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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】投入方法及び投入装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/08 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
B65G47/08 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020202775
(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公開番号】P2022090393
(43)【公開日】2022-06-17
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】石川 宜秀
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-040269(JP,U)
【文献】実公昭47-016909(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3027279(JP,U)
【文献】特開2003-154334(JP,A)
【文献】特開平01-220642(JP,A)
【文献】特開2003-325962(JP,A)
【文献】特開2008-061857(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101823630(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入方法であって、
前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器に前記回収袋を貯留する貯留工程と、
貯留された前記回収袋を供給手段で段階的に供給する供給工程と、
段階的に供給された前記回収袋をコンベヤで順次搬送する搬送工程と、
を具備し
前記供給手段は、
鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記コンベヤよりも上側に配置された台座部と、
鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記台座部よりも上側に配置された押出部と、
を備え、
前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、
平面方向において前記貯留容器と前記コンベヤとの間の位置に移動した前記台座部の少なくとも一部で、前記送出口から送出された前記回収袋をその上面で保持する工程と、
前記押出部で、前記台座部の少なくとも一部の上面に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋を前記コンベヤへ押し出す工程と、
を含む、
投入方法。
【請求項2】
前記供給手段は、前記送出口の扉を開閉する扉開閉部を備え、
前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤに供給されるとき、前記扉開閉部で前記扉の開き度合いを段階的に大きくする工程を含む、
請求項1に記載の投入方法。
【請求項3】
前記供給手段は、前記貯留容器を傾ける傾き変更部を備え、
前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤに供給されるとき、前記傾き変更部で前記貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくする工程を含む、
請求項1又は2に記載の投入方法。
【請求項4】
前記供給手段は、前記送出口の扉を開閉する扉開閉部及び/又は前記貯留容器を傾ける傾き変更部を更に備え、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、前記扉開閉部は前記扉の開き度合いを段階的に大きくし、及び/又は、前記傾き変更部は前記貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくし、
前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、
前記押出部で、所定段階での前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いにおいて、前記回収袋を前記コンベヤへ段階的に押し出した後、一旦後退する工程と、
前記傾き変更部及び/又は前記扉開閉部で、前記押出部の後退後に、それぞれ前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いを次の段階に変更する工程と、
前記押出部で、変更後の前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いにおいて、前記押出度合いを次の段階に変更する工程と、
を含む、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の投入方法。
【請求項5】
前記供給工程は、
前記貯留容器で前記回収袋を前記送出口から前記台座部の上面に列状に送出する工程と、
前記押出部で前記台座部の上面に列状に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ列状に押し出す工程と、
を含み、
前記貯留容器から送出される前記回収袋の列の方向と、前記押出部から押し出される前記回収袋の列の方向と、前記コンベヤの流れ方向とは、互いに平行である、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の投入方法。
【請求項6】
使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入方法であって、
前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器に前記回収袋を貯留する貯留工程と、
貯留された前記回収袋を供給手段で段階的に供給する供給工程と、
段階的に供給された前記回収袋をコンベヤで順次搬送する搬送工程と、
を具備し、
前記供給工程は、前記コンベヤ上の前記回収袋を検知するセンサが前記コンベヤ上の前記回収袋を検知したとき、前記貯留された前記回収袋の供給における段階的な変更を停止する工程を含む
入方法。
【請求項7】
前記貯留工程及び前記供給工程は、二組の前記貯留容器及び供給手段で交互に運転されている、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の投入方法。
【請求項8】
前記貯留工程は、前記回収袋が入った前記貯留容器をリフターで上げ、前記回収袋が入っていない前記貯留容器をリフターで降ろす工程を含む、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の投入方法。
【請求項9】
使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入方法であって、
前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器に前記回収袋を貯留する貯留工程と、
貯留された前記回収袋を供給手段で段階的に供給する供給工程と、
段階的に供給された前記回収袋をコンベヤで順次搬送する搬送工程と、
を具備し、
前記搬送工程は、
前記コンベヤで搬送された前記回収袋を投入用容器に入れつつ、前記投入用容器内の前記回収袋の質量を計測部で計測する工程と、
前記投入用容器内の前記回収袋の質量が所定の質量を超えた場合に、前記投入用容器内の前記回収袋を、投入部で前記処理装置に投入する工程と、
を更に具備する
入方法。
【請求項10】
前記コンベヤは、前記供給手段側から前記処理装置側へ向かって、順に、第1コンベヤ、第2コンベヤ、及び、第3コンベヤを備え、
前記搬送工程は、前記回収袋を前記第1コンベヤで搬送する工程と、
前記回収袋を、第2コンベヤで前記第1コンベヤよりも速い搬送速度で搬送する工程と、
前記回収袋を、第3コンベヤで前記第2コンベヤよりも速い搬送速度で搬送する工程と、
を含む、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の投入方法。
【請求項11】
使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入装置であって、
前記回収袋を貯留し、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器と、
貯留された前記回収袋を段階的に供給する供給手段と、
段階的に供給された前記回収袋を順次搬送するコンベヤと、
を具備し
前記供給手段は、
鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記コンベヤよりも上側に配置された台座部と、
鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記台座部よりも上側に配置された押出部と、
を備え、
前記供給手段は、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、
