(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】半導体デバイス用パッド構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240902BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240902BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240902BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240902BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240902BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H10B41/27
H10B43/27
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2022578919
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(86)【国際出願番号】 CN2020112978
(87)【国際公開番号】W WO2022047648
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リアン・シャオ
(72)【発明者】
【氏名】シュ・ウ
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0258816(US,A1)
【文献】米国特許第10354987(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0144242(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H10B 41/27
H10B 43/27
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対面接合された第1のダイと第2のダイであって、前記第1のダイは、半導体部内で前記第1のダイの表側に形成された第1のトランジスタと、少なくとも、前記半導体部の外側の絶縁部に配置されたコンタクト構造とを含み、前記第2のダイは、基板と、前記第2のダイの表側に形成された第2のトランジスタとを含む、第1のダイと第2のダイ
;
前記第1のダイの裏側に配置されて、前記コンタクト構造と導電結合されている、第1のパッド構造であって、前記コンタクト構造の端部が絶縁部から第1のパッド構造中に突出している、第1のパッド構造
;および
前記第1のダイの裏側に配置されて、前記半導体部と導電接続されている、接続構造
を備え
、
前記半導体部と前記絶縁部とは、前記第1のダイの主表面に垂直な方向に重なり合っておらず、
前記第1のパッド構造は前記絶縁部の上方にあり、前記接続構造は前記半導体部の上方にある、半導体デバイス。
【請求項2】
前記接続構造と前記半導体部の間の界面が、前記半導体部の上で実質的に平坦である、請求項
1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記半導体部上の前記接続構造の下端面と上端面が、ほぼ同じサイズである、請求項
1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記コンタクト構造は、少なくとも、前記第1のパッド構造内の第2の金属材料と異なる第1の金属材料を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の金属材料はタングステンを含み、前記第2の金属材料はアルミニウムを含む、請求項
4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記絶縁部との界面を形成する、前記第1のパッド構造の下端面が、前記コンタクト構造の端部に対応する、凹部を有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のダイは、少なくとも、前記半導体部内に形成されたメモリセルアレイを備え、前記第2のダイは、前記メモリセルアレイのための周辺回路を備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のダイ上の前記コンタクト構造は、ボンディング構造を介して前記第2のダイ上の入/出力回路に電気結合されている、請求項
7に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1のダイは、前記コンタクト構造に電気結合された入/出力回路を備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスを製造する方法であって、
第1のダイと第2のダイを対面接合するステップであって、前記第1のダイは、第1の基板、前記第1の基板の表側の半導体部内に形成された第1のトランジスタ、および前記半導体部の外側の絶縁部内に配置されたコンタクト構造を備え、前記第2のダイは、第2の基板の表側に形成された第2のトランジスタを有する、前記第2の基板を備える、ステップと、
前記第1のダイの裏側から前記第1の基板を除去するステップであって、前記第1の基板の除去によって、前記第1のダイの裏側の前記コンタクト構造の端部を露出させる、ステップと、
前記第1のダイの裏側に、前記コンタクト構造と導電接続された第1のパッド構造を形成するステップであって、前記コンタクト構造の端部は、前記絶縁部から前記第1のパッド構造の内側に突出している、ステップと
前記第1のダイの裏側に、前記半導体部と導電接続されている接続構造を形成するステップと、
を含
み、
前記半導体部と前記絶縁部とは、前記第1のダイの主表面に垂直な方向に重なり合っておらず、
前記第1のパッド構造は前記絶縁部の上方にあり、前記接続構造は前記半導体部の上方にある、方法。
【請求項11】
前記第1の基板の除去は、前記第1のダイの裏側から前記半導体部を露出させ、前記方法は、
