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特許7544070硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板、リチウムシリケートガラス板、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板、リチウムシリケートガラス板、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 17/22 20060101AFI20240827BHJP
   C03C 21/00 20060101ALI20240827BHJP
   C03C 3/083 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
C03C17/22 Z
C03C21/00 101
C03C3/083
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021573001
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2020046495
(87)【国際公開番号】W WO2021149396
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2020007091
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】倉田 智
(72)【発明者】
【氏名】三浦 丈宜
(72)【発明者】
【氏名】末原 道教
(72)【発明者】
【氏名】今北 健二
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-137562(JP,A)
【文献】国際公開第2015/194569(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/004481(WO,A1)
【文献】国際公開第2002/051767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムシリケートガラス板と、前記リチウムシリケートガラス板の主面に形成されたアルカリ金属イオンを含有する硫酸塩とを有する、硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板であって、
前記硫酸塩の融点は、リチウムシリケートガラスのガラス転移点(Tg)に比べて40℃以上高い、硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板。
【請求項2】
前記硫酸塩のアルカリ金属イオンは、LiイオンとNaイオンの総モル数(M1)に対するNaイオンのモル数(M2)の比(M2/M1)が0.1未満である、請求項1に記載の硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板。
【請求項3】
前記硫酸塩のアルカリ金属イオンは、アルカリ金属イオンの総モル数(M3)に対するKイオンのモル数(M4)の比(M4/M3)が0.018以下である、請求項1又は2に記載の硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板。
【請求項4】
前記硫酸塩の硫黄の量は、前記主面1m2あたり5.1×10-5モル以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板。
【請求項5】
前記ガラス転移点(Tg)は、510℃以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板。
【請求項6】
前記リチウムシリケートガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
SiOを50~75%、
Alを2~25%
LiOを5~20%
NaO+KOを0.5~15%
含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板。
【請求項7】
化学強化前のガラス板におけるLi濃度(単位:モル%)の深さ方向分布は、硫酸塩の形成される主面からの深さ0nm~100nmの領域におけるLi濃度の平均値が、前記主面からの深さ400nm~600nmの領域におけるLi濃度の平均値の88%以下である、リチウムシリケートガラス板。
【請求項8】
化学強化前のガラス板におけるLi濃度(単位:モル%)の深さ方向分布は、前記主面からの深さ0nm~100nmの領域におけるLi濃度の平均値が、前記主面からの深さ400nm~600nmの領域におけるLi濃度の平均値の86%以下である、請求項7に記載のリチウムシリケートガラス板。
