(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】半導体ウェハ計測における測定位置を決定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
H01L21/66 J
(21)【出願番号】P 2023518375
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 US2021016494
(87)【国際公開番号】W WO2022071981
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-11-06
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラノット アサフ
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-019865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0123894(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0301385(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/027
G01B 11/00
G02B 21/00
G01B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
完全にまたは部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)に関する品質メトリックを生成するための方法であって、
参照半導体デバイスウェハ上に形成された少なくとも1つの参照構造上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)に複数の参照フィールド画像(RFI)を相関させるスポットマップを提供するステップと、
前記FPFSDW上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の測定値を得ることにより、
前記少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の測定視野画像(MFI)と、
前記少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の瞳画像を生成するステップと、
前記MFIおよび前記スポットマップを使用して、前記少なくとも1つのFPFSDW構造上の測定スポット位置(MSL)を識別するステップと、
前記瞳画像および前記MSLを使用して、前記FPFSDWの品質メトリックを生成するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記品質メトリックは、前記FPFSDW上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれの表示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スポットマップを提供することは、
前記少なくとも1つの参照構造上の複数の位置のそれぞれについて、
第1の放射線源を使用して、前記少なくとも1つの参照構造の第1の測定値からRFIを生成するステップであって、前記RFIは、前記複数のRFIのうちの1つである、ステップと、
第2の放射線源を用いて、前記少なくとも1つの参照構造の第2の測定値からトレーニングフィールド画像(TFI)を生成するステップと、
前記TFIに基づいて、前記少なくとも1つの参照構造上で、前記複数のRSLのうちの1つである対応するRSIを識別するステップと、
前記対応するRSLを前記RFIと関連付けることによって前記スポットマップをポピュレートするステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の放射線源は、コヒーレントな放射線を提供し、前記第2の放射線源は、インコヒーレントな放射線を提供することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記MFIを生成することは、専用のターゲット獲得レセプタを使用することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記MFIを生成することは、瞳レセプタ及び少なくとも1つの瞳画像対視野画像の光学部品を使用することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記MSLが適切なスポット位置を含まない場合、前記品質メトリックを生成するステップの前に、前記少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部のさらなる測定を行い、それによって、
前記少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の追加のMFIと、
前記少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の追加の瞳像を生成するステップと、
前記追加のMFIおよび前記スポットマップを使用して、前記少なくとも1つのFPFSDW構造上の追加のMSLを識別するステップと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのFPFSDW構造は、周期軸に沿って周期的である複数の周期構造を含み、前記RSL及び前記MSLのそれぞれは、前記周期軸に平行な方向の距離を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの半導体デバイスウェハの製造プロセスにおいて前記品質メトリックを使用することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
完全に又は部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)を測定するように動作する計測ツールと共に使用するためのシステムであって、
参照半導体デバイスウェハ上に形成された少なくとも1つの参照構造上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)に複数の参照フィールド画像(RFI)を相関させるスポットマップを生成するスポットマップ生成器と、
複数の測定フィールド画像(MFI)の各々を、前記スポットマップを使用して、前記FPFSDW上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造上の対応する測定スポット位置(MSL)と相関させるように動作するフィールド画像-位置マッピングエンジン(FILME)と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記MSLと、前記少なくとも1つのFPFSDW構造の対応する瞳画像とを使用して、前記FPFSDWの品質メトリックを生成するように動作することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記品質メトリックは、前記FPFSDW上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれの表示を含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのFPFSDW構造は、周期軸に沿って周期的である複数の周期構造を含み、前記MSL及び前記MSLのそれぞれは、前記周期軸に平行な方向の距離を示すことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のMFIの各々は、コヒーレントな放射線源を使用して生成されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