平面方向において前記貯留容器と前記コンベヤとの間の位置に移動した前記台座部の少なくとも一部で、前記送出口から送出された前記回収袋をその上面で保持し、
前記押出部で、前記台座部の少なくとも一部の上面に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋を前記コンベヤへ押し出す、
投入装置。
【請求項12】
使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入装置であって、
前記回収袋を貯留し、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器と、
貯留された前記回収袋を段階的に供給する供給手段と、
段階的に供給された前記回収袋を順次搬送するコンベヤと、
前記コンベヤ上の前記回収袋を検知するセンサと、
を具備し、
前記供給手段は、前記センサが前記コンベヤ上の前記回収袋を検知したとき、前記貯留された前記回収袋の供給における段階的な変更を停止する、
投入装置。
【請求項13】
使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入装置であって、
前記回収袋を貯留し、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器と、
貯留された前記回収袋を段階的に供給する供給手段と、
段階的に供給された前記回収袋を順次搬送するコンベヤと、
前記コンベヤで搬送された前記回収袋が投入用容器に入れられつつ、前記投入用容器内の前記回収袋の質量を計測する計測部と、
前記投入用容器内の前記回収袋を前記処理装置に投入する投入部と、
を具備し、
前記投入部は、前記投入用容器内の前記回収袋の質量が所定の質量を超えた場合に、前記投入用容器内の前記回収袋を、前記処理装置に投入する、
投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み衛生用品が入った回収袋を、使用済み衛生用品を処理する処理装置へ投入するための投入方法及び投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済み衛生用品を回収して再利用する際、使用済み衛生用品に含まれる汚物、菌等による装置や人への汚染を防ぎ、衛生的な処理を行うための技術が知られている。例えば、特開2002-273731号公報には、菌の飛散による環境への汚染を防ぎ、衛生上好ましい環境で処理が行えるようにすることを目的とした、使用済み紙おむつの再利用のための紙おむつ分断前処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-273731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、使用済み紙おむつを洗浄水で洗浄することが記載されている。ところが、使用済み紙おむつは菌の飛散による環境への汚染を抑制するため、回収袋に入れられて回収されることが通常である。したがって、回収袋ごと使用済み紙おむつを処理する処理装置を採用すれば、処理中の菌の飛散による環境への汚染を抑制できる。ここで、回収袋を、回収車から受け取り、コンベヤ等を介して処理装置へ投入するまでの過程では、回収袋の取り扱いによっては、回収袋が破袋するおそれがあり、そうなると袋内部の菌が外部へ飛散して環境を汚染する可能性がある。しかし、特許文献1には、回収袋を、回収車から受け取り、コンベヤ等を介して処理装置へ投入するまでの取り扱いについては記載されていない。
【0005】
本発明の目的は、使用済み衛生用品が入った回収袋を、使用済み衛生用品を処理する処理装置まで、回収袋を破袋させず、衛生的に搬送し、投入することが可能な、投入方法及び投入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入方法であって、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器に前記回収袋を貯留する貯留工程と、貯留された前記回収袋を供給手段で段階的に供給する供給工程と、段階的に供給された前記回収袋を順次コンベヤで搬送する搬送工程と、を具備する、投入方法、である。
【0007】
本発明の他の態様は、使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入装置であって、前記回収袋を貯留し、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器と、貯留された前記回収袋を段階的に供給する供給手段と、段階的に供給された前記回収袋を順次搬送するコンベヤと、を具備する、投入装置、である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、使用済み衛生用品が入った回収袋を、使用済み衛生用品を処理する処理装置まで、回収袋を破袋させず、衛生的に搬送し、投入することが可能な、投入方法及び投入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る投入装置の構成例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の構成例を示す模式図である。
図3】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図4】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図7】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図8】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図9】実施形態に係る供給手段及びその関連機器の動作例を示す模式図である。
図10】実施形態に係る投入方法の一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係る供給工程の一例を示すフローチャートである。
図12】実施形態に係る押出工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態は、以下の態様に関する。
[態様1]使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入方法であって、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器に前記回収袋を貯留する貯留工程と、貯留された前記回収袋を供給手段で段階的に供給する供給工程と、段階的に供給された前記回収袋をコンベヤで順次搬送する搬送工程と、を具備する、投入方法。
本投入方法では、貯留容器で回収袋を貯留する貯留工程と、貯留された回収袋を供給手段で段階的に供給する供給工程と、段階的に供給された回収袋を順次コンベヤで搬送する搬送工程と、を具備している。すなわち、供給手段は、コンベヤへの回収袋の供給を、初期段階での供給、次段階での供給、更に次の段階での供給、というように、複数の段階に分けて行い、コンベヤは、各段階の回収袋をまとめずに順次搬送している。このように、貯留容器の回収袋が複数回に分けてコンベヤへ供給されるので、コンベヤに回収袋が連続的に供給されてコンベヤ上の回収袋の量が過剰になってしまう事態を抑制できる。それにより、コンベヤ上で回収袋が重なり合い難くなり、重なり合ったとしても、重なり合う回収袋の数を抑えられるので、上側の回収袋の重さにより下側の回収袋が破袋することを抑制できる。したがって、本投入方法により、回収袋ごと使用済み衛生用品を処理する処理装置まで、回収袋を破袋させず、衛生的に搬送、投入することが可能となる。
【0011】
[態様2]前記供給手段は、前記送出口の扉を開閉する扉開閉部を備え、前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤに供給されるとき、前記扉開閉部で前記扉の開き度合いを段階的に大きくする工程を含む、態様1に記載の投入方法。
本投入方法では、供給手段は送出口の扉を開閉する扉開閉部を備えており、供給工程は回収袋がコンベヤに供給されるとき、扉開閉部で扉の開き度合いを段階的に大きくする。例えば、扉の開き度合いが初期段階に設定され、回収袋が送出口から送出される。その後、回収袋が送出されなくなったら、扉の開き度合いが次の段階に設定されて、大きくなり、再び回収袋が送出口から送出される。以下、同様である。このように、扉の開き度合いを段階的に大きくすることで、回収袋がコンベヤに段階的に供給されるので、回収袋が一気に連続的に多量にコンベヤに供給されることを抑制できる。それにより、次々に回収袋が送出されて、後から送出された回収袋によって、前に送出された回収袋に衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋が破袋することを抑制できる。したがって、本投入方法により、回収袋ごと使用済み衛生用品を処理する処理装置まで、回収袋を破袋させず、衛生的に搬送、投入することが可能となる。
【0012】
[態様3]前記供給手段は、前記貯留容器を傾ける傾き変更部を備え、前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤに供給されるとき、前記傾き変更部で前記貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくする工程を含む、態様1又は2に記載の投入方法。
