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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】発光装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20240828BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240828BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20240828BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20240828BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20240828BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/50
H01L33/60
F21V9/30
F21V29/15
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020163805
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056031
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】野間 紳太郎
(72)【発明者】
【氏名】岡 祐太
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-169507(JP,A)
【文献】特開2018-142566(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0047487(US,A1)
【文献】特開2013-243306(JP,A)
【文献】国際公開第2020/184014(WO,A1)
【文献】特開2013-251417(JP,A)
【文献】特表2013-531381(JP,A)
【文献】特表2013-504840(JP,A)
【文献】特開2018-006780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
F21V 9/30
F21V 29/15
G02B 5/20 - 5/28
G09F 9/30 - 9/33
G03B 15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光取り出し面を有する少なくとも1つの半導体発光素子と、
第1面および第2面を有し、前記第1面が前記半導体発光素子の光取り出し面と対向するように配置された変色層であって、光の照射および/または加熱によって、発色状態から消色状態に変化する変色物質を含む変色層と、
第1面および第2面を有し、前記第1面が前記変色層の前記第2面と対向し、かつ、前記変色層の前記第2面から離れて配置された保護層と、
前記少なくとも1つの半導体発光素子の光取り出し面と前記変色層の第1面との間に配置された波長変換部材と、
を備え
前記波長変換部材は、透光性部材と、蛍光体と、を含み、前記蛍光体は、前記変色層の第1面側に偏在している、発光装置。
【請求項2】
光取り出し面を有する少なくとも1つの半導体発光素子と、
第1面および第2面を有し、前記第1面が前記半導体発光素子の光取り出し面と対向するように配置された変色層であって、光の照射および/または加熱によって、発色状態から消色状態に変化する変色物質を含む変色層と、
第1面および第2面を有し、前記第1面が前記変色層の前記第2面と対向し、かつ、前記変色層の前記第2面から離れて配置された保護層と、
を備え、
前記少なくとも1つの半導体発光素子は、400nmより短く、又は、760nmより長い波長の光を出射する第1の半導体発光素子と、波長400nm以上760nm以下の光を出射する第2の半導体発光素子と、を含む、発光装置。
【請求項3】
光取り出し面を有する少なくとも1つの半導体発光素子と、
第1面および第2面を有し、前記第1面が前記半導体発光素子の光取り出し面と対向するように配置された変色層であって、光の照射および/または加熱によって、発色状態から消色状態に変化する変色物質を含む変色層と、
第1面および第2面を有し、前記第1面が前記変色層の前記第2面と対向し、かつ、前記変色層の前記第2面から離れて配置された保護層と、
前記少なくとも1つの半導体発光素子の光取り出し面と前記変色層の第1面との間に配置された波長変換部材と、
光反射性部材と、
を備え、
前記少なくとも1つの半導体発光素子は、1次元または2次元に配列された複数の半導体発光素子を含み、
前記光反射性部材は、前記複数の半導体発光素子のそれぞれの側面を覆って、前記複数の半導体発光素子間に配置されており、
前記波長変換部材は、前記複数の半導体発光素子の光取り出し面および前記光反射性部材の上面を一体的に覆っており、
前記変色層は、前記第1面が前記波長変換部材の全体と対向している、発光装置。
【請求項4】
前記変色層の第1面と前記波長変換部材との間に空気層を有していない、請求項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記保護層は、熱伝導率が0.8W/m・K以下である請求項1から4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
前記保護層は、ガラス、誘電体多層膜、および樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から5のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
前記保護層は、400nm以下の波長範囲、および、760nm以上の波長範囲の少なくとも一方における光の透過率が10%以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記保護層の前記第2面の表面粗さRaが0.2μm以上4μm以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記保護層の前記第1面又は前記第2面は、突起を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの半導体発光素子の光取り出し面と前記変色層の第1面との間に配置された波長変換部材をさらに備える、請求項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記保護層の前記第1面の表面粗さRaが0.2μm以上4μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記保護層と前記変色層との間にスペーサ層を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項13】
前記保護層と前記変色層との間に空気層を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記変色層の第1面と前記半導体発光素子の光取り出し面とは接触している、請求項に記載の発光装置。
【請求項15】
前記変色物質は、サーモクロミック化合物である請求項1から14のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項16】
