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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】回転コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20240902BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H01R35/04 F
B62D1/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022511641
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2021005771
(87)【国際公開番号】W WO2021199745
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2020063100
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(72)【発明者】
【氏名】山下 健二 ホドリーゴ
(72)【発明者】
【氏名】浜崎 新一
(72)【発明者】
【氏名】角道 貴久
(72)【発明者】
【氏名】田尻 洋司
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-502549(JP,A)
【文献】特開2017-199594(JP,A)
【文献】特開2003-022879(JP,A)
【文献】特開2015-109144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/04
B62D 1/04
B60R 16/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられる回転体と、
前記回転体に設けられる第1コネクタと、
前記ステータに設けられる第2コネクタと、を備え、
前記第1コネクタは、前記回転体に取り付けられる第1リードブロックと、前記第1リードブロックと別部材であり前記回転体に取り付けられる第2リードブロックと、を含み、
前記回転軸線に沿った軸方向から見た場合に、前記第1リードブロックは、少なくとも部分的に前記第2リードブロックと重なるように配置され
前記第1リードブロックは、樹脂材料を含む第1リードブロック本体と、金属材料を含む第1端子部と、を含み、
前記第2リードブロックは、樹脂材料を含む第2リードブロック本体と、金属材料を含む第2端子部と、を含み、
前記軸方向から見た場合に、前記第1リードブロック本体は、少なくとも部分的に前記第2リードブロック本体と重なるように配置され、
前記第1リードブロック本体は、樹脂材料からなる部分であって、前記軸方向から見た場合に前記第2リードブロック本体と重なるように配置されるオーバーラップ部を含み、
前記第1端子部の少なくとも一部は、前記オーバーラップ部内に配置され、
前記軸方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第2リードブロックと重なるように前記オーバーラップ部を配置することで、前記オーバーラップ部内に配置される前記第1端子部の前記少なくとも一部は、前記軸方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第2端子部と重なるように配置される、
回転コネクタ装置。
【請求項2】
前記軸方向から見た場合に、前記回転軸線回りに定義される周方向において、前記第1リードブロックおよび前記第2リードブロックは並んで配置される、
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
前記オーバーラップ部は、前記軸方向において少なくとも部分的に前記回転体と前記第2リードブロックとの間に配置される、
請求項1または2に記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
前記回転体は、第1リングプレートと、前記第1リングプレートの内周部から前記軸方向に延びる内側筒状部と、を含み、
前記オーバーラップ部は、前記軸方向において少なくとも部分的に前記第1リングプレートと前記第2リードブロックとの間に配置される、
請求項3に記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
前記第1端子部は、第1方向に並んで配置される複数の第1バスバーを含み、
前記第2端子部は、第2方向に並んで配置される複数の第2バスバーを含み、
前記複数の第1バスバーの1つは、少なくとも部分的に前記オーバーラップ部内に配置され、
前記オーバーラップ部内に配置される前記複数の第1バスバーの前記1つは、前記軸方向から見た場合に前記複数の第2バスバーの1つと少なくとも部分的に重なるように配置され、
