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特許7547272波長可変光源装置、波長可変光源装置の制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】波長可変光源装置、波長可変光源装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0687 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
H01S5/0687
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021057993
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154787
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀川 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山本 篤司
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-072464(JP,A)
【文献】特開2015-204106(JP,A)
【文献】特開2014-013823(JP,A)
【文献】特開2015-088676(JP,A)
【文献】国際公開第2009/099050(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0203132(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力する電流値をデジタルの第一電流指示値に応じて第一ステップ幅でステップ的に変更可能な第一可変電流供給部と、
出力する電流値をデジタルの第二電流指示値に応じて前記第一ステップ幅よりも小さい第二ステップ幅でステップ的に変更可能な第二可変電流供給部と、
前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する制御部と、
光源と、
前記第一可変電流供給部および前記第二可変電流供給部の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構と、
を備えた、波長可変光源装置。
【請求項2】
要求波長に応じて、目標電流値、ならびに当該目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定される、請求項1に記載の波長可変光源装置。
【請求項3】
前記目標電流値のそれぞれに対応して、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定されている、請求項2に記載の波長可変光源装置。
【請求項4】
前記目標電流値は、第一閾値よりも高い範囲内において、第二ステップ幅でステップ的に設定される、請求項2または3に記載の波長可変光源装置。
【請求項5】
前記目標電流値は、所定範囲内において、第二ステップ幅でステップ的に設定される、請求項2または3に記載の波長可変光源装置。
【請求項6】
前記波長可変機構に供給される電流値を検出する電流検出部を備え、
前記制御部は、前記電流検出部で検出された電流値が前記目標電流値となるよう、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値のうち少なくとも一方を変更する、請求項2~5のうちいずれか一つに記載の波長可変光源装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力した後、前記要求波長に応じた目標波長が得られるよう、前記第二電流指示値を変更することにより前記波長可変機構をフィードバック制御する、請求項2~6のうちいずれか一つに記載の波長可変光源装置。
【請求項8】
前記波長可変機構は、電熱ヒータを有した、請求項1~7のうちいずれか一つに記載の波長可変光源装置。
【請求項9】
出力する電流値をデジタルの第一電流指示値に応じて第一ステップ幅でステップ的に変更可能な第一可変電流供給部と、
出力する電流値をデジタルの第二電流指示値に応じて前記第一ステップ幅よりも小さい第二ステップ幅でステップ的に変更可能な第二可変電流供給部と、
前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する制御部と、
光源と、
前記第一可変電流供給部および前記第二可変電流供給部の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構と、
を備え、要求波長に応じて、目標電流値、ならびに当該目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定された波長可変光源装置の、前記制御部として作動するコンピュータが、
