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特許7543842通信装置、画像形成装置、及び通信装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】通信装置、画像形成装置、及び通信装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240827BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20240827BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06F13/38 350
B41J29/38 401
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020178806
(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公開番号】P2022069881
(43)【公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】金子 智彦
(72)【発明者】
【氏名】原 徹也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 光男
(72)【発明者】
【氏名】添田 良久
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-527742(JP,A)
【文献】特開2012-004796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 13/38
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
USB通信装置との間でUSB通信を行うUSB通信回路部と、
エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生して前記USB通信回路部に出力するとともに、前記USB通信回路部からUSB入力信号を受信する信号駆動部と、
前記エンファシスレベルに応じて前記信号駆動部によるUSB通信を制御するCPUと、
前記エンファシスレベルを前記CPUに設定するように制御する設定制御部と、を備える通信装置であって、
前記USB通信中に前記USB出力信号が前記エンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する異常判断部と、
前記CPUの内部温度を検出する温度検出部と、
前記CPUの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブルを記憶するメモリ部と、を備え、
前記設定制御部は、前記異常判断部により異常が発生したと判断された場合に、前記温度検出部により検出された前記CPUの内部温度に基づいて、前記設定テーブルから読み出した前記最適なエンファシスレベルを前記CPUに設定するように制御することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記CPUの内部温度に対応した最適値が前記設定テーブルに記憶されているか否かを判断する最適値判断部を備え、
前記設定制御部は、前記最適値判断部により前記CPUの内部温度に対応した最適値が前記設定テーブルに記憶されていないと判断された場合に、過去に検出した前記CPUの内部温度に対応したエンファシスレベルを、前記設定テーブルに書き換えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記最適値判断部は、前記CPUの内部温度とエンファシスレベルの設定値に関連付けたリカバリ処理回数を前記メモリ部に記憶させることを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項4】
前記設定制御部は、前記リカバリ処理回数が増加傾向にあるか否かを判断して、前記リカバリ処理回数が増加傾向にある場合に、異常通知を発行するように制御することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記CPUと前記設定制御部とが一体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の通信装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
USB通信装置との間でUSB通信を行うUSB通信回路部と、
エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生して前記USB通信回路部に出力するとともに、前記USB通信回路部からUSB入力信号を受信する信号駆動部と、
前記エンファシスレベルに応じて前記信号駆動部によるUSB通信を制御するCPUと、を備え、
前記エンファシスレベルを前記CPUに設定するように制御する設定制御ステップを実行する通信装置の制御方法であって、
前記USB通信中に前記USB出力信号が前記エンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する異常判断ステップと、
前記CPUの内部温度を検出する温度検出ステップと、
前記CPUの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブルをメモリ部に記憶する記憶ステップと、を実行し、
前記設定制御ステップは、前記異常判断ステップにより異常が発生したと判断された場合に、前記温度検出ステップにより検出された前記CPUの内部温度に基づいて、前記設定テーブルから読み出した前記最適なエンファシスレベルを前記CPUに設定するように制御することを特徴とする通信装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、画像形成装置、及び通信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信装置にあっては、USB通信を行う際に送信されるUSB出力信号に係わるエンファシスレベルをCPUに設定して通信を維持するようにしていた。