前記軸方向から見た場合に、前記複数の第1バスバーの前記1つは、前記第1方向において前記複数の第1バスバーの中で前記複数の第2バスバーに最も近い位置に配置され、
前記軸方向から見た場合に、前記複数の第2バスバーの前記1つは、前記第2方向において前記複数の第2バスバーの中で前記複数の第1バスバーに最も近い位置に配置される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
前記第1端子部は、第1方向に並んで配置される複数の第1バスバーと、前記複数の第1バスバーに接続され前記複数の第1バスバーから前記軸方向に延びる複数の第1端子と、を含み、
前記第2端子部は、第2方向に並んで配置される複数の第2バスバーと、前記複数の第2バスバーに接続され前記複数の第2バスバーから前記軸方向に延びる複数の第2端子と、を含み、
前記複数の第1バスバーの1つは、少なくとも部分的に前記オーバーラップ部内に配置され、
前記オーバーラップ部内に配置される前記複数の第1バスバーの前記1つは、前記軸方向から見た場合に前記複数の第2バスバーの1つと少なくとも部分的に重なるように配置され、
前記軸方向から見た場合に、前記複数の第1バスバーの前記1つに対応する前記複数の第1端子の1つは、前記複数の第2バスバーの前記1つに対応する前記複数の第2端子の1つに対して、前記第1方向および前記第2方向のうち少なくとも1つの方向にずれて配置される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
前記第1端子部は、少なくとも部分的に前記第1リードブロック本体内に設けられ第1方向に並んで配置される複数の第1バスバーを含み、
前記第1リードブロック本体は、樹脂材料からなる部分であって、前記軸方向から見た場合に前記第2リードブロック本体と重ならないように配置される非オーバーラップ部を含み、
前記非オーバーラップ部は、第1開口を含み、
前記複数の第1バスバーは、少なくとも部分的に前記第1開口から露出し、
前記オーバーラップ部は、前記第1開口から離れるように前記非オーバーラップ部から前記第1方向に突出する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項8】
前記第2端子部は、少なくとも部分的に前記第2リードブロック本体内に設けられ第2方向に並んで配置される複数の第2バスバーを含む、
前記第2リードブロック本体は、第2開口を含み、
前記複数の第2バスバーは、少なくとも部分的に前記第2開口から露出し、
前記軸方向から見た場合に、前記オーバーラップ部は、前記非オーバーラップ部から前記第2開口の方へ突出する、
請求項7に記載の回転コネクタ装置。
【請求項9】
前記軸方向から見た場合に、前記第1方向および前記第2方向のうち少なくとも1つの方向において、前記第1開口および前記第2開口は並んで配置される、
請求項8に記載の回転コネクタ装置。
【請求項10】
前記軸方向から見た場合に、前記第1方向および前記第2方向のうち少なくとも1つの方向において、前記オーバーラップ部は、少なくとも部分的に前記第1開口および前記第2開口の間に配置される、
請求項8または9に記載の回転コネクタ装置。
【請求項11】
前記第1端子部は、第1方向に並んで配置される複数の第1バスバーを含み、
前記第2端子部は、第2方向に並んで配置される複数の第2バスバーを含み、
前記複数の第1バスバーの1つは、少なくとも部分的に前記オーバーラップ部内に配置され、
前記オーバーラップ部内に配置される前記複数の第1バスバーの前記1つは、前記軸方向から見た場合に前記複数の第2バスバーの1つと少なくとも部分的に重なるように配置され、
前記複数の第1バスバーの前記1つが前記複数の第2バスバーの前記1つと重なる部分は、前記軸方向から見た場合に前記第1方向に交差する方向に延びており、
前記複数の第2バスバーの前記1つが前記複数の第1バスバーの前記1つと重なる部分は、前記軸方向から見た場合に前記第2方向に交差する方向に延びている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項12】
前記第1端子部は、第1方向に並んで配置される複数の第1バスバーと、前記複数の第1バスバーに接続され前記複数の第1バスバーから前記軸方向に延びる複数の第1端子と、を含み、
前記第2端子部は、第2方向に並んで配置される複数の第2バスバーと、前記複数の第2バスバーに接続され前記複数の第2バスバーから前記軸方向に延びる複数の第2端子と、を含み、
前記複数の第1バスバーの1つは、少なくとも部分的に前記オーバーラップ部内に配置され、
前記オーバーラップ部内に配置される前記複数の第1バスバーの前記1つは、前記軸方向から見た場合に前記複数の第2バスバーの1つと少なくとも部分的に重なるように配置され、
前記軸方向から見た場合に、前記複数の第1バスバーの前記1つに対応する前記複数の第1端子の1つは、前記複数の第2バスバーの前記1つに対応する前記複数の第2端子の1つよりも、前記回転軸線に近い位置に配置される、