前記要求波長に応じた前記目標電流値に対応して設定された前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する、波長可変光源装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
出力する電流値をデジタルの第一電流指示値に応じて第一ステップ幅でステップ的に変更可能な第一可変電流供給部と、
出力する電流値をデジタルの第二電流指示値に応じて前記第一ステップ幅よりも小さい第二ステップ幅でステップ的に変更可能な第二可変電流供給部と、
前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する制御部と、
光源と、
前記第一可変電流供給部および前記第二可変電流供給部の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構と、
を備え、要求波長に応じて、目標電流値、ならびに当該目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定された波長可変光源装置の、前記制御部として作動させるプログラムであって、
前記制御部は、前記要求波長に応じた前記目標電流値に対応して設定された前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長可変光源装置、波長可変光源装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電熱ヒータを加熱することにより導波路の屈折率を変更し、これにより出力波長を変更する波長可変光源装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この種の波長可変光源装置では、電熱ヒータに供給する電流値を変更することによりヒータの発熱状態を変更し、これにより、導波路の温度を変更して、当該導波路の屈折率を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-044024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電熱ヒータの発熱量は電流値の2乗に比例するため、電流値が高い場合における電流値の単位変化量あたりの電力変化量は、電流値が低い場合における電流値の単位変化量あたりの電力変化量よりも大幅に大きくなってしまう。これにより、電流値が高い領域においては、より精度良くヒータの電力量を調整するのが難しくなり、例えば、波長可変制御において電熱ヒータに供給する電流値の使用範囲が制限されてしまう等の問題が生じることがあった。
【0006】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、波長可変機構に供給する電流値を変更することにより光源から出力される光の波長を変更する波長可変光源装置において、例えば、より容易にあるいはより精度良く波長可変機構を制御することを可能とするような、改善された新規な波長可変光源装置、波長可変光源装置の制御方法、およびプログラムを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の波長可変光源装置は、例えば、出力する電流値をデジタルの第一電流指示値に応じて第一ステップ幅でステップ的に変更可能な第一可変電流供給部と、出力する電流値をデジタルの第二電流指示値に応じて前記第一ステップ幅よりも小さい第二ステップ幅でステップ的に変更可能な第二可変電流供給部と、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する制御部と、光源と、前記第一可変電流供給部および前記第二可変電流供給部の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構と、を備える。
【0008】
前記波長可変光源装置にあっては、要求波長に応じて、目標電流値、ならびに当該目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定されてもよい。
【0009】
前記波長可変光源装置にあっては、前記目標電流値のそれぞれに対応して、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定されてもよい。
【0010】
前記波長可変光源装置にあっては、前記目標電流値は、第一閾値よりも高い範囲内において、第二ステップ幅でステップ的に設定されてもよい。
【0011】
前記波長可変光源装置にあっては、前記目標電流値は、所定範囲内において、第二ステップ幅でステップ的に設定されてもよい。
【0012】
前記波長可変光源装置は、前記波長可変機構に供給される電流値を検出する電流検出部を備え、前記制御部は、前記電流検出部で検出された電流値が前記目標電流値となるよう、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値のうち少なくとも一方を変更してもよい。
【0013】
