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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】作業車用安全制御装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/08 20060101AFI20240902BHJP
   B62D 51/06 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A01B33/08 A
B62D51/06 111
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021028460
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129684
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】梅野 覚
(72)【発明者】
【氏名】冨田 宗樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 豊
(72)【発明者】
【氏名】田中 正浩
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-043470(JP,A)
【文献】特開2018-082683(JP,A)
【文献】特公昭59-003305(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 27/00-49/06
B62D 51/06
A01D 34/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の車輪と、前記車輪を駆動する駆動手段と、耕耘、培土、除草、整地、及び運搬などの作業に用いる作業手段と、作業者が歩きながら操舵するハンドルとを備え、前記車輪よりも後方に前記ハンドルを配置した歩行用作業車に用いる作業車用安全制御装置であって、
前記ハンドルに取り付ける荷重検出手段と、
前記荷重検出手段からの信号を入力し、挟圧除去信号を出力する制御手段と
を有し、
前記制御手段が、
閾値を記憶している記憶部と、
前記荷重検出手段で検出される検出荷重を前記記憶部から読み出した前記閾値と比較する比較部と、
前記比較部によって前記検出荷重が前記閾値以上であると判断すると、前記挟圧除去信号を出力する出力部と
を備え、
前記挟圧除去信号を出力することで、前記駆動手段による前記歩行用作業車の後進動作を停止し、前記歩行用作業車の前記後進動作を停止した後に前進動作に切り替える
ことを特徴とする作業車用安全制御装置。
【請求項2】
前記荷重検出手段を複数備え、
前記制御手段では、
いずれかの前記荷重検出手段が前記閾値以上の前記検出荷重を検出すると前記出力部から前記挟圧除去信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業車用安全制御装置。
【請求項3】
前記駆動手段による前記歩行用作業車の前記後進動作を検出する進行方向検出手段を有し、
前記制御手段では、
前記進行方向検出手段からの検出方向が前記後進動作であるときに前記出力部から前記挟圧除去信号を出力し、
前記進行方向検出手段からの前記検出方向が前記後進動作でないときには前記閾値以上の前記検出荷重を検出しても前記出力部から前記挟圧除去信号を出力しない
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業車用安全制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が歩きながら操舵するハンドルを備えた歩行用作業車に用いる作業車用安全制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行用作業車においては、後退時に作業者がハンドルと障害物との間に挟まれ、死亡に至る事故が年間約十数件発生している。また、挟まれ時は、ハンドルが身体接触後、次に障害物に衝突する際にハンドルに発生する荷重が最大となり、通常作業時における操作で受ける荷重を超えていること、方向が機体の車輪接地点方向であることが判明している。そこで、通常作業時における操作力を超える力がハンドルに作用した瞬間に挟圧を除去することが求められている。
特許文献1は、歩行用作業車の後方に突設された作動体が作業者の脚部または障害物に当接することにより作動する安全装置を提案し、特許文献2は、歩行用作業車の後退及び作業者のハンドルへの無接触状態を検知して作動する安全装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実願昭49-144390号(実開昭51-069632号)のマイクロフィルム
【文献】特公昭59-3305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の安全装置は、作動体がハンドルにないため、立位状態の作業者上半身へのハンドルによる挟まれ防止が困難である。また、機械的な機構であるため、挟まれ時に発生する力に対して、安全装置の作動する閾値を詳細に調整することが困難である。
