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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】位置測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
G01D5/244 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022514509
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020069285
(87)【国際公開番号】W WO2021043469
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】19195318.1
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ハイブレ・パスカル
(72)【発明者】
【氏名】バルトレヒナー・アロイス
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー・ゼバスティアン
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-185272(JP,A)
【文献】特開昭62-133306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00 ~ 5/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の測定目盛り(14.1)、第2の測定目盛り(14.2)及び基準マーク(18)を備えた支持体(12)と、
第1の測定目盛り(14.1)を走査するとともに、第1の走査信号(22.1)を生成する第1の走査ユニット(20.1)と、
第2の測定目盛り(14.2)を走査するとともに、第2の走査信号(22.2)を生成する第2の走査ユニット(20.2)と、
基準マーク(18)を走査するとともに、最高点に関して対称な波形を有する基準パルス(24)を生成する第3の走査ユニット(20.3)と
を有する位置測定装置(10)であって、第1の測定目盛り(14.1)が、第1の測定方向(X)に沿って周期的に配置された複数の目盛り構造(16.1)を含んでおり、第1の測定目盛り(14.1)の目盛り構造(16.1)が、それぞれ第1の方向(P1)に対して平行に延在しており、第2の測定目盛り(14.2)が、第2の測定方向(Y)に沿って周期的に配置された複数の目盛り構造(16.2)を含んでおり、第1の測定方向(X)及び第2の測定方向(Y)が、互いに対して垂直に延びており、基準マーク(18)が第2の方向(P2)に延在しており、第1の方向(P1)及び第2の方向(P2)が、互いに0°でない角度(α)を形成している、前記位置測定装置において、
該位置測定装置(10)が、第1の走査信号(22.1)及び基準パルス(24)に依存して基準パルス(24)の位相位置(32)が特定されるように形成されており、位置測定装置(10)が、基準パルス(24)の位相位置(32)に依存して、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)が特定されるように形成されていることを特徴とする位置測定装置。
【請求項2】
位置測定装置(10)が、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)に対する基準パルス(24)の位相位置(32)の割り当てについてのあらかじめ規定された割り当て規則を用いて、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)が特定されるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項3】
位置測定装置(10)が、あらかじめ規定された換算ファクタを用いて第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)が特定されるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項4】
位置測定装置(10)が、第1の走査信号(22.1)から導出される位相信号(28)に依存して基準パルス(24)の位相位置(32)が特定されるように形成されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項5】
位置測定装置(10)が、基準パルス(24)の位相位置(32)及び第2の走査信号(22.2)に依存して、第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)が特定されるように形成されていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項6】
位置測定装置(10)が、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の特定が第1の解像度でなされるように、及び第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)の特定が第2の解像度でなされるように形成されており、第1の解像度が第2の解像度よりも小さいことを特徴とする請求項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項7】
