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特許7547872機器、情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】機器、情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240903BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240903BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 127A
G06F3/12 322
G06F3/12 338
B41J29/38 203
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020146618
(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2022041429
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】南 広一郎
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証済みの機器の利用者から前記機器が有する設定項目の検索要求を受け付ける検索受付部と、
認証済みの前記利用者の設定項目の権限情報に基づいて、前記検索要求に対する検索結果から前記機器の表示部に表示する前記設定項目を判定する判定部と、
前記判定部によって前記機器の表示部に表示すると判定された前記設定項目を前記機器の表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記判定部は認証済みの前記利用者の権限情報と前記機器の構成情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示する前記設定項目を判定する機器。
【請求項2】
前記判定部は、認証済みの前記利用者の権限情報と前記機器の構成情報と認証済みの前記利用者が契約しているアプリ情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示する前記設定項目を判定する請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記利用者の権限情報は、前記設定項目を参照することが可能な権限および前記設定項目を編集することが可能な権限を有する請求項1又は2記載の機器。
【請求項4】
前記利用者は利用者固有の権限情報に加えて、1以上の利用者で構成されるグループに対して付与される権限情報を有する請求項1乃至の何れか一項に記載の機器。
【請求項5】
情報処理装置と、前記情報処理装置にネットワークを介して接続される機器とを含む情報処理システムであって、
前記機器は、
認証済みの前記機器の利用者から前記機器が有する設定項目の検索要求を受け付ける検索受付部と、
前記検索要求を前記情報処理装置に対して送信する第1の送信部と、
前記情報処理装置から前記検索要求に対する検索結果を受信する第1の受信部と、
認証済みの前記利用者の設定項目の権限情報に基づいて、前記検索結果から選択された前記設定項目を前記機器の表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記機器から設定項目の前記検索要求を受信する第2の受信部と、
前記検索要求に対する検索結果を生成する生成部と、
前記検索結果を前記機器に送信する第2の送信部と、を備える、
情報処理システム。
【請求項6】
認証済みの機器の利用者から前記機器が有する設定項目の検索要求を受け付ける検索受付手順、
認証済みの前記利用者の設定項目の権限情報に基づいて、前記検索要求に対する検索結果から前記機器の表示部に表示する前記設定項目を判定する判定手順、
前記判定手順によって前記機器の表示部に表示すると判定された前記設定項目を前記機器の表示部に表示させる表示制御手順、
を前記機器に実行させ
前記判定手順は認証済みの前記利用者の権限情報と前記機器の構成情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示する前記設定項目を判定するプログラム。
【請求項7】
機器とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記機器から設定項目の検索要求および前記機器の利用者の識別情報を受信する第2の受信部と、
前記検索要求に対する検索結果を生成する生成部と、
前記識別情報に対応する前記利用者の設定項目の権限情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示させる前記設定項目を判定する判定部と、
前記判定部によって、前記検索結果から前記機器の表示部に表示させると判定された前記機器の表示部に表示させる前記設定項目を前記機器に送信する第2の送信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項8】
前記第2の受信部は、更に前記機器の構成情報を受信し、
前記判定部は前記利用者の権限情報と前記機器の構成情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示させる前記設定項目を判定する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記利用者の権限情報と前記機器の構成情報と前記利用者が契約しているアプリ情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示させる前記設定項目を判定する請求項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機等の画像形成装置の中には、設定項目を検索するための検索機能を有する機器が有る。