また特許文献2の安全装置は、作業者のハンドル把持部の無接触状態を検知することで作動するが、ハンドルに加わる荷重を検知する機構ではない。作業者は、危険が迫った時にはハンドル把持部を握る傾向にあるため、ハンドル把持部を握ったまま挟まれる可能性が高く、ハンドル把持部の無接触状態を検知することでは、作業者の挟まれを防ぐことができない。
【0005】
そこで本発明は、通常作業時にハンドルに加わる荷重を超える荷重がハンドルに加わった場合に歩行用作業車の後進動作を瞬時に停止できる作業車用安全制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の作業車用安全制御装置は、一対の車輪1と、前記車輪1を駆動する駆動手段2と、耕耘、培土、除草、整地、及び運搬などの作業に用いる作業手段4と、作業者が歩きながら操舵するハンドル5とを備え、前記車輪1よりも後方に前記ハンドル5を配置した歩行用作業車に用いる作業車用安全制御装置であって、前記ハンドル5に取り付ける荷重検出手段10と、前記荷重検出手段10からの信号を入力し、挟圧除去信号を出力する制御手段20とを有し、前記制御手段20が、閾値を記憶している記憶部21と、前記荷重検出手段10で検出される検出荷重を前記記憶部21から読み出した前記閾値と比較する比較部22と、前記比較部22によって前記検出荷重が前記閾値以上であると判断すると、前記挟圧除去信号を出力する出力部23とを備え、前記挟圧除去信号を出力することで、前記駆動手段2による前記歩行用作業車の後進動作を停止し、前記歩行用作業車の前記後進動作を停止した後に前進動作に切り替えることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の作業車用安全制御装置において、前記荷重検出手段10を複数備え、前記制御手段20では、いずれかの前記荷重検出手段10が前記閾値以上の前記検出荷重を検出すると前記出力部23から前記挟圧除去信号を出力することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の作業車用安全制御装置において、前記駆動手段2による前記歩行用作業車の前記後進動作を検出する進行方向検出手段40を有し、前記制御手段20では、前記進行方向検出手段40からの検出方向が前記後進動作であるときに前記出力部23から前記挟圧除去信号を出力し、前記進行方向検出手段40からの前記検出方向が前記後進動作でないときには前記閾値以上の前記検出荷重を検出しても前記出力部23から前記挟圧除去信号を出力しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の作業車用安全制御装置によれば、通常作業時にハンドルに加わる荷重を超える荷重がハンドルに加わった場合には、作業者がハンドルと障害物との間に挟まれたと判断して歩行用作業車の後進動作を瞬時に停止させ、ハンドルから受ける荷重の最大値を抑制することができ、通常作業時での誤検出を防止して作業者の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による作業車用安全制御装置を示す概略構成図
図2】同作業車用安全制御装置の制御処理を示すフロー図
図3】同作業車用安全制御装置の荷重検出手段の取り付け位置を示す図
図4】同作業車用安全制御装置に用いる荷重検出手段の原理の説明図
図5】挟まれ試験結果を示す図
図6】各種の通常作業時と挟まれ時とでハンドルに加わる荷重の最大値の実測値を示すグラフ
図7図1から図3に示す歩行用作業車と異なる歩行用作業車に本実施例による作業車用安全制御装置の荷重検出手段を取り付けた場合の取り付け位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による作業車用安全制御装置は、ハンドルに取り付ける荷重検出手段と、荷重検出手段からの信号を入力し、挟圧除去信号を出力する制御手段とを有し、制御手段が、閾値を記憶している記憶部と、荷重検出手段で検出される検出荷重を記憶部から読み出した閾値と比較する比較部と、比較部によって検出荷重が閾値以上であると判断すると、挟圧除去信号を出力する出力部とを備え、挟圧除去信号を出力することで、駆動手段による歩行用作業車の後進動作を停止し、歩行用作業車の後進動作を停止した後に前進動作に切り替えるものである。本実施の形態によれば、通常作業時にハンドルに加わる荷重を超える荷重がハンドルに加わった場合には、作業者がハンドルと障害物との間に挟まれたと判断して歩行用作業車の後進動作を瞬時に停止させ、ハンドルから受ける荷重の最大値を抑制することができ、更に通常作業時での誤検出を防止して作業者の安全性を高めることができる。また、前進動作に切り替えることで、挟まれている状態の作業者を解放することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による作業車用安全制御装置において、荷重検出手段を複数備え、制御手段では、いずれかの荷重検出手段が閾値以上の検出荷重を検出すると出力部から挟圧除去信号を出力するものである。本実施の形態によれば、それぞれの荷重検出手段をハンドルの異なる位置に取り付けることができるため、例えばハンドルの両側や中央部での挟まれにも対応可能となり、更に安全性を高めることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による作業車用安全制御装置において、駆動手段による歩行用作業車の後進動作を検出する進行方向検出手段を有し、制御手段では、進行方向検出手段からの検出方向が後進動作であるときに出力部から挟圧除去信号を出力し、進行方向検出手段からの検出方向が後進動作でないときには閾値以上の検出荷重を検出しても出力部から挟圧除去信号を出力しないものである。本実施の形態によれば、通常作業時での誤検出防止効果を更に高めることができる。
