(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】密封型ロボット駆動部
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20240830BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20240830BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240830BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20240830BHJP
H02K 11/22 20160101ALI20240830BHJP
H02K 16/00 20060101ALI20240830BHJP
H02K 19/10 20060101ALI20240830BHJP
H02K 21/14 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
B25J19/00 A
H01L21/68 A
H02K11/215
H02K11/22
H02K16/00
H02K19/10 A
H02K21/14 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020019826
(22)【出願日】2020-02-07
(62)【分割の表示】P 2016531047の分割
【原出願日】2014-11-13
【審査請求日】2020-02-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-22
(32)【優先日】2014-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モウラ、ジャイロ ティー
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト、ユリシーズ
(72)【発明者】
【氏名】キャベニー、ロバート ティー
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】柿崎 拓
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-112223(JP,A)
【文献】特開2004-242444(JP,A)
【文献】特表2011-514652(JP,A)
【文献】特開2005-124309(JP,A)
【文献】実開昭47-25101(JP,U)
【文献】国際公開第2013/010053(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K5/00-5/26
H02K7/00-7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられる駆動部と、
前記駆動部に接続される少なくとも1つの搬送アームと
を備える搬送装置であって、前記駆動部は、
隔離環境内に位置する透磁性材料の複数の突極を有する少なくとも1つのロータと、
前記隔離環境外に位置するそれぞれのコイルユニットを備えたステータ
プレートを有する少なくとも1つのステータ
であって、前記ステータプレートが、前記ロータの突極とともに、前記少なくとも1つのステータと前記少なくとも1つのロータとの間でそれぞれの閉磁束回路を形成する、
少なくとも1つのステータと、
前記隔離環境を隔離するための少なくとも1つのシール部と
を含み、
前記ステータプレートは、前記シール部を越えて前記隔離環境内に延び、前記ステータプレートと前記シール部との互いの組み合わせで前記隔離環境を隔離する
ように配置される、
搬送装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのステータが、少なくとも2つのステータを備え、前記少なくとも1つのロータが、少なくとも2つのロータを備え、前記少なくとも2つのステータおよび前記少なくとも2つのロータが、積み重ねられたモータを形成し、前記少なくとも1つのシール部が、前記積み重ねられたモータの
隣接するステータプレートに取り付けられる請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのステータが、少なくとも2つのステータを備え、前記少なくとも1つのロータが、少なくとも2つのロータを備え、前記少なくとも2つのステータおよび前記少なくとも2つのロータが、積み重ねられたモータを形成し、前記少なくとも1つのシール部が、前記積み重ねられたモータにおける他のモータのシール部とは異なる、各モータ用のシール部を含む請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ステータ
プレートおよび前記少なくとも1つのロータの
前記突極は、前記ステータ
プレートと前記少なくとも1つのロータの
前記突極
との間に前記シール部が存在しないように配置される請求項1記載の搬送装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのステータが、少なくとも2つのステータを備え、前記少なくとも1つのロータが、少なくとも2つのロータを備え、各ステータおよびロータのペアが、他のモータモジュールと積み重ねられるように構成されるモータモジュールを形成する請求項1記載の搬送装置。
【請求項6】
前記駆動部が、軸方向磁束流駆動
部として構成される請求項1記載の搬送装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのロータが、積層された突極を含む請求項1記載の搬送装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのロータがハブを含み、
前記駆動部がさらに、前記ハブにおいて前記少なくとも1つのロータと連結される駆動シャフトを含み、
前記ハブは、前記駆動シャフトを前記積層された突極と連結させ、前記積層された突極を前記駆動シャフトに固定する請求項7記載の搬送装置。
【請求項9】
前記積層された突極
の積層体が、軸方向に積層されたロータを形成するように、前記駆動シャフトの回転軸に沿って軸方向に配列される請求項8記載の搬送装置。
【請求項10】
前記積層された突極が、前記駆動シャフトの回転軸から径方向に伸張して径方向に積層されたロータを形成するように、
径方向に積み重ねられる請求項8記載の搬送装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのステータが、積層された突極を含む請求項1記載の搬送装置。
【請求項12】
前記駆動部が、前記少なくとも1つのロータの回転軸と平行な方向に前記ハウジングを移動させるための、前記ハウジングに接続されるZ軸駆動部を含む請求項1記載の搬送装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのロータに配置される、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと、
前記少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと相互作用するように構成される、少なくとも1つのリラクタンスに基づく位置フィードバックセンサと
をさらに備える請求項1記載の搬送装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのロータが、複数のロータを備え、前記複数のロータのそれぞれが、前記少なくとも1つの搬送アームを駆動させるために同軸駆動シャフト構成のそれぞれの駆動シャフトに連結される請求項1記載の搬送装置。
【請求項15】
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられる駆動部と、
前記駆動部に接続される少なくとも1つの搬送アームと、
を備える搬送装置であって、前記駆動部が、
透磁性材料の複数の突極を有する少なくとも1つのロータと、
少なくとも1つのステータであって、
各々のステータが、
ステータコア、
突出上部プレート、
突出底部プレート、および
各突出上部プレートおよび突出底部プレートのペアに関連付けられるコイルであって、前記ステータコア上に装着されるか、または前記ステータコアの周りに巻回されるコイル
を含み、各突出上部プレートおよび突出底部プレートのペアの前記突出上部プレートおよび前記突出底部プレートは、前記ステータコアに接続され、前記ステータコアにより離間され、前記突出上部プレートおよび前記突出底部プレートは、前記少なくとも1つのロータの前記突極と相互作用し、前記少なくとも1つのロータの前記突極とともに、前記少なくとも1つのステータと前記少なくとも1つのロータとの間で閉磁束回路を形成する、少なくとも1つのステータと、
前記突出上部プレートおよび突出底部プレートのペアの前記突出上部プレートと前記突出底部プレートとの間に配置される隔離壁であって、前記隔離壁、前記突出上部プレートおよび前記突出底部プレートが、組み合わせで、前記少なくとも1つの搬送アームが動作する隔離環境から前記ステータコアを隔離する、隔離壁と
を含む搬送装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのステータが、少なくとも2つのステータを備え、前記少なくとも1つのロータが、少なくとも2つのロータを備え、各ロータおよびステータのペアが、モータモジュールとして構成され、前記モータモジュールが、前記少なくとも2つのステータおよび前記少なくとも2つのロータの他の異なるロータおよびステータのペアにより形成された他のモータモジュールと積み重ねられるように構成され、前記モータモジュールおよび前記他のモータモジュールが、上下に積み重ねられて、積み重ねられたモータを有する駆動部を形成する請求項15記載の搬送装置。
【請求項17】
前記駆動部が、軸方向磁束流駆動
部として構成される請求項15記載の搬送装置。
【請求項18】
前記駆動部が、前記少なくとも1つのロータの回転軸と平行な方向に前記ハウジングを移動させるための、前記ハウジングに接続されるZ軸駆動部を含む請求項15記載の搬送装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのロータに配置される、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと、
前記少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと相互作用するように構成される、少なくとも1つのリラクタンスに基づく位置フィードバックセンサと
をさらに備える請求項15記載の搬送装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのロータが、複数のロータを備え、前記複数のロータのそれぞれが、前記少なくとも1つの搬送アームを駆動させるために、同軸駆動シャフト構成のそれぞれの駆動シャフトに連結される請求項15記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年11月13日に出願された米国仮特許出願第61/903,813号の利益を主張する通常出願であって、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概してロボット駆動部、特に、密封型ロボット駆動部に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、たとえば、起動および位置計測のための光学エンコーダのために、永久磁石モータまたは可変リラクタンスモータを使用する既存のダイレクトドライブ技術は、たとえば、ダイレクトドライブ装置の磁石、接着された部品、密封部、腐食性材料が、超高真空、および/または侵攻性および腐食性の環境に露出されたとき、著しい制限を示す。たとえば、ダイレクトドライブ装置の磁石、接着された部品、密封部、腐食性材料の露出を制限するために、一般的に「キャンシール(can-seal)」が用いられる。
【0004】
キャンシールは、一般的に、「隔離壁」としても知られる、ハーメチックシールされた非磁性の壁または「キャン(can)」によって、モータのロータを対応するモータのステータから隔離する。キャンシールは、一般的に、所定のモータアクチュエータの、ロータとステータとの間に位置する非磁性の真空隔離壁を使用する。これにより磁束は、隔離壁を越えてロータとステータとの間を流れることができる。結果として、ステータは、完全に密封環境の外側に位置することができる。これによって、半導体用途に使用される真空ロボット駆動装置などの適用における、実質的に清浄で信頼性のあるモータ起動の実施が可能になる。このようなキャンシールの制限は、ロータおよびステータの磁極間のエアギャップの大きさが、隔離壁の厚さによって制限されるおそれがあるということである。例えば、隔離壁の厚さに振れ公差を加えたものは、一般に、ロータとステータとの間で達成可能な最小限のエアギャップに制約を課す。モータの効率を向上させるためには、ロータとステータとの間のギャップは最小限にされるべきだが、密封あるいはキャンシールにより隔離される環境が高真空または超高真空に露出される場合、隔離壁は過度の撓みを実質的に防ぐために、充分な構造的一体性をもたらすのに充分な大きさでなければならない(すなわち、隔離の撓みはモータの動作に干渉するおそれがある)。結果として、ロータ/ステータのエアギャップを横断する隔離壁を有さないロボット駆動部のソリューションと比較すると、ステータとロータとの間のエアギャップがより大きい必要があるので、モータの効率は著しく減少され得る。
【0005】
一態様において、「動的な密封」は一般に、密封環境からモータの略全体を隔離するために用いられ得る。動的な密封は、モータの従動シャフトの一部が隔離環境内で動作することを可能にする密封であり得る。動的な密封は、例えば、リップシールや磁性流体シールを含む多数の方法で達成され得る。しかしながら、これらの動的な密封は、粒子汚染の汚染源(例えば、シールの摩耗および裂け目から)、静止部材と移動部材との間の高摩擦、制限された寿命、および、密封環境と、例えば密封環境外部の大気環境との間の漏洩のリスクの可能性があり得る。
【0006】
密封駆動部に関する他の解決策としては、密封環境内に位置付けられているステータコイルが挙げられる。しかしながら、密封環境が高真空で動作する用途においては、ステータコイルは望ましくない合成物を放出するおそれがあるだけでなく、過熱するおそれもある。結果として上述の密封の解決策は、高価および/または実現困難であるおそれがある。
【0007】
別の態様において、可変リラクタンスモータまたはスイッチトリラクタンスモータなどのダイレクトドライブモータは、中実ロータを利用し得る。しかしながら、従来の中実ロータは、例えば、スイッチトリラクタンスモータの使用における相電流の変化率から生じる渦電流の影響によるコア損失という内在的な問題を有する場合がある。コア損失に対する別の既知の解決策としては、金属強磁性粒子を含む材料を、中実ロータまたは積層ロータのいずれかと比較すると良好な磁束を維持しようとする非導電性粒子と共に利用することが挙げられる。
【発明の概要】
【0008】
ステータとロータとの間のエアギャップを最小限にする隔離壁を、ステータとロータとの間に有することが有利である。また、磁気効率の向上および/または精確な位置制御をもたらす、真空適合積層ロータを有することが有利である。
【0009】
開示される実施形態の前述の態様および他の特徴が、添付の図面を参照して、以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】開示される実施形態の態様を組み込んだ処理装置の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様を組み込んだ処理装置の概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様を組み込んだ処理装置の概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様を組み込んだ処理装置の概略図である。
【
図1E】開示される実施形態の態様による搬送装置の概略図である。
【
図1F】開示される実施形態の態様による制御部の概略図である。
【
図1G】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のロータの概略図である。
【
図1H】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のロータの概略図である。
【
図1I】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のロータの概略図である。
【
図1J】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のロータの概略図である。
【
図1K】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のロータの概略図である。
【
図1L】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のステータの概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分を示す図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分を示す図である。
【
図3】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図3A】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図4】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図5】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図5A】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図6】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図7】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図8】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図9】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図10】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図11】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図12】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図13】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図14】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図15】開示される実施形態の態様による駆動モータの一部の概略図である。
【
図16A】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のステータ構成の概略図である。
【
図16B】開示される実施形態の態様による駆動モータ用のステータ構成の概略図である。
【
図17A】開示される実施形態の態様によるロボットアームの概略図である。
【
図17B】開示される実施形態の態様によるロボットアームの延伸順序の概略図である。
【
図18A】開示される実施形態の態様によるロボットアームの概略図である。
【
図18B】開示される実施形態の態様によるロボットアームの延伸順序の概略図である。
【
図19A】開示される実施形態の態様によるロボットアームの概略図である。
【
図19B】開示される実施形態の態様によるロボットアームの延伸順序の概略図である。
