(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】シート保持装置、画像形成装置、及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 29/58 20060101AFI20240903BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20240903BHJP
B65H 37/06 20060101ALI20240903BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65H29/58 B
B65H37/04 D
B65H37/04 Z
B65H37/06
B41J2/01 103
B41J2/01 121
B41J2/01 125
B41J2/01 305
(21)【出願番号】P 2020163783
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2020065843
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】藤原 秀彦
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-323239(JP,A)
【文献】特開2011-006193(JP,A)
【文献】特開2000-219358(JP,A)
【文献】特開2012-192685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/58
B65H 37/04
B65H 37/06
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送路から搬入したシートを第2搬送路に搬出するシート保持装置であって、
シート保持筐体と、
所定の間隔を隔てて前記シート保持筐体に支持され、各々が搬入されたシートを保持可能な複数のシート保持部と、
前記複数のシート保持部を1つずつ前記第1搬送路に対面させるとともに、前記複数のシート保持部を1つずつ前記第2搬送路に対面させるように、前記シート保持筐体を移動させる保持筐体移動手段と、
前記第1搬送路に対面する前記シート保持部に、前記第1搬送路から搬送されるシートを搬入する搬入手段と、
前記第2搬送路に対面する前記シート保持部に保持されているシートを、前記第2搬送路に搬出する搬出手段とを備え
、
前記複数のシート保持部は、シートの厚さ方向において、所定の間隔を隔てて前記シート保持筐体に支持され、
前記保持筐体移動手段は、前記厚さ方向に沿って前記シート保持筐体を往復移動させることを特徴とするシート保持装置。
【請求項2】
前記搬入手段は、前記第1搬送路から搬送されるシートを、第1端部を先頭にして前記シート保持部に搬入し、
前記搬出手段は、前記シート保持部に保持されたシートを、前記第1端部と対向する第2端部を先頭にして前記第2搬送路に搬出することを特徴とする請求項1に記載のシート保持装置。
【請求項3】
請求項1
または2に記載のシート保持装置と、
シートに画像を形成する画像形成部とを備え、
前記第1搬送路は、前記画像形成部で表面に画像が形成されたシートを前記シート保持装置に搬入する経路であり、
前記第2搬送路は、前記シート保持装置から搬出されたシートの裏面に画像が形成されるように、前記シートを再度前記画像形成部に導く経路であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置で画像が形成されたシートに後処理を施す後処理装置と、
前記画像形成装置及び前記後処理装置の間でシートを中継する中継装置とを備える画像形成システムであって、
前記中継装置は、
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のシート保持装置を備え、
前記第1搬送路は、前記画像形成装置で画像が形成されたシートを前記シート保持装置に搬送する経路であり、
前記第2搬送路は、前記シート保持装置から搬出されたシートを前記後処理装置に導く経路であることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
前記中継装置は、前記シート保持装置に保持されたシートを乾燥させる乾燥部を備えることを特徴とする請求項
4に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート保持装置、画像形成装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シートに画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置で画像が形成されたシートに後処理を施す後処理装置と、画像形成装置及び後処理装置の間でシートを中継する中継装置とを備える画像形成システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
中継装置は、画像形成装置で画像が形成されたシートを乾燥させて、後処理装置に供給する役割を担っている。そして、特許文献1に記載の中継装置は、2つのスイッチバック経路を交互に使用することによって、スループットの低下を抑えつつ、乾燥時間を確保している。
