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特許7544781傾斜周期構造を有する計測ターゲット及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】傾斜周期構造を有する計測ターゲット及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20240827BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240827BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
G01B11/00 H
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022160693
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2020538551の分割
【原出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2022183203
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】62/617,086
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨエル フェラー
(72)【発明者】
【氏名】ギノブカー マーク
(72)【発明者】
【氏名】スヴィザー アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】レビンスキ ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】タルシシュ-シャピア インナ
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-508711(JP,A)
【文献】特表2004-519716(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0357154(US,A1)
【文献】特開2000-012445(JP,A)
【文献】特開2006-245030(JP,A)
【文献】特開2015-095631(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0343903(US,A1)
【文献】特表2015-532733(JP,A)
【文献】特表2018-514807(JP,A)
【文献】特開平09-166866(JP,A)
【文献】特開昭61-284922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長い寸法および短い寸法を有する矩形状の繰返し要素からなる複数の周期構造を備える計測ターゲットであって、
前記周期構造のうちの少なくとも第1の周期構造が前記周期構造のうちの少なくとも第2の周期構造に対して傾斜し、
前記周期構造のうちの前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの前記第2の周期構造のうちの1つが内側周期構造として配置され、前記周期構造のうち前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの前記第2の周期構造のうちの別の1つが外側周期構造として配置され、
前記周期構造のうちの複数の前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの複数の前記第2の周期構造とが、前記計測ターゲットの中心の周囲に、同一層において前記内側周期構造が前記外側周期構造より該中心により近くなるよう、かつ、前記内側周期構造の前記複数の周期構造が、その繰返し要素の前記長い寸法が前記中心に対する2つの直交方向に延びるように配列されるよう、配置され、
前記周期構造のうちの前記第2の周期構造に対して傾斜している2つの部分的に重複する交互の周期構造を有する、
計測ターゲット。
【請求項2】
非平行に構成された前記複数の周期構造を有する層を少なくとも1つのオーバーレイ計測対象のターゲット層として含む撮像ターゲットとして構成された、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項3】
少なくとも3つのターゲット層をさらに備え、前記周期構造のそれぞれが前記少なくとも3つのターゲット層のうちの1つに配置される、請求項2に記載の計測ターゲット。
【請求項4】
前記計測ターゲットが、周期構造がそれぞれ配置された複数の層を有し、前記複数の周期構造を有する層を少なくとも1つのオーバーレイ計測対象のターゲット層として備えて前記複数の層によってモアレ効果を生じるターゲットである、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項5】
前記モアレ効果を生じるターゲットが、前記複数の周期構造を有する層を少なくとも1つのオーバーレイ計測対象のターゲット層として含み、前記複数の周期構造が非平行に構成されている、請求項4に記載の計測ターゲット。
【請求項6】
前記計測ターゲットが、前記周期構造のうちの前記第2の周期構造に対して傾斜している1つの測定方向を有し、前記複数の周期構造が、ピッチと限界寸法の少なくともいずれかが異なる2つのタイプのものである、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項7】
前記周期構造のそれぞれが、前記計測ターゲットのX及びY軸線に沿った辺を有する長方形を埋めるように構成されている、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項8】
前記周期構造のそれぞれが、ウェーハ上の凸四角形を埋めるように構成されている、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項9】
