(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】マルチディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/40 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
G09F9/40 301
(21)【出願番号】P 2020212540
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】中田 充
(72)【発明者】
【氏名】宮川 幹司
(72)【発明者】
【氏名】辻 博史
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0093244(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0357845(US,A1)
【文献】特開2013-117553(JP,A)
【文献】特開2017-003905(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111754882(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0122288(US,A1)
【文献】特開2017-044768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00- 9/46
F21S 2/00
F21V 8/00
F21V 23/00- 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも赤、緑、青の3原色に対応した複数の画素を1つの画素ユニットとし、この画素ユニットが面内に周期的に並んで配置された表示領域を含む複数の表示パネルユニットを備え、
前記複数の表示パネルユニットの隣り合うもの同士を突き合わせることによって、前記複数の表示パネルユニットの表示領域が1つの表示画面を構成するマルチディスプレイであって、
前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内における一の方向に並んで設けられ、
前記一の方向における前記画素ユニットの幅をaとし、前記画素ユニットの前記一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとしたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaとなる第1の定常領域と、前記第1の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域とを含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa+2bとなる第2の定常領域を含むことを特徴とするマルチディスプレイ。
【請求項2】
前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する1つの前記第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットの周囲を囲む8つの前記第2の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内において交差する前記一の方向と他の方向とに並んで設けられ、
前記他の方向における前記画素ユニットの幅をa’とし、前記画素ユニットの前記他の方向の両側に設けられる余白の幅をb’としたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’となる第3の定常領域と、前記第3の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’からa’+2b’へと連続的に変化する第2の過渡領域とを含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’+2b’となる第4の定常領域を含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチディスプレイ。
【請求項3】
少なくとも赤、緑、青の3原色に対応した複数の画素を1つの画素ユニットとし、この画素ユニットが面内に周期的に並んで配置された表示領域を含む複数の表示パネルユニットを備え、
前記複数の表示パネルユニットの隣り合うもの同士を突き合わせることによって、前記複数の表示パネルユニットの表示領域が1つの表示画面を構成するマルチディスプレイであって、
前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニット及び前記第2の表示パネルユニットを挟んだ両側に位置する2つの第3の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内における一の方向に並んで設けられ、
前記一の方向における前記画素ユニットの幅をaとし、前記画素ユニットの前記一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとしたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaとなる第1の定常領域を含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaとなる第2の定常領域と、前記第2の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域とを含み、
前記第3の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa+2bとなる第3の定常領域を含むことを特徴とするマルチディスプレイ。
【請求項4】
前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する前記第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットの周囲を囲む8つの前記第2の表示パネルユニットと、前記第2の表示パネルユニットの周囲を囲む16つの前記第3の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内において交差する前記一の方向と他の方向とに並んで設けられ、
前記他の方向における前記画素ユニットの幅をa’とし、前記画素ユニットの前記他の方向の両側に設けられる余白の幅をb’としたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’となる第4の定常領域を含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’となる第5の定常領域と、前記第5の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’からa’+2b’へと連続的に変化する第2の過渡領域とを含み、
前記第3の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’+2b’となる第6の定常領域を含むことを特徴とする請求項3に記載のマルチディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を用いた有機EL表示装置(有機ELディスプレイ)は、高輝度で自発光であること、直流低電圧駆動が可能であること、応答性が高速であること、固体有機膜による発光であることから、表示性能に優れていると共に、薄型化、軽量化、低消費電力化が可能である。このため、将来的に液晶表示装置に代わる表示装置として期待されている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
具体的に、有機EL表示装置は、複数の画素が面内にマトリックス状に並んで配置された表示領域を含む表示パネルを備えている。表示パネルは、表示領域の面内における横方向と縦方向とに並ぶ複数の走査線(ゲートライン)と複数の信号線(データライン)及び複数の電源線(電源ライン)とを含み、これら複数の走査線と複数の信号線とによって区画された領域毎に、上述した画素を構成する画素回路が設けられた構成となっている。
【0004】
表示パネルは、画素回路として、発光素子である有機EL素子と、保持容量であるコンデンサと、スイッチング素子である2つの薄膜トランジスタ(TFT)素子とを備えている。表示パネルでは、走査線と接続された選択用TFT素子のスイッチング動作により、選択用TFT素子を介して信号線と接続された保持容量に信号線の電位(画像データ)が保持される。また、保持容量の電位に応じて、駆動用TFT素子を介して電源線と接続された有機EL素子に駆動電流が流れる。これにより、有機EL素子を発光(点灯)させることが可能である。
【0005】
また、表示パネルには、ベゼル(額縁)と呼ばれる周辺領域が表示領域の周囲を囲むように設けられている。周辺領域には、表示領域の外側へと引き出された複数の走査線と複数の信号線との各々に対応した複数の接続部が、この周辺領域の横方向と縦方向とに並んで設けられている。複数の走査線及び複数の信号線は、これら複数の接続部に接続されたフレキシブルプリント配線基板(FPC)を介して外部の駆動回路(ドライバ)と電気的に接続されている。
【0006】
ところで、マルチディスプレイとして、複数の表示パネルを面内に並べて1つの画面として表示する場合、上述した表示パネルの周辺領域が邪魔な存在となるといった課題がある。
【0007】
そこで、従来のマルチディスプレイでは、互いに隣り合う表示パネルの間に、ベゼルを覆う反射部材や導光部材を設けることによって、このベゼルを目立たなくすることが行われている(例えば、下記特許文献2,3を参照。)。
【0008】