前記接続構造を形成するための層を堆積させるステップであって、前記半導体部に対する前記層の界面が、前記半導体部の上で実質的に平坦である、ステップを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記接続構造を形成するための前記層をパターン形成するステップであって、前記半導体部上の前記接続構造の下端面と上端面がほぼ同じサイズである、ステップをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも第1の金属材料を含む前記コンタクト構造上に、前記第1の金属材料と異なる第2の金属材料を堆積させるステップであって、前記第1のパッド構造は少なくとも前記第2の金属材料を含む、ステップをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の金属材料はタングステンを含み、前記第2の金属材料はアルミニウムを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のパッド構造を形成するステップが、
前記絶縁部上に前記第1のパッド構造を形成するための1つまたは複数の層を堆積させるステップであって、前記コンタクト構造の端部は前記絶縁部から突出しており、前記絶縁部と界面を形成する1つまたは複数の層の下端面は、前記コンタクト構造の端部に対応する凹部を有する、ステップをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のダイは、少なくとも、前記半導体部内に形成されたメモリセルアレイを備え、前記第2のダイは、前記メモリセルアレイのための周辺回路を備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のダイと前記第2のダイを対面接合するステップが、
前記第1のダイ上の第1のボンディング構造を、前記第2のダイ上の第2のボンディング構造と接合するステップであって、前記第1のボンディング構造は前記第1のダイ上の前記コンタクト構造と導電結合されており、前記第2のボンディング構造は、前記第2のダイ上の入/出力回路と導電結合されている、ステップをさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のダイは、前記コンタクト構造に電気結合された入/出力回路を備える、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般的に半導体メモリデバイスに関する実施形態について説明する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイス(例えば、半導体チップ)は、様々な入/出力(I/O)パッド構造、例えば、シグナリングパッド構造やパワー/グランド(P/G)パッド構造等、を介して外界と通信する。いくつかの例では、半導体チップは、基板上方の回路上に形成された複数の金属層を含むことができる。1つまたは複数の金属層は、基板上方の回路と導電結合されるパッド構造を形成するために使用される。パッド構造は、パッド構造を外部コンポーネント、例えば、電源、グランド、他の半導体チップ、プリント回路基板(PCB)上の金属線等と導電結合できる、ボンディングワイヤの取り付けを容易にするために形成することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様は、半導体デバイスを提供する。半導体デバイスは、対面接合された第1のダイと第2のダイとを含む。第1のダイは、半導体部内で第1のダイの表側に形成された第1のトランジスタと、少なくとも、半導体部の外側の絶縁部内に配置されたコンタクト構造とを含む。第2のダイは、基板と、第2のダイの表側に形成された第2のトランジスタとを含む。さらに、半導体デバイスは、第1のダイの裏側に配置された第1のパッド構造を含み、第1のパッド構造は、コンタクト構造と導電結合されている。コンタクト構造の端部は、絶縁部から第1のパッド構造中に突出している。さらに、いくつかの実施形態では、半導体デバイスは、第1のダイの裏側に配置されて、半導体部と導電接続されている、接続構造を含む。
【0004】
一実施形態では、接続構造と半導体部との間の界面は、半導体部の上で実質的に平坦である。いくつかの例では、半導体部上の接続構造の下端面と上端面は、ほぼ同じサイズである。
【0005】
いくつかの実施形態では、コンタクト構造は、少なくとも、第1のパッド構造内の第2の金属材料と異なる、第1の金属材料を含む。一例では、第1の金属材料はタングステンを含み、第2の金属材料はアルミニウムを含む。
【0006】
いくつかの例では、コンタクト構造の端部の突出に起因して、絶縁部と界面を形成する第1のパッド構造の下端面は、コンタクト構造の端部に対応する凹部を有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1のダイは、少なくとも、半導体部に形成されたメモリセルアレイを含み、第2のダイは、メモリセルアレイのための周辺回路を含む。第1のダイ上のコンタクト構造は、ボンディング構造を介して第2のダイ上の入/出力回路に電気結合されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のダイは、コンタクト構造に電気結合されている入/出力回路を含む。
【0009】
本開示の態様は、半導体デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、第1のダイと第2のダイを対面接合するステップを含む。第1のダイは、第1の基板、第1のダイの表側の半導体部内に形成された第1のトランジスタ、および半導体部の外側の絶縁部内に配置されたコンタクト構造を含む。第2のダイは、第2の基板の表側に形成された第2のトランジスタを有する、第2の基板を含む。さらに、この方法は、第1のダイの裏側から第1の基板を除去するステップを含む。第1の基板の除去によって、第1のダイの裏側のコンタクト構造の端部が露出される。次いで、この方法は、第1のダイの裏側に、コンタクト構造と導電接続された、第1のパッド構造を形成するステップを含む。コンタクト構造の端部は、絶縁部から第1のパッド構造の内側に突出している。
