(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】改善された3Dボリューム像再構成精度を有する断面イメージング
(51)【国際特許分類】
G01B 15/04 20060101AFI20240829BHJP
G06T 7/33 20170101ALI20240829BHJP
G06V 10/24 20220101ALI20240829BHJP
【FI】
G01B15/04 K
G06T7/33
G06V10/24
(21)【出願番号】P 2021572837
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020000101
(87)【国際公開番号】W WO2020244795
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】102019006645.6
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】521535124
【氏名又は名称】カール ツァイス エスエムティー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】コルブ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン イェンス ティモ
(72)【発明者】
【氏名】フォカ オイゲン
(72)【発明者】
【氏名】ブックスバウム アレックス
(72)【発明者】
【氏名】アヴィシャイ アミール
(72)【発明者】
【氏名】リー クムシル
(72)【発明者】
【氏名】シュルマイヤー インゴ
(72)【発明者】
【氏名】クロチコフ ドミトリー
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/002341(WO,A1)
【文献】特開2010-135132(JP,A)
【文献】特開2017-021006(JP,A)
【文献】特開2011-199323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 15/04
G06T 7/33
G06V 10/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされ
、
前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に対して傾斜して形成され、前記少なくとも第1の断面像と第2の断面像の間の距離は、前記上面に設けられた基準の位置に基づいて決定される、
方法。
【請求項2】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされ、
前記方法は、前記特徴ベースアライメントに先だってアライメントマークの位置を測定および評価することによって前記少なくとも第1および第2の断面像の基準ベースアライメントを用意することを含む、
方法。
【請求項3】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされ、
前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に対して傾斜して形成され、前記少なくとも第1の断面像と第2の断面像の間の距離は、特徴の位置に基づいて決定される
、
方法。
【請求項4】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされ、
前記特徴ベースアライメントは、前記少なくとも第1の断面像と第2の断面像の間の像歪み偏差の差し引きを含む、
方法。
【請求項5】
前記像歪み偏差の前記差し引きは、基本歪み関数による前記像歪み偏差の近似を含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされ、
前記方法は、
前記新しい断面のカーテニングシグネチャを決定するステップと、
3D断面像として前記断面像を表すために前記カーテニングシグネチャを使用するステップと
を含む、
方法。
【請求項7】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされ、
前記方法は、
前記新しい断面のカーテニングシグネチャを決定するステップと、
前記集積半導体サンプルの次の断面表面層を取り除く間に前記集束イオンビームを制御するためにフィードバックループ内で前記決定されたカーテニングシグネチャを使用するステップと
を含む、
方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの共通の特徴は、金属ライン、ビア、HAR構造、HARチャネル、またはゲート構造のうちの少なくとも1つを含む、請求項1
~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記像レジストレーションは、2つ以上の共通の特徴に基づいて実行される、請求項
1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記像レジストレーションは、統計的評価を含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記統計的評価は、図心の計算、特徴検出、または統計的平均化のうちの少なくとも1つを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記集積半導体サンプルの前記新しい断面を前記イメージングするステップは、荷電粒子デバイス、原子間力顕微鏡、または光学顕微鏡のうちの1つを用いて実行される、請求項1~
11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記集積半導体サンプルの前記新しい断面を前記イメージングするステップは、電子で動作する荷電粒子デバイスを用いて実行され、前記集束イオンビームおよび電子ビームは互いに対してある角度で配置および動作され、前記集束イオンビームのビーム軸およびビーム軸の電子ビームは互いに交差する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に直角に形成される、請求項1~
13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層の金属ラインまたはゲートに直角に形成される、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層の金属ラインまたはゲートに対して90°からずれた角度で傾斜して形成され、詳細には、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層の全ての金属ラインまたは全てのゲートに対して90°からずれた角度で傾斜して形成される、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に対して直角である少なくとも1つのHARチャネルの断面像を明らかにするように前記集積半導体サンプルの上面に対して傾斜して形成される、請求項1~
13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
特徴の所定のフットプリント形状および/または前記断面像内の前記特徴の所定の空間分布に基づいて前記少なくとも第1および第2の断面像を位置合わせするステップをさらに含む、請求項1~
17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記特徴の前記フットプリント形状は、円形または楕円形である、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記位置合わせするステップは、前記断面像の像平面に対して直角である方向に実行され、および/または前記位置合わせするステップは、前記断面像の前記像平面内で実行される、請求項
18または
19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1~
20のいずれか1項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項1~
20のいずれか1項に記載の方法のいずれかを実行するように
適合された半導体検査デバイス。
【請求項23】
集束イオンビームデバイスと、
電子で動作するとともに、前記集積半導体サンプルの前記新しい断面をイメージングするように
適合された荷電粒子操作デバイスと、備え、
前記集束イオンビームおよび電子ビームは互いに対してある角度で配置および動作され、前記集束イオンビームのビーム軸およびビーム軸の電子ビームは互いに交差する、
請求項
22に記載の半導体検査デバイス。
【請求項24】
前記集束イオンビームのビーム軸および前記集積半導体サンプルの上面は、互いに約90°の角度をなし、
前記集束イオンビームおよび電子ビームは、互いに約90°の角度をなす、
請求項
22に記載の半導体検査デバイス。
【請求項25】
前記集束イオンビームのビーム軸および前記集積半導体サンプルの上面は、互いに約25°の角度をなし、
前記集束イオンビームおよび電子ビームは、互いに約90°の角度をなす、
請求項
22に記載の半導体検査デバイス。
【請求項26】
集積半導体サンプルの特徴に基づいてアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法を実行するように適合された半導体検査デバイスであって、前記集積半導体サンプルの
新しい断面をイメージングするイメージングデバイスは、異なる角度で前記新しい断面から発する粒子を検出する異なる位置に配置された少なくとも2つの検出ユニットを備え
、
前記方法は、
- 繰り返される表面層の取り除き及び断面イメージングにより一連の2D断面像を取得するステップであって、前記一連の2D断面像は、少なくとも第1の断面像および前記第1の断面像に平行な第2の断面像を含み、
前記一連の2D断面像を取得するステップは、
イメージングのためにアクセス可能な第1の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、
イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第1の新しい断面をイメージングし、それによって前記第1の断面像を取得するステップ、
イメージングのためにアクセス可能な第2の新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて次の断面表面層を取り除くステップ、および、
前記イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記第2の新しい断面をイメージングし、それによって前記第2の断面像を取得するステップ、
を含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、
を特徴とし、
前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされる、
半導体検査デバイス。
【請求項27】
集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 一連のN個の断面像を取得するステップであって、
前記一連のN個の断面像を取得するステップは、続いて、イメージングのためにアクセス可能な新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、および荷電粒子イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記新しい断面をイメージングするステップを含み、
前記一連のN個の断面像の各断面像平面は、z方向に対して直角に向けられ、前記集積半導体サンプルは、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層MkのL個の金属ラインのセットに平行な方向が断面像平面に対してある角度をなすように配置され、