【請求項9】
ガラス転移点(Tg)は、510℃以上である、請求項7又は8に記載のリチウムシリケートガラス板。
【請求項10】
酸化物基準のモル%表示で、
SiOを50~75%、
Alを2~25%
LiOを5~20%
NaO+KOを0.5~15%
含有する、請求項7~9のいずれか1項に記載のリチウムシリケートガラス板。
【請求項11】
溶融ガラスを板状に成形し、ガラスリボンを得て、前記ガラスリボンを複数の搬送ローラで搬送しながら徐冷する、リチウムシリケートガラス板の製造方法であって、
搬送中の前記ガラスリボンの前記搬送ローラと接触する主面に、酸化硫黄ガスを吹き付け、硫酸塩を形成し、
前記酸化硫黄ガスの吹き付け位置で、前記ガラスリボンの温度は、リチウムシリケートガラスのガラス転移点(Tg)を基準として-30℃以上40℃未満であり、
前記硫酸塩の融点は、前記ガラス転移点(Tg)に比べて40℃以上高い、リチウムシリケートガラス板の製造方法。
【請求項12】
前記ガラス転移点(Tg)は、510℃以上である、請求項11に記載のリチウムシリケートガラス板の製造方法。
【請求項13】
前記リチウムシリケートガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
SiOを50~75%、
Alを2~25%
LiOを5~20%
NaO+KOを0.5~15%
含有する、請求項11または12に記載のリチウムシリケートガラス板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板、リチウムシリケートガラス板、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス板の製造方法は、溶融ガラスを板状に成形し、ガラスリボンを得る成形工程と、ガラスリボンを複数の搬送ローラで搬送しながら徐冷する徐冷工程とを含む。徐冷工程は、搬送中のガラスリボンの搬送ローラと接触する主面に、亜硫酸(SO)ガスを吹き付け、硫酸塩の被膜を形成することを含む(例えば特許文献1参照)。
【0003】
硫酸塩の被膜は、ガラスリボンの主面に分散配置され、ガラスリボンと搬送ローラとの衝突を和らげ、ガラスリボンが傷付くのを抑制する。ガラスがソーダライムガラスである場合、硫酸塩として、主にNaを含むものが形成される。硫酸塩とは、硫酸イオン(SO 2-)を含む無機化合物である。
【0004】
ところで、化学強化用ガラスとして、リチウムシリケートガラスが注目されている。化学強化用ガラスを化学強化したものを化学強化ガラスと呼ぶ。化学強化ガラスの用途は、例えば画像表示装置のカバーガラスである。
【0005】
化学強化は、ガラス表面に含まれる小さなイオン半径のアルカリ金属イオンと、溶融塩に含まれるイオン半径の大きなアルカリ金属イオンとをイオン交換し、ガラス表面に圧縮応力層を形成する。アルカリ金属として、LiとNaとKとが挙げられる。LiとNaとKとは、この順番でイオン半径が大きくなる。
【0006】
リチウムシリケートガラスは、アルカリ金属イオンの中で最も小さいイオン半径のLiイオンを含む。それゆえ、溶融塩のアルカリ金属イオンとして、Kイオンだけではなく、Kイオンよりも小さなイオン半径のNaイオンも選択できる。溶融塩のアルカリ金属イオンの選択幅が広く、化学強化の制御幅が広い。
【0007】
リチウムシリケートガラスは、化学強化された後、携帯電話、携帯情報端末(PDA:Personal Data Assistant)、パーソナルコンピュータ、テレビ、車載ナビゲーション等に搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2002/051767号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
リチウムシリケートガラス板の製造においても、ソーダライムガラス板の製造と同様に、硫酸塩の被膜がガラス表面に形成される。但し、リチウムシリケートガラス板は、ソーダライムガラス板に比べ、ガラス表面に異物が混入することが多かった。
【0010】
本発明者は、過去にリチウムシリケートガラス板に混入した異物を調べ、異物の混入原因が硫酸塩にあることを見出した。ガラス表面に形成された硫酸塩が搬送ローラに付着し、付着した硫酸塩が溶融すると、金属製の搬送ローラが腐食され、錆が生じ、錆が異物としてガラス板に混入することを本発明者は見出した。
【0011】