【0003】
検索機能とは、画像形成装置が有する各種の設定項目を検索する機能をいう。ユーザ又はサービスマンは、画像形成装置の設定値を変更する際に、検索機能を利用することで、当該画像形成装置で変更したい設定項目を探すことができる。
【0004】
ユーザが入力した検索入力情報及び画像形成装置から得られた装置情報に対し、サーバ装置記憶部又はサーバ装置に記憶された提示情報から、ユーザに提示すべき提示情報及びその提示順を決定して提示する技術が考案されている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置などの機器の設定項目には、特定の利用者が閲覧権限などの権限を持つ設定項目が含まれている場合がある。
【0006】
しかし、従来技術では、すべての利用者に対して検索の結果を表示するため、権限を持たない利用者であっても設定項目の検索の結果を閲覧できるという問題があった。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたものであって、利用者の権限情報に基づいた検索結果を機器に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで上記課題を解決するため、機器は、認証済みの機器の利用者から機器が有する設定項目の検索要求を受け付ける検索受付部と、認証済みの利用者の設定項目の権限情報に基づいて、検索要求に対する検索結果から機器の表示部に表示する設定項目を判定する判定部と、判定部によって機器の表示部に表示すると判定された設定項目を機器の表示部に表示させる表示制御部と、を有し、前記判定部は認証済みの前記利用者の権限情報と前記機器の構成情報に基づいて、前記検索結果から前記機器の表示部に表示する前記設定項目を判定する。
【発明の効果】
【0009】
利用者の権限情報に基づいた検索結果を機器に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施の形態における画像形成装置200のハードウェア構成例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるサーバ300のハードウェア構成例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置200およびサーバ300の機能構成例を示す図である。
図5】認証情報記憶部に含まれる利用者の権限情報の構成例を示す図である。
図6】認証情報記憶部に含まれる契約アプリ情報の構成例を示す図である。
図7】認証情報記憶部に含まれる設定項目の権限情報の構成例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態において設定項目の検索を実行する際の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の第1の実施形態において権限のある設定項目を判定する際の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図10】画像形成装置200の表示部で表示される検索を実行する前の画面例を示す図である。
図11】画像形成装置200の表示部で表示される検索を実行した後(権限あり)の画面例を示す図である。
図12】画像形成装置200の表示部で表示される検索を実行した後(権限なし)の画面例を示す図である。
図13】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置200およびサーバ300の機能構成例を示す図である。
図14】本発明の第2の実施形態において設定項目の検索を実行する際の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示されているように、情報処理システムは、画像形成装置200と、サーバ300とを有する。
【0012】
画像形成装置200は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびファックス機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機であり、利用者が設定項目の検索を行う機器の一例である。画像形成装置200は、インターネット、公衆回線または専用線等の少なくともいずれかによって構成された通信ネットワーク100を介して、サーバ300と通信が可能となっている。なお、通信ネットワーク100は、有線ネットワークだけでなく、無線ネットワークが含まれているものとしてもよい。
【0013】
サーバ300は、画像形成装置200から送信された検索の要求に対して設定項目の検索を行い、通信ネットワーク100を介して、画像形成装置200に検索の結果を送信するサーバ装置である。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置200のハードウェア構成例を示す図である。図2に示されているように、画像形成装置200は、コントローラ210、近距離通信回路220、エンジン制御部230、操作パネル240、ネットワークI/F250を備えている。
【0015】