前記一連のN個の断面像の少なくともサブセットは、前記L個の金属ラインの断面像セグメントを含む、一連のN個の断面像を取得するステップと、
- 前記l=1~Lの金属ラインの前記断面像セグメントごとの位置P(x,y;l)を抽出するステップと、
- 前記一連のN個の断面像の少なくともサブセットの前記z方向を通る前記位置P(x,y;l)のトレースT(x,y;z;l)を形成するステップと、
- 前記トレースT(x,y;z;l)を平均的な共通の波状構造TA(x,y;z)および残留偏差dT(x,y;z;l)に分解するステップと、
- 前記共通の波状構造TA(x,y;z)を用いて前記一連のN個の断面像の前記サブセットを変位させることによって前記3Dボリューム像内の前記一連のN個の断面像の少なくとも前記サブセットの前記位置を補正するステップと、を特徴とする方法。
【請求項28】
少なくとも1つの位置P(x,y;l)の前記抽出は、前記金属ラインlの前記断面像のエッジ抽出、コーナ位置特定、または特徴位置特定のうちの少なくとも1つを含む、請求項
27に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの位置P(x,y;l)の前記抽出は、図心または重心の計算を含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
請求項
27または
28に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
請求項
27または
28に記載の方法のいずれかを実行するように
適合された半導体検査デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路を断面切断することによる3次元回路パターン検査および測定技法に関する。より詳細には、本発明は、集積半導体サンプル(integrated semiconductor sample:集積半導体試料)の3Dボリューム像(3D volume image:3Dボリューム画像、3D体積(画)像)を取得する方法、ならびに対応するコンピュータプログラム製品、および対応する半導体検査デバイスに関する。これらの方法、コンピュータプログラム製品、およびデバイスは、走査荷電粒子顕微鏡を用いることによって、定量計測、欠陥検出、欠陥レビュー、およびパターンのエッジ形状(edge shape:端形状)の検査に利用することができるとともに、微細パターンのラインエッジラフネス(line edge roughness:ライン端の粗さ)または表面粗さ(surface roughness)を得るために利用することができる。
【背景技術】
【0002】
半導体構造は、人工構造の中でも最も微細な人工構造であり、ごくわずかな不完全性だけで問題になる。これらの稀に見る不完全性は、欠陥検出または欠陥レビューまたは定量計測デバイスが探しているシグネチャである。製造される半導体構造は、事前知識に基づいている。例えば、論理タイプのサンプルでは、金属ラインは、金属層またはHAR(高アスペクト比)構造内で平行に延び、金属ビア(metal via)は、金属層に対して直角に(perpendicular to:垂直に)延びる。異なる層内の金属ライン間の角度は、0°または90°である。他方で、VNANDタイプの構造については、その断面が平均して球状であることが知られている。
【0003】
集積回路の製造では、特徴サイズは、より小さくなっている。現在の最小特徴サイズまたは臨界寸法(critical dimension)は、10nm未満、例えば7nmまたは5nmであり、近い将来に3nm未満に近づいている。したがって、高精度でパターンのエッジ形状を測定し、特徴またはラインエッジラフネスの寸法を決定することが難しくなっている。パターンのエッジ形状またはラインラフネスは、いくらかの影響を受ける。一般に、ラインまたはパターンのエッジ形状は、含まれる材料自体の特性、リソグラフィ露光、またはエッチング、堆積、もしくは注入などの任意の他の含まれるプロセスステップの影響を受け得る。典型的には、荷電粒子システムの測定分解能は、個々の像点(image points:画像点)のサンプリングラスタ(sampling raster)、またはサンプル上のピクセル当たりの滞留時間、および荷電粒子ビーム径によって制限される。サンプリングラスタ分解能は、結像系(結像システム)に対して設定できるが、サンプル上の荷電粒子ビーム径に適合されるべきである。典型的なラスタ分解能は、2nm以下であるが、ラスタ分解能限界は、物理的制限なしで減少させることができる。荷電粒子ビーム径は、制限された寸法を有し、これは、荷電粒子ビームの動作条件およびレンズ次第である。ビーム分解能は、ビーム径の約半分によって制限される。分解能は、2nm未満であり得る。しかしながら、よく知られた逆畳み込み技法が、例えば、エッジ検出を改善するために適用されてもよい。数nm、例えば、2nm未満という実際の荷電粒子システムの高い測定分解能にも関わらず、10nmよりも良い精度で3Dボリュームの測定精度を得ることは難しい。一例として、Dunn, Kubis and Hull "Quantitative Three-Dimensional Analysis using Focused Ion Beam Microscopy" in "Introduction to Focused Ion Beams" edited by Gianuzzi and Stevie (2005)が参照される。ここで、示された3D分解能は、約30nmである。
【0004】
半導体サンプルからの3D断層撮影データをnmスケールで生成する共通のやり方は、例えば、デュアルビームデバイスによって作り上げられるいわゆるスライスおよび像(image:画像)の手法である。そのような装置では、2つの粒子光学系がある角度で配置されている。第1の粒子光学系は、走査電子顕微鏡(SEM)であることができる。第2の粒子光学系は、例えば、ガリウム(Ga)イオンを用いた集束イオンビーム光学系(FIB)であることができる。Gaイオンの集束イオンビーム(FIB:focused ion beam)は、層を半導体サンプルのエッジでスライスごとに切り取るために使用され、全ての断面は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてイメージング(imaging:結像、画像化)される。2粒子光学系は、直角にまたは45°~90°の角度で向けられ得る。
図1は、y方向内で集束イオン粒子ビーム51とともにFIB鏡筒(FIB optical column:FIB光学コラム(カラム))50を使用し、x-y平面内で走査するスライスおよび像の手法の概略図を示しており、半導体サンプル10を通って断面から薄層を取り除き、それによって新しい前面52を断面像平面11として明らかにする。次のステップでは、SEM(図示せず)は、断面11の前面を走査イメージングするために使用される。この例では、SEM光軸は、z方向に平行に向けられ、x-y平面内の走査イメージングライン82は、断面像平面11をラスタ走査し、断面像(cross section image:断面画像)またはスライス100を形成する。例えば、前面53および54を通るこの手法を繰り返すことによって、異なる深さでサンプルを通る一連の(sequence of)2D断面像1000を取得する。2枚の続く像スライス間の距離dzは、1nm~10nmとすることができる。一連のこれらの2D断面像1000から、集積半導体構造の3D像を再構成することができる。
【0005】
現代の集積回路の細部がより微細になり、特徴サイズがより小さくなるにつれて、3D断層撮影像の再構成は、いくつかの難しさを示唆する。横方向のステージのドリフトまたはSEMコラム(カラム)のドリフトにより、スライスごとに構造の横方向位置のオフセットを引き起こし得る。FIB切断速度の変化により、インターセクション(intersection:交差、横断)表面は様々な距離になり得る。像歪み(image distortion:像ディストーション)は、例えば糸巻形歪みまたは剪断歪みを有する断面像をもたらし得る。
図2は、一連のx-y断面像からx-zスライスの再構成の一例を示す。簡単にするために、一連の2D断面像1000のうちのz位置z1、z2、およびz3における3枚の断面像100.1、100.2、100.3だけが示されている。ランダムなステージまたはSEMのドリフトは、z方向に延びる金属ライン101の人工的に高められたラインエッジラフネス、またはz方向に平行に延びる金属ライン102の幅の大きな変化をもたらす。
【0006】
それは、いわゆる基準の助けを借りて各スライスの横方向位置、および層から層までの距離を得るありふれた方法である。米国特許第9,633,819号は、サンプルの上部に露出されたガイド構造(「基準(fiducials)」)に基づくアライメント(alignment:アラインメント、整列、調節等)方法を開示する。
図3a、
図3b、および
図3cは、基準を用いるアライメントを示す。以下に説明されるように、より詳細には、マーカー構造21および22は、インターセクション52、53および54のFIB切断が始まる前に、断面の方向に対して直角のサンプルの上部の堆積材料20の中に形成される。断面のスライス化およびイメージング後、各断面像は、基準またはアライメントマーカー21および22の断面像セグメント25および27も含む。第1の中央マーカー21は、スライス間で横方向のアライメントを実行するために使用され、一方、2つの断面像セグメント27をもたらす2つの外側の第2のマーカー22の間の距離は、各スライス間の距離を計算するために使用される。
【0007】
米国特許第7,348,556号は、基準に基づいてラインエッジラフネスを得る方法を開示する。ここで、基準は、ワークもしくはプローブの表面上にすでに存在する、または視野内の局所で切削される。
【0008】
しかしながら、基準を用いることによる精度は、基準生成プロセス、および基準位置を測定する荷電粒子鏡筒の測定精度によって制限される。再構成の精度がずっとより小さいサイズおよびより良いオーバーレイ精度の最近の半導体構造に十分でないように、基準マーカーは粗く、いくつかの20nm~100nm(several 20nm up to 100nm)を測定することができ、任意でその形状を第1のスライスから最後のスライスへ変更することもできる。より詳細には後述される
図4は、アライメントなし(
図4a)およびアライメントあり(
図4b)の残留再構成により引き起こされたラインエッジラフネス(residual reconstruction induced line edge roughness:残留再構成により引き起こされたライン端の粗さ)の結果を示す。ステージまたは荷電粒子ビームコラム(カラム)のドリフトの問題は、関心の実際の構造のサイズ減少に伴ってより厳しくなる。
【0009】
この影響および他の影響により、人工的に不均質なエッジ形状および位置がもたらされ、相互接続された回路パターンの精密計測を制限する。3D再構成では、波状金属ラインが生成され、例えば、ラインエッジラフネス測定は、アライメント誤差によって劣化する。微細パターンの寸法の計測、または断面切断による微細3Dパターンの高精度のラインエッジラフネスもしくは表面粗さの導出は、可能でない。先行技術の解決策は、7nm以下臨界寸法(CD)まで下がる最小の特徴サイズを有する集積回路の最近の高精度測定の要求に対処することができない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、集積半導体サンプルの断面切断により集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する改善された方法を提供することである。特に、この方法は、3D再構成の精度の向上を可能にするものである。
【0011】
本目的は、独立請求項によって解決される。従属請求項は、有利な実施形態に向けられている。
【0012】
本特許出願は、ドイツ特許出願DE102019006645.6の優先権を主張するものであり、その開示は、その完全な範囲において、参照により本特許出願に組み込まれる。
【0013】
