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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】光源装置及び画像投射装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20240827BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240827BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020168713
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2021092761
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2019217928
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(72)【発明者】
【氏名】中村 果澄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】平川 真
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和弘
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09983471(US,B1)
【文献】特開2010-169729(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0328540(US,A1)
【文献】特開2005-338878(JP,A)
【文献】特開2004-070095(JP,A)
【文献】特開2013-250285(JP,A)
【文献】特開2013-190548(JP,A)
【文献】特開2015-141239(JP,A)
【文献】特開2014-102367(JP,A)
【文献】特開2018-124538(JP,A)
【文献】特開2012-063567(JP,A)
【文献】特開2019-200280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
G09F9/00-9/46
H04N5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置であって、
第1の色光を出射する励起光源と、
前記第1の色光が入射し、前記第1の色光の少なくとも一部を前記第1の色光とは異なる波長の第2の色光に変換して出射する波長変換部材を有する波長変換ユニットと、
前記波長変換ユニットから出射された前記第1の色光及び/又は前記第2の色光をミキシングする、ロッドインテグレータからなる光ミキシング素子と、
前記第1の色光の光路上に設けられ、前記第1の色光を反射する反射面を有する光学部材と、を備え、
前記光学部材の前記反射面上における前記第1の色光の中心を点Pとし、
前記波長変換ユニットへ入射される前記第1の色光の光束を光束Q1とし、
前記波長変換ユニットから出射される前記第1の色光の光束を光束Q2とした場合に、
前記点Pは、前記光束Q1と前記光束Q2のうちいずれか一方のみと交わり、
前記ロッドインテグレータの入射開口部に入射する前記第1の色光の、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部への射影直線と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の所定軸線とがなす角度をαとした場合に、当該角度αが40°より小さく、
前記光学部材は、前記第1の色光及び前記第2の色光を透過する光学特性を有し、前記光束Q2が前記光学部材と交わることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
光源装置であって、
第1の色光を出射する励起光源と、
前記第1の色光が入射し、前記第1の色光の少なくとも一部を前記第1の色光とは異なる波長の第2の色光に変換して出射する波長変換部材を有する波長変換ユニットと、
前記波長変換ユニットから出射された前記第1の色光及び/又は前記第2の色光をミキシングする、ロッドインテグレータからなる光ミキシング素子と、
前記第1の色光の光路上に設けられ、前記第1の色光を反射する反射面を有する光学部材と、を備え、
前記光学部材の前記反射面上における前記第1の色光の中心を点Pとし、
前記波長変換ユニットへ入射される前記第1の色光の光束を光束Q1とし、
前記波長変換ユニットから出射される前記第1の色光の光束を光束Q2とした場合に、
前記点Pは、前記光束Q1と前記光束Q2のうちいずれか一方のみと交わり、
前記ロッドインテグレータの入射開口部に入射する前記第1の色光の、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部への射影直線と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の所定軸線とがなす角度をαとした場合に、当該角度αが40°より小さく、
前記光学部材は、前記第1の色光及び前記第2の色光を透過する光学特性を有し、前記光束Q2が前記光学部材と交わらないことを特徴とする光源装置。
【請求項3】
前記反射面は、前記第1の色光を反射する一方、前記第2の色光を透過する光学特性を有することを特徴とする請求項又は請求項に記載の光源装置。
【請求項4】
前記波長変換ユニットから出射された前記第1の色光及び/又は前記第2の色光を前記光ミキシング素子に導く導光手段と、
前記波長変換ユニットから出射した前記第1の色光及び/又は前記第2の色光を前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に導く屈折光学素子と、をさらに備え、
前記点Pは、前記光束Q1とのみ交わって、前記光束Q2とは交わらないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記ロッドインテグレータの前記入射開口部は、長辺および短辺を含んだ形状を有し、
前記所定軸線は、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の前記短辺の方向と一致することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記波長変換ユニットは、前記波長変換ユニットに入射した前記第1の色光を反射若しくは拡散反射する第1の領域と、前記波長変換部材が設けられ前記光学部材で反射された前記第1の色光を変換して前記第2の色光を出射する第2の領域とを有し、前記第1の色光が入射すると、前記第1の色光と前記第2の色光とを前記第1の色光の入射面側に順次切り替えて出射することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光源装置。
【請求項7】
前記波長変換ユニットには、前記波長変換ユニットに入射した前記第1の色光が入射する領域に前記波長変換部材が設けられ、該波長変換部材は入射した前記第1の色光の一部を前記第2の色光に変換すると共に前記光学部材で反射された前記第1の色光の一部を反射し、前記第1の色光が入射すると、前記第1の色光と前記第2の色光とを併せて前記第1の色光の入射面側に出射することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光源装置。
【請求項8】
前記ロッドインテグレータに入射する前記第1の色光と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部とがなす角度をβとした場合に、当該角度βが40°より小さいことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光源装置。
【請求項9】
前記波長変換ユニット上に投影される前記第1の色光の投影像中心を点Rとした場合に、前記波長変換ユニットの出射面における前記点Rの垂線上に、前記光ミキシング素子が配置されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光源装置。
【請求項10】
前記光学部材と前記波長変換ユニットとの間の光路上に設けられ、前記光学部材で反射された前記第1の色光を集光し、前記波長変換ユニットから出射される前記第2の色光を略平行化する集光素子を更に備え、
前記反射面で反射した後、前記集光素子に入射する前記第1の色光が投影する前記集光素子の入射面上の投影像中心と前記点Pとを結ぶ直線を直線1とし、
前記集光素子で集光され、前記波長変換ユニットに入射する前記第1の色光の入射面と直線1との交点を点Sとし、
前記波長変換ユニット上に投影される前記第1の色光の投影像中心を点Rとした場合に、
前記点Rと前記点Sの位置が異なることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光源装置。
【請求項11】
前記直線1と前記波長変換ユニットに入射する前記第1の色光の入射面が垂直に交わることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記ロッドインテグレータの前記入射開口部上に投影される前記第1の色光の投影像中心と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部上に投影される前記第2の色光の投影像中心と、前記屈折光学素子の光軸とが一点で交わることを特徴とする請求項に記載の光源装置。
【請求項13】
前記光学部材と前記波長変換ユニットとの間の光路上に設けられ、前記光学部材で反射された前記第1の色光を集光し、前記波長変換ユニットから出射される前記第2の色光を略平行化する集光素子を更に備え、
前記反射面で反射した後、前記集光素子に入射する前記第1の色光が投影する前記集光素子の入射面上の投影像中心と前記点Pとを結ぶ直線を直線1とし、
前記波長変換ユニット上に投影される前記第1の色光の投影像中心を点Rとし、
前記点Rと、前記第1の色光が投影する前記ロッドインテグレータの前記入射開口部上の投影像中心とを結ぶ直線を直線2とした場合に、
前記直線1と前記直線2とを含む面と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の前記所定軸線が略平行に配置されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の光源装置。
【請求項14】
前記光学部材と前記波長変換ユニットとの間の光路上に設けられ、前記光学部材で反射された前記第1の色光を集光し、前記波長変換ユニットから出射される前記第2の色光を略平行化する集光素子を更に備え、
前記反射面で反射した後、前記集光素子に入射する前記第1の色光が投影する前記集光素子の入射面上の投影像中心と前記点Pとを結ぶ直線を直線1とし、
前記波長変換ユニット上に投影される前記第1の色光の投影像中心を点Rとし、
前記点Rと、前記第1の色光が投影する前記ロッドインテグレータの前記入射開口部上の投影像中心とを結ぶ直線を直線2とした場合に、
前記直線1と前記直線2とを含む面と、前記励起光源の発光面の所定軸線とが略平行に配置されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の光源装置。
【請求項15】
前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に対して最も大きな角度で入射する前記第1の色光の光線の入射角をθとし、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に対して最も大きな角度で入射する前記第2の色光の光線の入射角をθとした場合に、前記θが前記θよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の光源装置。
【請求項16】
前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に対して最も大きな角度で入射する前記第1の色光の光線の入射角をθとし、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に対して最も大きな角度で入射する前記第2の色光の光線の入射角をθとした場合に、前記θと前記θとが同一であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の光源装置。
【請求項17】
前記ロッドインテグレータは、前記入射開口部が出射開口部より小さく構成されることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかに記載の光源装置。
【請求項18】
前記ロッドインテグレータは、ガラスロッドインテグレータで構成され、
前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に対して最も大きな角度で入射する前記第1の色光の光線の入射角をθとし、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部に対して最も大きな角度で入射する前記第2の色光の光線の入射角をθとし、
前記ガラスロッドインテグレータの全反射条件をθglassとした場合に、
前記θglassは、前記θと前記θより大きく設定されることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれかに記載の光源装置。
【請求項19】
前記励起光源は、複数のレーザーダイオードがアレイ状に配置されており、
前記レーザーダイオードから出射される前記第1の色光が投影する前記ロッドインテグレータの前記入射開口部上の投影範囲が楕円形状であり、
前記楕円形状の長軸が前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の長辺又は短辺と略平行に配置されることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれかに記載の光源装置。
【請求項20】
前記励起光源に備えられた複数のレーザーダイオードが同一の基板に配置されることを特徴とする請求項19に記載の光源装置。
【請求項21】
前記励起光源は、行及び列をなして配置される複数のレーザーダイオードと、前記レーザーダイオードの出射面側にカップリングレンズが設けられた光源ユニットで構成され、
前記レーザーダイオードから出射する前記第1の色光の発散角において行方向又は列方向のうち大きい方向の発散角をθとし、
隣り合う前記レーザーダイオードのピッチをpとし、
前記レーザーダイオードの発光点から前記カップリングレンズまでの距離をLとした場合に、前記レーザーダイオードの配置間隔が以下の式を満たすことを特徴とする請求項1から請求項20のいずれかに記載の光源装置。
1 ≦ p/Ltanθ ≦ 4
【請求項22】
前記波長変換ユニットは、円形の基板が前記第1の領域と前記第2の領域とに円周方向に分割されている円盤部材と、前記円盤部材の中心を通り前記円盤部材の平面に垂直な直線を回転軸として回転駆動する駆動部と、を有することを特徴とする請求項に記載の光源装置。
【請求項23】
前記励起光源と、前記光学部材の間の光路上に、前記第1の色光の進行方向に従って正のパワーをもつ大口径素子と、負のパワーを持つ平行化素子とが配置され、
前記励起光源から出射された前記第1の色光は、前記大口径素子で集光された後、前記平行化素子で略平行光とされ、前記光学部材に入射することを特徴とする請求項1から請求項22のいずれかに記載の光源装置。
【請求項24】
請求項1から請求項23のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を画像表示素子へ導く照明光学系と、