位置測定装置(10)が、第2の走査信号(22.2)から導出される位相信号(60)に依存して第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)が特定されるように形成されていることを特徴とする請求項又はに記載の位置測定装置(10)。
【請求項8】
第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)を得るために、位置測定装置(10)が、第2の走査信号(22.2)に依存して第2の測定方向(Y)における相対位置(40)が特定されるように、及び第2の測定方向(Y)における相対位置(40)が第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)と結合されるように形成されていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項9】
基準パルス(24)の位相位置(32)が、第1の走査信号(22.1)によって特定される基準位相位置(O1)に関して規定されているとともに、-90°~+90°の範囲、好ましくは-60°~+60°の範囲にあることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項10】
基準パルス(24)の位相位置(32)が、第1の境界値(32.1)と第2の境界値(32.2)によって規定される範囲にあり、第1の境界値(32.1)が、基準パルス(24)の位相位置(32)に依存して特定されるべき、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の最低点(36.11)に割り当てられており、第2の境界値(32.2)が、基準パルス(24)の位相位置(32)に依存して特定されるべき、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の最高点(36.12)に割り当てられており、最低点(36.11)及び最高点(36.12)によって、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の特定のための信頼性のある範囲(D)が規定され、信頼性のある範囲(D)が、第2の走査信号(22.2)の信号周期(SP2)の数に対応しており、該数が、2~10の範囲にあることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項11】
基準パルス(24)の位相位置(32)が線形関係(C)によって設定されており、線形関係(C)が勾配(RMSPSP)によって規定されており、該勾配(RMSPSP)が、第2の走査信号(22.2)の信号周期につき少なくとも5°、好ましくは第2の走査信号(22.2)の信号周期につき20°又は30°であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項12】
基準パルス(24)の幅(τ)が、第1の走査信号(22.1)に関して、180°~540°の範囲、好ましくは300°~420°の範囲にあることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項13】
第1の方向(P1)が第1の測定方向(X)に対して垂直に延びていることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【請求項14】
第2の測定目盛り(14.2)の目盛り構造(16.2)が、それぞれ第3の方向(P3)に対して平行に延在しており、第3の方向(P3)が第2の測定方向(Y)に対して垂直に延びていることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の位置測定装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分による位置測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
同種の位置測定装置は、特許文献1から知られている。リニアスケールでは、基準原点マーキング配置と、勾配マーキング配置である勾配原点マーキング配置とが原点マーキング範囲に設けられている。基準原点マーキング配置はX座標に対して平行であるため、X方向原点信号は正しく生成される。他方、原点マーキングが設けられていないY方向については、基準原点マーキングと勾配原点マーキングの間の間隔が検出される。絶対的なY方向位置は、間隔に従って特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102018108882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となる課題は、単純かつコンパクトに構成され、メイン測定方向に対して垂直に延びる別の(第2の)測定方向における絶対位置情報の正確な特定を可能とする位置測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当該課題は、本発明により、請求項1の特徴を有する位置測定装置によって解決される。
【0006】