前記変色物質は、活性化温度未満で有色を呈し、前記活性化温度以上で無色を呈する請求項1から15のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項17】
前記変色層において、前記変色物質は、前記半導体発光素子の点灯後、50ミリ秒以内に有色から無色に変化する請求項1から16のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項18】
前記有色は黒色である、請求項17に記載の発光装置。
【請求項19】
前記変色物質は、ロイコ染料である、請求項1から18のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの半導体発光素子の側面の少なくとも一部を覆う光反射性部材をさらに備える請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項21】
前記光反射性部材は、前記変色層の側面および前記保護層の側面の少なくとも一部をさらに覆う、請求項20に記載の発光装置。
【請求項22】
前記変色層は、2以上の層である請求項1から21のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項23】
開口を有するケースと、
請求項1から22のいずれか一項に記載の発光装置であって、前記開口に前記保護層が配置され、前記開口から、前記発光装置の発光が外部へ出射可能なように前記ケースに配置された発光装置と、
を備え、前記発光装置の前記変色物質が有する有色は、前記ケースの前記開口の周囲の領域の色と同系色である、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は発光装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子は、種々の用途に広く用いられている。たとえば、デジタルカメラ、スマートフォンなどの電子機器の照明用光源として半導体発光素子が広く用いられる。
【0003】
こうした半導体発光素子が波長変換部材を備えている場合、半導体発光素子が点灯していない状態において、出射面が波長変換部材によって黄色を呈し、半導体発光素子が搭載される電子機器の外観に、黄色い出射面が表れることにより、外観の美観を損ねる可能性がある。また、波長変換部材を有しない発光素子であっても、発光素子の内部の構造が出射面から見えることによって、電子機器の外観の美観を損ねる可能性がある。
【0004】
このような課題を解決するため、特許文献1は、発光構造と、発光構造上に設けられたサーモクロミック層を備えた発光装置を開示している。この発光装置によれば、消灯時にはサーモクロミック層が有する色彩が出射面に表れるため、電子機器の外観を損なうことが抑制される。一方、点灯時には、サーモクロミック層が透明になることによって、サーモクロミック層が出射した光を遮ることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-142566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、消灯時の外観に優れ、かつ耐候性にも優れる発光装置およびこれを用いた電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態にかかる発光装置は、光取り出し面を有する少なくとも1つの半導体発光素子と、第1面および第2面を有し、前記第1面が前記半導体発光素子の光取り出し面と対向するように配置された変色層であって、光の照射および/または加熱によって、発色状態から消色状態に変化する変色物質を含む変色層と、第1面および第2面を有し、前記第1面が前記変色層の前記第2面と対向し、かつ、前記変色層の前記第2面から離れて配置された保護層とを備える。
【0008】
本開示の一実施形態にかかる電子機器は、開口を有するケースと、前記発光装置であって、前記開口に前記保護層が配置され、前記開口から、前記発光装置の発光が外部へ出射可能なように前記ケースに配置された発光装置と、を備え、前記発光装置の前記変色する物質が有する有色は、前記ケースの前記開口の周囲の領域の色と同系色である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の発光装置および電子機器によれば、消灯時の外観に優れ、かつ耐候性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。
図2A図2Aは、図1に示す発光装置の動作を説明するための模式図である。
図2B図2Bは、図1に示す発光装置の動作を説明するための模式図である。
図3図3は、第1の実施形態にかかる発光装置の他の例を示す模式断面図である。
図4図4は、第1の実施形態にかかる発光装置の他の例を示す模式断面図である。
図5図5は、第1の実施形態にかかる発光装置の他の例を示す模式断面図である。
図6図6は、第2の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。
図7図7は、第2の実施形態にかかる発光装置の他の例を示す模式断面図である。
図8A図8Aは、第3の実施形態にかかる発光装置が含まれる電子機器の一例を示す模式背面図である。
図8B図8Bは、図8Aに示す電子機器における発光装置が配置されている部分の、図8Aの8B-8B線における模式断面図である。
図9図9は、第4の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。
図10A図10Aは、図9に示す発光装置の動作を説明するための模式図である。
図10B図10Bは、図9に示す発光装置の動作を説明するための模式図である。
図11図11は、波長変換部材を有する発光装置の色度角度依存性を示す図である。
図12図12は、参考例の発光装置の動作を説明するための模式図である。
図13図13は、他の参考例の発光装置の動作を説明するための模式図である。
図14A図14Aは、実施例の発光装置の外観の変化を示す図である。
図14B図14Bは、実施例の発光装置の外観の変化を示す図である。
図14C図14Cは、実施例の発光装置の外観の変化を示す図である。
図15図15は、実施例1、2および参考例の発光装置の発光特性を示す図である。
図16A図16Aは、第5の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。
図16B図16Bは、第5の実施形態にかかる発光装置の他の例を示す模式断面図である。
図17図17は、第6の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による面状光源および面状光源の製造方法は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、工程、その工程の順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0012】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の面状光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0013】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。さらに、「上」と表現する位置関係は接している場合と接していないが上方に位置している場合も含む。本開示において「対向」とは、2つの面などが互いに向い合せの位置関係を意味している。2つの面は接していてもよいし、離れていてもよい。また、2つの面が離れている場合、間に1以上の他の層が位置していてもよい。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本開示の一実施形態にかかる発光装置の一例を示す断面図である。発光装置101は、少なくとも1つの半導体発光素子10と、変色層30と、保護層40と、を備える。図1に示す例では、発光装置101は1つの半導体発光素子10を備えているが、後述するように発光装置101は2以上の半導体発光素子10を備えていてもよい。