前記照明光学系により導かれた光を用いて前記画像表示素子により生成された画像を投影する投射光学系と、を備えることを特徴とする画像投射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及び画像投射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、様々な映像を拡大投影するプロジェクタ(画像投射装置)が広く普及している。プロジェクタは、光源から出射された光をデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)又は液晶表示素子といった空間光変調素子に集光させ、映像信号により変調された空間光変調素子からの出射光をスクリーン上にカラー映像として表示させるものである。
【0003】
従来、プロジェクタには主に高輝度の超高圧水銀ランプ等が用いられてきたが、寿命が短いため、メンテナンスを頻繁に行う必要があった。そのため、近年、超高圧水銀ランプに変えてレーザ光源やLED(Light Emitting Diode)光源等を使用したプロジェクタが増加している。これは、レーザ光源やLED光源が超高圧水銀ランプと比較して寿命が長く、また、その単色性により色再現性も良いためである。
【0004】
プロジェクタでは、DMD等の画像表示素子に、例えば色の三原色である赤色・緑色・青色の三色を照射することにより映像を形成している。この三色の全てをレーザ光源で生成することも可能ではあるが、緑色レーザや赤色レーザの発光効率が青色レーザに比べて低いため、好ましくはない。そのため、青色レーザを励起光として蛍光体に照射して、蛍光体で波長変換された蛍光光から赤色光と緑色光を生成する方法が用いられている。
【0005】
蛍光体には、数十[W]の励起光が集光及び照射されるため、焼損又は温度上昇による効率低下及び経年変化が起きる。このため、円板上に蛍光体層を形成し、回転させることによって、励起光の照射位置が一点に集中しないようにしている。この円板は、蛍光体ホイールと呼ばれる。蛍光体ホイールにおいて、蛍光体は、円板の外周に沿って、扇形状又は円環形状に形成されている。
【0006】
上述のようなDMD及び蛍光体ホイールを用いた光源装置として、装置全体を簡素化するために蛍光体ホイールの一部を透過板としている装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、蛍光体ホイールを透過した励起光をミラーで複数回反射させて、蛍光光と同じ方向に導いている。これによって励起光及び蛍光光が同一光路に合成され、DMDに照射される構成となっている。
【0007】
さらに、上述のようなDMD及び蛍光体ホイールを用いた光源装置として、装置全体を小型化するために蛍光体ホイールの一部を反射板としている装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された技術では、励起光を蛍光光と同じ方向に蛍光体ホイールで反射させ、反射した励起光が励起光源に戻らないように、位相差板(1/4波長板)及び偏光分離素子を用いて光路を分離している。これによって、励起光及び蛍光光が同一光路に合成され、DMDに照射される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4711156号公報
【文献】特許第5817109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1においては、励起光の光路が迂回しているため、装置全体が大型化してしまう。一方、上述した特許文献2においては、位相差板と偏光分離素子を用いるため、コストが高くなってしまう。また、蛍光体ホイールに向かう励起光の光路と、蛍光体ホイールから反射する励起光の光路とが位相差板や偏光分離素子における同一箇所を透過する。このため、これらの光学素子上の集光密度が上がり破損等の原因となり、信頼性が低下する事態が発生し得る。
【0010】
本発明は、以上の問題意識に基づいて完成されたものであり、小型化及び低コスト化を図ることができる光源装置及び画像投射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施形態の光源装置は、光源装置であって、第1の色光を出射する励起光源と、前記第1の色光が入射し、前記第1の色光の少なくとも一部を前記第1の色光とは異なる波長の第2の色光に変換して出射する波長変換部材を有する波長変換ユニットと、前記波長変換ユニットから出射された前記第1の色光及び/又は前記第2の色光をミキシングする、ロッドインテグレータからなる光ミキシング素子と、前記第1の色光の光路上に設けられ、前記第1の色光を反射する反射面を有する光学部材と、を備え、前記光学部材の前記反射面上における前記第1の色光の中心を点Pとし、前記波長変換ユニットへ入射される前記第1の色光の光束を光束Q1とし、前記波長変換ユニットから出射される前記第1の色光の光束を光束Q2とした場合に、前記点Pは、前記光束Q1と前記光束Q2のうちいずれか一方のみと交わり、前記ロッドインテグレータの入射開口部に入射する前記第1の色光の、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部への射影直線と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の所定軸線とがなす角度をαとした場合に、当該角度αが40°より小さく、前記光学部材は、前記第1の色光及び前記第2の色光を透過する光学特性を有し、前記光束Q2が前記光学部材と交わることを特徴としている。
本実施形態の光源装置は、光源装置であって、第1の色光を出射する励起光源と、前記第1の色光が入射し、前記第1の色光の少なくとも一部を前記第1の色光とは異なる波長の第2の色光に変換して出射する波長変換部材を有する波長変換ユニットと、前記波長変換ユニットから出射された前記第1の色光及び/又は前記第2の色光をミキシングする、ロッドインテグレータからなる光ミキシング素子と、前記第1の色光の光路上に設けられ、前記第1の色光を反射する反射面を有する光学部材と、を備え、前記光学部材の前記反射面上における前記第1の色光の中心を点Pとし、前記波長変換ユニットへ入射される前記第1の色光の光束を光束Q1とし、前記波長変換ユニットから出射される前記第1の色光の光束を光束Q2とした場合に、前記点Pは、前記光束Q1と前記光束Q2のうちいずれか一方のみと交わり、前記ロッドインテグレータの入射開口部に入射する前記第1の色光の、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部への射影直線と、前記ロッドインテグレータの前記入射開口部の所定軸線とがなす角度をαとした場合に、当該角度αが40°より小さく、前記光学部材は、前記第1の色光及び前記第2の色光を透過する光学特性を有し、前記光束Q2が前記光学部材と交わらないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型化及び低コスト化を図ることができる光源装置及び画像投射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図2】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図3】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図4】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図5】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図6】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図7】本発明に係る光源装置の概要について説明するための模式図である。
図8】本発明に係る光源装置が有するロッドインテグレータの光学特性ついて説明するための模式図である。
図9】本発明に係る光源装置が有するロッドインテグレータの構成ついて説明するための模式図である。
図10】第1実施形態に係る光源装置を備えたプロジェクタ装置1を示す概略構成図である。
図11】第1実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図12】第1実施形態に係る光源装置が有する光源ユニットの要部の説明図である。
図13】第1実施形態に係る光源装置が有するダイクロイックミラーの構成の一例を示す図である。
図14】第1実施形態に係る光源装置が有する蛍光体ユニットの構成の説明図である。
図15】第1実施形態に係る光源装置が有するカラーホイールの概略構成の説明図である。
図16】第1実施形態に係る光源装置が有するライトトンネルの入射開口部を光の入射方向から見た図である。
図17】第2実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図18】第2実施形態に係る光源装置が有するダイクロイックミラーの構成の一例を示す図である。
図19】第3実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図20】第4実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図21】第4実施形態に係る光源装置が有する蛍光体ユニットの構成を説明する模式図である。
図22】第5実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図23】第6実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図24】第7実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図25】第8実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図26】第9実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図27】第10実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図28】第11実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
図29】第12実施形態に係る光源装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従来、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)及び蛍光体ホイールを用いた光源装置として、装置全体を小型化するために蛍光体ホイールの一部を反射板とするものが知られている。この光源装置では、励起光を蛍光光と同じ方向に蛍光体ホイールで反射させ、反射した励起光が励起光源に戻らないように、光路上に位相差板(1/4波長板)及び偏光分離素子を配置している。
【0015】
このような構成を有する光源装置においては、励起光の光路上に位相差板(1/4波長板)及び偏光分離素子が配置されることから、装置の小型化の制約になるだけでなく、コストが高くなってしまう。また、蛍光体ホイールに向かう励起光の光路と、蛍光体ホイールから反射する励起光の光路とが位相差板や偏光分離素子における同一箇所を透過する。このため、これらの光学素子上の集光密度が上がり破損等の原因となり、信頼性が低下する事態が発生し得る。
【0016】
本発明者らは、このような光源装置内の構造が装置本体の小型化及び低コスト化を阻害する要因になると共に、信頼性の低下の要因となっていることに着目した。そして、光源装置内にて、蛍光体ホイールに向かう励起光の光路と、蛍光体ホイールから反射する励起光の光路とが重ならないように形成することが、装置本体の小型化及び低コスト化、並びに、信頼性の向上に寄与することを見出し、本発明に想到した。
【0017】
すなわち、本発明は、励起光を出射する光源と、光源から出射された励起光を反射する反射面を有する光学部材と、記光学部材で反射された励起光が入射し、励起光の少なくとも一部を励起光とは異なる波長の蛍光光に変換して出射する波長変換部材を有する波長変換ユニットと、を備えた光源装置に係るものである。そして、光学部材の反射面上に投影される励起光の投影像中心を点Pとし、波長変換ユニットへ入射される励起光の光束を光束Q1とし、波長変換ユニットから出射される励起光の光束を光束Q2とした場合に、点Pが、光束Q1と光束Q2のうちいずれか一方のみと交わり、他方とは交わらないように配置することを骨子とする。すなわち、点Pが光束Q1のみと交わって光束Q2とは交わらない態様、及び、点Pが光束Q2のみと交わって光束Q1とは交わらない態様が可能である。
【0018】
本発明によれば、波長変換ユニットから出射された励起光の光束が、光源から出射された励起光の投影像中心に交わらないことから、励起光が光学部材上の同一箇所を透過するのを防止できるので、集光密度の上昇に起因して光学部材が破損する事態を抑制でき、信頼性を向上することができる。また、波長変換ユニットから出射される励起光の光路を分離するために位相差板や偏光分離素子等の特別な光学素子を用意する必要がないので、部品点数を低減でき、製造コストを低減すると共に装置を小型化することができる。
【0019】
図1は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図1Aは、本発明に係る光源装置100の構成要素の説明図であり、図1Bは、光源装置100が有するダイクロイックミラー102の反射面102aに投影される励起光の説明図である。図1Bにおいては、光源101からの励起光の進行方向から反射面102aを示している。
【0020】
図1に示すように、本発明に係る光源装置100は、光源(励起光源)101、光学部材の一例を構成するダイクロイックミラー102、波長変換ユニットの一例を構成する蛍光体ユニット103及び光ミキシング素子の一例を構成するロッドインテグレータ104を含んで構成される。
【0021】
なお、本発明に係る光源装置100の構成については、図1に示す構成に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、光源装置100は、光源101、ダイクロイックミラー102及び蛍光体ユニット103のみを備えてもよい。これらの光源101、ダイクロイックミラー102及び蛍光体ユニット103を有する光源装置100のうち、光源101を除いた構成要素によって「光源光学系」が構成される。
【0022】
光源101は、励起光(第1の色光)を出射する。ダイクロイックミラー102は、光源101から出射する励起光を反射して蛍光体ユニット103に導く反射面102aを有している。ダイクロイックミラー102における反射面102a以外の部分については、光源101から出射する励起光及び後述する蛍光体ユニット103から出射される蛍光光を透過する光学特性を有してよい。
【0023】
蛍光体ユニット103は、励起光を反射(若しくは拡散反射)する第1の領域と、励起光の少なくとも一部を励起光とは異なる波長の蛍光光(第2の色光)に変換して出射する第2の領域とを有している。蛍光体ユニット103は、励起光が入射すると、励起光と蛍光光とを励起光の入射面側(図1に示す上方側)に順次切り替えて出射する。ロッドインテグレータ104は、蛍光体ユニット103から出射する励起光と蛍光光が入射するように設けられ、入射した励起光と蛍光光をミキシングして(均質化)して光源装置100の外部に出射する。
【0024】
図1においては、光源101から出射された励起光の光路上に、蛍光体ユニット103の第1の領域が配置される場合について示している。光源101から出射された励起光は、ダイクロイックミラー102の反射面102aで蛍光体ユニット103側に反射される。反射面102aで反射した励起光は、蛍光体ユニット103の第1の領域で当該励起光の入射面側に反射される。ロッドインテグレータ104は、蛍光体ユニット103による励起光の反射先に配置される。