前記波長可変光源装置にあっては、前記制御部は、前記目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力した後、前記要求波長に応じた目標波長が得られるよう、前記第二電流指示値を変更することにより前記波長可変機構をフィードバック制御してもよい。
【0014】
前記波長可変光源装置にあっては、前記波長可変機構は、電熱ヒータを有してもよい。
【0015】
本発明の波長可変光源装置の制御方法は、例えば、出力する電流値をデジタルの第一電流指示値に応じて第一ステップ幅でステップ的に変更可能な第一可変電流供給部と、出力する電流値をデジタルの第二電流指示値に応じて前記第一ステップ幅よりも小さい第二ステップ幅でステップ的に変更可能な第二可変電流供給部と、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する制御部と、光源と、前記第一可変電流供給部および前記第二可変電流供給部の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構と、を備え、要求波長に応じて、目標電流値、ならびに当該目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定された波長可変光源装置の、前記制御部として作動するコンピュータが、前記要求波長に応じた前記目標電流値に対応して設定された前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する。
【0016】
本発明のプログラムは、例えば、コンピュータを、出力する電流値をデジタルの第一電流指示値に応じて第一ステップ幅でステップ的に変更可能な第一可変電流供給部と、出力する電流値をデジタルの第二電流指示値に応じて前記第一ステップ幅よりも小さい第二ステップ幅でステップ的に変更可能な第二可変電流供給部と、前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する制御部と、光源と、前記第一可変電流供給部および前記第二可変電流供給部の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構と、を備え、要求波長に応じて、目標電流値、ならびに当該目標電流値を得る前記第一電流指示値および前記第二電流指示値が設定された波長可変光源装置の、前記制御部として作動させるプログラムであって、前記制御部は、前記要求波長に応じた前記目標電流値に対応して設定された前記第一電流指示値および前記第二電流指示値を出力する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、改善された新規な波長可変光源装置、波長可変光源装置の制御方法、およびプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態の波長可変光源装置の例示的なブロック図である。
図2図2は、実施形態の波長可変光源装置の電流供給部の例示的な構成図である。
図3図3は、実施形態の波長可変光源装置の制御部の例示的なブロック図である。
図4図4は、実施形態の波長可変光源装置における電流供給部から波長可変機構への供給電流の電流値と電力との相関関係の一例を示すグラフであって、電流値および電力の離散的な設定の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態の波長可変光源装置の波長可変機構の電力の図4に対応した離散的な設定の一例を示す説明図である。
図6図6は、実施形態の波長可変光源装置による波長可変制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態の波長可変光源装置における電流供給部から波長可変機構への供給電流の電流値と電力との相関関係の一例を示すグラフであって、電流値および電力の離散的な設定の別の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態の波長可変光源装置の波長可変機構の電力の図7に対応した離散的な設定の一例を示す説明図である。
図9図9は、実施形態の波長可変光源装置における要求波長毎の目標電流値ならびに第一電流指示値および第二電流指示値の設定の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態の波長可変光源装置における電流供給部から波長可変機構への供給電流の電流値と電力との相関関係の一例を示すグラフであって、電流値および電力の図9に対応した離散的な設定の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態の波長可変光源装置の波長可変機構の電力の図9,10に対応した離散的な設定の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0020】