完全または部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)を測定するためのシステムであって、
計測ツールであって、
第1の放射線源と、
第2の放射線源と、を備え、
参照半導体デバイスウェハ上に形成された少なくとも1つの参照構造上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)に複数の参照フィールド画像(RFI)を相関させるスポットマップをポピュレートするように動作するスポットマップ生成器と、
複数の測定フィールド画像(MFI)の各々を、前記スポットマップを使用して、前記FPFSDW上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造上の対応する測定スポット位置(MSL)と相関させるように動作するフィールド画像-位置マッピングエンジン(FILME)と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記第1の放射線源は、コヒーレントな放射線を提供し、前記第2の放射線源は、インコヒーレントな放射線を提供することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記スポットマップ生成器は、
前記少なくとも1つの参照構造上の複数の位置のそれぞれについて、
前記第1の放射線源を使用して、前記少なくとも1つの参照構造の第1の測定値からRFIを受信するステップであって、前記RFIは、前記複数のRFIのうちの1つである、ステップと、
前記第2の放射線源を用いて、前記少なくとも1つの参照構造の第2の測定値からトレーニングフィールド画像(TFI)を受信するステップと、
前記TFIに基づいて、前記複数のRSLのうちの1つである前記少なくとも1つの参照構造上の対応するRSLを識別するステップと、
前記対応するRSLを前記RFIと関連付けることによって前記スポットマップをポピュレートするステップ、
によって前記スポットマップをポピュレートすることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数のMFIは、前記第1の放射線源による照明下で取得される前記FPFSDWのそれぞれの測定によって生成されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記計測ツールは、さらに、
瞳画像を捕捉するように動作する第1の放射線レセプタと、
フィールド画像を捕捉するように動作する第2の放射線レセプタと、
を備えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の放射線レセプタは、専用のターゲット獲得レセプタを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の放射線レセプタは、瞳レセプタを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記計測ツールは、さらに、少なくとも1つの瞳画像光学コンポーネントを備えることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムは、前記MSLと、前記少なくとも1つのFPFSDW構造の対応する瞳画像とを使用して、前記FPFSDWの品質メトリックを生成するように動作することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
前記品質メトリックは、前記FPFSDW上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれの表示を含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのFPFSDW構造は、周期軸に沿って周期的である複数の周期構造を含み、前記RSL及び前記MS
Lの各々は、前記周期軸に平行な方向の距離を示すことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体デバイスの製造における品質メトリックの測定に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
米国仮特許出願63/086,019号(2020年9月30日、MICRO-NAVIGATION FEEDBACK VIA SPOT SHAPE)が参照され、その開示は参照により本明細書に組み込まれ、その優先権が本明細書で主張される。
【0003】
半導体デバイスの製造における品質メトリックの測定のための様々な方法およびシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2018/0301385号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、半導体デバイスの製造における品質メトリックの測定のための改善された方法およびシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、完全にまたは部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)に関する品質メトリックを生成するための方法が提供され、この方法は、複数の参照フィールド画像(RFI)を、参照半導体デバイスウェハ上に形成された少なくとも1つの参照構造上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)に相関させるスポットマップを提供することを含む。FPFSDW上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の測定を行い、それによって、少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の測定視野画像(MFI)と、少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部の瞳画像とを生成し、測定のために、少なくとも1つのFPFSDW構造上の測定スポット位置(MSL)を特定する。MFIおよびスポットマップを使用し、瞳画像およびMSLを使用してFPFSDWの品質メトリックを生成する。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によれば、品質メトリックは、FPFSDW上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれの表示を含む。
【0008】
好ましくは、スポットマップを提供するステップは、少なくとも1つの参照構造上の複数の位置の各々について、第1の放射線源を用いて少なくとも1つの参照構造の第1の測定値からRFIを生成するステップを含み、RFIは複数のRFIのうちの1つである。第2の放射線源を使用して、少なくとも1つの参照構造の第2の測定値からトレーニングフィールド画像(TFI)を生成し、TFIに基づいて、少なくとも1つの参照構造上の対応するRSLを識別し、対応するRSLは複数のRSLのうちの1つであり、対応するRSLをRFIに関連付けることによってスポットマップをポピュレートする。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1の放射線源は、概してコヒーレントな放射線を提供し、第2の放射線源は、概してインコヒーレントな放射線を提供する。