【0015】
半導体発光素子10は、光取り出し面10bを有しており、光取り出し面10bから光を出射する。変色層30は、第1面30aおよび第1面30aと反対側に位置する第2面30bを有し、第1面30aが半導体発光素子10の光取り出し面10bと対向するように配置されている。後述するように、変色層30は、光の照射および/または加熱によって透過率が変わる変色物質、例えば有色から無色に変化する変色物質を含む。保護層40は、第1面40aおよび第1面40aと反対側に位置する第2面40bを有する。保護層40の第1面40aは、変色層30の第2面30bと対向している。また、保護層40の第1面40aは変色層30の第2面30bから離れて配置されている。本実施形態では、保護層40と変色層30とを所定の間隔で離して配置させるために、発光装置101は、スペーサ層50をさらに備えており、スペーサ層50は、保護層40と変色層30の間に配置されている。以下、各構成要素を詳細に説明する。
【0016】
(半導体発光素子10)
半導体発光素子10は、光取り出し面10bを有しており、光取り出し面10bから光を出射する。半導体発光素子10は、例えば発光ダイオードチップ等の半導体発光素子である。半導体発光素子は、透光性基板、半導体積層体、および、電極を備える。透光性基板には、例えば、サファイア(Al)のような透光性の絶縁性材料や、半導体積層体からの発光を透過する半導体材料(例えば、窒化物系半導体材料)を用いることができる。半導体発光素子10の側面は光反射性部材が設けられていてもよい。
【0017】
半導体積層体は、例えば、n型半導体層、発光層(活性層)およびp型半導体層等の複数の半導体層を含む。半導体層には、例えば、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等の半導体材料から形成することができる。具体的には、InAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)等の窒化物系の半導体材料や、ガリウムヒ素系の半導体材料や、インジウム燐系の半導体材料を用いることができる。半導体発光素子10は、光取り出し面10bと反対側に位置する電極面10aを有しており、半導体積層体に電気的に接続された一対の電極が電極面10aに設けられている。
【0018】
平面視における半導体発光素子10の形状は、四角形またはこれに近似する形状が好ましい。例えば、半導体発光素子10は、平面視において、一辺の長さが数百μm以上1mm程度以下の長方形または正方形であってよい。具体的には、例えば、半導体発光素子10の平面視における形状は、一辺の長さが、400μm、600μmあるいは1mmの正方形である。
【0019】
半導体発光素子10は、光取り出し面10bから可視光を出射することが好ましい。例えば、赤色、青色又は緑色を出射することが好ましい。半導体発光素子10は、紫外線あるいは赤外線の範囲の波長成分の光を含んでいてもよい。ただし、発光装置101が用いられる機器における使用態様により、発光装置101の消灯時間に対する点灯時間割合が大きい場合、半導体発光素子10の出射光に含まれる紫外線あるいは赤外線成分が、変色層30に含まれる変色物質の特性の変化を生じさせる可能性が高くなる。このため、変色物質の特性変化の抑制という観点から、点灯時間が長い用途で使用される発光装置101の半導体発光素子10においては、出射する光の紫外線あるいは赤外線の波長成分が少ないほうが好ましい。
【0020】
(変色層30)
変色層30は、第1面30aおよび第1面30aと反対側に位置する第2面30bを有し、第1面30aが半導体発光素子10の光取り出し面10bと対向するように配置されている。本実施形態では、変色層30の第1面30aは半導体発光素子10の光取り出し面10bと接しているが、変色層30の第1面30aと、半導体発光素子10の光取り出し面10bとの間に空気層以外の他の層や部材が位置していてもよく、変色層30の第1面30aと、半導体発光素子10の光取り出し面10bとの間に空気層を有していないことが好ましい。
【0021】
変色層30は、光の照射および/または加熱によって発色状態から消色状態に変化する変色物質を含む。具体的には、変色物質は、フォトクロミック化合物またはサーモクロミック化合物である。変色物質は、有機溶媒、水などに可溶な染料であってもよいし、有機溶媒、水等に不溶な顔料であってもよい。
【0022】
ここで、発色状態とは、可視光の波長範囲内の少なくとも一部の範囲の光を変色物質が吸収することによって、変色物質が有色を呈することを意味する。消色状態とは、変色物質が可視光の波長範囲の光を実質的に吸収しないことによって、変色物質が無色を呈することを意味している。このため、消色状態では、変色物質は可視光に対して透明である。発色状態において、変色物質が、可視光の波長範囲全体にわたって光を吸収する場合、変色物質は黒色を呈する。発色状態において、変色物質が呈する色は、任意に選択し得る。変色物質が色を呈することによって、外部から変色層30を介して半導体発光素子10の光取り出し面10bを透視しにくくなる。また、消色状態では、変色層30で視光の吸収が生じないため、半導体発光素子10からの光が効率よく変色層30を介して外部へ出射する。ここで「透明」とは、可視光領域において70%以上の透過率を有することをいう。また、「変色物質が無色」であるとは、色が全くないという狭い意味に限られず、無色に近いほど色を有していない程度のものも含む。具体的には、可視光領域において70%以上の透過率を変色層30が有していれば、変色層30に含まれる変色物質は「無色」を呈していると定義される。
【0023】
変色物質がフォトクロミック化合物である場合、半導体発光素子10から出射する光が照射されることによって変色物質が発色状態から消色状態に変化することが好ましい。例えば、半導体発光素子10から出射する可視光によって、変色物質が発色状態から消色状態に変化することが好ましい。
【0024】
一方、変色物質がサーモクロミック化合物である場合、変色物質は、活性化温度未満で有色を呈し、活性化温度以上で無色を呈することが好ましい。活性化温度は、変色物質が有色から無色へ変化する温度である。公知のサーモクロミック化合物の活性化温度は、例えば、10℃以上70℃以下である。本実施形態では、活性化温度が45℃以上65℃以下の範囲の温度であることが好ましい。例えば、活性化温度は50℃である。
【0025】
変色物質がサーモクロミック化合物である場合、変色物質は、半導体発光素子10が点灯することによって発生する熱によって、活性化温度以上に加熱されることが好ましい。本実施形態では、変色層30は、半導体発光素子10の光取り出し面10bに直接接しており、これによって、半導体発光素子10がONになったとき、発生する熱によって変色層30が例えば50℃以上に加熱される。あるいは、半導体発光素子10の光取り出し面10bと変色層30との間に、熱伝導性の高い層が配置されていてもよい。