本明細書において、序数は、電流指示値や、ステップ幅、閾値、部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0021】
[実施形態]
[波長可変光源装置の構成]
図1は、本実施形態の波長可変光源装置1のブロック図である。波長可変光源装置1は、波長可変光源100と、制御装置10と、を備えている。
【0022】
波長可変光源100は、例えば、公知の波長可変レーザ装置である。一例として、波長可変光源100は、バーニア効果を利用した波長可変型のレーザ素子を有した光源であって、例えば、SG-DBR(sampled grating-distributed bragg reflector)部、位相調整部、利得部、リング共振器フィルタ、光増幅器等を有している。ただし、本実施形態の波長可変光源100は、このような構成には限定されず、供給する電流値を変更することにより出力する光の波長を変更することが可能な波長可変機構101を備えたものであればよい。
【0023】
波長可変機構101は、例えば、電熱ヒータを有する。電熱ヒータは、供給される電流値に応じて発熱量を変更し、これにより導波路の温度、ひいては導波路の屈折率を変更する。一例として、上述したような、SG-DBR部、位相調整部、利得部、リング共振器フィルタ、光増幅器等を有した波長可変光源100の場合、波長可変機構101としての電熱ヒータは、SG-DBR部、位相調整部、およびリング共振器フィルタのそれぞれに設けられる。この場合、例えば、SG-DBR部に設けられた波長可変機構101としての電熱ヒータに供給する電流値と、リング共振器フィルタに設けられた波長可変機構101としての電熱ヒータに供給する電流値と、位相調整部に設けられた波長可変機構101としての電熱ヒータに供給する電流値と、の組み合わせによって、出力される光の波長を変更することができる。したがって、制御装置10は、所期の波長が得られるよう、これら波長可変機構101に供給する電流値を制御する。
【0024】
なお、波長可変機構101は、電熱ヒータを有した構成には限定されず、例えば、電流注入によって導波路にキャリアを注入する機構であってもよい。この場合、キャリアプラズマ効果によって屈折率が低下する現象が利用される。
【0025】
制御装置10は、制御部11と、複数の電流供給部12A,12B(12)、電流検知部13、および電圧検知部14を有している。
【0026】
二つの電流供給部12A,12Bは、それぞれ、制御部11から出力されたデジタルの電流指示値に応じて、波長可変機構101へ出力する電流値を、所定のステップ幅で、ステップ的に変更可能な構成を有している。ただし、これら二つの電流供給部12A,12Bは、電流値のステップ幅が相違している。本実施形態では、一例として、電流供給部12Aのステップ幅は、電流供給部12Bのステップ幅よりも大きくなるよう、構成されている。電流供給部12Aは、第一可変電流供給部の一例であり、電流供給部12Bは、第二可変電流供給部の一例である。制御部11から電流供給部12Aへ入力される電流指示値は、第一電流指示値の一例であり、制御部11から電流供給部12Bへ入力される電流指示値は、第二電流指示値の一例である。電流供給部12Aが出力する電流値のステップ幅は、第一ステップ幅の一例であり、電流供給部12Bが出力する電流値のステップ幅は、第二ステップ幅の一例である。
【0027】
一例として、電流供給部12Aは、電流指示値の12ビットでI1[mA]だけ電流が変化し、電流供給部12Bは、電流指示値の12ビットでI1より小さいI2[mA]だけ電流が変化するように設定されている。
【0028】
電流検知部13は、複数の電流供給部12A,12B(12)から出力された電流の電流値を検出し、制御部11は、電流検知部13による電流の検出値(電流値)を取得する。また、電圧検知部14は、波長可変機構101に印加された電圧を検出する。制御部11は、電圧検知部14による電圧の検出値(電圧値)を取得する。これらの検出値から、制御部11は、波長可変機構101に供給された電力、言い換えると波長可変機構101で生じた電力を、算出することができる。
【0029】
図2は、電流供給部12A,12B(12)の回路図である。電流供給部12A,12Bは、並列に設けられており、波長可変機構101の電熱ヒータ101aに供給される電流値は、電流供給部12A,12Bのそれぞれが出力した電流値の合計値となる。すなわち、波長可変機構101は、電流供給部12Aおよび電流供給部12Bの双方から供給された電流に応じて光源が出力する光の波長を変更する。
【0030】
ここで、電流供給部12A,12Bのそれぞれには、電流値を検出するための抵抗124が設けられている。制御部11は、抵抗124のそれぞれによって検出された電流値の合計値を、電熱ヒータ101aに供給される電流値として取得してもよい。この場合、抵抗124は、電流検知部13の一例となる。
【0031】
また、電流供給部12は、それぞれ、上述した抵抗124の他に、FET121(field effect transistor)、DAC122(digital analog converter)、およびオペアンプ123を有している。
