Office365、G Suite(いずれも登録商標)等)であるが、予約者が所属する企業などの組織が有する会議室が登録されている。
【0012】
B.会議管理サーバ30は会議室の予約状況に基づいてリソース予約システム100の全体を制御するサーバである。会議管理サーバ30は適宜、予約管理サーバ20と通信して予約情報を取得するので、予約管理サーバ20と予約情報を同期している。
【0013】
C.リソース予約システム100又は組織側の管理者は会議管理サーバ30に対し、ユーザの登録、及び、各種の設定を行うことができる。ユーザの登録とは、チャットサーバ10(slack、Line、Microsoft Teams(いずれも登録商標)等)を使った各種の通知の対象となるユーザを登録することをいう。また、通知は会議管理サーバ30としてメッセージを送信するボットを介して行われるためチャットサーバが提供するボットも登録される。各種の設定は、会議室端末90の登録(後述する初期設定)、リマインドのタイミングの設定などである。
【0014】
D.会議管理サーバ30は予約情報における会議の開始時刻の一定時間前になると、予約者に会議の開催をリマインドする。これにより、会議室の空予約を抑制する。また、会議管理サーバ30は必要に応じてユーザに招待コードを通知する。会議の予約者はリマインドを受信することで会議室にチェックインするための情報(会議識別情報)を端末装置60に保存する。チェックインとは会議室の利用の開始を会議管理サーバ30に通知し、許可を得ることである。
【0015】
E.各会議室6には会議室端末90が配置されており、定期的にこの会議室で行う会議の予約情報を会議室端末90がダウンロードしている。会議室端末90は当日や直近の会議の予定などを表示して会議の参加者に予定を確認させることができる。会議の開始時刻の少し前になると会議室の予約者は会議室6に赴いてチェックインする。例えば、会議識別情報を会議室端末90に入力する、又は、端末装置60を会議識別情報にかざす(会議識別情報を読み取らせる、通信させるなど)。
【0016】
F.会議室端末90はチェックイン要求を会議管理サーバ30に送信するので、会議識別情報で認証できれば、チェックインできた旨の応答を会議管理サーバ30から受信する。会議室端末90は(会議中)利用中である旨を表示する。会議の開始時刻に対し決まった時刻までにチェックインを知らせる利用開始通知を確認できない場合、会議管理サーバ30は会議室6の予約を自動キャンセル(会議室が開始時刻から所定時間経過しても利用開始されない場合に予約情報の取り消しを行うこと)して、予約情報に含まれるステータスとしてキャンセル済みを会議室端末90に送信する。この場合、会議室端末90は空室である旨を表示するので、任意のユーザが会議室6を利用できる。
【0017】
G.会議室端末90は、会議管理サーバ30からの要求により電子機器70を制御する。例えば、会議開始時刻に電源をONし、会議終了時刻に電源をOFFする。こうすることで、会議の参加者による電子機器70の操作時の利便性を向上できる。
【0018】
H.電子機器70が例えばテレビ会議の機能を有する場合、別の拠点4の電子機器(テレビ会議端末70x等)と通信して、他拠点と会議を開催できる。なお、アプリが動作するPC70yも電子機器70と通信できる。予約情報には予め他拠点を示す宛先情報(宛先の通信ID)が含まれており、電子機器70は自動でテレビ会議端末70x及びPC70yと通信できる。
【0019】
I.予約者が会議を終了する際、会議室端末90のボタンを押下してチェックアウトするので、会議室端末90は次の予約状況を表示する。これにより、任意のユーザが会議室の予約状況を把握できる。チェックアウトとは会議室の利用の終了を会議管理サーバ30に通知することである。
【0020】
<会議室に会議室端末がない場合の動作手順>
図2は、会議室に会議室端末がない場合のリソース予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である。A~Dまでの手順は図1と同様でよい。
【0021】
(1) ユーザが会議室を利用するため会議室に到着する。会議室には予めQRコード(登録商標)等の画像コードが、張り付けられる等して提示・設置されている。画像コードには、会議室情報(会議室ID、認証キー、メールアドレス)がコード化されている。画像コードはリソース毎に取得可能に設置されている。ユーザが所定のアプリが動作する端末装置60で画像コードを撮像すると、会議室情報がデコードされる。
【0022】
(2) ユーザは端末装置60(個人端末の一例)を介して会議管理サーバ30からの認証を受ける。認証済みであるため会議識別情報の入力を不要にできる。端末装置60は画像コードから取得した会議室IDを指定して会議管理サーバ30と通信を開始する。これにより端末装置60は画像コードが提示されている会議室の予約情報の表示や、チェックイン、予約が可能になる。
【0023】
より詳細には、会議管理サーバ30は、
(i) ユーザが予約情報の予約者又は参加者に含まれる、かつ、会議室が「チェックイン待ち」の場合
(ii) ユーザが予約情報の予約者又は参加者に含まれない場合
(iii) 現在時刻に予定がない場合
に分類し、(i)の場合はチェックイン処理を行う。
【0024】
(3) 予め電子機器70のIPアドレスが会議管理サーバ30に登録されており、チェックイン要求に対する応答などで、会議管理サーバ30が電子機器70のIPアドレスを端末装置60に送信する。端末装置60は会議室端末90と同様に電子機器70を制御することができる。
【0025】
(4)電子機器70が例えばテレビ会議の機能を有する場合、別の拠点4の電子機器(テレビ会議端末70x等)と通信して、他拠点と会議を開催できる。
【0026】
(5) ユーザが会議を終了する際、端末装置60に表示された所定のボタンを押下してチェックアウトする。端末装置60は会議室情報を指定して会議管理サーバ30にチェックアウト要求する。これにより会議管理サーバ30はチェックアウトを検出して、次のユーザが会議室を利用できるようになる。
【0027】
このように、本実施形態のサービス提供システムは、端末装置60で画像コードを撮像することで会議室情報を取得できる。端末装置60は予約情報の表示やチェックイン/チェックアウトを会議管理サーバ30に行うことができるので、別途、運営者が会議室端末を会議室ごとに配置する必要がなくなる。会議室ごとに会議室端末を配置しなくてもよいため、システム構築及び管理運用の負担を低減できる。
【0028】
また、ユーザ認証済みの端末装置60で会議室を利用することもできるので、ユーザ識別情報やユーザを特定した予約情報を記憶し、活用することもでき、例えばユーザ毎の予約情報を共有し誰がいつまでどこにいるのかを、ユーザの識別情報に関連づいた上司や同僚の連絡先に知らせることも可能である。さらにその場合、後述するように、本実施形態の会議管理サーバは、ユーザの識別情報に応じて端末装置60が表示する予約情報をマスクする。
(i) ユーザが予約者、又は、参加者に含まれる予約情報
(ii) その他の予約情報
のうち、(ii)の場合、会議管理サーバは予約情報のうち会議の内容や個人情報をマスクする。
【0029】
こうすることで、不特定多数の人が会議室の予約情報(会議名、予約者名、参加者名)を見ることを回避できる。
【0030】
<用語について>
リソースとはある組織等が保有・貸借・管理している資源をいう。組織のリソースとしては、例えば、会議室、及び、備品、装置、人(グループ)、社用車、自転車、駐車場や駐輪場、フリーアドレスやデスク、ブース等の場所、遠隔会議システム、印刷サービスや仕組みなどもリソースとなりうる。リソースのうち移動しにくいものを設備という。本実施形態では説明の便宜上、リソースの一例として会議室という用語を使用する。なおこの他にも、組織外のリソースの例として、各種の電子機器、駐車場、レンタルオフィス、レンタルスタジオ等の場所、レンタルサイクル、レンタカー(シェアリングカー)、ホテル等の宿泊施設、催し物会場・ロッカーなどの貸しスペースや空間など、各種の設備の予約に利用できる。
【0031】
リソースの識別情報に応じて、リソースの利用を要求するとは、リソースの識別情報が必要なリソースの利用要求であればよい。例えば、利用開始、又は、予約開始がある。
【0032】
予約者は会議室を予約した者であり、参加者は会議への参加者である。予約者は参加者に含まれる場合が多いが、含まれなくてもよい。総称して会議室を利用する者を単にユーザという。
【0033】
<システム構成例>
図3は、リソース予約システム100のシステム構成図の一例である。リソース予約システム100は、主に社外ネットワークN2と社内ネットワークN1に分けることができる。社内ネットワークN1はファイアウォール105の内側のネットワークをいい、社外ネットワークN2は不特定多数の通信が伝送されるインターネット等のネットワークである。
【0034】
社外ネットワークN2には、予約管理サーバ20、会議管理サーバ30、及び1つ以上のチャットサーバ10が接続されており、各サーバは必要に応じて通信することができる。社外ネットワークN2に会議の参加者が操作する端末装置60が必要に応じて接続されてよい。
【0035】
予約管理サーバ20は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現される。予約管理サーバ20が提供する設備の予約に関するシステムを予約管理システムという。予約管理サーバ20はカレンダーシステムを有しており、各種の予定を管理するWebアプリを提供する。具体的には、例えば以下のような機能を有している。
・予定の登録を受け付け、いつでもどこからでも予約者が確認できる
・予定の30分前など、設定した日時に電子メールで通知する
・一人が複数のカレンダー(仕事用、家庭用など)で予定を管理できる
・同じグループの人とカレンダーを共有する
予約管理サーバ20はユーザをアカウントで管理する。アカウントとはユーザがサービスを利用する権利のことである。多くのシステムではユーザはアカウントを使用してシステムにログインする。このため、アカウントはシステムがユーザを一意に特定する機能(識別情報の機能)を有している。本実施形態では、予め登録しておいたアカウント(ドメイン)の予約情報を予約管理サーバ20が会議管理サーバ30に送信する。あるいは、予約管理サーバ20のアカウントを指定して会議管理サーバ30が予約情報を要求することで、会議管理サーバ30が会議室6の予約情報を予約管理サーバ20から取得できる。なお、アカウントは例えば電子メール、ID、電話番号など、ユーザを一意に識別できる情報であればよい。
【0036】
本実施形態で予定として管理されるのは会議室6の予約であるが、予約管理サーバ20は会議室6に限られず各種のリソースを予約した予約情報や予定を管理できる。なお、予約管理システムとしては、G Suite(登録商標)、Office365(登録商標)等が知られているが、本実施形態で説明する機能を有する予約管理システムであればよい。
【0037】
また、本実施形態では、社内ネットワークN1の会議室6に関する情報が予約管理サーバ20に予め登録されている。すなわち、リソース予約システム100を利用する企業の社内ネットワークにある各会議室6の会議室名、会議室ID、予約可能時間、各会議室6の定員、及び、予約単位等に応じて予約管理サーバ20のWebアプリがカスタマイズされている。したがって、リソース予約システム100を利用する企業の会議室6と予約情報が結びつけられる。
【0038】
チャットサーバ10は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。チャットサーバ10が提供する複数のユーザにおけるテキスト、音声、映像などの情報のリアルタイムな共有システムをチャットシステムという。チャットサーバ10は端末装置60に会議室6の予約に関する情報を通知する。本実施形態では運営主体が異なる複数のチャットサーバ10が含まれてよい。
【0039】
共有される情報には画像や音声等もありテキストに限られないが、本実施形態では説明の便宜上、通知には主にテキストが用いられるとして説明している。例えば、チャットシステムは、グループ間の音声通話機能を提供してよい。音声通話は1対1でも1対N(≧2)でもよい。したがって、本実施形態でチャットシステムが会議室6の予約に関する情報を通知する際は、テキストの表示の他、音声メッセージの出力でもよい。なお、チャットシステムとしてはLINE(登録商標。以下、省略する。)、slack、Microsoft Teams(登録商標。以下、省略する。)等が知られているが、ボット(事前に決められている処理を実行するプログラム)から1又は複数のユーザに対して通知が可能なチャットシステムであればよい。