【0010】
好ましくは、MFIを生成することは、専用のターゲット獲得レセプタを使用することを含む。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、MFIを生成するステップは、瞳レセプタおよび少なくとも1つの瞳画像対視野像光学構成要素を使用するステップを含む。
【0012】
好ましくは、MSLが適切なスポット位置を含まない場合、本方法はまた、品質メトリックを生成するステップの前に、少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部分の追加の測定を行い、それによって、少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部分の追加のMFIおよび少なくとも1つのFPFSDW構造の少なくとも一部分の追加の瞳画像を生成するステップを含む。そして、追加の測定のために、追加のMFIおよびスポットマップを使用して、少なくとも1つのFPFSDW構造上の追加のMSLを識別する。本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのFPFSDW構造は、周期軸に沿って周期的である複数の周期構造を含み、RSLおよびMSLの各々は、周期軸に概ね平行な方向の距離を示す。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、本方法はまた、少なくとも1つの半導体デバイスウェハの製造プロセスにおいて品質メトリックを使用することを含む。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、完全にまたは部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)を測定するように動作する計測ツールとともに使用するためのシステムも提供される。システムは、複数の参照フィールド画像(RFI)を、参照半導体デバイスウェハ上に形成された少なくとも1つの参照構造上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)に相関させるスポットマップを生成するように動作可能なスポットマップ生成器と、スポットマップを使用して、複数の測定フィールド画像(MFI)の各々を、FPFSDW上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造上の対応する測定スポット位置(MSL)に相関させるように動作可能なフィールド画像-位置マッピングエンジン(FILME)とを含む。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、複数のMFIの各々は、概してコヒーレントな放射線源を使用して生成される。
【0016】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、完全にまたは部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)を測定するためのシステムであって、第1の放射線源および第2の放射線源を含む計測ツールを含むシステムがさらに提供される。参照半導体デバイスウェハ上に形成された少なくとも1つの参照構造上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)に複数の参照フィールド画像(RFI)を相関させるスポットマップをポピュレートするように動作するスポットマップ生成器と、スポットマップを使用して、複数の測定フィールド画像(MFI)の各々を、FPFSDW上に形成される少なくとも1つのFPFSDW構造上の対応する測定スポット位置(MSL)と相関させるように動作するフィールド画像-位置マッピングエンジン(F1LME)を含む。
【0017】
好ましくは、計測ツールは、瞳画像を捕捉する第1の放射線レセプタと、視野像を捕捉する第2の放射線レセプタとをさらに含む。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、第2の放射線レセプタは、専用のターゲット獲得レセプタを含む。
【0019】
あるいは、本発明の好ましい実施形態によれば、第2の放射線レセプタは、瞳レセプタを含む。好ましくは、計測ツールは、少なくとも1つの瞳画像-視野像光学コンポーネントをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解され理解されるであろう。
【
図1A】計測ツールを含む計測システムの第1の実施形態の概略図である。
【
図1B】計測ツールと共に使用するための計測システムの第2の実施形態の概略図である。
【
図2A】第1の使用事例における
図1Aおよび
図1Bの計測ツールの一部分の簡略化された概略図である。
【
図2B】第2の使用事例における
図1Aおよび
図1Bの計測ツールの一部分の簡略化された概略図である。
【
図3A】
図1A~
図2Bの計測ツールによって生成された参照構造のセットおよび対応する視野画像上の第1のスポット位置の簡略図である。
【
図3B】
図1A~
図2Bの計測ツールによって生成された参照構造のセットおよび対応する視野画像上の第2のスポット位置の簡略図である。
【
図3C】
図1A~
図2Bの計測ツールによって生成された参照構造のセットおよび対応する視野画像上の第3のスポット位置の簡略図である。
【
図4A】
図1A~2Bの計測ツールによって生成された測定構造のセットおよび対応する視野画像上の第1のスポット位置の簡略図である。
【
図4B】
図1A~2Bの計測ツールによって生成された測定構造のセットおよび対応する視野画像上の第2のスポット位置の簡略図である。
【
図4C】
図1A~2Bの計測ツールによって生成された測定構造のセットおよび対応する視野画像上の第3のスポット位置の簡略図である。
【
図5】
図1A~
図2Bのシステムとともに使用するための方法の好ましい実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図6】
図1A~
図2Bのシステムおよび
図5の方法とともに使用するための方法の好ましい実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1A~
図6を参照して以下で説明するシステムおよび方法は、好ましくは、半導体デバイスを測定し、半導体デバイスの異なる層間の位置ずれの指標などのその品質メトリックを生成するために使用され、半導体デバイスの製造プロセスの一部であることが理解されよう。
図1A~
図6を参照して以下で説明するシステムおよび方法によって生成される品質メトリックは、好ましくは、半導体デバイスの製造中にリソグラフィなどの製造プロセスを調整して、製造されている半導体デバイスを改善し、たとえば半導体デバイスの様々な層間の位置ずれを改善するために使用される。
【0022】
その上に形成される半導体デバイスの種々の層の空間的位置合わせを含む、半導体デバイスウェハ上に形成される構造の所望の特性を維持するために、半導体デバイスウェハ上に形成される構造の位置ずれおよび形状または寸法等の品質測定参照(基準)は、典型的には、半導体デバイスの製造プロセスを通して複数回測定される。典型的には、半導体デバイスウェハの測定値から生成されるデータは、スポット位置を含む。スポット位置は、計測測定において使用される入射放射のビームが衝突する位置であり、スポット位置は、典型的には、測定される半導体ウェハ上に形成された構造または構造のセットに対する位置である。