【0032】
DAC122は、制御部11から入力されたデジタルの電流指示値n1,n2に応じて、オペアンプ123へアナログ電圧を出力する。すなわち、デジタルの電流指示値n1,n2の値が大きいほど、DAC122がオペアンプ123へ出力する電圧が高くなる。電流指示値n1は、第一電流指示値の一例であり、電流指示値n2は、第二電流指示値の一例である。
【0033】
オペアンプ123は、入力される電圧に応じて、FET121のゲートに印加する電圧を出力する。すなわち、DAC122からオペアンプ123に入力される電圧が高いほど、オペアンプ123が出力する電圧が高くなる。
【0034】
そして、FET121のゲートに印加される電圧が高いほど、FET121から出力される電流(ドレイン-ソース間電流)の電流値が高くなる。
【0035】
よって、電流供給部12から出力される電流の電流値は、制御部11からのデジタルの電流指示値n1,n2に応じて変化する。すなわち、制御部11からのデジタルの電流指示値n1,n2が大きいほど、電流供給部12から出力される電流の電流値が高くなる。
【0036】
ここで、電流供給部12AのDAC122Aの1電流指示値あたりの電圧の変化幅(電圧のステップ幅)は、電流供給部12BのDAC122Bの1電流指示値あたりの電圧の変化幅(電圧のステップ幅)よりも大きく設定されている。言い換えると、DAC122A,122Bは、電流指示値が1変化した場合のDAC122Aによる出力電圧の変化量が、電流指示値が1変化した場合のDAC122Bによる出力電圧の変化量よりも大きくなるよう、構成されている。
【0037】
本実施形態では、このような構成により、制御部11からのデジタルの1電流指示値あたりの電流供給部12Aのステップ幅が、制御部11からのデジタルの1電流指示値あたりの電流供給部12Bのステップ幅よりも大きくなっている。
【0038】
ただし、これには限定されず、例えば、DAC122A,122Bの1電流指示値あたりの電圧の変化幅が同じであるとともに、電流供給部12Aの電圧源の電圧Vccが電流供給部12Bの電圧源の電圧Vccより高い構成によっても、電流供給部12Aのステップ幅を、電流供給部12Bのステップ幅より大きくすることができる。
【0039】
図3は、制御部11の概略構成を示すブロック図である。図3に示されるように、制御部11は、コントローラ11aと、主記憶部11bと、補助記憶装置11cと、を有している。制御部11は、コンピュータによって構成されている。
【0040】
コントローラ11aは、例えば、CPU(central processing unit)のようなプロセッサ(回路)である。主記憶部11bは、例えば、RAM(random access memory)や、ROM(read only memory)である。また、補助記憶装置11cは、例えば、SSD(solid state drive)やHDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶装置である。
【0041】
コントローラ11aは、主記憶部11bや補助記憶装置11cに記憶されたプログラムを読み出して各処理を実行することにより、要求波長取得部11a1、目標電流値設定部11a2、電流指示値設定部11a3、電流値取得部11a4、電圧値取得部11a5、電流制御部11a6、波長取得部11a7、および波長調整部11a8、として作動する。各部の作動については後述する。
【0042】
プログラムは、それぞれインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されうる。記録媒体は、プログラムプロダクトとも称されうる。プログラムおよびプロセッサによる演算処理で用いられる値や、テーブル、マップ等の情報は、主記憶部11bや補助記憶装置11cに予め記憶されてもよいし、通信ネットワークに接続されたコンピュータの記憶部に記憶され、当該通信ネットワーク経由でダウンロードされることによって補助記憶装置11cに記憶されてもよい。補助記憶装置11cは、プロセッサによって書き込まれたデータを記憶する。また、コントローラ11aによる演算処理は、少なくとも部分的に、ハードウエアによって実行されてもよい。この場合、コントローラ11aには、例えば、FPGA(field programmable gate array)や、ASIC(application specific integrated circuit)等が含まれてもよい。
【0043】
[電流値および電力の離散的な設定例(1)]
図4は、波長可変機構101へ供給される電流値Iと当該電流値Iに基づく電力Pとの相関関係を示すグラフであって、電流値Iおよび電力Pの離散的な設定の一例を示す図である。
【0044】
電力Pは、電流値Iの2乗と抵抗Rとの積(P=I×R)になるため、電力Pは、電流値Iの2乗に比例する。また、波長可変機構101としての電熱ヒータ101aの発熱量は、電力Pに略比例する。したがって、電熱ヒータ101aの発熱量は、電流値Iの2乗に略比例することになる。