前記周期構造のそれぞれが1つまたは複数の要素を含み、各要素が区画を有する、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項10】
前記各要素の前記区画が2次元である、請求項9に記載の計測ターゲット。
【請求項11】
前記各要素の前記区画のピッチが、その対応する周期構造のピッチの5分の1以下である、請求項9に記載の計測ターゲット。
【請求項12】
前記各要素の前記区画が長方形である、請求項9に記載の計測ターゲット。
【請求項13】
前記第1の周期構造のそれぞれが、前記周期構造のうちの前記第2の周期構造に対して20°と70°との間の角度を形成する、請求項1に記載の計測ターゲット。
【請求項14】
計測ターゲットの少なくとも第1の周期構造を前記計測ターゲットの第2の周期構造に対して傾斜するように構成するステップを含むターゲット設計方法であって、
前記第1の周期構造および前記第2の周期構造が長い寸法と短い寸法とを有する矩形状の繰返し要素から構成され、
前記周期構造のうちの前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの前記第2の周期構造のうちの1つが前記計測ターゲットの内側周期構造として配置され、前記周期構造のうち前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの前記第2の周期構造のうちの別の1つが前記計測ターゲットの外側周期構造として配置され、
前記周期構造のうちの複数の前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの複数の前記第2の周期構造とが、前記計測ターゲットの中心の周囲に、同一層において前記内側周期構造が前記外側周期構造より該中心により近くなるよう、かつ、前記内側周期構造の前記複数の周期構造が、前記長い寸法が前記中心に対する2つの直交方向に延びるように配列されるよう、配置され、
前記周期構造のうちの前記第2の周期構造に対して傾斜している2つの部分的に重複する交互の周期構造を有する、
ターゲット設計方法。
【請求項15】
デバイス設計において、前記第2の周期構造に対して傾斜している傾斜構造を識別するステップと、
前記第1の周期構造を、前記識別された傾斜構造と、同じ層内に、かつX及びY軸に対して同じ角度で配置されるように構成するステップと、
を更に含む、請求項14に記載のターゲット設計方法。
【請求項16】
計測ターゲットを測定する方法であって、
プロセッサおよび画像処理及び/又は信号モデル化によって、計測ターゲットの計測測定を行い、傾斜周期構造から対応する信号を得るステップを含み、
前記計測ターゲットが、長い寸法と短い寸法とを有する矩形状の繰り返し要素からなる複数の周期構造を備え、
前記周期構造のうちの少なくとも第1の周期構造が第2の周期構造に対して傾斜し、
前記周期構造のうちの前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの前記第2の周期構造とのうちの1つが前記計測ターゲットの内側周期構造として配置され、前記周期構造のうちの前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの前記第2の周期構造とのうちの別の1つが前記計測ターゲットの外側周期構造として配置され、
前記周期構造のうちの複数の前記第1の周期構造と前記周期構造のうちの複数の前記第2の周期構造とが、前記計測ターゲットの中心の周囲に、同一層において前記内側周期構造が前記外側周期構造より該中心により近くなるよう、かつ、前記内側周期構造の前記複数の周期構造が、前記長い寸法が前記中心に対する2つの直交方向に延びるように配列されるよう、配置され、
前記周期構造のうちの前記第2の周期構造に対して傾斜している2つの部分的に重複する交互の周期構造を有する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測の分野に関し、より具体的には、計測ターゲット設計に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
【0003】
本出願は、2018年1月12日に出願された米国仮特許出願第62/617,086号の利益を主張し、この出願は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【0004】
その全体が参照によって本明細書に組み込まれる特許文献1が、基板の2つ以上の連続する層の間、又は基板の単一の層上の2つ以上の別個に生成されたパターンの間の相対位置を決定するためのオーバーレイマークを開示し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる特許文献2が、可撓性対称特性を有するオーバーレイターゲット及びかかるターゲットの2つ以上の連続する層の間のオーバーレイ誤差を測定するための計測技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,921,916号
【文献】米国特許出願公開第2007/0008533号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、測定傾斜半導体デバイスのためのプロセス互換設計についての効率的で経済的な方法及び機構を提供し、それによって、計測及び半導体製造の技術分野に改善を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
下記は、本発明の最初の理解を提供する簡略化された概要である。概要は、必ずしも、本発明の重要要素を識別するわけではなく、また、本発明の範囲を限定するわけでなく、単に下記の説明への導入として役立つだけである。
【0008】
