(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】分割装置、及び、分割方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240827BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240827BHJP
B28D 7/02 20060101ALI20240827BHJP
B28D 5/00 20060101ALI20240827BHJP
B26F 3/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01L21/78 X
H01L21/68 N
B28D7/02
B28D5/00 A
B26F3/00 Z
(21)【出願番号】P 2020172606
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】趙 金艶
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190836(JP,A)
【文献】特開2013-041967(JP,A)
【文献】特開2019-192846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/683
B28D 7/02
B28D 5/00
B26F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割起点が形成された被加工物がエキスパンドシートに貼着されるとともに該エキスパンドシートがフレームに装着された被加工物ユニットの該エキスパンドシートを拡張することで
該被加工物を該分割起点に沿って分割する分割装置であって、
該被加工物が下を向いた状態で
該被加工物ユニットの該フレームを保持し、該エキスパンドシートを拡張して該分割起点に沿って
該被加工物を分割する拡張ユニットと
、
保持機構で保持された該フレームを含む
該被加工物ユニットの
該被加工物に対面し、
該被加工物の分割で生じる分割屑を受ける屑受け面と、該屑受け面に向けて洗浄液を供給するための洗浄液供給部と、を有する屑受け機構と、
を備える、分割装置。
【請求項2】
該屑受け面には排出口が形成されており、該屑受け面には該排出口に向かって下がる向きの傾斜がつけられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の分割装置。
【請求項3】
分割起点が形成された被加工物がエキスパンドシートに貼着された被加工物ユニットの該エキスパンドシートを拡張することで
該被加工物を該分割起点に沿って分割する分割方法であって、
該被加工物が下を向いた状態で
該被加工物ユニット
のフレームを保持機構で保持するとともに、該エキスパンドシートを拡張して該分割起点に沿って
該被加工物を分割する分割ステップと、
該分割ステップで
該被加工物が分割されて生じる分割屑を屑受け機構で受けるとともに、該屑受け機構の屑受け面に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、を備えた分割方法。
【請求項4】
該屑受け面には排出口が形成されており、該屑受け面には該排出口に向かって下がる向きの傾斜がつけられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の分割方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割起点が形成された被加工物がエキスパンドシートに貼着された被加工物ユニットのエキスパンドシートを拡張することで被加工物を分割起点に沿って分割する分割装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されるように、分割起点が形成された被加工物がエキスパンドシートに貼着された被加工物ユニットのエキスパンドシートを拡張することで被加工物を分割起点に沿って分割する分割装置が知られている。
【0003】
そして、特許文献1では、分割屑が被加工物の表面に付着してしまうのを防止するために、被加工物を下に向けた状態でエキスパンドする構成を開示している。分割の際に生じる分割屑は、さらに下方に位置する集塵装置の屑受け機構に落下して集められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、屑受け機構に落下した分割屑がエキスパンド中に舞い上がると、被加工物表面に付着してしまうことが懸念される。
【0006】
