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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240828BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20240828BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20240828BHJP
【FI】
F21S2/00 433
H01L33/58
H01L33/60
F21S2/00 413
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020150117
(22)【出願日】2020-09-07
(65)【公開番号】P2022044482
(43)【公開日】2022-03-17
【審査請求日】2021-10-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山下 良平
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 敏伸
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/033782(WO,A1)
【文献】特開2014-127335(JP,A)
【文献】特開2004-152496(JP,A)
【文献】特開2011-039122(JP,A)
【文献】国際公開第2010/070885(WO,A1)
【文献】特開2020-109783(JP,A)
【文献】特開2018-101521(JP,A)
【文献】国際公開第2020/101038(WO,A1)
【文献】特開2011-096494(JP,A)
【文献】特開2005-353544(JP,A)
【文献】国際公開第2010/113361(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/58
H01L 33/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および前記上面とは反対側に位置する下面を有し、前記上面から前記下面まで貫通する少なくとも1つの貫通孔が設けられた導光板と、
前記導光板の前記下面側に位置し、配線層を含む配線基板と、
前記配線基板の前記配線層に電気的に接続された発光素子を含む少なくとも1つの光源と
を備え、
前記光源は、前記貫通孔の内部に位置しており、
前記導光板の前記上面は、それぞれが平面視において円形状を有する複数の凸部または凹部を含む第1領域を有し、
前記第1領域は、
前記光源を中心とする仮想円の外側に位置する外側領域と、
前記仮想円の内側に位置し、前記外側領域よりも前記光源の近くに位置する内側領域と
を含み、
前記仮想円は、前記導光板の外縁よりも外側に位置する部分を含んでおり、
前記円形状の直径は、前記外側領域において前記内側領域よりも大きく、
平面視において単位面積あたりに前記複数の凸部または凹部が占める割合は、前記光源を中心として同心円状に増大しており、
前記複数の凸部または凹部の配置ピッチは、前記光源から離れるに従って縮小している、面状光源。
【請求項2】
前記導光板の前記上面は、前記貫通孔を取り囲む、平坦面からなる第2領域をさらに有し、
前記第1領域は、前記第2領域の外側に位置し、前記第2領域を取り囲んでいる、請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記複数の凸部または凹部の数密度は、前記光源から離れるに従って増大している、請求項1または2に記載の面状光源。
【請求項4】
少なくとも1つの第1透光性部材と、
少なくとも1つの第1光反射性部材と
をさらに備え、
前記貫通孔は、前記第1透光性部材で充填されており、
前記第1光反射性部材は、前記第1透光性部材の、前記導光板の前記上面側に位置する表面を覆っている、請求項1から3のいずれかに記載の面状光源。
【請求項5】
前記発光素子は、上面を有し、
前記光源は、少なくとも前記発光素子の前記上面を覆う第2透光性部材を含む、請求項1から4のいずれかに記載の面状光源。
【請求項6】
前記光源は、前記発光素子の前記上面とは反対側の下面の少なくとも一部を覆う被覆部材を含む、請求項5に記載の面状光源。
【請求項7】
前記導光板は、前記上面および前記下面の少なくとも一方に開口している1以上の第1溝であって、平面視において前記光源を取り囲む1以上の第1溝を有する、請求項1から6のいずれかに記載の面状光源。
【請求項8】
前記1以上の第1溝のそれぞれの形状を規定する内側面を少なくとも覆う光反射性の区画部材をさらに備える、請求項7に記載の面状光源。
【請求項9】
前記導光板の下面と前記配線基板との間に配置された光反射性シートをさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の面状光源。
【請求項10】
前記少なくとも1つの貫通孔は、前記導光板に一次元または二次元に設けられた複数の貫通孔を含み、
前記少なくとも1つの光源は、それぞれが前記複数の貫通孔のうち対応する1つの内部に配置された複数の光源を含む、請求項1から9のいずれかに記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1は、複数の穴部が設けられた導光板を複数のLED素子が接続された基板上に配置した発光装置を開示している。下記の特許文献2は、基板上に配列された複数のLEDの上面側に複数の光学素子を配置した光学ユニットを開示している。特許文献2の光学ユニットでは、各光学素子の出射面のうち、LEDの直上に形成された凹形状を取り囲むようにレンズアレイを配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-210674号公報
【文献】特開2009-063684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
輝度ムラが抑制された面状光源を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態による面状光源は、上面および前記上面とは反対側に位置する下面を有し、前記上面から前記下面まで貫通する少なくとも1つの貫通孔が設けられた導光板と、前記導光板の前記下面側に位置し、配線層を含む配線基板と、前記配線基板の前記配線層に電気的に接続された発光素子を含む少なくとも1つの光源とを備え、前記光源は、前記貫通孔の内部に位置しており、前記導光板の前記上面は、複数の凸部または凹部を含む第1領域を有し、平面視において単位面積あたりに前記複数の凸部または凹部が占める割合は、前記光源を中心として同心円状に増大している。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、輝度ムラが抑制された面状光源が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のある実施形態による面状光源の例示的な構成を示す模式的な斜視図である。
図2図1に示す面状光源の発光領域の一例に関する模式的な断面と導光板の上面側から見た例示的な外観とを模式的に示す図である。
図3】上面に複数の凸部を有する導光板の他の例を示す模式的な平面図である。
図4】上面に複数の凸部を有する導光板のさらに他の例を示す模式的な平面図である。
図5】導光板の第1領域に設けられ得る複数の凸部の他の例を示す模式的な平面図である
図6】導光板の第1領域に設けられ得る構造の他の例を示す模式的な断面図である。
図7】導光板の第1領域に設けられ得る構造のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図8図2に示す発光領域中の発光素子および配線基板を取り出して示す模式的な断面図である。
図9】合計1000個の発光領域を有する面状光源の例を示す模式的な上面図である。
図10】本開示の他のある実施形態による面状光源の発光領域の例示的な構成を示す模式的な断面図である。
図11】面状光源の導光板における第1溝の配置の一例を説明するための模式的な平面図である。
図12】面状光源の導光板における第1溝の配置の他の一例を説明するための模式的な平面図である。
図13】本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源の他の例を示す模式的な断面図である。
図14】本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図15】本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図16】本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図17】本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図18】面状光源の変形例を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による面状光源は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の面状光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本開示のある実施形態による面状光源の例示的な構成を示す。図1に示す面状光源200は、上面210aを有する導光板210と、導光板210の下方に位置する配線基板240と、複数の光源50とを含む。後述するように、各光源50は、LED等の発光素子を含む。なお、図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
【0012】
面状光源200は、全体として板状である。面状光源200の発光面を構成する、導光板210の上面210aは、典型的には、矩形状を有する。ここでは、上述のX方向およびY方向は、導光板210の矩形状の互いに直交する辺の一方および他方にそれぞれ一致している。上面210aの矩形状の一辺の長さは、例えば20cm以上40cm以下の範囲である。
【0013】
図1に例示する構成において、面状光源200は、各々が少なくとも1つの光源50を含む複数の発光領域100を含む。図1に模式的に示すように、面状光源200は、この例では、4行4列に配列された合計16個の発光領域100を含んでいる。面状光源200に含まれる発光領域100の数およびそれら発光領域100の配置は、任意であり、図1に示す構成に限定されない。例えば、面状光源200は、2以上の発光領域100の一次元配列によって構成されていてもよい。面状光源200が単一の発光領域100から構成されることもあり得る。