これらのうち、コントローラ210は、コンピュータの主要部であるCPU201、システムメモリ(MEM-P)202、ノースブリッジ(NB)203、サウスブリッジ(SB)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)206、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)207、HDDコントローラ208、及び、記憶部であるHD209を有し、NB203とASIC206との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス221で接続した構成となっている。
【0016】
これらのうち、CPU201は、画像形成装置200の全体制御を行う制御部である。NB203は、CPU201と、MEM-P202、SB204、及びAGPバス221とを接続するためのブリッジであり、MEM-P202に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0017】
MEM-P202は、コントローラ210の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM202a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM202bとからなる。なお、RAM202bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0018】
SB204は、NB203とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC206は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス221、PCIバス222、HDD208およびMEM-C207をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC206は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC206の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C207を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部231及びプリンタ部232との間でPCIバス222を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC206には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0019】
MEM-C207は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD209は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD209は、CPU201の制御にしたがってHD209に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス221は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0020】
また、近距離通信回路220には、近距離通信回路220aが備わっている。近距離通信回路220は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0021】
更に、エンジン制御部230は、スキャナ部231及びプリンタ部232によって構成されている。また、操作パネル240は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部240a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル240bを備えている。コントローラ210は、画像形成装置200全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル240からの入力等を制御する。スキャナ部231又はプリンタ部232には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0022】
なお、画像形成装置200は、操作パネル240のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0023】
また、ネットワークI/F250は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路220及びネットワークI/F250は、PCIバス222を介して、ASIC206に電気的に接続されている。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態におけるサーバ300のハードウェア構成例を示す図である。図3に示されているようにサーバ300は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU301、ROM302、RAM303、HD304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F(Interface)308、ネットワークI/F309、バスライン310、キーボード311、ポインティングデバイス312、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ314、メディアI/F316を備えている。
【0025】