本発明により形成される位置測定装置は、第1の測定目盛り、第2の測定目盛り及び基準マークを備えた支持体と、第1の測定目盛りを走査するとともに、第1の走査信号を生成する第1の走査ユニットと、第2の測定目盛りを走査するとともに、第2の走査信号を生成する第2の走査ユニットと、基準マークを走査するとともに、基準パルスを生成する第3の走査ユニットとを含んでいる。第1の測定目盛りは、第1の測定方向(メイン測定方向)に沿って周期的に配置された複数の目盛り構造を含んでいる。第1の測定目盛りの目盛り構造は、それぞれ第1の方向に対して平行に延在している。第2の測定目盛りは、第2の測定方向に沿って周期的に配置された複数の目盛り構造を含んでいる。第1の測定方向及び第2の測定方向は、互いに対して垂直に延びている。基準マークは、第2の方向において延在している。第1の方向及び第2の方向は、互いに対して0°ではない角度を形成する。位置測定装置は、第1の走査信号及び基準パルスに依存して基準パルスの位相位置を特定するように形成されている。
【0007】
好ましくは、基準パルスの位相位置は、第2の測定方向における絶対位置情報を表す。
【0008】
基準パルスの位相位置が、第1の走査信号によって特定される基準位相位置に関して規定されているとともに、-90°~+90°の範囲、好ましくは-60°~+60°の範囲にあれば有利である。
【0009】
好ましくは、基準位相位置は、第1の走査信号が正の値かつ同一の瞬時値を有する、第1の走査信号の信号推移の1つの位置に対応している。
【0010】
基準位相位置は、特に、基準パルスによって特定される第1の走査信号の信号周期内にある。
【0011】
有利には、基準マークは、第1の方向において延在する、特に第2の測定方向に対して平行に延在する基準マーク構造を備えていない。
【0012】
好ましくは、第1の測定目盛り及び基準マークは、第2の測定方向に沿って互いに隣り合って配置されている。第2の測定目盛り及び基準マークは、例えば、第2の測定方向に沿って互いに隣り合って配置されている。
【0013】
これに代えて、基準マークは、第1の測定目盛り又は第2の測定目盛りに統合された基準マークであってよい。
【0014】
好ましくは、第1~第3の走査ユニットは、共通の走査ヘッドユニットに統合された走査ユニットである。位置測定装置は、特に、第2の測定方向における走査ヘッドユニットと支持体の間の相対運動がなされることなく、第2の測定方向における絶対位置情報を特定するように形成されている。これにより、第2の測定方向における第2の測定目盛りの絶対的な関連付けを形成するために、第2の測定方向における支持体に対する相対的な走査ヘッドユニットの移動を省略することが可能である。
【0015】
第1の測定目盛り及び第2の測定目盛りは、特にインクリメンタル目盛りである。
【0016】
第1の走査信号は、第1の測定目盛りによって特定される信号周期を有することができる。第2の走査信号は、第2の測定目盛りによって特定される信号周期を有することができる。例えば、第1の測定目盛りの信号周期及び第2の測定目盛りの信号周期は同一の大きさである。
【0017】
好ましくは、第1の走査信号及び第2の走査信号は、それぞれ正弦波状で互いに位相ずれした周期的な2つの走査信号であり、特にそれぞれ90°互いに対して位相ずれした走査信号である。
【0018】
第2の測定方向における絶対位置情報は、特に、第2の測定方向における第1の絶対位置及び/又は第2の測定方向における第2の絶対位置と理解される。第2の測定方向における第1の絶対位置は、第2の測定方向における粗い絶対位置とも呼ぶことができる。第2の測定方向における第2の絶対位置は、第2の測定方向における細かい絶対位置とも呼ぶことができる。
【0019】
第1の測定目盛りの目盛り構造及び第2の測定目盛りの目盛り構造は、特にそれぞれ分割線を含んでいる。分割線は、その推移に沿って同一の幅を有することができるとともに、全般的に形成されることが可能である。これに代えて、分割線は、例えば複数の分割線にわたって延在する統合された基準マークを形成するために、その推移に沿って中断されることが可能である。
【0020】
本発明により、基準マークの傾斜位置を活用して、第2の測定方向における絶対位置情報の正確な特定が可能となる。傾斜位置は、基準マークが第1の測定目盛りの目盛り構造とは異なるように向けられているか、あるいは方向付けされていることを意味する。基準マークは、一方では第1の測定方向における第1の測定目盛りの絶対的な関連付けを形成するために用いられ、他方では第2の測定方向における第2の測定目盛りの絶対的な関連付けを形成するために用いられる。これにより、第2の測定方向における第2の測定目盛りの絶対的な関連付けを形成するための追加的な手段、特に、例えば疑似ランダムコードとして形成される追加的な基準マーク又は絶対的なメモリを省略することが可能である。これにより、同様に、単純かつコンパクトな構造及び走査の複雑性の低減が可能となる。
【0021】
本発明の利点は、基準マーク信号(すなわち、基準マークの走査により得られる基準パルス)を第1の測定目盛りにおける相対位置あるいは絶対位置の評価のために更に使用可能であるか、あるいは両立可能に維持されることである。
【0022】
本発明の有利な形成は、各従属請求項から見て取れる。
【0023】
以下に、本発明の更なる詳細及び利点を、図面に関連した本発明の考えられる構成の説明に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】支持体と、第1~第3の走査ユニットを有する走査アセンブリとを有する例示的な位置測定装置の斜視図である。
図2A】第1の状態における走査アセンブリの範囲での図1による位置測定装置の詳細図である。
図2B】第2の状態における走査アセンブリの範囲での図1による位置測定装置の詳細図である。
図3】基準パルスの位相位置を特定するユニットを有する位置測定装置の例示的な評価ユニットのブロック図である。
図4】第1の絶対位置を特定するユニットと、第2の絶対位置を特定するユニットとを有する位置測定装置の例示的な評価ユニットのブロック図である。
