(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】パターニングにおける反応性イオンエッチングのための重合保護層
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
(21)【出願番号】P 2021572385
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 US2020070118
(87)【国際公開番号】W WO2020247977
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-29
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナガビラヴァ・バスカー
(72)【発明者】
【氏名】フリドル・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ゴス・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ミグノット・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】メッツラー・ドミニク
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-529905(JP,A)
【文献】特開2015-220277(JP,A)
【文献】特表2015-521799(JP,A)
【文献】特表2006-514783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/31
H01L 21/312-21/32
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469-21/475
H01L 21/86
H05H 1/00-1/54
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板をチャンバに提供し、前記半導体基板は、厚さtを有するターゲット層と、前記ターゲット層の下層にある金属を含む少なくとも1つの領域を備える金属層とを有し、
下段のマスク層をエッチングすることによって、前記ターゲット層の上に下段のパターニングされたマスク層を形成し、
前記チャンバ内において前記下段のパターニングされたマスク層の上に重合保護層を形成するこ
とを備え、前記重合保護層の少なくとも一部は除去可能である、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記重合保護層の上に上段のマスク層を形成し、
金属を含む前記少なくとも1つの領域と整列する少なくとも1つのビアを形成するために、前記上段のマスク層を使用して前記半導体基板をパターニングし、
前記上段のマスク層を使用して前記半導体基板をパターニングした後、反応性イオンエッチングを使用して前記ターゲット層をパターニングすること
をさらに備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記下段のパターニングされたマスク層は、極端紫外線リソグラフィによって形成される、方法。
【請求項4】
厚さtを有するターゲット層の上に下段のパターニングされたマスク層と、金属を含む少なくとも1つの領域を備える前記ターゲット層の下層にある金属層とを有する半導体基板を提供し、
前記下段のパターニングされたマスク層の上に重合保護層を形成し、
前記重合保護層の上に上段のマスク層を形成し、
金属を含む前記少なくとも1つの領域と整列する少なくとも1つのビアを形成するために、前記上段のマスク層を使用して前記半導体基板をパターニングし、
前記上段のマスク層を使用して前記半導体基板をパターニングした後、
前記重合保護層の少なくとも一部を除去し、反応性イオンエッチングを使用して前記ターゲット層をパターニングすること
を備える、方法。
【請求項5】
請求項1および4のいずれかに記載の方法であって、
前記重合保護層は、犠牲膜である、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、
前記重合保護層の形成および前記下段のパターニングされたマスク層または前記上段のマスク層のいずれかを使用する前記半導体基板のパターニングは、
チャンバ内で実施される、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
前記重合保護層の形成および前記下段のパターニングされたマスク層のパターニングは、同一チャンバ内で実施される、方法。
【請求項8】
請求項1および4のいずれかに記載の方法であって、
前記重合保護層は、非コンフォーマルに堆積され、かつ反応性イオンエッチングラグを少なくとも5から10%低減する、方法。
【請求項9】
請求項1および4のいずれかに記載の方法であって、
異なるサイズのフィーチャにおける前記重合保護層の厚さは、反応性イオンエッチング中に同じ速度でエッチングされる、方法。
【請求項10】
半導体基板を処理する装置であって、前記装置は、1つまたは複数のプロセスチャンバと、少なくとも1つの前記プロセスチャンバは、前記半導体基板を保持するための台座を含み、
プラズマ発生器と、
前記プロセスチャンバへの1つまたは複数のガス入口および関連する流量制御ハードウェアと、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、を備え、前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも前記流量制御ハードウェアと動作可能に接続され、前記メモリは、
(i)前記半導体基板上の下段のマスク層をエッチングして、パターニングされた下段のマスク層を形成し、
(ii)前記下段のマスク層をエッチングした後、四塩化ケイ素およびメタンを導入して、前記パターニングされた下段のマスク層の上に
除去可能な重合保護層を形成する
ように、少なくとも前記流量制御ハードウェアを制御する、前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を記憶する、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[参照による援用]
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書にて明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0002】
多くの半導体製造プロセスでは、ビアおよびトレンチのエッチングを含むパターニングスキームを必要とする。しかしながら、デバイスの微細化および選択した材料の変化に伴い、ビアおよびトレンチのエッチングには、パターニングの負荷および材料のアンダーカットを含む問題が生じる。
【0003】
本明細書にて提示された背景技術の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。本背景技術のセクションにて説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、半導体基板を処理する方法および装置を提供する。一態様には、チャンバに半導体基板を提供し、半導体基板が、厚さtを有するターゲット層と、ターゲット層の下層にある、金属を含む少なくとも1つの領域を備える金属層とを有し、下段のマスク層をエッチングすることによって、ターゲット層の上に下段のパターニングされたマスク層を形成することと、真空を破壊することなく下段のパターニングされたマスク層の上に重合保護層を形成することを含む方法が含まれる。本態様のいくつかの実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が、前記方法の動作を実施するように構成される。
【0005】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、重合保護層の上に上段のマスク層を形成し、金属を含む少なくとも1つの領域と整列する少なくとも1つのビアを形成するために、上段のマスク層を使用して半導体基板をパターニングし、上段のマスク層を使用して半導体基板をパターニングした後、反応性イオンエッチングを使用してターゲット層をパターニングすることをさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、重合保護層は、非コンフォーマルに堆積され、かつ反応性イオンエッチングラグを少なくとも5から10%低減する。いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、上段のマスク層を使用して半導体基板をパターニングする間に曝露された1つまたは複数の角部を含み、少なくとも1つのビアを形成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのビアは、約10nmから約30nmの間の臨界寸法を有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、上段のマスク層は、極端紫外線リソグラフィによって形成される。様々な実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、極端紫外線リソグラフィによって形成される。いくつかの実施形態では、重合保護層は、犠牲膜である。
【0008】
前記方法は、同一チャンバ内で実施される重合保護層の形成および下段のパターニングされたマスク層のパターニングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、異なるサイズのフィーチャにおける重合保護層の厚さは、反応性イオンエッチング中に同じ速度でエッチングされる。いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層上の重合保護層の結果として、上段のマスク層を使用した半導体基板のパターニング中に下段のパターニングされたマスク層の5Å未満がエッチングされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、重合保護層は、四塩化ケイ素およびメタンを使用して堆積される。いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、窒化チタン、酸化チタン、およびタングステン含有材料を含む群から選択される材料を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、約10nmから約30nmの間の臨界寸法を有するネガティブ型フィーチャを含む。いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、ポジティブ型フィーチャ間に幅広いネガティブ型フィーチャと幅の狭いネガティブ型フィーチャとを有する離間して配置されたポジティブ型フィーチャを含み、ここで、幅広いネガティブ型フィーチャの底部に堆積された重合保護層の厚さは、幅の狭いネガティブ型フィーチャの底部に堆積された重合保護層の厚さよりも大きくなる。いくつかの実施形態では、金属層は、銅を含む。いくつかの実施形態では、上段のパターニングされたマスク層を使用して半導体基板をパターニングすると、ターゲット層に2nm未満のアンダーカットが生じる。説明した技術の実施態様は、コンピュータアクセス可能媒体におけるハードウェア、方法またはプロセス、もしくはコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0011】