本発明は、集積回路の断面切断により3次元回路パターン検査の3Dボリューム像を高精度3D再構成する方法、より詳細には、ステージのドリフト、イメージングコラム(カラム)ドリフト(imaging column drift)、または像歪み(image distortion)によって引き起こされる測定アーチファクトのない集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法、コンピュータプログラム製品、および装置を提供する。
【0014】
方法は、高精度でラインエッジ位置、ラインエッジラフネス、特徴寸法またはエリアの定量計測、欠陥検出または欠陥レビューを可能にする。さらに、本発明は、微細パターンのエッジ形状を検査し、高精度で微細パターンのラインエッジラフネスまたは表面粗さを得る方法、コンピュータプログラム製品、および装置を提供する。
【0015】
本発明による基本的な思想は、知られているおよび/または基準を設けることができる精度よりも高い精度で与えられる特徴データに基づいた3Dボリューム像の再構成を基礎とすることである。すでに上述したように、基準自体の精度は制限される。したがって、本発明によれば、3Dボリューム像の再構成のための断面像のアライメントに使用される特徴データは、基準の位置データはなく、しかし、特徴データは、より正確に知られているおよび/または与えられる集積半導体サンプルの内側構造または特徴に基づいている。これらの内側構造または特徴は、例えば、金属ライン、相互接続、ビア、HAR構造、またはゲート構造である。したがって、本発明による集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法に適用されるアライメントは、特徴ベースアライメントまたは構造ベースアライメントと呼ばれ、これらの表現は、本特許出願内で同義語として使用される。
【0016】
より詳細には、特徴ベースアライメントは、発明の一連の断面像の精密アライメントを適用して、3D断層撮影データセットまたは3Dボリューム像を再構成する。精密アライメントは、アライメント補正スキームを適用し、アライメント補正スキームに従ってスライス位置を調節する方法を含む。アライメント補正スキームは、像または特徴レジストレーションに基づく。一般に、像レジストレーション(image registration:像(画像)登録)は、3Dボリュームの断面像の精密配置を指す。像レジストレーションは、断面像の少なくとも一部に存在する金属ラインなどの集積回路の特徴を利用する。これらの特徴が連続した断面像のうちの少なくとも2つに存在する場合、2つの連続した断面像の相対的横方向位置および回転は、高精度で決定され得る。この特徴ベースアライメントを用いて、より高い精度が、現在の集積半導体製造技法の高精度で製造される集積回路の特徴の位置によって取得され得る。
【0017】
さらに、精度は、ゲート、金属ライン、またはHAR構造、詳細には、HARチャネルなどの集積半導体サンプル内に存在する構造の特徴の図心(centroid:重心、質量中心等)抽出などの統計的方法によって改善することができる。他の統計的方法は、いくつかの像特徴の測定位置の平均化を含むことができ、または統計的期待値に対して過度に外れている外れ値を考慮することができる。それによって、個々の断面像の像アライメントのサブピクセルの精度を実現することができる。それによって、2D断面像の像レジストレーションは、高いサブピクセルの精度で3Dボリューム像で実現される。
【0018】
本発明によれば、横方向のステージのドリフトの影響、および走査荷電粒子像獲得法の誤差を減少させることができる。
【0019】
さらに、走査荷電粒子イメージング方法および装置の歪み誤差などのイメージング収差(結像収差)は、集積半導体サンプルの特徴または構造を利用して画像処理によって抽出および除去することができる。連続した像スライス間の低次の歪み収差の変化は、断面像から抽出および除去することができる。
【0020】
次に、本発明をより詳細に説明する。
【0021】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、特徴ベースアライメントにより集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 少なくとも第1の断面像およびこの第1の断面像に平行(parallel)な第2の断面像を取得するステップであって、
前記第1および第2の断面像を取得するステップは、続いて、イメージングのためにアクセス可能な新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、およびイメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記新しい断面をイメージングするステップを含む、取得するステップと、
- 前記少なくとも第1および第2の断面像の各々の像レジストレーションによって前記少なくとも第1および第2の断面像の特徴ベースアライメントを取得するステップであって、
前記像レジストレーションは、前記少なくとも第1および第2の断面像における前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの共通の特徴に基づいて実行される、取得するステップと、を特徴とする方法に向けられている。
【0022】
少なくとも第1および第2の断面像に存在する共通の特徴は、高い位置精度で集積半導体サンプル内に設けられる。したがって、この少なくとも1つの共通の特徴のデータを像レジストレーションについての参照として用いることで、アライメントにおけるより高い精度を同様に可能にする。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの共通の特徴は、金属ライン、ビア、HAR構造、HARチャネル、またはゲート構造のうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、これらの特徴の全ては、直線的、または直線的に細長い。それらは、例えば、サンプル内の最も低いおよび最も微細な層について4nm~2nmの範囲内であり得るまたは1nm未満の精度でさえあり得るとても高い精度で、設けられ、および/またはその位置は、集積半導体サンプルにおいて知られている。
【0024】
好ましくは、像レジストレーションは、2つ以上の共通の特徴に基づいて実行される。例えば、像レジストレーションは、3個、4個、5個、10個、20個、またはいっそうより多くの共通の特徴に基づいて実行することができる。アライメント精度がより良くなり得るにつれて、より多く共通の特徴が、実行される像レジストレーションに貢献する。イメージングデバイスを用いて集積半導体サンプルの新しい断面をイメージングするためのイメージング精度は、原理的に制限されるが、統計的手法を使用してイメージング精度を統計的に改善することができ、したがって、像レジストレーションプロセスを統計的に改善することができる。
【0025】
好ましい実施形態によれば、像レジストレーションは、統計的評価を含む。この統計的評価は、個々の断面像のデータおよび/または3Dボリューム像のデータに影響し得る。ここで、より多くの断面像が取得されると、より力強い統計的評価になる。好ましくは、統計的評価は、図心の計算、特徴検出、または統計的平均化のうちの少なくとも1つを含む。これらの場合には、統計的評価は、個々の断面像のデータで実施されることが好ましい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、前記特徴ベースアライメントに先だってアライメントマークの位置を測定および評価することによって前記少なくとも第1および第2の断面像の基準ベースアライメント(fiducial based alignment)を用意することを含む。このようにして、段階的なアライメントが実行され得る。基準ベースアライメントは、本発明の特徴ベースアライメントよりも低い精度を有する。しかしながら、状況によっては、例えば、断面像が非常に繰り返しの多い構造/ 特徴を含むとき、段階的なアライメントが好ましい。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、集積半導体サンプルの新しい断面のイメージングは、荷電粒子デバイス、原子間力顕微鏡、または光学顕微鏡のうちの少なくとも1つを用いて実行される。例えば、より高いまたは最高の分解能を用いて像を得る前に、まず比較的低い分解能を用いて概観像を得るために、異なるイメージング技法が組み合わされてもよい。高分解能で動作する荷電粒子デバイスの一例は、単一の電子ビームを用いる走査電子顕微鏡(SEM)、または複数の電子ビームを用いる走査電子顕微鏡(multiSEM)である。
【0028】
好ましい実施形態によれば、前記集積半導体サンプルの前記新しい断面を前記イメージングするステップは、電子で動作する荷電粒子デバイスを用いて実行され、前記集束イオンビームおよび電子ビームは互いに対してある角度で配置および動作され、前記集束イオンビームのビーム軸およびビーム軸の電子ビームは互いに交差する。集束イオンビームと電子ビームの間の角度は、例えば、90°とすることができるが、他の角度も可能である。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に直角に形成される。ここで、集積半導体サンプルの上面は、平坦であることが仮定され、もしくはそれは、平坦面とほぼ同じにされてもよく、または平坦面は、現実の表面に数学的にフィットされてもよい。上面は、基準を設けることができる保護層および/またはキャップを含むこともできる。
【0030】
好ましくは、前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層の金属ラインまたはゲートに直角に形成される。これらの特徴は、集積半導体サンプルのそれぞれの層に設けられる。それらは、結果的に、断面像と交差し、2つ以上の断面像で一般に見られ、したがって特徴ベース高精度アライメントに使用することができる。この実施形態の幾何学的な配置によれば、これらの特徴の位置は、異なる断面像で変わらない/変わってはならない。したがって、この幾何学的な配置は、x-y平面内の横方向のアライメントに特に適している。
【0031】
本発明の代替実施形態によれば、前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層の金属ラインまたはゲートに対して90°からずれた角度で傾斜して形成されている。好ましくは、この角度は、集積半導体サンプルのいくつかの金属層において、最も好ましくは集積半導体サンプルの全ての金属層において、90°からずれる。角度が90°からずれるとき、幾何学的な配置は、z方向の精密アライメントにも適している、例えば、z方向の互いに対する複数の断面像の距離を精密に決定するのにも適している。好ましい実施形態によれば、角度は45°であるが、角度は30°もしくは60°または別の角度とすることもできる。
【0032】
本発明の代替実施形態によれば、前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に対して直角である少なくとも1つのHARチャネルの断面像を明らかにするように前記集積半導体サンプルの上面に対して傾斜して形成される。これらのHARチャネルは、比較的微細であり、しばしば、集積半導体サンプルのかなりの部分を通って延びる柱状および細長い構造である。構造がより微細でより細長くなると、この構造に基づいてアライメントがより精密になる。この実施形態によれば、通常、断面像は、集積半導体サンプルの層に対して傾斜してやはり形成される。好ましくは、上面および層は、互いに平行に設けられる。この実施形態によれば、HARチャネルの位置を決定し、続く断面像間の距離dzを決定し、x-y平面内の横方向のアライメントを実行することが可能である。
【0033】
本発明の代替実施形態によれば、前記少なくとも第1および第2の断面像は、前記集積半導体サンプルの上面に対して傾斜して形成され、前記少なくとも第1の断面像と第2の断面像の間の距離は、前記上面に設けられた基準の位置に基づいて決定される。すでに上述されたように、基準ベースアライメントの精度は、本発明による特徴ベースアライメントの精度よりも原理的に小さい。しかしながら、特徴ベースアライメントより前に基準ベースアライメントが適用される場合、基準ベースアライメントの精度は、sinβ倍だけ増加することができ、ただし、角度βは、集束イオンビームの軸と集積半導体回路の上面の間の角度を決定する。角度βがより小さく、したがってよりすれすれになると、基準ベースアライメントの精度がより良くなる。