【0004】
また、特許文献1に記載の画像形成装置は、シートの両面に画像を形成するために、画像形成部によって表面に画像が形成されたシートの表裏を反転させて、再び画像形成部に導くスイッチバック経路を備える。そして、画像形成装置は、表面に画像が形成されたシートを乾燥させるために、スイッチバック経路でシートを所定の時間待機させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の中継装置では、2つのスイッチバック経路の一部が合流しているので、先のシートが排出されるまで次のシートは待機する必要がある。そのため、スループットを維持する効果は限定的である。同様に、特許文献1に記載の画像形成装置では、スイッチバック経路でシートを乾燥させている間は次の処理を待機する必要があるので、スループットが低下する。
【0006】
本発明は、搬送路上を複数のシートが連続して搬送される装置に適用されることによって、当該装置のスループットの低下を抑制しつつ、必要な時間シートを保持することが可能なシート保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、第1搬送路から搬入したシートを第2搬送路に搬出するシート保持装置であって、シート保持筐体と、所定の間隔を隔てて前記シート保持筐体に支持され、各々が搬入されたシートを保持可能な複数のシート保持部と、前記複数のシート保持部を1つずつ前記第1搬送路に対面させるとともに、前記複数のシート保持部を1つずつ前記第2搬送路に対面させるように、前記シート保持筐体を移動させる保持筐体移動手段と、前記第1搬送路に対面する前記シート保持部に、前記第1搬送路から搬送されるシートを搬入する搬入手段と、前記第2搬送路に対面する前記シート保持部に保持されているシートを、前記第2搬送路に搬出する搬出手段とを備え、前記複数のシート保持部は、シートの厚さ方向において、所定の間隔を隔てて前記シート保持筐体に支持され、前記保持筐体移動手段は、前記厚さ方向に沿って前記シート保持筐体を往復移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スループットの低下を抑制しつつ、必要な時間シートを保持することが可能なシート保持装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る画像形成システムの全体概略を示す側面図。
【
図2】画像形成装置(A)及び中継装置(B)のハードウェア構成図。
【
図7】第2実施形態に係るシート保持装置の概略構成図。
【
図8】変形例1に係るシート保持装置22Aの搬送路R
4周辺の拡大図である。
【
図9】変形例2に係るシート保持装置22Bの搬送路R
4周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しつつ第1実施形態に係る画像形成システム1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る画像形成システム1の全体概略を示す側面図である。画像形成システム1は、複数のシートMに連続して画像を形成する。
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10と、中継装置20と、後処理装置30とを主に備える。
【0011】
シート状の媒体としてのシートMは、例えば、紙(用紙)、OHPシート、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチックなど、インクを付着させて画像を形成し、湾曲させて搬送させることが可能なあらゆる媒体を指す。
【0012】
画像形成装置10は、シートMに画像を形成する。より詳細には、画像形成装置10は、シートMの両面(表面、裏面)に画像を形成する。そして、画像形成装置10は、画像を形成したシートMを中継装置20に排出する。画像形成装置10は、複数のシートMを積層した状態で収容するシート収容部としての給紙トレイ11と、シート給紙搬送部としての搬送部12と、分岐部としてのフラップ13と、画像形成部14と、シート保持部としてのシート保持装置15とを主に備える。
【0013】
搬送部12は、給紙トレイ11に収容されたシートMを給紙し、画像形成装置10の内部に設けられた搬送路R1、R2、R3に沿って搬送する。搬送部12は、給紙手段としての給紙ローラ12aと、搬送手段としての複数のローラ対12b、12c、12d、12e、12f、12gと、各ローラを駆動するモータとを有する。給紙ローラ12aは、給紙トレイ11の一番上のシートMに当接して回転することによって、当該シートMを搬送路R1に供給する。ローラ対12b~12gは、シートMを挟持して回転することによって、当該シートMを搬送方向に搬送する。
【0014】
搬送路R1は、給紙トレイ11から画像形成部14に対面する位置を経由して、中継装置20の搬送路R4に至る経路である。搬送路R2は、画像形成部14より下流側の分岐位置P1でフラップ13によって切り替えられることにより、搬送路R1から分岐してシート保持装置15に至る経路である。搬送路R3は、シート保持装置15から、画像形成部14より上流側の合流位置P2で搬送路R1に合流する経路である。