図5図3による評価ユニットにおいて処理される信号の例示的な信号推移を示す図である。
図6】第1の絶対位置と基準パルスの位相位置との間の例示的な線形関係を示すための概略的な図である。
図7】位置測定装置の例示的な信号処理ユニットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面において、同一の要素又は機能的に同一の要素には同一の符号が付されている。
【0026】
例示的な位置測定装置10が図1図2A及び図2Bに示されている。位置測定装置10は、第1の測定方向X及び第2の測定方向Yにおける、互いに対して可動な2つの物体の相対位置を測定するために用いられる。第1の測定方向Xは、基準軸線Oに関して定義された接線方向に対応する。第2の測定方向Yは、基準軸線Oに対して平行に延びる方向に対応する。第1の測定方向Xは、周方向ということもできる。第2の測定方向Yは、軸方向ということもできる。第1の測定方向Xは、メイン測定方向である。
【0027】
位置測定装置10は、支持体12と、第1~第3の走査ユニット20.1~20.3を有する走査アセンブリとを備えている。支持体12は、第1の測定目盛り14.1、第2の測定目盛り14.2及び基準マーク18を備えている。第1の走査ユニット20.1は、第1の測定目盛り14.1を走査するとともに、第1の走査信号を生成するために用いられる。第2の走査ユニット20.2は、第2の測定目盛り14.2を走査するとともに、第2の走査信号を生成するために用いられる。第3の走査ユニット20.3は、基準マーク18を走査するとともに、基準パルスを生成するために用いられる。第1~第3の走査ユニット20.1~20.3は、第1及び第2の測定目盛り14.1,14.2並びに基準マーク18の走査を行うことができるように、支持体12に対して相対的に移動可能に配置されている。好ましくは、第1~第3の走査ユニット20.1~20.3は、共通のブラケットに固定されているため、これらは、支持体12に対して相対的に共通に移動可能である。
【0028】
図1に示されているように、第1の測定目盛り14.1及び基準マーク18は、第2の測定方向Yに沿って互いに隣り合って配置されている。また、第2の測定目盛り14.2及び基準マーク18は、第2の測定方向Yに沿って互いに隣り合って配置されている。すなわち、基準マーク18は、第2の測定方向Yにおいて第1と第2の測定目盛り14.1,14.2の間に配置されている。第1の測定方向Xにおける、支持体12に対して相対的な第1~第3の走査ユニット20.1~20.3の共通の移動は、図2A図2Bにおいて矢印で示唆されている。
【0029】
図2A図2Bには、第1~第3の方向P1~P3が示されている。第1の方向P1は、第1の測定方向Xに対して垂直に延びている。第3の方向P3は、第2の測定方向Yに対して垂直に延びている。第1及び第2の測定方向X,Yは、互いに対して垂直に延びている(図2A図2BのXY座標系参照)。図2A図2Bに示されているように、第1の測定目盛り14.1は、第1の測定方向Xに沿って周期的に配置された複数の目盛り構造16.1を含んでいる。第1の測定目盛り14.1の目盛り構造16.1は、それぞれ第1の方向P1に対して平行に延在している。第2の測定目盛り14.2は、第2の測定方向Yに沿って周期的に配置された複数の目盛り構造16.2を含んでいる。第2の測定目盛り14.2の目盛り構造16.2は、それぞれ第3の方向P3に対して平行に延在している。基準マーク18は、第2の方向P2において延在している。第1の方向P1及び第2の方向P2は、互いに対して0°ではない角度αを形成する。特に、第2の方向P2は、第2の測定方向Yに対して平行に延びていない。角度αは、好ましくは0°より大きく90°より小さい。
【0030】
第1及び第2の測定目盛り14.1,14.2は、特にインクリメンタル目盛りである。例えば、第1の測定目盛り14.1の目盛り周期及び第2の測定目盛り14.2の目盛り周期は同一の大きさである。第1の走査信号は、第1の測定目盛り14.1によって特定される信号周期を有している。第2の走査信号は、第2の測定目盛り14.2によって特定される信号周期を有している。第1の測定目盛り14.1の目盛り周期及び第2の測定目盛り14.2の目盛り周期が同一の大きさであれば、第1の走査信号の信号周期及び第2の走査信号の信号周期も同一の大きさである。
【0031】
基準マーク18は、好ましくは1つの基準マーク構造を備えている。これに代えて、距離コード化された複数の基準マーク構造も設けることができる。
【0032】
第1の走査ユニット20.1は、第1のセンサ20.11及び第2のセンサ20.12を備えている。第2の走査ユニット20.2は、第1のセンサ20.21及び第2のセンサ20.22を備えている。第1の走査ユニット20.1の両センサ20.11,20.12は、正弦波状で互いに位相ずれした周期的な2つの走査信号を生成するために用いられ、これら走査信号は、第1の走査信号を形成する。第2の走査ユニット20.2の両センサ20.21,20.22は、正弦波状で互いに位相ずれした周期的な2つの走査信号を生成するために用いられ、これら走査信号は、第2の走査信号を形成する。第3の走査ユニット20.3は、基準パルスを生成するために1つのセンサを備えている。
【0033】