特許文献1には、通信エラーとして例えばUSB信号の通信切断が発生した場合に、自動的にエンファシスレベル(信号レベル)を切り替えて、通信が成功するレベルに切り替える設定を行うリカバリ処理を実施することで、復旧までの手間と時間を極力少なくするという技術が知られている。
しかし、特許文献1にあっては、温度変化には対応しておらず、過去にリカバリ処理で復旧したとしても、温度変化でエラーが発生した場合は再度リカバリ処理が行われてしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一実施形態は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、環境温度の変化に起因して通信エラーが発生した場合でも、CPUの内部温度に応じた最適なエンファシスレベルをCPUに設定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、USB通信装置との間でUSB通信を行うUSB通信回路部と、エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生して前記USB通信回路部に出力するとともに、前記USB通信回路部からUSB入力信号を受信する信号駆動部と、前記エンファシスレベルに応じて前記信号駆動部によるUSB通信を制御するCPUと、前記エンファシスレベルを前記CPUに設定するように制御する設定制御部と、を備える通信装置であって、前記USB通信中に前記USB出力信号が前記エンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する異常判断部と、前記CPUの内部温度を検出する温度検出部と、前記CPUの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブルを記憶するメモリ部と、を備え、前記設定制御部は、前記異常判断部により異常が発生したと判断された場合に、前記温度検出部により検出された前記CPUの内部温度に基づいて、前記設定テーブルから読み出した前記最適なエンファシスレベルを前記CPUに設定するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、環境温度の変化に起因して通信エラーが発生した場合でも、CPUの内部温度に応じた最適なエンファシスレベルをCPUに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に備えられた通信装置のハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す1回目の処理フローチャートである。
図4】本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す2回目以降の処理フローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係わる通信装置に備えられたCPU16aの内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例1を示す図表(その1)である。
図6】本発明の実施形態に係わる通信装置に備えられたCPU16aの内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例2を示す図表(その2)である。
図7】(a)(b)は、本発明の実施形態に係わる通信装置に備えられたCPU16aの内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例3を示す図表(その3)である。
図8】従来技術に用いられる処理フローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す処理フローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、環境温度の変化に起因して通信エラーが発生した場合でも、CPUの内部温度に応じた最適なエンファシスレベルをCPUに設定するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の通信装置は、USB通信装置との間でUSB通信を行うUSB通信回路部と、エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生してUSB通信回路部に出力するとともに、USB通信回路部からUSB入力信号を受信する信号駆動部と、エンファシスレベルに応じて信号駆動部によるUSB通信を制御するCPUと、エンファシスレベルをCPUに設定するように制御する設定制御部と、を備える通信装置であって、USB通信中にUSB出力信号がエンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する異常判断部と、CPUの内部温度を検出する温度検出部と、CPUの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブルを記憶するメモリ部と、を備え、設定制御部は、異常判断部により異常が発生したと判断された場合に、温度検出部により検出されたCPUの内部温度に基づいて、設定テーブルから読み出した最適なエンファシスレベルをCPUに設定するように制御することを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、環境温度の変化に起因して通信エラーが発生した場合でも、CPUの内部温度に応じた最適なエンファシスレベルをCPUに設定することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0008】
<ハードウェア構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成図である。
<本体のハードウェア構成>
まず、本体10のハードウェア構成について説明する。
図1に示すように、本体10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ部14、ネットワークI/F(Interface)15、通信装置16、エンジン部17、移動体センサ18、及びシステムバス19等を有する。