【
図19C】開示される実施形態の態様によるロボットアームの概略図である。
【
図19D】開示される実施形態の態様によるロボットアームの延伸順序の概略図である。
【
図19E】開示される実施形態の態様によるロボットアームの概略図である。
【
図19F】開示される実施形態の態様によるロボットアームの延伸順序の概略図である。
【
図20A】開示される実施形態の態様による、密封位置フィードバックシステムを備える代表的な駆動セクションの部分断面図である。
【
図20B】開示される実施形態の態様による、明瞭さのために部品を省いた、駆動セクションおよびフィードバックシステムの部分傾斜断面図である。
【
図20C】開示される実施形態の態様による、位置フィードバックシステムの構成要素の上面斜視図である。
【
図20D】開示される実施形態の態様による、位置フィードバックシステムの概略立面図である。
【
図20E】さらなる特徴部を図示する傾斜断面図である。
【
図20F】さらなる特徴部を図示する拡大部分断面図である。
【
図20G】開示される実施形態の態様による駆動セクションの概略図である。
【
図20H】開示される実施形態の態様による駆動セクションの概略図である。
【
図20I】開示される実施形態の態様による駆動セクションの概略図である。
【
図20J】開示される実施形態の態様による駆動セクションの概略図である。
【
図20K】開示される実施形態の態様による駆動セクションの概略図である。
【
図21A】開示される実施形態の態様による、位置フィードバックシステムの感知要素の概略図である。
【
図21B】開示される実施形態の態様による、位置フィードバックシステムの感知要素の概略図である。
【
図21C】開示される実施形態の態様による、感知要素により読み取られる複数の帯域を有し、増分位置フィードバックおよびオンデマンドの絶対位置フィードバックを提供できる、位置フィードバックのエンコーダトラックの一部の部分平面図である。
【
図21D】開示される実施形態の態様による、増分位置フィードバックおよびオンデマンドの絶対位置フィードバックを図示する図である。
【
図21E】開示される実施形態の態様による、感知要素により読み取られる複数の帯域を有し、増分位置フィードバックおよびオンデマンドの絶対位置フィードバックを提供できる、位置フィードバックのエンコーダトラックの一部の拡大平面図である。
【
図22A】開示される実施形態の態様による位置フィードバックシステムの概略図である。
【
図22B】開示される実施形態の態様による位置フィードバックシステムの概略図である。
【
図23A】開示される実施形態の態様による位置フィードバックシステムの概略図である。
【
図23B】開示される実施形態の態様によるセンサ出力のチャートである。
【
図24A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図24B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図25A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図25B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図25C】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図26A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図26B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図27A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図27B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28C】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28D】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28E】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28F】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28G】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28H】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図28I】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図29A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図29B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図29C】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図30A】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図30B】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図31】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図32】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図33】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図34】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図35】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図36】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【
図37】開示される実施形態の態様による駆動モータの部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1A~1Dを参照すると、本明細書においてさらに開示されるような、開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置またはツールの概略図が示されている。開示される実施形態の態様は、図面を参照して説明されるが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切なサイズ、形状、または種類の、要素または材料が使用され得る。
【0012】
図1Aおよび1Bを参照すると、たとえば、半導体ツールステーション11090などの処理装置が、開示される実施形態の態様に応じて示される。図中に半導体ツールが示されるが、本明細書で説明される、開示される実施形態の態様は、ロボットマニピュレータを使用する、いずれのツールステーションまたは応用例にも適用可能である。この例において、ツール11090はクラスターツールとして示されるが、開示される実施形態の態様は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月19日に発行された、「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題された、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたような、
図1Cおよび1Dに示されるもののような線形ツールステーションなどの、任意のツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション11090は、一般的に、大気フロントエンド11000、真空ロードロック11010、および真空バックエンド11020を含む。他の態様では、ツールステーションは任意の適切な構成を有してもよい。フロントエンド11000、ロードロック11010、バックエンド11020のそれぞれの構成要素は、たとえば、クラスタ化されたアーキテクチャ制御などの、任意の適切な制御アーキテクチャの一部であってもよい制御装置11091に接続されてもよい。制御システムは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された、「Scalable Motion Control System」と題された、米国特許第7,904,182号明細書に記載されたもののような、主制御装置、クラスタ制御装置および自律型遠隔制御装置を有する閉ループ制御装置であってもよい。他の態様では、任意の適切な制御装置および/または制御システムが利用されてもよい。
【0013】
ある態様では、フロントエンド11000は、一般的に、ロードポートモジュール11005、および、たとえばイクイップメントフロントエンドモジュール(equipment front end module)(EFEM)などのミニエンバイロメント11060を含む。ロードポートモジュール11005は、300mmロードポート、前開き型または底開き型ボックス/ポッドおよびカセットのためのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9に適合したボックスオープナー/ローダーツール標準(BOLTS)インターフェースであってもよい。他の態様では、ロードポートモジュールは、200mmウェハインターフェースとして、または、たとえば、大型もしくは小型のウェハもしくは平面パネルディスプレイ用の平面パネルなどの、他の任意の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。
図1Aに2つのロードポートモジュールが示されるが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールがフロントエンド11000に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール11005は、オーバーヘッド型搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、レール型搬送車、または他の任意の適切な搬送手段から、基板キャリアまたはカセット11050を受容するように構成されていてもよい。ロードポートモジュール11005は、ロードポート11040を通じて、ミニエンバイロメント11060と接続してもよい。ロードポート11040は、基板カセット11050とミニエンバイロメント11060との間で、基板の通過を可能にしてもよい。ミニエンバイロメント11060は、一般的に、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を組み込んでもよい、任意の適切な移送ロボット11013を含む。ある態様では、ロボット11013は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,002,840号明細書に記載されたもののような、走路搭載型ロボットであってもよい。ミニエンバイロメント11060は、複数のロードポートモジュール間での基板移送のための、制御されたクリーンゾーンを提供してもよい。
【0014】
真空ロードロック11010は、ミニエンバイロメント11060とバックエンド11020との間に位置して、ミニエンバイロメント11060とバックエンド11020とに接続されてもよい。本明細書において使用される真空という用語は、基板が処理される、10-5Torr以下のような高真空を意味してもよい。ロードロック11010は、一般的に、大気および真空スロットバルブを含む。スロットバルブは、大気フロントエンドから基板を搭載した後に、ロードロック内を排気するために使用され、および、窒素などの不活性ガスを用いてロック内に通気するときに、搬送チャンバ内の真空を維持するために使用される環境隔離を提供する。ロードロック11010は、基板の基準を、処理に望ましい位置に揃えるためのアライナ11011を含んでいてもよい。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に設置されていてもよく、任意の適切な構成を有していてもよい。
【0015】
真空バックエンド11020は、一般的に、搬送チャンバ11025、1つまたは複数の処理ステーション11030、および、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでいてもよい任意の適切な移送ロボット11014を含む。移送ロボット11014は、以下において説明されるが、ロードロック11010と様々な処理ステーション11030との間で基板を搬送するために、搬送チャンバ11025内に位置していてもよい。処理ステーション11030は、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対して動作してもよい。典型的な処理は、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチング処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、測定、急速熱処理(RTP)、乾燥細片原子層成膜(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィ、エピタキシ(EPI)、ワイヤボンダ、および蒸発などの、真空を使用する薄膜処理、または他の真空圧を使用する薄膜処理を含む。搬送チャンバ11025から処理ステーション11030に、またはその逆に、基板を通過させることを可能にするために、処理ステーション11030は、搬送チャンバ11025に接続される。
【0016】
次に
図1Cを参照すると、ツールインターフェースセクション2012が、概して搬送チャンバ3018の長手方向軸Xに(例えば内向きに)向くが、搬送チャンバ3018の長手方向軸Xからずれるように、ツールインターフェースセクション2012が、搬送チャンバモジュール3018に取り付けられている線形基板処理システム2010の概略平面図が示される。搬送チャンバモジュール3018は、すでに参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたように、他の搬送チャンバモジュール3018A、3018I、3018Jを、インターフェースセクション2050、2060、2070に取り付けることによって、任意の適切な方向に延長されてもよい。各搬送チャンバモジュール3018、3019A、3018I、3018Jは、基板を、処理システム2010の全体に亘って、および、たとえば処理モジュールPMの内外へ搬送するために、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい任意の適切な基板搬送部2080を含んでいる。理解できるように、各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。
【0017】
図1Dを参照すると、線形搬送チャンバ416の長手方向軸Xに沿った、例示的な処理ツール410の概略的な立面図が示される。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、ツールインターフェースセクション12は、典型的に、搬送チャンバ416に接続されてもよい。この態様では、インターフェースセクション12は、ツール搬送チャンバ416の一方の端部を画定してもよい。
図1Dに見られるように、搬送チャンバ416は、たとえば、接続ステーション12から反対の端部に、別のワークピース進入/退出ステーション412を有していてもよい。他の態様では、搬送チャンバからワークピースを挿入/除去するための他の進入/退出ステーションが設けられてもよい。ある態様では、インターフェースセクション12および進入/退出ステーション412は、ツールからのワークピースの搭載および取出しを可能にしてもよい。他の態様では、ワークピースは、一方の端部からツールに搭載され、他方の端部から取り除かれてもよい。ある態様では、搬送チャンバ416は、1つまたは複数の搬送チャンバモジュール18B、18iを有していてもよい。各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。既に述べられたように、
図1Dに示される、搬送チャンバ416を形成する、搬送チャンバモジュール18B、18i、ロードロックモジュール56A、56B、およびワークピースステーションの構成/配置は例示的なものに過ぎず、他の態様では、搬送チャンバは、任意の望ましいモジュール配置で配置される、より多くのまたはより少ないモジュールを有してもよい。示された態様では、ステーション412はロードロックであってもよい。他の態様では、ロードロックモジュールは、(ステーション412に類似の)端部進入/退出ステーションの間に位置してもよく、または隣の(モジュール18iに類似の)搬送チャンバモジュールは、ロードロックとして動作するように構成されてもよい。既に述べられたように、搬送チャンバモジュール18B、18iは、搬送チャンバモジュール18B、18iに位置し、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい、1つまたは複数の、対応する搬送装置26B、26iを有してもよい。それぞれの搬送チャンバモジュール18B、18iの搬送装置26B、26iは、搬送チャンバ内に線形に分散されたワークピース搬送システム420を提供するために連携してもよい。この態様では、搬送装置26Bは、一般的なスカラ(SCARA)アーム(水平多関節ロボットアーム)構成を有してもよい(しかし他の態様では、搬送アームは、フロッグレッグ型の構成、伸縮型の構成、左右対称型の構成などの他の任意の望ましい配置を有してもよい)。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、以下においてより詳細に説明されるように、搬送装置26Bのアームは、ピック/プレース場所から素早くウェハを交換する搬送を可能にする、いわゆる迅速交換配置(fast swap arrangement)を提供するように配置されてもよい。搬送アーム26Bは、各アームに任意の適切な自由度(たとえば、Z軸運動で、肩および肘関節部の周りの独立した回転)を提供するために、以下に説明されるような、適切な駆動部を有していてもよい。
図1Dに見られるように、この態様では、モジュール56A、56、30iは、搬送チャンバモジュール18Bと18iとの間に介在して位置してもよく、適切な処理モジュール、1つまたは複数のロードロック、1つまたは複数のバッファステーション、1つまたは複数の測定ステーション、または他の任意の望ましい1つまたは複数のステーションを画定してもよい。たとえば、ロードロック56A、56、およびワークピースステーション30iなどの中間モジュールはそれぞれ、搬送チャンバの線形軸Xに沿った搬送チャンバの全長に亘って、ワークピースの搬送を可能にするために搬送アームと連携する静止型ワークピース支持部/棚56S、56S1、56S2、30S1、30S2を有してもよい。例として、1つまたは複数のワークピースが、インターフェースセクション12によって、搬送チャンバ416に搭載されてもよい。1つまたは複数のワークピースは、インターフェースセクションの搬送アーム15を用いて、ロードロックモジュール56Aの1つまたは複数の支持部上に位置付けられてもよい。ロードロックモジュール56A内で、1つまたは複数のワークピースは、モジュール18B内の搬送アーム26Bによって、ロードロックモジュール56Aとロードロックモジュール56との間で移動させられてもよく、同様の連続的な方法で、(モジュール18i内の)アーム26iを用いて、ロードロック56とワークピースステーション30iとの間で、モジュール18i内のアーム26iを用いて、ステーション30iとステーション412との間で移動させられてもよい。1つまたは複数のワークピースを反対の方向に移動させるために、この処理は全体的に、または部分的に逆行されてもよい。したがって、ある態様では、ワークピースは、軸Xに沿って任意の方向に、および搬送チャンバに沿って任意の位置に移動させられてもよく、搬送チャンバと連通している、望ましいモジュール(処理モジュール、あるいは別のモジュール)に、または望ましいモジュールから、搭載または取り出されてもよい。他の態様では、静止型ワークピース支持部または棚を有する中間搬送チャンバモジュールは、搬送チャンバモジュール18Bと18iの間には設けられない。そのような態様では、隣接する搬送チャンバモジュールの搬送アームは、搬送チャンバを通してワークピースを移動させるために、ワークピースを、1つの搬送アームのエンドエフェクタから直接、別の搬送アームのエンドエフェクタへ受け渡してもよい。処理ステーションモジュールは、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対し動作してもよい。基板が、搬送チャンバから処理ステーションに、またはその逆に、通過することを可能にするように、処理ステーションモジュールは、搬送チャンバモジュールに接続される。