これらのうち、CPU301は、サーバ300全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F308は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F309は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン310は、図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0026】
また、キーボード311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス312は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW313に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F316は、フラッシュメモリ等の記録メディア315に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0027】
図4は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置200およびサーバ300の機能構成例を示す図である。
【0028】
図4に示されているように、画像形成装置200は、認証部21、検索受付部22、第1の送信部23、第1の受信部24、判定部25、表示制御部27、認証情報記憶部26等を有する。これら各部は、画像形成装置200にインストールされた1以上のプログラムが、CPU201に実行させる処理により実現される。画像形成装置200は、また、認証情報記憶部26を利用する。認証情報記憶部は、例えば、HD209、又は画像形成装置200にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0029】
認証部21は、画像形成装置200を利用する利用者に対して画像形成装置200の利用を許可するための認証を行う。この時、利用者は、一般利用者や管理者として画像形成装置200にログインする。認証の方法は、ICカード、近距離無線通信、QRコード(登録商標)、ログインIDおよびパスワードによる認証等が考えられるが、これらの態様に限定されるものではない。また、画像形成装置200は通信ネットワーク100を介して利用可能な認証システムがあれば、認証部21の替わりに利用してもよい。この時、また、認証は必ずしも実行される必要は無く、認証を行わなくても画像形成装置200の利用をすることができる構成としてもよい。
【0030】
検索受付部22は、画像形成装置200の操作パネル940の操作画面から利用者による検索語句の入力を受け付ける。検索語句は、複数入力することが可能となっている。
【0031】
第1の送信部23は、画像形成装置200の操作画面において検索開始ボタンが押下されると、画像形成装置200が有する各種機能の設定項目の検索要求を検索語句とともにサーバ300に対して送信する。また、検索要求は検索開始ボタンの押下に応じて行われるのではなく、利用者による検索語句の入力中に行うものとしてもよい。
【0032】
第1の受信部24は、第1の送信部23によって送信された検索要求に基づいて行われた検索結果をサーバ300から受信する。ここでは、検索結果として、設定項目毎に異なるIDである設定項目IDのリストを受信する。
【0033】
判定部25は、第1の受信部24が受信した検索結果から、認証情報記憶部26記憶されている権限情報および契約アプリ情報と、画像形成装置200の構成情報に基づいて画像形成装置200の操作画面に表示する設定項目を判定する。ここで、構成情報とは、機種によって異なる情報または機器によって異なる情報のことである。例えば、機種によって異なる情報は、画像形成装置200で使用できる紙サイズの情報(A3機やA4機)、使用できる色の情報(カラー機やモノクロ機)、その他、機種で異なる情報(広幅機や高速機等)等のことである。また、機器によって異なる情報は、オプション構成の情報(FAXの有無や拡張NICなど)や周辺機(トレイやフィニッシャーやステープラーなど)の情報等、同じ機種であっても構成が異なる情報のことである。
【0034】
表示制御部27は、判定部25において画像形成装置200の操作画面に表示すると判定された設定項目を操作画面に表示する。画像形成装置200の利用者は表示部から、権限に応じた検索結果を確認することができ、権限により閲覧することのできない設定項目が除外された検索結果の設定項目の閲覧および編集をすることができる。
【0035】
認証情報記憶部26には、利用者の権限情報、契約アプリ情報、設定項目の権限情報が記憶されている。それぞれ、図5図7を用いて説明する。
【0036】
図5は、認証情報記憶部26に含まれる利用者の権限情報の構成例を示す図である。図5に示す利用者の権限情報は、利用者ごとに管理者、一般利用者、グループ等の権限と利用者IDが設定される。ここで、利用者IDは、利用者毎に固有のIDとなっており、利用者を識別するための識別情報である。また、利用者IDは、利用者の識別情報の一例である。図5に示す例では、利用者「AAA」は管理者権限が設定されているため、管理者権限が必要な設定項目の閲覧および編集が可能である。また、利用者「BBB」は管理者権限が設定されていないため、一般利用者として扱われる。また、利用者「CCC」はグループ1の権限が設定されているため、グループ1の権限が必要な設定項目の閲覧および編集が可能である。利用者「DDD」は管理者権限およびグループ2の権限が設定されているため、管理者権限が必要な設定項目およびグループ2の権限が必要な設定項目の両方の設定項目の閲覧および編集が可能になる。