【0025】
このように励起光の光路が形成される光源装置100において、ダイクロイックミラー102の反射面102a上における励起光の中心を点Pとし、蛍光体ユニット103へ入射する励起光の光束を光束Q1とし、蛍光体ユニット103から出射する励起光の光束を光束Q2とする。光源装置100においては、点Pが、光束Q1と光束Q2のうちいずれか一方のみと交わり、他方とは交わらないように、ダイクロイックミラー102、蛍光体ユニット103及びロッドインテグレータ104を配置している。より具体的に、光源装置100においては、点Pが、光束Q1のみと交わって光束Q2とは交わらないように、ダイクロイックミラー102、蛍光体ユニット103及びロッドインテグレータ104を配置している。
【0026】
ここで、反射面102a上における励起光の中心点P(投影される励起光の投影像中心)については、以下のように定義される。(1)反射面102a上に投影される励起光の投影範囲の光強度分布が、線対称又は点対称の場合、励起光の投影範囲の最小外接円の中心を投影像中心とする。(2)反射面102a上に投影される励起光の投影範囲の光強度分布が、線対称又は点対称以外の場合(すなわち、上記(1)以外の場合)、図1Bに示すように、反射面102a上に投影される励起光の総エネルギーをAとし、その投影範囲を任意の半径rの円で切り出し、その円内に含まれる光の総エネルギーをBとしたとき、B/Aが93%以上であり(B/A≧93%)、且つ、円内のエネルギー密度が最大となる半径r´の円の中心を投影像中心とする。
【0027】
なお、励起光の投影範囲とは、反射面102a上に投影される励起光のエネルギー分布において、最大エネルギーの1/e以上のエネルギーを持つ範囲を示す。また、エネルギー密度は、「円内に含まれるエネルギー」を「円の面積」で除算することで求められる。すなわち、エネルギー密度は、以下の式により求められる。
エネルギー密度 = (円内に含まれるエネルギー)/(円の面積)
なお、このように定義される励起光の投影像中心(点P)については、光源装置100内に備えられた全ての光源101を点灯した状態で判定されるものとする。
【0028】
また、蛍光体ユニット103から出射する励起光の光束(光束Q2)については、励起光の伝播方向と垂直な面上の励起光のエネルギー分布において、最大エネルギーの1/e以上のエネルギーを持つ範囲を通る光線の束のことをいう。
【0029】
本発明に係る光源装置100によれば、蛍光体ユニット103から出射された励起光の光束Q2が、光源101から出射された励起光の反射面102a上における中心(励起光の投影像中心)に交わらないことから、励起光がダイクロイックミラー102上の同一箇所を透過する事態を防止できるので、集光密度の上昇に起因してダイクロイックミラー102が破損する事態を抑制することができる。また、蛍光体ユニット103から出射される励起光の光路を分離するために位相差板や偏光分離素子等の特別な光学素子を用意する必要がないので、部品点数を低減でき、製造コストを低減すると共に装置を小型化することができる。
【0030】
なお、図1に示す光源装置100では、蛍光体ユニット103が、励起光と蛍光光を順次切り替えて出射する場合について説明している。すなわち、励起光と蛍光光を時分割して出射する場合について説明している。しかしながら、蛍光体ユニット103の構成については、これに限定されず、励起光及び蛍光光を同時に出射するように構成してもよい。
【0031】
例えば、蛍光体ユニット103は、上述した第1、第2の領域に代えて、励起光の一部を反射すると共に、励起光の他部を励起光とは異なる蛍光光に変換する領域(第3の領域)を有している。例えば、この領域に設けられた波長変換部材により励起光の反射及び蛍光光に対する変換が行われる。この蛍光体ユニット103は、静止蛍光体ユニットと呼ばれることがある。蛍光体ユニット103は、励起光が入射すると、励起光と蛍光光とを併せて励起光の入射面側(図1に示す上方側)に出射する。このような蛍光体ユニット103を備える場合においても、時分割式の蛍光体ユニット103を使用する場合と同様の効果を得ることができる。
【0032】
また、図1に示す光源装置100において、蛍光体ユニット103から出射される励起光及び蛍光光の一方又は双方をロッドインテグレータ104に導く導光手段を備えるようにしてもよい。例えば、導光手段は、集光レンズや屈折レンズで構成され、蛍光体ユニット103とロッドインテグレータ104との間の光路上に配置される。このように導光手段を備えることにより、蛍光体ユニット103から出射される励起光及び/又は第2の色光をロッドインテグレータ104に効率的に導くことでき、光の利用効率を向上することができる。
【0033】
さらに、本発明に係る光源装置100において、ロッドインテグレータ104の位置は、当該ロッドインテグレータ104に入射する励起光及び/又は蛍光光の利用効率を向上する観点から適宜変更が可能である。図2は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図2において、図1と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。なお、図2においては、ダイクロイックミラー102の表面に反射面102aを形成した場合について示している。以下に示す図面でも同様である。
【0034】
図2に示すように、ダイクロイックミラー102から蛍光体ユニット103上に投影される励起光の投影像中心を点Rとした場合について考える。この場合、ロッドインテグレータ104は、蛍光体ユニット103の出射面103aにおける点Rの垂線上に配置されることが好ましい。このようにロッドインテグレータ104を配置することにより、蛍光光が蛍光体ユニット103の出射面103aに垂直に出射する場合、蛍光光を効率よくロッドインテグレータ104に入射させることができるので、蛍光光の光利用効率を向上することができる。
【0035】
また、本発明に係る光源装置100において、ダイクロイックミラー102と蛍光体ユニット103との間の光路上に配置され、ダイクロイックミラー102で反射された励起光を集光する一方、蛍光体ユニット103から出射する蛍光光を略平行化する集光素子を備えるようにしてもよい。例えば、集光素子は、集光レンズで構成される。図3は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図3において、図1と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0036】
図3に示す光源装置100では、ダイクロイックミラー102と蛍光体ユニット103との間の光路上に集光素子としての集光レンズ105を備えている。集光レンズ105は、ダイクロイックミラー102で反射された励起光を集光する一方、蛍光体ユニット103から出射する蛍光光を略平行化する。
【0037】
ここで、ダイクロイックミラー102の反射面102aで反射した後、集光レンズ105に入射する励起光が投影する、集光レンズ105の入射面105a上の投影像中心と、上述した反射面102a上の点Pとを結ぶ直線を直線L1とする。また、集光レンズ105で集光され、蛍光体ユニット103に入射する励起光の入射面103bと直線L1との交点を点Sとする。光源装置100においては、上述した点Sと、蛍光体ユニット103上に投影される励起光の投影像中心である点Rとが異なる位置に配置されている。このように集光レンズ105を設けることにより、蛍光体ユニット103から出射した後に発散する励起光及び蛍光光が平行化されることから、これらの光をロッドインテグレータ104に効率よく入射させることができるので、光利用効率を向上することができる。
【0038】
図3に示す光源装置100において、上述した直線L1は、蛍光体ユニット103の入射面103bに垂直に交わることが好ましい。このように直線L1が蛍光体ユニット103の入射面103bに垂直に交わるように配置される構成することにより、ダイクロイックミラー102と蛍光体ユニット103との間の距離を短縮でき、光源装置100全体の寸法を小型化することができる。
【0039】
なお、光学素子における入射面及び出射面は、厚みをもつ光学素子を光が透過する場合、光が入射する面が入射面となり、光が出射する面が出射面である。例えば、図3に示すように、集光レンズ105において、ダイクロイックミラー102の反射面102aから反射して入射する面が入射面105aとなり、この入射面105aから集光レンズ105内を透過し、蛍光体ユニット103側に出射する面が出射面105bとなる。
【0040】
さらに、本発明に係る光源装置100において、集光レンズ105とロッドインテグレータ104との間の光路に配置され、集光素子(集光レンズ105)で平行化された励起光及び/又は蛍光光を集光してロッドインテグレータ104に導く屈折光学素子を備えるようにしてもよい。例えば、屈折光学素子は、屈折レンズで構成される。図4は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図4において、図3と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0041】
図4に示す光源装置100では、集光レンズ105とロッドインテグレータ104との間の光路上に屈折光学素子としての屈折レンズ106を備えている。屈折レンズ106は、集光素子(集光レンズ105)で平行化された励起光及び/又は蛍光光を集光して(屈折させて)ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに導く。このように屈折レンズ106を設けることにより、集光レンズ105で平行化された励起光及び/又は蛍光光を効率よくロッドインテグレータ104に入射させることができるので、光利用効率が向上する。
【0042】
また、図4に示す光源装置100において、ロッドインテグレータ104に入射される励起光及び/又は蛍光光の均質化(均一化)の観点からロッドインテグレータ104の配置を選択することが好ましい。より具体的には、ロッドインテグレータ104の内周断面が長方形状を有する場合、ロッドインテグレータ104に入射される励起光等が長辺に対応する内側面に入射されるように配置されることが好ましい。
【0043】
さらに、図4に示す光源装置100において、ダイクロイックミラー102の反射面102aにおける励起光のケラレを抑制する観点から光源101の配置を選択することが好ましい。より具体的には、光源101の発光面が長方形状を有する場合、励起光の幅が狭くなるように配置されることが好ましい。
【0044】
図5は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図5において、図4と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。図5Aは、本発明に係る光源装置100の構成要素の説明図であり、図5Bは、光源装置100が有するロッドインテグレータ104の入射開口部104aの説明図であり、図5Cは、光源装置100が有する光源101の説明図である。図5Bにおいては、蛍光体ユニット103側からロッドインテグレータ104の入射開口部104aを示している。図5Cにおいては、ダイクロイックミラー102側から光源101の発光面を示している。
【0045】
図5Aに示す光源装置100において、屈折レンズ106により集光(屈折)された励起光及び/又は蛍光光が投影するロッドインテグレータ104の入射開口部104a上の投影像中心を点Tとする。また、この点Tと、蛍光体ユニット103上に投影される励起光の投影像中心である点Rとを結ぶ直線を直線L2とする。一方、図5Bに示すように、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aは、長辺LEと短辺SEとを有する長方形状を有するものとする。また、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aのうち、短辺SEの方向を「所定軸線方向」と呼び、長辺LEの方向を「所定軸線と直交する方向」と呼ぶ。なお、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aは、長辺LEと短辺SEとを有する矩形形状(長方形形状)であってもよいし、長辺LEと短辺SEとを有する楕円形状であってもよい(例えば長辺LEと短辺SEとを有する形状であればよい)。また、図5Cに示すように、光源101の発光面101aは、長辺LEと短辺SEとを有する長方形状を有するものとする。また、光源101の発光面101aのうち、短辺SEの方向を「所定軸線方向」と呼び、長辺LEの方向を「所定軸線と直交する方向」と呼ぶ。なお、光源101の発光面101aは、長辺LEと短辺SEとを有する矩形形状(長方形形状)であってもよいし、長辺LEと短辺SEとを有する楕円形状であってもよい(例えば長辺LEと短辺SEとを有する形状であればよい)。
【0046】
光源装置100においては、直線L1と直線L2とを含む面(すなわち、図5Aに示す紙面を含む平面)と、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの短辺SEが略平行であることが好ましい。すなわち、図5Bに示すロッドインテグレータ104の短辺SE図5Aに示す紙面と平行になるようにロッドインテグレータ104を配置することが好ましい。このようにロッドインテグレータ104を配置することにより、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEに対応する内側面に当たるように励起光等を入射させることができるので、ロッドインテグレータ104内部における励起光等の反射回数の増加に伴って励起光等を均一化でき、励起光等における色むらの発生を抑制することができる。
【0047】
また、光源装置100においては、直線L1と直線L2とを含む面(すなわち、図5Aに示す紙面を含む平面)と、光源101の発光面101aの短辺SEが略平行であることが好ましい。すなわち、図5Cに示す発光面101aの短辺SE図5Aに示す紙面と平行になるように光源101を配置することが好ましい。このように光源101を配置することにより、直線L1と直線L2とを含む面の延在方向に延びる光束の幅を狭くできるので、ダイクロイックミラー102の反射面102aにおけるケラレを抑制でき、光利用効率の低下を抑制することができる。また、蛍光体ユニット103で反射した光がダイクロイックミラー102と干渉しないようにでき、光利用効率の低下を抑制することができる。
【0048】
さらに、本発明に係る光源装置100において、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに対して入射する励起光(第1の色光)の射影直線と、入射開口部104aの短辺SE(所定軸線)とのなす角度αが一定角度より小さくなるように、ロッドインテグレータ104を配置することが好ましい。また、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに対して入射する励起光(第1の色光)の入射開口部104aとのなす角度βが一定角度より小さくなるように、ロッドインテグレータ104を配置することが好ましい。
【0049】
図6は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図6において、図5Aと共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。図6Aは、本発明に係る光源装置100の構成要素の説明図であり、図6B図6Cは、光源装置100が有するロッドインテグレータ104の入射開口部104aに対する励起光の入射面の説明図である。なお、図6Aにおいては、光源装置100における励起光の光路を示している。
【0050】