一態様には、厚さtを有するターゲット層の上に下段のパターニングされたマスク層と、金属を含む少なくとも1つの領域を備えるターゲット層の下層にある金属層とを有する半導体基板を提供し、下段のパターニングされたマスク層の上に重合保護層を形成することと、重合保護層の上に上段のマスク層を形成し、金属を含む少なくとも1つの領域と整列する少なくとも1つのビアを形成するために、上段のマスク層を使用して半導体基板をパターニングし、上段のマスク層を使用して半導体基板をパターニングした後、反応性イオンエッチングを使用してターゲット層をパターニングすることを含む方法が含まれる。本態様のいくつかの実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が、前記方法の動作を実施するように構成される。
【0012】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、重合保護層の形成および下段のパターニングされたマスク層または上段のマスク層のいずれかを使用する半導体基板のパターニングは、真空を破壊することなく実施される。いくつかの実施形態では、半導体基板は、ターゲット層の上層に下段のパターニングされたマスク層がないターゲット層の第2の領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、ターゲット層をパターニングすることにより、第2の領域およびターゲット層を半導体基板上に残存する同じ厚さにエッチングする。いくつかの実施形態では、ターゲット層をパターニングした後、第2の領域と第2の領域にないターゲット層との厚さの差は、5nm未満である。いくつかの実施形態では、ターゲット層は、下層に下段のパターニングされたマスク層がないターゲット層の領域で、ターゲット層の厚さをtより小さく、0より大きく保つようにパターニングされる。いくつかの実施形態では、ターゲット層は、超低誘電率誘電体材料を含む。説明した技術の実施態様は、コンピュータアクセス可能媒体におけるハードウェア、方法またはプロセス、もしくはコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0013】
一態様には、半導体基板を処理する装置であって、前記装置は、1つまたは複数のプロセスチャンバと、少なくとも1つのプロセスチャンバは、半導体基板を保持するための台座を含み、プラズマ発生器と、プロセスチャンバへの1つまたは複数のガス入口および関連する流量制御ハードウェアと、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラとを備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、互いに通信可能に接続され、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも流量制御ハードウェアと動作可能に接続され、メモリは、(i)半導体基板上の下段のマスク層をエッチングして、パターニングされた下段のマスク層を形成し、(ii)下段のマスク層をエッチングした後、四塩化ケイ素およびメタンを導入して、パターニングされた下段のマスク層の上に重合保護層を形成することによって、少なくとも流量制御ハードウェアを制御する、少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を記憶する、装置が含まれる。本態様のいくつかの実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が、前記方法の動作を実施するように構成される。
【0014】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生器は、誘導結合型である。説明した技術の実施態様は、コンピュータアクセス可能媒体におけるハードウェア、方法またはプロセス、もしくはコンピュータソフトウェアを含んでもよい。1つまたは複数のコンピュータのシステムは、そのシステム上にインストールされており、動作時にそのシステムに1つまたは複数の動作を実行させる、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらを組み合わせることにより、特定の動作または動きを実行するように構成され得る。1つまたは複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置に動作を実行させる、命令を含むことによって、特定の動作または動きを実行するように構成され得る。
【0015】
これらおよび他の態様は、図面を参照して以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、パターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図2】
図2は、パターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図3】
図3は、パターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図4】
図4は、パターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図5】
図5は、パターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図6】
図6は、パターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【0017】
【
図7】
図7は、特定の開示された実施形態に従って実施される例示的な方法に関する動作を示すプロセスフロー図である。
【0018】
【
図8】
図8は、特定の開示された実施形態に従ったパターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図9】
図9は、特定の開示された実施形態に従ったパターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図10】
図10は、特定の開示された実施形態に従ったパターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図11】
図11は、特定の開示された実施形態に従ったパターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図12】
図12は、特定の開示された実施形態に従ったパターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【
図13】
図13は、特定の開示された実施形態に従ったパターニングスキームにおける基板の例示的な図面の模式図である。
【0019】
【
図14】
図14は、特定の開示された実施形態を実施するための例示的なプロセスチャンバの模式図である。
【0020】
【
図15】
図15は、特定の開示された実施形態を実施するための例示的なプロセスツールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明では、提示した実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。本開示の実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実施されてもよい。他の例では、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作は、詳細には説明されていない。本開示の実施形態は、特定の実施形態に関連して説明されるが、特定の実施形態は、本開示の実施形態を限定することを意図されたものではないことが理解されるであろう。
【0022】
半導体製造には、様々な構造を形成するための様々なパターニングスキームを必要とする。いくつかのパターニングプロセスでは、後の金属被膜動作のためにビアを製造する必要があり、プロセスでは、ビアプロファイルの整合性を維持し、高性能な構造を形成しなければならない場合がある。
【0023】
このような構造は、所望の構造を形成するために、マスキングと選択性を使用して特定の化学エッチングに材料を曝露することによって形成される。しかしながら、基板の他の領域をエッチングするために使用される化学エッチングに曝されると、一部の露出した材料が先細りまたはアンダーカットの影響を受けやすい場合、曝露された材料と化学エッチングの組み合わせが課題となる可能性がある。この影響を軽減する技術の例としては、エッチングの影響を受けやすい材料またはエッチングされる材料のいずれかを変更すること、もしくはエッチング中に使用される化学エッチングを変更することが挙げられる。
【0024】
いくつかのパターニングプロセスは、異なるサイズのネガティブ型フィーチャを有するパターン基板上の誘電体材料の反応性イオンエッチング(RIE)を含む。ただし、「RIEラグ」と呼ばれる影響が生じる場合がある。すなわち、フィーチャのサイズに起因して、1つのフィーチャにおけるエッチングが、別のフィーチャにおけるエッチングよりも速い、もしくは遅い場合がある。これは、「パターンローディング」とも呼ばれる。
【0025】
また、いくつかのパターニングプロセスは、そのプロセスの中でエッチングされたフィーチャの臨界寸法に影響を与える可能性があり、これは、斜めのイオン衝撃に起因して、エッチング中にアンダーカットが生じることにより、所望されない領域をエッチングする場合がある。
【0026】
図1~6では、パターニングスキームの一例が提示されている。これらの図は、パターニングプロセス中に発生し得る問題の一例を示す。後述するように、これらの図は、ビアおよびトレンチをエッチングするための下段および上段のマスクを含むパターニングスキームを示す。
【0027】
図1は、様々な層を備える例示的な基板を示す。様々な実施形態では、基板は、半導体基板である。基板は、シリコンウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、または450mmウエハであってもよく、その上に堆積された誘電性材料、導電性材料、または半導電性材料などの材料の1つまたは複数の層を有するウエハを含む。様々な実施形態では、基板は、パターニングされている。パターン基板は、ピラー、ポール、トレンチ、ビアホールまたはコンタクトホールなどの「フィーチャ」を有してもよく、フィーチャは、狭い開口部および/またはリエントラント型開口部、フィーチャ内の狭窄部、および高アスペクト比のうちの1つまたは複数によって特徴付けられてもよい。フィーチャ(複数を含む)は、上述の層の1つまたは複数に形成されてもよい。フィーチャの一例は、半導体基板または基板上の層におけるピラーまたはポールである。別の例は、基板または層におけるトレンチである。
【0028】