【0026】
本実施形態において、変色物質として使用可能なフォトクロミック化合物の例は、例えば、ジアリールエテン誘導体、フタロシアニン、アゾベンゼン、シアニン、スピロピラン、フルギド、ベンゾフラン型誘導体などである。また、変色物質として使用可能なサーモクロミック化合物の例は、ロイコ染料などである。このうち、ロイコ染料は、50℃程度の活性化温度を有し、有色として、赤、青、緑、黒色を呈するものが市販されている。
【0027】
変色層30は、例えば、上述した1種以上の変色物質と、樹脂とを含んでおり、板状の変色層または、印刷可能な未硬化の樹脂組成物として入手可能である。
【0028】
変色層30は、光取り出し面10bの全体を覆っていることが好ましい。また、変色層30は、半導体発光素子10がOFF状態にある際、光取り出し面10bの内部が透過して見えない程度の厚さを有していることがこのましい。例えば、変色層30は、5μm以上2mm以下、好ましくは10μm以上1mm以下、より好ましくは15μm以上500μm以下程度の厚さを有していることが好ましい。
【0029】
(保護層40)
保護層40は、第1面40aおよび第2面40bを有し、保護層40の第1面40aが変色層30の第2面30bと対向するように配置される。また、保護層40の第1面40aは変色層30の第2面30bから離れて配置されている。
【0030】
保護層40は、変色層30を外部環境から保護する。変色層30の変色物質は、フォトクロミック性あるいはサーモクロミック性を備えているため、長時間、紫外線あるいは赤外線が照射されると、変色物質に不可逆的な構造変化あるいは分解が生じやすい。このような変色物質の変化を抑制するため、保護層40は、外部から変色層30に入射する紫外線の波長領域の光および赤外線の波長領域の光のうち、少なくとも一方の光の一部を吸収する。具体的には、保護層40は、400nm以下の波長範囲、および、760nm以上の波長範囲の少なくとも一方における光の透過率が10%以下である。これにより、外部から入射する光のうち、紫外線の波長成分および赤外線の波長成分のうち、少なくとも一方の成分を低下させる。
【0031】
また保護層40は、外部からの熱を変色層30に伝え難くい部材であることが好ましい。例えば、保護層40の熱伝導率は、0.8W/m・K以下であることが好ましく、0.55W/m・K以下であることがより好ましく、0.25W/m・K以下であることがさらに好ましい。
【0032】
保護層40は、例えば、ガラス、誘電体多層膜および樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。保護層40の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上2mm以下、好ましくは5μm以上800μm以下、より好ましくは10μm以上200μm以下である。保護層40は、可視光の波長範囲の光を透過することが好ましい。例えば、400nm以上760nm以下の波長範囲の光の透過率が、80%以上であることが好ましい。
【0033】
保護層40は、紫外線あるいは赤外線を吸収することによって発熱する。この熱が、変色層30に伝わると、半導体発光素子10がOFFの状態であっても、変色層30が消色状態となってしまい、半導体発光素子10の光取り出し面10bや、その内部が見えるようになってしまう。このような、意図しない変色層30の変色を抑制するため、保護層40は変色層30から離れて配置されている。
【0034】
(スペーサ層50)
スペーサ層50は、保護層40を変色層から離れて配置させるために、保護層40と、変色層30と、の間に配置される。スペーサ層50は、可視光の波長範囲の光を透過することが好ましい。例えば、400nm以上760nm以下の波長範囲の光の透過率が、80%以上、好ましくは95%以上であることが好ましい。スペーサ層50の厚さは、例えば、5μm以上2mm以下、好ましくは10μm以上1mm以下、より好ましくは15μm以上500μm以下である。
【0035】
スペーサ層50は、紫外線または赤外線の波長範囲における光の透過率が保護層40よりも大きいか、または、保護層40よりも小さい熱伝導率を有することが好ましい。これにより、スペーサ層50は、保護層40よりも発熱しにくい、あるいは、保護層40よりも熱を伝えにくいため、保護層40で発生した熱が変色層30へ伝わるのを抑止し得る。
【0036】
(発光装置101の動作および効果)
図2Aおよび図2Bを参照しながら発光装置101の動作を説明する。図2Aは発光装置101がOFFの状態および図2Bは発光装置101がONの状態をそれぞれ示す模式図である。発光装置がONとは、発光装置101が発光する条件で電流を流した状態、および、発光装置がOFFとは、発光装置101が発光しない条件で電流を流した状態あるいは電流を遮断した状態をいう。図2Aおよび図2Bにおいて、保護層40およびスペーサ層50は透明であるため、ハッチングを付さずに示している。発光装置101がOFFの場合、変色層30は発色状態にあり、有色を呈している。例えば、変色層30は黒色を呈している。このため、発光装置101の上面101bから発光装置101を見ると、保護層40およびスペーサ層50を介して、変色層30の黒色が見られ、変色層30に遮られることによって、半導体発光素子10の光取り出し面10bや内部の構造を視認できない。
【0037】
図2Bに示すように、通電によって発光装置101をONにすると、半導体発光素子10の半導体積層体に電流が流れることによって、発光および発熱が生じる。半導体発光素子10で生じた光や熱は、変色層30に伝導し、変色層30が加熱される。この時点では、変色層30は黒色を呈しているため、半導体発光素子10からの光は、変色層30でほとんど吸収され、変色層30から外部へはほとんど出射しない。つまり、発光装置101は外部へ光を出射しない。変色層30で吸収された光は熱に変換される。
【0038】
半導体発光素子10から伝わった熱および変色層30において光から変換された熱によって、変色層30の温度が上昇する。変色層30の温度が活性化温度を超えると、変色物質が発色状態から消色状態になる。これにより、変色層30は透明になり、半導体発光素子10から出射した光は、透明な変色層30、スペーサ層50および保護層40を透過し外部へ出射する。つまり、発光装置101が発光する。
【0039】
発光装置101をOFFにすると、発光が直ちに停止する。この時、変色層30の温度は、まだ活性化温度を以上であるため、変色層30は透明な状態を維持しており、半導体発光素子10の光取り出し面10bや内部の構造が視認し得る。その後、変色層30の熱が半導体発光素子10およびスペーサ層50、保護層40に散逸し、変色層30の温度が活性化温度を下回ると、変色物質が消色状態から発色状態になる。これにより、図2Aに示すように、変色層30は黒色を呈し、半導体発光素子10の光取り出し面10bや内部の構造を外部から視認できなくなる。
【0040】
変色層30の変色物質がフォトクロミック性を備えている場合には、半導体発光素子10から出射する光が変色層30を照射すれば、変色層30は、有色から無色を呈するようになり、光の照射が遮断されると、無色から有色に変化する。
【0041】
発光装置101のOFFからONまたはONからOFFへの切り替えタイミングと、変色層30の発色状態から消色状態への変化または消色状態から発色状態への変化のタイミングとのタイムラグは小さいほうが好ましい。特に、発光装置101のOFFからONへの切り替えは、例えば、携帯電子機器で撮像を行う際に、照明として発光装置101を発光させる場合であるから、上述したタイムラグは小さいほうが好ましい。