【0034】
同様に、本発明の別の代替実施形態によれば、少なくとも第1および第2の断面像は、集積半導体サンプルの上面に対して傾斜して形成され、前記少なくとも第1の断面像と第2の断面像の間の距離は、特徴の位置に基づいて決定され、詳細には、前記集積半導体サンプルの内部および前記上面に直角に設けられたHARチャネルの位置に基づいて決定される。ここで、続く特徴間の距離、好ましくは、HARチャネル間の距離を決定する精度は、sinβ倍だけ高めることができ、ただし、角度βは、集束イオンビームの軸と集積半導体回路の上面の間の角度を決定する。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、像アライメントは、前記少なくとも第1の断面像と第2の断面像の間の像歪み偏差(image distortion deviation:像歪みのずれ)の差し引きを含む。好ましくは、前記像歪み偏差の前記差し引きは、基本歪み関数(basis distortion function:基底歪み関数)による前記像歪み偏差の近似を含む。
【0036】
本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、
前記新しい断面のカーテニングシグネチャ(curtaining signature)を決定するステップと、
3D断面像として前記断面像を表すために前記カーテニングシグネチャを使用するステップと、をさらに含む。
【0037】
集束イオンビームの材料除去速度は、取り除かれる材料のタイプに依存する。このため、一定の送りで取得されるが異なる材料を含む新しい断面の表面は、理想的に平坦ではなく、いくらかのトポグラフィ(topography:地勢、地形)を示す。しばしば、それは、カーテンのような波状である(「カーテニング効果(curtaining effect)」)。それぞれの波状表面の像は、アーチファクトとしてラインを示しており、これは、特徴または構造として原理的に誤解され得る。したがって、カーテニング補正を実行することが好ましい。最先端によれば、カーテニング補正は、様々な方向からの集束イオンビームを用いて表面層を取り除くためにいくらかのステージ移動を適用するいわゆるロッキングステージ法によって実行され、それによって平均して波状構造になる。しかしながら、ロッキングステージ法は、除去されるスライスがあまりに薄く、ステージのそれぞれの誤差またはドリフトがとても大きいので、断層撮影機器に適していない。したがって、本発明によれば、別の手法がとられ、すなわち、表面の波状トポグラフィが測定され、さらなる手順において適切に考慮に入れられる。カーテニング、またはより全体的なトポグラフィの影響により、例えば、再構成された金属ライン断面は矩形ではなく、剪断され、またはふくらみを示すという点で、3D再構成の品質を劣化させる。トポグラフィは、像内の全ての点が同じ平面に属しているのではなく、それらは、個々の面外(z-)座標を有することを意味する。この情報が利用可能でない場合、再構成において、ボクセルが不正確に配置される。
【0038】
したがって、カーテニングシグネチャを決定することは、新しい断面の3Dトポグラフィを決定することを含む。シグネチャという用語は、波状トポグラフィが、イメージングされる新しい断面の指紋/特徴のようなものであることを示す。しかしながら、カーテニングシグネチャという用語は、カーテニング効果のために生成された3Dトポグラフィに限定されない。カーテニングシグネチャという用語は、概して断面像またはスライスの3Dトポグラフィを含む。
【0039】
表面の3Dトポグラフィを決定する方法は、原理的に当業界で知られている。一例は、Tadao Sugunuma in "Measurement of Surface Topography Using SEM with Secondary Electron Detectors", J. Electron. Microsc., Vol. 34, No. 4, 428-337, 1985によって与えられる。イメージング中の3D構造のシャドーイング効果が、打ち勝ち得る。解決策は、異なる方向から同じ信号を検出するために少なくとも2つの異なる検出器を使用することである。より詳細には、走査される表面から発する粒子は、2つの異なる角度の下で検出される。好ましくは、検出器の配置は、イメージングされる表面の法線に対して対称的である。少なくとも2つの検出器信号の差動信号を用いることで、3Dトポグラフィを高精度で決定することを可能にする。したがって、新しい断面像の3Dトポグラフィが得られ、カーテニングシグネチャが決定される。本発明による方法の次にステップでは、カーテニングシグネチャが、断面像を3D断面像として表すために使用される。これらの3D断面像は、正確には平坦でなく、しばしばわずかに湾曲し、像データの位置は、3次元x,y,zで特徴付けられる。次いで、像レジストレーションが、3Dまたは波状断面像に基づいて決定される。これにより、特許請求される方法の精度がかなり高まる。さらに、測定された3Dトポグラフィは、3Dボリュームの再構成に使用することができ、この情報が利用可能である場合、スライスを単に積み重ねるのに代えて、全ての点の真の(x,y,z)位置が使用され、すなわち、再構成におけるトポグラフィの影響の数学的補正が実行され得る。
【0040】
好ましい実施形態によれば、方法は、
新しい断面のカーテニングシグネチャを決定するステップと、
前記集積半導体サンプルの次の断面表面層を取り除く間に前記集束イオンビームを制御するためにフィードバックループ内で前記決定されたカーテニングシグネチャを使用するステップとをさらに含む。
【0041】
すでに上述したように、層が取り除かれた新しい断面表面は、正確には平坦ではなく、カーテニングシグネチャを定める3Dトポグラフィを示す。したがって、次の断面の層を取り除いて次の新しい断面を示すとき、この3Dトポグラフィが、考慮に入れられてもよく、集束イオンビームは、できる限り平坦である新しい断面を得るようにそれぞれ制御され得る。イオンビームは、トポグラフィが最大を表す位置でより長くおよび/またはより頻繁に働き、トポグラフィが最小を表す位置でより短くおよび/または頻繁でなく働くように制御することができる。したがって、次の新しい表面は、それ自体より平坦になる。実際的には、説明された種類の制御は、フィードバックループの観点で本発明の方法に組み込まれてもよい。
【0042】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、方法は、特徴の所定のフットプリント形状および/または前記断面像内の前記特徴の空間分布に基づいて前記少なくとも第1および第2の断面像を位置合わせするステップをさらに含む。この種のアライメントは、調査されるサンプル内の特徴/構造についての事前知識が存在し、これらの特徴/構造が特定の知られている幾何学的な形状であるときに、および/またはこれらの特徴/構造が規則的に間隔をあけて配置されているときに、特に役立つ。特徴/構造についての事前知識に基づいて、断面像におけるこれらの特徴/構造の理想的な幾何学的な形状が知られ、これらの特徴/構造の参照またはフットプリントが定められる。特徴が、例えば柱状特徴、例えば柱状HARチャネルである場合、柱状特徴の主軸に対して直角である断面像内のそのフットプリントは、理想的には円形である。断面像が柱状特徴の主軸に対して傾斜してとられる場合、そのフットプリントは楕円形である。イメージングされたフットプリントが前もって知られているおよび理想的に想定された形状から外れている場合、理由は、補正され得る断面像に対して直角である方向のミスアライメントである可能性がある。言い換えれば、続く断面像間の距離は、変化を示す。仮想像平面の方向に断面像の距離を変えることによって、この方向の歪み誤差をなくすことができる。
【0043】
好ましい実施形態によれば、特徴のフットプリント形状は、円形または楕円形である。これらのよく定められた幾何学的な形状は、理想的な形状および/または位置からの偏差(deviation:ずれ)のとても精密な決定を可能にする。
【0044】
別の好ましい実施形態によれば、前記位置合わせするステップは、前記断面像の像平面に対して直角である方向に実行され、および/または前記位置合わせするステップは、前記断面像の前記像平面内で実行される。これにより、高精度アライメントを可能にする。
【0045】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記像レジストレーション後に、前記少なくとも第1および第2の断面像は、3Dボリューム像と組み合わされる。この3Dボリューム像は、断層撮影像である。
【0046】
本発明の第2の態様によれば、本発明は、上述した実施形態のいずれか1つによる方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品に向けられている。コードは、任意の可能性があるプログラミング言語で書くことができ、コンピュータ制御システム上で実行することができる。したがって、コンピュータ制御システムは、1つまたは複数のコンピュータまたは処理システムを備えることができる。
【0047】
本発明の第3の態様によれば、本発明は、上述したような実施形態のいずれか1つによる方法のいずれかを実行するようになされた(適合された)(adapted to)半導体検査デバイスに向けられている。
【0048】
好ましい実施形態によれば、半導体検査デバイスは、
集束イオンビームデバイスと、
電子で動作するとともに、前記集積半導体サンプルの前記新しい断面をイメージングするようになされた(適合された)(adapted for)荷電粒子操作デバイスと、備え、
前記集束イオンビームおよび電子ビームは互いに対してある角度で配置および動作され、前記集束イオンビームのビーム軸およびビーム軸の電子ビームは互いに交差する。
【0049】
好ましくは、前記集束イオンビームのビーム軸および前記集積半導体サンプルの上面は、互いに約90°の角度をなし、前記集束イオンビームおよび電子ビームは、互いに約90°の角度をなす。この幾何学的な配置は、像レジストレーションに必要な断面像の方向が集積半導体サンプルの幾何学的形状に適合し、3Dボリューム像は容易に決定され得るので、半導体検査デバイスの標準的な幾何学的配置の1つである。
【0050】
代替実施形態によれば、前記集束イオンビームのビーム軸および前記集積半導体サンプルの上面は、互いに約25°の角度をなし、前記集束イオンビームおよび電子ビームは、互いに約90°の角度をなす。この配置を用いて、集積半導体サンプルへの集束イオンビームの角度βでのすれすれ入射が実現することができ、これによって、続く断面像間の距離を決定するときにsinβ倍だけより高い精度を可能にする。他の角度、例えば30°または60°も可能である。さらに、電子で動作する荷電粒子操作デバイスの配置用のスペースがより大きくなり、これによりクロスビームデバイスの配置および設計全体を助ける。詳細には、より平坦な対物レンズを適用することができ、その結果、例えば5mm以下であり得る電子ビームの作動距離が減少することになる。そして、FIBの典型的な作動距離は、例えば、12mmの範囲内である。
【0051】
好ましい実施形態によれば、前記集積半導体サンプルの前記新しい断面をイメージングするイメージングデバイスは、異なる角度で前記新しい断面から発する粒子を検出する異なる位置に配置された少なくとも2つの検出ユニットを備える。この配置は、上述したように断面のカーテニングシグネチャ/3Dトポグラフィを決定するのに適用され得る。好ましくは、検出ユニットの配置は、断面の表面の法線に対してなされる角度に関して対称的であり、および/または検出ユニットは集束イオンビームの走査方向に互いに反対に設けられる。好ましくは、イメージングデバイスは、正確に2つの検出ユニットまたは正確に4つの検出ユニットを含む。ペアを形成する2つの検出器は、一方向の表面のトポグラフィを決定するのに十分である。したがって、4つの検出ユニットを用いて、好ましくは、2つの直角方向で表面のトポグラフィを、例えば、x-y平面のトポグラフィ(高さ、深さ)を決定することが可能である。原理的に、検出ユニットは、任意の適切な種類のものとすることができる。しかしながら、ペアを形成する少なくとも2つの検出ユニットは同じ種類であることが好ましい。これは、信号処理を助ける。検出ユニットは、例えば、新しい断面の表面から発する後方散乱電子または二次電子を検出することができる。