【0009】
CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12又はストレージ部14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御する。例えば、CPU11は、エンジン部17を用いて、前述したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
【0010】
ROM12は、例えば、本体10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)や、各種の設定等を記憶する不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ部14は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等で構成される。
【0011】
ネットワークI/F15は、本体10をネットワークN接続し、ネットワークNに接続された外部装置との通信を行うための、例えば、無線LAN、有線LAN等のネットワークインタフェースである。
通信装置16は、USBケーブル30を介して、本体10と操作部20との間で通信するための通信インタフェースである。通信装置16は、USBポートP1~P3を介してUSB通信を行い、内部に備えたCPU16aにより制御される。
【0012】
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、及びプリンタ機能等の機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン部17には、例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部等が含まれる。さらに、エンジン部17には、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションが含まれていても良い。
【0013】
移動体センサ18は、画像形成装置1の周囲の検知範囲内にある人体等の移動体を検知するセンサであり、例えば焦電センサ等が用いられる。なお、本実施形態では、画像形成装置1は移動体センサ18を有していなくても良い。
【0014】
システムバス19は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0015】
<操作部のハードウェア構成>
次に、操作部20のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、操作部20は、CPU21、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、ネットワークI/F25、操作パネル26、通信装置27、外部接続I/F28、RFタグリーダ103、カメラ104、及びシステムバス29等を有する。
【0016】
CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22又はフラッシュメモリ24等に格納されたプログラムを実行することで、操作部20全体の動作を制御する。
【0017】
ROM22は、例えば、操作部20の起動時に実行されるBIOSや、各種の設定等を記憶する不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュメモリ24は、例えば、OS、アプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。
【0018】
ネットワークI/F25は、操作部20をネットワークNに接続し、ネットワークNに接続された外部装置との通信を行うため、例えば、無線LAN、有線LAN等のネットワークインタフェースである。
【0019】
操作パネル26は、利用者の操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報を表示する。操作パネル26は、例えば、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD: Liquid Crystal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。
操作パネル26は、例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro Luminescence)表示装置で構成されていても良い。さらに、操作パネル26は、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部や、ランプ等の表示部を設けることもできる。
【0020】
通信装置27は、USBケーブル30を介して、操作部20と本体10との間で通信するためのインタフェースであり、例えば、USB通信装置である。
外部接続I/F28は、外部装置を接続するための、例えばUSB等のインタフェースである。
システムバス29は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0021】
<本体の通信装置>
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置に備えられた通信装置のハードウェア構成図である。
通信装置16は、CPU16a、USB通信回路部40、信号駆動部42、設定制御部44、異常判断部48、温度検出部46、最適値判断部56を備えている。
USB通信回路部40は、操作部20に設けられた通信装置27とUSBケーブル30を介して接続するポートP1を備え、電子機器内のUSB通信を行う。さらに、USB通信回路部は、例えばUSB通信装置32と接続するポートP2、例えばUSBホスト36と接続するポートP3を備えている。
USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
【0022】
CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。CPU16aには、CPUコアの温度を検出するDTS(Digital Thermal Sensorが設けられている。