【実施例
【0012】
以下本発明の一実施例による作業車用安全制御装置について説明する。
図1は本実施例による作業車用安全制御装置を示す概略構成図である。
本実施例による作業車用安全制御装置は、一対の車輪1と、車輪1を駆動する駆動手段2と、駆動手段2からの駆動力を車輪1に伝達し又は遮断する変速機構3と、耕耘、培土、除草、整地、及び運搬などの作業に用いる作業手段4と、作業者が歩きながら操舵するハンドル5とを備え、車輪1よりも後方にハンドル5を配置した歩行用作業車に用いる。本実施例では、駆動手段2はエンジンである。
変速機構3は、変速レバー3aによって前進、後進、速度の高低、ニュートラルの切替ができるとともに、クラッチレバー5bによってクラッチの入/切ができる。クラッチレバー5bは、操作者が握る操作、すなわちハンドル5側に引き寄せる操作によってクラッチ入り状態となり、握る操作をしない場合にクラッチ切り状態となる。
【0013】
作業車用安全制御装置は、ハンドル5に取り付ける荷重検出手段10と、荷重検出手段10からの信号を入力し、挟圧除去信号を出力する制御手段20とを有している。
制御手段20は、閾値を記憶している記憶部21と、荷重検出手段10で検出される検出荷重を閾値と比較する比較部22と、比較部22によって検出荷重が閾値以上であると判断すると、挟圧除去信号を出力する出力部23とを備えている。
【0014】
切替手段30は、出力部23から出力される挟圧除去信号によって、駆動手段2を停止し、又はクラッチレバー5b及び変速機構3によって駆動手段2の伝達を遮断し、又は変速機構3によって車輪1を後進動作から前進動作に切り替える。
このように、出力部23から挟圧除去信号を出力することで、駆動手段2による歩行用作業車の後進動作を停止する。
従って、通常作業時にハンドル5に加わる荷重を超える荷重がハンドル5に加わった場合には、作業者がハンドル5と障害物との間に挟まれたと判断して歩行用作業車の後進動作を瞬時に停止させ、ハンドル5から受ける荷重の最大値を抑制することができ、更に通常作業時での誤検出を防止して作業者の安全性を高めることができる。
特に、歩行用作業車の後進動作を停止した後に前進動作に切り替えることで、挟まれている状態の作業者を解放することができる。
歩行用作業車が備えている機構や制御装置を切替手段30として用いることができるが、切替手段30は、作業車用安全制御装置として備えてもよい。
【0015】
作業車用安全制御装置は、更に駆動手段2による歩行用作業車の後進動作を検出する進行方向検出手段40を有している。
そして、制御手段20では、進行方向検出手段40からの検出方向が後進動作であるときに出力部23から挟圧除去信号を出力し、進行方向検出手段40からの検出方向が後進動作でないときには閾値以上の検出荷重を検出しても出力部23から挟圧除去信号を出力しない。
このように、進行方向検出手段40によって後進動作であるときに出力部23から挟圧除去信号を出力することで、通常作業時での誤検出防止効果を更に高めることができる。
【0016】
図2は本実施例による作業車用安全制御装置の制御処理を示すフロー図である。
安全制御処理の動作を開始すると、荷重検出手段10によって荷重が検出され(S1)、検出荷重は比較部22において記憶部21から読み出した閾値と比較され(S2)、検出荷重が閾値以上であり(S2においてYes)、進行方向検出手段40において後進動作を検出していれば(S3においてYes)、出力部23から挟圧除去信号を出力する(S4)。
検出荷重が閾値未満の場合には(S2においてNo)、出力部23から挟圧除去信号を出力することなく、荷重検出手段10による荷重検出を継続する(S1)。
また、進行方向検出手段40において後進動作を検出していなければ(S3においてNo)、出力部23から挟圧除去信号を出力することなく、荷重検出手段10による荷重検出を継続する(S1)。
【0017】
図3は本実施例による作業車用安全制御装置の荷重検出手段の取り付け位置を示す図であり、図3(a)は歩行用作業車の右側面図、図3(b)は歩行用作業車の上面図、図3(c)は歩行用作業車の後面図である。
荷重検出手段10は、ハンドル5に複数備えていることが好ましい。また、荷重検出手段10は、ハンドル5の中でも最も後方に位置する部位、特に把持部5aに取り付けることが好ましい。
図示のように、ハンドル5がループハンドルである場合には、ハンドル5の中でも最も後方に位置する把持部5aに複数の荷重検出手段10を備えることが好ましい。把持部5aの両側及び中央部に荷重検出手段10を備えることで、ハンドル5の両側や中央部での挟まれにも対応可能となり、更に安全性を高めることができる。