【0010】
いくつかの実施形態では、この方法は、第1のダイの裏側に、半導体部と導電接続されている接続構造を形成するステップをさらに含む。一実施形態では、第1の基板の除去により、第1のダイの裏側から半導体部を露出させ、また、この方法は、接続構造を形成するための層を堆積させるステップを含む。半導体部に対するこの層の界面は、半導体部にわたって、実質的に平坦である。いくつかの例では、この方法は、接続構造を形成するための層のパターン形成を含む。半導体部上の接続構造の下端面および上端面は、ほぼ同じサイズである。
【0011】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも第1の金属材料を含むコンタクト構造上に、第1の金属材料と異なる第2の金属材料を堆積させるステップを含む。第1のパッド構造は、少なくとも、第2の金属材料を含む。第1の金属材料はタングステンとすることが可能であり、第2の金属材料は、一例では、アルミニウムとすることができる。
【0012】
本開示の態様は、添付の図と共に読まれたときに、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、様々な特徴が縮尺どおりに描かれていないことに留意されたい。実際、考察を分かりやすくするために、様々な特徴の寸法が、任意に増大、または低減されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、半導体デバイスの断面図である。
【
図2】半導体デバイスを形成するためのプロセスを概説する、フローチャートである。
【
図3】いくつかの実施形態による、製造プロセス中の半導体デバイスの断面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、製造プロセス中の半導体デバイスの断面図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、製造プロセス中の半導体デバイスの断面図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、製造プロセス中の半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の開示は、提供された主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または実施例を提供する。構成要素および配設の具体例は、本開示を簡略化するために以下に記載される。もちろん、これらは単なる例であり、限定を意図したものではない。例えば、以下の説明における、第2の特徴の上方、またはその上、での第1の特徴の形成は、第1および第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含んでもよく、また、第1および第2の特徴が直接接触しないように、第1および第2の特徴の間に追加の特徴が形成される実施形態も含み得る。加えて、本開示は、種々の実施例において参照符号および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡略さおよび明瞭さを目的とするものであり、それ自体では、様々な実施形態間、および/または考察された構成間、の関係を指示するものではない。
【0015】
さらに、空間的に相対的な用語、例えば、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下(lower)」、「上方(above)」、「上(upper)」等は、図に示されるように、ある要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために本明細書において使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図に描かれている配向に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる配向を包含することを意図している。装置は、別の方法で配向されてもよく(90度回転または他の方位で)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子も同様にそれに応じて解釈される。
【0016】
本開示の態様は、対面接合された2つのダイ(例えば、第1のダイおよび第2のダイ)を備える、半導体デバイスのためのパッド構造を形成するための技術を提供する。パッド構造は、2つのダイの内の一方、例えば第1のダイ、の裏側に形成される。パッド構造を形成する技術は、第1のダイの裏側からシリコン貫通コンタクト(TSC)を形成する必要がなく、パッド構造を形成するプロセスを簡略化する。いくつかの実施形態では、回路構成要素が、2つのダイの表側に形成される。さらに、少なくともコンタクト構造が第1ダイの表側から第1のダイの絶縁部内に形成され、このコンタクト構造は、入/出力(I/O)回路に接続される。第1のパッド構造などの、第1のダイの裏側のパッド構造の1つは、コンタクト構造と導電結合されており、コンタクト構造は、絶縁部から第1のパッド構造の内側に突出する端部を含む。いくつかの例では、第1のダイは、半導体部内に形成されたトランジスタを備える、半導体部を含む。いくつかの実施形態では、接続構造は、パッド構造で形成され、半導体部と導電結合される。一例では、接続構造は、第1のダイの裏側からのコンタクトホールベースの接点を形成することなく、半導体部と導電結合される。パッド構造および接続構造は、いくつかの例では、同じ金属層を使用して形成することができる。
【0017】
本開示のいくつかの態様によれば、半導体デバイスは、2つのダイの内の一方が表側に形成されたメモリセルアレイを含み、アレイダイと呼ばれ、2つのダイの内の他方は、表側に形成された周辺回路を含み、ペリフェリダイ(periphery die)と呼ばれる、半導体メモリデバイスとすることが可能である。いくつかの例では、周辺回路は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術を使用して形成され、ペリフェリダイはCMOSダイとも呼ばれる。パッド構造および接続構造は、アレイダイの裏に形成することも、ペリフェリダイの裏に形成することもできる。