一方、マルチディスプレイでは、表示パネルの周辺領域を縮小化する、若しくは周辺領域を無くすことによって、互いに隣り合う表示パネル間における画素間隔を一定に保ちながら、このパネル間における継ぎ目を目立たなくすることが可能である。
【0009】
しかしながら、パネル間の継ぎ目には、パネル切断時に切断面のアライメントのずれや切断位置が厚みによって変化するなどの理由から、表示パネルの端部に切断マージンを設ける必要がある。
【0010】
例えば、
図36に示すように、表示パネルDPにおける画素間隔をa''とし、表示パネルDPの端部における切断マージンをb’’とした場合、互いに隣り合う表示パネルDP間における画素間隔は、a''+2b''となる。この構成の場合、表示パネルDP間における画素間隔が不連続となることによって、継ぎ目の画質が劣化するといった課題がある。
【0011】
一方、
図37に示すように、表示パネルDPにおける画素間隔を全てa''+2b''とした場合、継ぎ目による画質の劣化を抑制することが可能である。しかしながら、表示パネルDPでは、画質の向上を図るために、高精細化の要望があり、画素サイズの縮小が求められる。したがって、この構成の場合、画素サイズが大きくなるため、表示パネルDPの高精細化を図ることが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2013-105148号公報
【文献】特開2012-145843号公報
【文献】特開2012-150366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、互いに隣り合う表示パネルユニットの間における画質の劣化と、表示パネルユニットの精細度の低下による画質の劣化とを抑制することを可能としたマルチディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 少なくとも赤、緑、青の3原色に対応した複数の画素を1つの画素ユニットとし、この画素ユニットが面内に周期的に並んで配置された表示領域を含む複数の表示パネルユニットを備え、
前記複数の表示パネルユニットの隣り合うもの同士を突き合わせることによって、前記複数の表示パネルユニットの表示領域が1つの表示画面を構成するマルチディスプレイであって、
前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内における一の方向に並んで設けられ、
前記一の方向における前記画素ユニットの幅をaとし、前記画素ユニットの前記一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとしたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaとなる第1の定常領域と、前記第1の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域とを含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa+2bとなる第2の定常領域を含むことを特徴とするマルチディスプレイ。
〔2〕 前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する1つの前記第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットの周囲を囲む8つの前記第2の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内において交差する前記一の方向と他の方向とに並んで設けられ、
前記他の方向における前記画素ユニットの幅をa’とし、前記画素ユニットの前記他の方向の両側に設けられる余白の幅をb’としたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’となる第3の定常領域と、前記第3の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’からa’+2b’へと連続的に変化する第2の過渡領域とを含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’+2b’となる第4の定常領域を含むことを特徴とする前記〔1〕に記載のマルチディスプレイ。
〔3〕 少なくとも赤、緑、青の3原色に対応した複数の画素を1つの画素ユニットとし、この画素ユニットが面内に周期的に並んで配置された表示領域を含む複数の表示パネルユニットを備え、
前記複数の表示パネルユニットの隣り合うもの同士を突き合わせることによって、前記複数の表示パネルユニットの表示領域が1つの表示画面を構成するマルチディスプレイであって、
前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニット及び前記第2の表示パネルユニットを挟んだ両側に位置する2つの第3の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内における一の方向に並んで設けられ、
前記一の方向における前記画素ユニットの幅をaとし、前記画素ユニットの前記一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとしたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaとなる第1の定常領域を含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaとなる第2の定常領域と、前記第2の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域とを含み、
前記第3の表示パネルユニットは、前記一の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa+2bとなる第3の定常領域を含むことを特徴とするマルチディスプレイ。
〔4〕 前記複数の表示パネルユニットのうち少なくとも、中央に位置する前記第1の表示パネルユニットと、前記第1の表示パネルユニットの周囲を囲む8つの前記第2の表示パネルユニットと、前記第2の表示パネルユニットの周囲を囲む16つの前記第3の表示パネルユニットとが、前記表示画面の面内において交差する前記一の方向と他の方向とに並んで設けられ、
前記他の方向における前記画素ユニットの幅をa’とし、前記画素ユニットの前記他の方向の両側に設けられる余白の幅をb’としたときに、
前記第1の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’となる第4の定常領域を含み、
前記第2の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’となる第5の定常領域と、前記第5の定常領域の両側から前記第2の表示パネルユニットとの境界に向かって、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’からa’+2b’へと連続的に変化する第2の過渡領域とを含み、
前記第3の表示パネルユニットは、前記他の方向に並ぶ前記画素ユニットの間隔がa’+2b’となる第6の定常領域を含むことを特徴とする前記〔3〕に記載のマルチディスプレイ。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、互いに隣り合う表示パネルユニットの間における画質の劣化と、表示パネルユニットの精細度の低下による画質の劣化とを抑制することを可能としたマルチディスプレイを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るマルチディスプレイの構成を示す平面図である。
【
図2】マルチディスプレイの構成を示す断面図である。
【
図3】表示パネルユニットの構成を示す回路図である。
【
図5】表示パネルユニットの構成を示す要部断面図である。
【
図7】画素回路基板の構成を示す透視平面図である。
【
図8】画素回路基板の別の構成を示す透視平面図である。
【
図9】画素回路基板の別の構成を示す透視平面図である。
【
図10】画素回路基板の別の構成を示す透視平面図である。
【
図11】表示パネルユニットを裏面側から見た平面図である。
【
図12】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図13】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図14】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図15】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図16】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図17】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図18】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図19】画素回路基板を作製する工程を説明するための断面図である。
【
図20】本発明の第1の実施形態に係るマルチディスプレイの構成を説明するための模式図である。
【
図21】
図20に示すマルチディスプレイが備える第1の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図22】
図20に示すマルチディスプレイが備える第2の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図23】
図20に示すマルチディスプレイの湾曲した構成を示す斜視図である。
【
図24】
図20に示すマルチディスプレイの第2の表示パネルユニットを追加した構成を説明するための模式図である。
【
図25】本発明の第2の実施形態に係るマルチディスプレイの構成を説明するための模式図である。
