(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ガリウム及びインジウムを含む半導体層システムの堆積方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20240902BHJP
H01L 21/20 20060101ALI20240902BHJP
C23C 16/30 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/20
C23C16/30
(21)【出願番号】P 2021564981
(86)(22)【出願日】2020-05-05
(86)【国際出願番号】 EP2020062356
(87)【国際公開番号】W WO2020225228
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】102019111598.1
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502010251
【氏名又は名称】アイクストロン、エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】ボイド、アダム
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-256706(JP,A)
【文献】特開2013-207019(JP,A)
【文献】特開2009-259871(JP,A)
【文献】特開2014-239159(JP,A)
【文献】特表2010-509177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/20
C23C 16/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CVDリアクタのプロセスチャンバ(2)内に搬送ガスと共に反応ガスを供給することにより基板(4)上に半導体層システムを堆積させるための方法であって、第1のプロセスステップにて第1のプロセスパラメータを用いて、ガリウムを含む少なくとも1つの第1の反応ガスを供給することによって、ガリウムを含むがインジウムを含まない第1の層又は層シーケンス(11)を堆積させた後、第2のプロセスステップにて第2のプロセスパラメータを用いて、インジウムを含む少なくとも1つの第2の反応ガスを供給することによって、インジウムを含む第2の層又は層シーケンス(12、13)を堆積させる、前記方法において、
第1のプロセスステップにて、インジウムを含む反応ガスを追加して前記基板(4)上にはインジウムが無いように堆積させるか、又は、前記第1と第2のプロセスステップの間の中間ステップにて、インジウムを含む反応ガスを前記基板(4)上にはインジウムが無いように堆積させると共に、第2のプロセスステップにて、ガリウムを前記基板(4)上に堆積させないことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の層又は層シーケンス(11)がインジウムを含まないように前記第1のプロセスパラメータを設定し、かつ、前記第2の層がガリウムを含まないように前記第2のプロセスパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプロセスステップは、インジウムが堆積しないように高い基板温度で行われ、かつ、第2のプロセスステップの基板温度は、前記第1のプロセスステップの基板温度よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のプロセスステップ又は前記中間ステップ中、プロセスチャンバ天井上で、前記プロセスチャンバ天井に凝縮したガリウムと前記インジウムを含む反応ガスとの間の化学置換反応が行われ、かつ/又は、その際に、プロセスチャンバ天井に付着したガリウム又はプロセスチャンバ天井に付着したガリウム化合物が、少なくとも部分的にインジウム又はインジウム化合物に置換されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
基板温度が、第1のプロセスステップ又は中間ステップでは1000℃より高く、かつ、前記基板温度が、第2のプロセスステップでは1000℃より低いことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記搬送ガスが、第1のプロセスステップ又は中間ステップではH
2であり、かつ、第2のプロセスステップではN
2であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記中間ステップ中
のプロセスチャンバ天井の表面温度が、前記第1及び/又は第2のプロセスステップ中の温度と異なりかつそれよりも高い温度であり、かつ/又は、前記中間ステップ中に
サセプタ(3)からプロセスチャンバ天井までの前記プロセスチャンバの高さが低減されることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
第1のプロセスステップ又は中間ステップ中
、プロセスチャンバ天井を形成するガス入口部材(5)又は前記ガス入口部材(5)の下に配置された保護プレート(1
0)を降下させることによって
サセプタ(3)からプロセスチャンバ天井までの前記プロセスチャンバの高さが低減されることを特徴とする請求項1~
6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記プロセスチャンバ(2)内に前記搬送ガスと共に前記反応ガスを供給するガス入口部材(5)が、ガス出口面に均一に配置されたガス出口孔(7)を具備するシャワーヘッドであり、前記ガス出口面は