図6に示す光源装置100においては、屈折レンズ106で集光され、入射開口部104aに入射される励起光(入射光)をELと示している。光源装置100では、入射開口部104aに対して入射する励起光(第1の色光)の射影直線と、入射開口部104aの短辺SE(所定軸線)とのなす角度αが一定角度より小さくなるように、ロッドインテグレータ104を配置している。また、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに対して入射する励起光(第1の色光)の入射開口部104aとのなす角度βが一定角度より小さくなるように、ロッドインテグレータ104を配置している。
【0051】
ここで、射影直線とは、ある光線がある面(対象面)に入射する場合において、入射光線を対象面に正射影したときの直線と定義される。入射開口部104aが対象面である場合、入射開口部104aに対する励起光(入射光)ELの射影直線は、図6Bに示すように、励起光ELを入射開口部104aに正射影したときの直線EFである。
【0052】
そして、図6Bに示すように、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに入射する励起光(第1の色光)ELの、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aへの射影直線EFと、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの所定軸線(入射開口部104aの短辺SE)とがなす角度をαとした場合に、当該角度αが40°より小さくなるように設定されている。この角度αは、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEと短辺SEとを含む平面内で規定される角度である。このようにロッドインテグレータ104を配置することにより、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEを有する内側面に当たるように励起光等を入射させることができるので、ロッドインテグレータ104の内部における励起光等の反射回数の増加に伴って励起光を均一化でき、励起光等における色むらの発生を抑制することができる。
【0053】
さらに、図6Cに示すように、ロッドインテグレータ104(の入射開口部104a)に入射する励起光(第1の色光)ELと、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aがなす角度をβとした場合に、当該角度βが40°より小さくなるように設定されている。この角度βは、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEと短辺SEとを含む平面と、当該平面と交差するように入射する励起光(第1の色光)ELとがなす角度として規定される。このようにロッドインテグレータ104を配置することにより、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに対して垂直に入射する事態を防止することができる。これにより、ロッドインテグレータ104の内部によく励起光等があたり励起光等の反射回数の増加に伴って励起光を均一化でき、励起光等における色むら等の発生を抑制することができる。
【0054】
さらに、本発明に係る光源装置100において、ロッドインテグレータ104は、屈折レンズ106との関係で配置を選択することが好ましい。例えば、光源装置100では、ロッドインテグレータ104の入射開口部104a上に投影される励起光の投影像中心と、ロッドインテグレータ104の入射開口部104a上に投影される蛍光光の投影像中心と、屈折レンズ106の光軸とが一点で交わることが好ましい。
【0055】
図7は、本発明に係る光源装置100の概要について説明するための模式図である。図7において、図5Aと共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。図7Aにおいては、光源装置100における励起光の光路を示し、図7Bにおいては、光源装置100における蛍光光の光路を示している。なお、図7においては、説明の便宜上、光の伝播方向に沿って配置される一対の集光レンズ105、105を示している。
【0056】
図7に示す光源装置100において、屈折レンズ106で集光された励起光におけるロッドインテグレータの入射開口部104a上の投影像中心と、屈折レンズ106で集光された蛍光光におけるロッドインテグレータ104の入射開口部104a上の投影像中心とは、上述した点Tであるものとする。また、屈折レンズ106は、その光軸LAが点Tを通過するように配置されている。このため、ロッドインテグレータ104の入射開口部104a上に投影される励起光の投影像中心と、ロッドインテグレータ104の入射開口部104a上に投影される蛍光光の投影像中心と、屈折レンズ106の光軸LAとが一点で交わっている。これにより、励起光及び蛍光光を、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの中心付近に入射させることができるので、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aによる光のケラレを抑制でき、光利用効率を向上することができる。また、部品の公差により光源装置100内の光学素子同士がずれた場合においても、光利用効率の低下を抑制することができる。
【0057】
さらに、本発明に係る光源装置100において、屈折レンズ106の配置は、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aに対して入射する励起光及び蛍光光の角度を一定範囲に設定する観点から選択することが好ましい。なお、入射開口部104aに対する光線の角度とは、入射開口部104aに平行な面の法線と光線のなす角をいう。例えば、光源装置100では、入射開口部104aに対して最も大きな角度で入射する励起光の光線の入射角が、入射開口部104aに対して最も大きな角度で入射する蛍光光の光線の入射角よりも小さく設定されることが好ましい。
【0058】
図7に示すように、入射開口部104aに対して最も大きな角度で入射する励起光の光線の入射角を角度θとし、入射開口部104aに対して最も大きな角度で入射する蛍光光の光線の入射角を角度θとする。光源装置100においては、角度θを角度θより小さく設定することが好ましい。このように励起光の入射角θを蛍光光の入射角θより小さくすることにより、光源装置100の後段に配置される光学系における光のケラレを抑制でき、光利用効率を向上することができる。
【0059】
なお、本発明に係る光源装置100においては、上述した励起光の入射角θと蛍光光の入射角θとを同一角度に設定してもよい。これらの励起光の入射角θを蛍光光の入射角θと同一角度とすることにより、DMDやスクリーンに投影される励起光と蛍光光の光の分布を略同じにすることができ、励起光等における色むらの発生を抑制することができる。
【0060】
さらに、本発明に係る光源装置100において、ロッドインテグレータ104の光学特性は、上述した励起光の入射角θと蛍光光の入射角θとの関係で選択することが好ましい。例えば、光源装置100では、ロッドインテグレータ104をガラスロッドインテグレータで構成すると共に、そのガラスロッドインテグレータの全反射条件が励起光の入射角θ及び第2の色光の入射角θより大きく設定されることが好ましい。
【0061】
図8は、本発明に係る光源装置100が有するロッドインテグレータ104の光学特性ついて説明するための模式図である。図8に示す光源装置100において、ロッドインテグレータ104は、ガラスロッドインテグレータで構成される。また、ロッドインテグレータ104における全反射条件は、角度θglassであるものとする。この場合において、角度θglassは、励起光の入射角θ及び蛍光光の入射角θよりも大きく設定される。これにより、ロッドインテグレータ104内部における励起光等の損失を防止できるので、光利用効率を向上することができる。
【0062】
また、本発明に係る光源装置100において、光ミキシング素子を構成するロッドインテグレータ104は、図9に示すように、入射開口部104aが出射開口部104bよりも小さく構成されるテーパ形状とすることが好ましい。このようにロッドインテグレータ104をテーパ形状とすることにより、ロッドインテグレータ104から出射する光の出射角を小さくすることができるので、光源装置100の後段に配置される光学系におけるケラレを抑制でき、光利用効率を向上することができる。
【0063】
以下、本発明の複数の実施の形態について説明する。なお、以下に示す複数の実施の形態は、本発明に係る光源装置及び画像投射装置の一例を示したものであり、適宜変更が可能である。また、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0064】
(第1実施形態)
図10は、第1実施形態に係る光源装置20を備えたプロジェクタ装置(画像投射装置)1を示す概略構成図である。図10に示すように、プロジェクタ装置1は、筐体10と、光源装置20と、照明光学系30と、画像形成素子(画像表示素子)40と、投射光学系50と、冷却装置60とを有している。
【0065】
筐体10は、光源装置20と、照明光学系30と、画像形成素子40と、投射光学系50と、冷却装置60とを収納する。光源装置20は、例えば、RGBの各色に対応する波長を含んだ光を出射する。なお、光源装置20の内部構成については、後に詳細に説明する。
【0066】
照明光学系30は、後述する光源装置20のライトトンネル29が均一化した光で画像形成素子40を略均一に照明する。照明光学系30は、例えば、1枚以上のレンズや1面以上の反射面等を有している。
【0067】
画像形成素子40は、照明光学系30により照明される光(光源装置20の光源光学系からの光)を変調することにより画像を形成する。画像形成素子40は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)や液晶表示素子で構成される。画像形成素子40は、照明光学系30から照射される光(青色光、緑色光、赤色光、黄色光)と同期して微小鏡面を駆動させ、カラー画像を生成する。
【0068】
投射光学系50は、画像形成素子40が形成した画像(カラー画像)を、図示しないスクリーン(被投影面)に拡大投影する。投射光学系50は、例えば、1枚以上のレンズを有している。冷却装置60は、プロジェクタ装置1内の熱を帯びる各素子及び装置を冷却する。
【0069】
図11は、第1実施形態に係る光源装置20を示す概略構成図である。図11Aにおいては、光源装置20における青色レーザ光の光路を示しており、図11Bにおいては、光源装置20における蛍光光の光路を示している。
【0070】
図11Aに示すように、光源装置20は、光の伝搬方向に順に配置された、レーザ光源(励起光源)21、カップリングレンズ22、第1の光学系23、光学部材の一例であるダイクロイックミラー24、第2の光学系25、波長変換ユニットの一例である蛍光体ユニット26、屈折光学系27、カラーホイール28及び光ミキシング素子の一例であるライトトンネル29を有している。
【0071】
なお、図11においては、説明の便宜上、カラーホイール28を省略している。カラーホイール28については、図10を参照されたい。本実施の形態では、カラーホイール28を光源装置20の構成要素として説明している。しかしながら、光源装置20の構成については、これに限定されず、カラーホイール28を含めない構成としてもよい。
【0072】
レーザ光源21は、例えば、複数のレーザ光を出射する光源がアレイ状に配置されている。レーザ光源21は、例えば、発光強度の中心が455[nm]の青色帯域の光(青色レーザ光)を出射する。以下では、青色レーザ光を、単に青色光と称する。レーザ光源21から出射される青色光は、偏光方向が一定の方向である直線偏光であり、後述する蛍光体ユニット26が有する蛍光体を励起させる励起光としても用いられる。
【0073】
なお、レーザ光源21から出射される光は、後述する蛍光体を励起させることができる波長の光であればよく、青色波長帯域の光に限定されるものではない。また、レーザ光源21は、複数の光源を有するものとしたが、これに限定されるものではなく、1個の光源で構成されるものとしてもよい。また、レーザ光源21は、基板上に複数の光源がアレイ状に配置されたものとして構成することができるが、これに限定されるものではなく、その他の配置構成であってもよい。
【0074】
カップリングレンズ22は、レーザ光源21から出射された青色光を入射し、平行光(コリメート光)に変換するレンズである。なお、以下において、平行光とは、完全にコリメート(平行化)された光に限らず、略平行化された光を含む概念とする。カップリングレンズ22の数は、レーザ光源21の光源の数に対応していればよく、レーザ光源21の光源の数の増減に応じて増減することができる。
【0075】
本実施の形態に係る光源装置20においては、これらのレーザ光源21とカップリングレンズ22とで光源ユニットを構成する。例えば、レーザ光源21は、行及び列をなして配置される複数のレーザーダイオードで構成される。すなわち、光源ユニットは、これらのレーザーダイオードと、レーザーダイオードの出射面側に配置されたカップリングレンズ22とで構成される。
【0076】
図12は、第1実施形態に係る光源装置20が有する光源ユニットの要部の説明図である。図12に示すように、光源ユニットにおいて、カップリングレンズ22は、レーザーダイオード21Aに対向して配置される。光源ユニットにおいて、各レーザーダイオード21Aから出射する青色光(励起光)の発散角のうち、行方向又は列方向のうち大きい方向の発散角をθとし、隣り合うレーザーダイオード21AのピッチをPとし、レーザーダイオード21Aの発光点からカップリングレンズ22までの距離をLとした場合に、各レーザーダイオード21Aの配置間隔(P/Ltanθ)は、以下に示す(式1)を満たすように設定される。
1 ≦ P/Ltanθ ≦ 4 ・・・(式1)
【0077】
また、最も好ましくは、各レーザーダイオード21Aの配置間隔は、以下の(式2)を満たすように設定される。
P/Ltanθ = 2 ・・・(式2)
(式2)を満たすことにより、レーザ光源21の発光面を小さくしつつ、各レーザーダイオード21Aの光を、対応するカップリングレンズ22のみに入射させることができるので、隣接するカップリングレンズ22に対する入射を防止でき、光の利用効率の低下を抑制することができる。
【0078】
なお、光源ユニットが備える複数のレーザーダイオード21Aは、同一の基板に配置されることが好ましい。複数のレーザーダイオード21Aを同一の基板に配置することにより、光源ユニットから出射される光の領域を小さくできるので、光路上の各種の光学素子における光のケラレを抑制でき、光利用効率を向上することができる。
【0079】
第1の光学系23は、全体として正のパワーを有しており、レーザ光源21の側から蛍光体ユニット26の側に向かって順に、大口径レンズ23a及び負レンズ23bを有している。大口径レンズ23aは、大口径素子の一例を構成するものであり、正のパワーを有し、カップリングレンズ22から出射された平行光を集光及び合成するレンズで構成される。負レンズ23bは、平行化素子の一例を構成するものであり、大口径レンズ23aにより集光された青色光を平行光に変換するレンズで構成される。第1の光学系23は、カップリングレンズ22から略平行光となって入射した青色光(励起光)を収束させながらダイクロイックミラー24に導く。
【0080】
ダイクロイックミラー24は、第1の光学系23から出射される青色光の伝播方向に対して傾斜して配置されている。より具体的には、第1の光学系23から出射される青色光の伝播方向に沿って前端部が下方側に傾斜した状態で配置されている。ダイクロイックミラー24は、第1の光学系23により略平行光とされた青色光を反射する一方、蛍光体ユニット26により変換された蛍光光(第2の色光)を透過する光学特性を有している。例えば、ダイクロイックミラー24には、上述した光学特性を有するようなコートが施されている。