請求項1から11のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項13】
前記複数の第1端子は、前記第1方向に並んで配置され、
前記複数の第2端子は、前記第2方向に並んで配置され、
前記軸方向から見た場合に、前記複数の第1端子の少なくとも1つは、前記回転軸線と前記複数の第2端子の少なくとも1つとの間に配置される、
請求項12に記載の回転コネクタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示される技術は、回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、リードブロックを含む回転コネクタ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-294359号公報
【文献】特開2009-158170号公報
【文献】特開2019-164953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、接続される回路数が増加することを考慮すると、複数のリードブロックを限られたスペースに効率よく配置することが好ましい。
【0005】
本願に開示される技術の課題は、複数のリードブロックを効率よく配置できる回転コネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の特徴に係る回転コネクタ装置は、ステータと、回転体と、第1コネクタと、第2コネクタと、を備える。回転体は、ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられる。第1コネクタは回転体に設けられる。第2コネクタはステータに設けられる。第1コネクタは、回転体に取り付けられる第1リードブロックと、第1リードブロックと別部材であり回転体に取り付けられる第2リードブロックと、を含む。回転軸線に沿った軸方向から見た場合に、第1リードブロックは、少なくとも部分的に第2リードブロックと重なるように配置される。
【0007】
第1の特徴に係る回転コネクタ装置では、回転軸線に沿った軸方向から見た場合に、第1リードブロックは、少なくとも部分的に第2リードブロックと重なるように配置されるので、第1リードブロックおよび第2リードブロックを効率よく配置できる。
【0008】
第2の特徴に係る回転コネクタ装置は、第1の特徴に係る回転コネクタ装置において、軸方向から見た場合に、回転軸線回りに定義される周方向において、第1リードブロックおよび第2リードブロックは並んで配置される。
【0009】
第2の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1リードブロックおよび第2リードブロックをより効率よく配置できる。
【0010】
第3の特徴に係る回転コネクタ装置は、第1または第2の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1リードブロックは、軸方向において少なくとも部分的に回転体と第2リードブロックとの間に配置される。
【0011】
第3の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1リードブロックの少なくとも一部を回転体と第2リードブロックとの間に保持できる。したがって、第1リードブロックおよび第2リードブロックを効率よく配置しつつ、第1リードブロックの取付強度を維持あるいは高めることができる。
【0012】
第4の特徴に係る回転コネクタ装置は、第3の特徴に係る回転コネクタ装置において、回転体は、第1リングプレートと、第1リングプレートの内周部から軸方向に延びる内側筒状部と、を含む。第1リードブロックは、軸方向において少なくとも部分的に第1リングプレートと第2リードブロックとの間に配置される。
【0013】
第4の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1リードブロックの少なくとも一部を第1リングプレートと第2リードブロックとの間に保持できる。したがって、第1リードブロックおよび第2リードブロックを効率よく配置しつつ、回転体に対する第1リードブロックの取付強度を維持あるいは高めることができる。
【0014】
第5の特徴に係る回転コネクタ装置は、第1から第4の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第1リードブロックは、非金属材料を含む第1リードブロック本体と、金属材料を含む第1端子部と、を含む。第2リードブロックは、非金属材料を含む第2リードブロック本体と、金属材料を含む第2端子部と、を含む。軸方向から見た場合に、第1リードブロック本体は、少なくとも部分的に第2リードブロック本体と重なるように配置される。
【0015】