本発明の1つの態様が、複数の周期構造を備えて、直交生成軸線X及びYを有するリソグラフィツールによって製造される計測ターゲットを提供し、周期構造のうちの少なくとも1つは、軸線X及びYに対して傾斜している。
【0009】
本発明についてのこれらの、追加の、及び/又は別の態様及び/又は長所が、下記の詳細な説明において述べられ、おそらく詳細な説明から推理可能であり、及び/又は、本発明の実施によって学習可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態についてのより良い理解のために、そして、それがどの様に実行されるのかを示すために、添付図面に対する参照が、ここで、単に例としてなされることになり、添付図面において、同様の数字は、全体を通して対応する要素又は部分を示す。
図1A】デバイスの1つの層の高レベル略図である。
図1B】デバイス80の異なる層同士又は特徴同士の間のオーバーレイを測定するためのオーバーレイ計測ターゲットを提供する先行技術手法の高レベル略図である。
図1C】デバイス80の異なる層同士又は特徴同士の間のオーバーレイを測定するためのオーバーレイ計測ターゲットを提供する先行技術手法の高レベル略図である。
図1D】デバイス80の異なる層同士又は特徴同士の間のオーバーレイを測定するためのオーバーレイ計測ターゲットを提供する先行技術手法の高レベル略図である。
図1E】デバイス80の異なる層同士又は特徴同士の間のオーバーレイを測定するためのオーバーレイ計測ターゲットを提供する先行技術手法の高レベル略図である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態に従う、計測ターゲット、周期構造及びそれらの要素についての高レベル略図である。
図2B】本発明のいくつかの実施形態に従う、計測ターゲット、周期構造及びそれらの要素についての高レベル略図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態に従う、計測ターゲット、周期構造及びそれらの要素についての高レベル略図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態に従う、計測ターゲット、周期構造及びそれらの要素についての高レベル略図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態に従う、計測ターゲット、周期構造及びそれらの要素についての高レベル略図である。
図6A】従来技術ターゲットを概略的に示す図である。
図6B図6Aに概略的に示す従来技術ターゲットと比較した、本発明のいくつかの実施形態に従う計測ターゲットについての高レベル略図である。
図7A】本発明のいくつかの実施形態に従う区画化縁構成を示す高レベル略図である。
図7B】本発明のいくつかの実施形態に従う区画化縁構成を示す高レベル略図である。
図7C】本発明のいくつかの実施形態に従う区画化縁構成を示す高レベル略図である。
図8】本発明のいくつかの実施形態に従う方法を示す高レベルフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、本発明の様々な態様を説明する。説明目的のために、特定の構成及び詳細を述べることにより、本発明の全体的な理解を提供する。しかし、本発明は、本明細書で示した特定の詳細を用いずに実施されてもよいことが当業者には明らかであろう。更に、周知の特徴が、本発明を不明瞭にしないために省略又は単純化される場合がある。図面への具体的な参照によって、表されている詳細が、例であり、本発明に関する例示的な議論の目的のためだけのものであり、そして、本発明の原理及び概念上の態様についての最も役に立ち、容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために示されることが強調される。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要であるよりもより詳細に本発明の構造上の詳細を表すための試みがなされず、図面を用いてなされた説明が、本発明のいくつかの形式がどのように実際に具現化されるかを当業者に明らかにする。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、それの適用において、以下の説明で述べられ又は図面に示される構成の詳細及び構成要素の配列に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、様々な態様で実施又は実行されてもよい別の実施形態、並びに開示された実施形態の組合せに適用可能である。また、本明細書において使用される言葉遣い及び用語が説明のためのものであり、限定として考えられるべきでないことも理解されるべきである。
【0013】
特に別段の記載がない限り、以下の議論から明らかなように、本明細書全体にわたって、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「強化」、「導出」等の用語を用いる議論は、コンピュータ若しくは計算システム又は類似の電子計算装置の作用及び/又はプロセスを指し、それらは、コンピューティングシステムのレジスタ及び/又はメモリ内の数量を電子的等の物理的なものとして表されたデータをコンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、又は別のそのような情報記憶、伝送若しくは表示デバイス内の物理的数量として同様に表された別のデータに操作及び/又は変換することがわかる。特定の実施形態では、照明技術は、なんらかの範囲の、例えば、赤外線範囲の、可視範囲の、X線等の紫外線又は一層短い放射の電磁放射、及びおそらく粒子ビームさえも含んでもよい。
【0014】
本発明の実施形態は、測定傾斜半導体デバイスのためのプロセス互換設計についての効率的で経済的な方法及び機構を提供し、それによって、計測及び半導体製造の技術分野に改善を提供する。プロセス互換設計のための新しいオーバーレイマーク設計及びアルゴリズム手法が、オーバーレイ測定不正確の低減のために提供される。