【0052】
本発明の第4の態様によれば、本発明は、集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得する方法において、
- 一連のN個の断面像を取得するステップであって、
前記一連のN個の断面像を取得するステップは、続いて、イメージングのためにアクセス可能な新しい断面を作製するように集束イオンビームを用いて前記集積半導体サンプルの断面表面層を取り除くステップ、および荷電粒子イメージングデバイスを用いて前記集積半導体サンプルの前記新しい断面をイメージングするステップを含み、
前記一連のN個の断面像の各断面像平面は、z方向に対して直角に向けられ、前記集積半導体サンプルは、前記集積半導体サンプルの少なくとも1つの金属層MkのL個の金属ラインのセット(set:集合)に平行な方向が断面像平面に対してある角度をなすように配置され、
前記一連のN個の断面像の少なくともサブセット(subset:部分集合)は、前記L個の金属ラインの断面像セグメントを含む、一連のN個の断面像を取得するステップと、
- 前記l=1~Lの金属ラインの前記断面像セグメントの各々の位置P(x,y;l)を抽出するステップと、
- 前記一連のN個の断面像の少なくともサブセットの前記z方向を通る前記位置P(x,y;l)のトレース(trace)T(x,y;z;l)を形成するステップと、
- 前記トレースT(x,y;z;l)を平均的な共通の波状構造TA(x,y;z)および残留偏差dT(x,y;z;l)に分解するステップと、
- 前記共通の波状構造TA(x,y;z)を用いて前記一連のN個の断面像の前記サブセットを変位させることによって前記3Dボリューム像内の前記一連のN個の断面像の少なくとも前記サブセットの前記位置を補正するステップと、を特徴とする方法に向けられている。
【0053】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの位置P(x,y;l)の前記抽出は、前記金属ラインlの前記断面像のエッジ抽出、コーナ位置特定(corner localization)、または特徴位置特定(feature localization)のうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの位置P(x,y;l)の前記抽出は、図心または重心(center of gravity)の計算を含む。
【0055】
本発明の第5の態様によれば、本発明は、本発明の第4の態様による方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品に向けられている。
【0056】
本発明の第6の態様によれば、本発明は、本発明の第5の態様による方法のいずれかを実行するようになされた半導体検査デバイスに向けられている。
【0057】
上述したような実施形態は、技術的な反駁が生じない限り互いと完全にまたは部分的に組み合わされてもよい。これは、本発明の様々な態様を説明する実施形態も保持する。
【0058】
本発明は、以下の図面を参照することでさらにより完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図2】3Dボリューム像を通る断面像および2つのインターセクション像例の説明図である。
【
図3a】先行技術に示されたような基準アライメントプロセスの説明図である。
【
図3b】先行技術に示されたような基準アライメントプロセスの説明図である。
【
図3c】先行技術に示されたような基準アライメントプロセスの説明図である。
【
図4】金属層M1の例におけるインターセクション像の例での基準ベースアライメントの結果の説明図である。
【
図5a】特徴ベースアライメントを利用する断面像技法の説明図である。
【
図5b】特徴ベースアライメントを利用する断面像技法の説明図である。
【
図5c】特徴ベースアライメントを利用する断面像技法の説明図である。
【
図5d】特徴ベースアライメントを利用する断面像技法の説明図である。
【
図6】400個の断面像を含む断面像のスタックを通る像特徴のトレースの説明図である。
【
図7】金属層M1の例における特徴ベースアライメントの一実施形態により実現された改善の説明図である。
【
図8】ゲート層の例における本発明の一実施形態によって実現される改善の説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態による改善されたラインエッジラフネス導出の説明図である。
【
図11a】少なくとも金属層上における金属ラインに対して傾斜している断面を用いる断面イメージングのための特徴ベースアライメントの別の実施形態の説明図である。
【
図11b】少なくとも金属層上における金属ラインに対して傾斜している断面を用いる断面イメージングのための特徴ベースアライメントの別の実施形態の説明図である。
【
図12】HARチャネルの断面像を明らかにするためにサンプル内、例えばメモリデバイス内のHARチャネルの向きに対して傾斜している断面を用いる断面イメージングのための特徴ベースアライメントの別の実施形態の説明図である。
【
図13】集積半導体サンプルの上面に対して直角である続く断面像と前述の向きに対して傾斜している続く断面像との間の距離決定の精度を比較する説明図である。
【
図14】VNAND構造をイメージングするカーテニング効果の説明図である。
【
図15】表面の3Dトポグラフィを決定するための構成を概略的に示す図である。
【
図17】VNANDメモリプローブにおける規則的な六角格子上の柱状HARチャネルの説明図である。
【
図18】フットプリント形状ベースアライメントの説明図である。
【
図19】
図18のフットプリント形状ベースアライメントの詳細を概略的にさらに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図12は、集積半導体サンプルの3Dボリューム像を取得するための断面像アプローチの概略図を示す。断面アプローチの場合、3次元(3D)ボリューム像の獲得は、「ステップアンドリピート」の手法によって実現される。まず、集積半導体サンプルが、当業界で知られた方法によって続く断面像アプローチのために用意される。本開示全体を通して、「断面像」および「スライス」は、同義語として使用される。集積半導体の上面には、上面とほぼ直角の断面にアクセス可能にするために溝が切削され、またはブロック形状の集積半導体サンプル10が、集積半導体ウェハから切り取られ、取り除かれる。このプロセスステップは、時として「リフトアウト」と呼ばれる。あるステップにおいて、材料の薄い表面層または「スライス」が取り除かれる。簡単にするために、説明は、そのようなブロック形状の集積半導体サンプル10で示されるが、本発明は、ブロック形状のサンプル10に限定されない。材料のこのスライスは、集束イオンビーム(FIB)50による視射角における、しかし場合によっては垂直入射のより近くの視射角における集束イオンビーム切削または研磨の使用を含む当業界で知られたいくつかのやり方で取り除くことができる。例えば、集束イオンビーム51は、断面52を形成するように方向Xに沿って走査される。結果として、新しい断面表面11が、イメージングのためにアクセス可能である。続くステップにおいて、新たにアクセス可能な断面表面層11は、走査電子顕微鏡(SEM)またはFIB(図示せず)などの荷電粒子ビーム(CPB)によって走査されるラスタである。結像系の光軸は、z方向に平行であるように配置され得る、またはz方向に対してある角度で傾斜させられ得る。CPBシステムが、2nm未満の高分解能でサンプルの小領域をイメージングするために使用されている。二次電子が後方散乱電子とともに、集積半導体サンプルの内部の材料コントラストであって、異なるグレイレベルで断面像100中に見られる材料コントラストを明らかにするために検出器(図示せず)によって収集される。金属構造は、より明るい測定結果を生じさせる。表面層の取り除きおよび断面像プロセスは、表面53および54ならびに等距離におけるさらなる表面を通して繰り返され、異なる深さのサンプルを通しての一連の2D断面像1000が、3次元3Dデータセットを構築するように取得される。代表的な断面像100は、14nm技術を用いた市販のインテルプロセッサの集積半導体チップの測定によって取得される。
【0061】
この方法の場合、少なくとも第1および第2の断面像は、イメージングのために新しい断面をアクセス可能にするために集束イオンビームを用いて集積半導体サンプルの断面表面層を続いて取り除くことと、荷電粒子ビームを用いて集積半導体サンプルの新しい断面をイメージングすることとを含む。一連のこれらの2D断面像1000から、集積半導体構造の3D像を再構成することができる。断面像100の距離dzは、FIB切削または研磨プロセスによって制御することができ、1nm~10nm、好ましくは約3~5nmであり得る。
【0062】
図2は、x-y方向から取得されるとともにz方向に距離dzだけ間隔をあけられた一連のN=400個の像スライスまたは断面像1000から取得された再構成された3Dボリューム像または3Dデータセットからの2つのx-zインターセクション像の一例を示す。簡単にするために、3つの断面像100.1、100.2、100.3だけが示されている。N=400個の像スライスの獲得間のランダムなステージまたはSEMのドリフトは、z方向に延びる金属ライン101に見られるz方向の人工的に高められたインエッジラフネス、またはz方向に対して直角に向けられた金属ライン102の幅の大きなばらつきをもたらす。
【0063】
図3は、先行技術による基準を用いたアライメントを示す。
図3aに示されるように、インターセクションのFIB切断が始まる前に、マーカー構造または基準が、断面の方向に対して直角にサンプルの上部に形成される。マーカー構造については、第1の材料20が、集積半導体サンプルの上面55に堆積される。この材料では、平行線21および傾斜線22のようなアライメントマークが、FIB加工によって形成される。
図3bは、先行技術の典型的なアライメント構造の像を示す。ラスタ走査ライン82に沿ったラスタ走査による断面11のスライスおよびイメージングの後、各面像100は、基準またはアライメントマーカーの断面像セグメントも含む。
図3cには、代表的な断面100が示されている。中央マーカーがその断面像セグメント25によって見え、スライス間でx方向およびy方向の横方向アライメントを行うために使用されるが、y方向のアライメントは、一般にあまり正確でない。2つの外側マーカー22の2つの断面像セグメント27間の距離は、各スライス間の距離dzを計算するために使用される。
【0064】
図4は、集積半導体サンプルのM1層についての再構成により誘起された残留ラインエッジラフネスの結果を示す。
図2におけるように、像は、x-y平面内でそれぞれ取得される一連のN=400個の像スライスまたは断面像から得られるx-zインターセクション像である。
図4aは、像スライスアライメントを用いないx-zインターセクション像の結果を示し、
図4bは、基準に基づく像アライメントの結果を示す。N=400個の像スライスの獲得間のランダムなステージまたはSEMのドリフトは、z方向の人工的に高められたラインエッジラフネスをもたらす。基準アライメントによる改善は、像のぼけの減少、およびゲート層内のゲート構造のラインエッジラフネス減少によって明らかに見られる。
【0065】
集積半導体サンプル中の特徴または構造に基づくファインアライメント(fine alignment:微細なアライメント)についての本発明の一実施形態が、
図5に記載されている。集積半導体サンプルは、例えば、