本投入方法では、供給手段は傾き変更部を備えており、供給工程は回収袋がコンベヤに供給されるとき、傾き変更部で貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくする。例えば、貯留容器の傾き度合いが初期段階に設定され、回収袋が送出口から送出される。その後、回収袋が送出されなくなったら、貯留容器の傾き度合いが次の段階に設定されて、大きくなり、再び回収袋が送出口から送出される。以下、同様である。このように、貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくすることで、回収袋がコンベヤに断続的に供給されるので、回収袋が一気に連続的に多量にコンベヤに供給されることを抑制できる。それにより、次々に回収袋が送出されて、後から送出された回収袋によって、前に送出された回収袋に衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋が破袋することを抑制できる。したがって、本投入方法により、回収袋ごと使用済み衛生用品を処理する処理装置まで、回収袋を破袋させず、衛生的に搬送、投入することが可能となる。
【0013】
[態様4]前記供給手段は、鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記コンベヤよりも上側に配置された台座部と、鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記台座部よりも上側に配置された押出部と、を備え、前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、平面方向において前記貯留容器と前記コンベヤとの間の位置に移動した前記台座部の少なくとも一部で、前記送出口から送出された前記回収袋をその上面で保持する工程と、前記押出部で、前記台座部の少なくとも一部の上面に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋を前記コンベヤへ押し出す工程と、を含む、態様1乃至3のいずれか一項に記載の投入方法。
本投入方法では、供給手段は台座部と押出部とを備えている。そして、供給工程は、回収袋がコンベヤへ供給されるとき、台座部の少なくとも一部で送出口から送出された回収袋をその上面で保持し、押出部で台座部の上面に送出された回収袋をコンベヤへ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋を前記コンベヤへ押し出す。例えば、回収袋の押出度合いが初期段階に設定され、回収袋が台座部からコンベヤへ押し出される。その後、回収袋が押し出されなくなったら、回収袋の押出度合いが次の段階に設定されて、大きくなり、再び回収袋が台座部からコンベヤへ押し出される。以下、同様である。このように、回収袋の押出度合いを段階的に大きくすることで、回収袋がコンベヤに段階的に供給されるので、回収袋が一気に連続的に多量にコンベヤに供給されることを抑制できる。それにより、次々に回収袋が送出されて、後から送出された回収袋によって、前に送出された回収袋に衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋が破袋することを抑制できる。したがって、本投入方法により、回収袋ごと使用済み衛生用品を処理する処理装置まで、回収袋を破袋させず、衛生的に搬送、投入することが可能となる。
【0014】
[態様5]前記供給手段は、前記送出口の扉を開閉する扉開閉部及び/又は前記貯留容器を傾ける傾き変更部を更に備え、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、前記扉開閉部は前記扉の開き度合いを段階的に大きくし、及び/又は、前記傾き変更部は前記貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくし、前記供給工程は、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、前記押出部で、所定段階での前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いにおいて、前記回収袋を前記コンベヤへ段階的に押し出した後、一旦後退する工程と、前記傾き変更部及び/又は前記扉開閉部で、前記押出部の後退後に、それぞれ前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いを次の段階に変更する工程と、前記押出部で、変更後の前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いにおいて、前記押出度合いを次の段階に変更する工程と、を含む、態様4に記載の投入方法。
本投入方法では、供給工程は、所定段階での傾き度合い及び/又は開き度合い(台座部上に回収袋が送出される)において、押出部で、台座部上の回収袋を段階的にコンベヤに押し出し、台座部上に回収袋がなくなると、押出部を一旦後退させる。次いで、貯留容器の傾き度合い及び/又は貯留容器の扉部の開き度合いを次の段階へ変更し(大きくし;台座部上に再び回収袋が送出される)、押出部で、台座部上の回収袋を再び段階的にコンベヤに押し出す。このように、貯留容器の傾き度合い及び/又は扉の開き度合いごとに、回収袋の押出度合いを段階的に大きくすることで、より的確に回収袋をコンベヤに段階的に供給できる。それにより、回収袋に衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋が破袋することを抑制できる。
【0015】
[態様6]前記供給工程は、前記貯留容器で前記回収袋を前記送出口から前記台座部の上面に列状に送出する工程と、前記押出部で前記台座部の上面に列状に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ列状に押し出す工程と、を含み、前記貯留容器から送出される前記回収袋の列の方向と、前記押出部から押し出される前記回収袋の列の方向と、前記コンベヤの流れ方向とは、互いに平行である、態様4又は5に記載の投入方法。
本投入方法では、貯留容器から送出される回収袋の列の方向と、押出部から押し出される回収袋の列の方向と、コンベヤの流れ方向とは、互いに平行である。そのため、列状の回収袋を、列状のままで、貯留容器から押出部(台座部)を介してコンベヤへ移送することができる。それゆえ、回収袋は、特定の箇所に塊を作ることなく、概ね均等に分散した状態で、貯留容器から押出部(台座部)を介してコンベヤへ移送できる。それにより、回収袋が重なることなどによる回収袋の破袋を抑制できる。
【0016】
[態様7]前記供給工程は、前記コンベヤ上の前記回収袋を検知するセンサが前記コンベヤ上の前記回収袋を検知したとき、前記貯留された前記回収袋の供給における段階的な変更を停止する工程を含む、態様1乃至6のいずれか一項に記載の投入方法。
本投入方法では、コンベヤ上に回収袋があるときには、供給工程は段階的な変更を停止する。すなわち、供給工程は、コンベヤ上に回収袋があるときには、供給の段階を次の段階に進ませない。例えば、初期段階での供給を行っている場合、次段階での供給を行わず、次段階での供給を行っている場合には、更に次の段階での供給を行わない。このように、コンベヤ上に回収袋があるときには、追加の回収袋をコンベヤに供給しないので、次々に回収袋が送出されて、後から送出された回収袋によって、前に送出された回収袋に衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋が破袋することを抑制できる。
【0017】
[態様8]前記貯留工程及び前記供給工程は、二組の前記貯留容器及び供給手段で交互に運転されている、態様1乃至7のいずれか一項に記載の投入方法。
本投入方法では、二組の貯留容器及び供給手段で交互に運転されている。すなわち、一方の組の貯留容器の回収袋が供給手段で段階的にコンベヤに供給された後に、他方の組の貯留容器の回収袋が供給手段で段階的にコンベヤに供給される。それゆえ、一方の組の供給手段が初期段階から最終段階へ段階的に進んだ後で、初期段階に戻る期間に、他方の組の供給手段が初期段階の回収袋の供給を開始できる。それにより、回収袋が破袋することを抑制しつつ、効率的に回収袋を搬送し、処理装置に投入できる。
【0018】
[態様9]前記貯留工程は、前記回収袋が入った前記貯留容器をリフターで上げ、前記回収袋が入っていない前記貯留容器をリフターで降ろす工程を含む、態様1乃至8のいずれか一項に記載の投入方法。
本投入方法では、回収袋が入った貯留容器をリフターで上げるので、回収袋を持ち上げて、高所の貯留容器へ入れる作業が不要となり、当該作業中に回収袋が破袋することやそれに伴い環境が汚染されることを抑制できると共に、効率的に回収袋を受入、供給、搬送し、処理装置に投入できる。
【0019】
[態様10]前記搬送工程は、前記コンベヤで搬送された前記回収袋を投入用容器に入れつつ、前記投入用容器内の前記回収袋の質量を計測部で計測する工程と、前記投入用容器内の前記回収袋の質量が所定の質量を超えた場合に、前記投入用容器内の前記回収袋を、投入部で前記処理装置に投入する工程と、を更に具備する、態様1乃至9のいずれか一項に記載の投入方法。