【0040】
チャットサーバ10も同様にアカウント(予約管理サーバ20のアカウントとは異なる)でユーザを管理するが、原則的に会議管理サーバ30はチャットサーバ10のアカウントを意識する必要はない。しかし、会議管理サーバ30はチャットサーバ10の任意のアカウントを指定して通知することができる。
【0041】
会議管理サーバ30は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。会議管理サーバ30は社外ネットワークN2に関する処理として、予約管理サーバ20から会議室6の予約情報を取得し、予約情報に設定されている参加予定者を取得し、設定されているタイミングで参加予定者と対応付けられたチャットサーバ10のグループ(又は予約者など個別の者)に通知を送信する。また、社内ネットワークN1に関する処理として、会議室6へのチェックイン及びチェックアウトを管理したり、予約管理サーバ20から取得した会議室6の予約情報に基づいて電子機器70の電源等を制御したりする。
【0042】
社内ネットワークN1には、会議室6、参加予定者の作業場所101、及び、管理者の作業場所102、その他社内の様々な場所などから、参加予定者は端末装置60等で社内ネットワークN1を介して社外ネットワークN2にアクセスできる。社内ネットワークN1は例えばLAN(Local Area Network)である。会議室6、参加予定者の作業場所101、及び、管理者の作業場所102は同じ企業内のLANであるとは限らない。なお、端末装置60が携帯電話やスマートフォンである場合は、電話回線を介して、社外ネットワークN2にアクセスし、予約管理サーバ20、会議管理サーバ30、チャットサーバ10に接続してもよい。その際には端末装置60のユーザは社内にいなくても、社外ネットワークN2への接続(インターネット接続)が可能である。
【0043】
会議室6には会議室端末90、及び電子機器70が配置されている。本実施形態では会議室端末90が配置されない会議室の利用方法について説明する。図2で説明したように会議室(リソース)によっては、会議室端末90の代わりに、各ユーザが携帯する端末装置60を用いて会議室利用を行う。なお、会議室端末90(リソース端末)でのリソース利用と、各ユーザが携帯する端末装置60でのリソース利用とを、どちらも行えるシステムであってもよい。
【0044】
会議室端末90と電子機器70は小規模なLAN又は専用線で通信することができる。電子機器は会議室端末90を経由することなく社内ネットワークN1及び社外ネットワークN2に接続できる。会議室端末90と電子機器70は無線又は有線のいずれで通信してもよい。なお、社内ネットワークN1はファイアウォール105の内側にあるため、社外ネットワークN2から社内ネットワークN1への直接の通信は困難になっている。
【0045】
会議室端末90は、会議室6を利用する予約者等の会議の参加者が操作する情報処理端末である。会議室の利用を受け付ける受付端末となる。会議室端末90は会議室6の机の上に配置されていたり、会議室6の入り口に配置されたりしている。1つの会議室6に会議室端末90が複数、配置されていてもよい。会議室端末90は、一般的なOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。
【0046】
会議室端末90は会議管理サーバ30に会議室IDを送信し、当日の会議室6の予約情報などを表示する。また、電子機器70の電源ON、OFF等の制御情報を会議管理サーバ30から取得する。これにより、会議室端末90は電子機器70の電源をON及びOFFする。
【0047】
また、会議室端末90はチェックイン、チェックアウトなどのための待ち受け画面を表示し、チェックイン又はチェックアウトを会議管理サーバ30に知らせるために会議管理サーバ30と通信する。チェックインの際、会議室端末90は予約者から入力された会議識別情報と予め保持する会議室IDを会議管理サーバ30に送信するので、会議管理サーバ30は会議識別情報と会議室IDにより、会議室6を予約した予約者が予約した会議室6を利用することを確認できる。
【0048】
電子機器70は会議室6で使用され得る各種のオフィス機器である。例えば、電子黒板、複合機、プロジェクタ、デジタルサイネージ、デジタルカメラ等である。電子黒板とは、タッチパネル付大型ディスプレイを有しユーザが指示した盤面の座標を検出し座標を接続してストロークを表示する。この他、接続されたPCの映像を表示したり、他拠点の電子黒板と通信してストロークを同期したりすることができる。なお、電子黒板は、電子情報ボード、電子ホワイトボードと呼ばれる場合もある。
【0049】
複合機は、コピー機、スキャナ、プリンタ、ファクス送受信などの機能を有し、会議中の資料の印刷や資料のコピー、資料の電子化、資料の送信などに利用される。プロジェクタは画像を投影する装置である。例えば、端末装置60がディスプレイに表示する映像をスクリーン等に投影することで参加者の間で共有することを可能にする。デジタルサイネージは大型のディスプレイであり任意の静止画又は動画を表示するために使用される。デジタルカメラは紙の資料や電子黒板に表示された資料を各参加者が撮像して保存するために使用される。
【0050】
参加予定者の作業場所101には社内ネットワークN1に接続することができる端末装置60が配置されている。端末装置60は有線で通信しても無線で通信してもよい。端末装置60は参加予定者(予約者を含む)が会議室を予約する際に使用される情報処理装置であるが、会議室に持ち込むことも想定されている。参加予定者が携帯する情報処理装置である。
【0051】
端末装置60は、一般的なOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。端末装置60は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)などである。ただし、通信機能を有しブラウザソフトウェア、又は、チャットサーバ10若しくは予約管理サーバ20に専用のアプリケーションソフトウェアが動作すればよい。例えば、カーナビ、ゲーム機、テレビ受像器なども端末装置60となりうる。
【0052】
端末装置60ではチャットサーバ10に専用のアプリケーションソフトウェア(以下、チャットアプリという)が動作し、更に、リソース予約システム100に専用のアプリケーションソフトウェア(以下、会議アプリという)が動作する。ただし、これらはブラウザソフトウェアで代用されてよい。
【0053】
管理者の作業場所102には社内ネットワークN1に接続することができる登録端末50が配置されている。登録端末50は有線で通信しても無線で通信してもよい。登録端末50は管理者が会議室端末90に初期設定するための表示端末である。
【0054】
登録端末50も端末装置60と同様の情報処理装置でよい。ただし、主に会議管理サーバ30に管理者が設定するために使用されるので、チャットアプリや会議アプリはなくてよい。登録端末50は主にブラウザソフトウェアで会議管理サーバ30と通信し、Webページを表示する。
【0055】
<ハードウェア構成>
<<会議管理サーバ、予約管理サーバ、チャットサーバ、登録端末のハードウェア構成>>
会議管理サーバ30、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、登録端末50は、例えば図4に示すハードウェア構成のコンピュータシステムにより実現される。図4は本実施形態に係るコンピュータシステム300の一例のハードウェア構成図である。
【0056】
図4に示されているように、コンピュータシステム300は、コンピュータによって構築されており、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F208(Interface)、ネットワークI/F209、バスライン210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0057】
これらのうち、CPU201は、コンピュータシステム300全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン210は、図4に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0058】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0059】
<<会議室端末、端末装置>>
図5は会議室端末90、端末装置60の一例のハードウェア構成図である。なお、図5の会議室端末90又は端末装置60はタブレット装置又はスマートフォンが想定されている。
【0060】
会議室端末90又は端末装置60は、CPU701、ROM702、RAM703、EEPROM704、CMOSセンサ705、撮像素子I/F706、加速度・方位センサ707、メディアI/F709、GPS受信部711を備えている。
【0061】
これらのうち、CPU701は、会議室端末90又は端末装置60は全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701やIPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。EEPROM704は、CPU701の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ705は、CPU701の制御にしたがって被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F706は、CMOSセンサ705の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ707は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F709は、フラッシュメモリ等の記録メディア708に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部711は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0062】
また、会議室端末90又は端末装置60は、遠距離通信回路712、CMOSセンサ713、撮像素子I/F714、マイク715、スピーカ716、音入出力I/F717、ディスプレイ718、外部機器接続I/F(Interface)719、近距離通信回路720、近距離通信回路720のアンテナ720a、及びタッチパネル721を備えている。
【0063】
これらのうち、遠距離通信回路712は、通信ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ713は、CPU701の制御にしたがって被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F714は、CMOSセンサ713の駆動を制御する回路である。マイク715は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ716は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F717は、CPU701の制御にしたがってマイク715及びスピーカ716との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ718は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F719は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路720は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル721は、利用者がディスプレイ718を押下することで、会議室端末90を操作する入力手段の一種である。なお、CMOSセンサ713等の撮像手段、近距離通信回路720等の近距離通信手段、マイク715等の音声入力手段、等は、リソースの識別情報を、それぞれ例えば画像コード等の画像・無線通信・音波で取得する、情報取得手段である。
【0064】