【
図26】
図25に示すマルチディスプレイが備える第1の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図27】
図25に示すマルチディスプレイが備える第2の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図28】本発明の第3の実施形態に係るマルチディスプレイの構成を説明するための模式図である。
【
図29】
図28に示すマルチディスプレイが備える第1の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図30】
図28に示すマルチディスプレイが備える第2の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図31】
図28に示すマルチディスプレイが備える第3の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図32】本発明の第4の実施形態に係るマルチディスプレイの構成を説明するための模式図である。
【
図33】
図32に示すマルチディスプレイが備える第1の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図34】
図32に示すマルチディスプレイが備える第2の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図35】
図32に示すマルチディスプレイが備える第3の表示パネルユニットの構成を示す平面図である。
【
図36】互いに隣り合う表示パネル間における画素間隔をa''+2b''とした場合を説明するための模式図である。
【
図37】表示パネルにおける画素間隔を全てa''+2b''とした場合を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の数や寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0018】
(マルチディスプレイ)
先ず、本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図11に示すマルチディスプレイ1について説明する。
【0019】
なお、
図1は、マルチディスプレイ1の構成を示す平面図である。
図2は、マルチディスプレイ1の構成を示す断面図である。
図3は、表示パネルユニット2の構成を示す回路図である。
図4は、画素回路3の構成を示す回路図である。
図5は、表示パネルユニット2の構成を示す要部断面図である。
図6は、画素回路基板4の構成を示す断面図である。
図7は、画素回路基板4の構成を示す透視平面図である。
図8は、画素回路基板4の別の構成を示す透視平面図である。
図9は、画素回路基板4の別の構成を示す透視平面図である。
図10は、画素回路基板4の別の構成を示す透視平面図である。
図11は、表示パネルユニット2を裏面側から見た平面図である。
【0020】
本実施形態のマルチディスプレイ1は、
図1及び
図2に示すように、複数の画素Pが面内に並んで配置された表示領域Eを含む複数の表示パネルユニット2と、複数の表示パネルユニット2を面内に並べた状態で支持する支持基板50とを備えている。
【0021】
マルチディスプレイ1では、これら複数の表示パネルユニット2の隣り合うもの同士を突き合わせた状態で、複数の表示パネルユニット2を支持基板50の一方の面側に貼り合わせることによって、複数の表示パネルユニット2の表示領域Eが1つの表示画面Sを構成している。
【0022】
表示パネルユニット2は、有機EL素子を用いてカラー表示を行う有機EL表示装置(有機ELディスプレイ)である。
【0023】
具体的に、この表示パネルユニット2は、
図3、
図4及び
図5に示すように、画素Pを構成する画素回路3が設けられた画素回路基板4を有している。
【0024】
画素回路基板4は、表示領域Eの面内において交差する一の方向(
図3及び
図4では縦方向)に並ぶ複数の走査線5と、表示領域Eの面内において交差する他の方向(
図3及び
図4では横方向)に並ぶ複数の信号線6及び複数の電源線7とを含む。画素回路基板4は、これら複数の走査線5と複数の信号線6及び複数の電源線7とによって区画された領域毎に、画素回路3が設けられた構造を有している。
【0025】
また、表示パネルユニット2は、少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応した複数の画素(「サブピクセル」という。)Pを1つの画素ユニット(「ピクセル」という)Puとし、この画素ユニットPuが面内に周期的に並んで配置された構造を有している。
【0026】
本実施形態では、赤(R)に対応した画素Pと、緑(G)に対応した画素Pと、青(B)に対応した画素Pとが他の方向に周期的に並ぶことによって、1つの画素ユニットPuが構成されている。また、本実施形態では、平面視で矩形状の表示領域Eの面内に、平面視で矩形状の画素ユニットPuがマトリックス状に並んで配置されることによって、平面視で矩形状の表示パネルユニット2が構成されている。
【0027】
なお、画素ユニットPuについては、上述した構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、上記赤(R)、緑(G)、青(B)に対応した画素Pに加えて、白(W)に対応した画素Pを加えた4つの画素Pにより構成することも可能である。また、上述したカラー表示に対応した複数の画素Pが配置された構成に限らず、モノクロ表示に対応した複数の画素Pが配置された構成とすることも可能である。また、表示領域E及び表示パネルユニット2については、上述した矩形状のものに必ずしも限定されるものではなく、その平面視形状について適宜変更することが可能である。
【0028】
画素回路3は、
図4及び
図6に示すように、発光素子である有機EL素子8と、保持容量Cであるコンデンサ9と、スイッチング素子である2つのTFT素子(選択用TFT素子10及び駆動用TFT素子11)とを備えている。
【0029】
有機EL素子8は、画素回路基板4を構成する基板12の一方の面(
図6では表面)側に、画素電極13と、有機機能層14と、共通電極15とが順次積層された構造を有している。すなわち、この有機EL素子8は、正極(+)となる画素電極13と、負極(-)となる共通電極15との間に、有機機能層14が挟み込まれた構造を有している。
【0030】
基板12は、例えばプラスチック基板などのフレキシブル基板からなる。本実施形態では、基板12として、例えば厚みが10μm以下となるフィルム状のプラスチック基板を用いている。プラスチック基板には、例えばポリイミドなどの樹脂材料が用いられている。
【0031】
なお、基板12については、上述したフレキシブル基板を用いた構成に必ずしも限定されるものではなく、例えばガラス基板などのリジッド基板を用いた構成とすることも可能である。
【0032】
画素電極13は、複数の画素Pの各々に対応して設けられている。画素電極13には、例えばアルミニウム(Al)などの金属電極材料が用いられている。画素電極13は、後述する2つのTFT素子10,11が形成された面上を覆う層間絶縁層16の上に形成されている。層間絶縁層16には、例えば酸化シリコン(SiOx)などが用いられている。画素電極13は、駆動用TFT素子11のソース電極11s側と電気的に接続されている。
【0033】
有機機能層14は、例えば、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、電子注入層とが順に積層された構造(「ヘテロ構造」という。)を有している。層間絶縁層16の上には、画素電極13の面上を除いてバンク層17が設けられている。バンク層17には、例えば塗布型の有機絶縁材料などが用いられている。有機機能層14は、このバンク層17の内側に埋め込み形成されている。
【0034】
共通電極15は、複数の画素Pの間で共通した1つのベタ電極を構成している。共通電極15には、例えば酸化インジウムスズ(ITO)などの透明電極材料が用いられている。共通電極15は、有機機能層14及びバンク層17が形成された面上を覆うように形成されている。また、共通電極15の上には、保護層18が基板12の全面を覆うように形成されている。保護層18には、例えば塗布型の有機絶縁材料などが用いられている。
【0035】
共通電極15は、GND線19と電気的に接続されている。GND線19は、後述する2つのTFT素子10,11を構成するゲート絶縁層20の面上に設けられている。GND線19は、層間絶縁層16を貫通するコンタクトプラグ21a、層間絶縁層16の上に形成されたコンタクト電極21b及びバンク層17を貫通するコンタクトプラグ21cを介して共通電極15と電気的に接続されている。
【0036】
有機EL素子8では、画素電極13側から正孔注入層及び正孔輸送層を介して注入・輸送された正孔と、共通電極側から電子注入層及び電子輸送層を介して注入・輸送された電子とが発光層で再結合することによって、光を発することが可能となっている。
【0037】
有機EL素子8は、基板12の一方の面側から光を取り出すトップエミッション構造を有している(以下、基板12の一方の面を「表面」とし、基板12の他方の面を「裏面」として区別する。)。
【0038】
また、有機EL素子8を用いてカラー表示を行う場合は、白色光を発する有機EL素子に、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応したカラーフィルタを組み合わせた構成としている。又は、赤色光と緑色光と青色光との各色光を発する有機EL素子を組み合わせた構成としてもよい。
【0039】
保持容量Cは、コンデンサ9の一端側が選択用TFT素子10のソース電極10s側及び駆動用TFT素子11のゲート電極11g側と電気的に接続され、コンデンサ9の他端側が駆動用TFT素子11のソース電極11s側と電気的に接続された状態で設けられている。