特に被加工物が半導体デバイスウェーハの場合では、デバイスに分割屑が付着することでデバイスの品質を低下させることや、ボンディングやパッケージングに支障をきたしてしまう恐れがある。
【0007】
さらに、被加工物が分割後に洗浄することのできないMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスでは、分割屑の付着は大きな問題となる。
【0008】
以上に鑑み、本願発明は、被加工物への分割屑の付着の問題を解決するための新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
本発明の一態様によれば、
分割起点が形成された被加工物がエキスパンドシートに貼着されるとともにエキスパンドシートがフレームに装着された被加工物ユニットのエキスパンドシートを拡張することで被加工物を分割起点に沿って分割する分割装置であって、
被加工物が下を向いた状態で被加工物ユニットのフレームを保持し、エキスパンドシートを拡張して分割起点に沿って被加工物を分割する拡張ユニットと、
保持機構で保持されたフレームを含む被加工物ユニットの被加工物に対面し、被加工物の分割で生じる分割屑を受ける屑受け面と、屑受け面に向けて洗浄液を供給するための洗浄液供給部と、を有する屑受け機構と、
を備える、分割装置とする。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、
屑受け面には排出口が形成されており、屑受け面には排出口に向かって下がる向きの傾斜がつけられている、こととする。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、
分割起点が形成された被加工物がエキスパンドシートに貼着された被加工物ユニットのエキスパンドシートを拡張することで被加工物を分割起点に沿って分割する分割方法であって、
被加工物が下を向いた状態で被加工物ユニットのフレームを保持機構で保持するとともに、エキスパンドシートを拡張して分割起点に沿って被加工物を分割する分割ステップと、
分割ステップで被加工物が分割されて生じる分割屑を屑受け機構で受けるとともに、屑受け機構の屑受け面に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、を備えた分割方法とする。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、
屑受け面には排出口が形成されており、屑受け面には排出口に向かって下がる向きの傾斜がつけられている、こととする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、分割により生じた分割屑が舞い上がって被加工物に付着することを防止することができ、デバイスの品質を低下させることや、ボンディングやパッケージングに支障をきたすことを防止できる。また、被加工物には洗浄液が供給されないため、被加工物が分割後に洗浄することができない場合においては、特に好適なものとなる。
【0015】
また、本発明の構成によれば、屑受け面に落下した分割屑を排出口を通じて洗浄液とともに外部に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(A)は、分割される被加工物の構成例を模式的に示す斜視図である。(B)は、保護部材の貼着について説明するための斜視図である。
【
図2】(A)及び(B)は、改質層の形成について説明する一部断面側面図である。
【
図3】エキスパンドシートの貼着について説明する斜視図である。
【
図4】分割装置の構成例について説明する図である。
【
図5】拡張ユニットを下側に配置した状態について説明する図である。
【
図8】分割方法の各ステップの順番について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本願発明にかかる分割装置で対象となる被加工物と、分割起点の形成について説明する。
図1(A)は、本実施形態で分割される被加工物11の構成例を模式的に示す斜視図である。
図1(A)に示すように、被加工物11は、例えば、シリコンや炭化珪素、サファイア等の材料でなる円盤状のウェーハである。
【0018】
この被加工物11の表面11a側は、格子状に設定された分割予定ライン(ストリート)13で複数の領域に区画されており、各領域には、IC(IntegratedCircuit)、MEMS(MicroElectroMechanicalSystems)、LED(LightEmittingDiode)等のデバイス15が形成されている。
【0019】