図1Dに示された処理装置と類似の一般的特徴を有する処理ツールの適切な例は、既に参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されている。
【0018】
図1Eは、開示される実施形態の態様による基板搬送装置100を示す。本明細書に記載される開示される実施形態の態様は、ロータおよび位置フィードバックの移動部分がそれらの静止した電気的対応物(例えば、読取りヘッドおよびステータ)から隔離される、真空(例えば、10
-5Torr以下であり得る高真空や、他の任意の適切な真空など)および/または大気のロボットに適用するために用いることができることに留意する。一般に、開示される実施形態の態様は、任意の適切なロボットアームを動作させるための1つまたは複数のスイッチトリラクタンスモータを含む。ロボット駆動部の移動部分は、真空環境または大気圧環境などの制御環境であってもよい、密封されるか、あるいは隔離される環境内に位置してもよい。任意の適切な材料で作られた非磁性の分離または隔離壁(以下により詳細に記載する)は、駆動部の移動部分(例えば、ロータおよびフィードバックの移動部分)と駆動部の静止部分(例えば、ステータおよび位置センサの読取りヘッド)との間に配置されてもよい。しかしながら、従来の隔離壁とは違って、以下に記載される隔離壁は、隔離壁の厚さに実質的に制限されないか、または隔離壁の厚さから実質的に独立した、ステータとロータとの間の最小化されたエアギャップを提供し得る。
【0019】
理解され得るように、電気的部品および/または永久磁石は、隔離環境内に位置しなくてもよい。隔離環境内に位置する駆動部の要素は、突極(磁石でない)を備える1つまたは複数の強磁性ロータと、1つまたは複数の強磁性の位置フィードバックスケールまたはトラック(磁石でない)と、支持軸受を備えるか、またはセルフベアリングモータが設けられる別の態様においては支持軸受を備えない、1つまたは複数の駆動シャフトとを含んでもよい。ロータ、位置フィードバックスケールまたはトラック、および駆動シャフトは、互いに対して堅固に取り付けられてもよく、軸受を用いるか、または実質的に接触を用いない(例えば、セルフベアリングモータ)など、任意の適切な方法で、隔離環境内で支持されてもよい。駆動部アセンブリの1つまたは複数の駆動シャフトは、ロボットアームのダイレクトドライブ能力を提供するために、ロボットアームのそれぞれの連結部に任意の適切な方法で接続されてもよい。
【0020】
ステータおよび位置センサの読取りヘッドは、隔離環境外部に位置してもよい。読取りヘッドは、例えば磁気トランスデューサなどの、任意の適切な種類のセンサであってもよい。一態様において読取りヘッドは、磁界源を提供でき、また、読取りヘッドと隔離環境内に配置される強磁性スケールまたはトラックとの間に流れる磁束の感知を提供し得る。一態様において、本明細書に記載される位置フィードバックの読取りヘッドおよびトラックは、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、「Position Sensor System」と題され2010年11月16日に発行された米国特許第7,834,618号明細書に記載のものと実質的に同様な可変リラクタンス回路を含んでもよい。別の態様において、位置フィードバック装置は、光学的、容量的、誘導的などの任意の適切な種類の位置フィードバック装置であってもよいし、他の種類の位置エンコード装置であってもよい。
【0021】
駆動部アセンブリの1つまたは複数のステータは、そのそれぞれの相を適切な順序および相電流で励磁することによって磁界をもたらしてもよく、その相電流の大きさは、一態様においては制御装置11091と同様であってもよいし制御装置11091内に組み込まれてもよい制御装置190などの、任意の適切な制御装置によって特定される所望のトルク量を生じさせる。理解され得るように、リラクタンスモータは、3相構成の場合などに非線形性およびトルクリップルを示し得る。制御装置190は、本明細書に記載されるロボット駆動部の動作中の非線形性およびトルクリップルを考慮するように構成されてもよい。
図1Fを参照すると、制御装置190の制御構造は、例えば直列方式で配置される動作制御モジュール190A、整流アルゴリズムモジュール190Bおよび電流制御モジュール190Cを含んでもよい。別の態様において制御装置190は、任意の適切な方法で配置される任意の適切な計算/制御モジュールを含んでもよい。動作制御モジュール190Aは、ロボットモータに命令された位置θ
cmdiおよびエンコーダ177(本明細書に記載される読取りヘッドおよびトラックを含んでもよい)の1つまたは複数から得られたロボットモータの実際の位置θ
iから、またはそれらの位置に基づき、ロボットモータに対して命令されるトルクT
cmdi(iは1、2、…M、Mはロボット駆動部の動作軸の合計数)を決定するように構成されてもよい。
【0022】
整流アルゴリズムモジュール190Bは、ロボットモータのそれぞれに対して命令されるトルクT
cmdiから、または命令されるトルクT
cmdiに基づき、各モータに対して命令される相電流i
cmdj(jは1、2…、N、Nは各モータの相の合計数)を計算するように構成されてもよい。例示のみを目的として、単一のモータ177Mが
図1Fに示されているが、別の態様においては、任意の適切な数のモータが用いられてもよい。整流アルゴリズムモジュール190Bは、数式1のトルク‐相‐位置の関係の逆数から、またはその逆数に基づき、命令されるトルクT
cmdiおよびモータの実際の位置θ
iの関数として、命令される相電流i
cmdjを決定するように構成されてもよい。理解され得るように、一態様においては、命令される相電流
cmdjを決定するためにルックアップテーブルが用いられてもよい。
【数1】
【0023】
電流制御装置190Cは、命令されたicmdjの値を厳密に守る相電流ijを生成するために、モータ相ujに対する電圧を計算するように構成されてもよい。制御装置190の電流制御セクションの性能を向上させるために、モデル方式または他の任意の適切な方式が用いられてもよい。
【0024】
再び
図1Eを参照すると、基板搬送装置100は、例えば、リラクタンスに基づく作動(例えば、可変/スイッチトリラクタンスモータ)およびリラクタンスに基づく感知(例えば、位置フィードバック)を備えるダイレクトドライブモータ構成を含んでもよい。別の態様においては、任意の適切なアクチュエータおよびセンサが用いられてもよい。スイッチトリラクタンスモータは、ロボット駆動部のロータから、磁石および接着結合部の存在を実質的に取り除くか、あるいは減少させ得る。米国特許第7,834,618号明細書(開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものと実質的に同様であってもよい、リラクタンスに基づく位置フィードバックは、以下にさらに詳細に記載されるように、センサの読取りヘッドが真空ならびに/または活動的および腐食性環境に露出されないように、例えばモータの隔離壁を通して、非進入型の方法でロータの位置を感知することを提供してもよい。上述のように、基板搬送装置100ならびに本明細書に記載される他の搬送装置は、例えばダイレクトドライブの基板搬送に適用するための滑らかな(例えば、ジャークなしの)動作を達成するために、スイッチトリラクタンスモータのトルクリップルを軽減するように構成される制御装置190を含んでもよい。本明細書に記載されるモータおよび位置感知の構成は、本明細書に記載されるように一緒に用いられてもよいし、および/または、他の任意の適切な作動または位置感知技術と組み合わせて、独立して用いられてもよい。
【0025】
本明細書に記載される、リラクタンスに基づく作動および位置感知の構成は、1つまたは複数の動作軸(例えば、自由度)を備える任意の適切なロボット駆動部のアーキテクチャにおいて用いられてもよい。単一またはデュアルのエンドエフェクタロボットアームを駆動させるのに適切な、1軸および2軸のロボット駆動部構成(例えば、平面/パンケーキ駆動部構成、積み重ね駆動部構成、軸受のない駆動部構成および一体型の駆動部/ポンプ構成を含むが、これらに限定されない)が、例示目的のために本明細書に記載されているが、本明細書に記載される本発明の態様は、任意の適切な数のロボットアームを駆動させるために任意の所望の数の動作軸を有する、任意の適切な基板搬送駆動部に適用可能であることが理解されるべきである。
【0026】
一態様において基板搬送装置100は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年8月30日に発行された、「Substrate Processing Apparatus with Motors Integral to Chamber Walls」と題された、米国特許第8,008,884号明細書、および2012年10月9日に発行された、「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された、米国特許第8,283,813号明細書に記載されたものと実質的に同様の方法で、低輪郭平面状、または「パンケーキ」型ロボット駆動部構成を有して示されている。例えば、比較的大きいロータの直径、および比較的高いトルクの性能のため、パンケーキ型駆動部構造は、高/重荷重における適用のためのハーモニックドライブ(登録商標)ロボットに、ダイレクトドライブ式の代替案を提供してもよい。他の態様では、任意の適切なハーモニックドライブ(登録商標)が、1つまたは複数のロボットアームを駆動するために、本明細書において説明されるモータの出力に結合されてもよい。パンケーキ型駆動構成はまた、真空ポンプの入口を収容し得る、および/またはロボット駆動部の周りに限られた空間を有する小型真空チャンバ内、またはロボット駆動部が少なくとも部分的に内部に配置された、他の任意の適切なチャンバ内など、ロボット駆動内で、真空ポンプ構成の部分的または完全な一体化を支持する、中空型中央駆動部を可能にする。
【0027】
基板搬送装置100は、1つまたは複数のステータおよび対応するロータ(この態様においては、外側ロータ101および内側ロータ102を含む)を有するリラクタンス駆動部100Dを含んでもよい。ロータ101、102は、本明細書に記載されるリラクタンスモータの原理に基づき、筐体または隔離壁103(以下により詳細に記載する)を通してそのそれぞれのステータにより作動されてもよい。
【0028】
一態様において、開示される実施形態の態様によるロータ166の上面図および側面断面図を示す
図1Gおよび1Hを参照すると、ロータ166は積層ロータであってもよい。ロータ166は、本明細書に記載されるロータと実質的に同様であってもよく、交互に積み重ねられた、強磁性材料の層167と、非導電性の層168との積層体のセットを含んでもよく、この積層体は、この例においては、ロータの回転軸に沿って積み重ねられ(例えば、積層体が回転軸から径方向に延びるように)、磁束が積層体に沿って流れる、径方向積層ロータを形成する。別の態様において積層体は、軸方向積層ロータの上面図を示す
図1Kに示されるように、回転軸に沿って配置されるなど、任意の適切な方法で配置されて、軸方向積層ロータを形成してもよい。ここで、径方向積層ロータに関して後述するものと実質的に同様の方法で、軸方向積層ロータも、交互に配置される強磁性の層167’および非導電性の層168’を有してもよい。軸方向配置積層体は、径方向積層ロータ166に関して後述するものと実質的に同様の方法で、任意の適切な位置合わせ機構171および任意の適切な締め具172を用いるなど、任意の適切な方法でハブまたは駆動シャフト169’と位置合わせされ、ハブまたは駆動シャフト169’に取り付けられてもよい。このように、本明細書に記載される開示される実施形態の態様は、軸方向磁束機械および/または径方向磁束機械に適用され得る。材料の各層は、例えば、約0.014インチ~約0.025インチまたは約0.35mm~約0.65mmなど、任意の適切な厚さを有していてもよい。別の態様において各積層体の厚さは、上述の厚さのおおよその範囲よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。理解され得るように、(磁界が流れる)材料の各層が薄いほど、スイッチトリラクタンスモータに対する渦電流の影響は少ない。強磁性材料は、例えば、300シリーズまたは400シリーズのステンレス鋼などの任意の適切な材料の、型打ちされた(または任意の適切な方法で形成された)シートであり得る。非導電性の層は、電気絶縁の真空適合したエポキシおよび/もしくは真空適合した薄いシート、または、これらに限定されないがガラス、セラミック、Teflon(登録商標)およびポリエステルフィルムテープを含む他の材料などの任意の適切な材料から形成されてもよい。積み重ねられた積層体167、168は、例えばハブ169に取り付けられる位置合わせ機構171を用いるなど、任意の適切な方法で、組み立てのために位置合わせされてもよい。一態様において位置合わせ機構171は、ピンのセットを含んでいてもよく、ハブ169は、ロータが駆動シャフトに略直接的に取り付けられるように、本明細書に記載される駆動シャフトなどの駆動シャフトの一部であるか、または駆動シャフトを形成してもよい。積み重ねられた積層体167、168は、クランプ機構172を用いるなど、任意の適切な方法でクランプされるか、あるいは一緒に保持されてもよい。一態様においてクランプ機構は、位置合わせ機構171上に取り付けられるように構成されるナットであってもよい。別の態様において、位置合わせ機構は取り除かれてもよく、ロータが取り付けられるハブまたは駆動シャフトと接続するために積層体を通過するボルトなどのクランプ機構によって置換されてもよい。さらに別の態様において、積み重ねられた積層体は、外付けの固定具を用いて位置合わせされてもよいし、および/または、真空適合した結合剤または他の適切な結合剤を用いて一緒に結合されてもよい。
図1Iおよび1Jも参照すると、別の態様において積み重ねられた積層体167、168は、積層体が例えば、真空環境、腐食性環境、またはロボット駆動部により駆動されるロボットアームが動作する他の環境から隔離または密封されるような方法で、例えば真空適合した結合剤など、任意の適切な材料の外側シェル174によって完全に埋め込まれてもよい(例えば、全ての側面が完全に囲繞され、密封されてもよい)。ロータが絶縁ロータである場合、強磁性の層167は、例えば、任意の適切な電気絶縁材料(積み重ねられた積層体167、168を埋め込む材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい)により分離されたケイ素鋼など、任意の適切な材料により構成されてもよい。
【0029】
別の態様において、理解され得るように、ダイレクトドライブの応用において切り替え頻度は比較的低くでき、これにより、例えば渦電流による過剰な損失レベルを実質的に伴うことなく、中実の(solid)ステータを使用することが可能となり得る。
図1Lに示すように、ダイレクトドライブモータのステータ206’は、上述のロータの積層体と概して同様に構成および形成される積層体(例えば、交互に配置される強磁性の層167”および非導電性の層168”の積層体)を用いて積層されてもよい。積層体は、最適な電力および例えば渦電流による損失の最小化のために、説明されるトルク軸の力に対して位置付けされてもよい。理解され得るように、密封の境界または枠(例えば、密封環境を含む
図1Eに示される壁103)の外部にある積層されたステータの部分は、密封されずに外部の大気に露出されてもよい。したがって、一態様によれば、モータ駆動部は、中実または(全体もしくは部分的に)積層されたステータを介してスイッチトリラクタンスにより動かされる、積層されたロータまたは中実のロータを備えてもよい。
【0030】
駆動部100Dは、例えば半導体ウェハ、フラットパネルディスプレイ用のフラットパネル、ソーラパネル、レチクル、または他の任意の適切な積載物を搬送するように構成された、任意の適切なロボットアーム104を有してもよい。この態様では、ロボットアーム104は、(たとえば、伸長および収縮において連結された、対向するエンドエフェクタを有する)左右対称型ロボットアームとして図示されており、アッパーアーム104U1、104U1’のうちの一方が外側ロータ101に取り付けられ、他のアッパーアーム104U2、104U2”が内側ロータ102に取り付けられている。別の態様において、ロボットアームは、スカラ(SCARA)(水平多関節ロボットアーム)アーム、伸縮アームまたは他の任意の適切なアームであってもよい。アームの動作は、互いから独立してもよく(例えば、各アームの伸長/収縮が、他のアームから独立している)、ロストモーションスイッチ(以下に記載)を通して動作されてもよく、または、アームが少なくとも1つの共通駆動軸を共有するような、任意の適切な方法で、動作可能に連結されてもよい。例として、左右対称型アームのエンドエフェクタ104E1、104E2のいずれかの、径方向伸長移動は、実質的に同時に、外側ロータ101および内側ロータ102を反対の方向に、実質的に同じ速度で回転させることによって、実行され得る。アーム104の、一体となった回転は、外側ロータ101および内側ロータ102を、同じ方向に、実質的に同じ速度で回転させることによって、実行され得る。
【0031】
理解され得るように、隔離壁103は、例えば、アーム104が動作する雰囲気(例えば、真空または他の適切な制御雰囲気)を、周囲雰囲気(例えば、通常は実質的に大気圧である大気環境)から分離する。外側および内側ロータ101、102ならびにロボットアーム104は、例えば真空環境内に位置するが、モータの作動コイル(例えば、ステータ)および位置センサは、大気環境に位置することに留意する。駆動部100Dのリラクタンスモータ構成および/またはリラクタンスに基づくフィードバック位置センサは、開口、ビューポートまたはフィードスルー構成を有さない隔離壁103を提供してもよい。隔離壁103は、以下でさらに詳細に説明されるが、非強磁性材料、または作動および位置感知構成に関連する磁界が隔離壁103を通過するのを可能にする他の適切な材料から構成されてもよい。
【0032】
図2Aおよび2Bは、
図1Eの例示的なロボット駆動部の断面図を概略的に示す。一態様において、内側および外側ロータ101、102は、例えば、軸受け205などにより、任意の適切な方法でモータハウジングから吊持されてもよい。別の態様において、駆動部100Dは、ロータ101、102が任意の適切な方法で実質的に接触を伴わずに吊持されている、セルフベアリング駆動部であってもよい。推進コイルまたはステータ206および位置感知読取りヘッド207、208は、隔離壁103の、それぞれのロータ101、102とは反対側の異なる角度のセクター(例えば、大気環境)に位置してもよい。読取りヘッド207は、例えば、それぞれのロータ101、102の絶対位置の大まかな測定を提供するために、任意の適切な絶対スケールまたはトラック209と相互作用してもよい。読取りヘッド208は、それぞれのロータ101、102の高分解能位置を決定するために、増分スケールまたはトラック210と相互作用してもよい。トラック209、210は、トラック209、210が例えばそれぞれの読取りヘッド207、208を備える磁気回路を閉じるか、あるいは磁気回路に影響を及ぼすように、強磁性材料または他の適切な材料で作られてもよい。トラック209、210(絶対および増分)から得られた測定を組み合わせると、ロータ101、102に関する完全な高分解能の絶対位置が提供される。