また、会議室端末90又は端末装置60は、バスライン710を備えている。バスライン710は、図5に示されているCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0065】
<機能について>
図6は、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、会議管理サーバ30、及び、登録端末50の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0066】
<<予約管理サーバ>>
予約管理サーバ20は、通信部21、予約情報管理部22、及び、認証部23を有する。予約管理サーバ20が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0067】
通信部21は、会議管理サーバ30及び端末装置60と各種の情報を送受信する。通信部21は予約設定画面の画面情報を端末装置60に送信し、端末装置60から認証要求や予約の設定を受信する。また、予約情報を会議管理サーバ30に送信する。
【0068】
予約情報管理部22は、ユーザが登録した予約情報を管理する。予約情報管理部22は会議管理サーバ30から要求された会議室6の予約情報を予約情報DB291から読み出して、通信部21を介して会議管理サーバ30に送信する。あるいは、予約情報が登録(又は変更)されると要求がなくても予約情報を会議管理サーバ30に送信する。予約管理サーバ20に予約者が会議室6を予約する方法としては一般的なWebアプリが使用されるものとする。
【0069】
認証部23は認証情報DB292に記憶されている認証情報(例えば、ユーザIDとパスワード)に基づいてユーザを認証する。ICカードや生体認証情報で認証してもよい。
【0070】
予約管理サーバ20は記憶部29を有している。記憶部29は図4のRAM203及びHD204等により実現される。記憶部29には予約情報DB291(Data Base)、及び、認証情報DB292が記憶されている。
【0071】
【表1】

表1は予約情報DB291に記憶されている予約情報の一例を示す。予約情報は会議室6の予約状況を管理するための情報である。予約情報には、予約IDに対応付けて予約者アカウント、会議名、会議室ID、開始時刻、終了時刻、及び、参加予定者アカウントの各項目が登録されている。予約IDは予約情報の1レコードを識別する識別情報である。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。予約ID以外のIDについても同様である。予約者アカウントは会議室6を予約した参加予定者のアカウントである。会議名は参加予定者が任意に付与した会議の名称である。会議室IDは社内ネットワークにある会議室6を識別する識別情報である。開始時刻は会議室6が予約された時間帯の始期(会議が開始される時刻)であり、終了時刻は会議室6が予約された時間帯の終期(会議が終わる時刻)である。参加予定者アカウントは会議に参加する予定の参加予定者のアカウントである。なお、表1のアカウントはいずれも予約管理サーバ20が発行したアカウントである。
【0072】
【表2】

表2は認証情報DB292に記憶されている認証情報の一例を示す。認証情報はユーザ(予約者や参加者)が予約管理サーバ20にログインするための情報である。ログイン情報は、ユーザID、及び、パスワードの各項目を有する。認証が成功するとユーザIDが正しいものであると見なされるが、このユーザIDは予約者又は参加者のアカウントと同じものなので、会議管理サーバ30がユーザIDによりこのユーザが予約者である予約情報又は参加者である予約情報を特定できる。
【0073】
<<チャットサーバ>>
チャットサーバ10は、通信部11、及び、テキスト処理部12を有する。チャットサーバ10が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成カテゴリのいずれかが、HD204からRAM203に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0074】
通信部11は、会議管理サーバ30と各種の情報を送受信する。本実施形態では会議管理サーバ30から会議室の予約に関する情報、ボットを識別する情報(後述するトークンなど)、及び、通知先のグループを特定する情報を受信する。このボットを識別する情報は、会議管理サーバ30のボットを作成した際に予めチャットサーバ10からボットの識別情報として通知されている。更に、予約者などの個人のアカウントが指定される場合もある。また、通信部11は参加予定者が会議室の予約に関する情報を既読した旨、又は、表示された会議室の予約に関する情報に対する参加予定者の応答を会議管理サーバ30に送信する。
【0075】
テキスト処理部12は、会議管理サーバ30から通知されたボットを識別する情報及び通知先のグループを特定する情報に基づき、ボットが発言する情報として、グループに属する参加予定者に会議室6の予約に関する情報を送信する。したがって、通知は参加予定者の数だけ行われる場合と、予約者又は通知先ユーザのみに行われる場合がある。また、特定の通知先にのみ会議室6の予約に関する情報を送信する。
【0076】
テキスト処理部12はいわゆるプッシュ通知を行うことができる。仕組みとしては、例えば以下のようなものがある。チャットアプリ60aはプッシュ通知用のID(トークン)を、OS(Operating System)のメーカが運営するサーバから受け取る。このサーバではトークンとデバイス(端末装置60)を紐付けておく。チャットアプリ60aはトークンとチャットアプリ60aのアカウントをチャットサーバ10に登録しておく。チャットサーバ10がプッシュ通知を行う場合、チャットアプリ60aのアカウントを特定するので紐付いたトークンを特定できる。チャットシステムはトークンを指定して通知内容をOSのメーカが運営するサーバに送信する。このサーバはトークンに紐付いたデバイス(端末装置60)に対しプッシュ通知する。
【0077】
また、チャットサーバ10は記憶部19を有している。記憶部19は図4のRAM203及びHD204等により実現される。記憶部19にはグループ情報DB191が記憶されている。
【0078】
【表3】

表3はグループ情報DB191に記憶されているグループ情報の一例を示す。グループ情報は同じグループに属するメンバのアカウントが登録された情報である。グループ情報には、ワークスペースとチャンネルに対応付けて、メンバアカウント1~n(表3ではn=4)、及び、ボットアカウントが登録されている。
【0079】
ワークスペースは企業や部署などの組織を識別するための識別情報である。本実施形態では複数のメンバがワークスペース(例えばA社)に所属している。ワークスペースは例えばURLであるが、一意性があればよい。更にワークスペースはチャットの目的等に応じた複数のチャンネルを有する。チャンネルは例えば、製品A用のグループ、製品B用のグループ等、共通する情報が交換されるメンバの集まりである。チャンネルにはワークスペースに所属するメンバのうちいずれかのメンバが所属している。つまり、通知先はワークスペースとチャンネルによって特定される。ただし、通知先の特定方法はチャットシステムによって異なるため、グループを一意に特定できる識別情報が存在すれば、その情報のみでも良いし、3つ以上の情報によって特定されてもよい。
【0080】
チャンネルは一意性が保証されている。メンバアカウント1~nはチャンネルのメンバのアカウントであり、このアカウントはチャットサーバ10により発行されたものである。本実施形態では、会議室6の予約に関する情報を通知するためのメンバとしてボットが登録される。ボットはいわば会議管理サーバ30の代理人又は架空のメンバということができる。ボットの発言(テキスト)がメンバアカウント1~nの端末装置60に送信される。
【0081】
ワークスペースとチャンネルは、会議管理サーバ30によって管理され、参加者が属するグループを識別するための情報になる。
【0082】
<<会議管理サーバ>>
会議管理サーバ30は、通信部31、情報対応付部32、予約情報取得部33、通知判断部34、制御情報生成部35、制御情報応答部36、会議情報通知部37、利用管理部38、認証キー検証部41、管理制御部42、及び、予約情報送信部44を有する。会議管理サーバ30が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成カテゴリのいずれかが、HD204からRAM203に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0083】
通信部31は、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、登録端末50、及び、端末装置60と各種の情報を送受信する。通信部31は送信部31aと受信部31bを有している。受信部31bは予約管理サーバ20から予約情報を受信し、会議室端末90又は端末装置60から予約情報の要求を受信する。また、受信部31bは会議室端末90又は端末装置60からチェックイン要求・チェックアウト要求を受信する。また、受信部31bは管理者が操作する登録端末50からチャットシステムのグループとアカウントの対応付けを受け付ける。送信部31aはチャットサーバ10に会議室の予約に関する情報を送信し、会議室端末90又は端末装置60に予約情報を送信する。
【0084】
情報対応付部32は、主に事前の登録作業に関する処理を行う。すなわち、管理者が操作する登録端末50等からドメインの登録を受けつけ顧客ドメインDB495に登録し、登録端末50等から送信されたチャットシステムのワークスペース及びチャンネルと予約管理サーバ20のアカウントを対応付けて対応付情報DB491に登録する。
【0085】
予約情報取得部33は、リソース予約システム100を利用する顧客のアカウントを指定して予約管理サーバ20から予約情報を取得して会議管理情報として会議管理情報DB493に登録する。あるいは変更があった予約情報を受信する。したがって、予約管理サーバ20の予約情報の少なくとも一部の予約情報が会議管理情報DB493に記憶される。予約情報取得部33は、予約管理サーバ20が保持する予約情報のうち現在から所定期間未来の予約情報を取得する。所定期間はどのくらい先の会議まで会議室6の予約に関する情報を通知するかによって定まる。
【0086】
通知判断部34は、会議管理情報の中に通知する条件を満たす開始時刻の予約があるか否かを判断する。例えば、通知設定DB496を参照し、予約の開始時刻から逆算して設定された日時になると通知すると判断する。なお、例えばリマインダー用のボット、予約受付用のボット等、役割ごとにボットが分けられている場合、処理に応じてボットを特定する。
【0087】
会議情報通知部37は、通知判断部34が通知すると判断すると、ボットを識別する情報(例えばslackではトークン)及び通知先のグループを特定する情報を指定して会議室6の予約に関する情報を通知することをチャットサーバ10に要求する。なお、通知は何回に分けて行われるが、そのうちの少なくとも1回の通知に会議識別情報を含める。会議識別情報は、予約された会議室6を予約した時間帯に参加者が利用する権利を有することを会議管理サーバ30が確認するための情報である。会議情報通知部37は、少なくとも最終的な通知の前に会議識別情報を生成する。なお、会議識別情報は会議識別情報DB494に登録される。
【0088】
制御情報生成部35は、会議管理情報を参照して電子機器70の制御情報を生成し、制御情報を制御情報DB497に登録する。例えば、会議の開始時刻の数分前になると電子機器70の電源をONする制御情報を生成し、チェックアウトを検出すると電子機器70の電源をOFFする制御情報を生成する。制御情報は制御情報DB497に記憶される。
【0089】
制御情報応答部36は、会議室6の会議室端末90又は端末装置60から制御情報があるかどうかの問い合わせを受け付け、制御情報DB497を参照し、会議室6に対応する制御情報を会議室端末90又は端末装置60に送信する。
【0090】
利用管理部38は、会議室へのチェックイン(利用開始)・チェックアウト(利用終了)を管理する。また、主にチェックイン・チェックアウトに伴う会議のステータスを会議管理情報DB493に登録する。チェックインは、予約IDで特定される会議の開始時刻の5~10分前になると認められる。これにより、ステータスが「チェックイン待ち」になる。
・会議室端末90からチェックイン要求を受け付けた場合