【0042】
本願発明者の詳細な検討によれば、半導体発光素子10の動作時の発熱および/または発光は、変色層30の変色物質を十分に状態変化させることができるエネルギーを放出する。以下の実施例で説明するように、変色層30において、変色物質は、半導体発光素子10の点灯後、50ミリ秒以内に有色から無色に変化する。つまり発光装置101をONにした後、例えば、概ね50ミリ秒以内に変色層30はほぼ透明になり、100%に近い光束が得られる。
【0043】
また、発光装置101において、外部から入射する紫外線や赤外線は保護層40に吸収される。よって、保護層40が紫外線や赤外線に曝され、変色物質が劣化するのを抑制することができる。その結果、長期にわたって、変色層30の機能が維持され、発光装置101がOFF状態において、変色層30が有する色が呈示され得る。つまり、変色層30の耐候性を向上させることが可能である。さらに、保護層40における紫外線または赤外線の吸収によって発生した熱は、スペーサ層50が介在することによって変色層30へ伝わりにくい。このため、変色層30が外部からのエネルギーで発色状態から消色状態へ変化することが抑制される。
【0044】
本実施形態の発光装置には種々の改変が可能である。図3に示す発光装置102は、保護層40に代えて保護層40’を備えている点で発光装置101と異なる。保護層40’の第2面40bは、0.2μm以上4μm以下の表面粗さRaを有している。保護層40’の厚さをtμmとした場合、保護層40’の第2面40bの表面粗さRaは、好ましくは、Ra≦t/5の関係を満たしており、より好ましくは、Ra≦t/10の関係を満たしている。保護層40’の第2面40bが粗面であることによって、外部から発光装置102を見た場合に、保護層40’の表面での正反射が抑制され、変色層30の有する色がより認識しやすくなる。このため、発光装置102が実装される機器の外装色と、変色層30の有色状態のときの色とを一致させると、一体的な外観を呈する機器を提供することが可能となる。
【0045】
図4に示す発光装置103は、保護層40に代えて保護層40’’を備えている点で発光装置101と異なる。保護層40’’の第1面40aは、0.2μm以上4μm以下の表面粗さRaを有している。保護層40’’の厚さをtμmとした場合、保護層40’’の第1面40aの表面粗さRaは、好ましくは、Ra≦t/5の関係を満たしており、より好ましくは、Ra≦t/10の関係を満たしている。保護層40’’の第1面40aが粗面であることによって、保護層40の第1面40aとスペーサ層50との接触面積が小さくなり、また、保護層40’’とスペーサ層50との間に微小な空気の空間が形成される。このため、保護層40の熱がスペーサ層50へ伝わりにくくなり、変色層30が外部からのエネルギーで発色状態から消色状態へ変化することがより抑制される。
【0046】
図5に示す発光装置104は、保護層40の第2面40bに複数の突起41を備えている点で発光装置101と異なる。突起41の形状は、円錐、楕円錐、多角錐などの錐形状、円錐台形、楕円錐台形、多角錐台形などの錐台形状、半球状、楕円半球状、真球状などの表面に丸みを帯びた形状、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、リニアフレネルレンズ、フライアイレンズ、プリズム、非球面レンズなどのレンズ形状であってよい。突起の高さに特に制限はない。突起41の幾何学形状に応じた効果を保護層40の第2面40bに付与することができる。例えば、円錐形状を有する突起41は、モスアイ構造として知られ、表面における低反射、超撥水性、防汚性などに優れる。また、突起41が各種のレンズ形状を有している場合には、レンズ形状に応じた集光、発散などの光学特性が得られる。
【0047】
<第2の実施形態>
図6は、本開示の第2の実施形態にかかる発光装置の一例を示す断面図である。発光装置105は、波長変換部材20および光反射性部材60をさらに備え、スペーサ層50に代えて空気層70を備えている点で第1の実施形態の発光装置101と異なる。
【0048】
波長変換部材20は、半導体発光素子10の光取り出し面10bと変色層30の第1面30aとの間に配置される。波長変換部材20は第1面20aと第1面20aと反対側に位置する第2面20bを有し、第1面20aが半導体発光素子10の光取り出し面10bと対向し、第2面20bが変色層30の第1面30aと対向している。本実施形態では、波長変換部材20の第1面20aは半導体発光素子10の光取り出し面10bと接している。また、波長変換部材20の第2面20bは、変色層30の第1面30aと接している。
【0049】
波長変換部材20は、半導体発光素子10から出射する光の一部を他の波長の光に変換する。波長変換部材20は、透光性部材と蛍光体とを含む。波長変換部材20はさらに光拡散材などを含んでいてもよい。透光性部材は、透光性樹脂を含む。例えば、透光性部材は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、またはこれらを混合した樹脂等を含む。蛍光体は、例えば、透光性部材中に分散している。蛍光体は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、およびLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、または、ペロブスカイト、硫化鉛、カルコパイライト、量子ドット蛍光体等であってよい。
【0050】
波長変換部材20は上述した蛍光体から選ばれる複数種含んでいてもよく、例えば、青色の光を吸収して黄色の光を放射する蛍光体と、青色の光を吸収して赤色の光を放射する蛍光体を含んでいてもよい。これにより、発光装置105から例えば白色の光を出射させることができる。
【0051】
光反射性部材60は、半導体発光素子10の側面を覆っている。図6に示す形態では光反射性部材60は、波長変換部材20および変色層30の側面も覆っており、変色層30の第2面30b上の空間も囲んでいる。
【0052】
光反射性部材60は光反射性を有し、例えば、樹脂と光拡散材とを含む。具体的には、樹脂として、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、光拡散材としては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛またはガラス等の粒子を用いることができる。
【0053】
光反射性部材60は、上面60bを有しており、上面60b上において、保護層40を支持している。光反射性部材60の上面60bは変色層30の第2面30bよりも上方に位置しているため、保護層40の第1面40aと変色層30の第2面30bとは離れており、空気層70が形成されている。
【0054】
発光装置105おいて、半導体発光素子10は、青色光を出射し、波長変換部材20を透過することによって、青色光の一部が黄色光に変換される。波長変換部材20から出射する光は、青色光と黄色光とを含む白色光となり、発光装置105の外部へ出射される。この時、波長変換部材20において、蛍光体の波長変換によって熱が発生し、発生した熱が隣接する変色層30に伝わる。このため、半導体発光素子10の発熱に加え、波長変換部材20の発熱によって、変色層30を加熱することができる。よって、半導体発光素子10が発光を開始すると、より速やかに変色層30を加熱することができる。
【0055】