【0045】
また、上述したように、電流供給部12A,12Bは、ステップ的に電流値Iを変更する。したがって、図4のグラフ中のマーカで示されるように、本実施形態では、波長可変機構101に供給される電流値Iおよび電力Pは、制御上、離散的に設定されることになる。目標電流値は、図4中のいずれか一つのマーカに対応した電流値Iに設定される。なお、わかり易さのため、マーカの数は、実際よりも少なく描かれている。
【0046】
さらに、図4に示されるように、本実施形態では、電流供給部12A,12Bによる電流値I(合計値)が、0以上かつ閾値Th1未満である場合には、当該電流値Iはより大きいステップ幅δI1で離散的に設定され、電流値Iが、閾値Th1以上である場合、すなわち、電流値Iが範囲A内である場合には、当該電流値Iはより小さいステップ幅δI2で離散的に設定されている。すなわち、本実施形態では、電流値Iの値に応じて、離散的に設定される当該電流値Iのステップ幅δI1,δI2が異なっている。ステップ幅δI1は、第一ステップ幅の一例であり、ステップ幅δI2は、第二ステップ幅の一例である。
【0047】
これは、電流値Iが0以上かつ閾値Th1未満である場合には、波長可変機構101には、電流供給部12Aのみから電流が供給されることを示す。すなわち、電流値Iが0以上かつ閾値Th1未満である場合において、制御部11は、電流供給部12Aのみにデジタルの電流指示値を出力し、電流供給部12Bにはデジタルの電流指示値を出力しない。
【0048】
他方、電流値Iが、閾値Th1以上である場合には、波長可変機構101には、電流供給部12Aおよび電流供給部12Bの双方から電流が供給されるものの、制御部11は、当該範囲においては、電流供給部12Aに対するデジタルの電流指示値は変更せず、例えば、最大値で一定とし、電流供給部12Bに対するデジタルの電流指示値を設定あるいは変更することにより、電流値Iを設定あるいは変更する。閾値Th1は、第一閾値の一例であり、範囲Aは、目標電流値を設定可能な第一閾値よりも高い範囲の一例である。
【0049】
なお、図4の例では、閾値Th1は、電流値Iの最大値Imaxの90[%]の値に設定されているが、これには限定されない。
【0050】
図5は、本実施形態の波長可変機構101の電力Pの、図4に対応した離散的な設定の一例を示す図である。また、図5には、比較のため、電流値Iの値によらず一定のステップ幅が設定された参考例も示されている。図5において、各縦線上のマーカは、離散的に設定された電力Pの値を示しており、縦線上を上に向かうほど、電力が大きいことを示す。また、図5では、左側に本実施形態の例を、右側に参考例を示している。
【0051】
まず、参考例のように、電流値Iによらずステップ幅が一定に設定された場合、電力Pは、電流値Iの2乗に比例するため、電流値Iが高いほど、電力Pのステップ幅δPrが大きくなっていることがわかる。この場合、電流値Iが高く電力Pが大きい範囲においては、電力Pのステップ幅δPrが大きくなるため、電力P、ひいては、電熱ヒータ101aによる発熱量、ひいては電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度は、精細には設定し難いことになる。
【0052】
これに対し、本実施形態では、電力Pが大きい範囲A内における電力のステップ幅δP2が、範囲A外における電力のステップ幅δP1よりも小さく設定されている。範囲Aは、図4の範囲Aに対応している。範囲A内においてステップ幅δP2が小さいことは、当該範囲A内においては、電力Pの値、ひいては、電熱ヒータ101aによる発熱量、ひいては電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度を、より小さいステップ幅でより精細に設定できるとともに、変更できることを意味する。すなわち、本実施形態によれば、電流値Iが高い範囲において電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度を精細に設定し難い、という問題が生じるのを、回避することができる。
【0053】
[制御手順]
図6は、実施形態の波長可変光源100および制御装置10による波長可変制御の手順の一例を示すフローチャートである。
【0054】
まず、コントローラ11aは、要求波長取得部11a1として作動し、外部機器(不図示)から入力された要求波長を取得する(S11)。
【0055】
次に、コントローラ11aは、目標電流値設定部11a2として作動し、要求波長に応じた目標電流値を設定する(S12)。S12において、目標電流値設定部11a2は、要求波長と同じ目標設定値を設定してもよいし、予め目標設定値の候補となる候補値が複数設定されている場合、要求波長に最も近い候補値を、目標設定値に設定してもよい。
【0056】