基板上には、図示されていない追加の層が存在してもよいことが理解されるであろう。基板は、金属接点102と誘電体材料104とを含む第1の層101を含み、誘電体材料104が金属接点102間にあり、金属接点102および誘電体材料104の厚さが同じであり、金属接点102および誘電体材料104の上面が同一平面であるようにする。いくつかの実施形態では、金属接点102は、銅を含む。第1のエッチングストップ層106は、第1の層101の真上にあるように示されている。第1のエッチングストップ層106の上部には、超低誘電率誘電体層108がある。超低誘電率誘電体層108のk値は、約2から約2.7の間であってもよい。超低誘電率誘電体層108は、約40nmから約100nmの間の厚さであり、金属接点102へのフューチャービアの側壁に対する材料として使用される。本明細書にて使用される「フューチャービア」とは、パターニング動作の後に基板上でエッチングされるビアを指す。様々な実施形態では、フューチャービアは、金属接点102のうちの1つの上に合致するように選択される。
【0029】
超低誘電率誘電体層108の上部には、第2のエッチングストップ層110がある。第2のエッチングストップ層110は、窒化ケイ素材料または酸化ケイ素材料またはその両方であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のエッチングストップ層110は、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)を使用して堆積される。様々な実施形態では、第2のエッチングストップ層110は、約5Åから約20Åの間の厚さを有するブランケット層である。この例では、下段のパターニングされたマスク113は、第2のエッチングストップ層110の真上にある。本明細書では、この下段のパターニングされたマスク113とは、マスクの位置を参照して、後述する「上段」のマスクに対して、「下段」のマスクを指す。
【0030】
下段のパターニングされたマスク113は、窒化チタンハードマスク層111、ならびにTEOS層112の両方を含み、TEOS層112はエッチング中に窒化チタンハードマスク層111を保護するために使用される酸化ケイ素であってもよい。下段のパターニングされたマスク113は、窒化チタンハードマスク層111とTEOS層112との両方を含むように、約20nm~約50nm、または約50nmの高さのフィーチャを有してもよい。
図1に提示された基板は、窒化チタンハードマスク層111を「開放する」ように化学エッチングに予め曝露された基板であり、これによって窒化チタンハードマスク層111をパターニングする基板であってもよい。
【0031】
本明細書にて説明したように、パターニングにより、2つの材料を含む下段のパターニングされたマスク113が形成される(すなわち、各下段マスクポジティブ型フィーチャ113a、113b、113c、および113dは、2つの材料(TEOS材料および窒化チタン材料)の積層体である)。場合によっては、下段のパターニングされたマスク113は、1つの材料のみまたは2つを超える材料を含んでもよいことが理解されるであろう。第1の下段マスクポジティブ型フィーチャ113aは、第1の窒化チタンハードマスク111aおよび第1のTEOS材料112aを含み、第2の下段マスクポジティブ型フィーチャ113bは、第2の窒化チタンハードマスク111bおよび第2のTEOS材料112bを含み、第3の下段マスクポジティブ型フィーチャ113cは、第3の窒化チタンハードマスク111cおよび第3のTEOS材料112cを含み、第4の下段マスクポジティブ型フィーチャ113dは、第4の窒化チタンハードマスク111dおよび第4のTEOS材料112dを含む。
【0032】
下段マスクポジティブ型フィーチャ間には、下段マスクネガティブ型フィーチャ113x、113y、および113zがある。下段マスクネガティブ型フィーチャ113zは、約100nmから約1μmの間の臨界寸法を有してもよい。この例では、4つのポジティブ型フィーチャと3つのネガティブ型フィーチャが示されているが、基板は、任意の数のポジティブ型およびネガティブ型フィーチャを含んでもよいことが理解されるであろう。各ポジティブ型フィーチャは、窒化チタンハードマスク層111およびTEOS層112の特定の厚さを含み、フィーチャの側壁は、窒化チタンハードマスク層111およびTEOS層112の表面が同一平面になるようにする。いくつかの実施形態では、各ポジティブ型フィーチャの幅は、同じであってもよい。いくつかの実施形態では、ポジティブ型フィーチャの幅は、異なる。
【0033】
第1の下段マスクネガティブ型フィーチャ113xは、第1の下段マスクポジティブ型フィーチャ113aと第2の下段マスクポジティブ型フィーチャ113bとの間の空間にある。第2の下段マスクネガティブ型フィーチャ113yは、第2の下段マスクポジティブ型フィーチャ113bと第3の下段マスクポジティブ型フィーチャ113cとの間の空間にある。第3の下段マスクネガティブ型フィーチャ113zは、第3の下段マスクポジティブ型フィーチャ113cと第4の下段マスクポジティブ型フィーチャ113dとの間の空間にある。さらに、
図1における4つのポジティブ型フィーチャ間の空間によって画定されるネガティブ型フィーチャは、異なるサイズを有する。また、ポジティブ型フィーチャ間の空間は、異なっていてもよく、すなわち、ポジティブ型フィーチャは、基板上に等間隔に配置されなくてもよい。したがって、第1の下段マスクネガティブ型フィーチャ113x、第2の下段マスクネガティブ型フィーチャ113y、および第3の下段マスクネガティブ型フィーチャ113zは、異なる臨界寸法を有してもよい。例えば、第1の下段マスクネガティブ型フィーチャ113xは、約1:1のアスペクト比を有し、第2の下段マスクネガティブ型フィーチャ113yは、約1:3のアスペクト比を有し、第3の下段マスクネガティブ型フィーチャ113zは、約1:10のアスペクト比を有する。図面では、3つの異なるアスペクト比を示しているが、任意の適切な数のアスペクト比が存在し得ることが理解されるであろう。同様に、ポジティブ型フィーチャも異なるアスペクト比を有してもよい。
【0034】
ポジティブ型フィーチャ間の距離、および/またはポジティブ型フィーチャ間のネガティブ型フィーチャのアスペクト比は、基板の表面の上で変化してもよい。ポジティブ型フィーチャ間の距離の例示的な範囲は、約10nmから約30nmの間、または約20nmから約30nmの間である。下段のパターニングされたマスク113によって形成されたパターンは、後に形成されるビアを形成するために部分的に使用される。
【0035】
図2は、スピンオンカーボン層が堆積され、上段のマスクが形成された後の基板の例示的な模式図である。
図1と同様に、
図2は、金属接点102と誘電体材料104とを含む第1の層101と、第1のエッチングストップ層106と、超低誘電率誘電体層108と、第2のエッチングストップ層110と、窒化チタンハードマスク層111と、TEOS層112とを含む。スピンオンカーボン層114は、
図1に示した下段のパターニングされたマスク113の第1の下段マスクネガティブ型フィーチャ113x、第2の下段マスクネガティブ型フィーチャ113y、および第3の下段マスクネガティブ型フィーチャ113zを充填して、パターン基板の上に形成される。スピンオンカーボン層114(有機重合層とも呼ばれる場合がある)の上に第3のエッチングストップ層116が堆積され、炭素含有フォトレジスト材料を堆積し、パターニングすることにより、上段のパターニングされたマスク118を形成する。第3のエッチングストップ層116は、反射防止層であってもよい。
【0036】
上段のパターニングされたマスク118のパターンは、下段のパターニングされたマスク113のパターンとは異なり、上段のパターニングされたマスク118はトレンチを形成するために使用でき、一方で、下段のパターニングされたマスク113は所望のビアを形成するために使用できるようにする。この例では、上段のパターニングされたマスク118は、離間して配置された、4つの上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ118a、118b、118c、118dと、それらの間に3つの上段のパターニングされたマスクネガティブ型フィーチャ118x、118y、118zとを含み、上段のパターニングされたマスク118の第1の上段のパターニングされたマスクのネガティブ型フィーチャ118xが、下段のパターニングされたマスク113の現在充填されている第1の下段マスクネガティブ型フィーチャ113xと部分的に重なり、上段のパターニングされたマスク118における第2の上段のパターニングされたマスクのネガティブ型フィーチャ118yおよび第3の上段のパターニングされたマスクのネガティブ型フィーチャ118zが、下段のパターニングされたマスク113の第2の下段のパターニングされたマスクのネガティブ型フィーチャ113yと重なり、下段のパターニングされたマスク113の第3の下段マスクネガティブ型フィーチャ113zが、上段のパターニングされたマスク118のいかなるネガティブ型フィーチャとも重ならない(したがって、ポジティブ型フィーチャの直下にある)ようにする。
【0037】
図3は、スピンオンカーボン層114のエッチング中に角部がエッチングされる可能性がある基板の一例を示す。この動作中、基板をフッ素含有プラズマに曝露することにより、第3のエッチングストップ層116をエッチングしてもよい。さらに、基板は、スピンオンカーボン層114をパターニングするために、窒素、水素、酸素、一酸化炭素、またはそれらの組み合わせを含む非フッ素含有ガスにさらに曝露されてもよい。
【0038】
図3に示すように、上段のパターニングされたマスク118を使用して、スピンオンカーボン層114をエッチングし、上段のパターニングされたマスク118のパターンがスピンオンカーボン層114に転写されるように、パターニングされたスピンオンカーボン層314を形成する。この動作中、第3のエッチングストップ層116をパターニングして、パターニングされた第3のエッチングストップ層316を形成する。パターニングされた第3のエッチングストップ層316は、第1のパターニングされた第3のエッチングストップ層316aと、第2のパターニングされた第3のエッチングストップ層316bと、第3のパターニングされた第3のエッチングストップ層316cと、第4のパターニングされた第3のエッチングストップ層316dとを含む。エッチングは、第2のエッチングストップ層110に対して実施される。
【0039】
エッチング種は、
図2に示すように、上段のパターニングされたマスクのネガティブ型フィーチャ118x、118y、および118zに移動して、第1のビア318x、第2のビア318y、および第3のビア318zを形成し、これらの各ビアが、金属接点102の各々のうちの1つと整列する。エッチング中、下段のパターニングされたマスク113の、それぞれ、第1のTEOS材料312a、第2のTEOS材料312b、および第3のTEOS材料313cの第1の劣化した角部313i、第2の劣化した角部313j、および第3の劣化した角部313jは、エッチングに曝露され、これによって、劣化した下段のパターニングされたマスクのポジティブ型フィーチャ313a、313b、および313cが、それぞれ生じる。このような劣化は、下段のパターニングされたマスク313のプロファイルに影響を与える。エッチング前の角部の上面は、約2nmから約5nmの寸法を有してもよいが、このような曝露された角部は、
図3に示すように、エッチングにより劣化する可能性がある。
【0040】
図4では、下段のパターニングされたマスク314a、314b、314cおよび314dをマスクとして使用して超低誘電率誘電体層108をエッチングし、これによってビア418x、418yおよび418zを形成する。この動作中、酸素、窒素、およびアルゴンのうちの1つまたは複数を含んでもよい第2のガスと共に、フルオロカーボンガスが導入されてもよい。