【0023】
計測(メトロロジ)測定の品質および有用性を改善するために、30nm超、より好ましくは20nm超、さらにより好ましくは15nm超、最も好ましくは10nm超の精度でスポット位置を提供することが好ましい。本発明は、30nm超、より好ましくは20nm超、さらにより好ましくは15nm超、最も好ましくは10nm超の精度を有するスポット位置を提供しようとするものである。
【0024】
具体的には、本発明では、視野画像内の1つ以上の特徴の位置は、計測ツールによって測定されている少なくとも1つの参照構造上のスポット位置に相関付けられる。本発明の好ましい実施形態では、計測(メトロロジ)ツールは、半導体ウェハ上に形成された構造を測定するために、レーザ光などの概してコヒーレントな入射放射の単一ビームを概して提供することが好ましい。好ましくは、計測ツールは、一般にコヒーレントな入射放射線の単一ビームから視野画像と瞳画像の両方を生成する。当技術分野で知られているように、複数の測定を行うことは、典型的には、製造スループットに影響を及ぼす時間のかかるプロセスであり、所与の時間内に製造され得る半導体デバイスの数を低減する。したがって、入射放射の概して単一のビームから視野画像と瞳画像の両方を生成することは、特に製造スループットに対する計測測定の影響を最小限に抑える方法として有利である。さらに、一般に単一の入射放射線ビームから視野画像と瞳画像の両方を生成することによって、本発明は、瞳画像を生成するために使用されるスポット位置の非常に正確な値を提供する。
【0025】
好ましくは、視野画像はスポット位置を生成するために使用され、瞳画像は品質メトリックを生成するために使用される。本発明の好ましい実施形態では、測定から生成される品質メトリックは、測定によって測定される半導体デバイスウェハの面積に固有であり、スポット位置は、測定によって測定される半導体デバイスウェハの面積を示すので、スポット位置は品質メトリックの生成にも使用される。
【0026】
ここで、計測ツール120を含む計測システム100の第1の実施形態の簡略化された概略図である
図1A、計測ツール120と共に使用するための計測システム110の第2の実施形態の簡略化された概略図である
図1B、及び
図2A及び
図2Bを参照する。それぞれの第1および第2の使用事例における計測ツール120の一部の簡略化された概略図である
図3A~
図3Cは、計測ツール120によって生成される参照構造および対応する視野画像のセット上のそれぞれの第1、第2および第3のスポット位置の簡略化された図であり、
図4A~
図4Cは、計測ツール120によって生成された測定構造および対応する視野画像のセット上のそれぞれの第1、第2および第3のスポット位置の簡略化された図である。
【0027】
理解を容易にするために、
図1A~4Cは縮尺通りに描かれていないことが理解される。
図1Aおよび
図1Bに示される実施形態は、システム100が
図1Aに示される実施形態において計測ツール120を含む点で異なるが、
図1Bに示される実施形態において、システム110は、計測ツール120から分離され、それと通信することがさらに理解される。加えて、計測ツール120によって生成される視野画像は、典型的には、グレーレベル強度画像として具現化されるが、
図3A-4Cに示される視野画像は、線図によって表される。
【0028】
計測(メトロロジ)ツール120は、任意の適切な計測ツールとすることができ、最も好ましくは、レーザによって出力される光などの概してコヒーレントな放射を使用して測定出力信号を生成する計測ツールとすることができる。計測ツール120としての使用に適した典型的な計測ツールは、All.TM100またはSpectraShapeTM11kであり、これらは両方とも、Milpitas,米国ジョージア州のKLA Corporationから市販されている。
【0029】
計測ツール120は、好ましくは、半導体デバイスウェハ(SDW)122上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれ、またはSDW122上に形成された少なくとも1つの構造の形状もしくは寸法のうちの少なくとも1つなど、SDW122の品質メトリックを測定するように動作可能である。SDW122は、好ましくは、参照半導体デバイスウェハ(RSDW)または完全もしくは部分的に製造された半導体デバイスウェハ(FPFSDW)として具現化されることが理解される。
【0030】
さらに、本発明の一実施形態では、RSDWおよびFPFSDWのそれぞれは、単一のバッチまたは設計のウェハの一部であり、それらのすべては、同じ製造ステップを受け、単一のバッチまたは設計のウェハ内のすべての他のSDW122上の対応する半導体デバイスと同一であることが意図される半導体デバイスを含むことが理解される。
【0031】
本発明の別の実施形態では、RSDWおよびFPFSDWの各々は、単一のバッチまたは設計のウェハの一部であるが、単一のバッチまたは設計のウェハにおける少なくとも1つのSDW122、最も典型的にはRSDWは、典型的には実験の設計(DOE)ウェハとして、単一のバッチまたは設計のウェハにおける他のSDW122とは意図的に異なって製作される。これは、ウェハの単一のバッチまたは設計において他のSDW122から意図的に変化するパラメータを使用して製作される。
【0032】
特に
図2Aおよび2Bのそれぞれの拡大円Aに見られるように、計測ツール120は、好ましくは、1つ以上のSDW122上の複数の測定部位126を測定する。測定部位126は、任意の適切な形状および寸法を有し得ることが理解される。同様に、SDW122は、その上に任意の適切な分布を有する任意の適切な数の測定サイト126を有し得る。本発明の一実施形態では、測定部位126の少なくともいくつかは、互いに同一またはほぼ同一であることが意図される。本発明の別の実施形態では、測定部位126の少なくともいくつかは、互いに意図的に異なる。
【0033】
計測ツール120によって行われる各メトロロジ測定は、好ましくは、特定の測定部位126を測定し、それによって測定部位126に関するメトロロジ測定データを生成し、計測ツール120によって生成された位置ずれ測定データを分析し、それによって測定部位126の少なくとも1つの品質メトリックを生成することを含むことが理解される。本発明の好ましい実施形態では、品質メトリックは、FPFSDW122上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれの指標であり、特に、その間の位置ずれが測定部位126で測定された層の位置ずれ値である。本発明のさらなる好ましい実施形態では、品質メトリックは、測定部位126内に形成された1つまたは複数の構造の寸法または形状のうちの少なくとも1つを示す。
【0034】
特に
図1Aおよび1Bに見られるように、システム100およびシステム110の各々は、好ましくは、スポットマップを生成するように動作可能なスポットマップ生成器(SMG)130を含み、スポットマップは、複数の参照視野画像(RFI)132を、RSDW122上に形成された少なくとも1つの参照構造136上の対応する複数の参照スポット位置(RSL)134に相関させる。各測定部位126は、任意の数、形状、サイズおよび配置の参照構造136を含み得ることが理解される。
] 特に