第1の実施形態で説明したように、発光装置105がONの状態になれば、変色層30の温度が上昇し、活性化温度を超えることによって、変色層30は透明になる。したがって、半導体発光素子10からの光が変色層30に遮られることなく外部へ出射する。
【0056】
一般にYAG蛍光体を用いた波長変換部材は、青色光を黄色光に変換する黄色蛍光体を含み、黄色を呈している。このため、波長変換部材を含む発光装置では、光取り出し面が黄色を呈している。一方、発光装置が搭載される機器の外装は、黄色以外の色を呈している場合が多く、黄色く見える発光装置が外観上において目立ってしまい、美観を損ねることがあった。
【0057】
本実施形態の発光装置によれば、発光装置105がOFFの時、変色層30は有色を呈することによって、波長変換部材20の色が外部から視認されるのを抑制する。よって、発光装置105が波長変換部材を備えていても、黄色く目立つことがない優れた外観を有する機器を実現することが可能である。
【0058】
また、発光装置105において、保護層40と変色層30との間には、空気層70が位置している。このため、紫外線や赤外線が保護層40に吸収されて、保護層40が発熱しても、空気層70は熱伝導率が小さいことによって、変色層30には保護層40で発生した熱が伝わりにくく、変色層30が外部環境から受けるエネルギーによって有色状態から無色状態に変化することが抑制される。このため、例えば、発光装置105を搭載した電子機器が、強い直射日光の当たる環境に放置される場合でも、変色層30が透明になって波長変換部材20の黄色が外部に見えてしまうことが抑制される。つまり、種々の環境下においても、優れた外観を有する電子機器を実現し得る。
【0059】
また、発光装置105において、光反射性部材60が、半導体発光素子10、波長変換部材20および変色層30の側面を覆っているため、これらの部材の側面で光を反射させることができ、出射効率を高めることができる。
【0060】
本実施形態の発光装置には種々の改変が可能である。図7に示す発光装置106は、波長変換部材20に代えて波長変換部材20’を備えている点で、発光装置102と異なる。波長変換部材20’は、透光性部材21と蛍光体22とを含み、蛍光体22は、変色層30の第1面側に偏在している。ここで、偏在とは波長変換部材20’を厚さ方向に2つの2層に分けた場合において、変色層30側に近接して位置する層における蛍光体22の密度が、変色層30からより遠くに位置し、半導体発光素子10側に近接して位置する層における蛍光体22の密度よりも高いことをいう。
【0061】
発光装置106によれば、蛍光体22が変色層30側に偏在していることによって、波長変換によって生成した熱をより効率的に変色層30へ伝播させることができる。また、熱が半導体発光素子10に伝わり外部へ放散するのを抑制することができる。
【0062】
<第3の実施形態>
電子機器の実施形態を説明する。図8Aは電子機器107の一例を示す模式背面図であり、図8Bは、図8Aの8B-8B線断面図である。本実施形態では、電子機器107はスマートフォンである。図8Aに示すように、電子機器107は、ケース210と、ケース210内に配置された発光装置214と、カメラユニット213とを備えている。このほか、電子機器107は、CPUなどの制御ユニットや、無線通信ユニット等を備えている。
【0063】
ケース210は開口211と開口212とを有する。本実施形態では、開口212には、カメラユニット213が配置されている。
【0064】
発光装置214は、第1の実施形態および第2の実施形態の発光装置のいずれかであり、本実施形態では、発光装置214は、発光装置105と同様の構造を備えている。具体的には、発光装置214は、半導体発光素子10と、波長変換部材20と、変色層30と、保護層40と、光反射性部材60とを備えている。保護層40は、ケース210の開口211に配置されており、半導体発光素子10から出射する光は、開口211からケース210の外部へ出射し得るように、ケース210に対して配置されている。保護層40と変色層30との間には空気層70が位置している。
【0065】
変色層30の変色物質は、発色状態において、ケース210の外側における開口211の周囲の領域211rの色と同系色を呈し、消色状態において透明となる。例えば、領域211rが黒色であれば、変色層30の変色物質は、発色状態において、黒色を呈している。ここで、同系色とは、色相環で隣り合う色や近い位置にある色のことを表す。
【0066】
電子機器107において、発光装置214がOFFの状態では、ケース210の開口211から、変色層30が見える。変色層30は、ケースの開口211の周囲の領域211rの色と同じ色を呈しているため、開口211が目立つことなく優れた外観を提示できる。また、カメラユニット213の撮影時に発光装置108をONにした場合、第1の実施形態で説明したように、変色層30が透明になり、発光装置108から出射した光が、被写体を照らすことが可能である。
【0067】
また、保護層40と変色層30との間に空気層70が配置されているため、例えば、電子機器107が直射日光の当たるような場所に放置された場合でも、紫外線や赤外線を抑制して変色層30の変色物質の劣化を抑制する。また、保護層40が紫外線や赤外線によって熱せられても、変色層30へ熱が伝わることが抑制され、発光装置108がOFFの状態で、変色層30が透明になるのを抑制し得る。
【0068】
<第4の実施形態>
図9は、本開示の第4の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。発光装置108は、複数の半導体発光素子10と、波長変換部材20と、変色層30と、保護層40と空気層70と、光反射性部材61、62とを備える。複数の半導体発光素子10は、1次元または2次元に配列されている。光反射性部材61は、複数の半導体発光素子10のそれぞれの側面を覆って、複数の半導体発光素子10間に配置されている。
【0069】
波長変換部材20は、複数の半導体発光素子10の光取り出し面10bおよび光反射性部材61の上面61bを一体的に覆っており、複数の半導体発光素子10のすべてにわたって連続している。
【0070】
変色層30は波長変換部材20上に配置されており、変色層30の第1面30aが波長変換部材20の全体と対向している。
【0071】
光反射性部材62は、波長変換部材20および変色層30の側面を覆って、変色層30の上方に空間が形成されるように光反射性部材61の周囲に配置されている。保護層40は、光反射性部材62に支持され、変色層30上方の空間を閉じるように配置されている。これにより、保護層40は変色層30から離れて配置され、保護層40と変色層30との間に空気層70が形成される。
【0072】
次に発光装置108の動作を説明する。発光装置108は複数の半導体発光素子10を備えており、すべての半導体発光素子10を同時に動作させてもよいし、一部の半導体発光素子10を動作させてもよい。すべての半導体発光素子10を同時に動作させる場合の特徴は、第1の実施形態で説明した特徴と同様である。このため、以下では、一部の半導体発光素子10を動作させる場合の特徴を説明する。
【0073】
図10Aは発光装置108のすべての半導体発光素子10がOFFの状態を示し、図10Bは、複数の半導体発光素子10の一部がONの状態を示している。図10Aおよび図10Bにおいて、保護層40は透明であるため、ハッチングを付さずに示している。図10Aに示すように、すべての半導体発光素子10がOFFの場合、変色層30全体として発色状態にあり、有色を呈している。