本開示の一態様は、リチウムシリケートガラス板への異物の混入を抑制できる、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様に係る硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板は、リチウムシリケートガラス板と、前記リチウムシリケートガラス板の主面に形成されたアルカリ金属イオンを含有する硫酸塩とを有する。前記硫酸塩の融点は、リチウムシリケートガラスのガラス転移点(Tg)に比べて40℃以上高い。
【0013】
本開示の一態様に係るリチウムシリケートガラス板では、化学強化前のガラス板におけるLi濃度(単位:モル%)の深さ方向分布は、硫酸塩の形成される主面からの深さ0nm~100nmの領域におけるLi濃度の平均値が、前記主面からの深さ400nm~600nmの領域におけるLi濃度の平均値の88%以下である。
【0014】
本開示の一態様に係るリチウムシリケートガラス板の製造方法は、溶融ガラスを板状に成形し、ガラスリボンを得て、前記ガラスリボンを複数の搬送ローラで搬送しながら徐冷する。また、その製造方法は、搬送中の前記ガラスリボンの前記搬送ローラと接触する主面に、酸化硫黄ガスを吹き付け、硫酸塩を形成する。前記酸化硫黄ガスの吹き付け位置で、前記ガラスリボンの温度は、リチウムシリケートガラスのガラス転移点(Tg)を基準として-30℃以上40℃未満である。前記硫酸塩の融点は、前記ガラス転移点(Tg)に比べて40℃以上高い。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一態様によれば、リチウムシリケートガラス板への異物の混入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係るリチウムシリケートガラス板の製造装置を示す側面断面図である。
図2図2は、ノズルと第2搬送ローラの配置の一例を示す平面図である。
図3A図3Aは、M5とM2/M1の関係の一例を示す図である。
図3B図3Bは、M5とM4/M3の関係の一例を示す図である。
図4図4は、例3のガラス板におけるLi濃度の深さ方向分布を示す図である。
図5図5は、例5のガラス板の硫酸塩を形成した主面のSEM写真である。
図6図6は、M4/M3=0.0050の場合の硫酸塩の相図である。
図7図7は、M4/M3=0.0100の場合の硫酸塩の相図である。
図8図8は、M4/M3=0.0150の場合の硫酸塩の相図である。
図9図9は、M4/M3=0.0200の場合の硫酸塩の相図である。
図10図10は、M4/M3=0.0250の場合の硫酸塩の相図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。また、各図面において、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向であって、X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。X軸方向はガラスリボンGの搬送方向、Y軸方向はガラスリボンGの幅方向である。
【0018】
明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。また、明細書中、融点とは、固体が融け始める温度を意味する。固相線温度と液相線温度とが存在する場合、融点とは固相線温度を意味する。
【0019】
図1に示すように、製造装置1は、成形装置2と、熱処理装置3とを有する。成形装置2は、溶融ガラスを板状に成形し、ガラスリボンGを得る。熱処理装置3は、ガラスリボンGを第1搬送ローラ41と第2搬送ローラ51とで搬送しながら徐冷する。ガラスリボンGは、成形装置2から取り出された後、熱処理装置3で徐冷され、続いて、不図示の加工装置で切断される。その結果、製品として、リチウムシリケートガラス板が得られる。以下、リチウムシリケートガラス板を、単にガラス板とも呼ぶ。
【0020】
ガラス板は、化学強化用であってよい。化学強化は、ガラス表面に含まれる小さなイオン半径のアルカリ金属イオンと、溶融塩に含まれるイオン半径の大きなアルカリ金属イオンとをイオン交換し、ガラス表面に圧縮応力層を形成する。アルカリ金属として、LiとNaとKとが挙げられる。LiとNaとKとは、この順番でイオン半径が大きくなる。
【0021】
リチウムシリケートガラスは、アルカリ金属イオンの中で最も小さいイオン半径のLiイオンを含む。それゆえ、溶融塩のアルカリ金属イオンとして、Kイオンだけではなく、Kイオンよりも小さなイオン半径のNaイオンも選択できる。溶融塩のアルカリ金属イオンの選択幅が広く、化学強化の制御幅が広い。
【0022】
ガラス板は、化学強化された後、携帯電話、携帯情報端末(PDA:Personal Data Assistant)、パーソナルコンピュータ、テレビ、車載ナビゲーション等に搭載される。
【0023】