信号駆動部42は、エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生してUSB通信回路部40に出力するとともに、USB通信回路部40からUSB入力信号を受信する。
設定制御部44は、USB接続時のエンファシスレベルをCPU16a内部のUSB制御レジスタに設定する。設定制御部44は、通信異常時にエンファシスレベルを複数の段階のうちの一つに切り替える。
【0023】
異常判断部48は、USB通信中にUSB出力信号がエンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する。異常判断部48は、通信レベルがエンファシスレベルの範囲内から外れた異常となった場合に、通信エラーとして判断する
温度検出部46は、CPU16aの内部に備えられたDTSから内部温度を検出する。
通信装置16には、メモリ部50が接続されており、メモリ部50の内部にはエンファシスレベルの設定値52、設定テーブル53、リカバリ処理回数54が保存されている。メモリ部50は、CPU16aの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブル53に記憶する機能を備える。
【0024】
設定制御部44は、異常判断部48により異常が発生したと判断された場合に、温度検出部46により検出されたCPU16aの内部温度に基づいて、設定テーブル53から読み出した最適なエンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御する。
【0025】
最適値判断部56は、CPU16aの内部温度に対応した最適値が設定テーブル53に記憶されているか否かを判断する。
設定制御部44は、最適値判断部56によりCPU16aの内部温度に対応した最適値が設定テーブル53に記憶されていないと判断された場合に、過去に検出したCPU16aの内部温度に対応したエンファシスレベルを、設定テーブル53に書き換えるように制御する。
最適値判断部56は、CPU16aの内部温度とエンファシスレベルの設定値に関連付けたリカバリ処理回数54をメモリ部50に記憶させる。
【0026】
設定制御部44は、リカバリ処理回数が増加傾向にあるか否かを判断して、リカバリ処理回数が増加傾向にある場合に、異常通知を発行するように制御する
なお、通信装置16は、CPU16aと設定制御部とが一体であってもよい。
【0027】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0028】
<1回目の処理>
図3は、本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す1回目の処理フローチャートである。
ステップS5では、設定制御部44は、初回、電源起動時にはまず初期値として、予めCPU16aの内部に設定された値を読み出す。すなわち、設定制御部44は、CPU16aが内部のUSB制御レジスタに設定されているエンファシスレベル値をメモリ部50へ読み出す。
ステップS10では、設定制御部44は、ステップS5で読み出した値をエンファシスレベルの設定値としてCPU16aに設定する。
この際、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
【0029】
ステップS15では、温度検出部46がCPU16aの内部温度を検出する。
ステップS20では、異常判断部48が、通信エラーが発生したか否かを判断する。通信エラーが発生していない場合(S20:No)に、ステップS30に進む。
ステップS25では、設定制御部44は、通信エラーが発生した場合(S20:YES)に、通信可能なエンファシスレベルをCPU16aの内部のUSB制御レジスタに保存している7段階のエンファシスレベルを用いて、順次にエンファシスレベルを用いて通信テストを行い、通信エラーが発生しないエンファシスレベルを設定するように調整を行う。
ステップS30では、設定制御部44は、通信可能なエンファシスレベルの設定値と、その時のCPU16aの内部温度とを関連付けしてメモリ部50に記憶させる。
【0030】
ステップS35では、設定制御部44は、通信可能なエンファシスレベルをCPU16aのUSB制御レジスタに設定する。
ステップS35による設定処理の後、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
【0031】
<2回目以降の処理>
図4は、本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す2回目以降の処理フローチャートである。
ステップS105では、設定制御部44は、メモリ部50に記憶しているエンファシスレベルの設定値を読み出し、CPU16aの内部のUSB制御レジスタに設定する。
ステップS105による設定処理の後、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
ステップS110では、温度検出部46がCPU16aの内部温度を検出する。
ステップS115では、最適値判断部56は、検出したCPU16aの内部温度に対応した最適値がメモリ部50にある設定テーブル53内にあるか否かを判断する。
【0032】
ステップS120では、最適値判断部56は、CPU16aの内部温度に対応した最適値がメモリ部50にある設定テーブル53内にない場合(S115:NO)に、検出したCPU16aの内部温度に対応して当該温度の前後の値が設定テーブル53にあるか否かを判断する。
ステップS125では、設定制御部44は、検出したCPU16aの内部温度に対応して当該温度の前後の値が設定テーブル53にある場合(S120:YES)に、前後の設定テーブル53から通信可能な推測値を設定する。
【0033】
一方、ステップS130では、設定制御部44は、検出したCPU16aの内部温度に対応して当該温度の前後の値が設定テーブル53にない場合(S120:NO)に、予めCPU16aの内部のUSB制御レジスタに設定された初期値を読み出してCPU16aに設定する。