【0033】
図3は、駆動部の構造を例示するための、
図1Eのロボット駆動部100Dの断面図の概略図である。理解され得るように、ステータ206、ロータ101、102、位置センサの読取りヘッド207、208およびトラック209、210は、
図2Aおよび2Bに関して上述したように配置されてもよい。別の態様において、ステータ、ロータおよび位置センサは、任意の適切な配置を有していてもよい。
図3に見られるように、ロータ101は、アッパーアーム104U1(
図1E)の1つが取り付けられ、支持される第1のシャフト、ポストまたは延伸部301を含む。ロータ102は、別のアッパーアーム104U2(
図1E)が取り付けられ、支持される第2のシャフト、ポストまたは延伸部302を含む。
図3Aに見られるように、2つのシャフト301、302および駆動モータの配置は、例えば、駆動部の中心に配置されるべき真空源370(または、アーム104が動作する移送チャンバの動作のための他の適切な周辺処理装置)の進入を可能にするために、および/または、ロボット駆動部内への真空ポンプ配置の部分的または完全な一体化を支持するために、駆動部100Dに中空の中心部を提供してもよい。2つのシャフト301、302は、1つの単位としてのアームの回転のために、および/または、上述のようなエンドエフェクタ104E1、104E2の延伸/後退のために、アーム104を支持してもよい。
【0034】
図4は、上述の駆動部100Dと実質的に同様のロボット駆動部100D’の断面図の概略図である。しかしながら、この態様において駆動部は、ロボット駆動部に含まれるモータの数に対応する任意の適切な数の駆動シャフトを含み得る、実質的に集中した(例えば、ステータ/ロータ構成内に実質的に同心円状に位置する)同軸駆動シャフトアセンブリ400を含む。この態様において、同軸駆動シャフトアセンブリ400は、軸受けによるなど、任意の適切な方法で支持される内側駆動シャフト402および外側駆動シャフト401を含む。別の態様においては、上述のように、駆動部は、駆動シャフトアセンブリ400が実質的に接触を伴わずに(例えば、ロータとの接続を介して)支持され得るようなセルフベアリング駆動部であってもよい。この態様において、外側駆動シャフト401は、駆動部材401Dによるなど、任意の適切な方法で外側ロータ101に接続されてもよく、一方で、内側駆動シャフト402は、駆動部材402Dによるなど、任意の適切な方法で内側ロータ102に接続されてもよい。理解され得るように、この駆動部の配置は、左右対称型ロボットアームアセンブリ、スカラ型ロボットアームアセンブリ、伸縮ロボットアームアセンブリ、ロストモーションスイッチを有するロボットアームアセンブリ、または、1つもしくは複数のロボットアームを含み、1つまたは複数のロボットアームの動作のために同軸駆動シャフト構成を利用する、他の任意の適切なロボットアームアセンブリの接続を容易にし得る。
【0035】
図5は、駆動部100Dと実質的に同様であってもよいロボット駆動部500の断面図の概略図であるが、この態様においてステータ206/ロータ101、102のペアは、上下に積み重ねられてもよい。この態様においては、
図5に見られるように、ロータ101は、アッパーアーム104U1(
図1E)の一方が取り付けられ、支持される第1のシャフト301’を含む。ロータ102は、他方のアッパーアーム104U2(
図1E)が取り付けられ、支持される第2のシャフト302’を含む。また、
図5Aに見られるように、2つのシャフト301’、302’および駆動モータの配置は、上述のものと実質的に同様の方法で、真空源370’(または、アーム104が動作する移送チャンバの動作のための他の適切な周辺処理装置)の進入を提供するために、および/または、ロボット駆動部内への真空ポンプ配置の部分的または完全な一体化を支持するために、駆動部の中空の中心部を提供してもよい。
【0036】
図6は、駆動部100D’と実質的に同様であってもよいロボット駆動部600の断面図の概略図であるが、この態様においてステータ206/ロータ101、102のペアは、上下に積み重ねられてもよい。この態様において、同軸駆動シャフトアセンブリ400’は、上述のように任意の適切な方法で支持される内側駆動シャフト402’および外側駆動シャフト401’を含む。外側駆動シャフト401’は、駆動部材401D’によるなど、任意の適切な方法で外側ロータ101に接続されてもよい一方で、内側駆動シャフト402’は、駆動部材402D’によるなど、任意の適切な方法で内側ロータ102に接続されてもよい。
【0037】
図7~15は、開示される実施形態の態様による付加的なモータ構成を示す。
図7を参照すると、単軸駆動部1590が示される。この態様において、移送チャンバ1500の一部は、隔離壁103または駆動部ハウジングの他の部分が移送チャンバ1500のハウジングと接続するように示され、このインターフェースは隔離インターフェース1520である。隔離インターフェースは、例えばOリングなど、環境を隔離するための任意の適切な密封インターフェースであってもよい。ここで単一の駆動シャフト1509は、ロータ1501に連結される。ステータ1506は、ステータ1506がロータ1501を実質的に取り囲むように、ロータ1501の外側に配置される。
図8も、
図7に示される駆動部1590と実質的に同様な単軸駆動部1690を示す。しかしながら、駆動部1690は、ロータ1601がステータ1606を実質的に取り囲むよう、ステータ1606がロータ1601の内側に置かれるように配置される。
【0038】
1つまたは複数のロボットアームにトルクを伝えるために、駆動部を垂直方向および/または径方向のいずれかに積み重ね、同軸駆動シャフト配置を利用することによって、付加的な駆動軸(例えば、自由度)が追加されてもよいことに留意する。ここで、ロータ、ステータおよび位置フィードバック読取りヘッドおよびトラックは、各動作軸に関して実質的に同一であってもよい。例えば、
図9を参照すると、上述の駆動部100D’と実質的に同様のパンケーキ型駆動部1790が、同軸駆動シャフト1509A、1509Bを有して示されている。
図9に見られるように、駆動部1790は、ステータ1506がそのそれぞれのロータ1501、1502を実質的に取り囲み、1つのモータが別の1つのモータを実質的に取り囲む(例えば、1つのモータは別の1つのモータの内部に入れ子状にされる)ように、各ステータ1506がそのそれぞれのロータ1501、1502の外側に置かれるように配置される。
図10は、駆動部1790と実質的に同様の駆動部1890を示すが、この態様においてステータ1506は、ロータ1501、1502がそのそれぞれのステータ1506を実質的に取り囲むように、それぞれのロータ1501、1502の内側に置かれる。
【0039】
理解され得るように、本明細書に記載されるロボット駆動部のいずれにも、Z軸駆動部が追加されてもよい。例えば、
図11は、駆動部1790を矢印1910の方向に(例えば、駆動ロータの回転軸に略平行な方向に)移動させるために駆動部1790に接続される任意の適切なZ軸駆動部1900を示す。駆動部1790のZ軸移動を導くためにレール1930などの任意の適切なガイドが設けられてもよい。Z軸駆動部は、例えば、ボールねじ駆動機構、線形磁性駆動部、シザー型リフトまたは駆動部1790を線形経路に沿って移動させることが可能な他の任意の適切な機構など、任意の適切な線形駆動機構1900Dを含んでいてもよい。駆動部と移送チャンバ1500とのハウジング間のインターフェースを密封するために、ステータハウジング(または隔離壁103)と駆動部ハウジングとの間のインターフェースに、ベローズなどの任意の適切な可撓性シール1940が設けられてもよい。
図12は、上述のものと実質的に同様の2軸駆動部2000が示されており、駆動モータは、上下に垂直方向に積み重ねられている。
図13は、Z軸駆動部1900を有する2軸駆動部2000を示す。ここでも、本明細書には単軸および2軸の駆動部が記載されているが、別の態様において駆動部は、任意の適切な数の駆動軸を有してもよいことに留意する。
図11および12に見られるように、垂直方向に積み重ねられたモータは、ステータ1506がそのそれぞれのロータ1501、1502の外側に置かれるように配置されている。
図14は、垂直方向に積み重ねられたモータ配置を有する駆動部2100を示し、ステータ1506は、ロータ1501、1502がそのそれぞれのステータ1506を実質的に取り囲むように、そのそれぞれのロータ1501、1502の内側に置かれる。
【0040】
別の態様において、位置フィードバック読取りヘッドおよびトラックは、読取りヘッドが駆動部ハウジングまたは隔離壁103に挿入可能であり、またそこから取り出し可能であるモジュールであるように構成されてもよい。例えば、
図15を参照すると、駆動部2000’が示されている。駆動部2000’は、上述の駆動部2000と実質的に同様であってもよい。しかしながら、トラック209’は、読取りヘッド207’が径方向(例えば、
図12に示す)ではなく上下からトラックと相互作用し得るように配置されてもよい。読取りヘッド207’は、隔離壁103または駆動部2000’のハウジングと密封接続してもよく、またそこから取り外し可能であってもよい、取り外し可能な読取りヘッド挿入部またはモジュール2110に配置されてもよい。モジュール2110と隔離壁103または駆動部ハウジングとの間のインターフェースには、任意の適切なシール部が設けられてもよい。別の態様において、モジュール2110またはセンサ/トラック隔離壁は、駆動部ハウジング内に機械加工されてもよい。この駆動部ハウジングは、別の駆動部ハウジングと積み重ねられることができ、Oリングなどの静的シール部が駆動部ハウジングの間に位置付けられる。一態様において、トラック209’は、増分トラックおよび絶対トラックの両方を含む組み合わせられたトラックであってもよい。読取りヘッド207’は、絶対トラックおよび増分トラックの両方が読取りヘッド207’により読み取られるように構成されてもよい。別の態様においては、増分トラックおよび絶対トラックのそれぞれを読み取るための1つまたは複数の読取りヘッドを有する1つまたは複数のモジュール2110に沿って、複数のトラックが設けられてもよい。さらに別の態様においては、取り外し可能な読取りヘッドモジュールおよび位置フィードバックトラックは、モジュールの読取りヘッドがトラックに対して径方向に配置される(
図12に示す)ように構成されてもよい。
【0041】
上述のように、一態様において、本明細書に記載されるスイッチトリラクタンスモータのロボット駆動部の配置は、セルフベアリング駆動部の一部であってもよいし、セルフベアリング駆動部を備えていてもよく、そのセルフベアリング駆動部では、能動的および受動的な磁力が、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2007年6月27日に出願された、「Reduced-Complexity Self-Bearing Brushless DC Motor」と題された、米国特許出願公開第11/769,651号明細書に記載されるように、機械的な軸受けに替わって、ロボット駆動部(およびロボットアーム)の回転部分を吊持する。一態様において、セルフベアリング駆動部は、専用のセンタリング/吊持巻線と組み合わせて、本明細書に記載されるスイッチトリラクタンスモータおよび感知構成を備えてもよい。別の態様において、スイッチトリラクタンスモータの巻線は、
図16Aおよび16Bに示されるような一体型のセルフベアリングモータを形成するために、分離して/独立して制御されるコイルセクションへと分割されてもよい。
【0042】
一態様においては、
図16Aに示されるように、ロボット駆動部700の各モータは、ロータ710の3つのセクターにわたって延びる3つの巻線セット720~722を含んでもよい。別の態様においては、ロータ710を駆動させるために、任意の適切な数の巻線セットが設けられてもよい。巻線セット720~722のそれぞれは、すでに参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第11/769,651号明細書に記載されるような任意の適切な方法で、任意の適切な制御装置190によって駆動されてもよい。ステータの巻線セット720~722は、略等しく分布されて(例えば、互いから約120度ずつオフセットされている)示されているが、他のオフセットも利用され得ることが理解されるべきである。別の態様においては、巻線セット720~722は、所望の軸周りで概して対称的であるが、ステータの周縁の周りに不均一に分布されている構成で配置されてもよい。
【0043】
別の態様においては、
図16Bに示されるように、ロボット駆動部701のモータ701は、それぞれ、2つの巻線サブセット730、733および731、732を有する(例えば、4つの区画のステータ巻線配置)2つの巻線セットAおよびBを有するステータを含んでいてもよい。各巻線セットにおける2つの巻線サブセットは、電気的に連結され、互いに対して、約90電気角度だけシフトさせられている。結果として、ペアの2つの巻線セットの1つが純粋な接線力を生成すると、ペアの他方の巻線セットは純粋な半径方向力を生成し、逆の場合も同様である。示される例示的な実施形態において、各巻線セットのそれぞれの区画は、約90°の角度で幾何学的に配置されてもよい。別の態様において、それぞれの巻線セットの巻線区画間の幾何学的な角度オフセットおよび電気角度オフセットは、互いに異なっていてもよい。巻線セットAおよびBのそれぞれは、すでに参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第11/769,651号明細書に記載されるように、任意の適切な制御装置190によって任意の適切な方法で駆動されてもよい。
【0044】
理解され得るように、一態様において揚力は、駆動部700、701の回転部分(例えば、ロータ710、ロボットアーム、位置フィードバックトラックなど)を垂直方向に吊持するために、および/または、例えば駆動部の駆動シャフト(すなわち、駆動シャフトに取り付けられるロボットアーム)のピッチ角およびロール角など、付加的な自由度を安定させるために提供されてもよく、一態様においては、専用の巻線によって提供されてもよく、また別の態様においては、例えば駆動システムの大気部分に位置付けられる永久磁石を用いて、磁気回路を通って受動的に提供されてもよい。
【0045】
上述のように、本明細書に記載される駆動部モータ配置には、任意の適切な数および種類のロボットアーム104(
図1E)が取り付けられてもよい。左右対称アーム104(
図1E)に加えて、パンケーキ型モータ配置または積み重ねられたモータ配置に用いられてもよい他のアーム構成の例としては、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2008年5月8日に出願された、「Substrate Transport Apparatus with Multiple Movable Arms Utilizing a Mechanical Switch Mechanism」と題された、米国特許出願公開第12/117,415号明細書に記載されるアーム構成が挙げられるが、これに限定されない。例えば、アームは、アッパーアーム、バンド駆動のフォアアームおよびバンドに拘束されるエンドエフェクタを含む、従来のスカラ型設計から、アッパーアームを除去することによって、得られてもよい。例えば
図17A~14Bに示されるような態様において、アッパーアームの構造的役割は、1つまたは複数のロータにより直接的に担われてもよい。
【0046】
図17Aおよび17Bを参照すると、リンク機構により駆動される単一のエンドエフェクタアームが示される。
図17Aの運動学的な図を参照すると、この態様においてアーム1000は、ロータ101、102(
図1Eも参照)など、独立して作動される同軸ロータのペアに装着され得る。アーム1000は、第1リンク機構1003、エンドエフェクタ1004および第2リンク機構1005を含んでもよい。第1リンク機構1003は、回転ジョイント1006を通してロータ101に連結されてもよい。エンドエフェクタ1004は、回転ジョイント1007を通して第1リンク機構1003に連結されてもよく、バンド構成1008により径方向に向くように制限されてもよい。第2リンク機構1005は、回転ジョイント1009および1010を通して、ロータ102およびエンドエフェクタ1004にそれぞれ連結されてもよい。アーム1000は、ロータ101および102を同一方向に均一に移動させることにより回転されてもよい。アームの径方向の延伸は、ロータ101および102を、反対方向へ同時に移動させることにより制御されてもよい。アーム1000の例示的な径方向の延伸移動は、例えば、米国特許出願公開第12/117,415号明細書(すでに参照により組み込まれている)に記載のものと実質的に同様の方法で実施でき、
図17Bに段階的な形式で示されている。
【0047】
次に
図18Aおよび18Bを参照すると、直線バンドにより駆動される単一のエンドエフェクタアーム1100が、開示される実施形態の態様にしたがって示されている。アーム1000と同様に、アーム1100は、独立して作動される同軸ロータ101および102(
図1Eも参照)のペアに装着される。この態様においてアーム1100は、リンク機構1103、エンドエフェクタ1104および直線バンド駆動部1105を含む。リンク機構1103は、回転ジョイント1106を通してロータ101に接続されてもよく、バンド駆動部1105を通してロータ102に連結されてもよい。エンドエフェクタ1104は、回転ジョイント1107を通して第1リンク機構1103に連結されてもよく、バンド構成1108により径方向に向くように制限されてもよい。この態様においてアーム1100は、ロータ101および102を同一方向に、等しい角度だけ移動させることにより回転され得る。アームの径方向の延伸は、ロータ101および102を、反対方向へ同時に(例えば、バンド駆動部1105が1:1のプーリ比を含む場合には、等しい量だけ、ただし任意の適切な比率が用いられ得る)移動させることにより制御され得る。アーム1100の例示的な径方向の延伸移動は、例えば、米国特許出願公開第12/117,415号明細書(すでに参照により組み込まれている)に記載のものと実質的に同様の方法で実施でき、
図18Bに段階的な形式で示されている。
【0048】
図19Aおよび19Bを参照すると、交差バンドにより駆動される単一のエンドエフェクタアーム1200が、開示される実施形態の態様にしたがって示されている。
図19Aに示されるように、アーム1200は、独立して作動される同軸ロータ101および102(
図1Eも参照)のペアに装着されてもよい。この態様においてアーム1200は、リンク機構1203、エンドエフェクタ1204および交差バンド駆動部1205を含む。リンク機構1203は、回転ジョイント1206を通してロータ101に取り付けられてもよく、交差バンド駆動部1205を通してロータ102に連結されてもよい。エンドエフェクタ1204は、回転ジョイント1207を通して第1リンク機構1203に連結されてもよく、バンド構成1208により径方向に向くように制限されてもよい。この態様においてアーム1200は、ロータ101および102を同一方向に、等しい角度だけ移動させることにより回転され得る。アームの径方向の延伸は、ロータ101および102を同時に、同一方向に異なる量だけ移動させることにより制御され得る。アーム1200の例示的な径方向の延伸移動は、例えば、米国特許出願公開第12/117,415号明細書(すでに参照により組み込まれている)に記載のものと実質的に同様の方法で実施でき、
図19Bに段階的な形式で示されている。
【0049】
開示される実施形態の態様において、
図19Cおよび19Dを参照すると、デュアルエンドエフェクタアームアセンブリ1300が示されている。アームアセンブリ1300は、独立して作動される同軸ロータ101および102(