【0040】
2つのTFT素子10,11は、基板12の上に並んで設けられている。2つのTFT素子10,11には、例えばインジウム(In)-錫(Sn)-亜鉛(Zn)の酸化物(InSnZnO)などの酸化物半導体が用いられている。また、酸化物半導体は、例えばIn、ガリウム(Ga)、Zn、Sn、Alなどの金属元素を少なくとも1つ以上を含む酸化物であってもよく、多結晶シリコンやアモルファスシリコン、有機半導体などであってもよい。ゲート絶縁層20には、例えば酸化シリコン(SiOx)などが用いられている。
【0041】
選択用TFT素子10は、ゲート電極10gが走査線5と電気的に接続され、ドレイン電極10dが信号線6と電気的に接続され、ソース電極10sが駆動用TFT素子11のゲート電極11g及び保持容量C(コンデンサ9)の一端側と電気的に接続された状態で設けられている。
【0042】
駆動用TFT素子11は、ゲート電極10gが選択用TFT素子10のソース電極10s及び保持容量C(コンデンサ9の一端側)と電気的に接続され、ドレイン電極11dが電源線7と電気的に接続され、ソース電極11sが画素電極13及び保持容量C(コンデンサ9)の他端側と電気的に接続された状態で設けられている。
【0043】
表示パネルユニット2では、選択用TFT素子10のスイッチング動作により、この選択用TFT素子10を介して保持容量Cに信号線6の電位(画像データ)が保持される。また、保持容量Cの電位に応じて、駆動用TFT素子11を介して有機EL素子8に電源線7からの駆動電流が流れる。これにより、有機EL素子8を発光(点灯)させることが可能である。
【0044】
ところで、本実施形態の画素回路基板4は、
図5、
図6及び
図7に示すように、基板12の表面側に配置された複数の第1の配線31と、基板12の厚み方向に配置された複数のコンタクトプラグ32と、基板12の裏面側に配置された複数の第2の配線33と、基板12の裏面側に配置された複数の接続部34とを有している。
【0045】
複数の第1の配線31は、複数の画素回路3の各々と電気的に接続されている。複数のコンタクトプラグ32は、複数の第1の配線31の各々と電気的に接続されている。複数の第2の配線33は、複数のコンタクトプラグ32の各々と電気的に接続されている。すなわち、第1の配線31と第2の配線33とは、コンタクトプラグ32を介して電気的に接続されている。
【0046】
第1の配線31及び第2の配線33は、例えば銅やアルミニウム、モリブデン、クロムなどの導電材料を用いて線状にパターン形成されている。コンタクトプラグ32は、例えば銅やアルミニウム、モリブデン、クロムなどの導電材料を用いて、基板12を貫通するコンタクトホールに埋め込み形成されている。
【0047】
第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33は、複数の走査線5の各々に対応して設けられている。すなわち、各走査線5は、これら第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33によって、基板12の表面側から裏面側へと引き回されている。
【0048】
また、第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33は、複数の信号線6の各々に対応して設けられている。すなわち、各信号線6は、これら第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33によって、基板12の表面側から裏面側へと引き回されている。
【0049】
複数の接続部34は、複数の第2の配線33の各々と、フレキシブルプリント配線板(FPC)35の一端側に設けられた複数の端子の各々との間を電気的に接続している。
【0050】
接続部34は、例えば異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの接続材料を用いて、このACFやACPを複数の第2の配線33の間を横断するように形成し、各第2の配線33の間で絶縁性を保ちながら、各第2の配線33と重なる位置にて導電性を持たせることによって、各第2の配線33とFPC35の各端子との間を電気的に接続すると共に、FPC35と画素回路基板4との接着を行っている。
【0051】
複数の走査線5は、複数の接続部34(以下、必要に応じて「第1の接続部34A」として区別する。)を介してFPC35(以下、必要に応じて「第1のフレキシブルプリント配線板(FPC)35A」として区別する。)と電気的に接続されている。
【0052】
第1の接続部34Aは、複数の走査線5の各々に対応した線列毎に、一の方向(
図7では縦方向)に並んで設けられている。第1のFPC35Aには、例えばシフトレジスタ及びレベルシフタ等を含む走査線駆動回路(ゲートドライバ)36が設けられている。複数の走査線5は、この第1のFPC35Aを介してゲートドライバ36と電気的に接続されている。ゲートドライバ36は、複数の走査線5に走査信号を順次的に供給し、この走査信号に応答して、上記選択用TFT素子10の駆動を切り替える。
【0053】
複数の信号線6は、複数の接続部34(以下、必要に応じて「第2の接続部34B」として区別する。)を介してFPC35(以下、必要に応じて「第2のフレキシブルプリント配線板(FPC)35B」として区別する。)と電気的に接続されている。
【0054】
第2の接続部34Bは、複数の信号線6の各々に対応した線列毎に、他の方向(
図7では横方向)に並んで設けられている。第2のFPC35Bには、例えばシフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチ等を含む信号線駆動回路(データドライバ)37が設けられている。複数の信号線6は、この第2のFPC35Bを介してデータドライバ37と電気的に接続されている。データドライバ37は、複数の信号線6に画像データを供給する。
【0055】
画素回路基板4の表示領域Eと平面視で重なる領域内には、複数の走査線5の各々に対応した線列毎に、複数のコンタクトプラグ32(以下、必要に応じて「第1のコンタクトプラグ32A」として区別する。)が一の方向(
図7では縦方向)に並んで設けられている。
【0056】
複数の第1のコンタクトプラグ32Aは、領域内の複数の第1の接続部34Aよりも内側に位置して、各第2の配線33(以下、必要に応じて「第1の裏面配線33A」として区別する。)の一端側と電気的に接続されている。一方、複数の第1の接続部34Aは、領域内における他の方向(
図7では横方向)の一端側(
図7では右端側)に位置して、各第1の裏面配線33Aの他端側と電気的に接続されている。
【0057】
また、画素回路基板4の表示領域Eと平面視で重なる領域内には、複数の信号線6の各々に対応した線列毎に、複数のコンタクトプラグ32(以下、必要に応じて「第2のコンタクトプラグ32B」として区別する。)が他の方向(
図7では横方向)に並んで設けられている。
【0058】
複数の第2のコンタクトプラグ32Bは、領域内の複数の第2の接続部34Bよりも内側に位置して、各第2の配線33(以下、必要に応じて「第2の裏面配線33B」として区別する。)の一端側と電気的に接続されている。一方、複数の第2の接続部34Bは、領域内における一の方向(
図7では縦方向)の一端側(
図7では上端側)に位置して、各第2の裏面配線33Bの他端側と電気的に接続されている。
【0059】
また、第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33は、複数の電源線7の各々に対応して設けられている。すなわち、各電源線7は、これら第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33によって、基板12の表面側から裏面側へと引き回されている。
【0060】
複数の電源線7の各々に対応して設けられた複数の第1の配線31は、複数の電源線7の各々に対応して設けられた複数のコンタクトプラグ32(以下、必要に応じて「第3のコンタクトプラグ32C」として区別する。)を介して共通する1本の第2の配線33(以下、必要に応じて「第3の裏面配線33C」として区別する。)と電気的に接続されている。
【0061】
画素回路基板4の表示領域Eと平面視で重なる領域内には、複数の第3のコンタクトプラグ32Cが一の方向(
図7では縦方向)に並んで設けられている。複数の第3のコンタクトプラグ32Cは、領域内における他の方向(
図7では横方向)の他端側(
図7では左端側)に位置して、一の方向(
図7では縦方向)に延在する第3の裏面配線33Cと電気的に接続されている。
【0062】
また、第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33は、GND線19に対応して設けられている。すなわち、GND線19は、これら第1の配線31、コンタクトプラグ32及び第2の配線33によって、基板12の表面側から裏面側へと引き回されている。
【0063】
GND線19に対応して設けられた第1の配線31は、GND線19に対応して設けられた複数のコンタクトプラグ32(以下、必要に応じて「第4のコンタクトプラグ32D」として区別する。)を介して共通する1本の第2の配線33(以下、必要に応じて「第4の裏面配線33D」として区別する。)と電気的に接続されている。
【0064】
画素回路基板4の表示領域Eと平面視で重なる領域内には、複数の第4のコンタクトプラグ32Dが一の方向(
図7では縦方向)に並んで設けられている。複数の第4のコンタクトプラグ32Dは、領域内における他の方向(
図7では横方向)の他端側(
図7では左端側)に位置して、一の方向(
図7では縦方向)に延在する第4の裏面配線33Dと電気的に接続されている。
【0065】