【0081】
図13は、第1実施形態に係る光源装置20が有するダイクロイックミラー24の構成の一例を示す図である。なお、図13においては、第1の光学系23側から出射される青色光の入射方向からダイクロイックミラー24を示している。図13に示すように、ダイクロイックミラー24は、2つの領域24A、24Bに分割されている。以下においては、説明の便宜上、領域24A、24Bを、それぞれ第1の領域24A、第2の領域24Bと呼ぶものとする。
【0082】
第1の領域24Aは、第1の光学系23(負レンズ23b)から出射される青色光を反射する一方、後述する蛍光体ユニット26の蛍光体により青色光から変換された蛍光光を透過する光学特性を有している。この第1の領域24Aは、図1に示す反射面102aを構成する。第2の領域24Bは、これらの青色光及び蛍光光を透過する光学特性を有している。
【0083】
第1の領域24Aは、第1の光学系23の光軸上に配置される一方、第2の光学系25の光軸上に配置されず、第2の光学系25の光軸よりも第1の光学系23(負レンズ23b)側の位置にずれて配置されている。一方、第2の領域24Bは、第2の光学系25の光軸上に配置されず、第2の光学系25の光軸よりも、第1の光学系23と反対側の位置にずれて配置されている。
【0084】
第2の光学系25は、全体として正のパワーを有しており、レーザ光源21の側から蛍光体ユニット26の側に向かって順に、正レンズ25Aと正レンズ25Bとを有している。第2の光学系25は、ダイクロイックミラー24を反射した青色光を集光して蛍光体ユニット26に導く。また、第2の光学系25は、蛍光体ユニット26から放出される蛍光光を平行化する。なお、第2の光学系25は、集光素子の一例を構成する。
【0085】
蛍光体ユニット26には、第2の光学系25から導かれた青色光が入射する。蛍光体ユニット26は、第2の光学系25から出射された青色光を反射させる機能と、青色光を励起光として作用させて蛍光体により青色光とは異なる波長域の蛍光光に変換する機能とを切り替えるユニットである。なお、蛍光体ユニット26で変換される蛍光光は、例えば、発光強度の中心が550[nm]の黄色の波長域の光である。
【0086】
図14は、第1実施形態に係る光源装置20が有する蛍光体ユニット26の構成の説明図である。図14Aにおいては、蛍光体ユニット26を青色光の入射方向から示しており、図14Bにおいては、蛍光体ユニット26を青色光の入射方向と直交する方向から示している。なお、図14に示す蛍光体ユニット26の構成は、一例を示すものであり、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0087】
図14に示すように、蛍光体ユニット26は、円盤部材(基板)26Aと、円盤部材26Aの中心を通り、当該円盤部材26Aの平面に垂直な直線を回転軸26Bとして回転駆動する駆動モータ(駆動部)26Cとを有している。円盤部材26Aは、例えば、透明基板や金属基板(アルミニウム基板等)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0088】
蛍光体ユニット26(円盤部材26A)は、周方向の大部分(第1実施形態では270°よりも大きい角度範囲)が蛍光領域26Dに区画されており、周方向の小部分(第1実施形態では90°よりも小さい角度範囲)が励起光反射領域26Eに区画されている。なお、励起光反射領域26Eは、ダイクロイックミラー24で反射された励起光を反射(若しくは拡散反射)する第1の領域の一例を構成する。蛍光領域26Dは、ダイクロイックミラー24で反射された励起光を変換して蛍光光を出射する領域の一例を構成する。蛍光領域26Dは、下層側から上層側に向かって順に、反射コート26D1と、蛍光体層26D2と、反射防止コート(ARコート)26D3とを積層して構成されている。
【0089】
反射コート26D1は、蛍光体層26D2による蛍光光(発光光)の波長領域の光を反射する特性を有している。円盤部材26Aを反射率が高い金属基板で構成した場合には、反射コート26D1を省略することも可能である。言い換えると、円盤部材26Aに反射コート26D1の機能を持たせることも可能である。
【0090】
蛍光体層26D2としては、例えば、蛍光体材料を有機・無機のバインダ内に分散させたもの、蛍光体材料の結晶を直接形成したもの、Ce:YAG系などの希土類蛍光体を用いることができる。なお、蛍光体層26D2は、励起光の少なくとも一部を励起光とは異なる波長の蛍光光に変換して出射する波長変換部材の一例を構成する。蛍光体層26D2による蛍光光(発光光)の波長帯域は、例えば、黄色、青色、緑色、赤色の波長帯域を用いることができるが、第1実施形態では、黄色の波長帯域を有する蛍光光(発光光)を用いる場合を例示して説明する。また、本実施例では波長変換素子として蛍光体を用いているが、燐光体や、非線形光学結晶などを用いてもよい。
【0091】
反射防止コート26D3は、蛍光体層26D2の表面における光の反射を防止する特性を有している。
【0092】
励起光反射領域26Eには、第2の光学系25から導かれた青色光の波長領域の光を反射する特性を有する反射コート(反射面)26E1が積層されている。円盤部材26Aを反射率が高い金属基板で構成した場合には、反射コート26E1を省略することも可能である。言い換えると、円盤部材26Aに反射コート26E1の機能を持たせることも可能である。
【0093】
円盤部材26Aを駆動モータ26Cによって回転駆動することにより、蛍光体ユニット26上における青色光の照射位置が時間とともに移動する。その結果、蛍光体ユニット26に入射した青色光(第1の色光)の一部分が、蛍光領域(波長変換領域)26Dで青色光(第1の色光)とは波長の異なる蛍光光(第2の色光)に変換されて出射される。一方、蛍光体ユニット26に入射した青色光の他部分が、励起光反射領域26Eで青色光のままで反射されて出射される。
【0094】
なお、蛍光領域26Dと励起光反射領域26Eの数や範囲等には自由度があり、種々の設計変更が可能である。例えば、各2つの蛍光領域と励起光反射領域とを周方向に90°間隔となるように交互に配置してもよい。
【0095】
図11に戻り、光源装置20の構成について説明を続ける。屈折光学系27は、第2の光学系25から出射する光(青色光及び蛍光光)を集光するレンズで構成される。蛍光体ユニット26から出射された光(青色光及び蛍光光)は、ダイクロイックミラー24を透過した後、屈折光学系27により集光(屈折)され、カラーホイール28に入射する(図9参照)。カラーホイール28は、蛍光体ユニット26により生成された青色光及び蛍光光を、所望の色に分離する部材である。
【0096】
図15は、第1実施形態に係る光源装置20が有するカラーホイール28の概略構成の説明図である。図15Aにおいては、カラーホイール28を青色光及び蛍光光の入射方向から示しており、図15Bにおいては、カラーホイール28を青色光及び蛍光光の入射方向と直交する方向から示している。図15に示すように、カラーホイール28は、円環形状部材28Aと、回転軸28Bを中心として円環形状部材28Aを回転駆動する駆動モータ(駆動部)28Cとを有している。
【0097】
円環形状部材28Aは、円周方向に沿って複数の領域に画定されている。円環形状部材28Aは、円周方向に区画された拡散領域28Dと、フィルタ領域28R、28G及び28Yとを有している。拡散領域28Dは、蛍光体ユニット26から出射された青色光を透過及び拡散させるための領域である。フィルタ領域28Rは、蛍光体ユニット26から出射された蛍光光のうち赤色成分の波長域を含む光を透過させる領域である。同様に、フィルタ領域28G、28Yは、それぞれ蛍光体ユニット26から出射された蛍光光のうち緑色成分及び黄色成分の波長域を含む光を透過させる領域である。
【0098】
なお、以上の説明では、カラーホイール28が、蛍光光のうち赤色成分、緑色成分、黄色成分の光をそれぞれ透過させる領域を有するものとしている。しかしながら、カラーホイール28の構成については、これに限定されるものではなく、例えば、蛍光光のうち、赤色成分及び緑色成分の光をそれぞれ透過させる領域を有するものとしてもよい。
【0099】
また、カラーホイール28における各領域の面積割合は、プロジェクタ装置1の設計仕様に基づくものである。ただし、例えば、カラーホイール28における拡散領域28Dは、蛍光体ユニット26から出射される青色光が透過するので、蛍光体ユニット26の円盤部材26Aの全面積に対する励起光反射領域26Eの面積の割合と、カラーホイール28の全面積に対する拡散領域28Dの面積の割合とを一致させるものとすればよい。
【0100】
駆動モータ28Cが回転駆動することにより、円環形状部材28Aが円周方向に回転する。円環形状部材28Aが円周方向に回転することによって、蛍光体ユニット26から出射された青色光は拡散領域28Dへ入射し、蛍光体ユニット26から出射された蛍光光はフィルタ領域28R、28G及び28Yへ順次入射することになる。蛍光体ユニット26から出射された光(青色光および蛍光光)が、カラーホイール28を透過することによって、青色光、緑色光、赤色光及び黄色光が順次出射される。カラーホイール28の各領域を透過した光は、ライトトンネル29へ入射される。
【0101】
ライトトンネル29は、4つのミラーが四角柱の内側になるように形成された光学素子で、四角柱の一端から入射した光を内部のミラーで複数回反射させることで光の分布を均一化する素子(光均一化素子)である。ライトトンネル29は、屈折光学系27で集光された光(青色光及び蛍光光)が入射するように配置されている。なお、第1実施形態では、光ミキシング素子の一例としてライトトンネル29を示しているが、これに限定されず、ロッドインテグレータやフライアイレンズ等を用いることも可能である。
【0102】
図16は、第1実施形態に係る光源装置20が有するライトトンネル29の入射開口部29Aを光の入射方向から見た図である。図16においては、ライトトンネル29の入射開口部29A上の青色光の投影範囲を示している。ライトトンネル29は、図16に示すように、僅かに傾いて配置されている。ライトトンネル29の傾き角は、光源装置20に求められる性能によって変わる。
【0103】
第1実施形態に係る光源装置20の光源ユニットにおいては、上述したように、レーザ光源21(レーザーダイオード21A)がアレイ状に配置されている。図16Bに示すように、レーザーダイオード21Aから出射される青色光等が投影するライトトンネル29の入射開口部29A上の投影範囲は楕円形状に構成される(図16B図16C参照)。例えば、入射開口部29A上の青色光等の投影範囲は、図16Bに示すように、楕円形状の長軸が入射開口部29Aの短辺と略平行に配置される。このように入射開口部29A上の青色光等の投影範囲を設定することにより、ライトトンネル29による青色光等のケラレを抑制することができる。なお、入射開口部29A上の青色光等の投影範囲は、図16Bに示すように、楕円形状の長軸が入射開口部29Aの長辺と略平行に配置してもよい。ここでいう楕円形状は、投影範囲の縦方向の強度分布の半値全幅(FWHM)と、横方向の強度分布の半値全幅(FWHM)とに差があるような形状のことをいう。つまり、等方的な強度分布を持たない形状のことである。
【0104】
このような構成を有する光源装置20における青色光の光路(以下、適宜「青色光光路」という)について、図11Aを参照して説明する。青色光光路とは、レーザ光源21が出射した励起光のうち、蛍光体ユニット26の励起光反射領域26Eで反射する光が進行する光路をいう。
【0105】
レーザ光源21から出射された青色光は、カップリングレンズ22により平行光に変換される。カップリングレンズ22から出射された青色光は、第1の光学系23の大口径レンズ23aによって集光及び合成された後、負レンズ23bによって平行光に変換される。負レンズ23bから出射された青色光は、ダイクロイックミラー24の第1の領域24Aで反射され、第2の光学系25に向かう。第1の領域24Aは、レーザ光源21から出射された青色光を反射する反射面102aを構成する(図1参照)。上述した励起光の投影像中心の点Pは、第1の領域24Aに形成される。
【0106】
上述したように、ダイクロイックミラー24の第1の領域24Aは、第2の光学系25の光軸に対して第1の光学系23側にずれて配置されている。このため、青色光光路は、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25A)の第1の光学系23側の一部に入射する。そして、青色光は、第2の光学系25の光軸に角度を有した状態で近づくように進み、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25B)から出射する。第2の光学系25から出射した青色光は、蛍光体ユニット26に入射する。
【0107】
ここで、蛍光体ユニット26に入射した青色光は、励起光反射領域26Eに入射するものとする。励起光反射領域26Eに入射した青色光は、正反射される。励起光反射領域26Eで正反射された青色光は、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25B)における第1の光学系23とは反対側の一部に入射する。そして、青色光は、第2の光学系25の光軸に角度を有した状態で遠ざかるように進み、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25A)から出射する。
【0108】
第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25A)から出射した青色光は、ダイクロイックミラー24の第2の領域24Bを透過する。蛍光体ユニット26から正反射された青色光の光束、或いは、第2の光学系25から出射してダイクロイックミラー24の第2の領域24Bを透過した青色光の光束は、上述した蛍光体ユニット103から出射する励起光の光束Q2を構成する。上述のように、ダイクロイックミラー24の第2の領域24Bは、励起光(及び蛍光光)を透過する光学特性を有している。このため、青色光の光束(光束Q2)がダイクロイックミラー24と交わる場合であっても、光利用効率の低下を抑制することができる。
【0109】
ダイクロイックミラー24の第2の領域24Bを透過した青色光は、屈折光学系27に入射する。そして、青色光は、屈折光学系27の光軸に角度を有した状態で近づくように進み、カラーホイール28を介してライトトンネル29に入射する。ライトトンネル29の内部で複数回反射され、均一化された後、光源装置20の外部に配置された照明光学系30に入射する。
【0110】
次に、本実施の形態に係る光源装置20における蛍光光の光路(以下、適宜「蛍光光路」という)について、図11Bを参照して説明する。なお、図11Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。蛍光光路とは、レーザ光源21が出射した励起光のうち、蛍光体ユニット26の蛍光領域26Dで波長変換される光が進行する光路をいう。
【0111】
レーザ光源21から出射された青色光が蛍光体ユニット26に導かれるまでは、蛍光光路は、上述した青色光光路と同様である。ここで、蛍光体ユニット26に入射した青色光は、蛍光領域26Dに入射するものとする。蛍光領域26Dに入射した青色光は、蛍光体に対する励起光として作用し、蛍光体により波長変換され、例えば、黄色の波長域を含む蛍光光になると共に、反射コート26D1及び蛍光体層26D2の作用によりランバート反射される。
【0112】
蛍光領域26Dによってランバート反射された蛍光光は、第2の光学系25によって平行光に変換される。第2の光学系25から出射した蛍光光は、ダイクロイックミラー24を透過し、屈折光学系27に入射する。そして、蛍光光は、屈折光学系27の光軸に角度を有した状態で近づくように進み、カラーホイール28を介してライトトンネル29に入射する。ライトトンネル29の内部で複数回反射され、均一化された後、光源装置20の外部に配置された照明光学系30に入射する。