図1Eも参照)のペアに装着されてもよい。左側のアームは、第1リンク機構1303L、エンドエフェクタ1304Lおよび第2リンク機構1305Lを含んでもよい。第1リンク機構1303Lは、回転ジョイント1306Lを通してロータ102に連結されてもよい。エンドエフェクタ1304Lは、回転ジョイント1307Lを通して第1リンク機構1303Lに連結されてもよく、バンド構成1308Lにより径方向に向くように制限されてもよい。第2リンク機構1305Lは、回転ジョイント1309Lおよび1310Lを通して、ロータ101および第1リンク機構1303Lにそれぞれ連結される。同様に、右側のアームは、第1リンク機構1303R、エンドエフェクタ1304Rおよび第2リンク機構1305Rを含む。第1リンク機構1303Rは、回転ジョイント1306Rを通してロータ102に連結されてもよい。エンドエフェクタ1304Rは、回転ジョイント1307Rを通して第1リンク機構1303Rに連結されてもよく、バンド構成1308Rにより径方向に向くように制限されてもよい。第2リンク機構1305Rは、回転ジョイント1309Rおよび1310Rを通して、ロータ101および第1リンク機構1303Rにそれぞれ連結されてもよい。アームの一方が径方向に延伸すると、他方のアームは、リンク機構がロストモーション機構を形成するように、その折り畳んだ構成近くまで、特定の揺動半径内で回転する。アームアセンブリ1300の例示的な径方向の延伸移動は、例えば、米国特許出願公開第12/117,415号明細書(すでに参照により組み込まれている)に記載のものと実質的に同様の方法で実施でき、
図19Dに段階的な形式で示されている。
【0050】
開示される実施形態の別の態様において、
図19Eおよび19Fに示されるアームアセンブリ1400は、アーム1300と実質的に同一の種類および数の部品を含む。しかしながら、アーム部品は、異なる幾何学的構成で配置され、実質的に異なる運動学的特徴のロストモーション機構をもたらす。
図19Eに示されるように、左側のアームは、第1リンク機構1403L、エンドエフェクタ1404Lおよび第2リンク機構1405Lを含む。第1リンク機構3Lは、回転ジョイント1406Lを通してロータ101に連結されてもよい。エンドエフェクタ1404Lは、回転ジョイント1407Lを通して第1リンク機構1403Lに連結されてもよく、バンド構成1408Lにより径方向に向くように制限されてもよい。第2リンク機構1405Lは、回転ジョイント1409Lおよび1410Lを通して、ロータ102および第1リンク機構1403Lにそれぞれ連結されてもよい。同様に、右側のアームは、第1リンク機構1403R、エンドエフェクタ1404Rおよび第2リンク機構1405Rを含む。第1リンク機構1403Rは、回転ジョイント1406Rを通してロータ101に連結されてもよい。エンドエフェクタ1404Rは、回転ジョイント1407Rを通して第1リンク機構1403Rに連結されてもよく、バンド構成1408Rにより径方向に向くように制限されてもよい。第2リンク機構1405Rは、回転ジョイント1409Rおよび1410Rを通して、ロータ102および第1リンク機構1403Rにそれぞれ連結されてもよい。アームの一方が径方向に延伸すると、他方のアームは、その折り畳んだ構成近くまで、特定の揺動半径内で回転する。アーム1400の例示的な径方向の延伸移動は、例えば、米国特許出願公開第12/117,415号明細書(すでに参照により組み込まれている)に記載のものと実質的に同様の方法で実施でき、
図19Fに段階的な形式で示されている。
【0051】
次に
図20Aを参照すると、搬送装置駆動部20200の一部の概略図が図示されている。搬送駆動部は、上述のもののような、任意の適切な、大気または真空ロボット搬送に使用され得る。駆動部は、その内部に少なくとも一部が配置された、少なくとも1つの駆動シャフト20201を有する駆動部ハウジング20200Hを含んでもよい。
図20Aには1つの駆動シャフトが図示されているが、他の態様では、駆動部は任意の適切な数の駆動シャフトを含んでもよい。駆動シャフト20201は、任意の適切な方法で、ハウジング20200H内で機械的に吊持または磁気的に吊持されてもよい。この態様では、駆動シャフトは、ハウジング内で、任意の適切な軸受20200Bを用いて吊持されているが、他の態様では、駆動シャフトは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2012年10月9日に発行された、「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された、米国特許第8,283,813号明細書に記載されたものに実質的に類似の方法で、磁気的に吊持されてもよい(たとえば、セルフベアリング駆動)。駆動部20200の各駆動シャフトは、各々がステータ20206Sおよびロータ20206Rを含む、それぞれのモータ20206によって駆動されてもよい。図中に示される例示的な実施形態は、本明細書において示され、説明されるように、様々な態様の特徴の説明を容易にする目的で図示されている、回転駆動構造と呼称され得るものを有している。理解できるように、回転駆動構造に関連して図示されている様々な態様の特徴は、リニア駆動構造にも等しく適用可能である。本明細書で説明される駆動モータは、永久磁石モータ、(対応するコイルユニットを備えた、少なくとも1つの突極と、少なくとも1つの、透磁性材料の突極を有する、少なくとも1つの、それぞれのロータと、を有する)可変リラクタンスモータ、または他の任意の適切な駆動モータであってもよいことに留意する。1つまたは複数のステータ20206Sは、少なくとも部分的にハウジング内に固定されてもよく、1つまたは複数のロータ20206Rは、任意の適切な方法で、それぞれの駆動シャフト20201に固定されてもよい。一態様では、隔離壁または障壁の使用によって、1つまたは複数のステータ206Sは、1つまたは複数のロボットアーム20208が動作する雰囲気から密封された(本明細書において、1つまたは複数のロボットアームが動作する環境は、「密封」環境と呼ばれ、真空または他の任意の適切な環境であってもよい)「外部」または「非密封」環境に配置されてもよく、一方で、1つまたは複数のロータ20206Rは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月13日に出願された、「SEALED ROBOT DRIVE」と題された、代理人整理番号390P014939‐US(‐#1)を有する米国仮特許に記載されたものと実質的に類似の方法で、密封環境内に配置される。本明細書で使用される、非強磁性の分離壁、密封仕切壁、または隔離壁(以下においてより詳細に説明される)という用語は、任意の適切な非強磁性材料製であり、ロボット駆動部および/またはセンサの移動部分と、対応する、ロボット駆動部および/またはセンサの静止部分との間に配置され得る壁のことをいう。
【0052】
ある態様では、駆動部20200のハウジング20200Hは、外面20200HEおよび内面20200HIを有する、実質的にドラム形状の構成(たとえば、ドラム構造)を有する。ある態様では、ハウジング20200Hは、単一の一体構造体であるが、一方では、他の態様において、ハウジング20200Hは、ハウジング20200Hのドラム構造を形成するように、任意の適切な方法で互いに締結された、2つ以上のフープ材を有する、一体式アセンブリである。ハウジングの内面20200HIは、可変リラクタンスモータ20206のステータ20206Sが位置する、ステータインターフェース面20200HSを含む。ステータインターフェース面20200HSは(したがって、およびハウジング20200Hは)、ステータ20206Sのために剛性および支持を提供するように構成される。理解できるように、ステータインターフェース面20200HSは(したがって、およびハウジング20200Hは)、ステータ20206Sおよびロータ20206Rの間の間隙を制御するように、ステータ20206S(および、ある態様では、ステータが、ロータが位置する真空環境から分離された、大気環境内に位置するように、ステータによって支持される隔離壁2403)を位置付ける基準面である。ハウジング20200Hは、ロータ20206Rが、ステータ20206Sに対する所定の位置に位置付けられるように、ロータ20206Rと接続し、ロータ20206Rを位置付けるロータインターフェース面20200HRも含む(たとえば、軸受20200Bが所定の位置で駆動シャフト20101/ロータ20206R上に位置付けられ、軸受20200Bがロータインターフェース面20200HRと接続する)。理解できるように、ロータ20206R(およびロータ20206Rに接続された駆動シャフト20201)およびステータ20206Sが、ハウジング20200Hによって形成される共通の基準に対して、および共通の基準面に依存して位置決めされるように、ステータインターフェース面20200HSは、ロータインターフェース面20200HRの(したがって、およびロータ20206R/駆動シャフト20201の)基準面である。ある態様では、ハウジング20200Hは、ハウジング20200H内に形成された制御基板用開口部またはスロットPCBSを含み、その中に、大気環境内で1つまたは複数の(以下において説明される、センサトラックまたはエンコーダトラック20202と相互作用するセンサ20203を含む、以下において説明されるPCB20310に類似の)プリント回路基板PCBは位置し、以下において説明されるものと類似の方法で、真空障壁によって(真空環境内に位置する)センサトラック20202から分離される。制御基板用開口部PCBSは、センサ20203を、ステータインターフェース面20200HS(たとえば、ハウジング20200Hの共通の基準面)に対する所定の位置に位置付ける、センサインターフェース面20200HTを含む。理解できるように、センサトラック20202は、ロータインターフェース面20200HRに対する所定の位置において位置するように、ロータ20206Rに接続される。そのようにして、センサインターフェース面20200HTおよびロータインターフェース面20200HRの、ステータインターフェース面20200HSとの相対的な配置は、ステータ20206S、ロータ20206R、センサ20203およびセンサトラック20202が共通の基準面に対して、および共通の基準面に依存して位置決めされる、センサ20203とセンサトラック20202との間の間隙を、配置および制御する。ある態様では、ハウジング20200Hは、任意の適切なスロットまたは開口部MLSを含み、駆動部20200に動力および制御信号を(および駆動部20200からフィードバック信号を)供給するために、任意の適切なコネクタCONが、そのスロットまたは開口部MLSを通過する。
【0053】
図20G~20Jは、例示目的のみのために、単一の駆動シャフト20201を有する駆動部を図示しているが、
図20Kを参照すると、他の態様では、駆動部は、対応する、任意の適切な数の駆動シャフトを有する、任意の適切な数のモータを含むことが理解されるべきである。たとえば、
図20Kは、積み重ね、またはインライン構造で配置された2つのモータ20206A、20206Bを有する駆動部20200”を図示している。ここでは、各モータ20206A、20206Bは、(上述のものに実質的に類似の)それぞれのハウジング20200Hを含み、同軸駆動用スピンドルを形成するために、モータ20206Bの駆動シャフト20201が、モータ20206Aの駆動シャフト20201Aの開口部を通って延びるように、ハウジングが、任意の適切な方法で、多モータ(たとえば多自由度)駆動部20200”を形成するために互いに接続されている。
【0054】
図20Bを参照すると、駆動部20200に実質的に類似の、搬送装置駆動部20200’が、2つの駆動シャフト20201、20210を備える、同軸駆動シャフト構造を有して図示されている。この態様では、駆動シャフト20201は(ステータ20206Sおよびロータ20206Rを有する)モータ20206によって駆動され、駆動シャフト20210は(ステータ20216Sおよびロータ20216Rを有する)モータ20216によって駆動される。ここでは、モータは積み重ね構造で(たとえば、一列に、上下に重なって、または前後になって配置されて)示されている。しかし、モータ20206、20216は、横並び、または同心円構成などの任意の適切な構成を有してもよいことが理解されるべきである。モータ構成の適切な例は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年8月30日に発行された、「Substrate Processing Apparatus with Motors Integral to Chamber Walls」と題された、米国特許第8,008,884号明細書、および2012年10月9日に発行された、「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された、米国特許第8,283,813号明細書に記載される。
【0055】
ふたたび
図20Aおよび20Bを、そして
図20Cを参照すると、各駆動シャフト20201は、位置測定標識、またはセンサ20203と相互作用する特徴部を備える、駆動シャフト20201に取り付けられた、センサトラックまたはエンコーダトラック20202も有してもよい。本明細書において説明されるセンサは、センサ20203の読取りヘッド部分(たとえばセンサの、感知部材が取り付けられる部分)が、駆動部ハウジングまたは隔離壁20204に挿入でき、また駆動部ハウジングまたは隔離壁20204から取外しされることが可能である、モジュールであるように構成されてもよい(隔離壁20204は、密封環境から駆動部ステータを密封する、共通の隔離壁であってもよいことに留意する)ことに留意する。位置信号を、(上述の制御装置11091に実質的に類似であってもよい)動作制御装置190などの任意の適切な制御装置に供給するために、センサ20203の感知要素または感知部材20203Hが、1つまたは複数の(以下において説明される)スケール20202Sを読み取るか、あるいはスケール20202Sの影響を受けることを可能にする、任意の適切な方法で、センサ20203は、少なくとも部分的に、ハウジング20200H内に固定されてもよい。ある態様では、センサ電子装置および/または磁石が外部環境に配置される一方で、センサトラックが密封環境に配置されるように、センサ20203の少なくとも一部が、外部環境に位置してもよく、以下においてより詳細に説明される隔離壁20204を用いて、密封環境から密封、もしくは隔離されてもよい。密封環境は、たとえば、真空環境または極端な温度の環境などの、過酷な環境条件のため、直接監視することが困難である。本明細書において説明される、開示される実施形態の態様は、密封環境内に、移動物体(たとえば、モータのロータ、モータに接続されたロボットアーム、または他の任意の適切な物体)の非侵入型位置測定を提供する。
【0056】
図20Dを参照すると、ある態様では、センサ20203は、エンコーダトラック20202の位置を検知するために、磁気回路の原理を利用してもよく、エンコーダトラックは、密封環境内に位置する少なくとも1つのエンコーダスケールを有する(たとえば、少なくとも1つのエンコーダスケールのそれぞれは、少なくとも1つのエンコーダスケールの別のもののピッチと異なり得る所定のピッチを有する)。
図20Dに図示されている磁気感知システムは、代表的に示され、以下において説明されるように、巨大磁気抵抗センサ(GMR)として、または(グラジオメータとも呼称される、いくつかの場所の間における勾配磁場の相違を感知する)差動式GMRとして構成されてもよい。センサは、少なくとも1つの磁気源または強磁気源20300、強磁性エンコーダトラック20202、および実質的に磁気源と強磁性トラックとの間に配置される、(各磁気源に対応する)少なくとも1つの磁気感知要素または磁気感知部材20203Hを含んでもよい。エンコーダトラックは、トラックの幅(たとえば、面上にエンコード特徴部を有するトラック面)が、トラック平面から直交方向に向かって変化する(たとえば上下に)、位置エンコード特徴部を有して、径方向外側に延びる平面において延在し得るように、構成されてもよい。他の態様では、トラックの幅は、(回転駆動装置の場合)径方向に、またはトラック平面から横方向に突出しているエンコード特徴部を用いて、駆動軸に平行である軸方向に配置されてもよい(たとえば、回転駆動構造において、トラック面は、駆動軸Tを包囲する環状または円筒状を形成する、たとえば
図20E、20Fのトラック20202S1’~S3’)。代替的には、トラックの幅は
図20Aに示すように、駆動軸に垂直な径方向に配置されてもよい。この態様では、少なくとも1つの磁気感知部材20203Hは、トラック20202と実質的に直接、相互作用する、実質的に平坦な(もしくは、垂れ下がる特徴部の無い)トラック相互作用部を有してもよいが、他の態様では、以下において説明されるように、少なくとも1つの磁気センサは、トラック上の、対応する特徴部と相互作用する強磁性特徴部を含む、強磁性部材に接続されてもよい。ある態様では、磁気源および少なくとも1つの感知部材20203Hは、プリント回路基板(PCB)20310に取り付けられてもよく、または、プリント回路基板上(PCB)20310上に一体成形されてもよく、プリント回路基板は(たとえば、各磁気源、および少なくとも1つの感知部材のそれぞれに共通である)共通の回路基板である。他の態様では、各磁気源および感知部材は、1つまたは複数の、それぞれのプリント回路基板に取り付けられてもよい。ある態様では、磁気源20300は、外部環境内に配置された、永久磁石であってもよい。他の態様では、磁気源20300は、磁界を生むために励磁されるように構成されたコイルなどの、任意の適切な磁気源であってもよい。ある態様では、磁気源によって発生された磁界(例示目的のために
図20Dに図示された力線)は、磁気源20300のN極N(たとえば、トラックの反対側を向く極、他の態様では、磁極は任意の適切な方向付けを有する)を出発し(または、励磁されたコイルの場合、コイル中の電流の流れによって決定される方向で出発し)、示されるように、PCB20310を横切り、(たとえば、感知部材20203Hとトラック20202との間の)間隙を超え、非強磁性隔離壁20204を通過して、強磁性トラック20202へと流れ、磁気源20300の反対の極Sに戻るように、伝搬してもよい。強磁性トラックが磁気源20300に対し移動すると、1つまたは複数の磁界プロファイルが発生する。磁界プロファイルは、正弦波または余弦波のうちの1つまたは複数の一般的な形状を有してもよい。感知部材20203Hは、強磁性トラックの動作(たとえば磁界プロファイル)と相互に関連する磁束への変化を感知するように構成される。
【0057】
ある態様では、1つまたは複数の感知部材20203Hは、1つまたは複数の場所の磁界を感知することが可能である、任意の適切な巨大磁気抵抗(GMR)感知要素/部材であってもよい。他の態様では、1つまたは複数の感知部材は、磁界を感知することが可能である、任意の適切な感知要素であってもよい。ある態様では、感知部材20203Hは、たとえば、強磁性トラック20202の相対(および/または絶対)位置に関連する、位相角を提供するために使用され得る、正弦波信号を生成するように構成されてもよい。
図21Aおよび21Bを参照すると、他の態様では、1つまたは複数の感知部材は、空間中の2つの場所の間の勾配磁場を感知するように構成された、差動式GMR感知部材(たとえばグラジオメータ)であってもよい。磁気感知システムは、上記のようなグラジオメータであってもよい。グラジオメータ構成において、各感知部材のアナログ出力信号は、空間中の2つの地点の間の磁場勾配に比例してもよい。
図21Aは、たとえば、差動エンコーダチャネルをもたらす、ホイートストンブリッジを形成するように構成され得る磁気抵抗素子MREを含む、代表的な、グラジオメータ感知部材20203H’を図示している。理解できるように、グラジオメータ感知部材上の、MRE’(たとえばR1~R4)の構成は、エンコーダトラックおよび磁気源上のエンコード特徴部に特有であってもよい。
図21Bは、2つの差動信号(たとえば正弦/余弦)およびより高分解能のエンコーダ信号を提供するように配置された磁気抵抗素子MREを含む、開示される実施形態の別の態様に従った、例示的なグラジオメータ感知部材20203H’’を図示している。差動正弦出力および差動余弦出力が感知部材20203H、20203H’、20203H’’のそれぞれから得られるように、トラックピッチP(