第2の測定方向Yにおける、すなわち基準軸線Oに対して平行な、第1~第3の走査ユニット20.1~20.3と支持体12の間の相対移動時には、特に、第3の走査ユニット20.3によって生成される基準パルス(あるいはその位相位置)が変化する。図2Aでは、第1~第3の走査ユニット20.1~20.3は、第1の状態、すなわち第2の測定方向Yにおいてずれていない状態で図示されている。当該第1の状態は、初期状態(あるいは基準状態)に相当する。第1の状態は、第2の測定方向Yにおける、特定されるべき高解像度の絶対位置(Y_ABS_POS)の第1の測定値(Y_ABS_POS_1)に割り当てられている。第1の測定値Y_ABS_POS_1について、例えばY_ABS_POS_1=0が成り立つ。図2Bでは、第1~第3の走査ユニット20.1~20.3は、第2の状態、すなわち第2の測定方向Yにおいてずれている状態で図示されている。第1の状態は、第2の測定方向Yにおける、特定されるべき高解像度の絶対位置(Y_ABS_POS)の第2の測定値(Y_ABS_POS_2)に割り当てられている。第2の測定値Y_ABS_POS_2について、例えばY_ABS_POS_2>0が成り立つ。Y_ABS_POSの特定(決定)については、特に図7に関連して詳細に説明する。
【0034】
図3及び図4には、位置測定装置10の例示的な評価ユニットのブロック図が示されている。
【0035】
図3による評価ユニットは、位相信号を特定(決定)するためのユニット26と、基準パルスの位相位置を特定(決定)するためのユニット30とを備えている。ユニット26は、第1の走査信号22.1を受信し、位相信号28を生成するように形成されている。ユニット30は、位相信号28及び基準パルス24に依存して基準パルス24の位相位置32を特定するように形成されている。ユニットは、ブロック(ユニット)26,30によって形成される。当該ユニットは、走査信号22.1及び基準パルス24に依存して基準パルス24の位相位置32を特定するように形成されている。
【0036】
図4による評価ユニットは、第1の絶対位置を特定(決定)するためのユニット34と、相対位置を特定(決定)するためのユニット38と、第2の絶対位置を特定(決定)するためのユニット42とを備えている。ユニット34は、基準パルス34の位相位置32に依存して、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1を特定するように形成されている。ユニット38は、第2の走査信号22.2に依存して、第2の測定方向Yにおける相対位置40を特定するように形成されている。ユニット42は、第1の絶対位置36.1及び基準位置40に依存して、第2の測定方向Yにおける第2の絶対位置36.2を特定するように形成されている。
【0037】
ユニットは、ブロック(ユニット)34,38,42によって形成される。当該ユニットは、基準パルス24の位相位置32及び第2の走査信号22.2に依存して、第2の測定方向Yにおける第2の絶対位置36.2を特定するように形成されている。
【0038】
図5には、図3による評価ユニットにおいて処理される信号22.1,24.28の例示的な信号推移が示されている。図5における上段には、第1の走査信号22.1(信号振幅A)が場所(X位置)の関数として図示されている。図5の上段において、ゼロラインはL0で示されている。図5の中段には、走査信号28(位相信号値φ)が場所(X位置)の関数として図示されている。図5の中段において、ゼロラインはL0で示されている。図5における下段には、基準パルス24(信号振幅A)が場所(X位置)の関数として図示されている。図5の下段において、ゼロラインはL0で示されている。
【0039】
第1の走査信号22.1は、第1の走査ユニット20.1の第1のセンサ20.11によって生成される第1の信号22.11と、第1の走査ユニット20.1の第2のセンサ20.12によって生成される第2の信号22.12とを含んでいる。両信号22.11,22.12は、それぞれ正弦波状であり、互いに90°位相ずれしている。また、両信号22.11,22.12は、同一の信号周期を有している。第1の走査信号22.1の信号周期は、SP1で示されている。基準位相位置O1は、第1の走査信号22.1が正の値かつ同一の瞬時値を有する、第1の走査信号22.1の信号推移の1つの位置に対応している。位相信号28は、例えば三角関数を用いて第1の走査信号22.1から導出される信号である。位相信号28は、第1の走査信号22.1と同一の信号周期を有している。基準パルス24は、2つのゼロ交差25.1,25.2及び最高点25.3を有している。例えば、基準パルス24は、対称な形状を有している。基準パルス24の幅は、両ゼロ交差25.1,25.2によって得られ、τで示されている。最高点25.3は、例えば両ゼロ交差25.1,25.2の間の中央に位置している。基準パルス24の図5に示された位相位置32は、例えば、両ゼロ交差25.1,25.2のX位置における位相信号値φの正しい位相の平均化によって得られる位相位置に対応している。加えて、図5には、基準パルス24の位相位置32と基準位相位置O1の間の位相差Δφが示されている。
【0040】
図5に示されているように、基準パルス24は、第1の走査信号22.1の特定された信号周期(信号周期SP1)に割り当てられている。基準パルス24の位相位置32は、第1の走査信号22.1によって特定される基準位相位置O1に関して規定されているとともに、-90°~+90°の範囲、好ましくは-60°~+60°の範囲にある。基準パルス24の幅τは、第1の走査信号22.1に関して、すなわち信号周期SP1に関して、180°~540°の範囲、好ましくは300°~420°の範囲にある。
【0041】