【0015】
特定の実施形態では、計測ターゲット、設計方法及びその測定方法が、周期構造を備えており、当該周期構造は、リソグラフィツールの直交生成軸線X及びYに対して傾斜しており、それによりDRAMデバイス等の対角(傾斜、傾いた)要素を有するデバイスのより正確なオーバーレイ測定を可能にする。1つ又は複数の傾斜周期構造は、1つ又は複数の層について、1次元又は2次元の信号を提供するように用いられて、おそらく、1つの層に適用される複数のステップにオーバーレイ測定を提供してもよい。傾斜周期構造は、現在の計測ターゲット設計(例えば、撮像ターゲット及び/又は散乱計測ターゲット)を修正するために、あるいは、新たなターゲットを設計するために用いられてもよく、そして、測定アルゴリズムは、傾斜周期構造から信号を導き出すために及び/又はそれの前処理された画像を提供するようにそれぞれ調整されてもよい。開示されたターゲットは、プロセス互換性があり、様々なプロセスステップについてデバイスオーバーレイをより正確に反映する。
【0016】
図1A~1Eは、デバイス80(図1A)の1つの層、及びデバイス80の異なる層又は特徴同士の間のオーバーレイを測定するオーバーレイ計測ターゲット90を提供するための先行技術手法(図1B~1E)についての高レベル略図である。
【0017】
図1Aは、多くの最新の半導体デバイス、例えば、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)デバイスの構造上の特性を概略的に示す、すなわち、それらは、少なくとも1つの層を有し、当該層は、X及びY軸線を有するスキャナ等のリソグラフィツールの規則的な直角座標に対して指定された傾きで(例えば、Xに対して22°の傾きを有して)整列している。
【0018】
デバイス搭載光学ベースのオーバーレイ(ОVL)計測は、現時点で達成できておらず、その理由は、設計ルールピッチが、撮像及びSCOL(散乱計測ベースの)OVLツールの両方のための最新光学技術によって解像されないからである。その代わりに、OVL測定は、100ナノメートルよりも大きい典型的なスケール(ピッチ)を有する特別に設計された「代用」計測ターゲットにおいて実行され、これは数10nm以下の典型的なデバイスピッチとは対照的である。更に、標準ターゲットは、X-Y方向だけに整列している。
【0019】
図1B~1Eは、先行技術手法を示し、当該先行技術手法は、デバイスのような区画化によってXY整列ターゲットを設計する等の標準XY整列ターゲット(例えば、おそらく最小の設計ルールピッチで傾斜して区画化された要素を有する周期構造を有する周期ターゲット)を用いる傾斜構造によってデバイス層の不整列を測定し、図1Bに概略的に示され、又は傾斜がデバイスに似ていない区画化されたターゲットを(おそらく最小の設計ルールピッチで)設計し、図1C~1Eに概略的に示され、例えば、図1Cは、周期構造の要素に垂直で、周期構造測定方向に沿った区画化を概略的に示し、図1Dは、周期構造要素に平行で、周期構造測定方向に垂直な区画化を概略的に示し、そして、図1Eは、区画化された2次元の2層撮像ターゲットを概略的に示す。次の開示ターゲットと同様に、先行技術ターゲット90が概略的に示されて、周期構造の寸法及び範囲に対して別様に全体的に設計されたターゲットの部分的な区画を示していることが留意される。
【0020】
しかし、主な難点は、先行技術ターゲット設計のうちのどれもが、特に傾いた構造に対して、プロセス互換性がなく(又は、良好にプリントもされず)、対称的でなく、そして、デバイス同様の挙動を有しないことである。例えば、図1B、1C及び1Dに示された原理に従って設計されたターゲット90は、典型的にオーバーレイ値を生じさせ、当該オーバーレイ値は、デバイスのオーバーレイをうまく反映せず、深刻なプリント適性問題(図1B及び1Cに示されたターゲット90が、図1Dに示されたターゲット90よりも不良のプリント適性を有する)を有する。同様の難点が、図1Eに概略的に示される拡大設計を用いて生じ、当該拡大設計は、図1B~1Dに示された要素から構成されてもよい。区画化された2次元2層状撮像ターゲット90は、内側X及び内側Y周期構造95X、95Y、外側X及び外側Y周期構造95X’、95Y’、集合的に示された周期構造95を含んでもよい。特に、かかる構造は、制約によって典型的に画定され、当該制約とは、(i)外側X周期構造95X’は、外側Y周期構造95Y’に直交すること、(ii)内側X周期構造95Xは、内側Y周期構造95Yに直交すること、(iii)外側X周期構造95X’は、内側X周期構造95Xに平行であること、及び(iv)外側Y周期構造95Y’は、内側Y周期構造95Yに平行であること、である。
【0021】
先行技術とは対照的に、ターゲット100及び方法200が、以下で開示され、これらは、先行技術ターゲットの可測性及びプロセス適合性に関し、また、傾いた構造を有するデバイスが遭遇する位置ずれを反映する難点を解決する。以下の手法は、撮像及び散乱計測オーバーレイターゲット設計の両方に適用可能な修正を提供し、そして、表された例は、概略的で非限定的である。開示されたターゲット100において、少なくとも1つの周期構造及び/又は少なくとも1つの層が、X及びY方向に沿って整列しておらず、そして、(i)スキャナX又はツールX方向に無関係であり、デバイス構造の傾きを反映してもよい一つの方向(図4及び5の方向Mとして概略的に示されている)-この方向において、外側及び内側構造が平行である(外側Mが内側Mに平行である)-だけを測定すること、又は、図2A及び2Bにおいて方向M及びNとして表された2つの方向を必要とする、層同士の間のオーバーレイのベクトル(おそらく、層は、一方向の直線及び別方向へのカットのように、2つの連続的なプロセスから生成されていてもよい)を測定することであって、そのとき、対応する外側周期構造が互いに平行でなく、及び対応する内側周期構造が互いに平行でないことを要求することだけを必要とする-図2Aにおいて、外側N(第2対の格子)に平行でない外側M(第1対の格子)、及び内側N’(第2対の格子)に平行でない内側M’(第1対の格子)として概略的に表されている-、ことのいずれかに適用可能である。いくつかの非平行関係が垂直として示されているけれども、角度についてのこの選択が、説明目的のためだけに示され、限定ではないことが留意される。上記の説明は、非限定的な例を提供し、そして、例えば、多層ターゲット、同じ及び別の層上の支援特徴を有するターゲット、及び、直接撮像、モアレ効果撮像、散乱計測その他等の様々な方法を用いて測定信号を生成するターゲット等の異なるターゲットタイプに対して類似直線に沿って実装されてもよい。