図20D)、および感知部材20203H、20203H’、20203H’’上の磁気抵抗素子MREの位置が合ってもよい。
【0058】
この態様においてプリント回路基板20310は、3つのスケール20202Sを有する強磁性トラック20202(例えば、
図20Cおよび21C参照)から位置信号を取得するために、3つの感知部材20503H1、20503H2、20503H3(それぞれが2つの差動信号を提供可能である)を含んでいてもよい。ある態様では、感知部材20503H1、20503H2、20503H3(および、本明細書において説明される他のセンサ)は、回路基板に移動不可能に取り付けられてもよい。他の態様では、感知部材(および、本明細書において説明される他のセンサ)は、感知部材が、それぞれのトラック20202およびスケール20202Sに対し調節されても良いように、回路基板に移動可能に取り付けられてもよい。
図20Cおよび21C~21Eを参照すると、ある態様では、スケール20202Sは、マスタースケール20202S1、ノギススケール20202S2、およびセグメントスケール20202S3を含む、3つのスケールからなるノギスパターン(nonius pattern)を表すが、他の態様では、強磁性トラックは、互いに対し任意の適切な位置関係を有する、任意の適切な数のスケールを含んでもよい。ここでは、各スケール202102Sは、強磁性特徴部20202SE(たとえばスロット、突出部、など)の、それぞれが等間隔であるパターン(たとえば、各スケールパターンが、それぞれのピッチP1、P2、P3を有してもよい)を含んでもよい。各スケール20202Sのために、たとえば正弦波および余弦波を実質的に模倣する、アナログ信号出力を提供するように構成された、専用の感知部材20503H1~20503H3があってもよい。ある態様では、感知部材20503H1~20503H3のうちの1つまたは複数が、感知部材20503H1~20503H3のうちの別の1つ、および/またはそれぞれのトラック20202S1~20202S3に対する、任意の適切な角度α1、α2で配置されてもよい。他の態様では、感知部材20503H1~20503H3は、互いに対する、および/または各トラック20202S1~20202S3に対する、任意の適切な位置関係を有してもよい。理解できるように、強磁性特徴部20202SEの各スケールの周期および数は、任意の適切なノギス内挿法(nonius interpolation approach)を用いてトラックの絶対位置を復号するために使用され得る、トラックの設計を可能にする。
【0059】
上述のように、
図22Aおよび22Bを参照すると、本明細書に記載される位置フィードバックシステムは、参照によりすでに本明細書に組み込まれている、米国特許第8,283,813号明細書に記載のものと実質的に同様のリラクタンスに基づく感知システムであってもよい。例えば、
図22Aは、リラクタンスに基づく感知システムの動作の例示的な原理を示す。
図22Aに見られるように、例えば大気環境に位置付けられる、読取りヘッド207などの読取りヘッド(本明細書に記載される他の読取りヘッドは、実質的に同様であってもよい)は、バッキング(backing)2209を通して接続される磁気源2205および感知要素2206を含んでもよい。磁気源2205は、隔離壁103を通って伝搬し、例えばトラック209を通して感知要素2206まで続く磁束2207を生成してもよい。磁気回路は、バッキング2209により閉じられてもよい。磁束2207の大きさは、磁気源2205と強磁性要素またはトラック209との間の距離2208の影響を受ける場合があり、感知要素2206により測定される。感知要素2206は、例えばホール効果原理、磁気抵抗原理、または磁束2207の大きさを感知するのに適切な他の任意の適切な原理に基づき動作し得る、1つまたは複数の磁束センサを含んでもよい。
【0060】
一態様において、1つまたは複数の読取りヘッドは、ロボット駆動部のロータの絶対位置および/またはロボット駆動部のロータの高分解能位置のおおまかな測定を提供するために、絶対および/または増分トラック209、210(例えば、
図2B参照)のそれぞれと相互作用するために利用されてもよい。
図22Bも参照すると、読取りヘッド208および増分トラック210が用いられる場所であればどこでも用いられてもよい増分感知システム2250が図示されている。この態様において増分感知システム2250は、上述の読取りヘッド207と実質的に同様であってもよい2つの読取りヘッド2211、2212を含む。別の態様においては、任意の適切な数の読取りヘッドが用いられてもよい。読取りヘッド2211、2212は、隔離壁103を通して増分トラック210と相互作用してもよい。増分トラック210は、各読取りヘッド2211、2212に対するトラック210の相対角位置の関数として、読取りヘッド2211、2212の磁気回路の段階的な開放および閉鎖をもたらすために、任意の適切なサイズおよび形状を有する、複数の周期的特徴2210を含んでもよい。一態様においてトラック210は、移動部品(ロータなど)内に実質的に直接組み込まれてもよく、あるいは別の態様においては、専用のエンコーダディスクとして任意の適切な方法で移動部品に固定されてもよい。読取りヘッド2211、2212により生じられた信号は、増分トラック210の周期的特徴2210の1つの周期に対応する距離内で、増分トラック210の位置を決定するために、位相シフトされてもよく、制御装置190などの任意の適切な制御装置によって任意の適切な方法で処理されてもよい。
【0061】
理解され得るように、例えば、リアルタイム(リアルタイムとは、ある事象からシステム応答までの操作の期限のことをいう)の増分位置測定能力に加えて、本明細書に記載される位置フィードバックシステムは、(制御装置190およびまたは他の適切な制御装置を含んでもよい)位置フィードバックシステムが、任意の適切な時点で読み取りヘッドと相互作用する増分トラックのセクターを固有に識別することを可能にする絶対的な位置検出のための、付加的な構成(読取りヘッド207およびトラック209を参照)を含んでもよい。この絶対的な位置検出は、位置測定の周期的な確認のためにロボット駆動部の起動時に用いられてもよいし、および/または、要求に応じてロボット駆動部の動作中に用いられてもよい。一態様において、
図23Aおよび23Bを参照すると、絶対トラック209は、各センサが絶対位置ワードの1ビットを表してもよい1つまたは複数の読取りヘッド207により検出される不均一なセクターのパターン(1つのセンサがある時点で状態を変更するような、グレイ系のパターンを含んでもよい)を含んでもよい。この態様において、
図23Aに示される絶対位置トラックは、5ビットの絶対位置分解能を提供し得るが、別の態様においては、5ビットよりも多いかまたは少ないビットを含む、任意の適切な位置分解能が提供され得る。トラック209が回転するときの、読取りヘッドの状態により形成される、対応する5ビットパターン(この例においては5つの読取りヘッドが存在するが、別の態様においては任意の適切な数の読取りヘッドが設けられてもよい)は、
図23Bに示される。
【0062】
上述のように、ロボット駆動部の移動部分が位置付けられる環境は、ロボット駆動部の静止部分が位置付けられる環境から隔離される。この隔離は、非磁性の隔離壁103または「キャンシール」の使用を介する。隔離壁の厚さに、例えば振れ公差を加えたものは、ロータとステータとの間で達成可能な最小限のエアギャップに制約を課すおそれがあることに留意する。また、モータの効率を向上させるためには、ロータとステータとの間のエアギャップは最小限にされるべきだが、ロータとステータとの間に隔離壁が用いられる(例えば、大気環境から真空環境を分離するためなど)場合、隔離壁の両側での圧力差は、隔離壁の最小限の厚さを課しうる。上述の隔離壁103は、ロボット駆動部のハウジング(例えば、ステータハウジング)内に一体化されるが、開示される実施形態の別の態様において、隔離壁2403(
図24Aおよび24B参照)は、ステータが隔離壁を構造的に支持するように、ステータ(例えば、駆動部ハウジングから分離している)と一体形成されるか、あるいは一体化されてもよいことに留意する。
【0063】
図24Aに見られるように、ステータ206は駆動コイル206Cを含み、例えば、任意の適切な方法でステータ/駆動部ハウジング2405に取り付けられる(例えば、大気環境または他の適切な環境で)。ステータ/駆動部ハウジングは、シール部材が組み立てのために所定の位置で保持されるように圧縮性のシール部材に対して係合および付勢するため、および駆動部ハウジングの内部と外部との間で異なる圧力を隔離するようシール部材を圧縮するため、連動する任意の適切な機構または圧縮部材を有してもよい。圧力差により、隔離壁および/またはハウジングの圧縮部材は、駆動部ハウジングの内部環境を密封するために適切なシール部を圧縮し得る。ステータ構造は、本明細書に記載されるようにシール圧縮および密封を容易にし得る(例えば、
図24A参照)。ロータ101は、例えば大気環境から隔離される、例えば、真空または他の適切な環境内に取り付けられる。ここで、薄膜であってもよい隔離壁2403は、ステータが隔離壁を実質的に支持するように、ステータ206の極またはコアに取り付けられるか、あるいはこれらと同じ位置にあってもよい。一態様において、隔離壁2403は、隔離壁2403がステータ206と一体化される(例えば、ステータ206と単一の構造体またはアセンブリを形成する)か、および/または、ステータ206に寄り掛かるように、任意の適切な接着剤を用いて、任意の適切な方法で、例えばステータの内径(または他の任意の適切な部分)に構造的に結合されてもよい。別の態様において隔離壁2403は、ステータ206の極またはコアに被覆形成されるか、あるいは固定されてもよい。この態様において隔離壁2403は、ステータ/駆動部ハウジング2405と接続するためにステータ206を越えて延伸してもよい。理解され得るように、隔離壁2403とステータ/駆動部ハウジング2405との間のインターフェースには、任意の適切なシール部材2404が設けられてもよい。
図24Aに見られるように、隔離壁2403は、真空環境と大気環境との間の圧力差動の負荷以外の、付加的な構造的負荷は支持しなくてもよい(すなわち、圧力差動の負荷は隔離壁とステータとで共有される)。
図24Bは、隔離壁2403’の別の例を示し、この隔離壁はさらに、ステータ206と一体化される。ここで隔離壁2403’は、隔離壁2403と実質的に同様であってもよいが、この態様において隔離壁2403’は、少なくとも部分的にステータ/駆動部ハウジング2405を通って延びるステータ206の一部に実質的に適合してもよい(例えば、周りを囲むか、あるいはその形をとる)。この態様において隔離壁2403’は、ロータが位置付けられる環境(例えば、真空環境)に隔離壁が接続する場所では実質的にどこでも、ステータ206によって支持される。ここでシール部材2404は、隔離環境を隔離するために隔離壁2403’とステータ/駆動部ハウジング2405との間のインターフェースを密封するため、
図24Aに関して上述した平面とは異なる平面に存在してもよい。別の態様においてシール部材は、ステータから隔離壁まで含まれてもよいし、接続してもよい。例えばシール部材は、隔離壁内または隔離壁上に位置付けられてもよい。
【0064】
次に
図25Aおよび25Bを参照すると、開示される実施形態の態様による密封駆動部またはアクチュエータ2500が示される。ロータ2501は、上述のものと実質的に同様であってもよく、完全に隔離環境内に位置付けられてもよい。強磁性ステータ2502は、上述のものと実質的に同様であってもよく、コイルユニット2503のセット、突極2505、2つの強磁性の板2505aおよび2505b(例えば、ステータ板)、ならびにコイル2503が装着または券回される強磁性コイルコア2506のセットを含んでもよい。非磁性の隔離壁2508は、ステータ板が隔離壁を越えて密封あるいは隔離環境内に延びるように、また、コイル2506が密封環境から隔離されるように、例えば取り付けねじ2511などを用いて、任意の適切な方法で、(ステータ/隔離壁モジュールを形成するために)上部および底部のステータプレート2505aおよび2505bに取り付けられてもよい。Oリングなどの任意の適切なシール部材であってよい、上部および底部のシール部材2509aおよび2509bは、隔離壁2508の上面および底面に沿う溝または他の凹部に沿って配置されてもよい。上部および底部のステータプレート2505aおよび2505bは、以下にさらに詳細に記載されるように、付加的なステータ/隔離壁モジュールが上下に積み重ねられることを可能にする特徴部2507aおよび2507bを有してもよい。この態様においては、各ペアのコイルが互いに対して正反対になり、例えば4相モータを形成するように、ペアで券回され得る任意の適切な数のコイル(例示的な目的で8つのコイルが示される)があってもよい。別の態様においてモータは、任意の適切な数の相を有してもよい。
図25Aに示されるロータの極2504は、任意の適切な強磁性材料で構成でき、結果として生じるロータ/ステータのペアは、可変またはスイッチトリラクタンスモータを形成し得る。別の態様において、本明細書に記載される隔離壁構成は、永久磁石のロータ極を備えるブラシレスDCモータ、またはモータの回転部分がモータの静止部分から隔離される他の任意の適切なモータにおいて用いられてもよい。この態様において磁束経路2512は、軸方向に沿うものとして示され、これは渦電流による損失を低下させ得る。別の態様においては、以下に記載されるように、磁束は径方向に流れ得る。
図25Aおよび25Bに見られるように、ステータプレート2505a、2505bは、隔離壁2508を越えて密封環境内に延びるので、ロータ極2504とステータ極2505との間のエアギャップ2510は、どんな隔離壁によっても制限されず(例えば、インターフェースは実質的に干渉のないインターフェースであり、ステータ極とロータ極との間のインターフェースでは磁束に対する抵抗が実質的にない)、部分間の機械的交差が許す限り小さくなり得る。結果として、
図25Aおよび25Bに示されるモータ構成は、ステータとロータとの間のエアギャップ2510に隔離壁が配置されている、その相応物よりも高いトルク能力を有し得る。理解され得るように、ロータ2501のトルクは、スイッチトリラクタンスモータに内在するトルクリップルが任意の適切な方法で最小限にされるように、それぞれのロータ/ステータ設計の位置フィードバックおよびトルク電流位置の曲線を用いて、適切な位相を励起することにより生成されてもよい。
【0065】
次に
図25Cを参照すると、例えば、
図25Aおよび25Bに関して上述したステータ/隔離壁モジュールを用いる、開示される実施形態の態様による2軸密封ロボット駆動部が示される。また、上述のように、モータの移動部分は全て、隔離環境内に位置付けられる。この態様において駆動部は、中心の静止シャフト2515を案内あるいは支持する底板2514を含む。内側駆動シャフト2517aは、静止シャフト2515に対する内側シャフト2517aの回転動作を可能にする軸受け2516aおよび2522aを用いるなど、任意の適切な方法でシャフト2515に取り付けられてもよい。ロータ2513cは、内側シャフト2517aに堅固に取り付けられてもよく、例えば電磁力により、ステータ2513aによって回転方向に沿って推進されてもよい。理解され得るように、ステータ2513aおよびロータ2513cのペアは、内側シャフト2517aに対する動作トルクを生成するモータを形成する。外側駆動シャフト2517bは、例えばシャフト2517a、2517bの間に相対的な回転をもたらすために、軸受け2516bおよび2522bによるなど、任意の適切な方法で内側駆動シャフト2517aに取り付けられてもよい。第2のモータを形成するステータ2513bおよびロータ2513dが外側シャフト2517bを回転させるための動作トルクを生成するように、外側シャフト2517bは上述のものと同様の方法で推進されてもよい。上述のものと実質的に同様であってもよい、内側シャフト2517aおよび外側シャフト2517bのための1つまたは複数の位置フィードバックセンサは、各シャフトの移動を追跡するために位置付けられる。ここで位置フィードバックシステムは、光学的フィードバックシステムとして示されているが、別の態様においてフィードバックシステムは、位置フィードバックシステムがフィードスルーまたはビューポートを全く用いずに動作するように、上述のようなリラクタンスに基づくフィードバックシステムであってもよい。ここで位置フィードバックシステムは、締め具2519aを用いるなど、任意の適切な方法で内側シャフト2517aに固定されるエンコーダディスク2518aを含んでもよい。読取りヘッド2525a(エミッタ2523aおよびレシーバ2524aを含む)の信号は、隔離壁/ステータハウジング2520aを横切って、任意の適切な方法で隔離環境の外部へと送られる。外側シャフトの位置フィードバック動作は、上述の内側シャフトと同様であり、エミッタ2523bおよびレシーバ2524bを含む読取りヘッド2525bと、エンコーダディスク2518b(外側シャフト2517bに固定される)とを含んでもよい。ステータ2513aおよび2513bは、隔離壁/ステータハウジング2520aおよび2520bにそれぞれ取り付けられてもよい。各隔離壁/ステータハウジングは、陥凹特徴部(または同等のインターフェース)、およびOリングのような、任意の適切な静的密封要素または部材を介して、各ステータと接続する。上面フランジ2521および底面プレート2514も、ステータ2513bおよび隔離壁/ステータハウジング2520aそれぞれと、任意の適切な方法で接続する。内側シャフト2517aおよび外側シャフト2517bは、隔離環境内に位置付けられる2リンクマニピュレータ(例えば、ロボットアーム)を駆動させるために用いることが可能な2自由度のシステムを構築する。理解され得るように、任意の適切な数の自由度を有する駆動部を形成するために、付加的なモータが積み重ねられてもよい。ロータおよびステータの強磁性極間に隔離壁はなく(例えば、ステータ板2505a、2505bは隔離壁2508を越えて隔離環境内に延びる)、これは隔離壁がステータとロータとの間に配置される従来の「キャンシール」の選択肢に比べて、より良好なトルク性能を可能にする。
【0066】
次に
図26Aおよび26Bを参照すると、開示される実施形態の態様による密封駆動部2600が示されている。駆動部2600は、注記する以外は上述の駆動部2500と実質的に同様であってもよい。この態様においては、ステータ2606のコイル2603は、コイル2506とは異なる向きで取り付けられる。しかしながら、磁束経路2612は、磁束経路2512と実質的に同様であるので、駆動部2500、2600は同様の原理を用いて動作する。
【0067】
図27Aおよび27Bを参照すると、開示される実施形態の態様による密封駆動部2700が示されている。駆動部2600は、注記する以外は上述の駆動部2500と実質的に同様であってもよい。この態様においては、ステータ2706のコイル2703aおよび2703bは径方向および軸方向に取り付けられてもよい。しかしながら、結果として生じる磁束経路2712は、磁束経路2512と実質的に同様である。
【0068】
次に
図28A~28Cを参照すると、開示される実施形態の態様による密封駆動部2800が示されている。駆動部2800は、注記する以外は上述の駆動部2500と実質的に同様であってもよい。この態様においては、隔離壁/ステータハウジング2520’上に、コイルユニット2503が実質的に直接、取り外し可能に取り付けられ得るので、駆動モータ部品の数が減少されて、異なるロータ直径の拡張性を可能にする(例えば、コイルユニット2503は、ハウジング直径に対応する直径を有するステータを形成するために、任意の適切な直径を有するハウジングに固定され得るステータモジュールを形成する)。理解され得るように、適切な静的シール部材2809は、例えば、各ステータプレート2505a、2505bのフランジと隔離壁/ステータハウジング2520’との間に配置されてもよい。この態様における磁束2812の方向は、上述の磁束2512の方向と実質的に同様であってもよい。また