画素回路基板4には、基板12の裏面を覆う層間絶縁層38が設けられている。第1の裏面配線33A及び第3の裏面配線33Cは、基板12及び層間絶縁層38を貫通する第1のコンタクトプラグ32A及び第3のコンタクトプラグ32Cと電気的に接続されている。一方、第2の裏面配線33B及び第4の裏面配線33Dは、基板12を貫通する第2のコンタクトプラグ32B及び第4のコンタクトプラグ32Dと電気的に接続されている。
【0066】
これにより、第1の裏面配線33Aの一部と、第2の裏面配線33Bの一部とが交差した状態で配置されている。また、第3の裏面配線33Cと、第2の裏面配線33Bの一部とが交差した状態で配置されている。
【0067】
以上のような構成を有する表示パネルユニット2では、上述した表示領域Eと平面視で重なる領域内に、複数の接続部34(第1の接続部34A及び第2の接続部34B)が設けられている。これにより、表示パネルユニット2の表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の接続部34を介して第1のFPC35A及び第2のFPC35Bを接続すると共に、第1のFPC35A及び第2のFPC35Bに設けられたゲートドライバ36及びデータドライバ37を画素回路基板4の裏面側に配置することが可能である。
【0068】
また、画素回路基板4の表示領域Eと平面視で重なる領域は、基板12の外形とほぼ一致している。これにより、表示領域Eの外側にゲートドライバ36及びデータドライバ37を配置するための周辺領域を設ける必要がなく、表示パネルユニット2の周辺領域を縮小化することが可能である。
【0069】
したがって、本実施形態のマルチディスプレイ1では、複数の表示パネルユニット2を面内に並べて1つの画面として表示する場合において、継ぎ目のない(目立たない)表示画面Sを構成することが可能である。
【0070】
なお、上記表示パネルユニット2では、上述した
図7に示すような画素回路基板4の構成を例示しているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば
図8~
図10に示すような構成とすることも可能である。
【0071】
具体的に、
図8に示す画素回路基板4では、表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の第1のコンタクトプラグ32Aが、他の方向(
図8では横方向)の一端側(
図6では左端側)に位置して、一の方向(
図8では縦方向)に並んで配置されると共に、各第1の裏面配線33Aの一端側と電気的に接続されている。
【0072】
一方、複数の第1の接続部34Aは、領域内の複数の第1のコンタクトプラグ32Aよりも内側に位置して、一の方向(
図8では縦方向)に並んで配置されると共に、各第1の裏面配線33Aの他端側と電気的に接続されている。
【0073】
また、表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の第2のコンタクトプラグ32Bが、一の方向(
図8では縦方向)の一端側(
図8では上端側)に位置して、他の方向(
図8では横方向)に並んで配置されると共に、各第2の裏面配線33Bの一端側と電気的に接続されている。
【0074】
一方、複数の第2の接続部34Bは、領域内の複数の第2のコンタクトプラグ32Bよりも内側に位置して、他の方向(
図8では横方向)に並んで配置されると共に、各第2の裏面配線33Bの他端側と電気的に接続されている。
【0075】
このように、
図8に示す画素回路基板4では、第1のコンタクトプラグ32A及び第2のコンタクトプラグ32Bを表示領域Eと平面視で重なる領域内の端部に並べて配置することが可能である。
【0076】
一方、
図9に示す画素回路基板4では、表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の第1のコンタクトプラグ32Aが、他の方向(
図9では横方向)の中央側に位置して、一の方向(
図9では縦方向)に並んで配置されると共に、各第1の裏面配線33Aの一端側と電気的に接続されている。
【0077】
一方、複数の第1の接続部34Aは、領域内の複数の第1のコンタクトプラグ32Aよりも外側に位置して、一の方向(
図9では縦方向)に並んで配置されると共に、各第1の裏面配線33Aの他端側と電気的に接続されている。
【0078】
また、表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の第2のコンタクトプラグ32Bが、一の方向(
図9では縦方向)の中央側に位置して、他の方向(
図9では横方向)に並んで配置されると共に、各第2の裏面配線33Bの一端側と電気的に接続されている。
【0079】
一方、複数の第2の接続部34Bは、領域内の複数の第2のコンタクトプラグ32Bよりも外側に位置して、他の方向(
図9では横方向)に並んで配置されると共に、各第2の裏面配線33Bの他端側と電気的に接続されている。
【0080】
このように、
図9に示す画素回路基板4では、第1のコンタクトプラグ32A及び第2のコンタクトプラグ32Bを表示領域Eと平面視で重なる領域内の中央部に並べて配置することが可能である。
【0081】
一方、
図10に示す画素回路基板4では、表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の第1のコンタクトプラグ32Aが、一方の対角方向(
図10では右斜め方向)に並んで配置されると共に、各第1の裏面配線33Aの一端側と電気的に接続されている。
【0082】
一方、複数の第1の接続部34Aは、領域内の複数の第1のコンタクトプラグ32Aよりも外側に位置して、一方の対角方向(
図10では右斜め方向)に並んで配置されると共に、各第1の裏面配線33Aの他端側と電気的に接続されている。
【0083】
また、表示領域Eと平面視で重なる領域内において、複数の第2のコンタクトプラグ32Bが、他方の対角方向(
図10では左斜め方向)に並んで配置されると共に、各第2の裏面配線33Bの一端側と電気的に接続されている。
【0084】
一方、複数の第2の接続部34Bは、領域内の複数の第2のコンタクトプラグ32Bよりも外側に位置して、他方の対角方向(
図10では左斜め方向)に並んで配置されると共に、各第2の裏面配線33Bの他端側と電気的に接続されている。
【0085】
このように、
図10に示す画素回路基板4では、第1のコンタクトプラグ32A及び第2のコンタクトプラグ32Bを表示領域Eと平面視で重なる領域内の対角方向(斜め方向)に並べて配置することが可能である。
【0086】
また、上記表示パネルユニット2では、
図11に示すように、その背面側において、複数の走査線5の線列毎にゲートドライバ36が設けられた複数の第1のFPC35Aが一の方向(
図11では縦方向)に並んで配置されると共に、複数の信号線6の線列毎にデータドライバ37が設けられた複数の第2のFPC35Bが他の方向(
図11では横方向)に並んで配置された構成としてもよい。
【0087】
次に、上記表示パネルユニット2の製造方法について、
図12~
図19を参照しながら説明する。
なお、
図12~
図19は、画素回路基板4を作製する工程を説明するための断面図である。
【0088】
上記表示パネルユニット2を製造する際は、画素回路基板4を作製する工程を有する。
【0089】
画素回路基板4を作製する工程では、先ず、
図12に示すように、第1のガラス基板101の面上にフィルム状に形成された基板12を用意する。そして、この基板12の一方の面(表面)上に、上述した走査線5、信号線6、電源線7及びGND線19を含む第1の配線31と、コンタクトプラグ21a、コンタクト電極21b及びコンタクトプラグ21cと、画素回路3を構成する有機EL素子8(画素電極13、有機機能層14及び共通電極15)、コンデンサ9、ゲート絶縁層20を含む選択用TFT素子10及び駆動用TFT素子11と、層間絶縁層16と、バンク層17と、保護層18とを形成する。
【0090】
なお、これらの形成工程には、従来より公知の成膜プロセスやフォトリソグラフィプロセスなどを用いることができ、その形成方法について特に限定されるものではない。
【0091】
次に、
図13に示すように、基板12の最上層に接着層102を介して第2のガラス基板103を貼り付ける。
【0092】
次に、
図14に示すように、第1のガラス基板101側から基板12に向けてレーザー光Lを照射する。このとき、レーザー光Lが第1のガラス基板101を透過し、基板12に吸収されることで、第1のガラス基板101との界面付近のプラスチックフィルムの一部が熱により蒸発する。これにより、
図15に示すように、基板12の他方の面(裏面)から第1のガラス基板101を剥離することができる。
【0093】
次に、
図16に示すように、基板12の第2のコンタクトプラグ32B及び第4のコンタクトプラグ32Dの形成位置に、基板12及びゲート絶縁層20を貫通するコンタクトホール104を形成する。
【0094】
次に、
図17に示すように、コンタクトホール104に第2のコンタクトプラグ32B及び第4のコンタクトプラグ32Dを埋め込み形成した後、基板12の裏面に第2の裏面配線33B及び第4の裏面配線33Dをパターン形成する。
【0095】
次に、
図18に示すように、基板12の裏面に層間絶縁層38を形成した後、基板12の第1のコンタクトプラグ32A及び第3のコンタクトプラグ32Cの形成位置に、基板12及び層間絶縁層38を貫通するコンタクトホール105を形成する。
【0096】
次に、
図19に示すように、コンタクトホール105に第1のコンタクトプラグ32A及び第3のコンタクトプラグ32Cを埋め込み形成した後、基板12の裏面に第1の裏面配線33A及び第3の裏面配線33Cをパターン形成する。
【0097】
次に、第1の接続部34A及び第2の接続部34BとなるACPを形成した後、これら第1の接続部34A及び第2の接続部34Bを介して第1のFPC35A及び第2のFPC35Bを接続する。最後に、第2のガラス基板103を接着層102と共に除去する。これにより、上記表示パネルユニット2を作製することが可能である。
【0098】