【0018】
いくつかの実施形態では、パッド構造および接続構造は、アレイダイの裏側に形成される。アレイダイは、半導体部に形成されたメモリセルアレイを含む。次いで、一例では、半導体部と導電結合される接続構造は、メモリセルアレイのアレイ共通ソース(ACS)に対する接続を提供するように構成することができる。
【0019】
本開示のいくつかの態様によれば、2つのダイ(例えば、アレイダイおよびペリフェリダイ)は、2つのウェーハ上に別々に形成される。いくつかの実施形態では、アレイダイを含む第1のウェーハと、ペリフェリダイを含む第2のウェーハとが別々に形成される。例えば、第1のウェーハは、周辺回路による製造上の制限に妥協することなく、メモリセルアレイの密度および性能を最適化するように製造することができる。また、第2のウェーハは、メモリセルアレイによる製造上の制限に妥協することなく、周辺回路の性能を最適化するように製造することができる。いくつかの実施形態では、第1のウェーハおよび第2のウェーハは、ウェーハ間ボンディング技術を用いて対面接合することができ、したがって、第1のウェーハ上のアレイダイは、それぞれ、第2のウェーハ上のペリフェリダイと接合される。次いで、本開示で提供される技術は、2つのウェーハの内の一方の裏側にパッド構造を製造するために使用することができる。
【0020】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体メモリデバイス100のような、半導体デバイスの断面図を示す。半導体メモリデバイス100は、対面接合された、2つのダイを含む。パッド構造および接続構造は、本開示において提供される技法を用いて、2つのダイの内の一方の裏側に形成される。
【0021】
具体的には、
図1例では、半導体メモリデバイス100は、対面接合された、アレイダイ102とCMOSダイ101とを含む。いくつかの実施形態では、半導体メモリデバイスは、複数のアレイダイと、CMOSダイとを含むことができることに留意されたい。複数のアレイダイと、CMOSダイとは、互いに積層して接合することができる。CMOSダイは、それぞれ、複数のアレイダイに結合されて、それぞれのアレイダイを同様の方法で駆動することができる。
【0022】
半導体デバイス100は、任意好適なデバイスとすることができる。いくつかの例では、半導体デバイス100は、少なくとも、対面接合された、第1のウェーハと第2のウェーハとを含む。アレイダイ102は、第1のウェーハ上のその他のアレイダイと共に配置され、CMOSダイ101は、第2のウェーハ上にその他のCMOSダイと共に配置されている。第1のウェーハと第2のウェーハは互いに接合される、すなわち第1のウェーハ上のアレイダイは、第2のウェーハ上の対応するCMOSダイと接合される。いくつかの例では、半導体デバイス100は、少なくとも、互いに接合されたアレイダイ102とCMOSダイ101とを有する、半導体チップである。一例では、半導体チップは、互いに接合されたウェーハから切断される。別の例では、半導体デバイス100は、パッケージ基板上で組み立てられた、1つまたは複数の半導体チップを含む、半導体パッケージである。
【0023】
アレイダイ102は、1つまたは複数の半導体部105と、半導体部105間の絶縁部106とを含む。メモリセルアレイは、半導体部105内に形成することができ、絶縁部は、半導体部105を隔離し、コンタクト構造170のための空間を提供することができる。CMOSダイ101は、基板104と、基板104上に形成された周辺回路とを含む。簡潔にするために、(ダイまたはウェーハの)主表面をX-Y平面と呼び、主表面に垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0024】
また、
図1例では、アレイダイ102のような2つのダイの内の一方の裏側に接続構造121およびパッド構造122~123が形成されている。具体的には、
図1例では、パッド構造122~123は絶縁部106の上方にあり、パッド構造122~123の各々は、1つまたは複数のコンタクト構造170と導電接続させることができる。
図1例では、接続構造121は半導体部105の上方にあり、半導体部105に導電接続されている。いくつかの例では、半導体部105は、メモリセルアレイ用のアレイ共通ソース(ACS)に結合され、接続構造121は、メモリセルアレイのブロック用の半導体部105の上に配置される。いくつかの例では、接続構造121は、比較的低い抵抗率の金属層で形成され、接続構造121が半導体部105の比較的大きな部分をカバーする場合、接続構造121は、メモリセルアレイのブロックのACSを非常に小さな寄生抵抗で接続することができる。接続構造121は、ACSが外部ソースからACS信号を受信するためのパッド構造として構成された部分を含むことができる。パッド構造122~123および接続構造121は、適切な金属材料、例えば、ボンディングワイヤの取り付けを容易にすることができる、アルミニウム等で製作される。いくつかの例では、パッド構造122~123は、チタン層126およびアルミニウム層128を含み、接続構造121は、ケイ化チタン層127およびアルミニウム層128を含む。
【0025】
なお、図示を容易にするために、半導体メモリデバイス100の一部の構成要素、例えばパシベーション構造等は図示されていないことに留意されたい。
【0026】
なお、アレイダイ102は、最初に基板と半導体部105とを含み、基板上に絶縁部106が形成される。基板は、パッド構造122~123および接続構造121の形成前に除去される。
【0027】
図2は、半導体メモリデバイス、例えば、本開示のいくつかの実施形態による半導体メモリデバイス100等、を形成するためのプロセス200の概要を示すフローチャートであり、
図3~
図6は、いくつかの実施形態によるプロセス中の半導体デバイス100の断面図を示す。プロセス200はS201から始まり、S210に進む。