【0041】
エッチング種は、
図3のビア318x、318y、および318zに流入し、第2のエッチングストップ層110を通ってエッチングし、パターニングされたエッチングストップ層410を形成する。パターニングされたエッチングストップ層410は、第1のパターニングされたエッチングストップ材料410a、第2のパターニングされたエッチングストップ材料410b、第3のパターニングされたエッチングストップ材料410c、および第4のパターニングされたエッチングストップ材料410dを含む。エッチング中、エッチング種は、
図3のビア318x、318y、および318zに流入するが、その後、種は、劣化した角部313i、313j、および313kの凹凸のあるプロファイルに斜めに衝突し、その軌道により、エッチング種がパターニングされた超低誘電率誘電体層408の側壁をアンダーカットするようになる。アンダーカットとは、フィーチャの側壁が湾曲していることを指し、もしくは、ネガティブ型フィーチャが側壁に不均一なエッチングを有し、フィーチャの深さ全体にわたるフィーチャの臨界寸法が+2から4nm変化する、フィーチャを指してもよい。
【0042】
例えば、第1の軌道418lは、エッチング種が第1の劣化した角部313iおよび第2のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408bの側壁に衝突するとき、エッチング種が辿る可能性のある経路の一例を示す。別の例の第2の軌道418mは、エッチング種が第2の劣化した角部313jに衝突し、これによって第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408cの側壁をエッチングするようなエッチング種の経路の一例を示す。第3の軌道418nは、エッチング種が第3の劣化した角部313kに衝突し、これによって第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408cの他方の側壁をエッチングするようなエッチング種のさらに別の例示的な経路である。場合によっては、本明細書に記載のこれらの軌道は、第1のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408aおよび第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408dの側壁など、パターニングされた超低誘電率誘電体層408の他の側壁にも影響を与える可能性がある。エッチング中、上段のパターニングされたマスク118は、劣化して厚さが減少し、上段のパターニングされたマスク418がエッチングされた状態のまま残る場合がある。
【0043】
図5では、パターニングされたスピンオンカーボン層314を剥離することにより、パターニングされた超低誘電率誘電体材料408まで貫通する、ビア518x、518y、および518zが残る。ただし、ビア518x、518y、および518zは、事前のエッチングによって生じたアンダーカットにより劣化したプロファイルを有し、パターニングされたスピンオンカーボン層314の剥離中に、スピンオンカーボンをエッチングするために使用されるプラズマにより、さらなる劣化がもたらされることになる。しかしながら、劣化およびアンダーカットにより、結果として得られるビアは、望ましくないプロファイルを有する。また、パターニングされたスピンオンカーボン層314を除去すると、トレンチ513zが残る。
【0044】
図6では、TEOS材料は、基板からエッチングされる。この動作中、第1のTEOS材料312aおよび第2のTEOS材料312bは、基板から選択的に除去され、それぞれ、下層に第1のパターニングされた第2のエッチングストップ材料610aを備える露出した第1のチタンハードマスク111aおよび下層に第2のパターニングされた第2のエッチングストップ材料610bを備える第2の窒化チタンハードマスク111bが残る。この例では、第2のエッチングストップ層610の材料は、TEOS層312と同じTEOS材料であり、その結果、第3のパターニングされたエッチングストップ層410cは、第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408cの表面から除去される。また、第3のTEOS材料312cおよび第4のTEOS材料312dは、選択的に除去され、それぞれ、第3の窒化チタンハードマスク111cおよび第4の窒化チタンハードマスク111dが残る。第4のエッチングストップ材料410dがエッチング中に曝露されるので、第3の窒化チタンハードマスク111cおよび第4の窒化チタンハードマスク111dをマスクとして使用して第4のエッチングストップ材料410dがエッチングされ、第3の窒化チタンハードマスク111cの下層にある第3のパターニングされた第2のエッチングストップ材料610dを残し、第4の窒化チタンハードマスク111dの下層にある第4のパターニングされた第2のエッチングストップ材料610eを残す。
【0045】
様々な実施形態では、この構造のパターニングは、第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408cおよび第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408dをエッチングすることをさらに含み、これらの2つの領域の幅は異なるが、場合によっては、両方の領域がエッチングされて、基板上に同じ厚さの材料が残るようにエッチングすることが望ましく、同様に、第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408cおよび第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408dの上部から同じ厚さをエッチングする。ただし、パターンローディング効果により、この動作中に材料をエッチングするために使用される化学物質は、より幅の小さい、第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408cを第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408dよりも速くエッチングする。その結果、劣化した第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608cと劣化した第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608dとの残りの厚さが異なることになる。
【0046】
第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408dを十分な厚さにエッチングするために、曝露を延長すると、劣化した第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608dの残りの厚さt
3よりもはるかに小さい厚さt
1を備える、劣化した角部608iおよび608jを有する劣化した第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608cが得られる。例えば、t
1とt
3との差は、約5nmであってもよい。例えば、t
1は、約10nmであり、一方で、t
3は、約15nmであってもよい。さらに、第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料408dのエッチングにより、第3の窒化チタンハードマスク111cと第4の窒化チタンハードマスク111dとの間の表面上に不均一な厚さを有する劣化した第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608dが生じ、劣化した第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608dの残りの最小の厚さがt
3であり、劣化した第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608dの残りの最も厚い厚さがt
4になるようにする。ここで、t
3とt
4との間の差は、3nmから15nmの範囲であってもよい。エッチング中、第1のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608aおよび第2のパターニングされた超低誘電率誘電体材料608bは、マスク623によって保護されているため、影響を受けない。
図6に形成された劣化したプロファイルは、RIEラグおよびパターンローディング問題の結果である。エッチングにより、ビア618x、618y、および618zと、トレンチ613zと、パターニングされた超低誘電率誘電体層608とが生じる。
【0047】
図1~6にて提示したパターニングスキームにより、劣化したもしくはテーパー形状のプロファイルを有するフィーチャが生じ、いくつかの実施形態では、望ましくない場合がある。
【0048】
本明細書では、下段のマスクを形成した後、上段のマスクを形成する前に、重合保護層をその場に形成することによって、反応性イオンエッチング(RIE)または同様のパターニングスキーム中にビアおよびフィールド領域の将来位置を保護する方法を提供する。多くの実施形態では、このようなパターニングスキームは、所望のパターンを実現するために、上階および下階という異なる階層で2つのマスク層を必要とする。開示された実施形態は、下層にある金属接点と整列するように最終的にエッチングされたビアに対する臨界寸法制御を維持しながら、RIEラグを低減する。
【0049】
特定の開示された実施形態では、下段のマスク層におけるハードマスクを開放した後、重合堆積層を堆積することを含む。重合堆積層は、超低誘電率誘電体層のエッチング中にフィールド領域を保護し、RIEラグを低減するためだけでなく、ビアのパターニング中に角部および側壁の整合性を保持するための保護層としても機能する。さらに、重合堆積層は、ビアの臨界寸法を犠牲にすることなく、必要に応じて角部、側壁、およびフィールド領域を保護するのに十分な薄い厚さに堆積可能であり、また、最終的に除去される犠牲層とすることも可能である。
【0050】
図7は、特定の開示された実施形態に従って実施可能な動作を示すプロセスフロー図である。動作702では、下段のパターニングされたマスク層を有するパターン基板を提供する。
【0051】
パターン基板は、下段のパターニングされたマスク層を含む。いくつかの実施形態では、マスク層は、誘電体層であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、酸化ケイ素などのシリコン含有層である。いくつかの実施形態では、下段のパターニングされたマスク層は、TEOSを使用して堆積された層である。この文脈における用語「下段」は、動作706に関して後述する別のマスク層に対する位置を指す。動作702にて提供可能な基板の一例は、
図1に関して上述されている。
【0052】
動作704では、重合保護層が、下段のパターニングされたマスク層の上に堆積される。
【0053】
図8は、