リチウムシリケートガラスは、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiOを50~75%、Alを2~25%、LiOを5~20%、NaO+KOを0.5~15%含有する。好ましくは、酸化物基準のモル%表示で、SiOを55~75%、Alを8~25%、LiOを5~20%、NaO+KOを0.5~15%含有する。
【0024】
リチウムシリケートガラスは、酸化物基準のモル%表示で、SiOを60~73%、Alを8~22%、LiOを9~15%、KOを1.2~3.0%、NaO+KOを0.5~10%含有することがより好ましい。
【0025】
リチウムシリケートガラスのガラス転移点Tgは、例えば510℃以上、好ましくは540℃以上である。また、リチウムシリケートガラスのガラス転移点Tgは、例えば650℃以下、好ましくは630℃以下、より好ましくは600℃以下である。
【0026】
成形装置2は、例えば、フロート法でガラスリボンGを得る。フロート法は、溶融金属Mの液面の上に溶融ガラスを連続的に供給し、供給した溶融ガラスを溶融金属Mの液面の上でX軸方向負側からX軸方向正側に流動しながら、帯板状に成形する。
【0027】
成形装置2は、溶融金属Mを貯留する浴槽21を有する。溶融金属Mとして、例えば溶融スズ、又は溶融スズ合金が用いられる。成形装置2の内部は、溶融金属Mの酸化を抑制するため、還元性雰囲気で満たされる。還元性雰囲気は、例えば窒素ガスと水素ガスとを含む。また、成形装置2の内部は、成形装置2の外部からの大気の混入を抑制するため、大気圧よりも高い正圧に保たれる。
【0028】
成形装置2は、溶融金属Mの液面を利用し、板状のガラスリボンGを得る。ガラスリボンGは、溶融金属Mの液面上を流動しながら徐々に冷却され固くなる。ガラスリボンGは、浴槽21の下流域において溶融金属Mから引き上げられ、成形装置2の出口22から搬出される。出口22でのガラスリボンGの温度は、第1温度T1未満である。第1温度T1は、ガラス転移点Tgを基準として+40℃の温度である(T1=Tg+40)。
【0029】
熱処理装置3は、成形装置2の出口22に隣接される。熱処理装置3は、ドロスボックス4と、ドロスボックス4よりも搬送方向下流側に設けられる徐冷炉5とを有する。熱処理装置3の内部にて、ガラスリボンGの温度は、搬送方向上流側から搬送方向下流側に向うほど低くなる。
【0030】
熱処理装置3は、ドロスボックス4の内部に、金属製の第1搬送ローラ41を有する。第1搬送ローラ41は、溶融金属Mの液面からガラスリボンGを斜め上に引き上げ、ガラスリボンGを成形装置2からドロスボックス4に搬送する。第1搬送ローラ41は、ガラスリボンGの搬送方向に間隔をおいて複数設けられる。第1搬送ローラ41は、ガラスリボンGの下面と接触し、回転することで、ガラスリボンGを搬送する。
【0031】
熱処理装置3は、ドロスボックス4の内部に、更に、カーボンブロック42を有する。カーボンブロック42は、第1搬送ローラ41毎に設けられ、第1搬送ローラ41に対して下方から接触し、第1搬送ローラ41の外周面にカーボン保護膜を形成する。カーボン保護膜は、第1搬送ローラ41とガラスリボンGとの衝突を和らげる緩衝材として機能するので、ガラスリボンGが傷付くのを抑制できる。
【0032】
ドロスボックス4の内部は、カーボンブロック42の酸化による焼失を抑制すべく、成形装置2の出口22から流入する還元性雰囲気で満たされる。また、ドロスボックス4の内部は、ドロスボックス4の外部からの大気の混入を抑制するため、窒素ガスの導入等によって大気圧よりも高い正圧に保たれる。
【0033】
熱処理装置3は、徐冷炉5の内部に、金属製の第2搬送ローラ51を有する。第2搬送ローラ51は、徐冷炉5の入口52から出口53に向けて、ガラスリボンGを水平に搬送する。第2搬送ローラ51は、ガラスリボンGの搬送方向に間隔をおいて複数設けられる。第2搬送ローラ51は、ガラスリボンGの下面と接触し、回転することで、ガラスリボンGを搬送する。
【0034】
熱処理装置3は、徐冷炉5の内部に、ノズル54を有する。ノズル54は、ガラスリボンGの下面に酸化硫黄ガス(SOガス)を吹き付け、硫酸塩を形成する。SOガスは、SOガスおよびSOガスから選ばれる少なくとも1つである。硫酸塩とは、硫酸イオン(SO 2-)を含む無機化合物を意味する。硫酸塩は、第2搬送ローラ51とガラスリボンGとの衝突を和らげる緩衝材として機能するので、ガラスリボンGが傷付くのを抑制できる。
【0035】
ノズル54は、ガラスリボンGが傷付くのをできるだけ抑制すべく、徐冷炉5の入口52付近に配置される。但し、ノズル54の位置は、徐冷炉5の入口52付近には限定されない。また、ノズル54の数は、本実施形態では1つであるが、複数であってもよい。複数のノズル54は、ガラスリボンGの搬送方向に間隔をおいて複数設けられる。