第5の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1リードブロックおよび第2リードブロックをより効率よく配置できる。
【0016】
第6の特徴に係る回転コネクタ装置は、第5の特徴に係る回転コネクタ装置において、軸方向から見た場合に、第1端子部は、少なくとも部分的に第2端子部と重なるように配置される。
【0017】
第6の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1リードブロックおよび第2リードブロックの重なり合っている部分の全体の厚みが増大するのを抑制できる。
【0018】
第7の特徴に係る回転コネクタ装置は、第5または第6の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1端子部は、少なくとも部分的に第1リードブロック本体内に設けられる。第2端子部は、少なくとも部分的に第2リードブロック本体内に設けられる。
【0019】
第7の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1端子部を第1リードブロック本体に一体的に取り付けることができ、第2端子部を第2リードブロック本体に一体的に取り付けることができる。
【0020】
第8の特徴に係る回転コネクタ装置は、第5から第7の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第1端子部は、第1方向に並んで配置される複数の第1バスバーを含む。第2端子部は、第2方向に並んで配置される複数の第2バスバーを含む。
【0021】
第9の特徴に係る回転コネクタ装置は、第8の特徴に係る回転コネクタ装置において、軸方向から見た場合に、第1方向および第2方向のうち少なくとも1つの方向において、第1リードブロックおよび第2リードブロックは並んで配置される。
【0022】
第9の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1リードブロックおよび第2リードブロックをより効率よく配置できる。
【0023】
第10の特徴に係る回転コネクタ装置は、第8または第9の特徴に係る回転コネクタ装置において、軸方向から見た場合に、第1方向および第2方向のうち少なくとも1つの方向において、第1端子部および第2端子部は並んで配置される。
【0024】
第10の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1端子部および第2端子部を効率よく配置できる。
【0025】
第11の特徴に係る回転コネクタ装置は、第8から第10の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、軸方向から見た場合に、複数の第1バスバーは、少なくとも部分的に複数の第2バスバーと重なるように配置される。
【0026】
第11の特徴に係る回転コネクタ装置では、複数の第1バスバーおよび複数の第2バスバーを効率よく配置できる。
【0027】
第12の特徴に係る回転コネクタ装置は、第8から第11の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第1端子部は、複数の第1バスバーに接続され複数の第1バスバーから軸方向に延びる複数の第1端子を含む。第2端子部は、複数の第2バスバーに接続され複数の第2バスバーから軸方向に延びる複数の第2端子を含む。
【0028】
第12の特徴に係る回転コネクタ装置では、他のコネクタを第1端子および第2端子を介して第1リードブロックおよび第2リードブロックに接続しやすくなる。
【0029】
第13の特徴に係る回転コネクタ装置は、第12の特徴に係る回転コネクタ装置において、複数の第1端子は、第1方向に並んで配置される。複数の第2端子は、第2方向に並んで配置される。軸方向から見た場合に、複数の第1端子の少なくとも1つは、回転軸線と複数の第2端子の少なくとも1つとの間に配置される。
【0030】
第13の特徴に係る回転コネクタ装置では、複数の第1端子および複数の第2端子を効率よく配置できる。
【発明の効果】
【0031】
本願に開示される技術であれば、複数のリードブロックを効率よく配置できる回転コネクタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本実施形態に係る回転コネクタ装置の斜視図である。
図2図2は、図1に示す回転コネクタ装置の断面図である。
図3図3は、第1コネクタの第1リードブロックおよび第2リードブロックを回転体の裏側から見た部分平面図である。
図4図4は、第1リードブロック、第2リードブロック、およびコネクタカバーの部分平面図である。
図5図5は、図4のラインV-Vにおける回転コネクタ装置の部分断面図である。
図6図6は、回転コネクタ装置の部分平面図である。
図7図7は、第1リードブロック、第2リードブロック、およびコネクタカバーの部分立面図である。