【0014】
図1に示すように、各発光領域100は、導光板210の上面210aに位置する開口をその一部に含む貫通孔10を有する。各発光領域100の光源50は、貫通孔10の内部に位置する。この例では、発光領域100が4行4列に配置されていることに対応して、光源50がX方向およびY方向に沿って配線基板240上に4行4列に配列されている。
【0015】
光源50の配置ピッチは、例えば7.5mm以上10.0mm以下程度とすることができ、8.0mm以上9.5mm以下程度の範囲であってもよい。ここで、光源50の配置ピッチとは、光源50の光軸間の距離を意味する。光源50の光軸とは、その光源50に含まれる発光素子の上面に垂直かつ平面視において発光素子の上面の中心を通る軸、あるいは、光源50の上面に垂直かつ平面視において光源50の上面の中心を通る軸を指す。光源50は、配線基板240上に等間隔に配置されてもよいし、不等間隔で配置されてもよい。光源50の配置ピッチは、互いに異なる二方向の間で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0016】
図2は、発光領域100の一例である発光領域100Aを示す。図2では、発光領域100Aを発光領域100Aの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの模式的な断面と、導光板210の上面210a側から上面210aに垂直に見たときの発光領域100Aの例示的な外観とをあわせて1つの図に模式的に示している。
【0017】
発光領域100Aは、概略的には、導光板110Aと、光源50と、配線基板140とを含む。図2の上段に示すように、導光板110Aは、上面110aと、上面110aとは反対側の下面110bとを有し、配線基板140は、導光板110Aの下面110b側に位置する。導光板110Aには、上面110aに位置する開口10aを含む貫通孔10が設けられている。導光板110Aは、図1に示す導光板210の一部であり、導光板110Aの貫通孔10は、図1に表された複数の貫通孔10のうちの1つを例示している。
【0018】
ここでは、貫通孔10は、概ね円柱形状を有している。図2の上段に示すように、貫通孔10は、開口10aに加えて、導光板110の下面110bに位置する開口10bと、開口10aと開口10bとの間に位置する側面10cとを含む。貫通孔の側面とは、貫通孔の形状を規定する、導光板の内側面である。貫通孔10の具体的な形状がこの例に限定されないことは、言うまでもない。
【0019】
発光素子120は、貫通孔10の内部に位置する。この例では、貫通孔10の内部の空間のうち、発光素子120を除く部分は、第1透光性部材30で充填されている。すなわち、この例では、発光素子120は、第1透光性部材30によって覆われている。
【0020】
図2に示す配線基板140は、図1に示す配線基板240の一部であり、1以上の配線層141と、樹脂等の絶縁部144とを含む。配線基板140は、上面140aと、上面140aとは反対側に位置する下面140bとを有する。ここでは、配線基板140の上面140aと、導光板110Aの下面110bとの間に介在された接着シート150により、導光板110Aが配線基板140に接合されている。後述するように、接着シート150と配線基板140との間には、光反射性の樹脂シート等の他の機能層が配置されることもある。発光素子120は、配線基板140の配線層141に電気的に接続される。なお、図2の上段では、図面が過度に複雑になることを避けるために、発光領域100Aの例示的な構造をあくまでも模式的に示している。配線基板140の構造の詳細については、後述する。
【0021】
導光板110Aの上面110aは、その少なくとも一部に、複数の凸部または凹部が形成された第1領域111Aを有する。第1領域111Aは、上面110aのうち貫通孔10と重ならない領域に位置する。図2に示す例では、第1領域111Aに複数の凸部110dが配置されている。
【0022】
導光板110Aの上面110a側の表面のうち貫通孔10と重ならない領域に例えば複数の凸部110dを設けることにより、貫通孔10の側面10cから導光板110Aの内部に導入される、発光素子120からの光を第1領域111Aから効率的に取り出すことが可能になる。すなわち、導光板110Aの上面110aの法線方向から見たときの第1領域111Aにおける輝度を相対的に向上させることができる。
【0023】
この例では、図2の下段に示すように、第1領域111Aは、上面110aのうち貫通孔10と重ならない領域の全体を占めており、複数の凸部110dが形成されている。第1領域111Aのうち複数の凸部110d以外の部分は、典型的には、平坦面である。第1領域111Aにおいて、貫通孔10と貫通孔から最も近い凸部との間の領域(環状の領域)に平坦面が形成される場合があるが、この場合でも、第1領域111A全体に凸部110dが形成されているものとする。なお、図2は、導光板110Aの上面110aの構造を説明するためのあくまでも模式的な図であり、断面図と平面図との間で複数の凸部110d等の数あるいは形状が厳密に一致しないことがある。このことは、本開示の他の図面についても同様である。
【0024】
図2に模式的に示すように、第1領域111Aにおいて単位面積あたりに凸部110dが占める割合は、発光素子120を中心として同心円状に増大している。この例では、複数の凸部110dのそれぞれは、平面視において円形状の外形を有する。凸部110dの円形状の直径は、導光板110Aの中心から離れるに従って段階的に大きくなってもよいし、徐々に大きくなってもよい。より具体的には、図2中に点線で描かれた、発光素子120の位置を中心とする仮想的な円R1と貫通孔10の開口10aとに挟まれた領域にある凸部110dと比較して、円R1と円R1よりも大きな直径を有する仮想的な円R2とに挟まれた領域にある凸部110dは、より大きな直径を有している。さらに、複数の凸部110dのうち円R2の外側の領域にある凸部110dの直径は、円R1と円R2とに挟まれた領域にある凸部110dの直径よりも大きい。図2に示す構成から理解されるように、複数の凸部110dの直径が、発光素子120から離れるに従って一様に増大している必要はない。発光素子120の位置を中心とする仮想的な円R1と貫通孔10の開口10aとに挟まれた領域にある複数の凸部110dのそれぞれの直径は同じでもよい。また、円R1と円R1よりも大きな直径を有する仮想的な円R2とに挟まれた領域にある複数の凸部110dのそれぞれの直径は同じでもよい。
【0025】
図2に例示するように、第1領域111Aにおいて単位面積あたりに複数の凸部110dが占める割合を、光源50(ここでは発光素子120)を中心として同心円状に増大させるような構成によれば、導光板110Aの上面110aのうち、光源50から離れた位置から出射される光を相対的に増大させることができる。例えば、この例では、導光板110Aの上面110aの4つの角部付近に配置された複数の凸部110dは、第1領域111Aに設けられた凸部110dのうちで最大の直径を有する。したがって、第1領域111Aの他の領域と比較して、導光板110Aの上面110aの4つの角部付近の輝度を相対的に増大させることができる。
【0026】
相対的に暗くなりやすい領域の輝度が向上する結果、導光板110Aの厚さの増大を抑制しながら、輝度ムラをより効果的に抑制することが可能である。配線基板140を含めた、本開示の実施形態による面状光源の全体としての厚さは、例えば、0.8mm以上0.9mm以下の範囲であり得る。
【0027】
以下、発光領域100A中の各部材の詳細を説明する。
【0028】
[導光板110A]
導光板110Aは、発光素子120からの光をその内部で伝搬させて上面110aから出射させる機能を有する。導光板110Aの上面110aは、典型的には、導光板210の上面210aと同様に矩形状を有する。本実施形態において、複数の導光板110Aの上面110aの集合は、面状光源200の発光面を構成する。
【0029】
導光板110Aは、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂から形成される概ね板状の部材であり、透光性を有する。これらの材料のうち、特に、ポリカーボネートは、安価でありながら、高い透明度を得ることが可能である。なお、本明細書における「透光性」および「透光」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。導光板110Aは、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
【0030】
導光板110Aは、単層であってもよく、複数の透光性の層を含む積層構造を有していてもよい。これら複数の透光性の層は、透光性の接着層によって一体に接合され得る。例えば、材料が共通する複数の樹脂シートの積層により、導光板110Aを形成することができる。
【0031】
導光板110Aの厚さ、すなわち、下面110bから上面110aまでの距離は、典型的には、200μm以上800μm以下程度である。本開示の実施形態によれば、導光板110Aの厚さを400μm以上600μm以下程度の範囲とすることも可能である。
【0032】
上述したように、導光板110Aは、貫通孔10を有する。ここでは、貫通孔10の側面10cの断面視における形状は、概ね直線状である。しかしながら、側面10cの断面視における形状は、直線状に限定されず、屈曲および/または段差を含む形状、あるいは、曲線状等であってもよい。
【0033】
貫通孔10の具体的な構成は、平面視において貫通孔10の内側に配置される光源50(ここでは発光素子120)の形状および特性等に応じて適宜に決定され得る。図1および図2に例示する構成において、貫通孔10は、円柱形状を有している。すなわち、開口10aおよび開口10bの形状は、円形である。開口10aおよび開口10bのそれぞれの大きさ(この例では直径)は、例えば3mm程度であり得る。開口10aおよび開口10bのそれぞれの大きさは、貫通孔10内に位置する光源50の形状に応じて適宜決定される。なお、貫通孔10の形状は、円柱形状に限定されず、例えば、角柱状であってもよい。貫通孔10の形状は、円錐台形状もしくは逆円錐台形状、または、多角錐台形状もしくは逆多角錐台形状等であってもよい。
【0034】