上記表示パネルユニット2の製造方法では、上述した表示領域Eと平面視で重なる領域内に、複数の接続部34(第1の接続部34A及び第2の接続部34B)を設けることによって、第1のFPC35A及び第2のFPC35Bに設けられたゲートドライバ36及びデータドライバ37を画素回路基板4の裏面側に配置することが可能である。これにより、表示領域Eの外側にゲートドライバ36及びデータドライバ37を配置するための周辺領域を設ける必要がなく、周辺領域を縮小化した表示パネルユニット2を製造することが可能である。
【0099】
また、基板12として、厚みが10μm以下となるフィルム状のプラスチック基板を用いることで、上述したコンタクトホール104,105のサイズ(開口径)を微細化することが可能である。これにより、画素Pのサイズを小さくして、表示パネルユニット2の高精細化を図ることが可能である。
【0100】
本実施形態のマルチディスプレイ1は、上述した工程を経ることによって作製された複数の表示パネルユニット2の隣り合うもの同士を突き合わせた状態で、複数の表示パネルユニット2を支持基板50の一方の面側に貼り合わせることによって、作製することが可能である。
【0101】
支持基板50は、
図2に示すように、複数の表示パネルユニット2の表面側に、第1の接着層51を介して貼り合わされている。
【0102】
支持基板50は、例えばプラスチック基板などの透明なフレキシブル基板からなり、表示画面Sに対応した形状を有している。プラスチック基板には、例えばポリイミドなどの樹脂材料が用いられている。
【0103】
なお、支持基板50については、上述したフレキシブル基板を用いた構成に必ずしも限定されるものではなく、上記基板12にリジッド基板を用いた場合、例えばガラス基板などの透明なリジッド基板を用いた構成とすることも可能である。
【0104】
第1の接着層51には、例えばエポキシ系樹脂接着剤などの透明な接着材料が用いられている。
【0105】
また、支持基板50の他方の面側には、反射防止層52が配置されている。反射防止層52は、各表示パネルユニット2の表面側に位置して、外光の反射を防止するものであり、フィルム状の円偏光板により構成されている。
【0106】
反射防止層52は、支持基板50の各表示パネルユニット2とは反対側の面に第2の接着層53を介して貼り合わされている。第2の接着層53には、第1の接着層51と同じものが用いられている。
【0107】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態として、
図20~
図24に示すマルチディスプレイ1Aについて説明する。
【0108】
なお、
図20は、マルチディスプレイ1Aの構成を説明するための模式図である。
図21は、マルチディスプレイ1Aが備える第1の表示パネルユニット2Aの構成を示す平面図である。
図22は、マルチディスプレイ1Aが備える第2の表示パネルユニット2Bの構成を示す平面図である。
図23は、マルチディスプレイ1Aの湾曲した構成を示す斜視図である。
図24は、マルチディスプレイ1Aの第2の表示パネルユニット2Bを追加した構成を説明するための模式図である。また、以下の説明では、上記マルチディスプレイ1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0109】
本実施形態のマルチディスプレイ1Aは、
図20、
図21及び
図22に示すように、上記マルチディスプレイ1を構成する3つの表示パネルユニット2のうち、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Aと、第1の表示パネルユニット2Aを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニット2Bとが、表示画面Sの面内における一の方向(
図20では横方向)に並んで設けられた構成を有している。
【0110】
すなわち、このマルチディスプレイ1Aは、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Aと、第1の表示パネルユニット2Aを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニット2Bとが、表示画面Sの幅方向に並んだ構成を有している。
【0111】
ここで、一の方向における画素ユニットPuの幅をaとし、画素ユニットPuの一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとする。
【0112】
第1の表示パネルユニット2Aは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaとなる第1の定常領域W1と、第1の定常領域W1の両側から第2の表示パネルユニット2Bとの境界に向かって、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域W2とを含んでいる。
【0113】
一方、第2の表示パネルユニット2Bは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa+2bとなる第2の定常領域W3を含んでいる。
【0114】
この場合、第1の表示パネルユニット2Aと第2の表示パネルユニット2Bとの間(第1の過渡領域W2)において、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化している。これにより、一の方向に並ぶ第1の表示パネルユニット2Aと第2の表示パネルユニット2Bとの間の継ぎ目を目立たなくすることができ、この継ぎ目における画質の劣化を抑制することが可能である。
【0115】
また、表示画面Sの中央に位置する第1の表示パネルユニット2Aの第1の定常領域W1は、この第1の表示パネルユニット2Aを挟んだ両側に位置する第2の表示パネルユニット2Bの第2の定常領域W3よりも、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔が2bだけ短くなっている。これにより、表示画面Sの中央を中心に映像を視聴する場合、視野角の中心となる表示画面Sの中央側で精細度が相対的に高い映像を表示し、視野角の外側となる表示画面Sの外側で精細度が相対的に低い映像を表示しても、この表示画面Sの幅方向に亘って精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0116】
以上のように、本実施形態のマルチディスプレイ1Aでは、互いに隣り合う表示パネルユニット2A,2Bの間における画質の劣化と、これら表示パネルユニット2A,2Bの精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0117】
なお、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Aの表示画面Sが平面である構成に限らず、例えば
図23に示すように、表示画面Sの幅方向の両側が内側に向かってラウンド(アーチ)状に湾曲した構成であってもよい。
【0118】
また、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Aの構成に加えて、例えば
図24に示すように、第1の表示パネルユニット2A及び第2の表示パネルユニット2Bを挟んだ両側に更に、2つの第2の表示パネルユニット2Bを追加した構成としてもよい。
【0119】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、
図25~
図27に示すマルチディスプレイ1Bについて説明する。
【0120】
なお、
図25は、マルチディスプレイ1Bの構成を説明するための模式図である。
図26は、マルチディスプレイ1Bが備える第1の表示パネルユニット2Aの構成を示す平面図である。
図27は、マルチディスプレイ1Bが備える第2の表示パネルユニット2Bの構成を示す平面図である。また、以下の説明では、上記マルチディスプレイ1,1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0121】
本実施形態のマルチディスプレイ1Bは、
図25、
図26及び
図27に示すように、複数(本実施形態では9つ)の表示パネルユニット2のうち、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Aと、第1の表示パネルユニット2Aの周囲を囲む8つの第2の表示パネルユニット2Bとが、表示画面Sの面内において交差する一の方向(
図25では横方向)と他の方向(
図25では縦方向)とに並んで設けられた構成を有している。
【0122】
すなわち、このマルチディスプレイ1Bは、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Aと、第1の表示パネルユニット2Aを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニット2Bとが、表示画面Sの幅方向と高さ方向と対角方向とに各々並んだ構成を有している。
【0123】
ここで、一の方向における画素ユニットPuの幅をaとし、画素ユニットPuの一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとする。
【0124】
第1の表示パネルユニット2Aは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaとなる第1の定常領域W1と、第1の定常領域W1の両側から第2の表示パネルユニット2Bとの境界に向かって、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域W2とを含んでいる。
【0125】
一方、第2の表示パネルユニット2Bは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa+2bとなる第2の定常領域W3を含んでいる。
【0126】