【0015】
ローラ対12bは、給紙トレイ11より搬送方向下流側で且つ合流位置P2より搬送方向上流側において、搬送路R1に配置されている。ローラ対12cは、合流位置P2より搬送方向下流側で且つ画像形成部14より搬送方向上流側において、搬送路R1に配置されている。ローラ対12dは、画像形成部14より搬送方向下流側で且つ分岐位置P1より搬送方向上流側において、搬送路R1に配置されている。ローラ対12eは、分岐位置P1より搬送方向下流側で且つシート保持装置15より搬送方向上流側において、搬送路R2に配置されている。ローラ対12fは、シート保持装置15より搬送方向下流側で且つ合流位置P2より搬送方向上流側において、搬送路R3に配置されている。ローラ対12gは、分岐位置P1より搬送方向下流側において、搬送路R1に配置されている。
【0016】
フラップ13は、分岐位置P1の近傍に配置されている。フラップ13は、モータの駆動力が伝達されて、第1状態と第2状態とに切替可能である。第1状態に切り替えられたフラップ13は、画像形成部14によって画像が形成されたシートMを、分岐位置P1から搬送路R2を経由してシート保持装置15に導く。第2状態に切り替えられたフラップ13は、画像形成部14によって画像が形成されたシートMを、搬送路R1を通じて中継装置20に導く。
【0017】
給紙トレイ11に収容されたシートMは、給紙ローラ12a及びローラ対12b、12cによって、搬送路R1を通じて画像形成部14に対面する位置まで搬送される。シートMの片面(表面)のみに画像を形成する片面モードの場合、フラップ13が第2状態に切り替えられる。これにより、片面に画像形成されたシートMはそのまま中継装置20に排紙される。また、シートMの両面(表面と裏面)に画像を形成する両面モードの場合、フラップ13が第1状態に切り替えられる。これにより、画像形成部14によって片面(裏面)に画像が形成されたシートMは、ローラ対12d、12eによって、搬送路R1、R2を通じてシート保持装置15に搬入される。
【0018】
また、シート保持装置15から搬出されたシートMは、ローラ対12f、12cによって、搬送路R3、R1を通じて合流位置P2を経由して表裏が反転された状態で画像形成部14に対面する位置まで搬送される。フラップ13が第1状態から第2状態に切り替えられ、画像形成部14によってもう一方の片面(表面)に画像が形成されたシートMは、ローラ対12d、12gによって、分岐位置P1を経由して、搬送路R4を通じて中継装置20に排出される。
【0019】
画像形成部14は、シートMにインクを吐出することによって、当該シートMに画像を形成するインクジェット方式を採用している。画像形成部14は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクを吐出する複数のヘッドモジュールを備える。そして、各ヘッドモジュールから所定のタイミングでインクを吐出することによって、画像形成部14に対面するシートMに画像が形成される。
【0020】
シート保持装置15は、搬送路R2から搬入したシートMを所定の時間が経過するまで保持し、その後に搬送路R3に搬出する。シート保持装置15に搬入されるシートMは、片面に画像が形成された後で、且つもう一方の片面に画像が形成される前である。そこで、シート保持装置15は、シートMに付着したインクが乾燥するまで、当該シートMを保持する。
【0021】
中継装置20は、画像形成装置10及び後処理装置30の間で、シートMを中継する。換言すれば、中継装置20は、画像形成装置10から排出されたシートMを後処理装置30に供給する。また、中継装置20は、シートMに付着したインクが乾燥するまで、当該シートMを保持し、乾燥後に後処理装置30に供給する。中継装置20は、搬送部21と、シート保持装置22と、ファン(乾燥部)23とを主に備える。
【0022】
搬送部21は、画像形成装置10から排出されたシートMを、中継装置20の内部に設けられた搬送路R4、R5に沿って搬送する。搬送部21は、搬送手段としての複数のローラ対21a、21bと、各ローラを駆動するモータとを有する。ローラ対21a、21bは、シートMを挟持して回転することによって、当該シートMを画像形成装置10から後処理装置30へ向かう搬送方向に搬送する。
【0023】
搬送路R4は、画像形成装置10の搬送路R1からシート保持装置22に至る経路である。搬送路R5は、シート保持装置22から後処理装置30の搬送路R6に至る経路である。ローラ対21aは、シート保持装置22より搬送方向上流側において、搬送路R4に配置されている。ローラ対21bは、シート保持装置22より搬送方向下流側において、搬送路R5に配置されている。そして、画像形成装置10から排出されたシートMは、ローラ対21aによって搬送路R4を通じてシート保持装置22に搬送される。シート保持装置22から搬出されたシートMは、ローラ対21bによって搬送路R5を通じて後処理装置30に搬送される。
【0024】
シート保持装置22は、搬送路R
4から搬送されたシートMを所定の時間が経過するまで保持し、その後に搬送路R