【0113】
このように第1実施形態に係る光源装置20においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、蛍光体ユニット26の反射前と反射後とで異ならせている。より具体的には、レーザ光源21からダイクロイックミラー24の第1の領域24A上に投影される青色光の投影像中心の点(図1に示す点P)と、蛍光体ユニット26から反射する青色光の光束(図1に示す光束Q2)とが交わらないように青色光光路を形成している。これにより、蛍光体ユニット26から出射された青色光の光束が、レーザ光源21から出射された青色光の投影像中心に交わらないことから、青色光がダイクロイックミラー24上の同一箇所を透過するのを防止できるので、集光密度の上昇に起因してダイクロイックミラー24が破損する事態を抑制でき、信頼性を向上することができる。
【0114】
また、蛍光体ユニット26から出射される青色光の光路を分離するために位相差板や偏光分離素子(偏光ビームスプリッター)等の特別な光学素子を用意する必要がないので、部品点数を低減でき、製造コストを低減すると共に光源装置20を小型化することができる。さらに、位相差板や偏光分離素子等の偏光を操作する光学部品を使用しないので、光学部品の反射率、透過率及び吸収率等による光利用効率の低下を抑制することができる。
【0115】
さらに、第1実施形態に係る光源装置20において、レーザ光源21から出射される青色光は、偏光方向が一定の方向である直線偏光である。また、複数のレーザ光源21を有する光源ユニットは、直線偏光の向きが全て同じになるように配置されている。このため、光源ユニットから出射する光の直線偏光の向きは揃っている。直線偏光の向きは、光源ユニットを配置する向きで決定できる。図16のように、ライトトンネル29の傾きに合わせて光源ユニットを傾けると直線偏光の向きが変わってしまう。このように直線偏光の向きが変わってしまうような状況下において、偏光分離素子等により偏光を操作する構成である場合、偏光分離素子を透過する際に光利用効率が低下し得る。第1実施形態に係る光源装置20においては、偏光を操作する構成を採用しないため、レーザ光源21の傾きに起因して光利用効率が低下するのを防止することができる。
【0116】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る光源装置201は、ダイクロイックミラーの構成において第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第2実施形態に係る光源装置201の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図17は、第2実施形態に係る光源装置201を示す概略構成図である。図17Aにおいては、光源装置201における青色光の光路を示しており、図17Bにおいては、光源装置201における蛍光光の光路を示している。なお、図17において、図11と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図17Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0117】
図17に示すように、光源装置201においては、ダイクロイックミラー241を備える点のみで第1実施形態に係る光源装置20と相違する。ダイクロイックミラー241は、ダイクロイックミラー24と同様に傾斜して配置される一方、ダイクロイックミラー24よりも短い長さを有している。ダイクロイックミラー24の寸法が短く構成されることから、光源装置20を小型化することができる。ダイクロイックミラー241は、ダイクロイックミラー24の一部(第1の領域24A)と同様の光学特性を有している。
【0118】
図18は、第2実施形態に係る光源装置201が有するダイクロイックミラー241の構成の一例を示す図である。なお、図18においては、第1の光学系23側から出射される青色光(励起光)の入射方向からダイクロイックミラー241を示している。図18に示すように、ダイクロイックミラー241は、単一の領域241Aのみで構成されている。
【0119】
領域241Aは、第1の領域24Aと同様に、第1の光学系23(負レンズ23b)から出射される青色光を反射し、蛍光体ユニット26の蛍光体により青色光から変換された蛍光光を透過する光学特性を有している。また、領域241Aは、第1の領域24Aと同一の位置に配置されている。すなわち、領域241Aは、第1の光学系23の光軸上に配置される一方、第2の光学系25の光軸上に配置されず、第2の光学系25の光軸よりも第1の光学系23側にずれた位置に配置されている。
【0120】
このような構成を有する光源装置201における青色光光路及び蛍光光路について、図17A及び図17Bを参照して説明する。図17Aに示すように、レーザ光源21から出射された青色光が、蛍光体ユニット26の励起光反射領域26Eで反射され、第2の光学系25に出射されるまでは、第1実施形態の青色光光路と同様である。第2実施形態に係る光源装置201では、第1実施形態と異なり、第2の光学系25から出射された青色光がダイクロイックミラー241を透過しない。蛍光体ユニット103から出射する青色光の光束(光束Q2)は、ダイクロイックミラー24と交わらない。一方、蛍光光路については、図17Bに示すように、第1実施形態と同様である。
【0121】
第2実施形態に係る光源装置201においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、蛍光体ユニット26の反射前と反射後とで異ならせていることから、第1実施形態に係る光源装置20と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0122】
特に、光源装置201では、第2の光学系25の幅よりもダイクロイックミラー241の幅を小さくすることができるため、光源装置201のサイズを小さくすることができる。さらに、蛍光体ユニット26で反射した青色光の光路がダイクロイックミラー241を透過しないため、当該ダイクロイックミラー241の透過率に起因する光利用効率の低下を抑制することができる。
【0123】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る光源装置202は、レーザ光源21及びカップリングレンズ22からなる光源ユニット(以下、適宜「第1光源ユニット」という)に加え、レーザ光源211及びカップリングレンズ221からなる光源ユニット(以下、適宜「第2光源ユニット」という)を有する点、並びに、第2光源ユニットからの励起光を第1光源ユニットからの励起光に合成する偏光光学部品を有する点で、第2実施形態に係る光源装置201と相違する。
【0124】
以下、第3実施形態に係る光源装置202の構成について、第2実施形態に係る光源装置201との相違点を中心に説明する。図19は、第3実施形態に係る光源装置202を示す概略構成図である。図19Aにおいては、第3実施形態に係る光源装置202における青色レーザ光の光路を示しており、図19Bにおいては、第3実施形態に係る光源装置202における蛍光光の光路を示している。なお、図19において、図17と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図19Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0125】
図19に示すように、光源装置202においては、第2光源ユニットを構成するレーザ光源211及びカップリングレンズ221を有している。第2光源ユニットは、レーザ光源211から出射されるレーザ光が、第1光源ユニットのレーザ光源21から出射されるレーザ光と直交するように配置されている。
【0126】
レーザ光源211は、レーザ光源21と同様の構成を有している。すなわち、レーザ光源211は、複数のレーザ光を出射する光源(レーザダイオード)がアレイ状に配置されており、例えば、発光強度の中心が455[nm]の青色光を出射する。ここで、レーザ光源21、211は、いずれもP偏光を出射するように構成されている。カップリングレンズ221は、カップリングレンズ22と同様に、レーザ光源211から出射された青色光を入射し、平行光(コリメート光)に変換するレンズである。
【0127】
光源装置202においては、偏光光学部品を構成する1/2波長板222及び偏光分離素子223を有している。1/2波長板222は、複数のカップリングレンズ221に対向して配置されている。1/2波長板222は、レーザ光源211から出射される青色光のP偏光成分をS偏光成分に変換する。偏光分離素子223は、レーザ光源21から出射される青色光及びレーザ光源211から出射される青色光の光路上に配置されている。偏光分離素子223は、青色光のS偏光成分を反射する一方、青色光のP偏光成分を透過する光学特性を有している。
【0128】
レーザ光源21から出射された青色光のP偏光成分は、偏光分離素子223を透過し、第1の光学系23の大口径レンズ23aに入射される。一方、レーザ光源211から出射される青色光のP偏光成分は、1/2波長板222によりS偏光に変換された後、偏光分離素子223により反射され、第1の光学系23の大口径レンズ23aに入射される。このようにして第2光源ユニットからの励起光(青色光)が、第1光源ユニットからの励起光(青色光)に合成される。
【0129】
このような構成を有する光源装置202における青色光光路及び蛍光光路について、図19A及び図19Bを参照して説明する。図19A及び図19Bに示すように、偏光分離素子223により合成され、第1の光学系23の大口径レンズ23aに入射された後の青色光光路及び蛍光光路は、第2実施形態と同様である。
【0130】
第3実施形態に係る光源装置202においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、蛍光体ユニット26の反射前と反射後とで異ならせていることから、第2実施形態に係る光源装置201と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。特に、光源装置202では、第1光源ユニットからの励起光に第2光源ユニットからの励起光を合成することから、励起光の輝度を高めることができ、光利用効率を向上することができる。また、偏光光学部品を構成する1/2波長板222及び偏光分離素子223で偏光を操作することから、光源から出射される光の偏光成分の混在の有無に関わらず、光路の分離及び合成を実現することができる。
【0131】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る光源装置203は、蛍光体ユニット26に代えて、蛍光体ユニットを有する点で、第2実施形態に係る光源装置201と相違する。以下、第4実施形態に係る光源装置203の構成について、第2実施形態に係る光源装置201との相違点を中心に説明する。
【0132】
図20は、第4実施形態に係る光源装置203を示す概略構成図である。図20Aにおいては、光源装置203における青色レーザ光の光路を示しており、図20Bにおいては、光源装置203における蛍光光の光路を示している。なお、図20において、図17と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図20Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0133】
第4実施形態に係る光源装置203においては、回転駆動される蛍光体ユニット26の代わりに、回転駆動しない蛍光体ユニット(以下、適宜「静止蛍光体ユニット」という)261を有している。静止蛍光体ユニット261は、レーザ光源21から出射される青色光(励起光)の一部をそのまま反射させる一方、青色光の他部を蛍光光に変換して出射(放出)させる。
【0134】
図21は、第4実施形態に係る光源装置203が有する静止蛍光体ユニット261の構成を説明する模式図である。図21においては、静止蛍光体ユニット261を青色光の入射方向と直交する方向から示している。図21に示すように、静止蛍光体ユニット261は、励起光を反射する反射部材261aの上に、波長変換部材である蛍光体261bが積層されて構成されている。例えば、反射部材261a及び蛍光体261bは、平面視にて矩形状を有している。蛍光体261bは、反射部材261a上に塗布される。
【0135】
蛍光体261bは、入射した青色光(励起光)のうち、例えば、80%を蛍光光に変換するものとする。静止蛍光体ユニット261に青色光が入射した場合、青色光の80%は、蛍光体261bに対する励起光として作用し、蛍光体261bにより波長変換される。これにより、例えば、発光強度の中心が550[nm]の黄色の波長域を含む蛍光光となると共に、蛍光体261b及び反射部材261aの作用によりランバート反射される。
【0136】
一方、入射した青色光(励起光)のうち、例えば、青色光の20%は、励起光としては作用せず、反射部材261aによって反射される。したがって、この静止蛍光体ユニット261に青色光が入射すると、青色光と蛍光光が同時に出射される。
【0137】
このような構成を有する光源装置203における青色光光路及び蛍光光路について、図20A及び図20Bを参照して説明する。図20A及び図20Bに示すように、光源装置203における青色光光路及び蛍光光路は、静止蛍光体ユニット261における波長変換及び反射を除き、第2実施形態と同様である。
【0138】
第4実施形態に係る光源装置203においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、静止蛍光体ユニット261の反射前と反射後とで異ならせていることから、第2実施形態に係る光源装置201と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。特に、光源装置203では、静止蛍光体ユニット261により、青色光と蛍光光とが同時に出射されることから、蛍光体ユニットを回転駆動する必要がなく、装置の製造コストを低減することができる。また、回転駆動用のモータを省略することができるので、静音化を図ると共に、モータの寿命に起因する信頼性の低下を防止することができる。
【0139】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る光源装置204は、ダイクロイックミラー241に代えてミラーを有する点、並びに、第1の光学系23の後段の構成要素の配置で、第2実施形態に係る光源装置201と相違する。以下、第5実施形態に係る光源装置204の構成について、第2実施形態に係る光源装置201との相違点を中心に説明する。
【0140】
図22は、第5実施形態に係る光源装置204を示す概略構成図である。図22Aにおいては、光源装置204における青色レーザ光の光路を示しており、図22Bにおいては、光源装置204における蛍光光の光路を示している。なお、図22において、図17と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図22Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0141】
図22Aに示すように、光源装置204は、光の伝搬方向に順に配置された、レーザ光源(励起光源)21、カップリングレンズ22、第1の光学系23、第2の光学系25、蛍光体ユニット26、ミラー242、屈折光学系27、カラーホイール28及びライトトンネル29を有している。なお、図22においては、説明の便宜上、カラーホイール28を省略している。カラーホイール28については、図10を参照されたい。
【0142】