この場合、第1の表示パネルユニット2Aと第2の表示パネルユニット2Bとの間において、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化している。これにより、一の方向に並ぶ第1の表示パネルユニット2Aと第2の表示パネルユニット2Bとの間の継ぎ目を目立たなくすることができ、この継ぎ目における画質の劣化を抑制することが可能である。
【0127】
また、表示画面Sの中央に位置する第1の表示パネルユニット2Aの第1の定常領域W1は、この第1の表示パネルユニット2Aを挟んだ両側に位置する第2の表示パネルユニット2Bの第2の定常領域W3よりも、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔が2bだけ短くなっている。これにより、表示画面Sの中央を中心に映像を視聴する場合、視野角の中心となる表示画面Sの中央側で精細度が相対的に高い映像を表示し、視野角の外側となる表示画面Sの外側で精細度が相対的に低い映像を表示しても、この表示画面Sの幅方向に亘って精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0128】
一方、他の方向における画素ユニットPuの幅をa’とし、画素ユニットPuの他の方向の両側に設けられる余白の幅をb’とする。
【0129】
第1の表示パネルユニット2Aは、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’となる第3の定常領域H1と、第3の定常領域H1の両側から第2の表示パネルユニット2Bとの境界に向かって、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’からa’+2b’へと連続的に変化する第2の過渡領域H2とを含んでいる。
【0130】
一方、第2の表示パネルユニット2Bは、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’+2b’となる第4の定常領域H3を含んでいる。
【0131】
この場合、第1の表示パネルユニット2Aと第2の表示パネルユニット2Bとの間(第2の過渡領域H2)において、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’からa+2b’へと連続的に変化している。これにより、他の方向に並ぶ第1の表示パネルユニット2Aと第2の表示パネルユニット2Bとの間の継ぎ目を目立たなくすることができ、この継ぎ目における画質の劣化を抑制することが可能である。
【0132】
また、表示画面Sの中央に位置する第1の表示パネルユニット2Aの第3の定常領域H1は、この第1の表示パネルユニット2Aを挟んだ両側に位置する第2の表示パネルユニット2Bの第4の定常領域H3よりも、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔が2bだけ短くなっている。これにより、表示画面Sの中央を中心に映像を視聴する場合、視野角の中心となる表示画面Sの中央側で精細度が相対的に高い映像を表示し、視野角の外側となる表示画面Sの外側で精細度が相対的に低い映像を表示しても、この表示画面Sの高さ方向及び対角方向に亘って精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0133】
以上のように、本実施形態のマルチディスプレイ1Bでは、互いに隣り合う表示パネルユニット2A,2Bの間における画質の劣化と、これら表示パネルユニット2A,2Bの精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0134】
なお、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Bの表示画面Sが平面である構成に限らず、例えば、表示画面Sの幅方向の両側が内側に向かってラウンド(アーチ)状に湾曲した構成であってもよい。
【0135】
また、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Bの構成に加えて、例えば、第2の表示パネルユニット2Bの周囲を囲む16つの第2の表示パネルユニット2Bを追加した構成としてもよい。
【0136】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、
図28~
図31に示すマルチディスプレイ1Cについて説明する。
【0137】
なお、
図28は、マルチディスプレイ1Cの構成を説明するための模式図である。
図29は、マルチディスプレイ1Cが備える第1の表示パネルユニット2Cの構成を示す平面図である。
図30は、マルチディスプレイ1Cが備える第2の表示パネルユニット2Dの構成を示す平面図である。
図31は、マルチディスプレイ1Cが備える第3の表示パネルユニット2Eの構成を示す平面図である。また、以下の説明では、上記マルチディスプレイ1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0138】
本実施形態のマルチディスプレイ1Cは、
図28~
図31に示すように、複数(本実施形態では5つ)の表示パネルユニット2のうち、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Cと、第1の表示パネルユニット2Cを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニット2Dと、第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dを挟んだ両側に位置する2つの第3の表示パネルユニット2Eとが、表示画面Sの面内における一の方向(
図28では横方向)に並んで設けられた構成を有している。
【0139】
すなわち、このマルチディスプレイ1Cは、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Cと、第1の表示パネルユニット2Cを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニット2Dと、第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dを挟んだ両側に位置する2つの第3の表示パネルユニット2Eとが、表示画面Sの幅方向に並んだ構成を有している。
【0140】
ここで、一の方向における画素ユニットPuの幅をaとし、画素ユニットPuの一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとする。
【0141】
第1の表示パネルユニット2Cは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaとなる第1の定常領域W4を含んでいる。
【0142】
一方、第2の表示パネルユニット2Dは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaとなる第2の定常領域W5と、第2の定常領域W5の両側から第3の表示パネルユニット2Eとの境界に向かって、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域W6とを含んでいる。
【0143】
一方、第3の表示パネルユニット2Eは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa+2bとなる第3の定常領域W7を含んでいる。
【0144】
この場合、第2の表示パネルユニット2Dと第3の表示パネルユニット2Eとの間(第1の過渡領域W6)において、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化している。これにより、一の方向に並ぶ第2の表示パネルユニット2Dと第3の表示パネルユニット2Eとの間の継ぎ目を目立たなくすることができ、この継ぎ目における画質の劣化を抑制することが可能である。
【0145】
また、表示画面Sの中央に位置する第1の表示パネルユニット2Cの第1の定常領域W4及び第2の表示パネルユニット2Dの第2の定常領域W5は、この第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dを挟んだ両側に位置する第3の表示パネルユニット2Eの第3の定常領域W7よりも、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔が2bだけ短くなっている。これにより、表示画面Sの中央を中心に映像を視聴する場合、視野角の中心となる表示画面Sの中央側で精細度が相対的に高い映像を表示し、視野角の外側となる表示画面Sの外側で精細度が相対的に低い映像を表示しても、この表示画面Sの幅方向に亘って精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0146】
以上のように、本実施形態のマルチディスプレイ1Cでは、互いに隣り合う表示パネルユニット2C,2D,2Eの間における画質の劣化と、これら表示パネルユニット2C,2D,2Eの精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0147】
なお、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Cの表示画面Sが平面である構成に限らず、例えば、表示画面Sの幅方向の両側が内側に向かってラウンド(アーチ)状に湾曲した構成であってもよい。
【0148】
また、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Cの構成に加えて、例えば、第1の表示パネルユニット2C、第2の表示パネルユニット2D及び第3の表示パネルユニット2Eを挟んだ両側に更に、2つの第3の表示パネルユニット2Eを追加した構成としてもよい。