図6には、例示的な線形関係Cを説明するための概略的な図が示されている。図6には、一方では、基準パルス24の幅τが第2の測定方向Yにおける(第2の走査信号22.2の信号周期SP2で、あるいはミリメータで)第1の絶対位置36.1の関数としてプロットされている。他方で、図6には、基準パルス24の位相位置32が第2の測定方向Yにおける(第2の走査信号22.2の信号周期SP2で、あるいはミリメータで)第1の絶対位置36.1の関数としてプロットされている。基準パルス24の位相位置32についての図6に示された曲線は、以前に算出された測定値曲線に対応している。線形関係Cは、当該測定値曲線の線形近似に対応している。
【0042】
図6に示されているように、基準パルス24の位相位置32は、第1の境界値32.1と第2の境界値32.2によって規定される範囲にある。第1の境界値32.1は、基準パルス24の位相位置32に依存して特定されるべき、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1の最低点36.11に割り当てられている。第2の境界値32.2は、基準パルス24の位相位置32に依存して特定されるべき、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1の最高点36.12に割り当てられている。最低点36.11及び最高点36.12によって、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1の特定のための信頼性のある範囲Dが規定される。信頼性のある範囲Dは、第2の走査信号22.2の信号周期SP2の数に対応している。当該数は、特に2~10の範囲(例えば図6の例では2.5)にある。
【0043】
信頼性のある範囲D内では、基準パルス24の幅τは本質的に一定である。このことを、第3の走査ユニット20.3によって生成される基準パルス24の質をチェックするために考慮に入れることが可能である。
【0044】
線形関係Cの知識により、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1に対して基準パルス24の位相位置32を割り当てるためのあらかじめ規定された割り当て規則が設定されている。また、線形関係Cの知識により、あらかじめ規定された換算ファクタ(例えば1/RMSPSP、ここで、RMSPSPは直線Cの勾配である)を得ることが可能である。位置測定装置10は、一方では、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1を、上述のあらかじめ規定された割り当て規則を用いて特定するように形成されることが可能である。他方で、位置測定装置10は、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1を、上述のあらかじめ規定された換算ファクタを用いて特定するように形成されることが可能である。
【0045】
図6に関して、基準パルス24の位相位置32は、特に線形関係Cによって与えられる。線形関係Cは、勾配RMSPSP(”Reference Mark Shift Per Signal Period(信号周期ごとの基準マークシフト)”)によって規定されている。当該勾配RMSPSPは、第2の走査信号22.2の信号周期SP2につき少なくとも5°、好ましくは第2の走査信号22.2の信号周期SP2につき20°又は30°である。
【0046】
図7には、位置測定装置10の例示的な信号処理ユニットのブロック図が示されている。図7のブロック図には、第1の走査信号22.1、基準パルス24及び第2の走査信号22.2が入力信号として図示されている。図7による信号処理ユニットは、相対位置あるいは絶対位置を特定するユニット50と、基準パルスを認識し、周期カウンタを調整するユニット52(REFMARK)と、相対位置を特定するユニット38とを備えている。ユニット50は、周期カウンタ44(X_INC_POS_P)と、位相信号(X_INC_PHAS)を特定するユニット26とを備えている。ユニット38は、周期カウンタ54(Y_INC_POS_P)と、位相信号(Y_INC_PHAS)を特定するユニット58とを備えている。ユニット50は、第1の走査信号22.1に依存して、相対位置あるいは絶対位置51(X_INC_POS/X_ABS_POS)を特定するように形成されている。ユニット52は、一方では、基準パルス24に依存して周期カウンタ44のゼロ位置を生じさせるように形成されている。他方で、ユニット52は、基準パルス24をユニット30へ転送するように形成されている。ユニット38は、第2の走査信号22.2に依存して、相対位置40(Y_INC_POS)を特定するように形成されている。相対位置あるいは絶対位置51は、第1の測定方向Xにおける相対位置あるいは絶対位置に対応している。相対位置40は、第2の測定方向Yにおける相対位置に対応している。
【0047】
周期カウンタ44は、第1の走査信号22.1の信号周期を計数することで第1の測定方向Xにおける粗い解像度の相対位置あるいは絶対位置を出力部46において提供するように形成されている。周期カウンタ44のゼロ位置では、第1の測定方向Xにおける絶対的な関連付けが形成される(基準化)。基準化前に、粗い解像度の相対位置が出力部46において提供される。基準化後に、粗い解像度の絶対位置が出力部46において提供される。加えて、ユニット50は、結合ユニット(結節点48)を備えている。(細かい解像度)の相対位置あるいは絶対位置51を得るために、当該結合ユニットは、相対位置あるいは絶対位置が、出力部46において、ユニット26によって生成される位相信号28と結合されるように形成されている。当該相対位置あるいは絶対位置51は、インターフェースを介して後続電子機器(NC)へ転送されることが可能である。