5に搬出する。シート保持装置15に搬送されたシートMは、画像形成装置10によって画像が形成された後である。そこで、乾燥部の乾燥手段としてのファン23は、シート保持装置22内で保持されたシートMに風(温風)を供給する(吹き付ける)ことによって、シートMに付着したインクをより早く乾燥させる。但し、乾燥部の具体例はファン23に限定されず、シート保持装置22内部全体又は保持されているシートMを加熱するヒータ等であってもよい。また、乾燥手段は、後述するシート保持筐体60(
図3参照)の内部に設けるようにしてもよいし、シート保持筐体60(
図3参照)の外部に設けて、シート保持筐体60を介してシートMを乾燥させるようにしてもよい。
【0025】
後処理装置30は、画像形成装置10によって画像が形成され、中継装置20によってインクを乾燥させたシートMに後処理手段によって後処理を施す。後処理とは、例えば、シートMにパンチ孔を開ける穴あけ処理、複数のシートMを束ねてシート端部を綴じる端部綴じ処理、複数のシートMを束ねてシート中央部を綴じる中綴じ処理、シートを折る折り処理、シートをジョブ(部)ごとに仕分ける仕分け処理などを指す。
図1に示すように、後処理装置30は、搬送部31と、後処理部32と、排紙トレイ33とを主に備える。
【0026】
搬送部31は、中継装置20から排出されたシートMを、後処理装置30の内部に設けられた搬送路R6、R7に沿って搬送する。搬送部31は、搬送手段としての複数のローラ対31a、31bと、各ローラを駆動するモータとで構成される。ローラ対31a、31bは、シートMを挟持して回転することによって、当該シートMを中継装置20から排紙トレイ33に向かう搬送方向に搬送する。
【0027】
搬送路R6は、中継装置20の搬送路R5から後処理部32に至る経路である。搬送路R7は、後処理部32から排紙トレイ33に至る経路である。ローラ対31aは、後処理部32より搬送方向上流側において、搬送路R6に配置されている。ローラ対31bは、後処理部32より搬送方向下流側において、搬送路R7に配置されている。そして、中継装置20から排出されたシートMは、ローラ対31aによって搬送路R6を通じて後処理部32に搬送される。後処理部32で後処理を施されたシートMは、ローラ対31bによって搬送路R7を通じて排紙トレイ33に排紙される。
【0028】
図2(A)は、画像形成装置10のハードウェア構成を示す図である。画像形成装置10は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)41、記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)42、記憶手段としてのROM(Read Only Memory)43、記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)44、及びインタフェースとしてのI/F45が通信手段としての共通バス46を介して接続されている構成を備える。CPU41、RAM42、ROM43、HDD44は、コントローラ40の一例である。
【0029】
CPU41は演算手段であり、画像形成装置10全体の動作を制御する。RAM42は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU41が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM43は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD44は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0030】
画像形成装置10は、ROM43に格納された制御用プログラム、HDD44などの記憶媒体からRAM42にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU41が備える演算機能によって処理する。その処理によって、画像形成装置10の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、画像形成装置10に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、画像形成装置10の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0031】
I/F45は、搬送部12、フラップ13、画像形成部14、及びシート保持装置15を、共通バス46に接続するインタフェースである。すなわち、コントローラ40は、I/F45を通じて、搬送部12、フラップ13、及びシート保持装置15のモータを駆動し、画像形成部14のヘッドモジュールにインクを吐出させる。
【0032】
図2(B)は、中継装置20のハードウェア構成を示す図である。中継装置20は、CPU51、RAM52、ROM53、及びHDD54で構成されるコントローラ50と、搬送部21、シート保持装置22、及びファン23が接続されるI/F55と、CPU51、RAM52、ROM53、HDD54、及びI/F55を接続する共通バス56とを備える。CPU51、RAM52、ROM53、HDD54、I/F55、及び共通バス56の構成は、画像形成装置10の各構成と共通する。
【0033】