【0022】
例えば、開示されたターゲット設計原理は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許第10,101,592号に開示されたようなモアレ効果ベースターゲットに適用されてもよいことが留意される。
【0023】
図2A、2B及び3~5は、本発明のいくつかの実施形態に従う、計測ターゲット100、周期構造110及びその要素120の高レベル略図である。図2A、2B及び3~5において、周期構造100のいくつかの要素120(及び、周期構造95の要素97)が、全体バーとして示されているけれども、様々な実施形態において、要素120(及び97)は、様々な方向(例えば、それぞれの測定方向に沿って若しくはそれを横切って、又は傾斜して、例えば、図7A~7C下方を参照)に区画化されてもよい。図2A、2B及び3~5において、周期構造100のいくつかの要素120(及び周期構造95の要素97)は、区画化されたバーとして示されるけれども、様々な実施形態において、要素120(及び97)は、異なる方向に区画化されないか、又は区画化されてもよい。
【0024】
計測ターゲット100は、複数の周期構造110を備えてもよく、当該周期構造のそれぞれは、繰返し要素120(図2Aに明示的に示されている)を有し、直交生成軸線X及びYを有するリソグラフィツール(例えば、スキャナ、図示せず)によって生成される。周期構造のうちの少なくとも1つが、軸線X及びYに対して傾斜している(斜めになっている)。例えば、図2Aにおいて、図1Eに示される撮像ターゲット90の内側X及び内側Y周期構造に対応する周期構造95X、95Yは、また、計測ターゲット100の部分であり、一方、図1Eに示される撮像ターゲット90の外側X及び外側Y周期構造95X’、95Y’は、それぞれX軸線に対して角度α及びβ-おそらく、リソグラフィツールによって製造される半導体デバイスの角度に対応する-の傾斜周期構造110X、110Yによって置換される。特定の実施形態では、周期構造110X、110Yは、互いに直交してもよく(例えば、β=α-90°)、例えば、軸線X及びYに対して傾斜しており、2つの非平行方向(例えば、直交方向)に沿って周期的であってもよい。傾斜周期構造110X、110Yは、傾斜周期構造110として集合的に示される。様々な実施形態において、周期構造のうちの少なくとも2つが、並んで設置されてもよいことが留意される。
【0025】
特定の実施形態では、傾斜周期構造110は、対応する軸線X及びY(及び/又は、ターゲット110が図2Bにおけるように傾斜している場合には、傾いた軸線X’及びY’)に対して20°と70°との間の角度を形成してもよい。
【0026】
計測ターゲット100は、2つ、又は3つ以上の層を備えてもよく、そして、傾斜周期構造110は、層のうちの1つ又は複数のものにおいて設計されてもよい。計測ターゲット100は、1つ、2つ、又はおそらくそれ以上の測定方向を備え、そして、傾斜周期構造110は、測定方向のうちの1つ又は複数のものにおいて設計されてもよい。特定の実施形態では、異なる傾斜周期構造110は、1つ、2つ、又はそれを超えるタイプのもの、例えば、ピッチ及び/又はCD(限界寸法)が異なるものであってもよい。例えば、図2A及び2Bは、1つの層において2つの測定方向に沿って異なる傾斜周期構造110X、110Yを有する計測ターゲット100を概略的に示し、そして、図4及び5は、2つの層において1つの測定方向に沿って異なる傾斜周期構造110A、110Bを有する計測ターゲット100を概略的に示す。様々な実施形態は、例えば、対応するデバイス設計に基づいて、測定方向及び層の任意の組合せにおいて、同じ及び/又は異なる傾斜周期構造110を備える。傾斜周期構造110A、110Bは、傾斜周期構造110として集合的に示される。
【0027】
図3に概略的に示された周期構造に関して、かかる構造が、いずれかの全体設計されたターゲット100のいずれかの部分として適用されてもよいことが留意され、それにより、開示された周期構造のうちの任意のものが、おそらく利用可能な定着物に関する非長方形形状(おそらく、多くの面を有する)にプリントされてもよいことが強調される。2つの対応する周期構造は、互いに対して(180°回転による)回転対称であることにより、例えば、TIS(ツールによるシフト)誤差測定及び低減を可能にする。
【0028】
図2A及び2Bに示すように、計測ターゲット100が、例えば、軸線X’及びY’に沿って設計されるように、リソグラフィツールのX及びY軸線に対して傾けられてもよい。例えば、図1Eに示すような、先行技術ターゲット90は、ターゲット全体として傾いていてもよいけれども、開示された計測ターゲット100は、同様に傾いた軸線X’及びY’に対して傾斜周期構造110を備え、そして、同様に傾いた軸線に対して傾斜した周期性の方向(それに沿って、それぞれのピッチが測定される)を有することが留意される。特定の実施形態では、開示された計測ターゲット100は、少なくとも2つの非直交測定方向、例えば、1つが周期構造95に対応し、別の1つが周期構造110に対応するものを有してもよい。
【0029】
特定の実施形態では、ターゲットタイプのうちの任意のものに対して、傾斜周期構造110は、例えば、図2A及び4に示されるように、X及びY軸線に沿って面によって長方形を埋めるように設定されてもよい。特定の実施形態では、傾斜周期構造110は、例えば、図2Bに示されるように、傾いたX’及びY’軸線に沿って面によって長方形を埋めるように設定されてもよい。