本投入方法は、コンベヤで搬送された回収袋を投入用容器に入れつつ、投入用容器内の回収袋の質量を計測部で計測し、投入用容器内の回収袋の質量が所定の質量を超えたときに、その投入用容器内の回収袋を投入部で処理装置に投入する。回収袋(複数)を概ね所定の質量ごとに投入用容器で一まとめにすることで、例えば、処理装置が一度に処理し得る回収袋を、安定的かつ効率的処理装置に供給できる。このとき、万が一、回収袋が何らかの原因で破袋したとしても、回収袋は投入用容器に入っているので汚染を周囲に拡げること抑制できる。
【0020】
[態様11]前記コンベヤは、前記供給手段側から前記処理装置側へ向かって、順に、第1コンベヤ、第2コンベヤ、及び、第3コンベヤを備え、前記搬送工程は、前記回収袋を前記第1コンベヤで搬送する工程と、前記回収袋を、第2コンベヤで前記第1コンベヤよりも速い搬送速度で搬送する工程と、前記回収袋を、第3コンベヤで前記第2コンベヤよりも速い搬送速度で搬送する工程と、を含む、態様1乃至10のいずれか一項に記載の投入方法。
本投入方法は、コンベヤは、供給手段側から処理装置側へ向かって、順に、第1コンベヤ、第2コンベヤ、及び、第3コンベヤを備え、第1コンベヤ、第2コンベヤ、及び、第3コンベヤは、この順に搬送速度が速くなっている。そのため、供給手段側から処理装置側へ向かって回収袋を搬送中に、回収袋が重なることを抑制でき、回収袋が破袋することを抑制できる。
【0021】
[態様12]使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置へ投入する投入装置であって、前記回収袋を貯留し、前記回収袋を送出可能な送出口を有する貯留容器と、貯留された前記回収袋を段階的に供給する供給手段と、段階的に供給された前記回収袋を順次搬送するコンベヤと、を具備する、投入装置。
態様12~22に記載の投入装置の作用効果は、基本的には態様1~11に記載の投入方法の作用効果と同一であるので、それらの記載は省略される。
【0022】
[態様13]前記供給手段は、前記送出口の扉を開閉する扉開閉部を備え、前記扉開閉部は、前記回収袋が前記コンベヤに供給されるとき、前記扉の開き度合いを段階的に大きくする、態様12に記載の投入装置。
【0023】
[態様14]前記供給手段は、前記貯留容器を傾ける傾き変更部を備え、前記傾き変更部は、前記回収袋が前記コンベヤに供給されるとき、前記貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくする、態様12又は13に記載の投入装置。
【0024】
[態様15]前記供給手段は、鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記コンベヤよりも上側に配置された台座部と、鉛直方向において、前記貯留容器よりも下側、且つ、前記台座部よりも上側に配置された押出部と、を備え、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、前記台座部の少なくとも一部は、平面方向において前記貯留容器と前記コンベヤとの間の位置に移動し、前記送出口から送出された前記回収袋をその上面で保持し、前記押出部は、前記台座部の少なくとも一部の上面に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋を前記コンベヤへ押し出す、態様12乃至14のいずれか一項に記載の投入装置。
【0025】
[態様16]前記供給手段は、前記送出口の扉を開閉する扉開閉部及び/又は前記貯留容器を傾ける傾き変更部を更に備えており、前記回収袋が前記コンベヤへ供給されるとき、前記扉開閉部は前記扉の開き度合いを段階的に大きくし、及び/又は、前記傾き変更部は前記貯留容器の傾き度合いを段階的に大きくし、前記押出部は、所定段階での前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いにおいて、前記回収袋を前記コンベヤへ段階的に押し出した後、一旦後退し、前記傾き変更部及び/又は前記扉開閉部は、前記押出部の後退後に、それぞれ前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いを次の段階に変更し、前記押出部は、変更後の前記傾き度合い及び/又は前記開き度合いにおいて、前記押出度合いを次の段階に変更する、態様15に記載の投入装置。
【0026】
[態様17]前記貯留容器は、前記回収袋を前記送出口から前記台座部の上面に列状に送出し、前記押出部は、前記台座部の上面に列状に保持された前記回収袋を前記コンベヤへ列状に押し出し、前記貯留容器から送出される前記回収袋の列の方向と、前記押出部から押し出される前記回収袋の列の方向と、前記コンベヤの流れ方向とは、互いに平行である、態様15又は16に記載の投入装置。
【0027】
[態様18]前記コンベヤ上の前記回収袋を検知するセンサを更に備え、前記供給手段は、前記センサが前記コンベヤ上の前記回収袋を検知したとき、前記貯留された前記回収袋の供給における段階的な変更を停止する、態様12乃至17のいずれか一項に記載の投入装置。
【0028】
[態様19]前記貯留容器及び供給手段の組は二組存在し、交互運転されている、態様12乃至18のいずれか一項に記載の投入装置。
【0029】
[態様20]前記貯留容器を昇降可能なリフターを更に備える、態様12乃至19のいずれか一項に記載の投入装置。
【0030】
[態様21]前記コンベヤで搬送された前記回収袋を投入用容器に入れつつ、前記投入用容器内の前記回収袋の質量を計測する計測部と、前記投入用容器内の前記回収袋の質量が所定の質量を超えた場合に、前記投入用容器内の前記回収袋を前記処理装置に投入する投入部と、を更に具備する、態様12乃至20のいずれか一項に記載の投入装置。
【0031】
[態様22]前記コンベヤは、前記供給手段側から前記処理装置側へ向かって、順に、第1コンベヤ、第2コンベヤ、及び、第3コンベヤを備え、前記第1コンベヤ、第2コンベヤ、及び、第3コンベヤは、この順に搬送速度が速くなる、態様12乃至21のいずれか一項に記載の投入装置。
【0032】
以下、実施形態に係る投入方法及び投入装置について説明する。投入方法及び投入装置は、使用済み衛生用品が入った回収袋を、使用済み衛生用品を処理する処理装置へ投入するための方法及び装置である。ただし、使用済み衛生用品とは、使用者によって使用された衛生用品であり、未使用だが廃棄されたものを含む。衛生用品としては、例えば、吸収性物品、マスク、ウェットワイプス、医療用ガウン、医療用キャップなどが挙げられる。吸収性物品としては、例えば、使い捨ておむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、ベッドシート、ペットシートが挙げられる。
【0033】
まず、実施形態に係る投入装置について説明する。図1は実施形態に係る投入装置Aの構成例を示す模式図であり、図2は投入装置Aが備える供給手段2及びその関連機器の構成例を示す模式図である。投入装置Aは、使用済み衛生用品が入った回収袋Pを処理装置50(処理方法を実施)へ投入するための装置であり、後述の投入方法を実施する。ただし、処理装置50(及び処理方法)としては、特に制限はないが、例えば、特開2020-183585号公報に記載されたシステム(及び方法)が挙げられる。そのシステム(及び方法)は、回収袋(収集袋)に収納された使用済み吸収性物品を、排泄物や菌類や臭気が外部に漏れないように回収袋ごと処理して、使用済み吸収性物品からフィルム、高吸水性ポリマー、パルプ繊維を分離、回収する。図1は処理装置50の投入口のみを示す。
【0034】
投入装置Aは、回収袋Pを貯留し、回収袋Pを送出可能な送出口11を有する貯留容器1と、貯留容器1に貯留された回収袋Pを段階的に供給する供給手段2と、供給手段2から段階的に供給された回収袋Pを順次搬送するコンベヤ3と、を具備している。
【0035】
本実施形態では、コンベヤ3は、後述されるように、供給手段2から段階的に回収袋Pを供給され、順次搬送する第1コンベヤ3-1と、第1コンベヤ3-1から受け渡された回収袋Pを処理装置50に向けて搬送する第2、第3コンベヤ3-2、3-3とを備える。また、貯留容器1は、第1コンベヤ3-1の両側に配置された、同構造の貯留容器1-1及び貯留容器1-2を含み、供給手段2は、第1コンベヤ3-1の両側に配置された、同構造の供給手段2-1及び供給手段2-2を含む。
【0036】
貯留容器1は、送出口11に扉12を備えている。本実施形態では、貯留容器1は、直方体形状を有しており、送出口11は貯留容器1の長方形状の側面に設けられ、長方形状を有し、扉12は送出口11を覆うように設けられている。また、図示されないが、貯留容器1は、更に、長方形状の上面に、長方形状を有する開口部とその開口部を覆う蓋とを備えている。貯留容器1は、回収車により回収された複数の回収袋Pを開口部から受け入れる。受け入れ後に汚染防止のために開口部には蓋が被せられる。なお、開口部に蓋を備えなくてもよい。
【0037】