次に、コントローラ11aは、電流指示値設定部11a3として作動し、電流供給部12Aに対するデジタルの電流指示値としての第一電流指示値、および電流供給部12Bに対するデジタルの電流指示値としての第二電流指示値を設定する(S13)。目標電流値に対応した第一電流指示値および第二電流指示値は、例えば、テーブルや、マップ、数式、数値として、主記憶部11bまたは補助記憶装置11cに記憶されている。あるいは、目標電流値に対応した第一電流指示値および第二電流指示値は、プログラムに記述されている。S13において、電流指示値設定部11a3は、テーブル、マップ、数式、数値、あるいは記述に基づいて、第一電流指示値および第二電流指示値を設定することができる。
【0057】
次に、コントローラ11aは、電流制御部11a6として作動し、電流供給部12Aおよび電流供給部12Bのうち少なくとも一方に対するデジタルの電流指示値を変更することにより、電流供給部12A,12Bから波長可変機構101へ供給される電流値を変更する(S14)。この場合、上述したように、電流値Iの変更は、電流値Iが、閾値Th1未満である場合には、電流供給部12Aへのデジタル指示値の変更によって実行し、電流値Iが閾値Th1以上である場合には、電流供給部12Aへのデジタル指示値は、一定とし、電流供給部12Bへのデジタル指示値の変更によって実行する。なお、目標電流値までの電流値Iの変更は、S12で設定した目標電流値が比較的高い場合には、当該目標電流値に向けて一度に変更するのではなく、複数回のS14において段階的に変更するのが好ましい。この際、電流値Iおよび電力Pは、制御上は、図4のマーカ上を複数回に亘って飛び飛びに移動することになる。
【0058】
次に、コントローラ11aは、電流値取得部11a4として作動し、電流検知部13の検知信号から、電流供給部12A,12Bから波長可変機構101へ実際に供給されている電流値を取得する(S15)。
【0059】
次に、コントローラ11aは、電流制御部11a6として作動し、実際の電流値または制御している電流値Iが、目標電流値に達したか否かを判定する(S16)。
【0060】
電流値Iが目標電流値に達していない場合(S16でNo)、S14へ移行する。他方、電流値Iが目標電流値に達した場合(S16でYes)、S17へ移行する。
【0061】
S17において、コントローラ11aは、波長取得部11a7および波長調整部11a8として作動し、波長調整制御を行う(S17)。波長取得部11a7は、波長可変光源100に設けられた例えばフォトダイオードを有した波長検出部(不図示)の検出値に基づいて波長を取得する。波長調整部11a8は、電流値Iを変更するフィードバック制御により、要求波長に近付くよう、波長を変更する制御を実行する。この際、波長調整部11a8は、電流供給部12Bへのデジタルの電流指示値を変更することにより、波長可変機構101を制御する。これにより、波長をより精度良く制御することが可能となる。
【0062】
以上、説明したように、本実施形態によれば、波長可変光源100は、より大きいステップ幅で電流値を変更可能な電流供給部12A(第一可変電流供給部)、およびより小さいステップ幅で電流値を変更可能な電流供給部12B(第二可変電流供給部)の双方から供給された電流に応じて出力する光の波長を変更する波長可変機構101を備えている。
【0063】
このような構成によれば、例えば、ステップ幅が異なる複数の電流供給部12A,12Bによって、より精密にあるいはより迅速に、目標電流値に向けて電流値Iを変更することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、目標電流値を、閾値Th1(第一閾値)よりも高い範囲Aにおいて、より小さい電流供給部12Bのステップ幅δI2で、ステップ的に設定することができる。
【0065】
このような構成によれば、電流値Iが高い範囲において電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度を精細に設定し難い、という問題が生じるのを、回避することができる。
【0066】
[電流値および電力の離散的な設定例(2)]
図7は、本実施形態の波長可変機構101へ供給される電流値Iと当該電流値Iに基づく電力Pとの相関関係を示すグラフであって、電流値Iおよび電力Pの離散的な設定の図4とは別の一例を示す図である。
【0067】
図7に示されるように、本実施形態では、電流供給部12A,12Bによる電流値I(合計値)が、閾値Th1未満である場合あるいは閾値Th2を超えている場合には、当該電流値Iはより大きいステップ幅δI1で離散的に設定され、電流値Iが、閾値Th1以上かつ閾値Th2以下である場合、すなわち、電流値Iが範囲A内である場合には、当該電流値Iはより小さいステップ幅δI2で離散的に設定されている。すなわち、この例でも、電流値Iの値に応じて、離散的に設定される当該電流値Iのステップ幅が異なっている。範囲Aは、所定範囲の一例である。
【0068】