【0028】
S210において、第1のダイと第2のダイとは、対面接合される。第1のダイは、第1の基板と、第1の基板の表側に配置された半導体部と絶縁部とを含む。絶縁部は、半導体部を絶縁することができる。第1のダイは、第1のダイの表側から半導体部内に形成された第1のトランジスタも含む。さらに、第1のダイは、半導体部の外側にある絶縁部内に配置されたコンタクト構造を含む。絶縁部は、コンタクト構造を互いに絶縁するとともに、半導体部からも絶縁することができる。第2のダイは、第2のダイの表側に形成された第2のトランジスタを有する、第2の基板を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のダイは、アレイダイ102のようなアレイダイであり、第2のダイは、CMOSダイ101のようなCMOSダイである。いくつかの例では、第1のダイをCMOSダイとし、第2のダイをアレイダイとすることができる。
【0030】
図3は、2つのダイの接合プロセス後の半導体メモリデバイス100の断面図を示す。半導体メモリデバイス100は、対面接合された、アレイダイ102とCMOSダイ101とを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、アレイダイ102は、第1のウェーハ上の他のアレイダイと共に製造され、CMOSダイ101は、第2のウェーハ上の他のCMOSダイと共に製造される。いくつかの例では、第1のウェーハおよび第2のウェーハは別々に製造される。例えば、メモリセルアレイおよびI/Oコンタクト構造は、第1のウェーハの表側で動作するプロセスを使用して、第1のウェーハ上に形成される。また、第1のボンディング構造は、第1のウェーハの表側に形成される。同様に、第2のウェーハの表側で動作するプロセスを使用して第2のウェーハ上に周辺回路を形成し、第2のウェーハの表側に第2のボンディング構造を形成する。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のウェーハと第2のウェーハとを、ウェーハ間ボンディング技術を使用して対面接合することができる。第1のウェーハ上の第1のボンディング構造は、第2のウェーハ上の対応する第2のボンディング構造と接合され、したがって、第1のウェーハ上のアレイダイは、第2のウェーハ上のCMOSダイと、それぞれ接合される。
【0033】
アレイダイ102は、基板103を含む。基板103上には、1つまたは複数の半導体部105および絶縁部106が形成されている。絶縁部106は、半導体部105を絶縁できる絶縁材料、例えば、酸化シリコン等で形成されている。さらに、半導体部105にメモリセルアレイを形成し、絶縁部106にコンタクト構造を形成することができる。CMOSダイ101は、基板104を含むとともに、基板104上に形成された周辺回路を含む。
【0034】
基板103および基板104は、それぞれ、任意の適切な基板、例えばシリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)基板、および/またはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板とすることができる。基板103および基板104には、それぞれ、半導体材料、例えば、IV族半導体、III-V族化合物半導体、またはII-VI族酸化物半導体を含むことができる。IV族半導体は、Si、Ge、またはSiGeを含むことができる。基板103および基板104は、それぞれ、バルクウェーハまたはエピタキシャル層であってもよい。いくつかの例では、基板は複数の層で形成される。例えば、基板103は、
図3に示すように、複数の層、例えばバルク部111、酸化シリコン層112、および窒化シリコン層113を含む。
【0035】
図3例では、アレイダイ102の基板103上にメモリセルアレイが形成され、CMOSダイ101の基板104上に周辺回路が形成されている。アレイダイ102とCMOSダイ101とが対面配置されて(回路が配置された表面を表と呼び、反対側の表面を裏と呼ぶ)、互いに接合される。
【0036】
いくつかの例では、半導体部105が基板103上に形成され、半導体部105内に3次元(3D)NANDメモリセルストリングのブロックを形成することができる。半導体部105は、メモリセルストリングのアレイ共通ソースと導電結合される。いくつかの例では、メモリセルアレイは、垂直メモリセルストリングのアレイとして、コア領域115内に形成される。コア領域115の他に、アレイダイ102は、階段領域116および絶縁領域117を含む。階段領域116は、例えば、垂直メモリセルストリングにおけるメモリセルのゲート、選択トランジスタのゲート等への接続を容易にするために使用される。垂直メモリセルストリング内のメモリセルのゲートは、NANDメモリアーキテクチャのためのワード線に対応する。絶縁領域117は、絶縁部106を形成するために使用される。
【0037】
図3例では、垂直メモリセルストリング180は、コア領域115に形成された垂直メモリセルストリングのアレイの表現として示されている。垂直メモリセルストリング180は、層190のスタック内に形成されている。層190のスタックは、交互に積層されたゲート層195および絶縁層194を含む。ゲート層195および絶縁層194は、垂直に積層されたトランジスタを形成するように構成されている。いくつかの例では、トランジスタのスタックは、メモリセルおよび選択トランジスタ、例えば1つまたは複数のボトム選択トランジスタ、1つまたは複数のトップ選択トランジスタ等を含む。いくつかの例では、トランジスタのスタックは、1つまたは複数のダミー選択トランジスタを含むことができる。ゲート層195は、トランジスタのゲートに相当する。ゲート層195は、ゲート積層材料、例えば、高誘電率(high-k)ゲート絶縁体層、メタルゲート(MG)電極等で製作される。絶縁層194は、絶縁材料、例えば、窒化シリコン、二酸化シリコン等で製作される。
【0038】