図8図8は、第1リードブロック、第2リードブロック、およびコネクタカバーの部分立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
【0034】
図1に示すように、回転コネクタ装置1は、ステータ10、回転体20、第1コネクタ30、および第2コネクタ40を備える。回転体20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。第1コネクタ30は回転体20に設けられる。第2コネクタ40はステータ10に設けられる。
【0035】
本実施形態では、例えば、ステータ10は車両本体に固定されるように構成され、回転体20はステアリングホイールに固定されるように構成される。第1コネクタ30は、例えば、ステアリング側コネクタと電気的に接続されるように構成される。ステアリング側コネクタは、ステアリングホイールのスイッチ類およびエアバッグ装置等の電気回路に電気的に接続される。第2コネクタ40は、車両本体側コネクタと電気的に接続されるように構成される。車両本体側コネクタは、制御装置等の電気回路に電気的に接続される。
【0036】
回転体20は、第1リングプレート21と、第1リングプレート21の内周部から軸方向D1に延びる内側筒状部22と、を含む。第1コネクタ30は第1リングプレート21に設けられる。第1コネクタ30は第1コネクタ収容部31を含む。第1コネクタ収容部31は、第1リングプレート21から軸方向D1に延びる。ステータ10は、第2リングプレート11と、第2リングプレート11の外周部から軸方向D1に延びる外側筒状部12と、を含む。
【0037】
図2に示すように、ステータ10および回転体20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられたケーブル収容空間50をステータ10および回転体20の間に画定する。例えば、ケーブル収容空間50は、環状であり、回転軸線A1に対して周方向D2に延びている。回転コネクタ装置1は電気ケーブル60を備えている。電気ケーブル60は、第1コネクタ30を第2コネクタ40に電気的に接続する。電気ケーブル60は、ケーブル収容空間50内に配置される。電気ケーブル60は、可撓性を有しており、平坦な形状を有している。電気ケーブル60はフレキシブルフラットケーブルとも称し得る。
【0038】
図3に示すように、第1コネクタ30は、回転体20に取り付けられる第1リードブロック32と、第1リードブロック32と別部材であり回転体20に取り付けられる第2リードブロック33と、を含む。回転軸線A1に沿った軸方向D1から見た場合に、第1リードブロック32は、少なくとも部分的に第2リードブロック33と重なるように配置される。軸方向D1から見た場合に、回転軸線A1回りに定義される周方向D2において、第1リードブロック32および第2リードブロック33は並んで配置される。本実施形態では、第1リードブロック32は、オーバーラップ部32Aを含む。軸方向D1から見た場合に、オーバーラップ部32Aは、第2リードブロック33と重なるように配置される。
【0039】
第1リードブロック32は、非金属材料を含む第1リードブロック本体34と、金属材料を含む第1端子部35と、を含む。第2リードブロック33は、非金属材料を含む第2リードブロック本体36と、金属材料を含む第2端子部37と、を含む。第1端子部35は、少なくとも部分的に第1リードブロック本体34内に設けられ。第2端子部37は、少なくとも部分的に第2リードブロック本体36内に設けられる。例えば、第1リードブロック本体34および第2リードブロック本体36は樹脂からなる。インサート成型により、第1端子部35は第1リードブロック本体34内に埋め込まれる。インサート成型により、第2端子部37は第2リードブロック本体36内に埋め込まれる。
【0040】
軸方向D1から見た場合に、第1リードブロック本体34は、少なくとも部分的に第2リードブロック本体36と重なるように配置される。軸方向D1から見た場合に、第1端子部35は、少なくとも部分的に第2端子部37と重なるように配置される。本実施形態では、第1リードブロック本体34がオーバーラップ部32Aを含む。すなわち、オーバーラップ部32Aは樹脂からなる。第1端子部35の少なくとも一部は、オーバーラップ部32A内に配置される。
【0041】