また、図示は省略するが、後処理装置30も同様の構成を有する。そして、画像形成装置10、中継装置20、及び後処理装置30は、各々が独立したコントローラを搭載して、相互に連携しながら動作する。但し、画像形成システム1は、画像形成装置10、中継装置20、及び後処理装置30の動作を一括して制御するコントローラを備えてもよい。
【0034】
図3~
図5を参照して、シート保持装置22の詳細を説明する。
図3は、シート保持装置22の全体構成を示す図である。
図4は、シート保持装置22の搬送路R
4周辺の拡大図である。
図5は、シート保持装置22の搬送路R
5周辺の拡大図である。
図3~
図5に示すように、シート保持装置22は、シート保持筐体60と、複数の保持ローラ対(シート保持部)61、62、63、64と、保持筐体移動手段としての筐体モータ65と、搬入手段としての搬入モータ66と、搬出手段としての搬出モータ67と、搬入センサ68と、搬出センサ69とを主に備える。
【0035】
シート保持筐体60は、概ね円筒形状の外形を呈する。但し、外形の形状は、円形に限定されるものでなく、正方向や多角形の筒形状であってもよい。シート保持筐体60は、中継装置20のフレームに回転軸を中心として回転可能に支持されている。シート保持筐体60の外周面には、シートMを搬入及び搬出する為の厚み方向に貫通する複数のスリット60a、60b、60c、60dが形成されている。スリット60a~60dは、シート保持筐体60の円周方向に等間隔(第1実施形態では、90°間隔)に設けられている。スリット60a~60dは、搬送可能な最大幅及び最大厚さのシートMが通過可能な大きさ及び形状である。そして、シート保持筐体60は、スリット60a~60d以外にはほぼ外部から閉ざされた(塞がれた)状態となっている。
【0036】
シート保持部としての複数の保持ローラ対61、62、63、64は、所定の間隔を隔ててシート保持筐体60に回転可能に支持されている。より詳細には、保持ローラ対61~64は、シート保持筐体60の外周部(外周面より内側)において、等間隔(第1実施形態では、90°間隔)に配置されている。また、保持ローラ対61~64は、そのニップ部がスリット60a~60dに対向して隣接して設けられている。そして、保持ローラ対61~64は、対向するスリット60a~60dを通じて搬送されたシートMをシート保持筐体60内に搬入するとともに、シートMの搬入方向後端部を保持する。また、保持ローラ対61~64は、保持しているシートMを対向するスリット60a~60dを通じて搬出する。なお、シート保持筐体60には、複数の保持ローラ対61、62、63、64の搬入方向下流側に、搬入されたシートMが他のシートMと接触しないように図示しない仕切部材が設けられている。
【0037】
保持ローラ対61は、駆動ローラ61aと、従動ローラ61bとを有する。駆動ローラ61aは、搬送路R4と対向する位置に移動されたときに、搬入モータ66と駆動が連結される。また、駆動ローラ61aは、搬送路R5と対向する位置に移動されたときに、搬出モータ67と駆動が連結される。そして、駆動ローラ61aは、搬入モータ66或いは搬出モータ67の駆動力が伝達されて回動する。従動ローラ61bは、駆動ローラ61aの回転に伴って従動する。そして、駆動ローラ61a及び従動ローラ61bは、シートMを挟持して回転することによって、当該シートMを搬出入する。また、保持ローラ対61は、回転していない状態において、シートMを保持する。なお、保持ローラ対62~64は、保持ローラ対61と同様に、駆動ローラ62a、63a、64aと、従動ローラ62b、63b、64bとを有する。
【0038】
筐体モータ65は、回転軸を中心にしてシート保持筐体60を回転(自転)させる。より詳細には、筐体モータ65は、シート保持筐体60を一方向(第1実施形態では、
図3の反時計回り方向)のみに回転させる。また、シート保持筐体60に支持された保持ローラ対61~64は、シート保持筐体60と共に回転する。
【0039】
また、コントローラ50は、シート保持筐体60が90°間隔(すなわち、保持ローラ対61~64の設置間隔)で間欠回転するように、筐体モータ65を制御する。コントローラ50は、例えば、筐体モータ65に取り付けられたロータリエンコーダのパルス信号の数、或いはシート保持筐体60に取り付けられた角度センサの検知結果などに基づいて、シート保持筐体60の回転角度を特定することができる。
【0040】
より詳細には、筐体モータ65は、スリット60a~60dのうちの1つ(
図3では、スリット60a)が搬送路R
4に連通し、他の1つ(
図3では、スリット60c)が搬送路R
5に連通する位置に、シート保持筐体60を移動させる。保持ローラ対61は、スリット60aを通じて搬送路R
4(第1搬送路)に対面する。また、保持ローラ対63は、スリット60cを通じて搬送路R
5(第2搬送路)に対面する。そして、筐体モータ65は、複数の保持ローラ対61~64を1つずつ搬送路R
4に対面させるとともに、複数の保持ローラ対61~64を1つずつ搬送路R
5に対面させるように、シート保持筐体60を間欠回転させる。
【0041】