本実施形態では、供給手段2は、送出口11の扉12を開閉する扉開閉部21を備えている。扉開閉部21は、例えばシリンダ及びリンク機構などを用いた扉開閉機構が挙げられる。扉開閉部21は、回収袋Pが貯留容器1からコンベヤ3に供給されるとき、扉12の開き度合いを段階的に大きくする。開き度合いの調整で回収袋Pの送出口11からの出方を調整できる。この図の例では、貯留容器1の側面に対する扉12の角度がαa、αb、αc(αa<αb<αc)の三段階となるように、扉12の開き度合いを大きくする。扉12の開き度合いを段階的に大きくすることで、扉12と送出口11との隙間から回収袋Pをコンベヤ3に向って段階的に、列状に送出できる。ただし、「列状」とは、所定方向に厳密に直線状に並んでいる必要はなく、所定方向に垂直な方向に、回収袋Pの二個分、好ましくは一個分程度ずれていてもよい(以下同じ)。αa、αb、αcは、例えばそれぞれ15度、30度、45度が挙げられる。ただし、開き度合いの角度は三段階でなくてもよく、二段階以下や四段階以上でもよい。角度は、上記の角度に限定されず、任意の角度でもよく、各段階同士の角度の間隔も等しくなくてもよい。
【0038】
本実施形態では、供給手段2は、貯留容器1を傾ける傾き変更部22を備えている。傾き変更部22は、例えばシリンダ及びリンク機構などを用いた傾斜角度調整機構が挙げられる。傾き変更部22は、回収袋Pが貯留容器1からコンベヤ3に供給されるとき、貯留容器1の傾き度合いを段階的に大きくする。傾き度合いの調整で回収袋Pの送出口11からの出方を調整できる。この図の例では、貯留容器1の載置面に対する貯留容器1の底面の角度がβa、βb、βc(βa<βb<βc)の三段階となるように、貯留容器1の傾き度合いを大きくする。貯留容器1の傾き度合いを段階的に大きくすることで、扉12と送出口11との隙間から回収袋Pをコンベヤ3に向って段階的に、列状に送出できる。βa、βb、βcは、例えばそれぞれ10度、20度、30度が挙げられる。ただし、開き度合いの角度は三段階でなくてもよく、二段階以下や四段階以上でもよい。角度は、上記の角度に限定されず、任意の角度でよく、各段階同士の角度の間隔も等しくなくてよい。
【0039】
供給手段2が扉開閉部21及び傾き変更部22の両方を備える場合には、扉開閉部21と傾き変更部22とは互いに同期して動いてもよく、同期せず互いに独立して動いてもよい。ただし、同期して動くとは、扉開閉部21の一つの段階の変化と、傾き変更部22の一つの段階の変化とを同時に行うことをいう。例えば、扉開閉部21が扉12の開き度合い(角度)をαaにするタイミングと、傾き変更部22が貯留容器1の傾き度合い(角度)をβαにするタイミングとを同時に行う。
【0040】
本実施形態では、供給手段2は、鉛直方向において、貯留容器1よりも下側、且つ、コンベヤ3よりも上側に配置された台座部23と、鉛直方向において、貯留容器1よりも下側、且つ、台座部23よりも上側に配置された押出部24と、を備えている。台座部23及び押出部24は、平面視で、貯留容器1の底面の長方形よりもやや小さい長方形の形状を有する板状の部材であり、貯留容器1の下方の収納部に格納されている。例えば、台座部23及び押出部24の長方形の形状における、第1コンベヤ3-1に対向する辺の長さは、貯留容器1の対応する辺の長さと同じかやや小さく、送出口11の対応する辺の長さよりやや大きい程度である。当該辺に垂直な辺の長さは、貯留容器1の対応する辺の長さの1/2~4/5程度の長さである。平面視の形状については、台座部23と押出部24とは等しいか、又は、台座部23の方が押出部24よりも大きい。
【0041】
台座部23は、回収袋Pが貯留容器1から第1コンベヤ3-1へ向って供給されるとき、第1コンベヤ3-1に向かって所定の長さだけ収納部から延出する。台座部23の前進・後退は、例えばシリンダ機構やラックアンドピニオン機構などで行われる。それにより、台座部23の少なくとも一部は、平面方向において貯留容器1と第1コンベヤ3-1との間の位置に移動し、送出口11から送出された回収袋Pをその上面で保持する。ただし、台座部23における収納部からの延出長さは、例えば、60cmが挙げられる。
【0042】
押出部24は、回収袋Pが貯留容器1から第1コンベヤ3-1へ向って供給されるとき、第1コンベヤ3-1に向かって段階的に収納部から延出する。押出部24の前進・後退は、例えばシリンダ機構やラックアンドピニオン機構などで行われる。すなわち、押出部24は、台座部23の少なくとも一部の上面に保持された回収袋Pを第1コンベヤ3-1へ押し出す押出度合いを段階的に大きくする。この図の例では、収納部から延出する所定の長さがd1、d2、d3(d1<d2<d3;図示されず)の三段階となるように、押出部24の押出度合いを段階的に大きくする。したがって、回収袋Pが貯留容器1からコンベヤ3へ向って供給されるとき、まず台座部23の上面が回収袋Pを受け止めて、保持し、次いで、押出部24が台座部23の上面の回収袋Pを少しずつ、第1コンベヤ3-1へ向けて押出す(落とす)。押出部24の押出度合いを段階的に大きくすることで、回収袋Pを台座部23からコンベヤ3に向って段階的に、列状に押し出すことができる。ただし、d1、d2、d3は、例えばそれぞれ20cm、40cm、60cmが挙げられる。押出度合いの所定の長さは三段階でなくてもよく、二段階以下や四段階以上でもよい。所定の長さは、上記の長さに限定されず、任意の長さでよく、各段階同士の長さの間隔も等しくなくてよい。
【0043】
このように、本実施形態では、貯留容器1は、回収袋Pを送出口11から台座部23の上面に列状に送出し、押出部24は、台座部23の上面に列状に保持された回収袋Pを第1コンベヤ3-1へ列状に押し出す。ことのき、貯留容器1から送出される回収袋Pの列の方向と、押出部24から押し出される回収袋Pの列の方向と、第1コンベヤ3-1の流れ方向とは、互いに平行となる。ただし、この場合での「互いに平行」とは、各方向を示す直線が厳密に互いに平行である必要はなく、各方向を示す直線が互いに±10度程度ずれていてもよく、各方向に垂直な方向に、回収袋Pの二個分、好ましくは一個分程度ずれてもよい(以下同じ)。
【0044】
本実施形態では、コンベヤ3は、上記のように、供給手段2側から処理装置50側へ向かって、順に、第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、及び、第3コンベヤ3-3を備え、更に第4コンベヤ3-4を備えている。コンベヤ3としては、特に制限はないが、例えばベルトコンベヤが挙げられる。第1コンベヤ3-1は、その搬送方向が貯留容器1の送出口11を備える側面と平行になるように配置されており、送出口11から供給手段2を介して送出される回収袋Pを搬送する。第2コンベヤ3-2は、第1コンベヤ3-1の鉛直方向の下側に位置し、その搬送方向が第1コンベヤ3-1の搬送方向と同じになるように配置されており、第1コンベヤ3-1から搬送されてくる回収袋Pを搬送する。第3コンベヤ3-3は、一方の端部が第1コンベヤ3-1の鉛直方向の下側に位置し、その搬送方向が第1、第2コンベヤ3-1、3-2の搬送方向と交差し(例示:交差角90度)、他方の端部に向って昇って行くように配置されている。第3コンベヤ3-3は、第2コンベヤ3-2から搬送されてくる回収袋Pを搬送し、他方の端部の下方に配置された搬送容器B(図1中、「B」と表示)に落下させる。第4コンベヤ3-4は後述される。
【0045】
第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、及び、第3コンベヤ3-3は、この順に搬送速度が速くなる。コンベヤ3の搬送速度を順次速くすることで、搬送中に回収袋Pを重なり難くでき、一つ一つ離間させて搬送できる。また、複数のコンベヤ3を用いることで、コンベヤ3間の受け渡しのときに、互いに重なり合った回収袋Pを離間させ易くすることができる。コンベヤ3同士が高さ方向に重なっていることで、コンベヤ3間の受け渡しのときに、コンベヤ3間で回収袋Pが挟まれて破れることを抑制できる。なお、第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、及び、第3コンベヤ3-3の交差角度は上記例に限定されるものではなく、例えば、全て互いに平行でもよく、全て互いに交差してもよい。コンベヤ3の数も、二台以下でもよく、四台以上でもよい。
【0046】
本実施形態では、貯留容器1及び供給手段2の組は、第1コンベヤ3-1を挟んで、両側に、二組配置されており(貯留容器1-1及び供給手段2-1、並びに、貯留容器1-2及び供給手段2-2)、交互に運転されている。すなわち、一方の組で第1コンベヤ3-1に回収袋Pを送出しているとき、他方の組で回収車により回収された複数の回収袋Pを開口部から受け入れることができる。それにより、回収袋Pの回収及び処理装置50への搬送を効率的に行うことができる。
【0047】
本実施形態では、投入装置Aは、センサ5、リフター6、質量計測部7、コンベヤ9、投入部8、制御装置10を更に備えている。
【0048】
リフター6は、貯留容器1を下方の位置と上方の位置との間で昇降する。リフター6としては、特に制限はないが、例えばシリンダ及びリンク機構などを用いたリフト機構を備える装置が挙げられる。下方の位置では、貯留容器1は、回収車により回収された複数の回収袋Pを受け入れ、上方の位置では、貯留容器1は、複数の回収袋Pを第1コンベヤ3-1へ送出する。
【0049】
本実施形態では、貯留容器1及び供給手段2だけでなく、リフター6も、第1コンベヤ3-1を挟んで、両側に二個配置され(リフター6-1及びリフター6-2)、交互に運転されている。したがって、貯留容器1、供給手段2、及びリフター6の組は、第1コンベヤ3-1を挟んで、両側に、二組配置されており、交互に運転されている。それにより、回収袋Pの回収及び処理装置50への搬送をより効率的に行うことができる。
【0050】