図2Aに見られるように、計測ツール120は、好ましくは、第1の放射線源142によって提供される入射放射140を使用してRSDW122を測定し、それによってRFI132を生成する。本発明の好ましい実施形態では、第1の放射線源は、レーザ光などの概してコヒーレントな入射放射140を提供する。入射放射140は、好ましくはRSDW122に入射し、RSDW122によっても反射されることが理解される。RSDW122によって反射された後、入射放射140は、本明細書では反射放射144と呼ばれる。
【0035】
本発明の一実施形態では、複数のRFI132は、典型的には、SDW122のフィールド画像を収集するように調整される、専用ターゲット獲得(TA)レセプタ146によって収集される反射放射144によって生成される。本発明の代替実施形態では、複数のRFI132は、S瞳レセプタ148によって収集された反射放射144によって生成される。本発明のさらに別の代替実施形態では、複数のRFI132は、P瞳レセプタ150によって収集された反射放射144によって生成される。
【0036】
計測ツール120の典型的な使用事例では、S瞳レセプタ148およびP瞳レセプタ150は、SDW122の視野画像ではなく瞳画像を収集することが理解される。S瞳レセプタ148またはP瞳レセプタ150が反射放射144を収集してRFI132を生成するために使用される上述の実施形態では、計測ツール120は、好ましくは、レンズなどの少なくとも1つの瞳画像対視野画像(PIFI)光学構成要素152または154をそれぞれ含む。反射放射144が、それぞれS瞳レセプタ148またはP瞳レセプタ150によって収集される前に、PIFI光学構成要素152または154を通過するように配置される。
【0037】
好ましくは、PIFI光学構成要素152は、2つの動作配向、すなわち、係合動作配向および非係合動作配向を有し、したがって、S瞳レセプタ148は、それぞれ、放射線を収集し、視野画像または瞳画像を生成する。同様に、PIFI光学構成要素154は、好ましくは、2つの動作配向、すなわち、係合動作配向および非係合動作配向を有し、したがって、P瞳レセプタ150は、それぞれ、放射線を収集し、視野画像または瞳画像を生成する。
【0038】
本発明の好ましい実施形態では、計測ツール120は、追加の光学構成要素156をさらに含み、その少なくともいくつかは、入射放射140および反射放射144を所望に応じて方向付けるように動作可能である。
【0039】
上述のように、特に
図3A~
図4Cに見られるように、概してコヒーレントな入射放射140は、本明細書ではRSL134などのスポット位置と呼ばれる測定部位126の特定の領域に入射する。当然のことながら、入射放射140が当たる特定の領域は、参照構造136に対して任意の適切な形状及びサイズを有し得る。
【0040】
図3A~
図3Cにさらに見られるように、RFI132は、好ましくは、少なくとも1つの特徴158を含む。RFI132内の少なくとも1つの特徴158の位置は、少なくとも1つの参照構造136上のRSL134の関数としてシフトすることが理解される。
【0041】
例として、
図3Aに示すRSL134は、参照構造136の概して左側の領域に位置するRSL162として具現化され、対応するRFI164は、位置168における特性特徴166及び位置174における特性特徴172などの特性特徴158を含む。
図3Aに見られるように、そこに示される例では、位置168は、40ピクセルよりもわずかに小さい垂直軸に沿った値を有する。同様に、位置174は、20ピクセルよりもわずかに大きい水平軸に沿った値を有する。
【0042】
対照的に、
図3Bに示される例では、RSL134は、参照構造136の概して右向きの領域に位置するRSL182として具現化され、対応するRFI184は、位置188における特性特徴186及び位置194における特性特徴192などの特性特徴158を含む。
図3Bに見られるように、そこに示される例では、位置188は、40ピクセルよりもわずかに大きい垂直軸に沿った値を有する。同様に、位置194は、水平軸に沿って20ピクセルよりわずかに小さい値を有する。
【0043】
位置168及び188は異なるが、特徴166及び特徴186は同じ特徴として認識可能であることが理解される。同様に、位置174及び194は異なるが、特徴172及び特徴194は同じ特徴であると認識可能である。
【0044】
図3Cに示される例では、RSL134は、参照構造136の略中央領域に位置するRSL212として具現化され、
図3Aに示されるRFI164と略同一の対応するRFI214は、位置218における特性特徴216及び位置224における特性特徴222などの特性特徴158を含む。RSL162および212は異なるが、それぞれの特徴168および218の位置166および216は、それぞれの特徴172および222の位置174および224と同様に、概して同一であることに留意されたい。
【0045】
図3A~
図3Cに示す実施形態では、参照構造136は、周期性の軸230に沿って周期的である複数の周期構造を含むことが理解される。
図3AのRSL162および
図3CのRSL212は、参照構造136上の異なる位置を有するが、RSL162およびRSL212はそれぞれ、参照構造136の周期性の同じ点に現れることがさらに理解される。RSL162とRSL212との間のこの周期的な共通性は、RFI164とRFI214との間の強い類似性をもたらす。
【0046】
同様に、本発明のスポットマップは、周期軸230に概ね平行な軸に沿って単一の位置を有し、周期軸230に概ね垂直な軸に沿って異なる位置を有する複数のRSL134をグループ化することが好ましい。したがって、周期軸230に概ね垂直な軸に沿った位置のみが異なるが、周期軸230に概ね平行な軸に沿った位置を共有する複数のRSL134は全て、そのようなRSL134のセット内の各RSL134が参照構造136の縁部まで又はそれを超えて延在しない場合、SMG130によって単一のスポット位置にマッピングされる。
【0047】
RFI132に加えて、各RSL134について、トレーニングフィールド画像(TFI)(図示せず)が生成される。典型的には、RFI132は、第1の解像度または複数の解像度によって特徴付けられ、TFIは、第2の解像度または複数の解像度によって特徴付けられ、第2の解像度または複数の解像度は、第1の解像度または複数の解像度よりも良好な品質である。
【0048】
好ましくは、TFIは、計測ツール120およびSDW122がRFI132の生成と同じ相対位置にある間に、計測ツール120によって生成される。最も好ましくは、各RSL134について、RFI132およびTFIは連続的に生成される。本発明の特定の特徴は、RFI132は、好ましくは、第1の放射線源142からの入射放射140を用いて取得された測定値から生成され、TFIは、好ましくは、第2の放射線源242を用いて取得された測定値から生成されることである。好ましくは、第2の放射線源242は、1つ以上の発光ダイオード(LED)からの光等の概してインコヒーレントな入射放射246を提供する。入射放射246は、好ましくはRSDW122に入射し、RSDW122によっても反射されることが理解される。RSDW122によって反射された後、入射放射246は、本明細書では反射放射248と呼ばれる。
【0049】
特に
図2Bに見られるように、本発明の一実施形態では、TFIは、専用ターゲット獲得レセプタ146によって収集された反射放射248によって生成される。本発明の代替実施形態では、TFIは、S瞳レセプタ148によって収集された反射放射248によって生成される。本発明のさらに別の代替実施形態では、TFIは、P瞳レセプタ150によって収集された反射放射248によって生成される。
【0050】