【0048】
周期カウンタ54は、第2の走査信号22.2の信号周期を計数することで第2の測定方向Yにおける粗い解像度の相対位置を出力部56において提供するように形成されている。加えて、ユニット38は、結合ユニット(結節点62)を備えている。(細かい解像度)の相対位置40を得るために、当該結合ユニットは、相対位置が、出力部56において、ユニット58によって生成される位相信号60と結合されるように形成されている。第2の測定方向Yにおける当該相対位置40は、第2の測定方向Y(Y_ABS_POS)における第2の絶対位置36.2を得るために、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1と結合される。ユニット42によって行われる、第2の絶対位置36.2を得るための結合は、「接続」とも呼ばれる。第2の測定方向Yにおける第2の絶対位置36.2は、インターフェースを介して後続電子機器(NC)へ転送されることが可能である。
【0049】
これに代えて、接続は、周期カウンタ44の変更が生じることによっても達成されることが可能である(図7におけるブロック36.1からブロック54への破線参照)。
【0050】
図7に関して、位置測定装置10は、第2の測定方向Yにおける第2の絶対位置36.2を、第2の走査信号22.2から導出される位相信号60に依存して特定するように形成されることが可能である。また、第2の測定方向Yにおける第2の絶対位置36.2を得るために、位置測定装置10は、第2の測定方向Yにおける相対位置40が第2の走査信号22.2に依存して特定されるように、及び第2の測定方向Yにおける相対位置40が第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1と結合されるように形成されることが可能である。
【0051】
位置測定装置10は、特に、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1の特定が第1の解像度でなされるように、及び第2の測定方向Yにおける第2の絶対位置36.2の特定が第2の解像度でなされるように形成されており、第1の解像度は、第2の解像度よりも小さい。このことは、上述の接続によって達成される。
【0052】
同様に図7に関して、ユニット30は、ユニット26によって生成される位相信号28及び基準パルス24に依存して基準パルス24(RM_PHAS)の位相位置32を特定するように形成されている。ユニット34(SCALE)は、第2の測定方向Yにおける第1の絶対位置36.1をあらかじめ規定された換算ファクタ(すなわち1/RMSPSP)を用いて特定するように、例えば以下の規則によって特定するように形成されている:
Y_ABS_CPOS=RM_PHAS×1/RMSPSP
【0053】
位置測定装置10は、特にスピンドルにおける使用に適している。第1及び第2の測定目盛り14.1,14.2並びに基準マーク18は、好ましくは磁気的に走査可能に形成されている。
【0054】
これに代えて、第1及び第2の測定目盛り14.1,14.2並びに基準マーク18は、光学的に、誘導式に、又は容量式に走査可能に形成されることが可能である。
【0055】
本発明は、回転式の位置測定装置に限定されているものではない。本発明による位置測定装置は、リニアな位置測定装置であってもよい。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.第1の測定目盛り(14.1)、第2の測定目盛り(14.2)及び基準マーク(18)を備えた支持体(12)と、
第1の測定目盛り(14.1)を走査するとともに、第1の走査信号(22.1)を生成する第1の走査ユニット(20.1)と、
第2の測定目盛り(14.2)を走査するとともに、第2の走査信号(22.2)を生成する第2の走査ユニット(20.2)と、
基準マーク(18)を走査するとともに、基準パルス(24)を生成する第3の走査ユニット(20.3)と
を有する位置測定装置(10)であって、第1の測定目盛り(14.1)が、第1の測定方向(X)に沿って周期的に配置された複数の目盛り構造(16.1)を含んでおり、第1の測定目盛り(14.1)の目盛り構造(16.1)が、それぞれ第1の方向(P1)に対して平行に延在しており、第2の測定目盛り(14.2)が、第2の測定方向(Y)に沿って周期的に配置された複数の目盛り構造(16.2)を含んでおり、第1の測定方向(X)及び第2の測定方向(Y)が、互いに対して垂直に延びており、基準マーク(18)が第2の方向(P2)に延在しており、第1の方向(P1)及び第2の方向(P2)が、互いに0°でない角度(α)を形成している、前記位置測定装置において、
該位置測定装置(10)が、第1の走査信号(22.1)及び基準パルス(24)に依存して基準パルス(24)の位相位置(32)が特定されるように形成されていることを特徴とする位置測定装置。
2.位置測定装置(10)が、基準パルス(24)の位相位置(32)に依存して、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)が特定されるように形成されていることを特徴とする上記1.に記載の位置測定装置(10)。
3.位置測定装置(10)が、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)に対する基準パルス(24)の位相位置(32)の割り当てについてのあらかじめ規定された割り当て規則を用いて、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)が特定されるように形成されていることを特徴とする上記2.に記載の位置測定装置(10)。