なお、本実施形態では、シリコンや炭化珪素、サファイア等の材料でなる円盤状のウェーハを被加工物11としているが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる基板を被加工物11として用いることもできる。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
【0020】
図1(B)に示すように、本実施例では、被加工物11の表面11a側に保護部材が貼着される。保護部材21は、例えば、被加工物11と同等の径を持つ円形のフィルム(シート、テープ)であり、その表面21a側には、粘着力のある糊層(粘着材層)が設けられている。この表面21a側を被加工物11の表面11a側に密着させることで、保護部材21が被加工物11の表面11a側に貼着される。保護部材21を貼着することで、デバイス15等が保護される。
【0021】
図2(A)及び
図2(B)に示すように、被加工物11には分割起点が形成される。本実施例では、レーザー照射装置2を用いて被加工物11にレーザー加工が行われ、被加工物11の分割予定ライン13(
図1(A))に沿って分割起点となる改質層(起点領域)が形成される。
【0022】
レーザー照射装置2は、被加工物11を吸引、保持するためのチャックテーブル4を備える。チャックテーブル4は、モータ等の図示せぬ回転駆動機構に連結されており、鉛直の回転軸周りに回転する。また、チャックテーブル4は、図示せぬ移動機構によって水平方向に移動する。
【0023】
チャックテーブル4の上面の一部は、被加工物11を吸引、保持する保持面4aとして構成される。保持面4aは、チャックテーブル4の内部に形成された図示せぬ吸引路等を介して図示せぬ吸引源に接続され、負圧により被加工物11を吸引保持する。
【0024】
チャックテーブル4の上方には、レーザー照射ユニット6が配置される。レーザー照射ユニット6は、図示せぬレーザー発振器でパルス発振されたレーザービームLを所定の位置に照射、集光する。レーザー発振器は、被加工物11に対して透過性を有する波長のレーザービームLをパルス発振できるように構成されている。
【0025】
レーザー加工の際には、保護部材21側をチャックテーブル4の保持面4aに載置し、被加工物11の裏面11bを上側に露出させるとともに、保持面4aに負圧を作用させることで、被加工物11が保護部材21を介してチャックテーブル4に吸引保持される。
【0026】
次に、チャックテーブル4を移動、回転させ、レーザービームの集光点を被加工物内部の所定の位置に位置づけた状態で、格子状に配置される分割予定ライン13に沿ってレーザービームLを照射し、分割の起点となる改質層17を形成する。
【0027】
なお、この改質層17は、
図2(A)及び
図2(B)に示すように、被加工物11の表面11a(又は裏面11b)にクラック19が到達する条件で形成されることが望ましい。これにより、被加工物11がより適切に分割され易くなる。また、各分割予定ライン13に対して、異なる深さの位置に複数の改質層17を形成してもよい。
【0028】
図3に示すように、分割起点が形成された被加工物11は、エキスパンドシート31に貼着される。このエキスパンドシート31には、被加工物11の周囲を囲むようように環状のフレーム33が貼着され、被加工物11とフレーム33を一体とした被加工物ユニット10が構成される。
【0029】
被加工物ユニット10を構成する前、あるいは、構成後において、被加工物11の表面11a側に貼着されている保護部材21を剥離、除去して、被加工物11の表面11aを露出させる。
【0030】
以上のように構成された被加工物ユニット10について、分割装置を用いて分割が行われる。なお、以上の説明では、被加工物に透過性を有する波長のレーザービームにより改質層を形成して分割起点を形成することとしたが、レーザービームによるアブレーション加工によって溝を形成することや、切削ブレードにより切削溝を形成することにより分割起点が形成されることとしてもよい。
【0031】
次に、
図4に示す分割装置12の構成例について説明する。
分割装置12は、箱状の筐体14を備え、筐体14の内部において、筐体14の底部14aに複数の支柱16が立設されている。
【0032】
各支柱16の上部において、水平方向に延びる支持軸20を介して基台18が支持される。基台18は略直方体状に形成されており、支持軸20の回転により回転することで、基台18の表面18aと裏面18bとの上下位置を入れ替えることができる。
【0033】
図4は、基台18の表面18aが上側に位置する状態を示すものであり、表面18a側には、拡張ユニット22が配置されている。拡張ユニット22は、被加工物11を支持するための保持機構24と、円筒状の拡張ドラム26とを備える。なお、この