他方、ステップS135では、設定制御部44は、CPU16aの内部温度に対応した最適値がメモリ部50の設定テーブル53内にある場合(S115:YES)に、既にメモリ部50に記憶している設定テーブル53から該当する温度に対応した設定値を読み出して、CPU16aの内部のUSB制御レジスタに設定する。
ステップS125、S130、S135による何れか1つの設定処理の後、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
【0034】
ステップS140では、異常判断部48が、通信エラーが発生したか否かを判断する。
ステップS145では、設定制御部44は、通信エラーが発生した場合(S140:YES)に、通信可能なエンファシスレベルを7段階のうちの1つに設定して調整を行う。すなわち、設定制御部44は、通信可能なエンファシスレベルをCPU16aの内部のUSB制御レジスタに保存している7段階のエンファシスレベルを用いて、順次にエンファシスレベルを用いて通信テストを行い、通信エラーが発生しないエンファシスレベルを設定するように調整を行う。
ステップS150では、最適値判断部56は、CPU16aの内部温度に対応した最適値がメモリ部50の設定テーブル53にあるか否か判断する。
ステップS155では、設定制御部44は、CPU16aの内部温度に対応した最適値がある場合(S150:YES)に、検出温度に対応した設定値にメモリ部50の設定テーブル53の書き換えを行う。
【0035】
ステップS160では、最適値判断部56は、CPU16aの内部温度に対応した最適値がない場合(S150:NO)に、通信可能なエンファシスレベルの設定値と、その時のCPU16aの内部温度をメモリ部50に記憶させる。
ステップS165では、設定制御部44は、エンファシスレベルのCPU16aの内部のUSB制御レジスタに設定を行う。
ステップS170では、最適値判断部56は、通信エラーが発生し、通信可能なエンファシスレベルの調整を行ったリカバリ処理回数をメモリ部50に記憶させる。
【0036】
ステップS175では、最適値判断部56は、同一温度設定でもリカバリ処理回数が増加しているか否かを判断する。
ステップS180では、設定制御部44は、同一温度設定でもリカバリ処理回数が増加している場合(S175:YES)に、サービスマンに異常通知を行う。一例として、設定制御部44は、CPU16aがネットワーク経由でサービスマンがアクセス可能なメールアドレスに、同一温度設定での処理回数が増加している旨の電子メールを送信して、異常を通知する、ユーザに対してエラー表示を行う前に、サービスマンが部品交換などの準備を行うことで、ユーザ側でのダウンタイムを低減することができる。
【0037】
<内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例1>
図5は、本発明の実施形態に係わる通信装置に備えられたCPUの内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例1を示す図表(その1)である。
なお、図5に示すA~Gは、内部に持っている7段階のエンファシスレベルを表すこととする。
一例として、温度検出部46が検出したCPU16aの内部温度が35℃~39℃だった場合に、温度の下限/上限はなく、CPU16aの内部温度に対して初期値またはリ力バリ処理を行うことについて説明する。
(1)温度の下限はないので、検出されたCPU16aの内部温度に対して、通信エラーが発生していない場合は、エンファシスレベルの初期値「D」を設定することになり、カウンタは「0」となる。なお、通信エラーが発生した場合は通信テスト、設定を行い、カウンタが「1」となる。
【0038】
(2)通信テストの結果、エンファシスレベルが「A」及び「B」で通信可となり、初期値に近い「B」が35℃に対応する設定値となり、通信エラーが1回発生した場合、カウンタは「1」となる。
(3)通信テストの結果、エンファシスレベルが「B」、「C」及び「D」で通信可となり、中央値が決められるため、「C」が36℃に対応する設定値となり、通信エラーが1回発生した場合、カウンタは「1」となる。
(4)通信テストの結果、エンファシスレベルが「C」、及び「D」で通信可となり、初期値と同じDが37℃に対応する設定値となり、通信エラーが1回発生した場合、カウンタは「1」となる。
【0039】
(5)通信テストの結果、エンファシスレベルが「D」、「E」、「F」、及び「G」で通信可となり、初期値に近い「E」が38℃に対応する設定値となり、通信エラーが1回発生した場合、カウンタは「1」となる。
その後、同じ設定でもリカバリ処理が4回発生したため、カウンタは「5」となる。この場合、温度に対応した最適値を設定してもリカバリ処理の増加傾向がみられるため、環境に依存した原因以外のハードウェア故障が考えられるため、通信装置16の交換が必要になる。
(6)通信テストの結果、エンファシスレベルが「F」及び「G」で通信可となり、初期値に近いFが39℃に対応する設定値となり、通信エラーが1回発生した場合、カウンタは「1」となる。
(7)上限はないので、検出温度に対して通信エラーが発生しない場合は初期値「D」の設定となり、カウンタは「0」となる。なお、通信エラーが発生した場合は、通信テスト、設定を行い、カウンタが「1」となる。
【0040】
<内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例2>
図6は、本発明の実施形態に係わる通信装置に備えられたCPUの内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例2を示す図表(その2)である。
一例として、温度検出部46が検出したCPU16aの内部温度が、35℃→38℃→42℃の順に変化した場合について説明する。なお、この間の設定テーブルは、まだ記憶されていないこととする。
CPU16aの内部温度として36℃を検出した場合は、前後の結果から推測を行い、設定を行う(設定例:C)。
前後の結果が無い場合は、通信エラーが発生するまでは初期値を使用する(設定例:D)。
それでも通信異常が発生した場合は、通信テストを行う。
35℃より下の内部温度に対しても設定を行うが、通信エラーが発生するまでは初期値を使用する。