図28Dを参照すると、積み重ねられた駆動部2500を含む2軸の密封駆動部アセンブリが示されている。
図28Dの駆動部アセンブリは、注記する以外は
図25Cに示されるものと実質的に同様であってもよい。ここで隔離壁/ステータハウジング2520’は、各ステータ2513a’および2513b’に対する共通の取り付け構造体として利用されてもよい。隔離壁/ステータハウジング2520’は、例えば、位置フィードバック装置2523a、2524a、2525aおよび2523b、2524b、2525bなど、駆動部の任意の適切な静止部品を支持するためのハウジングとして用いられてもよいことに留意する。
【0069】
理解され得るように、ステータ極およびロータ極は、極間に位置付けられるエアギャップがロータの回転軸に対して径方向または軸方向に配列されるように配列されてもよい。例えば、
図24A~28Bでは、ステータ極およびロータ極の配置は、エアギャップが軸方向に配列されるような(例えば、ステータ極とロータ極との間のエアギャップを通る径方向の磁束の流れが存在するような)ものである。別の態様において、
図28E、28Fおよび28Gを参照すると、ステータおよびロータは、ステータ極とロータ極との間のエアギャップが径方向に配列されるように(例えば、ステータ極とロータ極との間のエアギャップを通る軸方向の磁束の流れ2898が存在するように)配列されてもよい。例えば、
図28Eおよび28Fを参照すると、ステータコイルユニット2503は、例えば
図25A~28Dに関して上述したものと実質的に同様のもの、または本明細書に記載される他の任意の適切なコイルユニットであってもよい。コイルユニット2503は、ステータプレート/延伸部がロータ極と軸方向に重なり径方向のエアギャップ2899を形成するように、実質的に、ステータプレート2505a、2005bの間、および/または、ステータ延伸部(以下に記載)の間にロータ極2504が配置されるような大きさにされてもよい。一態様において、隔離壁/シール部2403’は、ステータハウジング2405を通ってステータプレート2505a、2505bが延びないシール部2403と実質的に同様であってもよい。別の態様において隔離壁は、ステータハウジング/隔離壁を通ってステータプレートが延びる上述の隔離壁2508および/または2520’と実質的に同様であってもよい。また
図28Hおよび28Iを参照すると、ロータ極は、ステータ極から磁束を受け取るために任意の適切な形状を有してもよい。この態様においてロータ極2504’は、ロータ極のプレート2504P’がステータプレート2505a、2505bのそれぞれと実質的に位置合わせされるよう、ロータ極がロータ極のコア2504C’とロータ極のコア2504C’から延伸/垂下するロータ極のプレート2504P’とを有するように、略「C」またはチャネル形状であってもよい。ここでは、ステータプレート2505a、2505bとロータ極のプレート2504P’との間のエアギャップ2899を通って流れる径方向の磁束があるが、別の態様においては、ロータ極のコアおよびロータ極のプレートは、上述のものと実質的に同様の方法で、エアギャップを通る軸方向の磁束の流れを提供するように配置されてもよい。
【0070】
上述の、開示される実施形態の態様は、軸方向(長手または垂直)に沿う磁束経路を有するが、開示される実施形態の態様は磁束の方向に制限されず、軸方向または径方向の機械のいずれもが利用され得ることが理解されるべきである。例えば、
図29A~29Cは、開示される実施形態の態様による径方向の磁束密封装置2900を示す。この態様において、ステータ2902は、各ステータ極にコイル2903を含むステータ極2902P、2902P’を有する強磁性のステータコア2902Cを含む。各ステータ極2902P、2902P’は、上述のものと実質的に同様の方法で、隔離壁/ステータハウジング2520’と接続し、隔離壁/ステータハウジング2520’を越えて延びるそれぞれのステータ極延伸部2902E、2902E’を含んでもよい。一態様において、ステータ極延伸部2902Eは、それぞれのステータ極2902Pから取り外し可能であってもよい。各ステータ極延伸部2902Eは、各ステータ極延伸部2902Eがステータ2902のそれぞれの極2902Pと位置合わせされるように、締め具2511を用いるなど、任意の適切な方法で隔離壁/ステータハウジング2520’に取り付けられてもよい。ステータ極延伸部とそれぞれのステータ極との間のインターフェースでの磁束経路に、実質的に抵抗が存在しないように、各ステータ極延伸部2902Eは、そのそれぞれのステータ極2902Pと、実質的に接触してもよいし、および/または、密着してもよい(例えば、最小限の隙間で)。別の態様においてステータ極延伸部は、そのそれぞれのステータ極と一体(例えば、単一の一片構成)であってもよい。この態様において、例示のみを目的として、ステータはコイルa、a’、b、b’、c、c’、dおよびd’を有する8つのステータモジュール2902のセットを含むが、別の態様においてステータは、任意の適切な数のコイルを有する任意の適切な数のステータモジュールを含んでもよい。ここでそれぞれの正反対のコイルのペアは、4位相機械を形成するために、例えば直列など、任意の適切な方法で配線され得る。他の態様においては、任意の適切な数の相が提供されてもよい。この態様において磁束経路2912は、位相a-a’が励磁される場合には径方向に沿って示される。
図29Aに見られるように、磁束2912は、ステータ極2902Pから、極延伸部2902Eに沿って、エアギャップ2510を越えて流れ、ロータ極2504Pに到達し、ロータの外周に沿って移動し、正反対のロータ極2504B、極延伸部2902E’およびステータ極2902P’に到達する。磁束は、ステータの強磁性コア2902Cに沿う戻り経路のセットにより「閉じられ」る。一態様においてステータ2902は、任意の適切な積層された強磁性シートの積み重ねにより作製することができる。
【0071】
図30Aおよび30Bを参照すると、
図29A~29Cに関して上述されたものと実質的に同様な、開示される実施形態の別の態様において、コイル2903は、ステータ極延伸部3002Eと一体化されてもよい。この態様においてステータコア2902Cは、あらかじめ組み付け可能である(例えば、積層ロータに関して上述したものと実質的に同様であってもよい任意の適切な方法で、位置合わせおよび溶着または固定される)積層スタックを含んでもよい。別の態様においてステータコアは、任意の適切な方法で形成される中実の強磁性コアであってもよい。
【0072】
図31は、開示される実施形態の態様による径方向の磁束密封駆動部3100を示す。この態様において駆動部は、セグメント化されたステータ3102を含むが、そうでない場合は上述の駆動部2900と実質的に同様である。別の態様においてステータ極延伸部2902Eは、一体型のコイル2903を備えるステータ極延伸部3002Eと実質的に同様であってもよい。この態様においてステータ極2902Pは、ステータ3102の外周の周りに均一に分布されていなくてもよい(例えば、不均一な分布を有する)。ロータ極2504およびステータ極2902Pが互いに対して正反対とならないような(例えば、正反対に向けられない)方法で、ロータ極2504は、ステータ極2902Pと位置が揃っていてもよい。ここで磁束経路3112は、ロータの面に沿う径方向の磁束経路である。
【0073】
図31は、開示される実施形態の別の態様による密封駆動部3200を示す。駆動部3200は、注記する以外は駆動部3100と実質的に同様であってもよい。ここで、位相a、b、c、dごとに1つのコイル2903’が励磁されるが、別の態様においては位相ごとに2つ以上のコイルが励磁されてもよい。この態様は、例えばセグメント化されたステータ要素の円弧の長さを利用することにより、実質的にステータ2902の積み重ね高さを増加させることなく、より大きなコイルのための空間を可能にし得る。別の態様において、例えば
図31および32のコイルの位置は、
図33に示されるようなコイル空間の利用を最大限にするために組み合わされてもよい。
【0074】
開示される実施形態の別の態様において、たとえば、任意の適切なシール支持部材によって隔離壁の隔離環境側で隔離壁が構造的に支持されている、密封駆動部3400が設けられてもよい。例えば、
図34を参照すると、
図25A~33に関して上述された駆動部と実質的に同様の、ステータ極延伸部が利用されている駆動部3400が示されている。この態様において駆動部3400は、ステータ極3503Pとステータ極延伸部3503Eとの間に介在するか、あるいは配置される密封ケーシングまたは隔離壁3451を含む。この態様においては、隔離環境内に任意の適切なシール支持部材3450が配置されてもよい。シール支持部材3450は、任意の適切な材料で構成されてもよく、任意の適切な形状を有してもよい。シール支持部材3450は、ステータ極延伸部3450Eがそのそれぞれのステータ極3503Pと実質的に位置合わせされるように、強磁性のステータ極延伸部3503Eのセットを収容するように構成されてもよい。一態様において、ステータ極延伸部は、シール支持部材内に埋め込まれてもよいし、シール支持部材と一体であってもよい(例えば、一片の単一の部材を形成する)。一態様においてステータ極延伸部は、シール支持部材内またはシール支持部材に取り外し可能に取り付けられてもよい。ステータ極延伸部は隔離環境内に位置付けられ、極薄のキャンシールである隔離壁3451により、そのそれぞれのステータ極(大気環境に位置付けられる)から分離されることに留意する。
【0075】
一態様においては、隔離壁が、ステータ極延伸部とそのそれぞれのステータ極との間に配置され、ステータ極延伸部をそのそれぞれのステータ極から分離するように(例えば、隔離壁3451はステータを貫通する)、1つまたは複数の極薄のキャンシールまたは隔離壁3451が、シール支持部材3450の外周面の周りに配置されてもよい。理解され得るように、ステータ極延伸部とそのそれぞれのステータ極との間には動作がなくてもよく、同様に隔離壁とステータとの間にも動作がなくてもよい。一態様において隔離壁3451は、ステンレス鋼などの任意の適切な材料、または例えば真空環境または他の隔離環境に密封を提供することができる他の任意の適切な材料の、1つまたは複数の非磁性の円筒状スリーブであってもよい。別の態様において隔離壁は、シール支持部材/ステータ極延伸部のアセンブリに被膜または他の膜を塗布することによって形成されてもよい。ここで非磁性のスリーブは、駆動部3400の各モータに対して、各ステータ極の密封を提供してもよい。例えば、磁性スリーブは、共通のモータに属するステータ極が共通の隔離壁も共有するように、それぞれのモータのステータ極と一致するシール支持部材のレベルで、シール支持部材の外周面を取り囲んでもよい。駆動部3400が、例えば積み重ねられた配置の2つ以上のモータを含む場合、以下に記載されるように隔離壁がシール支持部材の外周面上に上下に配置されるバンドを形成するように、隔離壁は各モータに設けられてもよい。別の態様において隔離壁は、駆動部アセンブリの2つまたは3つ以上のモータに共通であってもよい。さらに別の態様において隔離壁は、各ステータ極が他のステータ極の隔離壁とは異なる、対応する隔離壁セクション(例えば、シール支持部材上に配置される)を有し得る、区分けされた壁であってもよい。
【0076】
隔離壁3451は、極薄であってもよく、約30μmの厚さを有していてもよいが、別の態様において隔離壁3451の厚さは、30μmよりも厚くてもよいし、薄くてもよい。上述のように、隔離壁3451は、隔離環境内の圧力が大気圧から離れるときに隔離壁3451を構造的に支持するシール支持部材3450の外周面の周りに配置される。例えば、隔離環境内の真空圧と隔離環境外部の大気圧との間で圧力差が構築されると、シール支持部材3450およびステータ極延伸部要素3503Eが隔離壁3451の崩壊を実質的に防ぐように、隔離壁3451は、圧力差動によりシール支持部材3450に対して押圧される。ステータとロータとの間の磁束は、隔離壁(ステータ極とステータ極延伸部との間に配置される)ならびにロータ/ステータのエアギャップに面するが、純損失は、ステータとロータとの間の小さな隙間および隔離壁のごくわずかな厚さにより最小限にされることに留意する。
【0077】
図35を参照すると、開示される実施形態の態様にしたがって、積み重ね可能なモータモジュール3400Mが示されている。
図35は、駆動部3400の断面A-A図を示す。一態様において、積み重ね可能なモータモジュール3400Mは、上面3450T’および底面3450B’(上面および底面という語は、例示目的でのみ用いられており、別の態様においては、表面3450T’、3450B’には任意の適切な空間用語が割り当てられてもよい)を有するリング形状(または他の適切な形状)のシール支持部材内に収容されるステータ極延伸部3503Eのアレイと、シール支持部材に固定される隔離壁3451とを含んでもよい。モジュール3400Mが積み重ねられるときに、隔離環境と大気環境との間に流れる空気流が実質的に存在しないように、静的な密封部材2509は、表面3450T’、3450B’のそれぞれに配置されてもよい。隔離壁3451は、ステータ極延伸部3503Eとシール支持部材3450’との間のあらゆる隙間が隔離壁によって覆われるように、シール支持部材3450’の外周面の周りに配置され、任意の適切な方法で外周面に固定されてもよい。静的な密封部材3509’も、隔離壁とシール支持部材との間に密封を提供するために、隔離壁3451とシール支持部材3450’との間に配置されてもよい。この態様において、ステータ3503は、モータモジュール3400Mの周りに位置付けられてもよく、ロータ3501は、駆動モータを形成するためにモータモジュール3400M内に位置付けられてもよい。別の態様においてモータモジュール3400Mは、ステータ3503(シール支持部材および/または隔離壁に任意の適切な方法で固定され得る)を含んでいてもよい。さらに別の態様では、ロータ2501も、モータモジュール3400Mに含まれていてもよい。
【0078】
図36は、2軸移動の駆動部を形成するために上下に積み重ねられるモータモジュール3400M1、3400M2(モータモジュール3400Mと実質的に同様である)を示す。
図36に見られるように、各モジュール3400M1、3400M2は、シール支持部材3450’(シール支持部材3450を形成し得る)を組み合わせた長さに沿って上下にバンド用の隔離壁が配置されるように、それぞれの隔離壁3451を含む。ここで、隔離壁3451とそれぞれのシール支持部材3450との間の静的な密封部材3509’の数は、駆動軸の数に依存する。別の態様においては、
図37に示されるように、静的な密封部材の数は、駆動軸の数から独立していてもよい。
図37は、
図36に示されるものと実質的に同様の積み重ねられた2軸移動の駆動部を示す。しかしながらここでは、積み重ねられたシール支持部材3450が共通の隔離壁3451’を共有し、共通の隔離壁3451’が1つまたは複数のモータにわたって延びるように、シール支持部材3450’の外周面に単一または一片の隔離壁3451’(例えば、一続きの密封ケーシング)が設けられる。この態様では、隔離壁は、シール支持部材間に配置されるシール部材3509が省略され得るように、積み重ねられたシール支持部材の間のインターフェースを密封することも提供することに留意する。
【0079】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が提供される。搬送装置は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームとを含む。駆動部は、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのロータと、対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極を有し、隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータと、隔離環境を隔離するように構成され、少なくとも1つのステータと一体の、少なくとも1つのシール部とを含み、少なくとも1つのステータの少なくとも1つの突極、および少なくとも1つのロータの少なくとも1つの突極が、少なくとも1つのロータと少なくとも1つのステータとの間に閉磁束回路を形成する。
【0080】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータに取り付けられる膜を備える。
【0081】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータに寄り掛かる。
【0082】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、少なくとも1つのシール部を構造的に支持する。
【0083】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータの形状に適合する。
【0084】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータおよび少なくとも1つのステータは、積み重ねられたモータまたは一方が他方を径方向に入れ子にされるモータを形成する。
【0085】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置は、少なくとも1つのロータのそれぞれに配置される、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラック、および、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと相互作用するように構成される、少なくとも1つのリラクタンスに基づく位置フィードバックセンサをさらに含む。
【0086】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、少なくとも1つの搬送アームを駆動させるために、同軸駆動シャフト構成に連結される。
【0087】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、セグメント化されたステータである。
【0088】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、軸方向磁束流駆動部または径方向磁束流駆動部として構成される。
【0089】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、積層された突極を含む。
【0090】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、積層された突極を含む。
【0091】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、駆動部材インターフェースを含み、駆動部はさらに、駆動伝達部材を含み、駆動伝達部材は、駆動部材が積層された突極と相互作用し、積層された突極を駆動部材に固定するように、駆動部材インターフェースで、少なくとも1つのロータと相互作用する。
【0092】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積層された突極は、駆動部材に対して軸方向に配列されるように駆動部材に固定される。
【0093】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積層された突極は、駆動部材に対して径方向に配列されるように駆動部材に固定される。
【0094】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、ハウジングに接続されるZ軸駆動モータを含む。