【0030】
特定の実施形態では、ターゲットタイプのうちの任意のものに対して、例えば、図3及び5に示され、利用可能なウェーハ定着物に従って設計されるように、傾斜周期構造110が、凸四角形115(又は、おそらく4つ以上の面を有する形状)を埋めるように設定されてもよい。
【0031】
特定の実施形態では、ターゲットタイプのうちのいずれかに対して、傾斜周期構造110は、利用可能なウェーハ定着物に従って設計されたいずれかの指定空間を埋めるように設定されてもよい。
【0032】
特定の実施形態では、例えば、回転対称が必要とされない場合、ターゲット100は、上記の測定方向毎及び層毎の1対の周期構造110の代わりに、測定方向毎及び層毎の単一の周期構造110を備えてもよい。
【0033】
様々な実施形態において、ターゲット100は、周期構造のうちの2つの間に特徴を有する少なくとも1つの中間層を備えてもよい。特徴は、軸線X及びYに対して傾斜していてもよい。
【0034】
図6Bは、図6Aに概略的に示された先行技術ターゲット90と比較して、本発明のいくつかの実施形態に従う計測ターゲット100の高レベル略図である。特定の実施形態では、計測ターゲット100は、SEM(走査電子顕微鏡法)ターゲット(例えば、CDSEM、限界寸法走査電子顕微鏡法、ターゲット)として、及び/又は、(αとして示された角度で)X軸線に対して両方とも傾斜している2つの部分的に重複する交互する周期構造110A、110B(傾斜周期構造110として集合的に示される)を有する撮像ターゲットとして構成されてもよい。
【0035】
図7A~7Cは、本発明のいくつかの実施形態に従う、高レベル略図区画化縁構成である。図7Bに示された区画化は、図7C及び図7Aに示された区画化によって解決されてもよいプリント適性問題を生じさせてもよいことが留意される。
【0036】
特定の実施形態では、傾斜周期構造110は、図7A~7Cに概略的に示されるように区画化されてもよく、周期構造110の要素120は、例えば、デバイスピッチにより近いか又は類似しているより小さいピッチ(「区画化ピッチ」として図7A~7Cに示される)のサブエレメント130に区画化されている。例えば、区画化のピッチは、例えば、対応する周期構造110のピッチの5分の1以下であってもよい(「ピッチ」として図7A~7Cに示される)。
【0037】
特定の実施形態では、区画化は、2次元であってもよい。
【0038】
図7A~7Cは、傾斜周期構造110において区画化された傾斜要素120の初期設計を概略的に示し、当該初期設計は、例えば、顧客設計ルール方向を用いて、及び、例えば、区画化のための顧客設計ルールを用いて実行されて、例えば、撮像測定に対して必要とされるピッチを有する傾斜周期構造110によってプリント適性を保証する。開示された設計のうちのいずれかにおいて、マスク上の空間が、明快性を保持するために本明細書において示されず、そして、ターゲット設計100のプリント適性を改善する平行SARF(副解像度支援特徴)によって埋められてもよいことが留意される。
【0039】
ウェーハ上又はリソグラフィマスク上のいずれかにおける「直線」及び「空間」という用語が、説明の容易さのために用いられ、そして、本発明の範囲を限定しないことが留意される。特に、直線及び空間として本明細書に示された要素は、ターゲットにわたって同様に又は異なる態様で、それぞれの直線及び/又は空間を埋めてもよい様々なタイプの構造から構成されてもよい。例えば、周期構造としての異なる格子の間の空間は、(異なるタイプの要素によって)格子内の空間とは異なる様に埋められてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、下位要素130(要素120の区画)は、指定された照明条件に対して最適化されて、プリント適性問題を解消又は最小化される。例えば、縁は、OPC(光学近接補正)、CMP(化学機械平坦化)支援等のような標準技術によって最適化されてもよい。具体的には、傾いた双極子照明の場合、図7A及び図7Cに示された原理に従って設計された区画化が、図7Bに示された区画化よりもプリント適性問題を生じさせないことが期待される。
【0041】
半導体デバイス設計において、デバイス構造の縁の正確な構成が、重要性がより小さく、開示された計測ターゲット100の計測測定が、区画縁の詳細に敏感であり、区画縁の不均一性生成によって劣化させられることが留意される。したがって、本発明者は、非対称縁(楕円93の長軸に対して示されるような)ではなくむしろ、対称縁(楕円135の長軸に対して示されるような)を設計することを提案する。
【0042】
様々な実施形態において、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,921,916号及び米国特許出願公開第2007/0008533号に記載されたアルゴリズム、及びその修正、並びに2D適合、相関、その他等の別のアルゴリズム等のある範囲の測定アルゴリズムが、計測測定値を導き出すために用いられて、必要な位置ずれを見つけてもよい。
【0043】
例えば、以下の非限定的な測定アルゴリズムは、撮像ターゲットとして構成されたターゲット100を測定するために用いられてもよい。第一に、画像処理は、おそらく追加の再ピクセル処理によって、ターゲット100のキャプチャされた画像を回転させて、周期構造110のそれぞれの対(例えば、内側左及び内側右)を元のターゲットのX又はY方向(例えば、リソグラフィツールのX及びYに、又は傾いたX’及びY’に対応する、それぞれ図2A及び2Bを参照)に平行にするために用いられてもよい。画像から、それぞれの対の周期構造110の対称中心が抽出されてもよく、それから、内側及び外側構造のX及びY対称中心が算出されてもよく、そして、内側及び外側構造の対称中心の間のベクトルは、オーバーレイを提供する。明らかに、いずれかの1次元又は2次元測定アルゴリズムがそれに応じて修正されて、開示されたターゲット100の計測測定を提供してもよい。