本開示のいくつかの態様によれば、垂直メモリセルストリングは、層190のスタック内に垂直方向(Z方向)に延びる、チャネル構造181で形成される。チャネル構造181は、X-Y平面内で互いに分離して配置することができる。いくつかの実施形態では、チャネル構造181は、ゲートラインカット構造(gate line cut structure)(図示せず)間のアレイの形態で配置される。ゲートラインカット構造は、ゲートラストプロセス(gate-last process)における、ゲート層195による犠牲層の置換を容易にするために使用される。チャネル構造181のアレイは、任意の適切なアレイ形状、例えば、X方向およびY方向に沿ったマトリックスアレイ形状、X方向またはY方向に沿ったジグザグアレイ形状、蜂の巣(例えば、六方晶)アレイ形状等を有することができる。いくつかの実施形態では、チャネル構造の各々は、X-Y平面において円形状を有し、X-Z平面およびY-Z平面においてピラー形状を有する。いくつかの実施形態では、ゲートラインカット構造間のチャネル構造の量および配設は限定されない。
【0039】
いくつかの実施形態では、チャネル構造181は、基板103の主表面の方向に垂直であるZ方向に延びるピラー形状を有する。実施形態では、チャネル構造181は、X-Y平面内で円形状の材料によって形成され、Z方向に延びている。例えば、チャネル構造181は、機能層、例えば、ブロッキング絶縁層182(例えば、酸化シリコン)、電荷蓄積層183(例えば、窒化シリコン)、トンネル絶縁層184(例えば、酸化シリコン)、半導体層185、およびX-Y平面において円形状を有し、Z方向に延びる絶縁層186を含む。一例では、ブロック絶縁層182(例えば、酸化シリコン)が、チャネル構造181のためのホールの側壁上に(層190のスタック中に)形成され、次いで、電荷蓄積層183(例えば、窒化シリコン)、トンネル絶縁層184、半導体層185、および絶縁層186が側壁から順次積層される。半導体層185は、任意の適切な半導体材料、例えばポリシリコンまたは単結晶シリコンとすることができ、半導体材料は、非ドープであってもよく、またはp型またはn型ドーパントを含んでもよい。いくつかの例では、半導体材料は、ドープされていない真性シリコン材料である。しかしながら欠陥のために、真性シリコン材料は、いくつかの例では、1010cm-3のオーダーのキャリア密度を有することができる。絶縁層186は、酸化シリコンおよび/または窒化シリコンなどの絶縁材料で形成され、かつ/または空隙として形成されてもよい。
【0040】
本開示のいくつかの態様によれば、チャネル構造181と、層190のスタックとは、一緒になってメモリセルストリング180を形成する。例えば、半導体層185はメモリセルストリング180内のトランジスタのチャネル部分に対応し、ゲート層195はメモリセルストリング180内のトランジスタのゲートに対応する。一般に、トランジスタにはチャネルを制御するゲートがあり、チャネルの両側にはドレインとソースがある。簡潔にするために、
図3例では、
図3のトランジスタ用チャネルの底側をドレインと呼び、
図3のトランジスタ用チャネルの上側をソースと呼ぶ。ドレインとソースは、特定の駆動構成下で切り替えることができることに留意されたい。
図3例では、半導体層185はトランジスタの接続されたチャネルに対応する。特定トランジスタに対して、特定トランジスタのドレインは、特定トランジスタの下方の下トランジスタのソースに接続され、特定トランジスタのソースは、
図3例の特定トランジスタの上方の上トランジスタのドレインに接続される。これにより、メモリセルストリング180内のトランジスタは直列に接続される。なお、「上」および「下」は、アレイダイ102が上下逆に配置される、
図3に特有に使用される。
【0041】
メモリセルストリング180は、メモリセルトランジスタ(またはメモリセルと呼ばれる)を含む。メモリセルトランジスタは、メモリセルトランジスタのためのフローティングゲートに対応する、電荷蓄積層183の部分におけるキャリアトラッピングに基づいて、異なる閾値電圧を有することができる。例えば、メモリセルトランジスタのフローティングゲートにかなりの量の正孔がトラップ(蓄積)されている場合、メモリセルトランジスタの閾値電圧は所定の値よりも低く、メモリセルトランジスタは、ロジック「1」に対応する、プログラムされていない状態(消去状態とも呼ばれる)にある。正孔がフローティングゲートから排出されると、メモリセルトランジスタの閾値電圧は所定の値を超え、したがってメモリセルトランジスタは、いくつかの例では、ロジック「0」に対応する、プログラム状態にある。
【0042】
メモリセルストリング180は、メモリセルストリング180内のメモリセルをビット線に結合/遮断するように構成された1つまたは複数のトップ選択トランジスタを含み、メモリセルストリング180内のメモリセルをACSに結合/遮断するように構成された1つまたは複数のボトム選択トランジスタを含む。
【0043】
トップ選択トランジスタは、トップ選択ゲート(TSG)によって制御される。例えば、TSG電圧(TSGに印加される電圧)がトップ選択トランジスタの閾値電圧よりも大きい場合、メモリセルストリング180内のトップ選択トランジスタがオンにされ、メモリセルストリング180内のメモリセルがビット線に結合され(例えば、メモリセルのストリングのドレインがビット線に結合される)、TSG電圧(TSGに印加される電圧)がトップ選択トランジスタの閾値電圧よりも小さい場合、トップ選択トランジスタがオフにされ、メモリセルストリング180内のメモリセルがビット線から遮断される(例えば、メモリセルのストリングのドレインがビット線から遮断される)。
【0044】
同様に、ボトム選択トランジスタはボトム選択ゲート(BSG)によって制御される。例えば、BSG電圧(BSGに印加される電圧)がメモリセルストリング180内のボトム選択トランジスタの閾値電圧よりも大きい場合、ボトム選択トランジスタがオンにされ、メモリセルストリング180内のメモリセルがACSに結合され(例えば、メモリセルストリング180内のメモリセルのストリングのソースがACSに結合され)、BSG電圧(BSGに印加される電圧)がボトム選択トランジスタの閾値電圧よりも小さい場合、ボトム選択トランジスタはオフにされ、メモリセルはACSから遮断される(例えば、メモリセルストリング180内のメモリセルのストリングのソースがACSから遮断される)。