S瞳レセプタ148またはP瞳レセプタ150がTFIを生成するために反射放射248を収集するために使用される実施形態では、計測ツール120は、好ましくは、反射放射248がそれぞれS瞳レセプタ148またはP瞳レセプタ150によって収集される前にPIF1光学構成要素152または154を通過するように配置された、レンズなどの少なくとも1つのPIF1光学構成要素152または154をそれぞれ含む。さらに、光学コンポーネント156の少なくともいくつかは、望み通りに入射放射246および反射放射248を方向付けることが好ましいことが理解される。
【0051】
好ましくは、SMG130は、少なくとも1つの参照構造136上の複数のRSL134の各々について、第1の放射線源142を使用して少なくとも1つの参照構造136の第1の測定値からRFI132を受信し、第2の放射線源242を使用して少なくとも1つの参照構造136の第2の測定値からTFIを受信することによって、スポットマップをポピュレートする。SMG130は、好ましくは、TFIに少なくとも部分的に基づいて、対応するRSIを識別する。少なくとも1つの参照構造136上の134は、次いで、対応するRSL134をRFI132に関連付けることによってスポットマップをポピュレートする。
【0052】
スポットマップは、とりわけ、画像処理および教師ありまたは教師なし機械学習を含む、任意の好適な方法を使用して投入されてもよい。そのような好適な方法の例としては、ブロブ(blob)検出、パターン認識、及び非線形画像登録が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明の好ましい実施形態では、計測ツール120は、専用トレーニング手順中にRSDW122を測定し、その間に、対応するRFI132およびTF1が、参照構造136上の複数のRSL134に対して生成される。次いで、RSL134の比較的高い精度の値がTF1の各々について生成され、RSL134のその値が、対応するRFI132の対応するRSL134であるとみなされ、スポットマップがそれによってポピュレートされる。
【0054】
好ましくは、スポットマップは、測定部位126における参照構造136のための全ての好適なRSL134を含む。所与の範囲内の任意の組のRSL134について、所与の範囲は、好ましくは30nm未満、より好ましくは20nm未満、さらにより好ましくは15nm未満、最も好ましくは10nm未満であるが、対応する組のRFI132のRFI132は、概して互いに区別できないことが理解される。したがって、スポットマップに全ての適切なRSL134を含めるために、参照構造136の全長は、好ましくは所与の範囲によって分割され、多数の結果として生じる領域を生成し、計測ツール120は、好ましくは、結果として生じる領域の各々において少なくとも1つのRSL134を測定する。したがって、計測ツール120は、SMG130が参照構造136のためのあらゆる可能な適切なRFI132を含むスポットマップを生成するために、有限数の測定を行うことが理解される。
【0055】
システム100およびシステム110の各々は、好ましくは、SMG130によって生成されたスポットマップを使用して、複数の測定フィールド画像(MFI)432の各々を、FPFSDW122上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造436上の対応する測定スポット位置(MSL)434と相関させるように動作可能なフィールド画像-位置マッピングエンジン(FILME)240をさらに含む。好ましくは、FILME240は、各MFI432をSMG230によって生成されたスポットマップからの対応するRFI132と照合することによって、MFI432をMSL434と相関させる。その上で、FILME240は、好ましくは、そのRFI132に対する対応するRSL134の値をスポットマップから検索し、RSL134の値を、そのMFI432に対応するMSL434に対する適切な値として識別する。
【0056】
FILME240またはSMG130などのシステム100またはシステム110の構成要素は、プロセッサを使用して動作することができる。プロセッサは、任意の適切な方法でシステム100、システム110、又は計測ツール120の構成要素に結合されて、出力を受信することができる。プロセッサは、出力を使用していくつかの機能を実行するように構成され得る。プロセッサは、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って構成することができる。プロセッサは、実際には、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組合せによって実装され得る。また、本明細書で説明されるようなその機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、または異なる構成要素の間で分割されてもよく、その各々は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって順に実装されてもよい。プロセッサが様々な方法および機能を実装するためのプログラムコードまたは命令は、可読記憶媒体に記憶され得る。
【0057】
FILME240、SMG130、他のシステム、または本明細書に説明される他のサブシステムは、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々のシステムの一部であってもよい。サブシステムまたはシステムは、並列プロセッサなど、当技術分野で知られている任意の適切なプロセッサも含み得る。加えて、サブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するプラットフォームを含んでもよい。
【0058】
例えば、
図4Aに示されるMFI432は、好ましくは、SMG130によって生成されるスポットマップから、FILME240によって、
図3Bに示される対応するRFI184と整合される、MFI462として具現化される。その後、FILME240は、好ましくは、スポットマップからRFI184の対応するRSL182をさらに検索し、RSL182の値をMFI462に対応するMSL464の適切な値として識別する。
【0059】
好ましくは、FILME240がMFI132のうちの1つをスポットマップ内のRFI132にマッチングできない場合、MFI132は、不適切なMSL434に関連付けられると決定され、その測定の結果にフラグが立てられる。その後、ユーザは、フラグが立てられた結果を無視または重み付けすべきかどうか、および不適切なMSL434の測定を反復すべきかどうかを決定することが好ましい。
【0060】
例えば、
図4Bに示されるMFI432は、好ましくは、FILME240によって、SMG130によって生成されるスポットマップ内の対応するRFI132と整合されない、MFI472として具現化される。したがって、MFI472は、好ましくは、MSL474などの不適切なMSL434に関連付けられると決定され、MFI472を生成した測定結果は、ユーザフォローアップのためにフラグが立てられる。
【0061】
同様に、
図4Cに示されるMFI432は、好ましくは、FILME240によって、SMG130によって生成されるスポットマップ内の対応するRFI132と整合されない、MFI482として具現化される。したがって、MFI482は、好ましくは、MSL484などの不適切なMSL434に関連付けられると決定され、MFI482を生成した測定結果は、ユーザフォローアップのためにフラグが立てられる。
【0062】
FPFSDW構造436は、
図3A~