図1に示されるように、(K+1)個の金属層(通常、シリコン基板レベルからウェハ上部レベルへ数えてM0、M1、M2...MKと呼ばれる)と、柱状構造を介して金属層を接続するために使用されるビア層(通常、V0、V1、V2へと参照される)とからなる。
【0066】
図5aは、金属層を備えた集積半導体サンプルの2つの断面像についての簡単な例を示し、ここでは簡単にするために、3つの金属層M0、M1、およびM2のみが示されている。金属層M0およびM2は、N断面像に平行な金属ライン62.1および62.2を含み、そこから2つが、nおよびn+1によって示されている。金属層M1は、断面像nおよびn+1に対して90°の角度にある金属ライン61を含む。座標系は、x-y方向にあるとともにz方向に直交する第1および第2の断面像110および111を形成するように選択される。したがって、集積半導体プローブは、少なくともいくつかのL金属ラインがz方向に平行であるように、したがってx-y平面に平行な断面像平面に対して直角に向けられるように向けられる。概して、少なくともいくつかのL金属ラインは、各L金属ラインの断面像セグメントが少なくとも一連のN個の断面像に形成されるように断面像平面に対して所定の角度をなす。
図5の実施形態では、所定の角度は90°である。
【0067】
図5bは、zインデックスn(110)およびn+1(111)を有する断面像のうちの2つを示す。概して、断面像110、111は、x-y平面内で向けられ、一連の断面像またはスライスは、1nm~7nmで距離dzだけz方向に積み重ねられまたは変位させられる。断面の切断またはスライスは、層M1における金属ライン61に対して予め定められた90°の角度で行われたので、スライス像ごとに層M1における対応する金属ライン61の断面像セグメント64を識別し、さらに、例えば、l=1...L金属ラインごとの各断面像セグメントの図心の計算または重心C(x,y)の計算によって、その位置P(x,y;l)を抽出することが可能である。断面像110が断面像110または111に平行な対応する金属ライン62.1または62.2と交差する場合に、金属層M0およびM2は、断面像セグメント63として見えるにすぎない。
【0068】
図5cは、論理構造を備えた集積半導体サンプルの断面像の一例を示す。ビア層(V0~V6)と互い違いになっている金属層(M0~M7)が示されている。M0の真下に、ゲート層GLが見える。金属層およびゲート層は、断面像に対して平行または直角である金属ラインを備える。M1、M3、M5、...における層内の金属ラインに対して直角な断面の切断またはスライスが行われるので、続く断面像またはスライスの大きいセット内の層および金属ラインの図心が計算できるという点で対応する金属ラインの断面を識別することが可能である。例えば、M1、M3、M5、またはM7におけるような断面像に対して直角である金属ラインの少なくとも大部分は、続く断面像の大部分にわたって不変である。サンプルを通る断面像は、ほんのいくつかのビアを示し、一例は、白い円65でマークされている。
【0069】
層M1、M3、...、M7における直角の金属ラインの断面像セグメントは、コーナまたはエッジ検出、閾値処理、またはモフォロジー処理などの画像処理によって抽出することができる。検出された金属ラインの位置は、図心の計算または重心の計算に基づいて計算することができる。代替として、金属ラインの位置決定は、例えば、特徴ベースレジストレーションによって実現することができる。概して、パターン認識および位置検出技法は、特徴レジストレーションとも呼ばれ、設計形状と金属ラインの断面像セグメントまたは金属ラインの参照断面像セグメントの比較を用いることができる。特徴レジストレーションは、例えば金属ラインの参照断面像セグメントと相関する像を用いることができ、または例えば金属ラインの断面像と参照断面像セグメントの間のユークリッド像距離に基づくことができる。当業者は、金属ラインの断面像セグメントの位置計算のための上述した方法に均等な方法を使用することができる。
【0070】
図5dでは、金属ラインの断面の境界線は、白い点線によって示されている。各金属ラインの位置P(x,y;l)は、各境界線内の図心として評価される(点で示される)。
図5dは、抽出の結果として、層M1、M3、M5、およびM7における金属ラインのエッジ形状または境界線をその図心C(x,y;l)(点)とともに示しており、一例が強調表示されている(層M7における金属ラインのエッジ形状または境界線66とともに図心67)。
【0071】
スライスごとの金属ラインの図心を接続することによって、z方向を通しての図心T(x,y;z;l)のトレースまたは一連の断面像が生成され得る。
図6は、N=400個の断面像(z方向)についての層M1、M3、およびM7における金属ラインの図心のトレースを示す。金属層M1およびM7についてのいくつかのトレースT(x,y;z;l)の2つの例68および69が、それぞれ強調表示されている。金属ラインは高精度で製造されるので、金属ラインは、非常に真っ直ぐであることが予期される。トレースは、補正されることになろうミスアライメントから生じるいくつかの共通の波状構造T_x(z)およびT_y(z)を示す。T_x(z)およびT_y(z)を差し引くことによってミスアライメントを補正した後、共通のまたは平均的な波状構造TA(x,y;z)から生じるトレースごとに留波状構造がまだある。これは、例えば図心決定の統計誤差からのランダムな寄与と、例えばスライスごとのSEM像歪みの変化からの系統的な寄与とを有する。大きい共通のまたは平均的な波状構造TA(x,y;z)は、ステージのドリフトまたはイメージング収差(結像収差)によって引き起こされ、一連のN=400個の断面像の3Dデータセットにおけるz位置ごとに共通の変位ベクトルおよび回転角度誤差を含んだ測定誤差を表す。簡単にするために、ここでは、変位誤差だけが示されており、回転誤差は、例えば、回転行列によって考慮され得る。トレースの共通の波状成分TA(x,y;z)を抽出することによって、例えば、少なくともサブセットにわたりL個のトレースT(x,y;z;l)を統計的評価することによって、位置zにおける断面像スライスごとのx-yミスアライメントの大部分は、ファインアライメント補正および3Dボリューム像データセット内のスライスレジストレーションにおいて補正され得る。
【0072】
共通の波状成分TA(x,y;z)の抽出は、横方向の断面像変位の統計的評価に基づく位置zにおける断面像スライスごとのx-y変位ベクトル(x,y)を明らかにする。統計的評価は、精度を改善し、いくつかの個々の構造または基準などのアライメントマークの誤差を減少させる。統計的評価は、例えば、平均化および図心の計算を含み、外れ値を考慮することができる。例は、複数のラインエッジ点を平均することによるラインエッジの平均化、図心の計算、特徴ベースレジストレーション、または複数の図心点のセットにわたる統計的平均化である。画像処理アルゴリズムおよびレジストレーションアルゴリズムが、2つの連続した断面像間で特徴または構造セットの比較をすることによってアーチファクトまたは外れ値を取り除くために適用され得る。
【0073】
金属ラインは測定されたボリューム全体を通って延びる必要はないことが言及されるべきである。
図6に示されるように、全ての金属ラインが、N個の断面像全部を通って延びるとは限らない。M1トレース68における間隙などの金属ラインにおける間隙は、識別され、例えば、M7トレース69によってブリッジ(bridge:橋渡し)され得る。概して、間隙は、測定されたボリューム全体のアライメントが可能になるように他の金属ラインによってブリッジされ得る。全ての金属ラインが同じ位置で終わるごく稀な場合には、再構成は、間隙の前後の部分を適切に見当合わせすることができない。しかしながら、これらの場合には、レジストレーションは必要でない。本発明の一方法は、断面像または生の3Dスタックから抽出される集積半導体サンプル内に存在する構造に頼るので、本発明の方法は、先行技術の「基準ベース」アライメントとは対照的に、「構造ベース」アライメントと呼ばれる。3Dボリューム像における2D断面像スライスの精密なアライメントは、レジストレーションまたは像レジストレーションとも呼ばれる。
【0074】
基準ベースアライメントと構造ベースアライメントの間の比較は、
図2および
図8に示されている。
図7は、M1層を通るx-z方向の、
図4aおよび
図4bに示されるものと同じ断面を示すが、構造ベースアライメント後の断面を示す。
図8aは、基準に基づいてアライメント後にx-y方向でそれぞれ取得されるN=400個の断面像から再構成されたゲート層を通るx-z方向の断面を示す。
図8bは、構造ベースアライメント後のゲート層を通る同じ断面を示す。基準ベースアライメント単独によるミスアライメントまたは粗いアライメントによって引き起こされるラインエッジラフネスの減少の改善が、
図7および
図8bの両方の像において明らかに見られ、ゲート層などのより微細な構造を備えた下層でより見えるようになる。
【0075】
改善の定量比較は、輪郭(contour)を抽出すること、およびその平均値から輪郭の標準偏差を計算することによって実現することができる。
図9の例から、ラインエッジラフネスについての程度が、2つの像から抽出される。
図9aは、基準ベースアライメントについてのラインセグメント91の例を示し、
図9bは、構造ベースアライメントについての結果としてラインセグメント92の例を示す。基準ベースアライメントの例では、ラインエッジ91の標準偏差は、24.26nmであり、一方、
図9bでは、構造ベースアライメントの場合、ラインエッジ92の標準偏差は、12.8nmへ2分の1に減じられる。概して、標準偏差は、構造ベースアライメントによって1.5分の1~3分の1だけ減じられ得る。したがって、測定された残留ラインエッジラフネスは、人工的なミスアライメントから、残留収差またはアライメント誤差から、基準の測定から、減じられる。均等なやり方では、表面粗さ値は、人工的なミスアライメントから減じられ、例えば、金属ライン幅またはゲート寸法のサイズ測定または寸法測定の精度は、特徴ベースアライメントを用いて1.5~3倍だけ改善され得る。別の実施形態が、
図10に示されている。構造または特徴ベースアライメントに基づいて像レジストレーションを用いてx-yアライメントを補正した後、スライスごとにトレースの残留ドリフトがまだいくらかあり得る。これらのドリフトは、ドリフトするSEM像歪みに起因し得る。図心の残留変位ベクトル300を用いて(これについて一例が302として示されている)、像歪みは、例えば、低次の糸巻形、環状歪み、剪断または台形歪みなどの像歪みのいくつかの合理的な基底関数(basis function)で近似またはフィッティングすることによって決定することができる。これらの基底関数は、x-yベクトル多項式によって記述することができる。歪みについて抽出された基底関数に関して、各断面像は、スライスごとにまたは絶対的な相対的な像歪み補正を取得するために像歪みの差し引きによって補正することができる。歪み補正は、スライスごとに取得することができ、または平均的な歪みおよび個々の像スライスごとの残留歪み偏差を取得するために3つ以上または全ての像スライスを含むことができる。
図10は、図心周りの歪みベクトル300を含む歪みの場(distortion field:ディストーションフィールド)の抽出についての一例を示しており、そのうちの1つは、302によって名付けられている。断面図心の決定は、いくつかの外れ値を生成し得る。2つの例は、番号301によって示されている。外れ値は、例えば、像比較によってもしくは統計的解析によって取り除くことができ、または低次の歪み多項式の多項式フィッティングによって抑制される。y方向のスライスn=80からスライスn=81への系統的な歪みの変化は、合理的な歪み基底関数にフィットされ、スライスごとに相対的な歪みを補正するのに適用され得る。この例では、低い歪みは、yに比例する像視野依存性(image field dependency)を有するy方向に対称的な樽形歪みによって支配され、およびx方向に一定である。スライスn=80とスライスn=81の間の歪みの最大相対的変化は、約19nmである。概して、像ごとの典型的な相対的な歪み変化は、0~30nmであり得る。歪み補正は、位置zにおける断面像ごとの低次の歪みベクトルとしてアライメントの変位ベクトルTA(x,y;z)または回転ベクトルを用いて、特徴ベースアライメント前に行うことができ、特徴ベースアライメント後に行うことができ、または特徴ベースアライメントの構成部分(integral part)であってもよい。