第1端子部35は、第1方向D31に並んで配置される複数の第1バスバー35Aを含む。第2端子部37は、第2方向D32に並んで配置される複数の第2バスバー37Aを含む。軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32のうち少なくとも1つの方向において、第1リードブロック32および第2リードブロック33は並んで配置される。軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32のうち少なくとも1つの方向において、第1端子部35および第2端子部37は並んで配置される。複数の第1バスバー35Aの少なくとも1つは、オーバーラップ部32A内に配置される。軸方向D1から見た場合に、複数の第1バスバー35Aは、少なくとも部分的に複数の第2バスバー37Aと重なるように配置される。本実施形態では、軸方向D1から見た場合に、複数の第1バスバー35Aの1つは、複数の第2バスバー37Aの1つと重なるように配置される。しかし、軸方向D1から見た場合に、第1端子部35が第2端子部37と重ならないように配置されていてもよい。軸方向D1から見た場合に、複数の第1バスバー35Aが複数の第2バスバー37Aと重ならないように配置されていてもよい。
【0042】
本実施形態では、軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32において、第1リードブロック32および第2リードブロック33は並んで配置される。軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32において、第1端子部35および第2端子部37は並んで配置される。しかし、軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32のうち1つの方向のみにおいて、第1リードブロック32および第2リードブロック33が並んで配置されていてもよい。軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32のうち1つの方向のみにおいて、第1端子部35および第2端子部37が並んで配置されていてもよい。軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32において、第1リードブロック32および第2リードブロック33が並んで配置されていなくてもよい。軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32において、第1端子部35および第2端子部37が並んで配置されていなくてもよい。
【0043】
本実施形態では、第1方向D31は第2方向D32と平行であるが、第1方向D31が第2方向D32に対して傾斜してもよいし第2方向D32に直交してもよい。
【0044】
図4に示すように、第1端子部35は、複数の第1バスバー35Aに接続され複数の第1バスバー35Aから軸方向D1に延びる複数の第1端子35Bを含み。第2端子部37は、複数の第2バスバー37Aに接続され複数の第2バスバー37Aから軸方向D1に延びる複数の第2端子37Bを含む。複数の第1端子35Bは、第1方向D31に並んで配置される。複数の第2端子37Bおよび37Cは、第2方向D32に並んで配置される。軸方向D1から見た場合に、複数の第1端子35Bの少なくとも1つは、回転軸線A1と複数の第2端子37Bおよび37Cの少なくとも1つとの間に配置される。複数の第2端子37Bおよび37Cは、回転軸線A1に対して複数の第1端子35Bの径方向外側に配置される。しかし、複数の第1端子35Bおよび複数の第2端子37Bおよび37Cの位置関係は本実施形態に限定されない。例えば、軸方向D1から見た場合に、複数の第2端子37Bおよび37Cの少なくとも1つが回転軸線A1と複数の第1端子35Bの少なくとも1つとの間に配置されていてもよい。つまり、複数の第1端子35Bが回転軸線A1に対して複数の第2端子37Bおよび37Cの径方向外側に配置されていてもよい。
【0045】
第2端子部37は、複数のダミー端子37Dを含む。複数のダミー端子37Dは、複数の第2バスバー37Aに接続されていない。複数の第2端子37Bおよび複数のダミー端子37Dは、第2方向D32に並んで配置される。複数のダミー端子37Dの少なくとも1つは第2端子部37から省略されてもよい。
【0046】
本実施形態では、複数の第1端子35Bの総数は、複数の第2端子37Bおよび37Cの総数よりも多い。複数の第1端子35Bの総数は、複数の第1バスバー35Aの総数と同じである。複数の第2端子37Bおよび37Cの総数は、複数の第2バスバー37Aの総数と同じである。複数の第2端子37Bの総数は、複数の第2端子37Cの総数よりも少ない。しかし、複数の第1端子35Bの総数が複数の第1バスバー35Aの総数よりも少なくてもよい。複数の第2端子37Bおよび37Cの総数が複数の第2バスバー37Aの総数よりも少なくてもよい。複数の第1端子35Bの総数が複数の第2端子37Bおよび37Cの総数と同じか複数の第2端子37Bおよび37Cの総数よりも少なくてもよい。複数の第2端子37Bの総数は、複数の第2端子37Cの総数と同じか複数の第2端子37Cの総数よりも少なくてもよい。
【0047】
図4に示すように、第1コネクタ30は、コネクタカバー38を含む。コネクタカバー38は、回転体20の第1リングプレート21に取り付けられる。
【0048】