【0036】
ノズル54は、SOガスを吐出する吐出口541を有する。吐出口541は、図2に示すように、ガラスリボンGの幅方向全体に亘って硫酸塩を形成すべく、Y軸方向に間隔をおいて複数配置される。複数の吐出口541は、Y軸方向に平行な水平管542に形成される。
【0037】
ノズル54は、図1に示すように、第1開閉弁61と第1流量制御弁62が途中に設けられる第1配管63を介して第1ガス供給源64と接続される。第1開閉弁61が第1配管63の流路を開放すると、第1ガス供給源64がノズル54にSOガスを供給し、ノズル54がSOガスを吐出する。SOガスの流量は第1流量制御弁62によって制御される。一方、第1開閉弁61が第1配管63の流路を閉塞すると、第1ガス供給源64からノズル54へのSOガスの供給が停止され、ノズル54がSOガスの吐出を停止する。
【0038】
ノズル54がSOガスを吐出する場合、SOガスは徐冷炉5の内部で酸化されSOガスになる。SOガスが硫酸塩の結晶の生成に寄与していると推定されるので、SOガスが安定に存在できるように徐冷炉5の内部は酸化性雰囲気とされる。酸化性雰囲気は、徐冷炉5の出口53から流入する大気によって形成される。従って、徐冷炉5の内部雰囲気の酸素ガス濃度は、徐冷炉5の出口53から入口52に向うほど低くなる。
【0039】
ノズル54は、上記の通り、徐冷炉5の入口52付近に配置される。そこで、ノズル54は、酸素ガス濃度を高めるべく、酸素含有ガスを吐出してもよい。酸素含有ガスは、酸素ガスを含むものであればよく、純粋な酸素ガスでもよいが、本実施形態では空気である。空気は、SOガスと同時に吐出されてもよいし、SOガスと交互に吐出されてもよい。
【0040】
ノズル54は、第2開閉弁71と第2流量制御弁72が途中に設けられる第2配管73を介して第2ガス供給源74と接続される。第2開閉弁71が第2配管73の流路を開放すると、第2ガス供給源74がノズル54に空気を供給し、ノズル54が空気を吐出する。空気の流量は第2流量制御弁72によって制御される。一方、第2開閉弁71が第2配管73の流路を閉塞すると、第2ガス供給源74からノズル54への空気の供給が停止され、ノズル54が空気の吐出を停止する。
【0041】
なお、本実施形態では1本のノズル54がSOガスと空気の両方を吐出するが、SOガス用のノズルと、空気用のノズルとが別々に設けられてもよい。
【0042】
硫酸塩は、通常、ガラスリボンGに含まれるアルカリ金属と、SOガスとの反応によって形成される。それゆえ、硫酸塩は、アルカリ金属イオンを含む。なお、硫酸塩は、ガラスリボンGに含まれるアルカリ土類金属と、SOガスとの反応によっても形成されうるので、更にアルカリ土類金属イオンをも含みうる。
【0043】
リチウムシリケートガラスはLiを含むので、硫酸塩もLiを含む。硫酸塩は、更にNaとKのいずれか1つ以上を含んでもよい。(Li(1-A-B)、Na、KSOの融点は、AとBに依存する。Aは0~1、Bも0~1である。例えば(Li0.9、Na0.1SOの固相線温度は732℃であるが、固相線温度が530℃以下のAとBの組み合わせも存在する。
【0044】
本発明者は、過去にリチウムシリケートガラス板に混入した異物を調べ、異物の混入原因が硫酸塩にあることを見出した。硫酸塩が溶融すると、金属製の第2搬送ローラ51が腐食され、錆が生じ、錆が異物としてガラス板に混入することを本発明者は見出した。また、硫酸塩が溶融するか、溶融しなくても軟化すると、硫酸塩が緩衝材としての機能を失い、ガラスリボンGの傷が増えることを本発明者は見出した。
【0045】
本実施形態の硫酸塩の融点Tは、Tgに比べて40℃以上高く、第1温度T1以上である(T≧Tg+40=T1)。ガラスリボンGの温度は、上記の通り、成形装置2の出口22にて第1温度T1未満であるので、徐冷炉5の入口52にて第1温度T1未満であり、徐冷炉5の入口52から出口53に向うほど低い。
【0046】
従って、ガラスリボンGの温度は、徐冷炉5の内部全体にて、硫酸塩の融点Tよりも低い。それゆえ、徐冷炉5の内部において、硫酸塩の溶融を防止できる。その結果、金属製の第2搬送ローラ51の腐食を防止でき、錆の発生を防止できるので、錆が異物としてガラス板に混入するのを防止できる。
【0047】
硫酸塩の融点Tは、Tgに比べて40℃以上高く(T≧Tg+40)、好ましくはTgに比べて50℃以上高い(T≧Tg+50)。硫酸塩の融点Tは、例えば550℃以上、好ましくは580℃以上、より好ましくは600℃以上である。また、硫酸塩の融点Tは、例えば860℃以下、好ましくは720℃以下である。
【0048】