【0037】
図6は、認証情報記憶部26に含まれる契約アプリ情報の構成例を示す図である。図6に示す契約アプリ情報は、グループごとに利用できるアプリが設定されている。図6に示す例では、グループ1の権限が設定されている利用者は、配信アプリを利用することができ、グループ2の権限が設定されている利用者は、セキュリティアプリを利用することができる。また、図6に示す例では、契約アプリをグループ毎に設定しているが、利用者毎に設定する構成としてもよい。
【0038】
図7は、認証情報記憶部に含まれる設定項目の権限情報の構成例を示す図である。図7に示す設定項目には項目毎に項目IDが割り当てられ、権限によって閲覧および編集の可否が決められている。また、設定項目が、契約アプリに関係する設定項目である場合には、アプリIDが割り当てられ、契約アプリ情報によって閲覧および編集の可否が決められている。なお、契約アプリに関係しない項目については、アプリIDは割り当てられない。図7に示す例では、権限情報として一般利用者、管理者、グループ1、グループ2、グループ3があり、認証をしてない場合は認証なしとなる。表の「R」は閲覧権限、「W」は編集権限、「-」は権限無しを意味している。例えば、項目名「ネットワーク設定」の設定項目については、管理者に「R」と「W」が設定されているため、管理者の権限情報で閲覧も編集も可能となっているが、それ以外の権限情報では閲覧および編集の両方をすることができない。一方で、項目名「ネットワーク情報」の設定項目については、すべての権限情報で閲覧可能となっているが、編集することができる設定項目ではないため編集権限が設定されていない。また、項目名「配信アプリ」の設定項目については、グループ1の権限情報が設定されている利用者が閲覧および編集の両方が可能となっている。
【0039】
図4に示されているように、サーバ300は、第2の受信部31、生成部32、第2の送信部33等を有する。これら各部は、サーバ300にインストールされた1以上のプログラムが、CPU301に実行させる処理により実現される。
【0040】
第2の受信部31は、画像形成装置200から送信された画像形成装置200が有する各種機能の設定項目の検索要求および検索語句を受信する。
【0041】
生成部32は、サーバ300にあらかじめアップロードされている検索に必要な情報(設定項目名、用語、画面階層、言語等)から検索語句に一致する設定項目の検索を行い、設定項目IDのリストを生成する。
【0042】
第2の送信部33は、生成部32が生成した設定項目IDのリストを画像形成装置200に対して送信する。
【0043】
図8は、本発明の第1の実施形態の情報処理システムにおいて設定項目の検索を実行する際の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0044】
まず、画像形成装置200の利用者は、操作パネル240を介してログイン操作を行うことで認証を行い(S101)、ログイン操作を行った利用者(認証済みの利用者)の権限情報を取得する。認証済みの利用者は探している設定項目についての検索語句の入力を行う(S102)。
【0045】
次いで、検索語句の入力が終了した利用者は、操作画面に表示されている検索開始ボタンを押下する。検索開始ボタンの押下を受け付けた画像形成装置200はサーバ300に対して検索語句に基づいた設定項目の検索要求を送信する(S103)。
【0046】
サーバ300は、検索要求を受信すると(S104)、あらかじめアップロードされている検索に必要な情報が検索語句に一致する設定項目の設定項目IDのリストを生成する(S105)。サーバ300は、生成した設定項目IDのリストを検索要求に対する検索結果として画像形成装置200に送信する(S106)。
【0047】
画像形成装置200は、サーバ300から検索要求に対する検索結果である設定項目IDのリストを受信する(S107)。サーバ300は、受信した設定項目IDに係る設定項目ごとに、ログインしている利用者が権限を有しているか否かを判定する(S108)。権限を有していると判定されなかった設定項目の場合(S108でNo)、当該設定項目の設定項目IDを設定項目IDのリストから除外する。一方で、権限を有していると判定された設定項目の場合(S108でYes)、当該設定項目の設定項目IDを設定項目IDのリストから除外することなくS110へ進む。より、詳細な判定のフローについては、図9を用いて説明する。
【0048】
S108の判定後、画像形成装置200は権限を有しているか否かの判定がすべての設定項目に行われたかを判定する(S110)。最終項目でないと判定された場合(S110でNo)、画像形成装置200はS108に戻り、残りの設定項目についての判定を行う。最終項目であると判定された場合(S110でYes)、画像形成装置200はS111へ進む。
【0049】
画像形成装置200は、ログインしている利用者が権限を有している設定項目を表示する(S111)。これにより、画像形成装置200はサーバ300から検索結果として受信した設定項目のうち、認証済みの利用者が権限を有している設定項目を表示することができる。
【0050】
図9は、本発明の第1の実施形態において利用者が権限を有している設定項目を判定する際の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0051】