後述するように、光源50(ここでは発光素子120)の上面の平面視における形状は、矩形状である。この場合、光源50は、その矩形状の一辺が導光板110Aの矩形状の一辺と平行となるように貫通孔10内に配置されてもよいし、導光板110Aの矩形状の一辺に対して傾斜するように貫通孔10内に配置されてもよい。例えば、光源50は、平面視においてその矩形状が導光板110Aの矩形状に対して45°傾けられて貫通孔10内に配置され得る。いずれの配置においても、導光板110Aの貫通孔の中心は、光源50の光軸に概ね一致させられる。
【0035】
図2に例示する構成において、導光板110Aの上面110aに設けられた複数の凸部110dのそれぞれは、円形状である。円形状の直径は、例えば1μm以上500μm以下の範囲である。各凸部110dの平面視における形状が真円形状に限定されないことは、言うまでもない。複数の凸部110dのそれぞれの平面視における形状は、楕円形状、歪んだ円形状、多角形状あるいは不定形状等であってもよい。なお、本明細書において、平面視における凸部または凹部の形状とは、導光板の上面に平行な平面に凸部または凹部を投影したときの外縁の形状を指す。凸部(または凹部)の平面視における形状が円形状以外である場合、凸部の外縁(または凹部の開口)を取り囲む仮想的な円の直径が、例えば上記の範囲にある。
【0036】
凸部110dは、導光板110Aの上面110aから突出する形状を有していれば、導光板110Aの内部での全反射を抑制することにより、上面110aから取り出される光を増大する効果を発揮し得る。したがって、凸部110dは、半球形状、円錐形状、角錐形状、角錐台等の種々の形状を採り得る。
【0037】
図2に示す例では、複数の凸部110dは、三角格子の格子点上に中心が位置するように第1領域111Aに二次元に配置されている。もちろん、複数の凸部110dの配置は、この例に限定されず、所望の光学特性に応じて任意の配置を採用し得る。例えば、正方格子の格子点上に中心が位置するように複数の凸部110dが第1領域111Aに二次元に配置されてもよい。
【0038】
図3は、上面に複数の凸部を有する導光板の他の例を示す。図3に示す発光領域100Bは、導光板110Bをその一部に含んでいる。導光板110Bの上面110aは、第1領域111Bと、第1領域111Bの内側に位置する第2領域112Bとを有する。第2領域112Bは、導光板110Bの上面110aのうち貫通孔10を取り囲む領域であり、第1領域111Bは、第2領域112Bの外側に位置し、第2領域112Bを取り囲む。
【0039】
図3に示す例では、第1領域111Bは、上面110aのうち仮想的な円R1よりも外側の領域であり、その表面には複数の凸部110dが設けられている。図2を参照して説明した例と同様に、第1領域111Bのうち、上述の仮想的な円R2の外側に位置する凸部110dの円形状の直径は、仮想的な円R2よりも内側に位置する凸部110dの円形状の直径よりも大きい。第1領域111Bのうち仮想的な円R2よりも外側にある領域111Baを「外側領域」、第1領域111Bのうち外側領域よりも光源50(ここでは発光素子120)の近くに位置する領域、換言すれば、仮想的な円R1および円R2に挟まれた領域111Bbを「内側領域」と呼んでもよい。図3では、分かりやすさのために、内側領域111Bbを網掛けが付された領域として示し、外側領域111Baを濃い網掛けが付された領域として示している。
【0040】
他方、第2領域112Bは、上面110aのうち仮想的な円R1と貫通孔10の開口10aとに挟まれた領域であり、その表面には凸部110dは設けられていない。したがって、この例では、第2領域112Bは、環状の領域であり、その表面は、平坦面である。平面視における第2領域112Bの外形は、図3に例示するような円形に限定されず、楕円形、または、矩形もしくは菱形のような四辺形等の他の形状であってもよい。
【0041】
図3に例示するように、複数の凸部110dは、上面110aの全体に形成されている必要はなく、例えば第1領域111Bの少なくとも一部に設けられていればよい。第1領域111Bに例えば複数の凸部110dを設けることにより、第1領域111Bから取り出される光が第2領域112Bと比較して増大する。その結果、光源50からより遠くに位置する第1領域111Bの輝度が増大し、輝度ムラの発生をより効果的に低減し得る。
【0042】
図3に例示するように、複数の凸部110dの円形状の直径は、導光板110Aの中心側に配置される凸部110dよりも導光板110Aの中心から離れて配置される凸部110dの方が大きい。
【0043】
このように、図2および図3に示す例では、導光板の上面110aにおいて、単位面積あたりに複数の凸部110dが占める割合を、光源50の位置を中心として同心円状に増大させている。ここで、本明細書の「同心円状」は、中心が共通していることを意味し、中心が共通とされた複数の形状が真円に限定されることを意図するものではない。上述の仮想的な円R1および/または円R2は、真円に限定されず、楕円等であり得る。例えば、導光板110Bの上面110aが長方形状である場合、仮想的な円R1および円R2は、楕円形状であってもよい。このとき、これらの楕円の中心とは、楕円の長軸と短軸とが交わる位置を指す。
【0044】
図4は、上面に複数の凸部を有する導光板のさらに他の例を示す。図4に示す発光領域100Cの導光板110Cは、その上面110aに第1領域111Cを有している。第1領域111Cは、仮想的な円R2よりも外側の外側領域111Caと、仮想的な円R1および円R2に挟まれた内側領域111Cbとを含む。
【0045】
図4に例示する構成において、上面110aの第1領域111Cには、複数の凸部110dが形成されている。この例では、複数の凸部110dの直径が同一であり、第1領域111Cのうち内側領域111Cbに配置された複数の凸部110dの数密度は、第1領域111Cのうち仮想的な円R1よりも内側の領域に配置された複数の凸部110dの数密度よりも高い。また、外側領域111Caに配置された複数の凸部110dの数密度は、内側領域111Cbに配置された複数の凸部110dの数密度よりも高い。換言すれば、第1領域111Cに配置された複数の凸部110dの数密度は、光源50から離れるに従って増大している。
【0046】
ここで、複数の凸部(または凹部)の数密度とは、導光板の上面における単位面積あたりの凸部(または凹部)の個数として定義される。図4に例示するように、光源50から離れるに従って複数の凸部110dの数密度を増大させることにより、単位面積あたりに凸部110dが占める割合を、光源50を中心として同心円状に増大させることができる。したがって、図4に示すような構成によっても、光源50からより遠くに位置する領域の輝度を増大させることができ、輝度ムラを抑制する効果が得られる。
【0047】
図4に示す例では、発光素子120から離れるに従って複数の凸部110dが密に配置されている。すなわち、複数の凸部110dは、光源50から離れるに従って配置ピッチが縮小するような配置を有し得る。ここで、複数の凸部(または凹部)の配置ピッチとは、隣り合う2つの凸部(または凹部)の中心間の距離のうち最小のものとして領域ごと(例えば外側領域111Caおよび内側領域111Cbのそれぞれ)に定義することができる。複数の凸部110dの配置ピッチは、各凸部110dの寸法および形状、ならびに、得ようとする光学特性等に応じて適宜選択することができる。複数の凸部110dの配置ピッチは、例えば10μm以上200μm以下の範囲である。
【0048】
なお、この例では、仮想的な円R1と貫通孔10の開口10aとの間の領域にも複数の凸部110dを配置している。しかしながら、仮想的な円R1と貫通孔10の開口10aとの間の領域を、凸部110dの配置されない第2領域としてもよい。
【0049】
図5は、上面に複数の凸部を有する導光板のさらに他の例を示す。図2を参照しながら説明した発光領域100Aと比較して、図5に示す発光領域100Dは、導光板110Aに代えて、導光板110Dを有する。
【0050】
図5に示す発光領域100Dの導光板110Dの上面110aは、第1領域111Dおよび第1領域111Dよりも内側の第2領域112Dを有し、これら2つの領域のうち第1領域111Dに複数の凸部110eが設けられている。この例では、複数の凸部110eのそれぞれは、円環形状を有する凸リングの形で上面110aの第1領域111Dに形成されている。第1領域111Dのうち凸リング間にある部分は、平坦面であり得る。なお、図5では、分かりやすさのために、網掛けで陰影を付すことにより複数の凸部110eを表現している。導光板110Dの断面は、図2の上段に示す導光板110Aの断面とほぼ同様であり得る。したがって、ここでは、発光領域100Dの断面の図示を省略している。
【0051】
図5に例示する構成において、複数の凸部110eは、第1凸リング110eaと、第1凸リング110eaよりも外側に位置する第2凸リング110ebとを含む。第2凸リング110ebは、第1凸リング110eaよりも大きな幅を有する。図5に示す例のように、発光素子120から離れるに従って例えば複数の凸リングの幅を拡大していくことにより、平面視において単位面積あたりに複数の凸部110eが占める割合を、発光素子120(光源といってもよい)を中心として同心円状に拡大していくことができる。したがって、第1領域に平面視で円形状の凸部を複数配置した場合と同様に、第1領域において光源から離れた位置の輝度を向上させ、輝度ムラを抑制する効果が得られる。
【0052】
図5では、第2凸リング110ebは、円環形状の一部が欠けた形状で描かれているが、これは、説明の便宜のために各凸リングを誇張して大きく描いているためである。図5に二点鎖線で示されるように導光板の上面110aの外側に位置する部分まで考慮して円環形状とみなし得る形状であれば、このような形状も本開示における「円環形状」に含まれると考えてよい。
【0053】
発光素子120から離れるに従って円環形状の凸部の幅を拡大することに代えて、円環形状の凸部の幅を一定としながら複数の凸部の間隔を小さくしていってもよい。このような構成によれば、単位面積あたりに含まれる凸部の数密度を増大させることができ、したがって、平面視において単位面積あたりに複数の凸部110eが占める割合を同心円状に拡大していくことができる。あるいは、円環形状の凸部の幅を拡大することに加えて、複数の凸部の間隔を小さくしていってもよい。
【0054】
それぞれが円環形状を有する複数の凸部と、それぞれが円形状の複数の凸部とを上面110aに混在させてもよい。円環形状の凸部に加えて円形状の凸部を配置することにより、円環形状の凸部のみを配置した場合と比較して、円環形状の明暗のパターンの発生を抑制することが可能になる。
【0055】