硫酸塩のアルカリ金属イオンは、LiイオンとNaイオンの総モル数(M1)に対するNaイオンのモル数(M2)の比(M2/M1=A/(1-B))が、例えば0.1未満、好ましくは0.09以下、より好ましくは0.07以下である。比(M2/M1)が小さいほど、硫酸塩の融点Tが高い。M2/M1は、好ましくは0.01以上である。
【0049】
また、硫酸塩のアルカリ金属イオンは、アルカリ金属イオンの総モル数(M3)に対するKイオンのモル数(M4)の比(M4/M3=B)が、例えば0.018以下、好ましくは0.015以下、より好ましくは0.012以下である。比(M4/M3)が小さいほど、硫酸塩の融点Tが高い。M4/M3は、好ましくは0.005以上である。
【0050】
比(M2/M1)が0.1未満であって、比(M4/M3)が0.018以下であれば、アルカリ金属イオンに占めるLiイオンの割合が高く、(Li(1-A-B)、Na、KSOの固相線温度が600℃を超える。この場合、徐冷炉5の内部にてガラスリボンGの温度が600℃以下であれば、硫酸塩の溶融を抑制できる。
【0051】
本発明者は、リチウムシリケートガラスのガラス組成が同一であって、且つSOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2が同一である場合、単位面積(1m)当たりの硫酸塩の量が増えるほど、比(M2/M1)と比(M4/M3)がどちらも小さくなることを実験で見出した。
【0052】
単位面積当たりの硫酸塩の量は、単位面積当たりの硫黄のモル数M5で表される。M5とM2/M1の関係を図3Aに、M5とM4/M3の関係を図3Bに示す。図3Aに示すように、M5が増えるほど、M2/M1が小さくなる。また、図3Bに示すように、M5が増えるほど、M4/M3が小さくなる。
【0053】
M5が増えるほど、M2/M1とM4/M3の両方が小さくなる。M2/M1とM4/M3の両方が小さくなることは、硫酸塩中のアルカリ金属に占めるLiの割合が高くなることを意味し、硫酸塩の融点Tが高くなることを意味する。
【0054】
M5は、例えば5.1×10-5モル以上、好ましくは6.0×10-5モル以上、より好ましくは7.5×10-5モル以上である。M5が5.1×10-5モル以上であれば、硫酸塩中のアルカリ金属に占めるLiの割合が高く、硫酸塩の融点Tが高いので、硫酸塩の溶融を抑制できる。M5は、好ましくは15×10-5モル以下である。
【0055】
M2/M1、M4/M3、及びM5は、後述の実施例では、ガラス板の硫酸塩が付いた主面(30cm×30cm)を、1規定の塩酸水溶液20mlで擦り洗いし、更に温水で洗浄して得た100mlの液体を分析し、測定した。
【0056】
M2/M1、M4/M3は、原子吸光分析法で測定した。測定には、日立ハイテクサイエンス製、偏光ゼーマン原子吸光光度計(Z-2310)を使用した。
【0057】
M5は、ICP発光分光分析法を用いて測定した。測定には、日立ハイテクサイエンス製、ICP発光分光分析装置(ICP-OES SPS3100HV UV)を用いた。各元素の定量については、検量線法を用い定量した。
【0058】
ところで、硫酸塩は、上記の通り、ガラスリボンGに含まれるアルカリ金属と、SOガスとの反応によって形成される。その際、アルカリ金属が、ガラスリボンGから抜け、ガラス板の主面に硫酸塩を生成する。図4に示すように、ガラス表面からの深さが浅いほど、ガラス中のLi濃度(単位:モル%)が小さい。
【0059】
ガラス板の主面からの深さ0nm~100nmの領域におけるLi濃度の平均値をD1、ガラス板の主面からの深さ400nm~600nmの領域におけるLi濃度の平均値をD2と記す。ここで、ガラス板の主面とは、硫酸塩の形成された主面である。D1は、例えばD2の88%以下、好ましくはD2の86%以下である。D1は、好ましくはD2の65%以上である。
【0060】
リチウムシリケートガラスのガラス組成が同一であって、且つ、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2が同一である場合、D1/D2が小さいことは、ガラスリボンGから抜けて硫酸塩の一部となるLiイオンの量が増えることを意味する。Liイオンの量は、リチウムシリケートガラス上に形成された硫酸塩の量に比例し、M5に比例する。M5が増えるほど、上記の通り、硫酸塩の融点Tが高くなる。従って、D1/D2が小さいことは、硫酸塩の融点Tが高いことを意味する。
【0061】
なお、D1/D2は、リチウムシリケートガラスのガラス組成、及びSOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2にも依存する。温度T2は、ガラス転移点(Tg)を基準として-30℃以上40℃未満である(Tg-30≦T2<Tg+40)。