判定部25は、図8のS107で検索結果を受信すると、まず、画像形成装置200の構成情報を取得し、受信した設定項目が構成情報に関連する設定項目であるか否かを判定する(S201)。関連する設定項目であると判定されなかった場合、判定部25は当該設定項目を検索結果から除外し(S202)、S203へ進む。例えば、FAX機能が搭載されていない機種においては、FAXに関連する設定項目は検索結果から除外される。関連する設定項目であると判定された場合、判定部25はS203へ進む。
【0052】
次いで、判定部25は、受信した設定項目が、利用者が閲覧権限を有している設定項目かを判定する(S203)。閲覧権限のある設定項目であると判定された場合、判定部25は当該設定項目に対して、閲覧権限を付与し(S204)、S206へ進む。一方で、利用者が閲覧権限を有している設定項目であると判定されなかった場合、判定部25は当該設定項目を検索結果から除外し(S205)、S206へ進む。
【0053】
次いで、判定部25は、受信した設定項目が、利用者が編集権限を有している設定項目かを判定する(S206)。編集権限のある設定項目であると判定された場合、判定部25は当該設定項目に対して、編集権限を付与し(S207)、S110へ進む。一方で、利用者が編集権限を有している設定項目であると判定されなかった場合、判定部25は当該設定項目に対して、編集権限は付与せず(S208)、S110へ進む。
【0054】
画像形成装置200は、S110以降について図8に記載のフローと同様の処理を行う。これにより、画像形成装置200は閲覧権限のある利用者に対しては閲覧が可能な設定項目を表示し、編集権限のある利用者に対しては、閲覧および編集が可能な設定項目を表示することができる。
【0055】
なお、図9においては、まず、構成情報に関連する設定項目かを判定し、次いで、閲覧権限のある設定項目かを判定し、最後に、編集権限のある設定項目かを判定しているが、これらの判定の順番は適宜、変更することが可能である。また、図9のS201~S202の処理は省略してもよい。
【0056】
図10は、画像形成装置200の表示部で表示される検索を実行する前の画面例を示す図である。
【0057】
図10に示す例では、画像形成装置200にAAAという利用者でログインしている状態である。図10に示す例では画面1000の中央の検索語句入力欄で検索語を入力することができる。図10では、「ネットワーク」という検索語句が検索語句入力欄に入力されている。検索を開始する前の例であるため、図10の画面1000は件数が0件と表示されている。利用者は画面1000の検索開始ボタンを押すことで画像形成装置200に検索の実行を指示できる。また、利用者は検索を終了したい場合、閉じるボタンを押すことでホーム画面に戻ることができる。
【0058】
図11は、画像形成装置200の表示部で表示される検索を実行した後(権限あり)の画面例を示す図である。図11では、管理者としてログインを行い、検索を実行した場合の画面例を示している。
【0059】
図11に示す例では、操作画面1100の検索語句入力欄の下に3件の設定項目が検索結果として表示される。利用者AAAが「ネットワーク設定」、「無線設定」、「ネットワーク情報」の設定項目の権限を持っているため、操作画面1100には3つの設定項目が検索結果として表示されている。検索の結果、操作画面1100に表示されるのは、設定項目名だけではなく、設定項目名の下位の層である設定値で使われている用語も対象とすることができる。ここで、上位の層である設定項目名でネットワークという用語が利用されている場合は、上位の層でネットワークが利用されている設定項目を優先的に、つまり操作画面1100の上部に表示してもよい。検索結果で表示されている設定項目名を利用者が押下すると画像形成装置200は該当する設定値の画面へと遷移する。図11に示されている画面において、検索語句入力欄に別の検索語を入力して検索開始ボタンを押すことで利用者は再検索の実行を指示できる。
【0060】
図12は、画像形成装置200の表示部で表示される検索を実行した後(権限なし)の画面例を示す図である。図12では、一般利用者としてログインを行い、検索を実行した場合の画面例を示している。
【0061】
図12に示す例では、利用者BBBで画像形成装置200にログインを行ったとき、図11と同様に「ネットワーク」という検索語句を用いて、検索を行っている。しかし、図12に示す例では「ネットワーク情報」という設定項目しか操作画面1200に表示されていない。つまり、利用者AAAでログインした時と比較して操作画面1200には「ネットワーク設定」と「無線設定」の設定項目が検索結果として表示されなくなっている。「ネットワーク設定」と「無線設定」の設定項目が検索結果として表示されない理由は利用者BBBが「ネットワーク設定」と「無線設定」の設定項目の権限を持っていないためである。
【0062】
上述したように、本発明の第1の実施形態によれば、ログインした利用者の認証情報に基づいて、検索が行われた設定項目の権限を認証済みの利用者が有しているか否かが判定される。すなわち、本発明の第1の実施形態によれば、認証済みの利用者の権限情報に基づいて、検索結果の設定項目から画像形成装置200に表示する設定項目を決定することができる。その結果、機器(画像形成装置200)は検索の結果を、権限を有している利用者に対して表示することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態について図13および図14を用いて説明する。以下、第1の実施形態との違う部分についてのみ説明する。
【0064】
図13は、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置200およびサーバ300の機能構成例を示す図である。
【0065】