図5に示すように、コネクタカバー38が第1リングプレート21に取り付けられる状態で、第1リードブロック32および第2リードブロック33は、第1リングプレート21およびコネクタカバー38の間に保持される。第1リードブロック32は、軸方向D1において少なくとも部分的に回転体20と第2リードブロック33との間に配置される。第1リードブロック32は、軸方向D1において少なくとも部分的に第1リングプレート21と第2リードブロック33との間に配置される。オーバーラップ部32Aは、軸方向D1において少なくとも部分的に第1リングプレート21と第2リードブロック33との間に保持される。
【0049】
図6図8に示すように、第1リードブロック32は、第1取付部39Aを含む。第1取付部39Aは、回転体20および第1コネクタ収容部31の少なくとも1つに引っかかるように第1リードブロック本体34から突出する。第1取付部39Aが回転体20および第1コネクタ収容部31の少なくとも1つに引っかかっている状態で、第1リードブロック32は回転体20に取り付けられる。
【0050】
図6および図8に示すように、第2リードブロック33は、第2取付部39Bおよび39Cを含む。第2取付部39Bおよび39Cは、回転体20および第1コネクタ収容部31の少なくとも1つに引っかかるように第2リードブロック本体36から突出する。第2取付部39Bおよび39Cが回転体20および第1コネクタ収容部31の少なくとも1つに引っかかっている状態で、第2リードブロック33は回転体20に取り付けられる。
【0051】
図7に示すように、複数の第2端子37Bおよび37Cは、軸方向D1に延びる。第2リードブロック本体36は、軸方向D1に延びる突出部36Aを含む。突出部36Aは、複数の凹部36Bを含む。複数の第2端子37Cは、複数の凹部36B内にそれぞれ配置される。
【0052】
本実施形態に係る回転コネクタ装置1の特徴は以下の通りである。
(1)図1に示すように、回転コネクタ装置1は、ステータ10と、回転体20、第1コネクタ30、および第2コネクタ40を備える。回転体20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。第1コネクタ30は回転体20に設けられる。第2コネクタ40はステータ10に設けられる。図3に示すように、第1コネクタ30は、回転体20に取り付けられる第1リードブロック32と、第1リードブロック32と別部材であり回転体20に取り付けられる第2リードブロック33と、を含む。回転軸線A1に沿った軸方向D1から見た場合に、第1リードブロック32は、少なくとも部分的に第2リードブロック33と重なるように配置される。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33を効率よく配置できる。
(2)図3に示すように、軸方向D1から見た場合に、回転軸線A1回りに定義される周方向D2において、第1リードブロック32および第2リードブロック33は並んで配置される。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33をより効率よく配置できる。
(3)図5に示すように、第1リードブロック32は、軸方向D1において少なくとも部分的に回転体20と第2リードブロック33との間に配置される。これにより、第1リードブロック32の少なくとも一部を回転体20と第2リードブロック33との間に保持できる。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33を効率よく配置しつつ、第1リードブロック32の取付強度を維持あるいは高めることができる。
(4)図5に示すように、回転体20は、第1リングプレート21と、第1リングプレート21の内周部から軸方向D1に延びる内側筒状部22と、を含む。第1リードブロック32は、軸方向D1において少なくとも部分的に第1リングプレート21と第2リードブロック33との間に配置される。これにより、第1リードブロック32の少なくとも一部を第1リングプレート21と第2リードブロック33との間に保持できる。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33を効率よく配置しつつ、回転体20に対する第1リードブロック32の取付強度を維持あるいは高めることができる。
(5)図3に示すように、第1リードブロック32は、非金属材料を含む第1リードブロック本体34と、金属材料を含む第1端子部35と、を含む。第2リードブロック33は、非金属材料を含む第2リードブロック本体36と、金属材料を含む第2端子部37と、を含む。軸方向D1から見た場合に、第1リードブロック本体34は、少なくとも部分的に第2リードブロック本体36と重なるように配置される。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33をより効率よく配置できる。