冷却チャネルを通って流れる冷却媒体によって冷却されることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記第1及び第2のプロセスステップ中、少なくとも300nmの直径を有する同じ基板(4)上にHEMTを製造するための層を堆積させ、その場合、
サセプタ(3)からプロセスチャンバ天井までの前記プロセスチャンバの高さは9~25mmであることを特徴とする請求項1~
6、9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第1の層又は層シーケンス(11)が、GaN、AlGaN、又はGaAsを含有すること、及び/又は、前記第2の層(12)がAlInNを含有すること、及び/又は、第1の層又は層シーケンスと第2の層又は層シーケンスとの間に、AlNからなる中間層(13)を堆積させることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第1のプロセスステップ又は前記中間ステップ中
、プロセスチャンバ天井の温度が100℃未満に維持されるこ
とを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記第1のプロセスステップにて、インジウムのガリウムに対するモル比が少なくとも1/3であることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
プロセスチャンバ天井の温度が100℃より高くかつインジウムのガリウムに対するモル比が1/10よりも大きいことを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CVDリアクタのプロセスチャンバに搬送ガスと共に反応ガスを供給することにより基板上に半導体層システムを堆積するための方法に関し、その場合、第1のプロセスステップにおいて第1のプロセスパラメータを用いて、ガリウムを含む少なくとも1つの第1の反応ガスを供給することによってガリウムを含む第1の層又は層シーケンスを堆積させ、そして続いて第2のプロセスステップにおいて第2のプロセスパラメータを用いて、インジウムを含む少なくとも1つの第2の反応ガスを供給することによってインジウムを含む第2の層又は層シーケンスを堆積させる。
【背景技術】
【0002】
特にMOCVDリアクタ内で行われるこのような方法により、特にHEMTの製造のために半導体多層構造が作製される。基板上、特にシリコン基板上に、先ず、シリコンをドープしたAlN層を堆積させる。その上にAlGaN層を堆積させる。今度はこれがAIN層を担持する。その層シーケンスは、さらなるAlGaN層と、u-GaNチャネルを形成するGaN層とを含む。その後、このガリウムを含む層又は層シーケンスの上に、必要に応じてAlNからなる中間層の中間堆積を行い、インジウムを含む層又は層シーケンスを堆積させる。その場合、この層は、AlInNを有することができる。
【0003】
ガリウムを含む第1の層シーケンスの堆積中、プロセスチャンバの壁に、及び特に基板を担持するプロセスチャンバ床に対向するプロセスチャンバ天井に、ガリウムを含む寄生堆積物が形成される。その後の第2のプロセスステップにおいて、インジウムを含有する層にガリウムが取り込まれることで、このガリウムが、インジウムを含む第2の層又は層シーケンスの層品質を阻害する悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ガリウム原子が第2の層又は層シーケンスに望ましくなく組み込まれることを抑制する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、特許請求の範囲に記載された発明によって解決され、その場合、従属項は、請求項1に記載された発明の有利なさらなる発展を示すだけでなく、課題に対する独立した解決手段をも示すものである。
【0006】
最初にかつ本質的に、第1のプロセスステップにおいて、ガリウム原子を含む反応ガスに対してインジウム原子を含む反応ガスが追加でプロセスチャンバに供給されることが提案される。例えばトリメチルガリウムと共に同時に、例えばトリメチルインジウムを、又はトリエチルインジウムも、プロセスチャンバに供給することができる。ただし、第1のプロセスパラメータは、第1のプロセスステップにおいてガリウム含有層内にインジウムが取り込まれないように設定されている。このために、第1のプロセスステップ中の基板の表面温度が1000℃より高いことが特に提案される。さらに、搬送ガスとして水素が用いられることが提案され、水素を使用することは、堆積させる層へのインジウムの堆積を促進せず、むしろ抑制する。
【0007】
これに替えて、第1のプロセスステップ後、中間ステップを行うことができる。その中間ステップでは、インジウムを含む反応ガス、例えばTMI又はTEIがプロセスチャンバに供給される。ここでも、搬送ガスとしてH2を用いることが好ましい。温度は、好ましくは1000℃より高いことが好ましい。プロセスパラメータは、基板上にインジウムが堆積しないように選択される。第1のプロセスステップ又は中間ステップ中、特に約100℃の温度に冷却されるプロセスチャンバ天井では置換反応が生じる。インジウムを含む反応ガスは、特に有機金属インジウム化合物も、プロセスチャンバ天井又はプロセスチャンバの別の壁に付着しているガリウムと反応する。プロセスチャンバ天井には凝縮した元素ガリウム又はガリウム化合物が存在し得る。反応においては、インジウム化合物がガリウムと反応し、その場合特に、有機金属インジウム化合物が元素ガリウムと反応して、元素インジウムと揮発性の有機金属ガリウム化合物を形成することができる。元素インジウムは、プロセスチャンバ天井上に残留することができる。置換反応は、プロセスチャンバ壁に少なくとも一時的に付着するインジウム化合物を生じることもできる。