図4に示すように、拡張ユニット22が上側に配置される状態において、被加工物ユニット10が分割装置12に搬入され、また、分割後は搬出される。
【0034】
保持機構24は、平面視で円形の開口部を有する支持テーブル28を有し、この支持テーブル28の上面に、被加工物ユニット10のフレーム33が載せられる。支持テーブル28の外周部分には、フレーム33を固定するための複数のクランプ30が設けられている。支持テーブル28は、保持機構24を昇降させるための昇降機構32によって支持されている。
【0035】
昇降機構32は、基台18の表面18aに固定されたシリンダケース34と、シリンダケース34に下端側が挿入されたピストンロッド36とを備えている。ピストンロッド36の上端部には、支持テーブル28が固定されている。昇降機構32は、例えば、エアやオイル等の流体の圧力を利用してピストンロッド36を上下にスライドさせることで保持機構24を昇降させる。
【0036】
支持テーブル28の開口部の内側には、拡張ドラム26が配置されている。この拡張ドラム26の内径(直径)は、被加工物11の直径より大きい。一方で、拡張ドラム26の外径(直径)は、フレーム33の内径(直径)より小さい。また、拡張ドラム26の下端は、基台18の表面18aに固定されている。
【0037】
支持軸20には、回転力を伝達させるベルトやギア等の伝達部材38を介して、モータ等の回転駆動源40が連結されている。この回転駆動源40から発生する力によって、
図5に示すように、拡張ユニット22は、基台18とともに支持軸20の周りに回転し、支持している被加工物ユニット10を下向きに保持した状態とする。なお、回転駆動源40は、例えば、筐体14の底部14aに固定される。
【0038】
図4及び
図5に示すように、拡張ドラム26の下方には、分割の際に生じる分割屑を受けるための屑受け機構60が設けられている。屑受け機構60は、中心に向けて低くなる傾斜がつけられた屑受け面62aを有する屑受け62と、屑受け面62aに向けて洗浄液を供給するための洗浄液供給部64と、を有して構成される。
【0039】
図4及び
図7に示すように、本実施例では、屑受け62の上部において、合計4箇所に洗浄液供給部64が等間隔で配置され、各洗浄液供給部64から屑受け62の屑受け空間63内に向けて洗浄液66(
図7)が供給されるように構成される。
【0040】
図4に示すように、屑受け62は上方が開放されたすり鉢状をなすように構成されており、被加工物11側から落下する分割屑は、屑受け62の屑受け空間63内へと落下し、屑受け空間63の屑受け面62aに着地する。屑受け62の屑受け空間63の上側の開放部の面積は、被加工物11の面積よりも大きく構成され、被加工物11の下方の投影面の全範囲をカバーすることで、被加工物11から生じる分割屑を確実に捕捉できるように構成される。
【0041】
図6及び
図7に示すように、洗浄液66としては、例えば水を使用することができ、各洗浄液供給部64に設けたノズルから噴射させることができる。各洗浄液供給部64は、制御バルブ65を介して洗浄液供給源68に接続され、制御バルブ65の制御により、洗浄液66の供給の開始/停止が制御される。
【0042】
図6及び
図7に示すように、屑受け62の下部には、分割装置12の外部に通じる排出口62bが形成され、屑受け面62aに落下した分割屑70や、洗浄液66が排出口62bを通じて外部に排出される。屑受け面62aには、排出口62b側が低くなる傾斜がつけられることで、分割屑70や洗浄液66が排出口62bへとスムーズに案内される。
【0043】
次に、以上の装置構成による分割方法について説明する。
図8は、以下で説明する分割方法の各ステップの順番について示すフローチャートである。
<保持ステップ>
図5に示すように、被加工物11が下を向いた状態で被加工物ユニット10のフレーム33を保持するステップである。
【0044】
被加工物11には、
図2(A)(B)に示すように事前に分割起点が形成されるものである。
【0045】
<分割ステップ>
図6に示すように、エキスパンドシート31を拡張し、分割起点に沿って被加工物11を分割するステップである。この分割の際に発生する分割屑70は、下方へと落下し、屑受け62の屑受け面62aにて捕捉される。
【0046】
分割ステップにおいては、
図6に示すように、被加工物11が下を向いた状態において、保持機構24の支持テーブル28を昇降機構32により上方に移動させる。この際、拡張ドラム26によって被加工物11の外周縁とフレーム33との間に位置するエキスパンドシート31の部分が押圧され、エキスパンドシート31が拡張する。
【0047】