【0076】
別の実施形態の方法が、
図11aに示されている。この実施形態では、集積半導体サンプルは、予め定められた角度の下で切断されている。予め定められた角度は、例えば、層M0における金属ライン71と断面x-y平面との間の角度を説明する。予め定められた角度は、例えば、45°であり得るが、30°または60°などの他の角度も可能である。したがって、層M0~M2における金属ライン71を通る断面像210および211は、金属ラインに対して予め定められた角度にあり、または相互接続し、金属層M0~M2における各金属ラインの位置は、スライス距離dzおよび集積半導体サンプルのその層における金属ラインの所定の角度に応じて、制御されたおよび等しいやり方でスライス210、211ごとに変化する。金属ライン72は、金属ライン71に対して直角に細長く、断面像平面に対してそのような90°の第2の角度マイナス所定の角度を成し、45°の所定の角度を有するこの例では、第2の角度も45°(=90°-45°)である。M0およびM2の金属ライン71は、スライス210からスライス211まで左へブロックのように(block wise:ブロック方向に)「移動」し、一方、層M1の金属ライン72は、右へブロックのように「移動」する。上述した任意の方法による金属ラインの位置のトレースの抽出は、右から左へ延びるトレース(断面210、211内の層M0およびM2における金属ライン)および左から右へ延びるトレース(210、211内の層M1における金属ライン)の束をもたらす。これは、
図11bの断面像210および211の2つの例に示されている。その位置を反対方向に変える層M0またはM2における金属ライン71の断面像セグメント73.1および73.2、ならびに層M1における金属ライン72の断面像セグメント74.1および74.2の相対的な距離変化から、スライス厚さdzを高精度で得ることができる。上述したように、例えば、多数の金属トレースを利用した統計的評価、および金属ラインの製造の高精度により、z位置決定は、基準ベースアライメントに関してより高い精度で取得される。上述したように検出された金属ラインの位置のトレースから、所定の角度および第2の角度による金属ラインの直線変位を抽出することができ、トレースの残留する共通の波のシグネチャ(wave signature)を抽出することができる。この共通の波のシグネチャは、上述したように特徴ベースアライメントに使用される。したがって、金属ラインに対して予め定められた角度の下で断面イメージング(cross section imaging:断面画像化)の方法を用いることで、純粋な基準ベースアライメントよりも優れた精度でx、y、およびz方向の構造ベースアライメントを可能にする。加えて、金属ラインに対してある角度における断面イメージングの場合には、各断面像における金属ラインの規則的なおよび所定の位置変化は、上述したような歪みから分離して切り離すことができ、3Dボリューム像における2D断面像のレジストレーションを高精度で取得することができる。
【0077】
上記実施形態では、
図1に示されるように、断面像平面は、集積半導体ウェハの上面55に対して直角に向けられ、ウェハ上面55の法線は、y方向に対して平行に向けられる。これにより、y方向に対して平行に向けられている2D断面像という結果になり、または言い換えれば、断面像平面は、y軸またはウェハ垂直軸を含み、スライス方向zは、y軸またはウェハ垂直軸に対して直角である。本発明の別の実施形態では、断面像平面のインターセクション角度は、予め定められた傾斜角度でウェハ法線に対して傾斜しており、スライス方向zは、y軸またはウェハ垂直軸に対して直角ではなく、予め定められた傾斜角度で傾斜している。一例では、
図12aに示されるように、サンプル、例えばメモリチップのかなりの部分を通って延びる柱状HAR構造、例えば、一例が番号75によって参照されているチャネルまたはチャネル穴は、断面像で見える。上記の例におけるように、HARチャネルは、HARチャネルの断面像が断面像で見えるように断面像平面に対して予め定められた角度における方向に向けられている。HARチャネルの位置は、例えばその図心から、上述した画像処理方法によって検出することができる。イメージングからの低次の歪みは、上述したように解析して差し引くことができ、スライスごとの像変位は、高精度で計算することができ、それによって高精度で3Dボリューム像における各2D断面像スライスのレジストレーションを取得する。
図12bは、添え字nおよびn+1を有する2D連続した断面像の2つの例を示しており、HARチャネルの断面像セグメントは、77.1および77.2によって示されている。集積半導体構造の上部境界面(
図12aの参照番号55参照)は、参照番号76によって示される。
【0078】
図13は、一方における集積半導体サンプルの上面に対して直角である続く断面像(
図13a)と前述の向きに対して傾斜している続く断面像(
図13b)との間の距離決定の精度を比較する説明図である。
図13aによる幾何学的な構成は、以下のとおりであり、すなわち、断面像が、x-y平面内に与えられ、互いに対してz方向に距離dsを有する。さらに、基準22は、x-z平面内で集積半導体サンプルの上面に設けられている。基準22は、平行ではなく、2αの角度で互いに対して傾斜しており、続く断面像の位置でそれぞれ値xおよびx-dxのx方向の距離を有する。
図13aの抜粋は、これらの幾何学的な状態をより詳細に示す。三角関数に従って、続く断面像間の距離dsは、以下のとおりである。
【0079】
【0080】
距離dxは測定され、角度αは原理的に知られており、したがってdsを計算することができる。これは、原理的に当業界で知られている。
【0081】
次に、
図13bを参照すると、本発明によれば、断面像は、上面に対して角度βだけ傾斜しており、サンプルの上面への集束イオンビームのすれすれ入射を説明している。なお、上面でのその位置におけるz方向の基準の距離ds
zは、
【0082】
【0083】
他方で、現在z方向に傾斜している距離dsは、
【数3】
であり、これは、
【0084】
【0085】
図13bでは、距離dxは、
図13aにおけるのと同じ精度でもう一度測定することができる。しかしながら、次に、dx自体に含まれる任意の誤差、またはdxを測定する際に任意の誤差が、sinβ倍だけ減少させられる。それは、角度αを測定するまたは与える任意の決定/精度を保持する。したがって、
図13bにおけるように断面像を傾斜させることによって、続く断面像間の距離を決定する精度全体が改善され得る。それは、垂直構造の場合、例えば、集積半導体サンプルに含まれるHARチャネルが位置決定に使用されることを保持する。ここで、重要な点は、サンプルの主軸に対して傾斜している平面からの位置情報を適用する何らかの位置決定が、サンプルの主軸に平行な平面からの位置情報を適用する位置決定よりも精度がよいことである。
【0086】
図14は、VNAND構造をイメージングするカーテニング効果の説明図である。ラインCが、断面像に見えており、これは、カーテニングによるアーチファクトである。カーテニングは、異なる材料が存在することにより生じる。カーテニングは、とても微細なVNAND構造を伴う場合である繰り返し構造がイメージングされる場合にとても顕著である。イメージング方法に応じて、カーテニングの強度は変わる。二次電子がイメージング信号として検出される場合、カーテニング効果は後方散乱電子が信号として検出される装置と比較してより強い。これは、二次電子が表面のトポグラフィにより敏感であり、トポグラフィのコントラストを結像する(image)ことによる。
【0087】
しかしながら、後方散乱電子がイメージングのための信号として検出されるときも、像の情報は表面に対して様々な深さからやはり生じるので、カーテニングがさらに問題である。標準的な像再構成によって、後方散乱電子信号によって取得される断面像が平坦であると仮定される。しかしながら、これは、必ずしも正確にそうではない。この反駁は、像再構成における誤差をもたらし、仮想の像平面、例えば、数学的に再構成された像平面内の3D像の分解能を制限する。
【0088】
したがって、本発明によれば、仮想像平面内の3D像の分解能は、カーテニング補正を実行することによって改善される。より詳細には、新しい断面のカーテニングシグネチャが決定される。
図15は、表面の3Dトポグラフィを決定するそれぞれの配置を概略的に示す。イメージングデバイス90は、例えば電子を用いて働く、荷電粒子デバイスであり得る。示された例では、イメージングデバイス90は、SEMである。SEM90は、新しい断面の表面93をイメージングするものであり、集束イオンビームを用いて集積半導体サンプルをディレイヤリングすることから生じる。表面93は、平坦でなく、最大および最小を有する波状である。SEM90の走査方向は、示された例におけるx方向である。後方散乱電子を信号として検出する検出ユニットペアを構成する2つの検出ユニット95、96が用意されている。しかしながら、代替としてまたはさらに、表面93から発せられる二次電子がイメージングされることも可能である。検出ユニット95、96の幾何学的な配置は、それらが異なる角度の下で表面93から発する信号/粒子を検出するようになっている。しかしながら、示された実施形態では、2つの検出ユニット95、96の配置は、現在イメージングされている点またはエリアに対して対称的であり、(ここでは、電子ビーム軸の方向と同一の)表面93の法線に対する角度は、+/-δであり、検出ユニット95、96は、同じラインx上に、言い換えれば走査方向xに設けられる。しかしながら、他の角度および位置も可能である。
【0089】
SEM90を用いて最大94をイメージングするとき、検出ユニット95および96がその位置から発する粒子の形態で受信する信号強度は、トポグラフィによるシャドーイング効果のためにわずかに異なる。例えば、粒子が位置x1から発するとき、検出ユニット95は、検出ユニット92よりもよりわずかに強い信号を受信する。同様に、位置x2から発する粒子が検出されるとき、検出ユニット96の検出信号は、検出ユニット95における検出信号よりもわずかに強い。信号強度のこの差は、両検出ユニット95、96の差動信号において容易に解析することができる。したがって、例えば、ラインごとに表面93を走査することによって、表面93の3Dトポグラフィを決定することが可能である。したがって、表面93のカーテニングシグネチャが、決定され、断面像の再構成に使用されることができる。結果として得られる断面像は、それら自体3D像である。一例は、
図16に示されている。
図16の断面像は、波状3D構造を有する。定量的な3D情報は、増加した精度で3Dボリューム像の3D像再構成全体に使用することができる。代替としてまたはさらに、定量的な3D情報は、集積半導体サンプルの次の断面表面層を取り除く間に集束イオンビームを制御するフィードバックループに使用することができる。
【0090】
図17は、VNANDメモリプローブにおける規則的な六角格子上の柱状構造の説明図である。VNANDメモリサンプルは、互いに平行に延びる多くの柱状構造で構成されている。本実施形態では、サンプルは、
図18に示されるように「柱」に平行なスライスに切断される。図の像平面は、スライスに対して直角であり、フレーム領域として示された柱状フットプリント(pillar footprint)を含む。フットプリントの実際の形状は、円に近いことが期待される。フットプリントの図心は、規則的な(例えば、六角形の)格子を形成するように期待される。スライスに対して直角である方向に沿ったスライス位置の決定の不正確さ、および/または公称値からのスライス厚さの偏差は、この方向に沿った像スケールのドリフトをもたらす。結果として、柱断面は歪んで現れ(図の左部分参照)、その図心は、規則的な格子をそれ以上形成しない。
【0091】