会議室端末90が送信する会議室IDと会議識別情報(招待コード)の組が会議識別情報DB494に登録されている場合にチェックインを許可する。
・端末装置60からチェックイン要求を受け付けた場合
この場合、認証キー、会議室のメールアドレス、会議室ID、ユーザIDが端末装置60から送信される。利用管理部38は、認証キーを使用して画像コードが読み取られたこと(ユーザが会議室にいること)を認証する。また、会議室IDで会議室の予約情報を特定し、特定した予約情報の予約者アカウント(又は参加予定者アカウント)にユーザIDが含まれる場合に、チェックインを許可する。
【0091】
会議室端末90からのチェックイン要求か端末装置60からのチェックイン要求かを利用管理部38が判断する方法としては、会議アプリ60bと端末アプリ90aがそれぞれアプリの種別を会議管理サーバ30に通知する方法がある。あるいは、会議アプリ60bがチェックイン時に画像コードから取得した情報である旨を会議管理サーバ30に通知してもよい。この他、会議室端末90と端末装置60を判別できればよい。
【0092】
なお、利用管理部38は、決まった時刻までにチェックインを許可しないと予約をキャンセルする。
【0093】
認証キー検証部41は会議室端末又は端末装置60から送信される認証キーが、会議室設定情報DB498に登録されているものと一致するかどうかにより、会議室端末90又は端末装置60を認証する。したがって、正しい認証キーを有する会議室端末又は正しい認証キーを送信する端末装置60しか予約情報を取得できない。本実施形態では端末装置60が予約情報を取得できるため、認証キーにより第三者が外部(画像コードがない場所)から予約情報を取得できないようにすることができる。
【0094】
管理制御部42は会議室ごとに、会議室設定情報DB498に登録されている管理開始フラグがTrueか否かを確認する。管理開始フラグは会議室の管理を開始してよいか否かを示すフラグである。
【0095】
予約情報送信部44は、会議室端末90又は端末装置60からの要求に対し、会議管理情報DB493に記憶されている予約情報(会議管理情報)を送信する。ただし、認証キーによる認証が成功し、管理開始フラグがTrueに設定されている必要がある。端末装置60からの要求に対しては端末装置60のユーザが予約者又は参加者かどうかで会議名と予約情報を加工する(例えば会議名や氏名をマスクする)。予約情報送信部44はJSON形式、XML形式、CVS(Comma-Separated Values)形式などで送信すればよい。予約情報は繰り返し送信されるので容量が少ない形式が有利である。
【0096】
また、会議管理サーバ30は記憶部49を有している。記憶部49は図4のRAM203及びHD204等により実現される。記憶部49には、対応付情報DB491、会議管理情報DB493、会議識別情報DB494、顧客ドメインDB495、通知設定DB496、制御情報DB497、及び、会議室設定情報DB498が記憶されている。
【0097】
【表4】

表4は対応付情報DB491に記憶されている対応付情報の一例を示す。対応付情報は予約管理システムのアカウントとチャットシステムのグループを対応付ける情報である。対応付情報は、ワークスペース、チャンネル及びメンバアカウント1~n(表ではn=4)の各項目を有する。ワークスペースとチャンネルは上記のとおりである。メンバアカウント1~nには予約管理サーバ20が発行した各参加者のアカウントが登録される。また、表4に示すようにチャットシステムのアカウントが登録されてよい。グループに対して通知を行うためには予約管理サーバ20に対して会議を予約したユーザの予約管理サーバ20のアカウントと通知先のグループ及びチャンネルを特定するための情報(本実施形態ではワークスペースとチャンネル名)があればよく、必ずしもグループに所属するすべてのメンバのアカウントが登録されている必要はない。ただし、個人ユーザ宛に通知する場合、それぞれのチャットシステムのアカウント情報が必要なため、表4のように登録されていてもよい。
【0098】
【表5】

表5は会議管理サーバ30の会議管理情報DB493が記憶する会議管理情報の一例を示す。会議管理情報DB493には予約情報が記憶されるので、表5では表1の予約情報DB291との相違を説明する。表5の会議管理情報はステータスの項目を有する。ステータスは、予約の状況を意味する。例えば、会議室6の予約に関する情報の通知済み、利用確定、チェックイン済み、チェックアウト、又は、キャンセル(取り消し)等の状況が登録される。
【0099】
【表6】

表6は会議識別情報DB494に記憶されている会議識別情報管理情報の一例を示す。会議識別情報管理情報は会議室6の予約ごとに会議識別情報を管理する情報である。会議識別情報管理情報は、予約ID、会議室ID、及び、会議識別情報の各項目を有する。これらについてはステータスを除き予約情報と同じであり(予約管理サーバ20から受信した予約情報)、既出であるため説明は省略する。なお、予約IDが登録されているのは、同じ会議室6の予約を識別するためである。ステータスは、予約の状況を意味する。例えば、会議室の予約に関する情報の通知済み、利用確定、チェックイン済み、チェックアウト、又は、キャンセル(取り消し)等の状況が登録される。
【0100】
【表7】

表7は顧客ドメインDB495に記憶されている顧客ドメイン情報の一例を示す。顧客ドメイン情報は顧客のドメインと顧客の管理者のアカウントを管理する情報である。顧客ドメイン情報には顧客のドメイン名と顧客の管理者アカウントが対応付けて登録されている。表7の顧客のドメインは予約管理サーバ20が発行したアカウント(メールアドレス)のドメインである。また、管理者アカウントは、顧客の管理者(代表する)のアカウントである。なお、表7のアカウントは予約管理サーバ20が発行したものである。
【0101】
【表8】

表8は通知設定DB496に記憶されている通知設定情報の一例を示す。通知設定情報は顧客ごとに通知に関する設定を保持する。通知設定情報には、顧客ドメイン名と通知設定が対応付けて登録されている。通知設定には、会議の開始時刻のどのくらい前に、会議室6の予約に関する情報を通知するかのタイミングが設定されている。あるいは決まった日時が設定されていてもよい。また、タイミングは1つである必要はなく、1つの顧客に複数回の通知設定が登録されていてもよい。
【0102】
【表9】

表9は制御情報DB497に記憶されている制御情報の一例を示す。制御情報は会議室6の電子機器70を制御するための情報である。制御情報は、会議室ID、及び、制御内容の各項目を有する。制御内容は、電子機器70の具体的な制御方法である。会議管理サーバ30は電子機器70ごとに詳細な制御内容を設定できる。また、制御する時刻が登録されないのは、社外ネットワークの会議管理サーバ30から会議室端末90又は端末装置60に送信することが困難であり、会議室端末90又は端末装置60が会議管理サーバ30にアクセスし、この時、制御情報が生成されていれば制御内容を送信するからである。
【0103】
【表10】

表10は、会議室設定情報DB498に記憶されている会議室設定情報の一例を示す。会議室設定情報は会議室ごとの設定に関する情報である。会議室設定情報は、顧客IDに対応付けて、会議室名称、会議室ID、会議室端末の状態、認証キー、管理開始フラグ、登録できる会議室端末の数、及び、メールアドレスの各項目を有する。
・会議室名称は会議の参加者が認識している会議室の一般的な名称であり、例えば会議室の入り口に提示されているものをいう。
・会議室IDは上記のように会議室を一意に識別する識別情報である。簡易的には、会議室IDは予約管理サーバ20と共通とすることができる。また、変換テーブルを設けることで、予約管理サーバ20と別に管理者が設定することもできる。会議室IDは会議室で提示される画像コードにデコードされている。
・会議室端末の状態は会議室端末90の初期設定が終了したか、通信が可能か等を示す。会議室端末90が配置されない会議室ではセットアップ前となる。初期設定とは、会議室端末90が少なくとも最小限の機能を発揮できるように、人が例えば通信に関する設定などを行うことをいう。
接続中:一定期間内に通信が確認できている状態(通信によりセットアップ前又は接続断から接続中に遷移する)
セットアップ前:初期設定の前
接続断:一定期間以上、通信がない状態(接続中から接続断に遷移する)
・認証キーは会議管理サーバ30が会議室端末90又は端末装置60を認証するための認証情報となる。初期設定により認証キーが会議室端末90に設定される。会議室端末90がない会議室では、会議室で提示される画像コードにデコードされている。認証キーは総当たり方式で特定できない程度に長い桁数の数字、アルファベット、記号などの組み合わせである。認証キーは会議管理サーバ30が決定しても管理者が決定してもよい。
・管理開始フラグは、会議室端末90の初期設定が終わった後に、会議室の管理を会議管理サーバ30が開始するか否かを示すフラグ(True:開始する False:開始しない)である。管理開始フラグは管理者が設定する。会議室端末90が設置されない会議室では管理者が適宜、Trueに設定すればよい。
【0104】
管理開始フラグがTrueに設定されると、会議管理サーバ30は会議室の管理の準備が整う。会議管理サーバ30は管理開始フラグがTrueであり、会議室端末90又は端末装置60から予約情報の要求を受信すると、会議室の管理を開始する。これにより、会議室端末90又は端末装置60から要求がある場合に予約情報の送信を開始する。
【0105】
会議室端末90が会議管理サーバ30から予約情報を取得すると、会議室端末90は会議管理サーバ30との連携を開始する。したがって、連携開始と管理開始は予約情報の要求と予約情報の送信という関連した処理を契機にする。
【0106】
連携開始又は管理開始により以下の処理が行われる。
・予約情報の表示(チェックイン、チェックアウト、延長、今すぐ利用)
・チェックイン、チェックアウトに連動する電子機器の制御
・予約の自動キャンセル
なお、「延長」は会議室の予約の終了時刻を越えて参加者が予約を延長することをいい、「今すぐ利用」は空室の会議室を任意のユーザが予約なしに利用することをいう。
【0107】
管理開始フラグがあることで、初期設定が完了してから会議室端末90の配置までのタイムラグで生じる自動キャンセルなどの不都合を抑制できる。なお、会議室端末90が配置されない会議室でもTrueに設定されるので、予約情報の表示や自動キャンセルが可能になる。
・登録できる会議室端末の数は、1つの会議室に対応付けられることができる会議室端末の数である。会議室端末90は1つの会議室に1つあれば支障がないが、会議室端末90に異常が生じた場合、修理する間の会議室へのチェックインが困難になる。このため、管理者が複数の会議室端末90を1つの会議室に対応付けたい場合がある。したがって、認証キーが外部に漏れても、端末IDが一致してかつその数が決まっているので、予約情報が外部に漏れることなどを抑制できる。初期値は1つでもよいし複数でもよい。
・メールアドレスは会議室に対し会議管理サーバ30等が電子メールを送信するためのものである。本実施形態では会議室IDとして使用される場合がある。メールアドレスは会議室で提示される画像コードにデコードされている。
【0108】
会議室名称、会議室IDは予め決まっているか、管理者が設定できる。予約管理サーバ20から送信されたものを使用してよい。会議室端末の状態の初期状態(提供者の設定直後)はセットアップ前であるが、通信の状況によって自動的に遷移する。認証キーは初期設定時に例えば会議管理サーバ30が採番して設定する。管理開始フラグは管理者要の設定画面などから管理者が設定する。登録できる会議室端末の数は同様に管理者が設定できる。登録できる会議室端末の数は1以上である場合が多い。1に設定された場合、1つの会議室に登録できる会議室端末90は1つのみになる。メールアドレスは管理者が設定できる。
【0109】
したがって、管理者が会議室ID、認証キー、メールアドレスを設定すれば、プリンタなどから会議室ID、認証キー、メールアドレスを含む会議室情報の画像コードを印刷できる。なお、漏洩時に第三者が予約情報を取得できないように、会議室情報は暗号化されていることが好適である。
【0110】
<<登録端末>>
登録端末50は、通信部51、操作受付部52、及び、表示制御部53を有する。登録端末50が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム(例えばブラウザ)は、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0111】