なお、CPU16aの内部温度として36℃、37℃を検出した場合、または39~41℃を検出した場合、温度に対しての設定テーブル53が無いときには前後結果から推測して設定する。
【0041】
<内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例3>
図7(a)(b)は、本発明の実施形態に係わる通信装置に備えられたCPUの内部温度、通信テスト結果、設定テーブル、及びカウンタ値の関係例3を示す図表(その3)である。図7は、CPUの内部温度からの設定テーブル53が埋まっていない場合に、推測する例を示している。
図7(a)は、一推測例であり、前後の結果(設定テーブルが記憶されている状態)があり、推測を行う場合、例えば検出されたCPU16aの内部温度が36℃である場合は、前後の結果が「B」と「E」で、「C」~「D」が推測範囲となる。
推測範囲で中央値が決まらず「D」側を設定すると、38℃の結果からNGになる可能性もあるので、「C」側に設定を行う(設定例:C)。
図7(b)は、一推測例であり、前後の結果(設定テーブル53が記憶された状態)があり、推測を行う場合、例えば検出されたCPU16aの内部温度が40℃である場合は、前後の結果が「E」と「D」で、「D」~「E」が推測範囲となる。
推測範囲で中央値が決まらず「D」側を設定すると、38℃の結果からNGになる可能性もあるので、「E」側に設定を行う(設定例:E)。
【0042】
<従来技術>
図8は、従来技術に用いられる処理フローチャートである。
ステップS205では、通信エラーが発生したか否かを判断する。
ステップS210では、通信エラーが発生した場合(S205:YES)に、通信テスト(通信可能なエンファシスレベルの7段階調整)を行う。
ステップS215では、通信可能なエンファシスレベル情報をメモリ部に記憶させる。
ステップS220では、エンファシスレベルの設定を行う。
【0043】
<温度検出と再設定>
図9は、本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す処理フローチャートである。
図9を参照して、温度検出と再設定(常時行う処理)について説明する。
ステップS305では、設定制御部44は、まず、初期値として予め内部で設定された設定値を読み出して設定を行う。
ステップS310では、温度検出部46がCPU16aの内部温度を検出する。
ステップS315では、設定制御部44は、メモリ部50に記憶している設定テーブル53からCPU16aの内部温度に該当(対応)する設定値を読み出す。
【0044】
ステップS320では、設定制御部44は、ステップS315で読み出したエンファシスレベルをCPU16aに設定する。
ステップS320による設定処理の後、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
このように、ステップS310~S320での処理を繰り返すことで、CPU16aから検出した内部温度に対応した最適値を常にCPU16aに設定することで、通信エラーが発生しなくなるという効果がある。
【0045】
<通信エラー発生及び設定テーブル/最適値書換え>
図10は、本発明の実施形態に係わる画像形成装置に備えられた通信装置の動作を示す処理フローチャートである。
図10を参照して、通信エラー発生及び設定テーブル/最適値書換え(通信エラー発生時の処理)について説明する。
ステップS405では、温度検出部46がCPU16aの内部温度を検出する。
ステップS410では、設定制御部44は、メモリ部50に記憶している設定テーブル53からステップS405で検出したCPU16aの内部温度に該当(対応)する設定値を読み出す。
ステップS415では、設定制御部44は、ステップS410で読み出したエンファシスレベルをCPU16aに設定する。
【0046】
ステップS420では、USB通信を行う。すなわち、ステップS415による設定処理の後、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
【0047】
ステップS425では、異常判断部48が、通信エラーが発生したか否かを判断する。
ステップS430では、設定制御部44は、通信エラーが発生した場合(S425:YES)に、通信テスト(通信可能なエンファシスレベルの7段階調整)を行う。
ステップS435では、設定制御部44は、通信可能なエンファシスレベル/検出したCPU16aの内部温度をメモリ部50に記憶させる。
【0048】
ステップS440では、設定制御部44は、ステップS435でメモリ部50に記憶した設定情報を読み出して、エンファシスレベルをCPU16aに設定する。
ステップS440による設定処理の後、CPU16aは、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御する。USB通信回路部40は、信号駆動部42がエンファシスレベルに応じて発生したUSB出力信号を入力してポートP1に出力する。ポートP1から受信したUSB入力信号を信号駆動部42に出力する。
このように、CPU16aの内部温度に関連付けたエンファシスレベルの最適値をメモリ部50に記憶していくことで、通信テストのリカバリ処理が不要となるという効果がある。
【0049】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の通信装置16は、USB通信装置32との間でUSB通信を行うUSB通信回路部40と、エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生してUSB通信回路部40に出力するとともに、USB通信回路部40からUSB入力信号を受信する信号駆動部42と、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御するCPU16aと、エンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御する設定制御部44と、を備える通信装置であって、USB通信中にUSB出力信号がエンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する異常判断部48と、CPU16aの内部温度を検出する温度検出部46と、CPU16aの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブル53を記憶するメモリ部50と、を備え、設定制御部44は、異常判断部48により異常が発生したと判断された場合に、温度検出部46により検出されたCPU16aの内部温度に基づいて、設定テーブル53から読み出した最適なエンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、異常判断部48により異常が発生したと判断された場合に、温度検出部46により検出されたCPU16aの内部温度に基づいて、設定テーブル53から読み出した最適なエンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御することができる。