【0045】
図3に示すように、チャネルホール内の半導体層185の上部は、垂直メモリセルストリング180のソース側に対応し、上部は185(S)とラベル付けされている。
図3例では、垂直メモリセルストリング180のソースと導電接続して、共通ソース層189が形成されている。共通ソース層189は、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの例では、共通ソース層189は、シリコン材料、例えば、真性ポリシリコン、ドープされたポリシリコン(例えば、N型ドープシリコン、P型ドープシリコン等)、その他を含む。いくつかの例では、共通ソース層189には、導電性を改善するために金属ケイ化物を含めてもよい。共通ソース層189は、同様に、半導体部105内の他の垂直メモリセルストリング(図示せず)のソースと導電接続されており、したがってアレイ共通ソース(ACS)を形成している。
【0046】
本開示のいくつかの態様によれば、半導体部105と共通ソース層189は、いくつかの例では、導電結合され、したがって半導体部105は、半導体部105に形成された垂直メモリセルストリング用のアレイ共通ソースとして構成することができる。
【0047】
図3例では、チャネル構造181において、半導体層185は、チャネル構造181のソース側から下に垂直に延びており、垂直メモリセルストリング180のドレイン側に相当する底部を形成している。半導体層185の底部には、185(D)とラベルが付けられている。なお、ドレイン側とソース側は、説明を容易にするために名づけられている。ドレイン側とソース側は、名前とは異なる機能を果たすことがある。
【0048】
図3例では、ビア162、金属ワイヤ163、ボンディング構造164、その他などの相互接続構造を形成して、半導体層185(D)の底部をビット線(BL)に電気結合することができる。
【0049】
さらに
図3例では、階段領域116は、トランジスタ(例えば、メモリセル、トップ選択トランジスタ、ボトム選択トランジスタ等)のゲートへのワード線接続を容易にするために形成された階段領域116を含む。例えば、ワード線接続構造150は、互いに導電結合されたワード線コンタクトプラグ151と、ビア構造152と、金属ワイヤ153とを含む。ワード線接続構造150は、メモリセルストリング180内のトランジスタのゲート端子にWLを電気結合することができる。
【0050】
図3例では、絶縁領域117にコンタクト構造170が形成されている。いくつかの実施形態では、コンタクト構造170は、アレイダイ102の表側で処理することによって、ワード線接続構造150と同時に形成することができる。したがって、いくつかの例では、コンタクト構造170は、ワード線接続構造150と同様の構造を有する。具体的には、コンタクト構造170は、互いに導電結合された、コンタクトプラグ171、ビア構造172、および金属ワイヤ173を含むことができる。
【0051】
いくつかの例では、コンタクトプラグ171およびワード線コンタクトプラグ151のためのパターンを含むマスクを使用することができる。このマスクは、コンタクトプラグ171およびワード線コンタクトプラグ151のためのコンタクトホールを形成するために使用される。エッチングプロセスを使用して、コンタクトホールを形成することができる。一例では、ワード線コンタクトプラグ151用のコンタクトホールのエッチングはゲート層195上で停止でき、コンタクトプラグ171用のコンタクトホールのエッチングは酸化物層112内で停止することができる。さらに、コンタクトホールは、コンタクトプラグ171およびワード線コンタクトプラグ151などのコンタクトプラグを形成するために、適切なライナー層(例えば、チタン/窒化チタン)および金属層(例えば、タングステン)で埋めることができる。さらに、ビア構造、金属ワイヤ、ボンディング構造などの様々な接続構造を形成するために、バックエンドオフライン(BEOL)プロセスが使用される。
【0052】
また、
図3例では、アレイダイ102およびCMOSダイ101の表側に、それぞれボンディング構造が形成されている。例えば、アレイダイ102の表側にボンディング構造174、164が形成され、CMOSダイ101の表側にボンディング構造131、134が形成されている。
【0053】
図3例では、アレイダイ102とCMOSダイ101とが対面配置され(回路側が表、基板側が裏)、互いに接合されている。アレイダイ102およびCMOSダイ101上の対応するボンディング構造は、互いに位置合わせされて、接合され、2つのダイ上の適切な構成要素を導電結合する接合界面を形成する。例えば、ボンディング構造164とボンディング構造131とが互いに結合されて、メモリセルストリング180のドレイン側をビット線(BL)で結合する。別の例では、ボンディング構造174およびボンディング構造134は、アレイダイ102上のコンタクト構造170をCMOSダイ101上のI/O回路と結合するために互いに接合される。
【0054】
S220に戻って参照すると、第1のダイの第1の基板は、第1のダイの裏側から除去される。第1の基板の除去により、第1のダイの裏側に半導体部とコンタクト構造170とが露出する。
【0055】
図4は、アレイダイ102から第1の基板103を除去した後の半導体メモリデバイス100の断面図を示す。
図4例では、バルク部111、酸化シリコン層112および窒化シリコン層113は、アレイダイ102の裏側から除去されている。いくつかの例では、ウェーハ間ボンディングプロセスの後、アレイダイを備えた第1のウェーハが、CMOSダイを備えた第2のウェーハと接合される。次いで、第1のウェーハの裏側から第1の基板が薄くされる。一例では、化学機械研磨(CMP)プロセスまたはグラインドプロセスを使用して、第1のウェーハのバルク部111の大部分を除去する。また、適切なエッチングプロセスを用いて、残りのバルク部111、酸化シリコン層112および窒化シリコン層113を第1のウェーハの裏側から除去することができる。バルク部111、酸化シリコン層112および窒化シリコン層113の除去により、絶縁部106から突出するコンタクト構造170の端部(175によって示されるように)を現わせることができる。バルク部111、酸化シリコン層112および窒化シリコン層113の除去により、半導体部分105を現わせることもできる。