図6は、導光板の第1領域に設けられ得る構造のさらに他の例を示す。図2を参照しながら説明した発光領域100Aと比較して、図6に示す発光領域100Eは、導光板110Aに代えて導光板110Eを有する。導光板110Aと導光板110Eとの間の主な差異点は、導光板110Eの上面110aの第1領域111Eには、複数の凸部110dに代えて複数の凹部110fが形成されている点である。これら複数の凹部110fは、図6に模式的に示すように、発光素子120から離れるに従って例えばその開口1aが大きくなるような形状を有する。なお、図6では、説明の便宜上、複数の凹部110fを誇張して大きく描いている。図6に例示する構成において、複数の凹部110fの各々は、導光板の上面110aから下面110b側に窪んだ構造である。
【0056】
複数の凹部110fは、図2図3および図4を参照しながら説明した複数の凸部110dを上面110aに関して反転させた形状を有し得る。複数の凹部110fのそれぞれは、例えば開口1aが平面視において円形状の窪みであり得る。この例では、図2に示す例と同様に、第1領域111Eは、上面110aのうち貫通孔10と重ならない領域のほぼ全体を占めており、第1領域111Eにおいて単位面積あたりに凹部110fが占める割合は、光源50を中心として同心円状に増大している。
【0057】
このように複数の凹部110fを第1領域111Eに配置した場合にも、複数の凸部110dを配置した場合と同様に、単位面積あたりに占める凹部110fの割合に応じて、上面110aにおける輝度を向上させ得る。図3に示す例と同様に、仮想的な円R1と貫通孔10の開口10aとの間に、凹部110fの配置されない第2領域を設けてもよい。第1領域111Eに内側領域と外側領域とを設け、外側領域に位置する複数の凹部110fの直径を、内側領域に位置する複数の凹部110fの直径よりも大きくしてもよい。
【0058】
光源50(例えば発光素子120)から離れるに従って凹部110fのサイズを拡大することに代えて、または、凹部110fのサイズを拡大することに加えて、図4に示す例と同様に、発光素子120から離れるに従って凹部110fの数密度を増大させてもよい。外側領域における複数の凹部110fの数密度を、内側領域における複数の凹部110fの数密度よりも高くしてもよい。このような構成によっても、単位面積あたりに凹部110fが占める割合を、光源50を中心として同心円状に増大させることができる。あるいは、光源50から離れるに従って複数の凹部110fを密に配置してもよい。例えば、光源50から離れるに従って複数の凹部110fの配置ピッチを縮小してもよい。
【0059】
複数の凹部110fは、円環形状の溝部の形で上面110aの第1領域に形成されてもよい。例えば、光源50から離れるに従ってリング状の溝部の幅を拡大することにより、平面視において単位面積あたりに複数の凹部が占める割合を、光源50を中心として同心円状に拡大し得る。あるいは、それぞれが円環形状を有する複数の凹部の間隔を小さくしていってもよい。
【0060】
図7は、導光板の第1領域に設けられ得る構造のさらに他の例を示す。図7に示す発光領域100Fの導光板110Fの上面110aは、第1領域111Fを有している。この例では、第1領域111Fに、複数の凸部110dと、複数の凹部110fとが配置されている。このように、第1領域に複数の凸部と、複数の凹部とを混在させて配置してもよい。導光板の上面110aの第1領域は、それぞれが円形状の複数の凸部、それぞれが円形状の複数の凹部、それぞれが円環形状を有する複数の凸部、および、それぞれが円環形状を有する複数の凹部から選ばれる2種以上の任意の組み合わせを有し得る。
【0061】
[発光素子120]
図8は、図2に示す発光領域100Aのうち発光素子120および配線基板140に関する模式的な断面を示す。なお、図8に示す例では、配線基板140の上面140a側に光反射性シート160が配置されている。この光反射性シート160は、配線基板140上の接着シート170により配線基板140に固定されている。このような構成においては、導光板110Aと光反射性シート160との間に上述の接着シート150が配置されることにより、導光板110Aが光反射性シート160に接合される。光反射性シート160および接着シート170の詳細は、後述の実施形態で説明する。
【0062】
発光素子120の典型例は、LEDである。図8に例示する構成において、発光素子120は、素子本体125と、電極124とを有する。図示する例において、電極124は、発光素子120の上面120aとは反対側に位置している。
【0063】
素子本体125は、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上の半導体積層構造体とを含む。半導体積層構造体は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む。半導体積層構造体は、紫外~可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。この例では、発光素子120の上面120aは、素子本体125の上面に一致している。電極124は、正極および負極の組を含む。電極124は、半導体積層構造体との間に電気的接続を有し、半導体積層構造体に所定の電流を供給する機能を有する。
【0064】
面状光源200中の各発光領域100(例えば発光領域100A)の光源50は、1以上の発光素子120を含む。光源50中の発光素子120は、青色光を出射する素子であってもよいし、青色以外の波長域の光を出射する素子であってもよい。発光素子120は、少なくとも1つの発光層を含む半導体積層構造体を有する。半導体積層構造体は、n型半導体層と、p型半導体層と、1つの発光色を発光可能な発光層とを含むことができる。半導体積層構造体中の発光層は、n型半導体層と、p型半導体層との間に位置する。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸構造(SQW)等の、単一の活性層を持つ構造を有していてよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造を有していてもよい。
【0065】
半導体積層構造体は、複数の発光層を含むこともできる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に複数の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。複数の発光層は、発光色が異なる活性層を含んでいてもよいし、これら発光層の間で発光色が同じとされていてもよい。なお、「発光色が同じ」とは、使用上同じ発光色とみなせる範囲、例えば、主波長で数nm程度のばらつきがあるような場合も含む。発光色の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば、半導体積層体が2つの活性層を含む場合、これら活性層からの発光色の組み合わせとしては、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、または、緑色光と赤色光の組み合わせ等を採用し得る。
【0066】
以下では、発光素子120として、青色光を出射するLEDを例示する。各発光領域100A中の発光素子120は、導電性ペーストによって配線基板140の配線層141に固定される。発光素子120は、導電性ペーストから形成されるビア40によって配線層141に電気的に接続される。
【0067】
発光素子120の平面視における形状は、典型的には、矩形状である。発光素子120の矩形状の一辺の長さは、例えば1000μm以下である。発光素子120の矩形状の縦および横の寸法は、500μm以下であってもよい。縦および横の寸法が500μm以下の発光素子は、安価に調達しやすい。あるいは、発光素子120の矩形状の縦および横の寸法は、200μm以下であってもよい。発光素子120の矩形状の一辺の長さが小さいと、液晶表示装置のバックライトユニットへの適用において、高精細な映像の表現、ローカルディミング動作等に有利である。特に、縦および横の両方の寸法が250μm以下であるような発光素子は、上面の面積が小さくなるので発光素子の側面からの光の出射量が相対的に大きくなる。したがって、バットウィング型の配光特性を得やすい。ここで、バットウィング型の配光特性とは、広義には、発光素子の上面に垂直な光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義されるような配光特性を指す。
【0068】
後述するように、単一の光源50が、互いに異なる色の光を発する複数の発光素子を含んでいてもよい。例えば、光源50が、赤色光を出射する発光素子、青色光を出射する発光素子および緑色光を出射する発光素子を含んでいてもよい。あるいは、面状光源200が複数の発光領域100を有する場合には、面状光源200に設けられる複数の光源50に、赤色光を出射する光源、青色光を出射する光源および緑色光を出射する光源を混在させてもよい。
【0069】
[配線基板140(配線基板240)]
配線基板240の例は、フレキシブルプリント基板(FPC)である。配線基板240は、両面プリント基板であってもよいし、片面プリント基板であってもよい。
【0070】
図8に示す例では、配線基板140の配線層141の大部分は、絶縁部144内に配置されている。図8に例示する構成において、配線層141は、配線基板140の上面140a側に位置する第1配線層141aおよび配線基板140の下面140b側に位置する第2配線層141bを含む。第1配線層141aおよび第2配線層141bは、銅等の金属から形成され、配線層141内部において、不図示のビアにより互いに電気的に接続される。
【0071】
この例では、第2配線層141bの一部は、配線基板240の端部に位置する端子部248において絶縁部144から露出されている。端子部248は、面状光源200をドライバ等に接続するためのコネクタであり、第2配線層141bのうち端子部248において絶縁部144から露出された部分は、中継端子として機能する。この例では、端子部248は、ポリイミド等から形成された板状のサポート246が配線基板140の上面140a側に接合されることによって補強されている。
【0072】
この例では、ビア40は、配線基板140の上面140aから下面140bまでを貫通して形成されており、発光素子120の電極124と配線層141の第2配線層141bとを電気的に接続している。すなわち、ここでは、ビア40および配線層141(第1配線層141a、第2配線層141b、および、これらを互いに接続する不図示のビア)により、各発光領域100の発光素子120と端子部248の中継端子(第2配線層141bの一部)とを結ぶ電気的経路が形成されている。この電気的経路は、面状光源200中の複数の光源50に所定の電流を供給する機能を果たす。第1配線層141aおよび第2配線層141bは、例えばこれらの光源50の点灯および消灯を個別に制御可能な配線パターンを有する。換言すれば、本開示の実施形態による面状光源200は、各光源50を個別に駆動する、いわゆるローカルディミング動作可能に構成され得る。なお、この例では、ビアのうち配線基板140の下面140b側に表れた部分は、樹脂から形成された絶縁性の保護部材145によって覆われている。