登録端末50は、会議管理サーバ30が提供するWebページを介して管理者が会議室に関する各種の設定を行うための端末である。この設定の1つに初期設定がある。なお、初期設定には端末装置60が使用されてもよい。
【0112】
通信部51は、会議管理サーバ30及び予約管理サーバ20と各種の情報を送受信する。操作受付部52は、登録端末50に対する参加者の各種の操作を受け付ける。表示制御部53は各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ206に表示する。操作受付部52と表示制御部53は例えばブラウザの機能を有し、Webアプリを実行できる。
【0113】
<<端末装置>>
図7は、端末装置60及び会議室端末90の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。電子機器70の機能については必要に応じて説明する。
【0114】
端末装置60は、通信部61a、操作受付部61b、表示制御部61c、チャットアプリ60a、及び、会議アプリ60bを有している。また、チャットアプリ60aは、チャット通信部62、テキスト表示部63、及び、アプリ通信部64、を有する。会議アプリ60bは、サーバ通信部65、表示制御部66、アプリ通信部67、端末通信部68、操作受付部69、認証要求部71、取得部72、デコード部73、予約情報要求部74、利用要求部75、及び、予約要求部76を有する。端末装置60が有するこれら各機能部は、図5に示された各構成カテゴリのいずれかが、EEPROM704からRAM703に展開されたプログラムに従ったCPU701からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。端末装置60ではチャットアプリ60aと会議アプリ60bが動作しているので、プログラムにはチャットアプリ60aと会議アプリ60bが含まれる。
【0115】
通信部61aは、会議管理サーバ30及び予約管理サーバ20と各種の情報を送受信する。操作受付部61bは、端末装置60に対する参加者の各種の操作を受け付ける。表示制御部61cは各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ718に表示する。操作受付部61bと表示制御部61cは例えばブラウザの機能を有し、Webアプリを実行できる。
【0116】
チャットアプリ60aのチャット通信部62は、チャットサーバ10と各種の情報の送受信を行う。本実施形態ではチャットサーバ10から会議室6の予約に関する情報を受信し、既読であること、会議室6が利用される又はキャンセルされるか、等をチャットサーバ10に通知する。
【0117】
チャットアプリ60aのテキスト表示部63は、チャットサーバ10から送信されたテキスト(会議室6の予約に関する情報)を表示する。例えば、発言元はボットでありボットが入力したかのようにテキストを表示する。
【0118】
チャットアプリ60aのアプリ通信部64は、会議アプリ60bを呼び出すと共に会議識別情報を会議アプリ60bに送信する。チャットサーバ10は、会議室6の予約に関する情報を通知する際、会議アプリ60bを識別する情報を端末装置60に送信しているので、チャットアプリ60aはOSに対し会議アプリ60bを指定し会議識別情報の通知を依頼する。OSは会議アプリ60bを起動することができる。
【0119】
会議アプリ60bのサーバ通信部65は会議管理サーバ30又は予約管理サーバ20と通信する。サーバ通信部65は、予約情報を受信したり、チェックイン要求・チェックアウト要求、予約要求を会議管理サーバ30に送信したりする。また、サーバ通信部65は予約管理サーバ20に認証要求を送信する。
【0120】
会議アプリ60bの表示制御部66は、会議室端末90に対しては会議識別情報が含まれる画像コード等をディスプレイ718に表示する(会議識別情報を手で入力しない場合)。端末装置60が予約情報を会議管理サーバ30から受信した場合は予約情報をディスプレイ718に表示する。
【0121】
会議アプリ60bのアプリ通信部67は、OSを介して、チャットアプリ60aから各種の情報(会議室6の予約に関する情報に含まれる会議識別情報等)を取得する。
【0122】
端末通信部68は、会議室端末90がある会議室では会議室端末90と通信し会議識別情報等を送信する(ただし、手で入力される場合もある)。端末通信部68は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で会議室端末90の存在を検出し、会議室端末90を検出すると会議識別情報を送信する。操作受付部69は、端末装置60に対する各種の操作を受け付ける。
【0123】
認証要求部71は、ユーザにより入力されたユーザIDやパスワードを指定して、サーバ通信部65を介して、予約管理サーバ20に認証を要求する。認証が成功すると、記憶部79にはユーザID791が記憶される。
【0124】
取得部72は、会議室に提示されている画像コードを撮像して画像コードの画像データを取得する。画像コードはバーコードでもよい。画像コードでなく文字や数字をOCR(Optical Character Reader)により取得部72が読み取ってもよい。また、取得部72は会議室情報を取得できればよく、例えば、会議室に配置されたICカードやBluetooth(登録商標)端末から会議室情報を取得してもよい。すなわち、撮像だけでなく近距離無線通信により会議室情報を取得できる。
【0125】
デコード部73は、取得部72が撮像した画像コードをデコードして会議室情報を復元する。暗号化されている場合は復号する。
【0126】
予約情報要求部74は、画像コードの撮像に連動して、撮像後に操作無しで自動的に、予約情報を会議管理サーバ30に要求することができる。または撮像後にユーザの操作に応じて要求することもできる。利用要求部75は、画像コードの撮像に連動して又はユーザの操作を受けて、会議室へのチェックインを会議管理サーバ30に要求する。予約要求部76は、新たに会議室の予約を予約管理サーバ20に要求する。
【0127】
また、会議アプリ60bは、ROM702、RAM703又はEEPROM704等により実現される記憶部79を有している。記憶部79にはユーザID791が記憶されている。このユーザID791は認証要求部71により認証が成功した場合に保存される。ユーザID791は例えば、予約管理サーバ20におけるユーザのアカウントである。
【0128】
<<会議室端末>>
会議室端末90はサーバ通信部91、端末装置通信部92、操作受付部93、表示制御部94、電子機器通信部95、端末認証部96、撮像部97、デコード部98、設定記録部98-2、及び、予約情報要求部98-3を有する。会議室端末90が有するこれら各機能部は、図5に示された各構成カテゴリのいずれかが、EEPROM704からRAM703に展開されたプログラムに従ったCPU701からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0129】
サーバ通信部91は、サーバURL993を宛先にして会議管理サーバ30と通信する。会議室端末90は社内ネットワークに存在するため会議管理サーバ30から会議室端末90と通信することは困難である。このため、サーバ通信部91はポーリング(定期的に会議管理サーバ30と通信する)やWebSocketなどの通信技術で会議管理サーバ30と通信する。「会議室端末の状態」が接続中の場合であって、サーバ通信部91からの通信がない場合、会議室設定情報DB498に接続断が登録される。「会議室端末の状態」がセットアップ前の場合、通信の有無に関係なくセットアップ前のままである。サーバ通信部91はHTTPなどの通信プロトコルで通信すればよく、通信プロトコルは特に制限しない。
【0130】
本実施形態のサーバ通信部91は予約情報を受信し、チェックイン時に、端末装置通信部92が端末装置60から受信した会議識別情報又は手で入力された会議識別情報を会議管理サーバ30に送信する。また、サーバ通信部91は会議管理サーバ30から制御情報を受信する。
【0131】
端末装置通信部92は端末装置60と通信する。本実施形態では会議識別情報等を受信する。電子機器通信部95は、電子機器70と通信する。本実施形態ではサーバ通信部91が受信した制御情報を電子機器70に送信する。
【0132】
表示制御部94はディスプレイ718に端末アプリ90aが生成する画面を表示する。この画面はチェックイン、チェックアウトなどが可能な待ち受け画面である。操作受付部93は会議室端末90に対する各種の操作を受け付ける。
【0133】
端末認証部96は、入力された管理者パスワードが正しいか否かに基づいて端末アプリへの管理者のログインを認証する。会議室に配置された会議室端末90は、不特定の参加者により操作可能であるため、認証機能がないと初期設定を変更されるおそれがあるためである。
【0134】
撮像部97は主に画像コードを撮像する。管理者がCMOSセンサ713の画角に画像コードが入るように会議室端末90を操作すると、撮像部97は画像コード(初期設定用の画像コード)を認識して自動的に画像データを生成する。デコード部98は、撮像部97が撮像した画像コードをデコードして通信設定情報を復元する。設定記録部98-2は、デコード部98がデコードした通信設定情報(会議室ID、認証キー、サーバURL、会議室名称)を記憶部99に記憶させる。撮像部97、デコード部98及び設定記録部98-2はいずれも会議室端末90の初期設定時に必要な処理であり本実施形態では使用されない。
【0135】
予約情報要求部98-3は、予約情報を取得する定期的なタイミングになるとサーバ通信部91を介して会議室IDと認証キーを繰り返し会議管理サーバ30に送信する。この応答として、予約情報要求部98-3はサーバ通信部91を介して予約情報を取得する。予約情報は変更があった場合にだけ取得すればよい。タイミングは数秒~数分ごとの周期である。周期が短い方が早期に予約情報を更新できるが、通信負荷も高くなるため、両者を考量して決定される。本実施形態では例えば30秒とする。また、サーバ通信部91を介して少なくとも当日の会議室6の会議管理情報(予約情報)等を受信できる。
【0136】
また、会議室端末90は記憶部99を有している。記憶部99は図5のROM702及びEEPROM704等により実現される。記憶部99には会議室ID991、認証キー992、サーバURL993、会議室名称994、端末ID995、管理者パスワード996、及び、電子機器70のIPアドレス997が記憶されている。
【0137】
端末ID995は会議室端末90の識別情報である。端末IDは1つの会議室で決まった数以上の会議室端末90が会議管理サーバ30に接続することを抑制するため、会議管理サーバ30が会議室端末90を識別するために使用される。端末IDは例えば端末アプリのUUID(Universally Unique Identifier)、MACアドレスなど、一意性があればよい。UUIDは特定の管理がなくても全世界で2つ以上のアイテムが同じ値を持つことがない一意な識別子である。
【0138】
管理者パスワード996は端末アプリ90aのインストール時又は初回の起動時に管理者が設定する。電子機器70のIPアドレス997は必要に応じて管理者が設定する。
【0139】
<端末装置が予約情報を表示し、チェックイン要求を送信する処理>
次に、図8を参照して、端末装置60が予約情報を表示し、ユーザがチェックインするまでの処理を説明する。図8は、リソース予約システム100の動作を説明するシーケンス図の一例である。
【0140】
S1、S2:会議管理サーバ30の予約情報取得部33は所定の頻度でリソース一覧要求を予約管理サーバ20に送信する。リソース一覧要求とは、予約管理サーバ20に登録されている顧客のリソースの一覧を要求することをいう。リソース予約システム100において会議室はリソースとして扱われるため、リソース一覧要求により、会議管理サーバ30はこの顧客の会議室の一覧を取得できる。所定の頻度とは例えば1日に1回等、比較的低頻度でよい。リソースには会議室の他、電子機器70が含まれる。
【0141】