搬送路R4に対面する保持ローラ対61の駆動ローラ61aは、搬入モータ66によって回転されるように図示しない駆動連結機構を介して接続される。一方、搬送路R4に対面していない保持ローラ対62~64の駆動ローラ62a~64aは、搬入モータ66との接続が解除される。そして、保持ローラ対61は、搬入モータ66の駆動力が伝達されることによって、搬送路R4からスリット60aを通じて搬送されたシートMを挟持して、シート保持筐体60の内部に引き込む。このとき、搬送路R4上のシートMは、第1端部M1(搬入方向先端部)を先頭にして保持ローラ対61によって搬入される。
【0042】
また、搬送路R5に対面する保持ローラ対63の駆動ローラ63aは、搬出モータ67によって回転されるように図示しない駆動連結機構を介して接続される。一方、搬送路R5に対面していない保持ローラ対61、62、64の駆動ローラ61a、62a、64aは、搬出モータ67との接続が解除される。そして、保持ローラ対63は、搬出モータ67の駆動力が伝達されることによって、保持しているシートMをスリット60cを通じて搬送路R5に搬出する。このとき、保持ローラ対63に保持されているシートMは、第1端部M1と反対の(対向する)第2端部M2(搬入方向後端部)を先頭にして、搬送路R5に搬出される。
【0043】
すなわち、シートMは、第1端部M1を先端とし且つ第2端部M2を後端として、シート保持装置22に搬入される。また、シートMは、第2端部M2を先端とし且つ第1端部M1を後端として、シート保持装置22から搬出される。換言すれば、シート保持装置22は、搬送路R4から搬入されたシートMをスイッチバックして、搬送路R5に搬出する。さらに、シート保持装置22は、搬送路R4から搬入されたシートMの表裏を反転させて、搬送路R5に搬出する。
【0044】
図4に示すように、搬入センサ68は、シート保持装置22の近傍において、搬送路R
4の搬送方向下流側(出口近傍)に設置されている。より詳細には、搬入センサ68は、ローラ対21aより搬送路R
4の搬送方向下流側に配置されている。搬入センサ68は、設置位置を通過するシートMを検知し、検知結果を示す検知信号をコントローラ50に出力する。より詳細には、搬入センサ68は、シートMの先端が設置位置を通過したタイミングで検知信号の出力を開始し、シートMの後端が設置位置を通過したタイミングで検知信号の出力を停止する。コントローラ50は、この搬入センサ68の検知結果に基づいて、搬入モータ66の駆動を制御して、シートMの搬入を所定位置で停止させて保持させる。
【0045】
図5に示すように、搬出センサ69は、シート保持装置22の近傍において、搬送路R
5の搬送方向上流側(入口近傍)に設置されている。より詳細には、搬出センサ69は、ローラ対21bより搬送路R
5の搬送方向下流側に配置されている。搬出センサ69は、設置位置を通過するシートMを検知し、検知結果を示す検知信号をコントローラ50に出力する。より詳細には、搬出センサ69は、シートMの先端が設置位置を通過したタイミングで検知信号の出力を開始し、シートMの後端が設置位置を通過したタイミングで検知信号の出力を停止する。コントローラ50は、この搬出センサ69の検知結果に基づいて、搬出モータ67の駆動を制御して、搬出モータ67を停止させる。
【0046】
次に、
図6を参照して、コントローラ50によって制御されるシート保持装置22の動作を説明する。
図6は、シート保持処理のフローチャートである。以下、
図3に示すように、保持ローラ対61が搬送路R
4に対面し、保持ローラ対63が搬送路R
5に対面し、保持ローラ対62、63がシートMを保持し、保持ローラ対61、64がシートMを保持していない状態から、シート保持処理を説明する。
【0047】
まず、コントローラ50は、搬入処理(S601~S604)と、搬出処理(S605~S607)とを並列に実行する。搬入処理は、搬送路R4からシートMを搬入する処理である。搬出処理は、搬送路R5にシートMを搬出する処理である。但し、コントローラ50は、搬入処理と搬出処理とを順番に実行してもよい。この場合、搬入処理及び搬出処理は、どちらが先に実行されてもよい。または、搬入するシートMが無く、搬出するシートMしかない場合には、搬出処理のみ、搬出するシートMが無く、搬入するシートMしかない場合には、搬入処理のみを行うように実行してもよい。
【0048】
コントローラ50は、搬入処理において、ローラ対21aによって搬送路R4上を搬送されるシートMの先端(第1端部M1)が搬入センサ68に到達するまで(S601:No)、ステップS602以降の処理を待機する。
【0049】
次に、コントローラ50は、シートMの先端が搬入センサ68に到達したタイミングで(S601:Yes)、搬入モータ66の駆動を開始する(S602)。これにより、ローラ対21aによって搬送されてきたシートMが保持ローラ対61に挟持されて、シート保持筐体60の内部に引き込まれる。そして、コントローラ50は、シートMの後端(第2端部M2)がスリット60aを通過した(シートMの搬入方向後端部の所定位置が保持された)タイミングで(S603:Yes)、搬入モータ66の駆動を停止する(S604)。
【0050】
コントローラ50は、例えば、搬入センサ68による検知信号の出力が停止してから、搬入モータ66に取り付けられたロータリエンコーダのパルス信号の数が第1閾値に達したことによって、シートMの後端がスリット60aを通過したと判断できる。第1閾値は、搬入センサ68の設置位置からスリット60aまでの距離に対応する予め定められた数である。