4.位置測定装置(10)が、あらかじめ規定された換算ファクタを用いて第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)が特定されるように形成されていることを特徴とする上記2.に記載の位置測定装置(10)。
5.位置測定装置(10)が、第1の走査信号(22.1)から導出される位相信号(28)に依存して基準パルス(24)の位相位置(32)が特定されるように形成されていることを特徴とする上記1.~4.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
6.位置測定装置(10)が、基準パルス(24)の位相位置(32)及び第2の走査信号(22.2)に依存して、第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)が特定されるように形成されていることを特徴とする上記2.~5.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
7.位置測定装置(10)が、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の特定が第1の解像度でなされるように、及び第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)の特定が第2の解像度でなされるように形成されており、第1の解像度が第2の解像度よりも小さいことを特徴とする上記6.に記載の位置測定装置(10)。
8.位置測定装置(10)が、第2の走査信号(22.2)から導出される位相信号(60)に依存して第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)が特定されるように形成されていることを特徴とする上記6.又は7.に記載の位置測定装置(10)。
9.第2の測定方向(Y)における第2の絶対位置(36.2)を得るために、位置測定装置(10)が、第2の走査信号(22.2)に依存して第2の測定方向(Y)における相対位置(40)が特定されるように、及び第2の測定方向(Y)における相対位置(40)が第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)と結合されるように形成されていることを特徴とする上記6.~8.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
10.基準パルス(24)の位相位置(32)が、第1の走査信号(22.1)によって特定される基準位相位置(O1)に関して規定されているとともに、-90°~+90°の範囲、好ましくは-60°~+60°の範囲にあることを特徴とする上記1.~9.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
11.基準パルス(24)の位相位置(32)が、第1の境界値(32.1)と第2の境界値(32.2)によって規定される範囲にあり、第1の境界値(32.1)が、基準パルス(24)の位相位置(32)に依存して特定されるべき、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の最低点(36.11)に割り当てられており、第2の境界値(32.2)が、基準パルス(24)の位相位置(32)に依存して特定されるべき、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の最高点(36.12)に割り当てられており、最低点(36.11)及び最高点(36.12)によって、第2の測定方向(Y)における第1の絶対位置(36.1)の特定のための信頼性のある範囲(D)が規定され、信頼性のある範囲(D)が、第2の走査信号(22.2)の信号周期(SP2)の数に対応しており、該数が、2~10の範囲にあることを特徴とする上記1.~10.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
12.基準パルス(24)の位相位置(32)が線形関係(C)によって設定されており、線形関係(C)が勾配(RMSPSP)によって規定されており、該勾配(RMSPSP)が、第2の走査信号(22.2)の信号周期につき少なくとも5°、好ましくは第2の走査信号(22.2)の信号周期につき20°又は30°であることを特徴とする上記1.~11.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
13.基準パルス(24)の幅(τ)が、第1の走査信号(22.1)に関して、180°~540°の範囲、好ましくは300°~420°の範囲にあることを特徴とする上記1.~12.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
14.第1の方向(P1)が第1の測定方向(X)に対して垂直に延びていることを特徴とする上記1.~13.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
15.第2の測定目盛り(14.2)の目盛り構造(16.2)が、それぞれ第3の方向(P3)に対して平行に延在しており、第3の方向(P3)が第2の測定方向(Y)に対して垂直に延びていることを特徴とする上記1.~14.のいずれか1つに記載の位置測定装置(10)。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7