また、会議管理サーバ30の予約情報取得部33は繰り返し、予約情報取得要求を予約管理サーバ20に送信する。予約情報取得要求とは、ドメインを指定してこのドメインをアカウントに有する予約者の予約情報を要求することをいう。これにより、会議管理サーバ30は決まった期間の予約情報を取得できる。繰り返しの頻度は例えば数分おき、30分おき、1時間おきなど、比較的高頻度であることが好ましい。また、予約情報に関しては、新たに登録又は変更された予約情報が、予約管理サーバ20から自動的に送信される場合もある。
【0142】
S3:一方、会議室にチェックインしたいユーザ(予約者、参加者、又はどちらでもない場合がある)は、端末装置60に対し会議アプリ60bの起動操作を行う。
【0143】
S4:これにより会議アプリ60bが起動する。会議アプリ60bには会議管理サーバ30と予約管理サーバ20のURL等が予め設定されている。なお、会議アプリ60bがブラウザソフトで代用される場合、ユーザがURLを設定すればよい。
【0144】
S5:ユーザは予約管理サーバ20の認証情報を端末装置60に入力する。会議管理サーバ30は予約管理サーバ20におけるユーザのアカウントを利用してユーザを識別するので、会議管理サーバ30の認証情報と実質的に同じである。ユーザは、パスワードとユーザIDを入力する。端末装置60の操作受付部69は認証情報を受け付ける。なお、認証情報の入力は1度だけ行えばよい。端末装置60はユーザ専用であるのと、認証成功によりユーザID791が記憶部79に記憶されるためである。
【0145】
S6:端末装置60の認証要求部71はサーバ通信部65を介して、認証情報を予約管理サーバ20に送信する。
【0146】
S7:予約管理サーバ20の通信部21は認証情報を受信し、認証部23が認証情報DB292を参照してユーザを認証する。本実施形態では認証が成功したものとする。
【0147】
S8:予約管理サーバ20の通信部21は認証成功とユーザIDを端末装置60に送信する。
【0148】
S9:端末装置60のサーバ通信部65は認証成功とユーザIDを受信し、記憶部79にユーザID791を記憶する。
【0149】
S10:ユーザは端末装置60に対しカメラ(CMOSセンサ713)を起動する操作を行う。
【0150】
S11:これによりカメラが起動する。なお、カメラは会議アプリ60bの起動に応じて自動的に起動してもよい。
【0151】
S12:ユーザは会議室に提示されている画像コードを撮像する操作を行う。取得部72は画像コードを撮像する。画像コードは予め、会議管理サーバ30が有する例えば会議室設定情報を用いてプリンタから印刷されている。画像コードは会議室の扉付近に貼付されたり、会議室内の机等に置かれたりしている。画像コードはディスプレイにより表示されてもよい。例えば、電子機器70(電子黒板、プロジェクタ)が表示してもよい。あるいは、電子ペーパにより表示されてもよい。これらの場合、画像コードの印刷が不要になる。
【0152】
S13、S14:デコード部73は画像コードを取得して、会議室情報を復元する。すなわち、会議室ID、認証キー、及び、会議室のメールアドレスを生成する。なお、会議室情報が暗号化されている場合は、復号する。暗号化により会議アプリ60bが動作していない端末装置60では画像コードを取得しても会議管理サーバ30に接続できないようにすることができる。
【0153】
S15:予約情報要求部74は会議管理サーバ30に接続するため、更に、記憶部79からユーザID791を取得する。
【0154】
S16:予約情報要求部74はサーバ通信部65を介して、会議室ID、認証キー、会議室のメールアドレス及びユーザIDを指定して、画像コードが提示されている会議室の予約情報を会議管理サーバ30に要求する。
【0155】
S17:会議管理サーバ30の受信部31bは予約情報の要求を受信する。まず、認証キー検証部41が、会議室IDで特定される会議室設定情報DB498に記憶されている認証キーが、送信された認証キーと一致するか否かを判断する。ここでは認証キーが一致したものとする。更に、メールアドレスによる認証を行ってもよい。
【0156】
次に、利用管理部38がチェックインできるかどうかを判断する。これは、会議室のユーザは予約情報を確認したいだけでなく、チェックインが目的の場合が多いためである。実施例2で後述するように、会議管理サーバ30がチェックインの処理を行わずに予約情報だけを返却することもできる。利用管理部38は、端末装置60から送信された会議室IDで会議管理情報DB493を検索し、ステータスが「チェックイン待ち」の予約情報があるか否かを判断する。ステータスが「チェックイン待ち」の予約情報があれば、利用管理部38は、予約情報の予約者アカウント又は参加予定者アカウントに、端末装置60から送信されたユーザIDが含まれているかどうかを判断する。予約者アカウント又は参加予定者アカウントに端末装置60から送信されたユーザIDが含まれている場合、利用管理部38はチェックインを許可する。したがって、ステータスは「チェックイン済み」となる。
【0157】
S18:ステップS17の結果に関わらず(チェックイン後、予約者アカウント又は参加予定者アカウントに端末装置60から送信されたユーザIDが含まれていない場合、又は、「チェックイン待ち」でない場合)、予約情報送信部44は、会議室IDで特定される会議室の予約情報について、現在のユーザ以外のユーザに関係する情報をマスクする。マスクとは読めない状態に加工することをいう。予約情報送信部44は、予約者アカウント又は参加予定者アカウントに、端末装置60から送信されたユーザIDが含まれていない予約情報について、
・会議名を「Meeting」などの一般的な用語に置き換える
・予約者名又は参加者名を消去する
こうすることで、不特定多数の人が会議室の予約情報(会議名、予約者名、参加者名)を見ることを回避できる。
【0158】
S19:会議管理サーバ30の送信部31aは、マスク処理が行われた予約情報を端末装置60に送信する。
【0159】
S20:端末装置60のサーバ通信部65は予約情報を受信し、表示制御部66が予約情報を表示する。端末装置60が表示する予約情報の一例を図9に示す。
【0160】
S21:画像コードが提示されている会議室に予約が入っていない場合(現在時刻に予約がなく、次の予約が「チェックイン待ち」になっていない場合)もある。例えば、ユーザが会議室の予約状況をチェックしたい場合などである。この場合、端末装置60の表示制御部66は予約情報と共に「今すぐ利用」ボタンを表示する。「今すぐ利用」ボタンは、空いている会議室を現在時刻から一定時間(30~60分)、ユーザが予約するためのボタンである。なお、一定時間は、次の会議の開始時刻で制限される場合がある。
【0161】
ユーザが「今すぐ利用」ボタンを押下した場合、操作受付部69は押下を受け付ける。
【0162】
S22:端末装置60の予約要求部76はサーバ通信部65を介して、ユーザID、会議室ID、及び、会議時間を指定して、予約管理サーバ20に対して予約要求を行う。ユーザIDは記憶部79に記憶されており、会議室IDは画像コードからデコードされており、会議時間は開始時刻=現在時刻、終了時刻=現在時刻+30~60分、でよい。
【0163】
なお、ステップS22では、端末装置60が直接、予約管理サーバ20に予約を依頼しているが、予約は会議管理サーバ30を経由してもよい。直接、予約管理サーバ20に予約した場合は予約者がユーザになり、会議管理サーバ30を経由した場合は、予約者が会議管理サーバ30になる。
【0164】
S23:予約管理サーバ20の通信部21は予約要求を受信し、予約情報管理部22が予約情報DB291に予約情報(会議室ID、予約者アカウント、開始時刻、終了時刻)を設定する。
【0165】
S24:予約情報に更新があったため、予約管理サーバ20の通信部21は最新の予約情報を会議管理サーバ30に送信する。この予約情報には、「今すぐ利用」ボタンにより予約された予約情報も含まれる。
【0166】
S25:また、端末装置60の利用要求部75は会議室ID、認証キー、会議室のメールアドレス及びユーザIDを指定して、チェックイン要求を会議管理サーバ30に送信する。メールアドレスはなくてもよい。このチェックイン要求はユーザの操作がなくても行われるとよい。
【0167】
S26:会議管理サーバ30の受信部31bは予約情報を予約管理サーバ20から受信し、チェックイン要求を端末装置60から受信する。利用管理部38は、現在時刻と会議の開始時刻に基づいて予約情報についてステータスを「チェックイン待ち」に変更する。また、認証キーによる認証が成功すると、利用管理部38は端末装置60から送信された会議室IDで特定される予約情報へのチェックインを許可する。なお、この場合もステップS18と同様に、ユーザIDに基づく予約情報のマスクが行われる。
【0168】
S27:会議管理サーバ30の送信部31aは予約情報を端末装置60に送信する。
【0169】
このように、ユーザは、端末装置60から会議管理サーバ30に接続し、予約情報を表示したり、チェックインしたりすることができる。
【0170】
<画面例>
次に、図9図13を参照して、端末装置60が表示する予約情報を説明する。まず、図9は会議管理サーバ30が会議管理情報DB493に保持している予約情報を示す。この予約情報を端末装置60が表示する場合を説明する。
【0171】
図10は、予約者と同じユーザが図9の予約情報を表示した予約情報画面400を説明する図である。まず、予約情報画面400は会議室名401,会議名402、会議時間403、予約者名404,参加者名405、及び、この後の予定欄407を有している。
【0172】
図10の画面が表示される状況は、9:00にてAさんが画像コードを撮像した場合である。図9によると、Aさんが「○○定例会議」の予約者であるため、予約情報送信部44は会議名402、予約者名404、及び、参加者名405をマスクせずに送信する。なお、会議時間403(開始時刻と終了時刻)はユーザに関係なく表示される。
【0173】
端末装置60は同じ会議室の次以降の予約情報をこの後の予定欄407に表示する。予約情報送信部44は図9の「○○定例会議」以降の予約情報を参照するが、Aさんは、「〇〇定例会議」以外の予約情報の予約者でも参加者でもないと判断する。このため、「△打ち合わせ」「□□会議」の会議名を「Meeting」に変更する(マスクする)。
【0174】
また、Aさんは「○○定例会議」の予約者であり、この予約情報は時間的に「チェックイン待ち」なので、利用管理部38は画像コード撮像時に自動的にチェックインを許可する。利用管理部38が「チェックイン済み」などを端末装置60に送信することで、端末装置60の表示制御部66は「退出」ボタン406を表示する。「退出」ボタン406はユーザがチェックアウトするためのボタンである。
【0175】
図11は、予約者又は参加者と異なるユーザが図9の予約情報を表示した予約情報画面410を説明する図である。図11の画面が表示される状況は、9:00にCさんが画像コードを撮像した場合である。図9によればCさんは「○○定例会議」の予約者でも参加者でもないため、予約情報送信部44は会議名402、予約者名404、及び、参加者名405を削除する。まず、会議名「○○定例会議」を「Meeting」に変更する。削除の他、読めなくすればよい。
【0176】
この後の予定欄407について、予約情報送信部44は図9の「○○定例会議」以降の予約情報を参照するが、Cさんは、「△打ち合わせ」の予約者であるが、「□□会議」の予約者でも参加者でもないと判断する。このため、「△打ち合わせ」の会議名はマスクせず、「□□会議」の会議名を「Meeting」に変更する(マスクする)。
【0177】
また、Cさんは「○○定例会議」の予約者でないので、利用管理部38は画像コード撮像時にチェックインを許可しない。このため、端末装置60の表示制御部66は「退出」ボタンを表示しない。
【0178】
図12は、会議室が予約されていない時間帯にユーザが図9の予約情報を表示した予約情報画面420を説明する図である。図12の予約情報が表示される状況は、10:00にCさんが画像コードを撮像した場合である。図9によれば、10:00の時点で会議室に予定が入っていないので、予約情報送信部44は会議名402の代わりに「予定はありません」408を会議名402に設定する。
【0179】
この後の予定欄407について、予約情報送信部44は図9の「(予定なし)」以降の予約情報を参照するが、Cさんは、「△打ち合わせ」の予約者であるが、「□□会議」の予約者でも参加者でもないと判断する。このため、「△打ち合わせ」の会議名はマスクせず、「□□会議」の会議名を「Meeting」に変更する(マスクする)。
【0180】