図1に示す基板の上に堆積された重合保護層890を有する基板を示す。すなわち、重合保護層890は、第2のエッチングストップ層810の上のTEOS層812および窒化チタンハードマスク811を含む、下段のパターニングされたマスク813の上面および側壁を含む露出面の上に堆積される。下段のパターニングされたマスク813における各下段マスクポジティブ型フィーチャ813a、813b、813c、813dは、2つの材料の積層体であり、それぞれ、TEOS材料812a、812b、812c、812dと、それぞれ、窒化チタン材料811a、811b、811c、811dである。また、重合保護層890は、第2のエッチングストップ層810の露出面の上に堆積する。下段マスクポジティブ型フィーチャ813a、813b、813c、および813d間には、下段マスクネガティブ型フィーチャ813x、813y、および813zがある。第2のエッチングストップ層810の下層には、超低誘電率誘電体層808があり、これは、
図1に関して上述した超低誘電率誘電体層108と同一であってもよい。超低誘電率誘電体層808の下層には、第1のエッチングストップ層806があり、これは
図1の第1のエッチングストップ層106と同一であってもよい。第1のエッチングストップ層806の下層には、金属接点802および誘電体材料804を含む第1の層801があり、これは、
図1に関して上述した、それぞれ、金属接点102および誘電体材料104を有する第1の層101と同一であってもよい。
【0054】
重合保護層890は、四塩化ケイ素およびメタンポリマー堆積を実装することによって形成されてもよい。様々な実施形態では、重合保護層は、その場で堆積される。すなわち、いくつかの実施形態では、重合保護層は、エッチング動作中に使用されるエッチングチャンバと同じチャンバ内で堆積される。このような材料はゲート制御および臨界寸法増加のためのラインプロセスのフロントエンドで使用される場合があるが、このような材料は、窒化チタンハードマスクの上のライン処理のバックエンドに適している場合がある。窒化チタンのハードマスクの開放動作の最後に、余分な重合を利用して、余分な層を追加できる。フィールド領域上に重合された量の厚さが、窒化チタンライン間に堆積された材料よりも大きい場合があるので、堆積は、必ずしも均一ではない可能性がある。ただし、このような堆積は、堆積の量を調整し、プロセス条件をトグルすることによって、角部を保ち続け、RIEラグを所望のように低減可能である。様々な実施形態では、重合保護層890は、非コンフォーマルであり、フィーチャが大きいほど、より厚い堆積を有し、フィーチャが小さいほど、より薄い堆積を有する。
【0055】
重合保護層890は、酸化ケイ素材料の重合層であってもよい。いくつかの実施形態では、重合保護層890は、TEOS層812または第2のエッチングストップ層810の構造とは異なる構造を有する酸化物である。いくつかの実施形態では、重合保護層890は、塩素不純物および/または他の不純物を有する低品質の酸化ケイ素であってもよい。様々な実施形態では、重合保護層890は、TEOS層812よりも密度が低い。いくつかの実施形態では、重合保護層890は、第2のエッチングストップ層810よりも密度が低い。いくつかの実施形態では、重合保護層890は、TEOS層812および第2のエッチングストップ層810の両方よりも密度が低い。様々な実施形態では、重合保護層890の厚さは、約1nmから約4nmの間である。いくつかの実施形態では、重合保護層890は、堆積され、その後アニールされず、これによって、より低品質の酸化ケイ素膜が生じる。これに対して、TEOS層812は、TEOSを使用して堆積され、その後、約300℃から約400℃の間の温度でアニールされ、膜を高密度化してもよい。
【0056】
様々な実施形態では、重合保護層890は、コンフォーマルに堆積されなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2のエッチングストップ層810の表面上に堆積される膜の厚さが他の領域における第2のエッチングストップ層810の露出面に堆積されている膜よりも一部の領域において厚くなるように、より多くの重合が、下段のパターニングされたマスク813の大きなフィーチャに起こる可能性がある。いくつかの実施形態では、アスペクト比依存の堆積が行われる。
【0057】
重合保護層890は、約50から約500nmの間の大きなフィーチャ開口部を有するフィーチャにおいて、約3から約7nmの間の厚さに堆積されてもよい。重合保護層890は、約10から約40nmの間の小さなフィーチャ開口部を有するフィーチャにおいて、約1から約3nmの間の厚さに堆積されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、堆積中に、チャンバの圧力を変化させることによって、堆積されている膜のコンフォーマル性は、調節可能である。いくつかの実施形態では、低圧は、約1mTorrから約100mTorrの間、または約8mTorr未満、または約5mTorrから約80mTorrの間であってもよい。
【0059】
様々な実施形態では、重合保護層890は、気相重合堆積前駆体に基板を曝露することを含む重合によって堆積されてもよい。重合保護層890は、ケイ素含有前駆体または炭素含有前駆体を使用して堆積されてもよい。ケイ素含有前駆体の一例としては、塩化ケイ素(SiCl4)前駆体が挙げられる。炭素含有前駆体の一例としては、メタン(CH4)が挙げられる。ケイ素含有ガスと炭素含有ガスとのガス比率を変化させることによって、堆積されている膜のコンフォーマル性は、調節可能である。重合は、後続または先行するエッチング動作に使用される反応性イオンエッチングチャンバ内で実施されてもよい。
【0060】
代替実施形態では、重合保護層890は、原子層堆積(ALD)および/またはプラズマ励起原子層堆積(PEALD)などの堆積プロセスを使用して堆積される。いくつかの実施形態では、重合保護層890は、化学気相堆積(CVD)および/またはプラズマ励起化学気相堆積(PECVD)を使用して堆積される。いくつかの実施形態では、プラズマを使用してもよい。プラズマを使用して、重合保護層890を堆積するいくつかの実施形態では、より低い電力を使用して、膜のコンフォーマル性を調節してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、単一のウエハに対して、約300W未満、または約250W未満の電力を使用してプラズマを生成してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、堆積中にバイアスが基板に印加されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、堆積中に約140Vのバイアス電圧が基板に印加されてもよい。
【0062】
重合中に、他の材料が不用意にエッチングされる可能性のあるような狭い隙間に重合保護層890を堆積することは、困難な場合がある。例えば、超低誘電率誘電体材料または窒化チタン材料は、この堆積プロセス中にエッチングの影響を受けやすい。その結果、特定の化学物質を選択して、重合保護層890を堆積してもよい。例えば、いくつかの例では、四塩化ケイ素(SiCl4)(約5から約40sccmの流量を有する)、塩素(Cl2)(約5から約50sccmの流量を有する)、臭化水素(HBr)(約30から約300sccmの流量を有する)などのハロゲンと、酸素(O)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、およびヘリウム(He)などの希釈ガスが含まれる。様々な実施形態では、重合保護層890を堆積するために、ハロゲン含有堆積化学物質が使用される。
【0063】
重合保護層890は、保護される領域上にのみ堆積されるように調節されてもよい。例えば、さらに後述するように、角部を保護することが望まれる一実施形態では、重合保護層890を使用して、約5nmから約7nmのサイズを有する角部などの角部で重合可能である。このような堆積は、例えば、窒化チタンまたは酸化ケイ素材料上に堆積されてもよい。RIEラグを低減することが望ましい別の実施形態では、温度、プラズマ条件、プロセスガス、およびプロセスチャンバ圧力を含むが、これらに限定されないプロセス条件を調節することによって、側壁に堆積することなく、表面のフィールド領域上に重合保護層890が堆積されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、重合保護層890が堆積された後、基板は、酸素およびアルゴンプラズマへの曝露を含む短い「フラッシュ」洗浄を受けてもよい。例えば、これは、より大きなフィーチャに影響を与えないが、より小さなフィーチャにおいて洗浄が特に有用な場合がある。
【0065】
様々な実施形態では、重合保護層890は、より大きなフィーチャ(1:10より大きいアスペクト比を有するフィーチャまたは50nmより大きいフィーチャ開口部を有するフィーチャなど)には、より厚い堆積が形成され、より小さいフィーチャ(1:4より小さいアスペクト比を有するフィーチャまたは30nmより小さいフィーチャ開口部を有するフィーチャなど)には、より薄い堆積が形成されるように、非コンフォーマルに堆積される。様々な実施形態では、側壁よりもフィーチャの底部で、より厚い重合が形成される。
【0066】
図7に戻ると、動作706では、重合保護層の上に上段のマスク層が形成される。動作706の前に、上段のマスクを形成する前に、重合保護層の上に炭素含有材料が堆積されてもよい。
図9では、重合保護層の上に形成された上段のマスクを有する基板の一例が示されている。
図9は、金属接点802と誘電体材料804とを含む、第1の層801を有する基板を示す。金属接点802は、第1の金属接点802aと、第2の金属接点802bと、第3の金属接点802cとを含む。第1の層801の上層には、第1のエッチングストップ層806があり、第1のエッチングストップ層806の上層には、超低誘電率誘電体層808がある。超低誘電率誘電体層808の上部には、第2のエッチングストップ層810があり、第2のエッチングストップ層810の上には、下段のパターニングされたマスク813があり、下段のパターニングされたマスク813は、窒化チタンハードマスク811とTEOS層812とを含む。