図8は、波長可変機構101の電力Pの、図7に対応した離散的な設定の一例を示す図である。図8に示されるように、この例でも、電力Pが大きい範囲A内における電力のステップ幅δP2が、範囲A外における電力のステップ幅δP1よりも小さく設定されている。範囲Aは、図7の範囲Aに対応している。図7,8の例によれば、範囲Aにおいて電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度をより精細に設定することができる。なお、当該範囲Aは、例えば、目標電流値に対応した第一電流指示値および第二電流指示値を示すテーブルや、マップ、数式、数値として、主記憶部11bまたは補助記憶装置11cに記憶されうる。あるいは、範囲Aを示す、目標電流値に対応した第一電流指示値および第二電流指示値を示すテーブルや、マップ、数式、数値は、プログラムに記述されてもよい。このような例は、目標電流値の範囲がある程度定まっているような構成において、有効である。また、当該範囲Aは、適宜に変更して設定することができる。
【0069】
[電流値および電力の離散的な設定例(3)]
図9は、本実施形態の要求波長毎の目標電流値ならびに第一電流指示値および第二電流指示値の設定の一例を示す図である。図10は、波長可変機構101へ供給される電流値Iと当該電流値Iに基づく電力Pとの相関関係を示すグラフであって、電流値Iおよび電力Pの図9に対応した離散的な設定の一例を示す図である。また、図11は、波長可変機構101の電力Pの、図9,10に対応した離散的な設定の一例を示す図である。
【0070】
図9の例では、目標電流値Ij(I1,I2,・・・,In、jは、パラメータであって、1以上n以下の正の整数)のそれぞれについて、第一電流指示値n1jおよび第二電流指示値n2jが設定されている。ここで、第一電流指示値をn1j、第二電流指示値をn2j、第一電流指示値の1ビットあたりのFET121Aの電流変化量をi1、第二電流指示値の1ビットあたりのFET121Bの電流変化量をi2、としたとき、供給電流は、Ij=n1j×i1+n2j×i2となる。第一電流指示値n1jおよび第二電流指示値n2jは、係数や重み付け係数とも称されうる。
【0071】
図11図5,8と比較すれば明らかとなるように、目標電流値に応じて、第一電流指示値n1jおよび第二電流指示値n2jを適宜に設定することにより、電力Pのより広い範囲において、ステップ幅δPのばらつきを低減し、より均一化することができる。一例として、目標電流値Ijの最小値から最大値までの間において、目標電流値Ijによらず、当該目標電流値Ijの2乗に比例する電力Pのステップ幅δPが略一定の値になるよう、各目標電流値Ijに応じて第一電流指示値n1jおよび第二電流指示値n2jを設定してもよい。なお、ステップ幅δPは、パラメータjの1ステップ分の増加に対する電力Pの増分とも称されうる。
【0072】
このような設定により、電力Pのより広い範囲において、電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度をより精細に設定することができるようになる。なお、図9に示されるような、目標電流値に対応した第一電流指示値および第二電流指示値を示すテーブルは、主記憶部11bまたは補助記憶装置11cに記憶されてもよいし、プログラムに記述されてもよい。
【0073】
さらに、目標電流値は、複数段階で設定してもよい。具体的には、例えば、図9に示される目標電流値を、波長によるフィードバック制御(言い換えると図6中のS17の波長調整制御)を開始する前の時点での最終的な目標電流値に到達する途中の目標電流値(中間目標電流値あるいは当初目標電流値とも称されうる)とし、その後、第二電流指示値の増減のみにより当該最終的な目標電流値に向けて供給電流を変更してもよい。この場合、目標電流値のより一層精細な設定、ひいては電熱ヒータ101aによって加熱される導波路の温度のより一層精細な設定が、可能になる。
【0074】
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…波長可変光源装置
10…制御装置
11…制御部
11a…コントローラ
11a1…要求波長取得部
11a2…目標電流値設定部
11a3…電流指示値設定部
11a4…電流値取得部
11a5…電圧値取得部
11a6…電流制御部
11a7…波長取得部
11a8…波長調整部
11b…主記憶部
11c…補助記憶装置
12A…電流供給部(第一可変電流供給部)
12B…電流供給部(第二可変電流供給部)
12…電流供給部
13…電流検知部
100…波長可変光源(光源)
101…波長可変機構
101a…電熱ヒータ
121,121A,121B…FET
122,122A,122B…DAC
123…オペアンプ
124…抵抗
A…範囲(所定範囲)
I…電流値
n1…電流指示値(第一電流指示値)
n2…電流指示値(第二電流指示値)
n11,n12,n13(n1j)…第一電流指示値
n21,n22,n23(n2j)…第二電流指示値
P…電力
Th1…閾値(第一閾値)
Th2…閾値
δI…ステップ幅
δI1…ステップ幅(第一ステップ幅)
δI2…ステップ幅(第二ステップ幅)
δP,δP1,δP2,δPr…(電力の)ステップ幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11