【0073】
図8に例示する構成において、絶縁部144は、第1配線層141aおよび第2配線層141bを支持するシート状の絶縁基材144sと、配線基板140の上面140a側において第1配線層141aを覆う第1被覆層144tと、配線基板140の下面140b側において第2配線層141bを覆う第2被覆層144uと、上述の保護部材145とを含む。第1被覆層144tと絶縁基材144sとの間、および/または、絶縁基材144sと第2被覆層144uとの間に、エポキシ、アクリル、オレフィン等の樹脂材料から形成される接着層が配置されることもある。
【0074】
絶縁部144の絶縁基材144sは、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂から形成される。絶縁基材144sの材料として、National Electrical Manufacturers Association(NEMA)に規定されている例えばFR4を適用してもよい。第1配線層141aおよび第2配線層141bからの電気的絶縁が確保されていれば、金属基板を絶縁基材144sに適用することも可能である。第1被覆層144tおよび第2被覆層144uは、例えば、PI、PEN、PET、エポキシ等の樹脂材料から形成される絶縁層である。
【0075】
図9は、合計1000個の発光領域100を有する面状光源300の例を示す。図9に例示する構成において、発光領域100は、25行40列に配置されている。すなわち、この例では、面状光源300は、配線基板240上に25行40列の配列で実装された合計1000個の光源50(例えば1000個のLED)を含んでいる。
【0076】
ここでは、配線基板240の一部が、導光板210の長方形状の一辺の外側に引き出されることにより、端子部248を構成している。前述の図8は、図9中のVIII-VIII線断面の一部に相当する。上述したように、図9に示す端子部248の裏側(導光板210が配置される、配線基板240の上面とは反対側)では、第2配線層141bの一部が第2被覆層144uから露出されており、ドライバ等との接続のための中継端子を形成する。
【0077】
面状光源300における発光領域100の数および配置は、もちろんこの例に限定されず、任意であり得る。面状光源300に含まれる発光領域100の数および/または配置を変更することにより、スクリーンサイズの異なる複数種の液晶パネルに容易に面状光源300を適用することが可能になる。さらに、図9に例示するような、それぞれが複数の光源50を有する面状光源300を二次元的または一次元的に配置することにより、より大面積の発光面を有する面状光源装置を得ることができる。例えば、面状光源300は、モバイル機器のバックライトユニットに好適に用いることができ、複数の面状光源300を含む面状光源装置は、液晶テレビ等のバックライトユニットに用いることができる。このように、本開示の実施形態によれば、大面積の発光面を得ることも比較的容易である。
【0078】
面状光源装置に含まれる面状光源(面状光源300、あるいは、面状光源200)の数を変更したり、面状光源の配置を変更したりすることにより、スクリーンサイズの異なる複数種の液晶パネルへの面状光源装置の適用も容易である。すなわち、面状光源中の導光板210の表面形状等に関する光学計算をやり直したりする必要なく、スクリーンサイズの変更に対して柔軟に対応することが可能である。そのため、スクリーンサイズの変更に対して製造コストおよびリードタイムの増大を抑制できる。
【0079】
面状光源装置中の複数の面状光源の二次元または一次元の配列において、行方向または列方向に隣接する2つの面状光源の間で、導光板210が互いに直接に接触してもよいし、離れていてもよい。導光板210が互いに離れて配置されている場合、互いに隣接する2つの導光板210間に、これらを互いに光学的に結合する導光構造が介在されることもあり得る。このような導光構造は、例えば、導光板210の側面に透光性の接着剤を付与した後、付与した接着剤を硬化させることによって形成できる。あるいは、互いに間隔をあけて複数の面状光源を一次元または二次元に配置し、互いに隣接する2つの導光板210の間の領域を透光性の樹脂材料で充填後、樹脂材料を硬化させることによって導光構造を形成してもよい。導光板210間に位置する導光構造の材料としては、例えば後述の第1透光性部材30と同様の材料を用いることができる。
【0080】
[第1透光性部材30]
再び図2を参照する。第1透光性部材30は、導光板110Aの貫通孔10内に位置し、光源50を覆う。第1透光性部材30の材料には、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料を適用できる。第1透光性部材30の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。第1透光性部材30の母材として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタラートもしくはポリエステル、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。
【0081】
第1透光性部材30は、発光素子120の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子120の発光ピーク波長における第1透光性部材30の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。光源50からの光を導光板110Aの内部に効率的に導入する観点からは、第1透光性部材30が導光板110Aの材料と同等かあるいは導光板110Aの材料よりも高い屈折率を有していると有利である。
【0082】
第1透光性部材30の上面30aは、第1透光性部材30の表面のうち導光板110Aの上面110a側に位置する面であり、図2に示す例では、導光板110Aの上面110aのうち平坦な部分に概ね整合した平坦面である。ただし、第1透光性部材30の上面30aが平坦面であること、および、導光板110Aの上面110aに整合していることは、本開示の実施形態において必須はない。第1透光性部材30の上面30aは、導光板110Aの上面110aに対して盛り上がった形状、あるいは、導光板110Aの上面110aの位置から窪んだ形状であってもよい。
【0083】
後述するように、第1透光性部材30は、複数の部材の積層構造を有し得る。その場合、積層構造を構成する複数の部材の一部または全部に、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料を分散させてもよい。これにより、第1透光性部材30に光拡散機能を付与できる。積層構造を構成する複数の部材の一部または全部に蛍光体を分散させてもよい。
【0084】
[接着シート150]
接着シート150としては、接着層を有する公知の樹脂シートを用いることができる。例えば、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を接着シート150に適用できる。
【0085】
接着シート150は、例えば光反射性のフィラーが分散されることにより、光反射性を有していてもよい。接着シート150が光反射性を有することにより、光源50から導光板110Aに導入されて導光板110Aの下面110bに向かう光を接着シート150により導光板110Aの上面110aに向けて反射させることができ、光の利用効率が向上する。ここで、本明細書において、「反射性」、「光反射性」とは、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。接着シート150の、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
【0086】
(第2の実施形態)
図10は、本開示の他のある実施形態による面状光源の発光領域の例示的な構成を示す。図10に示す発光領域100Gも、図1に示す面状光源200を構成する単位である発光領域100の一例である。図2を参照しながら説明した発光領域100Aと比較して、図10に示す発光領域100Gは、導光板110Aに代えて導光板110Gを有し、また、光源50に代えて光源50Gを有する。導光板110Aと同様に、導光板110Gも貫通孔10を有しており、配線基板140に支持された光源50Gは、貫通孔10の内部に位置している。
【0087】
[第1光反射性部材31]
図10に例示する構成において、発光領域100Gは、貫通孔10の内部に配置された第1透光性部材30Gの上面30aを覆う第1光反射性部材31を有する。第1光反射性部材31は、例えば、母材中に光反射性のフィラーが分散された樹脂材料から形成される白色の樹脂層である。
【0088】
発光素子120の上方に第1光反射性部材31を配置することにより、発光素子120から上方に向けて出射された光の少なくとも一部を第1光反射性部材31で反射させることができる。したがって、発光領域100Gの発光面のうち発光素子120から離れた位置にある領域と比較して、発光素子120の直上に位置する領域の輝度が極端に高くなることを抑制し得る。すなわち、第1光反射性部材31は、発光領域100Gの発光面の輝度ムラの抑制に貢献し、第1透光性部材30Gの上面30aの少なくとも一部上に第1光反射性部材31を配置することにより、発光領域100Gの全体の厚さをより有利に低減することが可能になる。第1光反射性部材31は、例えば、0.02mm以上0.05mm以下程度の範囲の厚さを有する。
【0089】
また、発光素子120から上方に向けて出射された光の少なくとも一部を第1光反射性部材31で反射させるようにすることにより、発光素子120から出射された光を導光板110Gの面内で効率的に拡散させることが可能になる。この意味では、第1透光性部材30Gの上面30aが、図10に示すように配線基板140に向かって窪んだ形状(例えば、逆円錐状または逆多角錘状)を有していると有益である。図10に例示する構成において、第1光反射性部材31の上面31aは、概ね平坦な面である。しかしながら、この例に限定されず、第1光反射性部材31は、第1透光性部材30Gの上面30aの形状に従った形状を有していてもかまわない。
【0090】