図9では、下段のパターニングされたマスク813の上に予め堆積された、重合保護層890が示される。さらに、スピンオンカーボン層914は、重合保護層890の上に形成され、続いて第3のエッチングストップ層916が堆積される。上段のパターニングされたマスク918が形成され、パターニングされ(またはリソグラフィによって画定される)、上段のパターンを形成する。上段のパターニングされたマスク918は、パターニング後、第1の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918aと、第2の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918bと、第3の上段マスクポジティブ型フィーチャ918cと、第4の上段マスクポジティブ型フィーチャ918dとを含む。第1の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918aと第2の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918bとの間には、第1の上段マスクネガティブ型フィーチャ918xがあり、第2の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918bと第3の上段マスクポジティブ型フィーチャ918cとの間には、第2の上段のパターニングされたマスクネガティブ型フィーチャ918yがあり、第3の上段マスクポジティブ型フィーチャ918cと第4の上段マスクポジティブ型フィーチャ918dとの間には、第3の上段のパターニングされたマスクネガティブ型フィーチャ918zがある。第1の上段マスクネガティブ型フィーチャ918xは、第1の金属接点802aと整列していてもよく、第2の上段のパターニングされたマスクネガティブ型フィーチャ918yは、第2の金属接点802bと整列していてもよく、第3の上段のパターニングされたマスクネガティブ型フィーチャ918zは、第3の金属接点802cと整列していてもよい。第1の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918aは、第1の下段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ813aと大部分が重なっていてもよく、第2の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918bは、第2の下段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ813bの少なくとも一部と重なっていてもよく、第3の上段マスクポジティブ型フィーチャ918cは、第2の下段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ813bと第3の下段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ813cとの間に配置されてもよく、第4の上段マスクポジティブ型フィーチャ918dは、第3の下段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ813cおよび第4の下段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ813dの少なくとも一部と重なっていてもよい。動作706における上段のマスク層の形成は、スピンオンカーボン層914を堆積することと、第3のエッチングストップ層916を堆積することと、上段のパターニングされたマスク918を堆積することと、上段のパターニングされたマスク918をパターニングすることを含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、重合保護層を堆積した後、任意のプラズマフラッシュ動作を行い、いくつかの不均一に堆積された領域を除去し、それらを平滑化してもよい。プラズマフラッシュ動作は、四フッ化炭素を導入し、130Vで約150Wから約250Wの間の電力を使用して生成されたプラズマを使用して0Vから50Vの間でパルス化された、低パルスバイアスを使用してプラズマを生成することを含んでもよい。
【0068】
図7に戻って、動作708では、上段のマスク層をマスクとして使用して、基板においてビアがエッチングされる。ビアは、約10nmから約30nmの間、または約20nmから約30nmの間の臨界寸法にエッチングされてもよい。
【0069】
図10では、一例が提示されている。
図10は、
図9の基板を示し、第1の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918a、第2の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918b、第3の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918c、および第4の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918dを有するマスクとして上段のパターニングされたマスク918および超低誘電率誘電体層808を使用して、第3のエッチングストップ層916およびスピンオンカーボン層914を通って垂直にエッチングすることによって、第1のビア1018x、第2のビア1018y、第3のビア1018zを形成する。これによって、第3のエッチングストップ層916をパターニングして、それぞれ、第1の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918a、第2の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918b、第3の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918c、および第4の上段のパターニングされたマスクポジティブ型フィーチャ918dを有する上段のパターニングされたマスク918と一致する、第1のパターニングされた第3のエッチングストップ材料1016a、第2のパターニングされた第3のエッチングストップ材料1016b、第3のパターニングされた第3のエッチングストップ材料1016c、および第4のパターニングされた第3のエッチングストップ材料1016dを有するパターニングされた第3のエッチングストップ層1016を形成する。同様に、スピンオンカーボン層914をパターニングして、第1のパターニングされたスピンオンカーボン材料1014a、第2のパターニングされたスピンオンカーボン材料1014b、第3のパターニングされたスピンオンカーボン材料1014c、および第4のパターニングされたスピンオンカーボン材料1014dを形成する。重合保護層1090の存在により、第1の保存された角部1013i、第2の保存された角部1013j、および第3の保存された角部1013kが保護され、下層にある第1のTEOS材料812a、第2のTEOS材料812b、および第3のTEOS材料812cは、それぞれ、下段のマスク813の第1の下段マスクポジティブ型フィーチャ1013a、第2の下段マスクポジティブ型フィーチャ1013b、および第3の下段マスクポジティブ型フィーチャ1013cを後続の動作においてマスクとして効果的に使用できるように、それらのプロファイルを維持する。
【0070】
図7の動作708は、一酸化炭素、窒素、酸素、水素、アルゴン、およびCF
4、C
4F
8、CH
2F
2、C
4F
6などのフルオロカーボン、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数のエッチングガスを使用してエッチングすることを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、プラズマは、印加される場合、50Vから約500Vのバイアス電力で励起される可能性のある、任意のバイアスを含む約50Wから約500Wの間の電力を使用して生成されるように使用されてもよい。
【0071】
ビアは、上段のパターニングされたマスク層をマスクとして使用してエッチングされる。
図11では、一例が提示されており、それに従って第1のビア1118x、第2のビア1118y、および第3のビア1118zは、第1の下段マスクポジティブ型フィーチャ1013a、第2の下段マスクポジティブ型フィーチャ1013b、および第3のパターニングされた下段マスクポジティブ型フィーチャ1013cをマスクとして使用して形成される。第1のビア1118x、第2のビア1118y、および第3のビア1118zは、第2のエッチングストップ層810をパターニングして、第1のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1110a、第2のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1110b、第3のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1110c、および第4のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1110dを有するパターニングされた第2のエッチングストップ層1110を形成するように形成される。同様に、超低誘電率誘電体層808をパターニングして、第1のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108a、第2のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108b、第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108c、および第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108dを含む、パターニングされた超低誘電率誘電体層1108を形成する。第1のエッチングストップ層806は、下層へのさらなるエッチングを防止する。重合保護層1090の結果として、第1の保存された角部1013i、第2の保存された角部1013j、および第3の保存された角部1013kが保護されるため、基板上にテーパー付角部は存在せず、したがって、パターニングされた超低誘電率誘電体層1108を形成するために使用されるエッチング種により、第1のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108a、第2のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108b、第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108c、および第4のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1108dにおいてアンダーカットが生じない。
【0072】
動作710では、トレンチは、下段のパターニングされたマスク層をマスクとして使用してエッチングされる。
図12では、一例が提示されている。図示されるように、
図11にて提示した基板は、パターニングされたスピンオンカーボン層1014、パターニングされた第3のエッチングストップ層1016、および上段のパターニングされたマスク層918を除去するために、エッチングガスに曝露される。この動作中、重合保護層1090は、トレンチのエッチングに曝露される。この動作中に、1090のいくつかの露出した領域は、除去されるが、窒化チタンハードマスク811は、パターニングされた第2のエッチングストップ層1110において、それぞれ、第1、第2、第3、および第4のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1310a、1310b、1310c、および1310dを含む、窒化チタンハードマスク811の下層にある領域においてエッチングを防止するためのハードマスクとして使用される。第1のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1308aおよび第2のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1308bは、それぞれ、下層に第1のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1310aを有する露出した第1の
窒化チタンハードマスク811aおよび下層に第2のパターニングされた第2のエッチングストップ材料1310bを有する第2の窒化チタンハードマスク811bによって保護される。第3のパターニングされた超低誘電率誘電体材料1308cおよび第4のパターニングされた超低誘電体材料1308dは、残りの厚さt
4およびt
5が互いに約3Å以内になるようにエッチングされ、これによってRIEラグが低減される。すなわち、