【0051】
また、コントローラ50は、搬出処理において、筐体モータ65によって保持ローラ対63が搬送路R5に対向する位置に移動されてから所定のタイミングで、搬出モータ67の駆動を開始する(S605)。これにより、保持ローラ対63に保持されていたシートMは、第2端部M2を先頭にしてスリット60cから搬送路R5に搬出される。そして、コントローラ50は、シートMの後端(第1端部M1)が保持ローラ対63から抜けた後に(S606:Yes)、搬出モータ67の駆動を停止する(S607)。コントローラ50は、例えば、搬出センサ69から検知信号が停止(すなわち、シートMの後端が搬出センサ69の設置位置を通過)したことによって、シートMの後端が保持ローラ対63から抜けたと判断できる。
【0052】
また、コントローラ50は、搬送されてくるシートMの搬入処理及び搬入したシートMの搬出処理の両方又はどちらか一方のシートMの処理しかない場合に、そのシートMの処理が終了するまで、ステップS608の実行を待機する。そして、コントローラ50は、搬入処理及び搬出処理の両方又は一方が終了した場合に、筐体モータ65を駆動することによって、シート保持筐体60を
図3の反時計回り方向に90°回転させる(S608)。
【0053】
これにより、シートMを保持している保持ローラ対61、62が搬送路R5に近づき、シートMを保持していない保持ローラ対63、64が搬送路R4に近づくように、シート保持筐体60が回転する。換言すれば、筐体モータ65は、シートMを保持している保持ローラ対61、62を搬送路R5に対面する方向に移動させるとともに、シートMを保持していない保持ローラ対63、64を搬送路R4に対面する方向に移動させる。そして、コントローラ50は、スリット60dを通じて保持ローラ対64が搬送路R4に対面し、スリット60bを通じて保持ローラ対62が搬送路R5に対面する位置で、筐体モータ65を停止させる。そして、コントローラ50は、ステップS601以降の処理を再び実行する。
【0054】
第1実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0055】
第1実施形態に係るシート保持装置22は、保持ローラ対62でシートMを保持した状態で、保持ローラ対61、63に対するシートMの搬出入を実行することができる。これにより、シート保持装置22は、中継装置20のスループットの低下を抑制しつつ、必要な時間だけシートMを保持するができる。その結果、中継装置20は、適切に乾燥したシートMを後処理装置30に供給することができる。
【0056】
また、第1実施形態に係るシート保持装置22は、保持ローラ対61~64を、一方に回転させることによってシートMを搬入し、他方に回転させることによってシートMを搬出する。これにより、シート保持装置22は、シートMをスイッチバックすることができる。また、第1実施形態によれば、シート保持筐体60を一方向のみの回転としたので、コントローラ50による筐体モータ65の制御がシンプルになる。
【0057】
なお、保持ローラ対61~64(すなわち、シート保持部)の数は、4つに限定されない。但し、シート保持部の数は、3個以上であるのが望ましい。また、シート保持部は、偶数個で且つシート保持筐体60に等間隔に配置するのが望ましい。
【0058】
また、第1実施形態では、シートMが第1端部M1を先頭にしてシート保持装置22に搬入され、シートMが第2端部M2を先頭にしてシート保持装置22から搬出される例を説明した。しかしながら、シート保持装置22は、必ずしもシートMをスイッチバックさせなくてもよい。シート保持装置22がシートMをスイッチバックさせるか否かは、シート保持装置22と搬送路R4、R5との位置関係、及びスリット60a~60dと保持ローラ対61~64との位置関係によって変化する。
【0059】
また、
図3~
図5に示したシート保持装置22の構成は、画像形成装置10が備えるシート保持装置15にも適用することができる。この場合は、搬送路R
2が第1搬送路であり、搬送路R
3が第2搬送路となる。すなわち、シート保持装置と、第1搬送路及び第2搬送路とは、任意のレイアウトとすることができる。これにより、シートMの片面に付着したインクが確実に乾燥してから、当該シートMのもう一方の片面に画像を形成することができる。
【0060】
[第2実施形態]
また、シート保持装置15、22の具体的な構成は、
図3~
図5の例に限定されない。
図7は、第2実施形態に係るシート保持装置15の概略構成図である。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。第2実施形態に係るシート保持装置15は、シート保持筐体70の形状及び保持ローラ対71~74の配置が、第1実施形態と相違する。また、第2実施形態では、第1搬送路(搬送路R
2)及び第2搬送路(搬送路R
3)がシート保持装置15の同じ側に配置されている。
【0061】
第2実施形態に係るシート保持筐体70は、概ね直方体形状の箱型の外形を呈する。また、搬送路R2、R3に対面するシート保持筐体70の側面(以下、「対向面」と表記する。)には、複数のスリット70a、70b、70c、70dが形成されている。スリット70a~70dは、上下方向(シートMの厚さ方向)において、所定の間隔を隔てて形成されている。所定の間隔とは、上下方向における第1搬送路及び第2搬送路の間隔に対応する。