図3Cの周期軸230に対応する周期軸490に沿って周期的である複数の周期構造を含むことが理解される。本発明の好ましい実施形態では、RSL134及びMSL434の各々は、周期軸230又は490に概ね平行な方向の距離を示すことが理解される。
【0063】
図4Bに示される例のような本発明の追加の実施形態では、MSL434は、周期性の軸490に概ね垂直な方向の距離を示す。より具体的には、MSL434は、入射放射140が衝突する特定の領域がFPFSDW構造436内に完全には含まれていないことを示す。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、複数のMFI432は、第1の放射線源142による照明下で取得されるFPFSDW122のそれぞれの測定によって生成される。より具体的には、MFI432は、好ましくは、RFI132が生成されるのと同じ条件下で生成される。
【0065】
したがって、RFI132が専用ターゲット獲得(TA)レセプタ146によって収集された反射放射144によって生成される場合、MFI432も専用TAレセプタ146によって収集された反射放射144によって生成される。同様に、RFI132が、S瞳レセプタ148によって収集された反射放射144によって生成される場合、MFI432もまた、専用S瞳レセプタ148によって収集された反射放射144によって生成される。加えて、RFI132が、P瞳レセプタ150によって収集された反射放射144によって生成される場合、MFI432もまた、専用S瞳レセプタ148によって収集された反射放射144によって生成される。同様に、PIF1光学構成要素152または154がRFI132の生成中に係合動作配向にある場合、そのPIF1光学構成要素152または154は、MFI432の生成中に係合動作配向にある。
【0066】
好ましくは、MFI432の生成のための反射放射144の収集と同時に、計測ツール120は、S瞳レセプタ148またはP瞳レセプタ150のいずれかを用いて反射放射144をさらに収集し、それによって、FPFSDW122上に形成された少なくとも1つの構造の瞳画像436を生成する。好ましくは、少なくとも1つの構造436は、少なくとも1つの構造136と同一またはほぼ同一である。S瞳レセプタ148による瞳画像の生成中、PIFI光学系152は、非係合動作配向にあることが理解される。同様に、P瞳レセプタ150による瞳画像の生成中、PIFI光学系154は、非係合動作配向にある。
【0067】
S瞳レセプタ148がMFI432を生成するために使用される実施形態では、P瞳レセプタ150が瞳画像を生成するために使用されることが理解される。逆に、P瞳レセプタ150がMFI432を生成するために使用される実施形態では、S瞳レセプタ148が瞳画像を生成するために使用される。
【0068】
好ましくは、システム100およびシステム110の各々は、MSL434およびFPFSDW122上に形成された少なくとも1つの構造の対応する瞳画像を使用して、FPFSDW122の品質メトリックを生成するように動作する。「FPFSDW122上に形成された少なくとも1つの構造」は、本明細書では「少なくとも1つのFPFSDW構造」および「測定構造」とも称されることが理解される
【0069】
ここで
図5を参照すると、これは、システム100およびシステム110のそれぞれとともに使用するための、FPFSDW122を測定するための方法500を示す簡略化されたフローチャートである。上述したように、方法500は、半導体デバイスの製造プロセスの一部であることが好ましい。方法500の図示された部分は、典型的には、SDW122上の少なくとも1つの層の形成後、より典型的には、少なくとも2つの層の形成後に始まることが理解される。
【0070】
好ましくは、方法500の開始前に、
図1A~
図3Cを参照して上述したように、スポットマップがSMG130によって生成され、それによって、RFI132を、RSDW122上に形成された少なくとも1つの参照構造136上の対応する複数のRSL134に相関させ、スポットマップが第1のステップ502で提供される。
【0071】
次のステップ504において、
図1A~
図4Cを参照して上述したように、計測ツール120は、好ましくは、FPFSDW122上に形成された少なくとも1つのFPFSDW構造436の少なくとも一部を測定し、それによって、少なくとも1つのFPFSDW構造436の少なくとも一部のMFI432と、少なくとも1つのFPFSDW構造436の少なくとも一部の瞳画像との両方を生成する。上記により詳細に説明されるように、本発明の一実施形態では、MFI432は、専用TAレセプタ146を使用して生成される。本発明の別の実施形態では、MFI432は、瞳レセプタ、好ましくは、上記でより詳細に説明されるように、S瞳レセプタ148およびP瞳レセプタ150のうちの1つを使用して生成される。
【0072】
図4A~
図4Cを特に参照して上述したように、次のステップ506において、FILME240は、好ましくは、ステップ504で生成されたMFI432およびステップ502で提供されたスポットマップを使用して、少なくとも1つのFPFSDW構造436上のMSL434を識別する。本発明の一実施形態では、上記でより詳細に説明したように、少なくとも1つのFPFSDW構造136は、周期軸490に沿って周期的である複数の周期構造を含み、ステップ506で識別されるMSL434は、周期軸490に概ね平行な方向の距離を示す。同様に、そのような実施形態では、RSL132はそれぞれ、周期軸230に対して概ね平行な方向の距離を示す。
【0073】
次のステップ508において、MSL434が品質メトリックの生成における使用に適しているか否かを確認するための判定が行われる。典型的には、適切なMSL434は、ステップ502で提供されるスポットマップ内のRFI132に適切にマッチングされ得る対応するMFI432を有するMSL434である。逆に、不適切MSL434または不適切MSL434は、典型的には、ステップ502で提供されるスポットマップ内のRFI132に適切に整合することができない、対応するMFI432を有するMSL434である。
【0074】
本発明の一実施形態では、MSL434が適切でない場合、例えば、MSL434が
図4Bおよび
図4CのMSL474または484としてそれぞれ具現化される場合、方法500は、ステップ504に戻り、少なくとも1つの追加のMSL434についてステップ504および506を繰り返す。代替として、上記でより詳細に説明されるように、MSL434が適切でない場合、次いで、ステップ504で取得された測定の結果は、ユーザが検討するためにフラグが立てられ、方法500は、次のステップ510に進む。
【0075】
MSL434が適切である場合、例えば、MSL434が
図4AのMSI464として具現化される場合、次のステップ510において、MSL434においてステップ504において生成された瞳画像を使用して計算される品質メトリックが、ステップ506において識別されたMSL434に基づく調整を必要とするかどうかの決定が行われる。調整が必要とされない場合、次のステップ512で、ステップ504で生成された瞳画像およびステップ506で識別されたMSL434を使用して、FPFSDW122の品質メトリックが生成される。ステップ510において、調整が必要とされることが確認された場合、次のステップ514において、ステップ504において生成された瞳画像、ステップ506において識別されたMSL434、および適切な調整を使用して、FPFSDW122の調整された品質メトリックが生成される。
【0076】