図13における1108dは、1308dの表面から量dがエッチングされるように、エッチングされる。いくつかの実施形態では、dは、パターニングされた超低誘電率誘電体層1308の総厚さの少なくとも約30%から約60%の間である。重合保護層1090の存在により、第1の保存された角部1308iおよび第2の保存された角部1308jが形成される。エッチングにより、ビア1318x、1318y、および1318z、ならびにトレンチ1313z、ならびにパターニングされた超低誘電率誘電体層1308になる。
【0073】
本明細書では具体的な例が提示されているが、重合保護層が多くの適用性を有する可能性があることが理解されるであろう。層の堆積は、Cl2:HBrの上のSiCl4比、および圧力および/または電力条件などを2つのノブを使用して調節可能であり、パターン基板の上に様々な厚さを得るために、厚さの大部分を調整し、パターニングスキーム中に容易に除去可能であるため、本明細書に記載の重合保護層を使用して、RIEラグを低減し、フィーチャプロファイルを保存し、アンダーカットを低減する、もしくは適切にかつ所望に応じて、その両方を行うことが可能である。
装置
【0074】
開示された実施形態は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能な、任意の適切な堆積および/またはエッチングチャンバまたは装置で実施されてもよい。
【0075】
本明細書に記載の重合保護層の堆積は、任意の適切な装置で実施されてもよい。様々な実施形態では、重合保護層は、反応性イオンエッチングに使用されるエッチングチャンバ内で実施される。
【0076】
本明細書に記載のエッチング動作には、任意の適切なエッチングチャンバが使用されてもよい。プラズマエッチングチャンバのさらなる説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,841,943号および第8,552,334号にて入手可能である。
【0077】
開示された実施形態は、誘導結合プラズマ(ICP)反応器で実施される。
図14では、一例が提示されている。また、このようなICP反応器は、2013年12月10日付で出願され、2016年6月7日付で発行された、「METHOD FOR FORMING A MASK BY ETCHING CONFORMAL FILM ON PATTERNED ASHABLE HARDMASK」と題する米国特許第9,362,133号にも記載されており、本明細書に記載の技術の実施態様に適したICP反応器を説明する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書では、ICP反応器が記載されているが、いくつかの実施形態では、容量結合プラズマ反応器も使用可能であることを理解されたい。例示的なチャンバまたは装置は、チャンバ壁を有するチャンバと、処理される基板またはウエハを保持するためのチャックであって、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を含んでもよく、無線周波数(RF)電源を使用して電気的に充電してもよい、チャックと、プラズマを生成するためのコイルに電力を供給するように構成されたRF電源と、本明細書に記載のようなガスを流入させるためのガス流入口とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、装置は、複数のチャンバを含んでもよく、チャンバの各々が、基板をエッチング、堆積、または処理するために使用されてもよい。チャンバまたは装置は、チャンバ圧力、不活性ガス流、プラズマ電力、プラズマ周波数、反応性ガス流(例えば、エッチングガスなど)、バイアス電力、温度、真空設定、および他のプロセス条件を調節するなど、チャンバまたは装置の動作の一部またはすべてを制御するためのシステムコントローラを含んでもよい。また、チャンバを使用して、炭素含有材料を基板上に堆積してもよい。
【0078】
図14は、本明細書の特定の実施形態を実装するために適切な誘導結合プラズマ集積エッチングおよび堆積装置1400の横断面図を模式的に示し、その一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社によって製造された誘導結合プラズマ反応器である。誘導結合プラズマ集積エッチングおよび堆積装置1400は、チャンバ壁および窓1411によって構造的に画定される処理チャンバ1401を含む。チャンバ壁は、ステンレス鋼またはアルミニウムから製造されてもよい。窓1411は、石英または他の誘電体材料から製造されてもよい。任意の内部シャワーヘッド1450は、処理チャンバ1401を上部サブチャンバ1402と下部サブチャンバ1403とに分割する。シャワーヘッドは、1つの孔を含んでもよく、もしくはガスおよび/またはプラズマ種を下部サブチャンバ1403に供給および分配するための複数の孔を含んでもよい。ほとんどの実施形態では、シャワーヘッド1450は、取り外されてもよく、これによって上部サブチャンバ1402および1403からなるチャンバ空間を利用可能である。下部サブチャンバ1403内で、底部内面付近にチャック1417が配置されている。チャック1417は、エッチングおよび堆積プロセスが実施される半導体ウエハ1419を受け取り、保持するように構成される。チャック1417は、存在するとき、ウエハ1419を支持するための静電チャックとすることができる。いくつかの実施形態では、エッジリング(図示せず)は、チャック1417を取り囲み、チャック1417の上に存在するとき、ウエハ1419の上面とほぼ平面に位置する上面を有する。また、チャック1417は、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を含む。この目的のために、フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)が設けられてもよい。また、ウエハ1419をチャック1417から持ち上げるための他の制御システムを設けることも可能である。チャック1417は、チャンバの側壁に実質的に平行な軸に沿って移動可能であってもよく、これによってチャック1417の表面が地面に実質的に平行である。シャワーヘッドが使用される場合、ウエハ1419とシャワーヘッド(図示せず)との間の距離は、約0.5インチから約3.0インチの間であってもよい。チャック1417は、RF電源1423を使用して電気的に充電可能である。RF電源1423は、接続部1427を介して整合回路1421に接続される。整合回路1421は、接続部1425を介してチャック1417に接続される。このようにして、RF電源1423は、チャック1417に接続される。
【0079】
プラズマ生成のための要素は、窓1411の上方に配置されたコイル1433を含む。様々な実施形態では、コイルは、開示された実施形態に使用されない。コイル1433は、電気的に導電性の材料から製造され、少なくとも完全な1ターンを含む。
図14に示すコイル1433の例は、3ターンを含む。コイル1433の横断面は、記号で示されており、「X」を有するコイルは、ページ内で回転方向に延びており、「●」を有するコイルは、ページ外へ回転方向に延びている。また、プラズマ生成のための要素は、コイル1433にRF電力を供給するように構成されたRF電源1441を含む。概して、RF電源1441は、接続部1445を通って整合回路1439に接続される。整合回路1439は、接続部1443を通ってコイル1433に接続される。このようにして、RF電源1441は、コイル1433に接続される。任意のファラデーシールド1449は、コイル1433と窓1411との間に配置される。ファラデーシールド1449は、コイル1433に対して離間した関係に維持される。ファラデーシールド1449は、窓1411の直上に配置される。コイル1433、ファラデーシールド1449、および窓1411は各々、互いに実質的に平行になるように構成される。ファラデーシールドは、金属または他の種が処理チャンバ1401の誘電体窓上に堆積しないように防止してもよい。
【0080】
プロセスガス(例えば、酸素含有ガス、ハロゲン含有ガスなど)は、上部チャンバ1402に配置された1つまたは複数の主ガス流入口1460を介しておよび/または1つまたは複数の側部ガス流入口1470を通って、処理チャンバ1401に流されてもよい。同様に、明示されていないが、同様のガス流入口を使用して、容量結合プラズマ処理チャンバにプロセスガスを供給してもよい。真空ポンプ、例えば、1段または2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ1440を使用して、処理チャンバ1401からプロセスガスを引き出し、処理チャンバ1401内圧を維持してもよい。真空ポンプによって提供される真空環境の適用を選択的に制御するように、バルブ制御された導管を使用して、真空ポンプを処理チャンバ1401に流体的に接続してもよい。これは、プラズマ処理の操作において、スロットルバルブ(図示せず)またはペンデュラムバルブ(図示せず)などの閉ループ制御された流量制限装置を採用して行われてもよい。同様に、真空ポンプおよびバルブ制御された容量結合プラズマ処理チャンバへの流体接続が採用されてもよい。
【0081】
装置の動作中、1つまたは複数のプロセスガスは、ガス流入口1460および/または1470を通って供給されてもよい。特定の実施形態では、プロセスガスは、主ガス流入口1460のみを通って、もしくは側部ガス流入口1470のみを通って供給されてもよい。場合によっては、図示されるガス流入口は、より複雑なガス流入口、例えば、1つまたは複数のシャワーヘッドに置き換えられてもよい。ファラデーシールド1449および/または任意のグリッドまたはシャワーヘッド1450は、処理チャンバ1401へのプロセスガスの供給を可能にする内部チャネルおよび孔を含んでもよい。ファラデーシールド1449および任意のグリッド1450のいずれかまたは両方が、プロセスガスの供給のためのシャワーヘッドとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、液体反応剤または前駆体が気化されると、気化された反応剤または前駆体がガス流入口1460および/または1470を介して処理チャンバ1401に導入されるように、液体気化および供給システムは、処理チャンバ1401の上流に位置してもよい。
【0082】
RF電源1441からコイル1433に無線周波電力を供給して、コイル1433にRF電流が流れるようにする。コイル1433を通って流れるRF電流は、コイル1433の周囲に電磁場を生成する。この電磁場により、上部サブチャンバ1402内で誘導電流が発生する。生成された様々なイオンおよびラジカルと、ウエハ1419との物理的および化学的な相互作用により、ウエハのフィーチャを選択的にエッチングし、ウエハ上に層を堆積させる。
【0083】
上部サブチャンバ1402と下部サブチャンバ1403の両方が存在するようにプラズマグリッドが使用される場合、誘導電流は、上部サブチャンバ1402内に存在する1種または複数種のガスに作用して、上部サブチャンバ1402内にエレクトロンイオンプラズマを生成する。任意の内部プラズマグリッド1450は、下部サブチャンバ1403内のホットエレクトロンの量を制限する。いくつかの実施形態では、装置は、下部サブチャンバ1403内に存在するプラズマがイオン性プラズマであるように設計および動作される。
【0084】