【0074】
図10Bに示すように、複数の半導体発光素子10の一部をONにした場合、波長変換部材20のうち、ONになった半導体発光素子10A、10Cの上方及びその近傍では、半導体発光素子10からの熱または光によって、変色層30が透明になる。一方、変色層30のうち、OFFのままの半導体発光素子10Bの上方及びその近傍では引き続き有色を呈する。
【0075】
図11は、半導体発光素子10の光取り出し面10b上に光取り出し面10bよりも十分大きい波長変換部材が配置される場合における、出射光の色度の角度依存性を示す。横軸は垂直方向からの角度を示し、縦軸は垂直方向に出射した光を基準とした色度図におけるx座標のずれを示す。図11に示すように、出射角度が大きくなるほど、色度はプラスx方向にシフトし、黄色を呈する。これは出射角度が大きく、垂直方向に対して斜めに進行する光ほど、波長変換部材を透過する距離が長くなり、より多くの蛍光体によって黄色に変換されることによって、出射光中に黄色成分が増大するからである。
【0076】
図10Bに示すように、ON状態の半導体発光素子10A、10Cは、上述した色度の角度依存性を有している。ただし、OFF状態の半導体発光素子10Bに隣接するON状態の半導体発光素子10Aから出射する光のうち、大きな角度でOFF状態の半導体発光素子10Bの上方へ向かう光は、半導体発光素子10B上の変色層30が有色を呈していることにより、変色層30で吸収され外部へ出射しない。このため、OFF状態の半導体発光素子10の上方とON状態の半導体発光素子10の境界領域において、黄色の成分が増えた光が出射されることが抑制される。
【0077】
これに対し、図12に示すように、変色層30を有しない発光装置111を図10Bと同様に発光させた場合、OFF状態の半導体発光素子10Bに隣接するON状態の半導体発光素子10Aから出射する光のうち、大きな角度でOFF状態の半導体発光素子10Bの上方へ向かう光は、変色層30がないことによりそのまま外部に出射される。このため、OFF状態の半導体発光素子10の上方とON状態の半導体発光素子10の境界領域において、黄色の成分が増えた光が出射される。
【0078】
変色層30を有しない場合において、図12を参照して説明したような色度のずれた光の出射を抑制するためには、例えば、図13に示すように、半導体発光素子10の光取り出し面10b上に配置する波長変換部材を小さくした発光装置112を実現することが考えられる。しかし、この場合には、各半導体発光素子10において大きな角度で出射する光が減少するため、ON状態の隣接する2つの半導体発光素子10の間でも輝度の低下する領域が生じる。このため、例えば、すべての半導体発光素子10がON状態になった場合でも、発光装置112全体から出射する光の輝度分布は不均一になりやすくなる。
【0079】
このように、本実施形態の発光装置108によれば、第1の実施形態で説明した効果に加え、複数の半導体発光素子10を部分駆動させる場合でも、OFF状態の半導体発光素子と、ON状態の発光素子との境界において、色度のずれた光が出射されるのを抑制できるという効果が得られる。
【0080】
<第5の実施形態>
図16Aおよび図16Bは、本開示の第5の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。発光装置109および発光装置109は、変色層30に代えて第1の変色層31と第2の変色層32とを備えている点で第3の実施形態の発光装置108と異なる。
【0081】
第1の変色層31は、波長変換部材20と保護層40との間に位置しており、波長変換部材20の第2面20bと接している。第2の変色層32は、第1の変色層31と保護層40との間に位置している。図16Aに示す発光装置109では、第2の変色層32は、保護層40の第1面40aに接して配置されている。これに対し、図16Bに示す発光装置109’では、第2の変色層32は、第1の変色層31の第2面31bに接して配置されている。
【0082】
第2の変色層32は、第1の変色層31と同じ変色物質を含んでいてもよい。あるいは、第2の変色層32は、有色状態において第1の変色層31と異なる色を呈する変色物質を含んでいてもよい。
【0083】
発光装置109および発光装置109’において、第2の変色層32は、外部からの熱や光の少なくとも一部を吸収することによって、第1の変色層31が、外部からの熱や光によって有色から無色に変化するのを抑制する。
【0084】
また、発光装置109および発光装置109’が複数の半導体発光素子10を含む場合、隣接する半導体発光素子10がOFF状態にある場合でも、ON状態の半導体発光素子10からの光によって、OFF状態の半導体発光素子10が発光しているように視認されることがある。この現象は疑似点灯とも呼ばれる。特に、複数の半導体発光素子10が1行に配列されている場合や行および列の2次元に配列されており、複数の半導体発光素子10上に波長変換部材20が配置されている場合や、波長変換部材20が光拡散剤を含む場合、半導体発光素子10配列の方向において、疑似点灯が視認され得る。この場合、第1の変色層31の疑似点灯した半導体発光素子10上では、疑似点灯による熱や光によって、有色から無色に変化し得る。しかし、第2の変色層32は、波長変換部材20からより離れていることによって、疑似点灯による影響を受けにくい。よって、第2の変色層32のうち、疑似点灯した半導体発光素子10上の領域において、有色から無色に変化することが抑制される。よって、発光装置109および発光装置109’を部分駆動した場合におけるコントラストを向上させることができる。
【0085】
<第6の実施形態>
図17は、本開示の第6の実施形態にかかる発光装置の一例を示す模式断面図である。発光装置110は、第1の半導体発光素子11と第2の半導体発光素子12とを備えている点で第2の実施形態の発光装置105と異なる。
【0086】
第1の半導体発光素子11は、例えば、400nmより短い波長の光、または、760nmより長い波長の光を出射する。第2の半導体発光素子12は、400nm以上760nm以下の波長の光を出射する。第1の半導体発光素子11は、主として、変色層30を発色状態から消色状態に変化させるために用いられる。第2の半導体発光素子12は、発光装置110に求められる波長の光を出射する。
【0087】
発光装置110を駆動させる場合、先ず第1の半導体発光素子11をON状態にし、変色層30を発色状態から消色状態に変化させる。次に、第2の半導体発光素子12をON状態にする。この時、変色層30はすでに消色状態つまり、透明になっているため、第2の半導体発光素子12をON状態にすると、第2の半導体発光素子12から出射した光は、透明な変色層30を透過し、外部へ出射する。このため、変色層30において変色物質による光の吸収がほとんどなく、外部へ出射する光における発光直後からの色調の変化が抑制される。このように第1の半導体発光素子11と第2の半導体発光素子12との駆動のタイミングをわずかにずらすことによって、第2の半導体発光素子12を発光させた場合に点灯直後からの色調の変化が視認されにくくすることができる。第1の半導体発光素子11からの光は視認できない、若しくは、視認しづらいため、第1の半導体発光素子12からの光は、第2の半導体発光素子12からの発光色の色調にほとんど影響を及ぼさない。
【0088】
第1の半導体発光素子11と第2の半導体発光素子12との駆動タイミングの差は、例えば、20ミリ秒以上であることが好ましく、40ミリ秒以上であることがより好ましく、50ミリ秒以上であることがさらに好ましい。駆動タイミングの差が大きいほど、第2の半導体発光素子12が発光する時に、より確実に変色層30を透明な状態にしておくことができる。