センサ5は、コンベヤ3上の回収袋Pを検知するセンサとして、第1コンベヤ3-1用の第1センサ5a、第2コンベヤ3-2用の第2センサ5b、及び、第3コンベヤ3-3用の第3センサ5cを備えている。この図の例では、第1センサ5aは第1コンベヤ3-1の上方に、第2センサ5bは第2コンベヤ3-2の上方に、及び、第3センサ5cは第3コンベヤ3-3の上方に、離間して、天井に設けられている。センサ5としては、特に制限はないが、例えば画像により物の有無や位置を検出する画像センサが挙げられる。センサ5がコンベヤ3上の回収袋Pを検知したとき、回収袋Pの位置に応じて、供給手段2は、貯留容器1に貯留された回収袋Pをコンベヤ3へ供給するときの段階的な動作の変更を停止する。例えば、供給手段2は、第1センサ5aがコンベヤ3-1上の回収袋Pを検知したとき、貯留容器1に貯留された回収袋Pの供給における段階的な変更(例示:開き度合い、傾き度合い、及び/又は、押出度合いの変更)を停止する。なお、第1センサ5a、第2センサ5b、及び第3センサ5cは、それぞれ第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、及び第3コンベヤ3-3の側方に設置してもよい。各センサ5としては、例えば、透過形光電センサが挙げられ、反応光軸が各コンベヤ3と水平でオフセットされるように設置される。
【0051】
質量計測部7(計測部)は、第3コンベヤ3-3で搬送された回収袋Pが搬送容器Bに順次入れられつつ、搬送容器B内の全回収袋Pの質量を計測する。質量計測部7としては、特に制限はないが、例えば電子式質量計が挙げられる。質量計測部7近傍の移送装置(図示されず)は、全回収袋Pの質量が所定の質量を超えた搬送容器B、すなわち搬送容器Bを次の第4コンベヤ3-4へ移送する。
【0052】
第4コンベヤ3-4は、所定の質量を超えた回収袋Pを含む搬送容器Bを、コンベヤ9へ搬送する。第4コンベヤ3-4としては、特に制限はないが、例えばベルトコンベヤ、駆動ローラコンベヤ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。第4コンベヤ3-4には、金属を検出するための、第4コンベヤ3-4用のゲート状の第4センサ5dが配置されている。第4センサ5dとしては、特に制限はないが、金属探知機が挙げられる。搬送容器Bに金属を含む回収袋Pが含まれる場合、処理装置50で処理する前に、金属を除く処理を別途行う必要があるためである。
【0053】
コンベヤ9は、第1コンベヤ9-1、第2コンベヤ9-2、及び、第3コンベヤ9-3を備えている。コンベヤ9としては、特に制限はないが、例えば駆動ローラコンベヤが挙げられる。第1コンベヤ9-1は、第4コンベヤ3-4を介して、金属の検出を行った搬送容器B、すなわち搬送容器Bを受け取り、その行き先を、金属を含むか否かにより変更する。例えば、金属を含まない場合、搬送容器Bの行き先を第2コンベヤ9-2(投入部8の側)とし、金属を含む場合、搬送容器Bの行き先を第3コンベヤ9-3(金属を除く処理を行う機器(図示されず)の側)とする。
【0054】
投入部8は、金属を含まない搬送容器B、すなわち搬送容器Bを受領し、処理装置50の投入口の上方へ移送する。そして、投入部8は、投入口の上方へ移送された搬送容器B、すなわち搬送容器Bの中の回収袋Pを処理装置50の投入口に投入する。投入部8としては、特に制限はないが、容器を持ち上げ、容器の内容物を所定の投入口に投入可能な装置である。
【0055】
制御装置10は、少なくとも貯留容器1、供給手段2、コンベヤ3、センサ5、リフター6、質量計測部7、移送装置、コンベヤ9、投入部8と有線10a及び/又は無線(図示されず)で接続されている。制御装置10は、センサ5や質量計測部7などからの信号に基づいて、少なくとも供給手段2、コンベヤ3、リフター6、移送装置、コンベヤ9及び投入部8の動作を制御する。制御装置10はコンピュータやタブレット端末やスマートフォンに例示される情報処理装置である。制御装置10は、制御装置10にインストールされたコンピュータプログラムを実行して、複数の機能をそれぞれ実現する。その複数の機能は、供給手段2、コンベヤ3、リフター6、質量計測部7、移送装置、コンベヤ9及び投入部8などを制御する機能を含んでいる。
【0056】
次に、実施形態に係る投入方法について説明する。本投入方法は、上記の投入装置Aにより実施される。図3図9は実施形態に係る投入方法における供給手段2及びその関連機器の動作例を示す模式図であり、図10図12は実施形態に係る投入方法の一例を示すフローチャートである。本投入方法は、使用済み衛生用品が入った回収袋を処理装置50(処理方法を実行)へ投入するための方法である。
【0057】
図10に示すように、本投入方法は、回収袋Pを送出可能な送出口11を有する貯留容器1に回収袋Pを貯留する貯留工程S1と、貯留された回収袋Pを供給手段2で段階的に供給する供給工程S2と、段階的に供給された回収袋Pをコンベヤ3で順次搬送する搬送工程S3と、を具備している。
【0058】
本実施形態では、貯留工程S1は、回収袋Pが入った貯留容器1をリフター6で上げ、回収袋Pが入っていない貯留容器1をリフター6で降ろすリフト工程S11を含んでいる。例えば、リフター6の上方の位置から下方の位置へ空の貯留容器1を降ろし、回収車により回収された回収袋Pを空の貯留容器1に入れて、上方の位置へ上げる。本実施形態では、貯留容器1、供給手段2及びリフター6が、第1コンベヤ3-1を挟んで、両側に二組配置され、交互に昇降される。
【0059】
図3には、回収袋Pが入った貯留容器1が、リフター6で上方の位置へ上げられた状態が示されている。この場合、貯留容器1は回収袋Pを貯留している。供給手段2では、扉開閉部21は扉12の開き度合いをゼロ(初期位置)とし(送出口11を閉塞し)、傾き変更部22は貯留容器1の傾き度合いをゼロ(初期位置)とし、台座部23及び押出部24は収容部内に位置している。
【0060】
本実施形態では、供給工程S2は、図11に示すように、回収袋Pがコンベヤ3に供給されるときに順次実施される工程S21~工程S28を有している。
【0061】
図4は、図11の工程S21~工程S23の状態を示している。工程S21は、平面方向において貯留容器1とコンベヤ3との間の位置に台座部23が移動する工程である。すなわち、台座部23の少なくとも一部が第1コンベヤ3-1へ向かって所定の長さだけ収納部から延出する。そのときの収納部から延出した台座部23、すなわち台座部23aにおける第1コンベヤ3-1側の端部の位置は、回収袋Pがその端部から第1コンベヤ3-1側へ落下したならば、第1コンベヤ3-1上に乗るであろう位置である。
【0062】
工程S22は、扉開閉部21が扉12の開き度合いを初期段階にする工程である。それにより、扉12は送出口11に対して角度αaだけ開き、回収袋Pが送出口11から外へ出易くなる。工程S23は、傾き変更部22が貯留容器1の傾き度合いを初期段階にする工程である。それにより、貯留容器1は水平面に対して角度βaだけ傾き、回収袋Pが送出口11に向って移動し易くなる。その結果、傾いた貯留容器1、すなわち貯留容器1aでは、扉12と送出口11との隙間から回収袋Pが重力で送出される。貯留容器1aから送出された回収袋P、すなわち回収袋Pa、Pbは、台座部23aの上面に載置される。それと共に、貯留容器1a内では回収袋Pが送出口11の側へ重力で移動する。このとき、扉12と送出口11との隙間は広くないので、回収袋Pa、Pbは、その隙間に沿って列状に載置される。この図の例では、第1コンベヤ3-1側の回収袋Paの列、及び、貯留容器1a側の回収袋Pbの列である。ただし、工程S22及び工程S23はいずれか一方が他方よりも先行して行われてもよいし、同時に行われてもよい。
【0063】
図4には、回収袋Pが入った貯留容器1aが少し傾けられ、扉12が少し開いた状態が示されている。この場合、供給手段2では、扉開閉部21は扉12の開き度合いを初期段階(角度αa)として、送出口11を開き、傾き変更部22は貯留容器1aの傾き度合いを初期段階(角度βa)とし、台座部23aは収容部から所定の長さだけ延出し、押出部24は収容部内に位置している。貯留容器1aは回収袋Pを貯留しているが、一部の回収袋Pa、Pbが台座部23a上に移動している。したがって、工程S21~工程S23は、平面方向において貯留容器1aと第1コンベヤ3-1との間に移動した台座部23aの少なくとも一部の上面で、送出口11から送出された回収袋Pを保持する工程ということができる。
【0064】
図5図9は、図11の工程S24の状態を示している。工程S24は、押出部24で、台座部23aの少なくとも一部の上面に保持された回収袋Pa、Pbの少なくとも一部(Pa)を、台座部23aの端部から第1コンベヤ3-1へ押し出す工程である。図12は工程S24の詳細を示している。本実施形態では、工程S24は工程S41~工程S47を有している。
【0065】
工程S41は、押出部24が押出度合いを初期段階にする工程である。それにより、押出部24は所定の長さd1(図示されず)だけ収納部から延出する。すなわち、収納部から延出した押出部24、すなわち押出部24aは、台座部23a上の回収袋Pa、Pbのうちの第1コンベヤ3-1側の列状の回収袋Paを、台座部23aから落下させて、第1コンベヤ3-1に載せる。図5は、この状態を示している。それにより、回収袋Paは、第1コンベヤ3-1から搬送されて第2コンベヤ3-2、第3コンベヤ3-3と順次搬送される。図6は、この状態を示している。
【0066】