第1光反射性部材31を形成するための母材の例は、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等である。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。
【0091】
第1光反射性部材31は、発光領域100Gの発光面のうち、第1透光性部材30Gの上面30a上に選択的に形成されてもよいし、その一部が導光板110Gの上面110a上に位置していてもよい。第1光反射性部材31の平面視における形状は、典型的には、貫通孔10の開口10aの形状に相似である。例えば、貫通孔10の開口10aが円形状の場合、第1光反射性部材31の平面視における形状は、開口10aの円形状の直径よりも小さな直径を有する円形状であり得る。貫通孔10の開口10aが矩形状の場合、第1光反射性部材31の平面視における形状は、開口10aの矩形状を覆うような矩形状であってもよい。
【0092】
[第1透光性部材30G]
図10に示す例において、第1透光性部材30Gは、第1層30x、第2層30yおよび第3層30zの積層構造を有している。第1層30x、第2層30yおよび第3層30zは、貫通孔10の内部において、導光板110Gの下面110b側から上面110a側に向かってこの順に積層されている。このように、第1透光性部材30Gは、積層構造を有していてもよい。なお、この例では、第1層30x、第2層30yおよび第3層30zのうち配線基板140に最も近い位置にある第1層30xの上面は、配線基板140に向かって窪んだ凹面を有している。第1層30xの凹面は、平面視において光源50Gを取り囲むように形成され得る。第2層30yの上面がこのような凹面を含んでいていてもよい。
【0093】
貫通孔10内の第1透光性部材が、この例のように積層構造を有する場合、積層構造を構成する複数の部材の間でこれらの部材の材料が共通してもよいし、異なってもよい。例えば、第1層30x、第2層30yおよび第3層30zのいずれかの1層以上に、母材とは異なる屈折率を有する材料を分散させてもよい。あるいは、これらの層のいずれかの1層以上に蛍光体を分散させてもよい。貫通孔10内の第1透光性部材を複数の材料から形成することにより、各発光領域から取り出される光の配光、スペクトル等を調整し得る。
【0094】
[導光板110G]
上述の導光板110Aと同様に、発光領域100Gの導光板110Gも、上面110aの少なくとも一部に、複数の凸部または凹部が形成された第1領域111Gを有する。ここでは、導光板110Gの上面110aの第1領域111Gに円形状の複数の凸部110dが配置された例を示している。第1領域111Gに設けられる構造は、もちろん、円形状の複数の凸部110dに限定されない。第1領域111Gは、それぞれが円形状の複数の凸部、それぞれが円形状の複数の凹部、それぞれが円環形状を有する複数の凸部、および、それぞれが円環形状を有する複数の凹部から選ばれる任意の1種以上を有していてよい。
【0095】
導光板110Gは、さらに、平面視において光源50Gを取り囲むように形成された1以上の第1溝70を有する。導光板110Gに第1溝70を設けることにより、例えばローカルディミング駆動下において、互いに隣接する2つの発光領域100Gの間におけるコントラスト比を有利に向上させ得る。図10に示すように、この例では、各第1溝70は、導光板110Gの上面110aに位置する開口を含み、導光板110Gの下面110bにまで達している。ただし、後に図面を参照しながら詳しく説明するように、第1溝70が、断面視において導光板110Gの上面110aから下面110bまでを貫通するような形状を有していることは、本開示の実施形態において必須ではない。
【0096】
図11は、面状光源200の導光板210における第1溝70の配置の一例を示す。図11に例示する構成において、複数の第1溝70のそれぞれは、二次元に配列された発光領域100Gのうち互いに隣接する2つの間、または、導光板210の外縁に沿ってX方向またはY方向に直線状に延びている。すなわち、この例では、第1溝70は、互いに隣接する2つの発光領域100Gの境界に位置する複数の溝を含み、複数の第1溝70の集合は、面状光源200の導光板210に設けられた格子状の溝構造を形成している。なお、導光板210の外縁に位置する第1溝70は、省略されることがあり得る。各第1溝70の上面視における幅は、例えば220μm程度である。
【0097】
図12は、導光板210における第1溝70の配置の他の一例を示す。図12に示す例では、それぞれが直線状の複数の第1溝70が導光板210に形成されている。より詳細には、図12に例示する構成において、二次元に配列された複数の発光領域100Gのうち最外周に位置するもの以外の1つに注目すると、その発光領域100G中の光源50Gを取り囲むように4つの第1溝70が配置されている。換言すれば、面状光源200を導光板210の上面210aの法線方向から見たとき、光源50Gを取り囲むように設けられた1以上の第1溝70の内側の範囲が、面状光源200における発光領域を規定するといえる。
【0098】
このように、第1溝70は、発光領域100Gに含まれる光源50Gを取り囲むように設けられればよく、各第1溝70が、X方向またはY方向に沿って導光板210の一端から他端まで連続的に直線状に延びる構造であることは、必須ではない。換言すれば、導光板210に設けられた1以上の第1溝70が、各発光領域100Gにおいて発光素子120を取り囲む連続した形状(例えば矩形状)であることは、必須ではない。なお、複数の発光領域100Gの二次元配列において最外周に位置する発光領域100Gについては、平面視において第1溝70が発光素子120の四方を取り囲んでいないこともあり得る。
【0099】
図10に例示する構成において、第1溝70は、矩形状の断面形状を有している。換言すれば、ここでは、第1溝70の形状を規定する内側面70cは、断面視において導光板110Gの上面110aに垂直である。しかしながら、この例に限定されず、第1溝70の内側面70cは、断面視において導光板110Gの上面110aに垂直な面に対して傾いていてもよい。例えば、第1溝70の断面形状は、台形状であってもよい。また、図10に示す例では、第1溝70は、導光板110Gの上面110aから下面110bまで貫通する形状を有している。しかしながら、後述するように、各第1溝70の断面視における形状は、導光板の上面110aおよび下面110bの両方に開口を有する形状に限定されない。
【0100】
[区画部材72]
図10に示す例では、第1溝70の内部に光反射性の区画部材72が位置している。区画部材72は、例えば、母材としての樹脂中に光反射性のフィラーが分散された樹脂材料から形成されることにより、光反射性を有する。区画部材72の材料としては、第1光反射性部材31と同様の材料を用い得る。区画部材72は、白色の部材であり得る。
【0101】
第1溝70の内部に区画部材72を配置することにより、互いに隣接する2つの発光領域100Gの間におけるコントラスト比をより有利に向上させ得る。区画部材72は、全ての第1溝70の内部に配置されてもよいし、複数の第1溝70のうちの一部の内部に選択的に配置されてもよい。
【0102】
なお、この例では、区画部材72は、第1溝70の内側面70cを覆う薄膜として第1溝70の内部に配置されている。すなわち、ここでは、区画部材72は、第1溝70の形状を規定する内側面70c上に光反射層として設けられている。第1溝70の内側面70c上に区画部材72が薄膜として設けられる場合、第1溝70の深さ方向において区画部材72の厚さが一定である必要もない。区画部材72が、導光板110Gの上面110aに近い位置で薄く、導光板110Gの下面110bに近い位置で厚く形成されることもあり得る。また、区画部材72は、第1溝70内および導光板110Gの表面に配置されてもよい。
【0103】
区画部材72は、第1溝70の内部に配置されていてもよい。この場合、区画部材72の上面は、導光板110Gの上面110aに概ね整合した平坦面であってもよいし、上面110aに対して窪んだ形状、または、上面110aから盛り上がった形状を有していてもよい。区画部材72は、第1溝70の内部の全体を占めるように形成されてもよいし、第1溝70の内部の一部分を占めるように形成されてもよい。例えば、第1溝70の深さ方向において第1溝70の半分程度を埋めるように区画部材72を配置しもよい。
【0104】
区画部材72において光反射性のフィラーが均一に分散されていることは、必須ではなく、光反射性のフィラーの分布に偏りが存在することもあり得る。例えば、第1溝70の開口付近と比較して、第1溝70の底部に位置する部分の光反射性のフィラーの濃度が高いこともあり得る。
【0105】
区画部材72を形成するための材料は、樹脂を母材とする材料に限定されない。区画部材72は、金属膜、誘電体多層膜等の反射膜であってもよい。例えば、区画部材72は、Ag膜、Al膜等の形で第1溝70の内部に配置されてもよい。この場合においても、区画部材72の一部が導光板の上面110aおよび/または下面110b上に位置することがあり得る。
【0106】
第1溝70の他の例として、導光板110Gの上面110aに開口を有するV溝の形状が挙げられる。第1溝70の形状として、導光板の上面110aに開口を有しておらず、かつ、下面110bに開口しているような形状も採用し得る。このように、第1溝70が、導光板の上面110aおよび下面110bの両方に開口を有すること、換言すれば、第1溝70が導光板の上面110aから下面110bまで達する形状を有していることは、必須ではない。なお、複数の透光性の層を積層することによって導光板110Gを形成するような場合には、導光板110Gの内部に埋め込まれた形で区画部材72を形成することも可能である。
【0107】
第1溝70の内部のうち区画部材72を除く部分は、空気で満たされ得る。ただし、空気に代えて、第1溝70の内部のうち区画部材72を除く部分が、導光板110Gの材料よりも小さな屈折率を有する材料で充填されていることもあり得る。
【0108】
第1溝70は、V溝に限定されず、第1溝70の形状としては、種々の形状を採用可能である。例えば、第1溝70は、U溝であり得る。研削といし(ブレード)、金型等の、導光板210の形状を得るための工具の選択により、種々の形状の第1溝70を得ることが可能である。このように、第1溝70の形状を規定する1以上の内側面70cの形状は、平面状に限定されず、曲面を含む形状であってもよい。また、第1溝70の側面の断面視における形状は、直線状もしくは円弧状、またはこれらの組み合わせに限定されず、段差または屈曲を含むような形状であってもよい。
【0109】