この予約情報が端末装置60に送信されると、会議室に予定が入っていないので(現在時刻に予約がなく、次の予約が「チェックイン待ち」になっていない)、表示制御部66は「今すぐ利用」ボタン409を表示する。なお、「今すぐ利用」ボタン409が押された場合、会議名は「Meeting」などでよい。
【0181】
図13は、「今すぐ利用」ボタン409が押された場合に端末装置60が表示する予約情報画面430の一例を示す。Cさんが予約したため、予約者名は「Cさん」となる。また、会議名はデフォルトの「Meeting」である。また、予約者と画像コードを撮像したCさんが一致するので、自動的にチェックインが行われる。端末装置60には「チェックイン済み」が送信されるので、表示制御部66は「退出」ボタン406を表示する。この後の予定欄407については図12と同様になる。
【0182】
<会議管理サーバ、端末装置の処理>
図14は会議管理サーバ30の処理を説明するフローチャート図の一例である。図14の処理は予約情報の要求(会議室ID、認証キー、会議室のメールアドレス及びユーザID)を会議管理サーバ30が受信するとスタートする。なお、本実施例では予約情報の要求はチェックイン要求を兼ねる場合がある。
【0183】
まず、利用管理部38は端末装置60から送信された会議室IDで会議管理情報DB493の予約情報を特定する(S101)。
【0184】
利用管理部38は特定した1つ以上の予約情報のステータスが「チェックイン待ち」のものがあるか否かを判断する(S102)。
【0185】
「チェックイン待ち」の予約情報がある場合、利用管理部38は特定した予約情報の予約者又は参加者に、端末装置60から送信されたユーザIDが含まれるか否かを判断する(S103)。
【0186】
ステップS103の判断がYesの場合、利用管理部38はチェックインを許可する(S104)。したがって、予約情報のステータスをチェックイン済みに更新する。
【0187】
次に、予約情報送信部44は、端末装置60から送信された会議室IDの会議室の、現在時刻以降の予約情報を会議管理情報DB493から取得する。そして、予約情報ごとに、予約者又は参加者に端末装置60から送信されたユーザIDが含まれない否かを判断する(S105)。
【0188】
含まれない場合、予約情報送信部44は、会議名を「Meeting」などの一般的な用語に置き換え、予約者名又は参加者名を消去する(S106)。
【0189】
こうすることで、不特定多数の人が会議室の予約情報(会議名、予約者名、参加者名)を見ることを回避できる。
【0190】
図15は、端末装置60が予約情報を表示する手順を説明するフローチャート図の一例である。
【0191】
まず、端末装置60のサーバ通信部65が予約情報を受信する(S111)。表示制御部66は現在時刻の予約があるか否かを判断する(S112)。すなわち、現在時刻に予約がなく、次の予約が「チェックイン待ち」になっていないかどうか判断する。ステータスが「チェックイン待ち」の予約情報があるかどうかを判断してもよい。
【0192】
現在時刻に予約がない場合、表示制御部66は受信した予約情報を表示すると共に、今すぐ利用ボタンを表示する(S113)。
【0193】
現在時刻の予約情報がある場合、表示制御部66はチェックイン済みを受信したか否かを判断する(S114)。
【0194】
チェックイン済みを受信した場合、表示制御部66は受信した予約情報を表示すると共に、退出ボタンを表示する(S115)。
【0195】
こうすることで、端末装置60は適切なボタンのみを表示することができる。
【0196】
なお、図15では端末装置60がボタンの表示を制御しているが、端末装置60が会議アプリ60bでなくWebブラウザで予約情報を表示する場合、図15の処理は会議管理サーバ30が行う。
【0197】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態のリソース予約システム100は、端末装置60で画像コードを撮像して、会議室情報を取得できる。端末装置60は予約情報の表示やチェックイン/チェックアウトを会議管理サーバ30に行うことができるので、別途、運営者が会議室端末を会議室ごとに配置する必要がなくなる。会議室ごとに会議室端末を配置しなくてもよいため、システム構築及び管理運用の負担を低減できる。
【0198】
また、ユーザ認証済みの端末装置60で会議室を利用することもできるので、ユーザ識別情報やユーザを特定した予約情報を記憶し、活用することもでき、例えばユーザ毎の予約情報を共有し、誰がいつまでどこにいるのかを、ユーザの情報に関連づいた上司や同僚の連絡先に知らせることも可能である。更に、会議室端末90が予約情報を表示せず、端末装置60においても予約情報がマスクされるので、不特定多数の人が会議室の予約情報(会議名、予約者名、参加者名)を見ることを回避できる。
【0199】
また、本実施形態ではユーザ認証済みの端末装置60でユーザがチェックインすると説明したが、ユーザ認証されていない状態で端末装置60が単に画像コードの撮像でチェックイン要求してもよい。この場合、ユーザが特定されないが、会議室が空いていれば、会議管理サーバ30が1時間会議室の利用を許可する、などの使い方も可能になる。この場合、会議管理サーバ30には、ユーザが誰かを問わず、会議室の予約が埋まっているかどうかのみの予約情報が記憶されていてよい。
【実施例2】
【0200】
本実施例では、画像コードが提示されている会議室とは別の会議室を端末装置60から利用又は予約できるリソース予約システム100について説明する。
【0201】
なお、本実施例においては、上記の実施例にて説明した図4図5のハードウェア構成図、及び、図6図7に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。
【0202】
<端末装置が予約情報を表示する処理>
図16を参照して、端末装置60が予約情報を表示するまでの処理を説明する。図16は、リソース予約システムの動作を説明するシーケンス図の一例である。なお、図16の説明では主に図8との相違を説明する。まず、ステップS1~S16の処理は図8と同様でよい。
【0203】
S31:本実施例では、予約情報の取得要求に対し、利用管理部38がチェックインを行わず、予約情報送信部44が予約情報(第二の予約情報の一例)を送信する。予約情報のマスク方法は実施例1と同様でよい。更に、本実施例の予約情報送信部44は、画像コードに含まれるユーザIDが予約者アカウント又は参加者アカウントに含まれる過去の予約情報を会議管理情報DB493から抽出する。そしてこの予約情報から会議室IDを取得する。つまり、予約情報送信部44はユーザが過去に利用したことがある会議室を特定する。なお、ユーザが利用したことがある全ての会議室でなく、一定期間を遡って利用したことがある会議室を特定してもよいし、一定回数以上、利用したことがある会議室を特定してもよい。
【0204】
これにより、ユーザは画像コードが提示されている会議室とは別の会議室を端末装置60からチェックインしたり、予約したりできるようになる。予約情報送信部44は、ユーザが利用したことがある会議室の現時点以降の予約情報(第一の予約情報の一例)についても同様にマスク処理を行う。
【0205】
S32:会議管理サーバ30の送信部31aは、画像コードが提示されている会議室及びユーザが利用したことがある会議室の予約情報を端末装置60に送信する。
【0206】
S33:端末装置60のサーバ通信部65は予約情報を受信し、表示制御部66が予約情報を表示する。端末装置60が表示する予約情報の一例を図17等に示す。表示制御部66は、ユーザの操作に応じて、第一の予約情報と第二の予約情報を切り替えて表示する。
【0207】
<画面例>
次に、図17図21を参照して、本実施例において端末装置60が表示する予約情報を説明する。まず、図17は会議管理サーバ30が会議管理情報DB493に保持している予約情報を示す。この予約情報を端末装置60が表示する場合を説明する。
【0208】
図18は、Aさんが端末装置60に表示させた201会議室の予約情報画面440を示す。実施例1と同様に、Aさんは「〇〇定例会議」の予約者であるため、端末装置60は会議名402、予約者名404、及び、参加者名405を表示する。
【0209】
また、本実施例では、まだ、利用管理部38がチェックイン処理を行っていないため、端末装置60の表示制御部66が、会議室を利用開始する(チェックイン)ための「開始」ボタン411と、予約をキャンセルするための「キャンセル」ボタン412を表示する。すなわち、表示制御部66は、「〇〇定例会議」の予約情報の予約者名と記憶部79のユーザIDが一致し、及び、端末装置60が「チェックイン待ち」を受信したことから、「開始」ボタン411と「キャンセル」ボタン412を表示する。
【0210】
この後の予定欄407に表示される予約情報の作成方法は実施例1と同様である。Aさんは、「〇〇定例会議」以外の予約情報の予約者でも参加者でもないため、会議名が「Meeting」とマスクされる。
【0211】
また、予約情報画面440はカメラアイコン421を有している。ユーザがカメラアイコン421を押下した場合、端末装置60はカメラ(CMOS)を起動する。したがって、ユーザは予約情報画面440を表示させた状態から別の会議室に提示されている画像コードを撮像できる。
【0212】
図19は、Bさんが端末装置60に表示させた201会議室の予約情報画面450を示す。Bさんは「〇〇定例会議」の参加者であるため、端末装置60は会議名402、予約者名404、及び、参加者名405を表示する。しかし、Bさんは「〇〇定例会議」の予約者でないため、チェックイン前でも表示制御部66は「開始」ボタンと「キャンセル」ボタンを表示しない。表示制御部66は記憶部79のユーザIDと予約者名を比較してこのような制御を行う。ただし、参加者に対しても「開始」ボタンと「キャンセル」ボタンを表示してよい。一方のみを表示してもよい。
【0213】
また、この後の予定欄407において、Bさんは「××検討会議」の予約者であるため、予約情報送信部44はこの予定のみ会議名をマスクせず、他の会議名については、「Meeting」とマスクする。
【0214】
図20は、Cさんが端末装置60に表示させた201会議室の予約情報画面460を示す。Cさんは「〇〇定例会議」の予約者でも参加者でもないため、予約情報送信部44は会議名を「Meeting」とマスクする。また、予約者名と参加者名を削除する。
【0215】
この後の予定欄407において、Cさんは「△打ち合わせ」の予約者であるため、予約情報送信部44は予約情報の会議名をマスクせず、予約者でも参加者でもない他の会議については、会議名を「Meeting」とマスクする。
【0216】
図21は、Aさんが13:00に画像コードを撮像した場合に端末装置60が表示する201会議室の予約情報画面470を示す。図17によれば、13:00には会議室が予約されていないので、予約情報送信部44は会議名の代わりに「予定はありません」を会議名に設定する。
【0217】
この後の予定欄407について、予約情報送信部44は図17の「(予定なし)」以降の予約情報を参照するが、Aさんは以降の会議の予約者でも参加者でもないため、予約情報送信部44は会議名を「Meeting」とマスクする。
【0218】
この予約情報が端末装置60に送信されると、会議室に予定が入っていないので(現在時刻に予約がなく、次の予約が「チェックイン待ち」になっていない)、表示制御部66は「今すぐ利用」ボタン409を表示する。
【0219】
<<ユーザが予約していない会議室の画像コードを撮像した場合>>
ユーザが誤って予約していない会議室の画像コードを撮像する場合がある。あるいは、予約状況を確認するために任意の会議室の画像コードを撮像する場合がある。これらの場合、端末装置60は例えば図20に示すように、ユーザがチェックインできない画面を表示する。一般に、ユーザがどこにいてもチェックインできてしまうと空予約を抑制しにくくなる。このため、本実施形態のリソース予約システム100では、ユーザが会議室に提示されている画像コードを撮像することで会議室にいることを推定し、チェックインを認めている。しかし、ユーザが予約していない別の会議室とはいえ、実際に会議室まで赴いている場合には、ユーザに空予約する意図がないと言えるので、チェックインできる条件を緩和することで利便性が向上する。
【0220】
そこで、本実施例では、端末装置60が過去に利用した会議室であれば、予約していない会議室の画像コードを撮像した場合でも利用管理部38がチェックインを許可する。
【0221】