【0095】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が提供される。搬送装置は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームとを含む。駆動部は、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つのロータと、それぞれコイルユニットを備えた突極を有し、隔離環境外に配置される、少なくとも1つのステータと、少なくとも1つのステータ突極延伸部およびロータの少なくとも1つの突極が、少なくとも1つのステータと少なくとも1つのロータとの間で閉磁束回路を形成するように、隔離環境内に配置され、それぞれのステータ突極と位置合わせされる少なくとも1つのステータ突極延伸部と、各ステータ極とそれぞれのステータ突極延伸部との間に配置され、隔離環境を隔離するように構成される少なくとも1つのシール部とを含む。
【0096】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部はさらに、隔離環境に配置される内面と隔離環境の反対側を向く外面とを有するシール支持部材を含み、少なくとも1つのシール部は、外面上または外面に隣接して配置され、シール支持表面は、少なくとも1つのシール部を構造的に支持するように構成される。
【0097】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、シール支持部材は、少なくとも1つのステータ突極延伸部を収容するように構成される。
【0098】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータおよび少なくとも1つのロータは、積み重ねられたモータを形成し、少なくとも1つのシール部は、積み重ねられたモータのそれぞれに共通である。
【0099】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータおよび少なくとも1つのロータは、モータの積み重ねを形成し、少なくとも1つのシール部は、モータの積み重ねにおける他のモータのシール部とは異なる、各モータ用のシール部を含む。
【0100】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータ突極延伸部および少なくとも1つのロータは、少なくとも1つのステータ突極延伸部および少なくとも1つのロータが障害のないインターフェースを有するように配置される。
【0101】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、各ステータおよびそれぞれのロータは、他のモータモジュールと積み重ねられるように構成されるモータモジュールを形成する。
【0102】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、軸方向磁束流駆動部または径方向磁束流駆動部として構成される。
【0103】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、積層される突極を含む。
【0104】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、駆動部材インターフェースを含み、駆動部はさらに、駆動伝達部材を含み、駆動伝達部材は、駆動部材が積層された突極と相互作用し、積層された突極を駆動部材に固定するように、駆動部材インターフェースで、少なくとも1つのロータと相互作用する。
【0105】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積層された突極は、駆動部材に対して軸方向に配列されるように駆動部材に固定される。
【0106】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積層された突極は、駆動部材に対して径方向に配列されるように駆動部材に固定される。
【0107】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、積層された突極を含む。
【0108】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、ハウジングに接続されるZ軸駆動モータを含む。
【0109】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置は、少なくとも1つのロータのそれぞれに配置される、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラック、および、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと接続するように構成される、少なくとも1つのリラクタンスに基づく位置フィードバックセンサをさらに含む。
【0110】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、少なくとも1つの搬送アームを駆動させるために、同軸駆動シャフト構成に連結される。
【0111】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が提供される。搬送装置は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームとを含む。駆動部は、透磁性材料の少なくとも1つの突極を有する少なくとも1つのロータと、ステータコア、突出上部プレート、突出底部プレート、ならびに各突出上部プレートおよび底部プレートのペアに関連付けられるコイルユニットを含む少なくとも1つのステータであって、突出上部プレートおよび突出底部プレートはステータコアに接続され、ステータコアにより離間され、少なくとも1つのステータと少なくとも1つのロータとの間で閉磁束回路を形成するために、少なくとも1つのロータの少なくとも1つの突極と相互作用するように構成される、少なくとも1つのステータと、上部プレートと底部プレートとの間に配置され、少なくとも1つの搬送アームが動作する隔離環境からステータコアを隔離するように構成される隔離壁とを含む。
【0112】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、各ロータおよびそれぞれのステータは、モータモジュールとして構成され、モータモジュールは、積み重ねられたモータを有する駆動部を形成するために他のモータモジュールと相互作用するように構成されている。
【0113】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、軸方向磁束流駆動部または径方向磁束流駆動部として構成される。
【0114】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、ハウジングに接続されるZ軸駆動モータを含む。
【0115】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置は、少なくとも1つのロータのそれぞれに配置される、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラック、および、少なくとも1つのリラクタンスに基づくエンコーダトラックと接続するように構成される、少なくとも1つのリラクタンスに基づく位置フィードバックセンサをさらに含む。
【0116】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータは、少なくとも1つの搬送アームを駆動させるために、同軸駆動シャフト構成に連結される。
【0117】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が提供される。搬送装置は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームとを含む。駆動部は、隔離環境に配置される、透磁性材料の積層された突極を有する少なくとも1つの積層ロータを含み、少なくとも1つの積層ロータは、隔離環境から隔離される。駆動部はさらに、少なくとも1つの積層ロータの少なくとも1つの突極および少なくとも1つのステータの突極が、少なくとも1つのステータと少なくとも1つのロータとの間で閉磁束回路を形成するように、隔離環境外に配置される、それぞれのコイルユニットを備えた、少なくとも1つの突極を有する少なくとも1つのステータと、隔離環境を隔離するように構成される少なくとも1つのシール部とを含む。
【0118】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの積層ロータは、駆動部材インターフェースを含み、駆動部はさらに、駆動伝達部材を含み、駆動伝達部材は、駆動部材が積層された突極と相互作用し、積層された突極を駆動伝達部材に固定するように、駆動伝達部材インターフェースで、少なくとも1つのロータと相互作用する。
【0119】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積層された突極は、駆動伝達部材に対して軸方向に配列されるように駆動伝達部材に固定される。
【0120】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、積層された突極は、駆動伝達部材に対して径方向に配列されるように駆動伝達部材に固定される。
【0121】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの積層ロータは、少なくとも1つの積層ロータを隔離環境から隔離するように構成される遮蔽体に埋め込まれる。
【0122】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータと一体である。
【0123】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータに取り付けられる膜を備える。
【0124】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータに寄り掛かる。
【0125】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、少なくとも1つのシール部を構造的に支持する。
【0126】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータの形状に適合する。
【0127】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、ステータコア、上部プレートおよび底部プレートを含み、上部プレートおよび底部プレートは突極を形成し、ステータコアに接続され、またステータコアにより離間され、少なくとも1つの積層ロータと相互作用するように構成され、少なくとも1つのシール部は、上部プレートと底部プレートとの間にあり、少なくとも1つの搬送アームが動作する隔離環境からステータコアを隔離するように構成される。
【0128】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部はさらに、隔離環境内に配置され、ステータのそれぞれの突極と位置合わせされる、少なくとも1つのステータ突極延伸部を含み、少なくとも1つのシール部は、ステータの各突極とそれぞれのステータ突極延伸部との間に配置される。
【0129】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部はさらに、隔離環境に配置される内面と隔離環境の反対側を向く外面とを有するシール支持部材を含み、少なくとも1つのシール部は、外面上または外面に隣接して配置され、シール支持表面は、少なくとも1つのシール部を構造的に支持するように構成される。
【0130】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、シール支持部材は、少なくとも1つのステータ突極延伸部を収容するように構成される。
【0131】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、搬送装置が提供される。搬送装置は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた駆動部と、駆動部に接続された少なくとも1つの搬送アームとを含む。駆動部は、透磁性材料の積層されたロータ突極を有し、隔離環境に配置される、少なくとも1つの真空適合積層ロータを含み、少なくとも1つの真空適合積層ロータは、交互に積み重ねられる強磁性の層および非導電性の層の積層体のセットを含む。駆動部はさらに、隔離環境外に配置されるそれぞれのコイルユニットを備える少なくとも1つのステータ突極を有する少なくとも1つのステータであって、積層されたロータ突極はそれぞれ、少なくとも1つのロータ突極と相互作用すると、少なくとも1つの真空適合積層ロータと少なくとも1つのステータとの間で閉磁束回路を形成する少なくとも1つのステータと、隔離環境を隔離するように構成される少なくとも1つのシール部とを含む。
【0132】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部は、少なくとも1つの駆動シャフトと、少なくとも1つの真空適合積層ロータを少なくとも1つの駆動シャフトに取り付け、交互に積み重ねられた積層体を一緒にクランプするように構成される保持部材とを含む。
【0133】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、交互に積み重ねられた積層体は一緒に接着される。
【0134】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータと一体である。
【0135】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータに取り付けられる膜を備える。
【0136】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータに寄り掛かる。
【0137】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、少なくとも1つのシール部を構造的に支持する。
【0138】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータの形状に適合する。
【0139】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータは、ステータコア、上部プレートおよび底部プレートを含み、上部プレートおよび底部プレートはステータ突極を形成し、ステータコアに接続され、またステータコアにより離間され、少なくとも1つの真空適合積層ロータと相互作用するように構成され、少なくとも1つのシール部は、上部プレートと底部プレートとの間にあり、少なくとも1つの搬送アームが動作する隔離環境からステータコアを隔離するように構成される。
【0140】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部はさらに、隔離環境内に配置され、それぞれのステータ突極と位置合わせされる、少なくとも1つのステータ突極延伸部を含み、少なくとも1つのシール部は、各ステータ突極とそれぞれのステータ突極延伸部との間に配置される。
【0141】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動部はさらに、隔離環境に配置される内面と隔離環境の反対側を向く外面とを有するシール支持部材を含み、少なくとも1つのシール部は、外面上または外面に隣接して配置され、シール支持表面は、少なくとも1つのシール部を構造的に支持するように構成される。
【0142】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、シール支持部材は、少なくとも1つのステータ突極延伸部を収容するように構成される。
【0143】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータの構造と一体である。
【0144】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのシール部は、少なくとも1つのステータの構造により支持される。
【0145】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータアセンブリは、ドラム構造を有するケーシングと、ドラム構造内に取り付けられるステータと、ドラム構造内に取り付けられ、ステータと相互作用するロータとを含み、ケーシングは、ステータとロータとの間に所定の隙間を生じさせるために、ステータを支持し、ステータおよびロータを互いに対して位置決めするように構成されるステータインターフェース面を形成する、共通の基準を含む。
【0146】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータアセンブリはさらに、共通の基準およびロータに対する所定の位置に隔離壁が位置付けられるように、ステータにより支持される隔離壁2403を含む。
【0147】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータアセンブリはさらに、ロータに接続されるセンサトラックと、センサとセンサトラックとの間に所定の隙間を生じさせるために、共通の基準に対する所定の位置でケーシングに取り付けられるセンサとを含み、ステータ、ロータ、センサおよびセンサトラックは、共通の基準に対して位置決めされ、また共通の基準に依存する。
【0148】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケーシングは、ドラム構造を形成し、中にセンサ、制御盤および駆動部コネクタの1つまたは複数のためのスロットが形成される単一部材である。
【0149】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケーシングは、ドラム構造を形成するために互いに対して接続される2つまたは3つ以上のフープ部材により形成される一体アセンブリである。
【0150】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、可変リラクタンスモータのケーシングは、外面および内面を含み、外面および内面は、ドラム構造を形成し、内面は、ステータを支持し、ステータとロータとの間に所定の隙間を生じさせるために、ケーシング内でステータおよびロータをそれぞれに対して位置決めするように構成されるステータインターフェース面を形成する、共通の基準を含む。
【0151】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、内面は、ステータおよびロータが共通の基準から位置決めされ、共通の基準により支持されるように、共通の基準に対して位置決めされるロータインターフェース面を含む。
【0152】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ドラム構造は、ロータに接続されるセンサトラックに対してセンサを支持し、センサとセンサトラックとの間に所定の隙間を生じさせるように構成されるセンサインターフェース面を含み、センサインターフェース面は、ステータ、ロータおよびセンサが共通の基準から位置決めされ、共通の基準により支持されるように、共通の基準に対して位置決めされる。
【0153】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、センサインターフェース面は、ドラム構造内のスロットとして形成される。
【0154】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、スロットは、センサおよびモータ制御盤を収容するように構成される。
【0155】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ドラム構造は、中にセンサ、制御盤および駆動部コネクタの1つまたは複数のためのスロットが形成される単一部材である。
【0156】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ドラム構造は、互いに対して接続される2つまたは3つ以上のフープ部材により形成される一体アセンブリである。
【0157】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。