(6)図3に示すように、軸方向D1から見た場合に、第1端子部35は、少なくも部分的に第2端子部37と重なるように配置される。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33の重なり合っている部分の全体の厚みが増大するのを抑制できる。
(7)図3に示すように、第1端子部35は、少なくとも部分的に第1リードブロック本体34内に設けられる。第2端子部37は、少なくとも部分的に第2リードブロック本体36内に設けられる。したがって、第1端子部35を第1リードブロック本体34に強固に取り付けることができ、第2端子部37を第2リードブロック本体36に強固に取り付けることができる。
(8)図3に示すように、第1端子部35は、第1方向D31に並んで配置される複数の第1バスバー35Aを含む。第2端子部37は、第2方向D32に並んで配置される複数の第2バスバー37Aを含む。
(9)図3に示すように、軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32のうち少なくとも1つの方向において、第1リードブロック32および第2リードブロック33は並んで配置される。したがって、第1リードブロック32および第2リードブロック33をより効率よく配置できる。
(10)図3に示すように、軸方向D1から見た場合に、第1方向D31および第2方向D32のうち少なくとも1つの方向において、第1端子部35および第2端子部37は並んで配置される。したがって、第1端子部35および第2端子部37を効率よく配置できる。
(11)図3に示すように、軸方向D1から見た場合に、複数の第1バスバー35Aは、少なくとも部分的に複数の第2バスバー37Aと重なるように配置される。したがって、複数の第1バスバー35Aおよび複数の第2バスバー37Aを効率よく配置できる。
(12)図4に示すように、第1端子部35は、複数の第1バスバー35Aに接続され複数の第1バスバー35Aから軸方向D1に延びる複数の第1端子35Bを含む。第2端子部37は、複数の第2バスバー37Aに接続され複数の第2バスバー37Aから軸方向D1に延びる複数の第2端子37Bを含む。したがって、他のコネクタを第1端子35Bおよび第2端子37Bを介して第1リードブロック32および第2リードブロック33に接続しやすくなる。
(13)図4に示すように、複数の第1端子35Bは、第1方向D31に並んで配置される。複数の第2端子37Bは、第2方向D32に並んで配置される。軸方向D1から見た場合に、複数の第1端子35Bの少なくとも1つは、回転軸線A1と複数の第2端子37Bおよび37Cの少なくとも1つとの間に配置される。したがって、複数の第1端子35Bおよび複数の第2端子37Bおよび37Cを効率よく配置できる。
【0053】
なお、本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0054】
本願において、「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
【0055】
また、本開示における「平行」、「直交」、および「一致」の表現は、厳密に解釈されるべきではなく、「実質的な平行」、「実質的な直交」、および「実質的な一致」の意味をそれぞれ含む。また、その他の配置に関する表現も、厳密に解釈されるものではない。
【0056】
また、本開示における「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、および(3)AおよびBの両方、のいずれも包含している。「A、BおよびCのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、(5)BおよびC、(6)AおよびC、(7)A、BおよびCの全て、のいずれも包含している。本開示では、「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、「Aのうち少なくとも1つおよびBのうち少なくとも1つ」とは解釈されない。
【0057】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 :回転コネクタ装置
10 :ステータ
11 :第2リングプレート
12 :外側筒状部
20 :回転体
21 :第1リングプレート
22 :内側筒状部
30 :第1コネクタ
31 :第1コネクタ収容部
32 :第1リードブロック
32A :オーバーラップ部
33 :第2リードブロック
34 :第1リードブロック本体
35 :第1端子部
35A :第1バスバー
35B :第1端子
36 :第2リードブロック本体
37 :第2端子部
37A :第2バスバー
37B、37C:第2端子
38 :コネクタカバー
39A :第1取付部
39B :第2取付部
40 :第2コネクタ
50 :ケーブル収容空間
60 :電気ケーブル
A1 :回転軸線
D1 :軸方向
D2 :周方向
D31 :第1方向
D32 :第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8