図22は、図20の画面から遷移する別の会議室の予約情報画面480を示す。ユーザはCさんである。図22(a)は図20と同じである。まず、図22(a)の予約情報画面450において、201会議室とは別の会議室の予約情報が送信されると表示制御部66はスワイプボタン451を表示する。別の会議室の予約情報の有無は会議室IDにより判断される。Cさんは予約したはずなのに「開始」ボタン等が表示されないことや、自分が予約した会議室とは異なる会議室名(201会議室)が表示されることから、スワイプボタン451をスワイプして別の会議室の予約情報を表示する。
【0222】
これにより、図22(b)の予約情報画面480が表示される。図22(b)の予約情報画面480では、予約者とユーザIDが一致しているため、会議名402、予約者名404及び参加者名405が表示されている。また、「開始」ボタン411と「キャンセル」ボタン412が表示されている。したがって、Cさんは202会議室にチェックインすることができる。
【0223】
このように、会議管理サーバ30が、ユーザが画像コードを撮像した会議室以外の会議室の予約情報を送信することで、ユーザが改めて予約した会議室の画像コードを撮像し直さなくても、チェックインすることができる。
【0224】
すぐに利用したいのに、現時点で会議室の予約が埋まっている場合や、会議室を予約しているが、人数や機材の関係で会議室を変えたい場合なども、別の会議室を予約したり変更したりできる。
【0225】
<予約情報が表示された画面からの新規予約>
画像コードの撮像により会議室が特定されているので、ユーザが時間を指定して画像コードが提示されている会議室を予約できれば利便性が向上する。「今すぐ利用」ボタンでは現在時刻から一定時間しか予約できない。どのような予約情報が表示されたか、又は、利用状況(チェックイン済みかどうか)に関わらず、ユーザは予約情報の画面から新しく会議室を予約できる。
【0226】
図23は、図18の予約情報画面440から遷移される新規予約画面490の一例を示す図である。図23(a)の予約情報画面440は新規予約ボタン441を有する。ユーザが新規予約ボタン441を押下すると、予約情報画面440は図23(b)の新規予約画面490に遷移する。なお、この遷移は、表示された予約状況(会議名、予約者名、参加者名、各種ボタンの有無)や利用状況(チェックイン済みかそうでないか)に関わらず可能である。
【0227】
新規予約画面490は、会議名欄431、会議室名欄432、開始時刻欄433及び終了時刻欄434の各入力欄を有している。新規予約画面490は会議管理サーバ30が生成してもよいし、会議アプリ60bが生成してもよい。ここでは会議管理サーバ30が生成するものとする。会議室名欄432には、画像コードが提示されている会議室の会議室名を会議管理サーバ30が設定する。会議名欄431、開始時刻欄433及び終了時刻欄434についてはユーザが任意の値を設定できる。なお、開始時刻欄433及び終了時刻欄434について、会議管理サーバ30がすでに予約されている時間帯を端末装置60に送信するとよい。端末装置60がこの時間帯の予約を受け付けないように制御することで、ユーザは空いている時間を予約できる。
【0228】
ユーザが予約情報を入力し、「保存」ボタン435を押下すると、サーバ通信部65が予約要求を予約管理サーバ20に送信するので、予約を確定することができる。
【0229】
このように、ユーザは予約情報画面から新たに会議室を予約できる。
【0230】
<<他の会議室の予約>>
新規予約画面で、画像コードが提示されている会議室とは別の会議室の予約をユーザが行えれば利便性が更に向上する。この場合、会議管理サーバ30は、画像コードが撮像された現在の会議室又はユーザの位置に応じて、ユーザが画像コードを撮像した会議室以外の会議室を、端末装置60に提供するとよい。ユーザの位置とは会議室の場所という意味であるが、会議管理サーバ30がGPS(GNSS:Global Navigation Satellite System)等でユーザの位置を検出できればユーザに近い会議室を提供できる。GPSを用いてユーザの端末装置の位置情報と近い位置のリソースを、会議管理サーバ30(リソース管理サーバ)が検索して、端末装置に提示してもよい。この場合には屋外にあるリソース(社用車、駐車場、建物自体等)や、ワンフロアのオフィスの会議室やスペース等であれば、複数階のフロアの会議室に比べてGPSを利用した検索が有効である。また複数階のフロアの会議室の場合は、無線通信による場所の特定とGPSとを組み合わせて近くのリソースを検索し検索精度を上げてもよい。
【0231】
そこで本実施例では図24に示すように、会議管理サーバ30は、近い会議室の情報を記憶部49に保持している。図24は会議室配置情報の一例である。会議室配置情報は会議室ごとにその会議室から所定距離内の会議室の会議室IDを有している。会議管理サーバ30は、ユーザが画像コードを撮像した会議室に対し近い会議室の会議室IDを、予約情報と共に端末装置60に送信しておく。
【0232】
ユーザが予約情報画面440で新規予約ボタン441を押下した場合、新規予約画面490は、ユーザが画像コードを撮像した会議室、及び、それに対し近い会議室を選択可能に表示する。
【0233】
図25は、複数の会議室を選択可能に表示する新規予約画面の一例である。図25図23と同様であるが、この新規予約画面の会議室名欄432はプルダウンメニュー436を有する。ユーザがプルダウンメニュー436を押下すると、画像コードを撮像した会議室、及び、それに対し近い会議室が表示される。
【0234】
なお、プルダウンメニュー436で、ユーザが利用したことがある会議室を表示してもよい。
【0235】
<会議管理サーバ、端末装置の処理>
図26は会議管理サーバが行う処理を説明するフローチャート図の一例である。本実施例ではチェックインまでは行わないので、図14のステップS102~S104がない点が異なっている。
【0236】
図27は、端末装置60が予約情報を表示する手順を説明するフローチャート図の一例である。ステップS111~S115の処理は図26と同様である。
【0237】
ステップS114でチェックイン済みを受信しない場合、表示制御部66は予約者と記憶部79のユーザIDが一致し、かつ、予約情報のステータスが「チェックイン待ち」か否かを判断する(S116)。
【0238】
ステップS116の判断がYesの場合、表示制御部66は「開始」ボタンと「キャンセル」ボタンを表示する(S117)。
【0239】
こうすることで端末装置60は適切なボタンを表示できる。
【0240】
なお、図27では端末装置60がボタンの表示を制御しているが、端末装置60が会議アプリ60bでなくWebブラウザで予約情報を表示する場合、図27の処理は会議管理サーバ30が行う。
【0241】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態のリソース予約システム100は、端末装置60で画像コードを撮像して、会議室情報を取得できる。端末装置60は予約情報の表示やチェックイン/チェックアウトを会議管理サーバ30に行うことができるので、別途、運営者が会議室端末を会議室ごとに配置する必要がなくなる。会議室ごとに会議室端末を配置しなくてもよいため、システム構築及び管理運用の負担を低減できる。
【0242】
また、ユーザ認証済みの端末装置60で会議室を利用することもできるので、ユーザ識別情報やユーザを特定した予約情報を記憶・活用することもできる。例えばユーザ毎の予約情報を共有し誰がいつまでどこにいるのかをユーザの上司や同僚に知らせることも可能である。さらに、会議室端末90が予約情報を表示せず、端末装置60においても予約情報がマスクされるので、不特定多数の人が会議室の予約情報(会議名、予約者名、参加者名)を見ることを回避できる。
【0243】
すぐに利用したいのに、現時点で会議室の予約が埋まっている場合や、会議室を予約しているが、人数や機材の関係で会議室を変えたい場合なども、別の会議室を予約したり変更したりできる。
【実施例3】
【0244】
本実施例では、端末装置60と会議室端末90とが共に会議管理サーバ30に接続するリソース予約システムについて説明する。
【0245】
図28は、本実施例において、リソース予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である。会議室端末90が会議管理サーバ30に接続するまでの処理(Fの処理)は図1と同様であり、端末装置60が会議管理サーバ30に接続するまでの処理((2)の処理)は図2と同様でよい。
【0246】
会議管理サーバ30は、会議室端末90と端末装置60の両方からチェックイン要求を受信し、それぞれが適切なチェックイン要求である場合にチェックインを許可する(利用を許可する)。
【0247】
すなわち、会議管理サーバ30の利用管理部38は、端末装置60、及び、会議室端末90のそれぞれからチェックイン要求を受信する。利用管理部38は、端末装置60から送信された会議室IDで会議管理情報DB493を検索し、ステータスが「チェックイン待ち」の予約情報があるか否かを判断する。ステータスが「チェックイン待ち」の予約情報があれば、利用管理部38は、予約情報の予約者アカウント又は参加予定者アカウントに、端末装置60から送信されたユーザIDが含まれているかどうかを判断する。予約者アカウント又は参加予定者アカウントに端末装置60から送信されたユーザIDが含まれている場合、利用管理部38は会議室端末90からのチェックイン要求を判断する。
【0248】
利用管理部38は会議室端末90が送信する会議室IDで特定される会議室のステータスが「チェックイン待ち」で、会議室端末90が送信する会議室IDと会議識別情報(招待コード)の組が会議識別情報DB494に登録されている場合にチェックインを許可する。なお、会議室端末90と端末装置60の判断の前後は逆でもよい。
【0249】
チェックアウトに関しては、会議室端末90と端末装置60の両方からチェックアウト要求がある場合に利用管理部38がチェックアウトを許可してもよいし、どちらか一方からチェックアウト要求がある場合に利用管理部38がチェックアウトを許可してもよい。
【0250】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0251】
例えば、予約情報画面では予約者の所属名を表示したりマスクしたりしてもよい。この他、マスクする情報は、会議の内容を知られる可能性のある情報が好ましく、アイコン、連絡先情報などの個人情報でもよい。
【0252】
なお、会議管理サーバ30は複数、存在してもよいし、会議管理サーバ30の機能が複数のサーバに分散されていてもよい。また、予約管理サーバ20と会議管理サーバ30が一体でもよい。
【0253】
本実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、会議管理サーバ30は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、受付端末7は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0254】
また、本実施形態のリソース予約システム100はWebサービスとも称することができる。Webサービスとはインターネット関連技術を応用して提供される各種のサービスである。例えば、会議室貸し出しサービス、各種のレンタルサービスが挙げられる。Webサービスを利用するシステムを利用システムという。
【0255】
また、以上の実施例で示した図6図7などの構成例は、リソース予約システム100の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。しかし、各処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。リソース予約システム100は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0256】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0257】
6 会議室
10 チャットサーバ
20 予約管理サーバ
30 会議管理サーバ
60 端末装置
100 リソース予約システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0258】
【文献】特開2016‐4511号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28