【0044】
様々な実施形態において、次の非限定的な例等の別のアルゴリズムが用いられてもよい。図3に示された例示の周期構造110を(例えば、拡大されたターゲット100の一部分として)考慮すると、-ターゲット100内のそれぞれの周期構造110の画像(又は、部分画像)が、キャプチャされてもよく、対応する方向Mの周期モデル(関数のクラス)は、周期P、2P、3P、…、nP(Pはピッチである)を有する方向Mの余弦関数及び正弦関数の合計であるように選ばれ、そして、直交方向Nに一定であるように選ばれてもよい。周期の数nは、n+1次の高調波が光学システムとは無関係であるか、又は(n+1超の高調波を含む)ノイズレベルよりも小さいことが経験的に知られているように選ばれてもよい。1次元信号が、M方向に選ばれた周期モデルを放出することによって導き出されることにより、1次元信号を生じさせ、当該1次元信号は、次いで、(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,921,916号及び米国特許出願公開第2007/0008533号、並びに別の出典に記載されたような)周期構造毎に1次元信号を用いて通常のオーバーレイアルゴリズムにおけるように処理されてもよい。
【0045】
特定の実施形態では、いくつかの周期構造110が、1つの層内に設計されてもよく、このことは、例えば、生成ステップ及びカットステップ等の、その層に適用される複数のプロセスステップが、おそらく一方又は両方ともリソグラフィツールの軸線(X、Y)に対して傾いていることを意味する。例えば、生成された層は、(X又はY軸線に沿って)規則的であってもよく、一方、カット層は、対角方向であってもよく、-傾斜周期構造110にその計測測定を提供することを要求する。
【0046】
開示されたターゲット100は、いずれかのタイプのものであってもよく、開示された標的設計原理が、広範囲の計測ターゲット100に適用可能であってもよいことが強調される。更に、本発明は、特定の計測ツール、技術又はターゲットタイプに限定されないことが留意される。例えば、ターゲット100は、それらの設計の部分として傾斜周期構造を有する、1次元若しくは2次元ターゲット、撮像ターゲット、任意のタイプの散乱計測ターゲット、又は任意の形式若しくはタイプのモアレ効果ベースターゲットであってもよい。
【0047】
図8は、本発明のいくつかの実施形態に従う、方法200を示す高レベルフローチャートである。方法ステージが、上記の計測ターゲット100に対して実行されてもよく、当該方法ステージは、方法200を実装するように随意に構成されてもよい。方法200は、例えば、計測モジュール内に、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって少なくとも部分的に実装されてもよい。特定の実施形態は、コンピュータ読取り可能記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品を備え、当該コンピュータ読取り可能記憶媒体は、それによって具現化されるコンピュータ読取り可能プログラムを有し、方法200の関連するステージを実行するように構成されている。特定の実施形態は、方法200の実施形態によって設計されたそれぞれのターゲットのターゲット設計ファイルを備える。方法200は、順序に関わらない次の段階を備えてもよい。
【0048】
特定の実施形態が、ターゲット設計方法200を備え、当該方法は、デバイス設計において、軸線X及びYに対して傾斜構造を識別するステップ(ステージ205)と、識別された傾斜構造と同じ層に及び軸線X及びYに対して同じ角度で計測ターゲットの少なくとも1つの傾斜周期構造を設計するステップ(ステージ210)と、を含む。
【0049】
特定の実施形態は、計測ターゲットの少なくとも1つの周期構造を構成するステップを含むターゲット設計方法200を含み、当該周期構造は、軸線X及びYに対して傾斜しているように、直交生成軸線X及びYを有するリソグラフィツールによって生成される(ステージ220)。
【0050】
特定の実施形態では、方法200は、最小設計ルールピッチに接近又は到達するように周期構造の要素を区画化するステップ(ステージ230)と、おそらく垂直な縁によってセグメントを長方形に設計するステップ(ステージ235)と、を更に含んでもよい。
【0051】
特定の実施形態では、方法200は、それに応じて、撮像、SEM(走査電子顕微鏡法)及び/又は散乱計測ターゲットのうちのいずれかを設計するステップ(ステージ240)と、傾斜周期構造を利用するためにそれぞれの測定アルゴリズムを調整するステップ(ステージ250)と、を更に備えてもよい。例えば、特定の実施形態では、方法200は、傾斜周期構造を有するターゲットの画像を調整するための画像処理及びおそらく再ピクセル処理を、対応する計測アルゴリズムによる解析に適用するステップ(ステージ255)、及び/又は、傾斜測定方向に投影される対応するモデルを適用し、対応する周期構造の1次元信号を導き出して、それらをオーバーレイ導出のために用いるステップ(ステージ257)、を含んでもよい。
【0052】
開示された方法は、いずれかのタイプの計測ターゲットに適用されてもよく、そして、いずれかの計測ツール技術を用いて実装されてもよいことが留意される。例えば、方法200は、1次元の若しくは2次元のターゲット、撮像ターゲット、いずれかのタイプの散乱計測ターゲット、及び/又はモアレ効果ベースターゲットのうちのいずれかに、傾斜周期構造を設計の部分として統合するために適用されてもよい。
【0053】