第1溝70の幅が導光板110Gの上面110aから下面110bに向かって窄まっていることは、必須ではない。第1溝70の開口の幅が、導光板110Gの上面110aから下面110bに向かって一旦縮小した後に拡大するような第1溝70の形状も採用し得る。あるいは、これとは逆に、第1溝70が導光板110Gの下面110bに開口を有する場合には、第1溝70の形状として、第1溝70の開口の幅が、導光板110Gの下面110bから上面110aに向かって一旦縮小した後に拡大するような形状も採用し得る。
【0110】
第1溝70の深さは、例えば、導光板の厚さの例えば20%以上100%以下の範囲である。なお、図10に示す例では、第1溝70は、接着シート150をも貫通して光反射性シート160まで達している。この意味で、第1溝70は、導光板の厚さよりも大きな深さを有することもあるといってよい。互いに隣接する2つの発光領域100Gの間におけるコントラスト比の向上の観点からは、導光板を貫通するような形状で第1溝70を設けることが有利である。この場合、面状光源200の導光板210は、それぞれが光源を含む単位(例えば導光板110G)ごとに空間的に分離された複数の部分を含むといってもよい。他方、導光板を貫通しない形状で第1溝70を導光板に設けた場合、強度の面で優れた面状光源を得やすい。
【0111】
[光反射性シート160]
図10に例示する構成において、面状光源は、光反射性シート160をさらに有している。この例において、光反射性シート160は、上述の接着シート150と、配線基板140上に位置する、後述の接着シート170との間に位置している。
【0112】
光反射性シート160は、例えば白色の部材であり、導光板110G内部において配線基板140側に向かって進行する光を導光板の上面110aに向けて反射させることにより、光の利用効率を向上させる。光反射性シート160の材料としては、上述の第1光反射性部材31の材料と同様に、樹脂中に光反射性のフィラーが分散された樹脂材料を適用できる。光反射性シート160は、例えば、ポリエチレンテレフタラートを母材として含む樹脂シートであり得る。光反射性シート160中に分散される光拡散材としては、例えば酸化チタンの粒子を用いることができる。母材中に光拡散材を分散させることに代えて、多数の気泡を含む白色のポリエチレンテレフタラートのシートを光反射性シート160として用いてもよい。
【0113】
光反射性シート160は、例えば、35μm以上350μm以下の範囲、典型的には、50μm以上100μm以下の範囲の厚さを有する。光反射性シート160に、ルミラー(登録商標)の名称で市販されている東レ株式会社製の樹脂シート(#38-E20、#50-E20、#75-E20、#100-E20、#188-E6SR等)を用いてもよい。
【0114】
[接着シート170]
接着シート170は、配線基板140と光反射性シート160との間に配置され、光反射性シート160を配線基板140の上面140aに固定する。接着シート170は、例えば、アクリル等の樹脂材料から形成される接着層であり得る。ボンディングシート等の、接着層を有する公知の樹脂シートを接着シート170として用いてもよい。上述の接着シート150と同様に、接着シート170は、光反射性を有していてもよい。
【0115】
[光源50G]
ここで、図10に示す光源50Gの構成の詳細を説明する。例えば図10に示す例において、光源50Gは、発光素子120に加えて、第2透光性部材52、被覆部材54および第2光反射性部材56を含む。
【0116】
光源50Gの平面視における形状は、典型的には、矩形状である。光源50Gの上面の一辺の長さは、850μm程度であり得る。貫通孔10の内部において、光源50Gは、その上面の矩形状の一辺が導光板110Gの矩形状の一辺と概ね平行となるように配置されてもよい。光源50Gは、その上面の矩形状の一辺が導光板110Gの矩形状の対角線と概ね平行となるように貫通孔10G内に配置されてもよい。
【0117】
[第2透光性部材52]
第2透光性部材52は、第1透光性部材30と同様に透光性を有し、少なくとも発光素子120の上面120a(図8参照)を覆う。図10に例示する構成において、第2透光性部材52は、発光素子120の上面120aに加えて発光素子120の側面120cの全体をも覆っている。
【0118】
第2透光性部材52の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。第1透光性部材30に効率的に光を導入する観点からは、第2透光性部材52の材料が第1透光性部材30の材料よりも低い屈折率を有すると有益である。第2透光性部材52の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、第2透光性部材52に光拡散の機能を付与することができる。例えば、第2透光性部材52の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
【0119】
第2透光性部材52は、蛍光体の粒子等を含んでいてもよい。第2透光性部材52中の蛍光体は、発光素子120から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子120からの光の波長とは異なる波長の光を発する。この場合、第2透光性部材52は、発光素子120からの青色光の一部を波長変換して例えば黄色光を発することができる。このような構成によれば、第2透光性部材52を通過した青色光と、第2透光性部材52に含まれる蛍光体から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
【0120】
図10に例示する構成において、発光素子120から出射された光は、基本的に第2透光性部材52を介して導光板110Gの内部に導入される。したがって、混色後の光が導光板110Gの内部で拡散されることになり、輝度ムラの抑制された例えば白色光を導光板110Gの上面110aから取り出すことが可能である。本実施形態は、光を導光板内に拡散させてから波長変換する場合と比較して光の均一化に有利であるといえる。
【0121】
第2透光性部材52中に分散させる蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
【0122】
第2透光性部材52に含まれる蛍光体が、面状光源に含まれる複数の光源50G内で共通であることは必須ではない。すなわち、複数の発光領域100Gの間で、第2透光性部材52の母材に分散させる蛍光体を異ならせることも可能である。例えば、単一の面状光源200に含まれる複数の発光領域100Gのうち、ある一部の発光領域100Gの光源50Gの第2透光性部材52に、入射した青色光を黄色光に変換する蛍光体を含有させ、他のある一部の発光領域100Gの光源50Gの第2透光性部材52に、入射した青色光を緑色光に変換する蛍光体を含有させてもよい。さらに、残余の発光領域100Gの光源50Gの第2透光性部材52に、入射した青色光を赤色光に変換する蛍光体を含有させてもよい。
【0123】
[被覆部材54]
被覆部材54は、発光素子120の上面120aとは反対側の下面120bの少なくとも一部を覆う部材である。例えば図10に示す例では、被覆部材54は、第2透光性部材52のうち上面52aとは反対側に位置する面も覆っている。なお、発光素子120の電極124の下面は、被覆部材54から露出され、ビア40によって配線基板140の配線層141に接続される。
【0124】
被覆部材54は、典型的には、光反射性を有する。被覆部材54の材料としては、上述の第1光反射性部材31と同様に、例えば、光反射性のフィラーを含有する白色の樹脂材料を適用することができる。被覆部材54の材料は、第1光反射性部材31の材料と共通であってもよいし、異なっていてもよい。
【0125】
電極124の下面を除いて発光素子120の下面120bを被覆部材54で覆うことにより、発光素子120の素子本体125から出射された光のうち発光素子120の下面120bに向かう光を被覆部材54によって例えば導光板110Gの上面110aに向けて反射させることができる。すなわち、光源50Gに被覆部材54を設けることにより、光の利用効率を向上させ得る。
【0126】
[第2光反射性部材56]
図10に示すように、第2透光性部材52の上面52a上に第2光反射性部材56を配置することができる。この例では、第2光反射性部材56は、第2透光性部材52の上面52aの全体を覆っている。
【0127】
第2光反射性部材56の材料の例は、第1光反射性部材31または被覆部材54と同様の材料、例えば、二酸化チタンの粒子を含有する樹脂材料である。発光素子120の上方に例えば層状の第2光反射性部材56を配置することにより、発光領域100Gの発光面のうち発光素子120の直上の領域の輝度が極端に高くなることを回避し得る。換言すれば、発光領域100Gの発光面における輝度ムラを効果的に抑制し得る。
【0128】
第1透光性部材30上にさらに第1光反射性部材31を配置することにより、発光領域100Gの発光面のうち発光素子120の直上の領域と、発光素子120から離れた位置との間の輝度差をより効果的に低減し得る。第1光反射性部材31と同様に、第2光反射性部材56が光源50Gからの光を完全に遮蔽することは必須ではない。発光素子120から出射された光を適度に散乱させ、発光素子120直上の輝度を適度に低下できればよい。
【0129】
(光源の変形例)
以下、本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源の他の例を説明する。図13に示す光源50Aは、発光素子120と、第2透光性部材52Aと、被覆部材54Aと、第2光反射性部材56Aとを含む。
【0130】
光源50Aにおいて、第2透光性部材52Aは、板状であり、発光素子120の上面120aと、被覆部材54Aの上面54aとを覆っている。第2透光性部材52Aは、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラスもしくは石英ガラス、または、サファイアなどの無機材料から形成されてもよい。第2光反射性部材56Aは、典型的には、光反射性を有する樹脂層であり、第2透光性部材52Aの上面52a上に形成される。
【0131】
この例では、被覆部材54Aは、発光素子120の側面120cの全体と、下面120bのうち電極124の配置された領域以外の領域とを覆っている。電極124の下面124bは、被覆部材54Aから露出され、被覆部材54Aの下面54bに整合している。
【0132】