エキスパンドシート31の拡張に伴って被加工物11に半径方向外側に向かう内部応力が発生し、この内部応力によって被加工物11が分割起点に沿って分割される。
【0048】
<洗浄液供給ステップ>
図6及び
図7に示すように、分割ステップで被加工物11が分割されて生成された分割屑70を屑受け62で受けるとともに、屑受け62の屑受け面62aに洗浄液66を供給するステップである。
【0049】
このようにして分割屑70に洗浄液66が付着し、分割屑70が舞い上がって被加工物11に付着することを防止できる。さらに、所定の温度の洗浄水66を供給することで、分割装置内の湿度を上げることにより静電気の発生を抑えることができ、分割屑70が静電気によって舞い上がって被加工物11に付着することも防止できる。
【0050】
ここで、洗浄液66は常時供給するほか、所定のタイミングで供給することとしてもよい。所定のタイミングとは、例えば、被加工物11が下を向いたタイミング、分割ステップにおいてエキスパンドを開始するタイミング、分割ステップにおいてエキスパンドが終了したタイミングなどが考えられる。また、洗浄液66を常時供給せず所定のタイミングにおいてのみ供給する場合には、分割ステップにおいてエキスパンドが終了した後において、分割屑が排出口62bから排出されるのに十分な時間の経過後に、洗浄液66の供給が停止される。
【0051】
<排出ステップ>
分割屑70を排出口62bより排出するステップである。
【0052】
このようにして屑受け62から分割屑70が排出され、分割屑70を堆積させることなく連続的に外部へと排出することができる。
【0053】
以上のようにして本発明を実現することができる。
即ち、
図4乃至
図7に示すように、
分割起点が形成された被加工物11がエキスパンドシート31に貼着されるとともにエキスパンドシート31がフレーム33に装着された被加工物ユニット10のエキスパンドシート31を拡張することで被加工物11を分割起点に沿って分割する分割装置12であって、
被加工物11が下を向いた状態で被加工物ユニット10のフレーム33を保持し、エキスパンドシート31を拡張して分割起点に沿って被加工物11を分割する拡張ユニット22と、
屑受け機構60であって、
保持機構24で保持されたフレーム33を含む被加工物ユニット10の被加工物11に対面し、被加工物11の分割で生じる分割屑70を受ける屑受け面62aと、屑受け面62aに向けて洗浄液66を供給するための洗浄液供給部64と、を有する屑受け機構60と、
を備える、分割装置12とする。
【0054】
また、
図4乃至
図7に示すように、
分割起点が形成された被加工物11がエキスパンドシート31に貼着された被加工物ユニット10のエキスパンドシート31を拡張することで被加工物11を分割起点に沿って分割する分割方法であって、
被加工物11が下を向いた状態で被加工物ユニット10のフレーム33を保持するとともに、エキスパンドシート31を拡張して分割起点に沿って被加工物11を分割する分割ステップと、
分割ステップで被加工物11が分割されて生じる分割屑70を屑受け機構60で受けるとともに、屑受け機構60の屑受け面62aに洗浄液66を供給する洗浄液66供給ステップと、を備えた分割方法とする。
【0055】
以上によれば、分割により生じた分割屑70が舞い上がって被加工物11に付着することを防止することができ、デバイスの品質を低下させることや、ボンディングやパッケージングに支障をきたすことを防止できる。また、被加工物11には洗浄液66が供給されないため、被加工物11が分割後に洗浄することができない場合においては、特に好適なものとなる。
【0056】
また、
図4乃至
図7に示すように、屑受け面62aには排出口62bが形成されており、屑受け面62aには排出口62bに向かって下がる向きの傾斜がつけられている、こととする。
【0057】
これにより、屑受け面62aに落下した分割屑を排出口62bを通じて洗浄液66とともに外部に排出することができる。
【符号の説明】
【0058】
2 レーザー照射装置
6 レーザー照射ユニット
10 被加工物ユニット
11 被加工物
11a 表面
11b 裏面
12 分割装置
13 分割予定ライン
15 デバイス
17 改質層
18 基台
18a 表面
18b 裏面
20 支持軸
21 保護部材
21a 表面
22 拡張ユニット
24 保持機構
26 拡張ドラム
28 支持テーブル
30 クランプ
31 エキスパンドシート
32 昇降機構
33 フレーム
34 シリンダケース
36 ピストンロッド
38 伝達部材
40 回転駆動源
60 屑受け機構
62a 屑受け面
62b 排出口
63 屑受け空間
64 洗浄液供給部
65 制御バルブ
66 洗浄液
68 洗浄液供給源
70 分割屑
L レーザービーム