【0008】
しかしながら、本方法の変形形態では、例えばガス入口部材を降下させたりガス入口部材の下に配置された石英又はグラファイトからなる保護プレートを降下させたりすることにより、プロセスチャンバ天井を100℃を超える温度とすることもでき、加熱されたサセプタに近づくほど、また、冷却されたガス入口部材からの距離が大きくなるほど、プロセスチャンバ天井の表面温度は上昇する。その後、この条件下で中間ステップが実行され、中間ステップでは、ガス入口部材又は保護プレートのガス出口面から加熱されたサセプタまでの距離が、第1のプロセスステップにおける距離よりも小さい。この中間ステップにおいて、インジウムを含む反応ガスが、特に例えば水素である搬送ガスと共にプロセスチャンバに供給される。中間ステップ後、ガリウムを含む第1の層又は層シーケンス上にインジウムを含む層又は層シーケンスを堆積させる。これは、1000℃未満の温度で行われることが好ましく、かつ、搬送ガスとして窒素を用いることが好ましい。
【0009】
第1のプロセスステップ又は中間ステップ中、プロセスチャンバ天井に存在するガリウム原子と同じ量のインジウム原子がプロセスチャンバ内に供給されることが好ましい。このために特に、100℃未満のプロセスチャンバ天井温度においてインジウムのガリウムに対するモル比が少なくとも1/3であることが提案される。プロセスチャンバ天井温度が高いほど、モル比はより小さく、例えば、少なくとも1/10にすることができる。
【0010】
本発明による方法によれば、ガリウムを含む層、例えば窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウム層の堆積中に、プロセスチャンバの壁上のガリウムの寄生堆積物が低減される。さらに、トリメチルインジウム又はトリエチルインジウムの同時供給によって、既に付着した寄生ガリウム含有コーティングを除去し、又は、それをインジウム含有層で置換することが可能である。全圧は、100mbar未満又は200mbar未満とすることができる。
【0011】
より低い温度で行われる第2のプロセスステップ中、ガリウムを含まずインジウムを含む層を堆積させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明による方法により堆積させた層システムの概要図である。
【
図2】
図2は、第1の動作位置における本方法を実行するための装置である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図2及び
図3に示された装置は、真空引き可能なリアクタハウジング1を有するMCVDリアクタである。ハウジング1の内部には、冷却されたガス出口プレート6を具備するシャワーヘッド形態のガス入口部材5がある。このために、ガス出口プレート内に冷却チャネルがあり、それを通って冷却媒体が流れることができる。ガス出口プレート6上に均一に分布配置された多数のガス出口孔がガス出口プレート6を通って延在しており、外部からガス入口部材5に供給されたプロセスガスが、それらのガス出口孔からプロセスチャンバ2内に流入することができる。
【0014】
例示的実施形態では、ガス出口プレート6の下方に、通過孔9を具備する保護プレート10があり、それらの通過孔9は、保護プレート10がガス出口プレート6の真下に配置される
図2に示す動作位置において、ガス出口孔7と整列する。ガス出口プレート6は、石英又はグラファイト製とすることができる。ガス入口部材5及びガス出口プレート6は、金属製、特にステンレス鋼製とすることができる。
【0015】
プロセスチャンバ2の床は、サセプタ3を形成し、それはコーティングされたグラファイト本体からなることができる。サセプタ3は、1又は複数の基板4を担持し、それらの基板4は、プロセスチャンバ2内で半導体層又は層シーケンスでコーティングされる。
【0016】
サセプタ3は、回転軸の周りで回転駆動することができる。サセプタ3は、下方から加熱装置によりプロセス温度とされ、そのプロセス温度は、図示しない基板4上の温度計又はプロセスチャンバ2に向いたサセプタ3の主面上の温度計により計測することができる。
【0017】
図1は、
図2及び
図3に示した装置において本発明による方法により堆積することができる層シーケンスを示している。
【0018】
コーティングプロセスの第1フェーズでは、第1のプロセスステップシーケンスにおいて層シーケンス11を堆積させ、それはガリウム、アルミニウム、及び窒素を含むことができる。この層シーケンスは、インジウムを含まない。このために、アンモニアとアルミニウム及びガリウムの有機金属化合物とによる形態のプロセスガスがガス入口部材5によりプロセスチャンバ2に導入される。このとき、プロセスチャンバ2は、1000℃を超える温度に加熱されている。その際、この温度は、基板4上又はプロセスチャンバ2に向いたサセプタ3の表面上で計測される。
【0019】
第1の層シーケンス11の堆積中、プロセスチャンバ2に隣接する表面に、特に保護プレート10の下面に、ガリウムを含む堆積物を生じ得る。その堆積物を除去するために、又は、堆積物のガリウムを除去するために、第1のプロセス層11において、そして特にプロセス層11の最後の1層において、有機金属ガリウム組成物すなわち例えばTMGに加えて、インジウムを含む反応ガスがプロセスチャンバ2に導入される。それは、TMI又はTEI又は別の有機金属インジウム化合物とすることができる。ここでプロセスパラメータは、これらのプロセスステップで堆積させる層にインジウムが取り込まれないように選択されている。このために、サセプタ表面の温度が1000℃より高く維持される。