これにより、環境温度の変化に起因して通信エラーが発生した場合でも、CPU16aの内部温度に応じた最適なエンファシスレベルをCPU16aに設定することができる。この結果、リカバリ処理への移行を低減することができる。
【0050】
<第2態様>
本態様の通信装置16は、CPU16aの内部温度に対応した最適値が設定テーブル53に記憶されているか否かを判断する最適値判断部56を備え、設定制御部44は、最適値判断部56によりCPU16aの内部温度に対応した最適値が設定テーブル53に記憶されていないと判断された場合に、過去に検出したCPU16aの内部温度に対応したエンファシスレベルを、設定テーブル53に書き換えるように制御することを特徴とする。
本態様によれば、CPU16aの温度に対応した最適値が設定テーブル53に記憶されているか否かを判断し、設定テーブル53内を書き換えて更新していくことで、常に最適な情報を維持できるようになる。
【0051】
<第3態様>
本態様の最適値判断部56は、CPU16aの内部温度とエンファシスレベルの設定値に関連付けたリカバリ処理回数をメモリ部50に記憶させることを特徴とする。
本態様によれば、第2態様に加えて、CPU16aの温度に対応した設定値でリカバリ処理回数を記憶していくことで、設定テーブル53内で通信エラー発生の傾向が推測できるようになる。
【0052】
<第4態様>
本態様の設定制御部44は、リカバリ処理回数が増加傾向にあるか否かを判断して、リカバリ処理回数が増加傾向にある場合に、異常通知を発行するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、第3態様に加えて、通信エラーでのリカバリ処理回数の増加傾向を判断し、異常通知を行うことで、使用者よりも早く機器状態が把握でき、エラー表示前に部品交換などの対応を行うことができる。
【0053】
<第5態様>
本態様の通信装置16は、CPU16aと設定制御部とが一体であることを特徴とする。
本態様によれば、CPU16aと設定制御部とが一体であることで、通信装置16の構成を簡略化することができる。
【0054】
<第6態様>
本態様の画像形成装置1は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の通信装置16を備えることを特徴とする。
本態様によれば、通信装置16を備えた画像形成装置1となり、エラー発生を未然に抑制することで、リカバリ処理の削減ができ、使用者の手間と時間を削減することができる。
【0055】
<第7態様>
本態様の通信装置16は、USB通信装置32との間でUSB通信を行うUSB通信回路部40と、エンファシスレベルに応じてUSB出力信号を発生してUSB通信回路部40に出力するとともに、USB通信回路部40からUSB入力信号を受信する信号駆動部42と、エンファシスレベルに応じて信号駆動部42によるUSB通信を制御するCPU16aと、を備え、通信装置の制御方法は、エンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御する設定制御ステップを実行する通信装置の制御方法であって、USB通信中にUSB出力信号がエンファシスレベルの範囲内から外れる異常が発生したか否かを判断する異常判断ステップと、CPU16aの内部温度を検出する温度検出ステップと、CPU16aの内部温度と内部温度に応じて最適なエンファシスレベルとを関連付けした設定テーブル53をメモリ部に記憶する記憶ステップと、を実行し、設定制御ステップは、異常判断部により異常が発生したと判断された場合に、温度検出部により検出されたCPU16aの内部温度に基づいて、設定テーブル53から読み出した最適なエンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、異常判断ステップにより異常が発生したと判断された場合に、温度検出ステップにより検出されたCPU16aの内部温度に基づいて、設定テーブル53から読み出した最適なエンファシスレベルをCPU16aに設定するように制御することができる。
これにより、環境温度の変化に起因して通信エラーが発生した場合でも、CPUの内部温度に応じた最適なエンファシスレベルをCPUに設定することができる。この結果、リカバリ処理への移行を低減することができる。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ストレージ部、15…ネットワークI/F、16…通信装置、16a…CPU、17…エンジン部、18…移動体センサ、19…システムバス、20…操作部、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…フラッシュメモリ、25…ネットワークI/F、26…操作パネル、27…通信装置、28…外部接続I/F、29…システムバス、30…USBケーブル、32…USB通信装置、36…USBホスト、40…USB通信回路部、42…信号駆動部、44…設定制御部、46…温度検出部、48…異常判断部、50…メモリ部、52…設定値、53…設定テーブル、54…リカバリ処理回数、56…最適値判断部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【文献】特開2019-009778公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10