【0149】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、
図32~
図35に示すマルチディスプレイ1Dについて説明する。
【0150】
なお、
図32は、マルチディスプレイ1Dの構成を説明するための模式図である。
図33は、マルチディスプレイ1Dが備える第1の表示パネルユニット2Cの構成を示す平面図である。
図34は、マルチディスプレイ1Dが備える第2の表示パネルユニット2Dの構成を示す平面図である。
図35は、マルチディスプレイ1Dが備える第3の表示パネルユニット2Eの構成を示す平面図である。また、以下の説明では、上記マルチディスプレイ1,1Cと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0151】
本実施形態のマルチディスプレイ1Dは、
図32~
図35に示すように、複数(本実施形態では25つ)の表示パネルユニット2のうち、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Cと、第1の表示パネルユニット2Cの周囲を囲む8つの第2の表示パネルユニット2Dと、第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dの周囲を囲む16つの第3の表示パネルユニット2Eとが、表示画面Sの面内において交差する一の方向(
図32では横方向)と他の方向(
図32では縦方向)とに並んで設けられた構成を有している。
【0152】
すなわち、このマルチディスプレイ1Dは、中央に位置する1つの第1の表示パネルユニット2Cと、第1の表示パネルユニット2Cを挟んだ両側に位置する2つの第2の表示パネルユニット2Dと、第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dを挟んだ両側に位置する2つの第3の表示パネルユニット2Eとが、表示画面Sの幅方向と高さ方向と対角方向とに各々並んだ構成を有している。
【0153】
ここで、一の方向における画素ユニットPuの幅をaとし、画素ユニットPuの一の方向の両側に設けられる余白の幅をbとする。
【0154】
第1の表示パネルユニット2Cは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaとなる第1の定常領域W4を含んでいる。
【0155】
一方、第2の表示パネルユニット2Dは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaとなる第2の定常領域W5と、第2の定常領域W5の両側から第3の表示パネルユニット2Eとの境界に向かって、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化する第1の過渡領域W6とを含んでいる。
【0156】
一方、第3の表示パネルユニット2Eは、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa+2bとなる第3の定常領域W7を含んでいる。
【0157】
この場合、第2の表示パネルユニット2Dと第3の表示パネルユニット2Eとの間(第1の過渡領域W6)において、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がaからa+2bへと連続的に変化している。これにより、一の方向に並ぶ第2の表示パネルユニット2Dと第3の表示パネルユニット2Eとの間の継ぎ目を目立たなくすることができ、この継ぎ目における画質の劣化を抑制することが可能である。
【0158】
また、表示画面Sの中央に位置する第1の表示パネルユニット2Cの第1の定常領域W4及び第2の表示パネルユニット2Dの第2の定常領域W5は、この第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dを挟んだ両側に位置する第3の表示パネルユニット2Eの第3の定常領域W7よりも、一の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔が2bだけ短くなっている。これにより、表示画面Sの中央を中心に映像を視聴する場合、視野角の中心となる表示画面Sの中央側で精細度が相対的に高い映像を表示し、視野角の外側となる表示画面Sの外側で精細度が相対的に低い映像を表示しても、この表示画面Sの幅方向に亘って精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0159】
一方、他の方向における画素ユニットPuの幅をa’とし、画素ユニットPuの他の方向の両側に設けられる余白の幅をb’とする。
【0160】
第1の表示パネルユニット2Cは、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’となる第4の定常領域H4を含んでいる。
【0161】
一方、第2の表示パネルユニット2Dは、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’となる第5の定常領域H5と、第5の定常領域H5の両側から第3の表示パネルユニット2Eとの境界に向かって、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’からa’+2b’へと連続的に変化する第2の過渡領域H6とを含んでいる。
【0162】
一方、第3の表示パネルユニット2Eは、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’+2b’となる第6の定常領域H7を含んでいる。
【0163】
この場合、第2の表示パネルユニット2Dと第3の表示パネルユニット2Eとの間(第2の過渡領域H6)において、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔がa’からa+2b’へと連続的に変化している。これにより、他の方向に並ぶ第2の表示パネルユニット2Dと第3の表示パネルユニット2Eとの間の継ぎ目を目立たなくすることができ、この継ぎ目における画質の劣化を抑制することが可能である。
【0164】
また、表示画面Sの中央に位置する第1の表示パネルユニット2Cの第4の定常領域H4及び第2の表示パネルユニット2Dの第5の定常領域H5は、この第1の表示パネルユニット2C及び第2の表示パネルユニット2Dを挟んだ両側に位置する第3の表示パネルユニット2Eの第6の定常領域H7よりも、他の方向に並ぶ画素ユニットPuの間隔が2bだけ短くなっている。これにより、表示画面Sの中央を中心に映像を視聴する場合、視野角の中心となる表示画面Sの中央側で精細度が相対的に高い映像を表示し、視野角の外側となる表示画面Sの外側で精細度が相対的に低い映像を表示しても、この表示画面Sの高さ方向及び対角方向に亘って精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0165】
以上のように、本実施形態のマルチディスプレイ1Dでは、互いに隣り合う表示パネルユニット2C,2D,2Eの間における画質の劣化と、これら表示パネルユニット2C,2D,2Eの精細度の低下による画質の劣化とを抑制することが可能である。
【0166】
なお、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Dの表示画面Sが平面である構成に限らず、例えば、表示画面Sの幅方向の両側が内側に向かってラウンド(アーチ)状に湾曲した構成であってもよい。
【0167】
また、本実施形態では、上述したマルチディスプレイ1Dの構成に加えて、例えば、第3の表示パネルユニット2Eの周囲を囲む24つの第3の表示パネルユニット2Eを追加した構成としてもよい。
【0168】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、上述した有機ELディスプレイに本発明を適用した場合を例示しているが、発光素子として、有機EL素子を用いたものに必ずしも限定されるものではなく、例えばマイクロLEDなどのLED素子や量子ドットなどの発光素子を用いたものであってもよい。また、液晶ディスプレイなどにも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0169】
1A,1B,1C,1D…マルチディスプレイ 2…表示パネルユニット 2A…第1の表示パネルユニット 2B…第2の表示パネルユニット 2C…第1の表示パネルユニット 2D…第2の表示パネルユニット 2E…第3の表示パネルユニット 3…画素回路 4…画素回路基板 5…走査線 6…信号線 7…電源線 8…有機EL素子 9…コンデンサ 10…選択用TFT素子 11…駆動用TFT素子 12…基板 13…画素電極 14…有機機能層 15…共通電極 16…層間絶縁層 17…バンク層 18…保護層 19…GND線 20…ゲート絶縁層 31…第1の配線 32…コンタクトプラグ 32A…第1のコンタクトプラグ 32B…第2のコンタクトプラグ 32C…第3のコンタクトプラグ 32D…第4のコンタクトプラグ 33…第2の配線 33A…第1の裏面配線 33B…第2の裏面配線 33C…第3の裏面配線 33D…第4の裏面配線 34…接続部 34A…第1の接続部 34B…第2の接続部 35…フレキシブルプリント配線板(FPC) 35A…第1のFPC 35B…第2のFPC 36…走査線駆動回路(ゲートドライバ) 37…信号線駆動回路(データドライバ) 38…層間絶縁層 50…支持基板 51…第1の接着層 52…反射防止層(円偏光板) 53…第2の接着層 C…保持容量 P…画素 Pu…画素ユニット E…表示領域 S…表示画面 W1…第1の定常領域 W2…第1の過渡領域 W3…第2の定常領域 H1…第3の定常領域 H2…第2の過渡領域 H3…第4の定常領域 W4…第1の定常領域 W5…第2の定常領域 W6…第1の過渡領域 W7…第3の定常領域 H4…第4の定常領域 H5…第5の定常領域 H6…第2の過渡領域 H7…第6の定常領域