【0089】
一方、この駆動タイミングの差が大きすぎると、発光装置110をON状態にしたときに、視認し得る発光が生じるタイミングが遅れてしまう。また、その間、変色層30が透明になることによって、第2の半導体発光素子12が発光していないのに発光装置110の内部が視認され得る。このため、駆動タイミングの差は、200ミリ秒以下であることが好ましく、120ミリ秒以内であることがより好ましく、80ミリ秒以内であることがさらに好ましい。
【0090】
第1の半導体発光素子11は、第2の半導体発光素子12から光が出射した後にOFF状態にしてもよいし、そのままON状態を維持してもよい。第1の半導体発光素子11をOFF状態にしても発光装置110から出射している第2の半導体発光素子12からの光の色調に実質的な変化が視認されない場合には、消費電力を低減させるため、あるいは、所望ではない波長成分の光をカットするため、第2の半導体発光素子12をON状態にするタイミング、あるいは、第2の半導体発光素子12をON状態にした後、第1の半導体発光素子11をOFF状態にしてもよい。
【0091】
<実施例>
本実施形態の発光素子を作製し、変色層の効果を確認した。図14Aから図14Cは、半導体発光素子として発光ダイオードを用い、第2の実施形態の発光装置105の構造を備える発光装置を作製し、外部からドライヤーによって加熱し、変色層30の変化がどのように生じるかを確認した結果を示す。
【0092】
図14Aに示すように、加熱前の状態では、発光装置105は、変色層30が黒色を呈しており、変色層30の下に位置する波長変換部材20の黄色は認識できない。これに対し、発光装置105をドライヤーで加熱すると、図14Bに示すように、変色層30がすぐに薄くなり、図14Cに示すように、波長変換部材20の黄色が表れた。これは、変色層30が透明になったことを示している。
【0093】
図15は、発光装置105をONにした後の光束の変化を示している。横軸は、ON後の経過時間を示し、縦軸は、200ms(ミリ秒)後の光束に対する割合である光束比を示す。また、実施例1は、変色層30の変換物質が発光状態において、青色を呈し、活性化温度は、50℃である。実施例2は、変色層30の変換物質が発光状態において、黒色を呈し、活性化温度は、60℃である。参考例は、変色層30を備えていない発光装置を用いて測定した結果を示す。
【0094】
参考例に示されるように、変色層を有しない発光装置では、半導体発光装置をONにした後、約10ms(ミリ秒)で100%以上の光束比が得られている。これに対し、実施例1、2では、10ms(ミリ秒)後の光束比はそれぞれ約50%および約30%であるが、その後徐々に光束比は増大し、40ms(ミリ秒)後の光束比はそれぞれ100%および約95%である。60ms(ミリ秒)では、実施例1、2のいずれでも光束比が約100%に達している。これらの結果から、実施例1、2では、少なくとも50ms(ミリ秒)後には、変色層30は、有色から無色を呈するようになり、ほぼ100%の光束が得られることが分かる。
【0095】
<他の形態>
上記各実施形態で説明した変形例は、他の実施形態と組み合わせることが可能である。例えば、第1の実施形態で説明した保護層40’、40’’を第2の実施形態の発光装置に用いてもよい。また、第1の変色層31および第2の変色層を第1の実施形態の発光装置101あるいは第2の実施形態の発光装置102に用いてもよい。
【0096】
また、第1~第4の実施形態および実施例では、変色層30を主として発光装置の外観の改善に利用していた。しかし、変色層30を発光装置の発光特性に利用することも可能である。
【0097】
半導体発光素子は、一般に負の抵抗温度係数を有する。このため、例えば図15の参考例で示すように、半導体発光装置を発光させると、発光直後の一定の期間内では、時間の経過とともに半導体の抵抗が増大し、電流が減少することによって光束が低下する。変色層は温度の上昇に伴い光の透過率を増大させるように調整し得るので、好適にこの半導体特性の補償に用いることができる。例えば、半導体発光素子の光取り出し面における温度が上昇すると光束量が低下する関係を満たす光取り出し面の温度範囲内において、有色から無色を呈する変色物質を変色層が含むことによって、このような発光直後の光束量の低下を相殺または抑制することができる。
【0098】
変色層が、活性化温度の異なる複数種類の変色物質を含んでいれば、より細かく光束量の変化を抑制することができる。
【0099】
例えば、このような発光装置は、光取り出し面を有する半導体発光素子と、半導体発光素子の光取り出し面から出射する光の光路上に配置された変色層であって、熱によって変色する第1の変色物質を少なくとも含む変色層とを備え、半導体発光素子の光取り出し面における温度が上昇すると光束量が低下する関係を満たす光取り出し面の温度範囲内において、第1の変色物質は、有色から無色を呈する。また、変色層は熱によって変色する第2の変色物質をさらに含み、第1の変色物質の変色する温度と、第2の変色物質の変色する温度は異っていてもよい。
【0100】
また、半導体発光素子による発光または発熱とは独立して変色層の温度を制御すれば、半導体発光素子に流れる電流に対して独立して発光装置から出射する光の光束量を調整し得る。
【0101】
例えば、このような発光装置は、光取り出し面を有する半導体発光素子と、半導体発光素子の光取り出し面から出射する光の光路上に配置された変色層であって、熱によって変色する第1の変色物質を少なくとも含む変色層と、変色層の温度を制御する温度制御素子と、を備える。変色層の温度を制御する温度制御素子としては、例えば、ペルチェ素子であってもよい。
【0102】
また、変色層を半導体発光素子から出射する光の色度の調節に用いてもよい。例えば、このような発光装置は、光取り出し面を有する半導体発光素子と、半導体発光素子の光取り出し面から出射する光の光路上に配置された変色層であって、熱によって変色する第1の変色物質および第2の変色物質を少なくとも含む変色層とを備え、第1の変色物質および第2の変色物質は、変色する温度および変色前に呈する色が互いに異なる。変色層の温度を制御する温度制御素子をさらに備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本開示の実施形態による発光装置および電子機器は、種々の用途の発光装置および電子機器に有用である。特に、消灯時の外観に優れ、かつ耐候性にも優れる光源を備えたスマートフォンなどの電子機器などに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0104】
10、10A~10C 半導体発光素子
11 第1の半導体発光素子
12 第2の半導体発光素子
10b 光取り出し面
20、20’ 波長変換部材
20a、30a、40a 第1面
20b、30b、40b 第2面
21 透光性樹脂
22 蛍光体
30 変色層、
31 第1の変色層
32 第2の変色層
40、40’、40’’ 保護層
41 突起
50 スペーサ層
60、61、62 光反射性部材
60b、61b 上面
70 空気層
101~108、111、112、214 発光装置
107 電子機器
210 ケース
211、212 開口
211r 領域
213 カメラユニット
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図17