【0062】
D1/D2は、未強化のガラス板で測定する。化学強化によっても、Li濃度の深さ方向分布が変わるからである。
【0063】
ガラス板のLi濃度の深さ方向分布は、後述の実施例では、C60イオンスパッタリングを用いたX線光電子分光法(XPS)により測定した。測定には、アルバック・ファイ社製のESCA5500を使用した。ガラスに含まれる各元素の存在比率は、Si(2p)、Al(2p)、Na(2s)、K(2p)、Li(1s)、Ca(2s)、Mg(2s)、Zr(3d)、Sn(3d5)、O(1s)のピークから測定した。ピークの測定条件は、パスエネルギーが117.4eV、エネルギーステップが0.5eV/step、検出角(試料表面と検出器とのなす角度)が75°であった。スペクトルの解析には、解析ソフトMultiPakを使用した。スペクトルのバックグラウンドは、Shirley法で除去した。
【実施例
【0064】
例1~例5について説明する。例1~例4は実施例、例5は比較例である。
【0065】
(例1)
例1では、フロート法で溶融ガラスを板状に成形し、ガラスリボンGを得た後、徐冷炉5の入口52付近でSOガスを吹き付け、ガラスリボンGの下面に硫酸塩を形成した。SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2は、540℃であった。徐冷後にガラスリボンGからガラス板を切り出した。
【0066】
ガラス板のガラスは、リチウムシリケートガラスであり、酸化物基準のモル%表示で、SiOを66.2%、Alを11.2%、LiOを10.4%、NaOを5.6%、KOを1.5%、MgOを3.1%、CaOを0.2%、ZrOを1.3%、Yを0.5%含有するガラスであった。このガラスは、ガラス転移点Tgが558℃、徐冷点が552℃であった。ガラス組成は、ガラス板の板厚方向中心で測定した。
【0067】
硫酸塩のアルカリ金属イオンは、M2/M1が0.09、M4/M3が0.0178であった。単位面積当たりの硫黄のモル数M5は5.1×10-5モルであった。硫酸塩の融点Tは600℃以上であった。ガラス板のLi濃度の深さ方向分布は、D1がD2の88%であった。
【0068】
硫酸塩の融点Tは、600℃以上であったので、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2よりも高かった。従って、硫酸塩は、徐冷炉5の内部にて溶融しなかったと推定される。硫酸塩を形成したガラス表面には、異物の混入は無かった。第2搬送ローラ51との接触傷が少し有ったが、問題のない程度であった。
【0069】
(例2)
例2では、単位面積当たりの硫酸塩の量を増やすべく、SOガスの流量を増やした以外、例1と同じ条件でガラス板を製造した。SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2は、540℃であった。得られたガラスは、ガラス転移点Tgが558℃、徐冷点が552℃であった。
【0070】
硫酸塩のアルカリ金属イオンは、M2/M1が0.08、M4/M3が0.0156であった。単位面積当たりの硫黄のモル数M5は5.8×10-5モルであった。硫酸塩の融点Tは600℃以上であった。ガラス板のLi濃度の深さ方向分布は、D1がD2の86%であった。
【0071】
硫酸塩の融点TMは、600℃以上であったので、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2よりも高かった。従って、硫酸塩は、徐冷炉5の内部にて溶融しなかったと推定される。硫酸塩を形成したガラス表面には、異物の混入は無く、また、第2搬送ローラ51との接触傷も無かった。
【0072】
(例3)
例3では、単位面積当たりの硫酸塩の量を増やすべく、SOガスの流量を増やした以外、例1と同じ条件でガラス板を製造した。SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2は、540℃であった。得られたガラスは、ガラス転移点Tgが558℃、徐冷点が552℃であった。
【0073】
硫酸塩のアルカリ金属イオンは、M2/M1が0.03、M4/M3が0.0070であった。単位面積当たりの硫黄のモル数M5は12.9×10-5モルであった。硫酸塩の融点Tは600℃以上であった。例3で得られたガラス板のLi濃度の深さ方向分布を図4に示す。D1はD2の69%であった。
【0074】
硫酸塩の融点Tは、600℃以上であったので、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2よりも高かった。従って、硫酸塩は、徐冷炉5の内部にて溶融しなかったと推定される。硫酸塩を形成したガラス表面には、異物の混入は無く、また、第2搬送ローラ51との接触傷も無かった。