有利には、開示されたターゲット100及び方法200は、例えば、最小の設計ルール高密度デバイス特徴の誤差に非常に近いようにターゲット100のパターン設置誤差(PPE)及びエッチング設置誤差(EPE)を提供する、デバイスオーバーレイを正確に表示するオーバーレイ測定を提供する。更に、開示されたターゲット100及び方法200は、1つ又は複数の層-以前及び現在の層のそれぞれが、1つ又は複数の傾斜周期構造110を含んでもよい-内に非直交周期構造を有するターゲット構造の1次元又は2次元測定等の対角(傾斜)周期構造の測定を可能にする。開示されたターゲットは、プロセス互換性を有し、デバイス生成性能に密接に対応する。傾斜周期構造110の区画化された要素の区画縁の調整は、おそらく用いられる照明(例えば、随意に回転させられるダイポール照明)に対して測定精度を更に向上させてもよい。
【0054】
本発明の態様が、本発明の実施形態に従う方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート説明図及び/又は部分線図を参照して上記で説明される。フローチャート説明図及び/又は部分線図のそれぞれの部分、及びフローチャート説明図及び/又は部分線図の部分の組合せが、コンピュータプログラム命令によって実装されてもよい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は機械を製造するための別のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータ又は別のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又は部分線図若しくはその部分において指定された機能/行為を実装するための手段を生成する。
【0055】
これらのコンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ、別のプログラム可能データ処理装置又は特定の態様で機能する別のデバイスに指示してもよいコンピュータ読取り可能媒体内に記憶され、それにより、コンピュータ読取り可能媒体内に記憶された命令は、フローチャート及び/又は部分線図若しくはその部分内で指定される機能/行為を実装する命令を含む製品を製造してもよい。
【0056】
コンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ、別のプログラム可能データ処理装置又は別のデバイスに読み込まれて、コンピュータ実装プロセスを生成するために一連の演算ステップをコンピュータ、別のプログラム可能装置又は別のデバイス上で実行させ、それにより、コンピュータ又は別のプログラム可能装置において実行する命令が、フローチャート及び/又は部分線図若しくはその部分内で指定される機能/行為を実装するためのプロセスを提供してもよい。
【0057】
前記のフローチャート及び線図は、本発明の様々な実施形態に従う、システム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装の構成、機能及び演算を示す。この点に関して、フローチャート又は部分線図のそれぞれの部分は、コードのモジュール、セグメント又は部分を表してもよく、これらは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行命令を含む。また、いくつかの代替実施形態において、部分に示された機能が、図に示された命令から生じてもよいことが留意されなければならない。例えば、連続して表された2つの部分は、実際に、関係する機能に依存して、実質的に並行して実行されてもよく、又は、部分は、時には逆の順序で実行されてもよい。また、部分線図及び/又はフローチャート説明図のそれぞれの部分、及び部分線図及び/又はフローチャート説明図の部分の組合せが、専用ハードウェアベースシステムによって実装されてもよく、当該システムは、指定された機能若しくは行為、又は、専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せを実行することが留意されるであろう。
【0058】
上記の説明において、実施形態は、本発明の例又は実装である。「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」又は「いくつかの実施形態」という様々な表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すというわけではない。本発明の様々な特徴が単一の実施形態に関連して記述されてもよいけれども、特徴は、また、別々に又は任意の好適な組合せで提供されてもよい。逆に言えば、本発明は、明瞭にするために別々の実施形態に関連して本明細書に記載されてもよいけれども、本発明は、また、単一の実施形態に実装されてもよい。本発明の特定の実施形態は、上記に開示された異なる実施形態からの特徴を含んでもよく、そして、特定の実施形態は、上記で開示された別の実施形態から要素を組み込んでもよい。特定の実施形態に関連した本発明の要素の開示は、それらの使用を特定の実施形態だけに限定されるべきではない。更に、本発明は、様々な態様で実行、又は実践されてもよいこと、そして、本発明は、上記の説明で概説された実施形態以外の特定の実施形態で実装されてもよいことを理解すべきである。
【0059】
本発明は、それらの線図に、又は対応する説明に限定されない。例えば、フローは、それぞれの示されたボックス又は状態を通って、あるいは、図示及び説明されたものとちょうど同じ順序で進む必要はない。本明細書で用いられる技術的及び科学的な用語の意味は、別途規定されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって共通に理解しなければならない。本発明は、限定された数の実施形態に対して記載されたけれども、これらは、本発明の範囲についての限定として解釈されてはならず、むしろ、好ましい実施形態のうちのいくつかの事例として解釈されなければならない。別の可能な変形、修正及び適用は、また、本発明の範囲内にある。したがって、本発明の範囲は、これまでに説明されたことによって限定されてはならないけれども、添付クレーム及びそれらの法的均等物によって限定されなければならない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8