本実施形態によれば、前述の歪みが最小化され、個々の柱の実際の幾何学的な特性を調査することを可能にするように、個々のスライス位置/厚さを調整することが提案される。この方法の概念は、例えば、設計データまたは(対称性のような)他の考慮事項から利用可能な柱状フットプリントの実際の形状および空間レイアウトについての情報を使用することである。例えば、実際の柱断面が平均して上述したように図心が規則的な六角格子を形成する完全な円(VNANDチップの大変ありふれた設計)であると仮定することは、十分であり得る。次いで、個々のスライスの位置/厚さが
図18の右部分に示されるように、柱状フットプリントが仮定された幾何学的形状(規則的な格子上の円)に適合するまで調整される。任意の他のより複雑な柱状フットプリント形状、および/またはフットプリント図心の空間分布が、仮定されてもよい。さらに、説明した概念は、VNAND構造以外の他の構造に適用することもでき、構造の断面形状は、必ずしも丸または楕円ではない。
【0092】
実際のプローブは設計からずれている場合がある、または特徴形状についての仮定が十分に正確ではない場合があるので、スライス位置調整後に取得した再構成された柱断面は、まだ実際のものからずれている可能性がある。しかしながら、ほとんどの場合は、設計からの柱の偏差を、むしろ局所的(欠陥!)であると予期する。例えば、ある柱は、その隣のものの柱から外れた形状または半径を有するかもしれない。また、その図心は、他の図心によって形成された規則的な格子上のそれぞれの位置からずれている可能性がある。そのような局所的な逸脱または欠陥は、スライス位置の説明した調整後にそのままであり、したがって調査され得る。実際、各スライスの調査された位置は、スライスによって「触れられた」全ての柱断面によって影響を受ける。調整されたスライス位置にある単一の柱断面の影響は、比較的小さいと予期される。すなわち、提案された調整は、局所的な欠陥を探すことを可能にする一方、不正確なスライス位置決定による像歪みをかなり減少させる。
【0093】
概して、実際のスライスに対して直角である断面(または複数の断面)における知られているフットプリント形状および空間分布を有する特徴を含む任意のチップからのデータは、提案された方法で処理することができる。VNANDメモリチップレイアウトは、比較的小さい特徴フットプリントを伴う一例として使用されるものにすぎない。
【0094】
説明された方法は、スライス/断面像が小さい横方向オフセットに悩まされる場合にも拡張可能である。すなわち、スライスは、横方向のアライメントをさらに改善することができるようにスライス平面(断面像平面)に平行な方向に調整することもできる。
【0095】
図19は、
図18のフットプリント形状ベースアライメントの詳細を概略的のさらに示す。X方向に沿った個々のスライスSの位置調整は、予期される形状の柱断面を含む参照像および予期される空間格子に基づく(
図19のX方向は、他の図におけるX方向と同じではないが(z方向)、わずかに異なった専門語が、以下の理解を容易にするために選ばれていることに留意されたい)。
【0096】
提案されたスライス位置の調整についてのワークフローの特定の例は、以下のとおりである。柱状フットプリントの実際の形状(例えば、円)およびその空間分布(例えば、ある種の規則的な格子)についての利用可能な情報が、何ら歪みがないことが期待される柱(および実際のスライス)に直角である平面内で「参照像」Rを構成するために使用される。そのような参照像の一例が
図19に示されている。この像における個々のスライスの断面は、Sで示されるY方向に沿った一次元ラインである。スライスSは、完全な格子上に位置するグレイで示された完全な円からなる参照像に適合するようにX方向に沿って調整される必要がある。参照像と全ての個々のスライスの両方が、柱状フットプリントに属する全てのピクセルが1に設定される一方、全ての他のピクセルがゼロに設定されるように二値化される。参照像Rのピクセルサイズは、個々のスライスSにおけるピクセルサイズに等しく設定される。XおよびY方向に沿ってピクセルの添え字iおよびkをそれぞれ導入することで、したがって、参照像は、二次元行列のR
(i,k)=R(x
i,y
k)として表され得る。個々のスライス断面Sは、一次元ベクトルS
k=S(y
k)として表される。この方法の目標は、スライスSが参照像Rに最もよく適合するx
iを見つけることである(
図19参照)。そうするために、その公称位置まわりのスライスSについて可能なある範囲のX位置を試験することができる。この範囲からのx
iごとに、メリット関数M(x
i)の値が計算され、スライスSが位置x
iで参照像Rにどのくらい良好に適合するのか特徴付ける。
【0097】
【数5】
代替として、他のメリット関数が、定められてもよい。
【0098】
試験されたX-位置の範囲があまり大きくない(すなわち、初期のスライス位置決定の不確かさがあまり高くない)場合、Mは、個々のスライスSのための最終的な位置として使用され得るある位置xadjustedで固有の最小に到達する。説明された手順は、最終的に位置合わせされた(調整された)3Dスタックを取得するために個々のスライスSごとに繰り返すことができる。
【0099】
本実施形態の優れた精密アライメントは、本発明の各実施形態のいくつかの利点を考慮すると明らかになる。まず、金属ライン、ゲート、ビア、およびHARチャネルが、それぞれ、知られている平面内でおよび互いに知られている角度90°でそれぞれ延びており、任意の基準マークが製造できるよりもずっとより精巧な製造技法で製造される。半導体製造技術、例えば、液浸リソグラフィ露光、金属蒸着、またはイオン注入、方向付けられたRIEエッチング(directed RIE etching)、および集積回路のための研磨は、数nm、例えば7nm、5nm、または近い将来に3nmの臨界寸法に適応されM0などのゲート層および下側金属層などの最も下側および最も微細な層について、典型的なパターン配置またはオーバーレイ2nm未満の精度またはさらに1nm未満の精度になる。概して、金属ラインの精度全体が、最も短い寸法の金属ラインよりも約1/3倍よくなり、結果として、低い金属層およびゲート層のオーバーレイ精度は、1nm程度以下である。したがって、ゲートまたは金属ラインの位置精度または配置および寸法は、粗いFIBで支援された堆積プロセスによって製造される典型的な基準よりもずっと良く、ただし、FIBビーム径は例えば20nm程度であり、FIB走査位置精度は3~5nmを上回る。したがって、5nmまたは3nmなどの数nmの最小特徴サイズ(CD)を有する最近の集積半導体サンプルの金属ラインは、先行技術の基準ベースアライメントよりも少なくとも3倍改善される特徴ベースアライメントを可能にする。結果として、金属ラインまたはゲートについての図心の計算などの位置計算は、よりずっと高い精度をもたらし、断面像の変位は、基準の位置と比較してずっとより正確に決定され得る。画像処理技法を用いた金属ラインの抽出は、適宜、像歪みの評価および差し引きと組み合わされて、特徴または構造ベースレジストレーションによる断面像の改善された精密アライメントをそのようにもたらす。
【0100】
第2に、断面像から、金属ライン、ビア、HARチャネル、またはゲートの位置が、例えば輪郭線から得られる。例えば、2つの続くスライスにおける単一の共通の特徴の図心の計算は、統計的平均化を含み、したがって例えば像のノイズに対してより頑健であり、それによって2つの像スライスのアライメントの精度を改善する。第3に、典型的なより多数Lの金属ライン、例えば2個、5個、10個、または100個までは、像レジストレーションおよびアライメントのために位置決定の統計結果をさらに改善する。ラインエッジラフネス導出は、少なくとも1.5倍だけ改善することができ、2~3倍が容易に実現され得る。欠陥は稀であるので、それらは一度に多くの構造を用いるアライメント方法の品質全体に影響を与えない。特徴ベースアライメント統計的評価は、したがって、先行技術の基準ベースアライメントよりも少なくとも1.5倍の改善を可能にすることが示される。
【0101】
加えて、欠陥候補は、統計的評価から外れ値として検出することができる。
【0102】
別の実施形態では、または上述したものに加えて、集積半導体構造は、priory知られている構造である。設計情報または3DCAD情報は、金属ラインおよびHARチャネルのエッジ抽出、位置抽出、および像レジストレーションを改善するために使用することができる。例えば、CAD情報は、位置が金属ライン端であり、したがって断面像にもはや見えないはずであることを識別するのに使用され得る。それによって、画像処理方法の外れ値は、減じられ得る。加えて、欠陥候補は、統計的評価から外れ値として検出することができる。
【0103】
別の実施形態では、構造または特徴ベースアライメントは、基準ベースアライメントと組み合わされる。集積半導体サンプルは、ゲート層内のゲートなどの非常に繰り返しの多い特徴を含み得、これは、像レジストレーションに不明瞭さをもたらし得る。概して、集積半導体サンプルの上部に形成された基準を用いる粗いレジストレーションは、本発明の実施形態のいずれかによる特徴または構造ベースアライメントによって、不明瞭さを減少させ、微細像レジストレーションの速度を増加させることができる。
【0104】
コーナまたはエッジ検出、閾値処理、もしくはモフォロジー処理、または類似する演算などの上述したような画像処理方法は、当業界でよく知られている。画像処理は、例えば、数100個のプロセッサを含むコンピュータクラスタの使用によって、計算速度の向上によって近頃改善されている。集積半導体サンプルの特徴または構造を抽出する画像処理方法は、機械学習アルゴリズムを含むこともでき、または機械学習アルゴリズムによって置き換えることもできる。
【0105】
上述した実施形態は、単に例であることが意図されている。実施形態がプローブとして半導体構造の例に記載されているにも関わらず、本方法は、精密な像レジストレーションを可能にする同等の構造の材料またはプローブに同様に適用され得る。改変、修正、変更、および組合せが、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定められる範囲から逸脱することなく、当業者によって特定の実施形態にもたらされてもよい。
【0106】
参照符号のリスト
番号 項目
10 サンプル
11 断面表面
20 表面堆積材料
21 第1の基準マーカー
22 第2の基準マーカー
25 第1の基準マーカーの断面像セグメント
27 第2の基準マーカーの断面像セグメント
50 FIB柱
51 集束イオン粒子ビーム
52 第1の断面表面
53 第2の断面表面
54 第3の断面表面
55 サンプル上面
61 z方向に延びた第1の金属ライン
62.1、62.2 x方向に延びた第2の金属ライン
63 第2の金属ラインの断面
64 第1の金属ラインの断面
65 ビアの断面
66 金属ラインの断面像セグメントの境界線
67 金属ラインの断面像セグメントの図心
68 z方向を通る層M1における金属ラインの断面像セグメントの図心のトレース
69 z方向を通る層M7における金属ラインの断面像セグメントの図心のトレース
71 断面像に対して直角であるz方向と所定の角度をなす方向に細長い第1の金属ライン
72 断面像に対して直角であるz方向と第2の角度をなす方向に細長い第2の金属ライン
73.1、73.2 第1の金属ライン71の断面像セグメント
74.1、74.2 第2の金属ライン72の断面像セグメント
75 上面55に対して直角であるHARチャネルまたは金属ライン
77.1、77.2 上面に対して直角であるHARチャネルまたは金属ラインの断面像セグメント
91 基準ベースアライメント後の金属ラインのラインエッジ
92 特徴ベースアライメント後の金属ラインのラインエッジ
93 断面の波状面
94 トポグラフィの最大
95 第1の検出ユニット
96 第2の検出ユニット
100、100.1、100.2、100.3 断面像
101 z方向の延びた金属ライン
102 x方向に延びた金属ライン
110 第1の断面像
111 第2の断面像
210 第1の断面像
211 第2の断面像
300 像歪みベクトル
301 像歪みベクトルの外れ値
302 断面像内の金属ラインの断面像セグメントの図心
1000 一連の断面像
±δ 表面法線と検出ユニットの間の角度