ミラー242は、第2の光学系25から出射される青色光の伝播方向に対して傾斜して配置されている。より具体的には、第2の光学系25から出射される青色光の伝播方向に沿って前端部が上方側に傾斜した状態で配置されている。ミラー242は、第2の光学系25により略平行光とされた青色光を反射すると共に、蛍光体ユニット26により変換された蛍光光を反射する光学特性を有している。例えば、ミラー242には、上述した光学特性を有するようなコートが施されている。ミラー242は、第2の光学系25を構成する正レンズ25Aの光軸からずれて配置されている。ミラー242は、正レンズ25Aに対向する面に反斜面242Aを有している。
【0143】
このような構成を有する光源装置204における青色光光路について、図22Aを参照して説明する。青色光光路とは、レーザ光源21が出射した励起光のうち、蛍光体ユニット26の励起光反射領域26Eで反射する光が進行する光路をいう。
【0144】
レーザ光源21から出射された青色光は、カップリングレンズ22により平行光に変換される。カップリングレンズ22から出射された青色光は、第1の光学系23の大口径レンズ23aによって集光及び合成された後、負レンズ23bによって平行光に変換される。負レンズ23bから出射された青色光は、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25A)の屈折光学系27側(図22に示す上方側)の一部に入射する。そして、青色光は、第2の光学系25の光軸に角度を有した状態で近づくように進み、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25B)から出射する。第2の光学系25から出射した青色光は、蛍光体ユニット26に入射する。
【0145】
ここで、蛍光体ユニット26に入射した青色光は、励起光反射領域26Eに入射するものとする。励起光反射領域26Eに入射した青色光は、正反射される。励起光反射領域26Eで正反射された青色光は、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25B)における屈折光学系27とは反対側(図22に示す下方側)の一部に入射する。そして、青色光は、第2の光学系25の光軸に角度を有した状態で遠ざかるように進み、第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25A)から出射する。
【0146】
第2の光学系25(より具体的には、正レンズ25A)から出射した青色光は、ミラー242の反射面242Aで反射され、屈折光学系27に入射する。そして、青色光は、屈折光学系27の光軸に近づくように角度をなして進み、カラーホイール28を介してライトトンネル29に入射する。ライトトンネル29の内部で複数回反射され、均一化された後、光源装置20の外部に配置された照明光学系30に入射する。
【0147】
次に、本実施の形態に係る光源装置204における蛍光光路について、図22Bを参照して説明する。蛍光光路とは、レーザ光源21が出射した励起光のうち、蛍光体ユニット26の蛍光領域26Dで波長変換される光が進行する光路をいう。
【0148】
レーザ光源21から出射された青色光が蛍光体ユニット26に導かれるまでは、蛍光光路は、上述した青色光光路と同様である。ここで、蛍光体ユニット26に入射した青色光は、蛍光領域26Dに入射するものとする。蛍光領域26Dに入射した青色光は、蛍光体に対する励起光として作用し、蛍光体により波長変換され、例えば、黄色の波長域を含む蛍光光になると共に、反射コート26D1及び蛍光体層26D2の作用によりランバート反射される。
【0149】
蛍光領域26Dによってランバート反射された蛍光光は、第2の光学系25によって平行光に変換される。第2の光学系25から出射した蛍光光は、ミラー242の反射面242Aで反射され、屈折光学系27に入射する。そして、蛍光光は、屈折光学系27の光軸に近づくように角度をなして進み、カラーホイール28を介してライトトンネル29に入射する。ライトトンネル29の内部で複数回反射され、均一化された後、光源装置20の外部に配置された照明光学系30に入射する。
【0150】
このように第5実施形態に係る光源装置204においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、蛍光体ユニット26の反射前と反射後とで異ならせていることから、第1実施形態に係る光源装置20と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0151】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る光源装置205は、ミラー242に加えて、ダイクロイックミラーを備える点で、第5実施形態に係る光源装置204と相違する。以下、第6実施形態に係る光源装置205の構成について、第5実施形態に係る光源装置204との相違点を中心に説明する。
【0152】
図23は、第6実施形態に係る光源装置205を示す概略構成図である。図23Aにおいては、光源装置205における青色レーザ光の光路を示しており、図23Bにおいては、光源装置205における蛍光光の光路を示している。なお、図23において、図22と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図23Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0153】
図23Aに示すように、光源装置205は、ミラー242の近傍にダイクロイックミラー243を有している。ダイクロイックミラー243は、第2の光学系25により略平行光とされた青色光を透過する一方、蛍光体ユニット26により変換された蛍光光を反射する光学特性を有している。例えば、ダイクロイックミラー243には、上述した光学特性を有するようなコートが施されている。ダイクロイックミラー243は、ミラー242の反射面242A側にて、ミラー242と平行に配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー243は、ミラー242と同様に、第2の光学系25から出射される青色光の伝播方向に対して傾斜して配置されている。好ましくは、ダイクロイックミラー243は、第2の光学系25の光軸上に配置される。さらに好ましくは、ダイクロイックミラー243は、第2の光学系25の光軸上に配置され、且つ、屈折光学系27の光軸上に配置される。
【0154】
このような構成を有する光源装置205における青色光光路について、図23Aを参照して説明する。光源装置205における青色光光路は、第2の光学系25から出射した青色光がダイクロイックミラー243を透過した後にミラー242の反射面242Aで反射する点でのみ、第5実施形態に係る光源装置204と相違する。このため、その詳細な説明を省略する。
【0155】
次に、本実施の形態に係る光源装置205における蛍光光路について、図23Bを参照して説明する。レーザ光源21から出射された青色光が蛍光光に変換された後、第2の光学系25で平行光に変換されるまでは、蛍光光路は、第5実施形態に係る光源装置204と同一である。光源装置205において、第2の光学系25から出射した蛍光光は、ミラー242ではなく、ダイクロイックミラー243で反射され、屈折光学系27に入射する。そして、蛍光光は、屈折光学系27の光軸に近づくように角度をなして進み、カラーホイール28を介してライトトンネル29に入射する。ライトトンネル29の内部で複数回反射され、均一化された後、光源装置20の外部に配置された照明光学系30に入射する。
【0156】
このように第6実施形態に係る光源装置205においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、蛍光体ユニット26の反射前と反射後とで異ならせていることから、第1実施形態に係る光源装置20と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。特に、光源装置205においては、ダイクロイックミラー243を、第2の光学系25の光軸上に配置し、且つ、屈折光学系27の光軸上に配置することにより、蛍光光の光利用効率を向上することができる。
【0157】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る光源装置206は、レーザ光源21及びカップリングレンズ22からなる光源ユニット(第1光源ユニット)に加え、レーザ光源211及びカップリングレンズ221からなる光源ユニット(第2光源ユニット)を有する点、並びに、第2光源ユニットからの励起光を第1光源ユニットからの励起光に合成する偏光光学部品を有する点で、第6実施形態に係る光源装置205と相違する。以下、第7実施形態に係る光源装置206の構成について、第6実施形態に係る光源装置205との相違点を中心に説明する。
【0158】
図24は、第7実施形態に係る光源装置206を示す概略構成図である。図24Aにおいては、光源装置206における青色レーザ光の光路を示しており、図24Bにおいては、光源装置206における蛍光光の光路を示している。なお、図24において、図19及び図23と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図24Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0159】
図24Aに示すように、光源装置206においては、第2光源ユニットを構成するレーザ光源211及びカップリングレンズ221を有する点、並びに、偏光光学部品を構成する1/2波長板222及び偏光分離素子223を有する点で、第6実施形態に係る光源装置205と相違する。第2光源ユニット、1/2波長板222及び偏光分離素子223の構成については、図19に示す第3実施形態に係る光源装置202を参照されたい。
【0160】
このような構成を有する光源装置206における青色光光路について、図24Aを参照して説明する。図24Aに示すように、光源装置206において、レーザ光源21及びレーザ光源211から第1の光学系23に導かれるまでの青色光光路は、第3実施形態の光源装置202と同一である(図19A参照)。また、第1の光学系23からライトトンネル29に入射するまでの青色光光路は、第6実施形態に係る光源装置205と同一である(図23A参照)。このため、その詳細な説明を省略する。
【0161】
次に、本実施の形態に係る光源装置206における蛍光光路について、図24Bを参照して説明する。光源装置206において、レーザ光源21及びレーザ光源211から第1の光学系23に導かれるまでの蛍光光路は、第3実施形態の光源装置202と同一である。また、第1の光学系23からライトトンネル29に入射するまでの蛍光光路は、第6実施形態に係る光源装置205と同一である(図23A参照)。このため、その詳細な説明を省略する。
【0162】
第7実施形態に係る光源装置206においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、蛍光体ユニット26の反射前と反射後とで異ならせていることから、第1実施形態に係る光源装置20と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。特に、光源装置206では、第1光源ユニットからの励起光に第2光源ユニットからの励起光を合成することから、励起光の輝度を高めることができ、光利用効率を向上することができる。また、偏光光学部品を構成する1/2波長板222及び偏光分離素子223で偏光を操作することから、光源から出射される光の偏光成分の混在の有無に関わらず、光路の分離及び合成を実現することができる。
【0163】
(第8実施形態)
第8実施形態に係る光源装置207は、回転駆動される蛍光体ユニット26の代わりに、回転駆動しない蛍光体ユニット(静止蛍光体ユニット)を有する点で、第5実施形態に係る光源装置204と相違する。以下、第8実施形態に係る光源装置207の構成について、第5実施形態に係る光源装置204との相違点を中心に説明する。
【0164】
図25は、第8実施形態に係る光源装置207を示す概略構成図である。図25Aにおいては、光源装置207における青色レーザ光の光路を示しており、図25Bにおいては、光源装置207における蛍光光の光路を示している。なお、図25において、図20及び図23と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。また、図24Bにおいては、説明の便宜上、蛍光光の光路の一部を省略している。
【0165】
図25Aに示すように、光源装置206においては、回転駆動される蛍光体ユニット26の代わりに、回転駆動しない蛍光体ユニット(静止蛍光体ユニット)261を有する点で、第5実施形態に係る光源装置204と相違する。静止蛍光体ユニット261の構成については、図20に示す第4実施形態に係る光源装置203を参照されたい。
【0166】
このような構成を有する光源装置207における青色光光路について、図25Aを参照して説明する。図25Aに示すように、光源装置207において、レーザ光源21から静止蛍光体ユニット261に導かれるまでの青色光光路は、第6実施形態の光源装置205と同一である。また、静止蛍光体ユニット261からライトトンネル29に入射するまでの青色光光路は、第6実施形態に係る光源装置205と同一である。このため、その詳細な説明を省略する。
【0167】
次に、本実施の形態に係る光源装置207における蛍光光路について、図24Bを参照して説明する。光源装置207において、レーザ光源21から静止蛍光体ユニット261に導かれるまでの蛍光光路は、第6実施形態の光源装置205と同一である。また、静止蛍光体ユニット261からライトトンネル29に入射するまでの蛍光光路は、第6実施形態に係る光源装置205と同一である。このため、その詳細な説明を省略する。
【0168】
第8実施形態に係る光源装置207においては、レーザ光源21から出射される青色光の光路を、静止蛍光体ユニット261の反射前と反射後とで異ならせていることから、第1実施形態に係る光源装置20と同様に、信頼性に優れると共に、小型化及び低コスト化を図ることができる。特に、光源装置207では、静止蛍光体ユニット261により、青色光と蛍光光とが同時に出射されることから、蛍光体ユニットを回転駆動する必要がなく、装置の製造コストを低減することができる。また、回転駆動用のモータを省略することができるので、静音化を図ると共に、モータの寿命に起因する信頼性の低下を防止することができる。
【0169】
(第9実施形態)
図26A図26Bは、第9実施形態に係る光源装置100を示す概略構成図である。図26Aの光源装置100の基本構成は、図5Aの構成と同様である。図26Bは、図26Aの上下方向に対応する軸方向から見た平面図である。
【0170】
第9実施形態に係る光源装置100は、後述する直線L0、L1を含む面(直線L0と直線L1とを含む平面PL1)に対してロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEが平行である場合の形態である。本発明は、前述の如く「光学部材に入射する励起光の光路と光学部材で反射して集光素子に向かう励起光の光路(光学部材の前後の光路)を含む平面と、集光素子と波長変換ユニットの間の励起光の光路(波長変換ユニット前後の光路)を含む平面が平行とならないようにした」ことを特徴の1つとしている。この点、図5においては、直線L1と直線L2とを含む面が「紙面を含む面内にある」とした。即ち、「直線L1の延長線に直線L2が交わる」とした。これに対し、第9実施形態では、直線L1の延長線と直線L2が交わらない構成となっている。
【0171】
図26A図26Bにおける各符号について、以下の通り、説明する。
L0は、光源101から発する光線束の略中心部を起点として点Pに至る光路(直線)である。
L1は、集光レンズ105に入射する励起光が投影する、集光レンズ105の入射面105a上の投影像中心と、反射面102a上の点Pとを結ぶ光路(直線)である。