工程S42は、第1センサ5aの信号に基づいて、第1コンベヤ3-1上に回収袋Paが存在するか存在しないかを判断する工程である。第1コンベヤ3-1上に回収袋Paが存在する場合には(工程S42:No)、押出部24aは動作を一時停止し、工程S43が実施される。一方、第1コンベヤ3-1上に回収袋Paが存在しない場合には(工程S42:Yes、図6)、工程S44に進む。ただし、工程S43は、第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、第3コンベヤ3-3により回収袋Paを順次搬送する工程であり、それにより、第1コンベヤ3-1上に回収袋Paが存在しなくなる。そして、当該工程S43の後、再び工程S42が実施される。
【0067】
工程S44は、押出部24aが収納部へ一旦後退し(引っ込み)、再び初期段階まで前進する(収納部から延出する)工程である。それにより、第1コンベヤ3-1側の列状の回収袋Paなどが、漏れなく台座部23aから確実に落下する。
【0068】
工程S45は、押出部24aが所定の回数だけ後退及び前進を行ったか否かを判断する工程、すなわち工程S44を所定回数だけ行ったか否かを判断する工程である。所定の回数だけ後退及び前進を行うことで、第1コンベヤ3-1側の列状の回収袋Paを台座部23aから確実に落下できる。押出部24aが所定の回数(例示:2回)だけ後退及び前進を行っていない場合には(工程S45:No)、工程S42に戻る。一方、押出部24aが所定の回数だけ後退及び前進を行った場合には(工程S45:Yes)、工程S46に進む。なお、工程S44~工程S45は実施しなくてもよい。
【0069】
工程S46は、押出部24aが所定の段階だけ押出度合いを変更したか否かを判断する工程である。所定の段階だけ押出度合いを変更することで、台座部23a上の回収袋Pa、Pbを第1コンベヤ3-1へ確実に落下できる。押出部24aが所定の段階(例示:3段階)だけ押出度合いを変更していない場合には(工程S46:No)、工程S47に進む。一方、押出部24aが所定の段階だけ押出度合いを変更した場合には(工程S46:Yes)、工程S24を終了し、工程S25に進む。
【0070】
工程S47は、押出部24aが押出度合いを大きくする工程、例えば、初期段階から第2段階にする工程である。それにより、押出部24aは初期段階の所定の長さd1よりも長い第2段階の所定の長さd2(図示されず)だけ収納部から延出する。その結果、台座部23a上の回収袋Pbが、台座部23aから落下し、第1コンベヤ3-1に載る。図7は、この状態を示している。その後、回収袋Pbは、第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、第3コンベヤ3-3と順次搬送される。図8は、この状態を示している。
【0071】
工程S47の後、再び、工程S42~工程S46が実施され、再び、工程S47が実施されて、押出部24aは第2段階の所定の長さd2よりも長い第3段階の所定の長さd3(図示されず)だけ収納部から延出する。ただし、この図の例では、台座部23a上に回収袋Pが存在しないため、第1コンベヤ3-1上には回収袋Pが落下することはない。図9はこの状態を示している。工程S47の後、再び、工程S42~工程S46が実施され、工程S46がYesとなり、工程S24が終了となり、工程S25に進む。
【0072】
ここで、工程S41、工程S46、工程S47は、押出部24で、台座部23の少なくとも一部の上面に保持された回収袋Pをコンベヤ3へ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋Pを前記コンベヤへ押し出す工程ということができる。また、工程S44は、押出部24で、所定段階での傾き度合い及び/又は開き度合いにおいて、回収袋Pをコンベヤ3へ段階的に押し出した後(工程S41及び工程S47の後)、一旦後退する工程ということができる。
【0073】
図11において、工程S25は、傾き変更部22が所定の段階だけ貯留容器1aの傾き度合いを変更したか否かを判断する工程である。所定の段階だけ傾き度合いを変更することで、より傾いた貯留容器1aの送出口11から回収袋Pを台座部23aに確実に送出できる。傾き変更部22が所定の段階(例示:3段階)だけ傾き度合いを変更していない場合には(工程S25:No)、工程S26に進む。一方、傾き変更部22が所定の段階だけ傾き度合いを変更した場合には(工程S25:Yes)、工程S27に進む。
【0074】
工程S26は、傾き変更部22が貯留容器1aの傾き度合いを大きくする工程、例えば、初期段階から第2段階にする工程である。それにより、貯留容器1aは初期段階の角度βaよりも大きい第2段階の角度βb(図2(b)参照)に傾く。その結果、傾いた貯留容器1a、すなわち貯留容器1b内の回収袋Pが、送出口11から送出されて、台座部23a上に移動する。ただし、工程S26の前に、工程S42及び工程S43のようなコンベヤ3上に回収袋Pの有無を確認する工程を行ってもよい。
【0075】
工程S26の後、再び、工程S24~工程S25が実施され、再び、工程S26が実施されて、貯留容器1bは第2段階の角度βbよりも大きい第3段階の角度βc(図2(b)参照)に傾く。その結果、傾いた貯留容器1b、すなわち貯留容器1c内の回収袋Pが、送出口11から列状に送出されて、台座部23a上に移動する。工程S26の後、再び、工程S24~工程S25が実施され、工程S25がYesとなり、工程S27に進む。
【0076】
工程S27は、扉開閉部21が所定の段階だけ扉12の開き度合いを変更したか否かを判断する工程である。所定の段階だけ開き度合いを変更することで、扉12がより開いた貯留容器1aの送出口11から回収袋Pを台座部23aに確実に送出できる。扉開閉部21が所定の段階(例示:3段階)だけ開き度合いを変更していない場合には(工程S27:No)、工程S28に進む。一方、扉開閉部21が所定の段階だけ開き度合いを変更した場合には(工程S27:Yes)、供給工程S2は終了する。
【0077】
工程S28は、扉開閉部21が扉12の開き度合いを大きくする工程、例えば、初期段階から第2段階にする工程である。それにより、扉12は初期段階の角度αaよりも大きい第2段階の角度αb(図2(b)参照)に開く。その結果、貯留容器1a内の回収袋Pが、送出口11から列状に送出されて、台座部23a上に移動する。ただし、工程S28の前に、工程S42及び工程S43のようなコンベヤ3上に回収袋Pの有無を確認する工程を行ってもよい。
【0078】
工程S28の後、再び、工程S24~工程S27が実施され、再び、工程S28が実施されて、扉12は第2段階の角度αbよりも大きい第3段階の角度αc(図2(b)参照)に開く。その結果、貯留容器1a内の回収袋Pが、送出口11から送出されて、台座部23a上に移動する。工程S28の後、再び、工程S24~工程S27が実施され、工程S27がYesとなり、供給工程S2は終了し、搬送工程S3に進む。
【0079】
供給工程S2における工程S22、工程S27、工程S28を含む工程は、回収袋Pがコンベヤ3に供給されるとき、扉開閉部21で扉12の開き度合いを段階的に大きくする工程ということができる。また、供給工程S2における工程S23、工程S25、工程S26は、回収袋Pがコンベヤ3に供給されるとき、傾き変更部22で貯留容器1の傾き度合いを段階的に大きくする工程ということができる。なお、工程S22及び工程S23は組み合わせて、したがって同時に行ってもよく、同様に工程S25及び工程S27は組み合わせて、したがって同時に行ってもよく、工程S26及び工程S28は組み合わせて、したがって同時に行ってもよい。
【0080】
また、供給工程S2における工程S22、工程S23、工程S26、工程S28は、貯留容器1aで回収袋Pを送出口11から台座部23aの上面に列状に送出する工程ということができる。また、供給工程S2における工程S24(工程S41、工程S47)は、押出部24aで台座部23aの上面に列状に保持された回収袋Pを第1コンベヤ3-1へ列状に押し出す工程ということができる。その際、貯留容器1aから送出される回収袋Pの列の方向と、押出部24aから押し出される回収袋Pの列の方向と、第1コンベヤ3-1の流れ方向とは、互いに平行である。
【0081】
図10において、搬送工程S3では、第1コンベヤ3-1は、貯留容器1aの送出口11から供給手段2を介して供給された回収袋Pを第2コンベヤ3-2へ搬送する。第2コンベヤ3-2は、第1コンベヤ3-1から供給された回収袋Pを第3コンベヤ3-3へ搬送する。第3コンベヤ3-3は、第1、第2コンベヤ3-1、3-2から供給された回収袋Pを搬送容器Bに落下させる。ただし、第1コンベヤの搬送速度<第2コンベヤの搬送速度<第3コンベヤの搬送速度、である。
【0082】
搬送工程S3は、更に、計測工程S31及び投入工程S33を備えている。計測工程S31は、第3コンベヤ3-3で搬送された回収袋Pを搬送容器Bに入れつつ、搬送容器B内の回収袋Pの質量を質量計測部7で計測する工程である。搬送容器B内の全回収袋Pの質量が所定の質量を超えたとき、全回収袋Pを含む搬送容器Bを、移送装置(図示されず)等により第4コンベヤ3-4へ移送する。
【0083】
投入工程S33は、搬送容器B(B)内の回収袋Pを、投入部8で処理装置50に投入する工程である。具体的には、第4センサ5dで搬送容器B内の回収袋Pに金属が含まれないことを確認されつつ、第4コンベヤ3-4で搬送容器Bを第1コンベヤ9-1へ搬送する。第1コンベヤ9-1及び第2コンベヤ9-2で、第4コンベヤ3-4から受け取った、金属を含まない搬送容器Bを投入部8へ搬送する。搬送された搬送容器Bを投入部8の把持手段8-1で処理装置50の投入口の上方へ移送する。そして、移送された搬送容器B、すなわち搬送容器B内の回収袋Pを投入口の上方へ移動した把持手段8-1、すなわち把持手段8-2で処理装置50(の投入口)に投入する。