図13に示されているように、第2の実施形態においては、第1の実施形態で画像形成装置200が有していた判定部25および認証情報記憶部26を、サーバ300が有する構成となっている。
【0066】
図14は、本発明の第2の実施形態の情報処理システムにおいて設定項目の検索を実行する際の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0067】
S101およびS102の処理については、第1の実施形態における図8の処理と同様である。
【0068】
S301では、画像形成装置200は、操作画面において検索開始ボタンが押下されると、画像形成装置200が有する各種機能の設定項目の検索要求を検索語句および画像形成装置200にログインしている利用者の利用者IDおよび画像形成装置200の構成情報をサーバ300に対して送信する。
【0069】
S302では、サーバ300は、画像形成装置200から送信された画像形成装置200が有する各種機能の設定項目の検索要求を検索語句および利用者IDとともに受信する。
【0070】
S105の処理については、第1の実施形態における図8の処理と同様である。
【0071】
S303では、サーバ300は、受信した利用者IDに対応する権限情報を認証情報記憶部26から取得し、取得した権限情報に基づいて、設定項目ごとに、ログインしている利用者が権限を有しているか否かを判定する。
【0072】
S109~S110の処理については、第1の実施形態における図8の処理と同様である。S304では、サーバ300は、判定の結果、画像形成装置200にログインしている利用者が権限を有している設定項目IDのリストを画像形成装置200に対して送信する。
【0073】
S305では、画像形成装置200は、画像形成装置200にログインしている利用者が権限を有している設定項目IDのリストをサーバ300から受信する。
【0074】
S111の処理については、第1の実施形態における図8の処理と同様である。
【0075】
なお、S108における判定のより詳細なフローについては、第1の実施形態における図9の処理と同様である。
【0076】
さらに、本発明の他の実施形態では、ログインしている利用者の権限情報を検索要求とともに画像形成装置200からサーバ300に送信することで、ログインしている利用者が権限を有している設定項目か否かの判定をサーバ300で行うようにしてもよい。
【0077】
上述したように、本発明の第2の実施形態によれば、ログインした利用者の認証情報に基づいて、検索が行われた設定項目の権限を認証済みの利用者が有しているか否かが判定される。すなわち、本発明の第2の実施形態によれば、認証済みの利用者の権限情報に基づいて、検索結果の設定項目から画像形成装置200に表示する設定項目を決定することができる。その結果、機器(画像形成装置200)は検索の結果を、権限を有している利用者に対して表示することができる。
【0078】
また、ログインしている利用者の利用者IDを検索要求とともにサーバ300に送信することで権限を有しているか否かの判定をサーバ300が行うことができる。すなわち、操作画面に表示する設定項目をサーバ300側で決定する。その結果、機器(画像形成装置200)で行われた検索の結果を、権限を有している利用者に対して表示することができるだけでなく、機器(画像形成装置200)の処理の負担を低減することができる。
【0079】
なお、本実施の形態を適用可能な機器は、画像形成装置200に限られない。例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等の情報処理装置に対して本実施の形態が適用されてもよい。
【0080】
また、単一の機器ではなく、複数の機器および情報処理装置を含む情報処理システムに対して本実施の形態が適用されてもよい。この場合、図4に示した各部は、複数の機器および情報処理装置に分散されてもよい。また、他の実施形態として、画像形成装置200とサーバ300を一体とする構成や、サーバ300の少なくとも1つの機能を画像形成装置200に設けた構成としてもよい。
【0081】
なお、サーバ300は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、画像形成装置200は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0082】
また、サーバ300は、クラウドコンピューティングを行う。
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0083】
なお、本実施の形態において、画像形成装置200は、機器の一例である。サーバ300は、情報処理装置の一例である。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
200 画像形成装置
240 操作パネル
240a パネル表示部
240b 操作パネル
300 サーバ
500 利用者の権限情報
600 契約アプリ情報
700 設定項目の権限情報
1000 検索を実行する前の画面例
1100 検索を実行した後(権限あり)の画面例
1200 検索を実行した後(権限なし)の画面例
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【文献】特開2017-097552号公報
図1
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図5
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