上部エレクトロンイオンプラズマおよび下部イオン性プラズマの両方が、正イオンおよび負イオンを含んでもよいが、イオン性プラズマは、正イオンに対して負イオンにより大きな比率を有することになる。揮発性のエッチングおよび/または堆積の副産物は、ポート1422を通って下部サブチャンバ1403から除去されてもよい。本明細書に開示されるチャック1417は、約200℃から約500℃の間の範囲の高温で動作してもよい。温度は、プロセス動作および特定のレシピに依拠することになる。
【0085】
処理チャンバ1401は、クリーンルームまたは製造設備に設置されるとき、設備(図示せず)に結合されてもよい。設備は、処理ガス、真空、温度制御、および環境粒子制御を提供する配管を含む。これらの設備は、ターゲット製造施設に設置されるとき、処理チャンバ1401に結合される。さらに、処理チャンバ1401は、一般的な自動操作を使用してロボットによる処理チャンバ1401への半導体ウエハの搬入および搬出可能な搬送チャンバに結合されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ1430(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含んでもよい)は、処理チャンバの動作の一部または全部を制御する。システムコントローラ1430は、1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、装置は、開示された実施形態が実施されるとき、流量および持続時間を制御するための切り替えシステムを含む。いくつかの実施形態では、装置は、最大約500ms、または最大約750msの切り替え時間を有してもよい。切り替え時間は、フローケミストリー、選択されたレシピ、リアクタアーキテクチャ、および他の要因に依拠してもよい。
【0087】
処理チャンバ1401または装置は、システムコントローラを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ1430はシステムの一部であり、上述の例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理のための1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれる場合があり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブパーツを制御してもよい。コントローラ1430は、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとして、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールへのウエハの搬入および搬出、ならびに特定のシステムに接続または連動した他の搬送ツールおよび/またはロードロックが挙げられる。
【0088】
広義には、コントローラ1430は、命令を受け取り、命令を発し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されるチップ、および/もしくはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上またはシステムに対する特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義してもよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であって、ウエハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの製造中に1つまたは複数の処理ステップを達成してもよい。
【0089】
いくつかの実施態様では、コントローラ1430は、システムと一体化しているか、結合しているか、そうでない場合はシステムにネットワーク接続されているか、またはそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であっても結合していてもよい。例えば、コントローラ1430は、「クラウド」内にあってもよく、ファブホストコンピュータシステムのすべてまたは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にし、製造動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定する、もしくは新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供できる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される処理ステップの各々に対するパラメータを特定する。パラメータは、実施されるプロセスのタイプおよびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、互いにネットワーク接続され、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことなどによって、分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの一例としては、(プラットフォームレベルでもしくはリモートコンピュータの一部としてなど)遠隔配置され、チャンバ上のプロセスを制御するように結合する1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられるであろう。
【0090】
限定されるものではないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製造および/または生産に関連するまたは使用される可能性のある任意の他の半導体処理システムを含んでもよい。
【0091】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラ1430は、1つまたは複数の他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体生産工場内のツール場所および/またはロードポートへウエハの容器を搬入および搬出する材料移送に使用されるツールと通信してもよい。
【0092】
処理チャンバ1401は、
図15に示すようなマルチステーションツールに統合されてもよい。各ステーションは、異なる動作を処理するために使用されてもよい。例えば、1つのステーションを使用して、予備酸化を実施してもよく、一方で別のステーションを使用して、金属ドープ炭素含有材料の選択的エッチングが実施される。開示された実施形態は、真空を破壊することなく実施されてもよく、同じ装置で実施されてもよい。
【0093】
図15は、真空搬送モジュール(VTM)1538と結合する様々なモジュールを備えた半導体プロセスクラスタアーキテクチャを示す。複数の保管設備および処理モジュールの間でウエハを「搬送」するための搬送モジュールの配置は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれる場合がある。また、ロードロックまたは搬送モジュールとしても知られている、エアロックモジュール1530は、4つの処理モジュール1520a~1520dを備えるVTM1538に示され、これらのモジュールは、様々な製造プロセスを実施するために個別に最適化されてもよい。例として、処理モジュール1520a~1620dは、基板エッチング、堆積、イオン注入、ウエハ洗浄、スパッタリング、および/または他の半導体プロセスを実施するように実行されてもよい。基板エッチング処理モジュールの1つまたは複数(1520a~1620dのいずれか)は、本明細書に開示されるように、すなわち、重合保護層の堆積、ビアおよび/またはトレンチを形成するためのエッチング、ならびに開示された実施形態に従った他の適切な機能を実施するために実行されてもよい。エアロックモジュール1530およびプロセスモジュール1520は、「ステーション」と呼ばれる場合がある。各ステーションは、ステーションをVTM1538に結合するファセット1536を有する。各ファセットの内部において、ウエハ1526がそれぞれのステーション間を移動するとき、ウエハ1526の通過を検出するためにセンサ1~18が使用される。
【0094】
ロボット1522は、ステーション間でウエハ1526を搬送する。一実施形態では、ロボット1522は、1つのアームを有し、別の実施形態では、ロボット1522は、2つのアームを有し、各アームが、移送のためにウエハ1526のようなウエハを拾い上げるエンドエフェクタ1524を有する。大気搬送モジュール(ATM)1540内のフロントエンドロボット1532は、ロードポートモジュール(LPM)1542内のカセットまたはフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)1534からエアロックモジュール1530にウエハ1526を搬送するために使用される。プロセスモジュール1520内部のモジュールセンター1528は、ウエハ1526を配置するための1つの場所である。ATM1540内のアライナ1544は、ウエハを整列するために使用される。
【0095】
例示的な処理方法では、ウエハは、LPM1542内のFOUPs1534の1つに配置される。フロントエンドロボット1532は、ウエハをFOUP1534からアライナ1544に搬送することにより、ウエハ1526がエッチングまたは処理される前に、ウエハ1526を適切に中央に配置可能である。ウエハ1526は、整列した後、フロントエンドロボット1532によってエアロックモジュール1530に移動する。エアロックモジュールは、ATMとVTMとの間の環境を一致させる機能を有しているので、ウエハ1526は、損傷を受けることなく2つの圧力環境間を移動可能である。エアロックモジュール1530から、ウエハ1526は、ロボット1522によってVTM1538を通って、プロセスモジュール1520a~1520dの1つに移動する。このウエハの移動を達成するために、ロボット1522は、そのアームの各々にエンドエフェクタ1524を使用する。ウエハ1526が処理されると、ロボット1522によってプロセスモジュール1520a~1620dからエアロックモジュール1530に移動する。ここから、ウエハ1526は、フロントエンドロボット1532によって、FOUPs1534の1つに移動するか、もしくはアライナ1544に移動してもよい。
【0096】
ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャにローカルであり得るか、もしくは生産フロアのクラスタアーキテクチャの外部に配置可能であるか、もしくは遠隔地において、かつネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続可能である。
図14に関して上述したようなコントローラは、
図15におけるツールで実行されてもよい。
結論
【0097】
前述の実施形態は、理解を明確にする目的で、ある程度詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正が実施可能であることは明らかであろう。尚、本実施形態のプロセス、システム、および装置を実装する多くの代替方法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示的なものであって制限的なものではないと見なされるべきで、本実施形態は、本明細書にて与えられた詳細に限定されるものではない。