このように、荷重検出手段10を複数備えている場合には、制御手段20では、いずれかの荷重検出手段10が閾値以上の検出荷重を検出すると出力部23から挟圧除去信号を出力する。
図3(a)に示すように、荷重検出手段10で検出される検出荷重の方向Qを、所定角度の範囲内で車輪1の接地方向とすることで、作業者に対するハンドル5による挟圧をより正確に検出できる。
【0018】
図4は本実施例による作業車用安全制御装置に用いる荷重検出手段の原理の説明図であり、図4(a)は同荷重検出手段の概略斜視図、図4(b)は同荷重検出手段の概略正面図、図4(c)は同荷重検出手段の動作状態での概略正面図である。
荷重検出手段10は、荷重Pを受ける起歪体11と、起歪体11によって変形を生じる板材12と、板材12の変形を検出する歪ゲージ13とから構成される。
荷重Pが起歪体11に加わることで、起歪体11が一方向Wに移動し、起歪体11の変位によって板材12が変形し、板材12の変形を歪ゲージ13で検出する。
このように、起歪体11は一方向Wにだけ変位するため、一方向Wに加わる荷重Pだけを検出することができる。
なお、実用的な荷重検出手段10は、起歪体11の直径が5mm程度、板材12の長さ又は直径が10mm~16mm程度の小型センサである。
【0019】
図5は挟まれ試験結果を示す図であり、図5(a)は挟まれ時を含み挟まれ前後でのハンドルに加わる荷重を示すグラフ、図5(b)は図5(a)の測定における状態説明図である。
図5において、Fはハンドル5に加わる荷重、Fx’はハンドル5に加わるx’方向の荷重、Fz’はハンドル5に加わるz’方向の荷重を示している。なお、x’方向はハンドル5から車輪1の接地方向であり、z’方向はx’方向及びハンドル5に対して鉛直な方向である。
図5(a)に示すように、挟まれ時には車輪1の接地方向に瞬時に過大な荷重が作用している。
【0020】
図6は各種の通常作業時と挟まれ時とでハンドルに加わる荷重の最大値の実測値を示すグラフである。
通常作業としては、歩行用作業車による耕耘作業時、運搬車両からの歩行用作業車の積み下ろし時、歩行用作業車の後進動作時を実測した。
通常作業時及び挟まれ時のいずれも、異なる3機種の歩行用作業車を用いた。各歩行用作業車について通常作業時は被験者7名で作業を行い、挟まれ時は垂直壁面にてダミー人形を挟圧させた。
図6に示すように、通常作業時ではFx’及びFz’のいずれも、-300N~300N程度の荷重であるのに対して、挟まれ時には、Fx’では600N~1300Nの荷重が作用している。
また図6では荷重の方向は、原点からほぼFx’すなわち車輪1の接地方向に沿った所定角度の範囲内となる。
従って、Fx’すなわち車輪1の接地方向の荷重の閾値を所定荷重、例えば400N程度とすることで、通常作業時での誤検出を防止して挟まれ時に確実に検出することができる。
【0021】
図7図1から図3に示す歩行用作業車と異なる歩行用作業車に本実施例による作業車用安全制御装置の荷重検出手段を取り付けた場合の取り付け位置を示す図であり、図7(a)は概略構成図、図7(b)は歩行用作業車の後面図である。
図7に示す歩行用作業車は、ハンドル5が2ハンドルである場合を示している。なお、図1から図3と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
荷重検出手段10は、ハンドル5のそれぞれの把持部5aの後端に取り付ける。それぞれの把持部5aの後端に荷重検出手段10を取り付けることで、作業者に対する挟圧を確実に検出することができ、安全性を高めることができる。
【0022】
なお、本実施例で説明に用いた歩行用作業車は、エンジンを駆動手段2としているが、電動モータを駆動手段2とした歩行用作業車にも適用でき、出力部23からの挟圧除去信号によって電動モータの回転方向を切り替え、歩行用作業車を、後進動作から前進動作とすることができる。この場合は、進行方向検出手段40は駆動手段2から歩行用作業車の後進動作を検出する。
また、本実施例による作業車用安全制御装置は、特許文献1や特許文献2で開示しているような安全装置とともに用いることで、更に歩行用作業車の後進動作に対する安全性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明による作業車用安全制御装置は、農業作業、土木作業、及び除雪作業に用いられる歩行用作業車に利用でき、特に一対の車輪だけを備えた歩行用作業車に適しているが、4輪車両の歩行用作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0024】
1 車輪
2 駆動手段
3 変速機構
3a 変速レバー
4 作業手段
5 ハンドル
5a 把持部
5b クラッチレバー
10 荷重検出手段
11 起歪体
12 板材
13 歪ゲージ
20 制御手段
21 記憶部
22 比較部
23 出力部
30 切替手段
40 進行方向検出手段
P 荷重
Q 検出荷重の方向
W 一方向
F ハンドル5に加わる荷重
Fx’ ハンドル5に加わるx’方向の荷重
Fz’ ハンドル5に加わるz’方向の荷重
x’ ハンドル5から車輪1の接地方向
z’ x’方向及びハンドル5に対して鉛直な方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7