【0084】
以上のように、実施形態に係る投入方法が実施される。
【0085】
本投入方法及び本投入装置Aは、貯留容器1で回収袋Pを貯留する貯留工程S1と、貯留された回収袋Pを供給手段2で段階的に供給する供給工程S2と、段階的に供給された回収袋Pをコンベヤ3で順次搬送する搬送工程S3と、を実施する。すなわち、供給手段2は、コンベヤ3への回収袋Pの供給を、初期段階(例示:αa、βa、d1)での供給、次段階(例示:αb、βb、d2)での供給、更に次の段階(例示:αc、βc、d3)での供給、というように、複数の段階に分けて行い、コンベヤ3は、各段階の回収袋Pをまとめずに順次搬送している。このように、貯留容器1の回収袋Pが複数回に分けてコンベヤ3へ供給されるので、コンベヤ3に回収袋Pが連続的に供給されてコンベヤ3上の回収袋Pの量が過剰になってしまう事態を抑制できる。それにより、コンベヤ3上で回収袋Pが重なり合い難くなり、重なり合ったとしても、重なり合う回収袋Pの数を抑えられるので、上側の回収袋Pの重さにより下側の回収袋Pが破袋することを抑制できる。したがって、本投入方法及び投入装置Aにより、回収袋Pごと使用済み衛生用品を処理する処理装置50まで、回収袋Pを破袋させず、衛生的に搬送、投入することができる。
【0086】
本投入方法及び本投入装置Aでは、供給手段2は送出口11の扉12を開閉する扉開閉部21を備え、供給工程S2は回収袋Pがコンベヤ3に供給されるとき、扉開閉部21で扉12の開き度合いを段階的に大きくする。例えば、扉12の開き度合いが初期段階に設定され(例示:αa)、回収袋Pが送出口11から送出され、その後、回収袋Pが送出されなくなったら、扉12の開き度合いが次の段階に設定されて(例示:αb)、大きくなり、再び回収袋Pが送出口11から送出される。以下、同様である。このように、扉12の開き度合いを段階的に大きくすることで、回収袋Pがコンベヤ3に段階的に供給されるので、回収袋Pが一気に連続的に多量にコンベヤ3に供給されることを抑制できる。それにより、次々に回収袋Pが送出されて、後から送出された回収袋Pによって、前に送出された回収袋Pに衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋Pが破袋することを抑制できる。
【0087】
本投入方法及び投入装置Aでは、供給手段2は傾き変更部22を備えており、供給工程S2は回収袋Pがコンベヤ3に供給されるとき、傾き変更部22で貯留容器1の傾き度合いを段階的に大きくする。例えば、貯留容器1の傾き度合いが初期段階に設定され(例示:βa)、回収袋Pが送出口11から送出される。その後、回収袋Pが送出されなくなったら、貯留容器1の傾き度合いが次の段階に設定されて(例示:βb)、大きくなり、再び回収袋Pが送出口11から送出される。以下、同様である。このように、貯留容器1の傾き度合いを段階的に大きくすることで、回収袋Pがコンベヤ3に断続的に供給されるので、回収袋Pが一気に連続的に多量にコンベヤ3に供給されることを抑制できる。それにより、次々に回収袋Pが送出されて、後から送出された回収袋Pによって、前に送出された回収袋Pに衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋Pが破袋することを抑制できる。
【0088】
本投入方法及び投入装置Aでは、供給手段2は台座部23と押出部24とを備えている。そして、供給工程S2は、回収袋Pがコンベヤ3へ供給されるとき、台座部23の少なくとも一部で送出口11から送出された回収袋Pをその上面で保持し、押出部24で台座部23の上面に送出された回収袋Pをコンベヤ3へ押し出す押出度合いを段階的に大きくしつつ、当該回収袋Pをコンベヤ3へ押し出す。例えば、回収袋Pの押出度合いが初期段階に設定され(例示:d1)、回収袋Pが台座部23からコンベヤ3へ押し出される。その後、回収袋Pが押し出されなくなったら、回収袋Pの押出度合いが次の段階に設定されて(例示:d2)、大きくなり、再び回収袋Pが台座部23からコンベヤ3へ押し出される。以下、同様である。このように、回収袋Pの押出度合いを段階的に大きくすることで、回収袋Pがコンベヤ3に段階的に供給されるので、回収袋Pが一気に連続的に多量にコンベヤ3に供給されることを抑制できる。それにより、次々に回収袋Pが送出され、後から送出された回収袋Pにより、前に送出された回収袋Pに衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋Pの破袋を抑制できる。
【0089】
本投入方法及び投入装置Aでは、供給工程S2は、所定段階での傾き度合い及び/又は開き度合い(台座部23上に回収袋Pが送出される)において、押出部24で、台座部23上の回収袋Pを段階的にコンベヤ3に押し出し、台座部23上に回収袋Pがなくなると、押出部24を一旦後退させる。次いで、貯留容器1の傾き度合い及び/又は貯留容器1の扉12の開き度合いを次の段階へ変更し(大きくし;台座部23上に再び回収袋Pが送出される)、押出部24で、台座部23上の回収袋Pを再び段階的にコンベヤ3に押し出す。このように、貯留容器1の傾き度合い及び/又は扉12の開き度合いごとに、回収袋Pの押出度合いを段階的に大きくすることで、より的確に回収袋Pをコンベヤ3に段階的に供給できる。それにより、回収袋Pに衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋Pの破袋を抑制できる。
【0090】
本投入方法及び投入装置Aでは、貯留容器1から送出される回収袋Pの列の方向と、押出部24から押し出される回収袋Pの列の方向と、コンベヤ3の流れ方向とは、互いに平行である。そのため、列状の回収袋Pを、列状のままで、貯留容器1から押出部24(台座部23)を介してコンベヤ3へ移送することができる。それゆえ、回収袋Pは、特定の箇所に塊を作ることなく、概ね均等に分散した状態で、貯留容器1から押出部24(台座部23)を介してコンベヤ3へ移送できる。それにより、回収袋Pが重なることなどによる回収袋Pの破袋を抑制できる。
【0091】
本投入方法及び投入装置Aでは、コンベヤ3上に回収袋Pがあるときには、供給工程S2は段階的な変更を停止する。すなわち、供給工程S2は、コンベヤ3上に回収袋Pがあるときには、供給の段階を次の段階に進ませない。例えば、初期段階(例示:αa、βa、d1)での供給を行っている場合、次段階での供給を行わず、次段階での供給を行っている場合には、更に次の段階(例示:αb、βb、d3)での供給を行わない。このように、コンベヤ3上に回収袋Pがあるときには、追加の回収袋Pをコンベヤ3に供給しないので、次々に回収袋Pが送出されて、後から送出された回収袋Pによって、前に送出された回収袋Pに衝撃が加わる事態を抑制でき、回収袋Pが破袋することを抑制できる。
【0092】
本投入方法及び投入装置Aでは、二組の貯留容器1及び供給手段2で交互に運転されている。すなわち、一方の組の貯留容器1の回収袋Pが供給手段2で段階的にコンベヤ3に供給された後に、他方の組の貯留容器1の回収袋Pが供給手段2で段階的にコンベヤ3に供給される。それゆえ、一方の組の供給手段2が初期段階から最終段階へ段階的に進んだ後で、初期段階に戻る期間に、他方の組の供給手段2が初期段階の回収袋Pの供給を開始できる。それにより、回収袋Pの破袋を抑制しつつ、回収袋Pを効率的に搬送できる。
【0093】
本投入方法及び投入装置Aでは、回収袋Pが入った貯留容器1をリフター6で上げるので、回収袋Pを持ち上げて、高所の貯留容器1へ入れる作業が不要となり、当該作業中に回収袋Pが破袋することやそれに伴い環境が汚染されることを抑制できると共に、効率的に回収袋Pを受入、供給、搬送し、処理装置50に投入できる。
【0094】
本投入方法及び投入装置Aは、コンベヤ3で搬送された回収袋Pを搬送容器Bに入れつつ、搬送容器B内の回収袋Pの質量を計測部7で計測し、搬送容器B内の回収袋Pの質量が所定の質量を超えたときに、その搬送容器B内の回収袋Pを投入部8で処理装置50に投入する。回収袋P(複数)を概ね所定の質量ごとに搬送容器Bで一まとめにすることで、例えば、処理装置50が一度に処理し得る回収袋Pを、安定的かつ効率的に処理装置50に供給できる。このとき、万が一、回収袋Pが何らかの原因で破袋したとしても、回収袋Pは搬送容器Bに入っているので汚染を周囲に拡げること抑制できる。
【0095】
本投入方法及び投入装置Aは、コンベヤ3は、供給手段2側から処理装置50側へ向かって、順に、第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、及び、第3コンベヤ3-3を備え、第1コンベヤ3-1、第2コンベヤ3-2、及び、第3コンベヤ3-3は、この順に搬送速度が速くなっている。そのため、供給手段2側から処理装置50側へ向かって回収袋Pを搬送中に、回収袋Pが重なることを抑制でき、回収袋Pの破袋を抑制できる。
【0096】
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
【符号の説明】
【0097】
S1 貯留工程
S2 供給工程
S3 搬送工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12