【0062】
第2実施形態に係る保持ローラ対71~74は、シート保持筐体70の内部(外周部)において、スリット70a~70dに対面して配置されている。すなわち、保持ローラ対71~74は、上下方向に所定の間隔を隔ててシート保持筐体70に支持されている。また、保持ローラ対71~74は、駆動ローラ71a、72a、73a、74aと、従動ローラ71b、72b、73b、74bとを有する。
【0063】
そして、第2実施形態に係る筐体モータ75は、シート保持筐体70を上下方向に往復移動させる。これにより、保持ローラ対71~74のうちの1つ(
図7では、保持ローラ対72)が搬送路R
2に対面し、他の1つ(
図7では、保持ローラ対71)が搬送路R
3に対面する。
【0064】
また、搬送路R2に対面する保持ローラ対72の駆動ローラ72aは、搬入モータ76の駆動力が伝達されることによって、搬送路R2上のシートMを搬入する向きに回転する。さらに、搬送路R3に対面する保持ローラ対71の駆動ローラ71aは、搬出モータ77の駆動力が伝達されることによって、保持しているシートMを搬送路R3に搬出する向きに回転する。なお、搬送路R3に対向する位置に保持ローラ対71を対面させているときに搬送路R2に対向する位置に保持ローラ対72が対面するのではなく、保持ローラ対73が対面してもよい。
【0065】
また、中継装置20は、シート保持装置22に代えて、シート保持装置15を有してもよい。その場合の中継装置20は、シート保持装置15から搬出されたシートMを搬送路R5によって反転させて後処理装置30に導くように、搬送路R5に反転部を有する。
【0066】
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果が期待できる。但し、第2実施形態に係るシート保持装置15は、第1実施形態に係るシート保持装置22と比較して、往復動に必要な時間だけスループットは低下する。また、第1実施形態に係るシート保持装置15は、第2実施形態に係るシート保持装置15と比較して、設置スペースを小さくすることができる。
【0067】
なお、第1実施形態に係る保持ローラ対61~64は、
図3~
図5に示すように、その全体がシート保持筐体60の内側に配置されている。しかしながら、シート保持筐体60と保持ローラ対61~64との位置関係は、前述の例に限定されない。
【0068】
以下、
図8及び
図9を参照して、シート保持筐体60と保持ローラ対61~64との位置関係の変形例を説明する。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。また、以下の説明では、シート保持筐体60と保持ローラ対61との位置関係について説明するが、シート保持筐体60と保持ローラ対62~64との位置関係についても同様である。
【0069】
[変形例1]
図8は、変形例1に係るシート保持装置22Aの搬送路R
4周辺の拡大図である。変形例1に係る保持ローラ対61は、ニップ部がシート保持筐体60の内側に位置し、保持ローラ対61の一部(駆動ローラ61aの一部)がシート保持筐体60の外側に出ている点で、第1実施形態と相違する。
【0070】
[変形例2]
図9は、変形例2に係るシート保持装置22Bの搬送路R
4周辺の拡大図である。変形例2に係る保持ローラ対61は、ニップ部がシート保持筐体60の外側に位置し、保持ローラ対61の一部(駆動ローラ61aの全体及び従動ローラ61bの一部)がシート保持筐体60の外側に出ている点で、第1実施形態と相違する。
【0071】
変形例2に係るシート保持装置22Bは、保持ローラ対61~64に挟まれたシートMがシート保持筐体60の外側表面近くに保持されて回転するために、スリット60a~60dを省略することができる。その一方で、搬送路R4、R5とシート保持筐体60の外側表面との間に、シートMを保持ローラ対61~64に進入させる隙間を設けておく必要がある。
【0072】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
20 中継装置
30 後処理装置
11 給紙トレイ
12,21,31 搬送部
12a 給紙ローラ
12b,12c,12d,12e,12f,12g,21a,21b,31a,31b ローラ対
13 フラップ
14 画像形成部
15,22 シート保持装置
23 ファン(乾燥部)
32 後処理部
33 排紙トレイ
40,50 コントローラ
41,51 CPU
42,52 RAM
43,53 ROM
44,54 HDD
45,55 I/F
46,56 共通バス
60,70 シート保持筐体
60a,60b,60c,60d,70a,70b,70c,70d スリット
61,62,63,64,71,72,73,74 保持ローラ対(シート保持部)
65,75 筐体モータ(保持筐体移動手段)
66,76 搬入モータ(搬入手段)
67,77 搬出モータ(搬出手段)
68 搬入センサ
69 搬出センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】