例えば、参照構造136の測定値は、1nm/1μmの位置ベースのノイズを含む位置ずれ値を生成することが知られており、1μmは、参照点からのスポット位置のシフトを表す。そのような場合、ステップ504で生成された瞳画像に基づく計算が、典型的には、1nmの位置ずれ値を生成し、ステップ506で識別されたMSL434が、参照点から0.1μmのシフトを示す場合、ステップ514において、(0.1μm)*(1nm/1μm)の調整が、1nmの位置ずれ値に適用される。そして、方法500は、1nmの位置ずれを生成するステップ504で生成された瞳孔画像と、0であるステップ506で特定されたMSL434の適切な調整とに基づいて、1.1nmの調整された位置ずれ値を提供し、これは0.1nmである。
【0077】
上述したように、本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの品質メトリックは、FPFSDW122上に形成された少なくとも2つの層間の位置ずれの指標であり、特に、測定部位126において位置ずれが測定された異なる層についての位置ずれ値である。本発明のさらなる好ましい実施形態では、品質メトリックは、測定部位126内に形成された1つまたは複数の構造の寸法または形状のうちの少なくとも1つを示す。
【0078】
上述したように、本発明の好ましい実施形態では、ステップ512または514で生成された品質メトリックは、半導体デバイスウェハの製造プロセスで使用される。本発明の一実施形態では、ステップ512または514で生成された品質メトリックは、製造パラメータの調整されたセットを生成するために使用され、製造パラメータの調整されたセットは、半導体デバイスウェハの少なくとも1つの層を製造し、それによって少なくとも1つの特性を改善するために使用される。そのようなものは、その層間の位置ずれ、または測定部位126内に形成された1つ以上の構造の寸法もしくは形状の少なくとも1つである。本発明の別の実施形態では、ステップ512または514で生成された品質メトリックは、SDW122の層間の位置ずれ、または測定部位126内に形成された1つ以上の構造の寸法もしくは形状のうちの少なくとも1つなどのSDW122の少なくとも1つの特性が所定の許容範囲内にあることを決定するために使用され、その製作は、方法500による調整なしで継続する。
【0079】
ここで、方法500のステップ502で提供されるスポットマップの生成の好ましい実施形態を示す簡略化されたフローチャートである
図6を参照する。好ましくは、
図6に示すステップは、少なくとも1つの参照構造136上の複数の位置、好ましくはRSL132の各々に対して実行される。
【0080】
第1のステップ602において、計測ツール120は、好ましくは、第1の放射線源142を使用して、少なくとも1つの参照構造136の第1の測定値からRFI132を生成する。ステップ602で生成されるRFI132は、複数のRFI132のうちの1つであることが理解される。上記により詳細に説明したように、本発明の好ましい実施形態では、第1の放射線源142は、好ましくは、概してコヒーレントな放射140を提供する。
【0081】
次のステップ604において、計測ツール120は、好ましくは、第2の放射線源242を使用して、少なくとも1つの参照構造136の第2の測定値からTFIを生成する。上記でより詳細に説明したように、第2の放射線源242は、好ましくは、概してインコヒーレントな光を提供する。加えて、上記でより詳細に説明されるように、TFIは、ステップ602において、計測ツール120およびSDW122がRFI132の生成と同じ相対位置にある間に、計測ツール120によって生成される。最も好ましくは、各RSI134についてである。ステップ602および604は連続して実行される。しかしながら、本発明の別の好ましい実施形態では、ステップ604は、RSL134のいくつか又は全てについてステップ602に先行する。
【0082】
次のステップ606において、SMG130は、好ましくは、ステップ604で生成されたTFIに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの参照構造136上の対応するRSL134を識別する。ステップ606で識別される対応するRSL134は、複数のRSL134のうちの1つであることが理解される。
【0083】
次のステップ608において、SMG130は、好ましくは、ステップ606で識別された対応するRSL134をステップ602で生成されたRFI132に関連付けることによってスポットマップをポピュレートする。スポットマップは、とりわけ、画像処理および教師ありまたは教師なし機械学習を含む、任意の好適な方法を使用して投入され得ることを理解されたい。そのような好適な方法の例としては、ブロブ(blob)検出、パターン認識、及び非線形画像登録が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
好ましくは、ステップ602,604,606及び608は、測定部位126における参照構造136のための全ての適切なRSL134を含む複数のRSL134に対して繰り返される。
【0085】
所与の範囲内の任意の組のRSL134について、所与の範囲は、好ましくは30nm未満、より好ましくは20nm未満、さらにより好ましくは15nm未満、最も好ましくは10nm未満であるが、対応する組のRFI132のRFI132は、概して互いに区別できないことが理解される。したがって、全ての適切なRSL134をスポットマップに含めるために、参照構造136の全長は、好ましくは所与の範囲によって分割され、多数の結果として生じる領域を生成し、計測ツール120は、好ましくは、結果として生じる領域の各々において少なくとも1つのRSL134を測定する。したがって、計測ツール120は、SMG130が参照構造136のためのあらゆる可能な適切なRFI132を含むスポットマップを生成するために、有限数の測定を行うことが理解される。
【0086】
本明細書で開示されるシステムおよび方法の様々なステップ、機能、および/または動作は、以下のうちの1つまたは複数によって実行され得る:電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログもしくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、またはコンピューティングシステム。本明細書で説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令は、キャリア媒体を介して伝送されるか、またはキャリア媒体上に記憶されてもよい。キャリア媒体は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、不揮発性メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープなどの記憶媒体を含み得る。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤレス伝送リンクなどの伝送媒体を含み得る。たとえば、本開示全体にわたって説明される様々なステップは、単一のプロセッサによって、または代替的に複数のプロセッサによって実行され得る。さらに、システムの異なるサブシステムは、1つ以上のコンピューティングまたは論理システムを含んでもよい。したがって、上記の説明は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0087】
当業者は、本発明が、上記に具体的に示され記載されたものに限定されないことを理解するであろう。本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびにそれらの修正を含み、それらのすべては先行技術にはない。