【0020】
しかしながら、ガリウム、アルミニウム、及びインジウムの有機金属化合物に替えて、例えば塩化物である無機金属化合物も反応ガスとして用いることができる。
【0021】
次に続くステップにおいて、インジウム含有層12、13を、層システム上に堆積させる。これは、反応性のインジウム含有ガスをプロセスチャンバ2に供給することにより行われる。
【0022】
本発明の一変形形態では、第1の層シーケンス11を、インジウムを含む反応ガス無しで堆積させるように設けられ得る。その後中間ステップにおいて、インジウムを含む反応ガスを、温度を高くしたプロセスチャンバ内に供給することができる。ここで、その温度は、インジウムが基板4上に堆積しないように十分高く選択される。プロセスチャンバ2に向いた保護プレート10の表面の温度を高くするために、
図3に示すように、加熱されたサセプタ3の方に保護プレート10を降下させることができる。第1の層シーケンス11の堆積中及び/又は中間ステップ中、搬送ガスとして水素が用いられる。それに続く、より低いプロセス温度で行われるインジウム含有層の堆積中は、搬送ガスとして窒素を用いることができる。
【0023】
特に、少なくともインジウムを含む層を有する第2の層シーケンスが、アルミニウム及び窒素も含むように設けられる。このために、アルミニウム含有反応ガス、特に有機金属アルミニウム化合物が、第2の層又は層シーケンスの堆積中にプロセスチャンバに追加で供給される。窒素とすることができる搬送ガスと共に、アンモニアがプロセスチャンバに供給され、それは層の窒素成分を付与する。
【0024】
以上の説明は、本願が対象とする発明を全体として説明するためのものであり、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって先行技術をさらに発展させたものであり、これらの特徴の組み合わせのうち2つ、いくつか、又はすべてを組み合わせることもできる。
【0025】
第1のプロセスステップにおいて、インジウムを含む反応ガスをプロセスチャンバ2に追加で供給すると共に、第1の層又は層シーケンス11がインジウムを含まないように第1のプロセスパラメータを設定するか、又は、第1のプロセスステップと第2のプロセスステップとの間の中間ステップにおいてインジウムを含む反応ガスをプロセスチャンバ2に供給するように設定しかつその場合に基板4上にインジウムを堆積させないようにそのプロセスパラメータを設定しており、かつ、第2のプロセスステップにおいて第2の層がガリウムを含まないように第2のプロセスパラメータを設定することを特徴とする方法。
【0026】
第1のプロセスステップ又は中間ステップにおける基板温度が1000℃より高く、かつ、第2のプロセスステップにおける基板温度が1000℃より低いことを特徴とする方法。
【0027】
搬送ガスが、第1のプロセスステップ又は中間ステップでは水素であり、かつ、第2のプロセスステップでは窒素であることを特徴とする方法。
【0028】
中間ステップ中のプロセスチャンバ天井の温度が、第1及び/又は第2のプロセスステップ中における温度と異なりかつ特に高い温度であり、かつ/又は、中間ステップ中にプロセスチャンバの高さが低減されることを特徴とする方法。
【0029】
第1のプロセスステップ又は中間ステップにて、プロセスチャンバ天井を形成するガス入口部材5又はガス入口部材5の下に配置された保護プレート10を降下させることによってプロセスチャンバの高さが低減されることを特徴とする方法。
【0030】
ガス入口部材5が、ガス出口面上に均一に配置されたガス出口孔7を具備するシャワーヘッドであり、その場合、ガス出口面が積極的に冷却されることを特徴とする方法。
【0031】
第1及び第2のプロセスステップ中、少なくとも300mmの直径を有する同じ基板4上にHEMTを製造するための層を堆積させ、そのプロセスチャンバの高さが9~25mmであることを特徴とする方法。
【0032】
第1の層又は層シーケンス11が、GaN、AlGaN、又はGaAsを含み、かつ/又は、第2の層12が、AlInNを含み、かつ/又は、第1の層又は層シーケンスと第2の層又は層シーケンスとの間にAlNからなる中間層13を堆積させることを特徴とする方法。
【0033】
第1のプロセスステップ又は中間ステップ中、プロセスチャンバ天井の温度が100℃未満に維持され、特に、第1のプロセスステップにて、インジウムのガリウムに対するモル比が少なくとも1/3であり、又は、プロセスチャンバ天井温度が100℃より高くかつインジウムのガリウムに対するモル比が1/10より大きいことを特徴とする方法。
【0034】
開示された全ての特徴は、(それ自体のために、また互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。ここでの出願の開示は、関連する/追加された優先権書類(先の出願の写し)の開示内容をその内容全体に含み、それはこれらの書類の特徴を本願の請求項に組み込む目的でもある。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的に明らかに不要であるか、または技術的に同じ効果を有する他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の個々のものが実装されない設計形態に関する。
【符号の説明】
【0035】
1 CVDリアクタ
2 プロセスチャンバ
3 サセプタ
4 基板
5 ガス入口部材
6 ガス出口プレート
7 ガス出口孔
8 加熱装置
9 ガス通過孔
10 保護プレート
11 第1の層シーケンス
12 第2の層シーケンス
13 中間層