【0056】
図2に戻って参照すると、S230にて、第1のダイの裏側において、パッド構造および接続構造体が形成されている。いくつかの実施形態では、パッド構造は、コンタクト構造170と導電接続されている、第1のパッド構造を含む。接続構造は、半導体部150と導電接続されている。
【0057】
いくつかの実施形態では、パッド構造および接続構造は、主としてアルミニウム(Al)で形成される。いくつかの実施形態では、界面形成層を、アルミニウムと半導体部105との間に形成することができる。いくつかの例では、金属ケイ化物薄膜を界面形成層として使用することができる。一例では、金属ケイ化物薄膜を使用して、アルミニウムと半導体部105との間のオーム接触を可能にすることができる。別の例では、金属ケイ化物薄膜は、半導体部105への局所相互接続を形成するために使用される。別の例では、金属ケイ化物薄膜は、半導体部105へのアルミニウム拡散を防止するための拡散障壁として使用される。
【0058】
いくつかの例では、チタンは、第2のウェーハと対面接合されている第1のウェーハの裏側に全体的に堆積され、次いで窒素雰囲気中で加熱される。チタンは、露出したシリコン表面(半導体部105など)と反応してケイ化チタンを形成することができる。反応しなかったチタンの部分(例えば、絶縁部の上方、コンタクト構造170の端部の上方等)が、ケイ化物を形成する。
【0059】
次に、第1のウェーハの裏側の表面に金属膜を形成することができる。
図5は、金属膜の堆積後の半導体メモリデバイス100の断面図を示す。
図5例では、第1のウェーハの裏側に金属膜120が堆積されている。金属膜120は、コンタクト構造170の端部による突出に起因する、凹凸表面を有していてもよい。いくつかの実施形態では、金属膜120は、チタン層126およびアルミニウム層128を含む。実施形態では、半導体部105上のチタン層126は、シリコン表面と反応してケイ化チタン127を形成することができる。例えば、チタン層126が堆積され、窒素雰囲気中で加熱される。次いで、アルミニウム層128が堆積される。
【0060】
金属膜120は、パターン形成して、パッド構造および接続構造を形成することができる。
図6は、金属膜120をパッド構造122~123および接続構造121にパターン形成した後の、半導体メモリデバイス100の断面図を示す。
図6例では、パッド構造122~123は、それぞれ、コンタクト構造170に接続されて、絶縁部106の上方に配置されており、接続構造121は、半導体部105に接続されている。いくつかの実施形態では、フォトリソグラフィプロセスを使用して、パッド構造122~123および接続構造121のパターンを、マスクに従ってフォトレジスト層中に画定し、次いで、エッチングプロセスを使用して、パターンを金属膜120に転写し、パッド構造122~123および接続構造121を形成する。
【0061】
本開示の態様によれば、接続構造121の膜は、半導体部105上に直接堆積され、したがって、接続構造121と半導体部105との間の界面は、半導体部105上にわたり実質的に平坦である。関連する例では、半導体部105を絶縁層で覆うことが可能であり、コンタクトホールが絶縁層内に形成され、次いで適切な金属層が(ホール内および絶縁層の上に)堆積されて、接点および接続を形成する。関連例と比較すると、接続構造121は、コンタクトホールを使用せずに絶縁層内に形成されており、接続構造121と半導体部105との界面は比較的平坦であり、半導体部105上の接続構造121の下端面と上端面は、エッチプロファイルに関する相違が無視される場合に、ほぼ同じである。
【0062】
本開示の別の態様によれば、コンタクト構造170の端部の突出に起因して、金属膜120は、凹凸表面を有することがある。例えば、絶縁部106と界面を形成する金属膜120の下端面は、コンタクト構造170の端部に対応する凹部を有していてもよく、したがって、パッド構造122~123の下端面は、コンタクト構造170の端部に対応する凹部を有していてもよい。
【0063】
ウェーハ製造プロセスは、さらなるプロセス、例えば、パシベーション、試験、ダイシング等を継続することができる。
【0064】
上記は、当業者が本開示の態様をよりよく理解し得るように、いくつかの実施形態の特徴を概説する。当業者は、同じ目的を実施するための、および/または本明細書で紹介する実施形態の同じ利点を達成するための、他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用し得ることを理解すべきである。当業者はまた、そのような等価な構造が本開示の趣旨および範囲から逸脱しないこと、および本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、および改変を行い得ること、を認識すべきである。
【符号の説明】
【0065】
100 半導体メモリデバイス
101 CMOSダイ
102 アレイダイ
103 基板
104 基板
105 半導体部
106 絶縁部
111 バルク部
112 酸化シリコン層
113 窒化シリコン層
115 コア領域
116 階段領域
117 絶縁領域
120 金属膜
121 接続構造
122 パッド構造
123 パッド構造
126 チタン層
127 ケイ化チタン層
128 アルミニウム層
131 ボンディング構造
134 ボンディング構造
150 ワード線接続構造
151 ワード線コンタクトプラグ
152 ビア構造
153 金属ワイヤ
162 ビア
163 金属ワイヤ
164 ボンディング構造
170 コンタクト構造
171 コンタクトプラグ
172 ビア構造
173 金属ワイヤ
174 ボンディング構造
175 端部
180 メモリセルストリング
181 チャネル構造
182 ブロッキング絶縁層
183 電荷蓄積層
184 トンネル絶縁層
185 半導体層
186 絶縁層
189 共通ソース層
190 層
194 絶縁層
195 ゲート層