L12は、集光レンズ105の入射面105a上の投影像を形成する光線束の略中心点を通過する光線が集光レンズ105の出射面105bから出て反射点Rに向かう光路(直線)である。
Qは、蛍光体ユニット103から出射する励起光の光束である。
Q1は、反射点Rで反射し、集光レンズ105に向かう光路である。
Q2は、集光レンズ106で屈折されて、ロッドインテグレータ104に入射する点Tに向かう光路である。
光路Q1、Q2は、光束の中心光線を代表とする光路であり、これらを光線Q1、Q2とも称する。また、光束Qについてもその中心光線を代表光線として、この代表光線を表すものとして光線Qとも称する。また、Q、Q1、Q2を、光線Q、Q1、Q2を含む光束としてとらえて、光束Q、光束Q1、光束Q2ともいう。
Uは、光線L1と光線L12の仮想交点である。
Vは、光線Q1と光線Qの仮想交点である。
Wは、光線Qと光線Q2との仮想交点である。
【0172】
また、3次元的な位置関係を明確にするために、反射面102aへ入射する方向をZ軸として、右手系のXYZ座標軸を図の如く定めた。すなわち、図26Aは、YZ平面をX軸の-の側から見た図であり、図26Bは、図26Aの状態をロッドインテグレータ104の側から見た図、即ち、ZX平面をY軸の+の側から見た図である。
【0173】
図26A図26Bに示すように、光源101から発する光線は、直接あるいは折り返されて(図では直接)ダイクロイックミラー102へ向かうが、ダイクロイックミラー102へ入射する光線が直線L0に沿って進む。直線L0そのものを光線ととらえてもよい。光源101から発する光は「一定の幅をもって、あるいは、離散的にすすむ光線の束」として扱うものとし、この「光線の束の略中心の光路」を直線L0とする。光源は、単一、あるいは、ある面に対してアレイ状に配列した複数の発光部から成り立ち、単一ならその中心、複数なら複数配列された発光部の略中心として、その中心の光路が直線L0となる。直線L0が発光部、あるいは発光部群の中心であることを限定するものではなく、あくまでも光線の束の略中心の光路とする。直線L0に沿って進む光線は、点Pで反射して集光レンズ105に入射し、集光レンズ105の屈折作用で点Rに進む。この時、蛍光体ユニット103上の点Rは、反射領域となっており、点Rで正反射し、正反射した光線Q1は再び集光レンズ105に向かう。光束Q1は集光レンズの屈折作用で屈折し光束Qとなる。光束Qは集光レンズ106の集光作用により屈折し、光束Q2となって点Tへと向かう。
【0174】
本来は、集光レンズ105を通過する光線は、レンズの境界で屈折して集光点Rに向かうのであるが、図においては、レンズ内部の点Uで屈折しているように描いている。これは、本発明の特徴を正しく伝えるために説明を簡単にするためであり、実際はレンズ界面(例えば図3における入射面105aや出射面105b)を通過する際に屈折している。点Rで反射した光線Q1が屈折して光線Qとなる屈曲点Vも同様であり、光線Qが集光レンズ106の屈折作用で光線Q2となる屈曲点Wも同じである。
【0175】
第9実施形態の光源装置100は、図26Bに示すように、直線L0と直線L1とを含む平面PL1と、直線L2と光束(光線)Q1とを含む平面PL2が「平行な関係でない(互いに非平行である)」ことを特徴としている。さらに、「直線L1上に沿って直進する光線を含む直線(直線L1の延長)が集光レンズ105による屈折力により、直線L2(点Rの垂線)と交わらない構成」となっている。そして、第9実施形態の光源装置100では、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEが、直線L0と直線L1とを含む平面PL1に平行になっている。
【0176】
(第10実施形態)
図27は、第10実施形態に係る光源装置100を示す概略構成図である。図27の第10実施形態に係る光源装置100は、図26A図26Bの第9実施形態に係る光源装置100の変形例である。図27の第10実施形態に係る光源装置100では、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEが、直線L0と直線L1とを含む平面PL1に対して時計回りに若干回転している点が、図26A図26Bの第9実施形態に係る光源装置100と異なっており、その他の点は、図26A図26Bの第9実施形態に係る光源装置100と同様である。
【0177】
(第11実施形態)
図28は、第11実施形態に係る光源装置100を示す概略構成図である。図28の第11実施形態に係る光源装置100は、図26A図26Bの第9実施形態に係る光源装置100の変形例である。図28の第11実施形態に係る光源装置100では、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEが、直線L0と直線L1とを含む平面PL1に対して反時計回りに若干回転している点が、図26A図26Bの第9実施形態に係る光源装置100と異なっており、その他の点は、図26A図26Bの第9実施形態に係る光源装置100と同様である。
【0178】
第10実施形態、第11実施形態のいずれの場合も、図27図28から明らかなように、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEが、直線L0と直線L1とを含む平面PL1に対して「平行に近い」ので、ロッドインテグレータ104への入射光の大部分が、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEに入射する。また、第9実施形態~第11実施形態の光源装置100は、蛍光体ユニット103の回転中心軸を定めたとき、この回転中心軸と光線L0が交わらない位置関係となるように、光源ユニットと蛍光体ユニットが配置されていることが特徴的ともいえる。
【0179】
ここで、光源101から発する光は一定の幅、あるいは、離散的にすすむ光線の束として扱つとしたが、あくまでも、それらの光線の束の略中心の光路を直線L0としている。光線の束は、一定の幅(太さ)を有しているので、中心から外れた端部は、回転中心軸と交わることもありうる。本発明の主旨は、光源101から発する光は一定の幅で、あるいは、離散的にすすむ光線の束の略中心の光線(光路)に沿う光路(直線)をL0、L1などとしている。
【0180】
なお、図26図26B)、図27図28では、蛍光体ユニット103の回転中心軸と光線L0が交わらない様子を誇張して描いている。
【0181】
以上の構成により、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEに対応する内側面に当たるように励起光等を入射させることができるので、ロッドインテグレータ104の内部における励起光等の反射回数の増加に伴って励起光等を均一化でき、励起光等における色むらの発生を抑制することができる。
【0182】
また、第10実施形態、第11実施形態では、点Rと、第1の色光が投影するロッドインテグレータ104の入射開口部104a上の投影像中心とを結ぶ直線を直線L2とした場合に、直線L1と直線L2とを含む面と、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの短辺SE方向(所定軸線方向)とが平行な関係とならないようにしている。つまり、ロッドインテグレータ104を、直線L2を軸として回転させている。このような構成により、ロッドインテグレータ104の内部反射面での反射回数をより増やすことが可能となり、均一化に大きな効果が得られる。
【0183】
特に、図27の第10実施形態では、ロッドインテグレータ104へ到達する励起光は、ロッドインテグレータ104の長辺LE側に位置する内部反射領域に多くの光線が当たりやすくなる。つまり、励起光線の光束幅が大きくなると、図28の第11実施形態よりも、図27の第10実施形態の方が「長辺LE側に位置する内部反射領域が広くなる」ことがわかる。したがって、ある条件下では、図28の第11実施形態よりも、図27の第10実施形態の方が好ましい。
【0184】
一方、平面PL1と平面PL2が平行となるようなレイアウトにした場合、ロッドインテグレータの短辺SE側から光が入射することになり、均一化がしにくくなる。従って、平面PL1と平面PL2を、平行でなく、望ましくは45度より大きく135度より小さく、即ち「略90度となる位置関係(直交位置を基準とする所定の角度範囲内)」に配置することで、平面PL1と「ロッドインテグレータ104の長辺LE方向」が揃っている場合など、ロッドインテグレータ104の配置を変えることなく、励起光線の入射方向を「略90度」偏向させ、ロッドインテグレータ104の長辺LE側に位置する内部反射領域に多くの光線を導くことができる。したがって、均一化に効果がある。また、平面PL1と平面PL2との成す角度が僅かであっても角度をつける(すなわち平行でなくする)ことによって、角度をなす方向に光路を折り曲げることができるので、装置の小型化の効果がある。
【0185】
また、より装置の容積を小さくするためには、平面PL1と平面PL2の成す角度を適切に設定すればより大きな効果を得ることができるが、その角度について、平面PL1と平面PL2との成す角度を上記の如く「略90度(少なくとも、45度より大きく135度より小さい範囲、直交位置を基準とする所定の角度範囲)」とすることで、より立方的に光路を折り曲げることができ、光学系をコンパクトにすることができる。
【0186】
(第12実施形態)
図29A図29Cは、第12実施形態に係る光源装置100を示す概略構成図である。第12実施形態に係る光源装置100は、例えば、第5実施形態~第8実施形態のような光学配置を持つ場合において、第9実施形態と同様の効果を持たせるための特徴的な構成を具備している。このため、第12実施形態に係る光源装置100の光路の特徴のみ説明して、詳細な効果は第9実施形態の説明と共通しているので、適宜省略して説明する。
【0187】
図29A図29Cにおける各符号について、以下の通り、説明する。直線や光線の定義(図26A図26Bと共通する説明)については省略する。
L00は、光源101から発する光線束のほぼ中心部を起点とし、集光レンズ105に入射する励起光が投影する集光レンズ105の入射面の投影像中心を結ぶ光路(直線)である。
L01は、光源101から出た励起光の集光レンズ105の射出面の投影像中心と、励起光の蛍光体ユニット103の投影像中心点R’とを結ぶ光路(直線)である。
L02は、点R’と、蛍光体ユニット103で反射した励起光の集光レンズ105の入射面の投影像中心とを結ぶ光路(直線)である。
L03は、蛍光体ユニット103で反射した励起光の集光レンズ105の出射面の投影像中心と、励起光の光学部材102の投影像中心点P’とを結ぶ光路(直線)である。
L04は、点P’と、励起光の屈折素子106の入射面の投影像中心とを結ぶ光路(直線)である。
L05は、励起光の屈折素子106の出射面106bの投影像中心と、励起光のロッドインテグレータの入射面104aの投影像中心点T’とを結ぶ光路(直線)である。
U′は、直線L00と直線L01の仮想交点である。
V’は、直線L02と直線L03の仮想交点である。
W’は、直線L04と直線L05との仮想交点である。
【0188】
直線L00に沿って進む光線は、集光レンズ105の屈折作用で点R’に進む。このとき、蛍光体ユニット103上の点R’は反射領域となっており、点R’で正反射する。正反射した励起光は再び集光レンズ105の屈折作用で屈折し、光学部材102上の点P’に向かう。光学部材102で反射した励起光は屈折素子106の屈折作用で点T’へと向かう。
【0189】
また、3次元的な位置関係を明確にするために、光源の射出方向をZ軸として、右手系のXYZ座標軸を図の如く定めた。図29Aは、YZ平面をX軸の-の側から見た図であり、図29Bは、図29Aの状態を光源101の側から見た図、即ち、YX平面をZ軸の-の側から見た図である。また、図29Cは、ロッドインテグレ―タ104と反対側から見た図、すなわち図29Aの状態のXZ平面をY軸の-側から見た図である。
【0190】
本実施形態の光源装置は、図29Bに示す直線L01と直線L02とを含む平面1と、直線L03(図29B中では紙面に垂直な直線)と直線L04とを含む平面2が「平行な関係でない(互いに非平行である)」ことを特徴としている。そして、図29Cに示すように、ロッドインテグレータ104の入射開口部104aの長辺LEが、平面2と平行になっている。
【0191】
このような構成により、ロッドインテグレ―タ104の入射開口部104aの長辺LEに対応する内側面に当たるように励起光等を入射させることができるので、ロッドインテグレ―タ104の内部における励起光等の反射回数の増加に伴って励起光を均一化でき、励起光などにおける色むらの発生を抑制することができる。また、第9実施形態に対する変形例の第10実施形態、第11実施形態と同様に、第12実施形態においても、ロッドインテグレ―タ104を回転させる(入射開口部104aの長辺LEを平面2に対して時計方向あるいは反時計方向に若干量だけ回転させて平行配置から少しずらす)ことによりさらに効果を高めることが可能である。
【0192】
本実施形態では、図29Cに示すように、ロッドインテグレ―タ104の入射開口部104aの長辺LEが平面2に略平行になる場合について説明した。一方で、第1実施形態~第5実施形態で説明してきたような、ロッドインテグレ―タ104の入射開口部104aの長辺LEが平面2に略垂直(例えば図29Aにおいてロッドインテグレ―タ104の入射開口部104aの長辺LEが紙面と略垂直となっている)になる場合は、第12実施形態のように3次元的に光路を折り曲げることなく(平面1と平面2をほぼ平行とする)ことで、ロッドインテグレ―タ104の入射開口部104aの長辺LEに対応する内側面に当たるように励起光を入射させることができる。つまり、ロッドインテグレ―タ104の入射開口部104aの長辺LEに対応する内側面に当たるように励起光を入射させることを踏まえて、光路の折り返し方等を決定することが本実施形態の特徴である。
【0193】
なお、上述した各実施形態では、本発明の好適な実施具体例を示したが、本発明はその内容に限定されることはない。特に、各実施形態で例示した各部の具体的形状および数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。このように、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0194】
1 :プロジェクタ装置
10 :筐体
20 :光源装置
21 :レーザ光源
21A :レーザーダイオード
22 :カップリングレンズ
23 :第1の光学系
23a :大口径レンズ
23b :負レンズ
24 :ダイクロイックミラー
24A :領域(第1の領域)
24B :領域(第1の領域)
25 :第2の光学系
25A、25B:正レンズ
26 :蛍光体ユニット
27 :屈折光学系
28 :カラーホイール
29 :ライトトンネル
29A :入射開口部
30 :照明光学系
40 :画像形成素子
50 :投射光学系
60 :冷却装置
100 :光源装置
101 :光源
101a :発光面
102 :ダイクロイックミラー
102a :反射面
103 :蛍光体ユニット
103a :出射面
103b :入射面
104 :ロッドインテグレータ
104a :入射開口部
104b :出射開口部
105 :集光レンズ
105a :入射面
105b :出射面
106 :屈折レンズ
201、202、203、204、205、206、207:光源装置
211 :レーザ光源
221 :カップリングレンズ
222 :1/2波長板
223 :偏光分離素子
241、243 :ダイクロイックミラー
241A :領域
242 :ミラー
261 :蛍光体ユニット(静止蛍光体ユニット)
261a :反射部材
261b :蛍光体
図1
図2
図3
図4
図5
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