被覆部材54Aは、典型的には、白色であり、光反射性を有する。被覆部材54Aが発光素子120の側面120cの全体を覆うことにより、発光素子120からの光は、主に発光素子120の上面120aから取り出される。また、第2光反射性部材56Aが第2透光性部材52Aの上面52a上に位置することにより、発光素子120から出射された光の大部分は、第2透光性部材52Aの側面52cから光源50Aの外部に出射する。このような光源の構成は、導光板の面内に光を拡散させやすく輝度ムラを有利に抑制し得る。
【0133】
図13に例示するような構造において、発光素子120は、透光性の接着剤によって第2透光性部材52Aに接合され得る。この場合、透光性の接着剤の一部は、発光素子120の側面120c上に位置することがある。被覆部材54Aは、透光性の接着剤のうち発光素子120の側面120c上に位置する部分をも覆う。
【0134】
図14は、本開示の実施形態による面状光源に適用され得る光源のさらに他の例を示す。図13に示す光源50Aと比較して、図14に示す光源50Bは、第2透光性部材52Aおよび被覆部材54Aに代えて、第2透光性部材52Bおよび被覆部材54Bを有する。被覆部材54Bは、発光素子120の側面120cだけでなく第2透光性部材52Bの側面52cをも覆っている。光源50Bは、第2透光性部材52Bの上面52aを覆う光反射性の構造を有しておらず、また、第2透光性部材52Bの上面52aは、被覆部材54Bから露出されている。このような構成によれば、発光素子120の上方に向けて光を取り出しやすい。
【0135】
図14に示す光源50Bは、発光素子120の上方に位置する第2光反射性部材を有しない。図14に例示されるように、光源が発光素子120の上方に光反射性の第2光反射性部材を有することは、必須ではない。図15に示す光源50Cおよび図16に示す光源50Dは、それぞれ、図10等に示す光源50Gから第2光反射性部材56を省略した例および図13に示す光源50Aから第2光反射性部材56Aを省略した例である。これとは逆に、光源が光反射性の第2光反射性部材を有する場合には、第1透光性部材30上の第1光反射性部材31が省略されることもあり得る。
【0136】
なお、図15に示す光源50Cからさらに被覆部材54を省略した構成も、導光板の貫通孔10内部に配置される光源に採用し得る。すなわち、発光素子120の電極124の側面上に被覆部材54が位置しないような構成も本開示の実施形態の面状光源200中の光源に適用可能である。
【0137】
図17に示すように、単一の光源が複数の発光素子を有していてもよい。図17に示す光源50Eは、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123を含む。光源50Eは、さらに、第2透光性部材52Eと、接合部材58と、第1被覆部材54Eと、第2被覆部材55Eとを含んでいる。
【0138】
第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123は、互いに発光ピーク波長の異なる発光素子であり得る。例えば、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123として、それぞれ、青色光を出射するLED、緑色光を出射するLEDおよび赤色光を出射するLEDを用いてもよい。このような発光素子の組み合わせによれば、光源50Eを、白色光を出射する光源として利用できる。
【0139】
図17に示す例では、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123が直線状に一列に配置されている。しかしながら、光源50E中の発光素子の配置は、この例に限定されない。光源50Eに含まれる発光素子の数および発光ピーク波長の組み合わせも、面状光源の用途に応じて適宜に変更可能である。
【0140】
図17に例示する構成において、第2透光性部材52Eは、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123の上方に位置し、これらの発光素子の上面120aを一括して覆っている。この例では、接合部材58により、第2透光性部材52Eの下面52bに第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123が固定されている。接合部材58は、例えば透光性の接着剤である。
【0141】
光源50Eでは、ピーク波長の異なる光が第2透光性部材52Eの内部で混合される。第2透光性部材52E中に光拡散材(例えば、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子)が分散されることにより、第2透光性部材52Eに光拡散の機能が付与されていると有益である。第2透光性部材52Eは、蛍光体の粒子を含有していなくてもよいし、含有していてもよい。
【0142】
第1被覆部材54Eは、各発光素子の電極124の下面124bを除いてこれら発光素子と接合部材58とを覆う光反射性の部材である。第2被覆部材55Eは、第1被覆部材54Eの上面54a上に位置し、第2透光性部材52Eを取り囲むようにして第2透光性部材52Eの側面52cを覆っている。第2被覆部材55Eは、第1被覆部材54Eと同様に光反射性を有し、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123からの光は、第2透光性部材52Eの上面52aから光源50Eの外部に取り出される。なお、この例では、第2被覆部材55Eの側面55cは、第1被覆部材54Eの側面54cに整合している。
【0143】
第2の実施形態で説明した光源の例は、発光領域100Gまたは100Hのみでなく、図2図7を参照しながら説明した発光領域100A~100Fのいずれと組み合わされてもよい。
【0144】
(面状光源の例示的な製造方法)
以下、第2の実施形態の面状光源の製造方法の一例を簡単に説明する。ここでは、図10に示す発光領域100Gを含む面状光源の例示的な製造方法を説明する。
【0145】
まず、貫通孔10を有し、上面210aに複数の凸部110dが形成された導光板210と、配線基板240とを準備する。導光板210の形状は、例えば金型を利用した成型により得ることが可能である。すなわち、複数の凸部および/または凹部を金型のキャビティの内側の形状に応じた形状で導光板210の上面210aに形成し得る。あるいは、複数の凸部および/または凹部の形状は、導光板の表面にレジストを塗布した後、フォトリソグラフィを用いたパターニングにより得ることも可能である。貫通孔10は、例えば、ドリルを用いた加工またはパンチング等によって形成できる。なお、導光板210および/または配線基板240は、購入により準備してもよい。
【0146】
次に、接着シート170、光反射性シート160および接着シート150がこの順に積層された積層シートを準備し、接着シート170側の面が配線基板240の上面と対面するようにして、積層シートを配線基板240に貼り付ける。その後、ビア40を形成するための貫通孔を、積層シートが貼り付けられた配線基板240の所定の位置に形成する。これらの貫通孔は、レーザもしくはドリルを用いた加工、または、パンチング等によって形成できる。
【0147】
次に、接着シート150により、配線基板240と導光板110Gとを接合する。次に、光源50Gを導光板110Gの各貫通孔10内に配置し、第1透光性部材30Gで貫通孔10内の光源50Gを封止する。第1透光性部材30Gによる光源50Gの封止の工程の前または後に、例えばダイシングブレードを用いて導光板を削ることによって第1溝70を形成する。
【0148】
第1溝70の形成後、噴霧(スプレー)法、印刷法または滴下法等により、第1溝70の内部に区画部材72を形成する。このとき、区画部材72の形成と並行して、第1透光性部材30G上に第1光反射性部材31を形成してもよい。この場合、共通の材料から、区画部材72と第1光反射性部材31とを形成することができる。
【0149】
さらにこのとき、区画部材72の材料と同様の光反射性の材料を導光板の上面の第1領域に付与してもよい。導光板の上面上に付与された材料の硬化により、図18に模式的に示すように、例えば光反射性の材料から複数の凸部110gを形成できる。凸部110gのそれぞれは、平面視においてドット状またはリング状の形状を有し得る。図18に示す発光領域100Kは、光反射性の材料から形成された複数の凸部110gを上面110a側の第1領域111Kに有する導光板110Kをその一部に含んでいる。凸部110gは、導光板110Kの上面110aの位置を基準として0.02mm以上0.05mm以下程度の高さを有し得る。
【0150】
次に、配線基板240に設けられた貫通孔の内部に導電性ペーストを配置する。このとき、導電性ペーストの一部を第2配線層141b上にも配置する。導電性ペーストを硬化させることにより、光源50G中の発光素子120の電極124と配線層141とを電気的に接続するビア40を形成できる。その後、ビア40を覆う保護部材145を絶縁材料から形成する。以上の工程により、発光領域100Gを有する面状光源が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本開示の実施形態は、各種照明用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源等に有用である。特に、液晶表示装置に向けられたバックライトユニットに有利に適用できる。本開示の実施形態による面状光源は、厚さ低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置用のバックライト、ローカルディミング制御が可能な面発光装置等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0152】
10 導光板の貫通孔
30、30G 第1透光性部材
31 第1光反射性部材
50、50A~50E、50G 光源
52、52A、52B、52E 第2透光性部材
54、54A、54B、54E、55E 被覆部材
56、56A 第2光反射性部材
70 導光板の第1溝
72 区画部材
80 導光板の第2溝
100、100A~100H、100K 発光領域
110、110A~110H、110K 導光板
110d、110e、110g 導光板の凸部
110ea、110eb 導光板の凸リング
110f 導光板の凹部
111A~111H、111K 第1領域
111Ba、111Ca 外側領域
111Bb、111Cb 内側領域
112B、112D 第2領域
120、121~123 発光素子
140 配線基板
141 配線基板の配線層
150、170 接着シート
160 光反射性シート
200、300 面状光源
210 導光板
240 配線基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18