【0075】
(例4)
例4では、例1~例3とは配合比の異なるガラス原料を溶解し、溶融ガラスを得た後、例1~例3と同様にフロート法で溶融ガラスを板状に成形し、ガラスリボンGを得た。その後、徐冷炉5の入口52付近でSOガスを吹き付け、ガラスリボンGの下面に硫酸塩を形成した。SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2は、570℃であった。徐冷後にガラスリボンGからガラス板を切り出した。
【0076】
ガラス板のガラスは、リチウムシリケートガラスであり、酸化物基準のモル%表示で、SiOを70.0%、Alを7.5%、LiOを8.0%、NaOを5.3%、KOを1.0%、MgOを7.0%、CaOを0.2%、ZrOを1.0%含有するガラスであった。このガラスは、ガラス転移点Tgが548℃、徐冷点が542℃であった。ガラス組成は、ガラス板の板厚方向中心で測定した。
【0077】
硫酸塩のアルカリ金属イオンは、M2/M1が0.08、M4/M3が0.0120であった。単位面積当たりの硫黄のモル数M5は5.2×10-5モルであった。硫酸塩の融点Tは600℃以上であった。ガラス板のLi濃度の深さ方向分布は、D1がD2の78%であった。
【0078】
硫酸塩の融点Tは、600℃以上であったので、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2よりも高かった。従って、硫酸塩は、徐冷炉5の内部にて溶融しなかったと推定される。硫酸塩を形成したガラス表面には、異物の混入は無く、また、第2搬送ローラ51との接触傷も無かった。
【0079】
(例5)
例5では、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2を540℃から560℃に変更した以外、例1と同様にガラス板を製造した。SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2は、560℃であった。得られたガラスは、ガラス転移点Tgが558℃、徐冷点が552℃であった。
【0080】
硫酸塩のアルカリ金属イオンは、M2/M1が0.12、M4/M3が0.0244であった。単位面積当たりの硫黄のモル数M5は4.2×10-5モルであった。硫酸塩の融点Tは557℃であった。ガラス板のLi濃度の深さ方向分布は、D1がD2の91%であった。
【0081】
硫酸塩の融点Tは、557℃であったので、SOガスの吹き付け位置でのガラスリボンGの温度T2よりも低かった。従って、硫酸塩は、徐冷炉5の内部にて溶融したと推定される。硫酸塩を形成したガラス表面には、図5に示すように異物Cの混入が認められ、また、第2搬送ローラ51との接触傷も有った。
【0082】
図5に示す異物Cの組成を分析したところ、異物Cは硫黄と鉄を含んでいた。従って、硫酸塩が溶融し、ステンレス鋼製の第2搬送ローラ51が腐食され、錆が生じ、錆が異物Cとして混入したと推定される。
【0083】
(まとめ)
例1~例5の実験結果を表1にまとめる。
【0084】
【表1】
ところで、例1のガラスは、例4のガラスに比べて、カリウム濃度が大きい。ガラス中のカリウム濃度が大きいほど、ガラスから抜けるカリウム量が多く、硫酸塩のカリウム濃度が大きくなり、硫酸塩が溶けやすくなる。従って、例1のガラスのように、酸化物基準のモル%表示でSiOを60~73%、Alを8~22%、LiOを9~15%、KOを1.2~3.0%、NaO+KOを0.5~10%含有するガラスに本願発明を適用する技術的な意義が大きい。
【0085】
図6図10に、M4/M3=0.0050、0.0100、0.0150、0.0200、0.0250の場合の硫酸塩の相図を示す。図6図10において、ドット模様で示す領域が液相の生成する領域である。図6図10から明らかなように、M4/M3(硫酸塩のアルカリ金属イオンに占めるKイオンの割合)が大きくなるほど、液相の生成する領域が大きくなるので、硫酸塩が溶けやすくなる。
【0086】
以上、本開示に係る硫酸塩付きリチウムシリケートガラス板、リチウムシリケートガラス板及びその製造方法について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0087】
本出願は、2020年1月20日に日本国特許庁に出願された特願2020-007091号に基づく優先権を主張するものであり、特願2020-007091号の全内容を本出願に援用する。
【符号の説明】
【0088】
G ガラスリボン
51 第2搬送ローラ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10